サターニャ「墓友?」(85)

↑間違って投稿しました。

正しくは、※ある番組の「墓友」という話を見て参考にしました。

中心は主に、サタラフィです! ちなみにガヴリールやヴィーネなど、他のキャラは少しですが、登場します。

※追加ですが、サターニャとラフィエルは、普通の人間という設定になってます。また、ガヴリールとヴィーネも同様です。

~ある日~

サターニャ「墓友?」

ヴィーネ「えぇ。共同墓地っていう自分と赤の他人が共に埋葬されるお墓があって、墓友は同じ墓に入る事を前提に付き合う交友関係の事を指すのよ」

サターニャ「へぇ~、そういうのがあるのね」

ヴィーネ「ちなみに私はガヴと共同墓地を購入したの。つまり、死んだらガヴと一緒のお墓に入れるのよ」

サターニャ「アンタとガヴリールってとっくに交友関係じゃないの…。それなのに、今更墓友って?」

ヴィーネ「いいのよ。墓友だろうが、交友関係は交友関係なんだし!」

ヴィーネ「で、サターニャはどうするの? 共同墓地、購入する??」

サターニャ「私はアンタやガヴリールと同じ墓には入らないわ。どうせだったら、別のとこで購入してやるわよ」ダッ

ヴィーネ「あっ、サターニャ! ……行っちゃったわね」

~そして~

サターニャ「はぁ~、購入手続きって大変なのね。時間が掛かっちゃったわよ」

ザアアアアアァァァーーーーーーーーーーーーッ

サターニャ「雨ね…。でも、平気ね! なにせ、傘があるから」スッ


?「困りましたねぇ~」

サターニャ「んっ?」

?「私としたことが傘がお忘れになるとは……。」

サターニャ(あらあら、じゃあまぁ、特別に……)スタスタ

サターニャ「ほらっ、入りなさいよ」

?「えっ?」

サターニャ「傘を忘れたんでしょ? 私ので良かったら入りなさいって事よ」

?「え、えぇと…よろしいんですか? 見ず知らずなのに…」

サターニャ「私はこう見えても寛大なのよ。だから、遠慮はいらないわよ!」

?「そうですか…。では、お言葉に甘えて」

サターニャ「私は胡桃沢=サタニキア=マクドウェルよ。知り合いからは、サターニャと呼ばれてるわ」

ラフィエル「サターニャさんですか。初めまして、白羽=ラフィエル=エインズワースです」

サターニャ「そう……じゃあ、ラフィエルって呼ばせてもらうわね」

ラフィエル「はい!」

サターニャ「それでラフィエル…アンタ、同じ場所に居たってことは?」

ラフィエル「はい。私もこちらの共同墓地を購入し終えて帰ろうとした矢先、雨が降ってしまいまして…」

サターニャ「そういう事ね。じゃあ、共同墓地を購入した点では私と同じね」

ラフィエル「では、サターニャさんも」

サターニャ「もちろん。じゃなかったら、同じ場所に居てアンタとも出会わないわよ!」

ラフィエル「そうですね♪」フフッ

サターニャ「で、アンタがどういうのを購入したのよ?」

ラフィエル「こういうのです」ペラッ

サターニャ「あら、私と同じとこじゃないの!」

ラフィエル「えっ、そうなんですか!? これはまた不思議な巡り合わせですね!」

サターニャ「そうね。でも、同じ墓だったら、これじゃあ墓友ね!」

ラフィエル「墓友?」

サターニャ「なんでも同じ共同墓地を購入して同じ墓に入る者同士の交友関係を、そう呼ぶって知り合いから聞いたのよ」

ラフィエル「交友関係っ!?///」

サターニャ「えっ、なに、どうしたの?」

ラフィエル「あっ、いえ。………あのう、サターニャさん?」

サターニャ「なにかしら?」

ラフィエル「その、わ、私と……墓友になってくれませんか?」

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「あっ、いや、もしよろしかったら…という話ですので、無理には!!?///」

サターニャ「いいわよ」

ラフィエル「えっ?」

サターニャ「私はこういう事にも寛大なのよ。だから、墓友になってあげる!まっ、友は一人でも多い方が良いと思うしね」

ラフィエル「っ//////」パアアァァァァーーーー

ラフィエル「ありがとうございます/// その、墓友としてよろしくお願いします、サターニャさん♪」ニコリ

サターニャ「えぇ、もちろん。」

ラフィエル「えへへっ、友達、友達っ………/////」ブツブツ

サターニャ(?………独り言かしら??)

