「彼氏の父親を愛してしまった私」拡張版 (33)

かつて週間ストーリーランドで放送されていた作品
「彼氏の父親を愛してしまった私」の拡張版というか二次創作になります。

元ネタ:https://www.youtube.com/watch?v=ziBSbvKYNI0

彼女の名前は古賀綾子、24歳のごく普通のOLだ。
彼女には愛している男性がいる。
彼の名前は石岡涼 19歳。五つ年下の彼氏だ。

彼女と彼との仲は彼の幼なじみや彼女の妹との間でも公認で、
よく5人で遊園地などに行っていた。

今日は野山でのピクニックだ。
涼と綾子の他、涼の幼なじみと綾子の妹もいる。
涼の長なじみの一人はがっちりとした体格の佐野和彦、もう一人は眼鏡をかけた頭の良さそうな五十嵐裕太だ。
そして綾子の妹、智美もいる。
涼「お、今日も綾子の弁当はうまいな。」
綾子「ええ。腕によりをかけて作ったの」
綾子「はい、アーン!」
涼「うん」
和彦「お、今日も綾子の弁当か。うまそうだな」
裕太「だめだよ、和彦、それは涼の特典だよ。」
涼「いいのか、それにおまえ警察官になったばかりじゃないか。警官が窃盗してどうするんだ」
和彦「ははははははは。それに裕太だってこの間医大に合格したよな」
裕太「まあ、親父の跡も継がなきゃいけないしな。」
智美「本当に涼さんとお姉ちゃんって最高よね、今度うちのお父さんとお母さんに紹介したい!」
和彦「ああ、そうなったらみんなでおまえ達を祝福したいぜ!」
本当に5人は仲がよかった。特に綾子と涼はお似合いのカップルであった。
しかし、綾子には秘密があった・・・

事の起こりは数ヶ月前・・・
綾子は仕事で大きなミスをしてしまった。
そして、取引先の担当者に呼び出された。
担当者「まったく、困ったことをしてくれたよ。間に合わなかったら、お宅の責任だからね!」
綾子「申し訳ございません」
この会社は綾子との会社の取引先だった。
担当者「まったく、B社の部長の娘だからと思って安心していたのに」
B社とはこの会社の取引先で綾子の会社とは別の会社だ。
しかし、B社は綾子の会社との取引先でもあった。
このまま問題になれば、綾子だけでなく、綾子の父親の責任にもなってしまうかもしれない・・・
そう思った時だった。

正夫「まあ、その辺にしておきなさい」
担当者「しかし部長・・・」
正夫「あとは、僕がなんとかしておくよ。次から、気をつけたまえ」
綾子「ありがとうございます!」
正夫はちょうど妻を亡くしていて独身の39歳。
綾子もはじめは人間として尊敬できる人だと思っていたが、
正夫の包容力のある優しさにだんだんと惹かれていった。

そうしているうちに、正夫とつきあうようになった。
涼にこのことは知らせてはいない。
そして、ついに正夫とは一線を越えてしまうこともあった。

綾子の年齢であれば別に二股をかけていてもおかしくはない。
しかし、綾子は正夫の秘密を知ってしまうのであった。

ちょうどピクニックに行く数週間ほど前・・・
涼「よう、綾子!」
綾子「涼!」
涼「紹介するよ!うちの親父だ!」
正夫「・・・どうも、涼の父親です・・・」
涼「どうだ?本当にそっくりだろ?」
綾子「ええ・・・」
涼「何を驚いているんだ?今度、おまえの両親も紹介してくれ」
綾子「え・・・」
涼「智美ちゃん、おまえのお袋にそっくりなんだってな!」
彼女はこのとき知ってしまったのだ。彼女が好きになった男性が
実は親子だったなんて・・・

ピクニックの時に戻る
涼「それにしても5人で集まるのって楽しいな!」
綾子「ええ・・・」
智美「どうしたの?お姉ちゃん、せっかくピクニックに来たんだし、もっと楽しまないと!」
綾子「うん・・・」
涼「おいおい!智美ちゃんに心配かけるなよ!」
綾子「・・・」
このときの彼女はすでに数ヶ月前の出来事で涼やその仲間と一緒にいても楽しめないでいた。

和彦「ところで、おまえ親父さん綾子に紹介したんだってな!」
涼「ああ。そういえばおまえの親父さん、大変なんだよな・・・」
和彦「ああ。俺の母親は親父をおいて浮気して出て行っちまった。
俺の親権は親父がとれたんだが、大量の慰謝料を支払って、借金を抱えて
それで親父はおかしくなって。俺はそんな親父に楽させてやりたいと思って
警察官になったんだ」
裕太「僕が医者を目指したのはお父さんのあとを継ぐためだけじゃない。
和彦のお父さんみたいに傷ついたりした人を支えてあげたい、そう思ったんだ」
智美「こんな素晴らしい人たちに囲まれて、涼さんって本当に幸せよね。
こんどうちのお父さんとお母さんに涼さんを紹介してあげたい!」
綾子「・・・」

