真・恋姫無双【凡将伝Re】3 (311)

 時は二世紀末、漢王朝の時代。
 四世三公の名家たる袁家に代々仕えし武家である紀家に生まれた一人の男児。
 諱(いみな)を霊、真名を二郎というこの男は様々な出会いや経験を重ねていく中で、やがて世を席巻していく。
 しかし、彼には誰にも言えない一つの秘密があった。
 彼の頭の中には、異なる世界における未来で生きてきた前世の記憶が納められていたのだ――。
 これは、三国志っぽいけどなんか微妙に違和感のある世界で英雄豪傑(ただし美少女)に囲まれながら右往左往迷走奔走し、それでも前に進もうとする凡人のお話である。


※リトライとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで
※なろうにても投下しております。こっちで書いて推敲してからなろうに投稿って感じです
※合いの手長文歓迎です


前スレ
真・恋姫無双【凡将伝Re】2 - SSまとめ速報
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【リライト版】真・恋姫無双【凡将伝】 - SSまとめ速報
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「万歳!万歳!万歳!」

どこかから、声が上がる。それを聞いた民衆は口々に唱和する。
酒が入り、当然喧嘩も起こる。それでも、どこからか聞こえる万歳の声。先ほどまで殴り合っていた者同士も肩を組み、万歳を唱和する。
めでたい、めでたい日である。
振る舞い酒は美味いし、そこかしこから聞こえる音楽も鳴り止まない。
この上なくめでたい日である。

「つっても、ほっつき歩いてた風来坊が帰ってきただけなんだけどな」
「身もふたもないですね」

男たちはくつくつと笑い合う。
沮授と張紘。それぞれ官僚と財界のトップの二人は義兄弟でもある。
袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大セレモニーにつなげたのも彼らの辣腕あってのこと。

「しかし、こんなとこで油売ってていいのか?」
「ええ、構いませんよ。郭嘉さんがいますからね」
「確か二郎が拾ってきたんだっけか」
「ええ、そうですよ。全く、どうやったらあんなに優秀な人物を見いだし、登用できるのかと。
 いやはや、二郎君は本当に埒外ですよ。
 本当に、ね」

自身の声望を疎み、わざわざ偽名を名乗って仕えるべき主君を探していたという郭嘉。
新参の身故、暫くは沮授の補佐という立場になろうが、表だって地歩を固める日もそう遠くはないだろう。そう沮授は思う。
実際、日々その存在感は高まっているのだ。

「まあ、おいらも二郎に拾われた身だしな」
「おや、そういえばそうでしたね。何とも懐かしい話です。
 ……張紘君こそお仕事はよろしいので?」

くすり、と微笑み張紘に問う。

「おう、魯粛が帰ってきたからな。かなり助かってる」
「にしても帰参してすぐにとは。人使いが荒くないですか?」
「いいんだよそれくらいで。勘も取り戻してもらわないといけないしな」

それにややきついくらいの負荷をかけないと全力で働かないし、と言って笑う。

「おやおや、これは恐れ入りました」

話は尽きない。互いの立場もあり、こうやって馬鹿話に花を咲かせる機会も減ってしまっている。
が。

「すまん、遅れちった!」

慌ただしく駆け寄るこの青年がいれば問題はないだろう。

「いえ、お気になさらず。今日の主役なのですから」
「そうそう。むしろおいらたちは後日でもよかったんだぞ?」

何せかれらは義兄弟。その絆は永遠。

「いやまあ、ここを最後に思いっきり呑んで騒ぐつもりだったんだけどな。
 次が入っちまってさ、すまん。また今度ゆっくり呑もうや」
「そんなこったろうって思ってたよ」
「本当にお気になさらず。姫君たちを優先してください。
 それより」

沮授が紀霊の杯に酒を注ぐ。

「お、火酒か。ようやく実現したなー」
「おう、李典のお蔭でな」
「それでは」

それぞれに杯を掲げ。

「二郎の帰還を祝って」
「袁家の隆盛に」
「俺たちの絆に」

乾杯。

男たちは杯を干し、笑い合う。
やがて挑む奔流、激流。翻弄されても、彼らの絆が切れることはない。

◆◆◆

さしものの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。
そこかしこで響いていた喧噪も次第に遠ざかっていく。
だが、残滓は確かに残されており、不穏を内包する。

「そこで何をしている!」

鋭い声が闇を引き裂く。
その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男を身ぐるみ剥がしているらしい。
いくら南皮の治安がいいとは言っても限度がある。
既に何度も遭遇している場面とあって声の主――楽進は落ち着き払っている。

「ち、散れ!」

数瞬の逡巡の後に人影の一人が叫ぶ。
その声を受けて各人がばらばらの方向に逃げる。なるほど、追手を撒くにはいい判断だったろう。

ただし。

「心にて、悪しき空間を断つ。
 断空砲!」

相手が悪かった。

不可視の気弾が立て続けに人影を吹き飛ばす。
楽進は表情を変えることなく後続の部下に賊の捕縛、倒れている人物の介抱を命じる。

どうやら泥酔してそのまま寝てしまっているようだ。設営されている簡易宿泊所への搬送を指示し、再び巡邏を開始する。
彼女は昼間からほぼ休みなしで活動しているが、その体躯に漲る気力はいよいよ充実している。
何しろ今日は彼女の想い人――ようやく最近気持ちに折り合いをつけたらしい――が南皮に帰還しためでたい日なのだから。

もっとも、ちらり、としかその姿を見ることは出来なかったが。いや、むしろ職務中にその姿を目にできたことは幸運であったのだろう。
白を基調とした紀家の正装を身にまとい、雷薄以下の紀家軍の最精鋭を背に従えるその姿の凛々しさよ。

随分歩いたろうか。払暁は近く、街に人の影も目立ち始める。
多くは流民。
まき散らされたごみや吐瀉物、あるいは落ちている人間など。有象無象を片付けていく。
微妙に増えつつある流民の雇用は最近の袁家……さらには母流龍九商会の懸案事項の一つである。
そういう意味では今回の式典は一時的ではあるが効果はあったのであろう。

軽く頭を振って楽進はそんな思いを振り切る。自分が考えるようなことではない。
目の前の職務を尽くすことこそ肝要なのだ。

「もうひと頑張りだ!」

付き従う部下に声をかけ、巡邏を続ける。
きっとそれが自分を拾ってくれたあの青年に報いることになるのだから。

本日ここまですー

どんどこいきますzせ

感想とかくだしあー

いかんコテ外れとるから設定せねば

ほんとにリトライになっていたとは……
私のお気に入りキャラはまだまだ出ないので楽しみにしながら大人しく読者続けますww
これからも無理せず頑張ってくださいませー

>>8
お休みいただいたおかげで書くのが本当に楽しいです

あっちに連日投稿の時はもう苦行状態でしたww

いや、覚悟の上ではあったのですが、辛いものは辛いねんと

「うわあ、まだあるのか……」

戦場では怖いものなしの馬超がぐったりとする。
それは彼女の知らなかった戦場。知りたくなかった戦場。
求められるのは膂力などではない。

「そりゃあ、あるわよ。
 涼州全部の決済書類だもの。
 並べたらば、その上で練兵でもできるんじゃないかしら?」

うへえ、という馬超の声に目もくれずに目の前の書類を仕分けている賈駆は手元の湯呑み――どっかの凡人から贈られたものである――を手に取り、冷め切った茶を口にする。

「いや、そりゃそうか。そうだよなあ。
 凄いな、父上はこんなに大変なことをされてたのか……」

「そうよ。それが州牧の務めだもの。
 というかね、邪魔しにきたのか手伝いにきたのかはっきりしてほしいんだけども」

その声の尖りにさしもの馬超がたじろぐ。

「まあ、興味を持つだけでも大きな進歩じゃないかなってたんぽぽ思うのー」

「それを進歩と言ってしまうところが問題だとボクは思うけどね」

助け船を出したのは馬岱である。彼女はちょくちょく顔を出して賈駆の手伝いをしていたので、軽口をたたいても許される。許された。

「うう、だって邪魔だって言ったのは詠じゃないか」
「だって邪魔だもの。本当に邪魔だもの。
 翠がボクの手助けになるとすればね、今すぐにここから立ち去ることよ」
「そりゃないだろう!
 何か手伝えることがないかって思ったのに!」
「あれば言ってるわよ。
 というかね、翠のできることを考える時間だって惜しいのよ。分かる?
 分からない?分かってくれたら助かるんだけど」
「な、なんだとう!
 それじゃ私が役立たずみたいじゃないか!」

そう言ってるんだけどな、と開いた賈駆の口に押し込まれる饅頭。

「む、ぐ!」

抗議の声を馬岱が遮る。

「はいはい、ちょっと一休みだね。ほら、お姉様もこれ食べて?
 間食としてどうかなって」

差し出された饅頭を馬超も手に取る。

「ほう、甘い。美味いな」

「でしょ?結構日持ちもするんだって。
 書類仕事に疲れた時にはいいかなって」

殺伐とした空気を散らして馬岱は伸びをひとつ。
彼女も別に書類仕事が好きというわけではないのだ。

「にしてもお姉様、詠姉様に任せたって言ってたのにどうしたの?」

「い、いや、あのだな。
 流石に任せっきりはよくないかなーとか思ったり」
「ああ、叔父様に聞かれても分からないもんねー。
 別にいいと思うけどなー。
 苦手だから詠姉様に任せっきりだって……痛い!」

ごちん、と鈍い音が響き賈駆が眉をひそめる。

「ちょっと、翠!
 視察にしても手伝うにしても、本格的に邪魔になってきているわよ?」
「あ、いや。
 そんなつもりはなかったんだ。
 すまない」

「謝る相手も内容も違うと思うけどね。
 いいから遠乗りでも行ってきなさいな。
 馬騰殿には翠が内勤にも興味を持ったとでも報告しとくから」

しっしとばかりに手を振る賈駆に馬超は頷く。

「う、うん。わかった。
 ちょうど黒毛の若駒がいい具合でさ。ちょっといってくる!」

いい笑顔で去った馬超に賈駆は苦笑する。

「詠姉様、ごめんなさいね?」
「たんぽぽが謝ることじゃない……こともないか。
 大変ね、ほんと」
「そうでもないよ?」

笑う馬岱に賈駆はやれやれ、と首を振る。

「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのほんとだしね」

涼州の利権から董家に便宜を図っているのは確かであるし、それを隠そうともしていない。
もっとも、それを認識しているのは目の前の馬岱だけであろうが。

「まあ、詠姉様がいてくれて本当によかったものね。
 ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州はたち行かなかったもの」
「へえ、それが分かるなら……」
「あー、たんぽぽには無理ですー。分かるのとできるのとは違いまーす」
「へえ?」
「やりたいこと、できること。やらなきゃならないことって全然違うしー。
 たんぽぽはできることを精一杯頑張るだけでーす」
「へえ。言うじゃない」
「まあ、これ二郎様の受け売りなんだけどね?」
「へ?」

にしし、と馬岱はほくそ笑む。

「二郎様がね、言ってたの。
 愛しの、二郎様がねー」
「だ、誰が愛しのか!」
「えー?たんぽぽのが一方的に懸想してるだけなんだけどなー。
 なんで詠姉様が怒るのかなー不思議だなー」
「ああもう!
 そんなとこまで、あいつに似なくていいのにもう!」
「惚れた弱みってやつかな?」
「どういうことよ、もう」

にひひ、と笑う馬岱につられて賈駆も苦笑する。

「ま、あいつはどうしようもないからね、おすすめはしないわよ?」
「えー?そうかなー?
 たんぽぽわかんなーい」
「いや、だからね、あいつはね……」

彼のことを語るときに緩む口元。
それを自覚してないのだなあ、と馬岱は思うのであった。

本日ここまですー

感想とかくだしあー

翠と詠ちゃんの涼州立て直し……だよね?

みんなちゃんと動いてくれるのを確認できたしありがとうございますー。

乙でしたーありがとうございます
>>11
>>その声の尖りにさしもの馬超がたじろぐ。 ほんのちょっぴり違和感
○その声の尖りにさしもの馬超もたじろぐ。 たしかこれが正しかったような
>>12
>>「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのほんとだしね」   なんとなくしっくりこないような(重箱の隅カン
○「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのもほんとだしね」  もしくは【取り仕切っているのは】かな?
>> ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州はたち行かなかったもの」  これは読みづらい気がします
○ ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州は立ち行かなかったもの」  そういえばこれ調べても【たちいく】なのか【たちゆく】なのかいまいちはっきりしないんですよね

て、適材適所、適材適所だからwこの遠慮のない感じ。イイネ!
ところで董家から来てるのは詠ちゃん一人だけ?それとも見えないところで家臣団(モブ)が書類に埋もれて溺死してるのかしら

>>14
どもです。

いつもご指摘ありがとうございますー

>て、適材適所、適材適所だからw
そりゃもう適材適所ですとも

>この遠慮のない感じ。イイネ!
やる気満々の詠ちゃんですもの。そりゃ全力ですよ。
董家のことはよく知っているから予算も一番有効に活用できますし!

>ところで董家から来てるのは詠ちゃん一人だけ?それとも見えないところで家臣団(モブ)が書類に埋もれて溺死してるのかしら
さてと考えましたが詠ちゃん一人ですな
そらもう、書類時空では無双状態ですよ

書いてて思ったのは、詠ちゃんと翠って相性実はいいなあと
あれこれ口やかましく翠に言って、それをたんぽぽが宥めて、でもきちんと詠ちゃんは翠の能力は評価していて

主をきちんと客観視なり酷使できる関係になっていきそうな気がしますね
うむ、馬騰さんの目は確かであったことよ^^

さて、最近南皮で流行っている戯詩がある。

「怨将軍に過ぎたるもの二つあり、趙の子龍に三尖刀。
 いや、星ちゃん、大人気ですねえ」

くふふ、と笑う程立を趙雲は苦い顔で見やる。

「おや~、不敵で無敵な星ちゃんがそんな顔をするなんて。
これはいいものが見れましたね~」
「むう。
風はそうは言うがな。自らのあずかり知らぬところで声望が高まるというのは、こう。
 何というか、そのな。非常に不本意で、な」

事実である。
趙雲の声望は日に日に高まる一方ではあるが、そこに彼女はほとんど関与していなかった。

「旅中の二郎さんを襲う盗賊の集団。道連れの風たちを庇いながらでは多勢に無勢……。
 その時颯爽と駆けつけた武芸者とは……!
 いや、臨場感に溢れてますねえ。まるで見てきたようなお話です~」
「まるっきり立場が逆ではないか……っ!」

楽しそうな程立の声に趙雲は頭を抱える。

「二郎さんはその武芸者の武勇に感嘆し、仕官を持ちかけます。
 『今はその気はない』と袖にされますがさらに言い募る二郎さん。
 ついには自らの俸禄の半分という破格の待遇で迎え入れたのでした~。
 いや、あの時の丁々発止のやり取りを見ていた身としては感慨深いものがありますね~」

ぴらり、と取り出した絵姿では紀霊と趙雲が肩を並べて賊と相対している。

「くふふ、英雄への最短距離まっしぐらですね~」
「う、嬉しくない……」
「きっと二郎さんも、そのはずなのですよ~」
「む?」

聞けば紀霊の逸話。そのほとんどは捏造や創作であるらしい。
……もっとも描かれないだけで似たようなことをしているのだろうと程立は確信しているが。それはそれとして。

「造られた英雄、という奴なのですよ~。
 まあ、虚像に実像が追い付いていないから大変だというのがご本人の弁ですが」
「ふむ……」

趙雲は考え込む。

「求められる人物を演じるのもお勤めだそうで、いやはや、難儀なことですね~。
 その点、星ちゃんなら大丈夫じゃないですか?」

にんまりとした程立に趙雲は苦笑し。

「まあ、ここは乗せられておこうか。そうだな。もとより私の望んだことだ。
 演じきって見せようではないか」
「そですね!星ちゃんの勇気が二郎さんを救うと信じて!」

何だかんだで息の合った二人である。
南皮は今日も平和であった。

◆◆◆

「むむ、二郎は遅いのう……」
「じ、二郎さま、お忙しいですから……」
「にしてもちょっと遅すぎだよねー。シャオ、がっかりー」

彼女らが陣取るのは紀霊の寝台の上。所狭しとばかりに菓子を乗せた皿と蜂蜜水をはじめとした飲み物をたたえた杯が並んでいる。
女子会ならぬ幼女会とでも言うべきであろうか。むしろパジャマパーティ?彼女らは機会を見つけては紀霊の部屋でお泊り会を実施していた。
特に害もないのでもはや紀霊の部屋は彼女らの集会場となっていた。ちなみに文醜あたりが乱入したりもすることもある。

「しかし田豊め、今日はちと厳し過ぎと思うのじゃ……」
「だよねー。二郎が帰ってきたんだからもっと早く解放してくれてもいいのにさー」

ぶうぶうと全身で不満を漏らす。
彼女らの学ぶメイン教師は田豊。「不敗」と二つ名を持つ匈奴大戦の英雄の一人である。
まあ、紀霊や袁紹とかがその詳細を聞けば抗議をするくらいに丸く、穏やかな授業になってはいるのだが。
ちなみに典韋は授業内容についていけていないので出席率は壊滅的である。
……紀家軍の訓練やらもあるので致し方ないのではあるが。
代わりに典韋には袁術と孫尚香が教師役として教鞭を振るっている。

「でもでも!お二人のおかげでわたし、名前を書けるようになりましたし、二郎さまからのお手紙をなんとなく読むこともできるようになりました!」

だから、一生懸命に謝意を伝える。

「うむ、流琉は真面目じゃからの!無論わらわの指導が素晴らしいからじゃがの!」
「シャオだって流琉にはいっぱい教えてるもんね!」

無論、袁術と孫尚香にメリットがないわけではない。
教えることは学ぶこととはよく言ったもので、典韋が理解に苦しむ箇所は彼女らにとっても上手く説明できないことも多い。
幸いにして彼女らは狷介なプライドとは程遠くあり、その、典韋の差し出す初歩的ながらも本質的な課題に全力で取り組む。
解を得られればよし。なければ?
彼女らの周りには英傑が揃っているのだ。一言、呪文を唱えればいいのだ。
「教えて」、と。

「ま、わらわはまだまだシャオには負けんからの?」
「むー、ぜったい追いついてやるんだから!」

田豊の課す試験的なものの成績ではやはり最高級の教育を受けてきた袁術が二歩も三歩もリードしている。
が、孫尚香は。孫家の三の姫は。その血筋を遺憾なく開花、顕現しつつあり、袁術に猛追しているのである。
それがまた袁術の危機感に火を付け、この上なく理想的なスパイラルを形成しているのだ。

きゃいきゃいとはしゃぐ幼女たち。
待ち望む青年がいなくても彼女らは盛り上がり、話は尽きない。
好きな食べ物、見かけた可愛い猫。虹や月食の不可思議さ。それにおどろおどろしい怪談の類い。

彼女らが待ち望む青年が現れた時には、寝台で安らかな寝息を立てていた。

「うお、なんじゃこら!」

そんな叫びを認識することもなく、安らかに夜は更けていくのだった。

「いや、どうすんのよこれ」

下弦の月の美しい夜のことであった。

本日ここまですー

感想とかくだしあー

乙っしたー
相変わらずのキャッキャウフフ
もっとあってもいいのよ
おじさんの汚れきった心を浄化してくれてます

タイトル案「風と雲と3美姫の子猫」
「凡人、幼女の寝込みを襲う」
「凡人、幼女と同衾する」

乙でしたー
>>16
>>演じきって見せようではないか」  間違いではないですが
○演じきって魅せようではないか」  漢字にするならこちらの方が私の好み、もしくは【演じきってみせよう】普通にひらがなかな
>>17
>>蜂蜜水をはじめとした飲み物をたたえた杯が並んでいる。  意味を分かり易くするためにも
○蜂蜜水をはじめとした飲み物を湛えた杯が並んでいる。   漢字にするかもしくは【飲み物を満たした杯】の方がいいと思います
>>むしろパジャマパーティ? ・・・し、寝衣会?
○むしろ夜更かし友の会?  むーりー、ピンとこない・・・いっそ【夜更かし…明日のお昼寝は確定事項である】とか入れてみるか?
>>彼女らの学ぶメイン教師は田豊。   何とか日本語に
○彼女らの学ぶ教師は基本的には田豊。 ちなみにサブ教師は沮授?麹義さんは今頃俯瞰者さん時空でイチャイチャして…前線から離れてるからこそ後人育成に精出してそう
>>無論、袁術と孫尚香にメリットがないわけではない。  これは分かりやすい
○無論、袁術と孫尚香に利点がないわけではない。    最初に【李典】って出て自分でクスッとしてしまった
>>幸いにして彼女らは狷介なプライドとは程遠くあり、 【誇り】と言うと違和感がありますので
○幸いにして彼女らは狷介な自尊心とは程遠くあり、  でどうでしょう
>>袁術が二歩も三歩もリードしている。  でも直感的な物が絡む内容だとたまに負けてそう
○袁術が二歩も三歩も先んじている。   もしくは【先を行っている】とかでもいいかな?
>>この上なく理想的なスパイラルを形成しているのだ。  スパイラルと言うかシーソーゲーム的と言うかライバル関係と言うか…全部カタカナじゃねえか!!
○この上なく理想的な形で切磋琢磨しているのだ。    【理想的な敵対関係】とかも考えましたが別に敵対はしてないし…理想的な【共栄関係】、【競争関係】あたりかなあ?

造られた英雄像からすればまだ【過ぎたるもの】と言うほどじゃないよね>>趙雲。実際?まあそれを言うなら劉備にはもったいないし
過ぎたるって言うなら親友二人の方がよっぽどなんだよなあ…引き上げた張紘はともかく沮授とかは・・・なお農徳新書作者の肩書
三尖刀は先代がものすごかったからね、やったことが万武不当だから仕方ないね
寝ながらおやつとジュースを飲む幼女たち…我慢できずに寝落ち…地図…アッ(察し

>>19
どもです。

>もっとあってもいいのよ
よし、増量だ(見切り発車)

>おじさんの汚れきった心を浄化してくれてます
浄化と言えばシーラ・ラパーナ様

タイトル案、ありがとうございますー
参考にさせていただきますが、風評被害すぎるわw

>>20
赤ペン先生いつもありがとうございますー
早い!

>最初に【李典】って出て自分でクスッとしてしまった
一ノ瀬のPCもそう変換してくるんや……w

>でも直感的な物が絡む内容だとたまに負けてそう
勘働きはそりゃあ孫家のお家芸ですものねぇ

>造られた英雄像からすればまだ【過ぎたるもの】と言うほどじゃないよね
下駄をどんどこ履かせている最中ですね

>過ぎたるって言うなら親友二人の方がよっぽどなんだよなあ…引き上げた張紘はともかく沮授とかは
まあ、その二人は部下ではないということでひとつ

>なお農徳新書作者
内政チートもの……に分類されるのでしょうか

>三尖刀は先代がものすごかったからね
先代に比べて当代は……w

>寝ながらおやつとジュースを飲む幼女たち…我慢できずに寝落ち…地図…アッ(察し
触れてあげない優しさが二郎ちゃんにはあります多分


立てば害獣 座れば地雷 歩く姿は疫病神(ぱくり)

いつか使いたい言葉メモでした

立てば炸薬座ればボカン歩く姿は武器の鞘?(難聴感

>>23
語源に響きが近い。お見事!

こういうの、才能だよなあ(妬み)

赤ペン先生であったか……

>そもそも才能の持ち主はこういうオマージュ()と同じくらいにオリジナルが上手い物なのです
なるほどなあと思いながら、頑張らないといかんなあという思いを新たにしたりしなかったりです

様々、考えながらふらふらしとります

>やっぱり主人公と敵は同じタイプか真逆のタイプだとストーリーが作りやすいらしい
相克があるとやはりわかりやすいですからねえ
似たもの同士の同族嫌悪よりもやりやすいだろうなあとは思います

今日はやるぞいっと

如南。
袁術が太守に任じられ、その名代として袁胤が統治している地である。
その土地は袁家の統治により急速に治安を回復させ、発展しつつあった。

「袁胤様におかれましては、ご機嫌麗しく」
「ふむ、苦しゅうない」

四世三公。
輝かしいばかりの袁家の血筋。その中でも血筋で言えばトップクラスである袁胤は張勲の慇懃な礼を無造作に受け取る。

「ああ、張勲。いや、うちとしたことが間違えましたな。そこな女郎。ちょっとばかし調子乗っとんちゃうか?
 張家の当主とか、ちゃんちゃらおかしいわ。
 袁家に使い潰される道具ならそれらしく這いつくばっといたらよろしいねん」

玲瓏たる声。
それを張勲に浴びせるのは許攸。袁胤の腹心である。
その能力は疑いなく、将来袁家を背負うであろうと目される逸材である。

「これ、張勲は我らとその理想を同じくする間柄でおじゃる。
 麻呂に免じてこの場は治めるがよい」
「は。あい分かりましてございます。
 張家当主はん?えろうすんまへんかったな?」

にこり。
張勲は視線を許攸から、ゆっくりと袁胤に移す。

「それはご無礼を。
 ご指摘の通り、張家当主となったとは言え若輩の身。よろしくご指導ご鞭撻いただければ幸いです」

張勲の声に袁胤はほ、ほ、と笑みを漏らす。

「よい。麻呂は寛大じゃからの。そちの忠誠、期待しておるぞ?」
「はい。ご期待くださいませ」

あくまでにこやかで穏やかな張勲に許攸は舌打ちを一つ漏らす。
重ねるように咳払いを一つ。そして袁胤は再び口を開く。

「それはそれとしてじゃ、麻呂達はこれで不安定な身よ。
 流されているにも等しいでおじゃる。
 この状況はいつまで続くのかの?」

実際今のままでは袁胤は詰んでいる。袁家の中でも非主流派をまとめ上げてはいたのだが、手勢諸共如南に押し込められている。
このまま飼い殺し、或いは誅滅という可能性もないではない。
それでも田豊、麹義といった文武の要が袁紹を支持している中、非主流派をまとめ上げていた袁胤と許攸の手腕は特筆すべきものである。
そして今、田豊が引退し、その後釜に収まったのは沮授。能力はともかく若輩であり、付け込む隙はあろう。何より田豊を相手にするよりは易かろう。
欲を言えば麹義にも退場願いたいのだが。

「流石に田豊はんと麹義はん双方に喧嘩売るほど無謀やないですしなあ。
 せやけど、四家の当主も代替わりして威は低下しとる。
 筆頭たる文家は脳筋もええとこ、顔家は洛陽にあって影響力は低下しとる。
 紀家なんて上げ底もええとこやし、張家に至っては。はは、お飾りや」

じろ、と張勲を一瞥する。抑えるつもりもないのであろう。その視線には侮蔑の色合いが濃くにじみ出ていた。

「んー、如南に流されて鬱憤溜まってるのは分かりますけどー。
 南皮にいるより色々と動きやすかったんじゃないですか?
 悪いことばっかりじゃなかったはずなんですけどねー」

その視線に困惑めいたものを浮かべながらも張勲は話を進める。

「好機であるというのには同意です。未だ袁紹の新体制は盤石とは言えません。
 そのために袁胤様たちを如南に追いやり、足元を固めているわけですから。
 なのでそろそろ動いちゃった方がいいかと思います」

張勲の声に袁胤は深く頷く。

「そうでおじゃるな。機は熟せり。いよいよ、かの。
 まずは美羽を確保するのが前提でおじゃるが、そこはどうするのじゃ?」
「はいー。美羽様もそろそろ一度は如南を視察した方がいいということで、こちらに向かう計画は出ています。
 それをきっかけに動くことを想定していますね」
「なら邪魔な紀霊が帰ってくる前に動いた方がよかったんちゃうんか?」
「いえ、それは得策じゃないですね。美羽様が如南に囚われていると知れば、手段を選ばないでしょう」

くすり、と笑う張勲を許攸は睨みつける。

「やったらなんやっちゅうねん。あの単細胞に何ができるかいや。
 ここ如南は袁家の領域やない。軍を派遣するなぞできひんし」
「あの人ならやりかねませんけどね……。まあそれは置きましょう。
 きっと袁家最高戦力を動員するでしょうね。ことによったら外部から手を借りるかもしれません。
 袁家からはそうですね。文醜、顔良、趙雲、典韋。手の内にある孫家からは黄蓋、周泰、ことによったら孫策に甘寧。
 交流のある曹操からは夏候惇、夏侯淵。もしかしたらたら馬超や馬岱。ひょっとしたら馬騰すら参戦しかねませんよ?
 ああ、董卓配下の張遼に……呂布すら来るかもしれませんね。
 二十に足りない一行ですが、いや、正直考えるだけでおしっこ漏れそうですね?」

二十名足らずの一行の動きを規制や把握なんてできませんからね、と張勲は笑う。
そして挙げた人名への反応で相手の認識を引き出し、満足する。まあ、こんなものかと。

「まあ、ええやろ。紀霊の恐ろしさはその交友範囲やっちゅうことやな。
 やからおびき寄せて誅滅すると。それはええわ。実際どう始末するかやけども。
 此方からは五千までは出せる。後は賊の仕業にでもするんか?」
「妥当ですね。最悪暗殺ということになりますけど」

張勲の言葉に許攸は首をかしげる。

「そないに簡単にいくんかいな?」
「ええ。眠らない人、物を食べない人はいませんから。
 そのために私は身体を重ねているようなものですし」

くすり。
その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。
辛うじて売女め、とつぶやき平静を保つ。


「ふむ、邪魔者の紀霊を排除したらどうするのでおじゃるか?
 賊の仕業にしても暗殺するにしても張家は責められよう」

袁胤の指摘はもっともである。どちらの方策で紀霊を排除するにしても諜報を司る張家の権威の失墜は免れない。

「その責は私が取ります。
 張家当主は弟の張?に。
 私は美羽様の慰撫に努め、表舞台には立ち戻りません」

ふむ、と袁胤は頷く。
そして紀霊亡きあとの絵図を示させる。

「如南は数年にて荊州へ或いは益州へ入ります。
 言っても如南は袁家の治める三州に近いので。
 その手の及ばないであろう土地に州牧として参ります」
「ちょい待ちぃ。そないなこと、上手くいくんかいな?」

州牧の地位などそのように軽く手に入るものではない。許攸の疑問はもっともである。

「大丈夫でしょう。美羽様が荊州牧になることまでは既に何進大将軍からも認可を得てますからね。
 むしろ反対勢力なんてないのでは?」
「……なるほどな。十常侍も賛成に回るっちゅうことかいな。
 何進からしたら筋書き通り。十常侍からしても大きくなり過ぎた袁家が割れるのは歓迎。
 せやな?
 荊州ならば袁紹が兵を発しても孫家を。あの戦闘集団を盾にしたらええ」

にこり、とほほ笑む張勲に袁胤は破顔する。

「ほ、ほ!
なるほどの。確かに確かに。十常侍が袁家を敵視するのはその隆盛が故。
 故に麻呂が袁家を割るのは歓迎されるのう。
 何進としても、十常侍を排除した後は袁家が疎ましくなろうて。
 ふむ、見事じゃ」
「はい。袁紹はともかく、袁胤様と敵対する理由は何進、十常侍ともにありませんし」
「よく分かっておるの。そういうことよ。隆盛極まれば排除されるのみよ。
 栄えるのはよいのでおじゃる。じゃが、紀霊はやり過ぎたのでおじゃるよ。
 手を組んでいる何進とて十常侍が亡びれば次は袁家でおじゃろう。
 その程度のことも分からんから紀霊は阿呆なのでおじゃる」

中庸、というものを考えろと袁胤はぼやく。

「よい、詳細は許攸と詰めよ」

優雅な所作で袁胤は室を去る。

「ほんなら、まあよろしゅう頼むで、お飾りの張家当主はん?」
「はい、張家当主としてお会いするのはごく短い間になりそうですね。 
 よろしくお願いしますね」

嗤う許攸とほほえむ張勲。

二人の様子を袁胤は満足げに見守るのであった。


◆◆◆

「さてさて、そろそろ南皮に帰りますか。
 ああ、美羽様お元気かなあ。きちんとご飯食べてるかなあ。
 蜂蜜水ばっかり飲んでないかなあ。
 田豊様に苛められてないかなあ。
 涙目な美羽様も可愛いけどなあ」

くすくす、と張勲は主君の愛らしい顔を想像して頬を緩ませる。

「姉上、よろしいか」
「はいはーい、なんですか張?くん?」

音もなく、いつの間にか姿を現していた張?。彼の長身に驚いた風もなく応える。

「は、鼠がいますが、いかがしましょうか」
「あら、これは気づきませんでしたね。流石は張?くん。すっかり穏行系についても置いてかれましたかね」

特に気にした風もなく張勲は微笑みながら思いを巡らす。

「どこの手の者かは分かりますか?」
「は、おそらく袁胤殿……いや、許攸殿の手の者かと」
「なるほどですね。まあ、信用されていないのは知ってましたが……。
 南皮にでも向かわせればいいのに、足を引っ張り合ってどうしようというのでしょうね」

くすくす、と可笑しげに笑う。

「やはり刺激せぬよう、泳がせたままでよろしいか」
「いえ、処分しちゃってください」
「……よろしいので?」

ただでさえ微妙な関係なのだ。こちらから仕掛けるのはまずかろうとこれまでも見逃してきた張?である。

「構いませんよ?ただし条件が一つ」

ぴ、と指を一つ立てて厳かに命じる。

「一人たりとも逃がさぬように、です」

ぞく、と背筋にうすら寒いものを感じながら張?は首肯する。

「承りました。では、行きます」
「あら、張?くん自ら行くの?」
「ええ、此度は私一人で十分です」

す、とその場から張?は姿を消す。

「まあ、張?くんなら間違いはないか。よ、殺人鬼!こわいぞー」

くすり、と笑いを漏らす。
こちらに送り込むというからには精鋭のはずである。
それが許攸の手の者ならよし。他勢力であってもまあ、問題はない。

情報源を張家以外にも持とうとするのはごく自然な思考ではあるが、放置してよいこともない。
張家当主たる自分を探らせるのであればおそらく一流の細作であろう。
が、張?にかかっては一山いくらの有象無象にすぎないはずだ。

「あまり侮られても困りますし、ね」

さて、それは誰に対しての言葉か。
くすり。
いつも通りに笑みを浮かべて彼女は歩き出す。
絡み合う糸を紡ぐ彼女こそは絡新婦。
袁家の闇を担う張家の最高傑作である。
天下すらその手に転がすことさえ可能な、規格外の化け物である。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案はなー

「女郎蜘蛛の理:如南にて」

ううむ。今ひとつなのでお知恵をよこせください

乙です。
やはりここの張勲はいい…暗い笑みがこっちにまで移りそうだぜ

タイトル案はパッと見罠か裏切りかまだ分からない内容を、蜘蛛の縦糸と横糸の性質の違いにかけて
「如南の蜘蛛糸は縦か横か」
なんて投げておきます

乙でしたー
>>29
>>その中でも血筋で言えばトップクラスである袁胤 そもそも作中に出てる袁家で存命が確認できるのは3人しかいない気もするけど
○その中でも血筋で言えば最上位である袁胤    それはそれとして日本語訳・・・あるいは【最高峰】とか?
>>麻呂に免じてこの場は治めるがよい」  これは()を入れるとこの場は(矛を)おさめるがよい・・・ちなみに第3者(この場合は袁胤とか)の場合は治めるかも
○麻呂に免じてこの場は納めるがよい」 実際に剣を出してるわけではないですが(強いて言えば舌鋒?)納刀するイメージでこちらですね、あるいは納得
×麻呂に免じてこの場は収めるがよい」 ちなみにこれだと収集を付けることになりますが自分から噛みついた人がすることではないので違いますね
>>30
>>もしかしたらたら馬超や馬岱。 彼女の場合違和感はありませんが
○もしかしたら馬超や馬岱。   一応【たら】が一回多いですね
>>その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。 流石のって言うほど胆力あるように見えない不具合・・・袁胤が息を飲んだら【流石の】って感じだけど
○その笑みの凄味に流石に許攸も息をのむ。 流石に(調子に乗って軽く見ていた)許攸も~と言うならこうですね
>>32
>>彼の長身に驚いた風もなく応える。  これだと【彼の体の大きさに驚いた風も無く】っぽく読めるので
○彼の影に驚いた風もなく応える。   人影とかの感じで【突然現れたこと】に驚かないならこんな感じでどうでしょう
>>足を引っ張り合ってどうしようというのでしょうね」  細かい事ですが張勲は(まだ)袁胤陣営の足は引っ張ってないですし仮に引っ張っててもそれを認めないし口にもしないんじゃないかな
○足を引っ張ったりしてどうしようというのでしょうね」 だって引っ張り合いだと【どうしようというのでしょうね】がブーメランですから

ふむふむ、この二人はなんだかんだで汝南を発展させるほどの内政手腕の持ち主と、能力は疑うことなく将来の袁家を背負うほど。か
その前提で読むと許攸の行動もどこまでが素でどこまでがワザとなのか・・・少なくとも許攸の舌打ち→袁胤の咳払いは胡散臭いな
あとは侮蔑の色をにじませてる視線も無駄が多いし・・・いくつかは袁胤の指示が混じってるんだろうな、
ここまで敵意むき出しならそりゃ張ゴウ君もネズミの飼い主は許攸だと思うわ、多分事実許攸だろうし・・・袁胤がどこまで分かってるかは分からんなあ
ここまで一応とはいえ仲間の超勲に敵意むき出しの許攸、しかも最初の方で袁胤から窘められても変わらない・・・こーれーはー

やる気が出ているのは皆様のコメントのおかげ。
これははっきりしております。ありがとうございますー

>>34

>やはりここの張勲はいい…暗い笑みがこっちにまで移りそうだぜ
作中最強格キャラですからね。
その格を感じられるように頑張りまし

>「如南の蜘蛛糸は縦か横か」
いい……

もらうかもです

>>35
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。 
なるほど、確かにですね

>ふむふむ、この二人はなんだかんだで汝南を発展させるほどの内政手腕の持ち主と、能力は疑うことなく将来の袁家を背負うほど。か
旧作より強化されております。

>その前提で読むと許攸の行動もどこまでが素でどこまでがワザとなのか・・・少なくとも許攸の舌打ち→袁胤の咳払いは胡散臭いな
鋭いです。
そこについては駆け引きがあるということですね。読み取って頂きましてありがとうございますー
ネタバレになりますが、こっから盛り上げていくところもあるのかなとか

>ここまで一応とはいえ仲間の超勲に敵意むき出しの許攸、しかも最初の方で袁胤から窘められても変わらない・・・こーれーはー
マウンティングというっやつかな……
だって落ち目ですものね、彼ら

というのを読み取れるようにせんといかんであろうというのと、もやもやしてもらったほうがいいのかなあとかなんとか思いながらつづくー


洛陽。400年にわたりその命脈を保っている漢王朝の首都である。
その中心の禁裏こそはこの中華の中心。魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。
現在その主たる皇帝は病篤く、実権は大将軍たる何進が握っている。
「肉屋の倅」と蔑まれているがその手腕は確かであり、現在漢王朝を実質的に支えているのは彼とその一派である。
彼を敵視する十常侍すら手出しできないだけの権勢。そしてそれは時が進むにつれ確固たるものとなっていく。
そして今上帝の皇后は何進の妹であり、その嫡子は次期皇帝の最右翼である。
もっとも、その嫡子である劉弁の評判は必ずしも芳しくはない。

惰弱、優柔不断、怠惰。

対して対立候補である劉協の明敏さは知れ渡っている。
董皇太后が自ら教鞭を振るったとも言われており、心ある士大夫は劉協を支持している。
厄介なことに十常侍も劉協を支持しており、後継争いは混迷している。
で、あるから清流派とも呼ばれる士大夫の一派はどちらに与することもせず静観している。

何進の勝ちは見えてはいても、庶人と侮った男におもねることは彼らのプライドが邪魔をし、むしろ劉協を支持することを理由に十常侍に与する者も少なくなかったのである。
それが一変したのはやはり袁家の影響力であろう。
四世三公という名門の血統、抱える武力、名声。
それが何進と組んだのである。
元々目端の利く士大夫は何進の有利は予見していた。が、プライドが邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。
それが、あの名門の袁家が膝をついたのだ。
雪崩をうつように膨れ上がる勢力に何進は笑いが止まらない。
だが、と華雄は思うのだ。

「何か言いたげだな?」

それを見透かしたように何進は問いかけてくる。
自らの抱える疑問を上手く言葉にできるであろうか。そんなことを思いながらも華雄は口を開く。

「は。いささか疑問があります。
 今上帝の後継たるは劉弁皇子と劉協皇子。しかるに、その素質を比べると、その……」

流石の華雄が言葉を濁す。
想えば目の前の男の甥にあたるのだ、劉弁は。

「く、ハ。何を言うかと思えば。くだらん」

ばっさりと切り捨てるその言葉に華雄は首をかしげる。

「劉協が小利口であるというのは知っている。
 が、それがどうした。
 皇位を継ぐのは我が甥劉弁だ。それはもう決まっている」

にやり、と獰猛な笑みを見せる何進。

「む。だが……」
「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。
 それはいい」

華雄は流石に言葉を喪う。

「あれが自分の判断すらできん愚物であるのは確かだ。
 俺がそう作り上げたから、な」

ニヤリ、と笑う何進の凄味。
華雄は戦慄する。絶句する。
そして、その言葉の意味を理解し、自失。

そして激昂。ほとばしる激情。

「な、何とおっしゃるか!漢朝を背負う方を愚物に仕立てたと、そう、おっしゃるか!」

その声に何進はそれでも応えるのだ。
静かに。笑みをたたえて。

「ああ、そうだよ。その通りさ」


何進が漏らした言葉。それに華雄は激昂する。
その様子に何進は笑みを深める。

「だからお前は阿呆なのさ」

ククク、と笑いながら、どこか興に入ったのだろう。声を上げて笑う。
愉快そうに、楽しそうに。

「む、貴方はそうやっていつだって私を馬鹿にして!」

漏れる声には悲痛さすら漂う。

「はは、よくもまあ、恥を晒すな。
貴様はそれでいいのさ。それでいいのだよ」

何進のその言。それは彼女を軽んじるものだが、その表情はそうではなかった。

 「俺はこの漢朝を立て直す。それは旧態依然な士大夫には無理なのさ。
だから反発もあるだろう。
 だから権力が必要なのさ。
 だから俺は劉弁を愚物にしたのさ。
 ……あれで可愛い甥だ。排除したくはないからな。
 そして、あいつはあれで弁えているぞ?
 あれを愚物、と言う奴こそ哀れさ。
 あれはあれで俺の甥だ。いざとなれば。いや、これは俺の言うべきことじゃあないだろうな」

いつになく上機嫌な何進に、華雄の戸惑いは深まる。

「劉協は確かに傑物かもしらんな。だが、まだ未完の器よ。それに惹かれるのもいいさ。
 が、あまりに潔白だ。そしてあまりに露骨だ。
 ああ、それはいい。いいんだ」

何進はニヤニヤとしたその笑みを深める。

 「ただ、俺を敵としてしまった。これはいかん。いかん。
 これは流石に致命的だったな」

肉食獣の笑み。
捕食者の笑み。

「どうせ劉協には未来はない。
 どうせなら俺が引導を渡してやるのが慈悲というものさ」
「む?」
「カハ、劉協は有能さ。英傑たる素質もある。
 だがな、誰がそれを望む?
 万が一に俺を謀殺して権力を手にするとしよう。
 ならば次は十常侍と争うだろうさ。 
 あの坊やは有能すぎるからな。あれはいかん。直に十常侍と食い合うだろうさ」

ククク、と愉快そうに笑う。

「十常侍に勝ったとして誰が付いてくる?
は、誰もいないさ。
 いっそ哀れというものさ。きっと理想に囚われて溺死するだろうな。
 漢朝、この中華を道連れに、な」

かか、と高らかに笑う。

「だから劉弁は愚鈍でいいんだよ。何事も自分で決められず、右往左往し、俺に裁可の是非を問う。
 それでいいんだよ」

例え自分が退場しても、その特異性故に最後まで生き残るであろう。
漢王朝の権威を継承するために。

「クク、俺らしくもねえ。
 淀んで、腐って、無能の極み。
 時代の流れを分からん士大夫などには世を任せられるかよ。
 クハ、笑わせるな……!」

高らかに笑い、気炎を吐く。

「は!は!
 もうすぐ、もうすぐだ。もうすぐ俺の思うように世は動くさ。
 ようやく、ようやくだ……」

気炎万丈とはこのこと。さしもの華雄も、以降口を挟むことはできなかった。


本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名はなんだろなあ

洛陽の汚泥
汚泥
栄華

うむ。いつも通りいまいちやで

深刻に絶望なので、いくつでも案くだしあ

乙です
何進さんまじ悪のカリスマ
そして劉協くんは才はあっても機と人がないのだなぁ、まあ有能で潔癖な君主が活きる機なんてほぼないのだけれど

タイトル案は
『洛陽の裏に何が嗤うか』
とでも投げておきます
『何』の字を『なに』と読むか『か』と読むかはご自由に、ということで

乙でしたー
>>37
>>その中心の禁裏こそはこの中華の中心。魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。  前の話と後の話が繋がってるので
○その中心の禁裏こそはこの中華の中心、魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。  の方がいいと思います、あるいは【…】とか【---】でつなぐとか?
>>庶人と侮った男におもねることは彼らのプライドが邪魔をし、 誇りって言うほど綺麗なもんでもねえよなあ
○庶人と侮った男におもねることは彼らの自尊心が邪魔をし、  でどうでしょう
>>が、プライドが邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。  同上で
○が、自尊心が邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。   直訳すると【傲慢さ】だっけか
>>流石の華雄が言葉を濁す。  こいつってそんなに空気読めないっけ・・・読めないな!(原作をちら見しつつ)
○流石の華雄も言葉を濁す。  ()を入れると流石(歯に衣着せぬことで有名な)の華雄も みたいな?【流石の~】は普通ならしない(できない)ことをする(できる)ので【流石の○○も】が一般的ですね
例えば【流石の呂布もひとたまりもない。】とか【流石の孔明も策に嵌まった。】とか【流石のガンジーも助走付けてぶん殴る。】とかなんかそんな感じで
>>想えば目の前の男の甥にあたるのだ、 思想とか…ちょっと説明しづらいですが《主観的に心が揺れ動く場合》に使うのが【想う】な感じですね【あなたを想って夜も眠れません】みたいな
○思えば目の前の男の甥にあたるのだ、 思考・・・要は【考えてみれば】と言い換えられそうな場合はこちらですね
>>「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。  それはいい」  ~だから。それはいい。 だと違和感が
○「劉弁にはろくな噂はないだろうがな。  それはいい」   悪いところはあるが、それは(どうでも)いい というならこう
○「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。  それでいい」  ろくでなしだからこそ、それで(俺にとっては都合が)いい と言うならこんな感じですね
>>38
>>そして激昂。ほとばしる激情。 ~それに華雄は激昂する。  なんとなくですが近い所で2回もすると軽くなるというか華雄が単なる癇癪持ちっぽくなるので
○そして激発。ほとばしる激情。 ~それに華雄は激昂する。 まあ適当に、とりあえず別の言葉に言い換えてみるあとは【激憤】、【激怒】、【爆発】でも文章から読み取れるかな

でも史実だと劉弁って董卓によって隠居!からの突然の死!なんだよなあ・・・ついでいうとこの頃の劉協君はまだ一桁才のはず…それで多少の才気が有ってもなあ
そもそも誰が教育するのか、教育係を任命するのかを考えると…何進OR十常侍(の息のかかった人)あっ(察し 不可避よね
多分無能な怠け者と無能な働き者の兄弟だったんじゃないかなあ・・・董卓の強硬な凶行を見るに下手したら有能な怠け者の可能性すらあるで劉弁
ここで史実董卓さんにクエスチョン;何進が十常侍に殺され、その十常侍を粛清して実権を握った状態で何故無能な兄をわざわざ隠居させて有能な弟を頭に据えたんですか?(配点;特になし)
まあココは恋姫世界だからね、ふわっとふわっと・・・ただ劉協有能説は胡散臭いのよね、多分何進への反発から劉弁sageして劉協ageしてただけじゃないかなあ
だって有能って言ったって具体的に何ができるのよ?ってね。詩、算数、乗馬?それ皇帝に必要な能力なんですかねえ

>>41
どもです。

>何進さんまじ悪のカリスマ
正直何進さんは凡将伝の差別化ポイントでもあるのだなあと思ったりしました。
いや、当初そんなつもりなかったですけどね。
おおむね好評で嬉しい限りす

>劉協くんは才はあっても機と人がないのだなぁ
中々難しい立場ではあるのですがね。ままならんものです。

>>42
赤ペン先生いつもありがとうございますー
早い!

