サトシ「ごめんアセロラ!遅れたー!」スイレン「大丈夫!待ってな……え?」 (35)

スイレン「…………え?」

サトシ「ん?」

スイレン(今サトシ……私の事アセロラって呼んだ?)

スイレン「あ、あの……サトシ……」

サトシ「どうしたんだよスイレン?」

スイレン「…………」

スイレン(………気のせいかな?)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527158983

スイレン「な、なんでもない!」

サトシ「そっか?」

ロトム図鑑「サトシー!スイレンはきっとサトシが待ち合わせ時間に遅れたから怒ってるロト!」

サトシ「え!?」

スイレン「…………」

ロトム図鑑「だから昨日アレほど夜更かしするなと……」

ピカチュウ「ピッカー!」

サトシ「あー……そうだよなー……」

サトシ「スイレン!遅れてごめん!」

スイレン「え!?だ、大丈夫!私も今来たとこだから!」

サトシ「本当ごめんな!明日からはもっと早起きするからさ!」

サトシ「じゃ、バルーンの練習始めようぜ!久々のバルーンの練習楽しみだなー!」ワクワク

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「う、うん……そうだね…」

アシマリ「アウ」

スイレン「アシマリ!バルーン!」

アシマリ「アウ」プワン

サトシ「おーっ!スイレンとアシマリのバルーン!また一段とすごくなってんな!」

ロトム図鑑「サトシがウラウラ島で強くなったように、スイレンとアシマリも成長してるロトねー」

サトシ「へへへ、だな!」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「………………」

アシマリ「アウー」プワン

スイレン(……心がモヤモヤする……)