ラフィエル「あっ、私ここでよろしいですので」

サターニャ「あら、バスに乗るのね。だったら、もういいわね!」

ラフィエル「傘に入れて頂きありがとうございます。その…またお会いしましょう///」モジモジ

サターニャ「えぇ。じゃあ、またね」スタスタ

ラフィエル「はい♪」ニコリ

~翌日~

サターニャ「あぁ、良い朝ね」ノビーー

ラフィエル「そうですね!」

サターニャ「さてと、朝食を……って」

ラフィエル「うふふっ♪」ニコニコ

サターニャ「えええぇぇーーーー、なんでアンタがここにっ!!?」

ラフィエル「昨日のお礼です」

サターニャ「昨日? もしかして、傘に入れたことかしら?」

ラフィエル「はい!」

サターニャ「いや、昨日のお礼に来たって言っても、どうしていきなり? それにどうやって入ったのよ!?」

ラフィエル「ふふふっ、私こう見えてもピッキングは得意なんです」

サターニャ「犯罪じゃないの!!?」

ラフィエル「大丈夫ですよ。だって、私とサターニャさんは墓友ですから、そこは許してくれますよね、サターニャさん?」ニコリ

サターニャ「アンタねぇ……」

ラフィエル「どうですか、私が作った朝食のお味は?」

サターニャ「うん、美味いわ!」モグモグ

ラフィエル「そうですか。良かったです」

サターニャ「ラフィエルって料理が得意なのね?」

ラフィエル「もちろんです。他にもお裁縫やお掃除、それに家事は何でもお手の物ですよ」ニコニコ

サターニャ「そう。」

ラフィエル「では、私はこれで失礼いたしますね」

サターニャ「朝食美味しかったわ。ありがと」

ラフィエル「いえいえ。また、作りに来ますね」

サターニャ「別にいいわよ。」

………………………………………………

~更に翌日~

サターニャ「さて、今日の夕飯は何にして、どこで買おうかしら?」スタスタ、キョロキョロ

ラフィエル「サターニャさん♪」スッ

サターニャ「うわぁーっ!?」ビクッ

ラフィエル「こんばんは」ニコニコ

サターニャ「アンタ、なんでまたこんなところにっ!?」

ラフィエル「うふふっ。サターニャさんをお見掛けしましたので、声を掛けただけですよ」

ラフィエル「それより、夕飯がまだだと仰いましたよね?」

サターニャ「なによ、聞いてたの?」

ラフィエル「はい。もし、よろしかったら、夕飯ご一緒しませんか? 良い店がありまして」

サターニャ「………別に構わないけど? 何も決まってなかったから…。」

ラフィエル「あぁっ、そうですか、良かったです/// では、さっそくですが、行きましょう」グイッ

サターニャ「あっ、ちょっと!?」ズルズル

~レストラン~

サターニャ「随分と洒落たレストランね…。高いんじゃないの?」キョロキョロ

ラフィエル「大丈夫ですよ。お代は全額、私が持ちますから」ニコリ

サターニャ「全額って…アンタ、一体、何者よ!?」

ラフィエル「あっ、実は私………」カクカクシカジカ

サターニャ「へぇ~、実家がお金持ち…って、事はお嬢様!?」

ラフィエル「お嬢様は大袈裟です。私は、親元を離れ、ただ一人この地で親が用意した邸宅に住む、ただの一般人ですよ♪」ニコッ

サターニャ「邸宅に住んでるってだけでもお嬢様じゃないの!!?」

………………………………………………………………

ラフィエル「へぇ~、サターニャさんもやはり親元を離れて…」

サターニャ「えぇ。アンタも来たあのマンションのあの部屋に一人で住んでるのよ。」

ラフィエル「そうですか。でも、またお互いに共同墓地だけでなく、親元を離れて一人暮らしという共通点も見つかりましたね」

サターニャ「そうね。そういう所はなんだか、お互いにシンパシーを感じるしね」

ラフィエル「そういえば、サターニャさん、好きな物とかありませんか?」

サターニャ「好きな物?」

ラフィエル「例えば、食べ物ですとか、趣味ですとか」

サターニャ「好きな食べ物はメロンパンよ。趣味というと、そうねぇ……強いて言えば、近所にメロンパンが食べ放題のお店があって…」

サターニャ「そこで好きなメロンパンをいっぱい頬張る…それかしらね」

ラフィエル「要は、好きな物はメロンパン、趣味はメロンパンの食べ歩きですね!」

サターニャ「平たく言えばそうね。

ラフィエル「成る程、よぉく分かりました。うふふっ♪」ニコリ

サターニャ「だけど、そんな事聞いてどうするのよ?」

ラフィエル「いえ、後のお楽しみという事で」ニコニコ

サターニャ「?」

…………………………………………………

~またまた翌日~

サターニャ「今日は何をして過ごそうかしらね…」

ピンポーン♩

サターニャ「はぁ~い。……誰かしら?」スタスタ

サターニャ「はい?」ガチャッ

ラフィエル「こんにちは、サターニャさん♪」

サターニャ「ラフィエル!? アンタ、なんでまたまたっ!!?」

ラフィエル「今日は、なんとサターニャさんに良い報告があります!!」

サターニャ「良い報告?」

ラフィエル「はい。それは……なんと、最高級メロンパンの食べ放題チケットを手に入れましたので、お誘いに来た事です」スッ

サターニャ「ええぇーーーっ、最高級メロンパンの食べ放題って……あっ、このお店、隣町にある高くて一般の方は滅多に入れない食べ放題のっ!?」

ラフィエル「そうです! サターニャさん、メロンパン好きで、メロンパンの食べ歩き趣味だと仰ったじゃありませんか?」

ラフィエル「ですから、サターニャさんの為に苦労してチケットを手に入れました。これでお店に入れますし、最高級メロンパンが食べ放題ですよ」

サターニャ「えっ、私の為にわざわざっ!?」

ラフィエル「はい」

サターニャ「いや、いくら何でも悪いわよっ!?」

ラフィエル「気にしてないで下さい。それより、せっかくお店に行くのですからお洒落していきましょう」ニコリ

サターニャ「お洒落っ!!?」

ラフィエル「もちろん、服や装飾品などの心配は大丈夫ですよ、ほら♪」スッ

服や装飾品類が入った袋『』ドッサリ

サターニャ「なにこれっ!?」

ラフィエル「うふふっ、サターニャさんの為に買い揃えた物です。では、さっそくお着替えしましょう」グイッ

サターニャ「あっ、ちょっとぉ!!?」

……………………………

ラフィエル「わぁぁっ/////」パアアァァァーーーー

(お洒落したばかりの)サターニャ「……………」

ラフィエル「きゃああぁぁーー、サターニャさん、素敵ですっ!!!///////」

サターニャ「…………ねぇ」

ラフィエル「なんですか?」

サターニャ「これ良く見たら、全部高級ブランド品ばっかじゃないの!? 服も装飾品も!!?」

ラフィエル「もちろんですよ。サターニャさんの為に、この辺りにある高級品店を片っ端からハシゴし続け、一番高いのだけを厳選して買い揃えた物ですので♪」

サターニャ「ちょっと待ちなさい!?」

ラフィエル「はい?」

サターニャ「アンタ、私の為って言って最高級メロンパンの食べ放題や高級ブランドを用意してるけど、なんでそこまで私に凄い親切にするのよ!? 身に覚えがないけど、私に対する恩でもあるの!!?」

