P「俺もおじさんだな…」 (21)



P(大学を卒業してすぐに、真っ黒な人からスカウトされてアイドル事務所のプロデューサーに)

P(その事務所に所属するアイドル達は皆可愛く、明るい子達ばかりだった)

P(その中では俺に好意を持ってくれる子達が沢山居た)

P(……しかしアイドルに恋愛はタブー。 俺はそれを心に決め、一心不乱にアイドル達をトップアイドルにするべく馬車馬の様に働いた)

P(アイドル達からの積極的なアプローチを避け)

P(告白されても断り)

P(俺はついに皆をトップアイドルにする事が出来た…いや…俺は少し背中を押してあげただけ…彼女達には元々素質があったんだ)

P(…そして時は流れて俺は……40歳になった…)

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P「なんで皆結婚してんだよ!」ドンッ

P「なにが『私…トップアイドルになるまでプロデューサーさんの事待ってます…』だよ!」

P「結局皆いい人見つけて結婚してんじゃねぇか!」

P「そして俺はあいも変わらずプロデューサー……なんでだよ!」ドンッ

P「あー恩を仇で返された感じだわーやってらんねぇわー」ゴロゴロ

A子「あ、あの〜…プロデューサー?」

P「おぉ、こいつは光るアイドルになると思ってお願いしまくったら我が765プロのアイドルになってくれたA子じゃないか。 どうした?」

A子「なんで説明口調…それよりなんで床でゴロゴロしてたの?」

P「あぁ、ちょっと壊れてた」

A子「こ…壊れてたんだ…」

P「んで何用じゃ?」

A子「え、ちょっと新曲で分からない事があって…」

P「ん? どれどれ?」

A子「ここの転調部分からの歌詞の流れなんだけど…」

P「あぁ、ここは無駄な色入れずにすんなり入っていいよ。 ここで色付けると後々霞んじゃうから」

A子「あぁ、ホントだ…ありがとう!」

P「いいって事よ〜」ゴロゴロ

A子「…ねぇ…プロデューサー?」

P「ん? まだなんかあったか?」

A子「いや…そんなゴロゴロしてると社長に怒られるよ?」

P「大丈夫大丈夫。 社長今海外行ってるし」

A子「はぁ…」

P「あ〜過去の俺ぶ殴りたいわ〜色恋しとけ〜って」ゴロゴロ

A子「…」

P「…あ、そういやA子。 今度ドラマの主演決まったからよろしこ」

A子「え!? 本当!!!?」

P「あぁ、この前のディレクターさんがえらく気に入ってくれてな。 ちょっと営業かけたらもらえた」

A子「や…やった!」

P「今度打ち合わせと台本読み合わせあるから準備しとけ〜。 台本は明日の昼届くわ〜」

A子「うん! ありがとう!」

P「お〜…んで他の皆はどうしたん?」ゴロゴロ

A子「え〜っと…B美ちゃんはライブリハで、C恵ちゃんは写真集の撮影、D加ちゃんとE理ちゃんは舞台練習だったかな?」

P「そっかそっか〜。 皆順調だな〜」

A子「全部プロデューサーがとってきた仕事だよ? 管理しないの?」

P「管理? してるよ? だから安心して迎えの時間までこうやってゴロゴロしてるの」ゴロゴロ

A子「…へぇ〜」

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prrrrrrrrrrrrrr



A子「あ、電話」

P「お電話ありがとうございます765プロPです」

A子「はやっ!!」

P「えぇ、はい…はい! ありがとうございます! 今後共宜しくお願い致します!」

A子「切り替え早いな〜」

P「はい…では…」ガチャ

A子「…なんの電話?」

P「ん? あぁ、今度のライブで世界各国回るだろ? そのスポンサーから増資の電話」

A子「え!? すごい!」

P「あ〜凄いな〜」ゴロゴロ

A子「あ、元に戻った」

P「こんな話じゃ俺の心の傷は癒せないのさ〜」

A子「…傷?」

P「うん、裏切られた傷」

A子「裏切り? 誰から?」

P「昔俺が担当してたアイドル達」

A子「え〜…皆さんいい人達だよ?」

P「俺の純情ハートをズタボロにしたのにか?」

A子「ズタボロって…」

P「まずは春香だろ? 春香は俺が一番最初に担当したアイドルだった。 そして俺に一番最初に告白してきた。 だけど俺は断った」

A子「…春香さん悪くないじゃん」

P「そしたら『トップアイドルになったらもっかいプロデューサーさんに告白します!』って言ったっきり音沙汰なし。 そしてジュピターの羅刹ってDTと結婚…」

A子「冬馬さんね」

P「なんだよそれ〜裏切りじゃ〜ん。 俺むっちゃ期待して待ってたのにさ〜」ゴロゴロ

A子「あ、スピードアップした」

P「その次は千早かな? いや〜中々難しい娘でな〜苦労したわ〜」

A子「あぁ、千早さん結構頑固だしね」

P「その内、心を開いて来て…告白をしてくれるまで成長した!」

A子「千早さん頑張ったんだろうな〜」

P「だけど断った」

A子「だろうね」

P「だってあいつアイドルとしてだけじゃなく歌手としても成功出来ると思ったんだもん!」

A子「はいはい」

P「けど『私が…トップアイドルに…いえ、歌手として成功するまで傍に居てくださいね』とか言ってたくせに海外の音楽プロデューサーと結婚ですよ」

A子「旦那さんに会った事あるけど紳士的で千早さんをすっごい大事にしてたよ」

P「あ〜あ、胸が板いわ〜板いわ〜」

A子「怒られるよ」

P「んあーんあー」ゴロゴロ

A子「またスピードアップした…」

P「そして美希だな。 美希は初っ端『そこの人』だもんな。 心折れかけたわ」

A子「あ〜美希さん言いそうだね」

P「だけどキラキラさせてやる! って言ったらハニーハニーですよ」

A子「そんな単純じゃないよね絶対」

P「ずっと俺にべったりでな〜…だけどトップアイドルになる前にカメラマンと結婚ですよ」

A子「凄いよね美希さんの旦那さん。 私も一回撮ってもらったけど私がキラキラ写ってたもん」

P「一途な気持ちに期待してたのにな〜マジ無いわ〜あの毛虫〜」

A子「色々な方面に喧嘩売ったね」

P「続いて伊織ですよ伊織」

A子「伊織さんは……仕方ないよ…」

P「……うん…俺もそう思う…」

A子「やよいさんと結婚…同性婚が許される国に国籍を移してまでだもんね…今でも幸せみたいだよ」

P「うん…すっごいラブラブな手紙と写真が今でも定期的に届くしな…」

A子「…応援したいね」

P「おう…」

A子「…次は?」

P「あ、そうだそうだ。 次は雪歩だな!」

A子「雪歩さん綺麗だよね〜」

P「なあああああああああああああにが男性恐怖症じゃ! そんな事言ってて俺には甘えてくるんだもん、勘違いしちゃうって!」

A子「そういえば男の人怖いって言ってたね」

P「今じゃ旦那さんにべったりですよ! すっげぇイケメンの!」

A子「凄いカッコイイよね旦那さん。 どことなく真さんに似てるけど…」

P「…だな」

A子「…次いこうか?」

P「うん…次は亜美と真美だな!」

A子「あ〜二人とも同時に結婚だもんね〜」

P「相手も双子って…どんな運命的な結婚だよ!」

A子「お似合いだったよ?」

P「けど悲しいぜ…自分の子供みたいな感じだったからな……けど亜美は分かるけど真美ですよ真美!」

A子「真美さんプロデューサーの事好きだったんだよね? …亜美さんもだけど」

P「え? 亜美もだったの?」

A子「この前言ってたよ?」

P「…気づかんかった…」

A子「鈍感じゃん」

P「う、うっせ!」

子「はぁ…で? 次は?」

P「…あ…あずささん…」

A子「で?」

P「いや…俺が運命の人だって言ってたのに…その…友達から紹介された人と結婚したって…」

A子「それはプロデューサーが鈍感で女々しい奴だったから愛想つかしたんじゃない?」

P「え、酷くない?」

A子「まぁ、それは冗談として。 あずささんの旦那さんも優しそうな人だったよ。 この前手を繋いで歩いてるとこ見たし」

P「迷子にならない様に手を引いてたのは俺だったのに…」

A子「…はい! 次行こう!」

P「お、おう! 次は響だ!」

A子「今響さんペットショップ経営してるんだっけ?」

P「そうだ! 旦那さんも動物好き! お…俺だって…動物好きだし…」

A子「…けど告白されたのに断ったんでしょ? 皆みたいに」

P「うん…アイドルと付き合うってこの業界じゃタブーだし…」

A子「じゃあ仕方ないんじゃない?」

P「けど断った後も『にぃに』って言って懐いてくれてたぞ!」

A子「本当のお兄さんに当て嵌めて寂しさ紛らわせてただけじゃないの?」

P「あ…」

A子「ダメじゃん」

P「ぐうの音も出ない…け、けど貴音はどうよ!」

A子「貴音さんは地元の人と結婚だったよね? 今じゃ何処に住んでるか分からないんだけど…」

P「貴方様貴方様って行って慕ってくれてたのに…」

A子「だけど断ったと」

P「だって…月へ連れて行くとかわけの分からない事言うから怖くて…」

A子「…ねぇ…貴音さんの地元って…」

P「それ以上言ったら消されるぞ」

A子「ひっ…!」

P「不思議な奴だったな〜…」

A子「そ、そうだね…」


P「…んで最後は真ですよ!」

A子「真さんってイケメンでスマートでお金持ちで高学歴の若い社長さんと結婚したんだっけ?」

P「うん、おまけに優しくて心も広いとってもいい人だ。 あれは納得せざるを得ない」

A子「そうだね、イケメンだしね」

P「あぁ、イケメンだからな」

A子「…これで終わり?」

P「…終わりだよ終わり! あ〜傷が癒えないわ〜やってらんねぇわ〜」ゴロゴロ

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