男「作家のSNSの使い方について議論したい」 友「いきなりどうした?」 (21)


男「作家のSNSの使い方について議論したい」

友「いきなりどうした?」



男「いや、おまえネットニュース見てないのか? 昨日今日、オタク界隈を賑わしているニュースがあっただろ」

友「……あー、もしかしてあれか。アニメが決まってた作品の作者が過去にヘイトスピーチしてたってやつ?」

男「それそれ。そのせいで作者の謝罪、出演予定声優の降板、作品の出版停止、アニメ化中止となったやつ」

友「あそこまで流れるように決まってやべーよな」

男「まさに急転直下ってやつだわ」



友「で、それが最初に言ってた作家のSNSの使い方が気になった理由か?」

男「そういうこと」



友「確実に言えるのはヘイトスピーチをするのは良くないってことだな」

男「それは当然だ。というか漫画家や小説家に限らず駄目だ」





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友「とりあえず駄目な例はすぐに思いつくな。この前経験したし」

男「ほう、言ってみろ」

友「いやさ、気になった作品の作者のSNSを見に行ったんだけど」

友「ソシャゲのガチャ結果載せてドヤッってんの」

男「あー……」

友「いや、そんなの知らねえよ、ってなって即ブラバしたけどさ」

男「他にも今日食った飯とかも知らねえよってなるよな」

友「分かる」

男「つまり作者の個人的な出来事を書いてるSNSが駄目な例ってわけだな」


友「逆に理想は自分の作品についてだけ語っているタイプだな」

男「新作の進行状況とか、発売日とか、漫画家ならキャラのワンカットの絵を張ったりだな」

友「結局これに尽きるわ」

男「だな」



友「ただあまり語りすぎるのも良くねえと思うんだよ」

男「そうか?」

友「キャラの裏設定とかをSNSで書いてるやつとかいるけどさ」

友「ここを見に来ないと知ること出来ねえじゃん、ってもやもやするんだよな」

男「俺は逆にそんな裏話までしてくれるなんてありがてえ、ってなるけど」

友「あーそういう考え方もあるか……でもなー」

男「まあここは個人の考え方の違いか」


友「駄目な例と理想な例……これでもう結論は出たんじゃねえか?」

男「そうだな。作家はSNSで自分の作品に関わる事だけ語るべし、ってわけだが――」



男「だったらどうしてこの理想通りにならないのか、ってことだ」



友「そんなの作家が分かってないだけで……」

男「それは違う。こんな一読者の俺やおまえが分かるようなことを、作者だけが分からねえわけないだろ」

友「んー……だったらどうしてなんだ?」


男「一応予想はできる」

友「え、本当か?」

男「ああ、ていうのも漫画家や小説家の性質に関わってくるんだが――」



男「漫画家や小説家は承認欲求が強い!(断言)」



友「……いや十把一絡げにするんじゃねえよ。そうじゃないやつだっているだろ」

男「いない! そうじゃなければ自分の作った作品を誰かに見せようとは思わない!!」

友「んー……まあそういう考え方もあるか?」

男「だからどうでもいいことを共有したがるんだよ。承認欲求の強いやつの特徴だな」


男「後は作品に興味を持ってもらったことを、作家自身に興味を持ってもらったんだと勘違いするタイプもあるな」

男「それでどうでもいいことも発信してしまうと」

友「作品と作者は別物だってのにな」



男「まあ別物でありながら、お互いに影響するのが辛いところなんだよな」

友「ん、どういうことだ?」



男「おまえさっき言ってただろ、ガチャ結果をSNSに載せてた作者がいたって」

男「それを見る前と後で作品について違う感想を思ったんじゃないか?」

友「あー……言われると前は全肯定して読んでたのに、何かケチ付けたくなるんだよな」

友「どうしてだろ?」



男「極端な例で考えてみると分かりやすいんじゃないか?」

友「極端な例?」




男「例えばある作家がSNSに『俺ゴキブリが大好きなんです! 愛しています!』って書いたとする」



友「うげっ」

男「そうしたら作品にゴキブリが出てなくても嫌になるだろ」

友「なるわ……」



男「逆に読者の反応を極端にすると」

男「ある作家がSNSに『今日は朝にご飯を食べました』って書いたとする」

友「それくらいはいいんじゃねえか?」

男「でも『朝は絶対にパン過激派』って読者からは反感を買うだろ」

友「まあ買うだろうけど……」

男「そしたらそいつはその作品にごはんを食べるシーンが無くとも嫌うだろう」


男「結論、作家は自分の作品以外のことを語るべからずってことだな」

友「ひっくり返すと、作家は作品で語れと」

男「ああ、その通りだ」

友「……ならさ」

男「ん、どうした?」








友「このSSも作家の考えをSS形式にして語っているだけじゃね?」

友「作品と言えるほどの物語性もないし」





男「………………」

男「………………」

男「………………」



<完!!!>


おしまい。

異論、反論は認めます。

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