千早「ガンプラバトル?」 (37)

P「千早! 歌の仕事だぞ!」

千早「本当ですか、プロデューサー!」

P「ああ、本当だ。日程は1週間後、場所はなんとあのGBNだ!」

千早「GBN?」

P「ガンプラバトル・ネクサスオンライン。略してGBNだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527846738

千早「ガンプラバトル、ですか。歌は関係ないような気がしますけど」

P「ところがどっこい、GBNは大規模な仮想空間だから戦うだけじゃなくてライブ開催もできちゃうんだよ」

千早「なるほど」

P(あ、これまったく分かってないな)

P「とりあえず習うより慣れろって事で、ほらこれ」

千早「これが、ガンプラ?」

P「そう、千早がライブ当日に乗るザクウォーリア、ライブコンサート仕様(青)だ」

千早「これに乗ってライブ、想像もつきません」

P「そうだろう。本番で初ダイブということになったら戸惑うのは目に見えている。だから慣れるためにも何回かGBNで遊んでみて欲しいんだ」

千早「自宅でもできるって一式渡されたわ」

千早「ゲーム機はよくわからないけど…電源オン」

システム音声「ID data confirmed. Please scan your GUNPLA.」

千早「えっと、ここにザクウォーリアを置けば良いのかしら。あ、光った」

システム音声「Login data confirmed. Are you ready ? Dive start now.」

千早「これが、ダイブ…」

P『千早は有名人なんだから、あんまり自分に似てるアバターにするなよ』

千早「とは言っても細かい設定はできないし、髪型を変えるくらいで良いかしら」

千早「名前は、キサラで良いわ」

キサラ(ポニーテール、ラクス艦長服、アレックスのグラサン)