スイレン「………今日の練習終わりっ!」

アシマリ「アウ」バチン

サトシ「え?」

ロトム図鑑「スイレンー!まだスクールが始まるまで時間があるロトよー」

サトシ「そうだぜスイレン?もう少し……」

スイレン「今日はやめ!なんか気分が乗らない」

サトシ「……………」

サトシ「な、なぁスイレン……何か怒ってる?」

スイレン「別に怒ってない」

サトシ「や、やっぱり俺が遅れちゃったのがいけなかったのかな?」

スイレン「…………」イラッ

サトシ「ごめんスイレ…」

スイレン「もういい!早くスクールいこ!」

サトシ「わ、わかったよアセ……スイレン……」

スイレン「」ブチッ

ピカチュウ「ピカピィ…」

アシマリ「アウ……」

スイレン「サトシ、今……私の事アセロラって言おうとした?」

サトシ「え?」ビクッ

サトシ「い、いや……してないよ!」アセアセ

スイレン「何で嘘つくの?てゆーか、さっきも私の事アセロラって言ったよね?」ジッ

サトシ「えと……そ、そうだっけ?」

ロトム図鑑「なるほど……ではサトシはスイレンの事を無意識にアセロラと呼んでしまったロトね」

サトシ「無意識……んー……そうなのかなぁ?」

スイレン「」イラッ

サトシ「その………ウラウラではずっとアセロラと一緒だったからさ……」

スイレン「………………」

サトシ「アセロラにはウラウラで色々サポートしてもらってさー」

ロトム図鑑「サトシはずっとアセロラに頼りっぱなしだったロト」

サトシ「よ、余計な事言うなよ!」

ロトム図鑑「ロー」

スイレン「…………」

サトシ「ハハハ……まっ、て感じでつい癖で呼んじゃったのかも……」

スイレン「…………………」

サトシ「あーそれとスイレン……朝は遅れてごめ…」

スイレン「いこっ、アシマリ」

アシマリ「アウ…」

サトシ「えぇ!?」

ピカチュウ「ピカピ…」

サトシ「ちょ、ちょっと待ってよスイレン!一緒に行こうぜ!」

スイレン「ついてこないで」プイッ

アシマリ「アウ」

サトシ「ちょ……」

ロトム図鑑「サトシ。完全にスイレンを怒らせてしまったロトね」

ピカチュウ「ピッカ」

サトシ「」ガクッ

ポケモンスクール

サトシ「って事があってさ……」

マーマネ「ああ……それで朝からスイレン怒ってたんだ」

リーリエ「スイレン……一度怒ると頑固ですからね……ちゃんと謝ったんですか?」

サトシ「何度も謝ったよ!朝遅れてごめんって」

ピカチュウ「ピカー」

マーマネ「えぇ……」

リーリエ「それではきっとスイレンは一生許してくれませんね」

サトシ「な、なんでだよ!」

マーマネ「サトシー、それ本気で言ってるの?」

リーリエ「最低ですね。最低すぎます」

シロン「コン」ペッ

サトシ「え……」

ロトム図鑑「サトシ!ボクに名案があるロト!」

サトシ「マジ!?」

ロトム図鑑「明日からもう30分早く起きれば……」

リーリエ「ロトムは少し黙っててください」

ロトム図鑑「ロ」

ピカチュウ「ピカ……」ハァ

マーマネ「ねーサトシ。例えばだけど、スイレンがサトシの事カキって呼んだらどう思う?」

サトシ「あっ、呼び間違ったのかなって思うよ」

マーマネ「うん、それで?」

サトシ「スイレンうっかりしてたのかなって」

マーマネ「うん、そうだね。サトシはそうだったね」

サトシ「?」

リーリエ「ハァ……はっきり言ってサトシは最低ですが、このままだとスイレンが可哀想すぎます」

サトシ「……そんな最低最低って………」

リーリエ「いいですかサトシ!」バンッ

サトシ「」ビクッ

リーリエ「論理的結論から言いますと、スイレンはサトシがスイレンの事を"アセロラ"と呼び間違った事に怒っています!」

シロン「コン!」

サトシ「……え……」

ピカチュウ「ピカ」

サトシ「で、でも……」

リーリエ「そうですね…サトシの言うとおり、男同士ならば"あっ呼び間違っちゃったへへへ"で済むかもしれません!」

リーリエ「ですがスイレンは女の子です!女の子と遊んでいる時に他の女の名前を呼ぶなんて男として最低です!デリカシーの欠片もありません!」

シロン「コン!」

サトシ「うぅ……」

リーリエ「しかも"俺その女の子と超仲いいんだぜへへへ"何て自慢されたら私なら一生クチもききたくないですよ!」

サトシ「べ、別に自慢は……」

リーリエ「言い訳しないでください!」

サトシ「ご、ごめ……」

リーリエ「謝るのならば私ではなくスイレンに謝ってください!」

サトシ「…………」

マーマネ「お、落ち着いてよリーリエ……」

リーリエ「フーフー」

ピカチュウ「ピカピィ…」

サトシ「そっか…俺、知らない間にスイレンを傷つけちゃったんだな……」

ロトム図鑑「まったく、サトシはダメダメロトね」

