【わたモテ】モテないし新手のスタンド使い (94)

●前後編各40レス前後(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●かとよしよ神話になれ

前作 【わたモテ】モテないしスタンド使いになる【よしもこ】
【わたモテ】モテないしスタンド使いになる【よしもこ】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1523373188



「・・・・・・・・・・・・」



… … ゴ … …



「・・・・・・・・・・よし」



 ゴ … ゴ … ゴ …



(精神統一した。 気力も満ちた)



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ …



(いまこそ再挑戦だ! やるぞ!!)ゴ ク リ



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・!



「ゆうちゃんっ!!」



 ド ギ ャ ン !!






成瀬´「・・・・・・・・・・・・・」


黒木「・・・ ・・・ ・・・」ゴ ク ッ 。

成瀬´「・・・・・・もこっち」

黒木「ゆうちゃん・・・」

成瀬´「・・・・・・・・・・・・」



「ごめんね」



黒木「え」

成瀬´「さよなら」

黒木「ま、待って! ゆうちゃん ―」




・・・ シ ュ パ 。




「あ゙ーーーーーーーーーーーっ!!!???」




智貴「るせーーーーーーっ!!」バン!!

黒木「・・・・・・・・・・・・」

智貴「いったい何やって・・・!」

黒木「・・・・・・・・・・・・」 ヒク ヒク …


智貴「・・・おい、大丈夫か?」

黒木「・・・うん・・・ごめん・・・」ピクピク…

智貴「ちっ。 ・・・どうしたんだよ、こないだから」

黒木「・・・怖い動画、見てた・・・」ヒク ヒク

智貴「怖い動画? ・・・まあいいけどよ。 ほどほどにしろよ」

黒木「・・・ごめん・・・」カク カク

智貴「・・・・・・・・・」ガチャ


 バ タ ン 。


黒木「・・・・・・・・・・ダメだ」ガックリ


(今回も、ダメだった・・・)
                                ス タ ン ド
(どうしてもどうしても、変身してくれない。 私の幽波紋・・・




( 『 リサーフィス 』 。 )





 \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃リサーフィス(resurface)
┃本体:黒木智子

┃.破壊力-D スピード-D .射程距離-D 持続力-A 精密動作性-D .成長性-A

┃能力-人形にとりつき、人間に変身させる能力。
┃    外見、体質、記憶や性格、習慣やにおいにいたるまで完全にコピー可能。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



黒木(他の人になんて、変身すらしてくれない・・・)

黒木(あのときから、ずっと・・・)


[ 吉田さん、いま、何してる? ]

[ ドンピシャ! これから風呂に入るところ!]

[ たっぷり撮影してやるからな、ぐへへへへっ! ]


黒木(ちょっとヤンキーに変身させて、♡♡な写真撮っただけなのに・・・)

黒木(バレたあと、ヤンキーのスタンドに死ぬほどボコられて)


 クレイジープリンセス
(  茉  咲  に聞いたぞ。 てめえ、わたしの裸、撮りやがったな・・・?!)


黒木(そのあと、自分のスタンドにもボコボコにされた・・・)

黒木(わたしのスタンドのくせに。 どっちの味方だ、くそっ)





┃能力-人形にとりつき、人間に変身する能力。
┃    外見、体質、記憶や性格、習慣やにおいにいたるまで完全にコピー可能。

┃     \カカカカッ/

┃    ただし能力を用いると「本人の意志」までもコピーしてしまう。
┃    なので完全な操り人形にはできない。
┃    場合によっては本体の意向を拒否することもありうる。
┃    あまり無理をさせようとすると、自ら能力を解除してしまう。

┃     \カカカカッ/

┃    また、変身中は変身した対象の行動をリアルタイムで再現できる。
┃    再現中はスタンドが自動操縦となり、解除しない限り自動で再現し続ける。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


黒木(・・・けれど、まいったな。 これじゃ宝の持ち腐れだ)

黒木(変身できるスタンドなのに、誰にも変身できないんじゃ・・・)

黒木(・・・・・・・・・・・)



 ガ バ ッ !



黒木(待てよ。 ひとりだけいるぞ)

黒木(わたしがあんなことしても、怒らないやつが・・・)

黒木(わかってくれるやつが!)


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・


黒木(・・・・・・・・・・・・・・・)ゴクッ




「おい、智子」


「なんだ」



黒木「おおっ! できた!!」

黒木´「気づくのが遅かったな」ニヤニヤ

黒木「・・・お前は怒らないのか?」

黒木´「こんな力を手に入れたら、誰だってそーする。 私もそーする」

黒木「さすがわたし、話が早い」


黒木´「とりあえずは、わたしだけでなんとかするしかないな」

黒木「他の人はダメか」

黒木´「知らん間に♡♡な写真撮られるかもしれないと思ったら、言うこと聞けるか?」

黒木「だよなー」

黒木´「私だって目いっぱい譲歩してやってるんだ、そのことを忘れるな」

黒木(なんだこいつ、わたしのスタンドのくせに。 めちゃくちゃ上から目線で・・・)

黒木´「嫌なんなら元に戻るぞ」

黒木「はいはい、おありがとうございます」

黒木´(・・・私のマスターだってのは承知してるが、ろくなやつじゃねーなこいつ)



黒木「とりあえず、お前の活用方法を考えないとなー」

黒木´「私は他の人と違って、絶対におまえと一緒に人前には出られないからな」

黒木「他の人ならなんとかごまかしようもあるんだが」

黒木「わたしの代わりに嫌なことやってくれたりは・・・しないよな」

黒木´「お前がいちばんよくわかってるだろ」

黒木「だよな」ガックリ

黒木´「宿題の手伝いくらいならやるけど」

黒木「それなら加藤さん´に頼む」

黒木´「だよな」ムスッ

黒木「あ、かくれんぼのときなんかには使えるかな」

黒木´「いい年してなに言ってんだ。 でもまあ、こんなこともできるし」



「・・・ ・・・ ・・・」  「おおっ!」


黒木「これは使える・・・かも。 智子!」

黒木´「はいはい。 ・・・でも、そんな機会あるかな」

黒木「まあいいだろ。 他には何か使い道は・・・」

黒木´「・・・・・・・・・・・・・・・・」



ゴソ ゴソ ゴソ


「・・・・・・・・・・・・・・・」


 ゴ ソ ッ 。



黒木´「おい、お前、何考えてる」

黒木「・・・ダメ?」ゴ ク リ

黒木´「ぜひやってみよう」

黒木「・・・・・・・・」














「「んほおおおおおおおおお~~~~~っ!?」」


キーン コーン カーン

 キーン コーン ・・・



黒木「・・・・・・・・・」スタスタスタ

内「おはよう、黒木」

黒木「おはよう、内さん」クルッ

内「・・・・・・・・?!」

黒木「今日もさわやかな天気ね」ニコッ



キラ キラ キラ キラ …



内「(なにこいつ?! キモいっ!!)」

黒木「どうしたの? 内さん」ニッコリ

内「(なんでこんなにツヤツヤしてるの!? キモイキモいキモい!!)」

黒木「(昨日のアレのおかげで、女性ホルモン全開になった)」キラキラ

黒木「(おかげでゆうちゃん´に拒否されたショックも回復できた)」テカテカ

黒木「(それに、最近・・・)」



「おはよう、黒木さん



黒木「あ、加藤さん」

内「! ・・・・・・・・・」


加藤「? ・・・黒木さん、化粧でもした?」

黒木「いいえ、なんにも」ニコニコ

加藤「そうなの? なんだかいつもより、すごくきれいだよ」

黒木「そうかな? ふふふふっ」ニッコニコ

内「・・・・・・・・・・・・」

黒木「(なんだか加藤さん、わたしにずいぶん構ってくれるようになったなあ)」ニマニマ


(ちょっと前からそうだったけど、最近ますますそばに来てくれるようになって)

(おかげで毎日、目の保養ができてる。 女子高生パヒュームもたっぷり吸いこんでる)

(ああ、若返りそう)


加藤「ねえ、今日、お昼いっしょに食べない?」

黒木「え、あ・・・ いい、です。 ありがとう」

加藤「・・・そう、残念だな」

黒木「あ! そっちの『いい』じゃないです! ぜひ! ぜひご一緒させてください!!」

加藤「ふふ、ありがとうね」 ニ コ ッ 。

黒木「(田村さんたちと約束してたけど、まあいいや・・・)」ニタニタ

内「・・・・・・・・・・・・黒木。 あんた今日、田村さんたちと食べるんじゃなかったの?」

加藤「       」ピクリ

黒木「あー・・・ うん。 そう、だった、けど・・・」

加藤「・・・・・・・・・」・・・ゴ・・・



  シ   ュ   ル   ・・・


内「・・・・・・黒木? う・・・?」

加藤「・・・・・・・・・」…ゴ…


・・・ シ ュ ル


内「あ・・・ ?・・・・・」

加藤「・・・・・・・・・・・」 ゴ ゴ …

黒木「え、と・・・・・・」



 シ ュ ル   シ ュ ル ・・・



内「・・・ん・・・」

加藤「そうだったの、内さん」

内「あ、うん・・・ たしか・・・」… ポ ー ッ

加藤「黒木さん、そうなの?」

黒木「う、うん。 そうだけど・・・」

加藤「また今度にしようか?」

黒木「い、いやー・・・ 大丈夫」

加藤「・・・ほんとう?」

黒木「話、しておくから」 ボ ー ッ …

加藤「・・・そう。 ありがとうね」 ニ コ 。




ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・



 ザワ ザワ ザワ

  ガヤ ガヤ ガヤ ・・・



加藤「おまたせ、黒木さん」

黒木「・・・加藤さん? あれ?」

加藤「どうしたの、黒木さん」

黒木「みんなは? 岡田さんに、ネモ・・・とさんたち、は?」

加藤「うーん、みんな、都合が悪いって」

黒木「そ、そう・・・ ですか」

加藤「ごめんね、わたし一人になっちゃって」

黒木「い、いえ」


 ゴソ ゴソ  …ゴ ソ ッ


加藤「わあ、それ、お弁当?」

黒木「は、はい」

加藤「かわいいー。 箱も、中身も」

黒木「え、えへへ」

加藤「ね、ちょっとだけ、もらっていい?」

黒木「どうぞどうぞ」

加藤「ありがとうね」 ヒ ョ イ



 パ ク ッ 。  モム モム


加藤「おいしいー」

黒木「あ、ありがとう」

加藤「お母さんが作ってくれたの?」

黒木「は、はい」

加藤「料理上手なんだね」

黒木「へ 、へへ・・・」テレテレ

加藤「・・・ふふ」 ニ コ 。


・・・ シ ュ ル


加藤「もうひとくち、いい?」

黒木「は、い・・・」 ポ ケ ー

加藤「ありがとうー」ヒ ョ イ


  ・・・ ス ッ 。


黒木「え」

加藤「はい、あーん」

黒木「・・・あ、あーん」

加藤「はい、どうぞ」


 パ ク 。


黒木「む、むぐ・・・」…モグ

加藤「おいしい?」

黒木「は、はい(・・・もう、とろけそう・・・)」ポワポワ


加藤「おいしいよね、ふふふっ」

黒木「(加藤さん、すごく、きれい・・・)」フワフワ



(前から、きれいだったけど・・・)

(最近はなんか、光って見えるみたい・・・)



シ ュ ル   シ ュ ル   シ ュ ル



(近くによると、なんかムズムズして、ドキドキしてくるし・・・)

(なんだか、あたまが、あったかくなって・・・ ほわほわして・・・)



 シ ュ ル   シ ュ ル    シ ュ ル ル ル ル ル ル ル ル



加藤「・・・ふふ」 ニ コ リ

黒木「(ああ、たまんない・・・)」…ポーッ

加藤「 ふ ふ ふ 」 … ゴ …





 ゴ ゴ ゴ ゴ

  ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・



 キーン コーン カーン

  キーン コーン ・・・



吉田「あー、かったるい」

麗奈「たりーな」

大松「これからどうする」

麗奈「スロでもやるか」

吉田「ああ・・・ んっ?」



黒木「・・・・・・・・・・・」フラ フラ



麗奈「ん。 お前のダチか」

吉田「ダチなんかじゃねーよ」

大松「ずいぶん仲良さそうだけどな」

吉田「っるせー。 (・・・・・・・なんだあいつ?)」



(田村と田中との飯の約束、おっぽりだしやがって)

(また加藤のところにでも行くのか? ・・・)



麗奈「茉咲」?

吉田「(あいつ、なんか、最近変だな・・・)」


フ ラ   フ ラ

  ヨ タ   ヨ タ



黒木「・・・・・・・・」フラ フラ

加藤「・・・黒木さん」

黒木「 は い 」フ ラ …

加藤「ありがとうね、来てくれて」

黒木「 い え ・・・ (ゆめ みたい) 」



黒木さん。 今日、うち、誰もいないの。

遊びにこない? ・・・ひとり、で。



黒木「( 加藤さんと ふたりっきり・・・ )」ヨ ロ 。

加藤「黒木さん?」

黒木「(・・・へ、へへ・・・ おさわりとか、できるかな・・・)」ヨ ロ ・・・

加藤「黒木さん、大丈夫?」

黒木「え・・・ は、はい」

加藤「具合でも悪い?」

黒木「いえ・・・ なんだか、ぽーっとして・・・」

加藤「 ・・・ そ う 。 」 ニ コ リ 。



シ ュ ル ル ル ル ル ル ル …




 ヒ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ



黒木「・・・・・・・・・・・・」トコ トコ

加藤「・・・・・・・・・・・・」スタ スタ



  ザワ ザワ ザワ

   ザワ  ザワザワ・・・



黒木「(・・・なんか、ずいぶん町はずれまできちゃったな)」トコトコ

加藤「・・・・・・・・・・・・」スタスタ

黒木「(こんな林のなかまで・・・)」トコトコ

加藤「・・・・・・・・・・・・」スタスタ

黒木「あ、あの、加藤さん」

加藤「もう少しだから」スタスタスタ・・・

黒木「あ、あっ、はい・・・」・・・タッタッタ



 ヒ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ

   ザワ  ザワ  ザワ ・・・



 ザ  ザ  ザ  ザ  ザ

  ザ   ザ   ザ   ・・・



加藤「・・・・・・・・・・・・」スタスタスタ

黒木「(・・・こ、こんなに奥まで行くの?)」

加藤「・・・・・・・・・・・・」スタスタスタ

黒木「(もう、森の・・・ 山のなかまで入っていってる・・・)」

加藤「・・・・・・・・・・着いた」

黒木「え?」

加藤「着いたよ、黒木さん」

黒木「え、でも、ここ」




ザワ ザワ ザワ ザワ ザワ




黒木「ひっ?!」ビクッ!

加藤「ここが、わたしの目的地」

黒木「な、なっ」

加藤「ここならもう、誰も来ない」… シ ュ ル





 シ ュ ル ル ル ル ル ル ル


黒木「加藤さん、な、なに・・・」

加藤「・・・誰にも、邪魔されない」 ニ コ ッ 。

黒木「ま、まさ、かっ・・・  たすけっ・・・!」バッ!


 コ テ ン 。


黒木「え?」

加藤「大丈夫」シュル シュル

黒木「あ、あしが・・・」カクン カクッ

加藤「痛くなんかしない」シュルルルル

黒木「う、うそ・・・(まさか?!)

加藤「ふふふ」…ソッ


― ス ッ 。


黒木「ひい!」ゾクッ!

加藤「力、抜いて」ス スッ…

黒木(お、襲われる! ガチで犯される!!)

加藤「よくしてあげるから」… プ チ ッ

黒木(や、やだ! 怖い、怖いっ! 助けて・・・)




「― 智 貴 っ !」




 ド ギ ャ ン !


加藤「?!」

黒木「・・・っ!」バッ!



ド ド ド ド ド

 ド ド ド ド ド



「・・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「・・・誰!?」

黒木「と、とも・・・ き?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」



ド ド ド ド ド

 ド ド ド ド ド



加藤「ともき? ・・・黒木さんの、弟?」

智貴´「・・・・・・・・・・・」ドドドドドド

加藤「・・・」シュルッ

智貴´「逃げるぞ!」ガシッ!

黒木「あ、うんっ!」バッ!



ザ ザ ザ ザ ザ ・・・


加藤「・・・・・・・・・・・・」



ザ ザ ザ ザ ザ




加藤(・・・誰も、ついてきていなかった)

加藤(ここにも、誰もいなかったはず)




ザ   ザ   ザ   ・・・




加藤(智貴くん・・・ 黒木さんの弟)

加藤(もしかして、彼も・・・?)




   ザ  ・  ・  ・




加藤(・・・関係ない。 もう、逃さない)

加藤(このあたりはもう、わたしの手のなか)



「― ふたりとも わたしのものにしてあげる 」



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・




ザッ ザッ ザッ ザッ ザ !



黒木「は、はっ、はっ・・・」ザッザッザ

智貴´「大丈夫か」ザザザザ

黒木「なっ、な、なぜ・・・」ザッザッ ザ…

智貴´「わからねえ。 だが今はとにかく、逃げるしかねえな」

黒木「え? 逃げる・・・?」

智貴´「お前の友だちがなに考えてるのか知らないが、ヤバそうなのは確かだしな」

黒木「そ、そうじゃなくて。 なんでお前、わたしのこと・・・」

智貴´「・・・・・・・・・」



ザッ ザッ ザッ ザッ ザ ・・・



黒木「な、なあ智貴。 お前、どうして」

智貴´「・・・バカ野郎」

黒木「バカ?!」

智貴´「勘違いするなよ。 勘弁してやったわけじゃない」

黒木「あ、う・・・」

智貴´「だがお前に何かあったら、俺だって無事じゃいられない」

黒木「・・・あ、そうか。そうだよな」


智貴´「・・・・・・・・・」

黒木「(そりゃ、勘弁してくれたわけじゃないよな・・・)」

智貴´「・・他のやつにも、声かけてみろ」

黒木「あ、うん。 ・・・戻れ」

智貴´「       」シュパ



「ゆうちゃん!」

「もこっち!」



黒木「・・・・・・・・・」

成瀬´「大丈夫、もこっち!」

黒木「・・・ゆうちゃん」

成瀬´「わたしたちが、きっとなんとかしてあげるからね!」

黒木「怒ってないの?」

成瀬´「話はあと! ほかの人にも声かけて!」

黒木「・・・・・・・・・・・・」

成瀬´「わたしじゃ力になれないから、はやく!」

黒木「ありがとう、戻れっ!」

成瀬´「がんばって、もこっち!」シュパ!

黒木「(力になったよ、100人力だっ!)」グッ!



「吉田さんっ!」

「おう!」


黒木「ありがと!」

吉田´「例は後だ! 加藤、普通じゃねえぞ!」
    リ サ ー フ ィ ス
黒木「 吉 田 さ ん 、『クレイジープリンセス』で加藤さんを止めて!」

吉田´「・・・・・・・・・・・・・」

黒木「・・・加藤さんにケガさせるなよっ!」

吉田´「わたし、スタンドは使えねえ」

黒木「へ?! なぜ?!」

吉田´「・・・しかたねえだろ、そうなんだから」

黒木「こっ、この役立たず!」

吉田´「なんだと?!」ギロッ!

黒木「ひっ!」

吉田´「・・・話はあとだ、逃げるぞ!」
                     ホ ン モ ノ
黒木「そ、そうだ! リサーフィス、吉田さんを呼べるか?!」

吉田´「呼ぶって、どうやってだ・・・」



「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」



吉田´「おい、てめえ。 なに考えやがった」

黒木「そ、それは・・・」

吉田´「そうすりゃ確かに呼べるだろうけどな・・・」



黒木「で、でも、非常時だし」

吉田「やっていいことと悪いことがあるだろうがよ!!」

黒木「そ、そこをなん、とかっ!?」ズルッ!

吉田「うお?!」



 ガ シ ッ !!



吉田「?!」



 ム ニ ュ !



黒木「!!」



・・・ コ リ ッ ?



吉田「んふあっ!」ビクッ!

黒木「・・・あっ」

吉田「・・・・・・・・・・・っ!」バッ!



 バ チ ィ ン !!



黒木「ぷふぉっ!」ドシャッ!


 ピロピロピロピロ

 ピロピロピロピロ♪



吉田「・・・」カチッ カチ

麗奈「・・・」カチ カチ カチ



ピロロ ピロピロ

ピ ロ ロ ロ ロ ロ ロ !



吉田「・・・お」パスッ!

麗奈「早えな」カチカチ



パラ パラ パラ パラ

 パラ パラ パラ パラ ・・・



吉田「(いったな。 ・・・・)」

吉田「・・・んっ?」



 ガ シ ッ !!  ム ニ ュ !   ・・・ コ リ ッ ♡



吉田「んふあっ!」ビクッ!

麗奈「茉咲?」



 パララララ パララララー♪

パラララ パラララ パラララ・・・



吉田「・・・ふっ・・・くっ・・・」プルプルプル

麗奈「ど、どうした」

吉田「・・・帰る」バッ!

麗奈「え、でも、当たってるぜ」

吉田「やるよ。 じゃあな」ダッ!

麗奈「あ、おい。 ・・・なんなんだ、あいつ」




ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ !




吉田「(・・・あの野郎っっっっ!!!)」ダダダダ!





┃スタンド名-リサーフィス
┃能力-人形にとりつき、人間に変身させる能力。
┃    外見、体質、記憶や性格、習慣やにおいにいたるまで完全にコピー可能。

┃   \カカカカッ/

┃   ただし変身中のスタンドが受けた感覚は黒木智子本体だけでなく
┃   変身した相手にもある程度フィードバックされる。
┃   スタンドの素養を持つ者であればより強く感じ取ることができる。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ・・・



吉田「(・・・このあたりでいいか)」ダッ!

吉田「(誰かに見られないとも限らねえからな)」・・・ゴッ!



(出てこい! 『クレイジープリンセス』!!)

 ド ギ ャ ン ! !



「・・・・・・・・・・・・・・」ドドドドド

吉田「(・・・来たな)」



 ド ド ド ド ド

  ド ド ド ド ド



「・・・・・・・・・・・・・・」ドドドドド

吉田(『クレイジープリンセス』、耳をすませろ! あの野郎の声を聞きとれ!)

「・・・・・・・・・・・・・・!」ドンッ!




 \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃スタンド名:クレイジープリンセス(crazy princess)
┃本体:吉田茉咲

┃.破壊力-A スピード-A .射程距離-D 持続力-C 精密動作性-A .成長性-A

┃能力-圧倒的なパワーとスピード、さらに優れた感覚を兼ね備えた近距離パワー型スタンド。
┃    その目は望遠鏡にも顕微鏡にもなり、聴力は無数の雨音の中から油の滴が落ちた音を聞き分ける。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「・・・・・・・・・・・・・・・」

「聞こえるか? ・・・!」

「・・・・・・・・・・・・・・!」

「いたか! ・・・?」




  ・・・ ケ テ !   タ ス ・・・




「なんだって・・・?」




  タ ス ケ      タ ス ケ ・・・




「・・・・・・・・・・・・・・・」キィィィン…




  助けて! だれか、助けてっ!

  エロ同人みたいに犯されるー!




「あいつ、どうしたってんだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「くそ、世話が焼ける!」ダッ!



 ダ ダ ダ ダ ダ ッ ・・・


黒木「き、聞こえたかな」ザザザザ

吉田´「たぶんな。 てめえ、覚悟しろよ」

黒木「ち、ちくしょー・・・ もう十分殴られたのに」ヒリヒリ

吉田´「それに、たぶん加藤にも聞かれてるぞ」

黒木「まだ、どうにかなる。長距離走ならわたしの方が速い・・・」



・・・ バシュッ!    ・・・ビシャッ!



黒木「な、なんの音・・・」

吉田´「?!」



バシュ バシュ ビシュッ



「絶対、逃がさないんだから」



 シュバ バシュッ!



黒木「な、なにあれ?!」

吉田「(木と木の間を飛び跳ねてきてやがる!?)」

加藤(見つけた! ・・・?)



ザ ザ ザ ザ

 ザ ザ ザ ザ


加藤(智貴くんじゃない。 吉田さん?)

加藤(なぜ・・・?)


シュバ シュバ シュバッ!


吉田´「追いつかれるぞ!」

黒木「いちかばちか、戦うしかないか?!」

吉田´「・・・わからねえ。 あいつ、変な力があるみてえだ」

黒木「やっぱり、幽波紋なのか」

吉田´「それもわからねえが・・・」

黒木「・・・やっぱりやだ! 逃げよう!」

吉田´「ヘタレだな」

黒木「なんとでも言え!」


シ ュ バ ッ !


加藤(とらえた。 ・・・あの樹の後ろ)

加藤(もう逃げられないよ。 とりこにしてあげる・・・)


バ    バ ッ!



加藤「えっ」



「・・・」ダッ!


加藤「・・・ふふ。 もうダメだよ」

「は、はっ、はっ!」ザザザザ!

加藤「かけっこなら、かなわないけどね」シュタ!

「ぜ、ぜはっ!」ダダダダ ダッ!

加藤「ほうら、つかまえた ―」




・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・




加藤「・・・?」



・・・・・・・・・・・・


加藤「どこ? 黒木さん・・・?」



・・・・・・・・・・・・



加藤「たしかに、この木のかげに・・・」



・・・・・・・・・・・・コロン



加藤「なに、これ・・・ 人形?」ヒョイ


加藤「・・・・・・・・・・・・」


  ・・・ ピ ン ッ !


加藤「・・・!」



  ・・・  ・・・  ・・・  ・・・



加藤「・・・そう。そういうことだったの」



 シ ュ タ ッ !



加藤(・・・こっちのほう、だったね)



 シュバ ヒュバッ ビシュ



加藤(・・・黒木さん)シュタ シュパ!



(あなたもこの、『不思議な力』を持っていたんだね ―)



 シュタ シュパッ キュバ!



黒木「ぜ、ぜ、はあ・・・」ガサガサ



ザ ザ ザ ザ ・・・


黒木「(うまくいったみたいだな)」ザ ザ ザ

黒木「(時間稼ぎには、なったか・・・)」



[ かくれんぼ? ・・・こんなことなら、できるけど ]

[ わたしにこう、命令してみて ]




[ 『逃げて隠れてろ、見つかりそうになったら人形に戻れ』って ]




黒木(変身させるには、目の前で呼びかけなきゃいけないけど)

黒木(戻すためには、目の前にいる必要はなかったんだ)

黒木(それに変身させれば、どこまでも遠くに行かせることができる。 これなら・・・)



・・・ シ ュ バ      シ ュ タ ・・・



黒木(?! もう来たっ!!)

黒木(あんなに離れてたのに!?)



  シュタ  ビシュ  ビシュッ


黒木「(も、もう間に合わない! 逃げきれない!)」ガタガタガタ




 シ  ュ  バ  !




加藤「・・・つかまえた」

「ひい・・・」ガタガタガタ

加藤「あなたも、あの『力』、持っていたんだね」

「なんの、こと・・・」

加藤「とぼけてもダメ」・・・ シ ュ ル


シ ュ ル  シ ュ ル・・・


(なにか、近づいてくる?!)

加藤「ねえ、どんな力なの?」 シ ュ ル ・・・

「だ、だから、そのっ・・・」

加藤「言いたくないなら、からだに訊いてあげる」シュルシュルシュル

「ひいっ?!」




・・・ ガ サ !



加藤「・・・!」


「ひ、ひい、たすけ・・・」ガタガタブルブル

加藤「・・・・・・・・・・・・」




ザワ ガサ ・・・

 プ ツ ッ !




加藤「そっちね」シュルン!

「あっ!」

加藤「偽者の人を、作る力? ・・・すごいね」バッ!



シュタ シュバ シュビッ



加藤「でも、もう逃がさない」バシュ!

「だ、ダメ! そっちはダメ!」

加藤「ダメって言われても、だーめ」ビシュ!

「やめて!! いかないで!!」

加藤「やめないー」シュバッ!

「まって・・・・・・・・・・・・」







黒木「(うまくいった、いまのうち・・・)」コソコソ…




  カ  サ  ・・・



黒木「(な、なんなんだ、もう)」



 カサ カサ カサ



黒木「(なんで、あんなに早く、見つかったんだろ・・・)」

黒木「(とにかく、音たてないように、できるだけ遠くに)」



カサ カサ カサ



黒木「(もう、替えの人形も、一個きりしかない)」

黒木「(今度見つかったら、もう)」



 プ ツ ッ !



黒木「(え)」



シ ュ ル ッ !



黒木「(?!)」


黒木(なに、いまの・・・)



 キ ラ ・・・



黒木(これ・・・)



 ・・・ キ ラ ッ



黒木(・・・・・・・・・)









 シ ュ バ ッ !





加藤「そこだね。 その、茂みのなか」

「・・・・・・・・・・・」ガサッ

加藤「もう手加減しない。 ・・・えいっ」




 シ ュ パ ッ !



「?!」



 シュパ シュピ シュパッ!



「・・・な、なにこれ?!」

加藤「逃げられないって、言ったよね」

「な、なっ!」

加藤「この森はもう、わたしの巣」



 ザワザワザワザワザワ・・・



「うわあ?!」

加藤「あなたは巣にとらわれた蝶」

「こ、これ・・・」

加藤「痛くしないよ。 ほんのちょっと、しびれるだけ・・・」 ニ コ 。



 ズ ワ ア ッ !



「髪の毛?!」

「ふふふ」



バ チ ィ ッ !!



「っ!」 シュパ!

「! ・・・」



ザワ ザワ ザワ ・・・



黒木「(や、やばっ!!)」



 バ チ ッ !!



黒木「(・・・っく!)」ビクッ!



・・・ ・・・ ・・・ ・・・



黒木「(な、なんとか、間に合った)」ピリピリ

黒木「(ヤバくなりそうだったらすぐ戻れ)」って言っておいてよかった)」チクチク

黒木「(・・・・・・・・・・・・)」



 キ ラ ・・・



黒木「(いま、切っちゃった、これ)」

黒木「(・・・髪の、毛・・・)」



(まさか・・・ あれなのか・・・?!)


加藤「・・・・・・・・・・・・」


 コ  ロ  ン  。


加藤「・・・また、お人形」ヒョイ


 ザ ワ ・・・


加藤「黒木さん、あなたって、本当に素敵なひと」



ザワ  ザワ ザワ  ザワ ・・・



加藤「・・・さっきの、取り消すね」グッ!



シ ュ タ !



加藤(・・・黒木さん、ごめんなさい)

加藤(わたし、あなたを軽く見てた ― )



シュタ シュパ ・・ダダッ!



加藤(もう、『痛くなんかしない』なんて言わないよ)

加藤(あなたはそんな、生やさしい相手じゃなかった)



シュタ シュパ パシュ



加藤(あなたの力はよくわかった。 それでも)

加藤(わたしきっと、なんとしても、あなたを手に入れる)

加藤(わたしが手に入れたこの力)



( 『 ラブ・デラックス ―)



 シ ュ バ バ バ ッ


    普 通 じ ゃ な い
( ― ノー・オルディナリー 』でね )





  \カカカカッ/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┃スタンド名:ラブ・デラックス -ノー・オルディナリー- (love deluxe -No Ordinary-)
┃本体名:加藤明日香
┃破壊力 - E スピード - C 射程距離 - B 持続力 - A 精密動作性 - A 成長性 - D

┃自身の髪の毛に憑依して実体化するスタンド。
┃ラブ・デラックスと違いパワーはほとんど無く 人の肉体を直接傷つけることはまず無理。

┃ただしスタンドを実体化させた髪はすぐれた張力と強度を持つようになる。
┃人の肌を斬ることまではできないが、張り巡らせた髪の毛を足場にして飛び跳ねるくらいは可能。

┃最大の特長はその精密性で、、髪の毛を1本単位から微細に正確に動かすことができる。
┃さらに数万本の髪の毛を個別に自在に動かし、その先端の状況を把握することもたやすい。

┃これを利用して相手の皮膚感覚を刺激し、精神状態を高揚・沈静・混乱させることもできれば
┃痛覚神経を射貫き激痛を与えることもできる。
┃また自分自身に使用して表情筋の機能や皮膚状態を活性化させ、自身をより美しく見せることも可能。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前半はここまでです。 後半は後日。

呼び名に関しては、自分の感覚で選んでいます。
違和感を感じる人もいるでしょうがどうかご容赦ください。


後編を投下します。



・・・ シュタ シュタッ ・・・



黒木「(ま、また、こっちに来た!)」

黒木「(は、はやく・・・)」ガサガサガサ・・・



・・・ シュタ シュタッ!



黒木「(まっすぐ向かってくる! 逃げきれない!)」

黒木「ち、ちくしょっ・・・!」ガサッ!



タッ タッ タッ タッ タ・・・



黒木「(は、はやく来やがれ、あのヤンキー!)」タッタッタ

黒木「(いつもは呼んでもないのに、しゃしゃり出てくるくせに・・・)」ゼハー ゼハー…



 ク キ ッ !



黒木「あっつう?!」ドデ!

加藤「ふふふ」シュタ!



・・・ ト サ ッ 。


黒木「あっ、つつ・・・ (足、ひねった・・・)」ズリ・・・

加藤「・・・大丈夫? 黒木さん」

黒木「(も、もう、逃げられない・・・!)」

加藤「それとも、お人形さんかな?」

黒木「・・・・・・・・・・・・」ゴクッ

加藤「・・・どっちでもいいや」…ザワッ



ザワ ザワ ザワ ザワ ・・・



黒木「(ま、また・・・!)」

加藤「あなたが、『この力』で動いてるお人形さんなら・・・」…ザワザワザワ

黒木「(森が迫ってくる・・・)」…ゾッ…

加藤「あなたへの痛みは、黒木さんに伝わるはず」ザワザワザワ…
                ス タ ン ド
黒木「・・・! 知ってるの、幽波紋のことを!?」

加藤「スタンド? ・・・そういう名前なの?」

黒木「し、知らないの・・・?」

加藤「・・・あなたが何を知っているのか、わからないけど」ザワッ!



ザワザワザワザワザワ



黒木「ひっ!」

加藤「・・・もう油断はしない。 わたしのものになって」


黒木「な、なんで、わたしなんか!」

加藤「・・・わたし 『 な ん か 』 ?」



 ゾ ワ ッ !



黒木「わあっ?!」

加藤「あなたに」ゾワ…



「あなたに 、なにがわかるの!!」



 ゾ ワ ア ッ !!




黒木「(髪の束が、いっぱい!!)」

加藤「わからないんなら、わからせてあげる!!」ザワア!

黒木「(い、いちかばちか!)」グッ!



「加藤さんっ!!」

「黒木さん!」



加藤「なっ・・・!?」

加藤´「・・・・・・・・・」ザッ!


加藤「わ、わたし?!」

黒木「加藤さん´、加藤さんを止めて!」

加藤´「ええ!」タッ!


 タ タ タ タ タ ッ !


加藤´「ええーいっ!」シュタ!

加藤「こ、このニセモノっ!」ゾワッ!


 ゾワ ゾワ ゾワ


加藤´「きゃ?!」ギュルン!

黒木「(髪の毛の束が、加藤さん´に・・・)」ゴクリ



(・・・・・・やった!)



加藤「うけてみなさい、この偽者!」

黒木「(エサに食いついたっ!)」ニヤッ

加藤´「偽者はあなたよ」ニヤリ

加藤「な ― 」



 ビ ヂ ッ !



「 「 あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ー っ ?! 」 」



… カツッ ! ジャラッ …


― 『 リサーフィス 』は、変身した相手とあるていど感覚を共有している。

 その感覚は本来、とても微弱なもの。



「「あ・・・ ああ・・・ ああっ・・・?!」」



 けれど、その感覚は、互いの距離が近ければより強く感じ取れる。

 スタンドの能力を持つ者なら、さらに強く!



「「う・・・ ぐっ・・・ ああ・・・」」



そしてその感覚が限度を超えて強まったとき・・・

『 感 覚 の 共 鳴 』が生じるッ!



「「く・・・・ くっ、くう・・・・」」



 『 リサーフィス 』が感じた痛みが変身対象に伝わり!

 変身対象が感じたその痛みを、さらに『 リサーフィス 』が感じ取る!

 そう、互いの痛みは互いに伝わりつづけ増幅されるッ!!



「「は・・・ うっ・・・ くう・・・」」

「・・・ひ・・・ひぎっ・・・」



 ・・・当然、リサーフィスの本体である、わたしも痛い・・・

 し、死ぬ・・・ 死んじゃう・・・


加藤「う・・・ くっ・・・」ヒクッ ヒクッ・・・

加藤´「・・・く・・・」・・・パシュッ・・・

黒木「(リサーフィスが、解除された。 そりゃ、耐えられないよな・・・)」ヒクヒク・・・

加藤「・・・・・く・・・・・」カク カクッ ・・・

黒木「(・・・いちかばちかだけど、うまくいった)」


(あのとき試しておいて、よかった・・・)



―――――――――――――――



黒木「なあ、お前、わたしと感覚共有してるんだろ」

黒木´「そりゃ、お前のスタンドだし」

黒木「いや、変身してる最中は、相手の意識とつながるんだろ?」

黒木´「まあ、そうだけど。 ・・・今もそうしてる」

黒木「それなら、あのさ。 こうしたら、どうなるの」ヒソヒソ

黒木´「何考えてんだ、この変態」

黒木「・・・ダメ?」

黒木「ぜひやってみよう」

黒木「ありがと」 カ チ リ 。


 ヴ イ ィ ィ ィ ィ ィ ン ・・・





「「んほおおおおおおおおお~~~~~っ!?」」


智貴「今度は何だっ!!!」バーン!

黒木「             」 ヒクッ… ヒクッ…

智貴「・・・お、おい。 大丈夫か?!」

黒木「らい・・・ じょうぶ・・・」ヒク ヒク ヒク

智貴「今度は何なんだよ」

黒木「・・・こ、小指・・・ あひの、小指・・・」プルプルプル…

智貴「・・・おおげさな野郎だな、ったく・・・ 気を付けろよ」



 ガ チ ャ   バ タ ン 。



黒木「・・・・・・・・れ、れてきて、いいよ・・・」ヒク ヒク

黒木´「・・・・・・・・は、はひ・・・」プル プル

黒木「これ・・・ しゅごい しゅごいのお・・・ わらひ・・・ もう、らめ・・・」…ヒクッ

黒木´「ほんと・・・ わらひ らめになる・・・ らめに、なっちゃふ、よお・・・」プル…




―――――――――――――――




黒木「(エロは人類の進歩につながるって、ほんとだよな・・・  ?!)」



 ヨ  ロ  ッ  。



加藤「・・・っ・・・」


黒木「か、かとう、さんっ・・・」

加藤「・・・・・・はあ・・・・・・・はあ・・・っ・・・」ヨ ロ  ヨ ロ …

黒木「(な、なんて精神力・・・?!)」

加藤「・・・わ、わたしのっ・・・かち、だね・・・?」 ニ コ 。


 フ ラ  フ ラ

  ザ リ  ザ リ


加藤「しって・・・るよ・・・ あなたも・・・ いたかった・・・よね・・・?」・・・ ヨ ロ

黒木「・・・・・・・・・」ゴクッ

加藤「お人形さん・・・ もとに、もどっちゃった・・・ もんね・・・」フ ラ ・・・

黒木「なんで、なんで、そこまでして、わたしなんかを・・・」

加藤「・・・・・・わからない、かなあ」

黒木「わからない、わからないよ!」

加藤「わから、ないん、だね」カ ク  カ ク ・・・

黒木「どうして、加藤さんみたいな人が、わたしなんか・・・」

加藤「・・・・・・・・・・・・」



「うれし、かったん、だよ」



黒木「え」

加藤「すごく、うれし、かった」ヨ ロ ッ



黒木「・・・な、なにが」

加藤「・・・あなた・・・だれでも・・・ああなの・・・?」ヨ ロ リ

黒木「『ああ』、って・・・?」

加藤「あなた、だれでも・・・かお、いじらせる・・・?」


―すごく 、可愛くなった。


黒木「あっ」

加藤「だれでも、つめ、いじらせる・・・?」


―他の指もやろうか?


加藤「だれから・・・ もらった・・・ものでも、たべる?」

加藤「だれの、ひざのうえでも・・・ねむるの・・・?」

黒木「・・・・・・・・・」

加藤「ずっと・・・ ひとりでいた・・・ あなた・・・」

加藤「わたしに・・・こころ、ひらいて、くれた・・・ うれしかった・・・」フ ラ リ

黒木「・・・加藤さん」

加藤「・・・あなた、きっと、わかって、くれる・・・」・・・シュル


シュル シュル シュル


黒木「ま、待って!」

加藤「わたしのこと・・・ わかって・・・」ザワッ



ザワ ザワ ザワ ・・・


黒木「加藤さん、待って! わたし、違う! あなたの思ってるような人じゃ!」

加藤「わたし・・・ の・・・ もの・・・」ザワ ザワ …

黒木「わたし、そんな、いいひとじゃない!」

加藤「・・・・・・・・・・・・」



「・・・しって、る・・・」



黒木「え」

加藤「わたし、しってる・・・ あなた・・・ わるいひと・・・ 」ザワザワザワ

黒木「や、やめて!」

加藤「だから、きっと・・・ わたしのこと、わかってくれる・・・ だって・・・」ザワザワザワ



「わたしも・・・ わるいこ、だもの・・・」



 ザ ワ ・・・



黒木「どっ、どうしても、やめてくれないの・・・!?」

加藤「・・・ダメ。 残念・・・ だけど、ね・・・」フ ラ ッ

黒木「やめて! ― 加藤さんっ!!」

加藤「しつこいよ・・・ バカ・・・」




「それじゃあ あなたの負けよ 可愛いレディ」


加藤「なっ・・・」


 ガ シ ッ !


加藤「う、うああ・・・!?」グイ!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」グ…



加藤´「残念だったね」



加藤「な、なぜっ・・・」
    わ た し
加藤´「明日香は、そんなことしない」

加藤「え」
                わ た し
加藤´「黒木さんの知ってる明日香は、絶対、そんなことしない」


 バ ッ !


黒木「うりゃあーーっ!」

加藤「?!」

黒木「加藤さん、ごめんっ!」グワッ!



「 モ コ パ ー ン チ ! 」



  ペ  チ  ッ  。



「あ」「え」「おっ」



  ク  キ  ッ  ♪


― スタンドと本体は、感覚を共有している。

 だからスタンドが感じた痛みは、本体にも届く。



「・・・ ・・・ ・・・」

「いたい! いだだだっ! いたいよーっ!」



 けれど、変身中の『 リサーフィス 』は、変身相手の意識とリンクする。

 わたしからはなかば、独立した状態になる!



「・・・ はたかれた ・・・」ジワッ

「うで、うで、おれたっ! いたあーい!」



 だから「感覚の共鳴」は、変身相手とリサーフィスの間にだけ起こる!

 わたしが受ける痛みは、本来受けるべき痛みだけ!



「はたかれた・・・ 黒木さんに、はたかれたっ・・・」ポロポロ・・・

「い、いたいよ、いたいよう・・・」・・・ポロポロ



 そして『 リサーフィス 』が変身するのは、私の記憶の中の加藤さん。

 だから一度変身を解除すれば、受けたダメージは消えないけれど、

 一時的な状態の変化はリセットされる!


「感覚の共鳴」で戦闘不能にできれば、それでよし。

 万一立ち上がってきたら、これを利用し不意打ちを決める!

 まさに隙の生じぬ二段構えッ!



・・・の、はずだったんだけど・・・



黒木「・・・い、いででで(作戦は、完璧だったのに・・・)」

加藤「ひっく、ひっく・・・ ふえぇぇぇ・・・ん・・・」グスグス

黒木「・・・加藤さん?」

加藤「たたいた・・・ 黒木さん、わたしのこと、たたいた・・・」エグエグ

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「お母さんにも・・・ たたかれたこと・・・ ないのにっ・・・」ヒックヒック



┌──────────
│            リ タ イ ア.
│加藤明日香 戦 意 喪 失

└──────────

   ドォーーーーーz__ン



黒木「(・・・・・・で、でもまあ、結果オーライか)」

加藤「ふっ・・・ ふえぇぇぇ・・・んっ・・・」グスン グスン

黒木「加藤さん」グッ!

「あなたはとても、強かった。 能力の扱い方も、完璧だった。 でも!」


 バ ッ !


「わたしはずっと頭の中で繰り返してきた。 同じスタンド使いとの戦いを!」



「物心ついたときから、何千回も、何万回も! いつか幽波紋に目覚めることを夢見て!」


「・・・ そ う 」


 ズ ア ッ !


 スタンドバトル
「 実  戦  でなら、このわたしに一日の長があったのよ」



 ズ ギ ャ ア ア ーーz__  ン



「バカ野郎」ゴキッ!



黒木「ぐぶぇっ?!」

吉田「なにヘンなポーズしてんだ、お前」

黒木「わ、わたし、ケガ人・・・」ヒクヒク

吉田「あんな呼び方しやがって、ちくしょうめ」

黒木「(いまさらやってきて、えらそうに・・・)」ズキズキ

吉田「どうしちまったんだよ、加藤のやつ泣いてるだろ」

黒木「そ、それは・・・」



加藤「ぐすっ・・・ ひぐっ・・・」


吉田「おい、加藤。 なにがあったんだ」

加藤「・・・吉田、さん。 ・・・なぜ・・・?」

吉田「・・・・・・うん?」

加藤「いつのまに・・・ここまで・・・これたの・・・」

吉田「なんだって?」

加藤「だれも・・・ 入って、きてなかった・・・ はずなのに・・・」

吉田「・・・出ろ」 ゴ !


 ド ギ ャ ン !


加藤「!!」

吉田「・・・」ドドドドド

加藤「よ、よしだ、さん・・・ それ・・・」

吉田「見えてるのか」ドドドドド

黒木「うん・・・」

吉田「どうりで、変だと思ったんだ」ドドドドド…


「森じゅうの木に、髪の毛が張り巡らせてあったんだからな」


加藤「! 見えて、たの・・・?!」
    クレイジープリンセス
吉田「 こ  い  つ  には、わかるんだよ」

加藤「そ、んな・・・」カクン


吉田「黒木。助けてくれっての、加藤からだったのか?」

黒木「・・・うん」

吉田「その手と足もか」

黒木「これは、自分で、勝手に」

吉田「ふん」ドッ!



ド ド ド ド ド ド ド ド ド



黒木「よ、よしだ、さん?」

吉田「気は進まねえんだがな」ドドドドド

加藤「吉田、さん・・・」

吉田「しゃあねえか。 ・・・加藤」ドドドドド



「お仕置きの時間だぜ」


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド



加藤「・・・!」

黒木「吉田さんっ?!」

吉田「悪く思うなよ。 こんなクソガキでも」ドドドドド


             ダ チ
「いちおう、わたしの友 達だからな」



       ダチ
加藤「・・・友達・・・」

黒木「吉田さん、待って! 吉田さん!」

吉田「歯ぁ食いしばれ」

加藤「・・・・・・・」グッ!

黒木「待てって・・・」ムカッ!



「待てっつってんだろ、このバカヤンキー!!」



吉田「バカぁ?!」

加藤「・・・!」

黒木「あっ」

吉田「てめえ、いまバカって言いやがったな!」

黒木「あ、いや、その!」ビクビク

吉田「ちっ・・・ そりゃ、あたしだって気は進まねえ。 だが、これはケジメだ」

加藤「けじめ・・・」

黒木「で、でも!」

吉田「そこ、どけ。 黒木」

黒木「・・・・・・・・・」ブルッ



ブル ブル ブル ・・・



吉田「どけよ」

黒木「・・・・・・・・・」ブルブル・・・

吉田「どけっつってんだろ!!」

黒木「っ! ・・・・・・・」ビクッ!


・・・ガタガタガタガタ


加藤「くろき、さん・・・」

黒木「・・・ひ、っく・・・」ガタガタガタ

吉田「どかねえのかよ、ったく」…ジャリ


… ザ ッ 。


黒木「あ、あれ」

吉田「・・・・・・・・・」ザッ ザッ ザ

加藤「・・・吉田さん」

吉田「あー、無駄足踏んだ」ザッ ザッ…

黒木「あ、ありがとう」

吉田「こんどあんな呼び方してみろ、本当にぶっ殺すぞ」

黒木「・・・ごめんなさい」

吉田「・・・くそったれ」ザッ ザッ



 ザ  ザ  ザッ  ・・・


黒木「・・・・・・・・・」

加藤「黒木さん・・・」

黒木「・・・立てる?」

加藤「立てる・・・あっ」フラッ

黒木「無理しないで。 ・・・戻れ」

加藤´「 」パシュッ

黒木「智貴」

智貴´「おう」

黒木「加藤さんに、肩貸してあげて」

智貴´「わかった」

加藤「・・・・・・・・・」

黒木「あいつ今日部活だし、山降りるまでならなんとかごまかせるだろ」

加藤「・・・黒木さん」

黒木「山から下りたら、タクシーでも呼べばいいかな」

加藤「・・・ごめんね・・・」グスッ

黒木「・・・いい、よ。 じゃ、智貴´」ヒョコ


ヒョコッ ヒョコッ ヒョコ…


加藤「黒木、さん・・・」

黒木「だい、じょうぶ・・・っつ!」ヨロッ!



・・・ ザ ッ !


黒木「あっ」

加藤「あ・・・」

吉田「・・・・・・っ、たく」



ザ ザ ザ ザ ザ ・・・



黒木「・・・ごめんなさい、吉田さん」

吉田「お前は何回、あたしにおぶられりゃ気が済むんだ」ザッ ザッ ザ

加藤「智貴くん´、ありがとう」

智貴´「・・・大丈夫です、先輩」ザ ザ ザッ

黒木「(なんだこいつ、普段よりも妙に丁寧だな・・・)」ムカッ

吉田「加藤、まだ痛いのか」

加藤「痛くは、もうない。 くらくらする、けど」

吉田「なあ加藤。なんで、こんなクソガキにそこまでしたんだ?」

黒木「(・・・さっきからガキガキうるせーよ)」ムスッ

加藤「ごめんなさい・・・ わたし、ちょっと、おかしくなってた・・・」

黒木「・・・そうだよ、加藤さん。 そうでなければ、わたしのことなんか」

加藤「黒木さん、やめて」

黒木「え」

吉田「黒木、そういうのはやめろ。 無駄にムカつく」

黒木(・・・また言われた・・・)シュン


加藤「・・・あなたと友達になりたいって思ったのは、おかしくなったからじゃない」

黒木「あ、ありが、と」テレテレ

加藤「けれど・・・」



(あなた、わたしのものにしてあげる・・・)



加藤「なんだかわたし、わけがわからなくなってた・・・」

吉田「・・・・・・・・・」

加藤「ごめんなさい、黒木さん・・・」

黒木「気にしない、で。 加藤さん」…スッ



「・・・でも」


 ジ ャ ラ ッ 。



吉田「なんだそりゃ、スマホか」

加藤「・・・それ、わたし、の?」

黒木「うん、さっき落としたやつ。 ・・・」



・・・ ジ ャ ラ ・・・



黒木「・・・・・・・・・加藤さんは、バカだ」


加藤「えっ」

黒木「・・・携帯に、こんなの、つけて」…ジャラ

吉田「なんだこれ、三牛士か」

加藤「あ・・・」


[ どうしても3つ、もらってほしくて・・・ ]


加藤「・・・・・・・・・」

黒木「あなた、バカだ。 ほんとうに、バカだよ」・・・ギュッ



あなたのものにする? わたしなんかを? まったく・・・



― よく寝てたね。 疲れちゃった?



ス タ ン ド
あんなもんなんか使わなくったって、よかったのに。

・・・ バ カ 。



黒木「バカ・・・・・・・・・」グスッ

加藤「・・・!」

黒木「ったく。 ちっく、しょうっ・・・」ズズ ズビッ

加藤「黒木さん・・・ ごめんなさい。 ごめん、ねえ・・・」グズ・・・

吉田「・・・・このバカ」ムスッ



ザッ  ザッ  ザッ  ・・・


キーン コーン カーン

 キーン コーン ・・・




加藤「・・・ ・・・ ・・・」



 チ チ  チ チ チ チ

  チ チ チ チ ッ ・・・



加藤「・・・・・・・・・」

吉田「なんだ、加藤か」

加藤「・・・吉田さん」

吉田「なにしてんだ」

加藤「何も。 ・・・わたしを、探しに来たの?」

吉田「そこはわたしの席だ」

加藤「・・・ごめんなさい」スッ

吉田「いいよ。 ちょっと詰めろ」

加藤「うん・・・」

吉田「・・・っしょ」ドカッ



 チチチチチ  チチチチチ …



吉田「ねむ・・・」ボーッ

加藤「・・・・・・・・・」


吉田「・・・ふああ」ウト…

加藤「けじめ、つけにきたの・・・?」…ギュッ

吉田「ふあ?」

加藤「黒木さんを。 ・・・あなたの、友達を、あんなにした」

吉田「あんなん友達じゃねーよ」

加藤「でも、きのう」

吉田「当の本人がもういいって言ってるんだ」

加藤「・・・」

吉田「わたしが出しゃばることじゃない」

加藤「・・・それでも、わたし」

吉田「なら、本人に言えよ」

加藤「・・・・・・・・・」

吉田「・・・そろそろ、席、貸せよ。 眠りてえ・・・」ウツラ ウツラ

加藤「うん」スック



・・・ タ ッ !



加藤「ありがとう、吉田さん」タ タ タ タ

吉田「・・・・・・」スー スー…



ザワ ザワザワ

 ガヤ ガヤ …



黒木「・・・・・・・・・・・・」ビクビク

田中「・・・・・・・・・・・・」モム…

田村「・・・・・・・・・・・・」…ハム



 ガヤ ガヤ ガヤ

   ザワ ザワ …



田村「・・・・・・・・・・・・」モム モム

黒木「(空気が重い・・・ 最悪に重い・・・)」ゲッソリ

田中「・・・・・・・・・・・・」ハム ハム

黒木「(田村さんは当然だけど、真子さんまで一言もしゃべってくれない)」ビクビク

田村「・・・・・・・・・・・・」コク…

黒木「(・・・あんなドタキャンの仕方すれば当然か・・・)」

黒木「(しかも学食で加藤さんといるとこ、見たんだろうし)」

田中「・・・・・・・・・・・・」コク コク

田村「・・・・・・・・・・・・」モグ…

黒木「(加藤さんのせいだ、なんて言うわけにもいかないしな・・・)」

黒木「(スタンドのことなんて説明したって、わかってくれるはずない)」


黒木「(・・・こうして、一緒の席でご飯食べてくれるだけでも、ものすごく優しくしてもらってんだ)」

黒木「(しばらくはこれに耐えなくちゃ)」…グスッ



 … ス ッ 。



黒木「あ」

田中「・・・あっ」

田村「・・・!」



加藤「・・・・・・・・・・・・」



黒木「加藤、さん」

加藤「・・・ごめんなさい」

黒木「・・・・・・・・・」

加藤「・・・ケガ、させて」

黒木「えっ」

田村「え」

田中「け、ケガ?」

黒木「あ、う、その」

加藤「・・・サポーターとソックスで、隠してくれてるんだね」

黒木「・・・・・・・・・・・・」


田中「ケガなんかしてたの、黒木さん・・・?」

田村「・・・いったい、何が」

加藤「わたしの、せいなの」

黒木「(・・・! 加藤さん、それは!)」

加藤「わたしが、無理を言って・・・」ギュッ



「バスケの練習に、つきあってもらって・・・」



黒木「え」

田村「・・・え」

真子「バスケ?」

加藤「バスケ、上手になりたかったの。 茜を、びっくりさせたくて」

黒木「・・・・・・・・・」

加藤「だから昨日、無理いって相談してもらって。」

加藤「放課後に練習してもらって・・・」

黒木「か、加藤、さん」

加藤「・・・黒木さん、引き受けてくれた。 『こないだ、膝よごしちゃったから』って言って。」

加藤「黒木さん、すごく気にしてて・・・ わたし、ほんとうに、気にならなかったのに」

黒木「(・・・すごい、まるでウソ言ってるように見えない)」ドキドキ

真子「そう、だったんだ」

田村「・・・・・・・・・」

黒木「(加藤さんって、やっぱりちょっと怖いかも・・・)」ドキドキドキ


黒木「あ、う・・・」

田村「・・・・・・・・・」

加藤「ほんとうにごめんなさい。田村さん、田中さん・・・」

田村「・・・なぜひとこと、言ってくれなかったの?」

黒木「え。 あ・・・」

加藤「わたしが、内緒にしてほしいって、言ったから・・・」

田中「黒木さん、らしいね」

田村「・・・バカ」

黒木「あの、その・・・ ごめん・・・」

田村「せめてもっともらしいことくらい、言えなかったの?」

黒木「う・・・」

田村「もういいよ。 ・・・バカなんだから」ムスッ



・・・ ガ タ ッ 。



加藤「!」

黒木「あっ」



吉田「よう」



田村「・・・」パチクリ

田中「吉田さん?」

吉田「邪魔するぜ、田中」ガタ。


田中「あ、うん。 ・・・珍しいね、どうしたの?」

吉田「小腹がすいちまったんだよ。 ・・・おい加藤、お前も座れよ」

加藤「えっ」

吉田「見下ろされるのは、しゃくだ」

加藤「・・・田村さん、田中さん・・・」

田中「どうぞ、加藤さん」ニコ

田村「・・・・・・・・・別に、いい」



 ガ タ ッ   ・・・ カ タ ン



黒木「(・・・大人数になっちゃったな)」

田中「なんだか嬉しいな。 吉田さんとごはん食べるなんて、はじめて」

田村「・・・いつも来てくれればいいのに」

吉田「ガラじゃねえよ」

田中「わたしたちが、吉田さんのところに行ったら、迷惑?」

吉田「寝てるかもしれねえぜ」

田村「寝顔、見たいかも」

吉田「なに言ってんだ」

加藤「・・・さっき、少しだけ見た」

田中「ほんと? 加藤さん」

加藤「可愛かったよ」

吉田「バカヤロ」

田村「・・・・・・・・・・・・」



♪ ワイワイ キャッキャ ワイワイ



黒木「(・・・あのヤンキー、いっちょまえにガールズトークもこなせるのか)」

加藤「・・・・・・・・・」



♪ アハハ フフフ ソレデネー ソーカ ・・・



黒木「(ヤバい、ぜんぜん話に入れない)」

加藤「・・・・・・・・・・・・」シュル



シュル シュル シュル・・・



― 黒木さん。



黒木「ん?」



― 黒木さん。 黒木さん ―



黒木「(・・・私の足首?)」



シュル シュル シュル・・・


              ラブデラックス
黒木「(! 加藤さんの髪 の 毛・・・!)」


― 黒木さん・・・



黒木「(・・・わたしの足に巻きついた髪から、加藤さんの声が聞こえる)」

加藤(黒木さん。 聞こえてる?)

黒木(・・・リサーフィスにしゃべらせることも、できるかのな)・・・ス



― ・・・・・・加藤さん。 聞こえる?


― うん、聞こえる。 ・・・ごめんね、ケガさせて。


― よかった、聞こえて。 もう大丈夫。


― ・・・黒木さん。 けじめ、つけさせて。



黒木「(え?? けじめって・・・)」



シュル シュル シュルッ ・・・



黒木「(あっ。 ・・・なんか、あたたかい)」



シュルシュルシュルシュル…



黒木「(足のうずきが、おさまってく・・・)」


黒木「(加藤さんのスタンドって、こんな力もあるんだ)」

加藤「(経絡を刺激してるだけ。 スタンドの力じゃない)」

黒木「(そうなんだ)」

加藤「(だから、あっという間に治せたりはしない。 気休めくらいだけど・・・)」

黒木「(・・・な、なら、さ)」



― これからしばらく、治しつづけてもらうことは、できる、かな・・・?



加藤「(・・・え)」

黒木「(ほ、ほら。 席、前後ろだし。 ばれないように、こっそり)」

加藤「(・・・・・・・・)」

黒木「(ちょこちょこ、やってもらえると、うれしいな)」

加藤「(ありがとう、ね。 黒木さん・・・)」



・・・ 仲 直 り 、で き た か ?



黒木「!」

加藤「(・・・あっ)」



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・


加藤「(クレイジープリンセスの声・・・)」

黒木「(・・・できた、と、思う)」

加藤「(そうか。 じゃあ)」



 ス ッ 。



吉田「(仲直りの、握手だ)」

黒木「(・・・握手)」・・・ス

加藤「・・・・・・・・・」



― シ ュ ル 。


 シ ュ ル ッ 。



吉田「(・・・きれいな髪だな)」シュル・・・


黒木「(手首も、あったかい。 みるみる治っていく感じ)」・・・シュルル

            ラブデラックス
吉田「(よろしくな、 加  藤  。)」

            クレイジープリンセス  リ サ ー フ ィ ス
加藤「(ありがとう、 吉 田 さ ん 、黒 木 さ ん 。)」


黒木「(・・・わたしたちの、秘密、だね)」


 (・・・うん) (ああ)








田村「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



♪ ワイワイ キャッキャ アハハハ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




♪ ソレデネー ソーナノカ ウンウン




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




♪ アハハハ ウルセー ゴメンゴメン ・・・




・・・なに、あいつら。

女の子同士で、イチャイチャして。




♪ クロキサンハ ドウナノ?

  ア ウン ソノ ・・・



なに、あいつ。 鼻の下伸ばして。

キモい顔して・・・



・・・ ゴ ・・・



ああ、キモい。

みんな、きもい。

・・・ヘドが出そう。



ゴ  ゴ  ゴ  ・・・



なによ、あいつ。

わたしのこと、あんないやらしい目で見てたくせに。

いまは加藤さんのことばかり・・・



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



・・・きもい。 きもい。 きもい。

きもいきもいきもいきもいきもい。

きもいきもいきもい!! き も い っ っ っ !!



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・殺してやるッ・・・!




 ド ギ ャ ン !!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ド ド ド ド ド ド ド ド ド




・・・あんたのせいだよ、黒木。




ド ド ド ド ド ド ド ド ド




あんたが、わたしを、おかしくしたんだ。

あんたのせいで、わたし、こんな・・・





ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・・・






 ・・・ キ モ ォ ー イ 。



 キ モ ォ ォ ォ ォ ー イ ・・・




                                              /|_________ _ _
                                             〈  To BE CONTINUED…//// |
                                              \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄




※おまけ※



\カカカカッ/

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┃スタンド名:リサーフィス(resurface)
┃本体名:黒木智子
┃破壊力-D
┃スピード-D
┃射程距離-D
┃持続力-A
┃精密動作性-D
┃成長性-B

┃人形ほか人の形をしたものに憑依して記憶にある人間の姿に変身・実体化するスタンド。
┃「サーフィス」と違い、本人に触れていなくても見知った人間であれば誰にでも変身できる。
┃さらに憑依する人形も選ばず、人の形さえしていればどんな大きさでも材質でも憑依できる。
┃変身した人形は相手と全く同じ身体・精神を持つが、スタンド能力を扱うことはできない。

┃変身中のスタンドは変身相手とあるていど意志や感覚を共有している。
┃そのため本体から半ば独立したかのような言動をとり、完全に操作することはできない。
┃そのぶん変身中のスタンドからこうむるダメージのフィードバックも緩和される。

┃また変身中はスタンドの感覚が変身対象へも多少フィードバックされる。
┃この感覚は両者の距離が近いほど、スタンドの素養が高いほど明晰にとらえることができる。
┃その感覚が一定以上強まると対象者との間で「感覚の共鳴」が生じ、
┃互いの感覚に受けた刺激を互いに大きく増幅して感じ取ってしまう。

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\カカカカッ/

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┃スタンド名:クレイジープリンセス(crazy princess)
┃本体名:吉田茉咲
┃破壊力 - A
┃スピード - A
┃射程距離 - D
┃持続力 - C
┃精密動作性 - A
┃成長性 - A

┃筋骨隆々とした堂々たる体躯の女性の姿をした近距離パワー型スタンド。
┃圧倒的なパワーとスピードを誇り、またスタンドの五感もきわめて鋭敏。
┃その視力は地平線の彼方、宇宙の彼方までもをとらえ、
┃その聴力は無数の雑音のなかから狙った音だけを的確に聞き分ける。

┃また精密動作性も非常に高く、編み上げられた蜘蛛の巣を糸一本切らずにほどくことも可能。
┃文中ではこれらの能力を的確に駆使し、ラブデラックスの糸の結界を突破した。

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\カカカカッ/

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┃スタンド名:ラブ・デラックス -ノー・オルディナリー - (love deluxe -No Ordinary-)
┃本体名:加藤明日香
┃破壊力 - E スピード - C 射程距離 - B 持続力 - A 精密動作性 - A 成長性 - D

┃自身の髪の毛に憑依して実体化するスタンド。
┃ラブ・デラックスと違いパワーはほとんど無く 人の肉体を直接傷つけることはまず無理。
┃また相手に植え付けて直接的に操ったりする能力もない。

┃ただしスタンドを実体化させた髪はすぐれた張力と強度を持つようになる。
┃人の肌を斬ることまではできないが、張り巡らせた髪の毛で足もとをすくったり、
┃自身がそれを足場にして飛び跳ねるくらいのことは可能。
┃また束ねれば人ひとりを支えるくらいはできるが持ち上げたりできるほどのパワーはないし、
┃チューブ状に寄り合わせれば注射針のように突き刺したりすることも可能だが
┃強度・太さも注射針程度にしかできない。

┃反面、精密性には非常に優れており、髪の毛を1本単位から微細に正確に動かすことが可能。
┃数万本の髪の毛を個別に自在に動かし、それぞれの先端の状況を同時に把握することもできる。

┃これを利用して相手の皮膚感覚を刺激し、精神状態を高揚・沈静・混乱させることもできれば
┃痛覚神経を射貫き激痛を与えることもできる。
┃また自分自身に使用して表情筋の機能や皮膚状態を活性化させ、自身をより美しく見せることも可能。
┃それから髪の毛で患部を刺激し治癒能力を高めたり、
┃前述したように注射針型にして相手に薬物などを注入したりすることもできる。

┃なおこれらはスタンドの能力そのものではなく、あくまで物理的な刺激の影響であり本体の医療知識によるもの。
┃なので効果も通常の医療行為の範疇にとどまっている。


┃本体が自己の精神のなかで抑圧してきた、他者を操り人形にしたいというゆがんだ欲望が実体化したスタンド。

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