老人「ワシはまだ逝かんぞ!」 (22)


老人「120まで生きると婆さんと約束したんじゃ」

老人「果たしてみせる!!」

死神「やぁ」

老人「おぉ、もうそんな時間か」

老人「毎日ご苦労なことだ」

死神「お命ちょーだいっ」スパッ

老人「おぉっと」ヒョイ

死神「んー必中技のはずなんだけどなー」

老人「ぬるいぬるい」

死神「もういっちょー」スパッ

老人「ほっ」ヒョイ

死神「まだまだいくよー」スパッ

老人「のぞむところじゃ」ヒョイ

―――――――
――――――
―――――

死神「はぁはぁ…魔力切れかー」

老人「やれやれ」

老人「さぁ、もう帰ってくr

死神「らすとー」スパッ

老人「ぎゃ」ザクッ

老人「」パタリ

死神「おぉーやったかー」



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老人「なんてな」ムクリ

死神「えぇー」

老人「婆さん特製の腹巻が無かったら即死じゃったわ」

死神「チートアイテムずるーい」

老人「チートアイテムなどではない愛の贈り物じゃ」

死神「まぁ、いいやー」

死神「初めて攻撃当てれたしー」

死神「次は入浴中を狙うかー」

老人「やめてくれ」

死神「うん、またくるよー」スゥゥゥ

老人「もうくるな」


老人「ふぅ…ご飯にするかのぉ」

呪い人形(いいなぁ…私も遊んで欲しい…)







老人「んぐんぐ」ゴクリ

老人「んー…」

老人「視線じゃな」

老人「生者のものではない」

老人「はむ…んぐんぐ」ゴクリ

老人「ズズ…ぷはぁ」

老人「ごちそうさまでした」

老人「さて、食器の片づけ前にこっちを片づけるかのぉ」テクテク

呪い人形(はわわっ、こっちに…来る)

呪い人形(どうしよどうしよ…)

呪い人形(隠れなきゃ…)

老人「そこかっ」バッ

老人「…いないか」

老人「気のせいじゃったか…ん?」

老人「あいやこれは…」

老人「髪の毛?かのぉ」

老人「何かは居たわけじゃな」

老人「しかし、隠れてしまったか」

老人「ふむ、かくれんぼということじゃな」

老人「ふふふ、ワシは強いぞぉ」


呪い人形(かくれんぼ…?)

呪い人形(かくれんぼで遊んでくれるの…?)

呪い人形(やった…!)

老人「よーし、今から10秒じゃ」

老人「10」

呪い人形(どこに…隠れよう)キョロキョロ

呪い人形(うーん…あ!あそこがいいかな)

老人「6」

呪い人形(はっ…急がなきゃ…!)

呪い人形(よいしょ…よいしょ…)

老人「3,2,1…よし」

老人「もういいかい」

………、

老人「…ま、返事するような阿保はいないわな」

老人「どこかのぉ」

呪い人形(うふふ…探してる…)

呪い人形(ここなら見つかるはずないわ…私の勝ちね…ふふ)

老人「みーっけ」

呪い人形(なっ…)

老人「笑い声が聴こえておったぞ」

老人「年寄りだからと油断したのぉ」

呪い人形(そんな…私声なんて…)

老人「心からも声は出るのじゃ。そしてそれを聴くことも」

老人「1つ賢くなったのぉ」

呪い人形(心からでも…)

呪い人形(それなら私…お話しすることも…!)

老人「無論じゃ」

呪い人形(…!)



老人「じゃが、今日はここまで」

呪い人形(え…)

老人「なにか良からぬものを纏っておるなお前さん」

老人「生気を吸い取る類の」

呪い人形(………)

呪い人形(そうよね…私は呪われた存在…一緒になんて…)

呪い人形(…ごめんなさいおじいさん)

呪い人形(遊んでくれて楽しかった…もう来ないから安心s

老人「聴いとらんかったみたいじゃのぉ」

呪い人形(え…?)

老人「“今日は”といったじゃろ」

老人「お前さんや」

老人「お話というのは互いに聴いておかないと成り立たんのじゃ」

老人「そこら辺踏まえてまた遊びにきなさい」

呪い人形(…!!)

