ベジータ「ミニ四駆だと!?」 (54)

・初SS投稿となります
・ドラゴンボールとミニ四駆をてーまとしております
・書き溜め等はありませんので進行遅めと思われます
・筆者の経験や偏った知識が繁栄される場合があります、ご了承ください

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とある日 カプセルコーポレーション…

ベジータ「せいっ! でやっ! だだだだだ!」

ベジータ「…一人では退屈だな、トランクスに組手に付き合ってもらうとするか…おいトランクス!」

シュイイイイイン…ガチャン

トランクス「ああー! またコースアウトだよ」

ベジータ「トランクス! 呼んでるんだから返事をしないか…む? この小さな車は何だ?」

トランクス「あ、お父さん! コレのテスト走行で気づかなくてゴメン!」

ベジータ「テスト走行? フン、こんな玩具に何を入れ込んでいるんだ。それより組手を…」

トランクス「…じゃない」

ベジータ「?」

トランクス「ミニ四駆は玩具なんかじゃない! 大事な相棒なんだーっ!!!」ドギャアァァァン

ベジータ「何っ!? この気の高まりは何だ!!」

トランクス「いくらお父さんでも相棒を馬鹿にすると許さないぞ! 取り消せーっ!」

ベジータ「ほう、たかが玩具を相棒とは強く出たものだ! いいだろう、取り消して欲しければ俺を負かしてみせろ!」

ブルマ「二人ともストップ、ストッープ! ベジータ、あんたが悪いわ!」

ベジータ「ブルマ!? お前までトランクスの肩を持つのか!」

ブルマ「黙りなさいベジータ! 子供が夢中になってることを否定するのはろくでもない父親の第一歩よ!」

ベジータ「サイヤ人は誇り高い戦闘民族だ! こんなものにうつつを抜かす暇があれば修行を…」

ブルマ「ふーん? じゃあアンタはトランクスより物づくりが得意だっていうのね」

ベジータ「それはお前が居るから必要ない!」

ブルマ「あのね…アンタが使う重力室やら家電やらはだれのおかげで維持できてると思っているのかしら。もし私が居なくなったら一日も保たないわよ!」

ベジータ「今はそういう話をしていない! 大体、こんな小さな車をうまく作ったところで何にもならんではないか」

トランクス「あれぇ、お父さん知らないんだ? コイツ…ミニ四駆は今、世界中で大ブームなんだよ」

トランクス「それに全国大会とかもあって、皆と競争できるんだよ! 悟天もやってるんだ!」

ベジータ「何っ!? するとカカロットも…」

数日前 悟空の家

悟空「おーい悟天! ちょっと組手につきあってくんねぇか?」

悟天「もうちょっと待ってお父さん…このネジを締めて…よし!」

悟空「お? ずいぶん小っちぇえ車だな。これ悟天が作ったんか?」

悟天「うん! ミニ四駆っていうんだ。トランクス君に誘われて作ったんだよ」

悟空「ってぇことは、これで競争もできるっちゅうことか」

チチ「ちょうどいいだ。悟空さ、悟天とあんまり遊んでやったことねえべ?」

悟空「チチ! いやぁ、オラこういう細かいことは苦手だぞぉ」

チチ「何言ってるだ! 子供の遊びに付き合ってやれねぇなんて情けねえだよ!」

悟空「…そうだな、オラも少しは父親らしいことしねえとな。それに手先のいい修行になりそうだ! よし、オラもミニ四駆、いっちょやってみっか!」

悟天「ホント! やったぁ!」

現在に戻る…

ブルマ「というわけで、孫くんが工具借りにきたからやってるでしょうね」

ベジータ「やはりやっているのか…! そうなると…」

(ベジータの想像)

悟空「ひゃー、ベジータ! おめぇ、ミニ四駆の1台も作れねえんか! そこまで不器用だとは思わなかったぞぉ」

悟空「こりゃあ戦いだけじゃねえ、父親としてもおめぇより上になっちまうぞ。悪ぃけどもうライバルを名乗んねえでくれよな」

(想像終了)

ベジータ「うおおおお! カカロットがやっているなら俺がやらんわけにはいかん! 俺はミニ四駆で奴を超えてみせるぞ!」

ベジータ「おいトランクス! そのミニ四駆とやらはどこで買えるんだ! すぐに買いに行く!」

トランクス「やったぜ! 大きい電気屋さんとか模型屋さんで買えるよ!」

ベジータ「すぐに行ってくる! 待ってろカカロットぉぉぉ!!」 ドギャ-ン

某大型電気店

ベジータ「な…なんだこの数は!? これが全部ミニ四駆だというのか…!」ワナワナ

ベジータは戦慄した…そう、ミニ四駆とは36年(現実の世界の西暦2019年現在)の歴史を持つのである。
その深さの一端をベジータは感じたのであった…

ベジータ「くっ…一体どれを選べばいいのか見当もつかん! …ん? これは…」

ベジータ「ライズ…エンペラー? 確か、エンペラーは「皇帝」という意味の地球の言葉だったか…ならライズとは何だ…おい店員!」

店員「はい! なにかお困りでしょうか?」

ベジータ「このライズエンペラーの「ライズ」の意味は何だ?」

店員「はぁ…確かこのマシンの場合だと「天に翔け昇る」という意味だったかと…」

ベジータ「つまり『天翔皇帝』…ハーッハッハッ! これからミニ四駆の頂点に翔け登り皇帝となる俺に似合いの名前だぜ! よし店員! こいつを買ったぁ!」

店員「毎度ありがとうございます!!」



ここで、ミニ四駆マシン解説。

・ライズエンペラー(ミニ四駆PROシリーズ No.43)
あのミニ四駆漫画の名作「ダッシュ!四駆郎」の続編「ハイパーダッシュ!四駆郎」の主人公機。
初代エンペラーのボディに強化外骨格を装着し、新シャーシ「MAシャーシ」に対応させたマシン。
ちなみにミニ四駆PROとは、モーターの両側から軸が飛び出ている「ダブルシャフトモーター」を採用するシリーズのこと。
プロペラシャフトを介さないので駆動系のロスが少ないとされる。

ベジータの王族のプライドと「皇帝」という言葉がマッチしたらしい。

その頃、悟空の家

悟空「えっと…ここの部品はこの部分のカバーで…」パチン「ふう、うまくハマったぞお」

悟飯「悟天、お父さんもミニ四駆始めたのか?」

悟天「うん、お母さんに言われたのもあるけど、競争も出来るって言ったらすぐにノッてきたんだ」

悟飯「ふーん…ちなみに何ていうマシンにしたんだろう?」

悟天「『スーパーアバンテ』だったよ。『超サイヤ人みたいで速そうじゃねえか』っていう理由で買ったみたい」

・スーパーアバンテ(VSシャーシ) レーサーミニ四駆シリーズ No.55
かの名車「アバンテ」の系譜の1台。
「爆走兄弟レッツ&ゴー!」では、フルカウルミニ四駆の先祖として描かれている。
最初にタイプ5シャーシを採用して発売され、その後にVSシャーシに切り替えて発売された。
ちなみにVSシャーシは、10年以上前に発売されたにも関わらず現代のマシンをカモに出来るほど高性能だが、
バンパーなどが非常にもろく、使いこなすには大幅な補強が必須とされる。
悟空はそれを知らずにネーミングだけで買ったらしい。

カプセルコーポレーション

ベジータ「買ってきたぞ! この俺に相応しいマシンをなぁ!!」

トランクス「あっ、パパのマシンも大径タイヤなんだ! 俺と同じだね!」

ベジータ「ん? 大径タイヤ? よくわからんがまあ良い…さあ! ベジータ様の組み立て地獄の始まりだぁ!!」

…1時間後…

ベジータは涙した…己の手先の不器用さに…
ロクに紙工作すらしたことのない男が、いきなりニッパーやドライバーを握ったのだ
無理からぬ事だったが…

ブルマ「しょうがないわねぇ…私が手伝うから。ほら、まずは部品を説明書と同じ向きにして!」

ベジータ「…ちくしょう…ちくしょう…!」

トランクス「(パパ、だっせぇ)」

ベジータ「出来た…出来たぞ! 俺の『ライズエンペラー』が!」

ブルマ「まさか2時間もかかるとは思わなかったわ…まずは走らせてみましょう!」

トランクス「パパのレーサーデビューだぜ!」

ベジータ「レーサー…か。悪くない響きに聞こえるぜ! 見てやがれ! これが皇帝たるマシンだぁ!!」

ウイィィィィン ノロノロ

トランクス「分かってたけど、おっせぇ」

ベジータ「フン、皇帝の名を持つマシンはコースアウトするような無様な走りはせんのだ!」

トランクス「いや…パパ、認めようよ。遅いんだってば、素直に」

ベジータ「…何故だ…何故だぁ!!」

その頃、悟空も同じ悩みに突き当たっていた…

悟空「あっれぇ? おっかしいぞぉ、ちゃんと説明書通りに作ったってのによー」

悟天「お父さん、僕のマシンをよく見て」

悟空「お、おう…ん!? こんな部品、オラのマシンの箱に入ってなかったぞ? これもだ!」

悟天「それにモーターも違うのにしてあるよ。お父さん、ミニ四駆は作っただけじゃ速くはならないんだ」

悟空「つまり修行させなきゃいけねぇってことだな? よぉし、それじゃピッコロかブルマの所に…」

悟天「違うよ! 修行じゃなく改造が必要なんだよ!」

悟空「いーっ!? また部品いろいろつけなきゃいけねぇんか? いや、作業は修行になっからいいけどよ、あんまり買い物すっと…」

チチ「ああ、部品代のことなら心配いらねえだよ。珍しく悟空さが戦い以外に夢中になってくれただ、大目にみるだよ。悟天ちゃんにも部品を買ってあげるだよ」

悟空「ホントか!? やったな悟天! よぉし、明日一緒に買い物行くぞぉ!」

悟天「やったぁ!ありがとうお父さん、お母さん!」

次回予告

オッス! オラ悟空!
いやー、ミニ四駆ってのも奥が深くてオラワクワクしてきたぞ!
そんで、悟天と一緒に行った店で大会やってたんだけどな、
オラの知ってるアイツがまさかのチャンピオンだったんだ!
次回「ミニ四駆第三次ブーム! アイツも実は復帰組!」
絶対見てくれよな!

本日は以上になります

また明日以降(その場のノリで)書いていきたいと思います
質問等ありましたら回答していきたいと思いますのでよろしくお願いします

おはようございます
本日もチマチマ書いていきたいと思います

次の日 西の都 ◯ジマ電気

悟空「おっ! ここにはコースが置いてあるんか! 一応マシン持ってきてよかったぞぉ」

悟天「あっお父さん! ミニ四駆コーナーにすごい人だかりが出来てる!」

悟空「なになに…おー、今日は大会だってよ! 見に行こうぜ悟天!」


店員「さて、それでは本日の決勝戦を行います! 前回大会のチャンピオンが今回も決勝戦に勝ち上がっています」

店員「チャンピオン! 今回の決勝戦に向けてのコメントをどうぞ!」


ヤムチャ「きえろ ぶっちぎられんうちにな!」

悟空「えぇぇ!? ヤムチャがここのチャンピオンだってのかぁ? オラビックリだぞ!」

店員「それでは皆さん、スイッチオン! レディー、GO!」

シュイイイイイン ズギャァァァ

悟空「は、速ぇぇ!! こんなに速く走れるんか、ミニ四駆って」

悟天「僕のマシンでもこんなにスピード出ないよ! どうなってるんだ!?」

店員「さあ間もなくゴール! 2位以下を大きく突き放して戻ってくるのは、ヤムチャ選手のマシンだ!」

ヤムチャ「ミニ四駆はただのお遊びじゃないってこと、見せてやったぜ!」

悟空「おーいヤムチャ! すげぇな、チャンピオンなんてよ!」

ヤムチャ「悟空に悟天! …まさか、二人ともミニ四駆をやってるのか?」

悟天「僕もお父さんも始めたばかりだよ。すごい速さだったね!」

ヤムチャ「いやぁ…ガキの頃にちょっと遊んでたのを思い出して始めてみたら、すっかりハマっちまってさ」

ヤムチャ「今、3回目のブームが来てるらしいぜ。それで俺みたいな大人が復帰することも増えてるみたいだ」

悟空「へー! オラ、悟天に付き合って始めたんだけど、こういう工作なんてほとんどやったことねえから、さっぱりわかんなくてよぉ」

ヤムチャ「基本的には説明書通り…と言いたいとこだが、マシンごとに改造したほうが良いところってのはどうしてもある」

ヤムチャ「2人はどんなマシンにしたんだ? 一通りのパーツは触ったことがあるから、ある程度は助言するよ」

悟空「オラはこのスーパーアバンテだ! へへ、スーパーって響きが良くってよぉ」

悟天「僕はこの『バスターソニックプレミアム』だよ!」

ヤムチャ「なるほどな…VSシャーシとARシャーシか…」

・バスターソニックプレミアム(フルカウルミニ四駆シリーズ No.45)
悟天が選んだミニ四駆。モーターなど一部が既に改造されている。
「爆走兄弟レッツ&ゴー!」放映当初に発売されていた「バスターソニック」を復刻したもの。
後軸モーターシャーシの最新型「ARシャーシ」に変更されており、ステッカーもメタル調になるなど近代化されている。
フルカウルミニ四駆の中で唯一の大径タイヤ車でもある。

ちなみにトランクスは「ビートマグナムプレミアム」を選んでいる。
サイヤ人が全員大径車を選んだのは、戦闘民族のなせる業なのであろうか。

ヤムチャ「まずは二人とも、電池を入れてスイッチをONにしてみてくれ」

2人「わかった!」パチン ギャィィィィl

ヤムチャ「次に、俺のマシンの音だ」パチン シュィィィン

悟空「うわっ、オラのマシンって随分うるせえんだな!」

悟天「僕のもひどい音だ…」

ヤムチャ「それはまだ、マシンが馴染んでいないからさ。ある程度空回しする『ブレークイン』をしないと」

悟空「ブレークイン?」

ヤムチャ「組み立てたばかりのマシンは、ギアやシャーシがまだこなれていないんだ」

ヤムチャ「俺達だって戦いの前はウォーミングアップするだろう? それと一緒だ。大体15分くらい、モーターの熱さを見ながら走らせずに電池を入れて回すんだ」

悟空「ええと、組み立てたばかりのときはブレークイン、と…」

ヤムチャ「あとはグリスの塗り方だが、説明書だとギアとか『その部品だけ』に塗るように書いてるよな?」

悟空「そういやそうだ。オラ、その通りにやったんだけどてんでうるさいな」

ヤムチャ「ギアは走行中の振動でブレて、シャーシの壁に当たることもある。周りの壁にも塗り込むんだ」

悟天「ギアの周りにもグリスを塗る、と…」

ヤムチャ「これだけで相当静かになるはずだ。あとはその他にあった方が良いパーツだが…」

ヤムチャは悟空と悟天に、ギアの種類やFRPプレートやステーの種類と配置、ローラー選びのコツなどを教えた。
悟空と悟天は教えられた通りにパーツを買い込んだ。

悟空「ひゃー、随分買い込んじまったぞ!」

ヤムチャ「2台分ともなればそれくらいにはなるさ。それより二人とも、上達を期待してるぜ!」

悟空「おう! へへ、オラ年甲斐もなくワクワクしてきたぞ!」

ここでヤムチャのマシンを紹介

・アスチュート(クリアボディ)+カーボン強化スーパー2シャーシ
FRPとカーボンプレートで製作したバンパーなど、ガチ勢が行う改造満載のボディ
他にも様々な仕様のマシンを数台持っているらしい
ヤムチャ自身の評価としては、後軸モーターマシン使いとして、西の都にそれなりに名が知れているようだ

数日後、カプセルコーポレーション

ベジータ「クソッタレ! スピードが上がったのは良いが、ジャンプ後の着地が乱れやがる!」

トランクス「僕もだ…ジャンプするときに速度が出すぎることもあるし」

ベジータとトランクスはモーターとローラーを新調して速度を上げることは出来たものの、
新しい課題に直面していた。
ジャンプ台を無事に通過できないのである。

ブルマ「煮詰まってるわねぇ、二人とも。少し外で気分転換してきたらどう?」

ベジータ「そんな暇はないぞブルマ! こうしている間にもカカロットは腕を上げているかも知れんのだ!」

トランクス「でも、今手持ちのパーツでどうこうできるような問題じゃない気がする…」

ブルマ「そういえば孫くんたち、ヤムチャにミニ四駆を教わってるらしいわよ。アンタたちも行ってきたら?」

ベジータ「何だと!? …いや、カカロットと同じ奴に習ったら俺たちのマシンの秘密がバレるかも知れん!」

ベジータ「それにヤムチャに習うというのは…その…何だ…ブルマ、お前に悪い、気がする」

トランクス「…とりあえず模型屋さんに行こうよ、パパ。うちより凄いコース置いてある店、いくつか調べたからさ」

ベジータ「ぬう…ここでくすぶっていても始まらんか。実戦で腕を上げるしかなさそうだな!」

30分後 西の都の模型店

トランクス「店の外までミニ四駆の音がする! すごいねパパ!」

ベジータ「熱気が伝わってくるようだな…よし、入るぞ!」

ガラガラガラ

店長「いらっしゃいませ!」

トランクス「すみません! ここのお店で一番速い人はいますか!?」

店長「ああ、それならちょうど今から常連さんが草レースをやるところです。見ていきませんか?」

ベジータ「ほう…それは面白そうだ。ん? あの黒髪の男、どこかで…」

レディー、GO!

トランクス「始まった! うわ、スゲェ! 速いのに全然ジャンプで乱れないぞ!?」

ベジータ「着地した瞬間からあの加速、どうなってやがる!?」

店長「ゴール! 今回の勝者は『ラピス』さんだぁ!」


17号「うん…急ごしらえのマシンにしては上出来だな。…ベジータにトランクス!? どうした、こんな場所で」

ベジータ「じゅ、17号!? まさか、この店のチャンピオンは貴様か!」

模型店を訪れたベジータとトランクスの前に現れた17号!
彼はこの店のチャンピオンなのか、そして彼の使うマシンは一体何なのか!

次回予告

オッス、オラ悟空!
ヤムチャだけじゃなく17号までミニ四駆やってるなんて、意外と世間は狭えんだなぁ!
オラもうかうかしてらんねぇ、もっと気合い入れてミニ四駆作らねえとな!
次回「ベジータの葛藤! 大径マシンの弱点!」
絶対見てくれよな!

とりあえずここで区切りとし、自分のマシン調整のために夜まで離席します。
次回はMAシャーシと大径マシンの弱点について書きたいと思います。

お待たせしました
また少しずつですが書いていきます

ベジータ「まさか貴様までミニ四駆をやっていて、しかも店のチャンピオンとはな…」

17号「ああ…俺もいわゆる復帰組って奴だ。ゲロに改造される前に少しな」

トランクス「すげーや17号さん! 俺もあんなマシン作れるようになりたいぜ!」

17号「なに、ミニ四駆は経験と知識だ。戦いと同じで場数を踏めばすぐ速くなる。しかしお前たち…大径タイヤか」

ベジータ「大は小を兼ねるというらしいからな。それにタイヤの多少など関係あるまい!」

17号「ベジータ、その認識は間違っている。タイヤはマシンの性格を大きく左右するものだ。さっきの俺のマシンを見せてやる」



ここで17号のマシン紹介

・ウイニングバードフォーミュラー+MSシャーシ
ガチ勢御用達のクリアボディ「ウイニングバードフォーミュラー」に
3分割式の両軸シャーシ「MSシャーシ」を組み合わせたもの
タイヤも中経(26mm)をさらに削って小径化したもの
西の都界隈では両軸シャーシ使いとして知られている

ベジータ「せいぜい車高が低くなる程度だろう。それで何が変わるんだ」

17号「まあ、走らせてみればわかる。スタート地点に付け、一緒に走ろう」

ベジータ「いいだろう。その走り、見届けさせてもらう!」

レディー、GO!

ベジータ「チッ…俺のマシンは相変わらず乱れやがるぜ…それに比べて17号のはムカつくくらい行儀の良い走りだ!」

17号「径が大きいタイヤは最高速に勝るが、その分安定性に欠ける。車高と重心が上がっちまうからな」

ベジータ「それにコーナーの抜けも俺のほうが遅い…」

17号「それも大径マシンの弱点だ。大会で使われるような高速立体コースでは、最高速より加速が重要な局面が多い」

17号「大径は工夫が必要なんだ。ロマンがあることは認めるがな…」

ベジータ「くっ…俺のマシンでは勝てんというのか! このライズエンペラーでは…」

トランクス「僕のビートマグナムでもダメなの!?」

17号「今のままでは厳しいな。特にベジータ、お前のマシンは」

ベジータ「何っ?」

17号「ジャンプする時に空中で傾いているだろう。それがMAシャーシの欠点だ」

ベジータ「確かにその通りだが…一体何故だ?」

17号「一言で言うなら、MAシャーシは『固すぎる』。そのせいでコースからの衝撃やモーターの回転をモロに受けてしまうんだ」

17号「もしお前が許可するなら、この場で手っ取り早く対策することはできる。ただしシャーシにちょっと細工をすることになるがな」

ベジータ「一体何をしようっていうんだ? まさか真っ二つにするとかではあるまいな」

17号「そんな壊すような真似はしない。シャーシの一部にある程度切れ込みを入れるだけだ」

ベジータ「それでは強度が落ちるではないか!?」

17号「言っただろう、MAシャーシは固すぎるんだと。あえて強度を落として適度にするんだ。さてどうする?」

ベジータ「…走れなくするような真似をすればタダでは済まんぞ」

17号「馬鹿にするな。そんなヘマはしない。それじゃ、一旦マシンを預かるぞ」

17号はライズエンペラーをベジータから預かり、シャーシだけの状態にオーバーホールすると、
シャーシの4点にカッターノコギリで切れ込みを入れた。

17号「これで良し。ベジータ、少しシャーシをねじってみろ」

ベジータ「…心なしか、以前より柔らかくなっているようだな」

17号「そのねじれやすさが適度な柔らかさだ。電池ボックスの脇まで切り落とすレーサーもいるようだが俺はやらない。電池が金具に接触しなくなる場合があるからな。さあ、組み立てて走ってみろ」

5分後

ベジータ「なん…だと…! あんなに乱れていたジャンプ姿勢がキレイになりやがった!」

トランクス「17号さん、すっげー! ちょっと切れ込みを入れただけでこんなに変わるんだ!」

ベジータ「くっ…悔しいが認めるしか無い! 17号、お前がナンバーワンだ…!」

17号「俺が考案したわけじゃ無いからな…礼は速くなることで返してくれ。…さて、まだまだ二人のマシンには足りないものがあるぞ」

ベジータ「そうだ…俺も前から気になっていた。マシンの脇にある、その金属製のオモリだ。カチャカチャ上下しているが…」

17号「そう、これが近代ミニ四駆に欠かせないパーツ…マスダンパーだ」

17号が語るマスダンパーとは何か? そして、悟空親子のミニ四駆はどうなっていくのか?
次回に続く!

オッス! オラ悟空!
いやぁ困ったぞぉ、走ってる最中にホイールが抜けちまうんだ!
そんな時にヤムチャが言うんだ、「シャフトを貫通させちまえばいいだろ」って。
説明書じゃそれはダメって書いてあったぞ! いいんかヤムチャ!?
次回「レギュレーションとの戦い! 限界ギリギリ寸法バトル!」
絶対見てくれよな!

本日はここまでです。MAシャーシの切れ込みは自分で実践してびっくりした体験を元に書きました。
次回はマスダンパーや最低地上高などについて書ければいいなと思います。
また、更新は基本的に夜のみとなります。遅筆ですがお付き合いいただければ幸いです。

お待たせ致しました
本日も少しずつですが書いていきます

ベジータ「こんなオモリが欠かせないだと? 一体どういうことだ」

17号「実践してみたほうがわかりやすいだろうな…まずお前のマシンを、地面から少し離れた所から落としてみろ」

ベジータ「フン、こうか」ズダダン

17号「同じ高さから俺のを落とす。その時にこのオモリに注目していろ」ビタン!

トランクス「えっ、17号さんのマシンは全然弾まなかった!」

ベジータ「そうか、このオモリが動くことで衝撃を緩和したってわけか」

17号「今のミニ四駆は、如何にしてスピードと着地を両立させるかがカギだ。それがこのマスダンパーってわけだ」

17号「黎明期には『ダンガンレーサー』のパーツからマスダンパーを作っていたという。マスダンパーセットなんて売ってなかったからな」

17号「取り付け方やオモリの大きさによって効果は劇的に変わってくる。着地だけじゃなく空中の姿勢にも気を配れ」

ベジータ「わざわざ重くしなきゃならんとは癪に障るが…よしトランクス、とりあえず全種類買って試すぞ!」

トランクス「やりぃ! パパが使わないマスダンパーは俺がもらうね!」

17号「…これだから金持ちの家族は…」

ベジータ親子はマスダンパーセットを全種買い、一通りの組み合わせを試すのだった。
一方、悟空たちは…

悟天「いけー! バスターソニック!」

悟空「なんの、負けねえぞ! 頑張れ、オラのスーパーアバンテ!」

悟空たちはヤムチャの指導を受け、とりあえず形だけは現在の基本的なミニ四駆のセッティングになっていた。
(※『たからばこセッティング』でググってみて下さい)
だが、思わぬ問題が悟空たちを襲うのだった…

ギュイイイイン グラグラ ズシャアア

悟空「あれ、変なとこで止まったぞ…お? オラのマシンからホイールが抜けちまってる!」

悟天「こっちに転がってるよ!」

悟空「サンキュー悟天…あれ? シャフトの穴が緩くなって止まらねえぞ…」

悟空「そんな…ここまでだってのかスーパーアバンテ! せっかく作ったのによお!」

悟天「お父さん落ち着こうよ! なにか方法があるはずだから」

悟空「そ、そうだな…とりあえずヤムチャの所に行ってくる!」ピシュン

ヤムチャの家

ヤムチャ「Wow 果てしない~ 夢追いかけて~ Let's GO~♪」(マシン整備中)

ピシュン
悟空「おーいヤムチャー!」

ヤムチャ「う、うわぁ!? 悟空かよ、驚かせるな!」

悟空「いやぁ悪ぃ! ちょっと急ぎで聞きてえことがあってさ!」


ヤムチャ「ははぁ…ついに悟空もホイールが抜けるまで走り込んだか…」

悟空「何とか元に戻らねえか?」

ヤムチャ「悪いが、一旦緩んだホイールはもう元に戻らない。違うホイールにしないとダメだ」

悟空「そ、そっか…ごめんなスーパーアバンテ、オラがもうちょっと気を使ってれば…」

ヤムチャ「悟空は悪くないさ、いずれ誰もが通る道だ。それより、もっと速い速度を出せるタイヤとホイールにすることを考えたほうが良いな」

悟空「今までよりもっと速くなれるんか? でっけぇタイヤだから速いぞ、っておめぇ言ってたじゃねえか」

ヤムチャ「最初は大きいほうがいいけど、そろそろタイヤの固さと最適な大きさを意識しないとな」

ヤムチャ「ちょうどパーツを買いに行こうと思ってたとこだ、一緒に行こうぜ」

悟空「おう!」

30分後 コ◯マ電気西の都店

ヤムチャ「前は話してなかったが、実はタイヤはいくつか固さがあるんだ」

ヤムチャ「キットに付属するのがノーマル、その次にハード、スーパーハードと固くなっていく」

悟空「じゃあ全部スーパーハードにすれば、着地ん時に跳ねねえってことだよな」

ヤムチャ「それはそうなんだが、固くなるほどグリップしなくなるんだ」

ヤムチャ「全部スーパーハードにすると、マシンによっちゃタイヤが空転して加速しなかったり、急坂で大減速するぞ」

悟空「うーん…どういうバランスが良いのかは修行して考えろっちゅうことか」

ヤムチャ「それから、今は大体のレーサーが26mm(ローハイトタイヤ)のタイヤをベースに考えてる」

ヤムチャ「悟空のスーパーアバンテについてるようなタイヤだと大きすぎるし、リアは太すぎるんだ」

悟空「あれ、待てよ? ローハイトタイヤに替えちまったらブレーキの高さも替えなきゃなんねえよな。路面に近くなるんだしよ」

ヤムチャ「だんだんミニ四駆に慣れてきたみたいだな。そう、そのあたりの地上高も考えてタイヤを検討しなきゃならない」

悟空「あ、そうだ! オラ、ダメになったホイールも替えなきゃなんねえんだった!」

ヤムチャ「それについては…ホイールは好きなのでいいけど、シャフトは72mmのものを買うんだ」

悟空「え? それじゃ幅が合わねえよ。オラのは確か60mmだろ?」

ヤムチャ「いいからいいから。帰ってから説明するよ」

再び ヤムチャの家

悟空「で、どうすんだこのシャフト? このままじゃはみ出ちまうぞ」

ヤムチャ「まあ見てなって。このピンバイスって工具を使うんだ。コイツをホイールの表側の真ん中に当てて…」

悟空「おいおい、それじゃ貫通しちまうだろ? 説明書じゃダメって書いてあったぞ!」

ヤムチャ「悟空、速くなるためには説明書通りじゃダメってこともあるんだぜ。ここはチャンピオンの技をよく見てな!」

悟空「お、おう…ヤムチャ先生、よろしくお願いしますです!」

ヤムチャ「それじゃ、この2mm(1.9mmを使う人も)のピンバイスで少しずつ穴を掘る。貫通しないギリギリのところまでな」

ヤムチャ「そして、シャフトをわざと貫通させて入れれば完成だ。これで走行中に抜けることはまずない」

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