紬「……メンドクサイフェアリー、ですか?」 (58)

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・紬と静香


静香「あ、紬さん。おはようございます。早いんですね」

紬「おはようございます、最上さん。今日は、何だか早く目が覚めてしまいましたので」

静香「ふふ、奇遇ですね。私も、たまたま早く起きちゃって。何もせず家にいるのもちょっと嫌で、こんな時間に来ちゃいました」

紬「そうなのですか……? 不思議な偶然もあるものです」

静香「あの、紬さんは、レッスンの時間まで何か予定ありますか?」

紬「いえ、特には。こうしてお茶でもいただこうかと考えておりました。最上さんも、お飲みになりますか?」

静香「ええ、私も貰おうかな……って、ちょっと、自分でやりますから! 紬さん!」

紬「? あ……申し訳ありません、私の淹れたお茶なんて……」


静香「違います違います! 年上の方にわざわざ席を立ってお茶を淹れてもらうなんて、そんなことできないですよ」

紬「そ、そうですか……? 最上さんがそうおっしゃるのでしたら……」

静香「…………よいしょ、と。あの、隣、座ってもいいですか?」

紬「はい、どうぞお座りください」

静香「……あの、前から思ってたんですけど、紬さんって、年下の私や志保、桃子にも敬語ですよね」

紬「はい。それが何か……?」

静香「その、紬さんは年上ですし、そんなに丁寧に話してもらわなくても大丈夫ですよ?」

紬「……私の話し方、失礼でしたか……?」

静香「そんなことないです! 年下の私たちにも気を使ってもらって、嬉しくはあるんですけど……せっかくこうやってユニットとして一緒に活動しているわけですし、もっと気楽に話して欲しいな、って」

紬「そう、ですか……」

静香「はい。その、私も、もっと紬さんと仲良くなりたいので!」


紬「も、最上さん……そんな、うちなんかと……」

静香「それです! その、うち、っていうのすごくいいと思います」

紬「も、もう! からかわないでください……」

静香「ふふ、からかってなんかないですよ。本当にいいなって思ってますし、もちろん、仲良くなりたいっていうのも本当です」

紬「……あ、ありがとうございます…………そ、その、最上さん」

静香「はい?」

紬「……最上さんがそうおっしゃるので白状しますが……私、方言で喋るのが、その、少し恥ずかしくて……」

静香「そうなんですか?」

紬「はい。向こうにいた頃は考えたこともなかったのですが、こちらに来てから、どうしても気になってしまって。……敬語で話していれば、向こうの言葉も出ませんので……」

静香「そうだったんですね……」


紬「ご自分の話し方を曲げない横山さんや木下さんが、羨ましくもあります。でも、私は周りの方の目が気になってしまうので……」

静香「……なるほど。ごめんなさい、そうとも知らず、無理を言ってしまったみたいで」

紬「いえ! その、最上さんから、仲良くしたいとおっしゃって頂いて、私も嬉しかったので……」

静香「……紬さんは、方言を出したくないから、敬語で喋っているんですよね?」

紬「? はい」

静香「だったら、名前で呼んでもらうのは、平気ですよね?」

紬「?」


静香「静香、って呼んでください」

紬「ふぇ?」

静香「静香」

紬「も、最上さん?」

静香「静香」

紬「あぅ、そ、その……」

静香「静香」

紬「……し、し、静香……さん」

静香「はい、紬さん。……本当は、さん、もいらないですけど」

紬「そ、それは堪忍してください。もが……静香さん」

静香「ふふ、そうですね、堪忍ですね。ふふ」

紬「?」


・紬と志保


志保「おはようございます……静香に、紬さん? 早いんですね」

静香「おはよう、志保。たまたま早く来ちゃってね。紬さんと一緒にお茶を飲んでたの」

紬「おはようございます、北沢さん。もが……静香さんが、お話相手になってくださって」

志保「!? そ、そうですか。静香と紬さんが……」

紬「? 北沢さん、どうかなさいましたか?」

志保「いえ、別に……」


静香「志保ー、あなたもお茶飲むでしょ?」

志保「……ええ」

静香「ほら、おかわりのついでにあなたの分も……って、どうしてわざわざそんなに離れて座るのよ」

志保「……別に、いいでしょ」

紬「……北沢さん?」

静香「はぁ……志保、また出てるわよ。いつもの癖」

志保「っ!」

紬「?」


静香「ふふ。紬さん、覚えておいてください。この子の『別に』って、何か悩んでいたり、言いたいことがあるけど言えなかったり、嘘をついていたりのサインなんですよ」

紬「そうなのですか……?」

志保「ちょっと、静香! 紬さんも、真に受けないで下さいよ!」

静香「くす」

志保(いらっ)

