春香「ACですよ、AC!」 (94)

真「うーん…、どうすればいいんだろう…」ハア...

春香「どうしたの真?溜息なんかついちゃって」

真「あ、春香。…いや、ちょっとね」

春香「また王子様系の仕事でも入ったの?」

真「いや、そーいうのじゃないんだけど」

春香「ほお、それは意外。その手のこと以外で真が悩んでるのって珍しいね」

真「まあ、個人的な事で全然深刻なことじゃないんだけどさ。多分聞いても分からないと思うし」

春香「そう言われると気になるなぁ」


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真「…春香ってゲームとかしたりする?」

春香「ゲーム…?スマホゲームとかのこと?」

真「いや、Wiiとかガッチリしたやつ」

春香「据置系のこと?」

真「そうそう。で、春香はその手のゲームとか持ってたり…」

春香「一応ジャンルは偏ってるけど持ってるよ」

真「へえ、それは以外だなぁ。春香はあんまりゲームをしてるイメージがないんだけど」

春香「まあ、ジャンルがジャンルだからね…」

真「じゃあさ、ロボゲーとか分かるかな?」

春香「…ロボゲー?」

真「そう、ガンダムみたいなのとかさ」

春香「…似たようなゲームは遊んでるよ」

真「ホントに以外だなぁ。本当に春香?」

春香「かわいいかわいい本物の春香さんですよ。で、そのゲームがどうしたの?」

真「それがさぁ…、」

ほわんほわん...

数日前

響「うぎゃー!?また負けたぞ!」

真「これでボクの20連勝。もう負けを認めたら…」

響「ずるいぞ真!自分が得意なゲームで勝利してそんなに罰ゲームを受けたくないのか!?」

真「いや、まず勝負を持ちかけてきたのは響だし、罰ゲームを設けたのも響だし、それにこのマリオカートを持ってきたのも響だよね?」

響「いや、真はやり慣れてる感があってフェアなゲームじゃ無かったぞ!」

真「そんなこと言われても。確かに昔遊んだ事はあるけど、それこそ久しぶりだった訳だし…」

響「とにかくこのゲームはノーカン!ノーカウントだぞ!」

真「…まあ、別にいいけどさ。勝った方が何でも好きなことを1回命令するって言っても、ボクは下の自販機でジュース買ってこいぐらいの事しかする気無かったし」

響「…更に敗北感が」

真「じゃあそろそろ片付けてレッスンに…」

響「このままじゃ終われないぞ…。あっ」ティンッ

ニヤリ

響「真、ちょっと待って欲しいぞ!」

真「…まだ何かするの?」

響「今回のはゲームが悪かったんだぞ!だから今度はゲームを変えて勝負!」

真「どうせ響がやり込んでる奴でしょ。それならボクは勝ちようがないしパスかな」

響「い、今すぐじゃなくていいんだぞ!?貸してあげるから1週間くらい練習して勝負を…」

真「でも、仕事もあるし時間が…」

響「やらないのか…?」うるうる

真「うっ…」

響「……」うるうる

真「…1回だけだからね」

響「その言葉が聞きたかったぞ!」ニヤリ

真(思いっきり何か企んでる顔だ)

真「…で、そのゲームは?」

響「ちょうど持ってきてるから置いていくぞ!じゃあ、これから自分営業で暫く沖縄に行くから1週間後に対戦で!」

真「え、ちょ」

響「負けたら1日何でも命令を聞くだからな!」

真「なんか変わってる!?」

ダダダダダダダダダダダダッ!

バタンッ!

