にこ「ありえないんだけど」 (54)

真姫「大丈夫?」

にこ「大丈夫じゃないわよ」

真姫「そう。じゃあ、皆んなと合流しましょう」

にこ「はあ?マジで言ってるの?」

真姫「だってもうそろそろお昼よ?お腹空いたでしょ?」

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にこ「お腹空いた。確かに空いたわよ。けどね、それ以上に…そう!腹が立ってるのよ。空く以上に腹が立ってる」

真姫「そう。お昼を食べればイライラもおさまるわよ。さあ、行きましょう」

にこ「はあ?なんなのよ?なんなの?そのテンションの低さ」

真姫「別にいつも通りよ」

にこ「いや、マジで意味わかんない」

真姫「何がよ?」

にこ「あんたがよ!!!」

真姫「私が?どうして?」

にこ「なんで飛ばなかったのよ」

真姫「は?」

にこ「バンジージャンプよ!なんで飛ばなかったのよ?」

真姫「そんなの…興味ないからに決まってるじゃない」

にこ「興味ないかも知らないけど。10万人目の客で無料だったのよ?」

真姫「だから何よ?」

にこ「やらない?普通やらない?」

真姫「やらないわよ。バンジージャンプなんてお金貰っても嫌よ。怖いし」

にこ「10万人目よ?凄い確率よ?」

真姫「たまたまでしょ?」

にこ「だから凄いって言ってるんじゃない」

真姫「いいじゃない。にこちゃんがやったんだから。それに私は10万1人目よ。記念でも何でもないわ」

にこ「細かい事はどうでもいいのよ。二人で10万人目でしょ?」

真姫「それは…おかしくない?」

にこ「いいの。細かい事はいいのよ。何でにこだけ怖い思いしてあんたはすましてるのよ」

真姫「やっぱり怖かったんじゃない。やらなきゃ良かったのに」

にこ「記念だから!10万人目の記念だから!」

真姫「もう。にこちゃんが飛べば十分よ。さあ、皆んな待ってるから行きましょうよ」

にこ「ダメよ」

真姫「何で?」

にこ「あんたも飛びなさいよ」

真姫「どうしてそうなるのよ」

にこ「いいから飛びなさいよ」

真姫「嫌よ。今飛んだって記念でも何でもないじゃない。にこちゃんの憂さ晴らしでしょ」

にこ「も~いいから飛びなさいって」

真姫「嫌だって言ってるじゃない」

にこ「じゃあ分かった。あんたの言う事一つだけ聞いてあげるから」

真姫「どうしてそこまでするのよ?」

にこ「意地よ」

真姫「馬鹿みたい」

にこ「いいから。さあ?やるわよね?」

真姫「だから嫌だって」

にこ「はあ?何でも言うこと聞くって言ってるじゃない」

真姫「それでも嫌よ」

にこ「はあ?あんた…はあ?意味わからない」

真姫「だから嫌だって言ったのよ」

にこ「にこが!なんでも!!一つだけ!!!言うことを聞くって言ってるのよ?なのに?」

真姫「嫌よ。さっ、もういいでしょ?行きましょうよ」

にこ「いや、納得いかない。全然納得いかないんですど!!」

真姫「…まだ何かあるの?」

にこ「飛びなさいよ」

真姫「嫌よ」

にこ「いいから飛びなさい」

真姫「嫌だって言ってるでしょ。しつこいわよ」

にこ「お願いだから。お願いだからバンジージャンプやってよ」

真姫「は、はあ?何?何でそこまで?」

にこ「だって馬鹿みたいじゃない」

真姫「みたいじゃなくて馬鹿なのよ」

にこ「も~馬鹿でいいから飛んでよ」

真姫「なんでそんなに…もう、分かったわよ」

にこ「本当?」

真姫「こう言うの今回だけよ?」

にこ「うん…うん!!!」

真姫「はあ…」

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真姫「にこちゃん大丈夫?」

にこ「……」

真姫「目赤いけど?」

にこ「泣いたからね!さっきまで泣いてたからね」

真姫「だからやめとけば良かったのに」

にこ「何であんた飛ばないのよ」

真姫「知らないわよ」

にこ「あんたがとっとと飛べば良かったのよ」

真姫「仕方ないじゃない。心の準備をしてたらスタッフの人がにこちゃんに装置を装着させてるんだもん。断れば良かったのに」

