【シャニマス】P「96周目の樹里の様子が」樹里「ん?」ギュ- (26)

硬派で難攻不落っぷりに定評のある西城さんのSS
ちょっとやそっとじゃデレることなど

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525179588

(事務所)

【1週間目】

樹里「プロデューサー。ちょっと動くなよ」

P「ん?」

スッ...ヒョイ

樹里「ほら、肩にゴミついてたぞ」

P「ありがとう」

樹里「おう。仮にもアタシのプロデューサーなんだろ。だらしねーことしてんなよな」

P「…」

P「まだ会って全然経ってないけどさ」

樹里「ん?」

P「樹里って優しいよな」

樹里「は?」ガシッ

P「胸ぐらを掴むのはやめてください」

樹里「誰が優しいって?」ギリギリ

P「じ、樹里さんが」

樹里「どこがだよ」

P「この前、傘を忘れて困ってた子供に傘をあげてただろ」

樹里「見てたのかよ」

P「道でカバンの中をぶちまけたサラリーマンの書類を拾ってあげるのを手伝ってたし」

樹里「普通だろ」

P「昨日はペットショップでチワワを抱きしめて『可愛いでちゅね~♪』って赤ちゃん言葉で頬ずりを…」

樹里「テメー。さてはストーカーだな!」
ギリギリ

P「偶然! 偶然だから!」ジタバタ

樹里「つーか。最後のは優しさと関係ねーだろ!」

P「まあ可愛いだけだな」

樹里「あん?」

P「ヒィ」

樹里「…」

樹里「(可愛い、か…///)」エヘヘ

P「?」

樹里「…馬鹿なこと言ってねーでさっさとレッスンすんぞ」パッ

P「結局、何もせず離してくれた。やっぱり優しいな」

樹里「…」バシッ!

P「痛い。無言でハイキックを決めないで」

樹里「これでも優しいか?」

P「スーツが汚れないように靴を脱いでから蹴ってくるあたり相当優しいと思う」

樹里「おらァ!」ゲシッ!

P「すねは痛い!」

【2週間目】

P「やっぱり樹里って優しいよな」

樹里「何言ってんだよアンタは」ペシペシ

P「最近、蹴りをやめてペシペシ叩くのに変えてくれたあたり尋常じゃなく優しいよ」

樹里「ふんッ!」パシ-ン!

P「振りかぶるのは痛い!」

樹里「優しいか?」サスサス

P「強めに叩いた後はちょっと心配そうにさすってくれるあたり優しいね」

樹里「はっ。プロデューサーがそう思うのは勝手だけどな。アタシはどっちかっつーと冷たいからな。例えば、お前だけが事務所をクビになったとしてもそっぽ向いて見捨てるぞ」

P「すがりつくぞ」

樹里「プライドねーのかよ…」

P「樹里なら何だかんだ見捨てないでくれそうだからなぁ」

樹里「その言い方だとまるでアタシがダメ男好きみたいじゃねーか」

P「違うの?」

樹里「違う。つーかお前は?」

P「何が?」

樹里「好きなタイプ。人に聞くなら自分も言えよ」

P「巨乳」

樹里「ふんッ!!」

P「膝のお皿が割れる!」

樹里「…ったく。最低だよな。さっさとレッスンすんぞ。来週はオーディションだろうが」

P「よし。頑張れよ」

樹里「言われなくてもやるっての。ちゃんと見とけよ」

【3週間目:オーディション直前】

樹里「なあ」ギュ-

P「何だよ。スーツの端っこをちんまりと掴みながら」

樹里「アタシの格好、変じゃねーかな」ギュ-

P「可愛い」

樹里「っ!?」パシ-ン!

P「動揺させてしまった! 痛い!」

樹里「な、なななな何言ってんだよアンタは!」ギャ-!

P「自分でも可愛いと思わない?」

樹里「い、いやだってさ。他のアイドルと比べると男っぽいっつーか…あそこまで可愛くねーっつーか…」

P「方向性が違うだけだろ。衣装。似合ってるよ」

樹里「そっか…///」ニマニマ

P「樹里だって本当は気に入ってるんだろ。この前こっそりと鏡の前でポーズ取ってたし、この前も顔がニマニマしてたし…」

樹里「おらッ!!」ドスッ!

P「チョップは痛い!」

樹里「ニマニマなんかしてねーよ!」キッ!

P「ここに写真が」

【樹里のニマニマ顔】テテ-ン!

