モバP「三船美優がポンコツすぎる」 (29)

美優さん可愛いよねってSSです。
昔書いたヤツのリメイクです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526633713

P「美優さんがポンコツすぎるという話なのですが」

美優「なんですかその言い方は。まるで私がポンコツみたいじゃありませんか」

P「だからそう言ってるんですけどね」

美優「私のどこがポンコツだというのですか、ぷろひゅ……ぷろでゅうさあさん!」

P「そういうとこやぞ」

美優「噛んだくらいでポンコツ呼ばわりとはたまったものではありませんよぷろでゅうさあさん!」

P「イントネーションが小日向美穂過ぎる」

P「まだほかにもありますよ!」

美優「私に欠点はありません」

P「そのバッチリ決めてきたお洋服! 実に似合っていて綺麗です!」

美優「ありがとうございます!」

P「けどまだタグついてますよ!」

美優「……! ついてません!」

P「あとこれ、今日会った時に言うべきか迷ったんですけどあえて言いますよ!」

美優「どうぞ!」

P「着てる服、裏返ってますよ!」

美優「……!!」

P「いい加減認めたらどうですか! はいりぴーとあふたみー! 『私はポンコツです』!」

美優「み、認められません」

P「なにおう、既に三つも挙がってるんですよ!」

美優「けどだからって私をポンコツと確定するのは些か尚早ではないでしょうか」

P「この期に及んでまだ認めない、ですか……」

美優「ええ。私はポンコツではありませんからね」

P「どっから来てるんですかその自信は」

P「じゃあ、これから僕が美優さんがポンコツだと思ったら日常の中でも即座に挙げますからね!」

美優「どうぞどうぞ。このようなミスを犯すのは今日限りです。明日からは平常です」

P「ルールは美優さんを認めさせたら僕の勝ち!」

美優「では認めさせられなければ私の勝ちということでいいですね?」

P「なんだその普段からは見られない有り余るほどの自信は……」

美優「それだけ負ける気がしないということです。ではまた明日会いましょう。お疲れ様です」

P「あ、はい。お疲れ様です」

P「……」

P「…………」

P「美優さん今からレッスンですよ!?」

別の日

P「じゃあ申し訳ないんですけど、一人で現場に行ってもらえますか?」

美優「大丈夫ですよ。けど……もしよければ、地図など描いていただけると助かります」

P「全然かまいませんよ。確かにあの辺は少し複雑ですからね。じゃ、今から地図描きながら説明するんでもう少しこっち来てください」

美優「はい」

P「まず駅から出たらコンビニがあるんですよ。で、その右手の通りをまっすぐ進みます」

美優「あ、そこは知ってます」

P「そうですか? だったら簡単ですね!」

美優「はい。ここの角に『デビカル』って歯医者さんがあって……」

P「……」

美優「……?」

P「美優さん、その、言いにくいんですが……」

美優「?」

P「それ、『デビカル』じゃなくて『出光(いでみつ)』です」

また別の日

P「じゃ、今日のスケジュールと、ついでに来週の分も伝えておきますね。メモとかあります?」

美優「はいっ、手帳を持ってます」

P「それは良いですね。じゃあ言いますよ」

美優「あ、ちょっと待ってくださいね?」

P「?」

美優「ペン、手帳に挟んでいたはずなのですが……」

P「美優さん、その……」

美優「?」

P「胸ポケットです」

またまた別の日

P「お昼ですねー」

美優「そうですね。Pさんはご飯はどうするんですか?」

P「今から買ってこようかと。美優さんはもう買ったんですか?」

美優「はい。最近暑いので、冷やし中華です」

P「美味しそうじゃないですか。僕もそれにしようかな」

美優「あと、私は猫舌なので……あまり熱いものは苦手なのです」」

P「あら、そうなんですか。良い買い物をしましたね」

美優「はい。ところで話は変わるのですが」

P「なんでしょう」

美優「知覚過敏なので冷たいのも食べれないんですよ」

P「もう何も食えねぇじゃねぇか」

またまたまた別の日

P「たまには散歩も良いですねー。あんまり事務所に閉じこもってばかりいると、体が鈍っちゃう」

美優「それもそうですね」

P「あ、そこ段差あるので気を付けてくださいね」

美優「あっ」

P「遅かったかー」

美優「しかも段差の前でこけました……」

P「大丈夫ですか? みたところ、怪我はないようですけど」

美優「すいません……」

P「いえいえどうってことありませんよ。美優さんがどれだけポンコツで足元が覚束なかろうが」

美優「うぅ……」

P「それに、すいませんよりありがとうって言ってほしいですね」

美優「すいません」

P「話聞いてました?」

ま~~~~~た別の日

P「美優さんが眼鏡かけてる!?」

美優「あ、Pさん」

P「珍しい光景を目にしてしまった……」

美優「元々目も悪くて……家では眼鏡なのです。いつもはコンタクトですけど」

P「そうなんですか、全く知らなかった」

美優「教えてませんでしたからね、ふふ……」

P「……ま、いいですけど」

美優「……」

