?【ウマ娘】ウマっ娘(小)話 (95)

ゲーム出るの冬かあ…。
ウマ娘ロスが酷く、皆さんの二次創作物を楽しく拝見させて頂いている物の、まだまだ飢えが凌げないのでツラツラと妄想をSSにまとめてみる事にしました。


・12R~EXの合間のお話
・競馬成分少な目
・ややキャラ崩壊気味
・何番せんじ感


では、よろしくお願い致します。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530539277


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<ボテ腹伝説>



イナリワン (ここトレセン学園は、トウィンクルシリーズを夢見るウマ娘たちのいわば登竜門であり、育成機関!)

スーパークリーク (私達はレースを競いあい、勝ち取ったウイニングライブで華やかなライブを披露するために、学園生活を通じて日々切磋琢磨しています)

タマモクロス (いわば全てのクラスメイトがライバルであり、同じ釜の飯を食う戦友ちゅう訳や)

イナリワン (そりゃあ同期の桜ともなれば、格別の思い入れも出てくる)

スーパークリーク(最初は孤高の存在と思っていたオグリちゃんも、ちょっと不器用で口下手なだけの優しい良い子。今では私たち4人すっかり仲良くなりました)

オグリ (…)モグモグ

イナリワン (ようやく大食いを恥ずかしがらなくなったのは良いけど、連れてこっちまでつい食べ過ぎちまうのが難だけどな?)

タマモクロス (そんな中、平和な食堂での一時にそっと忍び寄る一つの影があったんや…)


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--トレセン学園 食堂内?


イナリワン 「…お、おい後ろ!またあのコが来たぞ?」

スーパークリーク「リターンマッチ?リターンマッチですのね?!」


カツ、カツ、カツ…


タマモクロス 「…黄金世代と呼ばれる並みいる同期との数々の死闘を経て」

スーパークリーク「ついには世界の強豪ブロワイエをも打ち倒した日本総大将…」

イナリワン 「…本当の敵は、諦めだ。スペシャルウィーク、逆襲のラン!」



タマモクロス 「そんなアイツが狙いを定めたのが…」

イナリワン 「我らがアイドル。芦毛の怪物、オグリキャップ!」


オグリ 「…///」カアアッ


スーパークリーク「そこで照れちゃうんですよねえ」ウフフ


スペ 「…」カチャ…ッ…


タマモクロス 「たかが食器置くだけで何凄みのある音立てとんねん…って、相変わらずオグリに負けず劣らず量多っ?!」


オグリ 「!…」ガチャ…ッ…


タマモクロス 「いやお前は対抗して食器置き直さんでええから」


スーパークリーク「そしてお互い鋭い視線をぶつけあっています!」

イナリワン 「早くも熱い火花がバチバチと音を立てているかのようだぜぃっ!!」


スペ 「…!」フッ…

オグリ 「…!」フッ…


タマモクロス 「ドヤ顔で通じ合うの止めえや」

スーパークリーク「今の邂逅で一体お互いの何が解ったというのでしょうか?!」

イナリワン 「ここで熱いエールのやり取りでもおっ始めようってのかい?え?ええっ?!」


オグリ 「…」モグモグ

スペ 「…」ムグムグ


イナリワン 「そして何のやり取りもなく黙って食い始めるんかいっ!!」タハーッ!!

スーパークリーク「この世の全ての食材に、それに関わる全ての人に、感謝を込めて頂きます!…要約するとそんな感じだったみたいですね!!」

タマモクロス 「どこぞの美食屋か?!」



オグリ 「…!」ガツガツ

スペ 「…!」バクバク


イナリワン 「ものスゴい集中力で飯の山を減らして行きやがるっ!」


カチャッ…


オグリ 「…」ゴチソウサマデシタ

スペ 「…」キョウモオイシカッタデス


スーパークリーク「両者共に一礼!ほぼ同時に食べ終わったようです」

イナリワン 「オグリは一見表情が変わらないように見えるな」

タマモクロス 「対するスペシャルウィークの方は悔しそうな表情を浮かべとる…」



オグリ 「…今日も、良い勝負だった…」ニコッ

スペ 「ありがとうございます…でも、明日はこうはいきませんよ?」ニコッ


スーパークリーク「おおっと、両者初めて会話を交わしました。感動的ですねえ…でもあの二人、一体何と戦ってるんでしょうか…」

イナリワン 「量なんだか速さなんだか、勝敗基準がさっぱり分からんからな…」

タマモクロス 「何はともあれ、まずはそのボテ腹を何とかせえよ」


オグリ 「望むところだ…ダービーよりも」

スペ 「負けられない闘いが、」

ボテ腹ズ 「「ここ(食堂)にはあるッ!!」」カッ!


ガッターン!


キングヘイロー「本末転倒ですわ?!」

パサー 「ミー達のアイデンティティがクライシスデース?!」

グラス 「…!(やだスペちゃんカッコ可愛いい…!)」

セイウンスカイ 「ち、ちょっと?何か蒼いの出ちゃってるんだけど?!」

ウララ 「…うんっ。よく分かんないけど、熱いライバル関係だねっ!」


スーパークリーク「…ビックリしましたー」

イナリワン 「で、アンタらは柱の影でこそこそ何しとんの?」

セイウンスカイ 「あ、あははー…ついに見つかっちゃった」

グラス 「あのー…私たちがご飯を食べていると、いつの頃からか後でオグリキャップ先輩もご飯を食べている事が多くなって…」

パサー 「それがどうしても気になって仕方がないスペちゃんが、今度は私が!って逆にオグリ先輩の後を取るようになったんデース!」

キングヘイロー「でもヘタに先輩を怒らせてしまってはどうにも良くありませんから、心配なので私たちも後から見守る事にしたのです」


タマモクロス 「おいおい、全ての元凶はオグリってか…今の話、間違いは無いんやな?!」

オグリ 「…」コクコク

スーパークリーク「フムフム…一緒にいると気分良く食が進むから?なるほどねえ…」


イナリワン 「無っ器用な奴らだな?お前ら。それなら互いの仲間に声かけて、皆で一緒にメシ食えば良かっただけの話じゃねーか!なあ?」

ウララ 「うんっ私もそう思ってた!スペちゃん?皆で食べるご飯はきっともっと美味しいよっ!!」


オグリ 「…!!」…ハッ!

スペ 「…!!」…ハッ!


タマモクロス 「今気がつきましたって顔すんな!お前ら二人とも友達付き合い下手か?!」


オグリ 「…」コクコク

スペ 「…」コクコク


タマモクロス 「はぁ…だからな?もう今度から皆で一緒に食べよーや」


オグリ 「…///」テレテレ

スペ 「…///」テレテレ


タマモクロス 「仲良しかっ!!」



おしまい。


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こんな感じで書いていきます。
今回はここまで。
また同じ頃合いに書き貯めた一本を上げさせてもらいます。

今日はAパート。行きます。


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<ゴールドシップはいつも通り>


--とあるレース場の観客席


マックイーン 「さあっ!今日は渡米準備で留守中のトレーナーとスズカさんの分までゴールドシップを応援しますわよーっ?!」

スピカ 「「「「おーーーッ!!!!」」」」

テイオー「…あれ?何かゲートの付近が騒がしいけど…」



--とあるレース場の実況席


解説 「ゲートに入らないみたいウマ娘がいるみたいですね。あれは…ゴールドシップでしょうか?」

実況 「係員が数人掛りで押し込もうとしているようですが…全く動きがありません!」




--とあるレース場の観客席


スカーレット 「何だかボーッとしてるわね…」

ウオッカ「あ、やっと入った」

マックイーン 「一体何をやってるんですの…」




--とあるレース場の実況席


解説 「ようやく全ウマ娘がゲートに入りました!」


バシャッ!ヒャッハーッ!!