にこ「あっという間だったのよ」

真姫「そんな事まで私のせいにされても知らないわよ」

にこ「何で私が二回も飛ばなきゃいけないのよ!二回よ?この短時間でバンジージャンプ二回よ?スタッフの人もこいつどんだけバンジーが好きなんだっておもってるわよ」

真姫「だから知らないってば」

にこ「だいたいあんた、にこが二回も飛んでるのに全然興味なさそうに見てたじゃない」

真姫「別に…そんな事はないわよ」

にこ「嘘よ!あんた自分が飛ばないと分かった途端あくびしめたでしょ?」

真姫「してないわよ」

にこ「いや、してた」

真姫「してないって。にこちゃん飛んでたのにどうやって確認したのよ」

にこ「飛びながら見えたのよ。ハッキリとあんたが興味なさそうにあくびしてる瞬間が見えたのよ。まるで時が止まってる様にハッキリと!」

真姫「何よそれ」

にこ「私のセリフよ!あんたねぇ、いい加減にしなさいよ」

真姫「そんな事言われたくないわよ」

にこ「何かにつけて冷めてるのよ」

真姫「冷めてないわよ」

にこ「冷めてるわよ。10万人目の時点であのテンションって冷めてる以外何があるのよ」

真姫「まだその話に戻るの?」

にこ「ずっとこの話をしてるわよ」

真姫「ビックリはしたわよ。実際に」

にこ「ビックリしたんだったら表に出しなさいよ!にこが一人で騒いでて馬鹿みたいじゃない」

真姫「だから…」

にこ「にこが飛んでもノーリアクション!意味わかんない。あんた血が通ってるの?」

真姫「はあ?何よそれ?」

にこ「それくらいあんたは冷たいって言ってるのよ!比喩してんのよ」

真姫「揶揄でしょ?」

にこ「どっちでもいいのよ!とにかくあんたはしらけるのよ!」

真姫「はあ…もう相手にしてられない」

にこ「なんですって?頭にきた。もう一回行くわよ」

真姫「もうやめときなさいよ。二度あることは三度あるって言うでしょ?」

にこ「あんたがさっさと飛べば問題ないのよ!!!!」

真姫「大きな声出さないでよ」

にこ「出させてるのはあんたでしょ!」

真姫「行かないわよ。もう皆んな待ってるし行きましょうよ」

凛「おーい!真姫ちゃーん!にこちゃーん!」

真姫「ほら!迎えに来たわよ」

にこ「え?」

凛「もう、二人とも何してたの。皆んなお昼ご飯食べ始めちゃってるよ?」

にこ「文句なら真姫に言って!」

真姫「なんでよ?」

凛「もー何でもいいから行くよ。二人のお昼勝手に注文しちゃったからね?」

にこ「あっ、そう。はあ…」

真姫「ありがと。別に何でも良いわよ」

凛「あっ真姫ちゃんのはトマトスパゲティだよ?」

真姫「え?トマト?本当?」

にこ「え?テンション!!!」

「得意料理」

千歌「はーい。お待たせ」

梨子「千歌ちゃんの手作りの料理初めて食べるわね」

ルビィ「そうだねぇ。千歌ちゃんにこんな得意料理があったなんて」

千歌「へへん。まあね」

ルビィ「そう言えば千歌ちゃんは旅館の娘だもんね!」

梨子「そっか。料理はお手の物よね」

千歌「うん。まあ、この料理は旅館とは関係ないんだけどね」

ルビィ「え?違うの?」

千歌「うん。実はこれ子供の頃に果南ちゃんから教わった料理なんだ」

梨子「果南ちゃんに?」

千歌「うん。そう…あれは…」

ルビィ「語り始めてたね」

梨子「ええ…そうね」

千歌「って事でね教えて貰ったんだ」

梨子「思い出の一品なのね」

千歌「そう。思い出の一品なの」

ルビィ「楽しみだなぁ。美味しそう」

千歌「ふふっ。たーんと召し上がれ」

ルビィ「頂きます」

梨子「頂きます」

パクッ

梨子「んっ!?」

ルビィ「んっ!?」

千歌「ふふっ。どうかな?」

梨子(どうかなって…)

ルビィ(す、凄い…不味いよぉ)

千歌「あれ?もしかして…不味かった?」

梨子「え?えっと…美味しいわよ?うん。こんなの初めて食べた。ね、ねえ?」

ルビィ「う、うん。すっごく美味しいよ、千歌ちゃん」

千歌「本当?実は梨子ちゃんのとルビィちゃんの少し味付けが違うんだ」

梨子「え?」

ルビィ「そうなの?」

千歌「うん。これも果南ちゃん流」

短編集?