真「…どうしてこうなった」

ほわんほわん

真「で、今に至る」

春香「それは災難だったね…」

真「まあ、本当なら明後日に対戦予定だったんだけどさ。幸い沖縄に2個連続で台風が来てるから延長で後5日ぐらいは練習出来るんだけど…」

春香「だけど?」

真「ストーリーモードがクリアできない」

春香「あちゃー」

真「してやられたよ」

春香「対戦するならストーリーモードクリアは最低限しておかないと辛いよね…。ちなみにどこで止まってるの?」

真「多分序盤辺り」

春香「えっ!?」

真「まさかこんなに難しいゲームだとは思わなくてさ。攻略サイトは基本ラスボスで詰まない限りは見ないんだけどさ、いよいよ持って解禁するしかないかな」

春香「そのゲームのタイトルは?」

真「ロボゲーやってるなら知ってるかもしれないけど、『アーマード・コア』っていうゲームで」

ゾクリッ

真「!?」

春香「……」

真「…春香?」

春香「ナンバリングは…」

真「へ…?」

春香「そのACのナンバリングは?」

真「えーしー?」

春香「そのゲームの略称だよ」

真「…ああ、成程。何本か貰っててその中でボクがクリア出来たもので対戦するっていう感じになってて」

春香「今、真がやってるのは?」

真「ちょうどソフト持ってきてるから直接見てよ。取ってくるね」

春香「うん」

タッタッタッ

真(敢えて言わなかったけど、あれは相当やり込んでる雰囲気だ…。繰り返すようだけど本当に意外だなぁ)

真「えっとこの6本だね」

春香(MoA、2AA、3、NX、f4、VD、か。全体的に難易度が高め…。多分3は適当に入れたんだろうけど)

春香「この中のどれをやってるの?」

真「響に聞いたら『とりあえず新しいのから始めて慣れてみれば』って言われたからこのヴァーディクトデイってのをやってたんだけど…」

春香「あー…」

春香(確信犯だ…。キーコフィング弄らないと普通の操作すらままならないものを勧めるなんて)

真「もしかしてボク騙されてる?」

春香「いま真が遊んでるそれはある意味では敷居が高いナンバリングだからね…。難易度以前にそれは1度ボタン設定からしないといけないから…」

真「どおりで難しいと思ったら」

春香「確認だけど真はどうしたいの?」

真「さっきまではそうでもなかったんだけど、だんだん勝ちたくなってきたな」ゴゴゴゴゴゴゴ...

春香「おお…、闘気が」

真「さっきの話聞いてると取り敢えずはボタン設定変えたらなんとかなりそうだし、これをクリアして勝負しようかな」

春香「そうだね…。はっ!」

真「?」

春香(いや、響ちゃんがこれを勧めてきたという事なら少なくともこれなら負ける気がしないということ。中途半端に慣れている場合このシリーズは重二の構えなし手持ち武器を想定した防御値のアセンにしがち。なら恐らくそれを想定したアセン、ガチタンを使った中近距離火力高めの構成が有り得る。かといってそれの対策にOWやパイルを用いた戦法は初心者にはハードルが高すぎる。V系はなし)

真「おーい、春香ー?」

春香(次にfA。4系はスピード感が他のシリーズよりも飛び抜けているが、寧ろ真からすればそっちの方が得意なはず。だけど今から2段QBを完璧にマスターするには時間が足りない。もしかすれば響ちゃんが4系を苦手な可能性もあるけど、それなら最初から渡さないはず。まずクリアしたもので対戦するとなればカーパルス占拠が鬼門すぎる…。ともなれば4系もなし)

真「聞こえてるー?春香ー」おーい

春香(次にN系。NXを使うようだけど、聞く限りパーツ制限を設けてないようだし、響ちゃんは間違いなく熱ハメを意識したガチタンでくるはず。タンク同士の対決の場合は経験の差が露骨にでる。恐らく真に今から教えてもサイティング重視の動けないタンクになってしまう可能性が高い。N系もなし)

真「春香ー…」

春香(続いて3。特にゲームシステムは問題点はないし、他に候補が無ければ最有力候補かな。ゲームクリアも比較的簡単だし。ただこれは残りの2つにも言えることだけど、なれない人にはとことん十時キー操作は慣れないんだよね…。特に3系はW鳥が可能だけど、それをするとなると自分にあうキーコフィングを1から模索する形になるから時間が…。OB吹かして切る戦法ならワンチャン…?まあ、保留で)

