【シャニマスSS】甘奈「プロデューサーさんと千雪さんの距離が近い……妙だな……」 (35)

甘奈「というわけで尾行してみようと思うんだけど」

甜花「どうしちゃったの、なーちゃん君?」

※コナンネタはスレタイだけ
※二番煎じ部分あり
※多分シリアス

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530794254

甘奈「プロデューサーさんって、いい人だよね」

甜花「うん……そうだね。甜花、いっぱい助けてもらってる」

甘奈「千雪さんもいい人だよね」

甜花「うん。優しいお母さんみたい……」

甜花「プロデューサーさんと千雪さん……似た者同士」

甘奈「! だよね、だよね! 甜花ちゃんもそう思うよね!」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんが夫婦みたい、って!」

甜花「ふぇ……?」

甜花(そこまでは、思ってない……)

甘奈「それでね、甜花ちゃん。甘奈、気がついちゃったんだ」

甘奈「プロデューサーさん、千雪さんにだけ接し方が違うことに……!」

甜花「接し方……? 口調とか、態度がってこと……?」

甘奈「そうそう! うーんと、そうだよね……」

甘奈「プロデューサーさんと食事に行く時、甜花ちゃんはどんなお店イメージするかな?」

甜花「よく分かんないけど……ちゃんとした所、かな」

甜花「仕事の時間の合間とかなら、ファミレスとかもありそう……」

甘奈「うん、そんな感じだよね」

甘奈「実際にこの前に甘奈と食事に行った時は、大人っぽくコーヒー飲んでたよ」

甜花「簡単に、イメージできる……」

甘奈「だからさ、これがプロデューサーさんの普通だと思うんだけど……」

甘奈「そうじゃない場面、見ちゃったんだ」

甜花「あ……それが、千雪さんと……?」

甘奈「さっすが甜花ちゃん、話が早い。それでなんとね……」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、牛丼屋さんから出てきたの!」

甜花「ぎゅ、牛丼屋さん……?」

甜花「……二人でそれは……イメージ、できない」

甘奈「驚くのはまだ早いよ、甜花ちゃん。この後がさらにスゴくて……」

甘奈「お店の外で、プロデューサーさんが千雪さんにね、『笑顔が見れたら十分だ』って」

甜花「……! それは……すごい」

甘奈「うん。たまたま聞こえちゃっただけだけど、びっくりしちゃった」

甜花「うん。甜花も……びっくり」

甘奈「それで甘奈、思ったんだ」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんは、気のおけない仲なんだな、って」

甘奈「プロデューサーさんが、甘奈達を牛丼屋さんに連れて行ってくれたり……」

甘奈「そういう口説きセリフっぽいことを言うのって、あんまり想像できないよね?」

甜花「それは……たしかに。なーちゃんの言いたい事、少し分かった……」

甜花(なーちゃんが偶然、極端なところを見ちゃっただけ……だとも思うけど……)

甘奈「それで、話の最初に戻るんだけど……」

甜花「尾行する、ってやつ……?」

甘奈「うん。ひょっとしたら、プロデューサーさと千雪さんの関係がわかっちゃうかも」

甜花「でも、どうするの……? 二人の予定がわからないと……」

甘奈「それは大丈夫だよ! 二人のオフが重なる日、バッチリ調べてあるから!」

甘奈「天気予報でも晴れの日だし、デートするならきっとこの日で間違い無しだよ!」

甜花「よく調べられたね……プロデューサーさんの予定……」

甘奈「葉月さんに聞いたら、教えてくれたよ?」

甜花「じゃあ、千雪さんの予定は……」

甘奈「そっちは普通に千雪さん本人に聞いたよー」

甜花「なーちゃん、用意がいいね……」

甜花(……尾行する、なんてなーちゃんらしくない気もするけど……)

甜花(……)

