男「なんだお前また来たのか」(96)

幼女「ダメだった?」

男「別に? それより早く入ってドア閉めてくれ虫が入る」

幼女「……んっ、オジャマします」 スウッ

男「いま準備すっから、そこに座って……って、そうだアレは持ってきたか?」

幼女「あ、うん……これ」 ゴソゴソ...スッ

男「あいよ、そんじゃちょっと待ってろな」

ドスドスドスドス......カチチチチチッ

幼女「……」 キョロキョロ

...ボォォォッ

幼女「……!」 ...ソーッ

男「おい、準備できたぞ……って、何してんだ」

幼女「っ! あ、えっとその」 アタフタ

男「部屋の物は勝手に触るなって前に」

幼女「……」 モジモジ

男「……ほら、さっさと済ませるぞ」 プツッ プチッ

幼女「えっ、あ……っ」

男「っとと、ヤベェもう垂れてきた……ほら口開けろ」

幼女「えっ、ま……んむっ」 ムググッ

男「っ……? おい、どうした早く吸えよ 」

幼女「……っ……っ」 ...ペロッ チュウ...チュウ

男「……」

幼女「っ……んっ、んぅ」 チゥ チュッチュウッ

男「…………っ」 フイッ

幼女「っふ、ぁむ……ん……はふ」 チュクッ チュッ...カプッ

男「い、っ……おい、お前いま噛m」

幼女「っ」 ビクッ

男「あ、あ~……いや、大丈夫だ……ほら、続けな」 フイッ

幼女「…………」 ......ペロッ チュッ

男「……っ」 ブルッ

・・・

幼女「……ほぅ……」...ケプッ

男「……ふぅ、あ~……何か飲むか? ジュースとか」

幼女「……うぅん、だいじょぶ……ゴチソウサマでした」 ペコリ

男「そ、そうか? それなら別に、うん……っと、もうこんな時間か」

幼女「あ……それじゃ、おうち帰らなきゃ」

男「……もう外は真っ暗だけど一人で帰れるか? なんなら送ってくぞ」

幼女「だいじょぶ、レンシューなの」

男「練習? って……そういうもん、なのか?」

幼女「ん、それじゃ……」 ...ジィッ

男「……? どうした?」

幼女「っ! バイバイ、またねっ」 タンッ パタタタタッ...

男「っ ……またね、か……ははっ、いまだに信じられねぇや……あんな幼女が」







男「吸血鬼だなんてなぁ」

登場人物

幼女
……北欧系幼女、人見知り気味、いわゆる吸血鬼の家系


……ポッチャリ系男子、幼女の特別指定吸血対象者

...ィ...ピィィィィィッ!!

男「おっ、ハイハイお湯が湧きましたね分かりましたよ~……っと」 ...カチャン

男「かやくは麺の下に入れ~♪ お湯を注いで1分半~♪」 トプトプトプ

男「ソースと箸を乗せまして~♪ 湯切りは素早く油断なく~♪」 ドボボボ...ベコンッ!

男「ソース青海苔コショウをかけて~♪ マヨと揚げ玉トッピング~♪ ペ◯ング! 超盛り!!イ タ ダ キ m」

ピンポーン

男「……」 ...チラッ

...ピンポーン

男(配達……は頼んでない、新聞の勧誘? こんな時間に?流石にそれは)

......ピン ポーン

男「となるとやっぱり……」 ...ガチャッ

幼女「っ、こんばんは」 ペコッ

男「まぁ、お前だよな……ほれ、さっさと入んな」

幼女「っ、オジャマしま……?」 クンクン

男「何だか今日は前の時より来る時間が早いみたいだけど何かこの後に用事でもあるのか?」

幼女「……? あ、うぅんちがう、です」 フルフル

幼女「今日はお母さんおしごとでおそいから、行くなら早めにってお母さんが」

男「ほ~ん、そういう事……まぁ別に良いんだけど、俺は今からメシ食う所だからちょっと待ってもらうぞ」

幼女「ごはん? ……わかった、です」

男「悪りぃな、まぁその辺に座って待っててくれな? すぐ食べおわっから」

幼女「……」 コクリ

男(……と言いつつコーラを注いで急いで食べる気の無い俺であった、まる) トクトクトクッ

男「うっし、改めましていただきまっすと」 ...ズゾゾゾゾッ

幼女「……」 ...ジィッ

男(……くっ、出来上がってから時間が経ったせいで揚げ玉がヘタっちまってる……最初は硬い揚げ玉と麺の食感の違いを楽しみたかったのに) ズゾゾゾゾッ ムグムグッ

男(だがしかし、硬麺のタイミングで湯切りした事で麺と絡みきらなかったソースにふやけた揚げ玉を浸す事でソースの濃淡をより際立たせるっ) ズズゾゾスゾゾズッ

男(そして!敢えて偏ってかけておいたマヨネーズをこのタイミングで全体に行き渡らせる! はははっ! 美味! 美味なるぞ!!) ズズズズッ!ゾスズズズッ!