実況 「アッー…???!!!」

解説 「な、何と一番人気のゴールドシップ、スタートと同時に派手に伸び上がり?!大きく出遅れましたーーーっ!!」



--とあるレース場の観客席


スピカ 「「「「!!… … … 」」」」アングリ

観客 「!!… … … … 」アングリ



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--チーム スピカ 部室内?


テイオー「…で、やっぱ大負けしちゃったねー?」

マックイーン 「バッカじゃないですのっ?!バッカじゃないですのっ?!」ギリイッ!ギリイッ!!

ゴルシ 「ギブギフギブイヤまじで本気で荷重かけたキャメルクラッチだけは止めて体がブロッケンしちゃうーっ!」パンパンパンッ!

スカーレット 「やっぱメジロのお嬢様は伊達じゃないわねー」ツヨイワーコワイワー

ウオッカ「…(罰として危険技が掛けられると分かっているのに、なぜゴルシ先輩はいつもスゴスゴと技に掛かられに行くのだろう…)」



スペ 「スタート前からゲート入りを嫌がってましたよね?何か心配事でもあったんですか?」

ゴルシ 「あ?あぁ。別に嫌がってねーし、心配事も無え。悪かったな…ちと考え事してただけだって」イテテ

テイオー「考え事って?」

ゴルシ 「いやあ…。ここ最近、スピカにいるのがスゴく良いなあって思ってさ」フッ…

マックイーン 「き!…急に何を言い出しますの?そんな話で誤魔化されませんわよっ!」トゥンク…


ゴルシ 「だってさあ、チーム人数足らないからトウィンクルシリーズ参加出来ないって言われてたリギルがだよ?」

スカーレット 「そうそう。最初はゴールドシップ先輩しかいなかったもんねー…」シミジミ

ゴルシ 「いつの間にか愉快な仲間が出揃ってさあ…」

ウオッカ「ほんと、随分と賑やかになったよなあ…」シミジミ

ゴルシ 「いや。賑やかな要因の7割以上はお前ら二人のせいだからな?まあ、それはともかく…」



ゴルシ 「その日の状況で敵にも味方にもなる観客席の中に、必ず自分を応援してくれる仲間がいる…これって本当にスゴい事なんだぜ?」

スペ 「…ハイッ!私にとってのニンジンは、いつだってスピカの皆さんでしたから!!」グスッ

ゴルシ 「だから、普段のトレーニングだって楽しくって仕方ねー。お前たちとなら、どんな猛特訓だって付き合ってやるぜ?!」

テイオー「…そうだよね。時々よく分かんないメニュー組むけど、何だかんだ言いながらいつも最後まで付き合ってくれるもんねっ!」ヘヘッ

ゴルシ 「おうよっ!今じゃレースより、次どんな面白トレーニングをするかを考えるのが楽しくってさ?ついヒャッハーしちまった!!」アハハー








スピカ 「「「「………ん?」」」」


マックイーン 「本末転倒ですわ?!」メジロッ

スカーレット 「私たちのアイデンティティがクライシス帝国?!」ウマピョイッ!

ウオッカ「え、てつを?!」ギリッユルザンッ!

テイオー「ダメだこいつ早く何とかしないと!」メチャクチャヤバイー

スペ 「テイオーちゃん言い方ァ!!」スペッ


ガシイッ!


マックイーン 「バッカじゃないですのっ?!バッカじゃないですのっ?!」ズドンッ!ズドンッ!!

ゴルシ 「ギブギブイヤまじでキン肉ドライバーの連続掛けは止めて頭がブロッケン伯爵しちゃうーっ!」ノーッノーッ!


スペ 「マックイーンちゃんストップ!白目剥いて舌が出ちゃってるよっ?!」

スカーレット 「それって、いつものゴールドシップ先輩じゃない」

ウオッカ「…今のなんか明らかに協力しないと出来ないのに、どうしてゴルシ先輩は自ら技を掛けられに行くのだろう…」

テイオー「そんなのどうでもいいから早く二人とも止めてってばー!!」




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ゴルシ 「…なあマックイーン?悪かったって。いつまでも怒ってないで、もう帰ろうぜ?皆も帰っちまったし、いい加減機嫌直せよー」

マックイーン 「直る訳無いじゃない!大体あなたと来たら、いっつもふざけてばかりで。この前だって…!!」

ゴルシ 「そう言うなよー…ちゃんと勝つ時は、きちんと勝ってるだろー?」

マックイーン 「ちゃんとなもんですかっ!たまに勝ったと思ったら、舌出しながらふざけるわ、最後の最後まで本気は出さないわ!!」

ゴルシ 「あんまり余裕で勝っちまうと、記者さんが何も書く事無くなっちまうだろ?だから話題作りのためにも…」

マックイーン 「…その言葉、走りたくても走れずに泣いているウマ娘の前で言えるんですの…?」

ゴルシ 「ま…マックイーン?お、おい…」

マックイーン 「グラスさんや…スズカさんの前で、そのふざけた言葉を口に出す事があなたには出来るんですのっ?!」ポロッ…


ゴルシ 「?!」

マックイーン 「言えないですわよね?いいえ…言う事を想定すらしていないでしょう、本当は心優しいあなたがっ!!」

ゴルシ 「…マックイーン…お前…」

マックイーン 「わたっ…私は、本当は悔しいんですっ!さっきテイオーが言ってた通り、あなたは何だかんだ言いながら誰よりも長くスピカの練習に付き合っています!!」ポロポロ…

ゴルシ 「…」

マックイーン 「皆が何と言っているかあなたは知ってるんですのっ?!稀代の癖ウマ娘、走らせてみないと分からない、だってゴルシだもん、散々なものなんですよっ!!」エッグエッグ…

ゴルシ 「…知ってるけど、さ…」

マックイーン 「本当は誰よりも優しくて…誰よりも強い…なのに、なぜ、肝心の勝負事からは…ふざけて逃げるのですかっ?!」ボロボロ…

ゴルシ 「あ、あー…ご、ごめんなマックイーン?ま、まさか泣かせちまうとは…」オロオロ

マックイーン 「!!…あ、謝るのはそこじゃないですわっ!だ、たからっ…あなたって人は…っ…!!」ダッ!


バタンッ!パタパタパタ…



ゴルシ 「………はあーっ………」ポリポリ



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--とあるレース場の観客席


スカーレット 「…ゴールドシップ先輩、四番人気ですって」

ウオッカ「何だってこんな強豪だらけのレースに参戦したんです?」

トレーナー 「仕方ないだろう。手っ取り早く参戦できるレースを望んでいたのは、他でもないゴルシ自身なんだからさ」

スペ 「前のレースの疲れも残ってそうだし、その割には相変わらず皆の練習全てに付き合ってくれてたし、心配です…」

テイオー「…そりゃ同じスピカとしては応援するよ?だけど観客の立場からしたら、やらかしちゃう可能性のあるウマ娘を応援する気には中々ならないだろうし、ねー…」


マックイーン 「……」


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--とあるレース場のコース上


ゴルシ 「…だってしょうがないじゃん。あれからマックイーン、ロクに口も聞いてくれないし、レースで勝って良いとこ見せないとどうしようも無いみたいだし…」チラッ

ゴルシ 「かと言って、強豪強豪言うけどさ。こう何て言うの?闘争心を煽られるような敵もまたいないんだよなあ…」ウーン

ゴルシ 「そんな事言ってる場合じゃないのは充分解ってるんだよ?マックイーンを泣かせちゃったんだ、ここで本気を出さないとヤバいなんてもんじゃないっ!」グッ!