>誇りって言うほど綺麗なもんでもねえよなあ
自尊心、なるほど!

>【流石のガンジーも助走付けてぶん殴る。】
これ私の癖ですというか、こういうネタ仕込んでるの、好きですw

>劉弁って董卓によって隠居!からの突然の死!
これはもう間違いなく魔王董卓ですわw

>董卓の強硬な凶行を見るに下手したら有能な怠け者の可能性すらあるで劉弁
>強硬な凶行

>ここで史実董卓さんにクエスチョン;何進が十常侍に殺され、その十常侍を粛清して実権を握った状態で何故無能な兄をわざわざ隠居させて有能な弟を頭に据えたんですか?(配点;特になし)
これはほんとうに謎ですね。色々と面白い仮説とかありそうです

>・ただ劉協有能説は胡散臭いのよね、多分何進への反発から劉弁sageして劉協ageしてただけじゃないかなあ
結果論ですが、禅譲した皇帝が無能じゃまずいのじゃないかなあという忖度感

ちくせうだめだかけねー(挨拶
>>1や今回のクrもといドラ何進さんみたいにかっこよく量産できればいいのに
玉璽なくても何進さんのカリスマがビリビリ感じられました

つーことでテンション上げるために聴いてた曲から連想してみたラフなぞでお茶を濁しておきまする
いちおー描いてはいるのよ?的な意味で(汗
ttps://www.axfc.net/u/3913378 (ヒント:曹操の真名アルファベット5文字)

最後の手前あたりでエラーになる・・・サイトがメンテ中?まあ夜にでももう一回やってみよう

>強硬な凶行 ・・・一ノ瀬さんのドS!!私の心は深く傷つきました(目薬)特に謝罪はいらないので惇ネエと次郎と猪々子辺りでお互いの治めてる町案内を書いてください(ワンブレス)

>>44
み、見れません

何回かトライしたけどあかんかったやで

>>45
>一ノ瀬さんのドS!
えひゃひゃ

>惇ネエと次郎と猪々子辺りでお互いの治めてる町案内を書いてください(ワンブレス)
これ、二郎ちゃん以外は政治に興味ない人らやん!
まあ、治安の方でワンチャンあるかな?

つまりデートかな?

だって隠れ家的なお店とか馴染みの酒屋とかリーズナブルなのに詳しそうじゃん
なんとなくあの二人が揃ったら飲み勝負とかしそうなイメージ

>>47
ああ、三人で行くのですね
それは普通に楽しい旅番組ができそうっすね

アド街になるか、夕焼け酒場になるか……
あんまり変わらないか

鯖の調子が悪いようです
別所にうpしてみて大丈夫だったのでお手数ですがこちらでどうぞ

>>49
見れました!保存しました!
ありがてえ、ありがてぇ……

これはりりしい華琳様。これには姉者もうっとりやで!
なお二郎ちゃんはそっとその場を離れる模様

だってこの後ニヤリとしながら無茶ぶりされるに決まってるやん……

ん?でもはおーにしては胸部装甲がご立派な気も……w

見られてよかったです
絵師さんそれぞれではあるのですが、おっきく描くと(特に正面からの場合)、
上半身の骨格と筋肉を(胸で見えなくなるので)あんまり考えなくてよくなるので楽だったりします
今回のは素材として使うときに映らなくなる想定だったのであんまり考えずに標準サイズで描いてしまいましたww

二郎さんの食糧増産体制が間に合った結果こうなったってことでも可ww
戦国で絵柄変わった上に装甲がほとんど軒並み低下してるので正直消化しきれてない私

>>52
ほんまありがとうございますー

>上半身の骨格と筋肉を(胸で見えなくなるので)あんまり考えなくてよくなる
はえー。すっごい。
そんなとこまで考えてるのだなあと感心しきりですだよ

>二郎さんの食糧増産体制が間に合った結果こうなったってことでも可w

でも幼少時より麗羽様のご立派なものを日常的に見てたらコンプレックスにはなってそう

絵柄の変化ですか。
すごいなあ。文体の変化とかあまり意識してないという意識低い系ですがお見捨てなきようオナシャス

そのはっそうはなかった

ただの床上手(テクニシャン)ではなかったのか……w

定食までいけたからいいかな(艦これ)
米がめっちゃ余ってるんだけどどうしたらいいのこれ

「だからね、沙和は言ってやったの、『お嬢ちゃんたちにはちょっと早いんじゃないかなー』って」
「せやなあ、いくら背伸びしたいお年頃やからってちょーっと。ちょっとばかしおませさん過ぎやわな。
 つ、艶本はなあ。流石にあかんやろ。
あ、お姉ちゃん、こっちにお酒と料理追加なー」
「ま、真桜。少しは遠慮というものをだな」
「ええやんええやん。お大尽様のありがたい。ありがたーいお下知があったんやし、遠慮なくご馳走にならな失礼にあたるって」

はい、女という字を三つ重ねれば姦しくなるというわけで。
最近影の薄い二郎です。
でもね、それでいいのだ。美少女たちにたかられるくらいでいいのだ。
なので一言。

「ああ、遠慮せんでいいからね。俺がお邪魔してる立場だしな」
「流石二郎はん!太っ腹!男前!」

いや、せっかくのご飯なら一人で食うより美少女たちと食う方が楽しいしね!

「でも、相変わらずなの。
ふらふらしてて羨ましい身分なのー」
「わはは、妬ましかろう、羨ましかろう」
「開き直るにもほどがあると思うのー」

わいのわいのと賑やかな会話。それをさりげなくリードするのは沙和である。
会話をしながらも料理を取り分けたり、空いた杯に酒を注いだりと気遣いのも欠かさない。こういう存在って結構貴重なのよね。
そういや、近頃はファッションリーダーとしてもその地位を高めつつある。
最近は麗羽様をコーディネイトしたりもしているらしい。今度、どう褒めたらいいかとか相談しようかとも思っている。

「しかし今更だけどよかったの?三人で休み合わせてのお昼だったのに」

偶然街で出会ってごらんの有様かつ、ごらんのスポンサーなわけである。

「ええねんええねん。二郎はんとも久しぶりやしなー。
 さぞかし旅先でも相当はっちゃけてきたんやろ?そこらへんも聞いといて損はあらへんし」
「そうなのー。二郎さまの土産話は皆興味津々なのー」
「二人とも、不躾すぎだろう!」

凪がかばってくれるのだが、さて。

「や、別に隠すことは……」

別に、ないよな?何かオープンになって困ることってあったっけか?

「なんや後ろ暗いことあるんかいな?」
「いや、隠した方がいいことあったかなあと。正直よく分からん」
「なんやそれ」

呆れてますね。うん。俺も自分でどうかと思う。

「や、ほら、結構色々あったし、割と皆に手紙で近況報告とかしてたからさ。
 誰に何を知られてるとか正直よくわからん」
「……それ、威張ることじゃないと思うのー」

ぐうの音も出ない正論である。これには俺も苦笑い。

「せやけどうちは近況報告の便りとかもらってへんで?
 あれせい、あんなん造ってみろ。
みたいな思いつき全開な書き付けしかもらってへんで」
「沙和はそもそも一通も貰ってないの……」

そうだっけか。

「おや~?凪、どしたん?顔が、赤いで?」
「な、なんでもない!」
「これは怪しいのー。きっと二郎さんからのお手紙を結構な頻度でもらっていたに違いないのー」

あー、こん中じゃ凪に一番出していた……気がする。

「ぐ……。いや、その……。あ、二郎様、お返事も出せませんで申し訳ありませんでした!」
「いや、返事は流石に無理だろうさ」

俺の方は旅の空であったからして。
なんで凪テンパってんの?

「ふぅ……。ご馳走様、なの」
「ほんまやわー。もうお腹いっぱいやわー」
「あらま、もういいの?もっとガンガン食っていいのよ?」

え、何で呆れたような目線が来るの?
溜息とか、どしたの?幸せが逃げるぞ?

「凪ちゃん、応援してるの……」
「難敵やな。ここは一服盛るしかないんちゃうんかなあ」

何かぶつぶつ言ってるし、凪は顔赤いままだし。
どういうことなの……。

◆◆◆

ある晴れた昼下がりのことである。市場へと続く道。
常ならば徒歩か騎馬にて向かう公孫賛は馬車の揺れに身を任せていた。

「お、落ち着かないなあ……」

もぞ、と幾度目か座りなおす。上質の敷物で振動は吸収されており、常のものとは違った快適な乗り心地なのだが、それすらも文字通り尻が落ち着かない要因であるらしい。
手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着か投げにきょろきょろとする。

「な、なあ、韓浩」

無言で書類を渡してくる腹心――ただし借り物だが――に声をかける。
声をかけられた相手は無言で続きを促すという器用なことをする。このあたりの呼吸はもう阿吽と言っていい。

「やっぱり私にこういう大仰なのは合わないから、さ。外出てもいいかな?」

淡々と韓浩はその問いに応える。

「少しはわきまえてほしい。政務は最近滞りがち。魯粛が帰還したからそれはいい。正直公孫賛殿の手際。その進歩は賞賛していいと思う。
 だが、市場の視察、民の慰撫を強く望んだのは貴女。それはいい。が、この段階での実施には制限が付くのは当然。
 こうして移動時間を政務に宛てるべきと愚考する」
「ま、まあそうだよ、なあ……」

がっくり、と肩を落としながらも書類に目を通す様子は生真面目そのもの。ここらの態度の違いは実に興味深いな、などと韓浩は内心で思ったりしているのだが無論そのような素振りは全く見せない。

「移動にしても、もう少し威儀について考慮すべき。貴女は余りにも気安い」

続いて出る苦言に公孫賛は苦笑する。
が、彼女はそれを尊いものとする。だってこの、目の前の鉄面皮で遠慮の欠片もない少女――無論韓浩のことである――は本来他人に興味など示さない。言われたことを淡々とこなすだけの存在だったのだ。
それが今では自主的に苦言をくれるまでに自分を気遣ってくれる。苦言を呈される度に緩む頬を引き締めるのが大変なほどだ。
亀裂を生まないであろうじゃれ合いだと思っているのは自分だけだろうか。

「そうは言ってもさ、こう、書類を見てばっかりじゃあ民の顔も見れないじゃないか」
「必要ない。民が満足しているかどうかは犯罪の件数、納税の進捗(しんちょく)を見ればいい。数字は嘘をつかない」
「ふふ、相変わらずだな」

不思議そうな韓浩に口元が緩む。そして、彼女が口にしたことを茶化すつもりも否定する気もないが、いささか極端だとも思うのだ。
だからまあ、自分みたいな甘ちゃん、為政者初級者にはちょうどいいのであろう。
それがいいか悪いかを判断する材料すら公孫賛は持ち合わせてはいない。が、施政に破綻の兆しすら見えない現状を鑑みればこの無愛想な腹心の言は尊重すべきであろう。

「……貴女はいずれ州牧になる。もう少し自らの威、権威について真剣に吟味すべき」

ちらりと視線は公孫賛の剣に。

「んー、韓浩が言うのはこの剣か?まあ、確かに普通の剣だよ。それこそうちじゃ兵士が使ってるような、ね。
 でも、私はこれでいいと思ってる。実用一辺倒で装飾の欠片もない剣だけど、だからこそ、さ。
私はこれを持ちたいと思ってる」

笑うその顔には普段の彼女が求めても得られないであろう威厳すら漂って。

「……了解した。そこまでの覚悟であれば私から言うことは何もない」
「うん、すまない。苦労をかける」
「認識しているのであれば改善を願いたい」
「すまん!無理だ!」

呵呵大笑。

これはこれで一つの在り方であるのかな、と韓浩は思う。
思えば自分も少々毒されたのかもしれない。

不思議なことにその認識は不快ではなかった。

微かに、ほんの微かに韓浩は唇の両端を吊り上げる。無意識に。
それは世間一般的には「笑顔」と言える表情である。が、それを観測する存在はその場にない。

「韓浩の笑顔」

黒い白鳥と並んで、この世にないもの、と例えられる言葉である。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案
「凡人と三人娘」
「笑顔」
「遠くにありて思うもの」

うむ。いつもどおりいまいちなので絶賛募集でございおまする

新スレ立て乙です。
さらっと一気読みしましたが、前兆というか裏話というかそんな感じですか。

>中庸、というものを考えろと袁胤はぼやく。
もっと言ってやって、袁胤様。極端な守りはそれで困るが、これからの二郎さんは中枢に立つ身。もうちょっとだけ成長して欲しい。
で、袁胤様。いつでもこちらにお越しください。貴方みたいな老獪な政治家は必要なんです(直球)
許攸さんは多分張勲さんの胡散臭いのに気づいたのか。駒はたまったものではないが、探り(殲滅含む)を入れるのは当然でしょう。
張勲さんも対策としての殲滅を弟に指示しているし、こっちも防衛上合理的な思考です。

後ねぇ、彼女か娘か知らんが典韋ちゃんの教育、二郎さんが責任もって手配しなさい。つうか本人が教えた方が早い。二郎、やれ(珍しく命令形)
何進さんは姦雄感が出てきましたな。ただ、同じ国を私するにしても単に後継にさせようとする何進さんとゼニを食い散らかし無責任な十常侍。
害悪の大きさは後者だと思いますがね。

戯詩にしても趙雲さんを「過ぎたる物」と皮肉られるのは完全に二郎さんが英雄として認められていないのか。興味あり。

>欲を言えば麹義にも退場願いたいのだが。
結婚引退以外は認めないですよ。要は中枢からいなくなればオケでしょ?命云々なら全力で邪魔するっす。

タイトルは流石に浮かばないですね。
では。

乙でしたー 祭りも終わった・・・準備を手伝ってくれる人がここ数年本当に少ない
>>57
>>空いた杯に酒を注いだりと気遣いのも欠かさない。 【気遣いの心も】の可能性もあるけど
○空いた杯に酒を注いだりと気遣いも欠かさない。  でいいのかな?
>>59
>>手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着か投げにきょろきょろとする。 どんな投げ方だろう(棒)
○手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着かなげにきょろきょろとする。 と言うか打ってみたら落ち着かと投げで分かれるんですね
>>こうして移動時間を政務に宛てるべきと愚考する」 【宛先】とか言うし意味としてはちょっと違うっポイ?
○こうして移動時間を政務に充てるべきと愚考する」 【充填する】とか【補充する】とか言うしこちらの方がいいと思います

実利の剣によって立つ権威・・・白馬の騎馬と言い前線指揮官としては十分なカリスマ持ちのはずよね。一国を修める器かと言うと違う気もするけど
姦し三人娘との憩いの一時・・・と言うか彼女達との二郎ちゃんの距離が分かりますな。まあプライベートでも護衛とかしてそうな子以外は基本仕事関係でしか会わないし于禁は仕事で話すことも少なそうだしなあ

>>61
どもです。早速ありがとうございますー。

>さらっと一気読みしましたが、前兆というか裏話というかそんな感じですか。
そんな感じでございます。二郎ちゃん知らないお話ですので、というのが重要でもございます。

>これからの二郎さんは中枢に立つ身。もうちょっとだけ成長して欲しい。
ご声援ありがとうございます。もっとできるやろ的なご声援は実にありがたいところです。

>で、袁胤様。いつでもこちらにお越しください。貴方みたいな老獪な政治家は必要なんです(直球)
顔は出してもいいかもしれないですw でもまだフリー素材にはならないです。

>許攸さんは多分張勲さんの胡散臭いのに気づいたのか
マウント取りに行ってるのが大きいですね。なにせ張家ってブラックボックスですから。
主導権というのは本当に大事です。苦しいところですが許攸さんも頑張っています。

>張勲さんも対策としての殲滅を弟に指示しているし、こっちも防衛上合理的な思考です。
握手しながら、テーブルの下で蹴り合う。実に妥当な関係だと思っております。

>彼女か娘か知らんが典韋ちゃんの教育、二郎さんが責任もって手配しなさい。つうか本人が教えた方が早い。
これは本当にその通りです。
これはある意味二郎ちゃんの限界かもなのですが、悪来典韋補正と過去のしがらみと本人の希望を加味して、自分が隠居するタイミングでお店の一軒でも任せようくらいのぼんやりしたビジョンなのですね。
おこちゃま扱いなのです。まだまだ守るべき対象で、頼るべき相手とは思っていないのですね。

>何進さんは姦雄感が出てきましたな。
ただの肉屋が一国を差配できるはずもございません。というのが本作品です。

>戯詩にしても趙雲さんを「過ぎたる物」と皮肉られるのは完全に二郎さんが英雄として認められていないのか。興味あり。
どっかで加筆します。
ただ、二郎ちゃんは、ここからは声望はいらないと判断しております。地固めができた。と判断したということですね。

>結婚引退以外は認めないですよ。要は中枢からいなくなればオケでしょ?命云々なら全力で邪魔するっす。
ご期待ください。ここからのねーちゃんと二郎ちゃんのやりとりは自信あります。

>>62
赤ペン先生いつもありがとうございますー!やっほい。

>祭りも終わった・・・準備を手伝ってくれる人がここ数年本当に少ない
中々地縁というのは薄れていってますからねえ……
うっとおしいと思う人も増えておりますしね……
手間に対するリターンをいかに提示できるかなのかなあと思いますが基本的には難しいのかなあと思ったり

>白馬の騎馬と言い前線指揮官としては十分なカリスマ持ちのはずよね。一国を修める器かと言うと違う気もするけど
本人にその自覚がないのはどこぞの人と同じですね

>と言うか彼女達との二郎ちゃんの距離が分かりますな。まあプライベートでも護衛とかしてそうな子以外は基本仕事関係でしか会わないし于禁は仕事で話すことも少なそうだしなあ
ありがとうございますー!
ここいらへんの関係を全部描写できないからある程度オート進行ですが、きちんと管理はしております。
そら凪と一番やりとりありますわー

ゆったりと湯船につかって鼻歌で疲れを癒やして明日からも頑張るぞいっと。

「くぅうううううううううううううううううる!」

ギョロ目の男が異国の言葉を口にする。
意味は分からずともそこに込められた賞賛と情熱は疑いようもない。

「波才さん、私たちの舞台、どうだったー?」

張角の問いに波才はその異相に涙すら浮かべている。

「ええ。……ええ、最高でございましたとも……。
 この波才、今日この瞬間に命尽きても悔いなどありません……。
 実に、実にすばらしい舞台でございましたとも……」

ば、とその両手を広げ、祈るように真摯に語る。ゆったりとした衣服に包まれているその腕は意外に筋肉質で、少女達は意外に思う。

「この波才、改めて確信いたしました!その歌舞楽曲は天上の響きに勝り、最早神仙ですら酔うでしょう……。
 嗚呼、感謝を!圧倒的な感謝を!
 惑っておりました!惑いがありましたとも!この矮小な波才めが貴女様たちのような方々と言葉を交わしていいものか……と」

身振り手振りを交えて力説する姿は鬼気迫るものがあり、長女たる張角以外は言葉を発することもできない。

「んー、ありがとー!
 でもね、波才さんのお蔭でとっても助かってるよ?
 それに、一番に私たちの歌を認めてくれたのも波才さんだしさ!」
「おお……この矮小なる存在に過分なるお言葉……。
 この波才に雑事はお申し付けください……。
 まさに貴女達こそは救世(ぐぜ)の乙女。この淀んだ世の闇を、霧を払う聖なるもの。
 ああ、聖なるかな!聖なるかな!
 まことに(AMEN)!まことに(AMEN)!」

波才の熱狂を苦笑一つで受け止める張角も或いは英傑と言うべきであろう。
……もっとも、彼女らを支持する、熱狂する男たちで慣れてしまっていたのかもしれないが。

「ほ、ほあーーーー!」

響くその声は彼女らを呼ぶ声。

「うん、ありがたいね!そう思わない?」
「確かに。ここではお客の集まりも違う」
「でもなんでここまで、なのかな?」

思えば苦難の道程であった。その苦労は三姉妹の全員が心底味わっているものである。
だからこそ不思議でならない。
それぞれに首をかしげる三姉妹。
波才は笑いかける。満面の笑みで。優しく。

「なに、簡単なことですよ……。
 ここは豊かですからね。食うに困らなく、そこそこお金を持っている方が多いのです。
 ですから、ええ、ですから。
 大いに我々は恩恵を受けるべきなのですよ。
 いえ、違いますね。時代が求めているのです。
 おお……。刻すら支配する貴女達には日輪すらひれ伏すでしょう……」

ぐらり、と崩れ落ちる波才の姿に何かおぞましいものを感じながらも、気遣いの言葉が自然に出るほどに彼女らは波才に依存していたのかもしれない。

「は、波才さん、疲れてるのかな?」
「そ、そうだよね!ちぃもこんな時あるし!うん!うん!」

その声にぐるり!と顔を向けて波才はゆらり、と立ち上がる。
そして開いた口から吐かれるは呪い。

「雌伏の時は終わり!伝説が始まる!
 ええ!抑圧されたこれまでは幻想!これからは、未来は貴女達のもの! 
 漢朝の、中華すら貴女達には狭いでしょう。
 ですが、まずは中華に歌声を響き渡らせましょう……!」

高らかに笑う波才。
そして、彼女らはその思うままに伝説へと駆け上ることになるのであった。


本日ここまですー
感想とかくだしあー

地震なんかに負けない!

まじかよ大迫半端ない

乙でしたー
>>64
>>ゆったりとした衣服に包まれているその腕は意外に筋肉質で、少女達は意外に思う。  【意外】が二つあると変な感じがするので
○ゆったりとした衣服に包まれているその腕は筋肉質で、少女達は意外に思う。  もしくは【その腕は意外に筋肉質だな、と少女達は思った。】だと微妙?
○ゆったりとした衣服に包まれているその腕は筋肉質で、少女達は意外と逞しいなと思う。 これでどうでしょう

考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
どん底の生活してればそりゃ元気になる歌(太平要術)に心酔するのは分かるけどそもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う

ところである作品を読んで思ったんだけど袁紹にとっての天敵って公孫賛じゃね?象と蟻とまではいかないけどなんであの戦力差であそこまで粘れるんですかねえ
曹操?部下が裏切って途中で病死して子供たちが争ったうえで片方が助力を求めたりしなけりゃ大丈夫じゃね?

乙です
確か曹操って袁紹と戦うときにメチャクチャビビったんだっけか、それを荀彧があなたは勝てます、その理由はこれこれで~って10個くらいひねり出してたような

乙です。揺れましたな。被災されておられるならお見舞い申し上げます。
こっちは無事っす。

>>67考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
どん底の生活してればそりゃ元気になる歌(太平要術)に心酔するのは分かるけどそもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う

本当の貧困層は多分生きることに全力でそもそも行けないです。行くとしたら現代の底辺と云われる層からワープアすれすれ、ひょっとしたら生活は安定しているが個人的に不満を持っている層も入っているかな?
時間は作ろうと思えば作れますが、この頃なら木戸銭取ってそうだからこれを支払えるか。これが分岐点かも。
地下アイドルが突然変異的にカリスマ性を得てカルトに変質しつつある。という状況か一歩手前ですかねぇ。

>大迫半端ない
いや、世界大会だからそのレベルの技量はデフォで持ってないとダメでしょうwつかやっと全体主義的サッカーから脱却できたかと思っています。
日本の場合、チームワークではなく「監督の操り人形でかつ勝利しかしてはいけない奴隷」な選手の扱いが続いてましたから。
戦術は必要だし勝てるならそれに乗って皆が動くでしょう。が、得点は現場の選手がもぎ取るもので選手の一瞬の判断行動にまで後付け介入が多すぎた。
個人的には選手が日本的呪縛から解放された試合と思いました。
つかもっと思い切りやんなさい。失敗したからって何がどうなるわけでなし。まさか負けたらサッカー協会追放とか選手資格剥奪とかあるの?ありえない。
なら外野は「がんばえー」で十分す。半端ないのをもっと炸裂させて欲しいっす。11人全員が。

セネガル戦はスヤァでした

>>67
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
同じことを一ノ瀬は思いました。
あっちで(俯瞰者さんとこ)ネタバレしてみたいと思います
前にも書いたかもですががが

>そもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う
ほんとこれです

>袁紹にとっての天敵って公孫賛じゃね?象と蟻とまではいかないけどなんであの戦力差であそこまで粘れるんですかねえ
攻めは意外と苦手なのかもです
黒山賊も滅!できてないし……

>曹操?部下が裏切って途中で病死して子供たちが争ったうえで片方が助力を求めたりしなけりゃ大丈夫じゃね?
これ見るとリアル先輩容赦ないですねw
小説より奇なりw

>>68
>確か曹操って袁紹と戦うときにメチャクチャビビったんだっけか
まあ、若いときからの親友?知り合いでその勢力を知り尽くしていたでしょうからねえ
リアリストほどびびるのではないでしょうか

>>69
>こっちは無事っす。
なによりです
こちらも無事です。というか、電車と水道管とガス以外は割と軽傷だったかのではと
大げさな報道も困ったものだなあとか

>本当の貧困層は多分生きることに全力でそもそも行けないです。
食べるのに精一杯のはずですからね

>いや、世界大会だからそのレベルの技量はデフォで持ってないとダメでしょうw
いやいやいや。大迫のキープ力、体幹は大したもんですぜ。ほんと。
プロなってすぐは空中戦不得意でしたが岩政先輩に鍛えられて……
高校時代、お菓子も食べない、夜はすぐねるようなストイックさ。がんばえー。

>個人的には選手が日本的呪縛から解放された試合と思いました。
なるほど。
まあ、監督人事だけは謎で、今でも理解できないのですががが




「久しいわね、二郎」
「うん、俺が陳留行った時ぶりかな」

くすり、と薄く笑むのは華琳こと曹操。三国志の主役の一人である。
今日は、なんでも麗羽様と旧交を温めに来たらしい。後ろで不機嫌そうな顔して立ってるネコミミを随伴として連れて南皮にいらっしゃりやがりました。
んで、麗羽様がお出ましになるまで俺が饗応役を仰せつかったと。うん、逃げたい。……流石に逃げないけどね。

「ふふ、二郎は相変わらずのようね」

なにがや。

「まあいいわ。時を無駄にするのも惜しいわね。
 二郎、貴方が来るまで話し相手をしてくれていた子。程立と言ったわね。
 いいからあの子を私に寄越しなさい」

なんでやねん。
優雅な笑みが途端に猛禽の色を帯びる。この女、肉食系ってレベルじゃねーぞ!
知ってたけど、知ってた以上であった。
しかしなんだ。面倒くさい……。

「そうね、私を相手にしてあの余裕、識見。回りくどいようで洒落た言い回しでね。この私を煙に巻いてくれたのよ。
 欲しいわ。是非、欲しい」

流石は人材コレクターである。目の付け所には賛辞を惜しまないが、手元の珠玉にギラギラされたら、ねえ。

「あーげーまーせーんー」

後ろのネコミミも更に不機嫌に、……っていつも不機嫌そうだから大差ないね。

「あら。これは意外な返答ね。あの子は私に仕えるために生まれてきたような子よ?
 喜んで差し出してくれると思っていたのに」

心から驚いた表情でそんなことを言いやがる。
これ、本気で言ってるだろうから困る。割とマジで。

「どっからその自信湧いてくるのか。
 これが分からない」
「そうね、貰うのが駄目なら預けてみない?私が直々に鍛えてあげるわよ」

華琳お前絶対それ返す気ないだろ。俺でも分かるわ、そのくらい。
移籍金ゼロで超有望な若手をレンタル移籍でなし崩しに強奪とは……きたないさすが華琳きたない。
だから俺の返事は決まり切っているのだ。

「お断りします」

当然の帰結である。

「何よそれ。冷たいわね。私と二郎の仲じゃないの」

どんな仲だ。いやほんと。
……ほんと、ほんとどんな仲だよ。俺が知りたいくらいだよネコミミが誤解するじゃないかやめてよね。

「冗談はさておき、実際人手が足りないのよね。猫の手も借りたいくらいなのよ」

ネコミミの手があるからいいじゃん、とも言えず。

「桂花や秋蘭、春蘭もよくやってはくれてるけど、ね。まだまだ足りないのよね」
「陳留の太守になったんだからさ。そこそこ人材も揃ってきてないの?」

華琳のこったろうから人材を収集していること。それには確信すらしている俺なのだが、あにはからんや。アブラカタブラとはいかんのか。
はあ、と憂いに満ちた顔でため息を漏らす華琳。
関係ないけど、美人は絵になるなあなどと暢気なことを思ってしまった。憂いうれいういうい。

「そりゃね。頭数は揃ってきたわよ。どうなることかと思っていた一時からしたら随分違うわ」

でもね、と華琳は澄んだ目で俺を直視してくる。今日一番のキメ顔ですね。いやあ、美人さんである。

「私が求めているのは、私を補佐し、私を支え。我が分身となれるような人材よ」

うわー。ハードル高っ!まあ、逆に考えよう。風はそこまでの人材だっちゅうことだ。うん、ラッキー!やったぜ。成し遂げたぜ。これはメイン軍師決定ですよ。

実際実りの大きい旅であったのだよな。などと回想モードに入ろうとした俺に華琳が苦笑する。
そして、満面の笑みを浮かべて。

「あら、何を他人事みたいな顔してるのかしら。
 そうね。二郎。貴方が私のものとなれば一気に解決するのでなくて?」
「へ?」

なんですと?

「そうでしょ?貴方が私のものになれば、自然と配下も付いてくるでしょう?」
「や、俺そこまで影響力ないと思うぞ」

過大評価ここに極まれりだ。ぷんぷん。
そういうの、困るのよ実際ね。

「そうかしら?少なくとも義兄弟は動くのではなくって?
 それに陪臣たる程立、趙雲もね……」
「そこまでだ華琳」

手を上げて華琳の言葉を遮る。流石にこれ以上はいかんよ。
壁に耳あり障子に目ありだ。
……華琳のこったろうから分かっててやってるんだろうけどね。そういう普通な感じで袁家を切り崩そうとするの、よくないと思います!
ちょっと、うざいと思います!

「俺個人と袁家への忠誠を秤にかけるような言は流石に困る。
 それに俺だって袁家を支える紀家の当主だ。
俺の肩には紀家軍の皆、そしてその家族の重みがある。
 俺との友誼を多少なりとも感じてくれてるなら、それ以上はいけない」

くすり、とおかしそうに笑う華琳。
いや結構笑いごとじゃないんだけど。それが分からない華琳じゃないと思うんだけど。

「あら、興醒めね。きっと程立なら上手く切り返したと思うのだけども?」
「茶化すなよ」

いや、茶化さんとそりゃ洒落にもならんのだけども。
うん?……何か、部下より劣ってどうするってことか?自分なら風や星や、沮授や張紘、商会のメンバーをもっと上手く使えるってか?
……いや確かにそうなんだろうけどね。でもね。でもさ。
譲れないものもある。

「うん。確かに俺は俺の義兄弟や風みたいに頭よくないし、星や、紀家軍の皆を率いるだけの将器も武才もないのかもしれないさ。
 でも。いや、だからこそ。こんな俺に親しくしてくれて、主と言ってくれる人たちを裏切りたくない。裏切るわけにはいけない。
 だからな、そうさ。そうだ。
俺を見限るなら出て行っていいよ、なんて口が裂けても言えない。
 そうだな。俺を、こんな俺についてきてくれる皆が、さ。できるだけ気持ちよく仕事できるようにすんのが俺の仕事さ。場を整えるのが俺の仕事だ。
 不満があれば謝るし、改めよう。できる限り。
ほんで、出ていくとか言われたら泣くし叫んでも慰留する。
皆が笑ってくれるなら道化にだって喜んでなる。
 それが俺の役割だと思うからな。それが俺のやり方だから。
 ああ、そうだな。分かったわ。
俺はきっと……皆が大好きなんだな。そうさ、俺の周りの皆が大好きなのさ。
 だから……」
「もういいわ」

す、と今度は華琳が手を上げて俺の言葉を遮る。

「ふふ、ごめんなさいね。悪戯が過ぎたわ。
 でも、収穫はあったわ。
 二郎。
 やはり私は貴方が欲しいわ。そうね。貴方が、欲しい。
 配下なんて誰も連れてこなくて結構よ。いつでも身一つで来なさいな。
 歓迎するわよ?」

そうかい。でも華琳とこ行ったら過労死間違いないからやだ。とも言えず。
どうしたものか、と思っていたら。

「曹操殿。袁紹様のお支度が整いました。こちらへ」

殺伐とした室に鋼の救世主が!稟ちゃん愛してる!

「あら、もうそんな時間?案内よろしくね?」
「はい。
……二郎殿。ご苦労様でした」

一瞬。いや、刹那の煌き。稟ちゃんが俺に柔らかい笑みを向けてくれた、気がする。稟ちゃんマジ天使!
それが儚い幻影であったかと思うほどに華琳を先導する彼女からは、いささかの揺らぎも見えなかったんだけどね。

……逆に、あれ華琳にロックオンされたな。そら見逃さないだろう。
優雅な笑みの奥に肉食獣の。餓狼すら背負うほどのオーラが幻視できるよ。

軽やかに。
俺など眼中にない態(てい)であれこれ稟ちゃんに声をかける。
淡々と事務的な返答する稟ちゃんにますますそのオーラは濃密になって顕現しそうな勢いである。どうなるの……。

やがてようやく視界から二人が消えて。

つ、疲れたー!疲れたよー!

◆◆◆

どさり、と椅子に座りこむ。
疲れたー。

「ってなんでまだいるのん?」

変わらず不機嫌そうなネコミミが俺を睨みつけてくださっている。
そういうのが、こういうのがお好きな方にはご褒美かも分からんが、俺にとっちゃあね……。

「華琳様と袁紹殿の会談に同席できるわけないでしょう。
 それくらい察しなさいこの塵芥(じんかい)が」

流石のネコミミ。その罵詈雑言のレパートリーに磨きがかかっとるな。
いや、結構な悪口雑言を言われているのは認識しているが、もう慣れてしまった。

「ちょっと、こっちをその嫌らしい目で見ないでよ!汚らわしい! 
 全く、これだから男ってのは嫌なのよ。この!」

常のような、火山が火を噴く勢いは見られずに逆に心配してしまう。

「元気ないね、どしたの?」
「うっさいわね。下等生物(ガガンボ)が私の心配するとか不遜極まりないわよ。
 多少なりとも知性があるならばさっさと華琳様の靴をその汚く下劣な言葉しか生み出さない舌で舐めなさいな」

うむ。これくらいじゃないとね。
別に嬉しいとかじゃあないんだけどね。そこはきちんと主張しておきたい俺である。

「言うね。いつものことだけど」

ギロ、と剣呑な視線をくれる。
まあ、これくらいはいつものこと。そしてそこにはどこか悔しさすら含んでいる。気がする。

「……なるほど。優先するなら華琳の意思、か。いや、当たり前と言うのは容易いけど、なかなかできるこっちゃないぜ」
「何よ、あんたごときに偉そうに言われたくないわよ。
 不本意、という言葉が事象になったらこういうことになるのでしょうね。
 まったく、不愉快極まりないわよ」

まあ、ネコミミとしては目の前で自分以外の人材に華琳が声かけるだけでストレスはマッハだろうしね。
しかも風ならともかく凡人たる、しかも男である俺が対象だし。
そりゃご機嫌麗しいはずもないわなー。
華琳もそこらへん考えてあげればいいのにね。

釣ったお魚に餌をあげないとかないわー。
むしろ虐待するとかないわー。

「何よその目つき」
「いや、大変だなあ、と思って」

激昂。

今度こそネコミミがその気迫を爆発させる。


「あんたごときが分かった気になって、上から目線で偉そうに言ってるんじゃないわよ!
 ああもうやだ!こんな男と同じ空気を吸ってると思ったら絶望しかないわ。
 アンタ、目障りだからそこから身投げの一つでもしてみなさい。
 それくらいで死ぬことはないでしょうし」
「時と場合によるかなあ。そしてその気は全くないぞ。
 そしてまずはお前は落ち着け」

と言って落ち着く人なんていないんですけどね。
しかしまあ、この罵詈雑言のバリエーションは凄いって思うの。
どうもよっぽど鬱憤が溜まっていたようでござる。

「とにかくね、アンタごときが華琳様のお誘いを断るとか身の程を知りなさい!」
「そんなん言われても俺にも立場とか色々あるしなあ」

つうか、辛い立場よねこのネコミミも。
俺が断れば主君の意向が無下にされたと憤り。
俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣やるせなく。
でもまあ、そこできっちり華琳の意思を優先しているからこそ俺と華琳の会話に口を挟まずにいたんだろうね。
ストレス溜まったろうに。いや、今発散させてるのか。
うーん、迷惑!

「大体アンタはね、華琳様にお声をかけていただいているという栄誉をもう少し自覚すべきなのよ!」

いや、発散してねえな。自分の言葉でさらに鬱憤たまってそうだわ。
華琳も酷なことを……。
ん?んん?

「しかしまあ、春蘭といい、曹家の忠誠は留まることをしらんな」
「当たり前じゃない!華琳様への忠誠は絶対よ!」

春蘭もそういやいぢめられてたな。
つまり。華琳の人心掌握ってば……。

「ジゴロじゃねえか……」

ぼそ、とした俺の呟きはネコミミには届かなかったみたいでよかったー。
ちゅうかさ、あれだろ。わざといぢめてるだろ華琳。
そのあと優しく愛しちゃってるんだろ。そらあかんわー。その、扱いの乱高下とかジゴロの手口だわー。しかもそれは効果抜群なのだわー。
やべえよ、やべえよ……。

「何よ」
「いや、華琳って、あれで優しいとこもあるよ、な?」
「アンタみたいな塵芥が何を語るかと思えば。そんな自明のことを今更。ちゃんちゃらおかしいわね。
 華琳様はお優しいわよ?だって……」

うっとりとした表情。
あー、そういや、SMで言ったらSはサーヴァント、Mがマスターって説もあったか。
あくまでSはMの求めることを与えているだけっていう。
つまりこいつは生粋のM!
だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらしたり、手ひどく叱責したりするんだな。
んで、後でフォローに優しくする、と。
いや、きっと華琳に嗜虐嗜好があるってのもあるんだろうけども。
俺には分からん世界やね。いぢめて楽しむとか。
うん、結論。

華琳とこには転職しない!
絶対に。絶対にだ。

そうやって決意を新たにした俺であったのだ。
いや、袁家サイコー!

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名も相変わらず募集中です

はおー来襲者

が予定ですしはおー来襲者はいじってくれていいですから
にゃむ

乙でしたー
>>71
>>くすり、と薄く笑むのは華琳こと曹操。 ○○こと~だと通り名(例えば美髪公とか怨将軍)とかが普通な気が…この言い方だとイチローこと鈴木一郎みたいな感じが
○くすり、と薄く笑むのは治世の能臣、乱世の奸雄こと曹操。 もしくは【陳留の支配者】とか?二郎視点だと【人材コレクター】とかも有りかな…ネタに走るなら【母性の薄い麗羽様】、【天才レズ】とかいくらでも出てくるけど置いといて
>>72
>>裏切るわけにはいけない。  これはあくまで私の感覚なのですが【いけない】は第三者的と言うか常識に基づいて、だったり規則だから、のニュアンスがある気がします
○裏切るわけにはいかない。  自分の裡から出てくるものと言うか、極端に言えばエゴのようなものかもしれないこちらの方が合ってるかな、と
例えば【人を殺してはいけない】だと法律とか一般的良識とかに依って立つ言い方で【人を殺させるわけにはいかない】だと自分がそうさせたくないから、みたいな?
あ~でもその前の文で【裏切りたくない】って言ってるか。心情を強調するなら【いかない】、自分の意志としても自分の立場としても無理と言いたいなら【いけない】がいいかな?
>>淡々と事務的な返答する稟ちゃんに ちょっと違和感が
○淡々と事務的に返答する稟ちゃんに もしくは【事務的な返答をする】の方がいいと思います
>>73
>>◆◆◆  場面転換も時間経過もしてないので無くても良いかな、と思います
>>優先するなら華琳の意思、か。 間違いではないですが
○優先するのは華琳の意思、か。 の方がいいかな?
>>俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣やるせなく。  【憤懣やるかたない】と【やるせない】が混ざってますね
○俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣遣る方無く。  怒りならこっちで、【遣る瀬無い】だと悲しみとか悲嘆っぽいかな
>>だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらしたり、 サ行変格活用とか知らないのであくまでも読みやすさ優先と言う事で
○だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらせたり、 一般的にはこっちがよく使われますが、
華琳が、ネコミミの、嫉妬心を、燃え上がるように、した。なら上でもOKですかね
華琳が、ネコミミの、嫉妬心を、燃え上がらせた。なら下ですし・・・本当活用形とか分からんし

まあはおーから見たらどう考えても自分には無いと言うか、欠けてると言うか、欲しいよね。そしてネコミミもそれは察せるけど自分がそういう存在になれないことは分かってるからちょっと消沈しちゃう、と
ついでに二郎は彼女達がなぜこんな反応してるのか全く分かってない。イイネ!
《乱世の奸雄の勧誘》…いつも通りか《はおー、凡人に高値を付ける》《凡人、袁家への忠誠を新たにする》、《凡人、ブラック家へお祈りメールを出す》
だんだんネタが強くなってきたな

>>76
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>…この言い方だとイチローこと鈴木一郎みたいな感じが
確かに

>サ行変格活用とか知らないのであくまでも読みやすさ優先と言う事で
さししすせ でしたっけ?
久しぶりにサ変とか見ましたw

>まあはおーから見たらどう考えても自分には無いと言うか、欠けてると言うか、欲しいよね。
文字通り垂涎ですね。二郎ちゃんがはおーを評価している以上に評価されているでしょうね
絶対言わないと思いますが

>そしてネコミミもそれは察せるけど自分がそういう存在になれないことは分かってるから
そうなのですよね。

>ついでに二郎は彼女達がなぜこんな反応してるのか全く分かってない。イイネ!
ありがとうございます。そこは外せないとこなのです。アンジャッシュです。

タイトル案ありがとうございますー!
>奸雄の勧誘
これいいですね!

さてポーランド戦だ

乙です

……地味ーに各勢力間のパワーバランス破壊してんだよね、二郎さん。

なんかね、本気でこの人(ネコミミ)病んでる?って不安になる。概念が無いから許されているだけでハッキリ言って恫喝とハラスメントのコンボ。
うちだったら絶対現場含めて表に出さない。同業の偉いさんにここまで言ったらアウト。

そうなんだよなー二郎さんが「袁から独立する」と宣言したらえらいことになるなぁ
確定
・陳蘭、風、凪、趙雲、流流、袁術。この辺りはまぁ文字通り着いて行くだろう。
裏で支援
・沮授、張紘、田豊。しがらみで動けないが、情報やら経済的な面で支えるでしょう。

まぁ、「独立するけど袁と手を組むよ。なんだったら系列に入るし」で日常はあんまり変わらず。でオチwww

で、曹操さん。一勢力の頭なら分身を求めちゃダメダメ。最後の最後の決断と結果責任は頭が取るんだよ。過程の段階で自分の行動思考をトレースして客観的に判断できる人間は確かに欲しいのは理解できるけど。

うーん、そろそろ広域連合考えてもよさそうかな?公孫瓚、曹操、袁紹、この三者で不可侵条約と相互防衛条約との三点セットで同盟組んだら安保的にも外敵防衛的にも良さそうな。

タイトルはまだ浮かばないです。もうちょっとリハビリいるかな?










つうか二郎、三人ともやってしまえ(意味深)なら話が早く済む(下衆)



>>78
どもです。生存確認!

>……地味ーに各勢力間のパワーバランス破壊してんだよね、二郎さん。
あくまで地味に、ですがw
それこそがオリ主の醍醐味でもあるのだと思っております。原作まだ始まってないけど。
いや、始まる前までがある意味勝負とも言えるですね。

>なんかね、本気でこの人(ネコミミ)病んでる?って不安になる。概念が無いから許されているだけでハッキリ言って恫喝とハラスメントのコンボ。
セクハラパワハラの概念なんぞございませんのでね。
あるのは二郎ちゃんだけなので……w

>うちだったら絶対現場含めて表に出さない。同業の偉いさんにここまで言ったらアウト。
まあ、単純に無礼ですわな。
ネコミミについてはこれ、見る人によってはいちゃついてるという解釈もあるそうですよ!

>そうなんだよなー二郎さんが「袁から独立する」と宣言したらえらいことになるなぁ


>・陳蘭、風、凪、趙雲、流流、袁術。この辺りはまぁ文字通り着いて行くだろう。
如南袁家立ち上げて黒幕ですねw
美羽様連れてったら七乃さんも付いてきますし

>で、曹操さん。一勢力の頭なら分身を求めちゃダメダメ。
作品的には、寂しがり屋の女の子、なのです。それをあれこれ言って糊塗してるのです。と今思いました。
多分支配者は孤独とか分かってるんですよ。

>公孫瓚、曹操、袁紹、この三者で不可侵条約と相互防衛条約との三点セットで同盟組んだら安保的にも外敵防衛的にも良さそうな。
問題は二郎ちゃんが曹操を全く信用していないということですかねw

>タイトルはまだ浮かばないです。もうちょっとリハビリいるかな?
心身ともにごゆっくりしてくださいませえ

>つうか二郎、三人ともやってしまえ(意味深)なら話が早く済む(下衆)

許されたw

いやあ、地味様との友達っくすは賛否あったのですよねえ




「穏、これは本当なのね」

碧眼児と呼ばれ、孫家の中でも将来を嘱望されている二の姫――孫権――はその美貌を歪ませながら腹心たる陸遜に問う。

「はい。尚香様の護衛ということで周泰ちゃんを呼べたのは僥倖でしたね。
 彼女、どうやら穏行ではかの張家すら出し抜けるようですから。抜き取った情報は確かかと思いますよ?」

くすり、と応えるは白皙の美女――陸遜――である。
南部では珍しく白い肌を惜しげもなく晒すその衣装はいっそ扇情的と言っていいものであろう。
しかし、ややもするとぽわわんとした表情に覆い隠されてしまうが、その眼には確かな知性の煌きが散華している。

「姉さまにも困ったものね、袁家と。よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。
 本気云々の前に正気を疑うわ」

信じがたい、と孫権は天を仰ぐ。
手元には陸遜のまとめた報告書があり、それらが示すものはつまり。

「元々袁家の援助に頼ることすらよしとしなかった豪族も多いですしねえ。
 まあ、利権をことごとく召し上げられてしまいましたから無理はないかと」
「にしたってここまで賛同者が集まるなんて……」

時勢が見えてないのか?と孫権は暗澹たる気持ちになる。
よりにもよって使嗾(しそう)してくるのは、手を組むのは。

「十常侍と組むとかね。本当に正気を疑うわよ」

吐き捨ててため息を大きく、一つ。

「遠交近攻とはよく言いますが袁家は身近に感じる分、目の上の瘤(こぶ)と思う方が多いみたいですね。
 虞翻さんの潔癖な態度もそれを助長しているようです。
 対して十常侍は……、洛陽は遠きにあり。悪評があるものの、袁家を除いた後は意向を無視すればいいというのが主流ですね
 こちらに対して、直接振るう武力も持ち合わせていませんし」
「それじゃ、結局孫家は賊上がりの成り上がりじゃない。いつまでたっても。
 恩を仇で返して、いざ孫家の窮地に誰が手を差し伸べてくれるというの。誰が信義を通じてくれるというの」

いや、孫権とて分かってはいるのだ。
食うか食われるかという状況が身近であった江南の地においてはそれはきっと正しい。今日を生き延びるためにはきっとそれは正しいのだ。
だが、南皮に在りて。中華の秩序、何より袁家の凄味を知った身としては看過できない。
そのような煩悶を知ってであろう。あくまで陸遜はにこやかに孫権を見守る。言葉を促す。


「江南に戻るわ」

きっぱりとした声。何かを振り切ったような、決意した声に陸遜はその表情を綻ばせる。

「二郎は、如南へ赴くのでしょう?」

その言葉に込められた思いは、いかほどのものか。

「ええ。二郎さんは如南へ。
 あの方はああ見えて、きちんとやるべきことからは逃げません。果たすべき責務は果たされます」

くすり、と漏らした笑みは妖艶ですらある。
その声に孫権は暫し瞑目する。

「ならば。私も逃げない。孫家の次代を担う者として責務を果たすわ。
 穏、地獄の底まで付き合ってくれる?」

陸遜は恭しく一礼を。

「ええ、喜んでお供いたしますとも」

ですが、と言葉を続ける。

「二郎さん曰く、地獄の沙汰も金次第。
 だ、そうですよ?」

その声に孫権は、ぷ、と吹き出す。

「もう、茶化さないでよ。でも、二郎らしいわね」
「はい。あの方らしいですね」

二人は軽やかに笑い合う。
盟友で、親友で、主従で共犯。

きっとその絆は、刎頸(ふんけい)でも断たれることはない。

◆◆◆

実家に帰らせていただきます。
この言葉を放たれて平静でいられる男はいないであろう。
それほどの破壊力を持った言葉が浴びせかけられて俺の思考回路はショート寸前。今すぐ会いたいよ。

「えっと、二郎?ちょっと?」
「うい。二郎ですがなにか」
「もう、話を聞いていたの?」

ぷんすか。
全身で不機嫌になっちゃったわよ今の瞬間に、と主張するのは江南を治める孫家のご息女たる蓮華だ。
褐色の肌を惜しげもなく晒すその恰好には、いつもながら目のやり場に困るわー。マジ困るわー。
だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的な胸部に注目せざるをえないやん?
白い肌。
こんなに露出が多いのに、江南出身なのになんでそんなに白いのかという感じのおっぱいがぷるんと震えて俺を苛む。
うむ。ブラボー。おお、ブラボー……。

「二郎?聞いているのかしら?」
「もちろんだとも」

じと、とした蓮華の視線に極上の笑みで応えてやる。キラッ☆

「じ ろ う ?」

ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、気がする。背負った圧力は流石に孫家の跡取り。
はい、ごめんなさい。

「で、何で江南に帰りたいの?」

一応、蓮華は孫家に対する人質という意味が大きいからうかつに動かせないのよ。まあ、目の前のご両人は先刻ご承知だろうけどね。

「あのね、二郎は知ってると思うんだけどね。一応私は孫家の次代の当主と位置付けられてるのよ」

知ってる知ってる。むしろ孫家を繁栄さすよね。知ってるよー。

「なのにね、あまりにも帰ってないな、って。
 これじゃいざ孫家を継いでも家臣団や配下の豪族をきちんと御することができるのかな、って。
 二郎が言ってたじゃない。段取り、根回しが大切って。
 そういう意味でも一度江南に帰った方がいいと思うの」

ふむ。確かになあ。あっこらへんはごたごたしそうな土地柄だしねえ。
とは言え、なあ。安易には同意できない。

「二郎が孫家に信を置けないというのは、そうね。不本意ではあるけど……分かってるわ。
 だから、と言うのも。そうね。こんなこと言いたくもないのだけれども。
 シャオを私の代わりに置いていくわ」

常ならばそんなことを言わない蓮華の双眸はこの上もなく澄んでいて。

「足りない、というなら祭も置いていくわ」

何でそんなに泣きそうな顔をしているんだと俺は言いたい。
きっと、身近な、親しい、大好きな人を道具として、交渉の材料として扱うわが身を呪っているのだろう。

「いいさ、許可しよう」

どうせ俺も、俺たちもそれどころじゃないしね。
いよいよ如南へ赴くのだ。けじめをつけにいくのだ。
そのタイミングで何か仕掛けてきそうな孫家を抑えることができそうだから。それでいいかなって。

……これで蓮華が孫家率いて攻めてきたら泣くけどな。

◆◆◆

「いや、よかったですねえ」

くすくすと笑みを漏らすのは陸遜。その声に呆れたように孫権は答える。

「穏の思い通りでしょ?今更何を言うのよ」

軽く苛立つ主。それに臆することもなく言葉を続ける。

「いえ、二郎様の動きは埒外ですから」

くすり、と笑う。
そして陸遜は思うのだ。袁家の配下である武家四家である紀家当主。その地位を継いだと思ったら中華を放浪する。半ば逐電である。
であるのに、帰参して何事もなかったかのようにその地位に納まるというのがありえないことだ。
しかも、そんな型破りなことをして彼がその権勢を失ったという声は聞こえてこない。そう、驚くほどに聞こえてこない。
だが、驚くべきことは他にもある。

「それを言えば、二郎さんの動きを考えるだけ無駄とも言えますし、ね?」
「そ、そうね……」

可笑しげな表情を浮かべて見やる陸遜に孫権はたじろぐ。その目の奥の炎に。

「二郎さんの一手。それは本当に私も読み切れません。この中華で私が読み切れないと言わざるを得ないのはあの方くらいです。
 ですから。ええ、ですから、蓮華様に二郎様を押さえていただきたいのです」

破格の才覚たる陸遜。その要望に孫権は苦笑する。

「分かったわよ。穏がそこまで言うのならばそうなんでしょう。
 安心なさいな。勝ち易きに勝つ。それが孫家。始祖たる孫子の薫陶、そうでしょ?」

にこやかに陸遜は笑顔で応える。

「はい、道なき道を征きましょう。
 凱歌を、孫家に。夢と希望と未来を蓮華様に」

覇気。この瞬間だけは、かの曹操をも上回るそれを纏って。
陸遜は、戦争の天才は笑う。
既に勝利は彼女の中では確定していた。

さあ、夢を見よう。
さあ、歌を唄おう。
さあ、歌を繋ごう。

さあ、踊ろう。
舞台は間近。

陸遜は笑う、嗤う、哂う。
如何様にも踊ろうと。
きっと舞踏相手はあの青年だ。肌を重ねても、情を交わしても読めないあの青年だ。

漢朝の闇などよりもよほど面白い、怖い。
執着はもはや恋着。
それを自覚し、軽やかに笑う。

「ええ、蓮華様、二郎さんを、あの埒外な方に対するに値するのは孫家において蓮華様のみです。
 ですから、ええ。ですからこそ。今この瞬間のご決断に穏は心服いたします。
 ええ、地獄と言わず、因果の地平までお供しますとも」

にこやかに、軽やかに口にする思いを孫権は過不足なく受け取り、顔を引き締める。

思い浮かべるのはあの青年。
締まりのない表情、冴えない顔つき。
だらしのない視線は助平で、どうしようもなく。

でも。

その心胆を。凍てつくほどの心胆、覚悟。それを自分は知っている。
だから、やるべきことをする。

孫家の担い手として相応しいように。
そして、あの青年に笑われない自分であるために。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案は、
「孫家の事情」「碧眼児」「刎頸」「帰郷」

ここらへんをキーワードとしてなんかありましたらよろしくオナシャス!

あかんかったかー
ねる

間違えたのでちょっと書き直し
>>80
>>よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。   この言い方だと既にやり合ってるように聞こえるので
○よりによって袁家と、ことを構えようだなんて。  一応まだギリギリで火蓋を切ってないらしいしね
>>81
>>その声に孫権は暫し瞑目する。 これだと色っぽい声に聞き入ってるようにも見えないことも無いので
○その言に孫権は暫し瞑目する。 の方がいいと思います
>>82
>>それほどの破壊力を持った言葉が浴びせかけられて俺の~中略~会いたいよ。  曲名なら問題ないし1文程度なら大丈夫だろうけどこれはかsジャスラックに睨まれると思うので直した方がいいと思う、リアルガチで
[引用 アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞 ]
○それほどの~中略~俺の思考回路は天才バカボン状態。反対の賛成なのだ~タリラりラン。 別に何でもいいけどなろうに投稿するときは変えた方がいいよ
>>だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的 接続の仕方に違和感と文章が続いてる感じが有るので
○なので仕方ないから穏の、ねえ、暴力的 蓮華がエロい《ので》穏のエロい体に視線を移すわけだし、こんな感じかな?
>>ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、 これだと効果音出してるのが遠い何かのようなので
○ゴゴゴという効果音が室内を揺らしている、 もしくは【効果音が質量を伴って響いている、】とかどうでしょう
>>83
>>さあ、歌を繋ごう。   この前で《夢と歌》と使ってるので
○さあ、曲を奏でよう。  この後に《踊り》と繋がりますしちょっと他の言葉に変えてみたりしたかったり(個人の嗜好です
>>あの埒外な方に対するに値するのは  【対する】だけなら他にも何人かいるかな、抗せないだろうけど
○あの埒外な方と同じ場所に立てるのは それが同じ方を向くのか横に並ぶのか背中合わせなのか対面するのかはともかく・・・こんな感じでどうでしょう

孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としてはメンツとしても内情としても更地にするまで終われない様な…4世3公の北方の盾が復興させた家に砂掛けられてなあなあで済ましてたら外から見たら「袁家恐るるに足らず!!」だよね
そうならないためにも、領民に強い袁家を知らしめるためにも首のすげ替えくらいはしないと袁家がヤバいだろうし
まさか自分たちが無視しようと思ってる十常待に袁家が従うとか幸せな思考してるんだろうか

アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞
ということで新規スレを作ったり削除依頼を出したりした方がいい可能性が…該当スレだけ消去の可能性もありますが一ノ瀬さん(>>1)が投降したレスなのでどうなるか分かりませんので

もしかしたら一緒に86は《アボーン》されるかも。かもかも

乙です。

これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
感想としては……
「ほえ?孫策さん遊んでるの(大間違い)」
何だっけ?人質?だったっけ?孫権さん。

先に謝っときます。陸遜さんが放火しませんでした(爆笑三国志かよっ)放火しない代わりにハニトラしてました。効いてないけど。
シャオちゃんは残すんだね。袁術ちゃんの親友がいなくならなくて一安心。というか張勲さんが根回し(というか嫌がらせの圧力)したのかな?
孫権さん、現状確認を自分でもしたいんだろうね。それと内部での方針統一と方法の摺り合わせ。
袁という化け物勢力(象を呑気に飼っていられる財力と、母流龍九商会という経済侵略の尖兵、豊富な人材)を肌で知る孫権と地元で奮闘?の孫策。
軍師もそれぞれ同じようになっているし、双方が情報共有できれば後々楽だしね。

帰ったら姉妹と軍師同士が激論になるのは目に見えてるな。周瑜さんがどう現状を分析するか、そして虎さんをどう制御するかだな。
孫家には知っているから警告するけど、風雲南皮城をなめてるとえらい目に合うよw

「孫家の事情・碧眼児の感情」かな?韻は踏んでるけどなんだかな。

その昔デスマーチの最中に上司に「今夜は帰さないよ」って言われて
「実家に帰らせていただきます」と返した奴がいたのを思い出した

こちらは大丈夫です

俯瞰者さんはお仕事関係が大変なことになってそうなイメージ
感想返信は後ほど

>>87
JAS的なものには気をつけます
うむむ。結構いじったつもりができてなかったのは多分マシントラブル

>孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
実家が炎上予定なのですね

>孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
争いというのは、落としどころを見つけるのが一番大変なのですよねえ
孫家はこれまで圧倒的勝利を積み重ねてきました
その成功体験がががが

>ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としては
これその通りなのです。ほんと。

>>88
>これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
ああ!いわれのない流れ弾が!
全面無視とどっちが胃に痛いです?わたし、きになります!

>何だっけ?人質?だったっけ?孫権さん。
遊学と言う名の人質プレイですね。
今川時代の家康さん的な扱いじゃないでしょうか。まあ、個人的には今川幕府とか面白いなとか思いますがw

>先に謝っときます。陸遜さんが放火しませんでした(爆笑三国志かよっ)
爆笑三国志。あれはいいものだった……w
今でも色あせないクオリティですよねw 持ってるはずなのですが、どこいったのか分からないですw

>シャオちゃんは残すんだね。袁術ちゃんの親友がいなくならなくて一安心。というか張勲さんが根回し(というか嫌がらせの圧力)したのかな?
実家が炎上して……シャオちゃんは安全圏に置いておこうという冷徹さなのか、争いを見せたくない温情なのか
解釈は色々です

>孫権さん、現状確認を自分でもしたいんだろうね。それと内部での方針統一と方法の摺り合わせ。
実家の現状、きちんと見ようとしてます。現場百ぺんです。

>孫家には知っているから警告するけど、風雲南皮城をなめてるとえらい目に合うよw
多分大坂城クラスに武力では落ちない要塞都市になってますよねw
それを知っている人がいるというのは、実は孫家にとってはアドバンテージなのです

>>89
>その昔デスマーチの最中に上司に「今夜は帰さないよ」って言われて「実家に帰らせていただきます」と返した奴がいたのを思い出した
これ、性別の組み合わせで面白いことになりそうですよw

まあ、デスマーチが発生するということは適切な人員配置ができていないということで(ブーメラン)

個人的には書類仕事で主人公が埋もれるギャグ描写は、書きたくないですねえ。下っ端ならともかく管理職以上ならば。
人員の調達と作業のマネジメントが管ry



桂川の中継ばっかりでしたが、他の河川が氾濫しました。
きちんと災害対策したら成果は出るのです。
特に治水はね。百年単位の事業なのですよね。人死にが出ないと、下手したら出ても無駄遣い扱いなのはね。もうね。
O府でも小学校の社会では水害の歴史があれだけ語られるのにと。

しかしインフラの老朽化、どないするんやろ。対処療法でいくのかなあ。このままだとそうなんだろうなあ。

「これで一応完成と言っていいのではないかしら」

蔡邑が差し出した分厚い紙の束を何進は満足げに受け取る。

「ご苦労」

一瞥すら蔡邑に与えず、紙の束に目を走らせる。
微苦笑を浮かべて蔡邑はその場を後にする。

「……随分と熱心に見ておられるが、それは?」

華雄が訝しげに尋ねる。
既に蔡邑が室を辞して半刻は経っている。
無言でひたすらに紙をめくるなど。
短くはない付き合いでも、ついぞなかったことである。

「……ん。気になるか?」

ニヤリ、とした笑みが自分を見下しているようで反発を覚えるが、興味があるのは確かなので無言で是、と応える。
ニヤニヤとした笑みはそのままに、手にした紙の束を無造作に放り投げてくる。
手にした、紙面には。

「──人名?」

ずらり、と人名が列挙されている。見れば優、良、可、不可と甲、乙、丙、丁が組み合わされている欄もある。
目を走らせると、幾人かは知った名前も見受けられる。

「それも……宦官?」

ほお、と言った風の何進の表情に華雄は自分の呟きが正鵠を射ていたことを知る、が。

「なぜ、こんなものを?」

それに、記号の意味も分からない。

「フン、まあ、言ってみれば閻魔帳のようなものか。
 袁家の援(たす)けもあり、士大夫層で使い物になる奴らは……ほぼ取り込めているからな。当面の敵は十常侍を筆頭とする宦官さ。
 とは言え、宦官にも色々いるからな。能力と人格を格付けしたもの。
 それがお前の手にしているものさ」

政務の傍(かたわ)らでまとめるのは大変だったみたいだがな、と何進は笑う。
彼らとて政敵を前に手をこまねいていたわけではないが、如何せん政権運営が最優先。
故に士大夫層が多少は協力するようになるまではそのようなものを作成する余裕もなかったのだ。
ふむ、と納得し華雄は大いに頷く。

「つまり、能力が低く、人格が卑しい奴を誅滅すればいいということか」

腕が鳴る。
華雄は獰猛な笑みを浮かべて血を滾らせる。
が、応える声は無情。

「お前は阿呆か」

心底呆れた、という風な声がかけられ華雄は混乱する。

「な、何か間違えた、か……?」

溜息と苦笑。

「いいか、国を動かすのは、そしてそれを変えるというのは硬い岩を少しずつ削っていくようなものだ。
 お前の手にしている斧ならばな、岩を砕くこともできるだろうさ。
が、それでは国も砕けてしまう。
 水滴が岩を穿つがごとく、静かに、だが絶えることなく動くこと。
 それに倦まずに継続することこそが強さ、さ」

華雄にはそれがどうにもまどろっこしく感じてしまう。

「フン、お前にはこう言った方が分かりやすいか。
 弁が継ぐ禁裏を血で汚すわけにはいかん。そういうことだ」
「それならば私にも分かる」

うむ、と納得したように華雄は頷く。
が、と思う。

「ここの評価をどう使うのだ?」
「ふむ。地位が低く、人格が卑しく、能力が高い順に放逐、左遷していく」

その言葉に華雄は首をかしげる。

「だが、ここには地位なんて書いていないぞ?」
「……官位、役職を見れば一目瞭然だし、地位は変動するからな……」
「しかし、地位が低い者をどうこうしても大勢に影響はないのでは?」

やはり首魁たる十常侍を除くべきではないかと華雄は思うのだ。

「言ったろうが。岩で言えばそれは中心。
 まずは周りから、だな。将を射んとすれば、という奴だ。
 いなくなっても気づかん奴らから手を付ける。
 気づいた時には手遅れ、というのが理想だな。
 ま、十年か二十年もあれば大丈夫だろうさ」

その言葉に華雄は瞠目する。

「勝てない戦はしない。確実に勝てる戦しかせんよ、俺は。
 だからこうして今ここにいるのさ」

くは、と笑う何進が華雄には理解できない。そして思うのだ。

「どうして私などを側に?」

その言葉に何進は大笑する。
む、と逆立つ柳眉にもおかまいなしに。

「お前には分からんだろうし、それでいい」

愉快に、愉快そうに何進は笑う。
華雄は不機嫌そうに黙りこくるしかなかった。

本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトル案

「何進と華雄」

うわあ、そのまんまや

乙でしたー
>>93
>>ほお、と言った風の何進の表情に華雄は  意味は分かりますが、【ほお、と言った風】だと実際には《ほお》とは言ってなくて【ほお、と言った表情】だとどんな感じなのかちょっと分かり難いかも?
○感心だ、と言った風の何進の表情に華雄は もしくは【ほう、と息を漏らした何進の表情に華雄は】とか【感心したように目を細めた何進に華雄は】とかどうでしょう

それにしても>>地位が低く、人格が卑しく、能力が高い・・・性格悪くて能力高いだけなら典型的な敵キャラだけどここに地位が低いが入るとそこはかとない残念臭がするなwお前能力の使い方間違ってない?それともうまいこと地方で威張り散らす美味しいポジにいるのか・・・
《地位が低く、人格が卑しい》ならただのクズの寄生虫タイプ、《地位が低く、能力が高い》なら不器用な実直タイプって感じだけどこの3つが混ざるとタイプが見えづらいな

何進の臣下の選び方は独裁者としては理にかなってるかな?正確には宦官勢力だから敵対勢力だけど、まあ漢王朝として見れば臣下だし
華雄さんのそういう真っ直ぐさと言うか愚直さは何進にとっては確かに必要な物よね、こういう人っていつの間にかそういう単純な考え方が出来なくなっちゃうから

>>96
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>・・・性格悪くて能力高いだけなら典型的な敵キャラだけどここに地位が低いが入るとそこはかとない残念臭がするなw
若手或いはやらかして降格食らった的なw

>何進の臣下の選び方は独裁者としては理にかなってるかな?正確には宦官勢力だから敵対勢力だけど、まあ漢王朝として見れば臣下だし
地道に掃除をしております

>華雄さんのそういう真っ直ぐさと言うか愚直さは何進にとっては確かに必要な物よね、こういう人っていつの間にかそういう単純な考え方が出来なくなっちゃうから
これはまったくもってその通りです

乙です。

人格卑しく、能力が高い……公務員というくくりでは結構いるなぁ。何故か福祉系と自治系に多いんだが。まぁ「能力が高い」と言っても単に運営が上手いとか弱者に高圧的に対応するとかだけどね。教員もそうか。
「頭の良い阿呆」って奴らだね。そら明確に旗幟を明らかにしてりゃ付き合いようもあるけれど、こういう日和見連中は権力奪取の障害だわなぁ。
あれだな。出世欲や承認欲求やプライドの高さは人一倍なんだけど、底が見えているから思ったような待遇や権限を与えられない。行動するかといえば全然しない。
現代日本に置き換えれば、児童虐待や生活保護といった緊急性や必要性の高い事案で自身の身分に与えられている権限を行動で対応せず、結果最悪の事態になっても「人間が」「忙しい」
そんな連中どれだけいるんだ?労基監督官や警察以外の逮捕権限を持つ公務員は命的で本気で踏み込んで行くぞ?
ここ数年同窓会が多かったからよく分かるが、平気で暴力と人格否定していた教員は会場で浮いていたな。つうか中学時代私を目の敵にして荀彧真っ青のハラスメントしまくっていたお方は他の生徒にもやらかしていたみたいでぽつん、と一人になっていてよりによって私に話しかけてきたので丁重に録音や録画の許可を求めつつ言葉と当時の法律を引用して公開処刑しました。つか人格卑しく能力高い(となっている)連中の極みって教育委員会だな。

インフラはね、もう対症でしか対応できないところまで追い込まれていますね。大阪地震の際に一気に法軽視の膿が噴出したので、今回も被災者には申し訳ないのですが根本的にインフラと災害対応をないがしろにしてきた自治体がツケを払う羽目になりましたね。
現在はすんざましく忙しいですが、ただ忙しいだけ。ボランティア要請が協会経由で来た時には率直に「会社潰したくないので」とかましました。
重機や車両や資材を出して燃料や消耗品や人員……後でちゃんとバックするのかと。
どうせ地元のブローカー業者が取り込むんだろうに、流石にビジネスという面では頷けませんでした。

>これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
ああ!いわれのない流れ弾が!
全面無視とどっちが胃に痛いです?わたし、きになります!

全面無視ならひたすらアプローチしまくります。だってそれも感情が為せる事。
胃が痛いのは「実家に帰らせて云々」ですw
というか、ガンが発覚した際に一回全面無視頂いてますwでも懲りずに根気よく話しかけたりアプローチしたりで解決w
逆にねぇ実家に帰られたら寝込みますよwそれから相手先に行って、義父母から事情を伺います。何せ私にとっては絶対に奪われたくない金銀財宝、文化財、プライスレスの宝物。意地でも取り返します。
そらまぁ、商売の姐さん達から「愛人に」と秋波送られる事もそれなりにありますが、丁重にお断りしてますし場合によっては代理人通じてカネで収めてます。
新婚当時に「実家に帰ります」だけの書置き見つけたときは本気でパニックに陥りましたよ。車飛ばして嫁実家に行ったら、単に一人が嫌だから帰ったとかで
嫁は義母に叱られ、私は義父に懇々と説教されましたw以後は嫁はちゃんと私に連絡してから帰るようになりましたが。
逆に現在はべったりです。つか検査結果を見てはあれじゃこれじゃと多種多様な料理を頂いてます。菜食主義かと思うくらい毎食野菜づくめですが。
最近の暑さで食欲が落ちないようにちょっと蛋白質が増えました。

乙~
「豪と剛」なんてのはどうでしょ?
2人の強さの種の違いが出てるお話なのでそういうのがいいんじゃないかなぁと

暴力は自衛とか、犯罪なんかを殴ってでも止めなきゃいかんと言うとき以外はいらんのははっきりしてるんですけどね~
当方F県住みですが前回の被害があったから豪雨の被害もインフラと意識のおかげで少なくなってる印象です
ずぶずぶのあの会社とかあの会社とかはいい加減改めろよとは思ってますが

肉類はともかくとして、たんぱく質と脂質は最低限取らないと死にます
貧乏人が太るのは野菜にしろその辺にしろ高いから炭水化物で誤魔化すからなわけで
60超えてくると肉じゃないとたんぱく質が必要な分を取りきれないなんてこともあります
ストレスにならない程度で「適度」にお召し上がりください

>>98
どもです。

>人格卑しく、能力が高い……公務員というくくりでは結構いるなぁ。何故か福祉系と自治系に多いんだが。まぁ「能力が高い」と言っても単に運営が上手いとか弱者に高圧的に対応するとかだけどね。教員もそうか。
おお、なるほど。納得感がございます。いや、ありがとうございますー!

>「頭の良い阿呆」って奴らだね。
これはこれで使いようでもあるのですががががw

>現代日本に置き換えれば、児童虐待や生活保護といった緊急性や必要性の高い事案で自身の身分に与えられている権限を行動で対応せず、結果最悪の事態になっても「人間が」「忙しい」
実務者ですと、「やらない理由」はいくらでもひねり出せるものですよねえ

>インフラはね、もう対症でしか対応できないところまで追い込まれていますね。
(顔を覆う)
五輪もなんか変な感じに節約万歳になってきて……

>全面無視ならひたすらアプローチしまくります。だってそれも感情が為せる事。
おおう。これは見習おうと思いました。でも辛いねん。

>。何せ私にとっては絶対に奪われたくない金銀財宝、文化財、プライスレスの宝物。意地でも取り返します。
ごちそうさまです!

>多種多様な料理を頂いてます。菜食主義かと思うくらい毎食野菜づくめですが。
ごちそうさまです!(二回目)

>>99
>「豪と剛」なんてのはどうでしょ?
おお、いいかも。

>当方F県住みですが前回の被害があったから豪雨の被害もインフラと意識のおかげで少なくなってる印象です
経験が活きた、と。まあ、想定しているところであれば駅が沈んだり陥没したりしてましたよね。
インフラ投資は本当に大事だなあというのが広まればいいなあと^思います

>ずぶずぶのあの会社とかあの会社とかはいい加減改めろよとは思ってますが
これは全く分からないw

>肉類はともかくとして、たんぱく質と脂質は最低限取らないと死にます
四半世紀前と比べて、ご老人が元気で若々しいのは単純にたんぱく質の摂取量じゃないかなあと思ったりしております。
真偽は不明ですが

すやすやと俺の膝の上にて眠る幼女一名。
それをにこやかに、俺の方をちらりと羨ましそうに。なにか物欲しげな視線をくれる美少女一名。
如南に向かう馬車の中である。つまり同乗しているのは美羽様と七乃の二人ということ。
七乃の視線をとても感じる。感じる。
いや、別に美羽様を独占しようとしてるわけじゃないよ?ただ、ほら、美羽様に服をがっちり掴まれているからして。幼女ホールドが極まっているだけで。

「いいなあ、二郎さん、いいなあ。
 美羽様独占して、ずるいなあ」
「いや、ほら俺ずっと留守してたからってだけだと思うぞ?
 その間七乃が独り占めしてただろ」

俺の言葉にぷう、と頬を膨らます。意外とこういう表情をすると幼く見えたりするんだよね、七乃って。

「どっかのだれかさんと違って私はお仕事もしてたんですよ?
 如南とも何回か往復してましたし。ほんと、フラフラしてるだけでいい人が羨ましいなあ。
 よ、この風来坊!唐変木!なんだか腹がたってきたぞー」
「自分で言ってて腹立てるなよ……」

むむむ。
美羽様を譲渡すれば一時的にでもこの微妙な空気を有耶無耶にできるんだけど、幼女ホールド相変わらずがっちり極まっています!
まあ、帰ったその日、部屋で待ってた美羽様たちをスルーしたのもいかんかった。
次の日、えらくご機嫌斜めだったからなあ。珍しく拗ねちゃったのであるよ。
うん、俺が一方的に悪いな。反省、反省。

むう、と膨れる七乃は対面の座席から俺の横に席を移す。
で、ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじったり、引っ張ったり……っておい。

「おい、起きちゃうぞ?」
「大丈夫ですよ、このくらいで起きたりしませんから」

多少は機嫌を直したのか、にこにこしながら美羽様を弄繰(いじく)り回す。どうも起きるか起きないくらいのぎりぎりのラインを攻めているらしい。なんだそれ。

「んー、なんですか?そんなにこっち見て。
 あ、そっか」

にじり、と体を寄せてきて……。

「こんな時に……。欲情しちゃったんですね。仕方ないなあ。手早く済ませちゃいましょうか」

そんなことを言いながらおい、どこ触ってるのですか。
それと近い。顔が近いって。いや、首筋はだめだって。あふん。

「美羽様起きたらどうすんのよ。それに七乃お前な、周りの警護にばれたらどうすんの」

星とか流琉とか多分車内の気配で気づいちゃうぞ。
今回は百名と少数ながらも精鋭ぞろいだからなあ。
あ、雷薄は娘さんのいる如南にものっそい行きたがってたけどお留守番です。補佐は風。まあ、あの二人なら留守任せても大丈夫だろ。

「ぶーぶー。つまんないですねえ、それがいいのに」
「人に見られて喜ぶ性癖はない」
「じゃあ混ぜちゃいます?」
「どうしてそうなる」

さらっとえらいことをおっしゃる。

「まあ、如南では盛大に歓迎のおもてなしがありますから消耗してもまずいかな?それともそっちの方がいいかな?」

おもてなしですか。盛大ですか。

「ええそりゃ、もう。
 袁胤様も許攸さんも。何よりお父様も、一日千秋の思いで待たれてますよ?
 美羽様と、二郎さんを」
「そりゃありがたいこって。
 鬼が出るか蛇が出るか」
「ふふ。期待してくれていいですよー?」

細工は流々、後は仕上げをご覧じろ。
お代は見てのお帰りに。

耳元で甘く囁く七乃の舌がぺろり、と俺の耳朶を一舐めした。
いやん。

◆◆◆

さて、如南への道中は何事もなく。特記するようなイベントもなく如南に到着した。あら珍しい。
いつもならなんやかんやあるんだけど、これはこれで不気味だな。

「美羽様はあちらへ。袁胤様がお待ちです」
「む?七乃と二郎はどうするのかや?」
「ええ、ちょっとお父様にご挨拶を」
「そうかや?ふむ。では手早く済ませてくるのじゃぞ?」

ええ、とにこやかに手を振る七乃。

「星、流琉、頼んだ」
「はい!わかりました!」
「任されたとも」

何を、とは言う必要もない。
……何が起きると決まったわけでもないけど。ないけど!

「紀霊殿、三尖刀はこちらに」

ん?

「はいはい、二郎さん。重い荷物は張郃君に預けちゃってくださいねー」

どろり、と濁った眼。浮かべた笑いは虚ろ。なんとも厄い長身の青年に三尖刀を預ける。
その所作には一分の隙もなく。あ、これ普通に達人や。しかも濡れ仕事系や。
ここは七乃を信じるとしよう。信じるよ?信じていいよね?信じるからな?信じたぞ?

……流琉くらいは俺に付いていてもらうべきだったかしらん。むしろ星か?いやいや、ここは美羽様ファーストでいかないといけない。

そして通された室は薄暗く。椅子に腰かけた壮年の男が一人いるきりであった。
手元を確認する。両手の指が……六本。つまりそれは異形の身。そして数多くの内外の政敵を誅滅した希代の暗殺者。
匈奴の侵略を受け、ボロボロだった袁家の不穏分子を鏖(みなごろし)にして、その功をもって張家を継いだ生粋の処刑人。
袁家の闇を体現するその異形は「六本指」、或いは「六」とだけ呼ばれている。つまり袁家の中でもトップクラスに「やべーやつ」である。
や、俺も間近で見たのは今日が初めてだしな。式典の時に幾度か遠目に見たことがあるだけだ。
間違ってもお近づきになりたくない人物である。
そして。できれば一生近づきたくなかったのだけれどもね。あーあ、出会っちまったか。
逃げたい。

「やあ、初めまして、というべきなのかな?」

張郃が濁った眼、というのであればこいつの目つきを何と言えばいいのかね。なんかこう、深淵を覗きこんでいるような錯覚すら覚えてしまう。

「もっとも、互いに噂くらいは知っていると思うがね」

まあ、俺の情報なんて筒抜けもいいとこだよね。誰から漏れてるとかは言わぬが華さ。
七乃と張郃が左右に控える図は、こう。どす黒い一幅の絵のように不気味で、正視に堪えない。

「挨拶、という割には偉そうだな?
 俺の記憶が確かなら、あんたはもう引退したはずだが」

何がおかしいのか、クク、と笑いをこぼす。

「いや、失礼。ああ、見事な正論だな。だが無意味でもある。
 確かに現在の張家当主は我が娘ではあるな。そう、私の忠実な人形である、ね」

愉快そうに嘲笑う。
その後ろに控える七乃は愉快そうな笑みを崩さない。張り付いたような笑みを崩さない。

「で、結局俺に何の用なわけ?さっさと美羽様のとこに行きたいんだが」
「いや、その必要はないとも」

ニヤリとした笑みが深まり、視線が室を睥睨する。
その視線につられて見ると、髑髏の仮面を身に着けた奴らが……五人!穏行か!室を同じくしながら気づかんとは!
視線を戻すまでもなく、室に殺気が充満する。幾条もの視線が死線となり俺を補足する。
脂汗が額を、頬を、背中を伝う。

「なに、楽に逝きたいか、苦しんで逝きたいかくらいは選ばせてやろうかと、な」

実に愉快そうにどこからともなく取り出した杯に液体を注いでいく。

「飲むか、あがくかしたまえ。
 飲めば一瞬で楽になれるぞ?私としては是非に足掻いてほしいものだがね」

そろり、と重心を落とし、機を窺う。三尖刀の気配を窺い、補足。よし。
じわり、と髑髏どもが動き、俺を囲もうとする。つ、流石に隙がないな。
濃密な殺気の中、いつ壊れてもおかしくない膠着が続く。

「実にいい表情だね?」

そうかい。そりゃよかったよ。
その余裕綽々な態度にこっちゃワンチャン狙うしかないんだぜ。
控えめに言って絶体絶命である。いやマジで。

「では、娘よ。お前が命じるのだ、張家当主としてな」

す、と手が上げられると同時に七乃の表情が消え、歪んだ口元は三日月。

「はい、そうですね。じゃあ、張郃君、ちゃっちゃとやっちゃってくださいな」
「了解した、姉上……。
いやさ、ご当主」

音もなく、滑るようなその動きはまさに練達の極み。
外しようもない一撃は胸を貫き、鮮血が飛び散る。

「な!
がっ……!」

吐血。
ここにきて、愉悦した笑みは消えて苦痛に歪む。
口を開いて何か言おうとしたのだが。

「えい」

続けざまに七乃が繰り出した一撃がその喉を貫いた。見事な刺突。迷いなぞない。

「はいはーい、何か言いたいことあったみたいですけど、正直興味ないですからさっさと死んでくださいね。
 よいしょっと」

引き抜いた短刀を脳天に突き刺す。もはや飛び散る鮮血で七乃も張郃も真っ赤である。
そんなでもにこやかな笑みを崩さない七乃と目が合う。

「二郎さん、ご協力感謝です。
 これで名実ともに私が張家を掌握できることになりましたー」

鮮血を拭うこともせず、けらけらと笑う七乃。
うん、凄みがすごい。

「あ、そうだ。
それ、さっさと片付けてくださいねー。張郃君は後始末、よろしく」
「は、承知いたしました」

音もなくその場から掻き消える張郃。すげえ。

「じゃ、二郎さんは先に美羽様の所へ行ってくださいな。流石にこの恰好じゃちょっと顔出せないですし」

恰好の問題じゃない気がするんだが。
いや、気づいたら全身が冷や汗と脂汗でえらいことですよ。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

いやあ、勝利の鍵は七乃さんでしたね!
大体ここでゲームオーバーになるんだよなあ……

タイトル案

「張家、乱れる」

いまいちだあ

乙~
ななのさんきれいさんだいかつやく!
何故か旧SRWを思い出してしまいましたww

タイトルはここは敢えて「よはなべてこともなし」で
ひらがなオンリーがミソww

ここ好き
もはやあっさりとした父の死に様が、七乃さんの強さと異常さを引き立てる
七乃さんマジキーカード

タイトル案
「親喰みの蜘蛛」

乙でしたー
>>101
>>ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじったり、引っ張ったり 意味は通じますが【いじる】の中に【引っ張る】が含まれてる気がするので
○ぷにぷにと美羽様のほっぺをつまんだり、引っ張ったり もしくは【つついたり】とかの方がいいかな?或いは【ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじって】とか?
>>どうも起きるか起きないくらいのぎりぎりのラインを ちょっと違和感が…【この場合起きるか起きないか】?でもそれだと起きるかもしれないから
○どうもぎりぎり起きないくらいのラインを      七乃は起きないと確信してるのでこんな感じでどうでしょう
>>102
>>なんとも厄い長身の青年に三尖刀を預ける。  はて?宝貝って才能が無い人が持つと滅茶苦茶疲れて昏倒したような…まあこの世界では大丈夫か鞘にでも入れてたとみるべきか
>>しかも濡れ仕事系や。 脱獄大作戦?これって何が何で濡れるって意味なんだろうなあ
○しかも汚れ仕事系や。 一応一般的に言うと多分彼の仕事ってこれ系かな?
>>103
>>いつ壊れてもおかしくない膠着が続く。  ちょっと自信が無いですが《膠着状態》はお互いに隙をうかがったりして所謂拮抗した状態に近いと思うんですよ(まあ一方が圧倒してるけど出血を抑えるためにより完璧な勝利をしようとする状態とかもありますが)
○いつ崩れてもおかしくない膠着が続く。  もしくは【いつ傾いてもおかしくない】とか?イメージとしては長方形《□》でこれが平行四辺形に形を変える…図形描けねえ。
□□□     □□□
□□□      □□□
膠着これが   崩れる、傾くこうなる感じかと
>>音もなくその場から掻き消える張郃         カッコいいけどこの後雑巾とかの掃除用具を取りに向かうんだよなあ…いっそのこと
○ひょい、と担ぐと何でもないかの様に室を出ていった この後始末を完遂するまでは張郃君の姿を誰も見かけないんだろうなあ
個人的な好みの問題なんですがああいう《フッと消える》描写って強キャラ感はあるんですが同時に見せつけてる感もあるんですよね…なんというか力仕事を頼まれてポージング決めて胸筋ぴくぴくさせてる様な
なのでそれまで普通にいたけど要件が済んで目を放した隙にいなくなるのが好みだったり、部屋を出たら、とか角を曲がったら、とかで見えなくなるような
ちなみに普通に考えれば大の男(しかも元張家当主)を抱えてる血まみれの男とか目立つに決まってますが、まあ張郃君ならできるさ

《張家の長の真の継承》…違うか《凡人、蜘蛛の家の代替わりを見届ける》、《張家、頭を切り替えて心機一転する》って感じかな?
この来た、見た、勝った。感…やはり戦いはその仕込で8割決まるんやなって(なお二郎君は知らない)
しかし本当、いったいどれだけの爆弾が彼女によって解体されたのやら

>>105
>何故か旧SRWを思い出してしまいましたw
スーパーロボ!
6さんはユーゼス感もありおりはべりいまそかりな方です

>タイトルはここは敢えて「よはなべてこともなし」で
絡新婦の理:よはなべてこともなし
ありですね

>>106
>ここ好き
嬉しい……。シンプルだけど嬉しいです

>もはやあっさりとした父の死に様が、七乃さんの強さと異常さを引き立てる
こってり脂マシマシも書いてみたのですが、コレジャナイ感で没
鮎の煮干しをベースとした上品な味付けです

>七乃さんマジキーカード
この固定イベントで七乃さんと美羽様の好感度が足りず、例のイベントが発生しなかったら死ぞ

>「親喰みの蜘蛛」
タイトルからネタバレがひどいw
いや、言葉のセンスはいいんだけど、タイトルはなろうで使うから難しいのよね

>>107
赤ペン先生いつもありがとうございますー

> はて?宝貝って才能が無い人が持つと滅茶苦茶疲れて昏倒したような…まあこの世界では大丈夫か鞘にでも入れてたとみるべきか
ふむ、と思いましたが多分妲己ちゃんが同化した世界だから資質に差はあれど的な
だから多分能力に+効果あるアイテムの数々も広義の宝貝だったりするのかなとか思ったりそういうことにしようと今決めました

>脱獄大作戦?これって何が何で濡れるって意味なんだろうなあ
濡れ仕事(ウェットワーク)。暗殺系の仕事のことです。KGBが使う隠語が語源。この言葉を初めて知ったのはパタリロ!だったりします

>個人的な好みの問題なんですがああいう《フッと消える》描写って強キャラ感はあるんですが同時に見せつけてる感もあるんですよね…なんというか力仕事を頼まれてポージング決めて胸筋ぴくぴくさせてる様な
爆笑w

>ちなみに普通に考えれば大の男(しかも元張家当主)を抱えてる血まみれの男とか目立つに決まってますが
それでも張郃なら、張郃ならやってくれる……(無責任)

>この来た、見た、勝った。感…やはり戦いはその仕込で8割決まるんやなって(なお二郎君は知らない)
割と徹頭徹尾蚊帳の外。これは間違いなく凡人(隙あらば凡人アピール)

>しかし本当、いったいどれだけの爆弾が彼女によって解体されたのやら
正直二郎ちゃんはもっと七乃さんに感謝するべきだと思います、とメタってしまうくらいですw

ふぁさり、と張勲は身に着けていた衣服を脱ぎ捨てる。
惜しげもなく晒した肢体は引き締まりながらも女性らしい曲線を描いている。
熟れる直前、といった風情の肢体にこびりつき、乾きはじめた赤黒い塊を侍女が丁寧に拭っていく。

ふう、と脱力しながら侍女の差し出す衣装に手早く身を包んでいく。
たっぷりと香が焚き染められた衣服は消せない血の香りを吸って、より蠱惑的に漂う。

結果として満足のいく流れではあったが、何もかも思い通りにいったわけではない。
あれで薄氷を歩むようにして掴んだ僥倖──ただし限りなく必然に近づけたという自負はあるが──であったのだ。
細心の注意を払ってはいたが、あの父親が相手である。いつ破綻してもおかしくはなかった。
紀霊に計画の詳細どころか、流れすら教えなかったのも彼の言動から不審を抱かせないため。
辛うじて自分を信じて――これも賭けではあった――くれてはいたが、少しでもこちらに疑いを抱かれたり、生存のために足掻かれたら計画は瓦解したかもしれない。
室に五人もの刺客を配したのもそう。室を殺気で満たすためである。
殺気の流れを気取られぬようにするためであったのだ。なにせ希代の暗殺者。袁家の闇を一身に背負った化け物であるからして。
室に配した五人。彼らは張家でも選りすぐりではあったのだが、それでも紀霊が本気になれば突破されたろう。
何せ、三尖刀だ。
かの神器は例え身から離れていてもその効果を顕現することが可能。
なればあの五人に自分と張郃が参戦しても、離脱だけならば可能であったろう。
……変なところで鈍いところのある彼がそこまで察していたかは微妙ではあるが。

浮かべた笑みが幾分か苦いものを含むのを自覚しながら室を辞し、歩みを進める。
音もなく随行する張合もまた身なりを整えており、張勲は軽く頷く。

「首尾はどうですか?」
「は、手筈通りに」

にこり、と口を笑みの形に歪めて張勲は目的地たる広間に到着する。
配下の髑髏兵が無言で扉を開け放つ。

彼女の姿を認め、愛らしい主が駆け寄ってくる。

「七乃、七乃、一体どうなっておるのじゃ?
 妾が来たときにはもう、皆このようになっておっての。
どうしたらいいか分からんかったのじゃ。
 なあ、どうなっておるのじゃ?」

愛しげに眼を細め、最愛の主を抱え上げる。

「はいはい、どうしました?
 七乃がおりますから、何も心配することはありませんよ?」

弧を描く口元に何かを感じ取ったか趙雲が向ける視線を鋭くする。少しでも腕の中の袁術に害意を向ければ、引き絞られた弓から放たれた矢のごとく張勲を襲うであろう。
趙雲と背中合わせにする典韋は周りの髑髏兵に敵意を隠さない。常の彼女からほど遠いその表情、気迫。張勲は感嘆する。これに伍するには手札では張郃。それでも正面からでは危ういかもしれない、と。

視線のみの誰何。それをより一層強める趙雲の前にずい、と張郃が歩を進め視線を遮る。
大胆な一歩――そこは既に趙雲の間合いである――を踏み出した彼の表情からは何も読み取ることはできない。
一触即発。

張りつめた空気を弛緩させたのはこの場への闖入者の間抜けな声であった。

「なにこれどうなってんの?」

◆◆◆

目の前の光景に絶賛混乱の二郎です。

よし、落ち着け俺。時系列から思い出そう。

惨劇の現場から案内されたのは小部屋。そこで衣服に香を焚いてもらった。
確かにまあ、血の匂いがこびりついてたしね。ついでに茶を一服。美味しかったです。

んで、ずいぶん遠回りするなあとか思いながら広間に到着したら、星と流琉が戦闘態勢で髑髏兵に向き合っていました。
美羽様は七乃の腕の中で、星がそれに鋭い視線を向け、張郃がそれに応じる。
何事もないかのように流れる優雅な楽曲がいっそ不気味だ。むしろホラーだ。
んで視線をあちらに向けると……許攸は手足をふん縛られて広間の中央に転がっており、袁胤様はおかしげにその傍らでこっちを見ている。

「ほ、ほ。中々に面白い趣向でおじゃった。誉めて遣わすぞ」
「お楽しみいただけたようでなによりですー」

にこやかに七乃が応じる。

「さても、まさかにの。ようも謀ってくれたでおじゃるな」

ほ、ほ、と雅に笑う袁胤様の態度こそいっそご立派である。
いや、流石に袁家の重鎮である。

「この!売女!最初からこういうつもりやったんか!
 今に見とれよ!ほえ面かかしたるよってな!」

七乃に罵詈雑言を浴びせる許攸とは対照的である。
その様子を見て星が緊張を解く。

「主よ、どういうことなのかな?」
「や、俺だってよく知らねえよ」

肩をすくめて七乃を見る。美羽様も混乱しているようだ。

「あらら、二郎さんはともかく趙雲さんはお察しかと思ったんですけどね」

美羽様を俺に渡してぽん、と張郃の肩を叩き構えを解かせる。
それを合図に髑髏兵も緊張を緩める。

「じろう……?」

不安げに見上げてくる美羽様の頭を軽く撫でて安心させる。
よし、事態を整理しよう。んで流琉、構え解いていいからね。
俺の声にそれでもじり、と油断なく星と反対側に控えて周囲を警戒する。

「はい、事態を整理します。袁胤様他が美羽様拉致しようとしました。
 七乃は裏切ったふりして、その計画潰しました。
 星と流琉と美羽様に情報行ってなかったのは情報の秘匿或いは連絡の不手際、以上!」

色々ばっさりいったがまあだいたいこんな感じじゃないかな。
そして俺の雑な推論の答え合わせは意外な人物が果たす。

「ほ、ほ。簡にして単。ようも簡略化しおったの。美羽よ、そやつの言う通りじゃ。
 粗いが、まあその理解でよかろうよ」

さいですか。よかったよかった。

「して紀霊よ、麻呂たちをどうするつもりかな?
 まさかに、この身を誅することはないでおじゃろう?」

ほ、ほ、と笑みを浮かべるその優雅さは袁家の在り方を体現されている。流石、袁家の反主流派をまとめていたのも納得の大物感である。
いや、実際大物なんだけどね。

「ええまあ、そうですね。まとめて蟄居もしくは幽閉ってとこでどうでしょ」

俺の答えに満足げに頷く。

「あらら、二郎さん、いいんですか?相手は二郎さんを排除しようとしてたんですけどー」

七乃、お前分かってるくせに……。

「処断するのは容易いけどね。それじゃ、ことが大きくなりすぎる。
 既に謀反の使嗾の責は……。張家の先代が自刃している。これでよかろう。未然に防げたからこれ以上の血は流さん方がいいだろうよ」
「ああ、そうでした。お父様、見事な最後でしたねー」

その声に許攸が青ざめる。事態の深刻さをご理解いただいたであろうか。ここで求められるのは更なる粛正ではなく、軟着陸。その落としどころ。
ほいで、ことが大きくなれば次の贄はお前になるのだぜ?

「ふむ、そうであったか。あ奴は果てたか。ならば致し方あるまい。なに、麻呂とて武家よ。引き際は心得ておじゃるよ……」 

臥薪嘗胆なにするものぞ、とばかりに堂々と歩み去っていく。その所作は見事。かつて袁家きっての武闘派としてならした剛剣の使い手。その風聞は嘘ではなかったのだと確信にいたるものであった。
まあ、あの方だって間違っているわけじゃあない。俺と道筋が違っていただけだ。
なにせこれから乱世ですから。

「じろう……?」

不安げな美羽様をきゅ、と抱きしめてやる。
ご安心ください。誤魔化したりしません。いずれすべてご説明しますとも。
今はただ、俺にお任せください。こっからが正念場ですから。
責任者が根こそぎいなくなった如南の政治、南皮への報告、やることはいっぱいある。
それでも今は、流れた血が最低限で済んだことをよしとしよう。

本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトル案ぼしうです!

そして気付いたのですが、後数話でキリがいい。
このまま黄天編に入るよりいいかなと思いました。
この拠点フェイズは何編がいいのかな?

こちらについてもお知恵拝借したく存じます。

乙したー
やはり七乃さんは敵に回してはいけない(再確認

キリの良いところまで書いて良いのではないでしょうかー?

乙でしたー
>>109
>>あれで薄氷を歩むようにして掴んだ僥倖  混ざった感じですね+これって類似としては【虎穴に入る】ではなく【虎の尾を踏む】が近いんですよ。要は《あえて》その状況にしたんじゃなくて《仕方なく》その状況になるしかなかった、的な
○あれで氷を歩むようにしながら掴んだ僥倖 もしくは【薄氷を踏むが如しで、何とか掴んだ僥倖】とか?でも後の話とかからするとあえてこの状況に持って行った感もありますので
○あれはまさに九死に一生を得た僥倖    もしくは【まさに虎穴に入りて虎児を得た僥倖】とかどうでしょう
>>音もなく随行する張合もまた まあ読みやすいし書きやすいよね
○音もなく随行する張郃もまた イチイチ【張合β】とか書くのもバカらしいしなあ
>>愛しげに眼を細め、 なんで?と聞かれるとそういう物だから、としか返せませんが
○愛しげに目を細め、 【目に付く】とは言うけど【眼につく】とは言わないし【目を引く】も【眼を引く】とは言わないので…強いて言えば物理的な場合なら【眼】を使えると覚えれば良いかな?《砂埃が酷いので眼を細める》とか
>>趙雲が向ける視線を鋭くする。少しでも腕の中の袁術に害意を向ければ、  この部分だけ読むと趙雲の腕の中に袁術がいるっぽく読めるので
○趙雲から受ける視線が鋭くなる。少しでも腕の中の袁術に害意を向ければ、 こんな感じでどうでしょう、逆に趙雲を主軸にすると他の場所も書き換えなきゃなので割愛します
>>110
>>七乃は裏切ったふりして、その計画潰しました。 意味は通じるのでこのままでもいいのですが
○七乃は乗ったふりして、その計画潰しました。  直前で>>袁胤様他が~と言ってるので続きとして、(それに)七乃は~と言う方がスムーズな気がします
>>111
>>あ奴は果てたか。 ここはひらがなか漢字か統一した方がいいかな
○彼奴は果てたか。 もしくは【あやつ】とした方がいいと思います

《凡人、収集を付ける》とか?《青銅、一度舞台を降りる》・・・麗羽様は黄金、美羽ちゃんは白銀のイメージで続くと彼は青銅かなあ?
《老獪、一杯食わされる》・・・この麻呂胤様は2~3杯食わされても消化して立て直しそうな凄味がある

下手すると乗り越えるべき敵と言う意味ではこの人が一番ではなかろうか・・・十常待とかは倒す相手だけど
道筋が同じならすごい心強い味方なんだろうけど立脚点の問題だからなあ

乙です。お暑う御座います。

まずは張家の先代さんに、
「貴様は貝木(偽物語で出てくる詐欺師)か」
一応補足しておきますと、何事につけても「金を払え」が口癖。ただ方向性は違うが話の持って行き方がよく似ているというかなんというか。
シロサギ(素人相手の詐欺師)ぽいですが。

今回の話で張勲さんの頑張りを初めて見ました。というか、現状の張勲さんでもネコミミ(メンヘラちゃん状態)に余裕で勝てそうな。
娘同然の袁術ちゃんを守る為ならここまでやれるかぁ。
ただね、髑髏兵っておい、先代はネクロマンサーだったのか?それはそれで怖凄いですが。と思ったら張勲さんの配下、しかも人間っぽいw

袁胤さん表舞台からは退場かな?かな?かな?
>かつて袁家きっての武闘派としてならした剛剣の使い手。
ほほう!ほほう!ほほう!
是非とも某親方と一手手合わせなど、いかがでございましょうか(しつこい)
つか袁術ちゃんの先生的な立場で取り込むのもアリだと思いますがね。まさか田豊さんに如南駐留を命令するわけにもいかないだろうし。
代替わりした張家が常時見張っているだろうし、下手なことは刷り込めないでしょ?

タイトル案
「新時代への争闘:勝者、絡新婦」
「いぶし銀去りて白銀輝く」
袁胤さんは月並みですがいぶし銀という表現がよく似合うかと。武人という点を強調するなら、
「白銀の降臨、黒金の退場」
張家の交代劇では、
「紅(朱でも)の交代劇」
というのも浮かびました。

最後に、今回見事に文章トリックに引っ掛かりましたw二郎さん死んだかと思ったw

>>113
どもです

>やはり七乃さんは敵に回してはいけない(再確認
公式が認めた最強キャラですからね!
本気になったら、ですけど凡将伝の七乃さんは本気で頑張ってるから隙はなかった

>キリの良いところまで書いて良いのではないでしょうかー?
夏休みだし、いったんあっちに投稿することにします
データベースも更新しなきゃなあ。あれ面倒くさいんだよなあ

>>114
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>もしくは【薄氷を踏むが如しで、何とか掴んだ僥倖】
こっちかなと思いました
あえて、というかそこしかないというか。六さんも割と強敵です

>下手すると乗り越えるべき敵と言う意味ではこの人が一番ではなかろうか・・・十常待とかは倒す相手だけど
なんとなく、全盛期の小沢一郎さん(個人の感想です)
小渕さんには長生きしてもらいたかったし、谷垣さんなにしてんの貴方とか

>道筋が同じならすごい心強い味方なんだろうけど立脚点の問題だからなあ
道を違えるしかないのです
なにせこれから乱世ですから

>>115
どもです。出歩くのに冷水ないと死ぬなという感じですね。

>「貴様は貝木(偽物語で出てくる詐欺師)か」
貝木さん、大好きです。
アニメでの「イエスだ」最高に心が震えます。
クールなようで熱血で心が折れても前に進んでる彼はほんと大好きです。
張家先代は彼のように熱くない、身内殺しの、モデルはネウロの6です

>今回の話で張勲さんの頑張りを初めて見ました。
そういえば、七乃さんの具体的な頑張りって描写してなかったですね。
七乃さんは公式で最強キャラですから、滅多なことでは水面下の足運びとか見せてくれません。

>現状の張勲さんでもネコミミ(メンヘラちゃん状態)に余裕で勝てそうな。
余裕かもしれませんが、七乃さんは争うシチュエーションを生まないように調整します

>ただね、髑髏兵っておい、先代はネクロマンサーだったのか?それはそれで怖凄いですが。と思ったら張勲さんの配下、しかも人間っぽいw
髑髏の仮面兵、ということでした。どっかで説明した気になってたか?イメージはfateの暗殺者です。

>袁胤さん表舞台からは退場かな?かな?かな?
しばらくはおとなしくしてるでしょうから、好きにお使いくださいませw
出番はあるのでコロコロしちゃ駄目ですよ

>是非とも某親方と一手手合わせなど、いかがでございましょうか(しつこい)
お互いに丸くなったなあと言いながら殴りあいとかいいかもですねw

>つか袁術ちゃんの先生的な立場で取り込むのもアリだと思いますがね。まさか田豊さんに如南駐留を命令するわけにもいかないだろうし。
先生できそうな親方はどっかいったからなーどっかいったからなー
まあ、美羽様の統治については後日ですな

>最後に、今回見事に文章トリックに引っ掛かりましたw二郎さん死んだかと思ったw
(無言のガッツポーズ!)


南皮。
袁家の拠点にして漢朝の版図の中でも屈指の繁栄を誇る都市である。その防備はまさに金城鉄壁。そしてその繁栄を象徴する不夜城。
その中枢では袁家の首脳が深刻な顔をして膝を突き合わせていた。

「ふむ、ふむ!
 あの男が仕組んだ大乱。それを最小限の被害ですませたか」

わはは!と大笑するのは田豊。引退した身ではあるが袁家の行く末を占う場面では助言を求められることも多い。

「儂の弟子だけのことはあるわ!」

その声にぴきり、と表情を凍らせた麗人が口を開く。

「そうだな。私が育てただけのことはあるな」

玲瓏たる声の主は麹義。
袁家の軍部を束ねる存在であり、かの匈奴大戦の英雄の一人でもある。
彼女の武威あればこそ、混乱期の袁家はその統制を保ったということを否定する者はいない。
田豊と麹義は互いにぎろり、と睨み合う。室の空気は今や固体と化し、同室者は息苦しさすら感じる。

「さて、張家からは現当主たる張勲がこの混乱の責を担い隠居するとの書状が届けられています。
 後任は張郃を推すとのことですが、さて。どうしたものでしょう」

重苦しい空気を気にすることもなく言葉を挟むのは沮授。
現在袁家の文官を束ねる秀才である。田豊からその座を譲り受けたが、目立った瑕疵もなく無難にその責を果たしている。

「論外だな。どうせ美羽様の側仕えの女官にでも潜り込む算段だろう。
 結局張家の影響力が伸張するだけだろうが」

麹義が吐き捨てる。その言を受け田豊は補足する。

「うむ。張勲の隠居は認めん。その才覚をもって袁家に仕えるべし。
 じゃが、いささか小細工が目立つのう……」

田豊の不満げな言葉。そこに麹義が釘を刺す。

「それを二郎に御させるということだったろうが。
 大体貴様は弟子に甘すぎるのだ。もう少し任せてみるがよかろう」
「なにおう!この目が黒いうちは奸物の割拠を許すものではないわ!」
「いいから黙れ。貴様はとっとと隠居したのだろうが。立場を弁えろ。今の貴様は老害そのものになろうとしているぞ」

む、と口ごもる田豊を好機としたか沮授は懸案事項を口に出す。

「では、二郎君の沙汰についてはどうしましょうか。
 今回はかなり独走気味ではありましたが」

袁胤の蟄居並びに張家前当主の自害。もっと穏便にことを動かせなかったのか、という批判はある程度湧いてくるだろう。

「この馬鹿弟子が!賢しげな口をきくな!」

轟雷のごとき一括が場を支配する。

「ふん、不本意ながらそこの老骨に同意だな。功に報いるのに罰をもってあたるなど、鼎の軽重以前の問題だ。
 信賞必罰。ならば二郎には相応しい賞を与えねばなるまい」
「さて、紀家当主たる二郎君に賞を与えるとなれば、色々調整が難しいのではないですか?」

田豊の激発、麹義の圧力を涼やかに流して沮授はにこやかに懸念を呈する。

「既に紀家の当主たる二郎君です。さて、どう報いたらいいのやら……」

「賢しいぞ、沮授」

麹義の刺すような言葉にも動ずることなく苦笑する。

「いえ、僕が賢しいのであればとうに二郎君に報いるに値するべく、動いていますよ。
 ですが、流石に此度の功に対してはですね、こう、どう報いていいやら……」

やれやれ、困ったものです、と。
ぬけぬけと言うその態度。さしもの麹義も苦笑するしかない。

「分かった分かった。この場にいる面子は異存ないな?
 文家はどうだ」

これまで沈黙を保っていた文家当主。袁家に仕える武家筆頭たる文醜に主導権は移る。

「あー。アタイには正直アンタらの能書きとかがどうだかよくわかんねーよ。
 だが、アタイもこれくらいは分かる。アンタらは答えの出ないようなことをぐちゃぐちゃこねくり回しているってな。
 あんたらが決断できないならアタイが決を下すのがお役目ってもんだろう。
 文家は武家筆頭。
 それが相応しいかどうかは知らないさ。アタイたちと無関係だからな。
 だからアンタたちがごちゃごちゃ言ってるのはどうでもいい。
 文家の総意を。併せて顔家総意をもって稟議を呈するぞ。
 袁家配下武家四家。その筆頭。紀家をその座に推薦する。
 文句あるかい?」

しん、と室は静まりかえる。
まさか、政治的な動きなど見せなかった文家と顔家が動くなど。しかもその権勢を増加させるためではないなど!

「本気、か?」

正気か、という問いを押さえて田豊は目の前の少女に問いかける。

「ああ。文家(アタイ)は紀家(アニキ)の指揮の下、袁家に忠誠を誓うさ。戦働きで我ら文家の忠誠は示すよ。
 は、もともと武家筆頭とか性に合ってなかったんだよ。
 余計なことを背負うから余計な損害がある!我ら文家、戦場の誉(ほまれ)こそ本望さ!」

文醜の気炎に麹義は目を細め、それでも問う。

「ふむ、その心意気やよし。が、その地位を惜しむ者もいるんじゃあないかい?」
「いない!」

即答。
さしもの麹義が目を白黒させる。それほどに惑いのない即答であった。

「アタイ達は武で袁家に、漢朝に仕えている!ならば類(たぐ)い希(まれ)なる将器に従うことに何の異存あろうか!
 アニキの将才にあればアタイたちを十全に使いこなすだろうとも。
 反論異論承ろう。論でなく武でもって!」

異論あれば武で挑めと言い放つのだ。匈奴大戦の英雄たる田豊と麹義に向かって。
その気迫まさに裂帛。両名をして黙り込むほどであり。

そして。

叛を未然に防いだ功をもって紀霊は袁家の軍権を担うことになる。
重ねて、麹義の担っていた責を受けることになる。
そして紀家は四家のうち、武家筆頭となる。

四家の序列が変動するのはかつてないことであった。

◆◆◆


「ふう……」

道程は山岳、森林。到達したその地は湖畔で、苦い記憶が甦りそうになる。そんな惑いを振り切り、俺は目的たる人物を認めて。

「待たせちゃった、かな?」
「ああ。待ったよ。本当に待った。どうせいつものように道草を食ってきたのでしょう?」

背を向けたままの麗人──ねえちゃん──は冷ややかに。いつものように、愛情を込めて。

「うん。でも、無駄じゃなかったと思う。
 無駄じゃあなかった。いや、俺なりに一生懸命に最善を尽くしたと思う。
 でも、ねーちゃんを待たせたのは本当だ。そこは、ごめん」

ふ、と振り返ったねーちゃんはいつになく柔らかな表情で。ああ、この人はこんなにも美人なのだなあと再認識する。

「頑張ったの?」
「うん、頑張った」

俺なりに頑張った。それはねーちゃんに誇っていい。ねーちゃんに褒めてほしい。
俺は俺なりに本当に頑張ったと言える。胸を張れる。

「じゃあ、任せるわよ?」

その言葉の重みに気づかない俺じゃあない。袁家の軍権を一身に担ってきたねーちゃんの言葉だ。
でも、ねーちゃんがそれを俺に任せると言ってくれたんだ。

「うん。任された」

いつも。いつも張りつめた表情だったねーちゃんが頬を緩ませる。
俺の覚悟一つで、一言でその表情をねーちゃんに浮かばせたならば、とても嬉しい。

「ふふ、いい顔するようになったわね。
 うん。いい男になったわね」

ぼうや、と。

いつか、いつからだったか。いつまでだったか。
俺を慈しんでくれた言葉で、そんなことを言ってくれる。
あのときの優しい笑みで。俺の双眸に熱い滾りがこみ上げる。

「ねえちゃん。ごめん。ごめん!」

本当に回り道をした。待たせてしまった。
こんなにも待っていてくれたのに、この手弱女にどれだけの負担をかけたのだろう。今更ながらそれが申し訳ない。

「ふふ。二郎はいい子ね。そしていい男になったわ。
 だから、頼んだわよ」

ねーちゃんが纏っていた外套。袁家の軍権を背負うそれが俺の肩に。
思いのほか軽く、そして、重い。

◆◆◆

余人なき湖畔。
森の陰から虫の声が響く。鳥の声が夜明けを予感させる。
夜天の月は細い上弦。明けの明星が俺を照らす。

これから紀家の旗。それは金糸と銀糸で彩られるのだ。袁家の軍権の象徴として。
黒字に銀糸の紀。飾る縁取りは黄金。

袁家の威を背負うということを、その重さを再認識する。既に俺は俺一人の身ではないのだな、と。

ぎり、と歯を食いしばり、咆哮するのだ。慟哭するのだ。決別するのだ。
そして覚悟を新たにするのだ。

人智の限りを尽くそう。大した知恵じゃあないが。
滅亡が前提の我が袁家。
そうはさせんよ。やらせはせん、やらせはせんとも。

そう言う俺は凡人そのもの。だが。
凡人を、舐めるなよ?

まだ見ぬ敵に盛大に気炎を向け、俺は誓う。
世界とかどうでもいい。
俺は、俺を受け入れてくれて、俺を愛してくれたこの世界、いやさ袁家のために。
頑張るんだ。

もはや逃げるつもりはない。立ち向かう。
立ち向かうのだ。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

キリがいいのでここまでであっちに投稿しようかなと思ってます

続きもがんがんいきますけどね!
疑問ご質問にもがんがんいきますけどね!

心のガソリン。ありがとうございますー!

タイトル案、ここ思いつかないので、オナシャス

乙です
この場面の文醜ちゃんがほんと良い、脳筋キャラの理想系がここにある感じ
普段はどうあれ、こういうとこでビシッと決める辺り、やはり当主としての器が見えて惚れてまうやろー状態


タイトル案
「峻険なる責、されど凡人は歩を止めざりて」
「峻嶺なる責、されど凡人よ歩を止めるべからず」

乙したー
やっぱねーちゃんのママ味は深い

そう言えば二郎の実の母親ってどんな方なのだろう・・・

乙でしたー
>>117
>>轟雷のごとき一括が場を支配する。 そういえば遊戯王にもそんな名前のカードがあったな
○轟雷のごとき一喝が場を支配する。 喝破したのでこちらですね
>>二郎君に報いるに値するべく、動いていますよ。      【報いるに値する】は前後を付けると【功労に報いるに値する褒賞】と言う感じでしょうか?なんか違和感があるので
○二郎君の労に値するだけの功を得るべく、動いていますよ。  もしくは【二郎君に報いるべく、動いていますよ。】ただこっちだと今まで祖授が二郎に感じた恩義に報いるっぽく聞こえるんですよね
>>118
>>さしもの麹義が目を白黒させる。 これは《あんなに強い人が【・】負けた》だと負けた人を下げる感じですが【も】にすることで相対的に強い人を負かした人を上げる感じですね
○さしもの麹義も目を白黒させる。 【流石の○○】と同じような意味ですが《あんなに強い人でも【・】負けてしまう、あんなに頭の良い人でも【・】騙される》みたいに使うのでこちらの方がいいかな?と
>>ならば類(たぐ)い希(まれ)なる将器 ぶっちゃけこれで良い気もするんですが
○ならば類(たぐ)い稀(まれ)なる将器 【類い稀】って書くんですよ、間違いって程でもない気もしますが
>>麹義の担っていた責を受けることになる。   なんとなく二郎ちゃんが怒られているような印象がw【叱責を受ける】っぽいからかな
○麹義の担っていた責を受け持つことになる。  それとも【責を受け継ぐ】?もしくは【麹義の果たしていた責を担うことになる。 】とかどうでしょう
>>119
>>人智の限りを尽くそう。大した知恵じゃあないが。  【人智】と言うのは例えば《人智の及ばぬ天災》とかで使うように一人のモノではなく、いわば《皆で知恵を出し合った結果》みたいなモノなので
○人智の限りを尽くそう。俺は大した知恵じゃあないが、俺たちならどんな難行でも越えられる。  二郎ちゃんは仲間たちの事は信じてるのでこんな感じかな?と或いは
○力の限りを尽くそう。俺に出来ることはちっぽけかもしれんが、俺たちならどんな困難でも越えられる。  頭脳どころか武力関係も他に頼るスタイルかも

これでねーちゃんは漸くただの一人の人間として動けるようになったわけだ…あっちで幸せになっておくれって感じやね
二郎から見た麹義が厳しくも優しいねーちゃんでもしかしたら淡い初恋とかだったのかもね、まさに近所にいた憧れのおねーさんみたいな

>>122
>この場面の文醜ちゃんがほんと良い、脳筋キャラの理想系がここにある感じ
ほんといい子なんですよ。出番少ないのはほんとに惜しいくらいのポテンシャル

>>123
>やっぱねーちゃんのママ味は深い
バブ味が凄い
これがダイクンの嫡男なら致命傷であったわ

>そう言えば二郎の実の母親ってどんな方なのだろう・・・
匈奴大戦で戦死したと今決まりました
清楚な美人さんで、麹義のねーちゃんをかわいがっていた

>>124
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>頭脳どころか武力関係も他に頼るスタイルかも
自分で頑張ろうとするとそれは負けフラグくらいに他が圧倒的な世界ですw

>これでねーちゃんは漸くただの一人の人間として動けるようになったわけだ…あっちで幸せになっておくれって感じやね
本当にそうです。

>二郎から見た麹義が厳しくも優しいねーちゃんでもしかしたら淡い初恋とかだったのかもね、まさに近所にいた憧れのおねーさんみたいな
これは本当にそうで、好みのタイプが「キツメの美人さん」というとこでお察しです
ネコミミが尖ってもふわっと受け流せるし、はおーが圧加えてもそこは通った道で
ただし詠ちゃん、君は駄目だ。ど真ん中ストライクだ。

という裏設定w



かーちゃんは未定
決まっているのは下記の要素

・麹義さんと親しい
・強い
・二郎ちゃん産んだ後に発生した匈奴大戦で戦死

いじょ

割とお仕事忙しい感

お盆にあっちに投稿することにします

どっちかっつうとあれだ。
あれが面倒くさいなあと。
ぼすけてー。

データ更新がめんどいんです
前は非公開のとこも公開するのですが、ひたすら面倒くさいw

農徳新書
言わずと知れた後漢時代に彼の袁家の隆盛を支えた農業、農学の指南書である
実際には最初に紀霊が書いたそれはかつて紀家の書庫(倉庫だったとも言われる)にあったものをたまたま見つけた【農徳書】の写しであり、彼が幼かったこともあり、実用に耐えうるものではなかったとされる(護・档案氏の作品では若かりし頃の紀霊の枕元に神農が立ち、その英知を授けた描写があるが、農徳新書が何度も書き直され、後付けされた物なので、実は紀霊がかかわった部分はあまり多くないとする説が主流である)
なお、原書は火事により既にないため、何が書いてあったのかは不明だが、草木灰や千歯こきなど、当時の他の科学力と比較すると明らかなオーパーツと呼べるものがいくつもあったため、仮に現存していれば農業の時間は2000年は進んだのではないかとされている
幼かった頃の紀霊の書いた虫食いのそれらの断片に当時の袁家筆頭文官であった田豊が興味を示し、それを何らかの形で活用できないかとしたのが農徳新書の始まりである(閑・地該氏の作品では紀霊が自ら売り込んだとされるが、当時の年齢を考えると紀霊が自分の書いたものをたまたま近くにいた田豊に見せた、とするのが一般的だろう)
その後田豊主導でその内容を実行、失敗と成功を繰り返し、なぜ失敗したのか、なぜ成功したのか、の膨大な比較検証を行いそのたびに加筆修正されていった(陳・海東氏の作品では失敗した者に「これぞ値千金よ」と言って褒める描写があるが、実際にはその失敗の原因を究明した者に金一封を授けている)
著者名に紀霊の名前があるが、彼は最初の農徳新書執筆後新たに農業に関わることはほとんどなく、この書の正確な作者は、当時の袁家文官団及びその実験に付き合った農家と言えるだろう(これらは肥沃かつ広大な土地を持つ袁家だからこそ可能であり、例えば仮に孫家に初代農徳新書があったとしても活用は出来なかったと思われる)
現代の教育において「ノートをとれ」と言われるがこれは「農徳たれ」が訛ったものであり、先人の知識を学びつつ、失敗を恐れず、失敗を繰り返さず、成功を糧とし、成功を確立せよ。と言う意味が込められたものである

よし!・・・なんちゃってウィキペディア民明風味夏の暑さを添えて・・・なんか頭が茹るように熱いので書きなぐってみた

>>133
うおお!なんかすげえもんありがとうございますー!

>実際には最初に紀霊が書いたそれはかつて紀家の書庫(倉庫だったとも言われる)にあったものをたまたま見つけた【農徳書】の写しであり、彼が幼かったこともあり、実用に耐えうるものではなかったとされる
めっちゃそれっぽいw

>若かりし頃の紀霊の枕元に神農が立ち、その英知を授けた描写がある
読みたいw

>なお、原書は火事により既にないため、何が書いてあったのかは不明だが
きっと始皇帝の焚書で遺失してしまったのに違いないw

>仮に現存していれば農業の時間は2000年は進んだのではないかとされている
w 因果が逆転しているけどそうなりますよねw

>幼かった頃の紀霊の書いた虫食いのそれらの断片に当時の袁家筆頭文官であった田豊が興味を示し、それを何らかの形で活用できないかとしたのが農徳新書の始まりである
まあ、そうなりますなw 常識的に考えて

>著者名に紀霊の名前があるが、彼は最初の農徳新書執筆後新たに農業に関わることはほとんどなく
ここらへんがTOKIOと違うとこっすなw よく言えば事業立ち上げて後は知らんという創業者タイプ?

>この書の正確な作者は、当時の袁家文官団及びその実験に付き合った農家と言えるだろう
この表現、じーんときますね。

>現代の教育において「ノートをとれ」と言われるがこれは「農徳たれ」が訛ったものであり
ここまでの感動が台無しw いいぞもっとやってくださいw

ありがとうございますー!
後書きだか前書きに使ってよろしいですか?