樹里「なんで撮ってんだよ!?」ガシッ!

P「つい」

樹里「よし。このまま絞め落とすか」ググググ

P「ギブギブギブ。ホールドされて頭に控えめな胸が押し付けられてるのは嬉しいけどそろそろ意識が…」

樹里「ふんッ!」ギュッ!

P「」

樹里「…」パッ

P「ああああ! 三途の川ァ! 三途の川が見えた!」ゼイゼイ

樹里「優しいか?」

P「優しいし!可愛い!」

樹里「な、何だよ…いきなり…優しいかどうかだけ聞いたんだけど…」

P「可愛い! 可愛い! 可愛い!」カッ!

樹里「こ、こんなとこで連呼してんじゃねーよ…///」カァァァ

P「可愛い!!!」

樹里「うるせぇ!」ペチ-ン!

P「まさかのしっぺ!」

樹里「…ったく。叫んだら不安がなくなっちまったよ」

P「ははは。当たって砕けちってこい」

樹里「砕け散ったら駄目だろ」

P「ひとつだけアドバイスな」

樹里「何だよ」

P「可愛い」

樹里「アドバイスしろよ」ペシッ

オ-ディションハジマリマ-ス!

P「…じゃ。行ってらっしゃい」

樹里「おう。また後でな」

【4週間目】

P「樹里。次のオークションは来週な」

樹里「…ヤダ」ムス-

P「あん?」

樹里「受けねーよ! バーカ!」プイ-

P「何拗ねてんのよ」

樹里「拗ねさせたのは誰だよ! 先週のオーディションで恥かかせやがって!」

P「まだ落ちたことを引きずってのかい。可愛いぞ」

樹里「死ね!」ペシッ!

P「あんまり痛くない」

樹里「…っとにもう…後にも先にもあんなに恥をかくなんてことはねーよ…///」カァァァァ

P「『猫の真似してください』ってお題で変に恥ずかしがる方が悪い」

樹里「どうやれっつーんだよ! あんなの!」

P「ウニャ-」

樹里「声真似上手えな!?」

P「やってみ?」

樹里「う、うにゃー…」

P「おら! そんなんじゃまたオーディション落ちるぞ!」カッ!

樹里「そ、そんなもんできるかよ!」バ-ン!

P「恥ずかしがって半端な演技をして落ちるのと、思い切って全力の演技をして受かるの。どっちがいい?」

樹里「…そりゃ受かるほうだけど」

P「じゃ。やろうか」

樹里「こういうオーディションって…よくあることなのか?」

P「よくあるさ。歌やダンスだけじゃない。臨機応変な対応も求められるのがアイドルだからな」

樹里「…」

樹里「ちくしょう! やってやんよ!」カッ!

P「よしこい!」

樹里「ウニャ-」

P「いいぞ。そのまま甘える猫の鳴き声を!」

樹里「ゴロゴロ♪」

P「威嚇」

樹里「フフ-ッ!」

P「ラストはメイドさんの気持ちで」

樹里「萌え萌えキューン♡」キュリ-ン

P「よし」ピロリンッ

樹里「テメェー! 何動画撮ってんだ!!」ガシッ!

P「個人利用が目的だから! 仕事で使わないから!」ジタバタ

樹里「もっと駄目だろうがァ!」ペチ-ン!