幼女「…………」 ジィィッ

男(あぁ、至福……これぞ至福……だがもう残すところ三分の一って所か……しまったなご飯も解凍しておくべきだったか…………ん?) ズッズッズゾゾゾゾッ...ゴクンッ

男「おい、どうかしたか? 」

幼女「それ、なぁに?」 ジィッ

男「……? それって、インスタントの焼きそばだな……お前、食ったことないのか?」

幼女「……」 コクリ

男「へぇ~、いまどき珍しい……って、もしかしてアレか? 吸血鬼はこの手の物は食べないとか?」

幼女「……スパゲッティは、食べる」

男「へ~、それなら別に食えないって訳でもないのか」

幼女「……」 ジィィィッ

男「…………食べたいのか?」

幼女「! …………~~~…………ちょっと、だけ」 モジッ

男「ちょっとだけねぇ……そういや、母親が仕事で遅いとか言ってたけどお前メシはどうしたんだ?」

幼女「チンして食べた」

男「チンして……作り置きってことか? ふ~ん……それなら別に……」

幼女「……そっか」 シュン

男「…………コショウふってあるから少し辛いかもだぞ」 スッ

幼女「……! ……じゃ、ちょっとだけ」 ...チュルルッ

男「……」

幼女「……」 モクモク

男「……どんなだ?」

幼女「もうちょっと、食べていい?」

男「あ? あ~……まぁ、別に」

幼女「っ!」 ハグハグ...チュルル ゴクンッ

男「……んで? 食べてみた感想は?」

幼女「ん……ちょっとカライけど、しょっぱくておいしい」

男「へぇ……なんだか意外だな」

幼女「……? なにが?」

男「いや、なんて言うかまぁイメージと違うなと」 ...ズゾゾゾゾッ

幼女「……?」 キョトン

男「なぁ、お前は好きなモンとかあんの?」

幼女「好きなモン?」

男「好物だよ好物、どうなん?」

幼女「……ショットブラール」

男「しょっとぶ……なんだって?」

幼女「ショットブラール、お肉をこのくらいに丸めて」

男「ふぅん? ……ミートボールみたいなもんかな」

幼女「……!」 コクコク

男「へぇ~、なんかアレだな、割とその辺は普通っぽいのな」

幼女「……へん?」

男「ん? あぁ、別にそういう訳じゃあ無くてだな」 ズゾゾゾゾッ

男「まぁ何だ、吸血鬼って言ってもそういう所は変わりないんだなって……あぁでも」 ゴックン

幼女「?」

男「……いや、何でもない……待たせて悪かったな、ほら針を寄越しな」

幼女「え……うん……はい」 ゴソゴソ...スッ

男「ん、それじゃあ炙ってくるからちょっと待ってろな」

幼女「……あっ、だ、だめ」 アタフタ

男「ん? 何だ? 何が駄目なんだ?」

幼女「えと、それ、そのまま使ってだいじょぶなヤツ、だから」

男「はぁ? 大丈夫って……いや、使い捨てるにしたって流石に熱消毒くらいはした方が」

幼女「んと、えっと……! こ、これ読んで」 カサッ

男「何だそれ? ……? これは、なんだ……要するに、この針はお前の抜けた乳歯でできてる、って事なのか?」

幼女「……!」 コクコク

男「はぁ~……"従来の針と異なり使用に際しての苦痛を大幅に軽減、採血後の痕の再生を促し"……って、本当かこれ?」

幼女「……たぶん」

男「分かんないのかよ、ってまぁ今日使うのが初めてならそらそうなるか……」 ハァ

男「因みに今日は今まで使ってたタイプの針は持ってきてたりはしないのか?」

幼女「もってきてない」 フルフル

男「………………分かった、それでいこう」 フゥ

男「まぁ、見た目には前の針と変わらないしな……大丈夫、大丈夫」 スッ

幼女「あっ」

男「何だよ、まだなんかあるのか?」

幼女「……がん、ばって」 グッ

男「…………そらどうも」 プスッ

男(……ん? んん??) ジィッ

男「何だこれ、マジで全く痛くねぇや……えっ? なんで? どうなってんだこれ?」 ポタッポタッ

幼女「! あっ、あっ! ……~~!」 ハグッ

男「うおっと!? おっま! 飛び付いてくんなよ」 ヨタタッ

幼女「んっ、ちゅっ……はむっ……んむ」 チュウチュウ

男「……っ……?」 ...ゾワッ

幼女「はむ……っ……んっ……はふ」 チュッ...チゥッ

男(な、なんだ? なんか、吸われるたびに背筋が……っ) ゾクゾクッ

幼女「はっ……んむっ……んっ、んぅっ」 チュクッチュッ チュゥゥ

男「ぅひっ、ちょっまっ……ストップストップ! 一旦ストップ!!」 グイッ!

幼女「んっ!? んむっう!? ……っぷは!」 チュポンッ!

男「あっ……だ、大丈夫か? 急に引っこ抜いてスマな」

幼女「……だぁ」 ボソッ

男「えっ?」

幼女「やだぁ……もっとぉ、まだのむのぉ」 ...トロン

男「えっ? は? なん……えっ?」

男(な、なんだ? どうしたんだ? なんか顔つきがちょっと普通じゃ無くないか?) ヒキッ

幼女「ちゃうだいよぉ……ねぇ、いいでしょぉ……?」 ...ィィィン

男(……? なん、だ? あたまがボンヤリ……ってこれ、ひょっしてチャームとかいうのか? や、ヤバイヤバイ!!) ブンブンブンッ

男「わ、わかった!分かったから落ち着け!? ほら指を……って、血が止まって……マジか」

男(おいおい、採血後の痕の再生を促すって言っても早すぎないかコレ!? 逆に大丈夫なのかよ!)

男「しょうがない、もう一回刺すか……待ってろよ、いま」 スッ

幼女「まって」 ギュッ

男「ぃっ!? な、なんだよ? 血を飲むんだろ? いま出すからちょっと大人しく待っ」

幼女「……そこじゃない」

男「あ、あぁ? そこじゃないって……なに言ってんだ? さっきと同じ人差し指だろ? 違うってなにが」

幼女「こっちがいい」 グイッ

男「っ!? こっちって、おま……腕、なんだけど」

幼女「こっちがいい」 ...ジィィッ

男「えっ、えぇぇ……なんで、そんな」

幼女「こっちがいい」 ジリッ

男「いや待てって、ちょっと落ち着こう? な?」

幼女「こっちがいい」 ズイッ

男「顔ちかっ……いや、落ち着けって! 別にどこで吸ったって味が変わるわけじゃないだろ?」

幼女「こっちがいいっ」 ムスッ

男(聞く耳持たずかい、どんだけ腕から吸いたいんだよ)