呪い人形(あ、ありがとぉ…おじいさん…)

呪い人形(明日…来るわ)

老人「あぁ構わないよ」

呪い人形(えへへ…また、ね)スゥゥゥ



死神「僕との扱いに差を感じるー」

老人「かえれ」

老人「当たったら即死と、生気を徐々に吸われるのじゃ全然違うわ」

死神「えー」

死神「あれえぐい吸収力してるよー?」

老人「気合いでなんとかなる」

死神(常人なら今頃寝込むレベルなんだけどなー)

老人「というかいつまでいるんじゃ」

死神「(おじいさんが)死ぬまで?」

老人「馬鹿言ってないでさっさと帰らんか」

死神「むー」

死神「心配だったから様子見てたのにー」

老人「死神に心配されることなど無いわ」

死神「はいはーい」

死神「帰りますよー」

死神「ふーんだ」スゥゥゥ







老人「…やっと帰ったか」

老人「ようやくゆっくり」

ガタッ

老人「………」

老人「おい」

………。

老人「いるんじゃろ」

老人「今朝の不意打ちがたまたま成功したからってそう何度も」スタスタ

怨霊「………」

老人「…新手か」

怨霊「……った」

老人「あ?」

怨霊「…腹が減った」

怨霊「食べ物よこせ…」

怨霊「なん…でも…いいか…ら」パタリ

老人「………」







怨霊「もぐ…もぐ…っ」

怨霊「おいひ~!」キラキラ

老人「ゆっくり食べなさい」

怨霊「んむ、もぐ…もぐ」

怨霊「ん~!」キラキラ

老人「はぁ」




怨霊「ごちそうさん」

怨霊「はぁー喰った喰った」

老人「さて事情がどうせあるんじゃろ」

老人「話してもらおうか」

怨霊「あァ、そうなんだよ!」

怨霊「実はアタシこれでも大事にされててよ」

怨霊「お供え物とかしこたまもらってるわけね」

怨霊「んなのによォ!」

怨霊「アイツだよアイツ!」

怨霊「いけ好かねぇヤローが来てアタシを追い出しやがった!」

老人「アイツって…名前を言ってくれ名前を」


怨霊「アレだよアレ、悪魔」

老人「はい?」

怨霊「魂頂いて生きてますゥ~的なフザけたヤローだよ、まったく」

怨霊「分かるか?天敵だ!テ・ン・テ・キ!!」

老人(わしの耳でもうるさいくらい元気いいな)

怨霊「つーわけで、ジジィ取り返してきて」

老人「なんじゃと?」

怨霊「じゃねぇとアンタ祟り殺してこの家乗っ取るからな」

怨霊「そうされたくなかったらとっといってk

老人「ふんっ」ゴッ

怨霊「っタァい!!」ジンジン

老人「人様に頼むときの態度ってものがあるじゃろ?」

怨霊「すびばせん…おねがひしまふ…」

老人「うむ」

老人「まぁ、やれるだけのことはやってみるかの」

怨霊「ホント!?ヤッター!!」ピョンピョン

老人「…調子がいい奴じゃ」








怨霊「ここだ」

老人「ほぉ」

老人(思ったより立派じゃな)

怨霊「んん”っ…あー、あー」

怨霊「やい!悪魔!出て来やがれ!」

悪魔「だぁれぇ?」ヌゥゥゥ

悪魔「あらぁこれはこれは」

怨霊「元住人の方でしたかぁ」

怨霊「元じゃねぇよ!そこはアタシんちだ!」

悪魔「そうだったかしらぁわすれちゃったぁ」

怨霊「忘れちゃった~☆じゃねぇんだよ!出てけよ!」

悪魔「えぇどぉしよっかなぁ」

怨霊ギャーギャー
悪魔ウフフフ

老人(なにやら既視感があると思ったら…あれじゃ)

老人(わしの日常じゃったわ…)

~~~~~~~~

死神『やっほー』

老人『かえれ』

~~~~~~~~

老人(冷静に考えて死神が家に来るって怖いんじゃが)