真「あ、他のシリーズはちゃんと説明書があるのか」

パカッ

春香(2系。まだ2なら唐澤ゲーで何とか対戦もごり押し出来そうだけど、2AAとなるとまずクリアが厳しくなるよね。あの感じだとロストフィールドもクリアがクリア条件だろうし、操作なれが厳しいよね。時間があれば候補だったけど今回は2系もなしかな)

真「あー、PS2までのは2枚組もあるのかー」

春香(そして最後は初代。MoAかぁ…。どこまでがクリア条件なんだろ。全クリ後の再挑戦セラフまでもを含めるなら途端に跳ね上がるんだよね、難易度が。アレだけは初見だと急に別ゲーしてる様に感じるし、もしタンクで進めてたりでもしたら間違いなく詰む可能性があるよね。というより先のシリーズ的にも操作慣れにも時間が欲しいし、これも今回はパスかな)

春香「と、なると…」

真「あれ、これよく見たら違うゲームだ」

春香「どうしたの?」

真「あ、やっと戻ってきた。今ネクサスの説明書見てたんだけど、この箱に入ってる2枚目が違うゲームだったんだよ」

春香「へぇ…、!?」

真「急にどうしたの?」

春香「真」

真「うん」

春香「これで行こう」

真「へ?」

ACT.1

『ARMORED CORE LAST RAVEN』

プレイヤー:菊地 真

春香「それでは初めにアーマード・コア ラストレイヴン、通称ACLRについて軽い解説を」

春香「本作はPS2ACシリーズの最後の作品であり、最後の『レイヴン』が主役のACです(4主は本編でネクスト機しか乗らないなので除外)」

春香「最大の特徴としてはストーリー分岐数がシリーズ最多でありながら、そのシステム仕様もあいまってクリアが非常に難しい高難易度のゲームであることです」

春香「特に中立ルート枠にある、かの有名なラスジナルートはそれこそ鬼のような難易度を誇ります。そしてシリーズ屈指の感動モノのエンディングでもあります(レイヴン感)」