綾子は、このとき思っていた。
このまま二人とつきあい続けるわけにはいかない。
和彦の父親のように涼が傷ついてしまうかもしれない。

綾子は涼に正直に話して、二人とも別れる決心をした。

涼「別れてくれって・・・?本気か?おまえ?何かあったのかよ!」
綾子「ええ・・・好きになってしまった人がいるの」
涼「だれだ、そいつは・・・」
綾子の携帯電話に着信音がかかる。
涼「でなよ」
綾子「・・・」
涼「もしもし!」
正夫「・・・涼、涼なのか?」
携帯の画面には石岡正夫の文字があった
涼「・・・なんで親父なんだよ!二人して俺をだましていたのか!」

綾子「正夫さん、私たち、別れましょう。」
正夫「・・・ああ、私もそう思っていたところだ。」

二人が話しているところを涼は見ていた
涼「二人して、俺のことをだましやがって・・・」

綾子と正夫は知らなかった。この現場を涼が見ていたこと
そして、涼の他にも二人の人物が見ていたことを

涼の家では、
涼は部屋のモノを壊し、暴れ回っていた
涼「何でだよ!なんで親父なんだよ!」
涼は頭を抱えていた。もしかしたら精神的におかしくなっていたのかもしれない。
涼「今すぐ俺の部屋から出て行け!」
涼「うっぉおおおおおおおおおおおおお!」
数日後・・・
裕太「・・・綾子さん!」
綾子「裕太君?」
裕太「涼が、自殺しちゃいそうなんです。綾子さんとは何かあったか知らないけど・・・」
綾子「涼が・・・?」
裕太「ええ、涼を死なせたくはない。だから綾子さん・・・涼のことを・・・」
綾子「わかったわ!」

綾子は何回も電話をして涼に謝ろうとしたとした。
涼の氷のように冷たく閉ざした心は簡単にほぐれそうにもなかった。
そして、綾子の家には、涼から大量の暴言が書かれたファックスが送られてきていた。
綾子は涼が自殺をするぐらいなら・・・
涼からの嫌がらせは甘んじて受けるつもりだった。

それは正夫も同じことだった。
涼をカウンセリングや精神科に受診させたところで拒否するであろう。
そこで、正夫の知り合いの院長を伝って精神科の医師を往診させることに成功した。
だが、精神科の医師の診断によれば、下手に入院させるよりも
彼に気が済むようにさせればよい、そうしなければ涼は自殺してしまうかもしれない、
ということだった。

正夫は涼が自殺してしまうよりは・・・と涼の行いを見守るしかなかった。

だが、そのときすでに涼は鎌を研いでいた。
そして、往診した医師の鞄には「五十嵐総合病医院」と書かれていた。

涼が鎌を研いでいたと同じ頃、綾子の会社に匿名で贈り物が届いた。
同僚「古賀さん、宅配便が届いてるわよ!」
綾子「どうもすみません」
綾子「きゃああああ!」
箱の中には猫の死体が入っていた。
おそらく涼のモノだろう。
だが、宅配便が届いたのは綾子だけではなかった。
上司「古賀くん!なんだねこれは!」
上司から綾子は呼び出しを受けた
上司「なんでも、古賀綾子は取引先のC社の社員と不倫している。
これはどういうことだ!?」
涼による嫌がらせはどんどんエスカレートしていった。そして・・・
街を歩く綾子の前に植木鉢が落ちていた
きゃあああ!
ついに綾子の命の危険まで危ぶまれていた。

綾子「キャアアア!」
綾子は目の前の植木鉢を確認した
警官「どうしました?」
綾子「ええ・・・あなたは和彦くん?」
和彦「・・・綾子か?何があったんだ?」
和彦は綾子を交番に連れて行った。
綾子「実は・・・」
綾子は和彦に正直に話した。涼の父親を好きになってしまったこと、
そしてそのせいで涼から命が狙われていることを。
和彦「・・・わかった。今の涼は危険すぎる。涼には俺から話を付けておくから、
あなたはしばらく待っていてくれ」
綾子「ありがとう・・・」