サトシ「な、なぁ!リーリエ、マーマネ!一緒にスイレンに謝る方法を……」

リーリエ「それぐらい自分で考えてください!」

サトシ「で、でも……スイレン朝からクチきいてくれないし……」

サトシ「俺、このまんまじゃ嫌だよ!スイレンと仲直りしたいんだ!」

ピカチュウ「ピカピ……」

リーリエ「……………」

マーマネ「リーリエ」ポンッ

リーリエ「……仕方ないですね………確かにこのままでは私も嫌です…」フッ

マーマネ「サトシ!ボクたちに任せてよ!」

サトシ「マーマネ……」ウルウル

リーリエ「はい!必ずサトシとスイレンを仲直りさせてあげます!」フンス

サトシ「アセ……リーリエ……!」ウルウル

リーリエ「あっ、かなりイラっときました」

マーマネ「サトシ……」

ピカチュウ「ピカ…」ハァ

スイレン「………」ムスッ

アシマリ「アウ」

マオ「スイレンー?もうサトシの事許してあげなよー」

アママイコ「アマアマ」

スイレン「……サトシなんてもう知らない」プイッ

マオ「ほ、ほら……サトシだって悪気があった訳じゃないだろうし……」

スイレン「知ってる。悪気がなく私といる時にアセロラの名前呼んでたから」

マオ「え!?えと……」アセアセ

カキ「たくっ、たかが名前を呼び間違えられただけでいつまでスネてるんだスイレン」ハァ

スイレン「………………」

カキ「いつまでも意地を張ってないでさっさとサトシと仲直り……」

マオ「このバカ!」ベチン

カキ「いだっ!な、なにするんだマオ!」

アママイコ「アマ」ペッ

カキ「!?」

スイレン「………………」

アシマリ「アウ」

サトシ「スイレーン!」

カキ「!」

マオ「サトシ!」

スイレン「…………」プイッ

サトシ「ぁ………」

マオ「す、スイレン……話くらいは聞いてあげようよ?ね?」

スイレン「……………」

サトシ「あの……スイレン……ちょっといいかな?」

スイレン「………………」

サトシ「…………スクールの裏に来て欲しいんだけど……」

スイレン「………………」



スクールの裏

スイレン「……何の用?」

アシマリ「アウ」

サトシ「その……朝は本当にごめんな?」

サトシ「俺、そういうつもりはなかったって言うか……」

スイレン「………………」

スイレン「話はそれだけ?なら私、もう行くけど」クルッ

サトシ「ま、待ってスイレン!」

スイレン「…………」スタスタ

サトシ「今週の土曜日暇!?」

スイレン「」ピタッ

サトシ「その……暇ならスイレンと遊びたいなって…」

サトシ「二人っきりで」

スイレン「………………」

土曜日

スクール前

スイレン「」ドキドキ

アシマリ「アウ」

スイレーン

スイレン「!」

ドドドド

サトシ「スイレーン!」

ピカチュウ「ピッカー!」

ケンタロス「モー!」ドドドド

スイレン「け、ケンタロス!?どうしたのサトシ?」

サトシ「へへへ!ちょっと借りてきた!」

サトシ「今日はこれ乗って色々まわろうぜ!」ニッ

ロトム図鑑「サトシは今日の為にケンタロスを……」

サトシ「ロトムー!余計な事言うなよー?」

ロトム図鑑「ロー……」

スイレン「ふふっ」クスッ

サトシ「…………ん?」

サトシ「あれ?スイレン、今日スカート?」

スイレン「……う、うん……ちょっと気分かえてみた……」

スイレン「に、似合わないかな……?」ドキドキ

サトシ「すっげー似合ってるよ!」

スイレン「ほ、本当?」

サトシ「うん!本当!」ニッ

ピカチュウ「ピッカー!」

ロトム図鑑「むむ……?何やらスイレンからいい匂いがするロト!」ビビ

サトシ「あっ!マジだ!」クンクン

スイレン「え、えと……」モジモジ

マオ『スイレン!サトシとデートするんならゼンリョクでオシャレしてこうよ!』

アママイコ『アマー!』

スイレン『べ、別にデートじゃ…////』

スイレン『それに……私がオシャレとか……』

リーリエ『スイレン!論理的結論から言いますとスイレンは可愛いんです!自信を持ってください!』

スイレン『か、可愛い!?私が?』

リーリエ『はい!』ニコッ

シロン『コン!』

マオ『ねぇスイレン!この服なんかきっとスイレンに似合うよ!』スッ

スイレン『え、えと……』

リーリエ『あっ!私が持っている香水をつけていくのはどうでしょうか?』

スイレン『こ、香水!?』

マオ『グッドアイディアだよリーリエー!』

ワイワイ


スイレン「………………」

スイレン(頑張ってオシャレしてきてよかった…)グッ

ロトム図鑑「サトシー!いつまでスイレンの匂いを嗅いでるロト?モクローみたいロト」

サトシ「あっ、悪い悪い!つい……」ヘヘヘ

ピカチュウ「ピカピィ」

スイレン「ふふっ」ニコッ

サトシ「あっ……」

サトシ(スイレン……笑った……)

