校長先生「皆さんがしずかちゃんになるまで5分かかりました!」 (24)

児童A「でさぁ~……」

児童B「マジ?」

児童C「ウケる~!」

ザワザワ… ワイワイ…

教師「みんな、静かにしないか! 全校朝礼が始められないぞ!」


シーン…


教師「静かになったので、朝礼を始めます。校長先生、お願いします」

校長「えー……皆さんが静かになるまで5分かかりました!」

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校長「では、お話しさせていただきます」

校長「シーズカシーズカサイレント……」

校長「フロスキフロスキバースズキ……」

校長「ゲンサクデーハシズチャンヨービ……」

校長「ノビタノノビタノミライヨメ……」

校長「ムーカシセイユウノームラミチコ、イーマノセイユウカカズユミ……」



児童A「!?」

児童B「なにこれ?」

児童C「なんかの呪文?」

教師「こ、校長先生……!?」

校長「シズカノミョージ、ミーナモト……」

校長「みんなしずかちゃんになあれ! チンカラホイ!」



ボワンッ!!!



児童A「うわっ!」

児童B「なんだ!?」

児童C「ぎゃあっ!」

教師「ぐっ!?」

モワモワ… モワモワ…

しずかA「なによこれ!?」

しずかB「学校のみんながしずかちゃんになってるわ!」

しずかC「どういうことなの!?」

しずか(教師)「子供だけじゃなく、大人もしずかちゃんになってるわ!」



校長「皆さんがしずかちゃんになるまで5分かかりました!」

しずかA「校長先生、これどういうことよ!?」

校長「実は私は、『ドラえもん』に出てくるしずかちゃんが大好きでねぇ」

校長「いつも、しずかちゃんが現実にもいたらなぁ、と妄想してたんだ」

校長「いつしか妄想ではすまなくなり、なんとかしてこの妄想を実現させたいと思い始めた」

校長「そして、研究の末、私はついに見つけたんだ! みんなをしずかちゃんにする魔法をね!」

しずかB「魔法ですって!?」

校長「この魔法は動かない相手に、5分ぐらい呪文を聞かせないといけないのだが……」

校長「全校朝礼という機会を利用し、みごと君らをしずかちゃんにしてみせたというわけだ!」

しずかC「なんて人なの……!」

しずか(教師)「校長先生、今すぐみんなを元に戻して下さい!」

校長「嫌だね」

校長「これだけ苦労してみんなをしずかちゃんにしたんだ。もう一生このままにしておく」

校長「夢にまで見た、しずかちゃんハーレムがここに実現したんだ!」

しずか(教師)「あなたは狂ってるわ!」

校長「なんとでもいうがいい! 狂気なくしてなにが愛か!」

しずか(教師)「こうなったら、みんなで説得して、校長先生の目を覚まさせるのよ!」

しずかA「元に戻しなさい!」

しずかB「校長先生なんて大嫌い!」

しずかC「あなたは最低の人間よ!」

「校長の資格がないわ!」 「お願い、元に戻して!」 「キャーッ、校長先生のエッチ!」



校長「ああ~……」ビクビクッ

校長「数百名のしずかちゃんに罵倒される……素晴らしい気分だ……」



しずか(教師)「くっ、全然効き目がないわ!」

しずか(教師)「こうなったら、しかたないわ!」

しずかA「どうするの!?」

しずか(教師)「力ずくででも、校長先生を止めるのよ!」

しずかB「分かったわ!」

しずかC「乱暴は嫌いだけど……そんなこといってられないわね!」

ワァァァッ!!!



校長「おほっ、望み通りの展開だよ!」

ドカバキドガボゴッ!

ボコドゴガンゴンッ!

メタメタギタギタッ!



校長「……」ピクピク…



しずか(教師)「や、やりすぎたかしら……?」

校長「さ、最高だよ……!」

校長「もっと! もっとだ! もっと殴ってくれぇぇぇ! しずかちゃぁぁぁぁぁん!」



しずか(教師)「これだけ殴ってもダメなの!?」

しずかA「校長先生は私のことが好きなんだもの。どんな攻撃も意味がないわ!」

しずかB「ってことは、私達一生このままってこと!?」

しずかC「そんなの嫌だわ~!」

しずかD「ねえ、私汗かいてきちゃった」

しずかE「私も……シャワーを浴びたいわ……」



校長「……」ニヤッ

校長「みんな、聞くがいい!」

校長「私はこの小学校に、銭湯よりももっと大きなお風呂を建設することを宣言する!」

校長「もちろん、学校でお風呂に入ってよいという校則を作る!」

校長「さぁ、これでもしずかちゃんをやめたいというのかね!?」

ザワザワ…

「お風呂を作ってくれるんですって!」

「学校でお風呂に入れるなんて最高だわ!」

「いっそこのままでもいいかも……」



しずか(教師)「ま、まずいわ……!」

しずか(教師)「お風呂につられて校長先生に賛成するしずかも現れ始めてるわ!」

しずか(教師)「このままだと、校長先生を止める手段がなくなっちゃう……」

しずかA「……」

しずかB「どうしたの?」

しずかC「何か思いついたの?」

しずかA「私もそれなりに『ドラえもん』には詳しいんだけど……映画も毎年見てるし」

しずかA「こうなったら、あれしかないわ」

しずかB「あれって?」

しずかA「あるものを集めるのよ! 大急ぎで! みんなが校長先生の虜になる前に!」

――

――――

校長(クックック……)

校長(このままいけば、全てのしずかちゃんが私に屈するのも時間の問題だな……)

しずかA「あのっ、校長先生!」

校長「なんだね?」

しずかB「私たち、校長先生にプレゼントをしたいんです!」

しずかC「ついてきていただけますか?」

校長「プレゼント!? いいともいいとも!」

校長(何十人かのしずかちゃんが並んでる……)

校長「いったいなにをプレゼントしてくれるんだね? まさか……チューとか?」

しずか(教師)「みんな、準備して!」サッ



バババババッ



校長(あれは……バイオリン?)

校長「あっ……ま、まさか!!!」

しずか(教師)「これだけ集めるのは苦労したわ。近所の人に借りたり、楽器屋さんから借りたり……」

しずか(教師)「さぁ、みんな演奏するわよ!」

校長「待てっ! 待ってくれ! や、やめ――」



ギィィィィゴォォォォォォ……!!!

ギゴギゴギゴギゴォォォォォォ……!!!



校長「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

校長「い、いや……なんのこれしき……!」

校長「耐えてみせる……! なんたって大好きなしずかちゃんの演奏なんだから……!」



ギゴギゴギゴギゴギゴ……!

バリバリバリバリバリ……!

ギィィィ~~~~ゴォォォォ~~~~!



校長(無理……!)

校長「ごめんなさぁぁぁぁぁい!!!」

校長「みんな元に戻す! 元に戻すからぁぁぁぁぁ!!!」

校長「バイオリンを止めてくれぇぇぇぇぇ……!!!」

校長「うげぇぇぇぇぇ……」

ドサッ…



しずか(教師)「勝ったわ……!」

しずか(教師)(しずかになった身としては、なんだか複雑な気分だけれど……)

しずかA「ところで、演奏から校長先生が静かになるまでにかかった時間は?」

しずかB「5分よ」

しずかC「目を覚ますまでに、5時間はかかりそうだけどね」

しずか(教師)「それじゃみんな、校長先生が目を覚ますまで、静かに待ちましょ!」

はーいっ!







― おわり ―

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