幼女「……こっちがいい」 ...ウルッ

男「ちょっ、泣くほど? 泣くほどなのか? そこまでの事なのか?」

幼女「……ダメ?」 ウルルッ

男「…………いや…………ダメ、じゃ……ない、けども」

幼女「じゃあこっちっ♪」 ギュッ

男「……おい、コラお前? なんだ? もしかして演技か? 演技だったのか? おい?」

幼女「はやくっ! はやくっ! ほらっ! ねえっ!」 グイグイ

男「っ、あ~~! わかった! わかったから落ち着け! 腕からな! ちょっと待て!腕洗ってくるから! なっ?」

幼女「え~~……はやくぅ」 ...ポスン

男「……まぁ、いいけどな……大人しく待ってろよ」

幼女「はぁ~~い♪」 プランプラン

男(……前から薄々思ってたけど、アイツ血を飲む前と後で性格が変わってるよな、やっぱり) ジャバジャバ

幼女「~~♪」 プラップラッ

男(吸血鬼がそういうものなのか、アイツが個人的にそうなのかは、この際置いておくとして) ジャババッ

男(今後は血を飲む前に、その日の採血方法とかを決めてから始めるようにした方がスムーズにいきそうだな) ...キュッ

幼女「ねぇ~~? まぁだぁ~~? はやくぅ~~っ!」 パタパタッ

男「あ~~、いま行くから大人しく待ってろって! おい、あんましホコリたてんなっての」 フキフキ

幼女「んっ! 待ってたよ! ほらっ、う~で! う~でっ!」 パタパタ

男「はいはい、分かりましたよっと……っと、ちょっと待て? 腕から吸わせるとして、体勢をどうすっかな……指と違って咥えさせる訳にもいかないし」

幼女「……? カンタンだよ、ここ! ここ座ってここ!」 ポスポス

男「あん? 俺がベッドに座るのか? あ~……まぁ確かに立ったままだと難しいか」 ボフッ

幼女「うん♪ それじゃあ、こうして~♪」 スイッ トスンッ

男「は……はぁ!? おい、何でお前っ! 俺の膝の上に座ってんだよ! 降りろ降りろ」 グイッ

幼女「や~~っ!! ここ! ここが良いのぉっ!!」 ガッシリ

男「おいっ!? しがみ付くn……って、力強っ!? わ、分かった分かった! 分かったからそんなしがみ付くなっての!」 グイグイ

幼女「ん~~っ! ホントにぃ? ホントに分かったのぉ?」 ギチギチ

男「ホントだから! 嘘つかないから! OK! 俺も手を離す! だからお前も離せ! なっ!?」 ...パッ

幼女「ん~~……えへへぇ、分かったのならよろし~ぃ♪」 スッ

男(コイツ……っ! なんつ~馬鹿力を……こんなガキンチョでコレとか末恐ろしいなマジで) ハァハァ

幼女「よぉ~しっ! それじゃあ飲ませてくださいなっ♪」 ニコニコ

男「……それは良いんだけど、この体勢で腕から血を飲むとなると腕をこう、お前の顔に回す感じになるんだが」

幼女「うん! それで良いよっ」

男「……さいですか……んじゃあ」 スッ

幼女「あっ! まってまって! もいっこお願いしたい事がっ」 ユサユサ

男「おいコラ、膝の上で跳ねるな……あぁもう、この上なんだってんだ?」

幼女「えっとね、えっとね? こっちの腕から血を飲むでしょ? だからこっちの腕をっ、こう♪」 グイッ ギュッ

男「……側から見たら俺がお前を抱きしめてるみたいな画になるんだが」

幼女「……えへへぇ~♪」 ニヨニヨ

男「そこで笑うとか意味分からんのだが……まぁ、もう好きにしろよ……ほら、針使うから一旦手を離せ」

幼女「……ん~~」 ...スッ

男「うし、そんじゃやるぞ……あ~、なんか指先とはまた別の勇気がいるな…………っ!」 プスッ

少女「っ!!」 ザワッ

男「……あ~、待てだぞ? 待てだ……服とかベッドに垂らしたくないからな、針を抜いたら直ぐに顔の方に近づk」

少女「分かってるから早くっ! 早くっ」 フゥーッフゥーッ

男「分かったから、分かったから落ち着け? いいか? 右腕は針持ってるから、抱えるのは俺が針を置いた後だぞ? 良いな?」

少女「分かったから! もぉ早くぅ~っ! ちょうだいよぉ!! 」 フゥーッ!フゥーッ!

男「興奮の仕方が怖ぇんだけど……吸い尽くされたりしないよな? ……流石にそれは勘弁してくれよ」 ピッ...ツゥッ

少女「~~っ!」 ハムグッ!

男「っ! コラ腕だからって歯を立てんなよ……っ」 ゾクゾク

男(指先より感覚の鈍い場所な分、マシかもと期待してたんだが……気休めにもならなかったな……ん?)

少女「~~っ、~~~っ」 チウチウ...パタパタ

男(あんだ? あんな欲しがってた割に飲み方がいつもより……それに手をバタつかせてるのは何で……って、あぁ)

男「早くもう片方の腕を回せってか? ……はいはい針を置いてっと、ほらこれで良いのか」 カタッ...キュッ

幼女「! ……~~♪」 ギュウッ ヂュウヂュウ

男(ぬおっ!? 腕をガッチリ掴んで、口に押し付け……っ、ヤバっ吸われてる感がいつもと段違いにっ) ゾワワッ

男「お、おいっ? ちょっとペース早すぎ……っ!?」 グッ...ググッ

幼女「~~~っ♡ ~~~~♡」 ヂュウッヂュッヂュゥゥッ

男(や、べ……腕が動かせな……なんか、眠……く……) カクンッ

・・・

......サ......ナサ......