梨子(あれ?もしかして、ルビィちゃんの方は美味しいのかしら?)

ルビィ(梨子ちゃん美味しいって言ってたよね)

梨子「あっ!ルビィちゃん?良かったら私のと…」

ルビィ「え?交換する?」

梨子(いや…でも…可愛い後輩にこんな事を…)

ルビィ(梨子ちゃんの善意につけ込む様な事は…)

千歌「二人とも交換してみなよ!味が違うからさ」

梨子「いや…私はこれでいいわ」

ルビィ「る、ルビィもこれで」

千歌「え?でも…」

梨子「本当。これ気に入っちゃったから」

千歌「そんなに?」

梨子「うん。そんなに。だから…」

千歌「仕方ないなぁ。じゃあ、もう一皿ずつよそってあげるよ」

梨子「え?」

ルビィ「でも…善子ちゃんと花丸ちゃんの分が」

千歌「材料は余ってるから作り直すよ」

梨子「で、でも大変でしょ?」

千歌「大丈夫!美味しいって食べて貰えるなら全然だよ。腕がなるね!」

梨子「そ、そう…」

梨子(味どうこうじゃなくって)

ルビィ(単純に量が…食べきれないよ)

千歌「はい。沢山食べてね」

梨子「あ、ありがとう」

ルビィ「わ、わーい。嬉しいなぁ」

千歌「…食べないの?」

梨子「食べるわよ?食べる食べる!さて、頂きまーす」

ルビィ「頂きます」

梨子「んっ!?」

ルビィ「んんっ!?」

梨子(あれ?こっちも不味い)

ルビィ(梨子ちゃん美味しいって言ってたのに…)

梨子(まさか…ルビィちゃんも私と同じで)

ルビィ(不味いって言えなくて)

梨子(って事は…不味い皿が増えただけ)

ルビィ(どうしよう)

千歌「どう?美味しい?」

梨子「う、うん」

ルビィ「美味しいよ」

梨子(言えない。果南ちゃんとの思い出の料理を)

ルビィ(不味いなんて言えないよ)

梨子(これはもう…食べるしかない)

ルビィ(千歌ちゃんの為にも)

梨子「…」パクッ

ルビィ「…」パクッ

千歌「おおっ!凄い食べっぷりだね」

梨子(何も考えず…無心で…)

ルビィ(うっ…お腹…もう入らない…)

Aqours出すなら書いとけ

千歌「いや~嬉しいなぁ。この料理を美味しいって食べてくれた人初めてだよ」

梨子「え?」

ルビィ「え?」

果南「千歌いる?」

千歌「あっ、果南ちゃん!どうしたの?」

果南「ちょっとね。あれ?また作ってるの?」

千歌「うん。挑戦してみた」

果南「今度は分量間違えてない?」

千歌「大丈夫みたい!」

果南「って事は初めて成功したって事か~」

千歌「うん。果南ちゃんいつも感覚で作るんだもん。教えて貰った方は大変だよ」

果南「それでも私は美味しく作れるんだよ」

梨子「…」

ルビィ「…」

千歌「ん?どうしたの?」

果南「流石にお腹いっぱいなんじゃないの?私が食べるの手伝ってあげるよ」

梨子「あっ…」

パクッ

果南「んっ!?しょっぱい」

千歌「え?」

「予測変換」

穂乃果「あ~イライラする~」

海未「どうしたのですか?」

穂乃果「今本を読んでたんだけどね」

海未「本を?穂乃果が?あっ!漫画ですね!」

穂乃果「違うよ。真姫ちゃんに借りた小説だよ」

海未「し、小説?どうしたのですか?穂乃果が活字の本を読むなんて…何か悩んでる事があるなら相談に乗りますよ?」

読んでるよ

見とるぞー

穂乃果「どういう事?穂乃果が本読むのってそんなに大事なの?」

海未「だって…私がどんなに面白いと勧めても」

穂乃果「いつの話をしてるのさ。穂乃果だってもう高二だから」

海未「そうですか。穂乃果も本を読むように…嬉しいです」

穂乃果「そ、そう?」

海未「それで?」

穂乃果「ん?」

海未「何故イライラしてたのです?」

穂乃果「なんか知らない言葉が出てきてさ」

海未「なるほど。あるあるですね。ですが、文章の流れで何となく分かりませんか?」

穂乃果「分からないよ」

海未「じゃあ調べればいいでしょう?」

穂乃果「スマホの充電切れちゃったんだよ」

海未「辞典でいいじゃないですか」

穂乃果「持ってないよ。そんなもの」

海未「普段からネットに頼ってばかりいるからいざという時に困るんですよ」

穂乃果「うっ…。じゃあ、海未ちゃんは普段から辞書を持ち歩いてるの?」

海未「そ、それは…」

穂乃果「でしょ?」

海未「図書室に行けばいいじゃないですか!」

穂乃果「くっ…そう来たか。ヤダよ」

海未「何故です?」

穂乃果「…面倒だもん」

海未「全く…結局、読書をしていても穂乃果は穂乃果ですね」

穂乃果「そう。穂乃果は穂乃果なの。という事で海未ちゃん携帯貸して?」

海未「そう来ますか。まあ…良いですけど」

穂乃果「イェーイ。海未ちゃん大好き」

海未「調子がいいですね」

穂乃果「じゃあ、早速拝借させて頂きまーす」

穂乃果「ん~と…」

海未「さて、私は作詞でも…」

穂乃果「ん?あれ?」

海未「…」カキカキ

穂乃果「…んん?」

穂乃果(海未ちゃんの携帯…予測変換で変な言葉が出てきたんだけど。一番最初に貧乳って…)

海未「えっと…ここは…」

穂乃果(海未ちゃん…胸の事で悩んでたんだ…そう言うの興味なさそうにしてたからてっきり…)

海未「ん~…難しいですねぇ」

穂乃果(悩んでるなら言ってくれれば良かったのに)

ガチャ

希「あれ?二人だけ?」

穂乃果「あっ!希ちゃん」

海未「そう言えば皆んな遅いですね」

希「えりちとにこっちは遅れるって言ってたけど…他の皆んなは何やろ?ん?海未ちゃん作詞してるん?」

海未「ええ…なかなかいい詞が思い浮かばなくて」

希「そうなん?今度の曲のコンセプトは決まってるん?」

海未「そうですね」

穂乃果(希ちゃん…。海未ちゃんは希ちゃんの事羨ましいのかな?)

希「ん~なるほどな」

海未「そうなんです。何かいい言葉ありますか?」

穂乃果(羨ましいんだろうなぁ。別に気にしてない穂乃果だって羨ましいもん。胸の大きさで悩んでる海未ちゃんは羨ましいに決まってるよね)

穂乃果「まあ、希ちゃんさ」

希「ん?何?」

穂乃果「海未ちゃんに優しくしてあげなよ」

希「え?」

海未「穂乃果?」

穂乃果「希ちゃんは恵まれてるんだからさ」

希「ウチが恵まれてる?」

穂乃果「そうだよ。希ちゃんは恵まれてるんだよ。ね?」

海未「何故私に聞くのです?」

希「ウチの何がそんなに恵まれてるの?」

穂乃果「そんなの聞く?」

希「ええ?聞いたらあかんの?なんなん?凄い気になるんやけど。海未ちゃん知ってるんやろ?どう言う事なん?」

海未「いや…私に聞かれても」

希「え?知らんの?それとも隠してるん?」

海未「隠してないですよ。穂乃果!変な事言わないで下さい」

穂乃果「あっ…ごめん。デリカシーなかったかも」

希「え?そう言う話なん?」

海未「だから知りませんて。なんなんですか」

穂乃果「ごめん。この話もう終わりにしよう」

希「へ?終わり?ウチめっちゃ気になるんやけど」

穂乃果「いや、うん。ごめんね?別にあれだよ?たいした話じゃないから」

希「いや、絶対嘘やん」

穂乃果「ほんとほんと。ね?」

海未「だから知りませんてば」

希「海未ちゃん気を使ってるならええから。言ってよ」

海未「本当に知らないんですって。穂乃果!何なのですか?」

穂乃果「え?言っちゃっていいの?」

海未「ですから何のことなのですか?」

穂乃果「海未ちゃんがいいなら別に言ってもいいけど」

海未「良いも悪いも何も知らないですって」

希「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「あっ!そう言えば真姫ちゃんが待ってるんだった!どうりで部室に来ないはずだ!」

