【ミリマス】P「翼が言うことを聞くようになる?」 (19)

注意事項

・Xbox360版アイドルマスターネタがあります

・キャラクター崩壊にご注意下さい

・呼称など公式に沿わない部分があります


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―――事務室

小鳥「プロデューサーさん、おつかれさまです」

P「どうかしたんですか? 小鳥さん」

小鳥「翼ちゃん、売れっ子になってきましたね。ランクⅮといったところでしょうか」

P「俄かに忙しくなってありがたいんですけど、少し調子に乗りやすくて、ヒヤヒヤするときがありますね」

小鳥「CMに起用されて人気が出ましたからね。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです!」

小鳥「そこで、耳寄りな情報を仕入れまして…お耳を」ゴニョゴニョ

P「えっ、本当にするんですか?」

小鳥「ふふっ、冗談です。本気にしちゃいました?」

P「冗談ですまないですよ! まさか」

P「事故に遭ったときに、翼に言葉を残す、なんて」

数日後――――

翼「もー、くたくたで歩けないですよ~、プロデューサーさーん!」

P「聞こえてるよ。もう少しで劇場だから」

現場が近かったため、歩いて帰ろうということになった。

翼「あっ、アイスの専門店! いいところで見つけちゃった~。アイスを食べたら元気が出るかも♪」

P「おいおい、走る元気があるじゃないか。まったく」

翼「プロデューサーさん、早く早く!」

こちらが横断歩道に差し掛かったところで振り向いた。

P「いま行くよ」

青信号―――だった、はず。

ブロロロロロ・・・

トラックが近づいていく。
胸騒ぎがして、駆け出した。

翼の名前を呼んだ。照らされた顔には、驚き。

翼が抱きついてきた時は、こんな感じだったか。
俺は、翼を軽く突き飛ばして。

刹那――衝撃が走った。

あの日から、いや、翼を担当すると決めたときから考えることはあった。

もし、翼から離れる日が来たら、なんて言おうか。

メモ帳に「翼へ」と書いてから、いままでありがとう、と続けて。

俺がいなくても、しっかりな。

迷惑かけてもいいけど、ほどほどに。

出会ってからずっと、楽しかった。

翼なら、きっと、トップアイドルになれる。

離れていても見守っているから。

―――なんて、書いては消して。


何でこんなことを今思い出す?