ゴルシ 「でもなあ…そもそも一緒に走りたい奴はとっくにスピカに引きずり込んじまってるし、せめてリギルの連中でもいれば多少のヤル気も出るんだけどなあ…」ハアーッ…


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--とあるレース場の観客席


テイオー「何か百面相してる…ぱかチューブかな?」

ウオッカ「まあそれでも、普段に較べたら落ち着いてる…って言えるのか?」

トレーナー 「ありゃあ、覇気が無いって言うんだよ」

マックイーン 「…~っ!(あの時はついカッとなって、その後はつい意地を張って冷たくしてしまいましたが…早く謝っておくべきでしたわっ…)」ハラハラ

スペ 「…マックイーンちゃん…大丈夫?」ソッ…

マックイーン 「!…心配してくれて、ありがとう…。大丈夫ですわ」ニコッ…


ザワアッ…?!


スカーレット 「…え?え?な、何なの?!」


??? 「話は全て聞かせてもらったわ…主にスペちゃんからっ!」 ザシャアッ!

ウオッカ「あっ、あなたは?!」タケー!


スカーレット 「わざわざ観客席の上の方から登場して、そのままジャンプしたわよっ?!」

トレーナー「おいコラ、無茶すんなっての!」


ザンッ!


スズカ 「ここに集結。スズカでした!」ドヤアッ!


スペ 「ど、どうしよう…スズカさんがどこか遠くの人になっちゃったみたいで」オロオロ

テイオー「安心しなよスペちゃん?むしろグッと近付いてるから」ヨシヨシ

スカーレット 「…そっかー、これがやりたいがためだけにわざと遅れて来たんだー」

ウオッカ「クールなスズカ先輩が、すっかりスピカ色に染まっちゃって…」


ザワザワ…


スカーレット 「うー…皆が見てるじゃない?!恥ずかしいわよぅ…///」

スズカ 「気にする事は何もないわ!ここは、安心して私に任せてっ?!」ビシイッ!

ウオッカ「そりゃスズカ先輩は気にならないでしょうよ!当事者ですもんねっ?!」

テイオー「早くスズカを止めないとっ…アレ?トレーナーは?」

スペ 「スピカの新人勧誘だって、若いウマ娘のピチピチの太腿を撫で回すお仕事に向かいましたっ!」

ウオッカ「誰もが所属チームを決めちゃったこの時期にっ?!」

スカーレット 「あンのバカトレーナー、肝心な時に役に立たないんだからっ!」


スズカ 「みんな、落ち着いて?…これはもうアレをするしかないわね…」ズズズ…


マックイーン 「あ、アレって…まさか?!」


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--とあるレース場のコース上


ゴルシ 「…ふうっ!あれやこれやウジウジ考えてても仕方ねー。しゃあない、覚悟決めっかー…って」


ザワザワ…


ゴルシ 「ん、何だ?観客席の方がやけに騒がしいけど…ん、んんっ?!」



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--とあるレース場の観客席


スピカ 「「「「「勝て~…勝て~…勝て~ッ!!!! 」 」」」」ネンネンネン…!


マックイーン 「…~っ!!」



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--とあるレース場のコース上


ゴルシ 「…は、ははっ!あいつら…あんなに前はやるの嫌がってたのに…けど!!」グッ…!


ゴルシ 「…すっげー、ヤル気出たわ…!!」…ニヤリッ


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--とあるレース場の実況席


バシャッ!


実況 「…さあ、各ウマ娘一斉にスタート!」

解説 「全てのウマ娘がキレイに出揃いましたね…って、おや…?!各ウマ娘が、一斉…に?!」

実況 「な、何と!あの最後尾スタートが常のゴールドシップが、既に先頭集団の中にいる?!初っ端から前代未聞のスタートとなりましたーっ!!」


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--とあるレース場の観客席


ザワアッ?!


トレーナー 「あ、あのゴルシが…まさかの先行策だとぉーっ?!」

マックイーン 「だ、大丈夫なんですのっ?!」ハラハラ

トレーナー 「むしろ理想の形だって!元々アイツの売りは無尽蔵なスタミナだ。最初から良い位置に付けていれば、最後はアイツ自身のペースでいつでもゴールを狙える!!」

マックイーン 「それが分かっているのなら、なんで最初から言わなかったんですの?!」

トレーナー 「何度言っても聞きゃしないから、もう諦めてアイツ任せにしてたんだよっ!!」

マックイーン 「あ、ああ。そういう訳でしたのね…」

トレーナー 「ヘソ曲げると何するか分からんからなあ…でも何で今回に限ってヤル気出したんだろうな?アイツは」ニヤニヤ

マックイーン 「んんっ!さ、さあっ…?」コホンッ


ワアーッ!!!


トレーナー 「…よしっ、良い形のまま最終コーナーに入った!…それにしてもあの走り、どっかで見た事無いか?」

マックイーン 「え…っ?」

トレーナー 「あの何者をも寄せ付けない速さ…まるでお前みたいじゃないか、マックイーン?!」


マックイーン 「…ゴールドシップっ!」パアッ


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--とあるレース場の実況席


エェェーッ??!!


実況 「ゴールドシップ突き抜けたーっ!…最後の直線、終わってみれば、並みいる強豪を全く物ともせず、な、何と…三バ身半差の圧勝っ!別格の強さをつけましたっ!!」


--とあるレース場の観客席


スピカ 「「「「!!… … … 」」」」アングリ

観客 「!!… … … … 」アングリ



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ゴルシ 「ワーイ、1着とったぞー♪見てくれてたマックイーン?褒めて褒めてー」


マックイーン 「あ…貴方って人は…っ…!」 ブルブル


ゴルシ 「…って、ありゃ?どしたの?」



スピカ 「「「「お前はもっと…!! 」」」」

観客 「普段から本気出せーーっ!!!」



ゴルシ 「…アルェー?」テヘペロー



おしまい。


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<痴漢、だめ、ゼッタイ!>


スズカ 「それはそうと…スピカ期待の新人は、見つかりましたか?」ニッコリ…

トレーナー 「…ハッ!!」ドキイッ!



おしまい。


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次回はBパートとなります。では。

読んでくれてありがとうございます。
少し間が空きましたが、これからBパート行きます。

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〈ご注文はどのウマ娘執事ですか?〉


--チーム スピカ 部室内


テイオー「…エーッ?ウオッカ、カイチョーから執事喫茶で働かないかって薦められてるのー?!」

ウオッカ「正直あんま気が進まないんだけどなー…」

マックイーン 「…そういえば、以前ファン大感謝祭で行った執事喫茶の評判が、予想以上に良かったと聞きましたわ」ワタシハサンザンデシタケド

テイオー「むしろ来すぎて、入ることが出来なかったファンが続出したからねー」カイエンドウジニカケコンデヨカッタヨー

ゴルシ 「で、その時来れなかったファンへのサービスと地域交流の一環で、少し形を変えて行う事にしたらしい」キューブカチャカチャ

テイオー「いいなイイナー!ボクだったら即OKだしてるよ?!」

ウオッカ「トレーナーはどう思います?バイト扱いとはいえ、それなりに修得に時間がかかるらしいし、練習時間が減るのは正直…」

トレーナー 「良い話なんじゃねーか?幸いお前は今クールダウンの時期なんだし」

マックイーン 「レースにしてもライブにしてもここでの生活にしても、ファンや地域の皆様の協力が無ければ何も成り立ちませんからね」

ゴルシ 「売上の一部はこっちにも入ってくるんだろ?小遣い稼ぎにはもってこいな話だ。行ってこい行ってこい!」



ウオッカ「んー…お金、お金なあ…そりゃ自由に出来る分があるに越したことは無いけど…」

テイオー「あーっ?ひどいよ、ボクの時はあんなに裏切者呼ばわりして反対してたくせにーっ!」

ゴルシ 「あん時は、あくまでリギルの演し物だっただろ?今のはトレセン学園全体の話だ、ぜっ?!」マンヂガタメッ!


テイオー「ア"ーッ"???!!」


ウオッカ「…あ。そういえばもうすぐ5月か…」


?!イタイイタイイタイイタイタイイタイモーイーカゲンワザトイテヨー?!


?????? 「フフーン?…ウオッカがかしずく姿を見れるのは、中々悪くないかもね…」ニヤリッ


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--ある日の執事喫茶


エアグルーヴ「今日デビューなのに、早速"専属"を決め込むとはな?」

オペラオー 「期待の新人だね?ボクもうかうかしてられないっ!」キラーン

フジキセキ 「今まで修得してきた事をそのまま出せば良い。頑張れよ、ウオッカ?」

ウオッカ「はい寮長、ありがとうございます。お二人にもご迷惑をおかけしないよう頑張ります!…さて、そろそろお嬢様のお出迎えをしない、と…」


カランカラーン♪


?????? 「大和 緋美(だいわ あけみ)です♪」ニコニコ


ウオッカ「…こんな所で何やってんの?スカーレット」

スカーレット 「ここでの私の名前は、大・和 ・緋・美っ!…全く、言葉使いが悪い上に私の名前も忘れたの?本当にダメな執事なんだからっ!!」フフーン!

ウオッカ「はあ…(ここ仮名での予約も有りだから、全然気が付かなかった…どういうつもりだ?まあ初執事の経験相手としてはちょうど良いかも…)」


ズイッ!


スカーレット 「?!…な、何よっ」ビクッ

ウオッカ「…失礼致しました。お帰りなさいませ、緋美お嬢様」ニコッ…

スカーレット 「んなっ?!」ドキーッ?!

ウオッカ「僕らと出会えた運命に、祝杯を捧げ…奇跡の様な時間を、共に過ごしましょう」ユウガニイチレイ

スカーレット 「あぅ…は、ハイ。ヨロシクお願いシマシュ…///」ゴニョゴニョ


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ウオッカ「…お嬢様?…緋美お嬢様?聞こえていますか?」

スカーレット 「ひゃっ?!ヒャイッ!!」ドキッ!

ウオッカ「…緋美お嬢様?そろそろ"お出かけ"のお時間でございます」

スカーレット 「///は?エ?そ、ソウネッ!」ワタワタ


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カランカラーン♪

オハヤイオカエリヲ、アケミオジョウサマ

エ,エエ.デキルダケハヤクカエルワネ?


パタン


スカーレット 「……///」フリフリ

スカーレット 「…ハッ!な、何という事?どっ、ドキドキして舞い上がってるうちに終わっちゃってるじゃないっ?!」ガーン!

スカーレット 「え、エヘヘっ…でも、ウオッカの執事姿、本当にステキだったわー…スッゴク優しかったし…紳士的ってゆうかあ…///」テレテレ

スカーレット 「って!も、元はと言えば、何かとすぐに突っ掛かってくるウオッカが悪いんだからねっ?!男らしい服は着るくせに、男装は今まで頼んでもしてくれなかったし!!」プンプンッ

スカーレット 「でもこれは予想外の楽しさねっ!さあ、次回はどんな事をお願いして…イヤ!困らせてやろうかしらっ♪」ルンルン♪


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--しばらく後の生徒会室


ルドルフ「…ダイワスカーレット。しばらく君は、執事喫茶に出入り禁止だ」ドドンッ!

スカーレット 「んなっ、何でですかっ?!」バンッ!

ルドルフ「ウオッカ出店の日は必ずと言っていい程"専属"で来ているじゃないか。さすがにこれは行き過ぎだろう」

スカーレット 「誰にも迷惑をかけて無いのに、いきなりのこの仕打ちは納得致しかねますっ!!」

ルドルフ「…元々この"トレセン学園の執事喫茶"は、ファンへのサービスと地域交流の一環を兼ねて行われている事は、君も知っているな?」

スカーレット 「もちろんです!それが何か?」

ルドルフ「その行動が、ウオッカ本来のファンへの還元や、新規層の開拓の邪魔となっている」

スカーレット 「?!そ、それは…」グヌヌッ



ルドルフ「今回のようなケースは、実は君で二人目でな。生徒の自主性と倫理観に期待して、敢えて対策を取っていなかったのだが…」

スカーレット 「!!想定されるべき事項だったって事ですよね?!そういう事なら最初から規定で決めておいて下さいよ!」

ルドルフ「ほう?見込みが甘かったのは、あくまでこちら側の落ち度と言いたい様だな…」ギランッ!

スカーレット 「うぐっ…!」ビクゥッ

ルドルフ「…フッ。正否はともかく、正面切ってこの私に立ち向かってくるとは、流石スピカと言ったところだな。面白い…ならば、こうしよう」

スカーレット 「…はぇっ?!」ビクビク

ルドルフ「まず来店ペースを今の半分に減らす事。そしてウマ娘や人に限らず、ウオッカに毎回新規の客を連れてくる事」

スカーレット 「そ…その二つの条件が守れるなら?」ゴクリ…

ルドルフ「君の出禁を、免除する事にしよう」ニヤリ


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ーー数日後の執事喫茶


スカーレット 「…って、怪しげなマルチ商法じゃあるまいし、何で私がウオッカのために苦労しなきゃなんないのよ…」ブツブツ

テイオー「いやあ、よくぞ数いるスピカの面々からボクを選んでくれたよねー?」

スカーレット 「どうせ一緒に行くなら、執事喫茶に興味があって、その何たるかを熟知してる娘の方が良いかなって思っただけよ」テクテク

テイオー「うん!特に生徒会主催の執事喫茶に関する事なら、大船に乗ったつもりでバッチリ任せてよ!!」フフーン!

スカーレット 「…フフフ、あんなノルマなんかお茶の子さいさい。今の私に死角なんか無いわ!テイオー、今日は存分に楽しむわよー?!」

テイオー「オー!…今日は滅多に無いカイチョー出勤日なんだー。"久々の"執事喫茶、たっのしみだなー♪」テイオーステップ

スカーレット 「…んん?(何かが引っ掛かるけど…ま、いっか。もう到着しちゃうし)」テクテク

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カランカラーン♪


スカーレット 「コホンッ…ただいま戻りました。今日は新しいお友達を連れてきたんですのよ?」

テイオー「東海 帝子(とうかい ていこ)でーっす!あ…新堀 帝子(しんぼり ていこ)の方が、ここでは良いのかなー…///」テレテレ

ルドルフ「…なぜ、ここにいる。私は言ったはずだぞ?お前は出入り禁止だと!」ズーン…!

スカーレット 「ひ、ヒーッ?!え、え?で、でもでも、じ、条件さえ守れば免除してくれるってお話でしたよねっ?!ねっ?!」アタフタ

ルドルフ「…この様子だと、スカーレットはまだ状況がよく解っていないようだな?」ギンッ!

スカーレット 「ヒェ…ッ!!よく分からないけどごめんなさいっ!ゴメンナサイ…」ガタガタ

ルドルフ「はあっ…誤解させてしまったようで悪かったな?お前に言ってるんだぞ、トウカイテイオー」

スカーレット 「…って!もしやと思ってたけど、やっぱりアンタが一人目の出禁だったのね?!」

テイオー「あちゃー、やっぱダメだったかー」テヘペロー


ルドルフ「事情を伝えられていなかったとはいえ、これでは条件を満たしたとは言えないな?スカーレット、残念だが今日は諦めて…」


スカーレット 「?!そ、そんな~っ…」

テイオー「ちょおっと待ってよ?!スカーレットは全然悪くないっ!ボクがカイチョーに文句があって連れてきてもらっただけなんだからっ!!」

ルドルフ「…ほう?この期に及んでまだ文句があると…」

テイオー「大ありだよ!ボクには一方的に出禁を言い渡しておきながら、どうしてスカーレットには条件付きで免除したのさ?!」

ルドルフ「ムッ?!そ、それはだな…」

テイオー「ズルいよズルいよ!おんなじ条件なら、ボクだってカイチョーにいっぱい友達連れてくるよ?なのにこれって不公平じゃないのっ?!」

ルドルフ「ムゥ…確かに、全生徒に対して公平であるべき生徒会長としては片手落ちだったかもしれないな…」

テイオー「さっすがカイチョー!話せるぅっ!!」

ルドルフ「その点に関してと、巻き込んでしまったスカーレットには素直に謝ろう…お詫びと言っては何だが、特別に入店も許可する」

スカーレット 「あ…ありがとうございますっ!」パアアッ!

