ガヴリール「天使の力がしばらく使えなくなった」(15)

ヴィーネ「ええぇぇーーー!?」

サターニャ「なによ、一体なにがあったのよ!?」

ガヴリール「理由は簡単だ、堕天して駄天使になったからだよ」

ガヴリール「駄天使は天使らしくない事と天使の力を使わせるのは無駄だと天界が判断し、結果力を没収された」

ヴィーネ「あぁ、そういう事。じゃあ、ガヴの自業自得ね」

サターニャ「まったくこれじゃあ張り合いが無くなるじゃないの、ライバルとして」

ガヴリール「まぁ、永遠にじゃなくて一時的だから、しばらくすれば力を返して貰えることにはなってるけどな」

サターニャ「えっ、じゃあ、また天使の力は使えるって事ね? 永遠に使えなくなるんじゃなくて??」

ガヴリール「最初はな。だけど、姉さんが上に頭を下げてくれたおかげで「しばらく」って事になったんだよ」

ヴィーネ「まったく。ゼルエルさんに感謝しないとダメよ、ガヴ!」

ガヴリール「分かってるよ!!」

サターニャ「そういやあ、ラフィエルはどうしたの? 朝から見てないけど?」

ガヴリール「あいつは今、天界にいるよ。天界で大変な事が起きたとかで、天界に戻ったんだ」

ヴィーネ「大変な事?」

ガヴリール「それは私にも分かんねぇんだ! 私は天使の力を没収されたせいで今は、事実上人間だ」

ガヴリール「だから、天界にも戻れないし、ましてや天界での騒動が起きても関わる事も出来ないからな」

サターニャ「ライバルもここまでになると何だか不憫に思えて仕方ないわね…。」

ブー、ブー、ブー

サターニャ「ん、何の音?」

ヴィーネ「携帯の着信音のようね!」

ガヴリール「あっ、私だ!」ポチッ

ガヴリール「はいよ?」

ラフィエル『あっ、ガヴちゃんですか?』

ガヴリール「おう、ラフィエルか! どうした?」

ラフィエル『率直に申します…『天獣(てんじゅう)』が逃げ出しました!!』

ガヴリール「なにぃっ、天獣がだとぉっ!!?」

ヴィネサタ「「?」」

ラフィエル『はい。』

ガヴリール『で、天界は?』

ラフィエル『無事です、私やゼルエルさん、タプちゃんで何とか天界中を暴れた天獣は捕まえました。ただ…』

ガヴリール『ただ、なんだ?』

ラフィエル『天獣の親玉と他の天獣が3、4匹下界に逃がしてしまいまして…』

ガヴリール「マジかよおおぉーーっ!!?」

ラフィエル『タプちゃんは収拾の為に天界に残りますが、私とゼルエルさんは下界に行けそうなので、今からそちらに向かいます』

ガヴリール「分かった…」ピッ

ガヴリール「チッ。まずい事になったな」

ヴィーネ「ガヴ…」

ガヴリール「んっ?」

サターニャ「今の電話ってラフィエルからよね?」

ガヴリール「あぁ。」

ヴィーネ「さっきの様子を見て、何だか大変な事が起きてるって感じたけど?」

サターニャ「そうね。一体、なにが起きたのよ?」

ガヴリール「まっ、その、なんだ…説明するとな……」

ガヴリール「天界に住む動物、というか獣…『天獣」と呼ばれてるのが天界にいてな」

サターニャ「天獣、天界に住む獣ってそのまんまの名前なのね」

ガヴリール「ただ、そいつらはかなり凶暴で、人を襲っては殺してしまう程だから天界の檻に封印されてたんだけど…」

ガヴリール「それが一人の天使のミスで逃げ出して、天界中を暴れ回ったたんだよ!」

ヴィーネ「なにそれ、怖いわね!? で、どうなったの?」

ガヴリール「あぁ、まぁ…ラフィエルとタプリスと姉さんがほとんど捕まえたんだけど…そのうちの3、4匹と奴らの親玉がここ下界に逃げ出したらしいんだよ!」

ヴィーネ「なにそれ、危ないじゃないの!?」

サターニャ「下界という事は、ここに来てるって事よね!?」

ガヴリール「あぁ、多分もうすぐ来るな。」

ヴィーネ「このままだと人間たちの身の危険が!?」

ガヴリール「凶暴だからな。非力な人間じゃ襲われたら間違いなく死ぬ。そしたらこの辺りは全滅するな」

サターニャ「おぉ、なんという超ド級の悪魔的行為ね!!」ニヤリ

ヴィーネ「いや、感心してる場合じゃないでしょ!?」

ガヴリール「ひとまずラフィエルと姉さんがこっちに向かってるから、それまで何とか襲わないよう食い止めないとな!」

ヴィーネ「でも、ガヴは人間なんでしょ?」

ガヴリール「それが問題だ。私は今はただの人間…だから、天獣を食い止めるのは明らかに無理だ…」

サターニャ「じゃあ、どうするのよ?!」

ヴィーネ「私とサターニャで食い止めるのはどうかしら?」

サターニャ「ええぇーーっ、私達で!?」

ヴィーネ「今はそれしか方法g」

ガヴリール「いや、それは駄目だ…。」

ヴィーネ「えっ?」

ガヴリール「天獣は天界の動物だ…。天使以外が手を出したら処罰の対象にされるんだよ」

サターニャ「天使以外ってことはそれは、私たち悪魔も?」

ガヴリール「もちろん、悪魔だって処罰の対象にされるだろう!」

ヴィーネ「じゃ、じゃあ……どうするの!!?」

ガヴリール「……………」

ヴィーネ「ねぇ、ガヴ!?」

グルルルルルルル

ヴィーネ「っ!?」

ガヴリール「来たか…。」

天獣たち「」グルルルル、ガアアァァーーー

天獣の親玉「」ドーーーン

サターニャ「あれが例の奴ね! ふぅ~ん、親玉だけは一回り大きいのね…。」

ヴィーネ「あわわっ……凶暴そうな…。特に親玉なんて凄い迫力……うちのチャッピーぐらい、いやそれ以上かしら…」ブルブル

天獣の親玉「」グルルルルルルル

ガヴリール「私らの前に現れるとは…。私の気配じゃなくて、恐らくヴィーネたちの気配を感じて現れたんだな!」

サターニャ「ねぇ、どうすんのよ? 私とヴィネットが手出し出来ないのなら、ここはもう……」

ガヴリール「せっかく現れたのに逃げるのも後で姉さんに怒られそうで、怖いんだよなぁ…。」

ヴィーネ「あぁ、もう、力があるのに、規則で何も出来ないなんて悔しいわね!!」

サターニャ「そうよ、そうよ!!」

ガヴリール「……………」

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