千早「げんしけん?知らないわ。」 (30)

春香「本当に知らないの?」

千早「えぇ、私そういうオタクっぽい話嫌いなの」

春香「いや、タイトルからじゃオタクの話とか分からないと思うんだけど…」

千早「とにかく、私はそういうオタクっぽい話は読まないことにしてるの」

春香「そうなの?なんで?」

千早「だってほら、私はオタクが嫌いな如月だから」

春香「…やっぱりげんしけん知ってるよね?」

千早「知らないわ」 


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P「いててて…」

小鳥「プロデューサーさん、どうかしたんですか?」

P「えぇ、実はさっき外で転んで、その時に思いっきり手をついてしまいまして…」

小鳥「ちょっと見せてもらっていいですか…?」

P「はい…」

小鳥「うわ、これかなり腫れてるじゃないですか…病院に行った方が…」

千早「手部靱帯損傷中手骨骨折近位指節間関節捻挫。全治2カ月ですね」

P「千早、詳しいな…」

春香「千早ちゃん、やっぱりげんしけん知ってるよね?」

千早「知らないわ」

春香「おはようございます!」

律子「だから何度も言ってるじゃないですか!」

小鳥「うー、でもこれは…」

春香「あれ、朝から小鳥さんが律子さんに何か怒られてる…」

律子「事務所にはまだ中学生だっているんですから、こういう本は教育的にも…」ガミガミ

千早「どうしたのかいちょ、じゃなくて律子?」

春香「今律子さんのこと会長って言おうとしたよね?これ絶対げんしけん知ってるよね?」

千早「知らないわ」

春香「で、小鳥さんがどうしたんですか?」

律子「えぇ、小鳥さんったら何度言ってもこういう、、ほ、ホモ?、、の漫画を事務所に持ってくるからアイドル達の教育に良くないって言ってたのよ」

春香「あぁ…これは完全にオチが読めましたよ」

律子「春香も千早もそう思うわよね?」

千早「律子…」

律子「え…?」

千早「ホモが嫌いな女子なんかいません!!!」ドヤァ

春香「言えて幸せそうだね千早ちゃん…」

春香「それにしても千早ちゃん、あの日以来小鳥さんと凄い仲良くなったよね」

千早「ええそうね、正に音無さんとの友情がメバエタメ」

春香「…寒い、さすがに寒いよ千早ちゃん…」

千早「まぁ…冬だからね」

春香「…げんしけ…」

千早「知らないわ」

P「あれ?こんなところにネコミミがある」

春香「あぁなんか社長がこの前宴会で使って、もういらないからって持ってきてましたよ」

P「へー、いったいどんな宴会だったんだ…まぁそれはそれとして…」

春香(あぁ、プロデューサーさん忍び足で近づいて来てるな。ここは気がつかないフリをして、付けられたらキャーって赤面するのがいいかな?)

P(よし、気づいてないな…今だ!)