P「またしっぺ!」

【5週間目:オーディション】

審査員「では最後は歌のテストです。事前に告知してあった課題曲を歌ってください」

樹里「(物真似やらねーじゃねーか…)」

【6週間目】

P「樹里。先週受けたオーディション受かったぞ」

樹里「おう」

P「…何だよ。初めて受かったのに喜ばないのか?」

樹里「嬉しいけどさ。ガキじゃねーんだから。そんなはしゃがねーよ」

P「俺は小躍りしてるぞ」ズンタッタ

樹里「うわっ」

P「うわって酷いな」

樹里「まあ。元々、アタシは無愛想だからな。表情には出てねーけど嬉しいよ」

P「そっか。お祝いでもするか。何でも好きなもん奢ってやるよ」

樹里「じゃあ肉」

P「ほう。ふりふりのワンピースをご所望か」

樹里「焼肉」

P「わかったわかった。明日、服を見に行こう」

樹里「お前、耳ついてんのか?」

P「ははは。冗談だよ。服を見に行ってから焼肉食べよう」

樹里「服買うのは決定かよ」

P「正直。毎日、樹里のスカート姿が見たい」

樹里「変態め」

P「好きなもんは好きだからな!」

樹里「ったく。アンタはどうしようもないな」

樹里「まあ…嫌いじゃねーけど」ボソリ

P「ん?」

樹里「何でもねーよ」

P「そうか。受かったオーデションについての連絡は後でまたするからな」

樹里「おう」

P「じゃ、仕事行ってくる」

テクテクテク...パタン

樹里「合格、か」

樹里「…っしゃ♪」グッ

【8週間目】

P「アイドル始めて2ヶ月経つけど何か変わった?」

樹里「何だよ急に」ピト-

P「俺は成長したなー、って思ってるけど樹里はどう感じてるのかと思って」

樹里「…まあ悪くはねーな」

P「あと。ここ最近、私服でずっとスカート履いてるけどどういう心境の変化?」

樹里「別に。仕事でスカート履くことが多くなったから慣れただけだよ。お前が好きだからとかじゃねーかんな。勘違いすんなよ」キッ

P「あ、はい」

樹里「ところで似合ってるか?」

P「最高に似合ってる」

樹里「そ、そっか…///」ニマニマ

樹里「…」

樹里「はっ! 嬉しくなんかねーからな!」カッ!

P「はいはい。ところで樹里」

樹里「何だよ」

P「なんで真隣に座ってくっ付いてるわけ?」

樹里「は?」ピト-

P「向かいのソファ空いてるしそっちでも…」

樹里「アタシが最初からここに座ってたんだろうが」

P「いや、樹里は後か樹里「アタシが先だったよな」

P「ソウデスネ。それじゃあ俺が向かい側に移動して」

樹里「ここでいいだろ。隣に座ってろよ」ガシ-

P「…ウス」

樹里「♪」ピト-

【10週間目】

樹里「なあプロデューサー」ツンツン

P「何だよ。脇腹をツンツンして」

樹里「暇」

P「Switchあるぞ。スプラトゥーンでもやってなさい」

樹里「プロデューサーは?」

P「仕事中」カタカタカタカタ

樹里「あっそ」ムス-

P「…」カタカタカタカタ

樹里「…」ションボリ

P「樹里」

樹里「何だよ…」ツ-ン

P「1時間くらいしたら終わるからラウンドワンでも行こうか」

樹里「…行く♪」パァァァァァ

P「なんだこいつ可愛い」

【20週間目】

樹里「ど、どうだよ…///」

【ビキニ姿】テテ-ン!

P「最高」グッ!

【24週間目】

樹里「アンタっていつも昼飯外で食ってんだよな」

P「まあな。コンビニ弁当も味気ないし、かといって手作りも面倒くさいし…っていうかこの話しなかったっけ?」

樹里「覚えてないな」

P「樹里は?」

樹里「アタシは弁当作って持ってきてる。ただ、1人分だとおかずを作りすぎて困ってんだよなー」

P「へぇ」

樹里「余った分がもったいないんだけど…誰か食ってくれる奴は事務所にいねーかな。例えば、外食ばっかで、健康をそれなりに気にしてて、アタシの弁当でも食べてくれるような」

