御子柴「起きろ野崎!! 遅刻だ!!」野崎「何!?」 (22)

御子柴「時計見ろ!! もうこんな時間だ!!」

野崎「くっ……テスト前日に俺達は何をやっていたんだ」

野崎「まさか夜中までギャルゲーをしてて寝坊してしまったなんて……」

御子柴「馬鹿野郎何言ってんだ!! 前日にギャルゲーをやってパワーをもらってこそテストで本領発揮できるんじゃねえか!!」

野崎「……それよりもテスト勉強をした方がいいと思うんだが」

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御子柴「どうすんだよ!! 間に合わねえんじゃねえか!!?」

野崎「心配する事はない御子柴、自転車を使うぞ」

御子柴「! そっか、二人乗りで……」











野崎「四輪チャリだ」

御子柴「!!!?」

御子柴「お前、こんなの持ってたのかよ……」

野崎「兎に角、これに乗れば間に合う。 行くぞ」

御子柴「お、おう!!」







野崎「次、右だ!!」

御子柴「おう!!!」

野崎「よし、この調子なら間に合うな」

シュウ……

野崎「……ん?」

御子柴「ど、どうしたんだよ野崎」

野崎「……どうやらタイヤの空気がもうない」

御子柴「はああああああああああ!!!?」

野崎「やむを得ない……自転車はここに置いて行く!!」

御子柴「そ、そのあとはどうするんだよ!!?」

野崎「走る!!」ダッ

御子柴「あ……おい待てよ!!!」ダッ













佐倉「うわあああああああ!! 寝坊したああああああああ!!!」タッタッタッ

佐倉「今日大事なテストなのに……間に合わないよーーーーー!!!」タッタッタッ

佐倉「……!!」

佐倉「あれ……あそこにある四輪チャリって……」

警察「まーた駐輪禁止なのにこんな所置いて……」

佐倉「……!!」

佐倉(遅刻する→四輪チャリを使う→途中でタイヤの空気がなくなる→ここに置く→走っていった……??)

佐倉「!!!」ピコーン!!

警察「さてと、これも撤去しないと……」

佐倉「あ、あの!! 実はその自転車……」










野崎「なんとか間に合ったな」

御子柴「助かったぜ……」

瀬尾「あ、野崎」

野崎「瀬尾」

野崎「お前が遅刻せずに来るなんて珍しいな」

瀬尾「若に電話で起こしてもらったから」

御子柴(あいつ、利用されてるな……)

瀬尾「それよりさ、千代見なかった?」

野崎「佐倉……来てないのか?」

瀬尾「うん」

御子柴「もしかしてあいつも寝坊したのか?」

野崎「……」

佐倉「はぁ……はぁ……」

佐倉「危なかったぁ……もう少しで撤去される所だった」

佐倉「うんしょ……やっぱり大きいなぁ」

佐倉「鍵もかかってるから……押せないし……大変だなぁ」

テスト中

野崎(しまった、自転車を止めた場所は駐輪禁止区域だった)

野崎(……しょうがない、だいぶ遠いが帰りに保管所によるか)

野崎(それにしても佐倉は大丈夫なんだろうか)

野崎(……! 校庭に誰かやってきたな。 遅刻か?)

野崎「……!!」

野崎(あれは……佐倉!!?)

野崎(ど、どうして……)

野崎(どうして佐倉が俺の四輪チャリを……?)









数時間後

瀬尾「あーテスト終わった。 全然分かんなかったわー」

佐倉「私も全部埋まらなかったよ……」

瀬尾「千代は難しい以前に来んの遅かっただけじゃね」

佐倉「ま、まぁそうなんだけどね……」

佐倉「……!!」

佐倉(あの四輪チャリ……空気が全然入ってなかった……)

佐倉(……そうだ!! 確か事務室に空気入れがあったはず!!)

佐倉「ええと、確かここら辺に……」

野崎「佐倉!!」

佐倉「! 野崎くん」

野崎「ど、どうして俺の自転車を持ってきたんだ?」

佐倉「え!? な、なんで知ってるの!!?」

野崎「テスト中に外を見てたら……お前が見えたんだ」

佐倉「な、なんだそっかぁ……」

佐倉「でもあの自転車……やっぱり野崎くんのだよね!? よかったぁ……」

野崎「……どうして俺の自転車を?」

佐倉「えっとね……朝、登校中におまわりさんに没収されそうになるのを見かけて……」

佐倉「このままだとまずい!! って思って私が持ち主を名乗り出て持っていっちゃったんだ……」

野崎「怪しまれなかったか? 本人証明とかは……?」

佐倉「……あ!! 別に何も言われなかったけど……確かに本人証明しろって言われたら危なかったかも……」

佐倉「あれって……野崎くんが遅刻しそうだから四輪チャリ使ったんでしょ?」

野崎「……」

佐倉「……あれ? もしかして違った??」

野崎「すまなかった!!」

佐倉「わっ!? そ、そんな深々と頭下げなくていいよ!!」

佐倉「私が勝手にやった事なんだから!!」

野崎「だが自転車を置いてなければ佐倉はテストに……」

佐倉「う、ううん!! 元々寝坊して間に合わないのは分かってたし!!」

佐倉「それにテストは明日もあるから明日でリカバーすればいいもん!!」

野崎「佐倉……」

佐倉「だ、だからそんなに頭下げないで!! ね!」

野崎「……自転車には鍵がかかっていた。 大変じゃなかったか?」

佐倉「う、ううん!! 全然!! 大丈夫だったよ!!」

野崎「佐倉、このままでは申し訳ない。 何かお礼をしたいんだが……」

佐倉「ううん! そんなのいらないよ!!」

野崎「……だがこのままでは……」

佐倉(……!!)

佐倉「そうだ!! じゃあ一つだけ……いいかな?」

野崎「! ああ、何でも言ってくれ」

野崎「……」シュコーシュコー

佐倉「もう大丈夫だよ!!」

野崎「よし」

野崎「……しかし本当によかったのか? お礼が『四輪チャリに乗せてもらう』、だなんて」

佐倉「うん!! それだけで十分!!」

野崎「……そうか」

野崎「じゃあ……このまま俺の家まで行くか」

佐倉「うん!!」

ゴー……

佐倉「風が気持ちいいねー!!」

野崎「ああ、そうだな」

佐倉「……」

佐倉「こうやって二人で乗るの、最初の頃以来だよね」

野崎「そういえば……確かにそうだな」

佐倉「懐かしいなー……あれからもう半年以上経ってるんだねー」

野崎「月日が流れるのは速いな」

佐倉「あっという間だよねー」

佐倉「……」

佐倉(楽しいなぁ……こうやって野崎くんと……二人で自転車に乗れて……)

佐倉(お話できて……楽しいなぁ……)

野崎「……よし、着いたぞ」

佐倉「……野崎くん!」

野崎「?」

佐倉「あ、明日も……四輪チャリ、乗ってもいいかな?」

野崎「! ああ、勿論いいぞ」

佐倉「本当!? ありがとう!!!」

野崎(よっぽど四輪チャリが気に入ったんだな)

佐倉(というわけで数日間、帰りは野崎くんの四輪チャリで帰る事になった!!)

佐倉(最近、二人きりで帰ってなかったからなぁ……これから楽しみだなぁ///)









帰り

佐倉「野崎くーーん!! 今日から一緒に……」

野崎「すまない佐倉!! 先客がいる!!」

佐倉「へ? 先客?」

堀「悪いな野崎、頼む!!」

野崎「はい!」

佐倉「堀先輩!!?」

野崎「鹿島がいるのはあっちの方向で間違いないんですね?」

堀「ああ、全速力で頼む」

野崎「分かりました」

ゴオオオオオオオ!!

堀「鹿島ああああ!! 部活サボるんじゃねええ!! 待ちやがれえええええ!!」

佐倉「……」














次の日

佐倉「野崎くん!! 今日……」

野崎「全速力で逃げてやる!!」

若松「すいません、お願いします!!」

佐倉「若松くん!!?」

若松「なんで部活が休みの日にも瀬尾先輩と付き合わないといけないんですか!!」

野崎「見つかる前に帰るぞ!!」

ゴオオオオオオオ!!

佐倉「……」

次の日

佐倉「のざ……」

御子柴「わりぃ野崎!! 今日までなんだよ、限定フィギュア買えんのは!!」

野崎「気にするな、俺も資料用のフィギュアをそろそろ欲しいと思ってたところだ」

ゴオオオオオオオ!!!

佐倉「……」













佐倉「鹿島くん、部活はサボらないで!!」











佐倉「結月、偶には若松くんを休ませてあげて!! 一人でいたい日もあるんだから!!」













佐倉「みこりん!! フィギュアの発売スケジュール教えて!! 私が買いに行ってあげるから!!!」

御子柴「佐倉お前……俺達の為に……」ウルッ

堀「お前やっぱり……いい奴だな……」ウルッ

若松「尊敬します……」ウルッ

野崎くん以外の男子の好感度が上がった。

終わり

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