ラフィエル「恩とかではありません。私がサターニャさんの為にした事、それは私の気持ちです」

サターニャ「気持ち?」

ラフィエル「そうです。私はサターニャさんの為に何か良い事をしたいとそう思っただけです。それに…」



ラフィエル「私とサターニャさんは………墓友じゃないですか?」ニコリ

サターニャ「っ!!?」ゾゾッ

~再び翌日~

サターニャ「…………」

ピンポーン♩

サターニャ「っ!?」ビクッ

ピンポーン♩

サターニャ「………っ!!!」

ピンポーン、ピンポーン♩♩

サターニャ「っ!!!!!」プルプル

ガチャッ

サターニャ「しつこいわよ、ラフィエル!!!!」

まち子「っ!?」ビクッ

サターニャ「あっ?!」

………………………………

サターニャ「申し訳ないわね。まさか、隣の人だとは思わず…」ペコリ

まち子「そ、そこまで頭を下げなくていいのよ、胡桃沢さんっ!!?」アタフタ

サターニャ「本当に申し訳ないわね。なにせ、最近頻繁に知り合いが訪ねて来る事が多くて、ついイライラしていてね」

まち子「だ、大丈夫だから、ほんとに気にしてないからね!?」

サターニャ「で、用事は一体なにかしら?」

まち子「あっ、そうそう、これ! 実家から送られてきたから、少ないけど、おすそ分けしようと思って」スッ

サターニャ「あら、ありがとう。たまにくれるようだけど、悪いわね」

まち子「気にしないで。お互い隣同士で、仲良くするのも良い事だしね」ニコリ

まち子「それと胡桃沢、今大丈夫かしら?」

サターニャ「大丈夫だけど、どうしたの?」

まち子「最近近所で喫茶店がオープンしたんだけど、そこに二人か、二人以上来たら割引になるらしいのよ。」

まち子「だから、私一人じゃアレだし、他に誘う人もいないから、胡桃沢さんはどうかなって思って?」

サターニャ「いいわね。もちろん、行くわ。たまには、近所付き合いもしないとね!」

まち子「そう! じゃあ、鍵を掛けて来るから、外で待ち合わせしましょう」

サターニャ「えぇ。じゃあ、一階はどうかしら?」

まち子「分かったわ。じゃあ、また後でね、胡桃沢さん」

サターニャ「えぇ!」

サターニャ「さてと、そろそろ…」

ブウウゥゥーーーーー

サターニャ「あら、着信だわ。一体、誰から……ゲッ!?」

着信『ラフィエル』

サターニャ「無視しても何度も掛け直されそうだし、一応出ようかしらね」ピッ

サターニャ「もしもし、ラフィエル?」

ラフィエル『あっ、サターニャさぁーーん♪ もし、よろしければ、今から私とお茶しませんか? 近所ですけど、良いお店g』

サターニャ「あぁ……悪いけど、遠慮しておくわ」

ラフィエル『えっ、どうしてですか?』

サターニャ「私もちょうど隣人から誘われたのよ、お茶に…。だから、行けないの」

ラフィエル『そうですか…。それは残念です』

サターニャ「納得したかしら? じゃあ、もう切るわね。」ピッ

サターニャ「はぁ~、ほんとしつこいわね。まっ、今日は隣のおかげで断る口実が出来たから、いいけどね」

サターニャ「おっと、もう時間ね。行かないと!」スタスタ

……………………………………………………

まち子「ほら、ここよ」

サターニャ「へぇ~、ほんとに近いのね。それに、こんな所にオープンしてたなんて知らなかったわ」

ガチャン

店員「いらっしゃいませー!」

ザワザワガヤガヤ

サターニャ「あら、結構混んでるわね」

まち子「意外と割引につられて来る人が多いのね」

店員「あ、あのう?」

サターニャ「なにかしら?」

店員「サターニャさん、でよろしかったでしょうか?」

サターニャ「え、えぇ、サターニャは私だけど、どうして名前を?」

店員「あっ、いえ、実は先ほどご来店なさってただ今座っていらっしゃるお客様から、赤髪の女の人が来たら私の席に案内してほしいと頼まれまして…」

サターニャ「えっ?」

店員「なんでも、待ち合わせをしてるとかという理由ですけど、それでよろしかったでしょうか?」

サターニャ「えっ、なに、私を待ってるお客? 一体、誰!?」

店員「えぇと、あちらに座っていらっしゃいますが…」スッ

ラフィエル「あっ、サターニャさああぁぁーーーーん!!!!」フリフリ

サターニャ「っ!!?」ビクッ

店員「えぇと、どうやら間違いないようですね…。」

ラフィエル「ふふふっ♪」ニコニコ