和彦「ああ、俺はやつを犯罪者にしたくない。」

和彦の説得が功を奏しているのだろうか?
しばらくの間綾子への嫌がらせはぴたりと止まっていた。

数週間ほどあった雷雨の降り続く夜のことだった
和彦からのメールが綾子に入った。

「涼とは話がついた。今すぐこの場所に来てくれ。」
そう言われて綾子が向かったのは、ついこの間まで工場だった場所だった。
綾子が和彦を探していると・・・
涼「待っていたぜ!」
綾子「・・・涼、和彦は・・・?」
涼「和彦は俺を裏切った。俺は和彦の振りをしておまえを呼び出した。」
綾子「きゃあああ!」
綾子は底に倒れ込んでしまった。

数時間後・・・
電話が鳴り響く
正夫「はい・・・涼、涼なのか?」
涼「綾子に会いたいか?親父、会いたければ言うとおりにしろ・・・」
正夫「わかった・・・!」

数十分後
正夫「綾子・・・」
綾子「正夫さん!」
正夫「涼から連絡があったんだ。ここで、話し合おうって・・・」
ドアを開けて、涼が現れる。
涼「二人とも、ここで[ピーーー]~!」
正夫「落ち着け、涼。おまえの言うとおり、私と綾子の写真は全て
私の知り合いに送った!」
涼「[ピーーー]え~!」
涼は鎌を振り下ろす

正夫「やめるんだ、涼!」
涼と正夫はとっくみあいになる。
正夫「早く逃げろ!」
綾子は急いで逃げる
正夫「僕は、おまえの父親だ!やらなきゃいけないことが、まだある!」
涼は正夫の首を絞めている。
綾子は急いで逃げる。
だが、廃工場、綾子は廃工場の3階まで逃げた

3階まで逃げる綾子、だた、行き止まりについてしまった。
手すりの前につく綾子に
涼「勇気が無いんなら、手伝ってやろうか?」
そう言いながら涼は綾子に鎌を突きつける。
綾子の携帯が鳴り響く。
涼「・・・出ろよ。冥土の土産に話をさせてやるよ」
綾子は携帯に出る。
智美「もしもしお姉ちゃん、本当なの!?取引先の会社の人と不倫してるって!
今日お父さんの会社の人が教えてくれたの!」
綾子は立ち止まる。すると、涼は携帯を奪う
涼「智美ちゃん、効いてく入れよ。こいつが浮気していたのは俺の親父なんだ!
だから俺はこいつを[ピーーー]!」
智美「どういうことなの!?」
涼「もちろん、智美ちゃんには迷惑がかからないようにする」
そういうと涼は綾子の携帯を1階へと放り投げた

涼「全部、俺を苦しめたおまえのせいだ~!ワハハハハ!」
涼の前に正夫が飛びかかる。
正夫「涼~!」
綾子「正夫さん!」
その瞬間、古い手すりは傾き、3人は真っ逆さまに落ちていった。

どれぐらいの時間がたったのだろうか。病院の一室で綾子は目覚める。
医師「おお、目が覚めましたか。」
正夫「・・・綾子」
綾子「正夫さん、それにお母さんも。」
母親「よかった・・・」
刑事「目が覚めてくれてよかった。」
一室には正夫と綾子の母親、おそらく事件を担当していたであろう中年の刑事、そして担当の中年の医師がいた。
綾子「無事だったの・・・」
正夫「運がよかったんだ。今日は君に真実を話さなければならない。」

綾子「・・・涼は!?それに、私はそれくらい眠ってたの?」
正夫「二十年だよ・・・」
綾子「・・・二十年・・・」
正夫は綾子に手鏡を見せる。
そこにはまるで中年の女性のように老けた綾子の姿があった。
綾子「ねえ、二十年もたっているのに、なんで正夫さんは昔のように若々しいの?
それに、お母さんもなんか若返ったみたいだし、刑事さんもわざわざ二十年も。」
正夫、母親、刑事の顔が曇る。
涼「俺だよ。涼だよ。」
智美「久しぶりね、お姉ちゃん」

涼「二十年もたっているんだ。親父と同じ都市になっていてもおかしくないし、
それに親子だからな」
智美「それは同じよ」
涼「俺たちははじめは君のことを殺してやろうと思ったさ。でも、君たちが寝ている姿を見て
いとおしく感じてね。」
綾子「俺たちってことは、・・・まさか智美も」
智美「ええ。あんたなんてお姉ちゃんなんて呼びたくないわよ、このクズ女。
あんたが涼の父親と浮気してくれたおかげで、お父さんは会社を首になるし、
実家の周りには嫌がらせのポスターがついた。しばらくしてお父さんは自殺して、お母さんはあとを追うように
心労で亡くなった。あんたがお父さんとお母さんを殺したのよ!」
涼「君たちは俺の心を傷つけただけでなく智美から大切なものを奪ったんだ。まあ、君たちを見守る過程で智美とも
恋仲になったがね」
涼と智美はお互いの薬指の指輪を見せる。

