遊馬「乳首!?何で乳首がこんな所に」
小鳥「て言うか乳首が落ちてるわけないんじゃ」
カイト「この形状から判断して乳首以外の何物でも無い」
遊馬「カイトが言うんだったら本当に乳首かもな」
小鳥「えぇ…」
遊馬「でも何で乳首なんか…それに俺の乳首と少し違うぜ」
カイト「だろうな。こいつは女の乳首」
遊馬「へえ」
スッ
カイト「迂闊に触るな」
遊馬「乳首だぜ?」
カイト「道端に乳首が落ちている確率は先ず無い。こいつは危険な代物かも知れんぞ」
遊馬「落し物かもしれねえぞ」
小鳥「…」
コロコロ…
小鳥「ち、乳首が動き出した…」
遊馬「待てよ乳首!」
コロコロ…
遊馬「何処に行く気だ!」
カイト「所有者のところだろう」
小鳥「一体誰なんだろ乳首を落とすなんて…ううん絶対に乳首じゃない!」
凌牙「何だありゃ…」
遊馬「シャーク!乳首だ!そいつは乳首なんだ!!」
凌牙「乳首?正気か」
遊馬「カイトが言うんだ!間違いねえ!!」
凌牙「はっ!何が乳首だ。俺が蹴っ飛ばしてやるぜ!」
カイト「!」
「その乳首に触れるな!」
バキッッッ
凌牙「ぐあっ!」
小鳥「シャーク!」
凌牙「…」
遊馬「シャークが一発で…何者だお前!」
黒咲「黒咲隼…その乳首の主に故郷を潰された者だ」
カイト「…」
カイト「詳しく聞かせろ」
黒咲「始まりは一つの乳首だった」
凌牙「人の顔殴りやがって…おい!」
黒咲「引っ込んでろ」
遊馬「落ち着けよシャーク」
凌牙「この借りはきっちり返すぜ覚えとけ」
黒咲「俺もお前達と同様に乳首を見つけ不審に思った。道端に乳首?あり得んと」
カイト「…」
黒咲「だが数日経ったある日の事だ。乳首が突如として赤い光を放ち飛び上がった」
カイト「待て、乳首の主と言う事は1人か」
黒咲「そうだ。二つの乳首が主にオーバーレイし俺達の街を蹂躙し尽くした」
遊馬「二つ?一つじゃねえのか」
カイト「乳首だからな」
遊馬「あ、そうか」
小鳥「じゃあ別の乳首が何処かに?」
凌牙「そんな騒ぎになってりゃニュースでやってるもんだぜ。夢でも見てるんじゃねえのか?」
黒咲「夢かどうかは己の眼で確かめてみろ。俺以外の街の人間は最早使い物にならぬ」
凌牙「てめえの故郷は何処だよ?」
黒咲「ハートランドシティだ」
凌牙「何だこれ…」
遊馬「お前鳥獣族使いなんだな。ひとっ飛びで早かったぜ!」
小鳥「本当にハートランドなの?私達が住んでる場所と」
カイト「カードに表と裏があるように街にも表と裏がある。広大なハートランドシティの裏…親父が作る以前の産物だ」
黒咲「ここらは表社会では生きて行けぬ連中がゴロゴロ居た。裏街が蹂躙されたとしても誰も気に留めんだろ」
遊馬「そんな事ねえよ!」
黒咲「…」
凌牙「いやに粘っこいな。何だこいつは」
黒咲「主は乳首から発射されたものだ」
カイト「母乳か」
凌牙「母乳?なわけねえだろ。薄い黄色だぜ?母乳の色って白じゃねえのか」
カイト「赤子を産み初めて出る母乳…つまり初乳は薄い黄色でドロっとした粘り気のあるものだと言われている」
小鳥「そうなの?」
カイト「初乳は一週間前後続きその後移行乳から成乳へと変化するそうだ。いつ襲撃された」
黒咲「3日前だ」
カイト「なら主の正体は最近出産した女」
凌牙「嫌な予感がするぜ…何か途轍もない脅威ってやつを感じる」
遊馬「じゃあ病院を調べればいいのか?」
カイト「そうだ。それも女デュエリストに絞り込めば正体を掴める可能性がある」
凌牙「俺だ…実はな」
ドルべ「乳首?何を言っているんだ君は」
凌牙「いいか?これはマジな話だ。下手すりゃ俺達は死ぬ」
ドルべ「君はどうかしているんじゃないのか…」
凌牙「嘘じゃねえよ。もしかしたらドン・サウザンドが1枚噛んでるかもしれねえ」
ドルべ「そんなバカな!」
黒咲「四年前のWDCの覇者であり世界を震撼させた災厄を救った九十九遊馬か…」
遊馬「どうした?」
黒咲「…」
小鳥「無口な人だよね」
遊馬「カイトに比べたら喋る方だぜ」
凌牙「いいかドルべ!乳首を探せ!それも一つじゃねえぞ?二つだ!」
ドルべ「わ、わかった…」
凌牙「電話入れといたぜ」
カイト「…遅かったようだな。あれを見ろ」
凌牙「赤い光…それも二つも」
黒咲「奴だ」
遊馬「行こうぜ。あの主を俺達が倒すんだ!」
遊馬「お前が隼の故郷をネバネバにした奴か!」
「…」
凌牙「何とか言ったらどうなんだ?手加減できねえぞ」
カイト「得体の知れん女だ」
黒咲「…俺がやる」
凌牙「待てよ。俺がやる」
黒咲「引っ込んでろ。俺がこいつを倒す」
カイト「やらせてやれ」
凌牙「何でだよ」
カイト「たった1人生き残り今この場に居る…奴の生命力は伊達では無い」
凌牙「そんなのわからねえだろうが!単純に逃げ隠れてたかも知れねえじゃねえか!」
カイト「…」
凌牙「大体黒崎隼なんて聞いた事もねえ無名だぞ?それを」
カイト「その無名の男にお前は殴り飛ばされている」
遊馬「それに一発だぜ?シャークを一発で倒す事ができるなんて普通じゃねえ」
小鳥「ま、今日はいいじゃない」
凌牙「チッ、負けたら俺がお前を」
黒咲「来い。俺がお前を消し飛ばしてくれる」
「…あなたじゃ私は倒せない」
黒咲「それはお前ではなく俺が決める」
「…」
黒咲「始めるぞ。貴様と俺のデュエルを!」
凌牙「どうにもイラつく野郎だぜ。何様だってんだ」
ポタポタ…
小鳥「母乳が漏れてる…」
遊馬「何であいつは自分の乳首を外してたんだ?それも二つも」
凌牙「知るかよ」
カイト「…」
黒咲「先攻は俺だ…カードを2枚伏せてターンエンド」
凌牙「あの野郎…おい!やる気あんのか!?」
黒咲「俺の勝手だろ。そんなに俺に殴られた事が気に入らんのか」
凌牙「当たり前だろうが!このデュエルが終わったらキッチリ借りは返すぜ」
「私のターン…」
ポタポタ…
カイト「黒い母乳…通常ではあり得ぬ色だ。どうなっているんだ」
「ローンファイア・ブロッサムを攻撃表示で召喚…そしてローンファイア・ブロッサムの効果を発動。1ターンに1度自分フィールド上の植物族モンスター1体をリリースしデッキから植物族モンスター1体を特殊召喚する。私はローンファイア・ブロッサムをリリースしデッキから姫葵マリーナを特殊召喚」
「バトル」
黒咲「くっ…」4000→1200
「カードを1枚伏せてターンエンド」
黒咲「俺のターン!」
遊馬「行けー!」
凌牙「フン」
カイト「気をつけろ。母乳を甘く見るな」
遊馬「母乳は母乳だろ?」
凌牙「ビビってんじゃねえよ」
小鳥「そういう問題じゃないと思うけど…」
「…」
黒咲「罠発動!『活路への希望』自分のライフポイントが相手より1000以上少ない時の発動!ライフを1000払う事でお互いのライフの差2000につきデッキから1枚ドロー!」1200→200
「…」
黒咲「死ぬ覚悟はできているだろうな」
遊馬「待てよ隼!何も殺すだなんて」
黒咲「気安く俺の名を呼ぶな。こいつを殺さぬ限り俺の腹の虫は収まらん」
遊馬「けど!」
黒咲「己の故郷を蹂躙されても同じ事が言えるか?デュエルなら未だしも母乳でだぞ」
遊馬「そ、それは」
黒咲「お前達のような表の住人に裏の俺達の気持ちなどわかるまい。RR-バニシング・レイニアスを攻撃表示で召喚!バニシング・レイニアスの効果を発動!」
遊馬「裏も表もねえよ!」
凌牙「ほっとけよ一匹狼気取りなんだろ」
黒咲「バニシング・レイニアスの効果で手札からRR-ラダー・ストリンクスを特殊召喚!ラダー・ストリンクスが召喚またはRRカードの効果により特殊召喚に成功した時、相手に600のダメージを与える!」
「…」4000→3400
黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアスとRR-ラダー・ストリンクスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!RR-ブレード・バーナー・ファルコン!!」
凌牙「ここから逆転するには運命力に期待するしかねえ」
遊馬「隼!かっとビングだ!!」
黒咲「バトル!その忌々しい植物を焼き尽くせ!」
「そう簡単にいかないわ」
黒咲「強引にでも押し進むまで!罠発動!『魂の一撃』自分のライフが4000以下の場合、自分フィールド上のモンスターが相手モンスターを戦闘を行う攻撃宣言時に発動!」
遊馬「魂の一撃!」
凌牙「チッ」
小鳥「やった!黒咲さんの勝ちね!」
カイト「…」
黒咲「俺の勝ちだ」
遊馬「隼!もういいじゃねえか?」
黒咲「邪魔だ」
遊馬「デュエルは終わったんだぜ?だから」
黒咲「それが何だ?デュエルの勝者である俺が敗者の運命を決めればいい」
ベチャッ
「今だ…!」
凌牙「遊馬!」
遊馬「何だこれ!?」
「黒い母乳は全てを包み私の元へ戻りエネルギーとなる…お前とお前を私の乳房とし多くの世界を私の支配下に置いてやろう」
凌牙「こ、この野郎…俺が簡単に終わると思ったら大間違いだぜ!そうだな遊馬!」
遊馬「ああ…絶対に蘇ってやるぜ…」
小鳥「そ、そんな…遊馬とシャークがあの人のおっぱいになっちゃった…」
「そしてお前だ。お前は後に邪魔になる存在…死んでもらうわ」
カイト「黒咲隼そいつを連れて逃げろ」
小鳥「ダメだよカイト!」
カイト「俺に策がある。一か八かの賭けだがな」
黒咲「…」
カイト「来い」
「…」
黒咲「いいだろ。RR-ライズ・ファルコン!」
小鳥「ちょ、カイトは!?」
黒咲「あれは男が覚悟を決めた時の目だ。女のお前にはわかるまい」
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