サターニャ(えっ、なんであいつが…どうしてぇっ!!? ハッ……そういえば、電話でお茶がどうとか………まさかっ!?)ブルブル

まち子「えっ、なに? 胡桃沢さん、知り合い??」キョトーン

ラフィエル「初めまして、サターニャさんのお友達の白羽=ラフィエル=エインズワースと申します」ニコリ

まち子「胡桃沢さんの友達なんだ。あっ、私はまち子と言います!」

ラフィエル「まち子さんですか…どうぞよろしくお願いします」ペコリ

まち子「いえ、こちらこそ」ペコリ

サターニャ「ったく、お茶って言ってたけど、まさかここだとはねぇ…。」

ラフィエル「偶然というのは、良くあるんですね」

サターニャ「まさか、誘いを断ったから…私が隣の人とここに来る事を把握し、私に会う為に居たんじゃないわよね?」ジイイィィィィーーーーーーー

ラフィエル「もぅ、サターニャさん、酷いですよ。私は別にそういう変な意味でここにいるのではありません。」

ラフィエル「ただ、私がお誘いしたかったお店がちょうどここで、もしやサターニャさんが来るのではないかと予感して店員にお願いしただけの事ですよ」

サターニャ「ふん。どうだか?」

まち子「まぁまぁ、胡桃沢さん、友達にそういう疑いの目を向けるのは良くないと思うわ!」

サターニャ「と、言う訳なのよ」ペラペラ

まち子「へぇ~、そんな事が!」

サターニャ「でね……」ペラペラ

まち子「ふふふっ、そうね」


ラフィエル「……………」マチコノホウヲ、ジイイイィィィット、ミツメル


サターニャ「そういえば、最近寒いわね」

まち子「あっ、寒いのならホットカーペットを買ってみたらどうかな? 私は昨日買ったけど、とっても暖かいのよ」

サターニャ「へぇ~、いいわね。だけど、私は無理ね。生活費で手一杯だし、余計な物を買う程のお金は無いのよ」

まち子「そう。それは大変ね」


ラフィエル(っ!)ピーン

~帰り~

まち子「随分と話し込んじゃったみたいね。もう夕方で」

サターニャ「そうね。夢中になると長くなるしね」

まち子「それにしても白羽さん、だっけ? 白羽さんのおかげで待たずに座れたし、しかもお代も全部持ってくれたから、本当に良い友達を持っているのね、胡桃沢さんって♪」ニコッ

サターニャ「そ、そんなじゃないわよ!? ただ、あいつは訳ありの友なのよ。だから、色々t」

フッ

まち子「あっ、胡桃沢さん、前!?」ビシッ

サターニャ「えっ?」クルッ

ドンッ

サターニャ「イタタッ!?」ドサッ

まち子「大丈夫、胡桃沢さん?」

サターニャ「え、えぇ…。」チラッ

男「チッ、どこ見て歩いてんだよ!!」ギロッ

サターニャ「ひぇっ!?」ビクッ

まち子(こ、怖い人ね…)ブルブル

男「ケッ、気ぃ付けろ、クソ女が!!!」プイッ

スタスタ

サターニャ「…………」ビクビク

まち子「ふぅ。危なかったわね、胡桃沢さん」

サターニャ「う、うん。そうね」

まち子「でも、あの男の人、胡桃沢さんの事を「クソ女」だなんて言ってたけど、いくらぶつかったからといって言い過ぎじゃないかしら?」

サターニャ「……いいのよ、別に。それに因縁付けられるよりはまだマシだと思わないと」

まち子「………そうね。とりあえず、立ちましょうか?」

サターニャ「えぇ。」



ラフィエル「…………………」ギリッ

~その夜~

サターニャ「ふぅ~、イイ風呂だったわ」ストン

テレビのニュースのアナウンサー『次のニュースです。今日、夕方、○○町の路上で一人の男性が何者かに襲われるという事件が発生しました』

サターニャ「あら、今…中継されているのは場所で今日、私が男にぶつかった場所の近辺じゃないの」チラッ

アナウンサー『襲われた男性の身元は○○さん、○○歳で……』←テレビに男の写真が表示される

サターニャ「あれっ、こいつ……あの時私とぶつかって、私に「クソ女」って暴言吐いた奴じゃないの!!?」ビクッ

アナウンサー『なお、○○さんは、意識不明の重体で、警察は回復次第、改めて事情を聞く方針との事です』

サターニャ「えっ……なに、私に絡んだあの男が襲われる、なんてどういう事よ!? なに、一体、なにが!!?」ブルブル

~更に翌日~

サターニャ「今日は久しぶりにガヴリールやヴィネットと遊べて楽しかったわ。………そういえば、いつも電話やら家を訪ねてくるラフィエルが今日は来なかったわね」カンカンカン

