【ガルパン】優花里「おやすみなさい、武部殿」 (22)


* 短めゆかさお

* それなりに仲良くなった後


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優花里「やーわらか戦車のこころはひとつっ」

優花里「生き延びたいっ、生き延びたいっ」

優花里「♪~」

優花里「…ふぅ、掃除はこんなものでいいかな」

優花里「(今日はお休み…ですが、あんこうの皆さんは用事で忙しいみたいなんですよね)」

優花里「(両親も旅行で明日の夕方までいませんし…)」

優花里「(ヒマになって部屋の掃除をしていましたが、あっという間に終わってしまいました)」

優花里「…」

優花里「(…うーん、ヒマですね…エルヴィン殿にでも連絡してみましょうか)」


ピンポーン…


優花里「…ん?」


ガチャッ

優花里「はーい」

沙織「やっほ、ゆかりん」

優花里「あれ?武部殿?」

沙織「よかったー、いてくれて…」

優花里「ずいぶん気合入った格好ですけど…」

沙織「急にゴメンね。またいつものアレ、頼んでもいい?」

優花里「…あ、大丈夫ですよ。じゃあこちらへ」

沙織「ありがとっ」


・・・

優花里「じゃあ、始めますねー」

沙織「はーい」

優花里「…よいしょっと」

沙織「毎回ゴメンね、髪整えるの頼んじゃって」

優花里「いえ、全然大丈夫ですよ」

沙織「もう何回もお願いちゃってるよね」

優花里「そう…ですね。武部殿は髪の質が良いので、やりやすいですけど」

沙織「私もゆかりんなら安心して任せられるから、助かるよー」

優花里「今日もデートですか?」

沙織「そう!そうなの!この前寄港した時に、たまたまあった男の子に声かけられて…」

優花里「それでこんなに気合が入ってるんですね…」

沙織「あ、やっぱりわかっちゃう?」


優花里「今度こそ、うまく行くといいですね…」

沙織「あはは…」

優花里「…よいしょ…と、もう少しで終わりますね」

沙織「んー…」

優花里「…」

沙織「ゆかりん、また上手くなった?」

優花里「え?そうですか?」

沙織「うん、初めて頼んだ時よりいい感じかも」

優花里「うーん、特別なことはしてないんですが…たまにお店の手伝いをするくらいでしょうか」

沙織「…ゆかりんはやっぱり、卒業したらお店を継ぐの?」

優花里「…さぁ、まだ考えてないですね」


優花里「とりあえず、大学には行きたいと思ってるんですが…」

優花里「その後は、あんまり考えてないですね」

沙織「戦車にかかわる仕事がしたいとか、考えてるの?」

優花里「…それもありますけど、やっぱりお店も大事ですし…そもそももっと別の道に行くかもしれません」

優花里「やっぱり、まだわかりませんね」

沙織「そっか」

優花里「…そういう武部殿は、どうなんですか?」

沙織「んー…私も、まだよくわからないかなぁ…」

沙織「永久就職になるかもしれないし、普通にお仕事してるかもしれないし」

沙織「それに、子猫の世話もいつまでかかるかわからないしさ」

優花里「…あぁ…冷泉殿、どうするんでしょうね…」


優花里「…はいっ、こんな感じでどうですか?」

沙織「…わ、すごいいい感じ!ゆかりん、ありがとー!」

優花里「ふぅー…」

沙織「また今度何か奢るねっ」

優花里「デート、頑張ってくださいね」

沙織「ありがと。今日こそ頑張るね」

沙織「…」

優花里「…?」

沙織「…フられたら、また来てもいい?」

優花里「あ、もちろん大丈夫です」

優花里「ウチは明日の夕方まで両親もいませんから」

沙織「よーし、元気出てきた…頑張ってくるね!」


・・・

TV『ところがどっこい…!夢じゃありません…!現実です…!』

優花里「…」ボーッ

優花里「(…あ、そういえばもう夜ですね)」

優花里「(武部殿、うまく行ったんでしょうか)」

優花里「(この時間まで何もないってことは、もしかしてうまく行ってるのかもしれませんね)」

優花里「(もしかして朝帰りとか…)」


ピンポーン…


優花里「(あっ)」


ピンポーン…


優花里「…まさか」


ピンピンピンポーン


優花里「あああ!出ます!出ますから!」バタバタ


~~~

沙織「んっ、んっ…」ゴッキュゴッキュ

沙織「ぶはーっ!」ダンッ

優花里「武部殿、飲み過ぎですよ…」

沙織「ぁによぉ…」

優花里「というかただのオレンジジュースですよねコレ?何で酔ってるんですか…?」

沙織「えっぷ…」

優花里「あぁもう、吐かないでくださいよ…」

沙織「…ねぇ、ゆかりぃん」

優花里「な、何ですか?」

沙織「女の幸せって、何だろうね…」

優花里「うわっ、凄い事言い出した」


沙織「重いって何よぉ…付いていけないってどういうことよぉ…うぅぅ…」ゴクゴク

優花里「だ、大丈夫ですか武部殿…?」

沙織「ぅん…」

優花里「…あの、夕食は取りましたか?」

沙織「ううん、まだ…」

優花里「今から作ろうとしてたんですが、食べていきませんか?」

沙織「いいの?」

優花里「はい。一人より、二人の方が美味しいですから」

優花里「(というか、今の武部殿を放っておくわけにもいきませんし…)」

沙織「ありがとぉ。私も手伝うよ」

優花里「い、いえ!武部殿はお客様ですから!手伝わせるわけには…」

沙織「そ、そう?」

優花里「大丈夫ですから、しばらく寛いでいてください」


~~~


沙織「…あ、この肉じゃが美味しい!」

優花里「ホントですか?それなら良かったです」

沙織「うんうん、前食べた時よりずっと美味しくなってるよ!」

優花里「…そういえば、武部殿に私の料理を食べてもらうのもずいぶん久しぶりですね」

沙織「そうだね。初めては確か、全国大会の1回戦が終わった後くらいだったっけ?」

優花里「えぇ。あの時に、私からお料理を教えてもらうように頼みましたから」

沙織「私も最初はビックリしたけどねー…あのゆかりんが…」

沙織「…それで、結局、みぽりんにはご馳走したの?」

優花里「…えっと……」

優花里「…実は、それがまだ…」

沙織「えーっ!?なんで!?」

優花里「その…確かに、武部殿に料理を教わったときは、西住殿にご馳走したいのが一番の理由でした」

優花里「今でもその気持ちはあるんですけど…」

優花里「お口に合わなかったらどうしようとか…いろいろ考えてしまって…」

沙織「こんなに美味しいんだから大丈夫だって!自信持ちなよ!」


~~~


優花里「…すみません武部殿、洗い物まで手伝わせてしまって…」

沙織「ううん、私にもそれくらいは手伝わせてよ」

優花里「凄く助かりました。ありがとうございます」

沙織「…はぁ」

沙織「…ゆかりん、将来は良いお嫁さんになるよね…」

優花里「え?」

沙織「ごはんも美味しいし、片付けだって手際良かったじゃん」

沙織「旦那さんは幸せだろうなー、と思って」

優花里「いえ、そんな。私なんかより、武部殿の方が…」

沙織「ほら、そういうとこ!」

優花里「え、えぇ?」


沙織「ふぅ…」

沙織「…でも、ホントに…ゆかりん…」

優花里「…武部殿?」

沙織「……」ボーッ

優花里「あのー…」

沙織「ねぇ、ゆかりん」

優花里「はい?」

沙織「…」

沙織「私たち、結婚しよっか」

優花里「…」

優花里「…」

優花里「……え?」

沙織「ん?」


優花里「た、武部殿、その…い、今なんて」

沙織「え? ん?」

沙織「…」

沙織「…」

沙織「……!!!」

優花里「えっと…」

沙織「あっ、あははは!わ、私何言ってんだろ!」

沙織「ご、ごめんねゆかりん!聞かなかったことにして!」

優花里「…はぁ…」

沙織「わ、私そろそろ帰るね!じゃあ…」

優花里「…あ、あの!」

沙織「え?」

優花里「武部殿…」

優花里「その…今日は、泊まっていきませんか?」


~~~


沙織「ねぇ、ホントにここで寝ていいの?」

優花里「えぇ、普段は母が使っているベッドですけど、明日の夕方まではいませんから」

沙織「じゃあ、遠慮なく…」

優花里「じゃあ、電気消しますね」

カチッ

沙織「…ゆかりん」

優花里「ん?」

沙織「今日はありがとうね。何から何まで…」

優花里「いえ。私も、武部殿と一緒に居られて、楽しかったですから」


沙織「…さっきはゴメンね。変な話しちゃって」

沙織「何か、ゆかりん相手だと悩みでもなんでも話しちゃうかも」

優花里「武部殿…」

優花里「…いいんですよ。私で良ければ、何でも話してください」

沙織「ありがとぉ…」

優花里「…」

沙織「麻子には、こんなところ見せられないもんね」

沙織「みぽりんも華も、戦車とかおうちのことで大変だし」」

沙織「…何か、前にもこんな話したっけ?」

優花里「その時は確か、戦車のことが良くわからないって話でしたね」

沙織「そうそう。それでノートを作り始めたんだけど…これ、役に立つのかなぁ」

優花里「きっと、無駄にはなりませんよ」

沙織「…そうだよね」


優花里「…それに、私も嬉しいんです」

沙織「え?」

優花里「これまで友達がいなかった私が、何というか、こう…」

優花里「武部殿にこうして…頼られてるような、必要としてもらえることが、凄く嬉しいんです」

沙織「ゆかりん…」

優花里「あはは…ごめんなさい、私も変なことを言ってますよね」

沙織「ううん、ホントに凄く助かってるよ」

優花里「ん…」


沙織「でも…」

優花里「武部殿?」

沙織「…こうして頼れるのも、いつまでなのかなぁ…」

沙織「卒業したら、離れ離れになっちゃうのかなぁ…」

優花里「…それは」

沙織「あ、ごめんね。またこんなこと…」

優花里「その…」

沙織「それじゃあ、そろそろ…」

優花里「…武部殿」

優花里「そっちのベッドで、一緒に寝てもいいですか?」

沙織「え?」


ゴソゴソ

優花里「窮屈じゃないですか?」

沙織「うん、大丈夫。ゆかりんこそ平気?」

優花里「はい、大丈夫ですよ」

沙織「じゃ、そろそろ寝よっか」

優花里「…」

沙織「…ゆかりん…ホントに、ありがとうね」

優花里「…? 武部殿?何か…」

沙織「ううん、何でもない」

優花里「…ふふ」

沙織「えへへ」

優花里「…おやすみなさい、武部殿」

沙織「うん…おやすみ、ゆかりん」



 おしまい

武部殿はゆかりんに悩みを打ち明けてる説を推しています

今更だけどらぶらぶ作戦1巻でみぽりんの風邪看病してるあんこうチームがマジで尊い…尊みザウルスなんだが…

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