キサラ「それじゃ、始めましょうか」

ユッキー「リッくん、今日は何する?」

リク「うーん、今日はモモもコーイチさんもいないし、軽めのミッションかなあ」

ユッキー「最近フォースバトル多かったから、いいかもね」

リク「うん。あれ、あの人…」

ユッキー「どうかした?」

リク「困ってるみたいだ。俺ちょっと行ってくる」

ユッキー「あ、待ってよリッくん!」

キサラ「あの、ガンプラの乗り方って」

NPC「こちらはミッションカウンターです! ミッションをお受けになりますか?」

キサラ「いやそうじゃなくて私はガンプラを動かしたくて」

NPC「こちらはミッションカウンターです!」

キサラ「…どうしよう」

リク「あ、あの!」

キサラ「私?」

リク「そのお姉さんはNPCだから質問に答えたりすることはできないんだ」

キサラ「NPC…人と見た目が変わらないのね」

リク「それで、見たところ初心者みたいだけど、よかったらGBNの案内をさせてくれないかな」

キサラ「それはありがたいけど、いいの?」

リク「もちろん!」

ユッキー「僕たちも最初案内してもらって、随分助かったんだ」

キサラ「じゃあ、お願いします」

リク「うん! 俺はリク。でこっちが」

ユッキー「ユッキー。よろしくね」

キサラ「キサラよ。よろしく」

リク「とまあ、施設はだいたいこんな感じ」

ユッキー「次はフィールドに出てガンプラを動かしてみよう」

キサラ「そのために来たんだもの、やるわ」

リク「キサラさん、気合入ってるね」

キサラ「仕事だから」

リク「仕事?」

キサラ「あ、いいえごめんなさい。気にしないで」

ユッキー「普通に出てもいいけど、どうせならミッションを受けてみよう」

リク「チュートリアルバトルか、コレクトミッションがいいよね」

ユッキー「そうだね。キサラさんの機体はなんなのかな?」

キサラ「格納庫で見せるわ」

リク「これはまた」

ユッキー「清々しいまでの武装解除…」

キサラ「貰い物だからよくわからないのだけど、戦えないの?」

ユッキー「戦えないことはないんだけど…」

リク「武装がグレネードだけじゃチュートリアルバトルも厳しいかなあ」

ユッキー「そもそもザクウォーリアのライブコンサート仕様は、手の上で歌うために作られた機体だからね。戦う機体じゃないんだ」

リク「でも再現度は高いよ」

ユッキー「作った人の愛を感じるね」

リク「それなのに色を変えちゃってるのが不思議だなあ」

ユッキー「確かにそうだね」

キサラ「じゃあ、コレクトミッションを受けるわ」

リク「うん、それがいいよ」

『パーツ情報を奪取せよ』
ステージ・サイド7


キサラ「これにするわ」

NPC「ミッション参加を受け付けました」

ユッキー「あ、それ結構難しいやつ」

キサラ「え?」

リク「ユッキー、言うのが遅い…」

キサラ「これは、操縦席かしら」

リク「始まっちゃったのは仕方ない。俺たちもサポートするから張り切って発進しよう!」

ユッキー「僕たちに続いて!」

ユッキー「ユッキー、ジムIIIビームマスター、出ます!」

リク「リク、ガンダムダブルオーダイバーエース、行きます!」

キサラ「えっと、キサラ、ザクウォーリア、出る!」

キサラ「わぁ、宇宙にいる…」

リク「キサラさん、良い発進だったよ!」

キサラ「そ、そう? よくわからないけどありがとう」

ユッキー「まずはあのコロニー、巨大な宇宙ステーションみたいなものだね。あの中に侵入するよ」

リク「侵入ポイントは?」

ユッキー「ミッションの受注書に書いてあるはず」

リク「わかった。ダブルオーで先導する」

ユッキー「オーケー」

キサラ「よろしくお願いするわ」

リク「このハッチから入れるみたいだ」

キサラ「スパイみたい、ふふっ」

ユッキー「まさにそうだよ。これから僕たちは敵の秘密兵器の組み立て前パーツを回収しに行くんだからね」

リク「ああ、大地に立つ…」

ユッキー「難しいって言った理由なんだけど、一定時間が経つとガンダムが出て来て採集ターゲットを燃やしちゃうんだ」

リク「スーパーナパームでね」

ユッキー「もしそうなっちゃったら僕たちがガンダムの足止めをするから、キサラさんは安心してパーツを回収してね」

リク「ミッションのターゲットだから、ガンプラの手で触れるとインベントリに収納されるはずだよ」

キサラ「要するに、触れろってことでしょ。やるわ」

ユッキー「それじゃあ、任務開始!」

キサラ「地面が外側にあるのって、不思議な感じね」

リク「言われてみれば確かに」

ユッキー「背景を見てるとガンダムってやっぱりSFなんだなって思うよね」

リク「俺そこまで深く考えてなかったかも」

キサラ「ガンダムって奥が深いのね」

ユッキー「そう! その通り!」

リク「ユッキー、語るのも良いけどスナイパータイプ1人しかいないんだから、探査よろしく」

ユッキー「ごめんごめん…多分あれかな。ダブルオーに座標送った」

リク「了解! キサラさんは着いてきて」

キサラ「ええ」

リク「到着っと」

ユッキー「いやあ、伝説の1話の中にいるなんて興奮するよ!」

キサラ「1話?」

ユッキー「うん! 今回のミッションは機動戦士ガンダムの記念すべき第1話の再現なんだ!」

リク「実際の1話ではスパイする側がコテンパンにやられちゃうんだけどね」

キサラ「そうなの。じゃあ私たちは不利ね」

リク「でもコレクトミッションだから大丈夫。ガンダムが出てくる前にサクッと終わらせてミッションクリア」

ユッキー「ええー、アムロの操縦するガンダムだよ? サクッとなんてとんでもない! 出てくるまで待とうよー」

リク「ユッキー、目的を見失ってるから」

キサラ「じゃあ、リクの言う通り手早く終わらせましょう」

ユッキー「ああ、パーツがどんどん回収されていく…」

リク「悲しむことじゃないんだけどなあ」

サラ『リク!』

リク「サラ? 通信なんて、どうしたの?」

サラ『危ないのが、来る! 気をつけて』

リク「…わかった。ユッキー! 警戒態勢を!」

ユッキー「警戒? ガンダムが出て来るにはまだ早いはず…」

キサラ「何か飛んできて」

リク「これは、ガンダムの頭部!?」

ユッキー「薄暗くなってきた。これはまたバグかも」

リク「でもマスダイバーはいないよ?」