甜花「……なーちゃん。その日、甜花も行っていいかな?」

甘奈「んー! 絶好のデート日和だね、甜花ちゃん!」

甜花「うん、いい天気……」

甜花「だけど、なーちゃん。何で甜花だけこんなに重装備なの……?」

甜花「サングラス、フード、マスク、そのほか色々……」

甘奈「だって尾行するんだよ? そのままだったら絶対に気づかれちゃうって」

甘奈「甜花ちゃんが可愛すぎて!」

甜花「……」

甘奈「あ! もしかして、暑かったかな? えっと、甜花ちゃんが嫌ならやっぱり……」

甜花「ううん、大丈夫。ちょっと動きづらいけど……なーちゃん、楽しそうだから」

甜花「にへへ……」

甘奈「甜花ちゃん……!」

甘奈「うー、やっぱり甜花ちゃんって可愛いすぎかも……」

甜花「あ、プロデューサーさん来たよ」

甘奈「ホントだ! やっぱりココで待ち伏せしてて正解だったね」

甘奈「うんうん。さすがは定番の待ち合わせスポット」

甜花「なーちゃんも……さすが。七草さん情報だと……◯◯駅で買い物ってくらいしか無かったのに……」

甘奈「デートスポット色々と調べたからねー」

甜花「あ、千雪さんも来た……」

甘奈「!」



千雪「プロデューサーさん、おはようございます」

P「おはよう千雪。お、その服は初めて見るな。よく似合ってる」

千雪「ふふっ、ありがとうございます。プロデューサーさん」

千雪「……あ、ひょっとして待たせちゃいましたか?」

P「いや、俺も今来たばっかりだよ」

P「それに、まだ集合時間になってない。仮に待たせたとしても、千雪は悪くないさ」

甘奈「……本当に待ち合わせしてたんだ、プロデューサーさんと千雪さん」

甜花「なーちゃん?」

甘奈「あ、二人が歩き始めた! こっちの方向だと……最初はショッピングかな」

甘奈「追いかけよう、甜花ちゃん!」



P「……ふぅ、にしても今日は馬鹿に暑いな」

千雪「なんでも今年で最初の猛暑日になるそうですよ」

千雪「プロデューサーさん、こういう日もスーツなんですから」

P「半分仕事だからな。社長がもっとクールビズに積極的ならいいんだけど」

P「千雪が勤めてた雑貨屋は、その辺りどうだったんだ?」

千雪「ありませんでしたね。ふふふ、そもそも雑貨屋さんでスーツは着ませんから」

P「それもそうか」

千雪「でも代わりになるものはあるんですよ。今日も持って来ちゃいました」

千雪「はい、自家製の冷茶です。後でプロデューサーさんにも差し上げますね」

P「おお、ありがたい」

甜花(プロデューサーさん、しっかり道路側歩いてるね……)

甘奈「甜花ちゃん、二人の会話聞き取れる?」

甜花「それは駄目……楽しそうなことしか分からない……」

甘奈「会話が聞こえる距離まで、近づいてみよっか」

甜花「でも、これ以上近づくと……バレちゃいそう……」

甘奈「そ、そうだよね。プロデューサーさん、結構鋭いところあるし」

甜花「あ……二人がお店に入るみたい。なーちゃん……どうする?」

甜花「ここの中、あんまり広そうじゃないけど……」

甘奈「うーん、外から見張っとこっか」

甜花「……残念」



P「お、千雪。こっちの柄なんかどうだ」

千雪「わぁ! これなら、さっき見た奴と合わせて……」

P「うん、涼しげで良さそうだな。ステージ映えもしそうだ」

千雪「さすがプロデューサーさんですね。私、自分が着てる姿ってあまりイメージできなくて……」

千雪「やっぱりプロデューサーさんは、こういうのって勉強されてるんですか?」

P「ファッション誌とかは目を通すこと多いよ。勉強ってほど腰を据えてやってるわけじゃないけど」

P「まぁ、単純に本が好きなんだ」

P「それが雑誌くらいの物であれ、もっと重い読み物であれな」

千雪「プロデューサーさんの読書姿って、何だか簡単に想像できちゃいます」

千雪「そういえば、甘奈ちゃんも読書する方だって言ってましたね」

P「らしいな。この前のブックカフェの記事から、本屋慣れしてるのが伝わってきたよ」

P「思えば、俺が読書するようになったのも甘奈くらいの歳の時だったかな」

千雪「昔はそこまででも無かったんですか?」

P「自分の世界の狭さを自覚することがあってな。意識して読書するようになったのはそれからだ」

P「本がズラッと並んでると、ワクワクするのは昔からだったけど」

千雪「へぇ、そうなんですか。ふふふ……」

P「どうした千雪、急に笑い出して。なにか変なこと言っちゃったか」

千雪「いえいえ、そんなことはありません。ただ、甘奈ちゃんも同じようなことを言ってので……」

千雪「何だか微笑ましくなっちゃいました」

千雪「とっても素敵な事ですよね。新しい世界と出会えるのって」

P「む、いい感じにまとめられてしまったな。しかし、甘奈も同じこと言ってたのか……」

P「一緒に出かけることあったら、好きな本の話でもしてみようかな。今度は」

千雪「『今度』って、前があったんですか?」

P「ん? ああ。仕事用の服を一緒に買いに行ったことがあってな」

P「今日と似たような感じだ」

千雪「あらあら、プロデューサーさんも隅に置けないんですね」

P「千雪、からかわないでくれ。少し恥ずかしい」

千雪「ふふふ、すみません」

P「……あれ?」

千雪「どうかしましたか、プロデューサーさん」

P「いや、何でもないよ。次のお店行こうか」

千雪「? はい、分かりました」

P(チラッと見えた二人組……気のせいか?)