春香「色々とありますが、このゲームについてこれだけは絶対に言えることがあります」

春香「それは『絶対にこのゲームをシリーズ初心者には勧めるな』ということです」

真「で、ボクには今からそれをやれと」

春香「いえす!」

真「正座」

春香「なぜっ!?」

真「ボク初心者なんだけど」

春香「そうだね」

真「思いっきり初心者に勧めるなって言ったよね」

春香「うん」

真「それをなぜ勧める」

春香「総合的に考えて」

真「なにをどう!?」

「さっきから騒がしいわね」

春香「あ、律子さん」

真「ご、ごめん。仕事の邪魔になったかな」

律子「別に構わないわよ、ちょうど休憩だったし。で、春香」

春香「はい」

律子「少し話は聞いてたけどなぜそれを勧めるのかしら」

春香「律子さんも気になるんですか?」

律子「ええ。流石の私も涼にやらせた際には候補に混ぜなかったものをなぜ勧めたのかが気になって」

真「あれ、もしかして…」

律子「ソロ専だけど私もACやってるのよ」

春香「ちなみに律子さんは人間TASレベルの強さだよ」

真「何それ怖い」

律子「褒めても何も出ないわよ」

春香「いや、普通に事実を言っただけですよ。生身の人間が飛来してくる敵をロケットで予測撃ちは出来ませんからね」

律子「そう?慣れれば誰でも出来ると思うけど」

真「いまいちよく分からないけど、多分ヤバいってのは何となく分かったよ」

律子「私のことはどうでもいいわ。で、春香。話を戻すけど、どうして真にこれを勧めたのかしら」

春香「いろんな理由があるんですが、1番の理由としてはゲームクリアが同時に対戦の練習になるという点でしょうか」

律子「あの強化人間ゴリ押しAIで?」

春香「そこも折込み済みです」

律子「…成程ね」

春香「流石律子さん!まるでマンガのような高速理解!」

真「…話に付いて行けないや」

春香「ま、とにかく!これから真には1週間で一流レイヴンになってもらうよ」

律子「私もできる範囲であれば協力するわ」

真「どうしてもこれでやる流れなの…」

春香「勝負内容的にはちょうど良いと思うんだけどなぁ」

真「いや、聞く限り茨の道を行ってる気しかしないんだけど」

春香「否定はしない」

律子「確かにストーリークリアだけなら間違いなく茨の道ね。でも、今回の勝負はその後にある対戦でしょ?」

春香「響ちゃんのレベルがどの程度かは不明だけど、1から始めて対戦するならACLR程勝率が高いゲームはないんじゃないかな。運ゲー要素抜きにした場合なら」

真「…そうなの?」

春香「うん。私の予想だと響ちゃんは多分これを選んだ場合『アレ』でくると思うから、仕様さえ理解できれば多分勝てるよ」

律子「それに真、仮に負けた場合響がどんな罰ゲームを用意するか想像してみなさい」

真「うーん…、1日動物のお世話手伝いとか?」

律子「温いわ」

真「へ?」

律子「下手すれば1日貴音とラーメン探訪よ」

ほわんほわん...

響『じゃあ自分用事があるから代わりに真に真と自分の分まで楽しんで!アデューだぞー!』

バタンッ!

貴音『響が急用で来れなくなったのは誠残念ではありますが、真が来てくれるのであれば問題ありませんね』

真『それで今日はどこに行くんだい?』

貴音『二郎巡りです』

真『二郎かぁ…。ん?』

貴音『はてなにか』

真『…巡り?』

貴音『ええ、本日は各所の二郎を巡業するのです』

真『じょ、冗談じゃ』

貴音『真、誠です』

真『うわあああああああ!?』

―――――――――

――――――

―――

キュラキュラ...

真(ここは…)

『これが今度の実験体か』

『はい、資料では元アイドルだとか』

『なるほど、例のルートからか』

『麺が相当な量だったそうですよ』

『夢、敗れたりか。だがこの実験でまっこまっこする事が出来る』

『生きていれば、ですがね』

『ま、そういう事だな。では、始めようか』

真(や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉお!)

