姫騎士「キモオタだって、男であることには変わりないのよね……」 (92)

姫騎士「ちょっとそこのキモオタ!」

キモオタ「うひっ!? そ、それはひょっとして拙者のことでござるか……?」

姫騎士「牛乳瓶の底みたいなぐるぐる眼鏡をかけて、[ピザ]でハゲでチビなあんた以外に誰がいるのよ!?」

キモオタ「うは~! 我々の業界ではご褒美でござるぅ~!」ビクンビクンッ

姫騎士「キモッ!?」

キモオタ「ぶひぶひ! 堪らんでひゅ!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526648860

姫騎士「とにかく、あんたを呼び留めたのは他でもないわ!」

キモオタ「そ、そそ、それは、もしかすると愛の告白のような素敵なイベントだったり……?」ドキドキ

姫騎士「んなわけないでしょ!! 馬鹿なの!? 切り捨てられたいの!?」

キモオタ「おうふ……叶わぬからこそ夢成り」orz

姫騎士「ごちゃごちゃ言ってないで魔王を倒す為にこの私に協力しなさい!!」

キモオタ「ま、魔王を倒すのに協力……?」

姫騎士「そうよ! 底辺のキモオタでも魔王の存在くらいは知ってるでしょ?」

キモオタ「ふむ……古の言い伝えによると、7日で世界を燃やし尽くしたとかなんとか……」

姫騎士「はあ? いったい誰よ、そんなデマを流したのは」

キモオタ「拙者の脳内設定でござる!」キリッ

姫騎士「このバカ! そんなことが実際に起こったら私たちが生きてるわけないでしょうが!?」

キモオタ「デュフフ……いや、これは失敬」

姫騎士「今度そんなデマを言いふらしたら斬するわよ! わかった!?」ギロッ

キモオタ「イエッサーでござる!」ビシッ

姫騎士「本当にわかってんのかしら……ともかく、世界を焼く尽くす力はないにせよ、魔王は私たち人類の敵で、邪悪な存在ってわけ」

キモオタ「ふむふむ……それで?」

姫騎士「だから、その魔王を倒す為にこの私に協力しなさい!!」

キモオタ「しかし、拙者は一介のキモオタに過ぎぬ身……魔王退治はちと荷が重いかと」

姫騎士「誰があんたに討伐しろと頼んだのよ」

キモオタ「と、申しますと?」

姫騎士「討伐するのはこの私! あんたには協力を頼んだだけ! 勘違いすんな!!」

キモオタ「そう言われても、どのように協力すればいいのか皆目見当がつかぬでござる」

姫騎士「ほんっとキモオタは物分かりが悪いわね! 察しなさいよ!!」

キモオタ「こんなグダグタな説明で理解しろなんて、そんな無茶な……」

姫騎士「仕方ないわね……それじゃあ魔王に関することを少しだけ教えてあげる!」

キモオタ「聞かせていただき候」

姫騎士「魔王は絶世の美女なの! だからあんたの協力が必要なのよ!! わかった!?」

キモオタ「全然わからないでござる」

姫騎士「ここまで言ってわからないなんて、ほんとキモオタってどうしようもないグズね!」

キモオタ「ああ……いいよぉ……もっと……」ゾクゾク

姫騎士「なんで恍惚な表情を浮かべてんのよ!? あのね、絶世の美女である魔王の魅了は想像を絶するものなの!」

キモオタ「だから?」

姫騎士「だから、その魅了に抗う為には予め肉体的な快楽を味わっておく必要があるの!」

キモオタ「意味がわからないでござる」

姫騎士「これだから童貞は……魔王の魅了には男はもちろん、女ですら抗うことは難しいの!」

キモオタ「それはさっき聞いたでござる」

姫騎士「黙って最後まで聞け! 魔王の性別は女。つまり、異性である男に魔王を討伐することは不可能! だから少しでも可能性がある同性のこの私が討伐してやろうってこと!!」

キモオタ「よろしく頼むでござる!!」

姫騎士「だから協力しろって何回言わせんのよ!? 本当に切り捨てるわよ!?」

キモオタ「なに言ってんだ、こいつ」

姫騎士「ああもう! だったらハッキリ言ってあげる! 心して聞きなさい!!」

キモオタ「はよ言え」

姫騎士「今すぐ大人しくズボンを脱いで、そこに寝転がりなさい!!」

キモオタ「えっ? なんで?」

姫騎士「そうしないと肉体経験を得られないでしょーがぁッッ!!!!」

キモオタ「ああ、なるほど……それは嫌でござる!」キリッ

姫騎士「はあ!? キモオタのあんたをこの私が誘ってんのよ!? なんで断るのよ!?」

キモオタ「やはりセクロスには愛が必要かと」

姫騎士「童貞の癖になにほざいてんのよ!? ようするに、他に誰か好きな相手が居るってこと!?」

キモオタ「いや? 居ないでござるが?」

姫騎士「だったらいいだろうがぁぁぁッ!!」

キモオタ「まあ、少し落ちつくでござる」

姫騎士「これが落ち着いていられるか! なんでこの私があんたみたいなキモオタに振られなきゃなんないのよ!?」

キモオタ「セクロスに愛は必須。拙者のことを好きなかわゆい女の子もしくは、恋に恋する乙女を寝取るのが至高でござる!」

姫騎士「前者はともかくとして、後者は最低じゃないの!?」

キモオタ「やれやれ……NTRの醍醐味もわからぬ小娘が拙者とセクロスしようなど、片腹痛い」

姫騎士「もういい! あんたなんかに頼んだ私がどうかしてたわ!!」

キモオタ「とはいえ、その様子を見るに、心当たりには全て声をかけた後のように見受けられるが……?」

姫騎士「う、うっさいわね! この私に釣り合うような男が居なかっただけよ!!」

キモオタ「図星でござるか。ふむ……たしかに顔は整っているようでござるが、おおよそ、その高慢な性格と強引すぎる態度が裏目に出たのでござろう」

姫騎士「黙れって言ってんでしょ!?」

キモオタ「しかし、拙者はこれまで童貞を貫いてきた玄人。そんじょそこらの汁男優などとは貞操観念自体が一線を画している鉄壁の男」

姫騎士「素人が玄人ぶるのはやめろ!!」

キモオタ「その素人ひとり落とせぬ癖に、魔王討伐など夢のまた夢ではござらんか?」

姫騎士「言ってくれるじゃないの! ええ、わかったわ! もうあんたには頼らない! 私ひとりで魔王を討伐してみせるんだから!!」ダダッ

キモオタ「やれやれ……行ってしまったか。ふむ……ちと心配でござるな」

魔王城

女魔王「フハハハハハハハッ!! よくぞ、ここまで辿り着いたな!!」

姫騎士「あ、あんたが、魔王……?」

女魔王「如何にも。何を惚けておる? 構えた剣が隙だらけだぞ?」ヒョイ

姫騎士「へっ? あっ!」

女魔王「こんな物騒な剣など、可憐な其方には似合わぬ」ポキリ

姫騎士「か、可憐、なんて……」//////

女魔王「ふむ? なるほど……その様子を見るに、どうやら其方は処女のようだな?」

姫騎士「ッ……!」//////

女魔王「フハハハハッ! そう固くならずともよい。楽にしろ」

姫騎士「わ、私に、命令しないで……!」

女魔王「ほう? 流石は王家の血を引く姫騎士だな……随分と高潔な精神を有しておるようだ」

姫騎士「私は、負けない……!」

女魔王「うむ。その意気込みや良し。我が魅了にそこまで抗うとは、天晴れだ」

姫騎士「う、上から物を言わないでっ!!」

女魔王「やれやれ……どうやら、自分の立場がわかっていないようだな?」

姫騎士「な、なにを……?」

女魔王「ひれ伏せ」キュイイン

姫騎士「きゃんっ!?」ベチャッ

女魔王「フハハハハハハハッ!!!! いいザマだな! さっきの威勢はどうした!?」

姫騎士「がはっ……これほどまでとは……!」

女魔王「我こそは魔族を統べる王!! 人間の王族などとは、格が違うのだよ」

姫騎士「くっ……殺しなさいよ……!」

女魔王「笑止。これほどの愛い玩具を、すぐに壊すなど勿体ない。貴様は存分に我が可愛がってy……」

バンッ!!