綾子「それに、君たちってことは、正夫さんもいるの?」
涼「オヤジなら、そこにいるさ。オヤジの方は人工呼吸器のスイッチを切れば
すぐに死ぬから焦ることは無いと思ったよ。」
綾子の横にはすでに植物状態となった正夫が横たわっていた。
刑事「・・・それに、おまえ達クズのために涼と智美を殺人者にしたくなかったしな。」
刑事が口を開く。
刑事「そう、俺よ。和彦だよ」
涼「警官になって20年もたてば刑事になっていたっておかしくはない。」
和彦「言ったよな。俺の親父は母親の不倫のせいでおかしくなったってな。だから浮気をする
綾子や涼の父親は絶対に許せなかった。」
涼「ついでに教えてやろう。俺が君たちを呼び出したとき、メールを打ったのは和彦だ」
和彦「ああ、実は俺はあの現場にいたんだ。それで涼がおまえ達をおそった証拠は全てもみ消した。
そして通報したのは俺だ。まあ、涼がすぐに目が覚めたのは運がよかったんだけどな。」

和彦「涼がおまえ達を殺したい、っていったから、こんな奴らのためにおまえが罪をかぶる必要は無い、
と話をした。まあ、寝ているおまえ達をいとおしく感じて見守っていたのは俺も一緒だがね。」
涼と智美、和彦はまるで怖いものでも見ているように綾子の方を見る
涼「君だけでも目覚めてくれてうれしいよ・・・さあ、二人で幸せになろうね~!」
綾子はそばにあったボタンを押す
医師「・・・ナースコール、そんなモノは無駄ですよ。だってここは特別室。助けはすぐに来ません。
それにここは僕の病院ですから」
綾子「・・・あなた、まさか・・・」
裕太「やっと気づいてくれましたね、綾子さん。裕太ですよ」
涼「20年もたてば裕太が医者になっていてもおかしくはない。それに、裕太は神の手とも呼ばれる
医者だ。すぐに親父さんのあとをついでいてもおかしくはない。」

裕太「言いましたよね。僕は涼を死なせたくないって。」
裕太「涼が死ぬぐらいだったら、涼を追い詰めたクズ二人が[ピーーー]ばよいって。
最初は涼や智美さんが言うようにすぐ殺そうと思いました。でも、あなた方を
[ピーーー]よりは、あなた方から全て奪ってやろうってね」
裕太はさらに続ける。
裕太「涼のお父さんからはあらゆる臓器を奪ってやりました。もちろん、
それを必要としている人に与えた。あなたの一部の臓器もね。」
綾子「・・・」
裕太「愛する人に裏切られ、傷ついた悲しみ、または愛する人を突然奪われた悲しみ。
そんなものは20年やそこらで癒えるわけがない。僕は医者としてそういう患者を多く診てきました。」
裕太「あなた達は涼だけじゃなく智美さんや和彦も裏切った。そんな方にはどうするか、もうおわかりですよね」
裕太は眼鏡を光らせてほほえむ。

和彦「俺は刑事で裕太は医者だ。他殺の痕跡を残さないやり方はいくらでもできる」
裕太「さあ、あなた方の臓器を必要としている患者さんがいますからね」
涼「さあ、これから二人で幸せになろうね-!」
涼は目を見開いて綾子に襲いかかる。
和彦「俺たちが祝福してやるからよ!」
智美「おめでとう!お姉ちゃん!」
綾子「キャアアアアアアアアアアアアアアアア!」

数日後・・・
患者の母親「それにしても、心臓移植をしていただいてありがとうございます。
ぜひ院長先生にお礼を言いたいです」
看護婦「院長先生を呼んできます!」
別の看護婦「あれ、院長先生がいません!すぐに探します。」
看護婦は特別病室に入る
看護婦「院長先生、こんな所にいるんでしたら・・・」きゃああああああああ!

看護婦は絶叫した。そこで見たのは異様な光景だった。
人工呼吸器を外されて死亡した正夫、ウェディングドレス姿のまま死んでいる綾子、
タキシード姿のままナイフで死亡していた涼、盛装をしたまま首を吊った智美、
拳銃で頭を撃ち抜いた和彦、そして致死量の猛毒を注射したまま息絶えた裕太だった。
おかしなことに彼らの死体から他殺の痕跡がなかったという・・・

以上で終わります。
元ネタの登場人物を増やしてより救いのない終わり方にしました。

元ネタで工場から飛び降りたあとで警察に捕まらなかった理由を考えたら
警察や病院がぐるだったからではないかと

あと、浮気や不倫はどんな理由があっても絶対に許されません。

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