P「心当たりはないなあ」

樹里「え?」

P「ん?」

樹里「そ、そっか…」ショボ-ン

P「…」

樹里「…」シュ-ン

P「樹里さん。よろしければ俺に余った分を処分させていただけないでしょうか」

樹里「!」パァァァァァ

樹里「そ、そこまで言うなら仕方ねーな。明日から毎日作ってきてやるよ♪」ニマニマ

P「ありがとう。優しいな」

樹里「優しくなんかねーよ♪」

【32週目】

樹里「うぅ…寒い」カタカタカタ

P「タクシー来るの遅いな」

樹里「だな…このままだと凍え死ぬぞ」

P「大袈裟だなぁ」

樹里「ん」スッ

P「おう」スッ

樹里「やっぱこれあったまるわ」ギュ-

P「ナチュラルに抱きついてくるよな」

樹里「アイドルが風邪引かねーようにするのはプロデューサーの仕事だろ」ギュ-

P「そうだけど」

樹里「いいから黙ってハグしてろよ♪」ギュ- 

P「(ツンの波動が消えた…)」

【36週目】

樹里「あれ? プロデューサー。どこ行くんだよ?」

P「今日は午前であがりだよ。今日と土日で実家に帰るんだ」

樹里「そっか。じゃあアタシも一緒に帰るよ」

P「どこに?」

樹里「そりゃアンタの実家だろ」

P「さも当然のように言われても困りますわ」

樹里「1人で帰るなんて許さないぞ」ガシ-

P「ぐぅぅぅ。腰に抱きつかれてる。がっちり抱きつかれてる。完全に離す気ねぇなこいつ!」

樹里「プロデューサーの親にちゃんとアタシのこと紹介しろよ」

P「プロデュース中のアイドルだって?」

樹里「『いずれ西城じゃなくなります』って」

P「高校生に手を出したら社会的に終わるって知ってるかい?」

【50周目】

カチャ

樹里「おはよう。プロデューサー起きてるか?」

P「ふぁぁぁ…何だよ…休みの日なのに…」

樹里「もう10時だぞ。いい加減起きろよ」

P「樹里って意外と早起きだよね」

樹里「まあな。朝飯、パンとご飯どっちがいい?」

P「ご飯」

樹里「ん。確か冷凍してあるよな。卵もあるから卵焼き焼いて…と」サッサッ

P「ベーコンも頼む」

樹里「わがままだな~♪」ウキウキ

P「あー…なんか腹減った…」キュルルル

樹里「すぐ出来るから顔洗って着替えてこいよ。だらしないぞ」

P「へーい」

樹里「ほんっとに世話が焼けるよな♪」ニコニコ

P「…」

P「あの、樹里さん」

樹里「何だよ。もうちょい待ってろ」サッサッ

P「どうやって俺の部屋に入ったの?」

樹里「お義母さんとお義父さんに話したら合鍵をくれたよ」

P「俺の知らぬ間に何か話が進んでいる!」

【65周目】

樹里「ふぁぁぁ…眠い…」ボ-ッ

P「zzz…」

樹里「おい起きろよ…今日はアンタが朝飯当番だろ…」ボ-ッ

P「朝日キツい…」モソモソ

樹里「起きろー」ギュ-

P「柔らかさが物足りな」

樹里「おらァ!」スパ-ン!

P「目が覚めたっ!!」

【80周目】

はづき「で。今日も仲良く出勤ですか」

樹里「別に仲良くねーよ」ガシ-

はづき「子猿のようにプロデューサーさんに抱きついておいて何ぬかしているんですか。ちょろデレ」

P「朝から引っ付いて離してくれないんだ」

樹里「別に深い意味なんてねーからな」ギュ-

はづき「そうでしょうね。LOVEしかないでしょうね」

P「はづきさん。これはどうしたら」

はづき「樹里さんはウチの稼ぎ頭ですから絶対に手放さないでください」

樹里「プロデューサーと離れないままレッスンする方法ってねーかな」ギュ-

P「近くて見ててやるから離しなさい」

樹里「絶対だぞ」

P「見てるから安心なさい」

樹里「指切りしろ」

P「よしよし」スッ

はづき「社長! ゲロ甘です! 私にブラックコーヒーを淹れてください!」

社長「事務員が私を顎で使うんじゃない」トクトクトク

P「淹れてあげてるじゃないですか」

【90周目】

樹里「そろそろ出会ってから2年だな」

P「だな」

樹里「しかし初めて会った時のアンタは強引だったよな。アタシのこと『キミに惚れた』とか『愛してる』とか滅茶苦茶必至に口説いてきて」

P「記憶が改竄されてるね」

樹里「してない。してない」ブンブン

P「俺の記憶だと『初めまして西城さん』って他人行儀に挨拶したら、『樹里って呼べよ』ってすごいむくれてたと思うんだけど」

樹里「記憶違いだろ」

P「西城さんの記憶が正しいんですかね」

樹里「もう…生きていけない…」フラフラ

P「苗字呼びのダメージがでかすぎる!! 嘘だって! 戻ってこい樹里ぃ!」

樹里「次、苗字で呼んだら泣きわめくからな」グスン

P「肝に命じておきます」

樹里「よし。ハニーだ」

P「ん?」

樹里「アタシの呼び方」

P「他の事務所の金髪と被るから無し」

樹里「はー?」プク-

【96周目】

樹里「突然だけど。今年中に結婚します」

P「生放送中!」ゲボッ!

【後に引けなくなりました】

終わり

以上です。お読みいただきありがとうございました。
有栖川社長とこの子は絶対ちょろいと思います。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom