ヴィーネ「私だって、弟か妹が欲しいわよ!」(36)

~ある日~

ラフィエル「聞いてくださいよ。この前、サラちゃんが~」

サターニャ「へぇ~、アンタの妹がそんな事を…。まっ、でも、私の弟に比べたらまだまだ可愛いものよ」

ガヴリール「だったら、私の妹だってな…」

ラフィエル「ぷっ/// なんですか、それ♪」クスクス

サターニャ「ただの妹自慢じゃないの」ニヤニヤ

ガヴリール「うるせぇ/// 自分の妹、たまに自慢して何が悪いんだよ!?/////」

ワイワイガヤガヤ

ヴィーネ「…………」ジイィィーーー

ラフィエル「うふふ…んっ?」

ヴィーネ「………」

ラフィエル「あれ、ヴィーネさん、どうかしましたか?」

ヴィーネ「……なにが?」

ラフィエル「いえ、なんだか浮かない顔でしたので」

ガヴリール「…ヴィーネ、お前もしかして?」

ヴィーネ「なによ?」

ガヴリール「私らの雑談の中に入れなくて悔しいのか?」

ヴィーネ「………」

ラフィエル「黙りこんでしまいましたね」

サターニャ「はっきりなさいよ、ヴィネット? 図星なら図星だt」



ヴィーネ「そうよ!!!!!! 悪い???」ダンッ

ラフィサタガヴ「「「っ!!?」」」

ガヴリール「おいおい、急にムキになんなって!? だったら、普通に話に加わればいいだろ?」

ラフィエル「そうですよ。私たちは友達ですし、ヴィーネさんを仲間外れにはしませんよ」ニコリ

サターニャ「そうよ。大体、ヴィネット、アンタいっつも話に加わってるし、今回も普通に加われb」



ヴィーネ「会話の内容が内容だから、加われないのよ!!! ちょっと察してよ!!?」ダンダンッ

ガヴリール「めんどくせぇなぁ、おい!?」

ラフィエル「会話の内容と、言いますと……確か私たちが先ほどから話していた話題は…」

サターニャ「私たち、それぞれの妹と弟の………あっ!?」

ガヴリール「どうした、サターニャ? 何か分かったか?」

サターニャ「え、えぇ。た、確かにこれは……ヴィネットでも加われないわね、話の内容に」

ラフィエル「気になるじゃないですか!? 教えてくださいよ、サターニャさん?」

サターニャ「あれよ……私たちは妹と弟に関する話をしてたでしょ? ガヴリールとラフィエルは妹の、私は弟の…」

ガヴリール「あぁ、それがどうした?」

サターニャ「私とガヴリール、ラフィエルはそれぞれ妹と弟がいるけど、ヴィネットだけ妹も弟もいない一人っ子でしょ?」

ガヴラフィ「「あっ!?」」

ヴィーネ「うぅっ/////」プルプル

サターニャ「だから、ヴィネットは会話に加われなかったって、ことよ!」

ラフィエル「そうでしたか…。ごめんなさい、ヴィーネさん。私とした事がヴィーネさんの気持ちをおっ察しすることができず、つい気軽に…」

ガヴリール「私も悪かった。謝るよ、ヴィーネ」

ヴィーネ「いいのよ……。一人っ子なんてどうせそういうもんだし。」ズーン

サターニャ「落ち込んでんじゃないわよ!! 欲しいなら、親に頼んで生んでもらえばいいじゃないの?」


ヴィーネ「無茶言わないでよっ!? 頼んで子供を生んでもらえるもんなら、とっくにそうしてるわよ!!?」

ガヴリール「確かに…。」

ラフィエル「ぷっくく/// サターニャさんのおかしな発言、最高です♡」ニヤニヤ

サターニャ「でも、ヴィネット、ほんとは私たちの会話に加わりたいんでしょ?」

ヴィーネ「もちろん、本音はそれよ」

ガヴリール「でも、弟と妹がいないだろ?」

ヴィーネ「え、えぇ……。」

ラフィエル「そして、ガヴちゃんの発言に対する本音は?」



ヴィーネ「私だって、弟か妹が欲しいわよ!!!」ドンッ

ヴィーネ「もちろん、ガヴたちの弟や妹の会話に加わりたいのも半分だけど、もう半分はみんなの話を聞いてて弟か妹が本当に欲しくなったことよ」

ラフィエル「そうでしたか…。」

ガヴリール「はぁ~、一番難しい悩みだな、それ」

ヴィーネ「もちろんよ! けど、それを両親に言ってもしょうがないし、どうにでもなることでもないしね」

サターニャ「ヴィネット…」

ヴィーネ「はぁ。私、もう帰るわ」

ラフィサタガヴ「「「えっ?」」」

ヴィーネ「ここに私がいてもしょうがないし、後はガヴたちで好きに弟と妹の話をしててよ」スクッ

ラフィサタガヴ「「「………」」」

ヴィーネ「またね…。」スタスタ

バタン

ラフィエル「帰ってしまいましたね、ヴィーネさん」

ガヴリール「今回ばかりはヴィーネが気の毒に思えるよ」

サターニャ「ガヴリールの言う通りね。私たちの中で唯一、一人っ子っていうのもなんだか寂しいものだしね」

~帰り道~

ヴィーネ「……弟か妹。ほんとに、欲しいわ」トボトボ

ヴィーネ「ガヴ達があんなに楽しそうに妹弟の話をするぐらいだもん。居たら、きっと一人っ子よりも楽しいよね…」トボトボ

ヴィーネ「…………はぁ~」トボトボ



?「………………」ジイィィィーーーー

~その夜~

ヴィーネ「はぁー、ずっと同じ事ばっか考えてもしょうがないし、もう寝ようかしら…」

ピンポ~ン

ヴィーネ「んっ、今頃誰かしら?」



ヴィーネ「はぁ~い?」ガチャ

?「っ!!」

ヴィーネ「えっ、女の子!?」

?「っ/////」モジモジ

ヴィーネ「えぇと、その…どなた?」

?「やっと会えた………おねええええぇぇぇぇちゃあああぁぁぁぁーーーーーん♡♡♡」ガバッ

ヴィーネ「えっ!!?」

?「お姉ちゃ~ん///」ギュッ

ヴィーネ「えっ、お姉ちゃん!? 私が!!?」ビクッ

?「そうだよ?」スッ

ヴィーネ「ごめん、ちょっと待ってね!? えぇと……その、部屋を間違えたとか、じゃないよね?」

?「うっ、うぅ……」ウルウル

ヴィーネ「えっ!?」

?「部屋を間違えてないもん! 会うのは初めてだけど…。」ウルウル

ヴィーネ「えっ、じゃあ…お姉ちゃんって!?」

?「うん。私はヴィネットお姉ちゃん……貴方の妹だよ」

ヴィーネ「え、えぇ…えぇ………ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!???」

ヴィーネ「えぇっ、嘘っ!? どうして、私に妹は……」

ヴィーネの妹「知らないのは無理ないよ。だって、私はお姉ちゃんのお父さんと、私のお母さんの間に出来た子だから」

ヴィーネ「えっ……ええええええぇぇぇーーーーーーーっ!!!???」

ヴィーネの妹「でも、これじゃあ、実妹じゃなくて、義妹だね…」

ヴィーネ「お父さんの子供と別の女性との子………じゃあ、お父さん……お母さんや私に内緒でふ、不倫を………」ガーーーン

ヴィーネの妹「えっ!?」

ヴィーネ「………ショック」ズーーーン

ヴィーネの妹「ち、違うよ、お姉ちゃん!? お姉ちゃんのお父さんが、私のお母さんと関係を持ったのは、お姉ちゃんのお父さんが結婚する前だよ?」

ヴィーネ「えっ?」

ヴィーネ「つまり…お母さんと結婚する前に、貴方のお母さんとお父さんは付き合ってたって事ね?」

ヴィーネの妹「うん。お母さんからは、そう聞いてる」

ヴィーネ「そっかぁ。じゃあ、別れた後にお父さん、お母さんと結婚して…。それなら、ひとまず安心だわ」

ヴィーネ「私は、てっきりお父さんが私やお母さんを裏切って、別の女性と不倫してたかと思ったわ…」

ヴィーネの妹「説明が伝わって良かった。これで、安心して話せるよね、お姉ちゃん」

ヴィーネ「そうね。」

……………………………………

ヴィーネ「成る程。貴方は、私が生まれてから、随分後になって生まれた、という訳ね」

ヴィーネの妹「うん。お母さん、お姉ちゃんのお父さんと別れた後もお父さんの事忘れられなかったみたいで、誰とも一緒にならず、ずっと一人で過ごしてたの」

ヴィーネの妹「だけど、月日が随分と流れてから、お姉ちゃんのお父さんとの間に出来た子を妊娠したの」

ヴィーネ「それが貴方なのね」

ヴィーネの妹「うん。お母さんは私を生んだ後、しばらく一人で育てて、物心ついてすぐ私に、お父さんの事やお父さんには家庭があって娘が一人いること、それも私の義姉である事を教えてくれたの」

ヴィーネ「そういう事だったの…。」

ヴィーネ「でも、私に会いに来てくれたのはどうして?」

ヴィーネの妹「……実はね、お母さん死んじゃったの、一週間前」

ヴィーネ「えっ?!」

ヴィーネの妹「だから、身寄りが無くなって……お姉ちゃんを頼ってきたの」

ヴィーネ「そうなんだ…。でも、良く来れたね? 私でもゲートを開けるのには随分掛かったのに?」

ヴィーネの妹「お姉ちゃんが今、人間の世界に住んでる事を知って早く会いたくて……一人で一生懸命頑張ったの」

ヴィーネ「えっ、まだ小さいのに!? 凄い、才能だわ!!?」

ヴィーネの妹「えへへっ///」テレテレ

バタンッ

ヴィーネの妹「ここがお姉ちゃんが住んでる部屋かぁ。生徒整頓されてて、お姉ちゃん几帳面なんだね」

ヴィーネ「うん。まぁ、でも、そのせいで悪魔らしくないって良く言われるのよ、まじめ過ぎて」

ヴィーネの妹「真面目でもいいんじゃないかな」

ヴィーネ「えっ?」

ヴィーネの妹「真面目で悪魔らしくないって言われても、お姉ちゃんはお姉ちゃんらしくすればいいと思うよ」ニコリ

ヴィーネ「っ!…ありがとう/// 同じ悪魔からは良く言われてるのに、ここまで堂々としていればいいって声を掛けて貰ったのは初めてだから、嬉しいな!」ニコッ

グウゥ~

ヴィーネの妹「あっ///」

ヴィーネ「お腹が空いているのね。ちょっと待ってて」スタスタ

…………………………………

ヴィーネの妹「美味しいっ!!/////」パアァァーー

ヴィーネの妹「これもこれも、これも!! どれも美味しいっ///」モグモグ

ヴィーネ「有り合わせの物を簡単に調理したものだけど、口に合って良かったわ」ニコリ

ヴィーネの妹「お姉ちゃん!」

ヴィーネ「んっ、なに?」

ヴィーネの妹「私…お姉ちゃんとお風呂に入りたい!」

ヴィーネ「お風呂………!! いいわよ♪」ニコリ

ヴィーネの妹「わぁーーい!!」ピョンピョン

ヴィーネ(可愛い…///)

※ここからは「ヴィーネの妹」ではなく「妹」で表記します。

チャポ~ン

妹「わぁ~い♪」バシャバシャ

ヴィーネ「こ、こらぁ、ダメでしょ、暴れちゃ?」

妹「うぅ…グスンッ。ごめんなさい、お姉ちゃん」ウルウル

ヴィーネ「あっ、うぅん分かればいいのよ!? ごめんね、お姉ちゃんの方こそいきなり怒鳴って!!?」

妹「いいよ♪」ニコリ

ヴィーネ「っ!?/////」ドキッ

ヴィーネ(可愛い…/////)

妹「体と頭、洗わないと」

ヴィーネ「ちょっと待って。お姉ちゃんが洗ってあげる」

妹「で、でも…」

ヴィーネ「いいのよ。お姉ちゃんが洗ってあげるんだから、遠慮はしないで?」ニコッ

妹「うん。ありがとう、お姉ちゃん♪」ニコリ

ヴィーネ(可愛い…////)

ゴシゴシ

ヴィーネ「痒いところはない?」

妹「ここ、後ここが痒い」

ヴィーネ「えっと…ここ、と、ここね!」

ゴシゴシ

妹「ありがとう」ニコリ

ヴィーネ「どう致しまして♪」ニコニコ

…………………………

ヴィーネ「おいで、髪を乾かしてあげる」チョイチョイ

妹「うん」トテトテ

ブオオオォォーーーーーー

妹「わぁ~、いい風ぇ~♪」キャキャ

ヴィーネ「ほら、動ないでじっとして!」

妹「お姉ちゃん、おやすみなさい」

ヴィーネ「おやすみ」

パチッ

妹「………ZZZ」スヤスヤ

ヴィーネ「………ふふっ♪」ニコッ

~翌日 学校~

ヴィーネ「おはよう、ガヴ!」

ガヴリール「あっ、ヴィーネ」

サターニャ「来たわね」

ラフィエル「………」

ヴィーネ「あら、サターニャにラフィも。揃ってどうしたの?」

ガヴリール「昨日の事で、ヴィーネに改めて謝ろうと思って集まったんだよ」

サターニャ「ヴィネット…無神経な事、言ってごめん」

ラフィエル「私の方こそ、改めて申し訳ありませんでした」

ガヴリール「私もだ。すまない、ヴィーネ」

ヴィーネ「もういいわよ。むしろ、私の前で妹や弟の話、いっぱいしてくれて構わないわよ♡」ニコリ

ラフィサタガヴ「「「えっ!?」」」

サターニャ「ヴィネット、アンタどうしたのよ?」

ヴィーネ「?…なにが?」

ガヴリール「いや、なにがじゃなくて…昨日まで弟や妹の話に入れなくてイライラしてたヴィーネが突然、話をしてくれても構わないって言ったから、昨日と態度が違うなぁって思って」

ラフィエル「そういえば、昨日よりもなんだか気分が明るくなっているような気が…」

ヴィーネ「あぁ、昨日はあんな事言ったけど、別に怒る程のもんじゃないし、私もカッカし過ぎたなぁって一日経って反省したのよ」

ラフィエル「そうなんですか…。」

ヴィーネ「~♪」


ガヴリール「おい、あんなに機嫌が良いってどういう事なんだ?」ヒソヒソ

サターニャ「知らないわよ。頭、打ったんじゃないの」ヒソヒソ

ラフィエル「たった一日で機嫌が良くなる、という事はよほど良い事があったのでしょう」ヒソヒソ


ヴィーネ「~♪」

~放課後~

ヴィーネ「じゃあ、私用事があるから先に帰るわ。」スタスタ

ガヴリール「あっ、ヴィーネ」

サターニャ「行っちゃったわね」

ラフィエル「これは怪しいですよ、ガヴちゃん、サターニャさん」ソソッ

ガヴリール「怪しいって…まぁ、朝の事といい、いつも一緒に帰ってるヴィーネが珍しく用事で一緒に帰られない事といい、怪しいとは思うけど。」

サターニャ「で、何が言いたいのよ、ラフィエル?」

ラフィエル「うふふっ、このままヴィーネさんの後をつけてみませんか?」ニコニコ

ガヴサタ「「はぁっ?」」

ラフィエル「だってぇ、ヴィーネさんについていった方が面白ではなく、疑問が無くなると思いませんか」ニコリ

サターニャ「今、面白いって言い掛けなかった?!」

ガヴリール「まぁ、今のヴィーネに疑問を持ってるのは私もだし、それに対する疑問も無くしていきたいしな。それに今日はメンテナンスでネトゲが出来ないから、暇潰しに付き合ってやるよ」

ラフィエル「流石、ガヴちゃん。で、サターニャさんはどうしますか?」

サターニャ「……まぁ、付き合ってあげてもいいわよ。いい、私のような大悪魔が付き合ってあげるんだから、それ相応n」

ラフィエル「では、さっそくついていきましょうか、ヴィーネさんに」スタスタ

ガヴリール「おー……」スタスタ

サターニャ「ちょっとぉ、無視しないで、最後まで聞きなさいよっ!!?」

ヴィーネ「~♪」


ガヴリール「ずっと口笛ばっかだな」コソコソ

ラフィエル「口笛を吹き続けるほどの良い事なんですよ、きっと」ワクワク

サターニャ「アンタも面白いものが見れそうっていう良い事で頭がいっぱいそうね…。」ジィィーー

~ヴィーネが住んでるマンション~

ヴィーネ「~♪」スタスタ

ガヴリール「マンションには着いたが、後は部屋の中に入るだけのようだな」

ピタッ

ラフィエル「あっ、ヴィーネさんが、自分の部屋の前に着きましたね」

ガチャッ

サターニャ「ドアを開けたわね。」


ヴィーネ「ただいま~!!」

開けたドアの向こう『おかえり~、お姉ちゃん』


ラフィサタガヴ「「「んんっ!!?」」」

バタンッ


ガヴリール「えっ、なに今、ヴィーネの部屋から声が? それもヴィーネをお姉ちゃんって呼んで…??」

サターニャ「ヴィネットの部屋に誰かいるって事!? それも声からして女のような…」

ラフィエル「………」

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