さん・・・プロデュー・・・さぁ・・・

翼「プロデューサーさん!」

遠くから声が聞こえたかと思うと、一気に鈍痛が走る。
意識が飛んでいたようだ。

翼が泣きながら、肩を掴んでいる。
周りも騒然としている。

P「翼、痛いところ、ないか?」

翼「プロデューサーさんが守ってくれたから、でも、救急車が、まだ」

P「なぁ、翼」

翼「なぁに?」

P「ごめんな。もう、続けられなくなって」

翼「何いってるの! まだ、これからだよ!?」

右腕は動かせなかった。左腕で、翼の頭に手を置く。

P「聞いてくれ。お願いだから」

翼は、少し落ち着きを取り戻して、頷いた。

P「周りの言うことをよく聞いて、しっかりな」

うん

P「迷惑かけてもいいから」

うん

P「きっと、トップアイドルになれるから」

うん

P「ずっと見守ってる」

うん

翼が涙をこらえて頷くのを、見ていた。

翼は可愛いな。どんなところでも、キラキラしている。
世界中にだって誇れる。俺の担当アイドルだぞ、って。

これから見られなくなるのは、イヤだな。

P「翼、楽しかった。ありがとう」

とりあえず、こんな、もんかな。
安心すると眠くなってきた。こんなに痛いのに。

翼「どうしたの? プロデューサー、返事して、へん…」

翼が異常を察知したのか顔を近づけてくる。
無理をして笑顔を作った泣き顔だった。

そこで、意識が途切れた

―――一病室

目を開けると、見たことのない天井と見慣れた顔があった。

翼「プロデューサー!」

P「ここは、病院か」

翼「お医者さん、呼んでくる!」

P「おい、翼」

行ってしまった。

その後、連れてきた医師から説明を聞くと、打撲で済んだようだ。

ショックもあるだろうから、と、一晩入院することになった。

P「死ぬかと思ったけど、結構頑丈なもんだな、いてて」

翼「無理しちゃだめだよ! どこか、行くの?」

P「劇場の事務室に連絡してくる。今日は戻れないから」

翼「歩くの辛くない? 大丈夫? 肩貸すよ」

P「ありがとう。休憩所まで一緒に行ってくれるか?」

翼「うん、しっかり掴まってね」

休憩所に着くと、翼は「売店で食べるものを買ってくる」と走っていった。
事務室に電話をかけると美咲さんが出た。

美咲「はい。765プロ、ってその声は!」

P「ご苦労様です、美咲さん」

美咲「…良かったー! 無事なんですね。心配しましたよぅ」

美咲「小鳥さんは事故に遭ったと聞いてから顔面蒼白で狼狽えてしまって、大変でした」

P「そういえば、小鳥さんは?」

美咲「あれ? そちらに向かって―――」

小鳥「プロデューサーさん!」

所在を聞き終わる前に、小鳥さんの声が聞こえた。

声のした方を振り向くと小鳥さんが駆け寄ってきた。
後ろから歩いてくるのは、社長だった。

小鳥「良かった、ホントに、良かったです…!」

小鳥さんは俺の両手を握ってきた。まだ右手が少し痛む。

小鳥「あの時、冗談めかして言ったのに、こんなことになってしまって…」

P「それは関係ないですよ。双方の不注意による、偶然の事故でした」

小鳥「でも、」

順二朗「音無君、それくらいにしておきなさい」

P「社長、こんなところまでわざわざ、ありがとうございます」

順二朗「頭を下げなくていい。音無君から電話がかかってきてね」

順二朗「何事かと思って来てみたが、命に別状がなくて安心したよ」

順二朗「君は我が社の大事な人材だ。アイドルのユニットを二人で考えるには欠かせないからね!」

P「社長…! 明日からまた、よろしくお願いします!」

順二朗「うんうん。いい返事だ」

翼「小鳥さんとプロデューサーさん、どうして手を握ってるの!?」

コンビニのロゴの入ったビニール袋を下げて、翼が戻ってきたようだ。

P「ああ、これはその、な」

小鳥「これは別にそういった…」

翼「そんなに近寄っちゃダメぇ!」

順二朗「君の周りはいつも賑やかだな。そろそろ帰ろうか、音無君」

P「そうだ。翼も一緒に帰るといい。夜も遅いし」

翼「え~! ダメだよ! プロデューサーさんの付き添いしないと!」

P「翼、親御さんが心配するだろう?」

翼「…わかりました」

P「明日また、劇場で会うんだ。そんな顔しないでくれ。な?」

翼「はぁい♪」

明日から楽しみにしていてね、と小声で耳打ちされた。
何のことかわからなかったが、今日は二人に翼のことを頼むとしよう。

P「小鳥さん、社長、翼を送るの、すみませんがお願いします」

順二朗「わかった。君も早く休みたまえよ」

P「はい」

三人の足音が遠ざかっていく。
チラチラと翼が振り返り、笑顔で手を振るたびに、俺も返した。

…それにしても、忙しい一日だった。
明日も朝は早い。病室に戻って休まむことにしよう。

翌朝―――

起床した。

体の調子はどうか。熱もだいぶ治まってきた。
痛みはまだあるものの、強打しない限りそこまで支障はなさそうだ。

昨日のことを落ち着いて考えると恥ずかしくなる。
しかし、これからも翼のアイドル活動を支えられるなら、些末なことだ。

よし、行こう。
みんなの待つ劇場へ。

今日はここまで。結構長くなる予定です。

書きためがないのと、明日からは仕事があるため更新は疎らになります。

気を抜くと美希と書きそうになります。ヤバイヤバイ。

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