男(…………ん……?)

......ゴメ......メンナサ...

男(……なんだ? だれかの、声……? あれ、なんで人がいるのに俺は寝て……)

......ドウシ......ダ! キュウキュ......ヨバナキャッ!

男(……? いま、なん……きゅうきゅ、って……救急車っ!? ちょっ! 待て待て待て待て!!) ...ググッ

幼女「えっと、えっと! 救急車はっ、う~~……っ、い、いちいち……ぜろ!!」 ピッピッピッピッ!

男(ちょっ!?それ救急車と違っ!!)

幼女「~~~~っ! つ、つながった!! も、もしもしぃっ!!」 ワタワタアセアセ

男(ま、まずい!! 電話を、やめさ、せっ!?) ヨロロッ...ズルッ

幼女「あのあのっ! きゅっ、救急車をっ!! はやっ早く来てください! じゃない……と?」

...ガッシャーンッ!キャーー!! ピーポーピーポー...

・・・

男 幼女「「……お騒がせしました」」

...ガチャン ポーピーポーピー...

男「……はぁぁぁ、良かった……一時はどうなるかと……はぁぁぁぁぁっ」 ダランッ

男(電話口で激しい物音と女の子の叫び声がしたってんで警察がすっ飛んできてドアをドンドンされた時は、マジであっ、終わったって思ったわ)

幼女「…………あ、あのぉ……ごっ、ゴメンナサイ!」 ペコッ

男「は? ど、どうした? 何でお前が謝るんだ?」

幼女「だ、だって……」

男「……110番については、別に悪気があったわけじゃないし、お前は俺を助けようとしただけだろ? だからその事は別に」

幼女「それも、だけど……っ、お兄さんの、血を……わ、わたし……っ」 グスッ

男「あ~……いや、その事なんだけど実は俺の方にも問題があっt」

幼女母「ほほぅ? それはどういう事デスか? きっちり説明してもらわないといけまセンね」 ...スゥ

男「!!?」

幼女「マ、ママっ!!? どうしてここにっ!?」

幼女母「それは勿論、警察から電話があったからデスよ? モ~、すご~くすご~くビックリしたデスよ?」

幼女「……! ご、ごめんなさいっ! お仕事中だったのに……わたしのせいで」

幼女母「ノンノン、電話がかかってきたのはビックリしたデスけど、その事は別に気にしなくて大丈夫デス」

幼女母「ただ……男サンが気絶するまで血を吸ってしまったコトは話が別デスよ」

幼女「……っ」 ビクッ

幼女母「たくさんたくさんお話しして、アナタもそのコトはよ~く分かってると思ってたデスが……ワタシの考えが甘かったみたいデスね」 ...ハァ

男「……あ、あ~~……えっと、その事なんですけどちょっt」

幼女母「すみませんが今はこの子と話してマス、少し黙っててくださいデス」

男「ア、ハイ」

幼女「……っ……~~っ」 ...グスッ

幼女母「……ワタシは男サンとお話がありマス、アナタは先に家に帰ってなさいデス」

幼女「……」 ...コクリ

男「……あ、あ~……えっとぉ」

幼女「……っ、お兄さん……ごめ……なさ……っ!」 タタタッ...ガチャン

男「…………あ~、そのぉ」

幼女母「この度はワタシの指導が至らないばかりに大変なコトになってしまい、本当に申し訳ありませんデス」 ...スッ

男「えっ? い、いや、あの」

幼女母「あの子のしたコトを考えれば、憤懣たるお気持ちも有るかと思うデスが、あの子につきましては同じコトの無いよう後でキツく指導しておくデス」

男「あ……そ、そうですか? いや、でも」

幼女母「とは言え、今回のようなコトがまた起きるのではと心配に思うのは当然だと思うデス……なので」

幼女母「お望みであれば男サンとの間に結んでいる吸血契約の即時解消もワタシとしては止むなしと考えてるデス」

男「は、はぁ……って、えっ!? 契約の即時解消って……それって確か色々と制約が有ったような」

幼女母「ハイ、でも今回のようなケースでは吸血対象者側から申請すれば問題なく解消できるんデスよ」

男「えっ? そ……そうなんですか」

幼女母「その点は契約書にも記述があるので後で確認してくだサイ……それで、どうするデスか?」

幼女母「モチロン契約解消しても今回までの分の謝礼金と補助金についてはちゃんと規定通りの額が振り込まれるデスから心配いらないデスよ?」

男「……話は分かりました、分かったんですけど……その……少し伝えておかないとかな~ってことがあってですね?」

幼女母「……? 伝えておかないとな~ってコト……デスか?」

・・・

ピンポーン

男「……ッンが……?」 モゾリ

...ピンポーン

男「……ん~~……? あれ、いま何時だ……?」 ゴソゴソ

ピーンポーン

男「……あ~……寝過ぎたかぁっと……あ~ハイハイいま出ますよ~っと」 フラリ

...ピンポピンポピンピンポーン!!

男「…………うっるっせぇぇぇぇっ!!」 ガチャン

友「おっ! なんだ生きてんじゃん、中々出てこねぇから死んでるかと思ったわ」

男「うっさい、寝てたんだよ……なんか用?」

友「あ~? 何だよ午前の講義が終わるなりサッサと帰った親友を心配して来てやったってのに、その言い草は無いんじゃねぇの? ん?」

男「それはまたどうもありがとうございますって」

友「スゲェな、人ってそこまで感情を込めずに話せるものなのな……まぁいいや、ほら差し入れ持ってきてやったんだから中入れろよ」 ガサッ

男「何だ、それを早く言って下さいよ友くん、さぁどうぞどうぞ」

友「ははは、その切り替えの早さ誠に天晴じゃ、くるしゅうない」 カンラカンラ

男「さてさて、それでは一体どのような見舞いの品を…………友くんや、これは何だい?」

友「何とはなにか、一目瞭然であろう? 体調不良の時にはやっぱり桃缶に限る! まったく気の利く友人を持って男は幸せ者よなぁ! はははははっ!」 カンラカンラ

男「お~、桃缶とか久しぶりに見たわ……んで缶切りは?」

友「はははは……は? えっ? なに缶切りないの? マジで?」

男「いや、缶詰とかそんな買わんし……たまに買うのも缶切り要らないタイプばっかだし」

友「な……ならひとっ走り缶切り買ってきてやんよ! 缶切りくらいコンビニに置いてるだろ」

男「……駅の方まで行かないとコンビニ無いぞこの辺」

友「………………」

...タッタッタッタッ...

男「まさかマジで買いに行くとは……往復で20分はかかるってのに律儀なやつだよなぁ」

男「さて……友が帰ってくるまで寝てるってのもアレだし少しテーブルと床を片付けておk」

ピンポーン

男(……? 友、か? いや流石に早すぎな気がするけども) ノソッ

男「おう、どうした随分早いな? どうした何か忘れれm「っひゃ!?」」

男「う、お!? 」

幼女「……っ! ~~っ!!」 ドキドキドキドキ

男「お、お前か……その、友達が来たもんとばっかり思ってだな」

幼女「……っ、だい、じょぶ……ちょっと、ビックリしただけ、です」

男「そうか? なら、うん……あ~……まぁなんだ、それじゃあ中に」

幼女「っ、あ! 今日は、そのっ、そうじゃなくて……えっと、お兄さんに……っ」 ...ガサッ

男(……? 紙袋?)

幼女「その、これ……おくちによかったら、どうぞ、です」 ズイッ

男「えっ? お口にって……食べ物か? ……あ~、成る程そういう……って事は今日はこれを渡す為だけに来たって事か?」

幼女「……っ」 コクリ

男「……そうか、わざわざありがとうな」 スッ...ポンッ

幼女「……ぁぅ」

男「あ~……折角だし、あがってくか? 血はアレだけど、ジュースくらいなら」

幼女「っ、えと……今日はお母さんおうちにいるから、すぐ帰っておいでって……だから、その」

男「あぁ、そうか……それじゃあ早く帰った方がいいな、引き止めて悪かったな」

幼女「そ、そんなことっ」

男「日が落ちてるし帰りはいつも通り飛んで帰るんだろ? なら大丈夫だろうけど気を付けt」 ...キュッ

幼女「…………っ」 ジィッ

男「……えっと、どうした? あがっていかないん、だよな?」

幼女「……っ……お兄、さんは……なんで?」

男「は? なんでって……どうした急に、何の話だ? 」

幼女「……わたし、お兄さんにヒドイことをして……っ、なのになんで?」

男「……あぁ、ひょっとして契約解除の事か? だったら、アレは俺の方にも落ち度があったからって」

幼女「でもっ……! また……また、お兄さんの血をたくさん……たくさんっ……! そしたら、こんどはお兄さんを……っ」 ...キュウッ

男「……いや、まぁ俺だってまたあんな大騒ぎになるのは御免だけどな?」

幼女「……! な、ならヤッパリ」

男「でもさ、お前だってまたあんな風な事になるのは嫌なんだろ? 違うか?」

幼女「それ、は」

男「違わない、だろ? なら良いんだ、そもそもお前は血を吸い始うようになってすぐなんだし、失敗の1回や2回はおかしくないんじゃないか?」

幼女「…………でもぉ」 ...グスッ

男「……実はあの日な、課題の期限が近くて徹夜3日目だったんだよ」

幼女「……? かだい……てつや?」

男「あ~……昼は学校行って夜に寝ないで宿題やってたんだよ……だから、あの日はそもそも貧血気味だったんだよ」

幼女「え……」

男「そんな訳でだ! あの時に倒れたのの半分は俺のせいだし、自己管理に関してはお前より大人の俺がしっかりしてなきゃダメだったなと反省してんだ」

男「だからだな……俺は俺で、お前はお前でお互いこれからは気をつけようなって話なんだが……分かるか?」

幼女「……」 ...コクン

男「……! よし分かってくれたか!それじゃあ、この話はこれでお終いに……?」

幼女「…………いっこだけ、いい?」 ...ギュッ

男「…………ん、どうした?」

幼女「…………っ……お兄さんは……わたしのこと……わたしの、こと……っ」 ...キュウッ

男(…………あぁ、そうか……そういえばこの子は……って事は、もしかすると)

幼女「……ほんとうは、きr っひゃわわわわわぁっ!?」 ワシャシャシャシャ!

男「うりうりうりうり~~っと……ふぅ」

幼女「は……はへ? な……なん……?」 ボサボサ

男「あ……わるいわるい、お前を見てたら何だか無性に頭を掻き混ぜてやりたくなったもんでさ」

幼女「……うえぇ? ……あぅ、かみの毛ボサボサになっちゃった 」 クシクシ

男「……本当にゴメンな? その……イヤだったか?」

幼女「…………えっ」

男「……」

幼女「………………イヤ、じゃ……ない……けど」

男「けど……?」

幼女「……っ…………もうちょっと、やさしく……してくれると、そのぉ」 ...モジッ

男「優しく……こんな感じか?」 ...モシャシャ

幼女「……ぁう……っ」 フルルッ

男「……前から思ってたけど髪の毛きれいだよな、ほっそいし……何か特別に手入れとかしてるのか?」

幼女「ふぇ? ……ぁ……うぅん? えっと……ふつーにシャワーだけ、だよ?」

男「へぇ? そうなのか……手入れなしでコレとか、天然物の金髪はやっぱ違うんだな」 モシャシャ

幼女「…………え、っと……?」

男「……今まで、悪かったな」

幼女「…………へ?」 キョトン

男「なんて言うかな……話があっという間にドンドン進んでいくもんだから、なんだか流されるに任せてたって感じが有ったってのも正直あった……それに」

幼女「……」

男「……契約を果たす分には、それ以外は出来るだけ関わらないようにした方が良いだろう、って思ってたんだ」

幼女「!」

男「思ってたんだけども……こんだけ短い間に何度も顔を合わせてるってのに、出来るだけ関わらないようにするって方が難しいんだよな」

幼女「……?」

男「あ~……つまり……これからはだな」

幼女「……???」

男「…………血を吸いに来る以外でもよ、気軽に遊びに来いよ」

幼女「…………へっ?」

男「い、いや! 別にお前が来たければって話であって来たくなければ無理にって訳じゃ……ってなんだか自分で言ってて変な感じになってるけど何て言うかだな」 アタフタ

幼女「……ホントに?」

男「ん?」

幼女「ホントに、あそびに来て……いいの?」 ジッ

男「! ……おう、いつでもって訳にはいかねぇけどな? 講義のない時なら基本的に家にいるから……そうだな、お前って携帯電話とか持ってる?」

幼女「あ、うん……これ、だけど」 スッ

男「あ~、子ども用のメールと電話の機能だけのか……そうだな、そしたらちょっと待ってろよ」 ...ゴソゴソ

男「……うし、ほらよ」 カサリ

幼女「? これ……電話番号と」

男「俺のスマホのアドレスな、お前のママに見せて入れてもらいな」

幼女「……いいの?」

男「まぁ、俺も用事で家を空けてる事が今後も無いとは言えないし……遊びに来る以外でも連絡取れた方が何かと便利だろ」

幼女「そっか……うん、そうだよね」

男「……っと悪い、なんだかんだで話が長くなっちまったな」

幼女「え? ぁ……だ、だいじょぶだよ? 帰りはとんでいっちゃうから」

男「あぁ、そっか……って、まだ日が沈んでないけど飛んだりして大丈夫なのか?」

幼女「……? あ、だいじょぶだよ? あまり高いところをとばなきゃ大っきい鳥さんはおそってこないってママが」

男「えっ」

幼女「……え?」 キョトン

男「あ……いや、俺は日がある内から飛んだりして太陽に焼かれたりとかしないのかって意味で」

