セイバー「問おう……貴方が私のマスターか」白野「……え?」 (38)

教室

白野(月の聖杯戦争予選でセイバーと名乗る女騎士のサーヴァントが助けてくれたけど……このサーヴァント異常に強い)

セイバー「白野、どうかしましたか?」

白野(今は自分の正体すらも分からないが、少なくともこの女騎士のサーヴァントがいる限りは何とかなる……そう思えるほどこのサーヴァントがいることは心強い)

セイバー「岸波白野!!」

白野「は、はい!」ビクッ

セイバー「まったく……何度も呼びかけているというのに……先が思いやられます……」

白野「す、すみません……」

セイバー「……どうやら廊下で私達の対戦相手の発表があるようです。行きましょう」

白野(しかしこのサーヴァント異様に固い気がしてならない、態度的な意味で。頑固というか意地っ張りというか……)

廊下

白野(対戦相手とは言うが本当に負けたら死んでしまうのだろうか……。唐突すぎて現実感が沸かない。しかし今はどんなサーヴァント相手でも負ける気がしない。セイバーに命を助けられたのはあの……)

セイバー「私達の次の対戦相手は……」

1回戦
岸波白野 VS 間桐慎二

慎二「なんだ、お前だったのかよ岸波!」

白野「慎二……」

慎二「まったくお笑いだよねぇ!まさか学校生活でも引き立て役、そして本戦でも引き立て役とはねぇ!アッハッハッハッ!!」

白野「慎二は相変わらずか」

慎二「当たり前さ!この天才的な僕だよ!サーヴァントだってボクに見合った一流のに決まってるじゃないか。負ける気がしないね」

白野「……」

慎二「そうだ、お前アリーナに来いよ」

白野「アリーナに?」

慎二「そう。ボクのサーヴァントが直々に相手してあげる。もっともボクを相手にする勇気があればだけどなアッハッハッハッ!」スタスタ

セイバー「なんという主に対する侮辱!行きましょう白野、あの男を少し痛い目に遭わせてやりましょう」

白野「いや、確かに少し傲慢かもしれないけど慎二は前からそんな感じで……」

セイバー「白野!!」ズイッ

白野「ハイ……」ガクッ

アリーナ

白野(結局セイバーに引っ張られる形でアリーナに来てしまった……。多分負けることは無いとは思うのだが……)

セイバー「いました!あそこです!」

慎二「やあ、待ってたよ。……ふーん、それが君のサーヴァントか……。何だか貧弱だねぇ。まっ、そんなちんちくりんがお前にはお似合いだけどな!」

セイバー「なっ……!貧弱……ちんちくりん……」グサッ

ライダー「ほう、言うじゃないかシンジ。流石はアタシのマスターってところさね、いい悪役っぷりだ!!」ワシャワシャ

慎二「わっ!バカ!やめろライダー!僕の髪を弄るな!とっととセイバーを潰せ!」

ライダー「ハイハイ……しかしシンジ、やっぱりアンタはいい仕事してくれるね」

慎二「ハァ?当たり前だろ。勝てそうな奴を真っ先に潰す、勝負においては当然じゃないか」

白野(罠か……!)

ライダー「じゃなくてだね、あのサーヴァントがアタシ好みの強いヤツだってことだよ。よく喧嘩を売ってくれた!」

慎二「ハ、ハァ!?ちょっと待てライダー!あのちんちくりんが!?なんで教えないんだよ!!」

ライダー「シンジにはもう一つ言ってたじゃないか……アタシは強いヤツと戦いのさ」

慎二「お、お前ってヤツは……なんでこう……もういい!とにかくやれ!!」

ライダー「あいさっ!」チャキッ

セイバー「覚悟!」ダッ

数分後

ライダー「ハァ……ハァ……ちょ、ちょいとヤバイね……」

慎二「お、お前!それでも僕のサーヴァントか!?弱音を吐くんじゃない!!」

ライダー「高ステータス、見えない剣と自動回復は流石にアタシらだけじゃどうにもならんさ……」

慎二「だからお前は勝手な行動が過ぎて……」

ライダー「まあ、今回は何とか大丈夫みたいさね……」

セイバー「終わりだ!!」ブン

慎二「ヒィッ!」

ライダー「時間切れさ……」

バシュウッ!!

