名探偵コナンss 犯人たちのリスク  (39)

コナンssです。
このssは犯人たちの視点から描いたお話です。
これを読む時は出来たら単行本一巻を読みながらご覧下さい。


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FILE.1ジェットコースター殺人事件


「あの男だけは許さない…」


私の名前はひとみ。私にはどうしても許せない男が居る。

元彼の岸田くん。あんなに愛したのに…私はあっさりフラレた…

それと愛子も…彼のことをいきなり奪い取るなんて…絶対に許せない…

どうしても許せなかった。そして誓った。彼を殺そう。

そのために私は二人をある場所へと誘き出した。

トロピカルランド。岸田くんはもう忘れてしまったかもしれないけど…

この遊園地は私と彼が最初にデートした場所。この思い出の場所で彼を[ピーーー]。

>2
訂正します



FILE.1ジェットコースター殺人事件


「あの男だけは許さない…」


私の名前はひとみ。私にはどうしても許せない男が居る。

元彼の岸田くん。あんなに愛したのに…私はあっさりフラレた…

それと愛子も…彼のことをいきなり奪い取るなんて…絶対に許せない…

どうしても許せなかった。そして誓った。彼を殺そう。

そのために私は二人をある場所へと誘き出した。

トロピカルランド。岸田くんはもう忘れてしまったかもしれないけど…

この遊園地は私と彼が最初にデートした場所。この思い出の場所で彼を殺す。



「ひとみ、ジェットコースター楽しみだね。」


殺害決行の日、私は女友達とそれに岸田くんに愛子の4人で

トロピカルランドのジェットコースター乗り場へと訪れていた。もうすぐ彼を殺害する。

けど大の男を私みたいな女が真正面から殺害するのは無理がある。だから私は考えた。

殺害方法はジェットコースターのスピードを利用したやり方だ。

まず私は岸田くんたちと一緒にジェットコースターに乗る。

私は彼の前の席に座りセーフティーガードを外して

この日のために用意しておいたフック、それにヒモを取り付けて彼の首に掛ける。

仕上げに和の先についているフックをレールに引っ掛ければ

ジェットコースターのスピードとパワーの衝動で彼の首は吹っ飛ぶ。

これ以上ないほど残忍な犯行よ。さらに凶器もこの殺人に相応しいモノを用意している。

私が普段身につけている真珠のネックレス。

これのピアノ線を彼の首を切断する凶器に使用する。まさに洒落が利いたトリックね。

本来ならこんな危険なトリックを行うなんて誰も予想は出来ない。

けど私は新体操の選手。

だからバランス感覚に長けた私ならスピードの出ているジェットコースターを跨いで

人の首にロープを括りつけるなんて…簡単…いえ…ちょい難しい…いえ…出来る!

うん、頑張ればやれる。

新体操やってるからって流石にこれは無理目じゃない?とか弱気なこと考えちゃダメ!

とにかく自信を持つの。私はやれる!

既に愛子のバックに偽の凶器を仕込んだ。あとは殺人を実行するだけ。

もうすぐ私たちの乗る順番が近づいてきた。さあ、覚悟を決めて。もうすぐ実行よ!



「ところでひとみ。
さっきパンツ見られたけどやっぱりスカートはやめとくべきだったんじゃない?」


え?スカート?

そういえばと足元を見下ろすと私はスカートを履いていた。

そこで私は先ほど起きたある出来事を思い出した。


『あなた、体操部に入ってますね。』


うしろにいる高校生のカップル連れの彼氏にそんなことを指摘された。

彼がそのことを指摘した理由だけど

最初は手に出来たマメが原因かと思ったけど

実はスカートが風にめくれてその時にチラッと見えてしまったらしい。

風といえば…

ジェットコースターに乗れば当然風は吹くわよね。その風だけど…

そこで私は自分が犯した過ちに気づいた。


「何でスカートなんて…履いてきちゃったのよ…」


服装のチョイスをミスったわ。

これからジェットコースターが猛スピードで走る中で殺害を実行しなきゃならない。

その時に必ずスカートがめくれるはず。

そうなれば後方の席にいる人たちに自分のパンツを晒すことになる。

嫌よ!なんで恥ずかしい真似しなきゃならないのよ!?




「そういえば気づいたんだけど…
あの彼ってひょっとして高校生探偵の工藤新一くんじゃない?」


え?工藤新一?あの高校生探偵の!?