1レスでプロジェクトXを書き上げてしまう赤ペン先生に脱帽

島本○彦作「松岡○造物語」のように暑い日が続きますが
皆様お体ご自愛下さいませ

そのうち「伊・地載」「亜・科編」「某・冠謝」とか登場したりして

まー、大変なのはいつもですが流石にしんどいっす
色々は場面は設定できても文章出力がめんどいというかw

お盆目安に頑張るます

赤ペン先生の頓珍漢さんの名文が心の癒やしでございます。

なんでや!?護・档案の言ってるのは三国志の張角が太平要術の書を入手した逸話のオマージュだし、
閑・地該は実は真実を言い当ててるし、陳・海東は漫画だったから分かりやすいように省略しただけじゃないか!!
え・・・璃・博愛?・・・・・・書いてる内容はまじめだったじゃないか!!最後のは持論を展開しただけだしこの世界ではそれが真実かもしれないじゃないか(目逸らし
ちなみにこの4人はお互いにそれぞれの本を引き合いに出す程度には仲良しです。多分・・・きっと同じ出版社の作者なんじゃないかな。民明書房の

この辺は本編と掠りもしない遠い未来の人たちだから好きに設定を盛ろう…
陳・海東は漫画だからといって劉備をフェロモンで数多の英雄を誘惑した傾城の美女にしたり、ただの肉屋の倅でしかない何進を西涼の壁だった馬家の当主馬騰と伍するほどの戦上手にしたり、袁家の守護四家で一番地味な内政担当と言われる張家を秘密警察もかくやの袁家の裏の支配者にしたりとやりたい放題した。
そのため子供たちの娯楽漫画としては評価が高いが荒唐無稽な内容が多いため横山作品と並んで史実とは分けて考えよう、と言われる

乙です。

田豊さん、正座!
いくら長年の功績有とは言え、沮授さん押さえつけるような発言はいけません。組織運営上も「院政」と揶揄されがちな事態ですね。
ま、沮授さんがそんなことぐらいで潰れない器だから甘えているのかも知れませんが、「軍師は頭良くて当然でしょうが」と私ならツッコンでますね。
麹義さんは、ちゃんとたしなめてくれる人が傍にいるから後でイチャコラさせましょう。

でもって文醜さん。脳筋というより武闘派でいたいんだろうね。>「余計なことを背負うから余計な損害がある!我ら文家、戦場の誉(ほまれ)こそ本望さ!」
個人的な勝手なイメージですが、脳筋ならこんな冷静な分析出ないです。
そして顔家との同意や根回しも無く一方的に二郎さん(紀家)に押し付けるかと。
軍事面特化の教育で名将になれる存在かも。彼女のこれからに注目。

>>119
重く、美しく、尊い。渡す側も受ける側も覚悟と想いが溢れ出てました。
いや言葉に出来ない。軽くなってしまう。
名シーン集があれば絶対登場する、とだけ。

お疲れ様とありがとう。を捧げて、旦那様の愛情に辟易しながらも穏やかに過ごしてもらいましょう。

タイトル案
「それぞれの転換点」「姉から弟へ」「凡人、覚悟する」

>>140


>ちなみにこの4人はお互いにそれぞれの本を引き合いに出す程度には仲良しです
蟲毒めいた響きを感じるw

>陳・海東は漫画だからといって劉備をフェロモンで数多の英雄を誘惑した傾城の美女にしたり、ただの肉屋の倅でしかない何進を西涼の壁だった馬家の当主馬騰と伍するほどの戦上手にしたり、袁家の守護四家で一番地味な内政担当と言われる張家を秘密警察もかくやの袁家の裏の支配者にしたりとやりたい放題した。
爆笑

>横山作品と並んで史実とは分けて考えよう、と言われる
史実!史実ぅ!
横山作品はあれほぼ吉川英治やしなあw

>>141
>。組織運営上も「院政」と揶揄されがちな事態ですね。
まあ今後はガチで隠居するのでご安心を

>でもって文醜さん。脳筋というより武闘派でいたいんだろうね
確かに。すんなりと納得できます。感謝。

>重く、美しく、尊い。渡す側も受ける側も覚悟と想いが溢れ出てました。いや言葉に出来ない。軽くなってしまう。
ありがとうございます。めっちゃうれしいです。
珍しくすんなりと出力できた文章でございました。

>お疲れ様とありがとう。を捧げて、旦那様の愛情に辟易しながらも穏やかに過ごしてもらいましょう。
ゆっくりとさせてあげてくださいませ。まじで。

>>140
実際内政チートは一般人には難しいと思います
だって黒色火薬とか、硝石の作り方とかマヨネーズとか分からないですもんw

そういうの、意図的にオミットしております。
そういうの知らなくても、ふわっとした認識で大切なことを知っているのですよ。
幾多の天才たちが積み重ねた思考実験の成果をこそ二郎ちゃんは使用しています。
これはある程度意識して、です。

というのを多分誰かは意図的に抜き出して創作してくれているに違いないという信頼w

なんか書きたい

お題クレメンス
ばじぇれbヴぁ更新いするじゃぜ

お盆更新は魏オムだじゃあのしd

素敵な寝言をありがとう

お題、幼女のキャッキャウフフか麗羽様のヒロイン力溢れる話がよみたいんじゃぁ~

何故か二郎ちゃんが「覇王」と命名した新種の日本酒を造ってはおーにプレゼントするという話がうかんでしまった

お酒は程々にね
つ「上善如水」

昨日21時以降の記憶が行方不明です
久しぶりに飲み過ぎた感w

美羽様お誕生日、お話できた!
あっちやって余裕あったらこっちで

ほんと脳内テキスト出力するのなんとかしたいっす

関係ないけど、凡将伝でのチート技能持ちは以下

風ちゃん
太極図はガチ

桃香ちゃん
傾城?いや傾世だ!

はおー
こいつだけアイテム補正とか、能力値100補正必要ない

これとは別に能力値100は色々別格になるので桃香ちゃんはすげーなすごいですになるのです。
人呼んでカリスマピーチビーム!CPB!

あ、美羽様お誕生日のお話書き溜めに入りますね。

「いや、俺にそんなこと言われても」

俺の言葉に七乃は大きいため息を、これ見よがしに漏らす。

「はー、二郎さんってば美羽様のことはどうでもいいんですねー。
 悲しいなあ」

「なんでそうなるよ。美羽様が大事なのは当たり前だろうが」

当たり前だのクラッカーって流石に分からないであろうけど、意外と店頭で見かけたりもするものである。

「口ではなんとでも言えますよねえ。聞いてますよ、袁紹様のお誕生日にはあれこれ尽力して、あまつさえ真名まで……」

「おい」

それを知っていることには何も言わないが、それを言ってどうするよ。

「やですねー。ご自分のやったことについては誤魔化せないですよ?
 それとも誤魔化したいのですか?」
「そういうことじゃない。
 だが七乃、そういうとこだぞ」
「あれあれー、どういうとこか分からないなー。詳しく説明して欲しいなー。
 ど、お、し、て、ですかねー」

こ、こいつめぇ……。説明に困るとこを的確にぃ。
こういうとこ、苦手。

とは言え救いは美羽様と麗羽様の仲がよいこと。これを軸に適当に誤魔化すとしよう。
とか思っていたのだが。

「七乃、七乃よ。それくらいにするのじゃ」

救いの女神は美羽様でレインボーである。

「あららー。美羽様がそのようにおっしゃるのでしたら仕方ない!
 このー、美羽様のお慈悲に震えてくださいなー」

よっしゃその言葉忘れるなよ。とりあえず美羽様のご要望でお前んとこに不利なことあったら全力でやってやるからな!

「じろう、じろうよ。
 妾のお願い、言ったらまずいかの……?」

「んなこたあないっす。美羽様のご要望とあらばたとえ火の中水の中!
 この二郎、誠心誠意頑張りますとも!」

そうともよ。
このがんぜないお子のために頑張ろう。それは普通に湧き出る感情。
だから、できるだけのわがままは聞いてあげたい。

「あの、じゃ。
 無理じゃと思うのじゃ。
 とっても贅沢なお願いじゃからの」
「ばっちこいでーす」

ばっちこいでーす。
くはは、袁家の財力あれば大体のことは通るからな!

「うむ。
 二郎と、七乃と。
 一日、一緒にいたいのじゃ……」
「ふぇ?」


※必要なものは見せたということだ
 後は、分かるだろうよ

乙でしたー
>>150
>>詳しく説明して欲しいなー。  【~してほしい】は【ほしい】の部分が補助動詞になるらしいので
○詳しく説明してほしいなー。  【ほしい】は基本的に何かモノが欲しい場合でないと漢字にしませんね
>>二郎と、七乃と。   呼び方は【じろー】でお願いします(赤い彗星の如きキメ顔で)
○じろうと、七乃と。  上の方ではひらがなだったのでこうじゃないかな?

ありがとうございます!・・・ただ・・・できれば幼女三人でちょっとしたパーティーとかいつもは厳しい田豊先生が不器用にプレゼントくれたりとか、その辺との絡みを期待してたりしてなかったり
誕生日…カラオケ…美羽様の特技…ひらめ・・・かない!!
>>※必要なものは見せたということだ   ・・・嘘だっ!!(ヒグラシ顔)

>>151
>ただ・・・できれば幼女三人でちょっとしたパーティーとかいつもは厳しい田豊先生が不器用にプレゼントくれたりとか、その辺との絡みを期待してたりしてなかったり
ほむ。
幼女同盟のキャッキャウフフ、これはできるが田豊さんのデレは難易度高いなあ(できないとは言ってない)
次の幕間に考えまするるる

あー、美羽様ー可愛いんじゃー

うう、データ管理めんどい
めんどいよう

やっとデータ処理が軌道にのってきたが比例してデータ量が膨らみ今日の更新は無理
孫家だけでも終わらない

ふと思ったのですが…ネタバレで出した劉備の宝貝・傾世元禳って原典の『封神演義デハ存在しないっぽいんですよね
三尖刀とか大極図はあるっぽいんですが、となると実はこの作品ってフジリュー版『封神演義の要素が入ってるというか…
ぶっちゃけなろうでは大丈夫ですかね?

>>155
マジすか
安能版読んだけど流石に宝貝は覚えてないですねえ
どっかのゲームで妲己のスキルに普通にあったから一般的なものかと思ったら逆に原点はフジリューという可能性。さて

よし、大徳にまとめてしまおう

これでCPBのまがまがしさも多少は緩和されるだろう

金鞭(原典)→禁鞭(フジリュー)
は認識してたんですけどね

爆笑封神演義とかに載ってないかなあ(手元から紛失)

久しぶりに覗いたらちょこちょこと進んでいるようでお疲れ様です。

太公望の打神鞭は風を操れたりしないからなあ…原典

>>158
ちょこちょこやってますw
ありがとうございますー!

>>159
それを言ったら、大体の敵は哮天犬からの不意打ちで楊?が始末してますしねーw
なにより、麒麟の定義が乱れる(黒いの)

十二国記読んでた人ほどショックがでかい!

ふと思うところがあって、千歯扱きのWIKIをチラ見したんだけど
これの作り方を暗記してるって二郎の前世は何してたんだろうなあ
草木灰は名前知ってればなんとなく作り方わかるし、備中鍬は要は先っぽが分かれてるだけの鍬だから難易度高くないけど
千歯扱きは実物見たこと無いと…むしろ一回くらいは使ったこと無いと難しそう

関係ないけど転生モノで神のミスで本来死ぬはずじゃなかった云々って逆に言えば例えば不治の病とか、毒親に虐待されてとか、そもそも流産とか
そういうのをほぼすべて神がそう決めて死んでることになるんだよなあ…死に方が本来とは違うって正規の死に方が酷い人がカワイソスぎる気もする

>>162
え、扱き箸に比べたらどんなもんでも効率すごくないっすか?
そもそも脱穀する手間がすげえから扱きが刑罰になってたとかなんとか

まあ、他のものと一緒でふわっとしたイメージから袁家技術官僚が頑張ったのでしょう多分

>逆に言えば例えば不治の病とか、毒親に虐待されてとか、そもそも流産とかそういうのをほぼすべて神がそう決めて死んでることになるんだよなあ…死に方が本来とは違うって正規の死に方が酷い人がカワイソスぎる気もする
アカシックレコードでしたっけ
神様と僕らでは階梯が違いすぎて、ということなのかな……
じゃけん来世ガチャに希望を託してという新興宗教は一定の支持をなんたらかんたら

とか思ったけど適当にダイス振って放置くらいの興味のなさくらいの方がしっくりくるきもします

後家殺しと言われるとエロスが漂うと思います

唐箕は本当になにがどうなってるか分からないです
実物見てもなにがどうなるのかとんと分からなかった

復活しましたね
落ちてる間に一ノ瀬氏のモチベーション下がってないならいいんだけど

更新期待してます

おお、復活してるぅ!

>>173
どもです。
おかげさまで復活に気がつきました!

>落ちてる間に一ノ瀬氏のモチベーション下がってないならいいんだけど
艦これイベントを初めて真面目にやりましたw
まあまあ新顔を拾えたので満足ですサンマは諦めた

じゃけん書き溜めは二話だけなんです

チェックして明日あたりやろうかなあって漢字です

いやあ、いい骨休めになったのかもしれないですねw

>>173
全然ディスる気はないのですが、IDがアホでこういうの自スレで初めて見た気がするので記録しておきます(謎の感慨)

オカエリナサイ(イが反転しないのは何故ww

IDがAHOです。全然気づいてなかったし気にしてません
記録に残れば幸いです(なんのこっちゃww

以下業務連絡 
あっちでもメールしちゃってます
気にせず削除しといてください

>>176
特定した(当たり前)

おかげさまなので本日やります
目標21:30

「ふむ、二郎が麹義の跡を継いで軍部の総司令官になったのか。
さらに紀家が序列を上げて筆頭に、か……。
 うむ。めでたい!祝いの品でも贈ってやらんといかんな!」

手元の書類に目を通した夏候惇はからからと笑うも、ふと首をかしげる。

「ん?だが二郎は確か袁術殿の派閥なのだろう?そうなるとまたぞろ袁家内でややこしいことになるんじゃないのか?」

びしり。
ネコミミフードを被った細身の少女が驚愕にその顔を、動きを凍らせる。
ありえない。この脳筋がそんな政治向きのことに気を向けるなど。これは天変地異の前触れかと。

「アンタ……何か悪いものでも食べたんじゃないでしょうね」
「ん?今朝は秋蘭が作ってくれたからな。実に美味であった!」

恐る恐ると言った問いかけに呵呵大笑で応じる夏候惇。二人のやり取りを主である曹操はくすり、と微笑みながら見やる。
だが、思う所はあったようで、ふむ、と僅かに思考にふける。

「春蘭。いいところに気が付いたわね」
「はい!華琳様!」

もし夏候惇に尻尾があればちぎれんばかりに振っていたろう。
その全身で敬愛する主君からの讃辞に喜色を表す。ち、と響く舌打ちなぞ気づくこともない。

「確かに相当ややこしいことになったように見えるわね。桂花、整理してみなさい」
「は。元々袁家は後継について波乱を含んでおりました。袁紹と袁術。二人によって争われるであろうと思われておりました。
が、袁逢の夭逝により幼少である袁術は当主の座を争うこともできませんでした。
 故に一旦は袁紹が問題なく当主に収まりました。武をもって袁家に仕える武家のうち、筆頭たる文家が腹心として袁紹派閥としてあるのも大きかったですね。
 ですが、反袁紹の筆頭である袁胤が袁術の後ろ盾に名乗りを上げて力関係は微妙になります。
 紀家、張家を取り込み、袁家の中でも有数の血統。下手をすると袁紹と家督を争うことすらできる人物の存在は相当に影響がありました。
 その袁胤が謀反の咎で排除されました。これは袁紹の権力基盤が固まり、袁術を排除しても問題ないということ。袁家の権力基盤を簡略化し、不穏分子を鎮静、排除するためと思われます。
 更に袁術は捨扶持で如南に追放。紀霊、張勲をもって監視するというのが筋書きと思われました」

突然の指名に動じることなくすらすらと所見を述べていく。
こくり、と手元の茶を喫して喉を潤わせる。

「ですが。
 紀霊と袁胤の処遇で事態は混迷します。
 袁術は捨扶持で如南。影響力を削ぎ落としながらも袁紹の身に何かあった時、または決定的な失策を犯した時の予備の後継としての役割がありました。これまでの袁胤の役割です。
 ですが袁胤はその命脈を保ち、依然予備としての価値を保ちます。
 一方、袁術は一応の腹心たる紀霊が袁家の武を束ねる立場となったことによりむしろその権勢を強化されています。
 例え如南に赴いたとしてもその影響力は依然として大きいでしょう。
 一見混迷を極めていますが、ここに袁胤の一手が活きてきます。彼は十常侍と繋がっておりました。
 袁家は既に袁紹が何進と組み、十常侍との対立姿勢を露(あら)わにしております。
 故に袁胤は十常侍との争いに膝を屈した時に袁家を継ぐための予備ということでしょう。
 故に袁家宗家たる袁紹、軍部を握る袁術。そして袁胤の三つに勢力が分かたれました。
 本来であれば麹義のように武家四家と無縁の人材が軍部を掌握するのが袁家宗家としては都合がいいのでしょうが、そのような人材はおりません。
 武家筆頭が軍部総司令官というのは下手をすると袁家当主に匹敵するほどの権勢を握りかねません。
 そのような権限を紀家当主に許すということは、袁家の内部も相当混乱しているのではないでしょうか?」

曹操は満足げに頷く。

「そうね。その通りね。
 付け足すならば、麹義は紀家の先代……紀文こそ軍部を束ねるべきと幾度か主張していたそうよ。
 紀文が。すなわち、匈奴の汗(ハーン)を討ち取った英雄こそがその座に相応しいと、ね。
 だから麹義は紀家の後継たる二郎にその座を譲りたかったというのも大きかったのでしょうね。
 さて。桂花も言ったけれども、袁家の内情は混沌、混迷。
 此度の仕儀を複雑にしているのは張家の先代が排除されていることね。
 血縁たりともあっさり排除してしまう。
 それがあるからこそ袁家姉妹の権力争いに凄味が出てくる……」

くすくす、と自らの親友……と一度ならずとも呼んだ袁紹について論評を述べる。
瘴気すら漂うようなその昏い笑みを清冽な声が貫く。切り裂く。

「ですが、華琳様。そんなわけがありません。
 袁家にそんなめんどくさそうな権力争いがあるとは思えません。
 うん……、ないな。華琳様!やっぱりありません!
 二郎がそんなめんどくさいことするわけありません!」

きっぱり。
夏候惇はごく自然にその言葉を口にする。
自らの主君の述べた言葉を全否定するそれを。

「アンタ、何言ってんの?話聞いてたの?
 馬鹿なの?死ぬの?」

鋭い言葉に夏候惇は小揺るぎもしない。

「大体だな。肉親で争うとかならば私と秋蘭が華琳様の寵を争って対立するとかいうのと同じだろうが。
 夏候の家の都合で争うと言うのと一緒だろうが。
 貴様は袁家で何を見てきたのだ?袁家姉妹の不和などありえん。 
 それに乗じて二郎が権力を握るとか、貴様が華琳様を裏切るくらいありえんだろう」

くすり。
曹操は満足げに笑う。
これだ。これこそが彼女の真の価値。その薫風は暴風にも似て、澱んだ霧を吹き飛ばすのだ。そう。彼女はけして武だけの蒙昧ではない。

「そうね。桂花。田豊と麹義が隠居したわ。
 麗羽は誰の言葉に一番耳を傾けるでしょうかしらね」
「そ、それは……」
「二郎に決まっているだろうが」

呆れたように夏候惇が言う。

「袁家当主だけではない。麹義、田豊がいなくなったら二郎の言うことに誰が逆らう? 
 そんな奴はおらんよ」
「序列は?権力構造はどうするのよ!」
「そこらへんは知らん!」
「アンタねえ……」


二人のやり取りに曹操は笑いながら。

「桂花。貴女が激昂する必要はないわ。
 貴女もそう、分析していたのでしょう?」
「で、ですが華琳様!あまりにも根拠が!」

ちゅ、と曹操は腹心たる軍師を抱き寄せ、その口をふさぐ。あ、と小さい嬌声。

「今回の袁家の一手に桂花が巻き込まれてはいけないわ。
 だって、これはね。忠信考悌を知らない蒙昧こそが混迷する類いの詐術だもの」

え、と呟く口唇をひとしきり蹂躙し、曹操は言葉を繋ぐ。ちろり、と桜の舌が淫らに蠢(うごめ)く。

「これはね。そう、十常侍に対する牽制なのよ。
 まだ、武家最大勢力たる袁家と組む余地があると思わせる。
 その実、これまで曖昧であったその権力を集約する。
 いえ、違うわね。隠然とあった二郎の地位をきちんと確立したのね。
 だから、逆なのね」

紀霊の権力を強化したのではない、もともとあった紀霊のその地位、影響力を裏付けたにすぎない、と呟く。

「そ、それでは……。袁家の勢力争いは、闘争は茶番であったと……?」
「すべてとは言わないわ。末端ほど派閥争いに汲々とするわね。そして袁胤も本気で動いたでしょう。
 でもね。袁家の老獪なのはね。ほっといても発生するそういった軋轢を抑止する駒をきちんと仕立てたのよね。 
 そう、袁家の後継と武家の後継。その要(かなめ)は……」

分かるわね?と艶然と微笑む。

「麹義と田豊に託されたのでしょうね、二郎は。きっとね。
 ならば私の誘いに応えられないのも致し方ない、か」

それを無下に出奔するような人材などむしろ願い下げだ。
かけられた期待を察せないような蒙昧など死ぬべきだ。
だが、それでも自分を選んでほしかったという背反した思いもある。

「つまり、袁家に元々そう言った権力争いはなかったのですね?
 そして、二郎がその中心ということですか!」
「単純化するとそういうことね。
 でも、見る人が見れば袁家はどうしようもない権力闘争の真っただ中よ……」

そこにきっと付け込もうとする勢力があるだろう。
漢朝に寄生する塵芥、寄生虫はそこに群がろうと、つけこもうとするだろう。
曹操は理解する。把握する。
あの凡庸として、この曹操を高く評価しつつもなびかないあの男の援護射撃なのだ。
ありもしない袁家の瑕瑾を、亀裂を探っている間に掌握しろということなのだ。
いいだろう。この身を気遣おうとするその気宇やよし。
……思い上がりや、よし。

「だからこそ、欲しくなるわね……」

浮かべた笑みは獰猛な肉食獣のもの。その覇気。覇王と呼ばれるほどのそれが彼女の真価。
彼女こそ、凡人が最も恐れる存在である。

はい、本日ここまですー
感想とかくだしあー

いよいよ黄天編の始まりです(多分)
その始まりは、はおー来襲者でした。来襲してないけど

題名募集いたします!

仮案は以下

・はおー来襲者:論評編
・混迷の袁家
・ライトニング姉者
・拗らせはおーが気になる人のことを思って配下とイチャイチャするお話

うん、タイトル苦手やねん
ぼすけてー

鯖と一緒に復活されていて嬉しい……
更新お疲れ様でした!

>>182
どもですー

サンマ探しながらぼちぼちやってきますー

乙~&復活おめ
さすがNT姉者なんともないぜ
そして相変わらず軍師より頭いいはおーww

ということでタイトル案「愚者は踊る」なんてのはいかがでございましょうか?

>>184
どもです

>さすがNT姉者なんともないぜ
言われてみれば姉者がNTみたいかもですねw
野生の直感くらいな感じですが、NTかもしれない

>そして相変わらず軍師より頭いいはおーw
あの方に参謀など必要ないわ。必要だとすれば他者がどういうことを考えているかという一例だけよ

くらいのことをネコミミは思ってます。

>ということでタイトル案「愚者は踊る」なんてのはいかがでございましょうか?
細部変えるかもですが、これいい。仮採用です!

「うわあ……すごい……」

張角は感嘆の声を漏らす。妹たちに至っては声も出ない。
背徳の都市、南皮より馬車で数日。あるいは数月ほどだったろうか。
そこに理想郷は、あったのだ。

「はい……。これこそ貴女達にふさわしい舞台……」

ギョロ目の異相。その双眸を見開き悦に浸るのは波才。

「この舞台は貴女達の神聖なる歌声を響かせるに相応しい箱ですとも……。 
 求めて得られなかった舞台、それがここにあるかと……」

恭(うやうや)しく跪き、浮かべた表情は恍惚そのもの。

「うん、……そうね。これなら、もっともっとうまくできる」

張宝はあちこちを確認し、自らが演出する光、音響、それを増幅する妖術を想定する。そして、にまり、と笑みを深める。
これならば、効率よく運営できる。舞台の途中で倒れるなどという無様はせずに済む。

「おお……。聖処女(ラ・ピュセル)二の姫よ……私としたことが言い忘れておりました……。
 ここは貴女達を祀る神殿に等しいのです……。
 故に、迷える羊たちの信仰は、熱狂は、残さずに貴女達に捧げられますとも……。
 休みなく、昼夜を問わず歌ってください、踊ってください……。
 歌うほどに、踊るほどに、それは奇跡を呼びますでしょう、文字通り、神楽、として……」

そう、ここは神殿。巡礼者が祈りを捧げる神殿。
祈りは力に、力は神秘に。積み重なる神秘は奇跡を顕現させるだろう。
気づけば熱気は、信仰は籠り。昇華されずに場に揺蕩(たゆた)い、飽和寸前。

「さあ、あの声が聞こえるでしょう。求め、訴える声が聞こえるでしょう……。
 ここは大聖堂……。思う存分に歌いなさい、踊りなさい……」

声が響く。

「ほ、ほ、ほあー!」

力が漲る。歌が溢れる。肉体は躍動し、舞いを重ねる。
かつて道端で、歌舞の度に全力を尽くし心身を消耗していたのが嘘のように身体が軽い。
唄うほどに、踊るほどに、力が湧く。舞い踊る、舞い踊る。歌う、唄う。今ならば中華の果てまで響くだろう。いや、響かせよう、歌声を。
自然、言の葉は紡がれる。

「みんなー!愛してるー!」

熱狂は爆発し、光輝すら幻視する。

「ほ、ほ、ほあー!」

渦巻く熱気に波才は破顔する。

「す、ばらしいいいいいいいいいい!
 奇跡は顕現し!救い手は降臨した!我が宿願は果たされた!
 救いあれ!栄あれ!栄光よ!君の手に!」

狂乱は誰の耳に届くこともなく、波才の熱狂すら、場に吸い込まれていくのであった。

本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトルはなんだろなー
前回のにくっつけるか独立させるかも迷い

お久しぶりです、停電って凄い不安になる
>>186
>>南皮より馬車で数日。あるいは数月ほどだったろうか。   【数日】だと長くても5日位な印象が…逆に【数月】だと短くても2か月以上な印象が
○南皮より馬車で数十日。あるいは数月ほどだったろうか。  まあ世の中には「1,2,3…沢山」とか言い出す人もいますが…せめて指は全部使えよ
>>ギョロ目の異相。その双眸を見開き悦に浸るのは波才。  これはよくある誤用の一種ですね
○ギョロ目の異相。その双眸を見開き悦に入るのは波才。  慣用句の【悦に入る(いる)】ですから、もしくは【喜びに浸る】と言い換えても良いですけど

いやはや遅くなりました
それにしても姉者良いですね>>貴様は袁家で何を見てきたのだ? どう見るかは文官と武官だから違うとはいえ、はっきりと見る目が無いと言わるのも業腹ですがそのあとの曹操の言からすると実はネコミミもそうだと感じ取ってはいたという…でも彼女の常識が邪魔をした、その結果見方によっては主君に嘘の見解を述べたと言う。或いはネコミミが極度の男嫌いでなければ、袁家を金に物を言わせるだけの名家と言う色眼鏡が無ければ・・・これはネコミミが一皮むける可能性が?
相変わらずの覇王様・・・でもこれもしかしたらはおーもどちらなのか決めかねてたのか?姉者が一刀両断しなかったら読み違えていたかも?
そして不穏な気配が加速する…いったいどれだけの男手がここ(黄巾)に吸われていったのやら

>>188
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
(ここまで定型文)

>それにしても姉者良いですね
姉者はねえ、なんか生き生きしてて、ある一定層にはこんなの姉者じゃないとか言われても仕方ないかなって思うが私は謝らない

>そのあとの曹操の言からすると実はネコミミもそうだと感じ取ってはいたという…でも彼女の常識が邪魔をした、その結果見方によっては主君に嘘の見解を述べたと言う
ここはね、そこに至る葛藤とか自分の直感とかあれやこれやあるに決まってますがそれを書くのは不粋だな、というとこです
なので、色々読み取って頂いたことに感謝です。

>そして不穏な気配が加速する…いったいどれだけの男手がここ(黄巾)に吸われていったのやら
百万単位でも少ないのかもしれないですねえ、こわやこわや

頑張るぞい

読み返したらちょっと違和感があったので一応
>>179
>>麗羽は誰の言葉に一番耳を傾けるでしょうかしらね」  喋り言葉だから間違いとは言い切れませんが
○麗羽は誰の言葉に一番耳を傾けるのかしらね」     もしくは【傾けるでしょうね】とかの方がいいかな?
>>180
>>ちろり、と桜の舌が淫らに蠢(うごめ)く。   ここはこのままでも良いかな?
○ちろり、と桜色の舌が淫らに蠢(うごめ)く。  一応細かいことを言うならこうかな?

3姉妹の方は…>>背徳の都市、南皮 ってオイ、お前らの歌と踊りにブーメラン刺さってんぞ。それにしても神秘的なあれこれはともかく
単純に1000人単位を入れられる箱を作るだけでも材料も人員もどれだけ必要になるのやら
それを街中ならまだしも恐らく相当辺鄙な場所に集めるって…よく山賊やらなんやらにやられなかったな(波才が護衛してた可能性はあるけど運んでるの複数とこの拠点とってどう考えても手が足りない)
食料、木材、技術者、人足、分かりやすくいえばそれだけの拠点を作れるだけの動きを漢が見逃したって事なんだよなあ・・・そう考えると黒山賊と袁家がバチバチやってる近所は無理ゲーっぽいからかなり遠い?でもそうすると食料の運搬がきついし…まあ黄巾党は史実だしリアル先輩がリアリティ後輩をぶん殴った事案ってことで良いか

やったぜ(鹿)

>>190
どもです。連日ありがとうございますー!

>背徳の都市、南皮 ってオイ、お前らの歌と踊りにブーメラン刺さってんぞ。
ありがとうございます。ツッコミどころでございますw

>単純に1000人単位を入れられる箱を作るだけでも材料も人員もどれだけ必要になるのやら
そういやアニメでは野外コンサートでしたなあとか
音響とかは妖術でなんとでもなるということかな
東京ドームって大陸では猫の額的な面積だろうし……って感じか。なるほど。

宿泊施設についてはまた考察しよう(答えが出るとは言ってない)
実際原作でもどうしてたんだろうか

さて、あれよあれよと袁家の武門最高責任者になってしまった二郎です。
いや、ねーちゃんとか師匠には散々そうあれかしと仕込まれてたからね。覚悟はしていたのよ。準備だってしてきたよ。
ただまあ、できるだけその日が来るのを引き延ばしていたと言うだけで。円滑な引き継ぎのために、ね。
……いざ権力継承に備えて、できるだけ袁家領内の不安要素は排除したよ?
だってなんかあったらこっちに矛先来るのはわかってるからね。
だから袁胤様も隠居させたし、権力も背負った。やるならとことん。そいつが紀家の生き様。なんつって。
ちなみに如南は……どうしたもんか。
生半可な人材じゃあ治まらないだろうしなあ……。

よし、雷薄!君に決めた!
だって匈奴大戦生き残りの古参兵出身(ベテラン)だし、確か如南に娘さん嫁いでたしね。
いや、実際雷薄くらい武威がないと一緒に派遣された奴らが拗ねかねん。逆に奴を出したらだいたい解決。
一応の協力体制ができていることになっている張家からは、恐らく張郃あたりが出張るであろうことを考えたら雷薄くらいでないと押さえが効かないだろうしな。 

ま、当面の敵は十常侍。これについて、実は勝ちは見えてるのだ。いやマジで。
適度に勝って何進に恩を売り、宦官勢力は華琳に預ける。
何進と華琳が協力するとかマジありえんだろうし、火花を散らしてくれるだろうて。ククク。

深刻なとこは取りあえず置いておく。置いておこう。こういう棚上げは大事。

まあ、三国志を誘うであろう黄巾の乱、その元凶の食糧不足は解消できている……はずだ。
南皮に流入していて治安の悪化の一因となりかねない流民。それだって最近は減少の一途だ。
最近は、増大するであろうことを想定していた流民相手の、最低限の商売が滞ってすらいるが……。

まあ、土木工事への公共投資を増やしたらそこらへんも元通りになるはずである。ケインズ先生もそう言ってるしな!


そんなことを思っていたら急報が。
暴動?略奪?

複数個所からの深刻な報告に浮かれていた、お気楽だった頭が冷え切る。

「馬ひけ! 星はどこだ!星を呼べ!
 流琉!流琉はいるか!」
「はい!ここに!」

応える流琉に改めて命じる。馬引け、と。

「主よ、趙子龍ここに」

やや遅れて俺の前に立つ星に指示を飛ばす。
賊なぞ、蹴散らせ。討伐しろ、と。

「ふむ、了解した。
 そして魅せてやろうとも。主が俸禄の全てを以てしてまで抱えた我が身の真価を、な」

にやり、とした星の顔(かんばせ)に俺は見とれてしまう。
が、それも刹那のこと。

「ああ、やってやれ!趙の子龍の武威。示してくれ!
 先行してくれ。委細は任せる」
「心得た!」

瞬き一つの間に星は視界から消え失せ、馬蹄の響きが俺を苛む。
俺の一言で人が死ぬ。人を殺す。民が消えうせるのだ。

「二郎さま!烈風はここに!」

流琉の言葉に前を向く。
放浪期間(モラトリアム)を共に過ごした相棒に身体を預ける。
紀家軍の皆が、俺を見る。引き絞られた弓から放たれようと俺を見る。
放て、と。紀家が武家筆頭であることを示せと俺に促す。
無言でも高まる士気。

風がにこり、と。

「ぶわっと、いっちゃってくださいなー。そう、遠くはないようですしー」

何より、何より士気を高めるべし。
貫くべし。一撃で敵を貫くべし。

「進軍、せよ!」

俺の言をきっかけに、怒号は地に満ち、進撃は始まる。
誓う。ここで断ち切る。断ち切ってやる。乱世なんぞ、三国志なんぞ、願い下げだ!
ここで元凶を断ってやる!

やってやるぜ!

◆◆◆

到着した村落はまあ、端的に言ってひどい状況だった。家は焼かれ、あちこちに略奪の様子が見て取れる。
最大戦速で急行したものの、間に合うはずもないのだ。事後なのだから。
できれば生き残りに対する治療とケアができれば、といったところである。残敵があれば、と思うがそこまで間抜けでもないようだ。
しかし、ひどい。そして、違和感。

「人の気配がしないな……」

兵たちには生き残りがいれば保護するように指示するも、そのような存在はいないのではないかと思われるほどだ。不気味に静まり返っている。
血だまりも黒く乾き、あったであろう惨劇を思わせるのだが。

「ん……?」

違和感が強まる。

「風!」

頼れる参謀がとてり、と近づいてくる。

「これ、どうにも妙じゃねえか?」
「そですね。流れたであろう血の量に比べて、死体が見当たりません。
 これは尋常ではないですね~。
 二郎さん。今のところですが、ここで死体は……一つとして発見されていません。
 生き残った方もおりません。風達を除くと、この村落には誰一人いない様ですね」

生き残りも、死体も、発見できない……?

「賊が埋葬……するわけねえよなあ」
「考えづらいかと~」

まあ、そうだよな。

「生き残りがいないのはまだ分かる。こっちの追跡を躱すための口封じと言う奴だな」
「とはいえ、略奪が目的であれば多少は逃散も可能かと~。
 それに死体が見当たらないのも謎ですねぇ」

むむむ。なんともすっきりせん。

「だが、袁家領内でここまでのことをやる勢力……」
「そですね。しかも痕跡を残したくないとすれば、過去の実績から言ってまず疑うのは黒山賊でしょね~」
「まあ、そうなるか。またぞろ十常侍に焚き付けられたか?それとも……。
 いや、ここで考えても休むに似たりだな。
 いっそ張燕を呼びつけるか?」

これが黒山賊の仕業だとしたら俺も舐められたもんだ。
俺が袁家の軍権を握ったこのタイミングで仕掛けてくるというのは俺の武威を貶めるということ。
だからこそ、いい手ではある、か。

「離間工作という可能性もありますが、まずはそこからですかね~」
「そうだな。商会と張家の情報網も動かそう。
 おそらくまた起こるだろうから、自警団への指導、援助。紀家軍にも領内の巡回をさせよう」

訓練とかしてる場合じゃなさそうだ。大げさくらいに動こう。下手にまた義勇軍とか発生されても困る。
袁家は領内の治安に力を注いでいるということを内外にPRせんと。

「二郎さん、二郎さん。それじゃ足りないと風は思うのですよ」
「む。現状これくらいしか思いつかんからな。補ってくれるなら助かる」

にこり。
その普段は茫洋としている表情を引き締めて。
ぴし、と俺を指さす。

「二郎さんと同じく、風もこれは大げさでも全力で当たるべしと思います。
 ですから、きっちりとその権限は使っていただかないと」
「え?紀家軍動かすし商会や張家の情報網も……」

くふ、と笑みを含みながら風はやや大げさに両手を広げて主張する。

「そですね。二郎さんは袁家の軍権を握っておいでですから~。
 ですから。
文家、顔家も動員すればいいのですよ。ちょうどいいではないですか。
 きちんと二郎さんの指示に他家が従うか、また円滑な連携ができるかの試金石にもなりますし~」

む。

「事象については変えようもありません。であるならばこの状況を活かすことを考えるべきかと~。
 情に棹差して流されるようなことが許されるお立場ではないのでしょう?」
「……そうだな。そうだったな。
 事後に慟哭するのは俺の役目じゃないな。ありがとな、風」
「いえいえ、これもお役目。お気になさらず~」

ふわりとした笑みに癒されている自分に気づく。
泣くのはいつでもできる。今は前に、前に進まないと。ちり、とした焦燥を押し殺し、悠然と兵たちに指示を飛ばす。
大丈夫、大丈夫だ。俺は独りじゃない。何とかなるし、なんとかするさ……。

◆◆◆

「物資がないならば……あるところから持って来ればいいのです……」

波才のその言葉によって編成された物資調達班。南皮から遠きにありて。かの大聖堂はじり、とその物資の欠乏に怯えていた。焦りすらあった。
十万からの群衆──なおも増えつつある──を食わせるというのは大変なことなのだ。

「あの天上の歌声を響かせる、あの方たちが餓えに苦しむなどあっていいのでしょうか……いや、そんなわけありません……」

それはそうだ。天上の歌舞楽曲もかくやという彼女たちの歌声。それを聞くだけであらゆる悩みは消え去り、その動き一つに絶頂すら覚えるのだ。

「彼女らに供物を捧げるのです。彼女らの歌声を守るのです。彼女らには笑顔こそが相応しい……」

その通りだ。悲しげにしているなんて考えられない。いつだって笑っていてほしい。笑顔で歌ってほしい。

「彼女らに捧げる供物は神聖なもの。捧げれば救いはもたらされるでしょう……」

……農家の三男、四男。全く人生に意味がない自分。それが生きる喜びを、生きる楽しさをもらったのは彼女らから。
僅かな仕送りを手に、学問を修めようとするも先の見えないわが身に漲る力は彼女らのため。

「さあ、目の前にいるのは蒙昧。怒りなさい、昂ぶりなさい……憎みなさい!」

手にした武器を構える。

「これまで我(汝)らは収奪されるだけでした。が、これからは……我らは収奪する側なのです……。
 奪いなさい、犯しなさい……殺しなさい……」

どく、と心臓が高鳴る。視界は赤く染まり、獣性が解放される。
気づけば雄叫びが肺腑から絞り出されて、昂ぶる。

僅かに残る何かが足を動かさない……が、先を越される。そのことに屈辱を覚える。
無言で村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。
無言で突き刺す味方に遅れまいとぞぶり、と槍を刺す。穿つ。
抵抗する村人に、槍を振るっていた味方が刺される……が、無言で反撃する。
更に味方が増える。

「幻影兵よ……蹂躙なさい……」

ついには防壁を突破し、そこは草刈り場。
手近な家の戸をけ破り、抵抗する女を殴りつける。
髪の色だけはあの美姫たちと一緒。だから服を剥ぎ取り、犯す、蹂躙する。
嗚呼、奪うというのはこんなにも快楽なのか。知らなかった。素晴らしい。
組み敷かれた女を救おうというのであろうか。幼児が殴りかかってくるのを蹴り飛ばす。
人体がはじけ飛ぶ感触に絶頂すら覚える。

「クク、素晴らしい……素晴らしい。素晴らしいですよ!
 もっと奏でなさい!人の業と、絶望との狂騒曲を……!」

波才は息絶えた村人に慈愛の籠った視線を向ける。

「嗚呼、人とはなんと儚いのか……。だからこそ素晴らしい……。
 無念だったでしょう、悔しかったでしょう……。ご安心なさい。皆、すぐに後を追いますとも……。
 そして貴方の無念は無駄にはしませんとも……」

波才は懐から取り出した呪符を額に張り付け、命じる。

「急急如律令!」

むくり、と起き上った死体であったものに指示を飛ばす。

「生者は死者に、死者は僵尸(キョンシー)に……。
 その祈りは聖処女に……。
 ええ、背徳の限りを尽くしましょうとも……。熱狂を捧げましょうとも……」

地獄絵図がそこにはあった。

だが、それでもこれは始まりに過ぎないのだ。いよいよ始まるのだ。
英傑が舞う時代が来るのだから。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトルは未定なので寝るsっjのす

乙でしたー
>>195
>>できれば生き残りに対する治療とケアができれば、といったところである。 間違いではないですが【できれば】が2回出てくると違和感が
○叶うなら生き残りに対する治療とケアができれば、といったところである。 もしくは【できれば生き残り~ケアをしたい、といった】でどうでしょう
>>流れたであろう血の量に比べて、死体が見当たりません。 この言い方だと【血の量】を実際には見ないで他の何かで推測したように聞こえます
○血だまりの量に比べて、死体が見当たりません。 或いは【流れた血の量】?【血だまりの範囲】とか?【血だまりの多さ】とかでも良いかな?
>>196
>>気づけば雄叫びが肺腑から絞り出されて、昂ぶる。 ~ 無言で村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。  獣のように吠え猛ってるのか、陶酔してトランス状態で無言なのか
○気づけば熱に浮かされたように、大いなる意思に従うように、昂ぶる。 ~ 無言で村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。 波才が催眠術っぽいことして思考力奪ったならこんな感じ?無言って意思が無くなってる感じだしその後に奪う快楽に酔ってるからちょっと違う?
○気づけば雄叫びが肺腑から絞り出されて、昂ぶる。 ~ 怒号と共に村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。 ~ 遮二無二突き刺す味方 ~ が、笑いながら反撃する。  多分「きひひひ」とか「うへへへ」とか「ひゃははは」とか哄笑?狂笑?上げながら、ヤバい薬決めた感じならこうかな?
>>手近な家の戸をけ破り、 そういえば最近の小学校の教科書だと暑中見舞いを暑中見まいとか書くとかなんとか…本当なのかね?
○手近な家の戸を蹴破り、 の方がいいと思います
>>人体がはじけ飛ぶ感触に絶頂すら覚える。  …北斗神拳?いやまあ大の男がリミッター外して子供を全力で蹴ればそうなるかもだけどそんな死体はさすがに死体として残りそうだし
○人体をブッ飛ばす感触に絶頂すら覚える。  もしくは【破壊する】?学が無いし【ぐちゃぐちゃにする感触】とかも有りかな?骨を折った感触なのか内臓を潰した感触なのか肉の塊を蹴り飛ばした感触なのかは分からんけど

ふーむ、どれくらいの集落にどれくらいの集団で襲いかかったかは分からんけど、逃げ出せた人が一人もいないってことは…少数で突っ込んだ?大勢が襲ってきたら戦う前に逃げ出す人たちがいるよね>>「とはいえ、略奪が目的であれば多少は逃散も可能かと~。 ってことは本当に文字通り全滅ってことで
でも小さい集落じゃ備蓄も相応になるし…ざっと10万人をとりあえず食わせるだけの食料、しかもキョンシー化できるのは波才だけだし、と言う事は襲撃は同時じゃなくて一筆書きみたいな形?
でも報告は同時…多分見回りと行商人とかか・・・ところでその奪った食料拠点に運んでる間にどれだけ減っtあっキョンシー

>>198
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

さて。

>・・・ところでその奪った食料拠点に運んでる間にどれだけ減っtあっキョンシー
もうこれに集約されてしまってますねぇ……

多分今はやりのゾンビパニックならぬキョンシーパニック

今日は寝ます

NHKニュースでもやってますね
お気を付けてくださいませ

やったぜ(鹿)

よかですな
何より無失点がデカい

>>205
ありがとうございます。
アウェイはなんか4000mの高地とか聞いたので、まだ何も成し遂げてないとかね
がんばえー

結局目ぼしい手掛かりを得ることもできず、俺たちは南皮に帰還した。
失意を友に、と言ってもいい。
麗羽様に経緯を説明し、文家と顔家に出動を命じる。

「……しかしこんなに反対もなく動くとはなあ」

驚くことに……文家も顔家も俺の命に反駁もなく従ったのだ。

「何を言うのですか」

呆れたような口調で嘆息するのは稟ちゃん。袁家内での地位については相当地歩を固めつつある。凄い勢いで。

「や、だってさ、十年単位で袁家の軍権を掌握しようとしてたんだぜ?
 それがこんなに容易いとなるとだな。逆に違和感があるのよ」

いや、そりゃ猪々子や斗詩は俺の言うこと聞いてくれるとは思うよ?
つか、袁家の派閥争い的なものを乗り越えて俺が軍権を掌握するには人脈に頼るしかないからして。

「では、お手にされたものの大きさを実感するいい機会ですね。
 文家、顔家共に二郎殿の指示に従う旨連判状がここにあります。 
 両家の主だった士官が名を連ねております。
 どこぞの策謀家気取りの軟弱な輩とは一線を画すようですね。
 流石は袁家。尚武の気風は確かかと」

む。肩が重いぞ?

「足を引っ張られるよりは肩が重い方がよかろう?主よ」

玲瓏たる声をかけてくるのは俺には過ぎたる家臣の一人、星である。

「まあ、そうだな。前向きに考えるか。予想以上に俺の指示が行き渡ってるみたいだしな。
 星にも働いてもらうぞ?」
「無論。御身に捧げたこの身なれば。如何様にもお使い下され。
 ……勿論、臥所での働きでも否やはございませんぞ?」

艶然と微笑む星の言葉に数瞬絶句する。
さて、何と返したものかと思う間もなく。

「いいいい、いけませんよ星。我らはその才をもってお仕えするというのにその、夜のお相手など不謹慎です。そのようなことを命じられては非力なわが身は抗うこと能わず。その純潔を散らしてしまうのですね。いえ、嫌という訳ではないのです。が、この身を捧げるにはやはりそれなりに状況が整っていないといけないと思うのです。ええ、私はやはりそれは不本意と言いましょう。ですが。ですが二郎殿が情熱的に迫ってきたら私は拒むことが出来るのでしょうか。いえ、拒むべきですね。拒むでしょう。ですが二郎殿の激情は私の防壁を容易く貫き、この身を穿つでしょう。嗚呼、やはりこの身は、純潔は儚く散る定めというのでしょうか。いけません、いけません。そもそも軍師とはあらゆる利害関係と無縁な状況に身を置いてから……」

ぷぴ、と吹き出す鼻血はマグマの如く赤く、熱く吹き上がる。人体の神秘ここに極まれり。などと思っていたら。

「むむむ。これはしたり。二郎殿、介抱は任せた」

あ、こいつめんどくさいこと押し付けて逃げる気満々だな。
そう考えると風はあれで面倒見いいのかな。

ぐったりとした稟ちゃんをとんとんしながらそんなことを思う俺であった。

◆◆◆


「とまあ、そういう訳でさあ、俺としちゃ予想外だったのよね。
 文と顔があっさり俺の指揮に従うなんてさ」

わけわかめ、いみとろろなのが本音の二郎です。いや、よかったんだけどね。十年単位で丹念に指揮権を確立していくつもりだったからさ。

「そりゃ従うだろうさ。おいらにゃ二郎が何でそんなに不思議そうにしてるのかがわかんねえけどな」

干菓子を摘まみながら張紘がそんなことを言う。むう。どうせ俺は頭悪いよ。

「あのなあ、二郎。本当に本気で分かってなさそうだから言うけどな、お前本気で文家と顔家が従わないとか思ってたのか?」
「だって俺ってば凡人じゃん。武では猪々子や斗詩には敵わんし、お前らみたいに頭だってよくない。
 精々積み上げた虚名と金、後は血筋か。そんくらいじゃねえ?」

実際袁家は割と実力主義なのである。田豊師匠とか麹義のねーちゃんとかが権力と権益を掌握していたのもその実力故のこと。
実際、麗羽様みたいに圧倒的なカリスマはないし、武勇とか智謀とか、話にならない。
これが時代劇なら精々悪代官か越後屋が役回りとしては妥当だろうて。それはそれで楽しそうだけんども。

「お前な……。あまり自分を過小評価するなよ?悲しくなっちまうぞ。
 いいか、二郎、お前は大した奴だ。このおいらがそう断言する。足りないならそこで他人事みたいにな、にこにこしてる沮授だって追加してもいい。
 重ねて言うぞ、お前は大した奴なんだ。すごい奴なんだ」

そんなん言われてもなあ。沮授よ、お前まで珍しく真面目な顔してどしたのさ。

「いえ、僕も張紘君に同意しますね。いやはや。
 謙遜かと思った時もありましたが、本当に本気で自己評価が低いですねえ」

いや、実際、お前らみたいな英傑と凡人を一緒にすんなって。
ここで対等に話せてるのって生まれのアドバンテージと前世知識のおかげでしかないぞ。

「あのな、そんな不思議そうな顔してるなよ。
 いいか、二郎がいなきゃあさ。おいらなんてまだきっと流民として彷徨ってたろうさ。
 あの日な、あの時にあの場所でな。二郎に声をかけられなかったら、きっとそうだったさ」

や、張紘ほどの能力があったらどこ行っても、ねえ。と思うんだが。

「ああもう!まだ納得してねえな。こっからは二郎のことだ。
 いいか、この袁家で、麹義様、田豊様という文武の重鎮に等しく教えを受けているってことがどういうことかは分かるな?
 袁紹様、袁術様の信頼厚く、他の武家当主とも親密だ。これは、すごいことなんだぞ?」
「加えて、近年の武勲はほぼ二郎君が独占してますね。それが望んだものかどうかは置いておきましょう。
 更にはじきに州牧となる公孫賛、孫家とも個人的に友誼がある。いやはや、千金、いや、万金を積んでもその半分も果たせないでしょうね」
「あー、そりゃね。ねーちゃんと師匠からそういう期待はかけられてたと思うけどね……。
 いや、期待をかけられるというのはありがたいことだわな」

重みを背負っていた肩がさらにずっしりとくるぜい。

「だからだな、二郎よ」
「ん?」
「お前が双肩に袁家を背負っているというのはおいらだって、その、分かる。
 だから、だな。おいらたちにその重みを分けてくれよ」
「そうですよ、他でもない義兄弟なのですから。水臭い。
 もっと頼ってくれていいんですよ?いえ、違いますね、頼ってください。
 僕達はね、二郎君が大好きなんですから」

そ、そんなこと言われたら、泣いてまうやろー!つか、やべえ。ほんま、泣いちゃう。
だが、その言葉が嬉しい。気遣ってくれているということが、本当に嬉しい。
だって、張紘と沮授が、だぜ?

「お、おうよ。なんか、楽になったわ。ほんと、ありがとな。
 そ、そうだな。まあ、取りあえずは謎の賊対策だ。厄介極まりない」

次善の策を練る俺たちに声がかけられる。

「二郎様、『飛燕』様がおいでとのことです」

陳蘭の遠慮がちな声に昂揚していた頭が冷え切る。
さて、期待の梟雄のおいでだ。

「二郎君?如南はどうします?」
「雷薄と張郃、それに沙和を派遣する。雷薄なら問題なく軍を把握できるし、裏は張郃だな。
 沙和もそろそろ管理職として経験を積んでおいてほしいとこだしな」

一記者としては結構評判も高まっているけど、もっと大きなステージで活躍してもらわんとね。

「よし、手配しとく。二郎達が赴くまでにきっちり仕込みは済まさせておくように、な」
「頼むわ」
「しかし雷薄将軍ですか、如南への赴任は望むところでしょうね」

娘さんが如南にいるからね。これは如南に行く時の楽しみが増えたね。

うっし、とりあえずは張燕だ。あいつがこの乱の首謀者とは思わんが、きっちりと締め上げてやろう。

本日ここまですー感想とかくだしあー

タイトル案募集です
不穏の影とかそんな感じで一つよろしくお願いいたします。

乙です

>>210
どもです

やってやるぜという意思にアルコールを注いで肝臓が炎上するの、なんとかしないといけません

明日はやるぜ

殺してやるという決意を新たにして、自分を追い込んでいく
心身をぼろぼろにして尚書く。
書くのだ。
前に進む。そこに義務感はない。かつてはあったものだ。
前に進むその思い。踏み出す。

そんな感じっすですが、助けて精神的な意味でー

乙でしたー
>>207
>>純潔は儚く散る定めというのでしょうか。 間違いでは無いのであくまで私の趣味ですが
○純潔は儚く散る運命というのでしょうか。 運命と書いてさだめと読む…そんなカッコつけた感じが好きだったり
>>208
>>次善の策を練る俺たちに声がかけられる。 まあ既に最善は無いともいえるけど《この状況》からの最善策を練ってほしいなあ
○様々な策を練る俺たちに声がかけられる。 もしくは【できる限りの】とか【考えられる限りの】とかどうでしょう?

何だったかで読んだのが《自分を軽く見ると言う事は自分を重く見ている人たちをも軽く見ることだ》みたいな…《お前はお前を信じてくれた人たちを石ころを宝石だとありがたがる阿呆にするつもりか?》とかなんとか
まあこの義兄弟がいる限り二郎ちゃんがソコを間違えることは無いでしょうけど

ふうむ、なんちゃってWiKIで《綺麗》とは【紀霊】が語源であり、外面的な美しさだけではなく、人付き合いの巧みな人、見ず知らずの人と仲良くなれる人を指すものである。とか作ろうと思ったけどパンチが足りないんだよなあ
お父さん(紀文)のWIKIでも作ってみるか…汗を倒した後は治安維持に務めた、くらいしか設定ないんだっけ

>>214
赤ペン先生いつもありがとうございます

>まあこの義兄弟がいる限り二郎ちゃんがソコを間違えることは無いでしょうけど
まあその通りなんですがやはり慣れないものですよ、英傑と並んで立ってるとw

>お父さん(紀文)のWIKI
楽しみですw

>宝貝って現代でも残ってるのかなあ…
近現代でのそれっぽいのだとホープブルーダイヤモンドとか、英国の物騒な椅子とかありますねw
近代になると神秘が薄れて云々かんぬんの型月設定は便利かもですね

型月世界とかメガテン世界だったら初手鹿島神宮で布都御魂剣(ふつみたまのつるぎ)ゲットしに行くですよ
あっこの宝物殿、ほんまひどいですからー

> お父さんの最盛期のAA

パンツマンのAAでWIKIとは
胸熱すぎww

>>218
そっちは廃人やw

全盛期は体が勝手に風呂場に向かう黒髪の貴公子やぞ

「それじゃあ今日はここまでにしましょうか」
「はい、ありがとうございました!」

一礼し、伸びをするのは桃色の髪の少女。益州を治める劉焉の息女である劉璋その人である。
ここ洛陽には遊学がその目的である。正直期待はしていなかったのであるが、その講師に蔡邑という才媛が充てられたことで、極めて充実した時を過ごしている。
実際、この洛陽でも三本の指に入るのであろう大学者なのだ。それを手配してくれていたに違いない青年に思いを馳せると。

「あら、どうかした?顔が赤いわよ?」
「なななななな、なんでもないわ、なんでもないですとも」

あたふた、と慌てる仕草が可愛らしくて。蔡邑はくすり、と笑う。
その大人びた表情に劉璋は何か思う所があったのか、む、と口を一文字に引き締める。
感謝の念はある。
論語はもとより、荀子、韓非子、六韜、三略。
益州では答えてもらえなかったような問いにもきちんと解答を与えてくれたのだ、この才媛は。
幾度も「なぜ?」と繰り返す自分が愚物扱いされていたことは誰より自分が分かっているのだ。
今ならなんとなく分かる。つまりあれは答えが出せないということを糊塗するためだったのだろう、と。
時すでに遅し、である。今や家臣団――仮初の――でも自分の味方なんていない。いないのだ。
だから、だからこそ、無条件に自分を助けてくれたあの青年に意識が向くのは仕方のないことなのだ。
そして目の前の麗人は多分自分よりもあの青年と接点が多くて、そして多分あの青年に興味はないはずなのだ。
つまり、情報収集するには恰好の相手だ。実際見事な論理で何もおかしくはないと自画自賛できるほど。

「そそそ、そういえば二郎と親しいのでしたっけ?」

ほら、こんなにも自然に話題を振れる。

「ええ、そうね。閨を共にするほどではないけれどもね」
「ねねねね閨って、あう、ひ。ななな。何をおしゃってるのですか」

目を白黒させる劉璋を微笑ましいと蔡邑は思う。
そしてその持って生まれた才と求められているであろう才の差異に微かに心を痛める。
驚くほどにその家臣団からの評価が低いのだ、この愛すべき少女は。
本人もそれを自覚しているのであろう、居丈高に振舞い、自らの権威を高めようとする姿は滑稽を通り越して痛ましくすらあった。
それを強要する環境にも、色々と言いたいことはあるが、それは彼女の仕事ではないし、そのような立場でもない。

「ふふ、ごめんなさいね。それで、紀家当主がどうしたのかしら?」

かなり余所余所しい言葉に、ほ、とした表情を浮かべる劉璋。

「あ、あのね?これって本当に二郎なのかな、って」

おずおず、と取り出したのは阿蘇阿蘇。怨将軍記念号と題された書物である。
見ればその頁は摩耗しており、丁重に扱っていたのであろうが、所々に破れた箇所もある。
きっとこの少女は大事に何回も熟読したのであろう。その類稀なる記憶力からすれば文章を全て諳んじていてても不思議ではない。

「それはこの絵姿かしら。それとも英雄譚のことかしら?」

貴種流浪譚と言った方がよかったかしら、と僅かに自分の放った言の葉を検討する間もなく劉璋は力強く答える。

「両方!と言いたいけど、この絵姿はどう見ても捏造よね。こんなに美形じゃあないもの。ほんと、盛り過ぎよ。
 こんな、ぱっと見て分かるくらいに美形じゃないもの。それじゃなきゃ私だって、あんなこと言わなかったし、あんな無様を……。
 そ、それはいいのよ。でもね、思うの。こんなに行く先で人助けをしているのかなって」
「あら、それは貴女が一番承知しているのではなくって?」

かぁ、と瞬時に紅潮した頬を隠すこともなく抗議の声を上げる。

「そそそ、そんなはずないでしょう。私はいつだって冷静、公平よ」

論点がずれていることに気づきもせずに一生懸命に主張する。
だって、あれは自分だけの大切な記憶なのだ、思い出なのだ。
だから、譜代の家臣団からも馬鹿にされているような自分であってはいけない。
聞けば、あの袁家の武家の最高責任者になったと言う。
何かお祝いの品を送ろうかと思ったが、今の自分にその資格はきっとない。

「そうね。その視点は大事だわ」
「っ、そそそそうよ。その通りですよね」

幾ばくかの時を浪費し、劉璋は冷静さを取り戻してその卓越した頭脳を再起動する。
そして、問いをその口にするその数瞬前に扉が開き、蔡邑は何進からの招請に応じる。

「ごめんなさいね、今日はここまでよ」
「はい」

結果的に、これが最後の授業となってしまうことなど、双方ともに知るはずもなかった。

漢朝各地で乱が勃発する。
世に言う、「黄巾の乱」である。


◆◆◆

らしくないな、と華雄は思う。だがまあ、考えてみれば無理もないことではあるかもしれない。
粉々に割れた酒器を片付ける侍女たちの手際は流石の一言。珍しくむっつりと黙り込んだ主人の醸し出す不機嫌な空気を気にする様子もない。
黙って新たな酒器に酒を注ぐ。
無言で酒を呷る何進。殺気すら漂うその眼は血走っている。

きっかけは袁家からの書面であった。続いて各地から寄せられる凶報。
乱である。叛乱である。もはや一時の暴動と言えない規模で広がる戦禍。
不可解なほどに広がるそれに何進を筆頭に政権を握る勢力は忙殺されている。
いよいよ宦官勢力を削ぎ始め、少しずつではあるが着実に成果が見え始めていたというのに。
今では宮中では乱の責を何進に問う声すら漂うのだ。

「フン、ついてない時はこんなもんか」

盛大に酒臭い息を吐き、何進は思考を切り替える。苛立ちはあるが、それにいつまでも囚われているわけにもいかない。
何せ双肩には漢朝がずしり、と。

「蔡邑と王允を呼べ」

けして大きくはない声に配下が慌ただしく動き出す。どうやら精神的再建を果たしたようだ。

「私はどうすればいい?」

華雄は取りあえず問うてみる。無論今すぐにでも兵を率いて飛び出したいという気持ちはある。
が、目の前の男の指示に従った方がより効果的に自分の武は活きるのであろう。

「フン、そうだな。
……ン。
いや、いい。俺の背を守れ」
「承った」

愛用の戦斧を持ち、背後に控える。ふ、と息を吐き、弛緩していた気を引き締める。
常在戦場。たちまちに四方八方の気配を掴み、捕捉する。
万に一つも不意など衝かせない。静かに、深く集中を。
目の前の男は確かに漢朝を支える大黒柱であるのだ。
なれば、いや、だからこそ自分の武を捧げるに相応しい。狷介な自分を華雄は自覚してはいる。だからこそ思いは深まる。
それを使いこなすはやはりこの男だけであろう、と。

あくまで静謐に。
昂ぶりながらも華雄は自らの責務を果たす。

何も大軍を率いて敵を討つのだけが武の在り方ではない。
既に華雄は自らの武を振るうに迷いは一片たりともない。

むしろ、武の振るいどころを見つけた武士(もののふ)。
彼女の心境を描写するならこうであろう。

「士は己を知る者の為に死し、女は己を説ぶ者のために容つくる。今、何進は我を知る」

◆◆◆


蔡邑が室に踏み入ると、そこは息苦しいほどに空気が澄んでいて。
原因は明らかだ。
悠然と座る何進の後ろに控える豪傑。華雄。
だが、ここまで凄味があったろうか?
何進や華雄には及ばぬまでも、ある程度の武を修めたからこそ分かる。華雄は何故だか分らぬが階梯を高めたのだと。
まあ、それは喜ばしいことであろう。友人としてもそれを寿ぐにやぶさかではない。
が、今はそれはむしろどうでもいい些事である。

「それで、どうしたものかしらね」

彼女とて現在の状況は把握している。
乱が各地で頻発。
無論、死をもって報わせるが倣いである。が。報告を信じるならば足りないのだ。
兵力が、将帥が、兵站が。ありとあらゆるものが足りないのだ。
十常侍とて愚物ではない。繰り返される宮廷闘争において何進はほぼ常に勝利を手にしていた。
が、そのために切り捨て、削られたた現有戦力、禁軍。即応兵力は、軍事予算はじりじりと削られており、漢朝全土には流石に及ばない。

だが、大将軍として軍権を握る何進に対する宮中の風は冷たい。
いや、むしろ卑賤なる身で漢朝の中枢にいること。それが身の程知らずであると言うがごとくに、これまで問題なく運営されていた手続きすら滞る。滞っていく。
馬鹿げている。
このような時に、非常時に足を引っ張るのが政略なのか。
いや、分かってはいたはずだ。洛陽どころか、宮中から出たこともない宦官。
それらにとっては地方の乱など、その混乱など想像の埒外であろう。
だからこそ自分は何進に賭けたのだ。

金城鉄壁を体現する華雄に軽く目礼し、存念を述べる。
恐らくは何進とて同じ結論に至っているであろう。

「黄巾、討つべし。そう諸侯に発すべきね」

簡にして単。
漢朝の威信は下がるかもしれないが、兵を蓄える諸侯の勢力を削ぐことができれば上々だろう。
何より、保つべきは平穏のはずだ。

「フン、そうか。そうだな。
 ……そうだ、な」

何進とてそれを分かっているのだ。
無念なのだろう。
じりり、と宦官の勢力を削り、無力化する。
袁家と馬家。この上ない武門の名門。漢朝の防壁たる二家の支持を背に、この漢朝を甦らせる。それは絵に描いた餅ではなく、手の届くところまで近づいていたのだ。

それでもこの英傑の心は折れない。地べたを這いずりまわりながらも頂点に至ったこの男の心はこれしきでは折れない。
不敵に笑いながら歩みを止めないのだ。
なれば、最終的に勝つのは。

「黄巾、討つべし。皇甫嵩と朱儁を呼べ。
 禁軍を動かす」

皇帝直属である禁軍を動かし、諸侯の軍を制御するという決意。
混乱の、泥濘の中で最善を掴むその凄味に蔡邑は微笑む。

「ええ、承ったわ」

艶然とした笑みに欠片も価値を見出さず、何進は室を辞する。
武の化身とその身を昇華させた華雄が付き従う。

その姿を見送る蔡邑は思うのだ。
彼が、彼らが。漢朝の命運を握っているというのは果たして不運なのか、幸運なのか。

◆◆◆

「困ったね、雛里ちゃん」
「うん、困ったね、朱里ちゃん」

伏竜と鳳雛と異名を持つ当代きっての智謀の士、二人である。
彼女らはその明敏さを遺憾なく発揮し、乱れつつある世をこの上なく憂いていた。

「為政者に徳なくば、世は乱れる。少しのんびりしてたかもね、雛理ちゃん」
「うん、目の前の、仮初めの安穏に目を奪われてたかもしれない。
 私たちもまだまだだね、朱里ちゃん」

彼女らは痛恨の念を込めて語り合う。

「でも、でもね、ここ南皮に来てよかったと思うの、雛理ちゃん」
「そうだね、朱里ちゃん。荊州にいたら分からないことだらけだったよ。
 虚ろなる風評に踊らされて暗君、昏君に仕えていたら、と思うとぞっとするし……」

そう、名門たる水鏡女学院空前絶後の俊才、英才。
一人でも手にすれば天下を手にすることのできるという傑物。それが彼女らである。
自らの天才を自覚する彼女らは仕える主君をこれでもか、というほどに検討しているのである。

「でも、ちょっとゆっくりしすぎたかもしれないね、雛里ちゃん」
「そうだね、朱里ちゃん。こんなにも世は乱れてしまったよ。これは私たちの怠慢かもしれないね」

黄巾の乱。
漢朝全土に広がるそれは彼女らの胸を痛めるに値する出来事。
きっと自分らが力を振るっていればそのような悲劇は、惨劇は防げたかもしれない。

「今からでも遅くはないよ、雛理ちゃん。この身は、能力はまだ見ぬ主のために」
「そうだね、朱里ちゃん。私たちが頑張ったらできないことなんてないよ」

互いの誓いを確かめ合い、笑いあう。
理想を追う輩(ともがら)が傍らにいる喜びをかみしめる。

「どうする?雛里ちゃん」
「決まってるよね、朱里ちゃん」

視線を合わせ、くすくすと笑い合う。そう、彼女らの思いは重なっている。
自らの能力を発揮する主を、選定している。

袁家?論外だ。血筋はいい。が、賤業を背負う紀霊に、よりによって軍権を掌握させた。
論外だ。視界にも入れたくはない。
公孫?論外だ。袁家の狗に何を望むというのか?
何進?更に論外だ。肉屋の倅に語ることなどない。
孫家?更に論外だ。狗以下の獣にどうして徳あろうか。
曹操?論外以前だ。宦官などという汚濁に触れたくもない。

「案外と言うか、やはりと言うか、人物というのはいないものだね、雛理ちゃん」
「そうだね、朱里ちゃん。一長一短程度の人材すら希少だね。麒麟は死に絶えて久しいのかな」

ひたすらに嘆く、憤る。世を憂う。
そんな彼女らに一人の英傑の噂話が。

「大徳」

黄巾の乱に心を痛め、義勇兵を募り、立ったと言う。
無位無官ながらその声望は響き渡っており、公孫賛も全力で援助したと言う。

「雛里ちゃん」
「うん、朱里ちゃん」

きっと自分たちはその人物に仕えるために生を受けたのだ。
不思議な確信を抱き、彼女らは歩みを進める。
当代きっての智謀の士たる彼女らの忠誠を受けるのは。

劉備。字を玄徳。

尊き血を引き、仁の心で世を導く英傑である。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

うへへ

やっとこさ黄巾の乱が始まるよーw¥

おつした

劉璋たんモフモフしたいお

おつ~
ついに甘い夢に人々を誘う大毒婦の噂が腐れ儒者の耳に届くかww

やったぜ(鹿)

通算20冠おめでとさんです!

>>225
どもです。

色々と微調整はしてますがやっぱり劉璋ちゃんは可愛いですよねええ

>>226
どもですw

>ついに甘い夢に人々を誘う大毒婦の噂が腐れ儒者の耳に届くかw
ひっでえw

>>228
ありがとうございますー!

記念に回らない寿司に行ってきますw


★アジア王者 ☆J1リーグ ◎天皇杯 ○Jリーグカップ

鹿島 20★☆☆☆☆☆☆☆☆◎◎◎◎◎○○○○○○
脚大 *9★☆☆◎◎◎◎○○
浦和 *7★★☆◎◎○○
磐田 *7★☆☆☆◎○○

------アジア制覇の壁

東緑 *7☆☆◎◎○○○
横鞠 *6☆☆☆◎◎○
木白 *4☆◎○○

------国内3タイトル制覇の壁

広島 *3☆☆☆
名鯱 *3☆◎◎
川崎 *2☆☆

------リーグ制覇の壁

瓦斯 *3◎○○
横翼 *2◎◎
清水 *2◎○
桜大 *2◎○
湘南 *2◎○
千葉 *2○○
京都 *1◎
大分 *1○

------タイトルの壁

> 回らない寿司
スーパーのパック寿司だな(決め付け)

>>230
懐かしい名前がちらほら
今は亡き翼とか緑とか

>>231
引きこもりのための出前館というのもあるぞ

>>231
最近は美味しいのもありますねw

美味しかったです

>>232
翼はともかく緑さんは死んでへんのんとちがいますか……w

こちらにも、取り急ぎご挨拶だけ。

うわわわわわわ、黄巾の乱始まったよ。どんどん置いて行かれている(自業自得)
追いつく。というより変化球から無理矢理繋げるしかないか。

祭邑さんは追尾しておこう。

>>234
どもです。ご無事でなにより。ご馳走様でした

>うわわわわわわ、黄巾の乱始まったよ。どんどん置いて行かれている(自業自得)
うえへへへへ。どんどこいきますぜー。

「浜の真砂(まさご)は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ 、かあ。
 二郎が言ってたのも、納得するしかないのかなあ……」

はあ、とため息を一つ漏らす。そのため息の主は襄平の太守たる公孫賛その人である。
なお、本人は州牧に推挙されるのが既定路線で、それも間近であるということを知り戦々恐々な毎日ではあるのだが。
閑話休題(それはさておき)、彼女が話題にしたのは最近急激に発生している乱について。である。

「同意する。ただし。どうにも解せない点も多い。単なる賊と断ずることはできない」
「そうだなあ、村落丸ごと無人、かぁ……」
「労働力として拉致されたのではないかと推察する。殺戮して益することなどない。
 ただし、逃げ延びた民がいないというのが……解せない」

淡々と応じるのは韓浩。
軍事、民政、幅広く公孫賛を補佐する俊英である。紀家の幹部候補生であるのだが、本人の希望により公孫賛の補佐を継続している。
そして、だ。
とっつきにくいその人格、物言いにも公孫賛は慣れたものである。

「ま、そこら辺をあれこれと考えても仕方ないよな。今できることをするだけ、さ」

何せ、袁家も賊が黄色の頭巾を被っているということしか情報を掴んでいないのだ。

「同意する。下手の考え休むに似たりとはよく言ったもの。
 領内の警戒は常備軍の半数を充てている。急報あれば白馬義従の動員もする。した。
 あとは村落に自警団の組織化とここ襄平への急報、場合によっては逃散。事後の援助の凡例まで衆知させている」

公孫賛は満足げに頷く。
どだい、急襲された村落に援軍が間に合うはずもないのである。
物資を献上して済む相手ならばそれを推奨する。が、村民皆殺しとあらばそうもいかない。
一人でも逃げ延びてもらうしかないのだ。
治安維持、乱の鎮圧というのは後手に回らざるをえないのだ。
ただ。

「ただの賊までもが黄巾を纏っているみたいだからな。
 厄介なことだ」

こくり、と韓浩は頷く。限りなく無表情な彼女すら忌々しげに。
湧き出る賊。それはいい。いつの世も犯罪者というのは御器被(ゴキブ)りのごとく根絶できないものだ。
だが、ここまで漢朝に敵意を向けることもなかったはずである。

「ま、背後とかどうあっても私たちはできることをするだけさ。
 韓浩、頼りにしてる」
「承った」

にこり、と公孫賛は満面の笑みを浮かべる。
思えば最初はどうなることかと思ったのだ。この、何とも無表情だが有能な少女とどう付き合うかと。
今では掛け替えのない存在だと言える。
遠慮のない苦言、諫言もありがたい。だって的確この上ないのだ。
信頼関係だって結べている……と思う。
一言希望を漏らせば南皮に帰還できるのだ、この少女は。
それなのに未だに襄平に留まってくれているということの意味が分からないほど鈍感じゃない、と思うのだ。
面と向かって言うことはないけれども。

くすり。

ほくそ笑む彼女はきっと魅力的であり、どこぞの凡人も見惚れること受け合いではあったろう。
が、配下より来客が告げられる。

劉備。

「大徳」と異名を持つ公孫賛の食客である。

◆◆◆

「うん、だからね。やっぱり黙って見てられないの!
 わたしにだって、できることがあると思うんだ。
 愛紗ちゃん、鈴々ちゃんっていう私の妹たちってすごいんだよ?
 だから、みんなが笑って暮らせる世の中のために、頑張りたいな、って思うんだ」

常ならぬ、憂いを込めた表情に関羽は内心臍を噛む。嗚呼、この主人にこのような表情をさせてしまった自分が情けない、と。

「それはいいが、どうするつもりなんだ?」

決まっている。乱を平定するのだ。そのために兵を募るのだ。

「うん、悪いことしてる人だって事情があると思うんだ。
 だからね、私にもできることないかな、って」

嗚呼、大徳という二つ名は伊達ではない。
改めて忠誠を、赤心を誓う関羽。

「はは、桃香は昔からそうだったよな。
 いつだって皆のことばかり気にしてたもんな」
「やだ、白蓮ちゃん、やめてよぉ。 
 でもね、やっぱり私は思うんだ。
 皆が笑って暮らせる世界を作りたい、って」

 その言に公孫?は苦笑する。流石に話が飛躍すぎて。

「ま、私は襄平の太守だからな。
 まずは襄平を安寧とせんといかんから」

何と志の小さいことよ。
関羽は嘆く。勿体ない、と。
かの白馬義従が自らの掌中にあれば、如何程に成果を導いたであろうかと。

「うん。それはしょうがないよ。でもね。だからね、皆に聞いてほしいの、私の想いを。
 争いのない世界のために一緒に頑張ってほしいって」

 そう、これこそが本題である。大徳たる劉備。彼女の声を届ける機会。

「論外。却下。そろそろ室から退出すべき」

淡々とした声が水を差す。

「世を憂うならば公孫賛殿の配下に収まればよい。
 無位無官の浪人の立場よりよほど民の為に働ける。
 如何に」

劉備は小首を傾げる。

「でもね、それじゃ皆を助けられないじゃない?
 中華全土で乱は起こってるんだよ?
 今、みんな困っているんだよ?今、みんな泣いているんだよ?」

だったら、今動くしかないではないか、と劉備は真摯に訴えるのだ。
その勢いに公孫賛は押し切られそうになる。


「ま、まあ、民のために動くのも太守の務めだし……な」
「流石白蓮ちゃん!だいすき!」

盛り上がる二人に冷水を浴びせかける如く韓浩は淡々と言葉を紡ぐ。

「ここ襄平から出ていくのはいい。貴君らの奮闘に期待する。これは餞別。
 なに、路頭に困ったらまた帰ってくればいい。貴君らくらいの食い扶持ならばなんとでもなる」

どこからともなく差し出した金子。それは確かに多額である。三人が動く軍資金とすれば、だが。

「それでね、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんはすっごく強いんだけどね、それだけじゃ駄目と思うの。
 やっぱり二人は将としてこそ輝くと思うんだ」

だからね、と劉備は訴えるのだ。

「一度、一度でいいの。白蓮ちゃん。兵士のみんなに私の言葉を、思いを伝えたいな、って。
 きっと分かってくれる人もいると思うんだ」

それは、とっても素敵なことじゃない?と満面の笑みを浮かべる。

「――」

公孫賛が発そうとする言葉を重ねて遮り、韓浩はあくまで淡々と述べる。

「却下する。太守の務めを疎かにせよとは笑止千万。
 そもそも身の程を弁えるべき。
 食客ごときが兵権を口にするなど、僭越の極み。
 いつも通り、そこかしこで油を売るのがお似合い。
 いつでも仕入元は紹介する。
 ……油の品質についても保証するが如何に」

関羽は激昂し、公孫賛は流石に口を挟む。

「韓浩、言い過ぎだ!」
「では要点のみ。
 戸籍のある正丁の勧誘は認めない。
 定職に就いている者の勧誘も認めない。
 領内での食糧他物資の徴発、募集も認めない。略奪とみなし、討伐の対象とする。
 ……ただし、当面の食糧のみ貸与する。如何?」

 ここで初めて韓浩と公孫?の視線が合う。交わる。

「……まあ、妥当じゃないか?」

向けられた視線を逸らさずに公孫賛は頷く。
領内が荒れるとなれば話は別だが、そうでない限りは余剰のある食糧くらいならば、と思う。

「うん、ありがとね、白蓮ちゃん」

満面の笑みで公孫賛に抱きつく劉備を微笑ましく思いながらも関羽の心は苦い。
これではつまり流民くらいしか動員できない。
多少なりとも兵卒を引き入れたかった、と。
主と、自分ならば千とはいかずとも、近い数字を動員できたはずだ。
それだけにあの、韓浩というちんちくりんの小賢しさが際立つ。

それでも、数は力だ。精々彼奴らが思う通りに踊ってなるものか。

関羽は決意も新たに主の下に向かう。

なに、獅子が率いる羊百頭は羊が率いる獅子百頭に勝つのだ。
自分が獅子であればいいのである、と。

関羽と韓浩。冷ややかな視線は交わることはなかった。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名ぼしう

大徳動くとかそんな感じ?

どんどこいきますぜー

おつしたー
うーんこの白々しい寄生虫ムーヴ

おつー
わかいころは劉備すきだったがをきらいになりそうやっぱり劉備ってそんなやつだったのかな

寄生先悉くを破滅させながら膨れ上がった成金やぞ

乙でしたー
>>220
>>「ねねねね閨って、あう、ひ。ななな。何をおしゃってるのですか」   テンパってるし間違いじゃないかも
○「ねねねね閨って、あう、ひ。ななな、何をおっしゃってるのですか」  一応【何を】を言おうとしてつっかえてるからその前部分は【、】かな?
>>その類稀なる記憶力からすれば文章を全て諳んじていてても不思議ではない。 【諳んじる】とかなかなか使わないから自信が…
○その類稀なる記憶力からすれば文章を全て諳んじられても不思議ではない。  とりあえず諳んじることができる、ならこうかな?
>>何かお祝いの品を送ろうかと思ったが、 遠いし間違いでは無いかもですが
○何かお祝いの品を贈ろうかと思ったが、 意味合いとしてはこの方がいいかな?
>>221
>>華雄は取りあえず問うてみる。 一応これも
○華雄は取り敢えず問うてみる。 もしくは全部ひらがなで【とりあえず】のどちらかにした方がいいと思います
>>222
>>が、今はそれはむしろどうでもいい些事である。   多分意味が重複?逆に言えばどうでもよくない些事ってあるのか?と考えると
○が、今はそれはむしろどうでもいい、些事である。  もしくは【どうでもいい事である。】とか?
>>武の化身とその身を昇華させた華雄が付き従う。 なんとなく違和感が…
○武の化身にその身を昇華させた華雄が付き従う。 もしくは【武の化身へと】でどうでしょう
>>223
>>当代きっての智謀の士たる彼女らの忠誠を受けるのは。  間違いでは無いですがココは幼女二人の視点なので
○当代きっての智謀の士たる彼女らが忠誠を捧げるのは。  の方がいいかな?と思います

>>公孫?論外だ。袁家の狗に何を望むというのか? ・・・たしかに真実その通りだけど一応対外的にはまだ協力者って言うか同盟者ってだけなんだが
>>公孫賛も全力で援助したと言う。 ・・・客観的に見れば袁家の狗の更に犬なんだよなあ、まあ原作で劉備が公孫賛にした所業を考えると飼い犬に手をかまれたってレベルじゃないけど…それはそれとしてよく韓浩が【全力の援助】を許したな、まあ公孫家って立地として壁だから内側へ割く兵力なんてないから漢潮からの命令を何とかしようとした結果かもしれんけど
>>孫家?更に論外だ。狗以下の獣にどうして徳あろうか。 ひでえwwwだが残当wwwだけどどうやってそれを知ったんですかねえ?
こいつら入手した情報から正解を導き出す能力は高いけどそもそも情報を入手する力はそんなでも無さそうなんだけど。それとも平民の間でも噂になるほどに公然と袁家ぶっころとか言ってるんだろうか?孫家首脳陣・・・一応三女が袁家のスペアと仲良いしパット見た目にはそこまで論外じゃないんだが(なおその場合袁家の狗判定w)
ところでこの頃大過なく領地を豊かにしているだろう劉表さんは・・・後々劉備が欲しがる程度には肥えさせてた名君だと思うんだが

>>240
どもです。

>うーんこの白々しい寄生虫ムーヴ
白々しいんじゃない!本心からの言葉なんだ!

>>241
どもです。

>わかいころは劉備すきだったがをきらいになりそうやっぱり劉備ってそんなやつだったのかな
吉川英治、横山三国志ベースだと混乱することはあるかもしれません
年取ると一周回って味わい深いキャラです。こいついないと三国志始まらないし(適当)
秘本三国志(陳舜臣)、蒼天航路あたりを読むと中々に魅力的な劉備さんがいらっしゃいます

>>242
秘本三国志はマジでオススメですねえ

>>243
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>こいつら入手した情報から正解を導き出す能力は高いけどそもそも情報を入手する力はそんなでも無さそうなんだけど。
い、一を聞いて十が分かった感じになる。実際怖いw

>この同じ言葉を話してるはずなのに会話が通じない感じ…まさに大徳!!
そこです!そこがCPBの持ち味なんや(偏見)
実際原作やってても理解不能でしたが、キャラとしてそのまま再現はデキる!

>そう言えばこの時の劉備って実際どうしようと思ってたんだろうね?
え?それ聞いてしまいます?
そらもう「私に腹案がある」パターンでしょう!
実際、動いてみないと分からない事態ではありますし、ありっちゃありですが、
彼女の立場とか考えると、そこまで考えてはいないと思います。
何かしなくっちゃという純粋な使命感と善意ではなかろうかと。

兵を発するべし。黄巾誅すべし。
洛陽から出されたその命は中華を駆け巡ることとなった。

発せられた勅に諸侯は動く。動き出すだろう。

「随分思い切った手を打つね?
 まさか、越境さえも許可するとは。
 治める州の治安のみならず、黄巾根絶まで諸侯を動かすのかい?」

苦笑交じりに声をかけるのは皇甫嵩。禁軍、諸侯軍を指揮する――と何進に任じられた――総司令官である。
高潔な人格者としても有名であり、能力についても疑う者はいない。
故に、何進の出した布告についても意図を読み込んでくる。

「そりゃ、兵を蓄えている諸侯の実力を測るにはいいと思うよ?
 でも、彼らを調子に乗せるのもどうかと思うけどね」

何進は一顧だにせずに、素っ気なく。

「フン、大事の前の小事だ」

吐き捨てるがごとく。

「軍閥ができても知らないよ?」
「今更、だな」

袁家、馬家は匈奴を防ぐ上でどうせ必要。
後は劉表、劉焉の皇族。そして新興たる曹操、孫策、公孫賛。
それら全て、統べて。

「抑えきって見せるとも、さ……」

徹頭徹尾孤立無援。
潜在的な政敵の増加などに怯む何進ではない。

「貴様こそ、きっちり平定するんだな」
「はは、笑えるね、その冗談」

皇甫嵩は笑う。
何進は大げさなのだ。流民が起こした乱など禁軍のみでも充当であるというのに。
いくら広範囲で乱が起こっているとはいえ。
……いや、逆だな、と推察する。この自分が武勲を立てすぎるのを嫌っての諸侯の動員なのであろう、と。
なるほどなるほど。思ったよりも随分小賢しい。肉屋の倅ごときと侮らせてはくれないようだ。相変わらず。

「ま、見ているがいいよ。乱の一つや二つ、平らげて見せよう」

身をひるがえし、室を辞する。
すれ違う武人に苦笑する。
全く、あのがちがちに漢王朝への忠誠篤い馬騰と何進が親友どころか義兄弟であるなど、何の冗談だ、と。

◆◆◆

覇気も露わに馬騰は洛陽を辞することを何進に伝える。

「涼州に、か?」
「うむ、兵を発する」

簡潔な会話に多くのものを込めて馬騰は笑う。

「なに、ここ洛陽にいるよりも、だ。戦働きの方が私には向いている。
 武勲引っ提げて再び馳せ参じようとも」

ほとばしる気炎、気迫を背負った笑み。爛々と光る眼光に何進も苦笑せざるをえない。
嗚呼、この、実直たる盟友は兵を率いてこそ輝くのであろうと。

「存分に暴れるがいいさ。……頼りにしてるぜ?」
「うむ、任せておけよ」

呵呵大笑。漲る気迫は英傑そのものを体現している。

「なに、黄巾賊と言ったか。
 それ全て涼州兵が食ってしまっても構わんのだろう?」
「クハ、頼りにしてるさ。頼りにしてるとも」

再度呵呵大笑。
何進は思う。この男との縁こそ、異なもの味なものだ、と。

◆◆◆

「父上が帰ってくるのか!」

馬超は喜色を隠しもせずに賈駆に確認する。

「ええ、そうよ。黄巾討伐は馬騰殿指揮下に於いてなされるわね」
「うん、うん!それでこそだ!馬家の武威、響き渡るさ!」

賈駆は内心苦笑する。
馬家を率いる自覚ができたかと思えばこれだ。
結局彼女は父の影から逃れることはできないのではないか、なんて思ってしまう。

「馬騰殿が帰ってきたらボクも月のとこに帰るからね」
「ん?そか。董家も兵を発するのか」
「ええ。世が乱れるのを月は座視しないわよ」

残念だな、と馬超は思う。賈駆の能力であればどれほどに涼州の騎兵を操ったであろうかと。
彼女の知略あればどれほどに馬家軍は羽ばたいたであろうかと。

「ま、戦場でまみえることもあるでしょう。その時は、よろしくね?」
「ああ、こちらこそ、よろしく」

賈駆とて不本意である。
馬家は馬騰、馬超、馬岱と総動員して乱に当たるであろう。

なれば、涼州を守護するのは韓遂となろう。
手を尽くして弱体化させたというのに、という悔悟。
無力化までは考えていなかったが、流石にこの事態は想定外。

「でも、涼州よ。いずれボクは帰ってくるわよ?
 韓遂、精々一時の安寧を味わいなさい……」

獰猛な笑みを浮かべて賈駆は誓うのであった。

◆◆◆

兵を発せよ。
その命は中華を駆け巡る。太守、州牧といった諸侯に行き渡る。
ある者は自らの富貴を擦り減らすであろうその命に舌打ちし、領内安堵に努める。
ある者はその使命感により発奮する。
そして、何進が警戒する諸侯の一人である陳留の太守。曹操は笑いが止まらない。

「春蘭、兵を整えなさいな。大至急にね。秋蘭、留守は任せたわ」

迸(ほとばし)る覇気。主君の漲(みなぎ)る気迫に夏候惇は喜びを露わに、夏侯淵は静かに。その命に従う。
場に残る荀彧は主君に問う。

「よろしいのですか?戦力が磨り減る可能性もありますが」
「構わないわ。こんな千載一遇の機会なんてないもの」

そもそも、漢朝全土に広がる黄巾の乱。本来であれば官軍のみで当たるべきである。
だのに、諸侯に兵を発させるのはなぜか。

……売官の廃止である。

賄賂等で腐りきっている漢朝――何進が政権を担ってからは改善されている――であるが、売官で得られた金銭に関しては国庫に納められるものであった。
それが廃止され、しわ寄せは軍備に、常備軍に向かったのだ。幸か不幸かその当時は天災も少なく税収も安定。故に常備軍を削って帳尻を合わせていたのである。
無論、軍権を握る何進への宦官勢力による妨害工作という点も大きい。

ともかく、禁軍という禁裏を警護する最精鋭を繰り出すことからも漢朝の直接握る軍事力の減退は見て取れる。
……この段階でその決断をする何進に対する評価。それを二段階ほど上げたのではあるが。
ともかく、誰はばかることなく手元の兵を動かせるというのは大きい。
現状、曹操に足りないのは一にも二にも声望。これに尽きる。
それを得る絶好の機会である。陳留以外にも武威を示す機会である。
なにせ、これまで禁じられていた、領外への派兵も認められているのだ。更に兵糧は官から支給される。
洛陽に、禁裏に歩を進める前に絶好の機会が訪れたのだ。笑いが止まらないというものである。
既に禁裏の宦官。その中で十常侍に与しない者の帰順は始まっている。この乱を平定し、声望を手にすれば思ったより早くに宦官勢力の掌握は容易であろう。
陳留を中心とした地盤。精強なる武力。圧倒的な声望。宦官勢力を束ねるだけでは得られないこれらを手にした自分ならば、戦後に大将軍たる何進と伍することもできるであろう。
そして最終的に勝利を手にするのは自分だ。

「桂花、曹家の命運は、荒廃は、隆盛はここにその突端があるわ。頼りにしてるわよ」
「はい!華琳さま!」

艶然と笑い、曹操は昂ぶる。何進が、十常侍が、袁紹がこの乱の後には政敵となるのであろう。
だが、自分ならばそれらを全てに跪かせることも可能であると確信して。

天運、我にあり。
我が天を裏切ろうとも、天が我を裏切るは許さず。

◆◆◆

兵を発せよ。
その命は中華を駆け巡る。ここ襄平にもそれは到達している。
太守たる公孫賛に否やはない。むしろ領外に逃亡した賊に痛撃を食らわすことができるとあり、意気軒昂である。

「白馬義従は伊達じゃない!」

これまでは領外に逃散する賊になすすべもなかったのだ。
だが、これからはそうはいかない。

「見せてやろうじゃないか、公孫の武威というやつを」

実際、彼女が手塩にかけて育てた兵は中華でも屈指の精鋭である。
それを知る韓浩は茶化すことなく、心より武勲を祈念する。

「留守は任せてほしい。万一、賊に蹴散らされても援護くらいはする」

淡々とした言葉に公孫賛は苦笑する。が、留守を預かるのが韓浩ならば心配はない。
韓浩に背中を預けるのであれば、白馬義従はその実力を遺憾なく発揮するだろう。
巧遅よりは拙速。それは用兵の真実。幾多の戦場を駆け、公孫賛はそれを思い知っている。

だから、兵を発する。賊を滅する。
憤りがある。怒りがある。

匈奴の脅威は記憶に新しいはずなのだ。だのに、何故官軍の手を煩わせるのか。
ここで匈奴が南下すればどうするのか。
一見穏やかな笑顔の裏。公孫賛の憤懣は推して知るべし。

「駆けろ!馳せろ!白馬よ!」

これより白馬義従の有名は轟くだろう。
頸木(くびき)より解き放れたならば、思う存分駆け巡るであろう。
侮るならば相対すればよいのである。

韓浩は思う。自分ならば、白馬義従との激突など勘弁願いたいものだ、と。
彼女の願いが、思いが果たされるかは明らかならず。
ただ、彼女は託された印綬を手に、思いを胸に。時代の荒波に立ち向かうことになる。

ささやかな決意は、そして時代をも動かす胡蝶の羽ばたき。その突端。

◆◆◆

兵を発せよ。その命が届くまでもなく動く者もいる。
賊の頭を潰し、兵力を吸収して現有戦力を肥大させる。

「いやー、笑いが止まらないわねえ」
「……それはいいがどうやって食わせるつもりなんだ、雪蓮」

こめかみを押さえながら周瑜は孫策に問う。
兵力があるのはいい。が、肥大化したそれを維持するには孫家では色々足りない。

「やだなあ、思春みたいに使える人材を選り抜いて、後は、ね?」
「ね?じゃない。戻りつつある民の対応だけでも手一杯なのだぞ、私達は。
 それを余計なものを抱え込んでからに、もう……」

言ってもしょうがないが、言わずにはいられない。周瑜は主君兼恋人である英傑に向き合う。

「えー、でも食い詰め者だから食だけ提供すればいいじゃない。
 それに、黄巾討伐を名目にすればいくらでも食糧は引き出せるしー」

何進から発せられた命。黄巾誅せよ。そのために諸侯の軍には各地の官庫から。更には義倉からも食糧が供給される。
願ってもないことである。行動の制限、兵站の限界などを考慮せずともよいのだ。

「だから、ね。例えば、どっかの都市が黄巾と通じていたら私たちが落としても問題ないと思うし」

にまり、と笑むその顔はこの上なく物騒で、官能的で。
周瑜は改めて諌める。

「だから、そうまでする必要がどこにある?十常侍と組み、袁胤と組み。
 それはいい。だが、わざわざ如南に攻め入る必要などないだろうが」
「やだなあ、冥琳、分かってるくせにー。
 これなくしては袁家の下風からは逃れられないわよ?
 孫家は袁家ごときに膝を屈し続けない。首輪は引きちぎり、檻は食い破りましょう。
 なに、袁術ちゃんを確保さえすれば、なんとでもなるわよ」

いっそにこやかに、晴れやかに。孫策は笑みを深める。

「確かに、袁術殿の身柄さえ押さえれば何とでもなる。
 十常侍との繋がりがあり、袁家内部でも影響力の大きい袁胤殿と組めば袁家も黙らざるを得ないだろうさ。
 結局紀霊とて袁胤を殺すことはできなかったのだからな」
「そうよ。だからね、ここは勝負所なのよね。孫家が天下に羽ばたくためには、今、なのよ」

周瑜は目線で問いかける。勘か、と。
満面の笑みで孫策是、と応える。

「全く、厄介なことばかり考えるよ、我が主君は」
「んー、ごめんね?償いは閨でたっぷりと、ね?」

ちろり、と官能的に舌を滑らす孫策に周瑜は素っ気なく答える。

「はいはい。我儘なご主君のせいで眠る暇もないぞ。
 虞翻殿に出す帳簿に整合性を付けるのって、かなり大変なんだぞ?」
「あー、物資とか兵力を誤魔化さないといけないもんね」
「分かったら邪魔をしないでくれよ?」

しっし、と虫でも追い払うように退出を促す仕草に、ぶーぶーと文句をまき散らしながらも孫策は大人しく室を後にする。
やれやれ。
周瑜は孫策の気配が感じられなくなったのを確認すると、大きく息を吸い、吐く。吸う、そして。

ごぷ。

濁った音と共に紅い液体が流れる。伝う。

「ぐ、ふ。が、はぁ……。んん」

呼気を整え、身体を蹂躙する獣をどうにか抑え込む。
水差しから薬湯を杯に注ぎ、飲み干す。

「まだだ、まだ。暴れるには早いだろうよ……」

全身を駆け巡る苦痛に恨み言ひとつ。そして手元の書類に目を通す。

「これは穏を呼び戻して正解だったかな……」

手元の震えが政務を滞らせる。気が昂ぶるほどに暴れる獣を飼いながら、周瑜はそれでも諦めない。
たとえ命尽きるとも、ともに過ごすこの時。それを大切にしたい。
自分は彼女と思い出に寄り添うことはできないだろう。
せめて、立ち上がり、肩を抱き、明日を唄おう。
命燃え尽きるとも、夢を追い、羽ばたくべし。虎に翼を与えるべし。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名ぼしう

その勅は駆け巡る

を仮題としております


よろいsこ!

おつしたー
一ノ瀬殿がまだ誤字っておられるぞ!

地味様を待つ韓浩ちゃんがかわえぇんじゃ

誤字は仕様ですw

果たして今回の劉備(というより関羽)は大丈夫だろうか…?

>>253
どもです

>地味様を待つ韓浩ちゃんがかわえぇんじゃ
マジかマジっすか。
韓浩ちゃんが可愛いとか、いい時代になったものだ……!
うれしい

>>254
そんなことないもん

>>255
いけるいけるへーきへーき

乙でしたー
>>246
>>故に、何進の出した布告についても意図を読み込んでくる。  真面目な人格者だから何度も読んでるって言うなら間違いでは無いけど
○故に、何進の出した布告についても意図を読み取ってくる。  もしくは【汲み取ってくる】とか?能力の凄さを表すならこっちかな?
>>「抑えきって見せるとも、さ……」  《抑えきった雄姿を、見せる》なら間違いでは無いですが
○「抑えきってみせるとも、さ……」  《抑えきってやろう》と言い替えられるならひらがなですね
>>流民が起こした乱など禁軍のみでも充当であるというのに。  【充当】ってそのものずばり人員を割り振ることでは…
○流民が起こした乱など禁軍のみでも十分であるというのに。  それとも【禁軍のみの充当で事足りる】とか?受ける印象では【十二分である】とかも良いかも
>>249
>>更に兵糧は官から支給される。  【官】だと曹操たちもその中に入ってるのでこの場合は
○更に兵糧は漢から支給される。  多分国(漢)が(ある程度は)受け持ってくれるって意味だと思うんですがどうでしょう?
>>「桂花、曹家の命運は、荒廃は、隆盛はここにその突端があるわ。 荒れて廃れちゃらめええぇぇ
○「桂花、曹家の命運は、興廃は、隆盛はここにその突端があるわ。 伸るか反るかと言うか、そういう意味だよね
>>だが、自分ならばそれらを全てに跪かせることも可能であると確信して。  ちょっと違和感が
○だが、自分ならばそれら全てを跪かせることも可能であると確信して。   の方がいいと思います
>>250
>>匈奴の脅威は記憶に新しいはずなのだ。だのに、何故官軍の手を煩わせるのか。 間違いじゃ無いと言えばないかな
○匈奴の脅威は記憶に新しいはずなのだ。なのに、何故官軍の手を煩わせるのか。 もしくは【だと言うのに】とか?
>>これより白馬義従の有名は轟くだろう。 轟かない有名って有名なんですかね
○これより白馬義従の勇名は轟くだろう。 もしくは【白馬義従はさらに有名になるだろう】とか?
>>頸木(くびき)より解き放れたならば、  【ときはなれた】って違和感が
○頸木(くびき)より解き放たれたならば、 【ときはなたれた】だと思います
>>ささやかな決意は、そして時代をも動かす胡蝶の羽ばたき。 接続詞がなんか違う気が
○ささやかな決意は、やがて時代をも動かす胡蝶の羽ばたき。 もしくは【ささやかな決意は、そしてその動向は時代をも~】でどうでしょう?
>>251
>>満面の笑みで孫策是、と応える。  まあ中国語っぽくは感じるけど
○満面の笑みで孫策が是、と応える。 【が】とか【は】とか入れた方がいいと思います

>>袁家内部でも影響力の大きい袁胤殿と組めば袁家も黙らざるを得ないだろうさ。・・・>>孫家は袁家ごときに膝を屈し続けない。首輪は引きちぎり、檻は食い破りましょう。
Q.袁胤が狂犬な孫家と組む確率を答えなさい。A.勘ピューターの計算によると100%です。…あと犬ではありません、虎です・・・配点.あなたに孫家の誇りがあるように相手側にも袁家の誇りと言うものがあります。
例え無駄で無価値に見えようとも当人にとっては命より大切な場合もあることを知りましょう
上から恐怖で押さえつけられれば組むだろうけどさあ…そんな事したら袁胤にとって下衆な孫家と組んで袁家の格を落としてまで袁家のトップ(笑)になりたいかって言うと
少なくともこれだけ恩売ってた袁家にイチャモン付けて牙剥いてきたら袁家からしたらどんなに孫家を持ち上げても特に理由なく噛みつかれそうだから手を組む選択肢ないんだよなあ
絶対服従宣言しても人質出してもなんとなく(勘で)殺されそうだわ袁胤視点

>>賈駆に確認する。  流石一ノ瀬さん。ギャグが上手いなあ、これのおかげで大分冷静になったわ
こうして見るとそれぞれ黄巾に対して《単純に脅威》として見てるのと《脅威と理解しつつ好機》に出来ると踏んでるのと《国の思惑とか知らんがとりあえず好機だ》と考えてるのとって感じか
外敵を知ってる謂わば壁の地域の人からすれば内乱とかノーサンキューで、匈奴と戦うことがほとんどない地域からすれば分かりやすい武勲のチャンス、
ついでにむかつく奴を合法的(合法的とは言っていない)に後ろから撃つチャンス、と(なおメンツを傷つけられた相手が大人しくする理由(袁術?こいつらがちゃんと人として扱ってると袁家が信じてくれればいいですね)とそもそも袁家が孫家と潰しあってくれた方が十常侍からすれば美味しい可能性
曹操は…と言おうと思ったけどその前にネコミミが結構いい視点してるな。普通に考えればたかが農民たちの反乱と皇甫嵩も判断する程度に大したことないことに過剰戦力で当たってるように見えるのに、それに対してすり減る可能性を感じ取るとは
或いはこいつらなら自分たちが何故か違和感を持たなかった《天の御使いの噂》と今回の件を結び付けてもおかしくないんだよなあ…自分たちにとって飛躍の好機なら当然他の奴にとってもそうなわけで、色々と掴みそう
馬と公孫はまさに軍人気質と言うか、うん、こういう人が仲間にいるといろいろ捗るよね、その人がいる方向はその人に任せられるって凄い有難い

>>257
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
今回は特に熱い塊を頂きましてありがとうございますー!

>Q.袁胤が狂犬な孫家と組む確率を答えなさい。A.勘ピューターの計算によると100%です。
ここ重要なとこなんですよね

>少なくともこれだけ恩売ってた袁家にイチャモン付けて牙剥いてきたら袁家からしたらどんなに孫家を持ち上げても特に理由なく噛みつかれそうだから手を組む選択肢ないんだよなあ
そこに気づくとは……やはり天才か
なので孫家解体で武将を使いつぶすという史実はとても正しいってことですよ!

>流石一ノ瀬さん。ギャグが上手いなあ、これのおかげで大分冷静になったわ
えっ

>こうして見るとそれぞれ黄巾に対して《単純に脅威》として見てるのと《脅威と理解しつつ好機》に出来ると踏んでるのと《国の思惑とか知らんがとりあえず好機だ》と考えてるのとって感じか
パーフェクトですぞ

>十常侍からすれば美味しい可能性
ここ重要なんですよね。

>馬と公孫はまさに軍人気質と言うか、うん、こういう人が仲間にいるといろいろ捗るよね、その人がいる方向はその人に任せられるって凄い有難い
頼れる専門家です。頼れます。

今回は結構ネタバレが含まれてる気がしてるけど赤ペン先生だからいいや

>>ネタバレが含まれてる…おうふ!!失礼しました(45度
一応前作の事は思考から切り離して感想書いてるつもりなんですが、ふと気づかないうちに出てるのかも
ちなみに今回不思議に感じたのが、おそらく袁家からの報告で複数の村が文字通り全滅したことに皇甫嵩が危機感を持ってないこと…《広範囲で、一人の逃走も許さない、おそらくは農民の反乱》って…書いてて思ったけどそもそも誰がどうやって黄巾が農民の反乱って判断したんだろう?

確か史実だと意外と袁術と孫家の仲って悪くなかったような…袁術が王を名乗るまでは

>>259
あ、いやいや。
勢いで描いてこれネタバレ混じってるなあと思ったけどいいやと踏み込んだだけですのでw
お気になさらずw

どすどす、と響く足音。偉丈夫が歩みを進める。
巨漢、と言って差し支えないであろうその身は分厚い筋肉に包まれており、発する気迫も只ならぬものである。
白を基調とした紀家軍の、どちらかと言えば洗練された軍服に身を包みながらもその姿は荒々しくあり、見るものに頼もしく映る。

雷薄。紀家軍の重鎮である。
一兵卒の身でかの匈奴戦役を生き延び、幾多の手柄首を上げた豪傑である。軍服の端から晒された地肌には無数の傷跡が走り、激戦と、その戦歴を思わせる。
兵卒から叩き上げで地歩を築いた彼は袁家の中でも屈指の歴戦の勇士であり、その堂々たる体躯と相まって内外から畏敬の目を向けらている。
その用兵は堅実そのもの。派手さはないが、奇をてらわずに兵の損失を最低限に抑えるもの。
遊軍たる紀家軍の中で、乾坤一擲が信条の紀家軍の中でかけがえのない将帥である。
現紀家当主たる紀霊からも絶大な信頼を得ており、紀家軍のナンバー2として堅実に職責を果たしている。現当主が不在のおりは彼が紀家軍を統率するのだ。
趙雲、典韋と勇将豪傑が揃いつつあるも、兵卒からの信頼は一朝一夕では得られるものではない。

人、それを「武威」と言う。

その雷薄は横に付き従う青年に声をかける。
張?。袁家幹部の張家。その重鎮である。身のこなしには一分の隙もなく、積み重ねた鍛錬を窺わせる。

「張?よ、如南の兵権は俺が預かるつもりだが、どう思うよ」

問われた張?は、いささかも表情を変えずに応える。

「異論はありません。実際この身は若輩です。一兵たりと率いたことなく、数々の死線を潜ってこられた雷薄殿が軍権を握るは妥当な判断かと」
「そうか、すまんな。序列で言えば貴殿が上なのだ。それに、俺は所詮匹夫に過ぎんからな」
「何をおっしゃりますか。雷薄殿が軍権を掌握するとなれば皆納得するでしょう。私は裏方として支えましょうとも」
「そいつは助かる。書類仕事はどうにも性に合わんでな!」

がは、は、と豪快に笑う雷薄に張?は僅かに頬を緩める。
なるほど、兵卒からの支持が篤いのも納得である。この快男児のためならば命をも惜しまぬという声が多いのも頷けるというもの。
この、傷だらけの強面が笑った時の愛嬌ときたらどうだ。けして揺るがぬこの身すら引きこまれそうだ。
張?はその不可解な感情を持て余したように言の葉を紡ぐ。

「その、雷薄どの。ここ如南にはご令嬢もいらっしゃるのでしょう。雑務はお任せあれ。
 存分に久闊を除されてはどうですかな」

雷薄の急所である娘のことに言及し、精神的再建を図ろうとする。
重ねて、その息女が監視下にあることを臭わせて……。
その目論見は見事なまでに吹き飛ばされる。

「無用な気遣いだぞ、張?よ。俺はな。公私混同はせぬよ。せぬとも。
 まあ、この乱が収まったならば孫の顔くらいは見に行きたいがな!」

がはは、と重低音の笑い声を響かせる。

「心得ました。では、如南の掃除も我らの職責。存分にこの身をお使いください」
「ん?そうか、まあいいようにやってくれ。責任は俺がとるさ。
 袁術様がいらっしゃるまでにできることはするとも。
 頼りにしてるぜ!」

ばしばし、と張?の背を叩く。力の籠ったそれは熱く、背に響く。
不思議と、それは苦痛ではなかった。

緩む口元を自覚せず張?は部下に指示を飛ばし、如南の安定に奔走する。
張家にはなかった陽性の、雷薄という豪放磊落な人格と巡り合ったことは彼の今後に小さからぬ影響を与えることとなる。

◆◆◆

払暁。明ける夜、昇る日輪。山の端にその片鱗が顔を出し、雄鶏が一斉にその存在を主張する。
繰り返される日常。毎日。
這い寄る戦乱など意に介せずにいつもの毎日が始まる。
俺が守りたかったのはつまりこういうことで。
ぐび、と手にした杯から酒精をわが身に取り入れる。火酒、と呼称されるそれは熱く喉を、肺腑を焼く。焼いていく。
内から起こる業火でも世界は揺るがず、起こるのは取りこぼしたものが苛む声。

「ほう、いい身分ですな。それがしもご相伴に預かりたいと存ずるが、如何?」

玲瓏たる声は星。その真名にふさわしく、夜闇においても自ら輝き、迷(まよ)い子を導く英傑である。
俺の応えを聞くまでもなく、手にした器に酒精を注いでいく。
ぐび、と呑み干し再び注いでいく。
……って。

「こら、その調子で呑んだらあっという間に無くなるでしょ!」
「なに、酒は飲まれるためにあるのだ。問題なかろう」
「一見いいこと言った風だけど自分が呑み尽くすってことだよね?ちょっとは遠慮しやがれこのこのー!」
「はは、主(あるじ)よ。いまこそ、その度量を見せるべきと思うが如何に」

いや、朝っぱらから何を言っているんだお前は。

「それに朝っぱらから酒に逃避しているのは主だろう」

むむむ、ぐうの音も出ないぞ。

「なれば一の家臣としてはご相伴に預かるべきかと思うのだ」
「いや、その理屈はおかしいだろう」

そうか?と小首を傾げながらも俺の手から酒壺を奪い、手元の酒器に注ぎ、呑み、注ぎ、呑み、っておい!

「けち臭いことを言わぬがよかろう?
 少なくとも吝嗇という評判は主にはないだろう」

そうかい、そりゃよかったよ。

「ふむ、本格的に拗ねているようだな。いや、実に不景気な面だ」
「うるへー、地顔だ」

星はくすくすと、この上なく可笑しそうに笑う。

「で、何を拗ねているのだ?」

ずい、と、近い、顔が近いよ!
ずり、と後ずさりながら態勢を整える。

「ん、黄巾の乱。起きたじゃん」
「そうですな」

くぴ、と杯を干した星に酒を注いでやる。

「ああいう、漢朝全土にまたがる乱を起こしたくなかったのよ。ほいで、俺なりに頑張ってきたのさ。
 でもさ、結局起こってしまってさ、ちょっとへこんでんのさ」

にまり、と笑みを浮かべて星はぴとり、と俺に寄り添う。
柔らかく、温かい感触に何だか気おくれしてしまう。

「ふむ、主の腕はどうやら漢朝を覆うほどに長いらしい。
 流石に大した気概ですな?
 おや、それにしてはどうにも辛気臭い顔をしてらっしゃる。
 これはいかん。いけませんとも」

ちゅ、と唇に柔らかい感触が。

「んなっ!?」

あたふたとする俺をおかしげに。
 
「ご安心めされよ、唇を許したのは主が最初であるからに」
「お、おう……」

ふぁさ、と鮮やかに身を翻して星は言う。微笑む。

「この身を中華の最高峰に押し上げていただけるのでしょう?
 この身は龍。瑞雲がなければ高みに昇れませんぞ?」

高らかに笑い、場を後にする。
そっか、そうだな。どうせ俺ができることなんて知れてるんだ。
小さなことからこつこつと。そいつが俺の生き方やり方!
黄巾、十常侍どんとこい!まとめてぶっとばしてやるとも!
ああ、起こったことは仕方ないさ、仕方ないとも。だが、その報いは受けさせてやるぞ、受けさせてやるとも。

◆◆◆


日輪は地平線に沈み、夜天の主は三日月。下弦の月は星たちに傅(かしず)かれて存在を優美に主張する。
月明かりに照らされた庭園を歩く。いや、ここ執務室から自室へのショートカットなのよね。
うう、お腹すいた。
さっきまで風と星と俺の三人で色々計画練ってたのよね。ちなみに風と星はもうちょっと頑張るそうです。ご苦労様。後で流琉にでも差し入れ頼んどこうかな。
そんなことを考えながら歩を進める俺に声がかけられる。

「あ、アニキー、アニキー、こっち、こっちー!」

庭園内の東屋で手をぶんぶんと振るのは猪々子。文家の当主様である。横には麗羽様……と膝の上の美羽様。あ、流琉が後ろに控えてるわ。

「うっす。どしたんすか、おそろいで」
「いえ、珍しくわたくしと猪々子さんと美羽さんが揃いましたから、食後のお茶を頂いているところでしたの」

なるほど。俺は腹ペコなわけですが。

「あらあら。
珍しく二郎さんは遅くまでお仕事されてたみたいですわね。何か、摘ままれます?」

ああ、ここでお相手するのは既定路線ということですねわかります。

「ありがたく。どうせなら酒も欲しいとこですね、いや、久々頭使っちゃいましたし」
「むふふ、そういうこともあろうかと、ちゃんとあるぜー」

そうかい、そりゃよかったよ。ちなみに静かだなと思ったら美羽様は軽やかに寝息を立ててらっしゃる。
こちょこちょと喉をくすぐる麗羽様の白魚のような指にいちいちぴくぴくと反応してるのが、なんともお可愛らしい。

「じゃ、ご相伴に預かりましょうかね」

むしゃりと茶菓子を頬張るとどこからともなく流琉が食いでのありそうな揚げ物やらを並べてくれる。
むむむ、できる。
猪々子がどば、と勢いよく注いでくれた――無論、結構溢れた――酒を飲み干しながら雑談に興じる。
がつがつ、といささか下品に料理を平らげていく俺をくすりと見やりながら麗羽様が問うてくる。

「二郎さんは如南に発たれるんですのよね?」
「ふぁい、ん。はい。斗詩がもうすぐ洛陽から戻ってきます。それからですね。
 現在ですが。紀、文、顔で領内の賊を排除してます。斗詩が戻るころには主だったのは片付くだろうというのがうちの軍師の見込みです」

ぐび、と干した杯に今度は麗羽様がお酌してくださる。や、申し訳ないね。ありがとうございます。

「斗詩が戻ったら文と顔で領内安堵に努めます。斗詩が総指揮を摂り、猪々子は最前線で領内の慰撫をしてもらいます」
「まっかせてー!」

頼りにしてるよ?
今は軍を五百程度の集団に分割して領内に湧いた害虫を駆除している。優秀な中級指揮官の豊富な袁家だからできる方策だ。
柔軟に、自由に賊を討伐させているのが功を奏している。
もうすぐしたら残存兵力が集合するであろうというのが稟ちゃんと風の見解だ。
大きくなった集団を猪々子がぶち砕く。そして斗詩はその援護とか事後処理とか色々めんどくさそうなことを統括する。
うん、ごめんね、斗詩。でもしゃあないんや。
猪々子にそういうの任せられないし、麗羽様他は日常業務してもらわんといかんし、ね。

「でも如南の方を安んじたら北上するんだろ?
 ま、それまでに諸悪の根源を断っておいてやりたいとこだけどなー」

それなのよね。
張家の諜報力をもってしても今一つ掴めない、黄巾の乱が。その本拠地が。
この場に七乃がいないのもそのせいだ。
何でも腕利きの密偵、間諜ですら音沙汰が無くなってしまうらしい。
俺も、も少ししたら手持ちの密偵を動員しようと思うが、それでどうにかなるとも思えんしね。

「まあ、漢朝全土に何進から討伐令も出てるしな。時間は味方してくれるさ」

それで乱に巻き込まれる民には悪いけど、な。
如何せんどうしようもない。精々俺にできるのは黄巾賊が来たら逃散しろというくらいだ。
いや、無能、非才というのが謙遜じゃあないというのが情けない限り。
とは言え、今できることをするのみなのである。

「あら、いけませんわね、二郎さん。
 貴方は袁家の軍権を握っているのですよ?
 もっと余裕をもって優雅であってくれなくては」
「白鳥は優雅に水面を進みますが、水面下では一生懸命に足を動かしているのです。
 俺は袁家という白鳥の水面下であがくのがお役目。捨て置いてください……」

俺が優雅とか、ないよね。

「あら、嬉しいことを言って下さるわね。あんなにも働きたくないと言っていた二郎さんが、そんなにも一生懸命というのですもの。
 これは縁の下の力持ちをねぎらうのがわたくしの務めですわね。猪々子さん、よくって?」
「さっすが姫ー!分かってるー!はい、二次会はアニキの部屋でやります!各自料理と酒は持参すること!」

待て。

待て。

「あら、二郎さんの……。ふふ、面白そうですわね」
「いやいやいやいや、俺の部屋に麗羽様招いたら色々不味いでしょ!」

あれ、なんで麗羽様一気に不機嫌になるの?なってるの?

「知りませんわ。もう。
 いいですから猪々子さん、お分かりでしょう?」
「あらほらさっさー!」

どうして俺が羽交い絞めにされてるのでしょう。
本気で拘束してくる猪々子に敵うわけないじゃないですか、やだー。

「や、あの、麗羽様?」

いつになく目が据わってらっしゃる。そんな馬鹿な。
 
「ええ、この際ですし、二郎さんに言いたいことを有り体にぶつける場を設けることにしましょう。
 いいですね?みなさん?」

え、え?
なにこの流れ。

「ほう、興味深いですな。実に興味深いですな。是非ともに、乞うてでも参戦したく思いますぞ?」
「くふ、星ちゃんは相変わらず機を見るに敏、ですね。風も便乗するとします~」

おい、待て。
お前らどっから湧いた。

「うむ。朴念仁、と一言で表するには勿体ないと思うのだ、我が主は。
 なれば、臣としてから見た主の姿を皆様方にご披露したいと思う。
 その上で、僭越ではあるが、違った立場から主の姿を蒙昧たるわが身にご教授願いたい」

くす、と。いい笑顔だね!こん畜生!

「くふ、同僚として文醜様、僭越ながら、主として袁紹様からお言葉が頂ければ、風たち配下も腕が鳴るというものです~」

待てやコラ。
俺の抗議の声は高まる笑い声にかき消されるしかなく。
俺の部屋で繰り広げられる俺評に俺は針の筵で、ふて寝を決め込む。

だから、その噂なんて夜が明けてからしか耳にしなかった。

白い流星が落ちたことなんて知らなかった。

本日ここまですー

タイトルは夜明け前、かな?
いい案ありましたらください

明日あさっては多分日本海なので書き込みできませんが感想とか見れますのでくだしあー

乙です

おつしたー
星ちゃんえっろーい

>>267
どもです

>>268
星ちゃんエロいし清楚だしあの格好で乙女とか属性てんこ盛りや!ルナティックや!
恋姫の格闘ゲームやってるんですが彼女は非常に雑伎団めいた動きが実にエロい
めっちゃ身体柔らかいと確信しました

「かんぱーい!」

重なる声、重ねられる杯に場はいよいよ盛り上がっていく。
諸葛亮は全身に漂う疲労感を心地よくも、心身を焼いていく酒精に脳髄を委ねる。
既に日は落ち、下弦の月が夜の支配権を高らかに主張している。
それでも、南皮にほど近いこの街でも喧噪は絶えない。
そも、日が落ちれば床に就き、日の出と共に起きるのが人として正しい在り方なのではある。
だが、明かりは落ちずに街を照らす。その背徳が人を高揚させるのであろうか。
謹厳実直なる関羽ですら酒杯を手に珍味を楽しんでいるのだ。
なんとも、背徳とは人を惹きつけるのであろうか。

「でもでも、朱里ちゃんと雛里ちゃんが来てくれてよかったよー」
「ひゃい?」

……それはこちらが言うべきことである。
人格高潔にして、勇将、猛将を配下にし、権勢におもねることのない英傑。
実際伏竜、鳳雛が仕えるに相応しいのだ。
……いや、有り体に言えば自分たちは魅了されたのだ。一目で分かった。分かってしまった。
自分たちはこの方に仕えるために生まれてきたのだ、と。
なれば我らの智謀を供するは必然、蓋然。

「うむ、人手はあってもそこからどうにもならなかったからな。
 二人のお蔭で我らが逃散せず済んだ。感謝する」

酔いもあるのであろう。深々と頭を下げる関羽に苦笑する。
何せ、詐術――詐欺に近いのだ、彼女らが弄した策――と言うにも及ばないものは。

「いえ、そこまで愛紗さんに褒められたものではありません。本当に、褒められたものではないのです」

劉備たちが集めた義兵は二千ほど。それを一ヶ月の間食わせるだけの食糧を公孫賛は与えてくれた。
が、崇高たる劉備の理想がそれしきで達せられるはずもないのである。
さらには、手にする武具すらなかったのが実際の話である。
諸葛亮は、悟る。悟った。これは罠だと、枷だと。これを乗り越えずして我らに未来はない、と。
ならば遠慮などしない。しないのだ。
流民が主体の義勇軍の総数を水増し……数倍にし、多数の糧食を公孫より得る。
その一部を対価として軍勢の最低限度の武具を整える。
……そこまでですら幾多の苦難があった。まさかに袁家のような利権に座する存在の監査がきちんとしているとは。
木端役人に賄賂が通じないとは。

たかが兵站の柔軟な運用に我らが忙殺されるなどとは思っておらず、主には待たせてしまったものだ。
だが、これである程度の行動の自由を勝ち取った。そしてその日の宴席であった。
日が落ちてからの酒食など本来贅(ぜい)の極みである。が、それが当然たるこの地では労をねぎらうにはそうするしかない。
……予想以上に武官たる関羽と張飛は喜んでくれたのだが。いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものではないと思う。思うのだ。

「ちょっと、酔っちゃったかなあ。うん、酔っちゃった!
 ね、歩こう!歩こ?私たちは、元気だもの!」

見上げた夜空は満点の星。
星辰を占ってしまうのはまあ、致し方ないであろう。
まあ、星辰が世を先導することなど絶えて久しい。
よほどのことがないと定められた世は動かない。
そう、あのように大きな星が流れないと……え?

「あ、すごーい!すごい!すごい!
 落ちるよ?落ちる!あっちだ!行こう!愛紗ちゃん、鈴々ちゃん!朱里ちゃん!雛里ちゃん!」

駆けだす主の行動は実に正しい。

尾を引いた流星が落ちるは地の果て。しかしその果てに辿りつく。
窪んだ大地に伏せるは白き衣に身を纏った……天の御使い。

「なんだろう、わたし!胸がどきどき、わくわくする!」

そして少女は、少年は、運命と出会うのである。


そして外史の幕は上がる。
括目せよ。喝采せよ。祝え、寿(ことほ)げ。
ようやく、狂った外史は矯正の機会を得るのだ。

タイトル案は
「流星の落ちた地で」

いよいよですね。
やっとかよ、とも言う。

感想とかくだしあー

好きなポエム

諦めはしない もう目覚めたから

乙でしたー
>>262
>>ずり、と後ずさりながら態勢を整える。 間違い?多分間違い…だと思う。もしも星との対話に備える、と言うか心構え的ならこのままかな
○ずり、と後ずさりながら体勢を整える。 【姿勢】と言い替えられる意味ならこちら。要は正座するとかそんな感じならこっち
>>264
>>斗詩が総指揮を摂り、 摂取するのは違うかなって
○斗詩が総指揮を執り、 執行するのでこちらですね
>>精々俺にできるのは黄巾賊が来たら逃散しろというくらいだ。 【逃散】って農民とかがこんなブラックな仕事やってられるかーって他の領に逃げることを言うらしいのでこの場合はちょっと違う気が
○精々俺にできるのは黄巾賊が来たら避難しろというくらいだ。 危機感をあおるなら【一目散に逃げろと言う】とかも有りかな?
>>265
>>「あら、嬉しいことを言って下さるわね。  ここは助動詞で使ってるので
○「あら、嬉しいことを言ってくださるわね。 の方がいいですね。例えると《靴を脱いでください》だと脱ぐだけですが《靴を脱いで下さい》だと今履いてる靴が欲しいと言う意味になる。らしいです
○「あら、嬉しい言葉を下さるわね。     もしくはこういうのも有りかな
>>270
>>諸葛亮は全身に漂う疲労感を心地よくも、 この繋ぎ方だと次も疲労感について語る感じかな、と
○諸葛亮は全身に漂う疲労感すら心地よく、 もしくは【疲労感も心地よく】とかも良いかも?
>>なれば我らの智謀を供するは必然、蓋然。  【蓋然】って多分そうだろうなあ、みたいなあやふやな意味らしいのでちょっと違和感
○なれば我らの智謀を供するは必然、瞭然。  運命感じた(笑)ならこっちじゃないかな…ついつい彼女たちの事は色眼鏡で見てしまう、まあいっか、彼女たちも世界を色眼鏡で見てるんだし
>>二人のお蔭で我らが逃散せず済んだ。感謝する」  むしろお前らが逃散してくれた方が領主としてはうれしいんだよなあ、無駄飯ぐらいが待遇改善の為にストライキとかそのまま解雇でFAですわ
○二人のお蔭で我らが離散せず済んだ。感謝する」  2000人をまとめきれずに瓦解する、みたいな意味ならこっちの方かな
>>いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものではないと思う。 じゃあ何に喜んだのかしら?
○いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものだと思う。    夜遅くまで起きてることを悪徳としてるっぽいけど人を騙して掠めた金で美味い飯食うってどっちにしろ…まあ関羽と張飛は工面の方法を理解してないだろうから単純に美味しい料理に喜んだ、と見れば
○いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものでもなく、道が拓けた事によるものだと思う。 一応関羽を最大限好意的に見れば…張飛?あいつは旨い飯しか見てないだろ(偏見
>>見上げた夜空は満点の星。 いやあ、街の明かりが邪魔をするので70点くらいですかねえ
○見上げた夜空は満天の星。 冗談はともかくこっちかな?
>>「なんだろう、わたし!胸がどきどき、わくわくする!」

そして少女は、少年は、運命と出会うのである。       ここまでが諸葛亮視点っぽいんですよね


そして外史の幕は上がる。   で、この行からメタ視点、2行空けてるし
○「なんだろう、わたし!胸がどきどき、わくわくする!」


そして少女は、少年は、運命と出会うのである。   でもここで諸葛亮が劉備の事を【少女】呼びは違和感があるので

ついに外史の幕は上がる。   行の空け方としてはこっちの方がいいと思います

諸葛亮の色眼鏡は相変わらずですな、袁家の木っ端役人に賄賂が通じないことに憤るとかwここはせめて袁家のような豚にもまだ清廉な人材がいることを喜ぶべきだろうに
ところでこれって5人だけで宴会開いてんの?劉備なら全員で親睦会とかしそうだけど…まあ2000人を受け入れられるような店はさすがに無いだろうけどさ、料理を買って広場とかを借りてしないのかな

二郎ちゃんは凡人のくせに自分が頑張れば世界が大きく変わると思っているのがまだまだ甘ちゃんやね
でもそういって自分がもっとうまくやれば~とか落ち込んでると背中をたたいてくれる人やら腕を引っ張ってくれる人やらが周りに沢山いるのは二郎ちゃんが頑張った確かな証拠であったりして
ついでに言うと自分が頑張ってどうにかしようとしなければどれだけの人が彼についてきてくれたり彼を認めてくれたかは・・・

乙っしたー

>>272
原曲もいいですよ
ttps://www.youtube.com/watch?v=nFCc5NLTWtc

タイトルはGつながりで
「少女が見た流星」

おつしたー
あーあ出会っちまったか

>>273
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>諸葛亮の色眼鏡は相変わらずですな、袁家の木っ端役人に賄賂が通じないことに憤るとかwここはせめて袁家のような豚にもまだ清廉な人材がいることを喜ぶべきだろうに
そういうとこやぞ、と思いますw

>ところでこれって5人だけで宴会開いてんの?
はい

>劉備なら全員で親睦会とかしそうだけど…
そんな気遣いしないですよw 実際w
と本当に思います

思いつきで宴会とかはあるかもしれませんね

>二郎ちゃんは凡人のくせに自分が頑張れば世界が大きく変わると思っているのがまだまだ甘ちゃんやね
うわきっつw
言われたらぜってー落ち込むw

>落ち込んでると背中をたたいてくれる人やら腕を引っ張ってくれる人やらが周りに沢山
多分孤独だったら心が折れてますわ

>>274
原曲あったのか(今知ったす

>>275
出会っちまいました(固定イベント)

せやな、孤独だったらスパイラルに落ちると思うわ
でも二郎ちゃんは自分が凡人だと理解してるからそれをどうにかできる人に何とかしてもらおうと頑張って顔つないだり手を繋いで
そうやって来たから辛いときに肩貸してくれる人、手を貸してくれる人がいるんだろうなあって

あっ劉備の事まだ過大評価してたのか俺・・・あいつの理想やら何やらはともかく仲間意識とか個人としての優しさは素晴らしいものだと思ってたのに
そんなに個人として良い人だったら原作で公孫賛にあんなことしない?人の上に立つ者としての自覚が芽生えたんだよ(目ソラし

>>277
>でも二郎ちゃんは自分が凡人だと理解してるからそれをどうにかできる人に何とかしてもらおうと頑張って顔つないだり手を繋いで
これです。割とテーマではあります。

>あっ劉備の事まだ過大評価してたのか俺・
過大評価かは分からないですけどねw
二郎ちゃんが、はおーをブラックベンチャーとか言ってますが真のベンチャーは劉備一党です
走りながら考えるという、真のベンチャー精神。とりあえずやっってみよう的な場当たり感。
すごE

>そんなに個人として良い人だったら
これですw

「うわー、すごいねー。すごいねー。
ね、ご主人様!」
「ああ……」

北郷一刀は南皮の防壁。その威容に圧倒されていた。
彼はそれなりに巨大な建築物に耐性はある。しかし泰平である社会に育ち、本物の要塞の武威というのを見るのは初体験である。
遺跡、史跡、観光名所としての要塞と、稼働している軍事拠点である城塞都市とは受ける印象がまるで違うのである。

「でも、よかったのか?愛紗と雛里に悪いことしたんじゃないかなあ」

諸葛亮は微笑む。嗚呼、それでこそご主人様だと。

「はわわ……。袁家は義勇軍を敵視しています。ですから二千もの兵を抱えるのはむしろ不利になります。
 それに、御使い様というご主人様の素性も隠すがよいかと思われます……」

伊達に南皮で情報収集をしていたわけではないのだ。
袁家……もっと言えば軍権を握る紀霊の思考を辿るなど児戯に等しい。

「はわ……。現在袁家の軍権を握る紀霊は様々に手を打っています。
 そこから読み取れるのは、義勇軍に対する弾圧とも言える無関心です。
 かつて郭図が興した義勇軍。それが黒山賊と衝突するまで静観しています。
 袁家と黒山賊は不倶戴天。それと相対する義勇軍に何の援助も与えていません。
 あわよくば共倒れを狙っていたのかもしれません。まあ、黒山賊は隆盛極まり、現在でも袁家は根本的に掣肘できておりません。
 ……当時からその兆しがあったのにも関わらず義勇軍に援助をした形跡がありません。
 故に、紀霊は義勇軍という存在に含むところがあるのでしょう。
 なれば、南皮に軍勢を率いて武威を顕示するのは悪手です。雛里ちゃんと愛紗さんには悪いですが、待機が最善です」

にこ、と笑む諸葛亮。

「うん、流石朱里ちゃん! 
 でも、ご主人様の、天の御使い様というのも駄目ってのはどうしてなの?」

小首を傾(かし)げて問う劉備。諸葛亮は苦笑し、表情を改める。

「はい。ご主人様が管輅の言う『天の御使い』であるのは確定的に明らかではあります。
 が、袁家領内ではそれを主張するのはお勧めできません。
 袁家……紀霊が蠢くここでは得策ではありません。彼の手はこれにより明らかです」

取り出したるは阿蘇阿蘇。

「これによれば、『天の御使い』とは中華に仇為す疫病神。平穏を崩す魔王。
 救いを、平穏を名目に乱をもたらす悪逆非道な災厄、とあります。 
 笑止千万な煽りではありますが、どうやらご主人様を相当に恐れているようで……」

くすくす、と諸葛亮は笑う、嗤う。

「ご主人様がどうにも都合が悪いのでしょうね。
 まあ、あえて正面から争う必要もないですし」

ふむ、と頷く劉備に首を傾げる北郷一刀。

「まあ、あえて今の段階で虎の尾を踏む必要もないってことか。
 ま、朱里が言うなら間違いないさ!」

何せあの諸葛亮である。伏竜である。
その判断に間違いはないであろう。北郷一刀はそう確信している。

「ま、とりあえず南皮まで来たのは桃香の大事な剣を取り戻すためだ。そこを忘れないようにしようよ」
「はい!ご主人様!」

門扉をくぐり、広がる南皮の繁栄。
紀霊などというマイナー武将が兵権を握るなど、想定外ではあるが、それより。
半ば行き倒れていた自分を介抱してくれた、この子達のために頑張るべきであろう。
自分は三国志を知っているのだ。
北郷一刀は思う。英傑の性別こそ違うにしてもここは三国志の世界。

なれば、未来を知っている自分はどうするべきか。
決まっている。
魏に、晋に統一される未来を、天下を劉備に。この、とっても優しい女の子の手に。

◆◆◆

「劉備……ですか?」

絢爛豪華、豪奢で華麗。
そんな言葉が似合うであろう少女は可憐に小首を傾げる。
華美なる金髪は光輝を散らし、そこにあるのは栄耀栄華。
十三しかない州の三つを束ねる袁家の総領。袁紹その人である。
一挙手一投足にその華麗なる気品(オーラ)は漂うだけで、対する人を圧倒する。

「は。公孫賛殿のご紹介ということですが」
「まあ、白蓮さんの?」
「紹介状の類はないようですが」

対するは郭嘉。
つい最近まで無位無官の身であったのだが、紀霊の推挙をきっかけに袁家内にて地歩を固めている。
そして現在では、袁紹の横にありて助言をするまでに至っている。
淡々とした郭嘉の言に袁紹は満足げに頷く。
彼女は権限が大きければ大きいほどにその辣腕を遺憾なく発揮するという紀霊の言、なるほど、慧眼であると。
こと人材鑑定眼という点においては、この中華でも比肩する存在はいないのではないか。
有象無象を束ねて相手にせねばならないからこそ、それが分かる。

「で、劉備さん……でしたか。用件はなんと?」
「伝家の宝剣を返還してほしいとか」
「はぁ?どういうことですの?」

袁紹が疑問を投げるのも無理はない。
親友たる公孫賛が贈ったとのことではあるが、そのような案件は数限りない。
袁家は名家である。
であれば贈られる物品は数限りない。
更に贈られた物品に対し、相応の返礼を――きちんと贈られた物品よりも価値が高いものを、である――のであるからして。
いちいちその内容など覚えてはいない。記録だって怪しいものだ。
どこぞの凡人と違い、面会だけでも行列ができるのである。
それほどまでに袁家の当主というのはお安くないのだ。
公孫賛が紹介状を持たせなかったというのは、きっとそういうことであろう。袁紹は総合的にそう判断する。

「そうですわね、では対応は二郎さんにお任せしましょう。郭嘉さん、そのように」
「は、承りました」

妥当なところであろう。いや、厚遇すぎるかもしれぬ。紀霊は三州を束ねる袁家の軍権を握る重鎮である。
そこに公孫賛に対する友誼を察して微かに郭嘉はその口を緩ませる。
この卓越したバランス感覚、その誠実。真心。

なるほど。
名家の当主とはかくあるものか、と。
中々に、支え甲斐があるではないか。
きっと打算でなく、本能的に下した判断。なるほどなるほど。

「郭嘉さん?」

訝しげに問うてくる言の葉も優雅で。

「いえ、ご判断について検討しておりました。まことに妥当、適切かと。
 心服した次第でございます」

恭しく頭(こうべ)を垂れる。その思いに偽りはない。

「あら、よろしくってよ?わたくしとて誤謬はありますもの。諫言、大いに結構。甘言よりはよほどよろしいわ。
 務めなさいな。二郎さんが絶賛するその才、頼りにしてますわよ?」

おーっほっほ、と高笑いする袁紹。
その器、なるほど破格である。いささかも表情を変えずに郭嘉は思う。
なかなかに、支え甲斐がある主君である、と。

邂逅、迫る

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名はなんだろうなあ困るmなあ

おつしたー
原作主人公も視点が違うだけでホンマコイツら・・・ってなるものやな

乙でしたー
>>279
>>そこから読み取れるのは、義勇軍に対する弾圧とも言える無関心です。 【弾圧】と【無関心】はちょっと遠い気がします
○そこから読み取れるのは、義勇軍に対する弾圧とも言える敵愾心です。 一刀に不信感とかを植え付けるならこっちで【路傍の石の如き無関心です。】諸葛亮からどう見えるのかは分からないですが《紀霊》が義勇軍が起ころうが潰れようが気にしないように見えるならこうかな?
とはいえこの後の話から推理すると諸葛亮が郭図の義勇軍がどういう物だったのかの聞き取りをしないわけがない(と言うか義勇軍について調べてたら評判その他を聞かないはずがない)から万が一にも一刀が袁家に同調しないようにネガティブキャンペーンしてるっポイかな
>>にこ、と笑む諸葛亮。 この場合だと私がいるから大丈夫です。みたいな印象を与えようとしてるのかもしれないけど、どうだろう?話した内容に対するして一刀たちに悪印象を付けるためにも
○わずかに顔を伏せる諸葛亮。 あくどい袁家と印象付けるならもしくは【憂いの表情を浮かべる】とか?こっちの方がいいかは微妙ですが
>>『天の御使い』であるのは確定的に明らかではあります。 ブロントさん!ブロントさんじゃないか!!黄金の鉄の塊のブロントさんが何故ここに?
○『天の御使い』なのは確定的です。 もしくは【『天の御使い』であるのは明らかです。】とかでどうでしょう
>>くすくす、と諸葛亮は笑う、嗤う。  諸葛亮から見て劉備と一刀がどういう人物なのかは不明ですが、おそらく裏表のない慈悲深く、民の声に耳を傾ける賢君なのではないかと
○自分たちの不明を恥じることも無く、悪いことが起これば他者にその責を負わせる名ばかりの名家と言うものに諸葛亮は憤りを隠せない様子を見せる、魅せる。 大分長くなってしまった(汗)、ご主人様たちに自分の黒いところを見せる必要はないかな、と。
>>280
>>一挙手一投足にその華麗なる気品(オーラ)は漂うだけで、対する人を圧倒する。 文脈に違和感が
○一挙手一投足に漂う華麗なる気品(オーラ)はそれだけで、対する人を圧倒する。 あるいは【一挙手一投足からあふれ出る】とかどうでしょう
>>相応の返礼を――きちんと贈られた物品よりも価値が高いものを、である――のであるからして。  ―~―の間を抜いた場合【返礼をのである】となるので
○相応の返礼を――きちんと贈られた物品よりも価値が高いものを、である――しているのであるからして。  の方がいいと思います
>>この卓越したバランス感覚、その誠実。真心。  カタカナ解禁したんでしたっけ?
○この卓越した交遊感覚、その誠実。真心。    とかかなあ?バランスは直訳すると【平衡】になりそうだけど意味が違うし
>>務めなさいな。二郎さんが絶賛するその才、頼りにしてますわよ?」  間違いでは無いですが、これだと郭嘉に単純に仕事しろ、と言ってるようなので
○努めなさいな。二郎さんが絶賛するその才、頼りにしてますわよ?」  頑張って、的な意味合いになるしこの方がいいと思います

まあお金嫌いの軍師殿が自分の全てを受け入れられてご主人様としているのかもしれないので取り繕ったりはしてないのかもしれませんが
(今は)正面から戦わない相手を下に見るような発言をしてそれが一刀や劉備に移っちゃう可能性を考えれば嗤ってる姿は見せない方がいいんじゃないかな
それにしても>>桃香の大事な剣を取り戻すためだ。 そもそも取り戻したくなるような大事な物なら人にあげるんじゃねーよ、貸してたって言うならお前その剣1本で2000人を数倍水増しした食料と武具を受け取ってそれでも利子の分にもならないほどの価値があるとかのたまうのか

>>282
どもです

>原作主人公も視点が違うだけでホンマコイツら・・・ってなるものやな
真のベンチャー勢力が本格化しました。
はおーのとこなんて割と老舗ですしね。
本当の意味で失うものがないベンチャー勢力です。おそれよ。

>>283
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
一応毎回推敲しているはずなのに。ぐぬぬぬ。

>(今は)正面から戦わない相手を下に見るような発言をしてそれが一刀や劉備に移っちゃう可能性を考えれば嗤ってる姿は見せない方がいいんじゃないかな
そうですねえ。その通りですねえ。

> そもそも取り戻したくなるような大事な物なら人にあげるんじゃねーよ
これは本当に理解できない行動ですが、原作特にアニメ準拠の感じ。
思いつきで行動しとるんやろうなあという納得感もあったりします。

>その剣1本で2000人を数倍水増しした食料と武具を受け取ってそれでも利子の分にもならないほどの価値があるとかのたまうのか
富豪プレイヤーからしたらレアアイテムはそれくらいの価値はあると思うかもしれませんが……w

ほんと、CPBさんの行動はびっくらぽんやでぇ……

まあ、アニメだと麗羽様んとこに行き、そこはかとなく対立するフラグを立てる舞台装置だったのかもしれません。
ただまあ、本当に近視眼的に目の前のことを場当たりで解決しようとする人もいるので、それを強化した感じなのかな?
行動パターンを人格AIに落とし込んで実際に再生するとこうなるとかなんとか

「だからさ、俺は言ってやったんだよ。『悪党の泣き声は聞こえんなぁ』ってね」

目を丸くして聞き入る流琉にあることないこと馬鹿トークの俺です。二郎です。
楽しい食後のお茶の時間。美味しいご飯をありがとね、流琉。
そんなまったりとした空間を、これまたまったりとした声が切り裂く。いや、塗りつぶす。

「お楽しみの所申し訳ないのですが、来客なのですね~」

のんびりとした風の声に頭を仕事モードに切り替えていく。可能な限りオンオフについては、はっきりさせるのが紀家軍の伝統なのだから。

「今日は俺の出番ないはずだけど?」
「公孫からのご紹介だそうです~
 袁紹様からご指名ですよ。今は星ちゃんがお相手をしてます~」

ふむ、白蓮からの紹介か。
俺が出張るということは、白蓮からの紹介状はないってことだな。
うむ。上下関係はあっても友誼は大事にせんとな。まったくもって喜ばしいことだ。

「で、誰が来てるの?」

くふふ、と僅かに笑う風。

「劉備、諸葛亮、張飛……北郷一刀だそうですが?旧知の方もいらっしゃるでしょう?」

あちゃあ、あいつらかよ。って。

「諸葛亮……だと……?」
「ええ、水鏡女学院を首席で卒業した英才とのことですね~」

待て待て待て待て。
おかしいだろうそれ。諸葛亮とかありえんだろ。まだ黄巾の乱だろ、慌てるような時間じゃあないはずだろうが。
それがなんでもう劉備とセットなんだよ。おかしいだろそれ。なんだってんだよ。おい、どうなってんだよ。大体、酔狂じゃない水鏡先生とか星と同年齢くらいじゃなかったっけか?

「はい、とんとんしましょうねー。とんとーん」

くす、と。
ほんわかした風の声、手の温かさに俺は意識を取り戻す。そうだ、呆けている場合じゃない。
俺の悪い癖だ。三国志の予備知識故に差異に自失してしまう。
そのために中華を彷徨ったというのに。
そうだ。何が起こっても不思議じゃないし、起こったことには対処せんといかん。

「すまんな、風」
「いえいえ、これもお役目ですし~。それに謝られるよりは感謝が欲しいというのは風の我儘ですかねぇ」

目を細める風が頼もしい、ありがたい。

「や、ありがとう。風がいてくれてよかったよ」
「くふふ、早速のお言葉。おねだりしましたが、いざ頂くと照れてしまいますね~」

いや、ありがとうな。

ん。

ん?

「北郷一刀……だと……?」

その名に遅まきながらも気づく。
これ、おかしくね?

北郷一刀。明らかな異質。それはその名前だけで明らか。
ごくり。
生唾を飲み込もうとするも口の中はカラカラだ。

「風よ」
「なんでしょか」
「北郷一刀とか言ったか。何者だ」

くすり、と笑みを浮かべながら風は大きく頷く。

「さあ?ですが劉備さんは『ご主人様』と呼んでいましたね~」

ふむ。
英傑たる劉備がそう対応するか。
急速に構築される推論。
きっと彼は俺と一緒、いや、厳密には違うか。
奴は、彼奴は、『異物』だ。

俺がこの世界……というか、この、二度目の生で思ったことは一つ。

「俺だけか?」

ということ。

だから、商会は母流龍九(ボルタック)、雑誌は阿蘇阿蘇(アソアソ)、書物は農徳新書。
いずれもひっかかりを覚えるネーミングだ。その網に引っ掛かるのを待っていた。
だが、幸か不幸かそれらしきものは網に引っ掛からなかった。
ひっそりとその生を終えたのか、今でも潜伏しているのかは知らんが。
それでも、俺の。俺の三国志という知識を持っている俺を脅かすのはきっと同じくその知識を持つ人物なのだろう。
だが、これまでそういう奴はいなかった。
……まあ、相手にするにはしんどい相手ばっかりなんだがね。何進とか華琳とかさ。他にも色々。

まあ、いいさ。
三国志の一角に食い込む劉備一党。
そしてこの段階で参画する超絶軍師諸葛亮。
全ての逆境、不幸。言葉一つで片付けて莞爾と笑うのさ。
それがどうした、と。
高らかに唱うそれは反撃の狼煙だ。

「それがどうした!」

肺腑から振り絞り、五臓六腑を引き締める。何もかもを台無しにする魔法の言葉。宇宙最強のそれを腹の底から叫ぶ。
俺はここにいる。袁家に忠誠を誓っている。抗うぜ。
むしろこれまでが順風すぎたのだろうさ。

「うし、行くぞ、風」
「そですね。行きましょう」

覚悟はいいか?
俺はできてる。



歓談の室に入る。
そこは戦場。それを認識しているのはきっと俺とあの、ちまっこい幼女だろうな。
まさか、諸葛亮という三国志トップの人材と張り合うことになろうとはね。
つか、俺の迂闊さが悔しいね。思い込みで荊州放浪しなかった。
ま、相性的に仕官してくんなかった可能性が高いという言い訳そのいち。

「主よ、こちらは劉備殿だ。……面識があるのであったかな?
 その軍師の諸葛亮殿、そして北郷殿だ。中々の人物だぞ」

うるせー、そんなん知ってるわ。

「で、一度手放した剣を返してほしい。ということだったっけか」

精一杯冷然と放った言葉に臆することなく劉備は答える。

「そうなんです。白蓮ちゃんに預けたんだけど、やっぱり私のことを信じてくれるみんなに恰好がつかないかな、って。
 でも、白蓮ちゃんも袁紹さんにあげちゃったって言うから、来たんです」

意味が分からん。なんで頭のいい諸葛亮まで頷いている?
ええい、めんどくさい。

「一度手放した宝剣をどうしようと関係ないだろう。なんでここにいるの?」
「はい、思ったんです。やっぱりあの剣は必要だったなって。
 だから、返してほしいんです」

……満面の笑みでそんなことを言いやがる。正直、知るかよ、というのが本音だ。
白蓮の知己だからといって優遇されると思ったら大間違いだぜ。

「返すもなにも、関係ないから。君らの都合とか関係ないから」

ばさり、と切り捨てる言葉に諸葛亮とか言う幼女が口を挟む。そこは黙ってて欲しかった。

「大将軍である何進様により黄巾討伐の令は中華全土に発せられています。
 義を見てせざるは勇なきなり。ですが応じるは諸侯のみ。
 そのような風潮は悲しいと思いませんか?」
「知らん。諸侯は世に対する責任があるし、問題なぞないさね。
 つか、それ今上陛下への進言(ディス)のつもり?」
「これは失礼を。
 無位無官の非才たる身で僭越でした。
 ええ、僭越でしたとも」
「そうかい」

むー。流石にこれでは諸葛亮の目論見が見えないなあ。うざいだけで。

「すみません。お二人の議論を遮るようですけども、わたしの剣ってどうなるんでしょう……」

割と本当にどうしたもんかね。

マジで……困ったものだ(沮授風)。
剣を返してくれと堂々と言ってくるその神経に眼前の美少女(巨乳)はやはり劉備なのだなと再認識する。警戒心のレベルを引き上げる。
ただ、裸一貫からのし上がるにはこういうふてぶてしさが必要なんだろうなあ。
ちら、と眺めると可愛く小首を傾げてくる。あざとい。実にあざとい。可愛いけど。
まあ、こいつらが求める剣なんてどうだっていい。さっさと渡してお引き取り願うのが一番簡単ではあるのだ。
だが、それだと白蓮の面子が台無しになる。
友誼の証に送られた剣をその元の持ち主が取り返しに来るなんざ赤面で済む話じゃあない。
下手すりゃ白蓮と麗羽様の仲だってぎくしゃくしてしまう。ただでさえ州牧と太守という関係なのだ。
……それ狙ってるんじゃねえだろうな。
ぎろ、と睨みつけるがにこにことした表情は些かも揺るがない。まあ、そこまで考えているとしたら横の幼女か。と。
そして、俺の視線を受けてだろう。幼女状態の諸葛亮が口を開く。

「紀霊殿が逡巡されるのも無理からぬこと、と存じます。それほどに貴重な、価値のある剣なのですから。
 お返事は後日でも結構です。お待ちしますから」

いや別に、本当にそんな剣どうでもいいんだが……ってあの剣にそうやって付加価値を付けるのか。こん畜生。
一旦言葉を区切って更に言葉を続ける。

「しかし我らは世の乱れを憂いて義勇軍を興した者です。
 今こうしている間にも無辜の民は苦しんでいます。
 しかし我らは手元不如意……。
 便宜を図ってもらえないでしょうか?
 我ら義勇軍はしがらみなく自由に動けます。ええ、見事働いて見せましょうとも。
 悪い話ではないかと思いますが?」

こいつ、これが本命か!剣の話は袁家と接触する方便。
経緯はどうあれ組織の上層部が下した決定には従わんといかん。その譲歩を引き出すのが目的か!
義勇兵などという、漢朝の埒外の存在でありながらそれを組み込んで駆使するが目的かよ。

ぎり、と噛みしめる俺を見る諸葛亮は相変わらずの笑みで、ああ、俺など眼中にないのだろうな。実際怖いくらいだわ。

激昂して咆哮をあげる、寸前。

つん、とつつかれる。
我に返ってその手の主を見ても、素知らぬ顔で風は。

「ぐう」
「寝るな!」
「おお、寝てました!」

言われんでも分かるわ!
……ってそうか。助かる。

「あのなあ、緊張感なさすぎだろうが」
「いえいえ、公孫賛様のご学友が訪ねてこられたというだけですし、緊張する必要もないかと~」

はあ、と大げさにため息を。

「まあ、そうだな。んじゃ、風。
この場、任せるわ」

風なら俺の意を汲み取ってうまいことしてくれるはず。頼んだ。
頼んだぜ。
頼んだよ。

……頼んだよ?

本日ここまですー
感想とかくだしあー

邂逅、前編です

ここです
ここで介入とかあれこれが一番有効なのです(メタ)
介入するならここやぞと

割と他はフラグ管理きっちりしてるなあと振り返りながらそのときの自分がすげえなあとか思ったりなんかしたり
自分の敵は自分なのだあ

負けるもんか

乙ー
風ちゃんが本当に頼もしい

>>291
どもえす

本当に、風ちゃんいなかったらどういうことになっていたか……!

いやマジで普通にエタったすw

おつしたー
二郎ちゃんの部下は割とチート揃いな希ガス

乙でしたー
>>288
>>そこは戦場。それを認識しているのはきっと俺とあの、ちまっこい幼女だろうな。   どうだろう?多分風も二郎ちゃんの雰囲気から察してそう
○そこは戦場。それを認識しているのはきっと俺と風と、あのちまっこい幼女だろうな。 前回劉備と出会った時に二郎がだいぶ動揺(洗脳されかけ)てたし
>>友誼の証に送られた剣をその元の持ち主が取り返しに来るなんざ赤面で済む話じゃあない。  間違いでは無いですが
○友誼の証に贈られた剣をその元の持ち主が取り返しに来るなんざ赤面で済む話じゃあない。  こっちの方がいいかな?どうかな

まあ二郎ちゃんの考えた通りに「あの剣は公孫賛から袁紹に送られた友誼の証であり、それを横から欲しがるとはつまり二人の間を引き裂こうと言う腹積もりだな?」って質問(と言う名の脅迫)をするのも有りっちゃありか?
張飛は趙雲に抑えてもらって3人のうち一人でもコロコロできれば…問題はその強硬策を紀霊がすることを周りがどう受け取るかだけど
まあ劉姓の義勇軍の首領が義勇軍嫌いでそこそこ有名だろう紀霊の元に紹介状なしで公孫賛の名前を使って面会に来るとか臭すぎるから民心を操作するのは難しくなさそうだけど
袁紹とか公孫賛とかが…とくに公孫賛は優しいからなあ、袁紹は二郎の事を信じてくれる可能性は高いけど・・・うーむ

>>293
どもです

>二郎ちゃんの部下は割とチート揃いな希ガス
恋姫たちが、皆無限の可能性を持っていますのでねw
とは言え、確定恋姫の他に賽子の結果での加入の恋姫も多いんですよねー
少なくとも放浪編の三匹が全員加入は本当になかったです
あれで難易度がかなーり下がったなあというのはあります

まあ、本当のチートははおーとか呂布とかCPBとかなんですけどね

>>294
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
また完封はできんかったか(白目)


>まあ二郎ちゃんの考えた通りに「あの剣は公孫賛から袁紹に送られた友誼の証であり、それを横から欲しがるとはつまり二人の間を引き裂こうと言う腹積もりだな?」って質問(と言う名の脅迫)をするのも有りっちゃありか?
二郎ちゃんの発想がそこに至らないですねえ。いや、メタ最善手はそこなのは分かるのです

>まあ劉姓の義勇軍の首領が義勇軍嫌いでそこそこ有名だろう紀霊の元に紹介状なしで公孫賛の名前を使って面会に来るとか臭すぎるから民心を操作するのは難しくなさそうだけど
一般的には義勇軍の好悪とか分からないですからね

メタ的最善手ができないもやもや、もどかしさを、いい感じに楽しんでいただければ幸いです。
できなきゃむかつくだけですよねえ!

俺の言葉。任せた、というそれにも眠そうな表情を動かさずに、ふわふわとしたはちみつ色をした髪を僅かにかきあげて。
風はのんびりと口を開く。

「では二郎さんに全権委譲されたこの私めが裁定を下しますね~。
 義勇兵のみなさんには官庫より兵糧を支給します」

マジで?まあ、二千程度、どうということないし。ないし。
風がそう判断するならば俺は追認するだけである。
精々重々しく頷こう。ふむ、そうだなとか言って!

くふ、と笑い声が聞こえた気がした。

「ただし官軍の指揮下にある時に限ります~。
 まあ、口ではなんと言っても、です。いつ黄色い布を身に纏うか分かったものではないですし。
 信頼と実績というのは一朝一夕にはできないものというのは世の真実。積み重ねてくださいな。
 あ、それと募兵の類は袁家領内では一切認めませんので~」

いっそ子守唄でも歌っているかのような穏やかな風の声に劉備たちは絶句する。

「募兵できないって、そうしたら……」
「認めませんので~」

ふわりとした笑みで諸葛亮の反駁を封じる。
流石俺のメイン軍師は格が違った。よくわからんけど。

「決まりだな。お疲れちゃん。お帰りはあちらからだぜ」

便乗する俺のドヤ顔でも拝みやがれ。ってなもんだ三度笠。当たり前だの焼き菓子だぜい。

「あの、俺にちょっとだけ時間もらえるかな」

口を開くのは北郷君。
まあ、彼には同情するべきとこも大きいよね。いきなり三国志(謎、もしくは仮)な世界に巻き込まれて。
風体を見るに、これ制服でしょ。多分登校だか下校だかの最中にここに来ちゃったんだろうねえ。俺にも多少の里心もあるし、ある程度は便宜だって図ってやらんこともない。

「趙雲さん、俺たちと一緒に来ないか?」

は?
はあ?
はぁぁぁあああ!?

北郷一刀は絶句する俺に構うことなく言葉を続ける。

「みんなが笑って暮らせる、そんな世にしたい。桃香の理想に趙雲さんも共感してくれたよね。
 きっと。俺たちと一緒に来るべきなんだと思う。
 いや、来てほしいな。君の力が必要なんだ」

おい。
おいコラ。
てめえ……今なんつったコラ。

……よし殺そう。

うん、皆殺し確定。こんな下らんことで悩む必要もなくなるし。
ゆら、と全身に力を込めて立ち上がろうとする直前に笑い声が響く。

「はーっはっは!
 いや、こんなにも情熱的に口説かれるとは思ってもいなかったな。
 これも全て某(それがし)が美し過ぎるのが罪なのだろうな……」

艶然と微笑み、言の葉を紡ぐ。
動き出す寸前であった俺にその身を寄せ、首に手を回してきて……。

ちゅ。

「まあ、こういうことだ。察してくれるとありがたい」

合わさった唇は刹那。

むか。

ぐい、と星の柳腰を引き寄せる。
え?とこちらを見やる星の唇に俺のそれを合わせる。
そしてここからは大人の時間だ。

「む?……んっ。
 ん!」

星の口内を俺の舌が蹂躙する。
唇を甘噛みし、ちろちろと舐めあげる。
歯茎を舐めあげ、唾液を啜り、流し込む。
舌を吸い上げ、噛み、ねぶりあげる。

「ん……ん!」

くぐもった声を上げる生意気な咥内を更に蹂躙する。
びく、と震える身体を抱きしめる。

つ、と離れた口唇に唾液の橋がかかる。

ぽわ、とした星を胸に抱えて言うのだ。

「俺の女に手を出すな。次はないぞ」

はわ、と上気する幼女。うわーと赤面するおっぱい。
そして絶句し赤面する北郷一刀。
なんだ童貞か?

「お引き取り願いたいんだがね。それとも馬に蹴られるかね?」

室内に漂うなんとも言えない空気を無視して俺は言い放つ。

「お呼びじゃあ、ねえのさ」




いまだぽや、とした星を抱きしめつつ一気に人口密度の減った室内を睥睨する。
俺、まだ結構怒ってるのよ。

「さて、お見事でしたね~」
「んなこたねえよ」

事実、失点ばかりが目につくっての。

「卑下されることはありませんよ。
 諸葛亮、劉備。いや、世が世なら史書に名が載るやもしれないと思います~」

ああ、そうだよ。だからめんどくさいんだよ。

「それはいい。後世の史家とかどうでもいい。
 北郷一刀とかはもっとどうでもいい。
 あれが何か。風は分かるか」
「いえ、とんと見当もつきませんねえ」

ほんとか?
まあいい。

「あの無礼。あれはこの中華の人じゃあない。東夷だ。
 よく二人ともこらえてくれた。あれは中華の儀礼を知らぬ蛮人。故に礼を知らぬ」
「と、おっしゃいますと?」

ぺろ、と唇に湿り気を与える。
こっからが正念場だ。

「姓も名も二文字。字も真名もない。あれは異郷の人物。
 不思議に感じるも当然。あれの本質は東夷。
 倭の民だろうさ」

ふむ、と風は頷く。

「地理志、ですね~」

後漢書地理志にある漢委奴国王。
中学生でも知っていることである。

「そうだ。違って当然。あいつは属国たる委から流れてきたのだろうさ。
 帰る術のない哀れな旅人なのだろうさ」

それでいい。それがいい。
あながち間違ってもいないはずだ。

「では風はこれにて失礼するのですよ。
 訓練そのほかはお任せという驚きの有能さを垣間見てくださいねー」

くふ、と笑む風がどれだけありがたいか。
ありがたや、ありがたや。

くた、と。
ぽてり、と肩に心地いい重みを感じる。

まあ、星の重みなんだが。
思わせぶりにこちらを見る。

そんな星に言葉をかける。

「星、お前、あいつらを助けたろ」

「是。中々に気の合う連中ではあったのだ。
 あそこで命脈を断つには惜しいだろうよ」

星の横槍なければ俺は多分あいつらの殲滅を命じてた。
例えそれがどれだけ血に塗られていようとも。

「そうかい」
「そうだ。だがな、主よ」

ぴと、と寄り添い潤んだ瞳で俺を見てくる。

「それがしは、主の女、なのだろう?
 まさかに、そのまま放置、という訳ではあるまいな?」

にや、と笑む星はいたずらっぽく、清楚で、どこか不安に揺れていて。

「北郷一刀」

ぴく、と身を震わす星。

「あいつとどんな話をしたかは聞かない。
 あいつに何を吹き込まれたかも聞かない」

ぎゅ、と星を抱きしめる。
ん、と艶めかしく吐息を漏らす星がいとおしい。

「あんな男、忘れさせてやるよ」

そう言って俺は星を蹂躙するのだ。
こくり、と小さく頷く星が愛しいのだ。

ああ、どこぞの馬の骨なんて忘れさせてやる。
塗り替えてやる。
染めてやる、俺色に。

いつになく獰猛な俺の獣欲を星は全て受け止めて。

幸せそうに笑みを向けてくれるのだ。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

どんどこいきますぜ

死ぬ前に
おれはやるぜおれはやるぜ

乙ー
風ちゃん流石という感想と天の御使い殿がガチで厄介すぎて困る

おつしたー
登用ガチャ割と成功しとったんやなー

あと色々と大丈夫か・・・?

乙でしたー
>>296
>>マジで?まあ、二千程度、どうということないし。ないし。   私もごく最近知ったのですが
○マジで? まあ、二千程度、どうということないし。ないし。  【!】、【?】を文章の途中で使う場合は空白が必要らしいです
>>297
>>え?とこちらを見やる星の唇に俺のそれを合わせる。  今回特に誤字報告する所が無いなあ、と言う事で改めて基礎をさらってたら見つけたそんな事実
○え? とこちらを見やる星の唇に俺のそれを合わせる。 そういえば文章の頭にもひとつ空白がいるとか……まあいいか!!
>>「あの無礼。あれはこの中華の人じゃあない。東夷だ。  間違いでは無くあくまでも私の好みで
○「あの無礼。あれはこの中華の者じゃあない。東夷だ。  と言うか今更ですが彼らにとって中華ってどこからどこまでなんでしょうね?《漢》とは微妙に違うのか、同じ意味なら【アレは漢人じゃない】とかも有りかと思ったりしますが
>>「姓も名も二文字。字も真名もない。あれは異郷の人物。  欧陽菲菲「私、この時代からすると未来だけど一応中国人……」字はともかく真名が無いのはなぜわかったの?いや、そもそも(中華の)常識的に考えて《姓は北、名は郷、字は一刀》とならないかな?二郎ちゃんはともかく中国人である他の人はそう判断しそうだけど
○「姓も名も二文字。字もない。あれは異郷の人物。    それを言ったらお前も字ないよね?とか聞いちゃダメかしらw
>>298
>>訓練そのほかはお任せという驚きの有能さを垣間見てくださいねー」  風だとそう言いそうだけど【垣間見る】ってwたまにしかしないのかよ
○訓練そのほかはお任せという驚きの有能さをご照覧くださいねー」   普通に【ご覧ください】でも良いしいつも寝てる風なら上の言い方しそうだけども
>>星の横槍なければ俺は多分あいつらの殲滅を命じてた。   【多分】?……ああ、命じる前に自分が殲滅してた可能性が(なお張飛)
○星の横槍がなければ俺は多分あいつらの殲滅を命じてた。  もしくは【星の横槍無くば】とか?ちょっとカッコつけた言い方ですが
>>例えそれがどれだけ血に塗られていようとも。 言わなくはないですし間違いでもないのでここも私の好みですが
○例えそれがどれだけ血に塗れていようとも。  もしくは【血塗られていようとも。】とかどうでしょう?
>>ぴく、と身を震わす星。   どうだろう?擬音から受ける印象が違うような気がするような?
○びくり、と身を震わす星。  もしくは【びく、と体を強張らせる星。】、【ぴく、と身動ぎする星。】……星の一刀に対する心の揺れにもよるけどどれかな?より正確には紀霊と言うかなりいい主がいるのに鞍替えを考えてしまった自分に対する不信感とかだと思うけど

一刀君のスカウトを見ると前に曹操が郭嘉のスカウトをしようとしたときの事と比較してしまったわ
あれって曹操からすれば郭嘉が紀霊を見限る程度の目しか持って無かったら必要ないからまずは紀霊に話を通さないといけないと言う彼女からしたらすごい難しい状態だったんだな
自分がの方が人の上に立つ者として上だと自負してるけどかつて紀霊に《あなたと並び立ちたい》とか言われちゃってそうあろうと努力してる紀霊を認めちゃったからね
それほどの男に登用されておきながらあっさりとこっちに靡いちゃうなら……それは自分の人を見る目が無いことになってしまうと言う
いっそのこと二郎もスカウトを……えーと(どいつもいらねえな)、んーと(CPBに、権力者はとりあえず悪と見る儒者軍師、三国知識で全能感に酔ってるっぽいガキ)、張飛に対して腹いっぱい食わせてあげるよ、とか言って

ちかれた++

>>301
どもです

>風ちゃん流石という感想と天の御使い殿がガチで厄介すぎて困る
風ちゃんはトリックスターって感じですね
御遣いさんはそらガチです

>>302
>登用ガチャ割と成功しとったんやなー
こんなに人材が増えるとは思わんかったのが実際のとこです
幼女は大失敗でしたがw

大丈夫っすよー

>>303
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
中々修正なしってのにならないなあ

> 【!】、【?】を文章の途中で使う場合は空白が必要らしいです
マジっすか
マジっすかw

>それを言ったらお前も字ないよね?とか聞いちゃダメかしらw

ちょっと修正考えますわw

>一刀君のスカウトを見ると前に曹操が郭嘉のスカウトをしようとしたときの事と比較してしまったわ
ほむ

>あれって曹操からすれば郭嘉が紀霊を見限る程度の目しか持って無かったら必要ないからまずは紀霊に話を通さないといけないと言う彼女からしたらすごい難しい状態だったんだな
ほむむ

>それほどの男に登用されておきながらあっさりとこっちに靡いちゃうなら……それは自分の人を見る目が無いことになってしまうと言う
なるほど、と思いましたが、寝取ったら飽きてしまうアレですよきっと
だから人材コレクターなのだ(兆適当)

>いっそのこと二郎もスカウトを……えーと(どいつもいらねえな)、んーと(CPBに、権力者はとりあえず悪と見る儒者軍師、三国知識で全能感に酔ってるっぽいガキ)、張飛に対して腹いっぱい食わせてあげるよ、とか言って
現状では確かに張飛が安パイな気もしますねw

今日は酒呑んで寝ますちかれた

むしろ自分がローマに転生して何かを成せる自信がないっすわw

もぞ。
隣で寝息を立てる星を起こさないように寝床を抜け出す。

「む。もう朝か、主よ」

うん。無理でした。

「まだ早いし。寝といた方がいいぜ」

まあ、その、なんだ。初めてだったのに、かなーり手荒く扱っちゃったからなぁ……。

「なに、この身。どうということもないとも。
その、だ。気遣いはありがたいのだが」

身を起こすとご立派なおっぱいが……ああ、隠すなんてもったいない。

「その、主よ。そんなに凝視されると流石に、だな……」

いつも結構谷間強調したようなきわどい恰好してるのになあ。解せぬ。
だが、恥ずかしがる星とか、アリだな。これがギャップ萌えと言う奴か。
これを狙ってやってるんだったら怖いな。

「まあ、減るもんじゃないし、いいじゃん。つか、もっとすごいことしたじゃん」
「そ、それはそうなのだが……」

やばい可愛いぞ星よ。
ぎゅ、と抱きしめると大人しく身体を預けてくる。女の子特有の、甘い香りが鼻腔をくすぐる。すてき。
と、現実逃避(うっとり)する俺に星がニヤリ、と。

「主よ」
「ん?」
「嬉しかったぞ?妬いてくれて」
「おい」

さっきまでの可愛い星を返せ!いや、帰ってきて!

「ふふ、だが少し揺れたのは本当だ。何か不思議な人物だったな、北郷という男は」

むう。

「主よ、そうむくれるでない。私が主を置いてどこかへ行くわけがなかろう」
「と、言われてもな。星なら『気が合う』からというだけで決断してもおかしくないし。
 富貴とか地位とかあんまし興味ないだろ?」

正直、出ていくと言われて繋ぎとめとく術が思いつかん。
……本来劉備陣営だしな。

「ふむ。言われてみればそうかもしらんな。
 だが、一度捧げた槍を易々と引っ込めたりせんし、何より主よ」
「ん?」

不敵で無敵。それが星だ。
そんな星が思いもよらぬことを言ってくる。

「今だから言うのだがな、ずっとお慕い申し上げておったのだ」

え?なんで?なんかそんなイベントあったっけ?

「ずっと、ずっと昔からだ。そう、ずっと昔から、憧れて。
焦がれていたのだ」

くすり、と。
呆気にとられた俺を可笑しげに笑う。

「どゆこと?」

あれか、阿蘇阿蘇のアレか?いや星に限ってあんな与太話(プロパガンダ)を真に受けて憧れるとかない……はず……。

「随分昔のようにも思えるし、実際昔のことなのだがな。実は主と会ったことがあるのだ」
「え?」

マジで?

「ふむ。まあ、会ったと言うと語弊があるな。一方的に主を見ていただけ、か」

閲兵式とかなんかか?あれなら、とは思うのだがそうでもなさそう。
マジで分からん。

「それがしの二つ名は知っているだろう?」

そりゃね。

「常山の昇り竜、だろ?」
「左様。そして常山には主も……因縁があろう」

……っ!黒山賊か!
惹起されるのは血の海、敗北、そして虚勢。
だが星の声は優しく響く。

「そう。助けられたのだ、それがしは。それがしの村は。
 ずっとお伝えしたかった。ありがとう、と。
 ずっと憧れていたのだ、袁家の誇る怨将軍に」

苦いものが肺腑からこみ上げる。

「いや、役目を果たしただけさ。それに後手に回ったあげく。
 あのざま、なのさ。
 ……正直誇れたもんじゃない」

実際PTSD案件である。
それを英雄譚に仕立て上げた自分に反吐が出るくらいさ。
やらんといかんかったとしても、ね。

「それでも、それでもだ、主よ。
少なくとも救われたのだ。
 救われたと思っているのだ。それは変わらんのだよ。主がどう思おうと、な」

……そうか。
そうか。俺は救ったのか。救えていたのか。そう、思っても、いいのか。

「ありがとう……」
「それはこちらの台詞だぞ?」
「それでも、ありがとう……」

込み上げる熱いものを必死にこらえる。

「主、改めてよろしくな。この赤心、一点の曇りもない。
 主の敵はこの身が討とう。存分にお使い下され」

ああ。
頼りにしてる。頼りにするよ。

「こちらこそ、よろしく。
 頼らせてくれ、星。
 そして、きっと中華一の武将に。
必ず引き上げてやる」

ああ、本当に俺には勿体ない人たちばかりだ。
なんて、俺は幸せ者なんだろうな。

改めてそう、思った。

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名は「むかしばなし」かな
もちっと気の利いたのあればよろしくお願いします。

おなしゃす

乙…
記憶違いじゃなければあの時のくそったれ事件かな…あの時星を助けれたのか…

>>310
そうです。

なんともコメントが難しいのですが。
もやっとしていただけたらばそれだけで嬉しいです。

イベントとかフラグ管理はかなり精密にやっております。

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