キモオタ「話は聞かせて貰った!!」

姫騎士「キ、キモオタ……あんた、なんで……?」

キモオタ「心配でついてきたのでござる!」

女魔王「なんだ、貴様は?」

キモオタ「ふひひ……別段、名乗るほどの者ではござらんよ」

女魔王「そうか……では、[ピーーー]」

姫騎士「に、逃げてッ!?」

キモオタ「おっと、誤解しないで貰いたいでござる。拙者は魔王殿と敵対する気はござらん」

姫騎士「はあ?」

女魔王「なんだと? 貴様はこの女を助けに来たのではないのか?」

キモオタ「そんな気は一切ござらん」

姫騎士「はあっ!?」

女魔王「では、何をしにきた?」

キモオタ「それはもちろん! そこに転がっているメス猫を陵辱しに来たのでござる!!」

姫騎士「なに言ってんのよあんた!?」

女魔王「ふむ、どうにも解せんな……貴様はこの女に気があるのか?」

キモオタ「毛ほどもござらん」

姫騎士「ふざけんなっ!!」

女魔王「では、何故陵辱する必要がある?」

キモオタ「魔王の手に堕ちかけた姫騎士を寝取ること……それが拙者の望みでござる!!」

姫騎士「もっとふざけんなっ!!!!」

女魔王「まったく、人間とは実に愚かだな」

姫騎士「ちょっと! 魔王を怒らせてどうすんのよ!? 早く私を助けなさいよっ!!」

キモオタ「拙者の願いを叶えて頂けるのであれば、魔王様に忠誠を誓うでござる」

姫騎士「無視すんなっ!!」

女魔王「口先だけならば何とでも言える。具体的な行動をもって我が信頼を勝ち取ってみせよ」

キモオタ「では、この卑しいチビでピザでハゲでメガネなキモオタめを、踏んで頂きたく候」

姫騎士「此の期に及んでなに言ってんのよ!? あんた踏み潰されてぺしゃんこになるわよ!?」

キモオタ「覚悟は出来てるでござる」

女魔王「では、忠誠を見せて貰おう」ゲシッ

キモオタ「有難き幸せ……ぶひいい?」

女魔王「少しでも我が足に力を込めれば、どうなるかわかっているのか?」

キモオタ「むしろもっと?」ビクンビクン

姫騎士「駄目だこいつ……完全に手遅れね」

女魔王「フハハハハッ! 貴様の覚悟、しかと見させて貰った!! 誉めてつかわす!!」

キモオタ「もっと踏んで欲しいでござる……」モジモジ

姫騎士「キモオタ自重しろっ!!」

女魔王「よかろう……貴様の願い、叶えてやる。そこの姫騎士をくれてやろうではないか」

キモオタ「恐悦至極でございます!!」

姫騎士「ええっ!? そんなにあっさり!?」

女魔王「貴様の気が済むまで、その小娘を好き放題陵辱するがいい」

キモオタ「では、さっそく……」イソイソ

姫騎士「えっ? えっ? ほんとに? 実は助けてくれるとかじゃないの??」

キモオタ「拙者、そうした寒い展開が一番嫌いでござる。ゆえに、有言即実行ッ!!」モミモミ

姫騎士「きゃあっ!? ど、どこ触ってんのよ!? この変態!!」

キモオタ「ほほう? 貧乳だが、それがいい。ステータスであり、希少価値とはよく言ったもの。それでは下は……?」ペロン

姫騎士「あっ! ちょっと!? お願いだからパンツは脱がさないで!! やめっ……やめなさいってば!!」

キモオタ「なんと! これはまた、随分と子供じみたパンツでこざるな! くんかくんかっ!!」クンクン

姫騎士「か、嗅ぐな馬鹿! 信じらんない!!」

女魔王「下着を嗅いで楽しいのか?」

キモオタ「無論ですとも! もしよろしければ魔王様も如何ですかな?」

女魔王「いや、どちらかと言えば、下着よりも女の泣き叫ぶ顔を見ている方が好ましい」

キモオタ「流石は魔王陛下! NTRの真髄をよくわかっていらっしゃる!!」

姫騎士「どいつもこいつも……もうヤダ」

女魔王「まあ、そう悲観するでない」

姫騎士「へっ?」

女魔王「今の其方は、とても可愛らしい」

姫騎士「か、かわっ……!」//////

キモオタ「おや? いきなりびしょ濡れになったでござる。スコールでも降り申したか?」

姫騎士「う、うっさい!って、何勝手にそんなとこ触ってんのよ!?」

女魔王「しかし、其方は処女であろう?」

姫騎士「そ、それがなによ……?」

女魔王「であるならば、前戯は大切だぞ」

キモオタ「おっしゃる通り!」

姫騎士「そ、そう……なの、かな……?」

女魔王「そうだとも。そういえば、其方はキスの経験はあるのか?」

姫騎士「な、ない……でしゅ」//////

女魔王「ならば、初めてのキスを奪ってやろう」

姫騎士「はむっ」

キモオタ「そろそろ良い頃合いか?」

女魔王「ああ、邪魔して悪かった……って」

姫騎士「な、なによその股間の化け物は!?」

キモオタ「よくぞ聞いてくれ申した! これは、かの有名な聖槍エロス☆カリ棒でござる!!」ビンビン

女魔王「おっきい……ではなくて、エロス☆カリ棒だと!? まさか魔王殺しの古の聖槍か!?」

姫騎士「よくわかんないけど、最低なネーミングセンスね!」

キモオタ「今やすっかり錆びついてしまってはいるものの、正真正銘の聖槍でござるよ」ギンギン

姫騎士「信じらんない……なんでキモオタであるあんたの股間にそんなモノが……」

キモオタ「実は拙者は魔王を討つ為に生まれてきた勇者だったのでござるが、容姿に恵まれず、その使命を放棄して自堕落な生活を満喫していたのでござるよ」

姫騎士「そんな大事な使命を放棄すんな!!」

女魔王「フ、ハハハッ……これは恐れ入った。よもや、魔王たる我の天敵とこうして合間見えることになるとはな……油断したか」

キモオタ「身構える必要はござらんよ」

女魔王「むっ? 貴様はその股間のエロス☆カリ棒で我を討ちに来たのであろう?」

キモオタ「だから、魔王様と敵対するつもりはござらぬ。そう申した筈だが?」

姫騎士「なんでよ!? あんたは選ばれし勇者なんでしょ!? さっさと魔王を討ちなさいよ!」

キモオタ「拙者、自堕落な日々を過ごして気づいたのでござる。誰も争うことのない平和こそが、何より大切であると」

