ロム「おいクロウ……こりゃリアルに豚だぞ」

ヤイバ「故に……？ 拙者の聞いた話だとどこか薄暗い雰囲気を持った住人がここには住んでいるはず……」

アイオーン「闇の太陽神であるこの俺が豚にしたのだ……我が家畜としてな」

クロウ「なーにアホな事ぬかしてんだよアイオーン」

ゴーン……ゴーン……

クロウ「ん？ 何の音だ？」

ヤイバ「これは……鐘の音だ」

ボワン！！

クロウ「あれ、アイオーンどこに行った？」

豚「ブヒー」

クロウ「うおっ！？ この家畜、アイオーンのギター持ってやがる！！」

ロム「……」

ヤイバ「どうしたロム」

ロム「……お前ら……今見てなかったろ？」

クロウ「何をだよ？」

ロム「たった今……アイオーンが……」

ロム「豚になった」

クロウ・ヤイバ「……」

クロウ・ヤイバ「は？」

クロウ「オイオイオイオイ！ どういうことだよロム？」

ヤイバ「そのようなレジェンドオブ変化は受け入れようがない……」

ロム「じゃあ現にアイオーンはなんでいねぇんだ！！？」

クロウ「……！！」

ヤイバ「か、仮になったとしても……何故アイオーンは豚に……？」

ロム「恐らくだが……あの鐘の音だ」

クロウ「鐘……？」

ロム「ああ、あれが鳴ったと同時にアイオーンは豚になった……」

ロム「関係が一切ない……とは言えなくねぇか？」

ヤイバ「流石社会人……説得力があるな」

アイオーン「ブヒ！！」

クロウ「アイオーンも感動しているぜ……」

クロウ「そうと決まればあの鐘がある建物まで行くぜ！！」

ヤイバ「故にクロウ、あの鐘を止める気か？」

クロウ「おう！！ 次鳴る前に止めねえとな。 俺らのうち誰かが家畜になっちまうぜ」

ヤイバ「拙者の龍弧無想神威流をもってすればあそこまで行くのは造作もない」

ロム「じゃあさっさと行くか」

ビビアン「……」

ヤイバ「ん？」

ビビアン「どうしよう……イチコロバクダンを落としちゃった……」

ビビアン「早く探さないとお姉様に怒られる……」

クロウ「なんだ、まだ家畜になってないやつがいたのか」

ヤイバ「……故にどうした？」

アイオーン「ブヒ？」

ビビアン「！！！」

ビビアン（この人達……もしかしてシンガンクリムゾンズ！！？）

ビビアン「あ、落とし物をしちゃって……」

ビビアン「爆弾……の形をしたボールなんだけど」

ヤイバ「……容易い」

ビビアン「へ？」

ヤイバ「龍弧無想神威流・発動！！」ザザザザ

ロム「ただの草むしりじゃねえか！！！」

クロウ「これじゃねえのか？」

ビビアン「ああそれ！！ ありがとうございます！！！」

ビビアン「……！！」

ビビアン（そんな……壊れてる……お姉様に怒られる……）

ヤイバ「なっ……拙者より早く見つけるとは……故にクロウ、お主は次期龍弧……」

ロム「うるせえんだよお前はいちいち！！ 早く行くぞ！！」

ビビアン「……あ、あの！！」

クロウ「なんだ？」

ビビアン「あ、アタイ……何かお礼をしたくて……」

クロウ「お礼ね……じゃあ」

クロウ「俺達シンガンクリムゾンズの家畜になってくれ！！」

ビビアン「CD持ってます！！ 大ファンです！！」

クロウ「もうなってたのかよ！！」

ロム「……リアルに家畜だったみてえだな」

ビビアン「鐘を止めに行くんだ……じゃあアタイも協力させて！！」

ロム「おい、いいのか？」

ビビアン「ここからあのオドロン寺院に行くには結構大変だから……」

クロウ「そんじゃ……えっと……なんて名前だ？」

ビビアン「ビビアン！」

クロウ「おしビビアン！！ 俺達の……」

クロウ「オドロン寺院までの道中黙示録、しかと目に焼きつけときな！！」

ビビアン「うん！」ボオオ！！

クロウ「うおお！！ マジで焼きつけようとすんなよ！！」

ゴーン……

クロウ「！！」

ボワン！！

ヤイバ「ブヒ！！？」

アイオーン「ブヒ！！？」

クロウ「ヤイバ！！？」

ビビアン「そんな……」

ロム「ヤイバも……豚になっちまった」

クロウ「……ロム！！」

ロム「おう！！！ 急いで行くぜ！！」

タッタッタッ……

道中

パンジー「……」スタスタ……

ロム「おい、なんだありゃ」

ビビアン「あれは……パンジーさん！！ あの子の歌を聴くと寝ちゃうから気をつけて！！」

クロウ「へっ！！ そんなの俺様の歌でかき消してやるぜ！！」

クロウ「♪～」

ビビアン「」グッタリ

ヤイバ「ブヒ！！？」

ロム「おい、味方が気絶してんぞ」

ビビアン「か、カッコいい……///」

クロウ「そうか……味方まで再起不能にしちまうなんて、俺は罪な男だな」

オドロン寺院

ランペル「うしゃしゃしゃ！！ みんな豚になってる。 面白いな～」

クロウ「そこまでだぁ！！」

ランペル「？ 誰？」















クロウ「それは刹那揺れる紅蓮の火を纏い生まれた～奇跡～♪」

クロウ「クロウ、降臨！！」

アイオーン「ブヒヒブヒブヒブブヒヒブブブヒヒヒブブブ……ブヒヒー」

アイオーン「ブヒブヒブヒヒ、ブヒヒ！！」

ヤイバ「ブヒヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒ……ブヒヒー」

ヤイバ「ブヒヒ、ブヒブヒブヒブヒヒ！！」

ロム「大人の～♪」

ロム「男には秘密っていうスパイスがある」

ロム「それが真のリアルさ～♪」

ロム「俺はロム～♪」

四人「歌えさぁ家畜共 深紅に染まる」ブヒブヒブヒ

四人「瞳が定めを変える シンガンクリムゾ～ン」ブヒブヒブヒ

四人「シン～ガ～ンク～リ～ムゾ～ン♪」ブヒブヒー

ランペル「……」

クロウ「やいアイオーンにヤイバ！！ お前らブヒブヒうるせえんだよ！！」

ヤイバ「ブヒブヒ！！ ブヒヒブヒブヒ！！」

アイオーン「ブヒヒ……」

クロウ「もういい！！ 喋んな！！」

クロウ「兎に角！！ そこのお前！！」

クロウ「鐘を鳴らして村の奴らを家畜にしてんのはお前だな！？」

ランペル「うん。 そうだよ」

ランペル「どうせ君達は僕を止めに来たんでしょ？」

クロウ「ああ！！ そんな鐘の音よりもな……」

クロウ「俺達の音の方が最っ高に盛り上がれるぜえ！！」

ランペル「へー、生演奏で僕を感動させて説得するって作戦か。 変なの」

クロウ「んだとぉ！！？ おいロム、目に物見せてやろうぜ！！」

クロウ「準備はいいかお前ら！！？」

ロム「いいわけねぇだろうがぁ！！」

ドゴォン！！

クロウ「ぐはあ！！？」

ビビアン「！！？ だ、大丈夫！！！？」

ロム「てめえ、今のアイオーンとヤイバの状態分かってんのか！！？」

アイオーン「ブ、ブヒ……」

ヤイバ「ブヒヒ……」

ロム「楽器を背負うのが精一杯で……弾きたくても弾けねえ状態だぞ！！！」

ロム「俺とお前だけじゃ何の意味もねぇんだよ！！」

ロム「いいか！！ 俺達の音楽が響くのはな！！ 四人揃ってこそだ！！」

ロム「四人揃ってこそリアルな俺達の音楽が伝わるんだろうが！！」

クロウ「！！！」

ヤイバ「ブヒヒヒ……ブヒヒヒ」

クロウ「ロム……やっぱあんた最高だぜ」

アイオーン「ブヒー……」

ビビアン「アタイも……感動しちゃった」

ランペル「鳴らしちゃおーっと」

ゴーン……

ロム「！！」

ビビアン「危ない！！」

クロウ「うおおっ！！？」

シュウウウウン……

クロウ「な、なんだこれ。 どうなってんだぁ！？」

ビビアン「かげがくれ……アタイの技だよ」

クロウ「俺は……影ん中に入ってるのか！？」












クロウ「……ぷはっ！！ サンキュービビアン！！ これで豚にならずに……」

ロム「ブヒヒ！！ ブヒーー！！」

クロウ「ロム！！！」

ランペル「うしゃしゃしゃ……君一人だけだねぇ～。 どうするどうする？」

ビビアン「アタイ……演奏できる！！」

クロウ「マジか！！？」

ビビアン「クロウさん……アタイと……セッションして！！」

クロウ「お前……楽器は！？」

ビビアン「楽器なら……ここに！！」パッ

クロウ「自分の身体の中にいれてたのか！！？」

クロウ「……」

クロウ「……おし！！ 行くぜレッドトマホーク！！」ギュイイイイイイン！！！

クロウ「さぁ覚悟しろよ布野郎！！」

ビビアン「アタイ達の歌を聴いて……」

クロウ「家畜になりやがれええええええええ！！！！」

ギュイイイイイイイイイイイイン！！！











ランペル「そ、そんなバナナ……」

ランペル「じゃなくて……そんなバカな……」

ランペル「こんなに……いい曲があったなんて……」パタッ

ビビアン「やった！！ 倒した！！ 」

ボワン！！！

ヤイバ「故に……」

ロム「！！ 元に戻ったぞ！！」

アイオーン「愚かなる小動物が……この闇の太陽神を醜き姿に変えようとするなどどれ程恐ろしいかも分からなかったのか」

クロウ「みんな、戻ったみたいだな」

クロウ「それじゃあ、あいつもいなくなったし……帰るか」

クロウ「……うしゃしゃしゃ」

ガシッ

クロウ「！！」

ロム「な～にが『うしゃしゃしゃ』だ」

ロム「おめぇ……クロウじゃねえな？」

クロウ「な、何の事かな……？」

アイオーン「この漆黒の目にかかれば誤魔化せる物などない」

ヤイバ「クロウ、今のお主の笑い方、喋り方……」

ヤイバ「故にあの布の奴と一致する！！」

クロウ「な、何言ってんだ！！ そんな理由で……」

ロム「じゃあ弾いてみろよ」

クロウ「！！！」

アイオーン「何度も言わせるな。 この闇の太陽神の漆黒の目は誤魔化せない」

クロウ「え、えーと……」

クロウ「お、お腹が痛くて……」

？？「俺を名乗っていいのは……」

クロウ「！！！」

？？「俺だけだあああああ！！！」ギュイイイイイイン！！！

クロウ「うわああああああ！！！！」

クロウ→ランペル「」バタッ

ビビアン「凄い……みんな分かったの？」

ロム「俺達がどんだけこいつといると思ってんだ」

ヤイバ「ましてや影になったクロウがピンピンしていたからな」

クロウ「お前ら俺が気絶してたら分かんなかったんじゃねーのー？」

アイオーン「同じ事を三度も言わせるな。 闇の太陽神の前では全てお見通しだ」

クロウ「へいへい。 にしてもビビアン……」

ビビアン「？」

クロウ「すげーうめーな！！ 流石俺達の家畜だけあるぜ！！」

ビビアン「そ、そんな……アタイなんか……///」

ビビアン「も、もしよかったら……今度一緒に演ってもいいかな？」

クロウ「へっ……この俺様が特別に許可してやんよ！！」

ビビアン「本当！？ ありがとう！！」ニコッ

クロウ「！！！」ドキッ！！！

アイオーン「どうした、急に紅蓮の炎に焼かれるとは」

クロウ「な、なんでもねぇよ///」

ロム「おい、それよりやんねぇのか？」

クロウ「おっ！ そうだな」

クロウ「ビビアン！！ さっきの演奏の話……」

クロウ「今度と言わず今やんぞ！！」

ビビアン「えっ！！！？」

クロウ「待たせたな家畜共おおおおおおおお！！！」

クロウ「俺達が戻してやったぜ！！ 感謝しろよ！！！」

ワーワー！！

クロウ「そんで今日はスペシャルゲスト！！！ ビビアンだぁーーーー！！！」

ビビアン「よ、よろしくお願いします！！」

ワーワー！！

ビビアン（夢みたい……シンガンクリムゾンズと……一緒のステージに立てるなんて！！）

クロウ「……お前達、元の姿に戻ったところ悪いんだが……」

クロウ「今度はお前達を……」

クロウ「出荷してやんぜええええええええ！！！」

ブヒーー！！

クロウ「いくぜビビアン！！」

ビビアン「うん！！」

ギュイーーーン！！

ビビアン（アタイ……今、とっても幸せ！！）