ルドルフ「ただし、条件を満たしていないので今回の"専属"は無しだ。極力空いている時間に希望する執事を寄こす"通常"で良ければ。の話だが…」



テイオー「…ごめんね?スカーレット。ボクのせいで"専属"取れなくて…」

スカーレット 「謝らなくていいわよ。むしろ感心した位だし」

テイオー「え、何が?」

スカーレット 「テイオー…あんた、強いわね?何度否定されても食らい付くその根性、見習わなきゃって思ったわ!」ニコッ

テイオー「そう?大した事ないよ。だってボク、カイチョーの事大好きなんだもん!傍にいるためなら何だってするよっ!」ニカッ


ルドルフ「フッ…では改めて。お帰りなさいませ、お嬢様方」


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ザワザワ…

ルドルフ「…ではお嬢様。お早いお帰りを…」

ウオッカ「何なりとお申し付け下さいませ、お嬢様…」

…キャーッ!


テイオー「ほぅっ…こう離れて見ても、いーよねー執事姿!(カイチョーの!!)」

スカーレット 「んー…冷静に見直してみても、いーわよねー執事姿!(ウオッカの!!)」


テイオー「…ん?」

スカーレット 「…んん?」


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


ヒソヒソ


ルドルフ「…お嬢様は当家の至宝でございます」

ウオッカ「お嬢様の笑顔を護る事が、私の何よりの誇りでございます」


キャッキャッ


テイオー「クゥッ見て見て、あの立ち振舞い!やっぱカッコいいよねー?!(カイチョーの!!)」

スカーレット 「フフッあれあれ!時折見せるあの困惑しながら浮かべる笑顔が堪らないのよ!(ウオッカの!!)」


テイオー「…ん?」

スカーレット 「…んん?」


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


スカーレット (?っかしーわね…テイオーと同じものを見ているはずなのに、何かがズレているというか何というか…そこはかとない違和感が拭いきれないわー…)


テイオー「…ねえねえ、カイチョー?」ヒソヒソ

ルドルフ「こら。今私は仕事中だぞ?」ヒソヒソ

テイオー「スカーレットみたいにボクも友達連れてこれば、またココに来ても良いでしょー?」ヒソヒソ

ルドルフ「ダメだ。そうでなくても私達は普段からよく会っているだろう?特定生徒との癒着を疑われるのは余り良い事では無いからな」ヒソヒソ

テイオー「エーッ?!やだやだ!もっとカイチョーの執事姿を見たいのにーっ!!」ジタバタ


ルドルフ「…トウカイテイオー。余り我が儘を言うんじゃない」ギンッ!

テイオー「ヒウッ?!」ビクッ

ルドルフ「私は別にそれでも構わないんだぞ?ただ、生徒会室への出入りを禁止するだけだからな」


テイオー「…え?か、カイチョー?お、怒った…の?」オソルオソル


ルドルフ「…」


テイオー「…ヤダ…ヤダよぅ…」グスッ…


ルドルフ「!…て、テイオー?」バッ

テイオー「グスッ…生徒会室でカイチョーに会えなくなるの…やだぁ…」ポロポロ

ルドルフ「おっ、おい?!ここで泣くのは…」

テイオー「わっ、ワガママ言ってごっ、ごめんなさ"い"っ…カ"イ"チ"ョー」ワアアンッ!!


…ザワアッ?!

ザワザワ…


スカーレット 「う、うわあぁっ…ち、ちょっとテイオー?!みんな見てるからっ…」オロオロ

ウオッカ「お、おいテイオー…泣き止まないぞ、どうすんだコレっ…」ハラハラ


テイオー「カイチョー…きっ…キライになっちゃ…ヤダぁ…ヤダよぉ…!!」エッグエッグ

ルドルフ「…ふぅっ。全く…いつまでも子供のままなのですから。困ったものですね…」ギュウッ…


キャーーーッ?!

パシャパシャ!!


テイオー「!!…え?か、カイチョー?…だ、抱っこ…?」ビクビク


ルドルフ「…私が、あなたを嫌いになるはずないでしょう?だから、安心なさい…」ナデナデ

テイオー「…カイチョー?ほんとに?」ギュウッ

ルドルフ「ええ。…それに、ここでの私は生徒会長ではありませんよ?呼び方、分かりますね?」ナデナデ

テイオー「…るどるふ。ボク、また生徒会室に遊びに行ってもいいの…?」グスグス

ルドルフ「もちろんです…きちんとイイ子にしていたら、ですけどね」ホラナミダフイテ

テイオー「…生徒会室のおかし、いっしょに食べてくれる?」ウンッ

ルドルフ「…あれはブライアンがこっそり隠しているものですから…彼に許可をもらってからにしましょう?帝王坊っちゃま」キレイニナリマシタヨ?

テイオー「…坊っちゃまじゃないもん。お嬢様だもん」ポフッ

ルドルフ「フッ…そうでしたね。失礼しました、帝子お嬢様」ヨシヨシ



キャーーーッ?!

パシャパシャ!!

エ?ナニコレナニカノダシモノ?

オネガイシタラオナジコトヤッテモラエルノカシラ?


ウオッカ「…さっすがルドルフ会長!ハプニングをエンターテイメントに昇華させるとは!」

スカーレット 「え…何これ…」



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ーー数日後の執事喫茶


スカーレット 「はぁ…前回はあの茶番劇のせいで最後まで調子が出なかったわ…とにかく仕切り直しよっ!」テクテク

スペ 「今日のお休みにお誘いありがとうございますっ!楽しみですね、スズカさん♪」スキップ

スズカ 「スペちゃん、あんまりはしゃいでるとまた転んじゃうわよ?」フフッ


スカーレット (フフフ…今日は仲の良いスペ先輩とスズカ先輩をゲストに迎え、私は何の気兼ねもなくウオッカとの時間を過ごせるって寸法よっ!」グッ!

スズカ 「…心の中が駄々もれになっちゃってるわよ?スカーレット」



カランカラーン♪


スペ 「ほえ~。立派なお家(洋館)…」

ウオッカ「…お帰りなさいませ。緋美お嬢様より、本日初めてのご帰宅だとお聞きしております。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

スズカ 「ええと…音無 涼香(おとなし すずか)です」

スペ 「はわっ?スズカさんって本当はそんな名前だったんですか?!」スペッ

スズカ 「ふふっ…違うわ?ここだけの名前。スペちゃん、こういうお店は初めてだものね?」

スカーレット 「雰囲気作りの一環なんです。
西洋のイメージが強いせいか、普通は洋風な名前で呼ばれたい人が多いわよね?」

スズカ 「逆に私たちみたいなウマ娘の場合、洋風な名前が基本でしょう?だからこういう所では和風な普通の名前が良いかなって」

ウオッカ「せっかくの機会だから、という事で男性になりたい方もいらっしゃるんですよ?」

スカーレット 「…この前、左近允 覇者(さこんじ はしゃ)とか名乗ってるのを聞いて、思わず紅茶噴き出しそうになっちゃったわよ」

ウオッカ「この場合、私たち執事も旦那様、若様、ぼっちゃま、と呼び方も変えてご対応させて頂くんです」

スペ 「おぼっちゃま?!そ、そうなんだ…じゃあ私は、えとエト…と、特別週間(とくべつしゅうかん)で!」トモダチンコ!