白野「!?」

セイバー「クッ……体が……」

慎二「た、助かったのか……」ビクビク

ライダー「セラフが察知してくれたみたいだね……おかげで命拾いしたのかね……」

慎二「クッ……今回のところは引くぞライダー!!」

ライダー「あいさっ……次は覚えときな!」

ピカーン

セイバー「すみません……取り逃がしてしまいました……」

白野「ま、まぁ決勝の時でいいんじゃないかな……」

セイバー「いえ!次に会ったその時は必ず!」

白野(慎二はこの先大丈夫なのだろうか……)

一回戦一日目終了

マスター:岸波白野
クラス:セイバー
真名:???
宝具:???、???、???
筋力:C耐久:D俊敏:D魔力:C幸運:B
スキル:直感A、騎乗B、カリスマB(初期ステータス)

マスター:間桐慎二
クラス:ライダー
真名:???
宝具:???
筋力:?耐久:?俊敏:?魔力:?幸運:EX
スキル:???、???、???

一回戦二日目
アリーナ

セイバー「ハァッ!」ズバッ

エネミー「」シュウウウ……

セイバー「どうやらこの階は全て踏破したみたいです。エネミーももう出てくる気配がありません。トリガーも手に入りましたしそろそろ帰りましょう」

白野(まさかアリーナに入って10分でトリガーが手に入るとは……なんか幸先が良すぎて不安になるな……)

マイルーム

白野(しかしセイバーはエネミーを狩りすぎているような……ステータスが昨日と比べて軒並み上がりすぎてる。もしかしてこのサーヴァントを当てた時点で勝ちが確定しているのか……?)

セイバー「……zzz」スヤスヤ

白野(しかしなんだかんだ言ってこうして見るとセイバーはやっぱり普通の女の子なのかな……。なんでセイバーはまるで男のようなカタブツに……zzz……zzz)

一回戦二日目終了

マスター:岸波白野
クラス:セイバー
真名:???
宝具:???、???、???
筋力:C→A耐久:D→C俊敏:D→B魔力:C→B幸運:B
スキル:直感A、騎乗B、カリスマB

一回戦三日目
図書室

白野(うーん……やっぱり見つからない。銃を使う英霊だったからアーチャーだと思ったんだけど……。女で豪快で銃を持った英霊って……)ペラ

セイバー「白野、ここはまたアリーナでエネミーを……」

白野「端末にセラフからの警告が来たんだよ……またエネミー狩りするとペナルティ受けるって内容の……」

セイバー「それは困りましたね……やはり5000体から4000体に減らすべきだったのでしょうか……」

白野(それでも結果は変わらないと思う……あの後エネミーが全く出なくてほぼ全員が難なくトリガーゲットしたとか何とか……)

白野「でも、ラチがあかないっていうのは確かかもしれない。少し気分転換にでも外に出ようかな」

廊下

白野「あれ、慎二?どうしたの」

慎二「……!」ギクッ

白野「……?」

慎二「や、やぁ……奇遇だね……」カクシカクシ

白野「えーと……昨日はごめん、セイバーが少しやり過ぎたみたいで……」

慎二「は、はぁ!何言ってんだよ!ボクとライダーはまだ本気を出してなかっただけだからな!大体無敵艦隊がお前達をな……」

凛「流石、一流のプロゲーマーさんは違うわね。強がりの下手さまで一流とはね」

慎二「お、お前は遠坂!」

凛「まさか強がりたいあまり自分のサーヴァントの情報まで漏らすとはね……。正直私でもそこまでの自信は無いわ……」

慎二「情報……しまった!」

凛「あとそれと無敵艦隊ってのはあなたのサーヴァントにとっては敵なのよ。後でサーヴァントに怒られないのかしら」

慎二「この女……もうボクのサーヴァントの正体を……」

凛「ま、せいぜいお遊び気分で頑張りなさいお二人さん。……これはゲームで済まされるようなものじゃないから……」スタスタ

慎二「フ、フン!これはボクからのハンデだからな!ハンデだからな!」タッタッ

セイバー「白野、あのサーヴァント……かなりの要注意人物かもしれません……」

白野(あのサーヴァント?ライダーの事か……?)

一回戦四日目

白野(今日はなんだかえらく雰囲気が違うな……ピリピリしてきたというか……)

レオ「おや、あなたは岸波さん。奇遇ですねこんなところで」

白野「レオ……それと……」チラッ

セイバー「……あれは」

レオ「ああ、そういえば僕のサーヴァントの自己紹介がまだでしたね……ガウェイン」

ガウェイン「はっ……。ガウェインと申します以後お見知りおきを……」

セイバー「……!?」

白野「は、はぁ……よろしく」

レオ「では行きましょうガウェイン。岸波さん、では僕はこれにて」スタスタ

セイバー「ガ……ガウェイン……」ガタガタ

白野「セイバー、どうかしたのか?」

セイバー「ハッ……!い、いえ……何でもありません……」

白野(ガウェイン……か……)