ガチャ バタン

希「え?」

海未「ちょっと穂乃果?」


「本人の目の前で」

穂乃果「暇だね~」

凛「暇だにゃ~」

穂乃果「なんか面白い話ないの~?」

凛「面白い話?」

穂乃果「うん」

凛「あるよ~」

穂乃果「本当?」

凛「こないだ絵里ちゃんがね~」

絵里「え?」

穂乃果「絵里ちゃんが~?」

凛「こないだ絵里ちゃん捨ててあるビニール袋に話しかけてたにゃ~」

穂乃果「どういう事~?」

凛「猫と見間違えたみたい」

穂乃果「ビニール袋と猫を?」

凛「うん。赤ちゃん言葉で話し掛けてたよ」

穂乃果「へ~それを凛ちゃんは見てたの?」

凛「うん。かよちんと遠くから見てた」

穂乃果「へ~絵里ちゃんって面白いね~」

凛「うん。絵里ちゃんって面白いにゃ~」

穂乃果「あはは。絵里ちゃんドジだな~」

凛「あはは。絵里ちゃんドジだにゃ~」

絵里「あははじゃないわよ!」

穂乃果「あっ!絵里ちゃん!」

凛「あれ?絵里ちゃん?」

絵里「ワザと?ワザとなの?」

凛「え?何の話?」

絵里「いや…今の袋の話よ」

凛「猫の話?」

絵里「袋でも猫でもどっちでも良いけど…私が居るの分かっててワザとその話をしたわけ?」

凛「え?違うよ?居ないと思った」

絵里「嘘よ。だって一番最初に部室にいたじゃない!一通り挨拶して話もしたじゃない」

穂乃果「そこから絵里ちゃん静かだったから居るの忘れてたよね?」

凛「うん」

絵里「私そんなに存在感ない?」

凛「存在感はあるよね?」

穂乃果「うん。ありありとしてるよ。気配がなかったんだよ」

絵里「何よそれ…」

凛「だから絵里ちゃんには気がつかなかったの」

「着衣入浴」

警戒されると思って離れたまま話しかけたんやろなぁ

絵里「気づくでしょ!こんだけ近くに居るんだから!」

穂乃果「そんな事言われてもさ」

絵里「私どんな顔して聞いてたと思う?」

凛「笑ってたの?」

絵里「真顔よ!」

穂乃果「え?なんで真顔?」

絵里「ビックリしてよ!まさか、凛の口から私の名前が出て来るとは思わなかったから」

凛「そうなの?」

絵里「だって、この話は他言しないって約束だったじゃない!」

凛「そうだっけ?」

絵里「アイス奢ってあげたでしょ?」

凛「あっ!そうだったにゃ」

穂乃果「え?ズルイ!」

絵里「そう言う事じゃないの!何で喋るの?しかも私の前で!」

凛「だから絵里ちゃん居るの気が付かなくって」

絵里「私が居るとか居ないとか関係ないの。内緒なのにどうして喋ったか聞いてるのよ」

凛「自分で言ったのに…」

穂乃果「ねえ?穂乃果も黙っててあげるからアイス食べたいな~」

絵里「知らないわよ!」

穂乃果「え?」

凛「ごめんね絵里ちゃん。凛、買収されてるの忘れてて」

絵里「その言い方はやめて」

凛「でも、他の人にはあんまり言ってないから」

絵里「あんまりって何よ」

凛「希ちゃんと…にこちゃん…」

絵里「一番ダメじゃない!!!!」

穂乃果「うわっ!声でか!」

絵里「本気でからかって来る奴と本当で馬鹿にして来る奴じゃない!」

穂乃果「奴って…」

凛「どっちがどっち?」

絵里「どっでもいいのよ!もう…どうして…」

穂乃果「本当に穂乃果は買収しなくていいの?」

絵里「いい」

穂乃果「え?」

不憫な絵里ちゃん可愛い

凛「凛、本当に忘れてて」

絵里「目撃した所までは覚えてたのに?」

凛「でも、今思い出したよ」

絵里「一通り喋ってから思い出してももう遅いのよ」

凛「あの時、やっぱりミントじゃなくてチョコレートにすれば良かったって思ったんだよね」

絵里「凛は私を怒らせたいのかしら?」

凛「え?そんな事はなくて…」

絵里「いい?今後一切私がビニール袋に話し掛けてた話は禁止よ?分かった?」

凛「う、うん」

穂乃果「穂乃果も?」

絵里「当たり前」

穂乃果「穂乃果何も貰ってないのに…」

ガチャ

希「えりち…」

絵里「げっ!?希…」