幼女「……?」 キョトン

男(え、なんだこれ? 俺は別に変なこと言ってないよな? いやでも、なんかすごく俺が変なこと言ってるみたいな空気に……)

男「あ、あ~……いや、なんだ?悪い別に何でもないんだ気にしないでくr」

幼女「……っ」 クスクスッ

男「んなっ……おま、笑っ」

幼女「ご……ゴメンなさい……っ、でもお兄さんが はずかしそうにしてて、なんだか……っ」 クスクスッ

男「……そんなにおかしかったか?」 ポリポリ

幼女「……」 ジッ

男「……?」

幼女「……やっぱり、お兄さんって……」

男「……? やっぱり……何だ?」

幼女「……なんでもないっ♪」 ニコッ

男「!」

幼女「それじゃあ、またねっ」 タタタタッ...ピョンッ

男「……っ、き……気をつけて帰れよ~!」

......バササササッ......

・・・

...ッタッタッタ...ガチャッ

友「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ま……待たせたな、いま帰ったぜぇぇ」 ゼェゼェ

男「おぉ、おかえ……おいおい、大丈夫か? なんでまたそんなヘトヘトに」 ガササッ

友「いや……なんかコンビニで売り切れててよ……この辺りのスーパーとか巡ってようやっと見つけたら遅くなっちゃったからさ」 ゼヒーゼヒー

男「マジかよ……なんか、スマンかったな」

友「なぁに! 他ならぬ友人のためだからな! このくらいなんて事……ん?」 クンクン

男「……? なんだ? 急に鼻ヒクつかせて」

友「いや、なんか……ひょっとして俺がいない間に誰か来たか?」 スンスン

男「えっ」

友「な~んか嗅ぎ慣れない感じの……だけどこの僅かに甘ずっばさを感じさせるこの匂いは……!」 クワッ

友「ズバリ! 小学生女s」

男「コレだろこれ!ほら嗅いでみろコレだって!!」 ガササッ

友「ん~? あ~、確かにこれの匂いだわ……いやでもこれ、何だ? ベリー的な何かのジャムと……肉団子?」 クンカクンカ

男「なか見てないのによく分かるな……何でもコケモモだかのジャムなんだと」

友「へ~? 何で肉団子とジャム? って感じだなぁ……って、何だよそれさっきは無かったよな? どうしたんだよソレ」

男「……お前がいない間に来た客が置いてったんだよ……ショットブラール、だったかな? まぁ見舞いの品って事だわな」

友「へぇ~……美味そうだけど、なんか大きさとか形が微妙に不揃いなのは、そういうモンなのかねこれ?」

男「…………さぁ? どうなんだろうな」 フイッ

友「…………ふぅ~ん」 ニヤリ

男「……おい、なんだよ気持ち悪い顔で笑いやがって……別に俺はおかしなこと何も言ってないぞ」

友「い~や~? べっつに~~? 男くんも隅に置けないな~ってね」 ニヤニヤ

男「は? ……いや待て、違うぞ? お前が想像してるような話では全く」

友「あ~あ~あ~! いいからいいから! そう言うの全っ然! 気にしないから! うっらやましいねぇこのこのぉ」 ニヤニヤニヤ

男「おい! 人の話をちゃんと聞け!」

ここまで
作中時期は10月初旬頃

何かイベント案とか有ったら書かせてもらうかも

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