ウオッカ「まさかの直訳ですかお嬢様?!」

スカーレット 「女の子の名前っぽさどころか性別まで放棄されちゃってる?!」


スズカ 「あの…そこは無理に合わせなくても良いのよ?いつものスペちゃんで…」


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


スカーレット 「…さ!何やかんやあったけど無事注文も出来たし、出だしはまずまずのスタートね!(今日は良い感じでウオッカと絡めそうだわ…)」フフフ


スペ 「…~ッ!」ソワソワ

スズカ 「どうかしたの、スペちゃん?」

スペ 「あ、ハイッ!…あ、あの~、これから何が始まるのかナッ?って思って」ワクワク

スカーレット 「そうですね、まずは注文の品を執事のウオッカが持ってきて…」

スペ 「あ、私知ってます!こう、カンパーイ!ってして」カチャーン!テ

スズカ 「スペちゃんっ?!」

スカーレット 「繊細なティーカップであまり乾杯はしないわよっ?!」

スペ 「プロージット!って」ジークカイザー!

スカーレット 「あーマズイ流れだわーでも一応聞いとくスペ先輩その後は?!」

スペ 「飲み干した後、コップを床にガチャーンってして」ガチャーン!テ


バターンッ!


ウオッカ「お止めくださいお嬢様?!」オノミモノヲオモチシマシタッ!

スズカ 「あら早い」

スペ 「その後どこかに出撃しちゃいますっ!!」フンスッ

ウオッカ「どこにお出かけしようってんですかお嬢様?!」

スペ 「競馬場かな?」

スカーレット 「この世界にはどこにも"馬"自体がいないのに?!」

スペ 「あれ?こう、コップを段々に積み上げて」

ウオッカ「我が家(当店)を激震させる斬新なご提案っすねお嬢様?!」

スペ 「上から飲み物注いでコジャレた噴水みたいにするんじゃ」

スカーレット 「それってシャンパンタワーじゃないっ!!」

スペ 「お母ちゃんに聞きましたっ!」キャッバックラッ!テ

ウオッカ「お母ちゃんロクなもんじゃないっすねお嬢様?!」

スペ 「ちなみに実家では毎日、銀●伝(旧作)がやってました!」クタバレカイザー!

スカーレット 「何それちょっとだけ羨ましいっ!!」

スペ 「最終回が終わるとまた最初っからやりますっ!」ギンガノレキシガマタ1ページッ!

ウオッカ「田舎あるあるっすかお嬢様?!」


スズカ 「ふふっ、スペちゃんったら♪」クスクス

ウオッカ「アンタも止めてくださいよお嬢様?!」

スズカ 「まあそんな事より、まずは私の話を聞いてくれないかしら?」

ウオッカ「限りなく自由っすねお嬢様?!」

スズカ 「あんなこんなで今現在。どこか影ある憂いを秘めた、クールガールなこの私…」

スカーレット 「自分語り始まっちゃった?!」

スズカ 「でも子供の頃の私は、走ることの大好きなとても人懐こい子だったらしいの…中の人が戸惑うのも当然なギャップよね?」

ウオッカ「中の人なんていませんよお嬢様?!」

スズカ 「私、今こそそのギャップを無くして本来の自分を取り戻したい…そう!ツッコミでは無く、ボケとしてっ!!」

スカーレット 「スピカは芸人集団じゃないわよ?!そうでなくても天然日本総大将と無茶振り不沈艦のせいでボケ過供気味なんだから、アンタは今まで通りただのクールな傍観者でいてちょうだいっ!!」


カランカラーン♪


ウオッカ「…緋美お嬢様?邸内ではお静かになさって下さい。お嬢様ともあろうお方がはしたないですよ?」

スカーレット 「アンタだってさっきまで素の状態だったでしょーが?!いきなり冷静に設定思い出してんじゃないわよっ?!」



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今回はここで一旦止めます。


でははそのBパート続きとなります。


・・・・・・・・・・・・・・・・


スペ 「ふ、二人とも何かごめんね?皆でのお出かけがつい嬉しくて、変なテンションになっちゃった…」テヘヘ

スズカ 「私もごめんなさい…良いお店は、つい本来の自分をさらけ出してしまうものなのね…」ハァッ

スカーレット 「…あーもーいーです。疲れた…私ここで寝込んでるから、後は二人で適当にやってて下さーい…」ヒラヒラ

ウオッカ(スカーレットのヤツ、面倒だけオレに押し付けやがった!)ガーン!

スペ 「うんっ。でもウオッカちゃん凄い!"制服もきちんと着こなしてる"し、"ちゃんとお客さんに対応出来てる"もんねっ!!」ニコッ

ウオッカ「…へ、ヘヘヘッ♪スペ先輩に褒められると、何だか素直に嬉しいっス」ホンワァ

スペ 「そ、そうなの?でもそうなら良かったよぉ」ホワホワ

ウオッカ(と同時に、元々そんなに無い自信オレ無くしそうっす…。スペ先輩、ただ普通の"店"と"店員"としか見てないじゃないっすかー?!)ヒソヒソ

スズカ (気にしちゃダメよ?スペちゃんはここに来て初めて同世代の友達が出来た、コッチの世界の存在を知らない純粋培養の無垢な幼女…いえ、天使なんだから!)ヒソヒソ

ウオッカ(色々大丈夫っすか、スズカ先輩っ?!)

スペ 「?」キョトン

ウオッカ(むう…これが無自覚栗毛ハンター(注)の実力…侮りがたし!)

(注)…彼女に出会った栗毛は、その存在に心奪われてしまう。サイレンススズカ、グラスワンダー、ダイキシャトルに加え、何故か鹿毛のマルゼンスキーにも被害が飛び火。抱き締めたいな、スペちゃん!


ウオッカ「…そうだ!せっかくの機会ですから、お二人とも執事服をお召しになってみませんか?」

スペ 「そういえば、前の大感謝祭の時にテイオーさんも執事さんの格好をしていたような…」

ウオッカ「外に着ていくのは禁止なんですけどね。この邸宅の中でなら、他の方の迷惑にならない程度には自由に行動できますよ?種類も豊富ですし」

スズカ 「…ハッ!これはスペちゃんにコッチの世界を教える良い機会(チャンス)かもしれないわっ?!」キタコレ!


ウオッカ「…(薦めなきゃ良かったかなー…)」


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スペ 「…スズカさんの執事姿、カッコいいですっ!!」キラキラ

ウオッカ「柔らかい雰囲気なのに、凛とした真の強さを感じます。素敵ですよ、お嬢様?」

スズカ 「ありがとう。自分から言い出したものの、やっぱり少し恥ずかしいわね…でも、ここは勇気を出して試してみないと。確か…」


ズイッ!


スペ 「あの…スズカ、さん?ち、近いんですけど…」

スズカ 「…スペお嬢様の笑顔を護る事が私の何よりの誇り、そして喜びでございます。奇跡の様な時間を…これからも共に過ごしましょう」テヲトリ

スペ 「………」

スズカ 「あ、あの…す、スペちゃん?」ダメダッタカナ?


スペ 「…~っ!!///」ボフッ!


ウオッカ「ス、スペ先輩?!だ、大丈夫ですか?!」ハイ,オミズ!

スペ 「…あ、あの…よく分からないんですが何かこう…キュウッて来て…いつもと違うドキドキがしましたっ!」ドキドキ

スズカ 「ふうっ…ありがとうウオッカ。あなたのお陰でスペちゃんにコッチの世界の萌芽が芽生えたみたい…大切に育てていかないと、ね?」

ウオッカ「…(何を言ってるんだろう、この人は)」


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


ーーその頃の美浦寮周辺


マルゼンスキー「?!待って…それはイケないわ!!」ヒヒーン!