図書室

白野(あった……ガウェイン……)

ガウェイン……円卓の騎士の一人。忠義の騎士と呼ばれるほど人望も厚くアーサー王の後釜として最有力候補だった人物。太陽の聖剣ガラティーンを有する

白野(アーサー王の右腕だったのか。セイバーがガウェインの名を聞いて動揺していたってことは、セイバーは円卓の騎士に縁のある人物なのか……)

セイバー「白野、何を読んでいるのですか?」

白野「えっ……えーとそりゃ勿論ライダーについて書かれた本を探して……」

セイバー「むぅ……これだけ探しても見つからないとは……無敵艦隊について書かれた本というのは無いのですか?」

白野「無敵艦隊か……世界史の辺りにでもあるのかな……って……」

本棚「」スカッスカッ

セイバー「これは……綺麗に一段抜けていますね……」

白野「この棚だけ無いってことは……」

セイバー「情報がこちらに渡るのを恐れて隠されたのでしょうね……こんなことをするのはただ一人……」

白野「……慎二しかいないな」

アリーナ前

慎二「……」タッタッタッタッ

白野「あれ、慎二だ」

セイバー「脇目も降らずに走っていきましたね……」

白野「アイツもしかしてアリーナに隠したのか……?」

セイバー「可能性は高いでしょう」

白野「新たな階層も開いたしトリガー回収も兼ねて行ってみるか」

セイバー「ハイ!」ウキウキ

白野「……エネミーは10体までだから」

セイバー「ハイ……」ショボン

アリーナ

セイバー「しかしどこに隠したのでしょう……」ズバッズバッ

エネミー「」シュウウウ……

白野「多分慎二のことだから分かりにくそうで分かるところとか……」

セイバー「あの隠し通路みたいなところですか?」ズバッズバッ

エネミー「」シュウウウ……

白野「そうそう、そんな感じ……ってセイバー斬りすぎ!もう13体も斬っているじゃないか!」

セイバー「も、申し訳ありません……つい……」ピタッ

白野「セラフからペナルティが無ければ良いんだけど……」

白野「これか……無敵艦隊について書かれた本は……。当時のスペインの主力の戦艦か……でもイギリスの艦隊によって倒されてる。ということはライダーはイギリス艦隊の……」

慎二「お、お前!なんでここにいるんだよ!?念のために来てみたらなんでお前が……か、返せよ!それ返せよ!」

セイバー「それは元々図書室の本だ!それを隠した貴様に言われる筋合いは無い!」

慎二「グッ……や、やっちゃえよライダー!」

ライダー「はいさ、勝った暁にはたんまり賞金を用意してくれよ!」チャキッ

慎二「負けそうになったらすぐにここから脱出するからな!」

セイバー「行くぞ!」ダッ

ライダー「よっと」ヒョイッ

セイバー「なっ!」スカッ

ライダー「いくら速くとも毎回突進しかしないんじゃ芸が無いってもんさ!」バンッ

セイバー「グハッ……」ズザッ

ライダー「まだまだぁ!」バンバンバンバン!

セイバー「ガッ……ハッ……」ドサッ

慎二「や、やったか!」

白野(セイバーはこのぐらいじゃやられない。予選の時助けられたのは……)

セイバー「全て遠き理想郷(アヴァロン)!」カァッ!

白野(セイバーのあの鞘があったから!)

慎二「嘘だろ……あれだけ与えたダメージが一瞬で全回復だなんて……」

ビービービービー!!

慎二「これは……警告?バカな!セラフの感知が早すぎる!?」

セイバー「なっ!?体が……動かな……」

白野「これは……!」

セラフ『アリーナ内でのエネミーの過剰撃破を及び聖杯戦争において不相応な宝具を確認。聖杯戦争進行の円滑化および過剰撃破のペナルティを行使します。対象者:岸波白野、セイバー』

白野「!?」

セイバー「なっ……!アヴァロンが……私の力が消えて……」

セラフ『また、アリーナ内での不正な戦闘を確認。強制終了します』

バシュウッ!!

慎二「な、なんだかよく分からないけどざまあみろ!!やっぱりお前にはそんなペナルティが下って当然だったんだ!」

ライダー「どうやら今回も運に助けられたみたいだね。まあせいぜい頑張りな」

ピカーン

白野(サーヴァントが……弱体化した……)

セイバー「……」

一回戦四日目終了

マスター:岸波白野
クラス:セイバー
真名:???
宝具:???、???、全て遠き理想郷→没収
筋力:A→D耐久:C→E俊敏:B→D魔力:B→E幸運:B→C
スキル:直感A、騎乗B、カリスマB


スマン今回はここまで

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