リーリエ『サトシ!スイレンをデートに誘ってください!』

サトシ『デート?』

マーマネ『んー……つまりスイレンを遊びに誘うって事かな?』

リーリエ『当然二人っきりでですよ!』

サトシ『わ、わかった!』

リーリエ『それで……ここからが本題…当日の事ですが……』

マーマネ『遊びに行くコースはサトシが決めた方がいいね!できれば普段行かないとことかがいいかも!』

サトシ『うんうん!わかった!任せとけ!』

リーリエ『そうだ!当日はカッコいい車でスイレンを迎えに行くと言うのはどうでしょうか?』

サトシ『いや…俺、車も免許も持ってないよ……』

マーマネ『だったらライドケンタロスとかどうかな?スイレン驚くよきっと!』

サトシ『ケンタロスか……なるほどな!』

リーリエ『あーそれとサトシ……私から何点か注意事項です』

サトシ『注意事項?』

リーリエ『まずは当日、スイレンを褒めまくってください!』

サトシ『褒める?』

リーリエ『そうです。髪型がいつもと違う…とか、いつもよりオシャレ…とか、そんな些細な事でいいんです』

リーリエ『女の子は些細な変化に気づいたり、少しでも褒められたりすると嬉しいものなんですよ?』ニコッ

サトシ『なるほどなー……』

ロトム図鑑『些細な変化に気づく……サトシには少し難しいかもしれないロトねー』

サトシ『お、おい!』

マーマネ『ハハハ……ま、あんまり難しく考えないでサトシが思ったスイレンの良いところをそのまま言えばいいんじゃないかな?』

マーマネ『スイレンならきっと喜ぶよ!』

サトシ『………わかった!』

リーリエ『それと……これが最重要事項ですが……』

サトシ『!』

リーリエ『わかっているとは思いますが……当日はくれぐれも"アセロラ"の名前は禁止です!』ビシッ

サトシ『お、おう…』ゴクリ

ロトム図鑑『心配ロトねー』

ピカチュウ『ピー』

サトシ「…………」

スイレン「サトシ?」

サトシ「ん?わりーわりー!」

サトシ「ケンタロスに乗れよ!スイレン!」スッ

スイレン「うん!」グッ


ケンタロス「モー!」

ドドドド

サトシ「スイレン!ケンタロスの乗り心地はどうだ?」

スイレン「うん!サイコー!」ニコッ

ピカチュウ「ピッカ♪」

アシマリ「アウー♪」

サトシ「へへへ!飛ばすぜスイレン!しっかり捕まってろよ!」

スイレン「うん…////」ギュッ

ケンタロス「モー!!」


ドドドド

ロトム図鑑「サトシー!待ってくれロトー!」ヒュー

サトシ「よし!ついた!」

ケンタロス「モー」ブルル

スイレン「ここって……」

サトシ「この間たまたま見つけたんだ!」

スイレン「すごい崖………」

サトシ「へへへ!上まで行ったらさ!眺め良さそうだろ!」

スイレン「う、うん…そうだね!」

スイレン「その……上まで行く階段とかあるの?」キョロキョロ

サトシ「階段?ないんじゃないかな?」

スイレン「へ?」

ロトム図鑑「サトシー!ならどうやって崖の上まで登るロト?」

サトシ「ん?普通に岩を伝って登るぜ!」

スイレン「え!?普通にのぼ……」

ロトム図鑑「サトシ……」

ピカチュウ「ピカピィ……」

アシマリ「アウ……」

サトシ「へへへ!スイレン!どっちが先に上につくか勝負しようぜ!」ウキウキ

スイレン「えと……」

ロトム図鑑「サトシー!スイレンは女の子ロトよ!ロッククライムなんて無理ロト!」

サトシ「え?」

スイレン「い、いや……登れない事はないと思うけど……」

スイレン「その……私今日スカートだし……」

サトシ「え?あ…そ、そっか!」

スイレン「サトシ!ごめん!」

サトシ「い、いや!俺の方こそごめんスイレン!」

サトシ「その……アセロラは普通にヒョイヒョイ崖登りしてたから……」

ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「あっ……!(やべっ!)」バッ

スイレン「……………………」

ロトム図鑑「あー…やってしまったロトねサトシー」

ロトム図鑑「そ、そうだ!アシマリのバルーンで崖の上まで運んで貰うというのはどうロト!」

サトシ「そ、それいいかもなー!た、頼んだぜーアシマリー」ハハハ

アシマリ「あ、アウ!」グッ

スイレン「……………………」

サトシ「あ、あの……スイレン……?」

スイレン「登る」

サトシ「へ?」

スイレン「登る!」

サトシ「い、いや……む、無理すんなよスイレン……俺が言うのもなんだけど、折角オシャレしてきたのに……」

ロトム図鑑「そ、そうロトよスイレンー!ロッククライムなんてしたら折角のオシャレな服も台無し、香水も汗の臭いで……」

ピカチュウ「ピカピカ!」コクコク

スイレン「…………………」

サトシ「………ほ、他行こうぜスイレン!他にも行くとこ色々考えてきて……」

スイレン「サトシ、置いてくよ」グッグッ

ドドドド

サトシ「!?」ビクッ

ロトム図鑑「スイレン……崖登り速すぎロト……」

アシマリ「アウ……」

頂上

サトシ「っと」ダッ

ピカチュウ「ピッカ」ヒョイ

スイレン「サトシ、遅い!」

サトシ「ご、ごめん……」

ロトム図鑑(スイレンが速すぎるロト)ヒュー

スイレン「…………で?」ズイッ

サトシ「え?」

スイレン「私とアセロラ。どっちが崖登り速かった?」

サトシ「…………す、スイレン?」

スイレン「………うん!」グッ

サトシ(あっ……少し機嫌なおったかな?)