悪魔「ところでぇそこにいる人間はなんなのぉ?」

怨霊「フッフッフ、そこに気付くとはやるなアンタ」

老人「…別に隠れてなかったじゃろ」

怨霊「うるさい」

悪魔「それでぇ」

怨霊「あぁ」

怨霊「コイツはアタシが雇ってきた最強の悪魔祓い…マスター・エクソシストだ!」

老人「おい…」

怨霊「こういうのは大見得切っといた方がいいの!」ヒソヒソ

悪魔「聞こえてるわよぉ?」

怨霊「コイツ…地獄耳か…!?」

老人「…あほう」ボソッ

怨霊「なんか言ったか」

老人「いいや、なんにも」



悪魔「悪魔祓いかどうか知らないけどぉ」

悪魔「私ぃここどかないからぁ」

怨霊「ぐぬぬ…」

怨霊「じぃさん!」

老人「まったく…」スタスタ

悪魔「あらぁ」

悪魔「うふ」

悪魔「うふふふふ」

老人「?」

悪魔「あなたぁ近づいたら分かったけどぉ」

悪魔「とっても美味しそうなもの持ってるのねぇ」

老人「さぁ、どうじゃろうな」

老人「あいにく食べたことないんでの」

悪魔「うふふ」

悪魔「安心してぇ間違いなく美味しいわぁ」

老人「試食させてあげたいが、残念なことに非売品じゃ」

悪魔「あらぁそれじゃぁ」

悪魔「奪うしかないわねぇぇぇぇぇぇ!!」ヒュッ

老人(はやい!!)

悪魔「いただきまぁぁぁっす」

老人「婆さんや力を貸してくれ…!」スッ

悪魔(背中からなにか…ってあれぇ!?)

老人「婆さん特製十字架の杖じゃ」

悪魔「嘘!そんなぁ!」

老人「それだけ加速していては止まれまい」

悪魔「いやぁぁぁあああ」

老人「ほいっ」ポコッ

悪魔「あふんっ…チート…ア…イ…テ…」パタリ

老人「んん?なにか言ったかのぉ~?」ニヤリ




怨霊「ォおお!!すっげ!じぃさんやるじゃねぇか!」

老人「婆さんの力あってこそじゃよ」

怨霊「そっかそっか!凄かったぜ!ほんとありがとう!」

怨霊「なにかお礼しないとな!」

怨霊「なにか頼みたいこととかあるか?」

老人「そうじゃなぁ…」

老人「お前さん結界のような類いのもの貼れるか?」

怨霊「結界?そんな大層なもんはできねぇけど近いものでいいなら」

怨霊「実際コイツには破られちまっているし」

老人「十分」

老人(あのポンコツ相手ならそれで)








死神「ふっふー」

死神「入浴中なら何かを身につけるなんてことしないよねー」

死神「僕ってば天才かよー」

タッタッタ

老人「来よったか…」チャプン

バタンッ

死神「やーやー極楽気分のとこ失礼するよー」スタスタ

死神「お命もらいにー」ガチャ

死神「ん?…もらいにー」ガチャガチャ

老人「ふぅ…」チャプン

死神「なんでー!?あかなーい!どうしてー」ガチャガチャ

老人「ちょっと知り合いに頼んでな」

老人「なにかと最近物騒なので防犯対策させてもらったのじゃ」

死神「ねぇーいーれーてーよー」ドンドン

死神「ラッキースケベとかあるかもよー」

老人「そういうのは卒業しとる」

死神「くそー僕の完璧な作戦がー」

老人「いやいやお前さん」

老人「今朝方普通に口にしとったじゃろ」


~~~~~~~~

死神『まぁ、いいやー』

死神『初めて攻撃当てれたしー』

死神『次は入浴中を狙うかー』

老人『やめてくれ』

~~~~~~~~


死神「あ」

老人「あほう」チャプン

死神「むー!くっそー!」ドンドン

老人「ほっほっほ」







老人「ふぅ…」

老人「やっと二人っきりじゃな」

チーン

老人「婆さんや今日も一日乗りきったぞ」

老人「最近は騒がしい毎日での」

老人「死神やら幽霊やら物騒な客が毎日やってきとる」

老人「この年でこんなに生きるのに必死になるとは思わんかったわい」

老人「余生はもっとのんびりしとるもんじゃと勝手に思っておったが」

老人「思い違いじゃったようじゃの」

老人「………」

老人「まぁ、でも」

老人「婆さんが居た時とは違う賑やかさがあって」

老人「悪くは…ないかの」

死神「なんだ悪くないのかよー」バッ

死神「そんなこと言われると鎌振るの躊躇うなー」

老人「か え れ!!」





おわり





王道のハーレム主人公です。
各キャラの見た目は各々の性癖に任せます。


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