ダイキシャトル「大切な何かが汚されてイク感じがしたデース?!」ヒヒーン!

グラスワンダー「今すぐ私イカないと…なぜその場にいるのが私じゃないんですかっ?!」」ヒヒーン!


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スズカ 「さ、今度はスペちゃんの番よ?」

ウオッカ「溌剌とした爽やかさが良いですね。とても可愛らしいですよ、お嬢様?」

スペ 「あはは…中々ウオッカさんやスズカさんみたいにカッコ良くはいかないね?」

スズカ 「そんな事無いわ。ちょっと執事とは方向性が違うけど…スペちゃん?ブロワイエと戦った時の事、思い出せる?」

スペ 「…ブロワイエ…?」キリッ!

ウオッカ「あ、日本総大将の顔つきに」

スズカ 「私じゃなくて俺。私の事は呼び捨てで…そう、ゴールを一心に見つめながら…はい、スタート!」パンッ!


スペ 「スズカ…俺、約束を守るよ。日本一に、俺はなるっ!!」ギンッ!



スズカ 「…ふうっ…」フラッ…

スペ 「す、スズカさんっ?だ、大丈夫ですか?!」

スズカ 「大丈夫、大丈夫よスペちゃん…予想以上の破壊力に少し目眩がしただけだから」クラクラ

ウオッカ「…そんなお嬢様に朗報です。先程のスペお嬢様の姿を一部始終動画に納めることに成功しております…ただ」

スズカ 「完璧な仕事ぶりね、ウオッカ…何です?遠慮なく話しなさい」

ウオッカ「執事による撮影は別料金となっておりますが…いかが致しますか?」

スズカ 「しっかりしてるのね…請求書に記載しておいて下さい。後でまとめて支払いますから」

ウオッカ「かしこまりました、お嬢様」


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


スペ 「私、シズカさんが執事だったら毎日来ちゃうかも…♪」

スズカ 「ふふっ、私もスペちゃんの可愛い執事だったら来ちゃうわね♪」


キャッキャッ…


スカーレット 「むう…(こういう楽しみ方もあるのねー…)」ゴロゴロ


スズカ 「ね、ウオッカ?今度は私が指名するから…また別の人を連れてきてもいい?」

ウオッカ「もちろん、いつでも大歓迎ですよ!」


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ーー数日後の執事喫茶


スカーレット 「…この前はスペ先輩の天然さと、スズカ先輩の暴走に振り回されてすっかりペースを乱されてしまったわ…でも今日こそはっ!」テクテク


カランカラーン♪


ウオッカ「…お帰りなさいませ。緋美お嬢様より、本日初めてのご帰宅だとお聞きしております。お名前は…」

マックイーン 「あの、目白 真姫(めじろ まき)で…」コホンッ

ウオッカ「目白 魔苦院 様と承っております」

マックイーン 「だから何なんですの?!その珍走団みたいなあて字は!!」

ウオッカ「それでは、目白 ま、魔くい…苦院 お嬢様?こちらへ…」

マックイーン 「読み辛いのなら無理に漢字読みしなくてもよろしいですわっ!…もう良いです、いつも通りで」ハアッ


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・・・・・・・・・・・・・・・・


スカーレット 「…そういえば、何かごめんね?あまり乗り気じゃないのに引っ張り出す形になっちゃって」

マックイーン 「いえ。友人からのお誘いですから、それは素直に嬉しいんですのよ?ただ我が家には普通に執事がいますし、憧れる感覚が今一つ分からないのに来るのは失礼なのではないか、と…」

スカーレット 「普通なら鼻につく話なんだろうけど、アンタは寮生活も一人で規律正しくこなしてるから、嫌味が無いわよね?」

マックイーン 「ふふっ…ですから今日は、友人であるウオッカの陣中見舞いとして来ましたわ。まあ、この話を聞いた家の執事達が嫉妬するとは思わなかったですけど…」

スカーレット 「愛されてるわよね~?」

マックイーン 「からかわないで下さいます?…それにしても、強引に誘ったあげく姿も見せず、ロクな予約も出来なかったあのバカは一体何をしてるんですのっ?!」


ゴルシ 「…オイオイ。こういう場でそういう言葉使いはマズイんじゃねーの?」

マックイーン 「ご、ゴールドシップ?!ど、どうしてアナタが執事の格好をっ?!」ドキッ!

ゴルシ 「生徒会には出店の許可を得るのに何かと縁があってなー?ここでも最初の頃に少しだけ手伝ってたから、昔のよしみで貸してもらったって訳」ニアウ?

ウオッカ「…ゴールドシップ先輩?話し方に気をつけて下さいよ」ヤレヤレ

ゴルシ 「おお悪ぃ悪ぃ!…お待たせしましたマックイーンお嬢様。ロイヤルアールグレイでございます」イケボ

マックイーン 「ヒャウッ!…な、中々この執事喫茶というのも、趣があって大変よろしいものですわねっ、スカーレット?!」 チョロイーン!

スカーレット 「わ、分かってくれたマックイーン?!さすが良家のお嬢様は見る目が違うわねっ!!」


ザワザワ…

ミテミテマックイーンヨ?チッチャクッテカワイー

ゴールドシップモキュウジシテクレルノカナ

キャッキャッゴールドシップサマー!


ゴルシ 「…結構客が多いなー、商売繁盛で結構な話じゃんか。なあ、マックイーン?」フリフリ

マックイーン 「あ、あのっ…他の普通のお客様からの要望もあるみたいですけれど…そ、そちらにはいかなくてもいいんですの?」 ソワソワ

ゴルシ 「んー…今日は手伝いじゃなくてプライベートでお茶しに来ただけだからなー。オレはマックイーンだけの専用執事だから!」ニカッ

マックイーン 「…~ッ///!あ、貴方って人はっ…!!」カアアッ

ゴルシ 「まあ、ここ風に言わせてもらえれば… 」コホンッ

マックイーン 「え?あ、あのゴールドシップ?」 ドキドキ

ゴルシ 「…マックイーンお嬢様がお寛ぎ下さるこの空間と…貴女の笑顔を護る事が、私の何よりの誇りでございますから」 イケボ

マックイーン 「はうっ…も、もうっ!…バカゴルシ♪/// 」チョロイーン♪


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


ゴルシ 「話は変わるけど…何やかんや言いながら、お前一番ウオッカや執事喫茶の売上に貢献してるみてーだな?」

スカーレット 「何か引っ掛かる言い方しますね、ゴールドシップ先輩?」

ゴルシ 「…客商売に大事なのは、ニーズへの即応とそのアピール。そしてコストパフォーマンスだ」キューブカチャカチャ

マックイーン 「…伊達に、無闇やたらと出店を出している訳じゃない着眼点ですわね♪」←チョウゴマンエツ

ゴルシ 「ウオッカを呼べばスカーレットを通じてスピカの面々がゲストに来る。それがまた一般客を呼ぶ…リギルだけに拘らない、会長の読みにまんまと填まったって訳だ」…チャッ!