スイレン「…………いい眺め」

サトシ「へへへ!だな!」ニッ

サトシ「…………」チラッ

スイレン「……………」ボロッ

サトシ「…………あのさスイレン……ごめんな?」

スイレン「え?」

サトシ「その……スイレン、折角オシャレしてきたのに…俺が変な事言ったから……」

スイレン「……許さない」

サトシ「うっ…」ビクッ

スイレン「……なんてっ……嘘です♪」テヘッ

アシマリ「アウ!」

サトシ「う、嘘か……」ホッ

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

スイレン「………最初はちょっとなって思った……でも……」

スイレン「ここ、眺めはいいし!それに……」

スイレン「………ふ、服も……サトシが似合ってるよって言ってくれたから…いい!////」モジモジ

サトシ「スイレン………」

サトシ「………ははっ、ちょっと照れちゃうな///」テレッ

ピカチュウ「ピカー」ニコッ

ロトム図鑑「サトシにもそういう感情があったロトねー!」

サトシ「どういう意味だよ」

スイレン「ふふっ」ニコッ

アシマリ「アウー」ニコッ

サトシ「よし!そろそろ下に降りて昼ごはん食べに行こうぜー!」スクッ

スイレン「………あ…」

サトシ「?」

スイレン「その……」モジモジ

サトシ「? どうしたんだよスイレン?」

スイレン「………お弁当…つくってきた…////」モジモジ



サトシ「うぉー!」キラキラ

ロトム図鑑「でっかいおにぎりロトー!」

スイレン「サトシ、いっぱい食べると思ったから……」

サトシ「うまそー!食べていい?」

スイレン「うん!」ニコッ

サトシ「いただきまーす!」モグモグ

スイレン「ど、どう?美味しい?」ドキドキ

サトシ「うん!すっげー美味いよスイレン!」

スイレン「えへへ////」

スイレン「お茶も持ってきたから」スッ

サトシ「サンキュー!」モグモグ

ロトム図鑑「スイレンはいいお嫁さんになるロトねー!」

サトシ「だな!」モグモグ

スイレン(お嫁さん…////)ボフン

サトシ「…………ん?」モグ

スイレン「……どうしたのサトシ?」

サトシ「オレンの実がなってる……」

スイレン「え?」

サトシ「スイレン!とってきてやるよ!」スクッ

ピカチュウ「ピッカ!」

スイレン「オレンの実……」ジーッ

スイレン「サトシ!任せて!アシマリ!」

アシマリ「アウ!」

サトシ「!」

スイレン「アシマリ!バブルこうせん!」

アシマリ「アウ!」

ピュピュピュピュ

ボトッ

サトシ「おぉー!すっげー!」

ロトム図鑑「オレンの実が4個落ちてきたロトー!」

スイレン「はい、サトシ!ピカチュウ!」スッ

ピカチュウ「ピッカー♪」

サトシ「サンキュー!スイレン!ミミたん!」

アシマリ「…………アオ?」

スイレン「…………ミミたん……?」

サトシ「…………あっ……」

ピカチュウ「ピカピ……」

ロトム図鑑「サトシは本当にバカロトねー……」

サトシ「……違うんだスイレン」

スイレン「違うって何が?私、何も言ってない」

サトシ「い、いや……そうじゃなくって…アセロラは関係ないって言うか……」

スイレン「何でいきなりアセロラが出てきたの?」ジトー

サトシ「あ、その……」

スイレン「あやしい……」ジトー

アシマリ「アウー」ジトー

サトシ「な、なんでだろうな?ピカチュウ?」ハハハ

ピカチュウ「ピカ!?」