千早「プロデューサー」

P「うおお千早…いたのか」

千早「はい。それよりもネコミミを付けるっていうのは告白するのとほぼ同義なのでもう少し慎重になったほうがいいと思います」

P「そんなオーバーな」

千早「あと春香はネコミミが大嫌いなので絶対付けない方がいいです。嫌われますよ?」

P「なに?そうだったのか…教えてくれてありがとう千早」スタスタ

春香「千早ちゃん…?」

千早「…知らないわ」

春香「あっ、もしもし千早ちゃん?言ってた通り、やっぱり今日レッスン遅くなっちゃったから千早ちゃんの家に泊まらせてもらってもいいかな?」

千早『えぇ、もちろんいいわよ。ただ今まだ外だからどこかで合流しましょう?』

春香「そうだね!今千早ちゃんどこにいるの?」

千早『私は吉祥寺にいるわ』

春香「それなら渋谷で合流しよっか。たぶん私の方が早く着くから着いたら連絡してくれる?」

千早『分かったわ』

1時間後…

春香「千早ちゃん遅いなぁ…」

春香「吉祥寺からならどんなに遅くても30分くらいで着くと思うんだけど…メールしてみようかな…」

春香メール『大丈夫?今どの辺?』

千早メール『もうすぐ明大前の辺りよ』

春香「えっ?まだ明大前?ん?辺り?なんで?ってよく見たら電車遅延してるじゃん。それならそうと言ってくれればいいのに」

さらに1時間後

春香「電車動き出してから30分は経つのにまだ来ない。電話してみよう」

千早『もしもし?』

春香「あっもしもし千早ちゃん?大丈夫?今どこにいるの?」

千早『今ちょうどNHKよ』

春香「NHK?ひょっとして途中で電車から降りたの?」

千早『いいえ、そもそも電車になんて乗ってないわよ』

春香「えぇ?どういうこと?なに?千早ちゃん吉祥寺から歩いてきてるの?」

千早『そうよ』

春香「いやいや、もう深夜だよ?女の子が一人で歩くにはあぶな…」

千早『…』

春香「吉祥寺…明大前の辺り…NHK…深夜…歩く…。千早ちゃん、げんしけん…」

千早『知らないわ』

千早「高槻さんは偉いわね」ヨシヨシ

やよい「えへへ、千早さんに誉められるとすっごい嬉しいです」ニコニコ

P「うーん、こうして見てると二人は本当の姉妹みたいだな」

やよい「えっ?千早さんと私がですか?」

P「あぁ、だってやよいは千早を好きだろ?」

やよい「はい!私、千早さんのこと大好きです!」

千早「…春香」

春香「えっ私いたの?なに?どうかした千早ちゃん?」

千早「ここは鼻血でも流す場面かしら?ツーって」

春香「いや、こんなときまで無理にネタに走らなくても…」

やよい「でも本当に千早さんがお姉ちゃんだったら嬉しいです」

千早「ありがとう高槻さん。でも私達は本当の姉妹じゃないほうがいいわよ」

やよい「うぅ…千早さん、やっぱり私なんて妹にしたくないんですね…」

千早「違うわよ高槻さん」

やよい「…?」

千早「だって、血の繋がった妹なんているわけないのよ」

やよい「…え…?」

春香「いや絶対意味わからないから!というか千早ちゃんやっぱりげんしけん知ってるよね?」

千早「知らないわ」

某ライブにて

響「…でねー、その日は貴音の家に泊まったんだけど、あの夜は月が凄い綺麗だったさー!ね、貴音?」

貴音「え、えぇそうでしたね…」

ファン1『ふぅ~』

ファン2『ひびたか最高ー』

響「…?って、月が綺麗ってそういう意味じゃなくて!」アタフタアタフタ

貴音「響は、私のことが嫌いなんですか…?」

響「ち、違うぞ!貴音のことは好きだけど、月が綺麗って意味じゃなくて、、」

貴音「月は綺麗でしたよね?」

響「いやそうなんだけど、、、うがー自分どうすればいいんだー!」

ファン1(響ちゃん、可愛い)

ファン2(ひびたか最高)

貴音(響は可愛いですね)

千早「…」フムフム

別のライブにて

千早「今日は私から春香に言いたいことを言わせてもらうわね」

春香「えー、なんだろ?」

ファン1『ふぅー』

ファン2『はるちは最高ー』

千早「この前春香が私の家に泊まりに来たことあったでしょ?」

春香「あー先月だよね」

千早「その時のことなんだけど」

春香「うんうん」

千早「春香はあの時…鼻毛が出ていたのよ!!」

春香「のワの」

ファン1『お、おい春香ちゃん鼻毛だってよ…』

ファン2『はるちは最高ー』

春香「って、違いますよ!皆さんこれは千早ちゃんが げんしけん の真似をしてるだけで、私は鼻毛なんて出てません!千早ちゃんも早く誤解を解いて!」

千早「げんしけん?知らないわ」

のワの「やめてー、普段はいいけど今だけはそのノリやめてー 」

帰り道

春香「もー、千早ちゃんのせいで恥掻いちゃったじゃん!」

千早「だから何度も謝ったじゃない」

春香「とにかく、あーゆう冗談はやめてよね!」

千早「…冗談じゃなかったのよ…」

春香「えっ…ちょっと待って…こーゆー時、なんて言えばいいの…?」

千早「…知らないわ」


終わり

おまけ

千早「えー、第256回本当はげんしけん大好きだよ会議ー」

小鳥 響 雪歩「いえーい」

春香「まぁ知ってたけどね。というか3人も好きだったんだね」

千早「今回のお題は『結局斑目さんとのカプは誰が最高か』よ」

響「自分はやっぱり王道を行くササマダが最高だと思うぞ!」

千早「分かるわ」
小鳥「分かるわー」
雪歩「分かりますぅ」

響「世間的にはネクタイのくだりくらいから注目されてるカプだと思うんだけど、自分はそれよりもずっと前の、冬コミで」

雪歩「あの後ろから見るやつ?」

響「そうそう!さすが雪歩!」

小鳥「あーそこのカット…2人の立ち位置が想像を掻き立てるのよね…」

響「立ち位置的にはマダササなんだけどね」

千早「身長的にちょうどいいんだったら高坂でも良かったのにあえてささやんってところがポイントよね」

雪歩「そう!そうだよ千早ちゃん!斑目さんが笹原さんを近くに置こうとするのって高坂さんを少し遠くに置きたいっていう気持ちの表れだと思うんだけど、それって結局春日部さんを好きの裏返しなだけであって、勘違いされがちだけど斑目さんは高坂さんのことも笹原さんと同じくらい好きだと思うんだよね」

