黒井社長「まさか君らが765プロに負けるとはな」桃子「...」 (99)

~フェス後~

黒井社長「...まさか君らが、いや、この黒井崇男率いる961プロが負けるとはな...」

桃子、ジュリア、麗花「...」

黒井社長「あの弱小765プロがここまでやるとは...予想外だ」

黒井社長「君らには失望した。今をもって961プロ所属アイドルユニット『ヴィーナス』は解散する!」

桃子「えっ...」

黒井社長「最後の給料は振り込んでおく。安心したまえ。ではさらばだ。アデュー!」スタスタ

ジュリア「行っちまった...」

麗花「最後まで真っ黒な人だったなぁ~」

桃子「社長さん...本当に...?」


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ジュリア「あーあ、アイドル活動も終わっちまって、また振り出しかぁ」

麗花「ジュリアちゃん、またギターやるの?」

ジュリア「もちろんさ。あたしにはやっぱコレしか無いみたいだしな!」

麗花「カッコいいな~!私も口笛でバンドに入りたいな~♪」

ジュリア「それはちょっと…難しいかもな…いやイントロだけならアリか…?」

桃子「ね、ねえちょっと二人とも!」

ジュリア、麗花「?」

桃子「桃子たち...解散しちゃったんだよ?どうしてそんなに呑気なの...!?」

ジュリア「どうしてって...まああたしは元々ストリートで弾いてたら社長にスカウトされて、なんてーかちょっと勢い半分で始めたことだしな」

ジュリア「それでも全力で取り組んだぜ?だからこの結果でも…文句も後悔もない」

ジュリア「色んな経験もさせてもらったしな。そして何より」チラッ

ジュリア「モモとレイに出会えた。...この数ヶ月は無駄じゃなかった、絶対にな」ニッ

麗花「私も私も!三人で歌ったり踊ったり、社長さんと遊んだり!」

麗花「空も飛べちゃいそうなくらい、とーっても楽しかったよ!」

麗花「桃子ちゃん、ありがとうね!大好き~!」ギューッ

ジュリア「ハハハ…何も抱き付かなくても」

パシッ

麗花「あっ」

桃子「...何それ」

ジュリア「おいモモ、大丈夫か?ごめんなレイが急に」

桃子「何それ!!!」

ジュリア「」ビクッ

麗花「桃子ちゃん…?」

桃子「二人とも…なんでヘラヘラしてられるの…?」

桃子「桃子たち、負けたんだよ?…負けて、社長に…す、捨て……」

桃子「…捨てられたんだよっ!!??」

桃子「悔しくないの!?情けなくないの!?」

桃子「桃子は悔しいよ!!!情けないよ!!!!」

桃子「なのに二人は…どうして…どうして…」

桃子「どうしてなのっ!!ワケわかんない!!」タタッ

ジュリア「おいモモ!」ダッ

麗花「桃子ちゃん!」ダッ

~一時間後~

ジュリア「…くそっ見失っちまった…」

麗花「こんなに人がいると見つからないね…」

ジュリア「ああ…ましてやモモの身長じゃな…」

ジュリア「連絡しようにも手段がない…」

麗花「事務所は辞めちゃったもんね…」

ジュリア「仕方ないが…今日はここまでにしよう」

~周防家~

桃子「ただいま…」ガチャ

シーーン

桃子「…いないよね…」

桃子「はあ…」ドサッ

桃子(ずっと…認められたくて)

桃子(必要とされたくて…)

桃子(頑張ってきたのに)

桃子「…ぜーんぶ、崩れちゃった」

桃子(悔しい)

桃子(情けない)

桃子(…悲しい)

桃子(でも涙は出ない)

桃子(だって元子役で、アイドルなんだもん…)

桃子「涙なんか…見せられないもん」

~数ヶ月後、765プロ事務所~

P「失礼します」ガチャ

高木社長「おお、待っていたよ!ささ、座ってくれたまえ」

P「はい、失礼します」スッ

小鳥「お茶をどうぞ♪」ゴト

P「ありがとうございます音無さん」

高木社長「それで、話というのはなんだね?」

P「はい。他でもない39プロジェクトについてです」

高木社長「ああ、それか。たしかもうすぐ発表予定だったか…」

P「それです!実は社長にお願いが!」

高木社長「なんだね?」

P「どうか…39プロジェクトの発表を…延期させて頂けないでしょうか…?」

高木社長「…理由を訊こうかな?」

P「はい…率直に言いますと、今回デビューさせる新人アイドルの選抜がまだ出来ないでいます」

P「もちろん応募者が足りない訳ではありませんので間に合わせようと思えばすぐにでも出来ます」

P「しかしそれでは…不完全です」

P「私はどうしても、他と違う娘…輝いている娘を揃えたいのです…!」

P「社長、どうかよろしくお願いいたします!!」バッ

高木社長「よしいいだろう」

P「あっ…へっ?」

高木社長「発表は延期させよう。キミはその輝いている娘を見つけてきたまえ」

P「あ…ありがとうございます!」

P「ではさっそく行って参ります!失礼します!」バタン

小鳥「社長…随分とあっさりでしたね」

高木社長「フフン、まあ彼のことだからね…何かあるとわかっていたよ」

高木社長「元々スケジュールを緩くしておいたんだよ」

小鳥「まあ…社長ったら、意外に気配りが出来ますよね~」

高木社長「い、意外…かね?」

~街中~

P(今日のオーディションもイマイチだった…)

P(ダンス、歌、容姿…もちろん全て申し分ない娘ばかりだ)

P(だが何かが足りない…アイドルに必要な何かが)

…勝算なんてなくたって構わない…

P(ん?)

…たどり着きたい場所があるから…

P(歌が聴こえる…あっちか?)スタスタ

回り道はちょっと苦手だよ…

P(あの娘は…!?)

ジュリア「顔をあげて…♪」

P「ジュリア!」

ジュリア「っ!!」ビクッ

ジュリア「…なんだ?アンタ一体…」

P「やっぱりそうか…『ヴィーナス』のジュリア!」

ジュリア「アンタは…765プロの?どうしたんだよこんなところで」

P「いやなに、ちょっと気分転換に散歩をな…ははは。その…演奏をジャマして悪かった。ごめん」

ジュリア「ハハッ、相変わらず律儀だな。気にしなくていいよ、始めたばかりだったしな」

P「今は何してるんだ?バンドに入ってるのか?」

ジュリア「いや。前にいたバンドに戻ろうとしたらさ、『アイドルなんて商業的な音楽性のヤツとはやりたくない』って言われちまってな」

ジュリア「今はソロでやってるよ、たまに他のバンドのヘルプに入ったりな」

P「そうか…ごめんな」

ジュリア「なんでアンタが謝るんだよ?」

P「…俺は数多のアイドル達の上に立ってIA大賞を受賞した」

P「今までもそれはわかってるつもりだったが…いざ目の前にするとな…」

ジュリア「…本当に」

P「え…?」

ジュリア「本当に申し訳ないと思ってんなら、こんな業界とっくに辞めてるだろ?」

P「…」

ジュリア「だからさ、気にするなよ。あたし達も他の連中もみんな覚悟の上なんだからさ」

P「…そうだな、ありがとう」

ジュリア「礼なんかいいって…」

P「じゃあ礼代わりに」スッ

ジュリア「?…なんだよコレ、名刺?」

P「もう一度、アイドルやってみないか?」

ジュリア「ふっ…あははは!」

ジュリア「真面目なアンタにしては大胆な冗談だな?」

P「…」

ジュリア「…本気かよ?」

P「『ヴィーナス』のジュリアは」

ジュリア「…?」

P「いつも俺たち765プロの先を行ってた」

P「ステージでは激しく、情熱的で、それでいてクールだった」

P「対面した途端に喧嘩になりそうな765プロと961プロ」

P「それをジュリアが冷静になだめてた」

P「だがジュリアは誰よりも勝負には熱いアイドルだった、そうだろ?」

ジュリア「…フン」

P「それが今やなんだ?こんな薄暗い通りで弾き語りか?」

P「話を聞けば隠居してるジイサンみたいなことを言いやがる。妙に達観しちまったなあ?」

P「バンド仲間はお前がアイドルになったから加入を認めなかったんじゃない」

P「以前みたいな情熱が無くなっちまったお前を見て幻滅しただけだ」

P「フェスで俺たちに負けて悔しかったよな?でもお前は自分の気持ちに嘘をついた」

P「気持ちを抑えるのが大人だ、なんてくだらねえこと考えてんじゃないか?」

P「そんなことは墓に入って考えればいいんだ。今の自分に嘘をつくな」

P「もう一度、あの時のジュリアを見せてくれないか」

ジュリア「…」

ジュリア「…言いたい放題言いやがって…」

ジュリア「だけど…ぐうの音も出ないな…」

ジュリア「アンタ本当に765プロのプロデューサーかよ?961プロの間違いじゃないのか?」

P「何回お前らと共演したと思ってるんだ?」

ジュリア「そりゃそうだけどよ…まあいいか」

ジュリア「ここまで挑発されちゃ仕方ないな」

ジュリア「アンタの願い、叶えてやるよ」

ジュリア「後悔すんなよ?あたしが765プロで一番のアイドルになってもな!」ニッ

P「はは、望むところだ…」

これは珍しい展開だね

>>1
周防桃子(11)
http://i.imgur.com/peCYDN8.jpg
http://i.imgur.com/TcDHeAk.jpg

北上麗花(20)
http://i.imgur.com/0m9SRoy.jpg
http://i.imgur.com/tOz74dv.jpg

ジュリア(16)
http://i.imgur.com/TvYzzK4.jpg
http://i.imgur.com/yNHmjep.jpg

~大学~

P「ここだな…」

P「さて、着いたはいいが探すあてが無いな…どうしたものか」

P「とりあえず昼だし、学食にでも行ってみようか」

~食堂~

ワイワイガヤガヤ

P「さすがに混みあってるな…この人の多さじゃいたとしてもわから」トントン

P「ん?」クルッ

ムニュ

P「…」

麗花「…」ジーッ

P「…その指を引っ込めてくれないか、麗花」

麗花「わーっ!やっぱり765さんですねー!」パッ

P「ああ、765プロのプロデューサーさんだよ…そろそろちゃんと呼んでくれないか」

麗花「ええっ?でも765さん、ナムコーって感じの人ですし、やっぱり765さんですよ!」

P「相変わらずよくわからんが…麗花がそう呼びたいならそれでいいよ…」

麗花「わーい!ありがとうございます♪…って、あれれ?何だかションボリしちゃってませんか?」

P「ああ…何だかいきなりスゴく疲れたよ」

麗花「それは大変です!じゃあじゃあ、一緒にご飯食べませんか?」

P「そうだな、せっかくだしそうしようか」

麗花「やったー!さっそくいつもの公園に行きましょう!」タッ

P「が、学食じゃないのか…って速いな!さすがは元アイドル…」

ヒソヒソ…

P「…?」

(何?今の…)
(北上さんでしょ)
(相変わらず不思議な人だね)
(そりゃアイドルだし)
(元でしょ、元)
(でもやっぱキレイよねー)
(ホーント、私ら凡人とは違うっていうか)
(ある種神秘的だよね)

P「…」

P「麗花…」タッ

~公園~

麗花「ここです!着きましたよー!765さん♪」

P「ハァ…ハァ…」

麗花「わ!ちょっと走り過ぎちゃいました?ごめんなさい!」

麗花「あそこのベンチで休みましょうか」

P「ふー…相変わらず、スゴい体力だな」ドスッ

麗花「肺活量には自信アリ!ですから♪」ストン

麗花「走った後は食べなきゃですね!冷めない内に、いっただっきまーす!」パカ

P「それじゃ俺もいただきます、と…コンビニおにぎりだけど」

麗花「モグモグ…ん~おいしい!」

P「…」モグモグ

麗花「モグモグ…」

P「…なあ麗花」

麗花「はい!何ですか?」

P「麗花はいつも楽しそうだな」

麗花「はい、いつも楽しいですから!えへへ♪」

P「『ヴィーナス』にいた頃よりもか?」

麗花「えっ?」

P「『ヴィーナス』は個性の強いユニットだったな。クールなロッカー、ジュリア。小さいしっかり者リーダー、周防桃子」

P「そして天真爛漫、自由奔放な最年長、北上麗花」

P「一人一人の個性が強い分、お互いにフォローし合うことも、逆に抑えることも出来た」

P「…だから麗花はそのままの自分でいられた。…全力を出し切れた」

P「だが今はそんな相手がいない。芸能界じゃないから当然だ」

麗花「…でも今だって楽しいですよ?」

P「麗花が楽しんでるのは見てわかるさ…俺が言いたいのは、麗花はアイドル界にとって必要な存在だってことだ」

P「…麗花は時々、俺に対して『普通でイイ』って言ってたよな。これは勝手な憶測なんだが…」

P「麗花は昔から『普通』に憧れてたんじゃないか?…周りのみんなの中に入りたくて」

麗花「…」

P「だがどうしても自分を抑えてまで『普通』にはなれなかった…それで今みたいな生き方を選んだ」

麗花「はい…少し寂しかったですけど」

P「そんな時アイドルになって…自分と負けない個性の強さを持ったアイドルと出会った」

P「生まれて初めて、心の底から『楽しい』と思えた…違うか?」

麗花「…765さんって本当に765プロなんですか?」

P「どこかで聞いたセリフだな…」

P「とにかく!麗花、お前は生まれついてのアイドルだ。アイドル界はお前を求めてる!だから…」

P「もう一度、アイドル楽しまないか?」スッ

麗花「アイドル界だけですか?」

P「…なに?」

麗花「私を求めてるのは、アイドル界だけですか?」

P「…いや」

P「お前を、アイドル北上麗花を一番求めてるのはこの俺だ」

麗花「ふふっ♪正直なんですね。…ちょっと照れちゃいます」

麗花「わかりました!私、もう一度アイドルやります!やりたいです!」

麗花「思いっきり楽しんじゃいますから、お願いしますね、プロデューサーさん♪」

P「ああ、もちろん…って、ん?」

麗花「じゃあさっそくかけっこしましょう!よーいどーん!」タッ

P「おい、今『プロデューサーさん』って…ちょ、ちょっと待ってくれー!」ダッ

~数日後、765プロ事務所~

ジュリア「…」ソワソワ

麗花「わ~こんな感じになってるんだ~!」

ジュリア「お、おいレイ…あんまり騒ぐなって…」

ガチャ

P「おお、おはよう二人とも!…良かった、ちゃんと来てくれたな…」

麗花「あー!プロデューサーさん!おはようございます!」

ジュリア「お、おはよう…」

P「…?どうしたジュリア、何か顔色が悪いぞ」

ジュリア「いや、その…この前までライバルだった事務所にいるなんて…なんだか落ち着かないんだよ…」

麗花「ええっ?じゃあジュリアちゃん、765プロには入らないの…?」

ジュリア「いや!そういうわけじゃないんだが…」

P「まあまあ、ジュリアの言いたいことはわかった。だが麗花の言う通りだ」

P「まさか今更決心が鈍ったわけじゃないよな?ジュリア」

ジュリア「当たり前だ!アンタの前で堂々と宣言した以上、二言はないぜ」

麗花「よかったー!やっぱりジュリアちゃんも一緒なんだね!」

P「よしよし…さて、じゃあそこに座ってくれ。面接を始めよう」

~一時間後~

P「…うん、こんなところかな。面接は以上だ。お疲れ様」

麗花「はい!お疲れ様です♪」

ジュリア「お疲れ様…ところでプロデューサー、ちょっといいか?」

P「なんだ?もしかして桃子のことか?」

ジュリア「…っ!…アンタ、エスパーじゃないよな?」

P「だったらいいんだがな…」

ジュリア「…何か、あったのか?」

P「実はな…」

~数日前~

P(よし…ジュリアに続いて麗花をスカウトできた)

P(あとは…桃子、だな)

P(しかし…いかんせん居場所がわからない)

P(ジュリアは偶然会っただけだし、麗花の大学は『ヴィーナス』時代に本人から教えてもらっていた)

P(もう夕方だし、やはり一度あの二人に訊いてみた方が…)

P(ん?…あれは!!)

桃子「…」

P「桃子…!」

桃子「ひゃっ!?」ビクッ

P「ああ、すまん!驚かすつもりはなかったんだが」

桃子「765プロの…プロデューサーさん?…何か用ですか?」

P「いやーたまたま見かけたからさ…久しぶりだな、元気か?」

桃子「…あなたには関係ないですよ。用が無いならこれで」スタスタ

P「ああっちょっと待ってくれ!用ならあるんだ!」

桃子「…なんですか?」

P「これだよ」スッ

桃子「名刺…?」

P「桃子、もう一度、アイドルやってみないか?」

桃子「…はぁ?」

P「突然だから驚くのも無理はないよな。とにかく話を」

桃子「イヤです」

P「えっ…」

桃子「絶対にイヤです。もう芸能界に戻る気はありません。さよなら」スタスタ

P「あ…桃子…」

~そして現在~

P「…ということがあったんだ」

ジュリア「…」

麗花「…」

P「…なあ、二人とも。桃子の居場所、連絡先とか知らないか?」

ジュリア「オイオイ…アンタ正気か?モモにそんな断り方されて、まだ諦めてないってのか?」

P「もちろんだ。…たしかにあの時は俺もショックだったが、あの桃子があんな態度を取るとは思えなくてな…せめて理由だけでも訊きたいんだ」

P「だから…二人とも、頼む!この通りだ!」バッ

ジュリア「ちょっ、落ち着けよ…それについてさっき話そうと思ってたんだ」

P「な、なんだ?」

ジュリア「実はな…」

麗花「私たちも、桃子ちゃんの連絡先とか知らないんです…」

P「えっ!?知らないって…同じユニットの仲間だろ?」

麗花「もちろんです!でも…」

ジュリア「黒井社長は、そうは思ってなかったんだよ…」

P「…なるほどな」

ジュリア「それに、桃子は自分のことについてあたしらには全く話すことがなかったんだ」

P「そうだったのか…わかった、二人ともありがとう…今日はこれまでにしよう。気をつけて帰ってくれ」

麗花「プロデューサーさん!桃子ちゃん…来てくれますよね?」

P「まだわからない…ただ絶対に話を聞いて答えを持ってくるよ。約束しよう」

ジュリア「ああ…アンタを信じるぜ…じゃあな」スッ

ガチャ

春香「ただいまでーす!天海春香戻りました…って、アレ!!??」

ジュリア「!!」

麗花「わー!春香ちゃん、久しぶり~!」

P「春香!?…帰ってきたってことは…もうそんな時間か!」

春香「い、いえ!たまたま早く終わったんですけど…ってそれより!」

P「あ、ああ…これは…その…」

ジュリア「…」スタスタ

春香「!!」ビクッ

ジュリア「…今度から765プロに所属させてもらうことになった…春香、よろしくな」スッ

春香「え…う、うん…よろしく」ギュッ

麗花「春香ちゃん、こんにちは!私もそうなんだ!よろしくね♪」

春香「麗花さん…は、はい!よろしくお願いします!」

P「…ということだ。デビューはまだ先だが、今日はたまたま軽い面接をしてたところなんだ。驚かせてごめんな」

春香「そんな、大丈夫です!そうだったんですね…」

春香「ビックリしちゃいましたけど…実は私、『ヴィーナス』のみんなが解散しちゃったって聞いて…すごく寂しかったんです」

ジュリア「春香…なんでだ?」

春香「だって…あんなに素敵なユニットが解散だなんて、ライバルだとか関係なく寂しいもん…」

春香「だから、また『ヴィーナス』のみんながアイドルやってくれるなんて…すっごく嬉しいです!」

ジュリア「そうか…あたしらってそんな風に見えてたのか…」

麗花「うふふ、なんか照れちゃうね…春香ちゃん、ありがとう!」

春香「はい!…ところでプロデューサーさん、今日は桃子ちゃんはいないんですか?」

P「それがな…」

~~~

春香「そんなことが…」

P「ああ…これからどうしようか考えていたんだが…」

春香「?」

P「せっかく春香がいるんだ。少し意見を聞かせてくれないか?数ヶ月間、ライバルとして競いあったんだ…桃子のこと、どう思う?」

春香「ええっ?そんな…私にですか?」

ジュリア「…あたしからもお願いするよ」

春香「ジュリア…ちゃん?」

ジュリア「ライバルとして見てきた感想だが、春香は周りの人間をよく見てる…それに、ライバルだからこそわかることもあるかもしれないしな」

春香「…わかったよ!あんまり当てにならないかもしれないけど、思ったままを言ってみるね」

P「ありがとう、春香!」

春香「はい、プロデューサーさん!…さっそくですけど桃子ちゃんって、人付き合いをする時に一定のラインを引くタイプの子だと思うんです」

春香「別に、つっけんどんって訳じゃないんですけど、『この人とはこういう関係だからここまで仲良く』っていう線引きが他人よりキッチリしてるんじゃないでしょうか」

P「どうしてそう思うんだ?」

春香「基本的に私たち765プロと話してる時は敬語なんですけど、『ヴィーナス』のみんなと話してる時は違うんです」

春香「それだけならまだ普通かもしれませんけど、桃子ちゃんの場合、それを毎回間違えずに話してるので…明らかに意識的にやってるんだなって」

ジュリア「なるほどな…」

春香「でも、たまに私たちにも敬語を使わないで話してくれることもありました!…ただ間違えちゃっただけみたいで、慌てて訂正してましたけど」

春香「その間違える頻度なんですけど、私たちと出会ってからの時間が長くなるほど増えていった気がするんです」

P「つまり…」

春香「はい…桃子ちゃんにとって、アイドル活動は自分自身の人付き合いのラインを揺るがすくらい、夢中になれることだったんじゃないでしょうか…」

春香「だから…桃子ちゃんも本当は、今でもアイドルやりたいんだって、私は思ってます!」

P「ありがとう、春香…」

ジュリア「一ついいかな?」

春香「ジュリアちゃん、なに?」

ジュリア「桃子が春香たちよりも、それどころかあたしら『ヴィーナス』よりも親しげに話しかけてた人がいるんだ」

春香「えっ?」

P「…誰なんだ?それは」

ジュリア「…プロデューサー、アンタにはその人の所に行って欲しいんだ」

ジュリア「今日はそれを頼みたかった…これが住所だ」スッ

P「…これは…わかった。今すぐ行ってくる」

~961プロ事務所~

P「…失礼します」ガチャ

黒井社長「…フン、無礼なヤツだ。アポも無しにこの961プロに来るとはな。しかもこの私に会いたいとはどういう了見だ?」

P「俺だってわざわざあなたに会いに来たくはありませんよ…でもアイドルの為です」

黒井社長「ハン!さすがは底辺765プロだ…小綺麗なセリフだな…さっさと用件を言え」

P「周防桃子のことを…教えてください」

黒井社長「…やはりか」

P「…!?」

黒井社長「キサマが『ヴィーナス』の元メンバーの二人をスカウトしたことは知っている。当然桃子について訊きに来ると予想していた」

黒井社長「ほら、これが桃子の連絡先だ」ピッ

P「えっ…そんなにあっさり…いいんですか?」

黒井社長「当たり前だ。『ヴィーナス』はもう解散した。それにキサマのような非常識な人間に何度も来られては迷惑だからな。わかったらとっとと帰れ」

P「その前に一つ訊きたいことがあります…黒井社長、桃子のことをどう思ってましたか?」

黒井社長「…は?」

P「ジュリアから聞きました。桃子は黒井社長に一番親しげだったと…」

黒井社長「…ジュリアめ、余計なことを…」

P「教えてください…でないと帰りませんよ」

黒井社長「キサマ、この私になんという口の聞き方だ!まったくこれだから底辺で矮小な人間は嫌いなんだ!」

P「そうですか。それで?」

黒井社長「…いいか?これを聞いたらさっさと帰るんだぞ」

P「もちろんです」

黒井社長「…桃子は…『ヴィーナス』は私がスカウトからプロデュースまで手掛けた。孤高で、最強な、他を寄せ付けない完璧なユニットにするべくな」

黒井社長「途中までは順調だったのだ…しかし段々と『ヴィーナス』は私の目指すところとは違う方向を向き始めたのだ」

P「と、言いますと?」

黒井社長「キサマら765プロが好きな『絆』やら『友情』…口にするのも忌々しいが…」

黒井社長「『ヴィーナス』のメンバー達は必要以上に馴れ合うようになってしまった!」

P「…」

黒井社長「さらにリーダーの桃子が…やたらと私に話しかけるように…」

P「なるほど…でも、何がダメなんですか?アイドル達が楽しければ…」

黒井社長「違う!キサマは何もわかっていない!」

P「!」

黒井社長「アイドルが楽しむ楽しまないの問題ではない!私のプロデュース方針に沿っているかいないかだ!」

黒井社長「頂点に立つアイドルは孤高の存在でなくてはならないのだ!仲間、絆、団結…そんなものは必要ない」

P「…あなたの考えはわかりました。ですが、現に私達のユニットに負けたではないですか。それでもあなたはその考えを曲げないんですか」

黒井社長「…たしかに、我が961プロの『ヴィーナス』はキサマら765プロに負けた…」

黒井社長「だがそれは、『ヴィーナス』が私のプロデュース方針から逸脱し始めていたからだ。私の理論が完璧なのは変わらん」

P「だから、『ヴィーナス』を解散したんですか?」

黒井社長「そうだ。私の不手際もあったが…所詮、彼女らはトップアイドルには相応しくなかったというわけだ。」

P「…最初からアイドル、なんて娘はいませんよ。彼女達をアイドルにするのは私達の役目でしょう?」

黒井社長「当たり前だ。そんなことはわかっている」

P「…!じゃあなぜ!!」

黒井社長「トップアイドルになればどんな形でも構わないわけではない!あくまで私の美学があってこそだ!」

黒井社長「手段は問わない…が、アイドル像は絶対に変えられん。アイドル達が私の方針に合わなければ、また別の娘達を探すまでだ」

P「っ…そうですか。改めて、あなたという人がわかった気がします」

黒井社長「フン!何を…キサマらには理解できないだろう」

P「わかった気がした、だけですよ。理解なんてしてません…したくもない」

P「…それで?桃子も『合わなかった』ってことなんですか?」

黒井社長「そうだ。元子役の桃子なら…芸能界では馴れ合いなど不要だとわかっていると思っていたんだがな…」

黒井社長「…話は終わりだ。さっさと帰れ」

P「最後に一つ」

黒井社長「チッ…なんだ?早くしろ」

P「桃子が…『馴れ合い』始めたのはいつ頃なんですか」

黒井社長「桃子がソロ活動からユニット活動へと移行し始めた頃だ…さあ早く帰れ。目障りだ!」

P「はい、失礼します」バタン

黒井社長「…」

~帰り道~

プルルル…プルルル…

P「電話には出ない、か…まあ予想はしてたが」

P「ハァ…これが最後の希望だったんだが…」

P「っと、もう夜だな…そういえば事務所でみんなを待たせたままだったな。とりあえず戻らないと…」タッ

P「…」ピタッ

P「…桃子!」

桃子「!」ビクッ

P「どうしたんだ、こんなところで。もうこんな時間だぞ?」

桃子「…いきなり何ですか?あなたに関係ないですよ…」

P(またこれか…しかし今度は!)

P「いや、関係ある」

桃子「…はぁ?」

P「桃子と俺は…全くの赤の他人じゃないさ。一緒に競いあってきた仲じゃないか」

桃子「そんなの…芸能界なんだから当たり前じゃないですか。むしろ商売敵って言うんですよ」

P「たしかにそうかもな。だが今はもう違うさ…桃子はもう961プロの『アイドル周防桃子』じゃない」

桃子「…!」グッ

桃子「そうよ…桃子はもうアイドルじゃない!子役でもない…ただの桃子よ!」

P「…やっと敬語をやめてくれたな」

桃子「!」

P「ただの女の子…そうかな?普通の女の子がこんな時間に一人で出歩いてるとは思えないな」

桃子「…」

P「この前会った時もそうだったな…桃子、家に…帰りたくないのか」

桃子「…関係ないでしょ」

P「関係なかったとしてもこんな顔してる女の子をほっとけないよ」

桃子「…どんな顔?」

P「この世の全てがつまらない…そんな顔してる」

桃子「…なにそれ」

P「それは桃子が一番わかってるだろう?」

桃子「…わかんないよ」

P「そうか。なら俺が言ってやろう」

桃子「!?ちょ、ちょっと…」

P「桃子、お前は…認めて欲しかったんだよな?」

桃子「!」

P「子役時代、それから『ヴィーナス』の時も…両親に認めて、褒めて欲しかったんじゃないか?」

桃子「…どうしてそう思うの」

P「子役ってのは、当たり前だが大体は親が関わってくるもんだ…」

P「この時間に桃子が一人出歩けるってことは恐らく親御さんは共働きで、しかも帰ってくるのは夜遅く…」

P(黒井社長からもらった連絡先も携帯電話の番号だったしな)

P「それで、桃子を子役にすればマネージャーや仕事先の人間がいるし一人にするより安心だと思ったんだろう…もちろん何かしら他のキッカケはあっただろうが」

桃子「…それ、推測だよね?」

P「まあな…ただ何にしろ桃子はこう思ったはずだ、『私は期待されてる、褒めて貰えるように頑張らなきゃ』ってな」

P「桃子が頑張ってきた理由はいつもそれだったはずだ。家庭で接点が少ない両親との繋がりを…自分が頑張ることで感じていた…どうだ?」

桃子「キモチワル…」

P「す、すまん…癖なんだ」

桃子「…で、結局何が言いたいの?」

P「…そして黒井社長のスカウトでアイドルになった桃子は、新しい感覚を覚える」

桃子「それって…?」

P「仲間がいる心強さ、そして仲間と共に頑張る楽しさだ」

P「さらに…黒井社長という存在だ」

桃子「!社長が…何なの」

P「961プロにはプロデューサーはいないからな。社長とアイドルの距離が近い」

P「桃子にとってはそれが…新鮮だった。いつしか黒井社長が保護者みたいな感覚になっていた、だろう?」

桃子「…誰から聞いたの」

P「やっぱりこれは当たってたか…本人の為にそれは秘密だ」

桃子「ふーん…」

P「さて、長々前置きしたんだが…無駄じゃなかったかな。桃子、少しはマシな顔になったな」

桃子「…別に」

P「口は相変わらずだな…まあいいか。ある意味いつもの桃子だ」

桃子「ちょっとそれどういう…」

スッ

桃子「…これは」

P「改めて、765プロダクション所属のプロデューサーです。周防桃子さん。アイドル、やってみませんか」

桃子「…」

P「…」

桃子「…ムリだよ」

P「…えっ?」

桃子「桃子にアイドルなんて…ムリだよ」

P「な、なにを言ってるんだ…ついこの前まで『ヴィーナス』のリーダーとしてアイドル界の頂点にいた桃子が…」

桃子「そうかもね…でも、負けた」

P「…」

桃子「『ヴィーナス』は…桃子は、765プロの人たちに負けたんだよ。だから…765プロに入ったって活躍出来るわけないじゃない…」

P「それは…」

コツ…コツ…

黒井社長「おやおや…まさか本当に桃子をスカウトしているとはな」

桃子「!?」

P「黒井…社長!?どうして…」

黒井社長「ハッ!どうしてもこうしても、キサマが桃子をスカウトしているというウワサを耳にしたのだ!」

黒井社長「一度解雇したとはいえ、961プロのアイドルに手出しするとは…キーッ!!身の程知らずも甚だしい!!」

P「…しかし解雇したのは事実です。あなたには関係ないことでしょう?」

黒井社長「いいや大アリだ!何故なら私は…」

黒井社長「桃子!君をまたスカウトしに来たのだからな!」ビシィ

桃子「えっ…?桃子…を?」

P「なっ…あなたさっき」

黒井社長「だーまーれ!」

黒井社長「…桃子。一度解雇してすまなかったな。実は理由があったのだ」

桃子「…?」

黒井社長「『ヴィーナス』を解散させたのは…桃子、君を改めてソロデビューさせる為だ!」

桃子「桃子を…ソロ、デビュー…?」

P「…この人、正気か?それだけでユニット丸ごと解散だなんて…」

黒井社長「うるさい!キサマのような志の無いヤツにはわからんだろう!私がどれほど桃子に期待しているかが!!」

桃子「…!」グッ

黒井社長「桃子、765プロの奴らに負けて悔しかっただろう。自信を失ったかもしれん…しかしあれは間違いだ」

桃子「…間違い?」

黒井社長「そうだ。そもそもユニットを組んだのが間違いだった!」

桃子「!!」ググッ

P(…なるほど。黒井社長らしい考えだ)

黒井社長「あれは私のプロデュースミスだ。すまなかった桃子。しかしまだ遅くない!今から改めてソロデビューを」

桃子「やめて!!!!!」

黒井社長「」ビクッ

P「」ビクッ

桃子「もう…やめて…」ポロポロ

P「桃子…」

桃子「しゃ、社長さんには…感謝、してるよ…桃子、を、スカウトして、くれて」グスッ

桃子「アイドルって、いう、楽しい…こと、も、教えて、くれて」ヒック

桃子「でも、ね…ユ、ユニットのみんなを…ジュリア、さん、と、麗花さん、を」グス

桃子「間違い、だとか、ミ、ミス、だったとか…そんな、風、に…言わないで…」ポロポロ

P「桃子…!」タッ

黒井社長「…フン、くだらんな。結局は君も孤高のアイドルには相応しくなかったということか」

桃子「…」グスッ

黒井社長「今度こそ本当に失望したぞ。こんなところにいても時間のムダだ、私は帰る」コツコツ

P「桃子、大丈夫か?ほらハンカチだ」スッ

桃子「…」パシッ

P「…なあ桃子」

P「もう一度…今度は『みんなで』、トップアイドルを…目指してみないか」

~数日後、765プロ事務所~

ジュリア「...」ソワソワ

麗花「~♪」

小鳥「お茶をどうぞ♪」コト

ジュリア「...ああ、ありがとう」

麗花「普通のお茶ですね!ありがとうございます!」

小鳥「それって...」

ジュリア「大丈夫、誉め言葉だよ...」

麗花「はい!普通の緑色でとってもおいしそうですよ!」

小鳥「そ、そう~...なら良かったわ」

ジュリア「...」

小鳥「プロデューサーさん、まだ来ないわね...」

ジュリア「そうだな...ったく、あたしらを待たせるなんて...これから大丈夫かよアイツ」

小鳥「ごめんなさいねジュリアちゃん、さっきから電話してるんだけど繋がらなくて...」

ジュリア「別にピヨ姉は悪くないさ。悪いのはあのバカP...」

ガチャ

P「...バカで悪かったな」

ジュリア「っ!なんてタイミングで来やがる...」

麗花「プロデューサーさん!おはようございます~!」

小鳥「お疲れ様ですプロデューサーさん。あの...電話が...」

P「すみません音無さん!移動中に電源切れちゃって...ジュリア、麗花。待たせて悪かったな、おはよう」

ジュリア「それはいいけどさ。で?結局...どうなったんだ」

P「ああ、それなんだがな...」

麗花「...?どうかしたんですか?」

P「突然ですまないが、とにかく...屋上に来てくれないか」

~屋上~

桃子「...」

ガチャ

桃子「!!」バッ

P「桃子~二人が来てくれたぞ...って、おいおい。そんなに身構えるなよ」

桃子「...ビックリさせたのはそっちでしょ」ジー

P「わかったよ。それよりほら、ご対面だ」サッ

ジュリア「...モモ!」

麗花「わーい!桃子ちゃんだ!」タッ

桃子「ジュリアさん、麗花さ...」

麗花「わーいわーい!また会えて嬉しいな~!」ギュー

桃子「ちょ、ちょっと麗花さん!離して...」

麗花「えー?ハグするのイヤ?もしかして桃子ちゃんは、嬉しくない...?」パッ

桃子「そっ...それは...」

P「」ジー

ジュリア「」ジー

麗花「」ジー

桃子「嬉しくないわけ...ないでしょ」ボソッ

麗花「わああ!!桃子ちゃん大好きー!!」ギュー

桃子「だ、だからくっつかないで!わかったから!」パッ

ジュリア「...おかえり、モモ」ニッ

桃子「ジュリアさん...うん、ただいま!」ニコッ

P「...さて、再会も済んだことだし、事務所に戻って手続きを済ませて貰うぞ!...悪いが、かなり時間がかかることを覚悟しておいてくれ」

ジュリア「マジかよ...」

麗花「はーい!」

桃子「全くもう...しょうがないんだから」

~数十分後、事務所~

ジュリア「...」カキカキ

麗花「ふんふんふ~ん♪」カキカキ

桃子「...」カキカキ

桃子(あっ...間違えちゃった)ピタッ

桃子「ねえお兄ちゃん、修正液って...」

ジュリア「!?」クルッ

桃子「どこ...あ...」カアア

麗花「ん?桃子ちゃん、お兄ちゃんって...」

ジュリア「まさか...」

P「そのまさかだ、俺が桃子のお兄ちゃんだ」

桃子「ちょっと、変な言い方しないで!そういう意味じゃないからね!」

P「冗談だよ冗談。ほら修正液だ」スッ

ジュリア「...ああ、兄って意味じゃなくて、見ず知らずの人に呼びかける時に使う方か」

桃子「ありがと、お兄ちゃん...ジュリアさん、そういうこと」

麗花「へー、そうなんだ!じゃあ桃子ちゃんにとってはプロデューサーさんは赤の他人なんですね!」

P「うっ...そんな笑顔で言われると、逆に辛いな...」

桃子「それはちょっと言い過ぎだけど...まあ、桃子のプロデューサーとしてはまだまだだから、ただの『お兄ちゃん』だね!」

ジュリア「あはは、なるほどな!それは納得かもな」

P「...みんな俺に対して当たりが強くないか...?」

~その日の夜~

カタカタカタカタ...

小鳥「ふう...今日で3人もアイドルが加入したから流石に作業量が尋常じゃなかったわ...」カタカタ

小鳥「でももうすぐ終わりそう...」カタカタ

ガチャ

P「お疲れ様です、音無さん。差し入れです」コト

小鳥「あらプロデューサーさん、おかえりなさい。『ヴィーナス』のお見送り、お疲れ様です。相変わらず気が利きますね!ありがとうございますっ!」カタカタ

P「はは、もう『ヴィーナス』じゃありませんよ...いえいえ、今日は本当に頑張って頂きましたから...大変だったでしょう」

小鳥「そんなこと!...と言ったら、嘘になりますけど...でも、可愛いアイドルたちの為ですから」カタカタ

小鳥「それに、今度39プロジェクトに伴って新しく事務員の娘を雇うって話じゃないですか!」

小鳥「それを考えれば乗り越えられます..よっ!」カタカタッターン

P「39プロジェクトといえば、明日ですよね。自衛隊の...」

小鳥「駐屯地のイベントでしたよね?...そうですね、明日の午前10時からです」ペラ

P「ありがとうございます...さて、作業はどうですか?」

小鳥「あっ、ちょうど今終わったところです!はあ~疲れた...」コキコキ

P「おおっ、お疲れ様です!それじゃあ...一杯、どうですか?おごりますよ」クイッ

小鳥「ぷ、プロデューサーさん...うう...音無小鳥、カンゲキっ!!ありがとうございますっ!!」

P「高い店じゃありませんがね、ははは...では早速!」スタスタ

小鳥「はいっ!」ガタッ

小鳥「...っとと、いけない!最後の打ち込みを忘れてたわ...」カタカタ

【所属アイドル一覧】

1.天海春香
2.如月千早
~~~~~~
48.北上麗花
49.周防桃子
50.ジュリア
51.
52.


終わり

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