ほわんほわん

律子「そして次に目を覚ました時にあなたは…!」

真「いやこれはおかしいでしょ!?」

春香「でも貴音さんだよ?」

真「……」

春香「もしかしたら…、てっ思ったでしょ」

真「…まあ、多少は」

律子「つまりあなたの選択肢は一つ」

真「いや、別に響がそんなお願いするだなんて決まってないし…」

律子「次の貴音のオフスケジュール知ってるかしら?」

真「知らないけど」

律子「一言『ラーメン巡り』と書かれてたわよ。勿論響も同じ日に同じ内容でね」

真「なっ」

律子「そして同日はあなたもまっさらオフよ」

真「…2人ともよろしくお願いします」

律子「よろしい」

春香「これはさすりつ」

真「でもいいのかなぁ」

春香「なにが?」

真「いや、1週間とはいえやり込んでる2人から教えて貰うだなんて」

春香「フェアじゃないと」

真「そうなるかな」

律子「真、あなたはすでにVDを触ってるから分かるとは思うけど、ACというのは全シリーズ共通で慣れるまでが大変なゲームなの」

真「そこは何となく分かるけど」

律子「まだそれにしか触ってないから分からないかもしれないけどそれこそナンバリングが変わるだけで別ゲーのような操作感になるのよ」

真「そうなの?」

春香「後で他のも触れて貰おうと思ってたけど、PS3の4系とV系は初見さんにはそれぞれ別ゲームのタイトルと思っちゃうくらい違うよ」

真「それは大変そうだなぁ…」

律子「でしょ?そんなゲームを初めてする真にあたかも選択肢を増やすように見せかけて練習時間を減らさせようとしてる時点でフェアもクソッタレもないのよ」

真「そう言われてみればそうかも」

春香「今回は私が決めたからその点は問題が無くなったけど、操作感の慣れもそれこそロボゲーの対戦重視の練習なんて普通の環境じゃ出来ないしね」

真「確かに…」

春香「だからフェアじゃないとかそーいうのは気にしなくていいよ。最悪1週間以内にどれもクリアすら出来ない可能性があったんだからさ」

律子「それに私も1から10全てを教えてあげる気はないし。あくまで基本的な部分の補足やサポートをメインにする、予定よ」

真「それならそう思うことにしようかな」

春香「まあ、私の中ではすでに『菊地真最速ドミナントチャート』が出来上がってるんですけどね」

真「思っていいのかな」

春香「じゃあ早速やってみようか」

真「家に本体があるから帰ってからでいいかな」

律子「その必要はないわよ」

真「えっ」

春香「もう出来てる」

♪フワァーン

真「なっ、いつの間に!?」

小鳥「仲間が出来ると聞いて」ピヨっ

律子「出たわね変態技術者」

小鳥「よせやい照れる」

真「…小鳥さんもやってるんですか?」

小鳥「クリアが精々の実力だけどね。私の本業はそっちじゃないから」

真「本業?」

春香「ドミナント♂ですよね分かります」

小鳥「イメージ優先でなんでもそっちに持っていかないで。もう、春香ちゃんは知ってるでしょ」

真「あの、本業というのは…」

律子「小鳥さんは報酬さえ渡せば依頼通りのエンブレムを作成してくれる職人なのよ」

真「エンブレム?」

春香「ほら、あの機体に貼りつける」

真「…ああ!あのマークみたいなもののことか」

小鳥「あんぱん2個でどんなエンブレムでも作るわよ。4系でもそれに近い形のを作ってあげられるわ」

真「まだよく分からないけど、それって凄い事なんだよね?」

春香「実際に見たら分かると思うよ。私もエンブレムに関してはこの事務所に来てから小鳥さんに頼んでばっかりだもん」

真「へぇ…」

小鳥「まま、私の事は後でいいじゃない。それより…、」

律子「そうね。小鳥さんが準備してくれたみたいだし始めようかしらね」

真「あの、せっかく準備して貰って悪いんですが、ボクもう少ししたらダンスレッスンが」

バタンッ!

高木「心配には及ばんよ菊池くん!」

真「社長!?」

高木「先方のスタジオには予定の変更をこちらから伝えておいた。今日は存分に練習してくれたまえ」

真「ええ…」

律子「プロデューサーには伝えてますか?」

高木「勿論だとも。彼も二つ返事で了承してくれたよ」

真「何がどうなってるんだ…」

高木「では諸君、新人レイヴンをよろしく頼むよ!」

バタンッ!

