左衛門佐「みほよ 共に島田の里へ参るぞ」バジリスク (17)

第一部 西住兄「愛里寿どの 雨も上がり申した いそげば夜明け前には島田へ戻れましょう」
西住兄「愛里寿どの 雨も上がり申した いそげば夜明け前には島田へ戻れましょう」 - SSまとめ速報
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西住10人衆 島田10人衆
しほ × 千代 ×
西住兄 愛里寿
ダージリン× 沙織 ×
優花里× カチューシャ
みほ ミカ
エリカ× メグミ
左衛門佐 ナカジマ
まほ ルミ
小梅 麻子
おりょう アズミ

長年いがみ合い続けた西住と島田 しかし西住流 時期頭領 西住兄と 島田流次期頭領の島田愛里寿との祝言で和睦を迎えようとしていた
しかし駿府の大御所家康の名により戦車道協会は西住流と島田流の不戦の約定を解きどちらか勝った方を幕府お抱えの戦車道流として一族の繁栄を約束し 戦車道を嗜む者たち忍法争いの火蓋が切って落とされた

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千代の屋敷

ルミ「西住の娘 とりあえず塩倉に繋いでおいたわよ」

ミカ「ありがとう」

ミカ「西住兄の様子はどう?」

アズミ「愛里寿様のおかげでもちましてはつつがなく」

アズミ「逸見エリカの不在を問われたおりも ハンバーグを求め里に戻ったと伝えてあるわ」

カチューシャ「まぁ愛里寿様に無心の瞳を向けられて疑う男なんていないでしょうね」

ミカ「恋におぼれた愛里寿様の瞳がかえって相手を死地に追い込むとは皮肉なものだね」

メグミ「ミカ...これまでのことそろそろ愛里寿様に伝えるべきじゃない?」

カチューシャ「西住兄を破りえるのは愛里寿様だけよ!」

ミカ「まぁその辺は任せておいてよ」

東海道

左衛門佐「うむ...いい泥だな」山作り

みほ「この山にこの死体の顔を押し付けて」

左衛門佐「西住に戻る間も惜しい このまま島田に乗り込むぞ」

みほ「島田の里からお兄ちゃんを救い出せるのは私と左衛門佐さんをおいて他にいないからね」

みほ「でもいつ見ても見事だね その忍法」

左衛門佐(沙織)「にっ」

塩倉

カチューシャ「さぁいまから私がする質問に心して答えなさい」

カチューシャ「その返答によっては生きてここを出られないわよ」

カチューシャ「まずは西住まほ こいつは目が見えないらしいわね その忍法はどんなものなの?」人別帳広げ

おりょう「・・・・・・・」

カチューシャ「・・・・この小梅とかいうやつの技は?」

おりょう「・・・・・・」

カチューシャ「そしてアンタの術が知りたいわ」

カチューシャ「はぁ!!」塩の入った俵を割る

カチューシャ「まずは耳を削ごうかしら さらに右手..左手..そしてその無駄にでかい胸を断ち割ってしまおうかしら?」

カチューシャ「さぁ答えなさい」肩に触る

おりょう「にっ...」

カチューシャ「手、手が離れない!!」

カチューシャ「アンタ!!肌から血を!!」

おりょう「・・・・・・」だいしゅきホールド

おりょう「お望みどおり私の術をみせてやるぜよ....」

・・・・・・・

カチューシャ「・・・・・・・」ミイラ

おりょう「ふっ....」血を吐き出し

おりょう「それにしてもこの巻物はなんぜよ?」



千代の屋敷 表

左衛門佐(沙織)「(おりょうが物見に来てるはずだが....」

左衛門佐(沙織)「(無事でおれよ...おりょう)」

何処からか飛んでくる苦無

左衛門佐(沙織)「!?」

麻子「沙...織?」

左衛門佐(沙織)「み、みればわかるでしょ?(こいつは確か麻子..まさか見破られたか?)」

麻子「.....よかった 無事だったんだな..」抱き

左衛門佐(沙織)「当たり前じゃない(なるほどそういう仲か)」

麻子の蛇が左衛門佐(沙織)の指に噛みつく

左衛門佐(沙織)「痛っ!!」

麻子「ばかっ!やめろ!」蛇を投げ捨てる

左衛門佐(沙織)「(こいつまさか私をためしているのか? ならばこの場で[ピーーー]か!)」

麻子「あむ....」噛まれた指を舐め毒抜き

左衛門佐(沙織)「あ、ありがとう(気の回しすぎか)」

左衛門佐(沙織)「でもさっきの手荒な出迎えはびっくりしたよ
ヘビならともかく麻子までわたしを見誤るなんて」

麻子「すまない...駿府に行く前と髪型が違っていたから...」

左衛門佐(沙織)「そ、そうかな?」

麻子「きっと西住しほか秋山優花里の仕業だろ?」

左衛門佐(沙織)「だいたいそんな感じ..」

麻子「でも喜んでいいぞ 西住しほはおそらく死んだ」

左衛門佐(沙織)「そうなの?(ダージリンのお茶占いは当たっていたか...)」

麻子「そして秋山優花里は私がトドメをさしておいたぞ 何度も 何度もな」

左衛門佐(沙織)「そっか...流石麻子だね」


塩倉

おりょう「足音! とりあえず巻物は俵の間に隠して 捕まったふりを...」

メグミ「カチューシャいる?」

メグミ「ねぇここにカチューシャが来なかった?」

おりょう「[ピーーー]ぜよ...」

メグミ「どうやら全て白状したらしいわね」

おりょう「西住の女が 島田者に手篭めにされては生きていられんぜよ」

メグミ「え....」

メグミ「あのちびっこ前々からレズっ気はあると思ってたけどそういうことだったのね」

メグミ「さておりょう....私の方があなたを気持ちよく出来るわよ」抱き

おりょう「にっ....」

メグミ「うわっ!!」

おりょう「痛いぜよ?」

おりょう「体に蛭が千匹吸い付いてるみたいぜよ?」

おりょう「お前の血は一滴残らず吸い尽くしてやるぜよ」

メグミ「あぁぁぁぁぁ」下にさっきカチューシャがばら撒いた塩があり溶け始め

・・・・・・・・・・

愛里寿「それでどうしたの ミカ?」

ミカ「心して聞いて欲しいんだ」

ミカ「戦車道協会との間で交わされた 島田と西住の不戦の約定
駿府の大御所家康様の命により...解かれました」

愛里寿「・・・・・!?」

塩倉

メグミ「あぁぁぁぁ」ドロドロ

おりょう「うわっ!」

メグミ「あぁぁぁぁ」俵の隙間に逃げこみ

ガラッ

ルミ「カチューシャはいる?ミカが人別帖を持ってこいて」

おりょう「はぁぁぁぁぁぁぁ」小刀で斬りかかる

ルミ「こいつ!!」

・・・・・・・・

左衛門佐(沙織)「え?西住の女を一人捕らえてあるの?」

麻子「ああ、おりょうといってあの人別帳に名のある奴だ」

左衛門佐(沙織)「人別帖?」

麻子「なんだ?人別帖知らないのか?」

左衛門佐(沙織)「もちろん知ってるよ!! その者少し見ておきたいから案内してくれる?」

麻子「・・・・・・・・」むっ

左衛門佐(沙織)「少し聞きたいことがあるだけだから!」

塩倉

ルミ「捕まえた...」

おりょう「くっ...」

ルミ「これでおしまいね」

おりょう「・・・・・・」

ルミ「血を!?」

おりょう「(もっと肌を合わせないとダメぜよ!!)」

ルミ「妙な真似しちゃってさ」全身の体毛を棘にしておりょうを串刺しに

おりょう「あ.....ああ.....」



ルミ「[ピーーー]なって言われたけど仕方ないわね」

ルミ「人別帖に名のある奴だし どのみち生きては戻れない体」

ガチャ

左衛門佐(沙織)「・・・・・・」

おりょう「・・・・・・」

ルミ「ああ 沙織じゃない いつもどったの?」血だらけ

麻子「ルミ.....」

左衛門佐(沙織)「うん...いま戻ったところ 本当にちょっと前...」おりょうの前に座る

ルミ「どうしたの?」

左衛門佐(沙織) 「麻子の蛇に噛まれた 時の毒がちょっと残っててふらついただけだよ....」

ルミ「麻子 あんた沙織を毒牙にかけたの?痴話喧嘩?」

ルミ「もしかしてよそに別の女でも作った?」

左衛門佐(沙織)「・・・・・・」

麻子「・・・・・・」ギロッ

ルミ「じょ、冗談じゃない!そんなに睨まないで」

左衛門佐(沙織)「(おりょう.....おりょう....)」手を握る

おりょう「(左...衛.....門......佐)」

左衛門佐(沙織)「(.....すまない.....おりょう...ひとあし....おくれた)」

おりょう「(左...衛.....門......佐...左...衛.....門......佐
チビを.......ひとり....倒し....たぜよ....)」

左衛門佐(沙織)「(そうか....えらいぞ....よく....やった)」

おりょう「(.....た...たわ....らの...すきまに....あやしげ..な...まきもの.....が....)」

左衛門佐(沙織)「(こころえた.....)」

おりょう「(左...衛.....門......佐....あ.....)」バタッ

ルミ「そういえば 駿府では何があったの? 千代様はどうした?」

左衛門佐(沙織)「....それは愛里寿様に会うた後でなければ申せぬな....」

麻子「愛里寿様はなにやらミカと密談中だから今は...」

ルミ「あれはミカが愛里寿様を丸め込むのに四苦八苦してるだけよ」

ルミ「西住と島田の争いの火ぶたはとっくに切られたのに
愛里寿様は西住兄にのぼせあがっているのよね」

左衛門佐(沙織)「・・・・西住兄はまだ生かしているらしいね?」

ルミ「そこね ミカは西住兄を怖がりすぎてるのよ
だいたい私は西住兄の瞳術だってきっと大したことないって思ってる」

麻子「沙織大丈夫か?」

沙織「うん...」俵に横たわりおりょうが隠した人別帖を取る

ルミ「そうだ 人別帖だ カチューシャ探さないと」

メグミ「ルミ....ルミぃ....水を....」

ルミ「なにしてるの?メグミ」

ルミ「まぁいいや ほら水だよ」溶けたメグミを池に投げる

麻子「カチューシャ!!」俵の裏に隠したカチューシャの死体を見つけ

ルミ「どうした!!」

左衛門佐(沙織)「いまのうちじゃな....」

アズミ「まってください!愛里寿さま!」

愛里寿「西住の者塩倉に捕らえるなんて許せない...」

ミカ「聞き分けてくれないか?愛里寿様」

ミカ「それに今更後戻りなんてできないんだよ?」

愛里寿「あっ.......」

左衛門佐(沙織)「う.....」走ってきた愛里寿と目が合う

左衛門佐「ぐっ......」

ミカ「沙織!?」

麻子「さ、沙織....どうしたんだ?」

左衛門佐「くっ!」

麻子「沙織じゃない!!」

ルミ「お前....西住者か!!」髪を伸ばして捕らえようと

左衛門佐「・・・・・」塩をぶん投げる

ルミ「うっ....目に塩が!!」髪が暴走して麻子とがんじがらめに

麻子「うわっ!」

左衛門佐「ふっ!!」背負っていた鉈を愛里寿に投げる

愛里寿「あっ!!」

ミカ「!!」手で鉈を弾き 愛里寿が倒れる

ナカジマ「姫様!!」それを受け止めるナカジマ

左衛門佐「はっ!」人別帖を投げる

ミカ「ナカジマ!巻物を!」

ナカジマ「くっ....」

アズミ「メグミ!巻物を!」

メグミ「わかったわ!」

みほ「甘いよ....」 メグミの後ろの地面から出てきて人別帖を取る

ミカ「西住...みほ」

みほ「じゃあね」 人別帖片手に全裸で走り去る

ルミ「追え!追うんだ!」

・・・・・・・・

ルミ「逃げられたか....」

ミカ「ナカジマ 配下を集めて おそらく彼女たちが向かうのは西住兄がいる部屋だろうね」

ミカ「心しておいて命がけになるよ」

西住兄「・・・・・・・」人別帖を見て

ミカ「・・・・・・」

愛里寿「・・・・・・」

西住兄「みほ....左衛門佐....里に帰ろう」ザッ

ルミ「お前らかかれ!!」

ミカ「まってミカ!早まるんじゃない」

ルミ「なにをいまさら....」

モブが西住兄に斬りかかる

西住兄「・・・・・・」開眼

モブが斬り合い自滅

ルミ「こ、これが西住兄の...瞳術....」

ミカ「(ダメだ...このまま行かせては...)」

ミカ「(いまこの場で西住兄を討てるのはただひとり...)」

ナカジマ「待て!西住兄!」

みほ「小癪な....ミカの腰巾着め...」

ミカ「..........愛里寿様! いって」

愛里寿「え?え?」

ミカ「ナカジマと西住兄の間に割ってはいってそしてあなたの目で西住兄の目を見るんだ!」

ミカ「君も島田の里 頭領の娘ならこの一戦の持つ意味がわかるでしょ?」

ミカ「西住兄の瞳術あれは...奴に害意を抱いて術を仕掛ける者にのみ自滅を強いる 幻惑の技...」

ミカ「かろうじて奴を討てる見込みがあるのは...ナカジマただ一人....」


ナカジマ「ふん!!」鎌投げ

みほ「はっ!」

左衛門佐「ふんっ!」

ミカ「たとえ鎌は撃ち落とせても」

ナカジマ「ひゅるるるるるるる」

ミカ「ナカジマの作るかまいたちは振り払うことも撃ち落とすこともかなわない技だよ」

愛里寿「やめて...ナカジマやめて...」二人の間に割って入る

ナカジマ「姫様!」

ミカ「さぁ西住兄の目をみるんだ!奴の瞳術を破るのはあなたの目しかないんだ」

ナカジマ「ど、どいてください!姫様!!」

愛里寿「やめて!ナカジマ!」

ナカジマ「ダメだ...姫様の瞳は!目をそらさないと!」

西住兄「見よ ナカジマ....」開眼

ナカジマ「がっ!!」自分のかまいたちを顔に喰らう

愛里寿「あ....ナカジマ....」

ミカ「くっ....なんてことだ....」

西住兄「さぁ行こう」

みほ「・・・・・」にやぁ

左衛門佐「・・・・・」にやぁ

愛里寿「あ....ああ 西住兄様ぁ!!」

愛里寿「うう...西住兄様が...行っちゃったよぅ....」

愛里寿「うう...うぐっ...うう..う」

千代の屋敷

ミカ「それでナカジマのキズはどうなんだい?」

アズミ「かろうじて命はとりとめたものの...目が....」

ミカ「わかった しばらくナカジマの世話頼むよ」

アズミ「わかったわ」

ミカ「さて 愛里寿様...君のさきほど所行はまさに言語道断だよ」

ミカ「あなたが千代様の血筋でないならあれはまさしく裏切りの所行だよ」

愛里寿「許して...ミカ....」

ミカ「私たち十名のうち カチューシャは死に ナカジマは負傷してそしておそらく千代様や沙織も討たれたに違いないよ」

麻子「........」ぐっ

メグミ「それに人別帖まで奪われて...あれは命にかえても取り返さないと..」

ルミ「いいじゃない!思えば私たち一族はこの日の為に生きてきたようなものよ!」

ミカ「そして言うまでもないけど その修羅なる争いの真っ先に愛里寿様に立っていただかないとね」

ミカ「さぁ誓ってくれないか? 必ず君の手で西住兄を討つと」

愛里寿「少しだけ...時間をちょうだい...」

メグミ「愛里寿様.....」

ルミ「おい....ミカ」

ミカ「・・・・・・・」

・・・・・・・

ミカ「決心の程を聞かせてもらおうか」

愛里寿「・・・・・」

メグミ「なんですか?その壺は?」

愛里寿「いつか...お母様がこう言ったの」

千代「愛里寿...あなたは島田の里の頭領の娘でありながらついになんの忍法も身につけなかったわね」

愛里寿「・・・・・・・」

千代「ただ...その目のみ 生まれついての不思議な力を持っている だけどね」

千代「それは忍法ではない 私が教えたものではないの」

千代「愛里寿...私はその瞳が恐ろしいの」

千代「あなたのその目がこの島田の里の忍法を内から崩して 私たち島田一族を破滅に追い込むような気がしてならないの」

千代「もしそのような時が来たらあなたの目は災いの元 愛里寿その時にはこの七夜盲の秘薬を目蓋につけなさい...」

・・・・・・

ルミ「そ、それでどうなるんですか?」

ミカ「まさか....」

千代「そうすればあなたの目は七日七夜閉じて開かないって....」

ミカ「失礼するよ!!」愛里寿の顔をみる

ミカ「なんてことだろう...」

愛里寿「・・・・・」目蓋に秘薬が塗ってあり

愛里寿「私は島田の娘....」

愛里寿「ミカの言うこともよくわかるけど...私は西住兄さまとは争えない....」

愛里寿「争えないどころか...私はあなた達の術を破りかねない...それが怖いの...」

ミカ「・・・・・・」

モブ「ミカ様!文箱が大門の前に!」

西住10人衆 島田10人衆
しほ × 千代 ×
西住兄 愛里寿
ダージリン× 沙織 ×
優花里× カチューシャ ×
みほ ミカ
エリカ× メグミ
左衛門佐 ナカジマ
まほ ルミ
小梅 麻子
おりょう × アズミ

ルミ「人別帖を返してくるなんてどういうつもり?血迷ったの?」

メグミ「ナカジマの名前を見て消されてないわ」

メグミ「アイツあの傷でもナカジマが死なないと踏んだ...血迷うどころか極めて冷徹ね」

ルミ「それならなんでこの大切な秘帖をわざわざ...」

アズミ「ミカそれは?」

ミカ「西住兄からの果たし状だね」

西住兄「戦車道協会との約定 両門不戦の戒めは解かれた」

西住兄「されど余はたたかいを好まず またなんの為にたたかうかをしらず」

西住兄「されば余はただちに駿府にゆきて」

西住兄「大御所 または戦車道協会にその心を聞かんと思う」

西住兄「あえて人別帖を返すはそのためなり」

西住兄「同行する者は余以下 西住みほ 左衛門佐 西住まほ 赤星小梅の五人」

西住兄「ゆえになんじら西住の里に来たるといえども余らすでに東海道にあり」

西住兄「血迷うて西住の者を殺傷するときは」

西住兄「また島田の者に全滅の天命くだるとしれ」

西住兄「余はあえてたたかいを好まざるも なんじらの追撃を避けるものにあらず」

西住兄「なんじらいまだに七人の名を残す 駿府の城門にいたるまで西住の五人 島田の七人 忍法死争の旅たるも また快ならずや」

西住兄「なんじら余をおそるることなくんば 鞭をあげ急ぎ東海道にへ来たれ」

ルミ「ミカ!!」

ミカ「追うよ 今すぐにね」

翌日 東海道 水口付近

まほ「・・・・・・・追っ手はなしか」

みほ「用心深いね お姉ちゃん」

みほ「多分島田者でも西住の里を抜けてはこれないよ」

まほ「だろうな おそらくむこうは島田路を抜けてくるだろうな
駿府までは先は長い さてどの辺りで奴らと鉢合うか」

みほ「なまぬるいよ いくさは先手必勝なのに」

みほ「私は一人離れて島田組を探し出して仕掛けてみようと思うんだけどどうかな?」

まほ「・・・・・・」

みほ「ただ気がかりなのはお兄ちゃんだよね やる気あるのかな?」

みほ「だいたいなんで人別帖を敵に返しちゃったんだろう」

みほ「そもそも島田と西住が争う理由をただしに駿府へいくなんて....」

みほ「四百年の宿敵と闘うのに何の理由がいるの? それに聞きに行くなら島田の奴らを全滅させてからでもいいでしょ?」

まほ「・・・弟が人別帖を島田に返したのは 敵がかならずそれを持って追って来ると確信があったからだろう」

みほ「あの果たし状ね」

まほ「あの果たし状を目にして追ってこない島田の者はこの世にはいないだろう」

まほ「追って来る 島田者をすべて討ち果たして最後に秘帖を取り返せばそれで文句はないだろう?」

みほ「お兄ちゃんは島田の愛里寿を討つ決心はあるのかな?」

まほ「あると.....おもう」

・・・・・・・

西住兄「さきほどからみほの姿が見えぬが...いかがいたした?」

まほ「さぁ? みほめ またどこかへ溶け込んでいるな」

左衛門佐「(みほの奴抜け駆けしおったな)」

・・・・・・

ミカ「ルミと麻子先行して西住組を見つけ次第知らせて」

ミカ「ただ決して無理はダメだよ?」

・・・・・・・・

ルミ「ミカめ....この私を見くびって....」

第二部 完 左衛門佐「こうゆるりとした旅はどうも慣れぬな..」に続く

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