サターニャ「いや、むしろいっつも来られても困るし、気にしなくていっかぁ。」スタスタ

グッ、ガチャッ

サターニャ「えっ、開いてる!? なに、まさか泥棒!!?」

サターニャ「………いいわ。もし泥棒だったら、大声で叫ぼう。よぉし!」ガチャン

~室内~

サターニャ「さぁ、泥棒……出て来なさい」コソコソ



ラフィエル「あっ、サターニャさん、おかえりなさい♪」チラッ、ニコリ

サターニャ「っ!!?」ビクッ

サターニャ「ラフィエル…アンタ、なに、やってるのよ……?」

サターニャ「ってか、どうやって家に、まさか…またピッキングで!!?」

ラフィエル「今回はそういう事はしませんよ。普通に大家さんに頼んで鍵を開けて貰ったんです」ニコッ

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「それより、サターニャさん、見て下さいよ、これ」

高そうなホットカーペット『』バアアァァーーーン

サターニャ「えっ、なに、これ?」ポカーン

ラフィエル「なにと仰りますと…ホットカーペットですよ」ニコリ

サターニャ「ホットカーペット、なんで!?」

ラフィエル「なんでってサターニャさん仰ったじゃありませんか……最近寒いと、そしてホットカーペットはいいけど、買うお金が無いから無理だと」

サターニャ「まさか、昨日、私が隣の人としていた話を聞いて……」

ラフィエル「はい♪ ホットカーペットも買えずに寒い思いをしているサターニャさんの為に私が購入したんですよ!」ニコニコ

サターニャ「…………」プルプル

ラフィエル「あれ、サターニャさん、どうしましたか?」

サターニャ「アンタ、いい加減にしなさいよ!!!」

ラフィエル「えっ?」

サターニャ「私が黙っていれば好き勝手親切にして!! 正直、迷惑なのよ!」

サターニャ「大体、今回は私に無断で部屋に入った挙句、また私の為だって言ってホットカーペットなんて買ってきて……」

ラフィエル「あれ、私、サターニャさんの迷惑になるような事したでしょうか?」

サターニャ「十分してるわよ、変な親切って迷惑をね!! ほんと、いい加減にしないt」


ラフィエル「大丈夫ですよ?」ニコッ

サターニャ「はぁっ?」

ラフィエル「全ての私の気持ち、ですから♪」ニコリ

サターニャ「だから、その気持ちさえも迷惑だt」

ラフィエル「もぅ、サターニャさん、人の親切は素直に受け取るべきですよ?」

サターニャ「ラフィエル、アンタって馬鹿なの?! 私が言ってる事が理解できないn」

ラフィエル「ふふふっ、サターニャさんは気にしなくていいんですよ」ニコッ

サターニャ「はぁっ?」

ラフィエル「だって……私たち」



ラフィエル「墓友じゃありませんか?」ニコニコッ

サターニャ「っ!!?」ゾゾゾッ

~更に更に翌日~

~サターニャの部屋~

まち子「胡桃沢さん、その白羽さんって人、絶対にヤバいわよ!」←サターニャの相談に乗ってる最中

サターニャ「えぇ。私もそう感じてるわ」

まち子「お友達って言ってたけど、早く縁を切るべきよ」

サターニャ「うぅん、ダメよ。きっと、果てまで追いかけてくると思うわ。それに、ああいうタイプは離れると何をしでかす分からないし…。」ガタガタ

まち子「胡桃沢さん……」

まち子「………あらっ?」チラッ

クローゼットにある高級ブランド品たくさん『』バアァァーーーン

まち子「胡桃沢さん、あれって?」ビシッ

サターニャ「あぁ。ラフィエルが私の為だと言ってプレゼントしてくれた物よ」チラッ

サターニャ「そうだ、良かったらあげるわ」

まち子「えっ、いいの!?」

サターニャ「うん。どうせ、全部ラフィエルからの貰い物だし、それに私、ブランド品は知っていてもそこまでの興味はないしね」

まち子「じゃあ、遠慮なく!!」

まち子「あぁ~、実は私、ブランド品に興味があるのっ/// ありがとう、胡桃沢さん♪」ニコリ

サターニャ「ふふっ、そこまで喜んでくれるのなら、あげた甲斐があるわね」ニコッ

~その後~

サターニャ「こうなったら、真剣にラフィエルと話を付けないと」スタスタ

サターニャ「以前、教えて貰った住所はこの辺りね……えっ?!」

普通のアパート『』

サターニャ「なによ、どこが邸宅よ…。普通のアパートじゃないの!?」

サターニャ「ふん。まっ、いいわ…。さっさと話しを付けて帰りましょ!」スタスタ

『白羽』

サターニャ「ここね。ラフィエル、居るんでしょ?」コンコン

シーーーーーーン

サターニャ「ちょっと、出て来なさいよ?」ドンドン

隣人「なに、うるさいわね」ガチャッ

サターニャ「あっ、すみません。その…ラフィではなく、白羽さんに用がありまして」

隣人「あら、珍しいわね。白羽さんにお客さんなんて?」

サターニャ「えっ?」

隣人「私も近所付き合いしてないから、良く分からないけど、白羽さん、ここに来てからずっと一人で過ごしてるみたいなのよ」

隣人「しかもお客さんとして彼女を訪ねてきた人が一人もいないし、貴方が初めてよ」

サターニャ「……………」

隣人「そうそう。一度だけ引っ越しの挨拶を受けたんだけど、その時少しだけ話をしてくれた事があってね」

サターニャ「?」

隣人「なんでも、家族と完全に縁を切られたらしく、家も追い出されてたった一人ここに移り住んだとか。」

隣人「それにしてもつくづく可哀想だとは思うわね。家族も家も無い、誰一人来ない所から見て友達も出来なかったようだし、まさに天涯孤独ってやつね」

サターニャ「……………」

~帰り~

サターニャ「天涯孤独か…。ラフィエルの奴、あぁ見えては本当は可哀相な奴だったのね……。」

サターニャ「だからこそ、私を友だと言っていっつも付き纏ったり、なんだかんだしつこく親切にしたりしていたのね…ここにきて初めての友達が私だから」

サターニャ「単にしつこいではなくて、親切にして仲を繋ぎ留めたい、だけだから」



サターニャ「よし、決めたわ。ラフィエルと縁を切るのではなく、仲良しの友として前向きに接していこう!!」

~マンション近辺~

サターニャ「とりあえず、またラフィエルが来るか、連絡があると思うし、部屋で待ってようかしら?」スタスタ

ヒー゚ポーピーポー、ウ~ウ~
ザワザワ、ガヤガヤ

サターニャ「えっ、なに? マンションの前に人だかり。それに救急車や警察が!?」タッタッタ

サターニャ「あ、あのう?」

男性「んっ?」

サターニャ「この騒ぎは一体?」

男性「あぁ、実は事件があったんだよ。」

サターニャ「事件?」

男性「詳しい事は分からないけど、なんでも5階から女性が飛び降りて亡くなったとかで…」

サターニャ「えっ!?」

サターニャ「ちょっとすいません?」

警察「んっ、なんだ君は? この先は関係者以外立ち入り禁止だよ」

サターニャ「いや、入りたいんじゃなくて、被害者は5階から飛び降りたと聞いてちょっと話を」

警察「話? なに、君、ここのマンションの住人か何か?」

サターニャ「えぇ。実は、5階に住んでるの」

警察「5階にっ!?」

警察「ん、まぁ、一応話を聞くけど、5階のどこの部屋ですか?」

サターニャ「そこよ」ビシッ

警察「えっ、そこですか?! じゃあ、被害者とは隣同士って事ですか」

サターニャ「えっ、隣って、まさか被害者って……」

警察「まぁ、関係者のようなので、一応被害者の名前は伝えておきますよ。被害者はまち子さんという方です」

サターニャ「っ!!?」ビクッ

~公園~

サターニャ(………隣の人が死んだ、それも5階の部屋のベランダから飛び降りて…。)

サターニャ(警察は自殺の線で調べてるようだけど、ありえないわ。だって…私がラフィエルの家に行く前にはあんなにも相談に乗ってくれて、ブランド品あげた時も喜んでくれたし)

サターニャ(……………まさか!!?)

