西片「高木さん…マジでやめてよそういうの…迷惑なんだよ…」 (21)

高木「えっ?」

西片「いつもそうやって僕をからかってくるけどさ…最近成績落ちてきたし、授業に集中したいんだよ…前向いててよ…」

高木「ふーん、わかった」

西片「……」

高木「……」

教師「ここはxに3を代入して…」

西片「……」カリカリ…

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高木「……」チラッ

西片「……」ペラッ、カリカリ

高木「……」ウズッ

西片「……」カリカリ

高木「……ねえ西片」

西片「…何?」

高木「なにか、ゲームしようよ」

西片「……」

高木「あっ、こういうのはどうかな。しりとりをして…」

西片「……高木さん」

高木「…うん、ごめん」

先生「よーし帰りのホームルームやるぞー」

「せんせー、そろそろ席替えしたい」

先生「そういえば前の席替えからもう1ヶ月経ってるな、じゃあくじ引いて決めるか」

「よっしゃー」
「俺後ろの席がいいや」

高木(席替え…)

西片「……」

先生「じゃあ左の列から前来てくじ引けー」

高木(22番、西片は23番、また隣だ!)

西片「……」机ガタガタ

高木「前より窓から離れちゃったけど、また後ろで隣だね?」ガタガタ

西片「…そうだね」

次の日

先生「朝のホームルームやるぞー。田中、お前西片と席変えていいか?」

高木「えっ」

先生「目が悪くなってきたから変えて欲しいって、昨日の放課後に西片が言っててな」

「いいですよ、一番前から一番後ろとかラッキーすぎ」ガタガタ

先生「はは、良かったな」

西片「…じゃあね、高木さん」

高木「……」

高木「…ねえ西片。今年の夏休みもプール行こうよ」

西片「…ごめん、夏休みは塾の講習で埋まってるんだ」

高木「そっか…」

高木「今年の夏休みは公園に行っても西片はいない…」ゴロゴロ

高木「……」

高木「…勉強しよ」

先生「夏休みも終わって受験はすぐそこだ、気をぬくんじゃないぞ」

高木「……」

先生「ここのhaveの意味は…」

西片「……」カリカリ

校長「明日から冬休みですが…」

「Zzz...」「Zzz...」

先生「明日はいよいよ公立高校の入試です、持っている力を全て出し切り…」



高校教師「試験を始めてください」
高木「……」カリカリ…
西片「……」カリカリ…

そして合格発表の日

高木(302番…302番…)

高木(…あった!)

高木(西片は…?)

西片「……」

高木(いた…!)

高木「…ねえ西片、どうだった?」

西片「…………」

高木「…西片?」

西片「…………」




西片(どうだ高木さん!この微妙な間!もしかして落ちたのではないかと思わせるこの間!)

西片(さあ聞いてみろ!もしかして落ちた?と聞いてきたら、自信満々に『受かった』と言い放つ!)

高木「そうそう、あたし落ちたよ」
西片「えええええええええ」

高木「あっはっは、ひっかかった」

西片「ちょっ、ひどいよ高木さん!一瞬信じちゃったじゃないか!」

高木「あたしが落ちるわけないじゃん、もう」

西片「う、たしかに…」

西片(そう、高木さんは頭がいい…とてつもなく)

西片(あれは一年前…)

西片(成績が悪すぎる…なんてこった)

高木「…ねえ西片、どうだった?」

西片「すごく悪かったよ…」ペラ

高木「うわーそれはすごいね、すごすぎ」ニヤニヤ

西片(うっ、見せなければよかった…)

先生「3年生になってからの初のテストだからな、しっかり見直して受験に備えろよ」

西片(…ん?受験?)

西片「…高木さんってどこの高校に行きたいの?」

高木「んー、あたしは〇〇かな」

西片(〇〇高校…!県内でもトップの進学校…)

西片(このままだとまず高木さんと同じ高校には行けない…!)

西片「高木さん!勉強教えて!」

高木「えっ?」

西片(それからというもの、視力が落ちるほど勉強に励んだ…)

高木「西片、メガネずり落ちてるよ」

西片「え、あ、うん」くいっ

高木「メガネにしたの3年の始めくらいだっけ?急に視力落ちたよね」

西片「かなり勉強したからね…成績上がり始めたのもその辺りからだったよ」

高木「あたしの教え方がうまかったのかな?」

西片「正直、高木さんが授業中にからかうのをやめてもらったことのほうが大きいと思う」

高木「…あはは、2年の頃のことはごめんって。ちょっと邪魔しすぎたとは思ってるけど…」

西片「まあ、その分通学のときに勉強見てもらったからいいよ。ありがとう」

高木「そういえば、3年になってから毎日行き帰り一緒だったね。席が離れた分そこでたっぷりからかえたからあたしも満足だったよ」

西片「あはは…」(おかげでかなり筋肉ついたなぁ…)

高木「まあ、高校でもよろしくね」

西片「…うん」







先生「こういうわけで印象派は…」

西片(春の陽気、窓際の席、まともにやる気も出ない美術の座学…)

西片(そして隣の席の高木さん…)

高木「……ねえ、西片」

西片(来たっ!)

西片「…何?」ニッ

高木「なにか、ゲームしようよ」ニッ

おわり

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