ウオッカ「?!(六面完成に僅か5.2秒だ、と…?!)」

ゴルシ 「ちなみに、一般客とウマ娘と、規定が異なるの知ってたか?一般客向けにはキチンと反則事項が記載されてる。ウマ娘向けの規定だけ、わざと穴を開けてあるんだよ」

スカーレット 「…(後で知ったわよ!どーでもいーけど、そのやる気と頭を1/10だけでもレースで発揮しなさいってのよ…)」

ゴルシ 「ところで…マックイーンお嬢様?愚かな私めのたった1つの細やかなお願いを…叶えては頂けませんか?」

マックイーン 「ふふっ、愚問ね?…貴方の望む事なら、この私の出来る限りの力を使って、何でも叶えて差し上げますわっ!」チョロイーン♪


ゴルシ 「…何でも、とおっしゃいましたね?お嬢様… 」ニヤリッ


・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・


マックイーン 「って、何でいつの間にか私まで執事の格好をさせられてるんですのっ?!」 チョイーン

スカーレット 「ノリノリで着付けされてたじ
ゃない…それよりも私も執事の格好をしてみたわっ!」 バイーン


ゴルシ 「……(カッコいいと言うより、可愛いだなこりゃ。七五三の男の子みてー)」

ウオッカ「……(顔だけは凛々しいんだが、体つきのせいか如何わしい店のコスプレにしか見えねー)」


マックイーン 「?!」ビキイッ?!

スカーレット 「?!」ビキイッ?!


ガシイッ!ギリギリギリ…


ゴルシ 「ギブギフギブ無表情で本気の魔のショーグン・クローだけは止めて頭がブロッケンしちゃうーっ!」パンパンパンッ!?

ウオッカ「ギブギブイヤまじでパロスペシャルは止めてって言うか、いつの間に会得してたんだよスカーレットーっ?!」ノーッノーッ!?


バターンっ!


フジキセキ 「よーしお前ら、寮長の私の目の前でイイ根性だ!栗東寮の地下牢に今すぐ叩き込んでやるからな?このバカポニー共!!」



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ーー数日後の執事喫茶


スカーレット 「…ふ、フジ寮長怖わー…結局いつものスピカでのドタバタで終わっちゃったわね。この次こそっ…!」テクテク


カランカラーン♪


スカーレット 「…えっ?」


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ーー栗東寮 スカーレットとウオッカの相部屋


バターンっ!


ウオッカ「うわ、ビックリした?!な、何だよスカーレット!ドアは静かに明け閉めしろって、フジ寮長から注意されてるだろっ!!」

スカーレット 「ちょ、ちょっとウオッカ?執事喫茶のメンバーにアンタの名前が無かったんだけど、コレどういう事っ?!…あ、ひょっとしてこの前の騒ぎで…」

ウオッカ「いや、それは関係ない。先月末で辞めたから、そりゃ今月からは無くなってるだろうな」

スカーレット 「なっ、何で辞めちゃうのよ?!」

ウオッカ「な、何でって言われても…トレーニング間のほんのお小遣い稼ぎのつもりだったし、元々そんな乗り気じゃ無かったし…」


スカーレット 「……っ…」 ポロッ

ウオッカ「って、お、おい?!」


スカーレット 「あ…(私、分かっちゃった…)」グスッ

スカーレット 「…う、ううっ(…普段は私が素直じゃないから喧嘩友達って感じで…もちろんそれも良いけど…)」グスグス…

スカーレット 「う…うわあぁんっ!(お嬢様と執事という偽りの関係の中でしか、素直じゃない私の本心は出せなくて…)」


スカーレット (…私は、私は…ウオッカに、たた素直に優しくされたかっただけ、なんだ…)



ウオッカ「お、おいおい…いつものじゃなくて、マジ泣きじゃんか…」オロオロ

スカーレット 「…ううぅ~…っ…」ポロポロ

ウオッカ「んー仕方ないな、少し早いけど…ほら、スカーレット!」ゴソゴソ…


ポコッ


スカーレット 「…アいたっ…こ、小包?」グスッ…

ウオッカ「5月だろ?お前の誕生日…プレゼント」

スカーレット 「あ…」ギュウッ

ウオッカ「…それ買うためにバイトしてたんだよ。だから、目標額に達したら元々辞めるつもりだったんだ」

スカーレット 「あ、ありがと…///」エヘ





ウオッカ「…それにしてもスカーレットって、そんなに執事が好きたったっけ?」

スカーレット 「ほ、ほっといてくれるっ?」プイッ

ウオッカ「…あーあ。ずっと執事してて、今度の休みは久々に暇だなあ!どこかに遊びに行こうかなあ?」チラッ

スカーレット 「?!…し、仕方ないわねー。私が付き合ってあげるわよっ!!」パアアッ



おしまい。


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Bパート終了となります。
後でおまけのCパートを書いて、一旦申請したいと思います。

読んで頂きありがとうございました。
ではCパートとなります。


-----------------


<ご注文はトレーナーさんです♪>


ーーウオッカ最終日の執事喫茶


カランカラーン♪


ウオッカ「…お帰りなさいませ、旦那様。涼香お嬢様より、本日初めてのご帰宅だとお聞きしております」

トレーナー 「…ヨッ!結局ここに来れたの、お前の最終日になっちまって悪かったな?これ、お土産だ」

ウオッカ「綺麗な花束ですね、ありがとうございます!」

トレーナー 「次のレースも決まった事だしな?せっかく執事喫茶に慣れた所で悪いんだが…」

ウオッカ「いえ、元々その予定でしたから。明日からはまたトレーニング開始ですよね?またよろしくお願いします!」

トレーナー 「それにしても…ここ、俺が来るのはやっぱ場違いじゃないか?」

ウオッカ「男性のお客様…旦那様も多いんですよ?気になさらず」

トレーナー 「そ、そっか…」

ウオッカ「…今日は涼香お嬢様より、渡米に関する詰めの打合せをするためにご帰宅なさったとお聞きしております」

トレーナー 「スピカの部室でも良かったんだけどな?お前たちがいない部室で話すのも何か気が引けちまって…良い機会だと思って利用させてもらう事にしたって訳だ」

ウオッカ「ありがとうございます。今日は個室をご用意させて頂いておりますので、周りをお気になさらずごゆっくりお寛ぎ下さい」

トレーナー 「それで…やっぱアレ、着なきゃダメなのか?」

ウオッカ「ふふっ…涼香お嬢様たってのお申し付けですからね?さ、お嬢様もお待ちです。着付け室の方へご案内させて頂きますね…」


・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・


カランカラーン♪


ウオッカ「…涼香お嬢様、旦那様がお見えになりました」

スズカ 「まあ…ふふっ」

トレーナー 「…ヨオ…やっぱ俺にはこういう格好は似合わないと思うんだけどな…」

ウオッカ「いえいえ、よくお似合いですよ?…では涼香お嬢様。お飲み物はこちらに置いておきますので…」クスクス

スズカ 「ありがとう、ウオッカ。用があったら呼ぶわね?」

ウオッカ「はい。では失礼させて頂きます」


パタン…




トレーナー 「全く…邸内を歩いている途中、物珍しさかジロジロ見られたぞ?」

スズカ 「ごめんなさい。どうしてもトレーナーさんの執事する姿を見たくなって…それとも、渡米前の最後の我儘を聞いてくれるって約束、忘れてしまいましたか?」

トレーナー 「忘れちゃいないけどさ…執事なんてやったことないからな。大した事は出来ないぞ?」

スズカ 「お茶は私が淹れますし、お菓子も私が取り分けます…フフッ、ただこうして一緒にいてくれるだけでいいんです…あ!」

トレーナー 「どうした?」

スズカ 「あと一つだけ、お願いしていいですか?…私が悩んだり困ったりした時にしてくれた…その、頭を、撫でてほしいんです…」

トレーナー 「はぁ…別にそのくらいなら何時だってお安いご用なのにな?」

スズカ 「フフッ…だって何か子供っぼくないですか?皆の前じゃ、やっぱり恥ずかしいですから…///」


トレーナー 「はいはい、こうですか?スズカお嬢様」ナデナデ


スズカ「はいっ。…~♪」スリスリ



おしまい。


-----------------

以上となります。
スピカ無双でリギルその他まで行かなかった…

熱いグラスぺが見たいな?チラッ

ありがとうございました。
申請出してきます。

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