麗花「茜ちゃんとの漫才です! 見てください♪」 (26)

麗花「ねぇ茜ちゃん! 今度のライブの練習はどう? 順調に進んでる?」

茜「もっちろん! 可愛い茜ちゃんの可愛いところがどんどんレベルアップしてるよ!」

麗花「そうなんだ!」

茜「あ、でも茜ちゃん、最近ちょっと思うところがあるんだよね。
 アイドルたるもの、ファンのみんなの気持ちを一番に考えないといけないなって!」

麗花「ふんふん」

茜「だから、今日はちょっとファンのみんなの気持ちになってみようって思うんだ!」

麗花「ファンのみんなの気持ちに? でも、それってどうやるの?」

茜「例えば、ライブを見に行く人の気持ちになるとか!」

麗花「なるほど! じゃあやってみよう!」


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茜「いよいよ茜ちゃんの推しアイドルのライブだね!
 曲の予習はしたし、コールも完璧! ペンライトも持った! 準備はばっちり!」

麗花「はーい、アイドルライブのお客さんはこちらでーす!」

茜「よし、いよいよ入場だ! あのスタッフさんにチケットを……はい、お願いします!」

麗花「はーい、ちょっと待ってくださいね。ピピッ、と♪
  はい、こちらよろしければタッチをお願いします♪」

茜「ん? タッチとかするんだっけ? えっと……ピッ」

麗花「はい! こちらでお間違いないですか? チケット料金、10116円になります♪」

茜「あっ、発券から!? ここコンビニだったの!?」

麗花「そうだよ。私はレジの店員さん♪」

茜「茜ちゃんコンビニにペンライトとか持ってきたの!?
 っていうかレジの人が『ライブのお客さんはこちらです』とか言ってたの!?
 ないでしょそんなの!」

麗花「だって今日一日ですごい数の人が発券に来たから……」

茜「それでもないよ! もう! 発券はいいから、入場からやらせてよ!」

麗花「でも発券は大事だよ」

茜「わかったから! ほら、発券しました! 次行くよ!」

麗花「はーい♪」

茜「さぁ、いよいよアイドルのライブの日だ!
 予習はしたし、コールもカンペキ。ペンライトもよし! 発券もした!」

麗花「はーい! ライブのお客さんはこちらでーす♪」

茜「よし、今度こそ! はい、ライブに来ました!」

麗花「入場券はお持ちですか?」

茜「良かった、今度はちゃんと会場みたい。はい、これです! お願いします!」

麗花「はい、確かに! カチャッ、と♪」

茜「ん? カチャッ? 今何されたんだろ……ま、いっか。さぁ早速席に……」

麗花「あっ、待ってくださいお客さん!」

茜「はい? なんですか?」

麗花「ライブ会場に行く電車はそっちじゃないですよ。1番線です♪」

茜「まだ駅だったの!? 駅に入場したとこ!?」

麗花「そうだよ。私は駅の駅員さん♪」

茜「紛らわしいよ! 『入場券はお持ちですか?』とか聞くから! 普通聞かないでしょ!」

麗花「そうなの?」

茜「そうだよ! 茜ちゃん指定席でもないのに席探しちゃったよ!」

麗花「ふふっ、可愛い♪」

茜「でしょ♪ じゃなくて! 茜ちゃんは会場に入るところからやりたいの!」

麗花「そっか……。うーん、なんだか私にはちょっと難しいかも。
  茜ちゃん、お手本見せて! そしたら次は上手にできるから!」

茜「えー……まったくしょうがないなぁ。じゃあ今度は麗花ちゃんがファンの人ね!」

麗花「はーい♪」

麗花「よーし、いよいよ私の好きなアイドルのライブだ!
  準備はカンペキだし、あとは入場するだけだぞー!」

茜「はーい入場はこちらでーす! チケットと身分証明の準備をお願いしまーす!」

麗花「チケットと免許証を準備して、と。これでよし! さぁ、列に並ぶぞ!」

茜「はい、鞄の中身もよろしいですね。次の方ー」

麗花「……」