そのことを聞いて私はもう一度あのカップルに注目した。

間違いない。彼は有名な高校生探偵工藤新一だ。

えええええ!?何で!どうして!?

どんな確率で偶然高校生探偵なんかと出会さなきゃならないのよ!?

彼の出現に思わず狼狽えだした。けど問題は工藤新一だけじゃなかった。



「どけ!俺たちが先だ!」


黒ずくめの格好をした男二人組が無理やり割り込みジェットコースターに乗り込んだ。

何この人たち?何でこんな見るからに怪しそうな格好で遊園地に来てるの?

どう見てもその格好はこの場には不似合いよね?


「ヘヘ!ジェットコースターなんて兄貴楽しみっすね。」


「フン、仕事だということを忘れるなよ。」


サングラスの子分っぽい男とその兄貴分の長髪の男。

私にはわかる。あれはどう見てもカタギの人間じゃない。その筋の人間よ。

きっと殺人やら強盗やらを平然と行える最悪の悪党。

そんな男たちの前で殺人を行なえと!?




「もう新一、いい加減ホームズの話しはそこまでにしてよ。」


「ハハ、悪い。けどコナンドイルはこう言いたかったんだよ。」


工藤新一は未だに彼女と無駄にイチャつくし…


「いいか、取引相手が必ず来るはずだ。しっかり確認しろよ。」


「ヘイ兄貴!」


黒ずくめの男たちも何かよくわからないけど

このジェットコースターから何かを確認しようとしている。

とにかく話を要約するとこういうことだ。

これから私は元カレを殺すために世間で持て囃されている高校生探偵と

それに得体の知れない黒ずくめの男たちの前で

パンツ丸出しにして殺人を行わなくてはならない。

何それ?どう考えてもリスク高すぎるじゃない!

もしもこれで殺害に成功したとしてもその後で待っているのは

名探偵によるパンツ丸出しで殺害をやってのけたという晒しものにされる推理ショー。

それかもしくはあの黒ずくめの男たちに面倒を起こされたとか因縁をつけられて

その日のうちに私自身が殺されるかの二択しかないわ。

そんなのどっちも嫌よ!

確かに岸田くんを殺した後で持ってきた大量の睡眠薬を飲んで死ぬつもりだったわ。

けどそれとこれとはまったく別問題。

恥を晒したくないし惨たらしく殺されるのだって御免よ。




「発車しま~す」



そんな思い悩んでいる間にジェットコースターが発車した。

もう悩んでいる場合じゃない。こんな最悪な状況で私は選択しなければならない。

やるか…やらないか…

まさにDEAD OR ALIVE

この土壇場で私は決断を迫られた。




その後―――


「ありがとうございました~!」


「ジェットコースター面白かったね新一!」


「そうか?俺は普通だったと思うけどな。」


「兄貴、奴さん確認できました。」


「よし、これから取引に向かうぞ。しくじるなよ。」


全員が何事もなかったかのように無事ジェットコースターを降りた。

結局…私は殺害を行わなかった…

だって…あまりにもリスクが高すぎるんだもの…

名探偵と黒ずくめの男たち。

こんなやばい連中を前にして殺人を行う度胸なんて私にはない。

…というよりも冷静に考えてみたらたかが失恋で殺人はさすがにやばいわよね。

うん、しかもその後で睡眠薬飲んで自殺とか私ってかなり痛い女じゃない?

これじゃあフラれても仕方ないかもしれないわ。



「ねえひとみ、早くランチに行こうよ。ここのデザートって格別だよ!」


そんなことを考えている間に友達が遊園地のレストランに誘ってくれた。

そうよね、もう元カレのことなんて忘れよう。

美味しいものでも食べればきっといい気分転換になる。

こうして私は殺害を断念した。

それと同時にこの日誕生するはずだった小さな名探偵の存在を阻止したなど知る由もなかった。


End


とりあえずここまで

あと二話くらい原作1巻分の話をやります



FILE.2社長令嬢誘拐事件


「麻生さんお願い!協力して!」


その日、私は執事の麻生さんにあることを頼んでいた。もう限界だった。

私の名前は谷晶子。会社を経営しているパパはママが死んでから仕事ばっかり…

娘のことなんてちっとも構ってくれない。いつも一人で寂しかった。

だからパパの会社が休みになればいい。そしたらパパと一緒にいられる。

そう思って麻生さんに協力してもらって誘拐事件を起こしてもらおうとしていた。


「ですがお嬢さま…どうすれば…」


麻生さんはまだ動揺しているし反対している。

けど私はもう完璧な計画を練っていた。

まず麻生さんに私が庭で遊んでいたら

いきなり現れた黒ずくめの大男に攫われたと嘘の証言をしてもらう。

その間、私は近くのホテルに泊まって隠れていればいい。

友達のところだと簡単に嘘だってバレちゃうからね。

ちなみにホテルに泊まるお金はお小遣いを全部つぎ込んだ。

え?子供のくせによくホテル泊まれるお金があったな?