静香「もう。志保のことだから、どうせ、自分は会話の邪魔になる、とか考えてたんでしょ?」

志保「べ、別に、そんなこと……」

静香「ほらまた」

志保「くっ……」


静香「だいたい、志保は――」

志保「でも、静香、あなただって――」

紬「……」

紬「……お二人は、本当に仲がよろしいのですね」

静香志保「「え?」」

紬「お二人の会話からは遠慮が感じられませんし、お互いを理解しているようにも心配しているようにも聞こえます」

静香志保「「べ、別に、そんなこと……」」

紬「くす。とても素敵なことだと思います。……ちょっと、羨ましぃげん」

静香「……紬さん?」

志保「……」


紬「あ、いえ、その、すいません。気になさらないでくだ」

志保「……志保」

静香「!」

紬「?」

志保「志保。私の名前です」

紬「は、はい。勿論、存じております」

志保「呼んでください」

紬「ふぇ?」

静香「へぇ……」

志保「……静香ばっかり、ずるいじゃないですか」


紬「あ、え、その……」

志保「……やっぱり、私と仲良くするのは難しいですか?」

紬「そ、そんなことありません! 私は、北沢さんとも、是非もっと仲良くなりたいと思って……」

志保「志保」

紬「あぅ」

志保「志保」

紬「……し、志保、さん」

志保「くす。紬さんの方が年上なんですし、さん、もいらないと思うんですけど」

紬「…………ふ、ふふっ」

志保「? 何かおかしかったですか?」


紬「ふふ……その、もが、静香さんと同じことをおっしゃるので、ふふ、やはりお二人はよく似ているのだな、と思いまして」

静香「……」

志保「……そうなの、静香?」

静香「……まぁ、似たようなことは言ったかもしれないわ」

志保「ふーん」

静香「……ふーん、って、それだけ?」

志保「……他に何を言えばいいのよ」

紬「ふふ、くすくす」


静香「……そ、そういえば、紬さんっ!」

紬「は、はい」

静香「千早さんのことは、最初から名前で呼んでましたよね?」

志保「……そういえば、そうね」

紬「はい。千早さんは……こちらに来る前からアイドルの方として存じ上げていまして、その、『如月さん』ではなく『千早さん』という認識でしたので」

紬「……初めてお会いした時に、失礼ながらついお名前が口から出てしまいまして。慌てて呼びなおそうとしたのですが、千早でいいですよ、とおっしゃって下さったのです」

静香「なるほど。でも、何だか分かる気がします。千早さんはアイドルの『千早さん』だったから、最初お会いした時は目の前にいることが信じられなくて」

志保「……私も、アイドルの先輩方の姿を間近で見て、本当に自分もアイドルになったんだ、とようやく認識した覚えがあるわね」


紬「ええ、ええ。分かります、きたざ……志保さん。本気だと言って人を誘っておいて、それなのにいざ私の姿を見ると驚いて、お気楽で、無神経で、本当にこの方がプロデューサーなのか、本当に私はアイドルになったのかと心配にもなりましたが……テレビで拝見していた千早さんや先輩方とお話をさせて頂いて、嘘ではなかった、夢ではなかった、と」

静香「そう! そうなんです! プロデューサーって、面接の時から何だか頼りなくて、そのくせ私のことも変に子ども扱いするし、本当にこの人についていって大丈夫なのかな、って」

志保「……もう少し、社長のような頼りがいと落ち着きが欲しいのは確かね」

紬「本当に、不躾で、無遠慮で、それにご自分の言葉に無責任な所も…………と、とはいえ、その、時には細やかな優しさを感じることもありますし、私をこの世界に導いて、お世話してくれていることに感謝はしていますが……」