ブー、ブー、ブー♩

サターニャ(っ!?……びっくりした。スマホの着信音ね!)

着信『ラフィエル』

サターニャ「ラフィエルね…。」ピッ

サターニャ「もしもし?」

ラフィエル『あっ、サターニャさん♪ 今から一緒に出掛けませんか?』

サターニャ「出掛けてるって、それどころじゃないのよ…。少し前にアンタと自己紹介した隣人のまち子って人が居たでしょ? たった今、亡くなったのよ…ベランダから飛び降りて!!」

ラフィエル『ふぅ~ん、そうですか。それより、どこに出掛けましょうか、サターニャさんのお好きなところにでも』

サターニャ「それより…って、なによ、その軽くあしらった言い方は!? 人が一人死んだのよ!!?」

ラフィエル『……………ブランド品』ボソッ

サターニャ「えっ?」

ラフィエル『あの女に似合いませんよ、私がサターニャさんの為にあげた高級ブランド品は!』

サターニャ「えっ、アンタなんでそんな事……」

ラフィエル『……………………うふふっ♪』

サターニャ「っ!!?」ゾゾゾッ

ピッ

サターニャ「や、ヤバイわ!!? どうしよう……あっ、そうよ!!」

サターニャ「解約……共同墓地を解約すればいいんだわ。そうすれば、きっとあいつとも…」

サターニャ「でも………そんなことすれば、きっとラフィエルは………うぅん、他に犠牲が出た以上、やっぱ解約するしか……。」

サターニャ(……………)

サターニャ(ラフィエル……話を聞いて可哀相な奴だったから、あいつの親切を全て受け入れて今度から仲良くしようと考えた矢先だったのに……とんでもない事を!)

サターニャ(だから、これ以上はやっぱ無理、私とあいつの為にやはり解約を…………)


サターニャ「よし、行こう!!!」ダッダッダ


ラフィエル「……………」ジイイイィィィィィーーーーー

~そして~

サターニャ「ふぅ、解約完了したわ。それにしても……共同墓地の購入から墓友との出会いなんて、恐ろしいわ…やっぱ、解約して正解ね」

サターニャ「肩の荷も下りたけど、まだあいつとの繋がりが残ってるし、アドレスを削除しないと。いや、いっそ今使ってる携帯を解約して別のに買い替えようかしら」

サターニャ「後、マンション…住んでる所は知られてるし。いっそ部屋を引き払って、別の場所に住もうかしらね。」

サターニャ「とりあえず、部屋には帰りたくないし、かと言ってガヴリールやヴィネットの所に泊めてもらうのもアレだし、今日はどこかのホテルn」



ラフィエル「じゃあ、私の家に来ますか?」ボソッ

サターニャ「っ!?……ラフィエル」サァーー

ラフィエル「うふふっ、うふふ、うふふふふふふふふふっ♪」ニコニコ

サターニャ「な、なによ、き、気持ち悪い!?」ビクビク

ラフィエル「……………残念です」ボソッ

サターニャ「えっ?」

ラフィエル「ほんとに残念に思いますよ、サターニャさん?」ハイライトオフ


サターニャ「ヒィィッ!?」ビクッ

ラフィエル「どうして、解約なんてしたんですか?」ハイライトオフ

ラフィエル「そんなに私と一緒にいるのが、墓友になるのが嫌なんですか?」ハイライトオフ

サターニャ「…………そうよ」キッ

ラフィエル「………」

サターニャ「アンタ、私の隣に住む隣人を殺した、でしょ?」

ラフィエル「……さぁ、何のことでしょうか?」

サターニャ「とぼけるんじゃないわよ! 携帯でアンタは、「あの女にブランド品は似合わない」って言ったでしょ?」

サターニャ「それで確信したのよ………隣人があのブランド品を持っていることを知ってるって事は、アンタが直接隣人を訪ねてその部屋でブランド品を見つけたっていう証明なのよ!!」


ラフィエル「………うふふ。」ニコニコ

サターニャ「な、なによ、なにが可笑しいのよ!?」

ラフィエル「………正解ですよ」ボソッ

サターニャ「えっ?!」

ラフィエル「そうです。私がまち子さん……いえ、あのバカ女を殺したんですよ」

サターニャ「ば、バカ女っ!?」

ラフィエル「そうです! あのバカ女は、私だけのお友達であるサターニャさんに、ホイホイと近付いて、挙句に喫茶店の時に私の目の前で見せ付けるようにサターニャさんと話し続けて…。」ギリギリ

ラフィエル「おかげでサターニャさんが私を無視する結果に……全てあのバカ女のせいです!!」ギリギリ

サターニャ「アンタ、まさか私にあげたブランド品を隣人が持っていた事が理由じゃなくて、私との仲による嫉妬心で殺したの?!」

ラフィエル「両方です、ブランド品と嫉妬心……その両方があのバカ女を殺した動機です」

サターニャ「それってつまり……」

ラフィエル「最初は嫉妬心だけでした…。例え隣人でもサターニャさんと居て仲良く話せば自然に友達です。ですから、バカ女に嫉妬しました、サターニャさんと良く話してるので!!」

ラフィエル「そして、先ほど…バカ女を殺す為に部屋を訪れ、中に入った所驚きましたよ……まさか、サターニャさんの為にあげた高級ブランド品がほとんどあるじゃないですか」

ラフィエル「私はバカ女を問いただし、サターニャさんから貰った事を聞き出しました。だけど、それだけでなく、あのバカ女…他にこんな事を言ったんですよ」

サターニャ「な、なんて言ったのよ……?」

ラフィエル「サターニャさんから相談を受けた事を明かし、私の事を「異常」や「ヤバい女」と言い、挙句の果てサターニャさんが気の毒だから縁を切れ、とも言い放ったんですよ……」



ラフィエル「ふざけるな!!!」ギリギリギリ

サターニャ「っ!?」

ラフィエル「サターニャさんは私だけの、私一人だけのお友達です!! 縁を切るのは、そっちだと考えました」

ラフィエル「だから、私がサターニャさんにプレゼントしたはずのブランド品を奪った怒りと嫉妬心、ふざけた事を抜かした憎しみが溢れ、嘘で縁を切ると言って油断させた所を……」

ラフィエル「背後から押し、ベランダからあのバカ女を突き落としてあげたんですよ!!」ニヤリ


サターニャ「っ………!?」ゾゾゾッ

ラフィエル「サターニャさんは私のお友達、生まれて初めて出来た、ただ一人のお友達です♪」

ラフィエル「ですから、私とサターニャさんとの仲を邪魔する者は誰であろうが許しません!! それと、サターニャさんを傷付ける者も……」ギリギリ

サターニャ「私を傷付ける……ハッ、まさか、喫茶店の帰りに私とぶつかって罵倒してきた、あの男が襲われた、というもの…アンタが!?」

ラフィエル「ふふふっ、そうですよ♪」ニコリ

ラフィエル「ほんとは殺す勢いで滅多打ちにしたはずでしたが、力の加減を間違えてしまったようで、殺し損ねて意識不明の重体にしか出来ませんでしたがね」

サターニャ「ヒィィィーーーッ!!?」ブルブル


ラフィエル「あれ、サターニャさん、どうしたんですか…震えてますよ?」

ラフィエル「あっ、もしかして寒いんですか……じゃあ、墓友として私が寄り添って温めてあげますよ♪」ズイズイ

サターニャ「こ、来ないで、人殺し…精神異常者!!?」サアーー

ラフィエル「……ほんとに、サターニャさんは私と墓友になるのが嫌なんですね」ハイライトオフ

サターニャ「ヒィッ、嫌に決まってるじゃないの!! 誰がアンタみたいな奴なんかと!!!」

ラフィエル「そうですか……。じゃあ、死にます」スッ

サターニャ「へっ?」

ラフィエル「えい!」グサッ

ドサッ

サターニャ「っ!!?」

ラフィエル「うぅ……うぅぅ…うううぅぅ」ピクピク

サターニャ「ちょっと、ラフィエル!?」スタスタ

サターニャ「アンタ、いきなり自分の腹にナイフ刺して……何、バカな事してんのよ!?」

ラフィエル「うぅ…サターニャ…さん……私の事……心配…して…くれるん、ですか」

サターニャ「心配してんじゃないのよ……ただ、勝手に体が動いただけよ」

ラフィエル「…うふふ、そうですか。やはり、私とサターニャさんは友達なんですね」

サターニャ「へっ?」



ラフィエル「一緒に死にましょう♪」グイッ

サターニャ「ちょ、ちょっと!?」ズルズルッ

ラフィエル「あの世に行ってもずっと友達でいましょうね……サターニャさん❤」ギュッ、ニコリ

サターニャ「や、やめ………」



ラフィエル「ほいっ♪」バッ←サターニャを道連れに高い所から身を投げる

サターニャ「いやああああぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!???」


ドサンッ

…………………………………

サターニャ「ハッ!?」

医者「おぉ、意識を取り戻しましたか!」

サターニャ「えっ、なに、ここは!?」

医者「病院です。」

サターニャ「病院、いつの間に!?」

医者「通りがかりの方が貴方を発見し、救急車を呼んだんです!」

医者「どうやら話を聞く限り、高い所から落ちたみたいですけど、幸い軽傷だけで済んだようで、安心しましたよ」

サターニャ「そうだったの…。あっ、そういえば、私の他に一緒に落ちたのが居るはずなんだけど?」

医者「……えぇ、確かに居ました。ですが、その方は即死です」

サターニャ「えっ、即死……」

医者「はい。正直に申せば、その方はナイフが刺さったままで傷も酷く、加えて高い所から落ちた時の衝撃で完全に即死という状態でしたので…」

サターニャ「………そう。(そうよね…刺した傷と落ちた事が原因なら、普通は……。)」

~退院後~

サターニャ「はぁ~、それにしても変な出来事だったわ。正直、最初は散々、途中からあいつに同情して仲良くしようとしたけど、結局前言撤回して……」

サターニャ「最後にはラフィエルの心中に巻き込まれたけど、死んだのはあいつだけで、私は辛うじて生存………ほんとに変な出来事ね」

サターニャ「まっ、天涯孤独のあいつには生きてるよりも、死ぬ方が案外楽かもしれないし、今頃つらいこの世とおさらば出来て、あの世で満足してるでしょうね…。」



ラフィエル「この世とおさらば出来るのは嬉しいですけど、まだあの世では満足出来ていませんよ?」

サターニャ「そう………って、ええええぇぇぇーーーーーっ!!?」ビクッ

ラフィエル「ふふっ♪」ニコニコ

サターニャ「えっ、なんでアンタがここに!? 死んだはずじゃっ!!?」

ラフィエル「もちろん死にました。つまり、今存在している私は幽霊ですよ、サターニャさん」

サターニャ「ゆ、幽霊ですって?!」

ラフィエル「はい」

サターニャ「なんで私の前に現れるのよ…幽霊だったらさっさと成仏しなさいよ!!」

ラフィエル「それは出来ません」

サターニャ「なんでよ?!」

ラフィエル「言ったではありませんか…「まだあの世では満足出来ていない」と!」

サターニャ「まだあの世 満足出来てないって事は…あの世に行けない理由があって、それには満足するような事しないとダメって事?」

ラフィエル「そうです♪」ニコリ

ラフィエル「つまりは、未練です。未練があると幽霊は成仏できない仕組みになっています」

サターニャ「成る程ね。で、どうすればいいのかしら?」

ラフィエル「えっ?」

サターニャ「私の前に現れたって事は、私の協力を得る為なんでしょ? いいわよ……最後の最後だけ手を貸してあげる。」

ラフィエル「サターニャさん………ありがとうございます/////」

サターニャ「別にお礼はいいわよ。それより、アンタの未練…どんな満足をしたらあの世に成仏出来るのかしら?」

ラフィエル「はい。それは………」



ラフィエル「サターニャさんを道連れにする事です❤」ニコリ

サターニャ「……………えっ!?」

ラフィエル「やはり墓友で、私の初めての、それも私一人だけの友達であるサターニャさんも一緒に逝かないと満足して、成仏なんて出来ませんよ♪」ニコニコ

サターニャ「な、何…怖い事を平気で笑顔でサラッと言ってるのよ、アンタは!?」ビクビク

ラフィエル「あぁ、大丈夫ですよ。あの世に逝けば私とサターニャさんの仲を邪魔する者もおりませんし、ずぅ~と仲良しでいられますよ?」ニコリ

サターニャ「ひ、ヒィィィーーー!?」ガタガタ

ラフィエル「さぁ、逝きましょう?」スッ

サターニャ「い、いやぁーーーっ、こっちに来るなぁーーーっ!!?」サアァーーー

ラフィエル「うふふっ、逃がしませんよ?」ズイズイッ、スッ

ガシッ

ラフィエル「うふふふっ、捕まえましたよ、サターニャさん❤」ニヤニヤ

サターニャ「ヒイイイィィィィィーーーーーーーーーーーッ!!?」

ラフィエル「あの世に逝ってもずぅ~と一緒に、仲良しでいましょうね」ニヤリ

サターニャ「や、やめ………」ブルブル


ラフィエル「だって……私たち」

サターニャ「………」ガタガタ


ラフィエル「墓友ですから……ね❤」ニコリ

サターニャ「イヤ…………」


サターニャ「イヤアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

~それから数日後~

ガヴィーネ「「…………」」←目を瞑り、拝んでいる

………………………………………

ヴィーネ「はぁ~、それにしてもまさかサターニャが…うぅ……」ポロポロ

ガヴリール「仕方ないよ、ヴィーネ。人は誰しも、死を迎えるものさ。それが例え若くてもな…。」

ヴィーネ「でも、実感がないわよ。だって、あんなに元気だったサターニャが、突然!?」

ガヴリール「うん。正直、私もだ。数日前、急に連絡が取れなくなって、ヴィーネと二人でサターニャの部屋を訪ねたら……あいつ部屋の中で死んでたしな!」

ヴィーネ「それにしても、死因はショック死……今思えば、どうなったらショック死するのよ、何もないあの部屋で、あの状況で…。」

ガヴリール「病院の話だと何か怖い悪夢を見たショックでの死亡かもしれないって話だし。ましてや、警察は事件性なしって判断したしなぁ。」

ヴィーネ「はぁ~、サターニャ…アンタ、どうして死んだのよ……。」ポロポロ

ガヴリール「泣くな、ヴィーネ。ほら、ハンカチだ、拭け」スッ

ヴィーネ「ありがとう、ガヴ…。」

……………………………

ガヴリール「それにしてももう一つ、不思議だよな」

ヴィーネ「なにが?」

ガヴリール「いや、共同墓地の事だよ。あいつ、確か一度購入したけど、色々あって解約したって聞いたはずなのに、死後に遺言書が見つかって、内容が「一度解約した共同墓地をもう一度買い直し、そこに自分を埋葬して供養してほしい」だったから、正直驚いたし、気になったんだよ」

ヴィーネ「あっ、そういえば、そうね! 解約したのを、もう一度買い直せって言うのが変よね? それになんで購入したのを、後になって解約した理由も明かさなかったし…ガヴの言う通り頭に引っ掛かる事ね」

ガヴリール「まっ、あいつが死んだ今、真相は永遠に分からないしな。でも、共同墓地って言っても大勢じゃなくて、二人だけってのも珍しいな?」

ヴィーネ「あぁ、サターニャを埋葬した共同墓地の事ね。確か、私とガヴが購入したのは、もっと大勢だったわよね!」

ガヴリール「あっ、もしかして、サターニャよりも先に埋葬されていた別人が、二人っきりだけの方が良いから他の奴は埋葬されるなって、意味の呪いでも掛けたりしてな?」

ヴィーネ「もぅ、ガヴ、怖い事言わないでよ!?」

ガヴリール「あはは、ごめんごめん」

ヴィーネ「でも、サターニャよりも先に埋葬された人ってどんな人だったのかな?」

ガヴリール「さぁな、私らに関係のある人物だから分からない。だけど、共同墓地を購入したって事はそうとう友達もいないような寂しい奴じゃないかな?」

ガヴリール「まっ、そういう奴でも後から購入したサターニャのような存在の墓友が出来て、今頃草葉の陰で喜んでるんじゃねぇか!」

ヴィーネ「……そうかもしれないわね。」

ガヴリール「まっ、いずれにしろ…今はサターニャが安らかに眠れる事を願うしかないな」

ヴィーネ「そうね。サターニャ、あの世でどう過ごしてるのかしらね? もしかして、新しい友達とかと過ごしてるのかな…。」

共同墓地の墓誌『白羽=ラフィエル=エインズワース、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル』


以上になります。

正直な所、設定がガヴリール達が天使や悪魔ではなく人間であるという他、サターニャとまち子が隣人同士やラフィエルのオリジナル設定、後キャラの口調が違うなど、色々と詰め込みました。

ある意味、ガヴリールドロップアウトとはかけ離れたSSになりましたが、最後まで見て下さった方は、ありがとうございます。

では、またノシ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom