【モバマスSS】レディ・プロデューサー・ワン (22)

映画レディ・プレイヤー・ワンの設定を一部流用したSSです。

公開直後と言う事も有り、ネタバレには注意してあらすじに書いて
いるレベルのこと以外使用していませんが、気になる方は閲覧注意でよろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1524333297



【2045年、日本 とある田舎】



モバG「やぁ、こんな田舎まで良く訪ねて来てくださった。まぁ、お茶でもどうぞ」

スカウト「こちらこそ急に押しかけまして・・・、
伝説のアイドルプロデューサー、モバPさんにお会い出来てとても光栄です」

モバG「いえいえ、長くやってただけで、伝説なんてとてもとても・・・」

モバG「ところで、こんな田舎までジジイを訪ねて来たのは何の用が有って??
アイドルの昔話でも聞きたいんですかの??」

スカウト「実は・・・モバPさんにアイドルのプロデュースをして頂きたく・・・」

モバG「ハァ!? 無理無理、もう身体も碌に動きませんしの・・・、
プロデューサーと言うのはアレで激務でして、私も若い頃は怪しい栄養ドリンクをガブ飲みしてやっとりましたが、
今ではとても身体が付いていきませんですよ」フリフリ

スカウト「いえ・・・、実際に復帰して頂くのではなく・・・、VR世界の中・・・、オアシスでの話なのです」

モバG「オアシス??」

スカウト「モバGさんもVRゲームはご存知ですよね??」

モバG「はぁ、最近はこんな田舎でもアレが無い事には始まりませんからなぁ。
ワシは遠くの家族や知り合いと連絡する時に使うくらいで、後は外で野菜を育てるくらいであまり詳しくは知らんが…。
最近ではエライ進化しとるみたいですなぁ」

モバG「ワシの若い頃は、舞台で踊るアイドルを見るくらいしか出来んかったですがのぅ・・・」

スカウト「今では第二の現実と言えるくらい多種多様な娯楽、ゲームが楽しめますよ??
それこそ食事とトイレ以外はすべてオアシスで済ませれるくらいに・・・」

モバG「ハァ、凄い事になっとるんですなぁ・・・、しかし、それがワシに何の関係が??」

スカウト「事の始まりはオアシスの創設者、ジェームズ・ハリデーが無くなった事に始まります」

モバG「ほうほう」

スカウト「ハリデ―は遺言で『オアシスのゲームの中に3つの鍵を隠した、それを探し出して門を開けた者に、
全財産とオアシスの経営権を譲る』と言い残したのです」

モバG「全財産というと・・・、とんでもない額に・・・??」

スカウト「ざっと金額にして5000億ドル。オアシスの経営権となると、金額では計り知れません」

モバG「・・・何だか天文学的数字でピンと来ませんが・・・、ますますワシには関係ない様な・・・??」

スカウト「それが、世界中のプレイヤ―が血眼になって鍵を探しているのですが、どうすれば鍵が手に入るのか、
どのゲームをクリアすれば良いのか、も全く判明してない始末でして・・・」

モバG「おやおや・・・」

スカウト「しかし、オアシスに先日ある噂が流れました…。ハリデーが十代の頃夢中になった日本のアイドルに、
鍵を持つゲームのヒントが隠されている!と・・・」

モバG「おおっ」

スカウト「そして、オアシスにも有るのですよ…。日本サーバーが運営しているゲームの一つ、
アイドルをスカウトして育て上げ、頂点に導くゲーム、その名も『アイドルマスター』が・・・」

モバG「なるほど・・・、大体呑み込めてきましたぞ・・・。
つまりワシがそのゲームの中に入って…、アイドルを育成すれば良い訳ですな・・・??」

スカウト「はい、モバPさんならば経験は誰よりも豊富ですし、VRなので体力の負担も少なく問題無いでしょうし・・・」

スカウト「どうでしょうか・・・?お願いできませんでしょうか??勿論報酬は破格を用意して・・・」

モバG「いやいや、金には困ってませんでな」

スカウト「そ、そうですか・・・」

モバG「しかし、・・・それよりこんな田舎まで年寄りを頼って来てくれたその心意気が嬉しい。
・・・喜んで引き受けさせて頂きますぞ」

スカウト「おおっ!!それではっ!!」

モバG「実は話の途中から、昔の様にアイドルのプロデュースが出来るのかと思ったら、
ワクワクしてきましてなwww」ホッホッホ

スカウト「そうですか!よろこんで御参加頂けるなら何よりです!! 
勿論、機材その他は最高の物を用意させて頂きますのでッ!!」

モバG「はいはい、よろしくおねがいしますよ」



【オアシス・アイドルマスター内】


モバP「ログイン完了っと・・・、おお!!色々付けられたデバイスが消えて背広姿にッ!!」

モバP「それだけじゃないぞ・・・、声まで若返ってる・・・。
それに、この視界の端っこに映ってる顔は、若い頃のワシでは・・・」

???「本来なら色々と外見の設定もできるのですが、今回は諸事情有りまして、
私共の方で、昔のモバPさんの外見を設定させて頂きました」チョコン

モバP「うおっ!!喋る小動物!!??おのれ、妖怪変化かッツ!!」(構え)

???「いえいえ、違いますよ、私です。スカウトの者です」

モバP「ス、スカウトさんですか??こりゃまたえらくちっこくなって・・・」

???「オアシスにもゲームにも不慣れなモバPさんにアドバイス出来るように、
アドバイスアバターにログインしているんです。これならゲームに参加せずにモバPさんに付いて回れますから」

モバP「こりゃどうも・・・。右も左も分かりませんので、ありがたい話です・・・」

???「折角ですのでこのアバターの時は、すーちゃんとお呼びください」

モバP「す、すーちゃん」

すーちゃん「はい」



モバP「それにしても凄い技術ですね・・・、完全に外見は自分の若い頃のまんまですよ・・・、
何か口調まで若返ってる様な気がします」

すーちゃん「それがオアシスの魅力の一つですね。外見上の年齢どころか、性別や声も変更可能ですから、
望むどんな姿にもなれますよ」

モバP「そりゃ凄い・・・。タコみたいな宇宙人や、ロボットみたいな外見でも・・・??」

すーちゃん「このアイドルマスターには制限が掛かってログインできませんが、他のゲームにはたくさん居ますよ??
むしろ全体ではそちらの方が多いぐらいです」

モバP「マジですか・・・。他のゲームにも興味が湧いて来ましたよ・・・」

すーちゃん「時間外でよろしければ、ご案内しますよ?? FPSでもファンタジーでも」

モバP「そりゃ楽しみですな。よろしくお願いします!!」


モバP「さて、まず俺はこの世界でプロデューサーとして何をすれば良いんでしょうか・・・??」

すーちゃん「まずは会社に所属してプロデューサーとして登録します。
が、モバPさんには当社に所属して頂くことになっておりますので、これは省略します」

モバP「はい、問題ありません」

すーちゃん「次に育てるアイドルを探します。色々場所を巡って見つけた女の子をスカウトして、
アイドルマスターを目指す為に育てていくのです」

モバP「そこは私もお役に立てそうですね」

すーちゃん「はい、スカウトと育成に関しては、モバPさんの経験と手腕を当社はとても頼りにしております」

モバP「ご期待に添えるように努力します・・・。 あの・・・、ところで気になる事が・・・」

すーちゃん「はい??なんでしょうか??」

モバP「ログインする時にプロデューサーとアイドルを選ぶ選択肢が有ったんですが・・・もしかして・・・」

すーちゃん「はい、ご想像の通りです。アイドルになる女の子も勿論、全員プレイヤーですよ??
世界中の誰かがアイドルの卵としてキャラを作り、スカウトを待っています」

モバP「そうですか・・・、想像を絶する規模なんですね・・・。凄さに圧倒されます・・・」

モバP「・・・・・って、さっき、すーちゃん性別の変更も可能って言ってましたよね!!??もしかして!!!???」

すーちゃん「はい。ご想像の通り、本来の性別が男である『ネカマ』も『大量に』存在します」

モバP「ま、マジか・・・」

すーちゃん「むしろ全体で考えたらそちらの方が多い位なのが闇が深いですよね、色々と」

すーちゃん「彼等も本気で女性アイドルをやってる人は無茶苦茶レベル高いんですけど、上位に行った時に身バレしたら、
ハンパじゃなくダメージがデカいので、避けた方が無難でしょうね・・・。その辺でもモバPさんの選球眼が試されます」

モバP「マジか・・・、全然自信ないなぁ・・・。現役の時も秋月涼に全然気が付かなかったし・・・」

すーちゃん「彼も彼で伝説ですよね・・・」

すーちゃん「まぁ、元から男性を公表してるアカウントでもキャラとクオリティによっては人気も出ますし、
ファンも付くんですけど、やはり頂点には立てない色物枠というのが現在の傾向ですね」

モバP「世知辛いなぁ・・・。了解しました・・・」



モバP「さて、それじゃあスカウトにでも行きますか」

すーちゃん「そうですね、街へと移動しますか」

モバP「この時代となるとやっぱり電車ですか??」

すーちゃん「いえ、ファストトラベル機能が有りますからそれで移動しましょう、渋谷エリアを選択してください」

モバP「そんなんあるんですか・・・、便利だな・・・現役の時に欲しかった・・・」




【アイドルマスター内・渋谷エリア】


モバP「おお・・・。一瞬で渋谷の駅前に・・・。
この景色・・・、東京オリンピックのちょい前くらいか・・。懐かしいな・・・」

すーちゃん「当時の街並みはエリア内ならば完全再現してますからね。流石に店舗はAIによる疑似営業ですが」

モバP「そこそこ人もいるけど、街中の人はほとんど全員女の子と
プロデューサーっぽいアバターしか居ないのが違和感あるな・・・」

すーちゃん「ほぼ全員プレイヤーですからねぇ」



モバP「さて、誰に声を掛けたものやら・・・」

すーちゃん「提案なのですが、隣の路地を200mほど歩いて頂けませんか??」

モバP「はい??構いませんが・・・、何かあるんですか??」

すーちゃん「当社がモバPさんをスカウトした大きな理由の一つがそこには有りまして・・・」

モバP「はい??」



モバP「着きましたけど、ただの渋谷の裏路地で、何も・・・・」


凛「・・・・・」


モバP「り、凛。なんで凛が居るんだ・・・」

すーちゃん「声を掛けないんですか??」

モバP「あ、はいっ!そうですね」


モバP「凛!!久しぶりだな!お前もこのゲームやってたのか??」

凛「・・・・?? アンタ誰??」

モバP「えっ・・・、お前俺が分からないのか・・・?? そりゃ若返ってるけど昔のまんまだし・・・、
分かるだろ??俺だよ、俺!!」

凛「・・・何言ってるか分かんないし・・・、キモイからあっちいってくんない??
スカウトされにくいでしょ??」シッシッ

モバP「        」


モブプロデューサー「ハァイ、ちょっとお話し中いいかな??そこのキミ!気合入ったアバターだね!!
どう??俺にスカウトされてみない??」ウィンク

凛「へぇ、解るぅ??昔のアイドル名鑑から引っ張って来たの、タイトルも取った事有るらしいよ??
アタシ的にはイイトコまでイケると思うんだけどー」

モブプロデューサー「イイね、イイね。俺も課金は惜しむつもりは無いよ??どう?俺と組まない??」

凛「うーん・・・解ったわ、組ませてもらうわ。
・・・えーっと、『アンタが私のプロデューサー??まあ、悪くないかな・・・』」

モバプロデューサー「グッド!!それじゃ行こうか、マイハニー♪」(凛と腕を組んで立ち去る)


モバP「・・・・・・・・・・・・・」

モバP「な、なんだアレ・・・・・??」

すーちゃん「あらら、失敗しちゃいましたね・・・」

モバP「何なんだアレ??凛の筈なのに俺のこと知らないし、変な男にスカウトされて行くし・・・??」

すーちゃん「まぁ、アレは渋谷凛さん本人じゃありませんからね。外見だけそっくり真似たアバターを使用した他人です」

すーちゃん「モバPさんを知らなくても無理は無いかと」

モバP「あ、あの凛が他人!?」

すーちゃん「ええ、ジェームズ・ハリデーがこのゲームを作った時に、
自分が好きだったアイドルがゲームの中に居ない事を寂しく思ったのか、実在のアイドルに近いアバターには
能力補正や特殊イベントの発生率が高くなるパッチを密かに当てたんです」

モバP「なるほど・・・。それで凛にそっくりのアバターが・・・」

すーちゃん「ええ、オリジナルのアイドルで参加してるのはよっぽど気合の入ったプレイヤーか、
そのアバターに思い入れがあるか、ですね・・・」

すーちゃん「特に情報が流れてから、本気でアイドルマスターを取りに参加し始めた企業などは、
ほとんどが実在アイドルを使用してますので、益々その数は激増しています」

すーちゃん「今の渋谷エリアだけで実在アイドルは200を越えているかと」

モバP「そんなに、か・・・、頭痛くなってきた・・・」

モバP「それでもやっぱり実在のアイドルをスカウトした方が良いのかね・・・??」

すーちゃん「そうですねぇ。やっぱり初期ステの高さは魅力ですし、モバPさんなら育て方も解ってますよね??」

モバP「ああ、アイツ等をトップアイドルにまで押し上げた時の事は、一から十まで覚えてる・・・」

すーちゃん「それがモバPさんをスカウトしてきた理由です。
是非、彼女たちのいずれかをスカウトして育て上げて頂きたいです」

モバP「そうだな、本人とは違うから色々勝手は違うかもしれないけど・・・、
アイツ等に合ったイメージとかはバッチリ頭に入ってるからな・・・」

すーちゃん「そうですね。横並びのスタートのこのゲームでは強烈なアドバンテージになるかと」

モバP「よし!話がそうなら、早速スカウトしてみるか!! 
すーちゃん!渋谷エリアの実在アイドルの座標を片っ端から回してくれ!!!!」

すーちゃん「はい!!!了解しました!!」



【数日後】



モバP「誰もスカウト出来ない・・・」ズーン

すーちゃん「ど、ドンマイです。モバPさん・・・」

モバP「大量にいる凛に片っ端から声を掛けてみたけど、冷たくあしらわれ・・・」

モバP「一縷の望みをかけて時々見かける唯ちゃんにもスカウトしてみたけど、
揃いも揃って性格悪すぎる・・・」

モバP「みんなバカにしたみたいな口調で返してくるし、どれだけ課金できるか足もと見て来るし・・・
凛も唯もあんな子じゃない・・・。イメージ崩れるからやめてくれ・・・」

すーちゃん「まぁ、昔のトップアイドルのアバター再現して参加しているプレイヤーなんて効率厨間違いナシですから、
残念ながら当然の結果では・・・」

すーちゃん「それにしても参りましたね・・・。機材の搬入などで少しモバPさんの開始が遅れたので、
今節のアイドル登録まであまり時間がないんですよねぇ・・・」

モバP「アイドル登録??」

すーちゃん「ええ、このゲームは節ごとに区切られてまして、時間までにアイドルを見つけて登録しないと、
その説は参加できずに次節まで持ち越しになってしまうんですよ・・・」

モバP「次節になると、大分先に・・・??」

すーちゃん「ええ、一月程は先になりますし、もし今節アイドルマスターが誕生したら、情報が価値を失う恐れも・・・」

モバP「むむむ・・・、どうすればいいのか・・・」



まゆ「それなら、私をアイドルにしませんかぁ??」



モバP「えっ?? まゆ・・・?? どうして此処に??」

まゆ「うふふ・・・、お話が聞こえちゃったので、つい話しかけちゃいました♪」

すーちゃん「・・佐久間まゆ型のアバターですね。このエリアで見るのは珍しいタイプです」

モバP「あっ、そうか。本人な訳じゃないんだよな・・・ややこしいな・・・。
今までの凛もそうだけど、見た目は完璧に本人だからな・・・」

すーちゃん「当時の映像から寸分違わずデータを取ってますからね。
体形の変化に合わせて前期型とか後期型とか有りまして、それぞれ熱烈なファン層が・・・」

モバP「マジでか・・・。かな子とか変動が激しそうだけど・・・」

すーちゃん「小刻みにバージョンアップされてますね、確か」

モバP「L.M.B.Gとか、子供の時と大人の時で派閥別れそうだなぁ・・・」

すーちゃん「そこに踏み込んだら戦争ですよ・・・」


まゆ「・・・それでどうでしょうか・・・?? まゆをプロデュースしていただけませんかぁ・・・??」

モバP「おっ、すまないね、少し興味深い話だったもので・・・」

モバP「・・・どうだろう、すーちゃん。まゆならプロデュースしてたし、
時間が無いなら今回はこの子に決めちゃうかい??」ヒソヒソ

すーちゃん「・・・・・・正直オススメは出来ません・・・」ヒソヒソ

モバP「ん?何でだい??まゆなら曲も育成の仕方も心得てるから、
他のアイドルよりアドバンテージ取れると思うけど・・・」ヒソヒソ

すーちゃん「本物の佐久間まゆさんなら何も問題は無いんですけど・・・、クオリティが低いんですよね。
こんな出会いじゃDPも低いですし・・・」ヒソヒソ

モバP「クオリティ??DP??」ヒソヒソ

すーちゃん「DPとはドラマチックポイントの略です。
実在のアイドルのアバターを使用している場合は、スカウトされた時や、何か重要な出来事が起こった時、
その時の行動をなぞった行動をとるとDPが加算されるんです」ヒソヒソ

すーちゃん「DPは能力やその他のステータスを上げるのに使用できますから、
有った方が全然有利なんですよ」ヒソヒソ

モバP「成程、愛梨のキャラが総選挙のイベントなんかで一位になれば・・・」ヒソヒソ

すーちゃん「莫大なポイントが加算されますね。勿論それは困難なんで、誰も狙ってはやりませんが、
スカウトの時のイベントは比較的情報サイトなんかで知れ渡ってて、しかもポイントが高いんですよ」ヒソヒソ

モバP「なるほど・・・。だから渋谷に大量に凛が居たのか・・・」ヒソヒソ

すーちゃん「はい・・・、だから佐久間まゆのアバターなら仙台駅か、
テレビ局のロビーなんかでよく見るんですが・・・」ヒソヒソ

モバP「渋谷で声を掛けてきたこのまゆには、DPが加算されない、と・・・」ヒソヒソ

すーちゃん「はい、佐久間まゆタイプのスカウトイベント【運命の出会い】はとても高ポイントなので、
逃す手はないと思うんですよ・・・」ヒソヒソ

モバP「クオリティが低いってのはそう言う事か・・・」ヒソヒソ

すーちゃん「はい・・・、ですから、この佐久間まゆは断った方が・・・」ヒソヒソ


まゆ「・・・・・・・・」(じーっと見てる)


モバP(断るって言ってもなぁ・・・)ウーン

モバP(見た目がまゆそのものだから冷たくしづらいし・・・)

モバP(すーちゃんはクオリティ低いって言ってたけど、言葉遣いとか雰囲気がまゆそっくりなんだよな・・・)

モバP(オアシスに入ってから、粗悪品みたいな凛とか唯ちゃんしか見てこなかったから・・・)

モバP(何か・・・、ビビッと来たんだよな・・・。業界用語でいうと、ティン!と来た!!)


モバP「・・・うん・・・、まゆ。よろしくお願いするよ。キミをプロデュースさせてくれ。
一緒にアイドルマスターを目指そう!!」

まゆ「本当ですかぁ!?まゆ・・・、とても嬉しいですっ!!」

すーちゃん「モバPさんっ!?」

モバP「すーちゃんの言いたい事は解ってるつもりだ・・・、
でも此処は俺のプロデューサーとしての感を信じてくれないか??」

モバP「彼女ならイケる。俺はそう感じたんだ」

すーちゃん「・・・も、モバPさんがそこまで言うなら・・・」

まゆ「うふふ・・・♪ きっとお役に立ってみせますから安心してください♪ よろしくお願いしまぁす」

モバP「よし!このメンバーできっと頂点に立つぞ!! まずはアイドル登録、そしてFランク突破に向けて、
猛レッスンだ!!」

まゆ「はぁい♪」

すーちゃん「了解しました・・・・」


【数週間後 アイドルマスター内・346サーバー・プロデューサー控室】


すーちゃん「いやぁ・・・、嬉しい誤算でしたねぇ」

モバP「本当ですよね、あのまゆは大当たりでしたよね。真面目にレッスン受けるし、実力も有るし・・・」

すーちゃん「DPも低いしクオリティの低いなりきりだから、正直余り期待してなかったんですが、
ドンドンランク上がってますしねぇ」

モバP「昔の曲なのにまゆの曲もシッカリ覚えて来てくれましたし、努力家ですよ、彼女は・・・」

すーちゃん「コレはもしかして最初っから大いに期待できるんじゃないですか??」

モバP「正直、十分にアイドルマスター狙えますよ?? 祝勝会の準備しといてくださいよww」

すーちゃん「それは心強い・・・。当社としても大いに期待してます!」

モバP「任せておいてください!!」

すーちゃん「そうなれば、彼女にも何か報いないといけないですね・・・」

モバP「そうですねぇ、是非、その時お礼を言いたいですし・・・。
祝勝会はリアルでやるのも良いかもしれませんねぇ」

モバP「是非、プレゼントでも手渡したいです」

すーちゃん「なるほど、それも一つのアイディアですね・・・。
現物が手に入るのはこのオアシス全盛の時代でも、やはり嬉しいモノですからね・・・」

モバP「私は古い人間なので、やはりそこは拘りたいですねぇ・・・」

すーちゃん「なるほど、当社の方でも調整しておきます」

モバP「そうですか!!よろしくお願いします・・・。あちらのまゆにも私の方から提案しておきますよ」

すーちゃん「よろしくお願いします」



【アイドルマスター内・346サーバー、フロントロビー】





凛「だから!!このプロダクションに居る筈なんだって!!ちゃんと調べてよ!!」

ちひろ「と、申されましても・・・、システムで検索しても、
当社にはそのようなプロデューサーは所属しておりませんので・・・」

凛「そんな訳ないよ!!だってプロデューサーはッ・・・」

卯月「凛ちゃん!!ダメです!他のちひろさんはAIみたいで、ほとんど同じような答えが返ってくるばっかりで・・・」

凛「そう・・・、ココのちひろさんのアバターは中身は居るみたいだけど、このサーバーにはプロデューサー居ないって・・・」

卯月「そう・・・なんですか・・・」ウツムキ

凛「裏の同窓会サイトから、プロデューサーがこのゲームに参加してるって聞いて、
慌ててアカウント作ってログインしたのに・・・」ギリッ

卯月「プロデューサー、一般女性と結婚してから誰とも連絡も取れなくなりましたからね・・・。
色んな子が色んな迷惑掛けたとはいえ・・・」

凛「そんなプロデューサーと接触できる大チャンスなのに・・・、全然見つからないなんて・・・」

卯月「・・・本当にいないんですか??ちひろさん???」

ちひろ「申し訳ないのですが・・・」

凛「本当に此処に来てないのかな・・・。でも、プロデューサーが思い出深いウチ(346)に来てないなんて
考え難いんだけど・・・」ブツブツ

卯月「もしかしたら・・・、別のサーバーに居るのかもしれないですね・・・」

凛「別のサーバー??」

卯月「はい・・・、プロデューサー、765の如月千早さんの大ファンでしたし・・・」

凛「・・・確かに・・・!!765サーバーか・・・??」

卯月「それに、凛ちゃん覚えてます??プロデューサーさん、
283プロが営業開始する時、ソワソワして仕事が手に付かなくて、みんなに吊るしあげられてた事・・・」

凛「あったあった!! 『他所のアイドルの方が大事なのか!!』ってみんなに怒られて、
みんなの機嫌治す為に色々散財してた事あったよね!! ・・・283も怪しいか・・・??」

卯月「そう考えてみると、別のサーバーも探してみた方が良いと思うんですよね・・・」

凛「うん…、卯月の言うとおりだね・・・。
他を探してるみんなにも連絡取って、別のサーバーにも探索の手を広げてみよう!!」

卯月「はい!! ・・・早くプロデューサーさんに会いたいですね・・・」

凛「うん・・・、VRの世界になっちゃったけど、
今度はもう実際はアイドルとプロデューサーじゃないし、年齢だって・・・」

卯月「ええ、今度は絶対に後悔しない様に・・・、卯月、頑張ります!!」

凛「私だって譲る気は無いよ・・・。でも・・・」

卯月「ええ、見つけるまでは抜け駆けはナシ、ですよね??」

凛「フフフ、うん、じゃあプロデューサー探し、頑張ろっか!!」

卯月「はい!!」

凛「それじゃ、ちひろさん、私達他のサーバー探してみるね・・・。仕事中なのに邪魔しちゃってゴメンね??」

ちひろ「いえいえ、何もお役に立てませんで・・・」

卯月「また来ることが有ると思いますので、その時はよろしくお願いします!!」

ちひろ「はーい、頑張って下さいね」フリフリ


ちひろ「・・・・・・・・」


ちひろ「行きましたよ・・・、お二人共・・・」


(物陰からスッとまゆが出て来る)


まゆ「流石に鋭いですねぇ、あの二人・・・。でも、詰めが甘かったみたいですねぇ・・・♪」

まゆ「中身が有るなら、当然買収も効くんですよぉ・・・。
うふふ、そういう所はアバターみたいに少女(こども)のままなんだから…、凛ちゃんも卯月ちゃんも・・・♪♪」

ちひろ「あの・・・、言われた通りにしましたので、約束通り・・・」

まゆ「ええ♪ 約束通り貴女には、まゆがアイドルマスターになれた時に手に入れたヒント、
ちゃんと教えますよぉ・・・、だから・・・」

ちひろ「は、はい!!モバPさんが当社に所属してる事は誰にも漏らしません!!
データにも残しませんので、お任せを!!」

まゆ「うふふ♪ 大丈夫ですよぉ・・・、まゆは鍵なんて全く興味ありませんからぁ・・・。
今後とも・・・、よろしくお願いしますねぇ・・・♪」

ちひろ「はい!!亅


まゆ「これで良し・・・♪ もう、プロデューサーとまゆの間には誰も入って来れません・・・」

まゆ「今度は誰にも邪魔されず、ゆっくりとプロデューサーとまゆで頂点を狙えます・・・」

まゆ「この世界はまゆとプロデューサーさん以外、誰も居ない夢の世界・・・」

まゆ「当然、ライブバトルもまゆとプロデューサーさんが組めば、若い子達になんか負ける訳がないですしぃ・・・」

まゆ「ライバルになりそうな経験者達は、他のプロデューサーさんで力を出し切れるか疑問ですしねぇ・・・」

まゆ「アイドルマスターになれば、現実でもプロデューサーさんに逢える・・・、
ああ・・・、その時こそ、まゆは・・・、まゆはぁ・・・」

まゆ「うふふふふ・・・、今度こそ・・・、今度こそ、逃がしませんよぉ・・・・・♪♪プロデューサー・・・♪♪♪」



【完】

終わりです。

登場人物の女性、全員四十代という地獄。

レディ・プレイヤー・ワン面白いです。みんな見よう!!

志乃「当然」

瑞樹「私たちも」

礼子「40代よね」

早苗「違ったらシメるわよ」

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