女魔王「ふむ……つまり、どうするつもりだ?」

キモオタ「2人に協力を仰ぎたいのでござる」

姫騎士「ふーん? 言ってみなさいよ」

キモオタ「拙者の子を孕んでくだされ」

姫騎士「はあああああああっ!?!!」

女魔王「子を孕めだと? どういう意味だ?」

キモオタ「言葉通りの意味でござる。魔族の王あらせられる陛下と、人間の国の姫君であらせられる殿下が拙者の子を孕み、同盟を結んで頂ければ争いはなくなるのでござる」

姫騎士「魔王と同盟なんて、隣国の正教国が聞いたら黙ってないわよ!?」

女魔王「あそこは聖女とやらが治めているそうだな……さて、どうするつもりだ?」

キモオタ「無論、聖女様も孕ませる所存」

姫騎士「不敬よ! 何人たりとも侵すことは許されない神聖不可侵な聖女様を孕ませるなんて! 自分がなにを言ってるかわかってるの!?」

キモオタ「既に賽は投げられ申した」

女魔王「然り。どこぞの姫君が単身で我が居城に突撃したせいで、な」

姫騎士「えっ? えっ? わ、私のせい……?」

キモオタ「して、魔王様のお考えは如何か?」

女魔王「我に人間と仲良くするつもりはない」

キモオタ「そう、でござるか……」

女魔王「しかし、貴様の股間のその聖槍とやらには……興味がある」

キモオタ「ならば、触ってみるでござるか?」

姫騎士「ちょっとあんた何言ってんのよ!?」

女魔王「だが、腐っても聖槍であろう? 魔王である我が触っても害はないのか?」

キモオタ「錆びついているだけで腐ってはござらんよ。拙者に魔王を討つ意志がなければ、この槍は穂先が欠けているようなもの」

女魔王「その真偽は定かではないが、ここで躊躇っては魔王の名折れか……ええい、ままよ!」ギュッ

キモオタ「ふぉっ!」ビクンッ

女魔王「すご……固い……」//////

キモオタ「ふおぉぉぉっ!?」ビクンビクン

姫騎士「ちょっと! 私の目の前で如何わしい真似はやめなさいよ!?」

女魔王「欲しい……これは、欲しくなる」ゴクリ

キモオタ「気に入ったでござるか?」

女魔王「ああ、最高のイチモツだ!!」

姫騎士「ふ、ふーん……そんなにすごいんだ……」モジモジ

女魔王「仕方ない。順番は守ってやる」

キモオタ「流石は魔王様でござる。聞き分けのないどこかのわがまま姫とは違いますな」

姫騎士「なんか言った!?」

女魔王「これ、其方も女ならば、情事の時くらいは女らしくせぬか」

姫騎士「じゃあ……手、握ってて」/////

女魔王「キスはよいのか?」

姫騎士「ん……して。いっぱい」チュッチュ

キモオタ「では、そろそろいただき候ォ!!」

女魔王「次は我だからな? 努、忘れるな」

数日後

女騎士団長「国王陛下!」

国王「娘は見つかったのか!?」

女騎士団長「ようやくお帰りになられました!」

国王「そうか! 無事なんじゃろうな!?」

女騎士団長「ご無事であらせられます! しかし……」

国王「なんじゃ?」

女騎士団長「ご息女と共に、陛下に謁見したいと願う客人が……」

国王「そんな輩はあとじゃ! とにかく、さっさと娘をここに呼んでk」

女魔王「頭が高い」キュイイン

国王「へぶっ!?」ベチャッ

女魔王「なんだ、この陳腐な玉座は。これでは我の完璧なお尻の形が崩れるではないか」

国王「だ、誰じゃ……あの女は……?」ヒソヒソ

女騎士団長「魔王、と名乗っておりました」ヒソヒソ

国王「なんと! 魔王じゃと!? 道理で、美しいわけじゃ……」

女魔王「こんな椅子には座る気になれんな」

キモオタ「でしたら魔王様、僭越ながらこの拙者の背中に座ればよろしいかと」

姫騎士「あんたって……ほんと、キモい」

国王「お、おお! 無事じゃったか! 娘よ!!」

女魔王「誰が立ち上がって良いと許可した?」

国王「ぶべっ!?」ベチャッ

女魔王「ふむ、悪くない座り心地だ」

キモオタ「ぶひ! 有難き幸せ!」ビクンビクン

姫騎士「わ、私にも座らせなさいよキモオタ! 次は私の番だから! わかった!?」

女騎士団長「ま、魔王よ! 何卒、陛下にご慈悲を!! このままでは死んでしまいます!!」

国王「ぐぎぎぎぎ……」ミシミシ

姫騎士「ちょっと! パパを[ピーーー]気!?」

女魔王「ああ、あれは其方の父親だったな。ならば、楽にしていいぞ」

国王「ぜぃ……ぜぃ……助かった……」

女騎士団長「陛下! ご無事ですか!?」

女魔王「では、要件を言う。心して聞け」

国王「う、うむ……聞かせて貰おう」

女魔王「この国は今日から我の物だ」

国王「なっ!?」

女騎士団長「そ、そんな馬鹿な!?」

女魔王「抵抗するな。我が軍門に降れ」

姫騎士「ちょっと! 全然台本と違うじゃないの!? 同盟締結はどうなったのよ!?」

女魔王「同盟も占領も結局は同じことだ。いずれにせよ、我が君臨することに変わりない」

姫騎士「物事には言い方ってもんがあるでしょ!? そんな物言いじゃ、伝わるものも伝わらないわよ!!」

国王「そんな横暴認められるか!!」

女騎士団長「そうだそうだ!」

姫騎士「ほら見なさい! パパがカンカンよ!」

女魔王「ならば、死ぬか?」

国王「ひぃっ!?」

女騎士団長「お下がり下さい、陛下!」

姫騎士「脅すのも禁止!!」

女魔王「では、どうしろと言うのだ」

姫騎士「だからちゃんと順序立てて説明しないさいってば! ていうか、キモオタはいつまで椅子やってんのよ!?」

キモオタ「無論、死ぬまで」キリッ

姫騎士「さっさとくたばれっ!!」

キモオタ「生きるっ!!」

女騎士団長「……陛下、この隙に逃げましょう」コソコソ

国王「しかし、娘が……」

女騎士団長「あの様子を見るに、おそらく、魔王の美貌に魅了されています」

国王「そ、そんな……」

女騎士団長「王家の血が流れる殿下を魔王はきっと利用する筈。ならば、身に危険が及ぶことはないと考えられます。ですから、ここは一度引いて、隣国に助けを求めるのが賢明かと」

国王「じゃが! そんな確証はどこにもない!」

女騎士団長「へ、陛下! どうか冷静に……!」

国王「ええい! 離せっ!! 魔王よ!!」

女魔王「むっ? なんだ、申してみよ」

国王「魔王よ! どうか、娘だけは返してくれんか!? 余に出来ることならば何でもする!!」

女魔王「ほう? では、貴様は自分の治める国がどうなっても構わないと言うのか?」

国王「そ、そんなつもりは……」

女魔王「失望したぞ、人間の王よ。貴様の娘は我の力の前に必死に抗った。まあ、抵抗虚しく、我がいま尻に敷いているこの男に子種を植え付けられる結果となったがな」

姫騎士「ちょっ!? 今それ言う!?」

国王「な、なんじゃと!?」

女騎士団長「デ、デタラメを言うな魔王!!」

女魔王「本当だとも。なあ、椅子?」

キモオタ「ぶひっ! 種付けセクロス気持ち良かったでござる!! ぶひぶひっ!!」

姫騎士「ああ、終わったわ……よりによってパパと騎士団長に情事のことをチクられるなんて、私の人生終わったわー」orz

国王「お、おのれっ……!」ギリッ

女魔王「自ら手篭めにするでなく、そのオークを用いるとは非道の極み! いや、外道だ!!」

キモオタ「オ、オークじゃないでござる!?」

国王「黙れオーク! 亡き妻に、余はあの子を託されたんじゃ! 必ず幸せにすると約束したんじゃ!! 妻亡きあと、唯一の心の支えであった娘を貴様は汚した! その罪、万死に値する!!」

女魔王「うるさいぞ、人間の王。我が所有物を貴様が裁くなど、思い上がりも甚だしい。その罪こそ、万死……いや、億死に値すると知れ」

女騎士団長「陛下はやらせんッ!!」

女魔王「退け。それとも貴様が先に死ぬか?」

女騎士団長「陛下! お逃げ下さいッ!!」

姫騎士「ストーップ!!!!」

女騎士団長「で、殿下……」

姫騎士「お願い騎士団長! パパを連れて早く逃げて!! なるべく遠くに!!」

女騎士団長「お、仰せのままに!!」

国王「は、離せぇ!? 娘が……娘がぁ……!」

女魔王「ふん、ここからが見ものであるというのに……邪魔をしてくれたな」

姫騎士「あのまま放って置いたら、あんたパパたちを殺してたでしょ!?」

女魔王「其方の父親は生かすつもりだったさ。しかし、もう1人の女はそれなりに強そうだったからな……いかに我とて、殺さずに無力化するのは難しかっただろう」

姫騎士「魔王、約束して!」

女魔王「なんだ? 言ってみろ」

姫騎士「もう人間を殺さないって約束して!」

女魔王「何を馬鹿な。統治には恐怖が必要不可欠だ。無益な争いを避ける為に、時には血を流す必要もある。聞くところによると、さっきの女騎士はそれなりの立場の人間なのだろう?
つまり、あれを殺して衆目に晒せば、効果的な見せしめとなる筈だ。其方も王家の姫ならば、そうした帝王学は学んでいるのではないか?」

姫騎士「そんなことは絶対に許さない! この私が、絶対にさせない!!」

女魔王「やれやれ……おい、椅子からもこの分からず屋の姫君に何か言ってやれ」

キモオタ「別段、特に何も言うべきことはないでござる。今後の国王の動向も含めて、首尾は上々。全ては計画通りに進んでいるでござる」

姫騎士「け、計画通りってどういうこと!?」

女魔王「何か考えがあるのか?」

キモオタ「拙者の目的は先に話した通り。あとは果報を寝て待つでござる。なので、ここはひとまず、皆で一緒に風呂にでも入ってから、仲良く臥所を共にするのが最良かと」

姫騎士「あんたって本当に最低ね」

女魔王「しかし、こんな下郎でも勇者は勇者、か。騙されたと思って、任せてみるか」

キモオタ「それでは風呂場に行くでござる!」

姫騎士「はあ……こんな性生活を続けて、子供が出来る暇なんてあるのかしら?」

女魔王「なんだ、そんなに早く欲しいのか?」

姫騎士「ま、魔王には負けたくないだけ!!」

女魔王「フハハッ……では、競争だな」

正教国

神官「聖女様」

聖女「どうされました?」

神官「聖女様に面会を求める者が来ています」

聖女「面会ですか。しかし、面会の予定は半年先まで埋まっていて、順番抜かしは待っている他の方々に対して失礼だと思うのですが」

神官「それが、本日面会を求めているのは、隣国の国王その人なのです」

聖女「国王陛下が自ら? ご用件は?」

神官「なにぶん情報が錯綜しており真偽は定かではありませんが……なんでも、突如現れた魔王に王国を乗っ取られ、娘までも奪われたとか」

聖女「すぐにお通し下さい」

神官「かしこまりました」

国王「実は、かくかくしかじかで……」

聖女「わかりました。私が直接王都まで出向き、魔王を滅し、囚われの姫君を救い出しましょう」

女騎士団長「流石は聖女様! しかし、魔王は強大……一筋縄でいくとは思えませぬ」

聖女「私には聖水がありますので。例の物を」

神官「こちらです」スッ

国王「おお! これが聖女殿の聖水か!?」

女騎士団長「澄んだ琥珀色の聖なる水……たしか飲めば立ちどころに病は完治し、魔を滅する効果があるとか……?」

聖女「遥々王国より参られてさぞお疲れでしょう。もしよろしければ、飲んでみますか?」ニコニコ

国王「では、お言葉に甘えて……美味い!!」ゴクリ

女騎士団長「活力が漲るようです!!」グビグビ

聖女「ふふふっ……聖水を飲んで喜んで頂けるならば、私にとっても無上の喜びですわ」ハアハア

女騎士団長「おや? 聖女様、何やら顔が赤く、息が上がっているようですが……如何しました?」

聖女「なんでもありません。しかし、その聖水の力を以ってしても、魔王を倒せるかどうかは定かではないのです」

国王「そんな!?」

女騎士団長「ならば、どうするおつもりで?」

聖女「我々の教団に伝わる予言によると、人間の王国が闇に包まれる時、聖槍の勇者が現れ、世界を救うと記されております」

国王「聖槍の、勇者……?」

女騎士団長「そのような者が本当に現れると?」

聖女「何ひとつとして確証はありませんが、私は信じています。その勇者様と私の聖水の力を以って、必ず魔王を討てると」

国王「それは心強い!」

女騎士団長「王国内に潜入する際は、信頼のおける私の部下達に手引きさせましょう」

聖女「よろしく頼みましたよ、騎士団長殿」

一方その頃、王都では

姫騎士「ねえ、魔王」

女魔王「どうした?」

姫騎士「生理が来ないんだけど……」

女魔王「奇遇だな、私もだ」

姫騎士「えっ? あんたも?」

女魔王「うむ。どうやら身篭ったらしい」

姫騎士「あのキモオタ、百発百中ね」

女魔王「流石は聖槍の……いや、精巣の勇者だな」

キモオタ「赤飯炊いたお!!」ホカホカ

姫騎士「こんなにあっさり妊娠するんて……」

女魔王「出来ぬよりはマシだろう?」

姫騎士「まあね、ちょっと楽しみかも♪」

女魔王「言っておくが、先に元気な赤子を産んだほうが勝ちだからな」

姫騎士「絶対負けないからっ!!」

女魔王「フハハッ! 勝つのは我だ!!」

キモオタ「お前ら赤飯食わないの?」モグモグ

女魔王「むっ?」ピクッ

姫騎士「なによ、どうかしたの?」モグモグ

女魔王「どうやら客が来たらしい」

姫騎士「客? いったい誰よ、食事中に」

国王「娘よ! 助けに来たぞ!!」

姫騎士「ぶっふぉっ!? げっふぉっ!?」

キモオタ「ああっ! せっかくの赤飯が……」

国王「どうやら、娘は無事のようじゃな」

女魔王「貴様が突然現れたせいで、盛大にむせて息が詰まる寸前ではないか」

国王「黙れ魔王! 貴様の天下も今日までじゃ!」

女魔王「なんだその口の利き方は。どうやら身の程を知らしめる必要があるようだな」ゴゴゴゴゴゴ

姫騎士「パパ! 魔王を怒らせないで!!」

女騎士団長「ご心配なさらずに、殿下」

姫騎士「騎士団長まで……何をするつもり?」

女騎士団長「必ずや国と殿下を救ってみせます!」

女魔王「ほう? 大層な自信だな。やってみろ」

女騎士団長「ええい、静まれ! 静まれぃ! ここにおわすお方をどなたと心得る!!」

キモオタ「先の副将軍でござるか?」

女騎士団長「ちがわい! このお方こそ、正教国の教主にして国主であらせられる、聖女様である! 頭が高い! ひかよろぉー!!」

聖女「聖女と申します。以後、お見知りおきを」ニコッ

キモオタ「巫女服聖女たんキター!」

姫騎士「マジで!? 本物の聖女様!?」

女魔王「ふむ。いけ好かんオーラが漂っているな……どうやら本物らしい」

国王「今更気づいてももう遅いっ!!」

女騎士団長「聖女様の聖水をくらえっ!!」ポイッ

女魔王「キモオタ、ちょっと浴びてこい」

キモオタ「かりこまり~!」バシャン

姫騎士「うわ! びしょ濡れじゃないの!?」

女魔王「どうだ、キモオタ?」

キモオタ「むむっ? なんだかよくわからないでござるが、漲って……キター!!!!」ギンギラギン

姫騎士「ちょっ!? 股間が光ってるわよ!?」

女魔王「なるほど、これが聖水の力か」

国王「なんじゃあの股間の光は!?」

女騎士団長「ま、眩しい! 目が、目がぁ!?」

聖女「まさか……あの光は!?」

女魔王「ようやく、気づいたか?」

聖女「そんな、まさか……あり得ません!!」

女魔王「あり得ないもなにも、察しの通り、こいつは正真正銘の勇者だぞ? 光輝く聖槍が何よりの証だ」

キモオタ「如何にも」

聖女「そんな……勇者様が魔王側に付くなんて。信じられません! このままでは世界が……!」

国王「ど、どういうことじゃ?」

女騎士団長「どうやら、予言に記された聖槍の勇者とは、あのオークのことだったようです」

国王「そんな馬鹿な!? あのオークは余の娘の純潔を散らした大罪人ではないか!!」

聖女「しかし、あの光輝く槍はまさに伝承通りの聖槍。私の聖水に反応したことから、あの方が勇者である可能性は高いです」

キモオタ「だから、勇者だってば」ギンギラギン

聖女「でしたら、今度は私の聖水をお飲みなさい。貴方が本物の勇者ならば、より激しく聖槍が光輝くことでしょう」

キモオタ「さっきのを飲めばいいのでござるか? そんなのお安い御用でござるが……」

女魔王「待て、キモオタ。早まるな」

キモオタ「魔王殿、如何したでござる?」

女魔王「我の解析能力によると、さっきの聖水は、あの聖女の小便らしい」

姫騎士「お、おしっこぉー!?」

聖女「ふぇっ!?」//////

国王「な、な、なんとっ!?」

女騎士団長「げっふぉっ!? おぇっ……!」ゲロゲロ

キモオタ「それを早く言うでござる!!」

女魔王「だから止めてやっただろう。いくらメガネでチビでピザでハゲの貴様とて、小便を飲ませるのは可哀想だと思ってだな……」

キモオタ「いただき候ォ!!!!」ペロペロ

姫騎士「ちょっ!? なんで床舐めてんのよ!?」

キモオタ「無論、さっきぶちまけた聖水を一滴残らず舐め取る為でござる!!」ピチャピチャ

女魔王「……ちょっと、素敵かも」//////

姫騎士「んなわけないでしょ!? どこからどう見ても、完全に頭がおかしい変態よ!?」

キモオタ「変態で結構! 美味でござる!!」

国王「……悔しいが、あやつの気持ちはわかる」

女騎士団長「何言ってんですか陛下!? そんなことよりも、奴の股間が……!」

国王「うむ。まるで超新星爆発じゃな」

聖女「聖水を求める習性、そしてあの輝き……どうやら、本当に聖槍の勇者様のようですね」

キモオタ「だから、さっきからずっとそう言ってるでござる!!」ギンギラギラギラギン

聖女「ようやく、逢えましたね……勇者様」

キモオタ「ひょっ?」

聖女「聖女たる私は、勇者様と結ばれる為にこの世に生を受けました」

キモオタ「ふむ、つまり?」

聖女「生まれたその日から、貴方様を愛しています!」

キモオタ「うむ、良きに計らえ!」

姫騎士「ちょっと待ちなさいよ!?」

女魔王「流石に口を挟まずにはいられないな」

聖女「なんですか? あなたたちは私と勇者様が出会うまでの繋ぎに過ぎません。もう用済みですので、お引き取り下さい」

姫騎士「なに勝手なこと言ってんのよ!?」

女魔王「聖槍エロス☆カリ棒は渡さん!!」

キモオタ「まあまあ、拙者のエロティック☆カリカリボルグは減るものではござらんので、皆で仲良く使うでござるよ」

姫騎士「ちょっと名前変わってるし!?」

女魔王「聖女なんぞと仲良く出来るか!!」

キモオタ「姫騎士殿と、魔王殿、そして聖女殿が仲良くすること。それが世界平和の要でごさる。そしてそれこそが、拙者の本懐でござる!!」

聖女「素晴らしいお考えです! さすが勇者様!」パチパチパチ

姫騎士「なにこの子、二重人格?」

女魔王「都合の良い女なのだろうよ」

キモオタ「というわけで、ちょっくら聖女様にも種植えしてくるでござる!!」

聖女「生まれてきて良かったですぅ!」

姫騎士「あっ! 私も混ぜなさいよ!!」

女魔王「ならば我も参戦するぞ!!」

国王「ええい、黙れ! 余は断じて、貴様のようなオークを勇者とは認めんぞ!!」

女騎士団長「右に同じく!」

国王「だいたいなんじゃ! ちょっとイチモツが立派なだけで威張り散らしおって! 余の娘だけで飽き足らず、絶世の美女を3人も侍らせるなど、羨まし過ぎるじゃろぉーがぁー!!!!」

女騎士団長「えっ? そっち!?」

国王「オークの癖にハーレムなんて不公平じゃ! 余だって、美女に囲まれたい!!」

女魔王「ならば、淫魔共を召喚してやろう」ポンッ

国王「おっ?」

淫魔達『今日から我らは国王陛下のしもべでございます!』キャピキャピ

国王「うっひょ~! 堪らん!!」

姫騎士「何やってんのよ……パパったら」

女魔王「其方、亡き母君の写真はあるか?」

姫騎士「えっ? いつもペンダントにして持ってるけど、この写真がどうかしたの?」パカッ

女魔王「淫魔共! この写真の女に変身せよ!」

淫魔達『かしこまりました~!』ポンッ

国王「おおっ! 余の嫁がいっぱいじゃ!?」

女魔王「顔の再現は完璧だ。年齢及び体型に関しては、好きに選ぶといい」

国王「なんと素晴らしき配慮! 亡き妻は美女であったものの、いかんせん貧乳だったのがたまに傷じゃった……」

キモオタ「ふむふむ、道理で」チラッ

姫騎士「こっち見んな!」ベシッ

国王「これからは、亡き妻に思いを馳せつつ、頂いた淫魔達にシモの世話をして貰えるなんて、望外の喜びに他なりませぬ! 有難き幸せ! 偉大なる魔王様に忠誠を誓いますじゃ!!」バンザーイ

姫騎士「まあ、顔だけとはいえ、ママ以外の他の女を抱かれるよりはマシね……」

女魔王「だろう? これにて一件落着だ!!」

女騎士団長「わ、私は認めないぞっ!!」

キモオタ「空気を読むでござるよ」

女騎士団長「う、うるさい! 男なんて最低だ! どいつもこいつも変態だ! うわぁーん!!」ダダッ

姫騎士「あ、騎士団長が逃げた」

女魔王「ああいうのが行き遅れるわけか」

キモオタ「ここはひとまず、国王も騎士団長も放っておいて、聖女殿を含めて4Pを楽しむでござる! 今夜は寝かせないでござるよ!!」ギンギン

十月十日後、王都にて

姫騎士「はあ~やっぱり赤ちゃんは最高ね!」ニコニコ

女魔王「うむ。子を産んだのは初めてだったが、やはり実の子は愛いものだ」ニッコリ

聖女「わ、私だってもうすぐ予定日ですから! 別にちっとも羨ましくなんてありませんから!!」

姫騎士「めちゃくちゃ羨ましそうじゃないの」

女魔王「負け犬の遠吠えは聞くに耐えんな」

聖女「う、うるさいですよ! 先に産んだからといって、勝ち誇らないで下さい!!」

姫騎士「そういえば、結局私が一番だったわね」

女魔王「ふん。初めての出産で痛みに絶叫する其方を、我らが一晩中手を握って励ましてやったことを忘れたとは言わせんぞ」

姫騎士「う、うっさいわね! その節は本当にありがとうございました! だいたい、あんたの時だって私と聖女が励ましてあげたでしょーが!!」

女魔王「それは貴様らが勝手にお節介を焼いただけだろう。我は1人でも平気だったものを」

姫騎士「今更強がるのはやめなさいよ! 涙目になってた癖に!!」

聖女「はい! 私もばっちり目撃しました!! 鬼の目にも涙とはまさにあのことですね!!」

女魔王「だ、黙れっ! あれは子を産む喜びで涙が出ただけだ! 怖くなんてなかったもん!!」

姫騎士「はいはい、よっぽど怖かったのね。よしよし」ナデナデ

女魔王「うがー! だから違うと言っている!」

姫騎士「ほんとは?」

女魔王「まあ、ほんの、少しだけ、な……」

聖女「魔王ですらこれほどまでに怯えるなんて……やっぱり出産はそれほど大変なんですか?」

姫騎士「大変なんてもんじゃないわよ! 素人にわかりやすく例えるならば、鼻の穴からスイカを捻り出すくらい無理難題よ!!」

女魔王「たった1人産んだだけで玄人ぶるのはどうかと思うが、概ね同意せざるを得ないな」

聖女「鼻からスイカ……絶対無理です!!」

姫騎士「私だって何度もそう思ったけど、案外成せばなるものよ」

女魔王「まさに、案ずるよりも産むが易しだ」

姫騎士「とはいえ、かなり絶望的な状況なことには違いないから、心の支えが大切なのよね」

女魔王「ああ、しかし、あの男ときたら……」

姫騎士「絶対出産に立ち会うでござる! とか、息巻いてた癖に、早々にぶっ倒れるなんて」

女魔王「破水した時点で恐慌状態だったな」

姫騎士「仮にも勇者があそこまで狼狽えて、挙句の果てに卒倒するなんて信じられないわ」

聖女「ゆ、勇者様はお優しいのですよ!」

女魔王「まあ、それについては否定せん」

姫騎士「だけど、優しいと情けないって紙一重よね。あのキモオタは紙一重で、情けないわ」

聖女「もう! 勇者様にだって、いいところが沢山あるじゃないですか!!」

姫騎士「えっ? いいところって、例えば何?」

聖女「へっ? えと、その……あれ?」

女魔王「やれやれ、貴様が言い出した癖に即答出来ないとは困ったものだ」

聖女「た、沢山ありすぎて、どれを言えば良いかわからないだけです!!」

女魔王「口先女め。仕方ない、では我が代わりに奴の良いところを述べてやろう」

姫騎士「なら、聖槍以外で言ってみて」

女魔王「なっ!? 文字通り、一番の長所だろうが! しかも、ただ長いだけでなく……」

姫騎士「うるさい! あんなのはチートだから絶対認めない! キモオタ本人について限定!!」

女魔王「ならば、やむを得ん。これは我だけの秘密にしていようと思ったが、どうやら奴は近頃何やら企んでいるらしいぞ」

姫騎士「企んでるって、キモオタが?」

聖女「私、気になります!」

女魔王「フハハッ! 気になるか?」ニヤリ

姫騎士「べ、別に全然気にならないけど……一応、妻として、夫の企みは知っておく必要があるわ。もちろん、形だけの関係だけど!!」

聖女「私も正妻として知る義務があります!」

女魔王「こら、勝手に正妻を名乗るな」

姫騎士「そんなことはどうでもいいからさっさと言いなさいよ! また新しい女を嫁にするつもりとかならすぐに叩き斬ってくるから!!」

女魔王「これは奴の良いところの話だった筈だが、どうして不貞を疑われているのやら。
とはいえ、普段の奴の体たらくからそう疑うのは無理なきことか。だが、今から暴露する奴の近頃の動向を聞けば、きっと見直すだろう」

姫騎士「焦れったいわね! さっさと言え!」

聖女「聖水ぶっかけますよ!?」

女魔王「では、よく聞け。近頃、奴は城下町でアルバイトをしているらしい」

姫騎士「キモオタが、バイトですって!? あの自堕落を絵に描いたようなヒキニートが!?」

聖女「初耳です!」

女魔王「実はこの頃、城内で奴の姿が見当たらないのでもしや浮気でもしてるのかと思い、ちょっと千里眼で追跡してみたところ、バイトに励んでいる様子を垣間見たのだ」

姫騎士「あんたもバッチリ疑ってるじゃないの!? しかも、それは完全に覗きよ!?」

聖女「それでそれで?」

女魔王「それが、どうやら我々に何かを買うつもりで、バイトをしているらしい」

聖女「プ、プレゼントですか!?」

姫騎士「そ、そんなの絶対嘘よ!!」

女魔王「嘘ではない。その証拠に、今現在、奴は城下町のとある店に入って物色中だ」

聖女「へぇ~! それは楽しみですね!」

姫騎士「ふ、ふんっ! どーせ、ロクでもないものに決まってるわよ! どう考えても、あのキモオタにセンスがあるとは思えないし!!」

女魔王「しかし、随分熱心に物色しているぞ」

聖女「わぁ~! なんだろう? 気になります!」

女魔王「知りたいか?」ニヤニヤ

姫騎士「ちょっと! せっかく内緒でプレゼントを用意してくれてるのに、そこまで暴露しちゃっていいわけ!? 可哀想じゃないの!!」

女魔王「では、知りたくないのか?」

姫騎士「うっ……そう、言われると……」

聖女「綺麗事ばかり口にするツンデレ姫は放っておいて、私だけに教えて下さい!!」

姫騎士「あ、ずるい! 抜け駆けしないで!」

女魔王「では、教えてやろう」

聖女「わぁーい! わくわく! わくわく!」

姫騎士「いい? 私は止めたからね? あんたたちが勝手に話してるのをたまたま傍で聞いて、偶然耳に入っちゃっただけだからね?」

女魔王「なら耳を塞いでいろ」

聖女「耳に聖水詰めますか?」

姫騎士「あーもう! わかったわよ! ちゃんと私も共犯になるから早く言いなさいよ!!」

女魔王「奴は今……城下町の下着専門店にいる」

聖女「ふぇっ? 下着、ですか?」

姫騎士「それみなさい! あんのキモオタ……散々気を持たせておいて、し、下着なんて、ぜ、ぜぜ、絶対許せない! 死刑よっ!!」

女魔王「プレゼントはプレゼントなのだから、そう怒らずとも良いではないか」

姫騎士「あのキモオタのことだから、私たちに自分の買ってきた下着を穿かせて、あんなポーズやこんなポーズをさせるつもりに決まってるわ!! やっぱりあいつはただの変態よ!!」

聖女「私は別に構いませんよ?」

女魔王「うむ。子を産んでも変わらず愛してくれる有り難みを、其方は噛みしめるべきだ」

姫騎士「そ、そりゃあ、ちょっとは嬉しいけど……ちょっとだけなんだからね!?」

聖女「それにしても勇者様はどんな下着を選んで下さったのでしょう? 楽しみですね~!」

姫騎士「私は不安で堪らないわ。どーせ、ものすごくふしだらな下着に決まってる。もしかしたら、スケスケだったり、穴が開いてるかも」

女魔王「ほう? 其方はそんないやらしい下着が欲しいのか? なかなか大胆だな」ニヤニヤ

姫騎士「んなわけないでしょ!?」

聖女「穴が開いてれば、おしっこするのが楽そうですね! 私はそれでいいです!」

姫騎士「妊婦の癖に何ほざいてんのよ!?」

女魔王「どのような下着を選んだかは、私も見ないでおこう。むざむざ楽しみを減らすつもりはない。ふむ? どうやら買い終えたようだな」

聖女「ああもう、待ちきれません! 私、ちょっとお迎えに行って来ますね!」

姫騎士「こら! 身重のあんたは大人しくしてなさい! 妻としてここは自制して、余裕を持たないと駄目よ! 代わりに私が行ってくるから!」

聖女「自分が行きたいだけじゃないですか!」

女魔王「やれやれ、そんな有様ではキモオタにプレゼントの件を我々が知ったと気づかれてしまうぞ……む?」ピクッ

姫騎士「なに? どうかしたの?」

女魔王「どうやら今すぐ迎えに行かなければならないようだ……キモオタが襲われている!」

聖女「そんなっ!?」

姫騎士「キモオタが!? 助けないと!!」

女魔王「今すぐ転移するぞ! 場所は人気のない路地裏だ!! 覚悟はいいか!?」

姫騎士「もちろんよ! 絶対に助ける!!」

聖女「私も行きます!!」

姫騎士「臨月のあんたは残りなさい! 」

聖女「嫌です!」

女魔王「こうなってはやむを得ん。議論の余地はない。転移魔法ならば身体への負担にはなるまい。では、行くぞッ!!」バシュッ

路地裏

キモオタ「デュフフ……目的のブツは手に入ったでござる。早く帰って、渡すのが楽しみでござるな~。似合うと良いのでござるが……」

女騎士団長「待て! そこのキモオタ!!」

キモオタ「ふぉっ!? お、お主はいつぞやの女騎士団長殿! もしや、愛の告白でござるか!?」

女騎士団長「戯言はもういい……[ピーーー]っ!!」

ザクッ!!

キモオタ「おうふっ……どう、して……?」

女騎士団長「初めからおかしいと思っていた! キモオタの貴様が殿下だけでなく魔王と聖女を手篭めにするなど、あってはならない!!」

キモオタ「なん、で……?」

女騎士団長「貴様がキモオタだからだ! キモオタが美女に囲まれるなどあり得ない! どうせ邪悪な魔法薬か何かで洗脳したのだろう!?」

キモオタ「ち、ちがっ……そんなことは、していないで、ござる……!」

女騎士団長「黙れっ!! そうでなければあり得ない!! こんな世界は間違っている!! 貴様さえ殺せば、全て元に戻る筈だ!!」

バシュッ!

女魔王「そこまでだ!!」

姫騎士「キモオタ! 無事!?」

聖女「そんな!? 血が、あんなに……!」

女魔王「くそっ!! 遅かったか!!」

女騎士団長「殿下! 私はやりましたぞ! ついに、諸悪の根源を討ち滅ぼしたのです!!」

姫騎士「ッ……退きなさい! 邪魔よっ!!」ドンッ

女騎士団長「へっ?」

姫騎士「キモオタ! しっかりして!!」

女騎士団長「えっ? えっ? なん、で……? 殺したのに、何故洗脳が解けていない……?」

女魔王「まったく……人間は大抵愚かだが、貴様はその中でも飛び切り群を抜いているな、騎士団長。全ては貴様の妄想に過ぎん」

女騎士団長「は? 妄想、だと……?」

女魔王「だいたい、小娘や聖女はともかく、魔道を極めし魔王たる我を洗脳など出来る存在がこの世界にいると本気で思っていたのか?」

女騎士団長「洗脳、されていない……?」

女魔王「当たり前だ。もういい……地獄の業火に焼かれて、燃え尽きろ」ゴォォォォオオオッ

女騎士団長「ぎゃあああああああっ!!!!」

姫騎士「キモオタ! キモオタ!!」

キモオタ「うぅ……姫騎士、殿……」

聖女「お気を確かに! 今、聖水をかけますから!!」

キモオタ「ま、待って、くれ……魔王、様」

女魔王「喋るな。死ぬぞ」

キモオタ「どうか、拙者を、騎士団長殿のところへ……」

女魔王「此の期に及んで、他の女のところへ行きたいだと? 心配せずとも、奴の始末は我がつけた」

キモオタ「頼むで、ござる……!」

女魔王「本当に貴様という奴は……度し難いな」

キモオタ「デュ、フフ……すまんで、ござる」

女魔王「ふん、これが惚れた弱味か……仕方ないな。そこを退け、姫騎士」

姫騎士「待って! 今動かしたら死んじゃう!」

女魔王「それでも、行きたいのだろう?」

キモオタ「無論……」ガフッ

女魔王「あの女は流石にしぶといようで、まだ火だるまだぞ? 行けば間違いなく貴様にも燃え移る。それでも行くのか?」

キモオタ「勇者に……二言は、ないでござる!」

女魔王「では、転移してやる」

キモオタ「かたじけ、ない。あと、これは拙者から娘たちに……プレゼントで、ござる」

姫騎士「わ、私と魔王の娘に……? あんた、どんだけ変態なのよ……わかった。あの子たちが大きくなったら、渡すわ」

聖女「キモオタさん! 死んじゃ嫌です!!」

キモオタ「聖女殿には、これを……」カチャッ

聖女「メ、メガネですか……? どうして……?」

キモオタ「もしも拙者のように目が悪い男の子が産まれたら、あげて欲しいで、ござる……」

聖女「いや! 死なないで! お願いですから!」

キモオタ「あとは、頼んだで、ござる……魔王殿」

女魔王「我々が看取ってやる。行け」バシュッ

女騎士団長「ぎゃあああっ!? 熱い! 熱いよ!? どうして、この私が!! がぁっ!?」メラメラ

キモオタ「騎士団長殿……お供するでござる」

女騎士「ぐっ……何故、貴様が……!」

キモオタ「拙者のせいで、騎士団長殿の運命を狂わせてしまった……その責任を取るでござる」

女騎士団長「違、う……私が、私が間違っていた…! 私が勝手に貴様を悪だと思い込んでいただけだ! だから、死ぬのは私だけでいい!!」

キモオタ「しかし、ある側面から見れば、拙者は下劣な悪党でござる。だから、同罪でござるよ」

女騎士団長「私が……私だけが、悪だ……!」

キモオタ「そんな悪はないでござる。どんな正義も、見方を変えれば、悪になるのでござる」

女騎士団長「……頼むから、貴様は生きてくれ……!」

キモオタ「それは無理な相談でござる。何を隠そう実は拙者、騎士団長殿のような清く正しく美しいポニテの女性が、一番好みでござるから」

女騎士団長「……やはり、貴様は悪だ」

キモオタ「デュフフ……そうで、ござるよ。だから、拙者も……死ぬべきでござる」

姫騎士「あんのキモオタ、往生際で他の女といちゃつくなんて許せない! やっぱりあのまま死なせるわけにはいかないわ!! ちょっと魔王! あの炎は消せないの!?」

女魔王「不可能だ。煉獄の炎は一度燃え移れば最後。燃え尽きるまで消えん」

聖女「わ、私の聖水ならきっと……!」

女魔王「よせ、あの男の末期の頼みだ。我々は妻として、黙って看取るのが筋だろう」

姫騎士「ほんっと、自分勝手なんだから!! だいたい、まだ赤ちゃんの娘に大人用の下着をプレゼントする時点でありえない! 何考えてんのよ!? ひとこと文句を言わなきゃ気が済まない!!」

聖女「残される私たちの気持ちはどうなるのですか!? これでお別れなんて、そんなの嫌です!!」

女魔王「その自分勝手で、変態で、惚れやすくて、どうしようもないお人好しを、我々は愛したのだ」

姫騎士「……そんなの、ずるいわ」

女魔王「だが、それがあの男の良さだ」

聖女「勇者様の……良いところ、ですか」

女魔王「だから、黙って末期の言葉を聞こう」

キモオタ「騎士団長殿の言う通り、今の状況は拙者には不釣り合いなものでござる」

女騎士団長「自覚は、あるのか……」

キモオタ「無論。拙者はメガネでチビでピザでハゲのキモオタでござる。そんな拙者が、美女を3人も侍らせて、いいわけないでござる」

女騎士団長「では、何故……?」

キモオタ「自堕落な生活を過ごして、本当の平和を知った拙者は、それを恒久的に後世へと残したかったのでござる」

女騎士団長「だから、3人を娶ったと……?」

キモオタ「然り。しかし、拙者の容姿が優れていれば、波風は立たなかった。世界平和という分不相応な願いを、キモオタが抱いた末の末路でござる。故に、当然の帰結なのでござる」

女騎士団長「……ならば、仕方ない、か」

キモオタ「仕方ないで、ござるね」

女騎士団長「腑に落ちたが……今ならば、私にも貴様の良さが少しわかるぞ」

キモオタ「惚れてしまったでござるか?」

女騎士団長「そうだとしても、目移りはよせ。貴様には良き妻が3人も居るのだから」

キモオタ「全く以って、違いござらんな……騎士団長殿……最期に、ひとつ言わせて頂きたく候」

女騎士団長「なん、だ……?」

キモオタ「たとえ、キモオタであっても……拙者、生まれてきて、良かったで……ござる」

女騎士団長「それは、羨ましい限りだ……な」

女魔王「終わった、か……奴らしい最期だった」

聖女「うわぁ~ん! 勇者様ぁ~!!」

姫騎士「ぐすっ……生まれてきて良かった、なんて……本当に馬鹿なんだから……!」

女魔王「……すまなかった」

姫騎士「な、なんであんたが謝んのよ!?」

女魔王「あの炎を生み出したのは、我だ。我があの男を殺したようなものだ……本当に、すまない」

姫騎士「そんなことない! 元はと言えば、私があいつを魔王討伐なんかに誘わなければ……!」

聖女「でも、そうしないと私たちは出会えなかったんですよね……世界平和も、実現しなかった」

魔王「今回の件で、身に染みた。姫騎士の言う通り、人を殺してはならないと。そのせいであの男は死に、そうでなくとも禍根を残す結果となっただろう。もう二度、殺さないと誓う」

姫騎士「それなら、あいつの死には価値があったのかも知れないわね……」

聖女「勇者様は死んでしまいましたが、私はこの先ずっと、妻としてあの方を愛し続けます!」

女魔王「それが、残された妻の使命、か」

姫騎士「恒久的な世界平和を願ったあいつの為にも、私たちはこれまで以上に仲良くしていかないといけないわね」

女魔王「しかし将来、子供たちが兄弟喧嘩でもしたら大変だぞ? どう育てるべきか悩みどころだ」

聖女「大丈夫です! その時には新たな聖槍の勇者様が現れて、仲を取り持ってくれますよ!」

姫騎士「案外、今あなたのお腹の中に居る子供が聖槍の勇者の生まれ変わりかも知れないわね」

聖女「ふぇっ!? わ、私の赤ちゃんが!? そう考えると、嬉しすぎておしっこ漏れそうです!!」

女魔王「おい、やはり我は、この小便小娘とは仲良く出来る気がしないんだが……」

聖女「おしっこの良さも理解出来ないなんて、魔王の名折れですよ! わかって下さい!!」

女魔王「わかるか! そんなもの!!」

姫騎士「とは言いつつも、なんだかんだで仲良いのよね、私たちって。……これから、あんたの居ない平和な世界で、私たちはずっと、永遠に、あなたを愛し続けるわ。大好きだもの。

だから、本当に、ありがとうね……キモオタ」


FIN

ご読了、ありがとうございました!
世界中のキモオタに永遠の愛を!!

キモヲタはキモヲタらしくカッコよく死んだ
余計なキャラ変するssが多い中でなかなかのなかなかだったな乙

いいキモオタだった 乙

イイハナシダナー

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom