野崎「ドーブル、今日はここにベタを頼む」 (13)

ドーブル「……」ベタベタ

野崎「ああそこだ、ありがとう」

野崎「……それと後はここに花も頼む」

ドーブル「……」スラスラ

野崎「ありがとう、助かる」

うちのドーブルはベタ、花、背景、トーンの四つの技を覚えている。

今の俺には必要不可欠の相棒だ。


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佐倉「お邪魔しまーす!」

野崎「! そうだ、今日は佐倉が来るんだった」

野崎「お前がベタをやらなくてもよかったな」

ドーブル「……」コクリ

佐倉「ドーブルもこんにちは!!」

ドーブル「……」ペコリ

野崎「じゃあ佐倉、今日もベタを頼む」

佐倉「うん! 任せて!!」

佐倉「……」ベタベタ

ドーブル「……」ヌリヌリ

佐倉「野崎くん! 終わったよ!!」

野崎「じゃあ次はこことここにベタを頼む」

佐倉「分かった!!」

ドーブル「……」ピタッ

野崎「! ドーブルも終わったのか」

野崎「じゃあ次は……ここに背景を……後ここにもトーンを」

野崎「そうだ、もう一箇所だけ花を描く所があるんだった。 ここも頼む」

ドーブル「……」コクリ……

佐倉「す、凄いねドーブル……全部やるんだ」

野崎「ああ、何でもできるからな」

佐倉「……」

佐倉(何でもできる……か)

野崎「佐倉……? どうした、具合でも悪いのか?」

佐倉「……!! ううん、なんでもないよ!!」

野崎「……と、すまない。 トイレに行く」

佐倉「う、うん! 行ってらっしゃい!!」

バタン!!

佐倉「……」

ドーブル「……」ヌリヌリ

佐倉「ドーブルは凄いね……なんでもできちゃうんだから」

佐倉「それに比べて私は……ベタしかできないや」

ドーブル「……」

野崎「……と、すまない。 作業を再開しようか」

佐倉「! う、うん!!」

別の日

御子柴「ふぁ~あ……ギャルゲーやりすぎた」

佐倉「……」スタスタ

御子柴「! はよーっす佐倉」

佐倉「! みこりん……」

御子柴「……」

御子柴(こいつ最近元気ねぇな……)

御子柴(そうだ……野崎がドーブルを飼い始めたと同時だな)

御子柴「……」

御子柴「なぁ佐倉」

佐倉「? 何?」

御子柴「お前、ドーブルに嫉妬してんだろ」

佐倉「え!!?」

御子柴「お、その顔は図星か」

佐倉「な、なんで分かったの!!?」

御子柴「どんだけお前と一緒にいると思ってんだよ。 それくらい分かるっての」

佐倉「あはは……流石だねみこりん」

佐倉「だってドーブル……なんでもできちゃうんだもん」

佐倉「ベタだけじゃないし……背景もトーンも……しかも綺麗だし……」

佐倉「一人であれだけできたら……私なんていらないんじゃないかなって……」

御子柴「……はぁ、何も分かってねぇなお前」

佐倉「え……?」

御子柴「いいか佐倉、なんでドーブルがあんなにベタが上手か考えてみろよ」

御子柴「あんなに上手いのは……お前のベタをスケッチしたからだろ?」

佐倉「!!」

御子柴「今のドーブルが役に立ってるのはお前のおかげだろ?」

御子柴「お前だけじゃねえよ、背景の人やトーンだって……そいつらが上手いからこそ役に立ってんじゃねえのか?」

佐倉「……」

御子柴「だからその……あれだ……上手くまとめられねーけど……」

御子柴「お前がいらないって事はねーと俺は思う」

御子柴「お前らがいてこそのドーブルじゃねえのか?」

佐倉「みこりん……」

佐倉「ね、ねぇみこりん!! もしドーブルがベタを褒められてたらさ……」

佐倉「それって私が褒められてるっていう風に考えても……いいかな!?」

御子柴「まー……いいんじゃねえの?」

佐倉「そっか……そうだよね!!」

佐倉「ありがとうみこりん!! 私、なんか元気出てきた!!」

御子柴「……ま、何と言っても一番貢献してんのはこの俺だけどな」

御子柴「あんな綺麗な花、誰にもマネできねーぜ?」

御子柴「俺あってのドーブル……つっても過言じゃねーな」

シーン……

御子柴「……って、いねぇのかよ!!!」

佐倉「野崎くーん!!」

野崎「! 佐倉」

佐倉「あのね、今日のアシスタント……」

佐倉(そうだよ私、無理に何でもしようとしなくていいんだ)

佐倉(私はできる事を精一杯やればいいんだ!!)

佐倉(もっともっとベタを極めて……ドーブルを成長させなきゃね!!)

帰り道

野崎「そしたらまた剣さんに怒られてしまってな……」

佐倉「あはは……」

少年「ねーお兄さん!! ポケモンバトルやろう!!」

野崎「! すまない少年、生憎ドーブルは家にいて……」

少年「えっ……」

野崎(くっ……悲しそうな目……ここら辺は野生のポケモンはいないし……)

野崎「佐倉、お前はポケモン持ってるか?」

佐倉「ご、ごめん。 私、一匹も持ってないんだ」

野崎「そうか……」

野崎「……」

佐倉「……」

野崎「……!!」

佐倉「! ど、どうしたの野崎くん?」

野崎「佐倉……協力してくれるか?」










野崎「すまない少年、実は一匹ポケモンを持っていた」

少年「本当!? じゃあバトルしよう!!」

野崎「よし、やろう」

野崎「……行け!! パラス!!!」

佐倉「パラァ!!!」

少年「いや、バレバレだけど」

終わり

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