ゴルゴ13「用件を聞こうか……」コナン「毛利小五郎を狙撃してくれ!」 (29)

東京都米花町 ――ジャパン――



コナン(きちんとコンタクトは取れたはずだけど……)

ゴルゴ13「江戸川コナンか……?」

コナン「……いつの間に!」

コナン「って、依頼者がこんな子供だってのに、全く驚かないんだな」

ゴルゴ13「依頼者の年齢が幾つだろうと、俺とは関わりのないことだ……」

コナン(なるほど……噂以上のプロフェッショナルみてーだな)

ゴルゴ13「用件を聞こうか……」

コナン「毛利のおっちゃん……いや毛利小五郎を狙撃してくれ!」

ゴルゴ13「…………」

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【 PART1 なぜ毛利小五郎を? 】



数時間前……

事件現場――

コナン(よし、事件の犯人が分かったぞ!)

コナン(いつも通り、おっちゃんを眠らせて、と……)パシュッ

コナン「……あ」

コナン(しまった! 外れて針がどこか行っちまった!)

コナン「くっそぉ~……だったら、おっちゃんの頭に何かぶつけるしか……」

コナン(だけどおっちゃん、こないだの事件で犯人に頭殴られてたし……)

コナン(今のおっちゃんに気絶させる勢いで物をぶつけたら、致命傷になっちまうかも……)

コナン(あ~……どうすりゃいいんだ!)ワシャワシャ

コナン(あ、そうだ! 博士に予備の針をもらえばいいじゃん!)

阿笠「すまんが、今予備はないんじゃ。家を大掃除して、処分してしまってな」

コナン「マジかよ……!」

コナン「じゃあ今すぐ作ってくれよ! おっちゃんを眠らせなきゃやべえんだ!」

阿笠「すぐ作れるもんでもないし、最低でも半日は……」

コナン「それじゃ間に合わねえ! おっちゃんが冤罪を生んじまう!」

阿笠「う~む、だったらこんなものもあるぞ?」

コナン「なんだ、この銃?」

阿笠「腕時計型麻酔銃ならぬ、ライフル型麻酔銃じゃ!」ジャキッ

コナン「おいおい……おっちゃんが死んじまうよ!」

阿笠「なぁに、見た目はこんなで射程は長いが、殺傷力は腕時計型麻酔銃と似たようなもんじゃ」

コナン「だけど、こんなもん現場に持ち込めねえよ! 目立ちすぎる!」

阿笠「ちなみに銃声は本物の銃と同じ音じゃぞ。すごいじゃろ?」

コナン「なおさら悪ぃよ!」

コナン(今の状況じゃ、おっちゃんを眠らせるには、このライフル型麻酔銃を使うしかないよな……)

コナン(しかし、警官でひしめいてる殺人現場にこんなもん持ち込めないし……)

コナン(それどころか、今現場近くには別件で海外の要人が来てて、本物の銃声なんかしたら大騒ぎになる!)

コナン(最低でも、事件現場から2000メートルは離れたところから狙撃しないと……)

コナン(だけど、俺にそんな狙撃の腕はねえ! どうすれば……!)

コナン「!」ハッ

阿笠「どうした?」

コナン「そういえば、こないだ父さんから聞いた……」

コナン「今、東京に超A級のスナイパーがいるって……」

阿笠「ま、まさか……」

コナン「そいつとコンタクトを取れれば、もしかしたら……! いや、取るしかねえ!」

【 PART2 名探偵と“G” 】



コナン「……ってわけだ。だから、この銃で毛利小五郎を狙撃して欲しい」

ゴルゴ13「依頼に至るまでの事情は分かった……が、なぜお前自身が推理を披露しない?」

ゴルゴ13「そうすれば、話は早いはずだ……」

コナン「今の俺には目立てない事情があんだよ……」

ゴルゴ13「…………」

ゴルゴ13「“高校生が子供になった”……そんなSFを信用しろ、と?」

コナン「だけど事実なんだ! 信じてもらうしかねえ!」

コナン「子供からの依頼、こっちが用意した銃を使う、依頼の背景にあるのはSFみてーな話……」

コナン「あんたからしたら問題だらけの依頼かもしれねえけど……」

コナン「あんたに引き受けてもらわなきゃ、あの事件は解決できねえ!」

コナン「頼むっ! 引き受けてくれっ!」

コナン「もし、俺にウソや裏切りがあったら、俺を殺してくれてかまわねえ!」

ゴルゴ13「…………」

ゴルゴ13「お前のいう“黒ずくめの組織”は、俺も知っている」

ゴルゴ13「あの組織の規模や所有する設備を考えれば、そんな薬品を製造していても不思議はない……」

コナン「!」

コナン(奴らのことも知ってるのか……さすがの情報網だ……)

ゴルゴ13「だが、俺は身分を隠している人間の依頼を受けることはない……」

ゴルゴ13「江戸川コナン、お前の“本名”を教えてもらおう……」

コナン「!」

コナン「工藤新一……探偵さ」

ゴルゴ13「……工藤優作の息子か」

コナン「な……!? どうして……!?」

ゴルゴ13「米花町で“工藤”、さらにお前の聡明さを考慮すれば、すぐ答えは出てくる……」

ゴルゴ13「それに、インターポールとも交流を持つといわれる工藤優作ならば」

ゴルゴ13「俺へのコンタクト方法を知っていても不思議はない……」

コナン(こいつ……すげえ推理力だ! その気になれば、探偵にだってなれそうだ……)

ゴルゴ13「お前の話にウソはないようだな……」

コナン「ってことは……」

ゴルゴ13「分かった……やってみよう……」

コナン「おおっ!」

ゴルゴ13「スイス銀行の口座に、現金(キャッシュ)が振り込まれ次第、行動に移る……」

コナン「ありがとう……ゴル、いやデューク・東郷!」



コナン「もしもし、父さんか!? 悪いんだけど今すぐある口座に――」

【 PART3 狙撃 】



コナン(さて、事件はどうなってるかな……)



小五郎「そう、犯人はあなたしかいないんですよ!」ビシッ

女「違う! 私じゃないわ!」



コナン(やっぱり! おっちゃん、その人は犯人じゃねえ!)

目暮「さぁ、観念したまえ!」

小五郎「フン……取調室で全て吐いちまうんだな……」

女「い、いや! やめて! 私はやってない! 殺してない!」



コナン(ゴルゴ13……早くしてくれ! あの女の人が逮捕されちまう!)

ズキュゥゥゥゥン……


ビシッ!


小五郎「!?」

小五郎「ふにゃ……ほにゃ……はにゃ……」ドサッ…

コナン(やった!)

目暮「毛利君! ついにいつものが来たのかね!?」

コナン(よーし、あとは俺がおっちゃんの声で事件を解決するだけだ!)カリカリ…

小五郎『ええ、冗談はここまでにしておきましょう……』

目暮「さ、来るんだ」

犯人「ちくしょう……!」



コナン(ふぅ、なんとか事件解決だ)

コナン(だけどよりによって国際的犯罪者に頼っちまうなんて、俺もまだまだ探偵として未熟だな……)

コナン(だが、ゴルゴ13……父さんがいってた以上にすげえ男だった……)

コナン(いつかまた、出会う日があるかもしれねえな……)

【 PART4 そして男は町を去る 】



ゴルゴ13「…………」シュボッ

ゴルゴ13「…………」フゥ…

ゴルゴ13(江戸川コナン……工藤新一……)

ゴルゴ13(見た目は子供、頭脳は大人、というやつか……)

ブロロロロロ…







― END ―

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