咲「負け犬って可愛いよね」淡「そうだね」 (29)

咲「あ、いきなり同調しちゃうんだ」

淡「可愛いよね負け犬!思いっきり叩き潰した後でプルプル震えてるトコなんてサイコーだよっ」アワッ

咲「いやいや。それには同意だけど私が言ってるのはそういう事じゃなくて、恋愛における負けヒロインの事だよ」

淡「負けヒロイン?」

咲「最後をあやふやなまま濁すハーレムものを除けば、大体の恋愛モノは主人公と誰かがくっついて終わるよね?」

淡「うん。そういうものだしね」

咲「でも、大体の恋愛モノの登場キャラは主人公とメインヒロインだけじゃない」

咲「主人公に想いを寄せる脇役…サブヒロインが存在するんだよ」

淡「ほうほう。何となく分かって来たよ」

咲「でも、ストーリーの上で結ばれるのは一人な以上、その子達は最終的に主人公にフられる事になる」

咲「その負け犬っぷり、かませ犬っぷりが可愛いよね!って私は思うんだよね」

咲「玉砕して一人で泣いてるとかもう最高!ギュっと抱きしめてあげたくなって来るよ」

淡「その気持ち分からなくは無いかなー。日本人はほ…ホーゲン贔屓だから、弱い方に感情移入しちゃうって言うもんね」

咲「判官贔屓ね。やっぱりそういう事なのかなぁ、たしかに見てて応援してあげたくなっちゃうんだよね」

咲「尤も、実際に恋が実ったらそれはそれで萎えるんだけど」

淡「お話の筋に添ってないとしっくりこない事になりがちだもんね」

咲「以前、自分の好きなキャラがたまたま負けヒロインである事が多いのか」

咲「それとも、負けヒロインが好きだからそのキャラの事を好きになったのかって考えてみた事があるんだけど」

咲「やっぱり後者が強いのかなって結論に達したよ」

淡「まぁ結ばれるのは基本一人な訳だから、前者も無い訳じゃ無いと思うけどねー」

淡「それで、この話題ここからどう展開してくの?」

咲「特に展開とか考えて無かったけど…。えっとそうだね」

咲「折角だから、私達の身近な人達で誰が負けヒロインっぽいか議論でもしてみる?」

淡「なにそれ面白そう!」ワクワク

咲「ご希望に添えられて良かったよ」

咲「それじゃ、とりあえずは学校単位で区切って考えてみようか」

淡「おっけー。じゃ、最初の学校は>>9にしよっか!」

みやもり

淡「何か急にビビっと来たから宮守に決定!」

咲「岩手代表の宮守女子高校だね。私達と二回戦で対戦した」

淡「その5人の中で一番負け犬っぽい子を選べば良いんだよね?」

咲「あくまで恋愛における、ね」

淡「りょーかいりょーかい。シンキングタイムスタートっ♪」

咲「…振っておいてなんだけど、予想以上にノリノリだなぁ」アセ


咲「それじゃ、お互いに考えた所で答えをどーぞ」

淡「サキも一緒に言おうよ。せーのっ」

 咲「姉帯豊音」 淡「鹿倉胡桃」

咲「意見が割れたね」

淡「サキもまだまだ甘いってことだね」フフン

咲「淡ちゃんは誰を想定してたの?相手役は」

淡「あの先鋒の人。こけがわだったっけ?」

咲「小瀬川白望さんね。私もそこは同じ」

咲「ていうか宮守の場合だとそうならざるを得ないよね」

淡「まぁモテそうな感じだもんねー」

淡「で、正妻ポジはあの留学生の子でしょ?」

咲「色々王道だよね。ルートが見えるよ」

淡「二人の恋路を応援しつつも、秘めた想いを隠せずに一人教室の片隅で咽び泣くって事でどーだ!」

咲「長年の想いが~って事だね」

咲「分かるけど、それなら臼沢さんの方が敵任じゃない?」

淡「んー迷ったけど、何かあの人なら或いは逆転に持って行きそうな感じない?」

咲「あー」

淡「その点えぇと…鹿倉さんならまぁ無理だろうなって感じになるし」

淡「口うるさい所や意地っ張りな所も色々スパイスに使えそう。これはかなりポイント高いでしょ!」ドヤッ

咲「とりあえず、次から私が名前を全部紙に書いておくね」カキカキ

咲「ふむ…思ったよりちゃんと考えられてて驚いたよ」

咲「無理だろうな感が強い方が良いのかどうかは別として、大事な要素であるのは間違いないしね」

咲「でも、それでも私は鹿倉さんはシロ塞の中で共通の友人ポジションとして」

咲「絶妙な良い感じの役割をやってる方がしっくり来るなぁ。迷ってる臼沢さんの背中を押したりとかそういう」

淡「その場合だと胡桃は塞の方を好きでもアリだよね」

淡「てか、それだけ塞を押してるのにサキの結論は豊音なの?」

咲「まぁ…私の中では負けヒロインって」

咲「『いかに涙が似合うか』みたいな所があるからね」

淡「異常者の顔が出たよー」

咲「淡ちゃんには言われたくないなぁ」ムゥ

咲「それを置いといてもさ、境遇が色々と厳しい掟みたいなのに縛られてるから」

咲「恋なんて自分には縁遠い、テレビの向こうの世界だけに存在するものだったのに」

咲「宮守に来て、運命の王子様との出会いを果たす」

咲「そして話の流れる内にその王子は自分を縛る鎖を解き放ってー――ってあれ。これじゃ勝っちゃうね」アハハ

淡「サキってたまにポエマーだよね」

咲「文学少女ですから、多少はね?」

咲「…まぁそういう勝ち筋も見えるけど、基本的に凄い良い人で」

咲「今手に入れている関係が壊れるのを極端に恐れている感じだろうから」

咲「自分から動こうとはしないだろうし、誰かが動けばバランサーに回ろうとするだろうなぁって」

淡「報われてほしいと思うけどねー」

咲「それ」

淡「ん?」

咲「その『報われて欲しい』って見てる側に思わせる事が」

咲「負けヒロインにとって最も重要な資質なんだよ」

淡「あっ」ハッ!

咲「そこを認めたって事は、淡ちゃんも宮守No1は姉帯さんだって認めたって事で良いよね?」ニコッ

淡「ぐぬぬ…。た、たしかにその点においては完敗だと言わざるを得ない……」

咲「ふふふ。『報われて欲しい度』で姉帯さんを越える人はそうは居ないからね」

淡「どの面下げてその台詞言ってんだとは思うけど…はぁ、でも仕方ないね」

淡「負けは負け。最初のゲームはサキにポイントを譲ってあげるよ」

咲「えっこれってポイントとかあったの?ていうかゲームだったの?」

淡「次は負けないからね!次の学校は…>>22で!」

清澄

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