春香「ゆ、雪歩…?」

響「雪歩はマダコウ推しか」

雪歩「うん、正確に言うとコウマダかな」

小鳥「分かるわ雪歩ちゃん。後輩として好きな高坂くんと、咲ちゃんの恋人=ライバルとしての高坂くんが同時に存在するがゆえに距離感に悩み結果として笹原さんを近くに置くという落としどころでお茶を濁しているけど、逆にその近くもあり遠くでもある微妙な距離感が疑似恋愛的な視点からカプとしては理想的な関係なんじゃないかということよね?」

雪歩「そうです!さすが小鳥さんですぅ!」

小鳥「でも雪歩ちゃん…残念ながら私はコウマダ推しじゃないのよ」

雪歩「えっそうなんですか?」

千早「音無さんはどのカプ推しですか?」

小鳥さん「ふふふ、ならばあえて声高らかに言わせてもらいましょう、ハトマダ アリだなと!」

雪歩「あー」
千早「あー」

響「自分、ピヨ子は絶対ハトマダ推しだと思ってたぞ」

雪歩「分かります、小鳥さん、波戸君ドストライクっぽいですもんね」

小鳥「そうなの!!実を言うと私も初代まではコウマダ推しだったの。だけど二代目でハトマダという神カップルが出てきてしまってからはハトマダの虜なの!」

響「二代目からは高坂の出番極端に少なくなったからなー」

小鳥「響ちゃん…い、痛いところ、つ、ついてくるわね…」

響「出た!ピヨ子の十八番!クガピーの物真似!」

千早「でもハトマダ推しってことは、そんな未来の方で…」

響「あーそういえばついに…」

小鳥「そう!そうなのよ!!そんな未来の方でとうとうやってくれたのよ!」

雪歩「あれ、表現もだいぶストレートでしたよね」

小鳥「やっぱり載せる誌面が違うと表現もだいぶ変わるのね。正直、あのシーンで私…」

小鳥「…」ゴクリ

千早 雪歩 響「…」

春香(あっ、なんか空気が…)

小鳥「と、ところで春香ちゃんはどのカプ推しなのかしら?」

春香「えっ、私ですか?そうですね、さっきからみんなが言ってるカプって男ばっかりですけど、女でもいいんですよね?」

小鳥「もちろん良いのよ!斑目ハーレムには豊富な人材がいっぱいいるんだから」

響「自分、ハーレムならアンジェラ推しだな!年に2回しか会えないのにあの熱意は本物だぞ!」

千早「いや、アンジェラだけはないわね。ちなみに私は妹推しよ」

響「千早がアンジェラないって言ってるのは胸がデカイからだろ」

千早「…くっ…」

小鳥「私はハーレムでも当然ハトマダよ!ハトマダこそ至高なのよ!」

雪歩「私は最終的にくっついたスーちゃんで良かったと思いますよ。それで春香ちゃんは?」

春香「いや、なんていうか…逆に普通過ぎてファンの中ではにわか扱いなのかもしれないけど、、私はやっぱりサキマダが良いと思うんだけど…?」


千早「…」
雪歩「…」
小鳥「…」

響「あー、言っちゃったぞ…」

春香「えっ?ダメだった?やっぱりにわかだった?」

小鳥「いや、ダメというか…」

千早「いい春香?げんしけんの全てのカプの中でサキマダを越えるカプは存在しないの。なのにげんしけんという作品の中にサキマダというカプは存在しないのよ。分かる?私達はこの矛盾の中で永遠に悩まされているの。自己矛盾と首尾一貫がめぐりゆく世界を歩いてゆくの!」

雪歩「そうだよ春香ちゃん。ササマダという最高のカプが存在しないからこそ私達は斑目さんに色んなキャラを宛がうの。星は落ちても流星になるように、斑目さんは振られても総受けなの!!」

春香「な、なるほど…なんだか分かったような気がする…」

千早「…とまあ同類!ということで一緒に入場してみてはどう?」

春香「えっ?入場?」

放送『ただいまより、コミックマーケット…』

春香「ってここコミケ会場だったの!?」

響「よしじゃぁ行くさー」

小鳥「行きましょう!」

雪歩「せーの」

一同「私たちの戦いはこれからだ!!」

春香「って未完エンド!?」

千早「イエース、未完イズベストエンド!!」



本当に終わり


作者の次回作にご期待ください。

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