P「……」

美優「……」

P「……随分しかめっ面ですね?」

美優「恥ずかしながら……最近また視力が落ちたようで」

P「読めないんですか?」

美優「時間が、かかってしまいますけれど、読めないことはありません」

P「じゃ、僕が読みますよ」

美優「Pさん……」

P「その方が早いでしょ?」

美優「……そうですね。お願いします」

MAX別の日

P「お、綺麗な桜が咲いてるなぁ」

P「通いなれた公園とはいえ……久しぶりに来ると結構変わってるもんだ」

P「パシャリ、と……」

P「めっちゃ綺麗に撮れてしまった」

P「こんなに美麗な桜を撮れるのは僕だけではなかろうか」

P「なんちゃってね。しかし結構気に入ったし、現像して飾っちゃおうか」

P「そうと決まればカメラ屋さんに行くぞー!」

P「美優さーん」

美優「……どうかしましたか?」

P「公園に行ったらめっちゃ綺麗な桜が咲いてたんですよ!」

美優「それは……ふふ、良かったですね」

P「なんで笑うんですかっ」

美優「Pさん、凄く子供のようにはしゃぐものですから……」

P「いいじゃないですか。で、凄く綺麗だったので撮ったら、これまた凄く綺麗に撮れましてね?」

美優「はい」

P「現像してきました!」

美優「それは……良いですね。見せてもらえますか?」

P「どうぞ!」

美優「これは綺麗な……桜の木ですね。満開だったのですね。もうそんな季節だとは……」

P「……美優さん……」

美優「はい?」

P「いえ、なんでも……」

P(ただ、地面を一杯に染めた桜の川と桜吹雪の写真だったなんて、言えなかった)

ハイパー別の日

P「写真なぁ……」

P「写真……」

P「はぁ……」

P「雨も降ってるし。気分も沈むわけだ……って、おや?」

P「玄関の紫陽花に、カタツムリが乗っかってるじゃないか」

P「めっちゃカワイイ」

P「パシャリ」

P「超絶カワイイ」

P「桜はとっくに流れたし、美優さんにはカタツムリのカワイさを説明するとしよう」

P(その日、美優さんはずっとくすくすと笑ってくれた)

P「え、注射が嫌いなんですか?」

美優「というより、病院が嫌いなのです」

P「どっちも一緒ですよ。ほら、病院行きましょう?」

美優「嫌です」

P「頑なですね」

美優「家で寝ていた方が良いです。それに、入院することになったら……」

P「なったら?」

美優「……家で充分なんです。この今が多分凄く幸せなんです」

P「……」

美優「……」

P「……アキアカネって、知ってますか?」

美優「知りません」

P「秋に公園にいるとんぼです。真っ赤に染まった体をしていて、凄く、好きなんです……」

美優「……」

P「写真、撮ってきます」

美優「……」

P「絶対、見せます」

P「新しいお洋服買ってきました!」

美優「……そうですか」

P「はい! もうマジで美優さんに似合うヤツです!」

美優「……どうでしょうか。もう、似合うかは……」

P「似合いますよ! 何年美優さんと一緒だと思ってるんですか!」

美優「……ふふ、それもそうですね」

P「というわけで、今度着てくださいね! 今日は面倒でしょ!」

P「美優さん! かまくら作ってますよ外!」

美優「……はい?」

P「かまくらですよ! かーまーくーらーっ!」

美優「ああ、かまくらですか……」

P「雪だるまもありますよ!」

美優「それは豊かですね」

P「何が!?」

美優「ふふ……」

P「最近寒いですね。お腹とか、壊してないですか?」

美優「すいませんね、Pさん……」

P「……部屋、寒くないですか?」

美優「すいませんね……Pさん……」

P「……美優さん……」

美優「……」

P「今日の夕飯、何が良いですか……?」

美優「すいませんね、Pさん……」

P「……」

P「…………」

P「もうすっかり冬も過ぎましたね。なんだか暖かくなってきたので、外に出てきたんですよ」

美優「……」

P「そしたらなんと、もう梅の花が咲いててですね。まさしく光陰矢の如し」

美優「……」

P「きっちり写真に収めてきましたよ。まだ可愛らしいくらいの小さなもんですが、きっと来週にはもっと綺麗になります」

美優「……」

P「そしたらまた、桜を撮ってきます。桜が散れば、カタツムリを。アキアカネを。かまくらを」

美優「……」

P「美優さん……」

P「なんだ、美優さん。それ、僕が買った服じゃないですか」

美優「……」

P「はは、まだタグついてます。裏返ってはないようですけど……」

美優「……」

P「全く……」

美優「……」

P「ありがとうくらい、言ってほしかったですけどね」

P「押し入れから写真が出てきた」

P「僕と美優さんのツーショット写真、のはず」

P「……けど、おかしいなぁ」

P「すっごくぼやけてる」

P「はは……全然見えない」

P「僕もポンコツになっちゃったかな」

終わりです。元シナリオとは凄く変わってしまったので、原作(?)が読みたい方はツイッターで「#ずむ短編」で検索かけると出るはずです
ここまで読んでくださり、ありがとうございました

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