ロトム図鑑「コホン…スイレン。ミミたんについてはボクから説明するロト」

スイレン「!」

サトシ「ロトム!」

ロトム図鑑「ミミたんは昨日ボクとサトシとピカチュウで見ていたドラマの主役のパートナーポケモン、アシマリのニックネームロト」

スイレン「ドラマ?」

サトシ「そ、そうなんだよ!ドラマの主役!」

スイレン「でも、昨日そんなドラマは……」

ロトム図鑑「バーネット博士が昔録画していたやつをみんなで見ていたロト」

サトシ「そうそう!」

スイレン「…………ふーん…」ジトー

サトシ「お、おいロトム……スイレン疑ってるよ絶対」ヒソヒソ

ロトム図鑑「…………」

ロトム図鑑「サトシはそのドラマの主役の女の子の事をスイレンスイレンと言っていたロト」

スイレン「…………え?」

ロトム図鑑「いやぁ…思春期の男の子はすごいロトねー……サトシはアシマリを見るとすぐスイレンを連想してしまうロト」

スイレン「!?」

ロトム図鑑「ちなみに家でサトシはいっつもスイレンの話をしてるロト。ね?サトシ」

サトシ「うん!してるしてる!」

スイレン「////」ボフン

サトシ「あ……スイレンだけじゃなくてさ?スクールのみんなの話も……」

ロトム図鑑「サトシ。それ以上はやめるロト」バッ

サトシ「モガ」

スイレン「わ、私も……」

サトシ「?」

スイレン「わ、私も!お母さんやホウやスイにいっつもサトシの話してる////」カァー

サトシ「マジ?嬉しいよ!」ニッ

スイレン「わ、私も!嬉しい!////」

アシマリ「アウ!」

ロトム図鑑「ふぅー……何とかなったロトね」グッ

ピカチュウ「ピッカ!」グッ

図書館

スイレン「………図書館?」

サトシ「うん、たまにはいいかなって」

ピカチュウ「ピッカ」

スイレン「………サトシが読書なんて意外……」

サトシ「え?そっか?」

ロトム図鑑「サトシー。女の子とのデート…しかもアウトドア派のスイレンと図書館はないと思うロト」ヒソヒソ

サトシ「え!?マジ?だってアセ……」

ロトム図鑑「サトシ。それ以上はやめるロト」

サトシ「お、おう……」

サトシ「………スイレン?やっぱ違うとこ行く?」

スイレン「いいよ!入ろ!」ニコッ

サトシ「いいのか?もし他に行きたいとこあるなら……」

スイレン「いいよ!サトシと一緒ならどこだっていい!」

サトシ「!」

スイレン「それに……」

スイレン「なんか……サトシの意外な一面が見れて得した気分!」ニコッ

サトシ「スイレン……」

ロトム図鑑「ロ?予想に反していい雰囲気ロト……」

ピカチュウ「ピッカ」

スイレン「うーん……海の神秘……なかなか興味深い本……」ペラッ

スイレン「サトシ、この本なんだけど……」チラッ

サトシ「クカー」zzz

スイレン「……って…寝てる…」

アシマリ「アウ……」

ピカチュウ「ピカピー」ユサユサ

サトシ「ウーン」zzz

スイレン「……まったく」クスッ

ロトム図鑑「サトシ……今日は本当いいとこないロトねー」




リーリエ「何故サトシとスイレンが図書館に?今日はデートではなかったんですか?」ヒソヒソ

マーマネ「デートに図書館を選んだんじゃない?」ヒソヒソ

リーリエ「……ま、まぁ…それはいいとしても……サトシは何故寝ているのですか?」ヒソヒソ

マーマネ「さぁ……」

シロン「zzz」

サトシ「ごめんスイレン!」

スイレン「………………」

サトシ「俺から誘っておいてその……」

ピカチュウ「ピカピー」

スイレン「サトシ、もういいよ」

アシマリ「アウ」

サトシ「スイレン………」

スイレン「…………そのかわり、行きたいとこある」

サトシ「………え?」

ザザーン

スイレン「………………」

サトシ「ここ……いっつもバルーンの練習してる浜辺……」

ピカチュウ「ピー」

スイレン「サトシ、今日はありがと!」

サトシ「……え?」

スイレン「とっても楽しかった」ニコッ

サトシ「………………」

サトシ「なぁスイレン……俺、今日はスイレンの事考えないで変なとこばっか連れまわして……その……」

スイレン「………………」

サトシ「いや、今日だけじゃないな……そもそも俺が無神経な事言ってスイレンを傷つけたから……」

スイレン「……ふふっ、なんかサトシらしくない」クスッ

サトシ「え?」

スイレン「……でも……サトシがそう言ってくれるなら……」

スイレン「……せめて私と二人でいる時は……私だけを見てほしい…」ドキドキ

サトシ「スイレン………」

ロトム図鑑「サトシ」トン

サトシ「!」

ロトム図鑑「やるなら今しかないロト」ヒソヒソ

サトシ「あ、あの……スイレン!」ゴソゴソ

スイレン「?」

サトシ「これ……」スッ

スイレン「………これって……」

サトシ「その……なんてゆーか……この間のお詫びで……」

サトシ「俺が選んだプレゼント!良かったら受け取ってくれ!」

スイレン「サトシ……」ウルッ

サトシ「え?あ、あれ……スイレン?」アセアセ

スイレン「うぅ……」グスッ

サトシ「あわわわわ!す、スイレン!い、いらなかったら捨てて……」

スイレン「違う……嬉しくて……」ゴシゴシ

スイレン「ありがとうサトシ!すっごく嬉しい!」ニコッ

サトシ「スイレン……」ドキッ

ロトム図鑑「おやサトシ?今ドキッとしたロト?少し心拍数が上がって……」

サトシ「少し黙っててくれる?」

ロトム図鑑「ロー」

スイレン「ふふふ…あけちゃおっ」ゴソゴソ

サトシ「わぁー!い、家に帰ってからにしてくれ!」

スイレン「………サトシ、慌ててる……まさかやらしーものが…」フフフ

サトシ「そ、そんなんじゃないよ!」アセアセ

スイレン「ふふっ、うーそです♪」ベー

サトシ「おいスイレーン!」


ワイワイ

ピカチュウ「ピカ」ニコッ

アシマリ「アウアウ」ニコッ

スイレンの家

スイレン「ふぅ……今日は最高の1日だった……」テカテカ

アシマリ「アウ!」

スイレン「そうだ!サトシのプレゼント!」ゴソゴソ

スイレン「………綺麗な包装紙に包まれてる……やっぱりサトシらしくないかも」クスッ

スイレン「でも…それだけ私を思ってくれてるって事かな………」

スイレン「吸い込まれそうなくらい綺麗で蠱惑的な紫色の包装紙……」ウットリ

スイレン「あっ、そうだ!サトシの私への愛の余韻に浸ってる場合じゃない!」

スイレン「肝心の中身!」ペリペリ

アシマリ「アウ」

スイレン「………これ…」スッ

スイレン「本に挟む栞………かな?」ペラッ

アシマリ「アウ?」

スイレン「透き通る紫色で……ミミッキュのマークがついた栞……」

アシマリ「ア」

スイレン「………できればアシマリマークの青がよかったかも」ジトー

アシマリ「アウ……」

スイレン「ふふっ、なーんて?うーそです♪」

アシマリ「………………」

スイレン(サトシが私のために選んでくれたプレゼントならなんだって嬉しい……)ギュッ

スイレン「…………………」

スイレン(……きっと今サトシにとって私は"友達"……でも、今はまだそれでいい……)

スイレン「………"今"は……ね?」ニコッ

アシマリ「アウ!」

翌日

日曜日

サトシ「や、やばい!寝坊したー!」タッタッタ

ピカチュウ「ピッカー!」タッタッタ

ロトム図鑑「サトシー!だからあれほど夜更かしはいけないと…」ヒュー

サトシ「うるさいなー」タッタッタ

ロトム図鑑「急がないと待ち合わせ時間に遅れるロトよー」ヒュー

サトシ「わ、わかってるよ!だから急いでんだろ!」タッタッタ

ピカチュウ「ピカ」ハァ


タッタッタ



サトシ「ごめん!遅れたー!」

「ううん、大丈夫待ってないよ!」クルッ

アセロラ「アセロラも今来たとこだから」ニコッ

ミミたん「キュー」フワフワ

ロトム図鑑「サトシが夜ふかしして寝坊をー………」

サトシ「あぁー!それはもういいだろロトム!」

ロトム図鑑「ロー」

アセロラ「ふふっ」クスッ

ピカチュウ「ピカ」ヤレヤレ

アセロラ「それよりサトシー!今日はちゃんとエスコートしてくれるのかなー?」ジトー

サトシ「へへへ、ウラウラ島では色々サポートしてもらったしな。今日のメレメレ島観光、俺に任せてよ!」グッ

アセロラ「うん、任せた!楽しみにしてるよー♪」

サトシ「おう!」

ロトム図鑑「不安ロト…」

ピカチュウ「ピカピカ」コクコク

サトシ「あっ!そうだ」ゴソゴソ

アセロラ「?」

サトシ「はい、これ!」スッ

アセロラ「? この袋……なに?」

サトシ「ウラウラで世話になったお礼だよ!」

アセロラ「へぇー?サトシにしては気が利くね?」ニヤニヤ

サトシ「お、俺にしてはってなんだよ……」

アセロラ「ふふふ」クスッ

アセロラ「んーと……袋の中身は……」ゴソゴソ

アセロラ「!」

アセロラ「………綺麗な包装紙に包まれてる……」ヒョイ

アセロラ「まるで…海みたいに綺麗な青い包装紙……」

ロトム図鑑(ロ?青い包装紙……?)

サトシ「わぁぁぁ!あ、あけるのは後にしてくれよ!」

アセロラ「あっ、ごめんごめん……それにしても…」

サトシ「?」

アセロラ「ふふふ…女の子のプレゼントにこんな演出するなんて…やっぱりサトシらしくないかもねー」クスッ

サトシ「みんなの中の俺のイメージってどうなってるんだよ…」

アセロラ「えへへ、でも…とっても嬉しいよ」ギュッ

アセロラ「ありがとう」ニコッ

サトシ「へへへ」ニッ

ピカチュウ「ピカピカ」

ミミたん「キュー」

ロトム図鑑「サトシー!そろそろメレメレ観光に出発した方がいいんじゃないロトかー?」

サトシ「そうだな!」

アセロラ「サトシー。今日はどこつれてってくれるのー?」

サトシ「えーと……海行って……釣りして……ショッピングモールやマラサダショップ……スクールも案内したいな!」

アセロラ「釣りにマラサダショップ……スクール…うわっ!すっごい楽しみだよ!」キラキラ

サトシ「へへへ、だろ?」ニッ

サトシ「よーし!じゃあ早速メレメレ島観光スタートだー!」

アセロラ「おーっ♪」

ピカチュウ「ピッカー♪」

ミミたん「キュー」

ロトム図鑑「ロー!」

サトシ「行こうぜ!スイレン!」

アセロラ「うん♪……………え?」

サトシ「ん?」





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