茜「はい、よろしいですね。次の方ー。はい、よろしいですね。次の方ー」

麗花「……」

茜「はい、次の方ー。はい、次の方ー」

麗花「……」

茜「はい、次の方ー。はい、次の方ー。はい、次の……長いよ!!!」

茜「いつまで並んでるの!? 全然入場口まで来ないじゃん!」

麗花「えー? だって実際の列はこのくらいでしょ?」

茜「そうだけどそこまで再現しなくていいよ!」

麗花「でもファンの人の気持ちを理解するにはちゃんと再現しなきゃ」

茜「そんなことしてたらこの漫才ものすごく長くなっちゃうよ!」

麗花「でもファンの人の気持ちを理解……」

茜「わかった! じゃあ先頭の人の設定で! それで行こう!」

麗花「はーい♪」

茜「入場はこちらでーす! 準備をお願いしまーす!」

麗花「あそこに行けばいいんだね!
  よーし、まだ夜中の2時だからちゃんと先頭に並べるぞー!」

茜「早いよ! 並ぶ時間もボケるのも早すぎるよ!」

麗花「そう?」

茜「そう!! 夜中の2時にスタッフが居るわけないじゃん!
 『準備をお願いしまーす!』って! 鬼畜すぎるよ! 何時間準備させるの!」

麗花「えーっと、今が2時で、開場が15時だから……」

茜「計算しなくていいから! ほらもう一回やるよ!
 今度はちょうど開場時間からやるからね!」

麗花「はーい♪」

麗花「よーし、ちゃんと先頭に並べたぞー!」

茜「はーい、開場時間でーす! 入場を始めまーす!」

麗花「あははははははは!!!!」

茜「今度は何!?」

麗花「会場が開場だって! 茜ちゃんおもしろーい! あははははは!!」

茜「ダジャレ言ったつもりないよ! っていうかさっき麗花ちゃん自分で開場って言ってたじゃん!」

麗花「あ、そっか」

茜「急に冷めないでよ! なんなのもう!」

麗花「だって茜ちゃんが」

茜「もういいよ! 全然先に進まないから入場は飛ばそう!」

麗花「はーい♪」

茜「チケットOK、本人確認OK、持ち物OK! チケット記載の座席へどうぞ!」

麗花「よーし! えっと、数字が6でアルファベットがB……。
  うーん、うーん……あれぇ? あの、すみませーん」

茜「あ、はい、なんでしょうか」

麗花「えっと、場所を聞いてもいいですか? なかなか見つからないんですけど……」

茜「はい、いいですよ。どこの席ですか?」

麗花「あ、座席じゃなくて、6Bの鉛筆を探してるんですけど」

茜「なんで!?」

茜「なんでライブ会場で6Bの鉛筆探してるの!?」

麗花「だって絵を描くときは濃い方がいいって……」

茜「そういうことじゃなくて! 座席探してよ! 麗花ちゃんはお絵かきしに来たの!?」

麗花「違うよ! ライブを見に来たんだよ!」

茜「なんで怒ってるの!? 怒りたいのは茜ちゃんの方だよ!」

麗花「ごめんなさい……」

茜「お、おぅ……もう! いきなり素直に謝らないでよ! 怒れないじゃん!」

麗花「茜ちゃん可愛い♪」

茜「でしょ♪ じゃなくて! ほらもう一回やり直し!」

麗花「はーい♪」

茜「チケット諸々OK! さぁ入場どうぞ!」

麗花「えーっと、アルファベットがLで、数字が4……」

茜「よし、今度はちゃんと……」

麗花「で、アルファベットがU」

茜「ないよそんなの! L4Uなんてないから!」

麗花「じゃあアルファベットがSで……」

茜「S4Uもないよ!」

茜「なんなの!? 麗花ちゃんはゲームを探しに来たの!?」

麗花「違うよ!」

茜「違うでしょ!? じゃあちゃんと探して!」

麗花「えっと、アルファベットがLで……Tで、D……」

茜「CD探しに来たの!?」

麗花「違うよ! CDじゃなくてLTDを」

茜「だからCDでしょ!?」

麗花「じゃあMS……」

茜「ダメだ、これ系のネタだとキリがない!
 麗花ちゃん代わって! 茜ちゃんがファンの人やるから!」

麗花「はーい♪」

茜「えっと、茜ちゃんの座席はA1、A1……あれー? 見つからないなぁ。
 すみませーん。A1を探してるんですけど……」

麗花「むむっ! なるほど分かりました! よーし、じゃあ案内してあげますねー!」

茜「なんだか妙に張り切ってるスタッフさんだなぁ。まぁいいけど。はい、お願いします」

麗花「着きました! ここです!」

茜「ありがとうございます。よし、これでちゃんと……」

麗花「すみませーん! ごめんくださーい!」

茜「え? ごめんください?」

麗花「ミリオンライブのアニメ化はまだですかー!」

茜「A-1 Picturesじゃないよ!」

茜「なんでライブ会場からアニメ会社に来てるの!? おかしいでしょ!」

麗花「だってアニメ化が待ちきれなくて……」

茜「そういうことじゃなくて! っていうかさっきからネタがマニアック過ぎるよ!
 S4UとかL4UとかLTHとか!」

麗花「あはは! LTDだよ茜ちゃん」

茜「どっちでもいいよ! もう! これじゃ全然進まないじゃん!」

麗花「アニメ化が?」

茜「違うよ!」

茜「もういいよ! これ以上続けると色々難しい話になりそうだからもうライブを始めよう!
 次は麗花ちゃんもファンの人やって!」

麗花「はーい♪」

茜「よーし、色々あったけど、いよいよライブが始まるね麗花ちゃん!」

麗花「うん! あっ、暗くなったよ! 始まるよ!」

茜「わっ、音楽が鳴り始めて……来た! 茜ちゃんたちの大好きなアイドルが出てきたよ!」

麗花「わーいわーい! 本物の茜ちゃんだー! 可愛いー!」

茜「でしょ♪ やっぱり本物の茜ちゃんは可愛い……。
 ってじゃあこの茜ちゃんは誰!? いい加減にして!」

麗花&茜「どうもありがとうございましたー」

麗花「……というわけで、茜ちゃんとの漫才を見てもらいました♪ どうでしたかプロデューサーさん!」

P「あぁ、いいんじゃないか? お前たちが漫才をするって聞いたときは、
 正直どんなことになるか分からなかったけど、案外ちゃんと漫才っぽくなってたぞ!」

麗花「わーい! 太鼓判デューサーさんありがとうございます!
  それじゃ、今から茜ちゃんと練習してきますね! これから猛特訓です!」

P「へえ、今の時点でも結構完成度は高かったと思うけど、まだ練習するのか?」

麗花「もちろんです! だって茜ちゃんとはまだ一回も練習してませんから!」

P「え? それはどういう……」

 ガチャッ

茜「おっはよー! いやー、ごめんごめん、茜ちゃんったら寝坊しちゃったよー!」

P「!?」

麗花「茜ちゃんだー! おはよう♪」

茜「うん! おはよう麗花ちゃ……ん?」

麗花「ねえ茜ちゃん! この前言ってた漫才、さっきプロデューサーさんに見てもらったよ!」

茜「え? あ、うん。そっか」

麗花「そしたら面白いって言ってもらえちゃった♪ ね、茜ちゃん?」

茜『うん、そうだね麗花ちゃん!』

茜「ほー、なるほどなるほど。ところで麗花ちゃん、ちょっと聞いてもいい?」

麗花「うん? いいよ、なんでも聞いて!」

茜「その茜ちゃんは誰!?」


  おしまい

付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした
麗花さんはくっそリアルな茜ちゃん人形で腹話術をしていただけなのでホラー要素はありません

ここまで再現するとは麗花凄い……
乙です

>>1
野々原茜(16)Da/An
http://i.imgur.com/WsQ1toZ.jpg
http://i.imgur.com/hMHWmJZ.jpg

北上麗花(20)Da/An
http://i.imgur.com/VtmQJ34.jpg
http://i.imgur.com/LDHFWbv.jpg

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