希「えりちの声廊下まで聞こえてるよ?」

絵里「え?」

にこ「買収なんて汚い事するからそんな目にあうのよ」

絵里「にこ…あなたには言われたくない…」

にこ「なんでよ!」

「勘違い、そして目撃」

絵里「ふぅ。今日も一日疲れたわね~」

ガサガサ

絵里「あら?子猫かしら?」

ガサガサ

絵里「ふふっ。にゃんにゃ~ん。なにしてるんでちゅか~?」

ヒュ~ パサパサ

絵里「え?コンビニの袋?」

ヒュ~

絵里「て、てっきり…子猫ちゃんかと…」カァァァ



凛「……」

花陽「凛ちゃん?」

凛「かよちん。今、絵里ちゃんがビニール袋に話し掛けてたにゃ」

花陽「え?絵里ちゃんが居るの?ビニール袋に?」

凛「うん。ビニール袋に子猫ちゃ~んって」

花陽「ええ?そうなの?」

凛「絵里ちゃん…ビニール袋を口説いてるのかな?」

花陽「ち、違うと思うよ?多分ビニール袋を子猫と見間違えたんじゃないかな?」

凛「あっ!そうかな?」

花陽「多分…」

これは恥ずかしい

でも可愛い

凛「ん~…でも、間違えるかのかなぁ。猫とビニール袋って全然似てないよね?」

花陽「角度とかでそう見えたんじゃないのかな?」

凛「まっ、いっか!おーい!絵里ちゃーーーん」

花陽「り、凛ちゃん?」

絵里「ん?あら!凛、花陽!」

凛「絵里ちゃんこんな所で何してるの?」

絵里「え?あぁ…えっと…別に何もしてないわよ?ただ歩いてただけよ」

凛「そうなんだ」

絵里「ええ。二人は?」

凛「凛達も今から帰る所だったんだよね?」

花陽「うん」

絵里「そうなの。寄り道しないで帰るのよ?」

凛「は~い!絵里ちゃんもビニール袋と猫を見間違えない様にね!じゃあね~」

絵里「え?」

花陽「凛ちゃん?」

凛「さてと、帰ってドラマの続き見なきゃ」

絵里「ちょ、ちょっと待って」

凛「ん?どうしたの?」

絵里「えっと…いつから見てたの?」

凛「1話目から見てたけど」

絵里「ドラマの話じゃないわよ」

凛「違うの?」

絵里「違うわよ」

凛「じゃあ何の話かにゃ?」

絵里「猫の話よ」

凛「あー!ビニール袋の話ね!」

花陽「り、凛ちゃん?」

絵里「最初から見てたんじゃない」

凛「うん。絵里ちゃんって目が悪いの?」

絵里「悪くないけど…」

凛「…」

花陽「…」

絵里「…」

凛「悪いのはビニール袋を捨てた人だよね?ゴミはゴミ箱に!ね?かよちん?」

花陽「え?う、うん」

凛「だよね~!じゃあね!」

絵里「ちょ、ちょっと待って!」

凛「また?」

絵里「あれよ?ちょうどビニール袋の形が子猫みたいになってたのよ?」

凛「へ~そうなんだ」

絵里「そうなのよ。本当…びっくりしちゃう」

凛「…」

花陽「…」

絵里「…」

凛「そうなんだね~」

絵里「本当…そうなの」

凛「そっか~。うん。さて、凛はそろそろ帰るにゃ。それじゃ」

絵里「待って!」

凛「え?また?凛早く帰ってドラマ見たいんだけど」

絵里「言わないで」

凛「え?何が?」

絵里「猫の話」

凛「ビニール袋の話?」

絵里「………そう。お願いだから誰にも言わないで」

凛「うん。誰にも言わないよ。じゃあ、凛帰るね」

絵里「ちょっと待って!」

凛「もう。しつこいよ~」

絵里「本当にくれぐれも口を滑らしたりとか」

凛「しないよ~。しないよね?」

花陽「う、うん」

凛「誰かに言う前に直ぐに忘れちゃうよ」

絵里「約束よ?」

凛「うん。約束するにゃ」

絵里「絶対だからね?」

凛「分かったってば~」

絵里「はあ。なら良かった。ちょっと待ってて」

凛「え?だから、凛早く帰りたいんだけど」

絵里「ビニール捨てなきゃだし。コンビニでアイス買ってきてあげるから…本当に内緒にしてよね」

凛「え?アイス?うん。待つにゃ」

花陽「そ、そこまでしてなんだ…」

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