ユッキー「ブレイクデカールの影響はどんどん大きくなってるからね。マスダイバーのいないミッションでバグが起きても不思議じゃないよ」

リク「そんな…」

ユッキー「リッくん、来た! あれは」

リク「パーフェクトジオング!?」

キサラ「禍々しい…」

ユッキー「リッくん、ミッションリタイアは」

リク「できない。どっちにしろ、あんな奴を放置しておけないよ」

ユッキー「それもそうだね」

リク「あの時はチャンピオンに助けてもらったけど、俺たちだって成長してる」

ユッキー「やろう、リッくん!」

リク「背中は任せたよ!」

キサラ「あの、私は」

リク「危ないから、できるだけ離れてて!」

キサラ「わかった! リク、ユッキー、気をつけて」

ユッキー「ありがとう! っと、早速敵さんやってくる!」

Pジオング『ウィーン』

リク「全方位メガ粒子砲とか、サイコガンダムかよって!」

ユッキー「長期戦はマズイかも」

リク「俺が切り込む。ユッキーは移動しながらの射撃で注意を引いて!」

ユッキー「了解! そら、こっちだ!」

ジムIIIBM『ジャキィッ!』

Pジオング『ブォン』

リク「ユッキーのチェンジリングライフル、調子良さそうだ。こっちも負けてられないな。吶喊!」

Pジオング『コォォォ』

リク「有線式アームは、鞭じゃないでしょう! 」

00DA『キィィィ』

リク「エースの機動力なら!」

00DA『ズバァッ!』

Pジオング『ギギィィィッ』

ユッキー「アームが切断された今! フュージョンビーム!」

ジムIIIBM『バシュゥゥ!』

ユッキー「命中!」

リク「やったか!?」

Pジオング『メリメリメリィ』

ユッキー「再生…っていうかなんか腕増えてるし!」

リク「ドージの時と一緒だ…」

ユッキー「でもジオングには近接兵装も手持ち武器も無いよ!? 剥ぎ取って装備することはできない!」

リク「それでも、俺たちが戦うしかないんだ。踏ん張れよダブルオー…」

キサラ「素人目にもわかる、あれはまともに戦って勝てる相手じゃないわ」

キサラ「私にできること…」

ユッキー『そもそもザクウォーリアのライブコンサート仕様は、手の上で歌うために作られた機体だからね』

キサラ「ライブ、歌、何かそういうモードは…!」

ザクウォーリア『ライブモード』

キサラ「わかりやすい…うわ、何!?」

ザクウォーリア『ガションガション』

キサラ「ザクウォーリアの肩装甲が開いて、スピーカーが? それにポーズも手を上に向けている」

ザクウォーリア『ブォン』

キサラ「ありがとうザクウォーリア、私に歌う場所をくれて。リク、ユッキー、私も戦うわ!」

リク「くぅぅ!」

00DA『プシュゥゥ』

ユッキー「リッくん、アームを切るのはダメだ! 際限なく増えてるよ!」

リク「それが、こいつ切らなくても腕を生やしてる! 学習してるんだ!」

ユッキー「あの時チャンピオンは一撃で仕留めた。最大出力のフュージョンビームならあるいは…」

リク「チャージどのくらいかかる?」

ユッキー「結構消耗しちゃったから、3分もたせてくれれば必ず!」

リク「了解、なんとかやるしかないね!」

00DA『キュィィン!』

ユッキー「リッくん、頼むよ…」

リク「強いとは言ってもCPU。トランザムを使わず戦っていくにはこの程度で!」

Pジオング『ブォン!』

リク「アームの隙間を見極めろ、最小限の動きで!」

00DA『バキィィ』

リク「ぐぅぅ! 死角を突かれた!」

『風は天を翔けてく』

『光は地を照らしてく』

『人は夢を抱く』

『そう名付けた物語』

『arcadia…』

リク「歌が、聞こえる」

ユッキー「この歌は…どこかで聞いたような」

キサラ「仮面はもういらない。私は仲間のために歌う」

リク「キサラさんがサングラスを外して…」

ユッキー「あの人、この歌、ってことはもしかして…」

リク・ユッキー「如月千早ー!?」

千早「隠しててごめんなさい! 私も応援するから2人はジオングを!」

00DA『ゴォォォォ』

ジムIIIBM『ウィィィン』

リク「ガンプラの出力が上がってる…」

ユッキー「確かに、ミーア搭乗のザクウォーリアはいろんなゲームで味方を鼓舞する効果を持ってるけど、まさか再現されるなんて!」

リク「でもこれなら行けるかも! 再チャージ任せたよ!」

ユッキー「オーケー!」

千早『翔べ! 海よりも激しく』


リク「はあああああ!」

00DA『ザン! ザン! ザン!』


千早『今私は風になる 夢の果てまで』


ユッキー「充填完了! 射線開けて!」

リク「待ってたよ、やっちゃって!」

ユッキー「最大出力・フュージョンビーム!!」

ジムIIIBM『ヴィィィィン!!』

Pジオング『ヴィ、ヴィィ』


千早『目指すarcadia…』

システム音声『Mission cleared.』


リク・ユッキー「やったあ!」

千早「ふぅ」

リク「キサラさん、いや、千早さん! 本当にお疲れ様」

ユッキー「とんでもないGBNデビューになっちゃったけど、クリアできてよかったですね!」

千早「ふふ、そうね。気持ちを込めて歌えて私もいい経験になったわ」

ユッキー「あの! よかったらフレンド登録」

リク「あーユッキーずるい! 俺もお願いします!」

千早「もちろん。でもやり方がわからないから教えてくれるとありがたいわ」

そして1週間後

千早「みなさーん! 今日は楽しいゲームの時間に私のライブへ来てくれてありがとう!」

千早「今日はガンダムの曲もたくさん用意してきたので、最後まで楽しんでいってくださいねー!」


リク「いやあ、最前列で観れるとは」

ユッキー「最高ですなあ。リク隊員」

リク「全くですな、ユッキー隊員」

コーイチ「君たちの人脈は本当にどうなっているんだい…?」

モモ「私も千早ちゃんと一緒にガンプラバトルしたかったなあ!」

コーイチ「そのうちできるかもよ」

モモ「そうかなあ、そうだといいな!」

アヤメ(本物のアイドル、かわいい)


千早「それでは一曲目、PRIDE!」

終わりです
arcadiaのロボソン風味はガチなので是非聴いてみてください
依頼してきます

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