鈴木財閥には負けるけどこれでも社長令嬢だもん。

とにかくこれで準備は整った。あとは麻生さんの協力を仰ぐだけだ。



「お嬢さま、この計画は無理ですぞ。」


けど麻生さんはこの誘拐計画をダメ出しした。何で…どうして…?

だって麻生さんなら私のことわかってくれるはずなのに!?


「まず旦那さまの気性を思い出しなされ。短気で気難しい方ですな。」


「うん…だけどそれがどうしたの…?」


「次にこの家には番犬のジャンボを飼っております。
それなのにお嬢さまがこの家の中で誘拐された。
番犬は役立たずとみなされてジャンボは容赦なく処分されるでしょう。
その日のうちに保健所送りになるのは確実ですな。」


うわ…確かにパパならやりかねない。パパは普段からみんなに厳しい。

それはジャンボだって例外じゃない。

番犬としての役目を果たせないあの子は容赦なく処分されるのは確実だ。


「それに私たち使用人もです。
お嬢さまの面倒を見れなかったとしてこの家の使用人など全員解雇してしまうでしょう。
そうなれば私たちは路頭に迷うことになります。」


その話を聞いて私はさすがに自分の浅はかさを恥じた。

当然だけど私の身に何かあれば大人はみんな責任を取らされる。

そうなればみんなの生活に影響が出る。特に麻生さんなんて高齢のお爺さんだ。

この歳で再就職なんて滅多にありえないよ。だから私は…




「………わかった。この計画は諦める。」


みんなのことを想えば犯行を断念するしかなかった。

考えてみれば私も10歳。いつまでもパパに甘えていられる歳じゃない。

もっと大人になろう。それでパパを反面教師にして自分は暖かい家庭を作るんだ。

こうして私は犯行を諦めることで少し大人に成長した。

ちなみに後日、私が泊まろうとしたホテルで誘拐未遂の事件が起きたらしい。

犯人はその場で捕まったらしいけど

もしかしたら誘拐されていたのは私だったのかもしれない。

それを思うと犯行を諦めたのは正解だった。


End




FILE.3アイドル密室殺人事件


「キャァァァァッ!?」


あぁ…そんな…彼女に…ヨーコに拒絶された…

俺の名は藤江明義。高校時代に沖野ヨーコと付き合っていた恋人だ。

だがヨーコが芸能界でデビューするために

事務所のマネージャーが彼女と別れるように迫られた。

俺はヨーコの夢を叶えるために身を引いた。

けれどヨーコのことを諦めきれなかった。

ヨーコのアイドル生命を絶ってでも彼女を取り戻そうと必死だった。

その結果がこのザマだ。

こうしてヨーコの部屋を訪れて彼女に迫ろうとした。

だが彼女は抵抗してあんな悲鳴を上げて逃げていった。



「チクショウ…どうして…」


主のヨーコがいなくなった俺は一人で嘆くしかなかった。

無念だ。彼女無しの人生なんてこれ以上耐えられない。

それが彼女に拒絶た今となってはもう選択肢はひとつしかない。



――――死のう。



もうこの世に未練はない。自殺しよう。

だが普通に自殺するつもりはない。せめて一矢報いてみせたい。

そして俺はあるトリックを思いついた。

それはこの部屋の主であるヨーコに殺されたと見せかける偽装自殺だ。

まず手始めにこの部屋にあるヨーコの髪を見つける。クシに掛かってあった毛で十分だ。

これを手に持っていれば俺がヨーコに襲われたと警察も疑うだろう。

次にどうやって自殺するのか?

やはり刺殺が望ましい。刺殺なら警察は必ず他殺の線で動く。

だが問題は刺殺に見せかけた自殺をどうやって行うかだ。



「痛゛たぁぁぁぁぁぁっ!?」


試しにこの部屋にある包丁を使って実践しよとしたらかなり痛かった。

いや、これ無理。自分の身体をブスッと刺すとか無理無理!絶対無理!?

せめて勢いをつけなきゃと思うが人間って痛みには正直だから必ず思い止まるよな。

それならどうしたらいいのか?そこで俺はもうひとつの案を考えた。


「よし、冷蔵庫はあるよな。それにエアコンも完備されている。これなら行けるぞ。」


俺はこの部屋にあるモノを使って準備を進めた。

普通に刺すことが出来ないのなら工夫を凝らすしかない。

そのためにまずは大きな氷を用意する。その氷に穴を空けて包丁を突き立て

椅子の上からそれに目掛けて背中から飛び降りる。これで自殺は一応成功する。

ここで問題なのは包丁を突き立てるために用意した氷だ。

この氷を処分しなければトリックがバレる。

そのためにエアコンを暖房に切り替え設定温度を最大にしておく。

こうすれば氷は溶けて蒸発して証拠は一切残らないという仕組みだ。

そうと決まればさっそく準備に取り掛かろう。

ヨーコめ、見ていろ。恋に破れた男の執念を思い知らせてやる!



それから数時間後―――



「………暇だな。」



トリックを思いついたのはいいがやはり肝心の氷を作る作業はどうしても時間がいる。

家庭用の冷蔵庫でしっかりした氷を作らなきゃならないから大体2~3時間は必要か。

そのため俺は暇を持て余していた。

さて、どうせ死ぬんだ。それならと思い俺は興味本位で家探しを始めた。

そこで気づいたことだが電話の着信を見ると何度か無言電話を掛けられていた痕跡や

さらにヨーコを隠し撮りした写真が次々と見つかった。

どうやらヨーコは誰かに嫌がらせ行為を受けているらしい。

言っておくがその犯人は俺じゃない。流石に俺もヨーコの嫌がることをやったりは…

あ、こうして偽装自殺すること自体もうかなりの嫌がらせだよな。

俺も人のこと言えないな…けどそうなると犯人は一体誰だ…?




「うん?これは…」


ふとあるモノに気づいた。

それはテーブルに置かれた自由の女神を象ったライターの置物だ。

さらにその置物の隣にはタバコの吸殻まである。

ヨーコはタバコを吸わない。そうなると俺以外の誰かがこの部屋に侵入した?

待てよ?そういえばだが…

今にして思えばさっきこの部屋から飛び出したヨーコだけど…

普通なら俺のことを警察に突き出そうと通報するはずだよな。

それが何の反応も見慣れない。まさかさっきの女はヨーコじゃないのか?

後ろ姿は似ていた気がするが…つまりあれは後ろ姿が似ていた別人…?



「もう…嫌になるわ…イヤリング落とすなんて…何処にあるんだろ…?」


そこへある怪しい女がこの部屋にやってきた。

幸いにもすぐに隠れたおかげで女は俺の存在に気づいていない。

だがこの女…確か見覚えが有るぞ…

ヨーコと同期デビューした池沢ゆう子じゃないか。

まさかヨーコに度々嫌がらせを行ったのは…


「そうか!池沢ゆう子!お前がヨーコに嫌がらせしていたのか!?」


「えっ!?アンタ誰!?」


俺の出現に池沢ゆう子は驚きを隠せずにいた。だが同時に…


「さあ、どうぞ中に…」


なんとそこへヨーコが帰ってきた。

見るとマネージャーとそれに…


「オォーッ!ここがヨーコさんの部屋ですか。」


よく知らんがチョビ髭のおっさんまで同行していた。

ちなみにこの男だが毛利小五郎とかいう探偵らしい。

ヨーコのファンで度々続くこの嫌がらせ行為をどうにかしようと依頼したようだ。

とにかく状況を整理するとこうだ。

家主のヨーコとマネージャーと探偵。池沢ゆう子。それに俺。

まさにみつどもえの状況だがもしかしたら利用できるかもしれないぞ。

そして俺は賭けに出た。一世一代の大博打!

どうせ死ぬつもりだったんだ。それなら覚悟を決めてやる!!




後日―――


「それじゃあ仕事に行ってくるよ。」


「ええ、気をつけて行ってきてね。あなた♡」


あれから数日が経過した。

ヨーコは芸能界を引退して俺と電撃結婚してくれた。何故そうなったのか?

それは先日の騒動が主な理由だ。

あの日、俺は破れかぶれの思いで全員の前で池沢ゆう子の犯行を暴露した。

そのことを告げられると池沢ゆう子はあっさりと自分の犯行を認めた。

どうやら池沢はヨーコに仕事を取られたと思い込み逆恨みで犯行に及んでいた。

そしてヨーコだが事件の真相を暴いた俺に惚れ直してくれて元のヨリを取り戻した。

あんなヤケクソでの行動だがまさかこんな結果になるとは思わなかった。

その後、ヨーコはこんな怖い思いをするなら芸能界を辞めると告げてあっさり引退した。

それから俺はヨーコを一生守ると誓い結婚した。

一度は自殺を決意した俺だがこうして幸せを掴めた。

あの時、偽装自殺を思い止まって本当に良かった。


End




~エピローグ~


俺の名は高校生探偵工藤新一。

巷で騒がれている有名な高校生探偵……だったはずだ……

それなのに…


「暇だな。」


「何よいきなり?それがどうかしたの?」


「いや、だって前は
毎日殺人事件と遭遇するほどだったのにここ最近は何の事件も起きなくて暇なんだぞ!
これじゃあ俺の灰色の脳細胞が衰えちまうだろ!?」


学校からの下校中、俺は幼馴染の毛利蘭にこの退屈さを愚痴っていた。

そう、ここ最近事件がめっきり減ってしまった。

この犯罪件数がゴッサ○シティレベルの発生率を誇る米花町で何の事件も起こらない。

これでは名探偵の出番などあるはずもない。

そのせいで俺は今やすっかり過去の人となり世間から忘れ去られてしまった。



「なあ蘭。何か事件ねえか…?」


「事件といえば…
うちのお父さんだけど大好きな沖野ヨーコちゃんが結婚してショックを受けたことかな?
そのショックで今でも事務所でお酒を飲んだくれて本当に嫌になるわ。」


まったくおっちゃんも相変わらずだな。

だがそんなことよりも何か事件はないのか?

俺は平成のシャーロックホームズを目指しているんだぞ。

難事件であればあるほどワクワクする。

策を練ろうとする犯人を追い詰める時のスリルと快感。

あれを味わったらやめられねーんだよ。探偵はよー!


「けど何でこんな平和なんだろ。どうして誰も犯罪を犯さねえんだ?」


「そんなの決まってるでしょ。犯罪なんかやらかしたら大変じゃない。」


蘭がこれでもかというほど正論を言ってくれたが…まあそうだよな。

犯罪なんてやらかせば犯人の人生はこれまでと180度も変わる。

罪を犯せば犯人は刑に服すだろうしその身内だって誹りを受ける。

それに犯罪にあった被害者だって眠れぬ日々を過ごす。

そのリスクは余りにも大きい。

殺人事件を犯すリスクを考えれば誰だって犯行を思いとどまるってわけか。




「でも…やっぱり退屈だよなぁ…
どっかにいないかな?怪しい黒ずくめの男たちが暗躍してたりすれば面白いのに…」


「もういい加減にしなさいよ。
そんな怪しい人たちが街中をうろついているわけないでしょ。
そろそろ本気で怒るわよ!」


蘭は拳の骨をポキポキ鳴らして脅してきた。

やべっ!さすがに空手部のエースを怒らせるのはまずいな!

しゃーない。ご機嫌取りでもして場を和ませるか。


「それじゃあ今度の休みだけどまたトロピカルランド行くか?」


「あら、いいわね。それじゃあ今度も新一の奢りよ!」


「え!?ちょっと待って!今月は金欠で…」


「ダ~メ!聞く耳持ちませ~ん!」


こうして俺は今日も幼馴染の蘭と平和な毎日を過ごしている。けど本当に退屈だ。

あ~あ…どっかで事件起きないかなぁ…?


End


これで終わりです。
このssはコナンの犯人たちが犯罪のリスクを考えて犯行を思いとどまるという感じで仕上げました。
初期のコナンは殺すほどのことじゃないよねって感じなお話が多かったので
もしもやらかす手前でリスク考えて踏みとどまったらこうなるんじゃないかなと思って書きました。
新一兄ちゃんは退屈だけど蘭姉ちゃんは大好きな新一と一緒にいられてハッピーエンドです。
けどたぶんこのルートだと組織脱走した灰原が頼れる人いなくて犠牲になるかもしれないですね…

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