春香「よしっ、社長のお墨付きも貰えたしガッツリ出来るね」

真「聞かなくても何となく分かるんだけどさ、社長も…」

律子「ええ、勿論よ。そしてプロデューサーも」

真「この事務所大丈夫なのかな(経営的に)」

律子「そこも含めて考えてあるから心配しなくていいわよ」

真「なぜみんなここまで必死なんだ…」

律子「後で分かるわ」

春香「さて座った座った!今日の真にはいろんなことをやってもらうからちゃっちゃっと動いて貰わないと!」

真「はいはい」

春香「まずはオープニングを見てこのゲームの世界観を感じて貰おうか」

カカッ

《FROM SOFTWARE》

真「あれ、映像が」

春香「演出だから気にしなくていいよ」

律子「ちょっと今いいかしら、春香」

春香「大丈夫ですよ」

律子「聞きたい事がいくつかあるのだけど…」

春香「了解しました。真、オープニングが終わったらニューゲーム押して待機しておいて」

真「分かったよ」

バタムっ

律子「さて、時間がないから手短に」

春香「どーぞ」

律子「ぶっちゃけ今日はどこまで進めるのかしら」

春香「行けるところまでですね」

律子「まだ決めてはいない、と」

春香「一応流れは決めてるんですが、それこそ真に合わせて調整しないといけないので。本日は様子見です」

律子「もし1週間で無理そうだと思ったら?」

春香「その際はVDに切り替えようかと。本来なら3辺りが良さげなんですが、1週間でクリアをした上で対戦をいい所にまで持っていくには旧操作はハードルが高いかと思いまして」

律子「V系は充分ハードルが高い気がするけど」

春香「直感的な操作のし易さとゲームスピード的には真にあってると思いまして。それに良くも悪くもストーリーが一直線なのでクリアも早く出来て対戦にも時間が割けますし」

律子「なら初めからV系にすれば」

春香「確実に勝つとなればACLRかと」

律子「…なるほどね」

春香「そちらの方も流れはある程度は決めてるのでアフタフォローもバッチリです。他にはありますか?」

律子「じゃあ最後。…あの子も「あの人」と同じなのかしら」

春香「さあ?」

律子「さあっ、て」

春香「何となく似たものは感じてますがそれがどう出るかは現時点ではなんとも」

律子「そう。ならあんまり無理をさせないようにね」

春香「私も贅沢は言いませんよ。仲間が増えるだけで嬉しいんですから」

律子「……」

春香「もうオープニングも終わってると思いますし、戻りましょうか」

律子「そうね」

真「なに話てたの?」

春香「ひみつー」

律子「別に隠すような事じゃないでしょ。今後の方針の確認をしてただけよ」

真「ふーん」

春香「ね、ね、ところでさ!オープニングはどうだった?」

真「感想を言えって?」

春香「うんうん。それも大事なところだからさ」

真「…全体的に退廃的な雰囲気がしたかなぁ」

春香「ほう。ちなみにどうしてそう思ったのかな?」

真「なんだろう、ロボものってさ、正義とか悪とかがすでに明記されてる作品が多いじゃん?」

春香「例えば?」

真「まあ、基本は主人公側が所属するのが正義軍で敵対する勢力が悪みたいな」

春香「ふむふむ」

真「でもさ、このオープニングでは主人公がいないじゃん」

春香「まあ、主人公はプレイヤーとプレイヤーが作った機体だからね」

真「そう、だからオープニングの戦闘も正直プレイヤー視点からすればどちらに正義があるのか分からないんだよ。まあ、どっちもあるないが正解だとは思うけど」

春香「まあただの市街地戦だしね」

真「言葉じゃいい辛いけどさ、大義とかじゃなくて『利』のみで戦うことは凄く退廃的な行為だと思ったんだ」

春香「…まことー」

真「なに?」

春香「考えすぎじゃない」

真「ここまで言わせておいてそりゃないよ」

春香「私的にはカナブンとかそっちの方に行くかなぁと思ってたんだけど」

真「ええー…」

春香「まあ、真にはストーリーが合うっぽいのは何となく分かったから良しとしよう」

真「なんか釈然としないなぁ」

律子「話は終わったかしら」

春香「終わりましたよー」

律子「次は初期設定ね」

春香「いじる所と言えばキー配置ぐらいですかねー」

律子「一応操作タイプの確認はしておいたら?」

春香「そうですね。真、そこのコントローラーを持ってこっちに寄って」

真「はいよ」

ゴトッ

春香「まず始める前に質問なんだけど、真が最近長く継続してプレイしたゲームってあるかな」

真「マリカー」

春香「それ以外では?」

真「FPS系のゲームかな」

春香「そうなんだ。じゃあ、何も考えず両手の指をスティックとR1・2とL1・2に添えて持ってみ」

真「持ったよ。これでいいかな」

春香「おーけーおーけー。じゃあ、何かを操作してることをイメージして暫くガチャガチャ動かしてみて」

カチャカチャ...

真「こう?」

春香「そうそう。で、そのまま暫く今のイメージのままで動かしてみて」

真「了解」

カチャカチャ...

春香「……」

律子(ホント集中力だけは段違いで凄いわね。これがACだけじゃなくてレッスン関係にも振れていればトップアイドルなんてすぐなのに…)

春香「すとーぷっ。大体分かったから次に行こうか」

真「何が分かったのやら…。この画面に表示されてる2つのうち1つを選べばいいのかな」

春香「いえす!Aて書いてあるのを選んでね」

真「ねえ、AとBはどんな違いがあるの?」

春香「Aはスティックを使って機体動作と視点移動ができる操作で、Bは十字キーとLRでその操作するの」

真「ぱっと聞く感じAの方が操作しやすそうだけど、Bは玄人向けの最終的には最適操作的なものなのかな」

春香「うーん…。その前のナンバリングはBしか無かったから、これ以前のシリーズはそうと言えばそうなんだけど…」

真「だけど?」

春香「ゲームシステム的にも対人を考えるならA一択に近いんだよ。後で時間がある時にBを触れば分かるとは思うけど」

真「なるほどね。じゃあ、A操作で始めるよ」

【第1回オールド・レイヴン】

千早「さて始まりました解説コーナー『オールド・レイヴン』。進行役は私、如月千早。そして、解説は」

「そう、僕だ」

千早「武田蒼一さんの2人でお送りします」

武田「よろしく」

千早「……」

武田「あまり気分がよろしくないようだね」

千早「いえ、まだ導入すら終わってない亀レス状態ですのにこんな寄り道コーナーをしても良いものかと…」


武田「空気など読むな」


千早「…つかぬことをお聞きしますが」

武田「なんだい?」

千早「それを言いたかっただけなのでは?」

武田「…さて時間も圧している。解説にいこう」

千早(これは第2回以降はなさそうね)

千早「気を取り直して…。さて、今回解説するのはB操作の解説についてです」

武田「アーカイブにも初期三部作は置いてあるが、PS3以降からのプレイヤーではPS2までのシリーズを触っていない人もいるかと思ってね。今回解説することにしたんだ」

千早「でも十字キー操作でメイン操作という説明だけでも充分伝わるのでは?」

武田「情報だけ伝えるならそれでも充分だろう。でも、このコーナーはあくまでもただの解説で終わらせる気はないよ」

千早「と、言いますと」

武田「このコーナーではPS3以降の作品からプレイをし、過去シリーズの方を遊んだ>>1の体験談から、このSSを見て興味を持った人へのちょっとした攻略方も伝授しようかと思ってね」

千早「…ゲーム自体が得意ではないからそんな人でもなんとか操作できる誤魔化し操作方法の間違いでは?」

武田「さて、内容に入ろう」

千早「…そうですね」

武田「さて俗にB操作、レイヴン操作と呼ばれる操作の解説をしよう。今実機が手元にないが、記憶の限り初代シリーズはこのような初期配置になっている」

↑・↓:前後移動
←・→:左右視点移動
R1・L1:左右移動
R2・L2:上下視点移動

○:ブレード/選択/開閉
□:右手or左右背中武器使用
△:武器切り替え
×:ブースト

武田「このような配置になっている」

千早「単純な質問なのですが、なぜスティックでの操作がないのでしょうか」

武田「理由は実に単純さ。PS1のコントローラーにはスティックがなかったからさ」

千早「…確かに画像検索したらありませんでした」

武田「だからこのような形になっているんだ」

千早「でも、十字キーで左右の移動をしないのは何故でしょうか?このままでは、操作し辛いように思いますが」

武田「実にいい質問だ。確かに誰もが最初はそれを思うだろう。ただ、」

千早「ただ?」

武田「恐らく>>1同様にゲームがそこまで得意じゃないレイヴンはこの操作に戻る、もしくは近い形になる」

千早「…仰てる意味が」

武田「では解説しよう」

武田「まずスティックでの操作に慣れたプレイヤーは恐らく十字キーに割り振られている視点移動とRL・1に割り振られた左右移動を変えるだろう」

千早「そのほうがスッキリしますからね」

武田「そうだ。これで見た目は3箇所に役割が分散された事になる」

十字キー:移動
RL:視点移動
4ボタン:攻撃・移動補助

武田「だがこれが落とし穴だ」

千早「え…?」

武田「ゲームがうまい人であればこの操作もこなせるだろう。しかし、>>1のようなゲーム下手や練習時間の確保が難しいカジュアルゲーマーには厳しい操作なんだ」

千早「どういう事でしょうか」

武田「これは機体操作そのものは非常にやりやすいものではあるんだが、ある致命的な問題点がある」

千早「それは?」

武田「それは、ミッションや対戦で直観的な操作が慣れるまでは全く出来ないという点だ」

千早「戦闘、ですか」

武田「ああ、では次にその解説をしよう」

千早(…これ第1回が終了した時点で現時点での本編とどっこいの長さになってそうね)

修正
>>82

千早「戦闘、ですか」



千早「直観的な操作、ですか」

武田「さて千早くん、ここで質問なのだがキミは『引き撃ち』という言葉を知ってるかな」

千早「接敵をしてくる相手に対して回避行動をとりながら後退しつつ攻撃するという意味であれば」

武田「僕が求めているのはそれで間違いない。それでだ、N系のA操作でキミが引き撃ちをするならコントローラーのボタンを何箇所使うかな」

千早「…そうですね、移動と視点操作に左右のスティック、ブースターで1つ、そして攻撃用に2つで計5つですね」

武田「なら先刻挙げた操作だとどうかな?」

千早「…移動に十字キー、視点移動にRLで4つ、ブースター1つに攻撃用に1つで計7つ」

武田「そう、単純比でも2つ、そして視点移動に使うボタンの数でいえば3つも増えている」

千早「ですが、それはあくまでA操作とB操作の比較です。これがどう初期操作と違い直観的な操作性の差がでるのでしょうか?」

武田「その前にちょっといいかな」

千早「なんでしょうか」

武田「…メタ的なことを言えば、実は元から考えていた設定だとここから10レスほど更に話を脱線させながら説明が続く予定だったんだ」

千早「…長いですね」

武田「ああ。流石に本編とは関係のない補足でそこまで伸ばして良いものかと考えに考えていたら今に至った訳さ」

千早「大人しくその10レスを投下してたら今頃は1日目のレッスン程度は終了してたのではないでしょうか」

武田「空気など読むな」

千早「……」

武田「…だから流れ的にはかなり雑になってしまうが、ここから先はかなりザッパりと進ませてもらうよ」

千早「そうですか。では続けて下さい」

武田「…結論から言おう。初期操作であればその引き撃ちの際の視点移動を減らすことができる。試しに初期操作でプレイしてみると」

千早「分かりました」

カチャカチャ...

千早「!」

武田「気づいたかい?」

千早「…十字キーの同時押しのみで引き撃ちができますね」

武田「そうだ。俗に言う斜め移動の感覚で十字キーを押すことで、視点移動もしながらの期待操作が指一本で可能になる」

千早「確かにこれなら咄嗟の時でも、最低限の回避行動をとりながらのサイティングができますね」

武田「この初期系統の操作で初心者が最も苦戦するのは回避行動をとりながらの攻撃の難しさだ。大体の初心者がこれの両立が出来ずに挫折するのさ」

千早「初心者にタンクがオススメされるのも、回避行動を常にせずとも立ち回りが可能だからですね」

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