静香「……ま、まぁ、まったく頼りにならないってわけじゃないですよね。たまには、ちゃんとプロデューサーっぽいことも言ってくれるし……」

志保「……そうね。最近は、見直すことも増えてきたかな」


紬「……」

静香「……」

志保「……」

紬「……ふふ」

静香「……くす」

志保「……ふふ」

紬「何だか、似ているのかもしれませんね、私たち」

静香「そうですね……紬さんはともかく、志保と似てるっていうのは、ちょっとあれですけど」

志保「……こっちの台詞よ、まったく」

紬「ふふ、くすくす」



・紬と桃子


桃子「おはようございまーっす。あれ、もうみんな来てたんだ。……って、何だか楽しそう?」

紬「おはようございます、桃子さん。ええ、静香さん、志保さんと、お話をしていました」

桃子「!」

静香「おはよう、桃子。私と紬さんで志保の相手をしてあげてたの」

志保「おはようございます。私と紬さんで志保に付き合ってあげてたのよ」

静香「へぇ……?」

志保「ほぅ……?」

紬「ふふ、静香さんも志保さんも、本当に仲がよろしくて」

桃子「ふ、ふーん? 紬さんも、随分楽しかったみたいだね?」


紬「はい。その、お二人とも、とても優しくしてくださいまして……桃子さんのおっしゃる通りでした」

桃子「ちょ、ちょっと! 紬さん!」

紬「あ……」

静香「へぇ……?」ニヤ

志保「ほぅ……?」ニヤ

桃子「べ、別に! 桃子、何もアドバイスとかしてないんだから! そんな風に見ても何も無いからね!」

紬「……ふふ」

静香「……くす」

志保「……」


桃子「な、なに?」

紬「いえ、桃子さんの言葉が、先ほどの志保さんのものと重なっていて……ふふ」

静香「くす、桃子、あなたも分かりやすいんだから」

志保(……なるほど、こういう風に見えていたのね)

桃子「むぅ……なんかヤな感じ! 桃子、バカにされてる気がするんだけど!」

紬「い、いえ! 私が桃子さんを馬鹿にするなんて、そんなこと!」

桃子「そ、そう? ならいいんだけど……」

静香「(……紬さんって、本当に桃子のことを慕ってるわよね)」ヒソ

志保「(……桃子も、あれだけ純粋に頼りにされて、すごく嬉しいみたいね)」ヒソ


桃子「……でも、紬さん、二人のことも名前で呼ぶようになったみたいだし……も、もう、桃子が面倒見なくても大丈夫かな!」

紬「? お二人をお名前で呼ぶこととどう関係が……?」

桃子「だ、だって、桃子がいなくても、静香さんや志保さんがいるし、二人の方が年だって近いし……」

静香「(……桃子、拗ねてる?)」ヒソ

志保「(……というよりは、寂しいのかしら)」ヒソ

紬「? 静香さんや志保さんがしっかりされているのは確かにそうですが……それと、桃子さんが頼りになることは、また別の話では……?」

桃子「! そ、そう?」

紬「はい。桃子さんにはまだまだ教えて頂きたいことがありますし、これからも良くして頂きたいと思って…………はっ! そ、そのっ、も、申し訳ありません!」

桃子「?」


紬「う、うち、いっつも桃子さんに甘えてしもて……そ、そやさけ、桃子さんうちに愛想つかして……」

桃子「へっ!? って、違う違う! そんなことないから!」

紬「で、でも、桃子さん、もううちの面倒見たくないって……」

桃子「違う違う! 桃子そんなこと言ってないよ!」

紬「そ、そうですか……?」

桃子「もう。いつも言ってるけど、紬さんは早とちりし過ぎだよ。……まぁ、今回は桃子もちょっと言い方が良くなかったけど……」

静香「……くす。大丈夫ですよ、紬さん。桃子ってば、紬さんのこと大のお気に入りなんですから」

桃子「ちょっと、静香さん!?」

志保「私たちに紬さんを取られたと思って、寂しかったんですよ」

桃子「志保さんまで!?」


紬「……そうなのですか?」

桃子「べ、別にそういうのじゃないけど……でも、とにかく! 紬さんにはまだまだ桃子が必要なんだよね?」

紬「はい。これまでのように良くして頂ければ、有難いのですが……」

桃子「ふ、ふふん! まったく、しょうがないんだから。紬さんのことは、これからも桃子が面倒見てあげるよ! ……えへへ」

静香(かわいい)

志保(かわいい)

紬「は、はい! よろしくお願いします!(よかった……)」



・紬と千早


千早「おはようございます。あら、みんな来てたのね」

静香「あ、千早さん! おはようございます!」

志保「おはようございます」

桃子「おはようございます、千早さん」

紬「おはようございます。……千早さん? そのお召し物は、もしかすると……?」

千早「ええ。少し、自主レッスンをしていたの」


静香「そんな……言ってもらえれば私も付き合ったのに……」

千早「ふふ、ありがとう、最上さん」

志保「……千早さんにあまり頑張られると、私たちの立つ瀬がなくなるのですが」

千早「ごめんなさい、北沢さん。でも、みんなのお手本でいようと思うと、このくらいはね」

桃子「もう。千早さんのそういう所、桃子、嫌いじゃないけど。無理はしないようにね?」

千早「大丈夫よ。軽く今日のレッスンを確認していただけだから。ありがとう、桃子」

紬「……その、千早さん。もしかすると、なのですが……」

千早「紬さん?」

紬「そのお召し物は、ご自宅で就寝する時に着られていたものでは……?」


千早「へっ!?」

静香「え?」

志保「はい?」

桃子「うん?」

紬「違っているようでしたら、申し訳ないのですが……」

千早「い、いいえ。そうね、この前紬さんが来た時がどうだったかは覚えていないのだけれど……確かに、寝る時に着ていることもあるわ。でも、それがなにか……?」

静香「!」

志保「!」

桃子「!」

紬「!」


静香「え、と……も、もしかして、紬さん、千早さんのお家に行ったことが?」

志保「……そう聞こえたわね」

桃子「紬さん、どういうこと? 桃子、聞いてないよ?」

紬「妙齢の女性、それもトップアイドルである貴女が、寝間着で外を動き回るなど……」

紬「……って、ふぇ!? ど、どうしてみなさん私の方に……? い、今問題なのは女性としての自覚が足りない千早さんの方であって……」

静香「それは確かに気になりますけど……それよりも、紬さんが千早さんのお家に行ったことの方がもっと気になります」

志保「千早さんにも問題はありますが、より興味を惹かれる話が聞こえましたので」

桃子「千早さんが女の子としてちょっとあれなのは今更だとして、紬さんは、いつの間にそんなに千早さんと仲良くなったのかな?」

千早「え……ちょっとみんな、ね、ねぇ、今私が着ているのは普通のジャージとTシャツなのだけれど……そ、そんなに駄目かしら?」


静香「そ、その……レッスンをするのには普通だと思いますけど……家で寝る時に着ているものを流用するのは……アイドルとして、ちょっと……」

志保「事務所には男性の方もいるわけですし、気にした方がいいと思います」

桃子「家でくつろぐ時の格好を不特定の人に見られるの、女の子は普通恥ずかしいって思うんだよ?」

紬「桃子さんのおっしゃる通りです。千早さんは、もう少し恥じらいというものを……」

千早「あ、う……ご、ごめんなさい……」ショボン

紬「あっ! と、とはいえ! その辺りに大らかな所も千早さんの魅力と申しますかっ!」

千早「……本当に、そう思ってる?」

紬「も、ももももちろんです」

千早「……くす。相変わらず、嘘が下手なんだから」

紬「な、なんやいね!」


静香「(……あの二人って、あんなに仲良かったっけ?)」ヒソ

志保「(……いつの間に、千早さんとあんなに距離を)」ヒソ

桃子「(……むぅ。桃子、聞いてないんだけど)」ヒソ


千早「? みんな、どうかしたの?」

紬「……? ど、どうして私はそのような目を向けられているのでしょうか……?」

静香「……ずるい」

千早「?」

紬「?」

静香「紬さんだけ、千早さんのお家にお邪魔して仲良くなってずるいです!」

千早「え?」

紬「ふぇ?」

静香「私も千早さんのお家に行ってみたいです! お泊りしたい!」


千早「え、と……北沢さん?」

志保「……まぁ、千早さんが普段どういった生活をしているのか、私も興味はありますね」

千早「……桃子?」

桃子「桃子に内緒でお泊り会なんて、ずるい」

紬「そ、その、別に桃子さんに内緒にしていたわけでは……」

桃子「だって桃子聞いてないもん」プク

千早(かわいい)

静香(かわいい)

志保(かわいい)

紬(う、うぅ……桃子さんが怒っとる……)


志保「……そもそも、いつからお二人はそういう、家に行くような仲になったんですか?」

千早「いつだったかしら。えーと、その、私も紬さんも一人暮らしをしているでしょう?」

静香「はい。そう聞いています」

千早「紬さんはこちらに来たばかりで、東京の暮らしにも、一人の生活にも慣れていないようだったから……」

紬「その、千早さんが、色々とアドバイスをくれたのです。買い物にも付き合って頂きまして」

桃子「ふーん。それで、一人暮らし同士、意気投合したんだ?」

千早「偶然、家もそんなに離れていなくて。料理の練習をするのに一人分というのも難しいから、たまに行き来しているのよ」


静香「! 千早さんの手料理!?」

千早「へ?」

静香「お泊りだけじゃなくて、千早さんの手料理まで!?」

志保「ちょっと静香、落ち着きなさい」

静香「だ、だって、紬さんばっかり……ずるい……私だって……」

紬「え、あ、その、申し訳ありません……」

志保「はぁ。……あの、千早さん?」

千早「な、なにかしら」

志保「千早さんと紬さんが仲良くしている。良いことだと思いますが……羨ましいのも事実です」

桃子「……珍しい。志保さん、羨ましいって認めるんだね?」

志保「千早さん、紬さんと良い関係を築きたいのは事実だもの。誤魔化したって仕方無いわ」

静香(へぇ、志保がそんなことを言うなんてね。……少し、変わってきてる?)


千早「あ、あの、そう言ってもらえるのはとても嬉しいのだけれど……それで、私はどうすれば……」

志保「ふふ、簡単な話ですよ。ねぇ、桃子?」

桃子「今度は、桃子たちも一緒にお泊りするからね!」

静香「! そうです! それがいいです! それしかないです!」

志保「……必死すぎでしょ、静香」

紬(静香さんは、本当に千早さんのことを慕っているのですね)

千早「えーと、その……」

桃子「なーに、千早さん? まさか、紬さんはいいのに桃子たちは駄目、とか言わないよね?」


千早「そんなことはないのだけれど……その、私の家に来ても、特に面白いものもないわよ? ねぇ、紬さん?」

紬「ふぇ!? う、うち? え、と、うちは千早さんとしなしなぁーとしとるだけでええさけ……」

千早「し、しなしな?」

紬「あぅ……そ、その、千早さんとゆっくりしてるだけで十分なので……」

桃子「へー、しなしなってそういう意味なんだ。面白いね」

紬「へ、変ではないでしょうか……?」

桃子「桃子は可愛いと思うけど、しなしなぁって。なんとなく様子も思い浮かぶし」

紬「そ、そうですか(……よかった)」



・紬とメンドクサイフェアリー


静香「紬さんの言う通りですよ。千早さんと……みんなと一緒にいるだけで十分なんですから」

志保「あら、私も入れてくれるのね」

静香「もう、茶化さないの」

千早「……そう、そうね。私も、みんなとゆっくり時間を過ごせるだけで、きっと楽しいと思う」

桃子「じゃあ決まりだね!」

千早「ふふ。メンドクサイフェアリーみんなでお泊り会。楽しみね!」


静香「……」

志保「……」

桃子「……」

紬「……」

千早「あ……」


静香「……あの、千早さん、メンドクサイフェアリーはちょっと……」

志保「……千早さんの言葉とはいえ、あまり歓迎できませんね」

桃子「……桃子、めんどくさくないもん」

紬「……やっぱり、うち、千早さんから面倒だと思われて……」

千早「違う違うの! 紬さんのこと面倒だなんて思ってないから! もちろん、みんなもそうよ!」

志保「でも千早さん、あの呼び方、実は結構気に入ってたりしませんか?」

千早「…………実は、ちょっと」

志保「やっぱり……」ハァ

静香「千早さん!」

桃子「ちょっと、千早さん!」ムー

紬「……千早さん?」


千早「ご、ごめんなさい。でも、語感もいいし……それに、みんなと一緒、仲間って感じがして、その……」

静香「……千早さんにそう思ってもらえるのは嬉しいですけど」

千早「私、自分が面倒な性格をしている自覚はあるのだけれど、そんな私に似ている子たちがいるって、その子たちとユニットをって言われて……何だか、すごく嬉しかったの。春香たちとはまたちょっと違う、仲間ができるって」

志保「……私たちのことですか?」

千早「ええ。メンドクサイフェアリー、私にぴったりだと思ったのだけれど……ごめんなさい、みんなまで巻き込んでしまったわね」

桃子「そ、そういうことなら! 特別に許してあげる、けど……でも、いーい? 千早さんだけだからね?」

紬「……仲間……うちが、千早さんの?」

静香「くす。何言ってるんですか、紬さん」

紬「っ!? そ、そうですよね、私なんかが、千早さんの仲間だなんて……」

志保「違いますよ、紬さん。静香の言い方も悪いですけど」

紬「ふぇ?」

桃子「もう。やっぱり、紬さんには、桃子がついてないと駄目だね!」

紬「あ、あの、一体どういう……」


静香「千早さんの仲間、じゃなくて」

志保「……ここにいる全員が、その……仲間、じゃないんですか?」

紬「!」

桃子「ま、まぁ、桃子がいないと、みんな心配だから」

千早「ふふ、そうね。ここにいるみんなで、その……え、と……」

紬「……メンドクサイフェアリー、ですか?」

千早「! ええ! メンドクサイフェアリーの、仲間だと思っているから」


静香「……あの、そういえば、正式なユニット名はまだ決まらないんですか?」

志保「確かに、ユニット名が決まれば、そういう呼び方はされなくなるかも……」

桃子「じゃあ、お泊りの時にみんなで考えよう!」

千早「なるほど。ええ、それはいい考えね。……メンドクサイフェアリーも、気に入っているのだけれど」

桃子「もう、千早さん!」

千早「ふふ、ごめんなさい」

静香「それじゃあ、日程は――」

志保「プロデューサーさんにも――」

千早「それは私から――」

桃子「せっかくだから――」

紬(……仲間……うちが、みんなの…………ふふ)


桃子「――紬さん?」

紬「は、はい!」

桃子「紬さんは、何が食べたい? 桃子は――」

紬「そうですね、私は――」

紬(……父さま、母さま、紬は今東京で頑張っています。優しいひと"仲間"たちと、一緒に――)

以上です。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
楽しんでいただけたのなら、幸いです。
桃子と紬の組み合わせがもっと流行るといいのになーと思っています。
それでは、また。

紬たちが楽しそうで何より、乙です

>>2
白石紬(17) Fa
http://i.imgur.com/McbwTmk.png
http://i.imgur.com/orNWbKV.png

最上静香(14) Vo/Fa
http://i.imgur.com/7O1s1qQ.jpg
http://i.imgur.com/9bmfY7U.jpg

>>7
北沢志保(14) Vi/Fa
http://i.imgur.com/HVDGRXD.jpg
http://i.imgur.com/cxqzrbg.png

>>18
周防桃子(11) Vi/Fa
http://i.imgur.com/S6qvCCe.jpg
http://i.imgur.com/Zmkg4Uw.png

>>24
如月千早(16) Vo/Fa
http://i.imgur.com/1A7JRDg.jpg
http://i.imgur.com/MW0QHbR.jpg

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年11月22日 (木) 17:52:09   ID: fgZpBYGD

全く新しい話なのに、違和感もなくて、おもしろい。
しなしなって方言なのかな?

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