甜花(それから、2番目3番目のお店でそれぞれ1時間弱……)

甜花(結局……かれこれ2時間半くらい、楽しげな二人を見てた)

甜花(なーちゃん、最初の方は元気だったけど、段々と気分が落ちていって……)

甜花「……なーちゃん……大丈夫……?」

甘奈「……」

甘奈「……やっぱり、付き合ってるのかな」

甘奈「……そうだとしても、甘奈には……」

甜花(……? 甜花の声……聞こえてないみたい……)

甜花(ちょっとだけ……大きな声出した方がいいかな……よし……!)

甜花(なーちゃん!)

甜花(あ、あれ……? 声が……うまくでない……?)

甜花(それに……何だか急に、意識が……)

甜花(……朦朧、と……)

甘奈「? え、甜花ちゃん!?」

甘奈「……! 甜花ちゃん、顔が真っ赤だよ! こ、これって……!」

甜花(……あ、なーちゃん気づいてくれた……)

甜花(……そっか、今日はお外が暑かったから……)

甘奈「甜花ちゃん! 甜花ちゃん!?」

甜花(……熱中症、に……)

甘奈「甜花ちゃん!!」



あまな『あまなね、てんかちゃんがいればしあわせだよ』

てんか『てんかも、なーちゃんがいれば、たのしい……』

甜花(……昔の、会話……)

甜花(小さい頃は、ずっと二人で遊んでたっけ)

あまな『うん! あまなたち、ふたりでいればだいじょーぶだよね!』

甜花(甜花となーちゃん……二人、だけの……)

甘奈「甜花ちゃん!」

甜花(……! 意識が……飛ぶところだった……)

甜花(……実は半分くらい、飛んでたのかも……でも……)

甜花「なーちゃん……大丈夫……ちょっとフラッとしただけ……」

甘奈「無理しちゃダメ! 全然大丈夫に見えないよ……!」

甘奈「こういう時は……えっと……!」

甘奈「水分補給して……それから……! でも、その前に救急車を……」

P「落ち着け、甘奈」

甘奈「……! プ、プロデューサーさん!? どうして……」

P「担当アイドルの様子がおかしかったらすぐに気づくさ」

P「そんな事より甜花だ。千雪、水分補給の準備を頼む。甜花、俺におぶさることはできるか?」

千雪「は、はい。任されました……!」

甜花「うん……お願い……しましゅ……」

P「よし、移動するぞ。近くの公園に木陰とベンチがあったはずだ」

甜花「少し……元気になった。千雪さんのお茶……美味しかった……」

甜花「お礼を言いたいけど……二人とも、まだ戻ってこないね……」

P『俺と千雪で何か買ってくるから、二人とも安静にしててくれ』

甜花「……って、言ったっきり」

甘奈「うん……この辺りに無いのかな、薬局……」

甜花「……」

甘奈「……」

甜花「……なーちゃん、ごめんね。体調崩しちゃって……」

甘奈「謝らないでよ、甜花ちゃん。それ、甘奈のせいだよ……」

甜花「そんなことは……」

甘奈「そんなことあるよ」

甘奈「甘奈が甜花ちゃんに、暑い格好をさせたせい」

甘奈「それに気づかずに、ずっと連れ回してたせい」

甜花「……」

甘奈「ごめんね、ごめんね……! 甜花ちゃん……!」

甜花「……なーちゃん」

甘奈「甘奈、どうかしてた」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんのことが気になって、全然甜花ちゃんのこと見てあげられなかった」

甘奈「こんなの、甘奈らしくないよね……」

甘奈「……甜花ちゃん。動けるようになったら、二人にお礼を言って、今日は帰ろう?」

甘奈「帰って……明日からは、もう二人のことは気にしないようにする」

甘奈「それで、いつもの甘奈に戻るから……」

甘奈「だから……ごめんね……。ごめんね、甜花ちゃん……」

甜花「……駄目」

甜花「それは駄目だよ、なーちゃん」

甘奈「甜花ちゃん……?」

甜花「甜花ね……うまく言えないけど……帰ったら、駄目だと思う……」

甜花「二人だけの世界なら、寂しくないし、痛くもないけど……」

甜花「きっと、何か足りないと思う……」

甜花「だから、プロデューサーさんと……ちゃんと話さなきゃ……」

甘奈「でも、甘奈は……」

甜花「……喋ってたら……眠くなってきちゃった」

甜花「甜花、少しだけ眠るね……なーちゃん……」

甘奈「……甜花ちゃん……」

P「おーい甜花ー……っと、寝てるのか」

P「気を失ってるわけでは無いよな……?」

甘奈「うん。甜花ちゃん、気持ち良さそうに寝てる」

P「そうか。ならもう大丈夫そうだな」

P「これ飲んでおいてくれ、甘奈の分だ」

甘奈「スポーツ飲料……甘奈にも?」

P「甜花と一緒に行動してたんだろ? 甘奈も同じように熱中症になってる可能性は低くない」

甘奈「……うん、分かった」

P「そういえば、二人して何をしてたんだ? ずっと俺たちの後ろにいたよな」

甘奈「……!」

P「話したくないなら別に言わなくていい。悪いことをしてたわけじゃないだろうしな」

甘奈「……うん」

甘奈「……ううん。甘奈ね、悪いことしてたよ」

P「へ?」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんのことを尾行してた」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、とっても親密そうに見えたから」

P「……つまり話をまとめると、俺の接し方が千雪と自分達で違うのが気になった」

P「そういうことか?」

甘奈「……うん」

P「そうか。そうだよな。アイドルとプロデューサー……一応、上司と部下なわけだし」

P「人によって態度が変われば不安にもなるよな」

甘奈「あ、えっと、それもあるんだけど。それ以上に、その……」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、お付き合いしてたりするのかなって」

P「そんな風に見えてたか?」

甘奈「うん。二人とも凄くお似合いに見えちゃった」

甘奈「それで甘奈ね、凄く気になって、何故か不安になってきちゃって……」

甘奈「でも変だよね。よく考えたら、甘奈が不安になることなんて、何も無いのに……」

甘奈「何一つ無いのに。おかしい、よね」

P「おかしくなんてない」

P「甘奈は何も間違ってない。自分のことを変だと感じても、それは間違いなんかじゃない」

甘奈「プロデューサーさん……?」

P「甘奈。WINGを目指してた時のこと、思い出してみてくれないか?」

甘奈「WINGの時? えっと確か、あの時は……」

甘奈「……うん、甜花ちゃんのことで悩んでた」

甘奈「先に進んでいく甜花ちゃんを見て、置いて行かれるんじゃないかって……」

P「甘奈が今感じている不安も、その時に近いものは無いか?」

甘奈「……そう、なのかも」

甘奈「だけど何でなのかな……甜花ちゃんのこと、今は関係ないよ……」

P「それはきっと、甘奈にとって大切なものが増えたからだ」

P「千雪や俺のことを、大切に思ってくれてるんじゃないか。それが甜花ほどの物じゃ無くても」

P「……なんてこと、自分で言うと自惚れてるみたいで恥ずかしいけどな」

甘奈「それは……」

甘奈「……ううん、自惚れなんかじゃないよ」

甘奈「甘奈、プロデューサーさんのことも千雪さんのことも、とっても大切に思ってる」

甘奈「……そっか。これって、そういう不安だったんだね」

P「出会ったばかりの頃の甘奈なら、俺と千雪の関係なんて気にしなかったんじゃないか」

P「だけど、今はそうじゃない。そうじゃないように成長した」

P「そんな自分を認めてやればいい」

甘奈「……認める?」

P「そうだ。不安になったことも困惑したことも、自分の一部だと認めてあげるんだ」

P「今日の甘奈は、結果として誰かに迷惑をかけたかもしれない」

P「そんな自分のことを、らしくないと思ったかもしれない」

P「だけど、そこに悪意があったわけじゃないんだろ?」

P「だったらそれは間違いじゃない」

P「関係性や立場が変われば、その人への気持ちや接し方も変わってくる。それは俺も同じだ」

P「だからこそ、大切なのは真摯であることだと俺は思う。そうすれば、その時々の自分を認められる」

P「だから甘奈には信じて欲しい」

P「アイドルごとに接し方が変わったとしても、誰かを蔑ろにしたり贔屓したりはしない」

P「隠れて恋愛をしたりとかもしない」

P「みんなには常に真摯さと敬意を持って接する。これまでも、これからもな」

甘奈「……プロデューサーさん」

P「まぁ、甘奈を不安がらせたのは完全に俺の落ち度なんだけどな」

P「その部分は全面的に謝罪する。甘奈、本当に申しわけなかった」

甘奈「あ、謝らないでよプロデューサーさん! 甘奈が勝手に不安になっただけなんだから」

P「でも必要なことだ」

甘奈「……!」

甘奈「……甘奈も、もう一回甜花ちゃんに謝らないとね」

P「そうだな」

甘奈「……あ」

P「どうした? 俺の顔に何か付いてるか?」

甘奈「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」

甘奈「やっぱりプロデューサーさんは、大人だなって」

千雪「プロデューサーさーん!」

P「お、ちょうど良く千雪が戻ってきたな。甜花の方は……」

甜花「甜花も、完全復活……!」

甘奈「甜花ちゃん! 良かったよぉ~!」

甜花「実は……ちょっと前から起きてた……」

甜花「にへへ……」

千雪「あらあら、もうすっかり元気みたいね。安心しました」

甜花「千雪さん……ありがとう……」

千雪「ふふふ、どういたしまして」

P「よし。それじゃあ全員揃ったことだし、ここらのお店で遅めの昼食にするか」

千雪「いいですね。この四人でする食事なら、楽しいこと間違いなしですから」

P「ああ、そうだ。罪滅ぼしってわけじゃないが……甘奈、どこか希望はあるか?」

甘奈「え、甘奈!?」

甘奈「えーと、うーんと……あ」

P「何でもいいぞ。値が張る店でもドンと来いだ」

甘奈「ううん。甘奈ね、そういう高級なお店よりも……」

甘奈「……牛丼屋さん、行きたいな」

甘奈(昨日は、とーっても楽しかったな)

甘奈(甜花ちゃんがいて、千雪さんがいて、プロデューサーさんがいて)

甘奈(それだけで幸せな気持ちになるよ)

甘奈(……『関係性が変われば気持ちや接し方も変わる』、か)

甘奈(プロデューサーさんとの関係も、いつか変わったりするのかな)

甘奈(プロデューサーさんのことを、下の名前で読んだりするのかな……)

甘奈(そうじゃなくて、もっと先の呼び方をしてみたり……)

甘奈(……あ)

甘奈(そっか。そういうこと、考えちゃうんだ)

甘奈(やっと分かった。きっとプロデューサーさんのことを、甘奈は……)



甘奈(うん。それなら、今の甘奈にはやりたいことが一杯ある)

甘奈(プロデューサーさんと一緒にアイドルを頑張りたい)

甘奈(まだ知らないプロデューサーさんを見てみたい)

甘奈(その時に、自分が何を思うのかを確かめたい)

甘奈(よし、今日も頑張らないとね!)

甘奈(事務所に到着、っと☆)

甘奈(まずはしっかりとした挨拶からだよね)

甘奈「プロデュー……」

甘奈(あ、誰か先に挨拶してる。確かあの人はイルミネの……)

真乃「オハヨー! ボクは、ピーちゃんですゾ~」

真乃「ぽっぽるー」

甘奈「!」

P「……」

P「ぽぉっぽるぅ~!」

甘奈「!?」

終わりです。お目汚し失礼しました。

追加を思いついたので、あと2レス書きます

おまけ1

葉月「プロデューサーさん、聞きましたよ~」

P「聞いたって……何をですか?」

葉月「プロデューサーさんと、アルストロメリアの皆さんのお食事事情ですよ~」

葉月「千雪さんと牛丼を食べに行って、『笑顔が見れたから十分さ』なんて言ってみたり……」

葉月「対して、甘奈さんと食事に行けば、コーヒーだけ注文してクールに決めてたらしいじゃないですか」

P「ああ、そのことですか。別にやましい意図は無いですよ。まず千雪のことですが……」

P「Daを上げたかったんです」

葉月「へ? Da?」

P「甘奈のコーヒーも同じくですね」

P「Daを上げたかったんです」

葉月「???」

P「Daを上げたかったんです」

おまけ2

大崎母「甘奈ちゃんに好きな男の人が出来たなんて、ビックリだわ」

大崎母「あの甘奈ちゃんにねぇ……」

甜花「その……事務所の、プロデューサーさん……」

大崎母「あらあら、パパが聞いたら怒り狂いそうね」

甜花「うん。だから、パパにはまだ内緒……」

大崎母「それが良さそうね。ところで甜花ちゃん」

甜花「ん……何?」

大崎母「甜花ちゃんは、その人のこと……どう思ってるのかしら?」

大崎母「あなた達って、好きなもの似てたりするじゃない」

甜花「甜花……? うーん……」

甜花「甜花は……ハーレムもアリかなって」

大崎母「まぁ」

今度こそ終わりです。
真剣さ故に人は鳩になったりすると思います

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom