【fate / zero × BLEACH】切嗣「セイバー…真名が十刃<エスパーダ>だと」 (69)

〜アインツベルンの城〜

切嗣「まさか触媒無しで召喚した結果が11人…実質は10人のサーヴァントが出てくるとは」

アイリ「大丈夫なの、切嗣?」

切嗣「ああ、むしろ好都合だ。幸いにも個々の戦闘能力はそれなりな上、各々に特殊能力がある」

切嗣「さらに殺戮能力に応じて数字を振られているようだ」

アイリ「個々の能力はいいとして数字も都合がいいのはどうしてかしら?」

切嗣「…ああ、まあね」

切嗣(戦闘能力ではなく殺戮能力の順位だが、ほぼ個々の実力の序列と捉えて問題ないだろう)

切嗣(これなら捨て駒を選ぶのにあまり迷わなくて済む)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522480993

………
……


リリネット「また私の勝ちだー!イリヤ!」

イリヤ「む〜」

アイリ「あの2人は仲が良さそうね。イリヤの遊び相手になってくれて嬉しいわ」

アイリ「スタークは一緒に遊ばないの?」

スターク「めんどくせぇ。俺は寝てる」ダラダラ

アイリ「あなたも同じく?」

ヤミー「うるせえ」ダラダラ

………
……


グリムジョー「野郎!!」ガガガガガガガ!

ノイトラ「テメェじゃ俺には届かねえよ!オラァ!!」ガシャァァ!

切嗣「またか…、セイバー同士で戦うのは止めろと言ったはずだ」

グリムジョー「アァ!?とっとと失せろ!」

ノイトラ「命令してんじゃねえぞ、先にぶっ殺してやろうか?」

グリムジョー「余所見してんじゃねえぞ!」バッ

ノイトラ「はっ、余所見だ?そいつはテメェだろうが!」

切嗣(くそっ、礼呪を使うか!?)

ウルキオラ「そこまでだ、ノイトラ、グリムジョー」

グリムジョー「ああ!?何の用だウルキオラ!」

ノイトラ「失せろウルキオラ、テメェから先に潰されてえのか?」

ウルキオラ「マスターの命令を忘れたのか。セイバー同士で戦うなと聞いているはずだ」

ノイトラ「けっ、知るかよそんなもん」

グリムジョー「そんな事より俺はあの時の借りを返すだけだ。なんならノイトラの次はウルキオラ、てめえの番にしてやろうか?」

グリムジョー「前の続きといこうじゃねえかウルキオラ!」

ノイトラ「おいグリムジョー、テメェに次があると思ってんのか?」

グリムジョー「2人まとめて消してやるよ!」

切嗣(仕方ない、ここで礼呪を…!)

ウルキオラ「…止めておけマスター。それを使用する程でもない」

グリムジョー「消えろ!王虚…<グランレイ…>」キュイイイイ

ハリベル「そこまでだ、ノイトラ、グリムジョー」

アーロニーロ「マタジャレアッテイルノカ」

グリムジョー「チッ!」

ノイトラ「メス如きが邪魔する気かよ。おいアーロニーロ、雑魚は消えてろ」

ハリベル「聖杯戦争が始まる前に十刃、いや…セイバーを全滅させる気か?それとも9対1で勝てると?」

ノイトラ「…くそっ、テメェは後で殺す」ザッ

グリムジョー「チッ、ノイトラの野郎…」ザッ

切嗣(…捨て駒は決まったな)

アーロニーロ「雑魚ダト、ノイトラメ」

アーロニーロ「嘗めるなよ、ノイトラ…」

………
……


切嗣「何の用だウルキオラ」

ウルキオラ「ノイトラとグリムジョーの戦闘で判明した事がある」

ウルキオラ「召喚された十刃の戦闘能力は生前よりかなり低い」

切嗣「…どういうことだ?」

ウルキオラ「さっきのノイトラとグリムジョーは互いを[ピーーー]気だった。本来の2人がそうすれば初撃で城は半壊、いや全壊する」

切嗣「本来の力を出せない理由に心当たりは?」

ウルキオラ「聖杯戦争の知識はあるが思い当たるものは無い。力が巨大すぎるため…という線もあるが」

ウルキオラ「もしくは十刃そのものとして召喚されたからか、一体のみの召喚ならこの現象はなかったかもしれない」

ウルキオラ「仮に十刃全員が本来の力を持っていたら先の戦闘だけでも魔翌力の供給が追いつくのは難しいが」

切嗣(つまり元の戦闘能力を取り戻すことが出来たとしても…、いや、そもそもその方法も対策も分からない以上期待はできない)

切嗣(だが『あれ』を使い違う方向からなら…)

………
……


アイリ「?あれは…」

ザエルアポロ「久しぶりだ、アイリスフィール。少し時間はあるかい?」

アイリ「ええ、何かあったのかしら?」

ザエルアポロ「聖杯戦争に向けて色々と準備をしているんだ。少しそれを手伝ってくれないかい?」

アイリ「私に出来ることなら手伝うわ。どうすればいいの?」

ザエルアポロ「助かるよ。じゃあ向こうの部屋に来てくれ」

………
……


ザエルアポロ「そこの椅子に座っていてくれ。少し準備しておくよ」

アイリ「準備?どういうことかしら?」

ザエルアポロ「ああ、君が気にする事じゃない」

バラガン「何をする気じゃガキ」

ザエルアポロ「こんな所に何か用かい?虚圏の王」

バラガン「つまらん芸はやめろ。ガキが何をしようと勝手じゃが儂らの邪魔はせん事じゃ」

バラガン「今ここで朽ちるか?」

ザエルアポロ「仕方ない、君は諦めよう。ほら、2人ともはやく僕の研究室から出て行くんだ」

バラガン「いつまで呆けておる。行くぞ」

アイリ「え?あ、はい」

………
……


ザエルアポロ「あの女、ホムンクルスと聞いていたが城の中のホムンクルスや廃棄されていたホムンクルス共とは何か違う気がする」

ザエルアポロ「…恐らく上位の十刃にしか知らされていない何かがあるはずだ」

ザエルアポロ「バラガンが助けに来た事で予測が確信に変わった…が、調べるのは難しいか」

ザエルアポロ「まあいい、何しろこの世界には幾らでも研究対象があるようだ」

ザエルアポロ「聖杯戦争自体もそうだが、サーヴァントにマスター、そもそも魔術師とはどういう者なのか…」

ザエルアポロ「そそられるねぇ…」

………
……


ゾマリ「お、おおお…おおおおおおおお…」フラッ

ゾマリ「藍染様が…藍染様が死神に敗れるなど…」

ゾマリ「グリムジョーの言葉だけならまだ疑念はあった…だが、ハリベルまでもが藍染様が敗れたなどと…」

ゾマリ「おのれ…許さん…決して許さん…」

ゾマリ「聖杯を必ず手に入れて藍染様に勝利を
!」

ゾマリ「藍染様!万歳!!万歳!!」


舞弥「…」コソ

深夜
〜アインツベルンの城 裏手〜

切嗣「遅かったな」

???「こんな時間に呼び出しておいてかける言葉がそれか」

???「…何の用だ?」

切嗣「聖杯戦争中、君に行っていて欲しいことがある」

〜アインツベルンの城〜
翌日 昼

切嗣「全員集まったか。ならこれからの方針を説明する」

切嗣「知っていると思うが敵となるサーヴァントは6騎。それに対してセイバーは実質10人」

切嗣「出来る限りこちらの人数を悟られないようにしつつ、相手サーヴァント、もしくはマスターを始末していく」

ザエルアポロ(…これが…作戦か…?響転の最も早いゾマリやウルキオラでマスターとサーヴァントの居場所を見つけ10人で一気に叩くのが最も確実のはず…)

ザエルアポロ(何を考えている…衛宮切嗣)

切嗣「そのためにアイリに付けるサーヴァントは一体のみにする。ハリベル、アイリを頼む」

ハリベル「ああ、わかった」

ザエルアポロ「チッ」

ザエルアポロ(ハリベルがアイリスフィールの守護役か。恐らく他のサーヴァントだけじゃなく僕達十刃からも護る役目だろう)

切嗣「刀剣解放<レスレクシオン>のタイミングは君に任せる。アイリに危険が少しでも迫るなら使え」

切嗣「他のセイバーは基本的に冬木市の近くのアインツベルン城にいてもらう。あとはこちらの指示通りに動いてもらう」

切嗣「ゾマリ、ウルキオラ、君は僕の近くに霊体化して待機しておいて欲しい」

ウルキオラ「了解した」

ゾマリ「いいでしょう」

ノイトラ「ああ!ふざけんな!テメェの指示なんざ知るかよ!」

切嗣「連絡を取りやすいようにするために各セイバーには無線機を渡しておく。使い方は後で舞弥が説明する」

ノイトラ「無視してんじゃねえぞ!」

切嗣「舞弥、セイバーが複数人である以上、僕に対してのある程度のバックアップは可能だ」

切嗣「だから君には場所が分かっている遠坂陣営、間桐陣営どちらかにでもすぐに行けるように待機していてくれ」

………
……


切嗣(当初の立ち回りはゾマリとウルキオラを使いサーヴァントの拠点を全て発見し、相手サーヴァントを一夜のうち10人で一体ずつ倒していく事だった)

切嗣(だが今日までセイバーを見ているとセイバー同士で殺し合うとしか考えられない)

切嗣(令呪を使えば問題ないだろう。だが一体一体が並程度のサーヴァントの上に、10人全員に令呪を使えば一体一体への効力が下がる可能性もある)

切嗣(中に令呪の力に耐える者がいる可能性も捨てられない)

切嗣(魔力の事も考え、ここはセイバー同士の組み合わせを考え慎重に動くべきだ)

切嗣(それに『例の作戦』の事も考えればこれが最もベストな布陣だろう…)

~遠坂邸~

アーチャー「貴様は我を見るには値しない。虫けらは虫けららしく地だけを見て死ね」ズラァ

アーチャー「王の財宝<ゲートオブバビロン>」ドンドンドンドン!!!

アサシン「グアッ!?」スウウウウウウウウ

時臣「…首尾は上々と」

翌日 深夜
〜港〜

ランサー「俺の誘いに乗ったのはどうやら1組だけだったようだ」

アイリ「気をつけてセイバー、あの得物は槍。恐らくランサーね」

ハリベル「下がっていろ、迎撃する」

アイリ「簡単な治癒魔術なら私でもできるわ。でもそれ以上の怪我はどうしようもない」

アイリ「セイバー、お願い」

ランサー「それでは…いざ!」ゴッ

ハリベル「…」ギャリン

ランサー「ふっ!」ガッ

ハリベル「ぐっ!?」ガガガガガガガ!

ハリベル「はっ!」ギィン!ガン!

ハリベル(この槍兵…二槍の使い方にどちらも隙が無い)

ハリベル(なるほど…これが他のサーヴァントか)

ランサー「どうした、隙が出来たぞセイバー!」ヒュッ!

ハリベル「な……」ギィン!

ランサー(剣を弾き飛ばした!終わりだセイバー!)

ランサー(待て…仮にも剣の英霊がこの程度で剣を手からはじき飛ばされるだと…まさか!)

ハリベル「虚閃<セロ>」キュイイイイ

ガガガガガガガガガガガガガガ!!!

ランサー「なに!?ぐおっ!?」ガガガガ!!

………
……


ランサー「魔力の放出か。そんな技が使えるか。剣を飛ばされたのはわざとか」

ケイネス『いつまで遊んでいるつもりだランサー。宝具の開帳を許可する』

ランサー「セイバー、ここからは獲りにいかせてもらう」

ハリベル(雰囲気が変わったか…)

ハリベル「討て 皇鮫后<ティプロン>」バシャアアア

ランサー「波濤だと、何をするつもりだ」

ハリベル「…終わりにしようか」ザバァ

ランサー(容姿が変わった、それに感じる魔力も先程までとは大違い。なるほどセイバーの宝具か)

ハリベル「断瀑<カスケーダ>」バシャアアアアアアア!!

ランサー「なっ!?」

ランサー(宝具を防御に使うしかないか!)

ランサー「破魔の紅薔薇<ゲイ・ジャルグ>!」シャッ!

ランサー(セイバーの腕には届かない!!っぐおおあ!?)バシャァァァ!

………
……


切嗣(ランサーのマスターは見つけたが…、アサシンがいるせいで狙撃が出来ないか)

切嗣(あの遠坂邸でのアーチャーによるアサシンの殺害はアサシンが死んだものとして周知するためのフェイクか)

切嗣(考えられるのは死んだアサシンは幻、もしくはセイバーと同じ複数人のサーヴァントか)

切嗣(…くそっ、他のセイバーを使ってアサシンを倒しランサーのマスターを狙撃する事はできる)

切嗣(しかしそれではアサシンのマスターにセイバーが複数人である事がばれてしまう)

切嗣(恐らくアーチャーとアサシンが手を組んでいる可能性がある以上まだこの事を知られるような戦闘はしたくない)

切嗣(ここは傍観に徹するべきか)

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!!

切嗣(なんだ、雷か!?この音は…空か!)

………
……


ライダー「双方武器を収めよ、王の御前である!」

ライダー「我が名は征服王イスカンダル。矛を交わす前に問おう。我が軍門に下り聖杯を余に譲る気はないか?」

ウェイバー「何言ってんだお前ぶっ!?」バギィ

ランサー「その提案、承服しかねる」

ハリベル「…その提案に乗るつもりはこちらにも無い」

ライダー「まあよい、だが矛を交える前にまだやる事がある」

ライダー「英霊のくせにコソコソ覗き見しておる連中多くてのう、情けない」

ライダー「聖杯に招かれし英霊ども!ここに集え!顔見せに怖気づくような者はこの征服王の侮蔑を免れるものとしれ!」

アーチャー「我を差し置いて王を名乗る不埒者めが」

………
……


切嗣(あんな馬鹿に世界は一度征服されたのか。それにつられて出てきたあのサーヴァントも余程の馬鹿か)

切嗣(それよりも今ここにアーチャーが現れたという事は遠坂邸はガラ空き…もしくは…)

切嗣(仮に失敗してもその混乱に乗じればランサーのマスターを仕留められる…)

???「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」

切嗣(新たなサーヴァントだと!?)

これは期待

何人かFateキャラと中の人が被ってるww

………
……


ハリベル「なんだ…あれは」

ランサー「あいつは誘わないのか?征服王」

ライダー「こちらの話が通じるとは思えんな。交渉すらできなさそうだのう」

バーサーカー「■■■■■■…」ギロ

アーチャー「狂犬が…誰の許しを得て我を見ている」ズラァ ドンドン!

バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■!!!」パシッ ギィン!

アーチャー「汚れた手で我の宝物を握るとは…万死に値するぞ!狗が!!」ドンドンドンドン!!!

バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」ギィンギンギィンガギッ!!!

アーチャー「おのれぇ…痴れ者が!!」

………
……


切嗣(あのバーサーカーの能力…アーチャーの武具を打ち出す能力との相性はあまり良くないか)

切嗣(これは使える)

切嗣「舞弥、聞こえるか?」

舞弥『はい』

切嗣「遠坂邸に急ぐんだ。他の陣営が遠坂邸の監視に使用している使い魔を可能な限り破壊してくれ」

切嗣「時間を優先してくれ」

舞弥『では今から遠坂邸に向かいます』

………
……


切嗣「いるか、ウルキオラ」

ウルキオラ「…はい」スウウウウウ

切嗣「君に頼みたい事がある」

………
……


ウルキオラ「了解した。ここは霊体化しているゾマリに任せることになる」

切嗣「ああ、問題ない」

切嗣(遠坂陣営にセイバーについて知られるがここで仕留めれば問題ない)

切嗣(仮に失敗するとすれば遠坂と言峰が繋がっている予想が的中していてアサシン…複数だった場合全員を遠坂邸に集め時間稼ぎした場合)

切嗣(しかし、そうなればこちらはランサーのマスターを確実に仕留める事が出来る)

切嗣(あのアーチャーの戦闘力から考えてこちらは主力の1人と捨て駒で十分か)

舞弥『遠坂邸付近の使い魔を見つけた限り破壊しました』

切嗣「わかった、遠坂邸から離れて監視をしていてくれ」

切嗣「令呪をもって命ずる…バラガン、ノイトラ、グリムジョーは遠坂邸に向かい遠坂時臣を始末しろ」

〜遠坂邸〜

バラガン「何じゃあこれは、景色が変わったようじゃが」

ノイトラ「こいつが令呪とかいうのの力ってことかよ」

グリムジョー「…で、俺たちはこの中の奴らを皆殺しにすりゃいいんだよな」

アサシン(あれは…どういうことだ…)

アサシン(とにかく綺礼殿に連絡を!)


〜冬木教会〜

アサシン「綺礼殿!サーヴァントが3体遠坂邸に突如出現しました!」

綺礼「なんだと!サーヴァントが3体遠坂邸に!?」

時臣『なっ!?』

綺礼「今アーチャーは師の傍にはいない!迷っている暇はないか!」

綺礼「令呪をもって命ずる、全アサシンは遠坂邸の侵入者を犠牲を厭わず始末しろ!」


〜遠坂邸〜

アサシン's「…」ズラァ

ノイトラ「ああ?なんだこの雑魚どもは?」

グリムジョー「チッ、知るかよ。とにかく皆殺しだ」スラァ

バラガン「どけぃ、ガキども。儂が一瞬で終わらせてやる」

バラガン「朽ちろ 髑髏大帝<アロガンテ>」ズオオオオオオオオ

バラガン「死の息吹<レスピア>」ゾオオオオオオオオオ

アサシン「なっ、早…が…ああああああ!!」ドシャ

アサシン「うおあああああああ!!!」ドサッ

アサシン「馬鹿な…こんなことが…」ドシャ

バラガン「これで終わりか。つまらんのう」

………
……


時臣「アサシンが全滅だと!?ついさっき全員をここに集めたはずだ!」

綺礼『それが…全員一瞬にして敗北しました。師よ、もう迷っている時間はありません!どうかご決断を!』

………
……


グリムジョー「面倒くせえ、あとは建物ごとぶっ潰す」キュイイイイイイイイ

グリムジョー「王虚の閃光<グラン・レイ・セロ>!」ゴオオオオオオオオオオオ!!!

ドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!

グリムジョー「掻き消されただと!?チッ!」

アーチャー「時臣め、我にあの場から退かせるとは。だが今回は許そう」

アーチャー「雑種が3体か。なるほどあのアサシン共ではそのうち1体ですら敵うまい」

バラガン「何じゃ貴様は…、まあよい、どんな英霊だろうとも儂の力の前では等しく平等」

アーチャー「ほう、なら見せてもらおうか…その力とやらをな」

バラガン「死の息吹<レスピア>」ゾオオオオオオオオオ

アーチャー「王の財宝<ゲートオブバビロン>」ドンドンドンドン!!

バラガン「無駄じゃ蟻めが」ゾオオオオオオオ

アーチャー「なに!?貴様、我の宝物を!」

バラガン「儂の力は老い。貴様の自慢とやらの宝物も儂の前ではただの塵以下じゃ」

アーチャー「おのれ…おのれおのれ!楽に死ねると思うなよ雑種!」

バラガン「虚圏の王に向けて雑種か。よく吠えるものじゃ」

バラガン「その虚勢ごと朽ちて、死ね。死の息吹<レスピア>」

ゾオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

バラガン「朽ちたか、つまらん。この程度が英霊か」

アーチャー「思い上がったな雑種!」ドンドン!

バラガン「なに!?ごはっ!?」グサッグサッ

バラガン「貴様…どういうことだ…」

アーチャー「我の宝物庫を舐めるなよ。この中には我が集めたありとあらゆる宝物が眠っている」

アーチャー「さてここで貴様に問いを投げてやろう、光栄に思うがいい」

バラガン「なん…じゃと…」

アーチャー「この宝物庫に決して朽ちぬとされている宝剣宝物…その数を当ててみるがいい」

バラガン「馬鹿な…そんなものが…」

アーチャー「何案ずるな、答え合わせはしてやろう。貴様の体でなァ!」ズラァ ドンドンドンドンドンドンドンドン!!!

バラガン「おのれ…蟻が!許さん許さん許さんぞ!!!」グサッガシュッグサッ!!

バラガン「おのれ…」スウウウウウウウ

アーチャー「まさか一晩に我以外に王を名乗る輩が2人も現れるとはな」

ノイトラ「奴を倒した程度で調子に乗ってんじゃねえ!」ブン!

アーチャー「無駄だ、天の鎖よ!」ジャラ

ノイトラ「鎖か!?くそっ、動けねえだと!」

アーチャー「なるほどな、貴様らはアサシンと同じ複数のサーヴァントか。まあどうでもいいことよ」ズラァ

ノイトラ「ぐ…解放もできねえ…」

アーチャー「王の財宝<ゲートオブバビロン>」ドンドンドンドン!!!

ノイトラ「ごっ!ガッ!?」ザシュッ!ザシュッ!

アーチャー「興じさせることもできぬとは…期待はずれも甚だしい」ジャラ

ノイトラ「…」ドサッ

ノイトラ「ぐ…調子に乗ってんじゃねえ」

アーチャー「まだ息があったのか。我の手をこれ以上煩わせるなよ雑種」

ノイトラ「まだ…だ、俺が…十刃最強だ…」

ノイトラ「俺が死んでたまるかよ!祈れっ…ガフッ」ドシュッ

グリムジョー「うるせえよ、とっとと死んでろノイトラ」バギィ!

ノイトラ「ガッ!?」ドシャァ

アーチャー「何の真似だ?」

グリムジョー「往生際の悪い奴を消しただけだ。さあ全力の戦いといこうじゃねえか!」

グリムジョー「軋れ!豹王<パンテラ>!!」

〜港〜

ランサー「アーチャーが消えた」

ライダー「恐らく令呪だのう。マスターが危機に瀕したのかそれともアーチャーがマスターの意図せぬことをしようとしたのか」

ランサー「あのバーサーカーも消えたようだ」

ライダー「まあよい、どの道今宵はここまでだろう。セイバーもそれでよいか?」

ハリベル「…問題ない」


〜港 地下道出口付近〜

雁夜「ハア…ハア…ゲホッ…」

雁夜「たった一度の戦闘でここまで…」

雁夜「時臣ィ…お前だけは…俺が…」

ウルキオラ「貴様がバーサーカーのマスターか」

雁夜「なっ…ゴフッゲホッ、誰だ…お前?」

ウルキオラ「余計な事は話すな。聞かれた事だけ答えろ」

雁夜(こいつ…まさかサーヴァントなのか?)

雁夜(ここでバーサーカーを呼んで戦闘になったら俺の体はもう…)

雁夜(今は従うしかない…か)

雁夜「ああ、そうだ…、俺を殺しに来たのか?」

ウルキオラ「安心しろ、俺が受けた命令は貴様を殺す事ではない」ポイッ ガシャン

雁夜(何かを投げた?)

ウルキオラ「その無線機を使え。俺のマスターが話があるそうだ」

雁夜(例え罠でも乗るしかない)

切嗣『聞こえているか?バーサーカーのマスター』

雁夜「あんたが…ゲホッ、目の前のサーヴァントのマスターか。ハァ…俺に何の用だ?」

切嗣『単刀直入にいこうか。君のターゲットはアーチャーで間違いないか?』

雁夜「っ!…なぜわかった?」

切嗣『やはりな。あれだけのサーヴァントがいながら君のバーサーカーはアーチャーだけを睨み続けていた』

雁夜「俺が…時臣を狙うことが分かったところで…あんたは何をするつもりだ」

切嗣『君がアーチャーを狙うのなら話が早い。アーチャーを倒すために共同戦線を張るつもりはないか?』

雁夜「なん…だと」

切嗣『あのアーチャーの能力は非常に厄介だ。さらに奴はすでに僕のサーヴァントを2人倒している』

雁夜(僕のサーヴァントを2人…?)

切嗣『君のバーサーカーの能力はあのアーチャーの能力と相性がいい。どうする、間桐雁夜?』

雁夜(俺の名前まで…。ここで断ると間違いなく目の前のサーヴァントに殺される…それぐらいなら…)

雁夜(それに悪い話じゃない。一か八か)

雁夜「ああ、わかった。でも協力する前に1つ条件がある」

〜港〜

切嗣「舞弥、間桐雁夜は話に乗った。遠坂邸の戦況はどうだ?」

舞弥「恐らくこのままではセイバーは全滅でしょう。手を打ちますか?」

切嗣「いや、グリムジョーとノイトラはここで切り捨てる。今後余計な不和を作られるぐらいならここでアーチャーの真名や宝具を知るための駒にする」

舞弥「わかりました。このまま見張りを続けます」

切嗣(バラガンがやられたのは痛いがアサシンが全員消えた。これでランサーのマスターを狙撃できる)ガチャ

切嗣(…なに?ランサーのマスターがいないだと。くそっ、熱源探知にも引っかからない)

切嗣(もう少し判断を早めて…。いや、舞弥を港の別の狙撃ポイントに配置するべきだったか)

切嗣(ライダーのマスターもここからでは狙えない。ここで全セイバーを集めてライダーとランサーを潰すべきか)

切嗣(駄目だ、あのライダーの真名は征服王イスカンダル。奴の宝具が未知数のうちは正面から襲うのは得策ではないか)

切嗣(遠坂邸を強襲させたが成果はアサシンの殲滅とアーチャーの戦闘力の高さがわかったことだけ)

切嗣(こちらはセイバー3体を失いアサシンとアーチャーのマスターにセイバーが複数体であることが最低でも遠坂陣営にばれてしまった)

切嗣(もう少し大胆に動くべきだったか…、いや、考えても仕方ない。一度アインツベルンに戻るか)

切嗣「ゾマリ、君はこのまま他のサーヴァントの拠点を探っておいてくれ」

ゾマリ「わかりました」スゥゥゥゥゥゥ

〜港付近〜

ランサー「主殿!…いったいどこに」

ランサー「何処にもお姿が見えないとは…、まさか他のサーヴァントに…」

ランサー「いや、ここは一度ソラウ殿のところへ確かめに行くべきか」

ランサー「だがもし今主殿が令呪すら使えないような危機に瀕していれば…、どうする…」


〜???〜

ケイネス「ん…こ、ここは…どこ…だ」

ケイネス(か、体が上手く動かせない。なんだこれは!?どうなっている!ここはどこなんだ!)

???「やあ、君がランサーのマスターのようだ」

ケイネス「お…前は…だれ…」

???「無理に話そうとしなくても構わないさ。僕の麻酔で上手く動かせないだろうから」

ザエルアポロ「僕はザエルアポロ グランツ、第8…いや、これは君には意味のない話だ」

ケイネス「何…だ…と…貴様…」

ザエルアポロ「これから君の体を刻んで刻んで調べ尽くさせてもらうつもりだ」

ケイネス(!?なんだと!?サーヴァント風情が!!)

ケイネス(体が麻酔で動かなくても令呪を使う事なら!)

ザエルアポロ「令呪なら使えないようにしておいた。君の令呪はここだ」プラーン

ケイネス(!?!?私の手首ごと令呪を!!)

ザエルアポロ「さて、それじゃあ君の体を実験台に使わせてもらおうか」

ザエルアポロ「御機嫌よう、ランサーのマスター。心配する必要は無い。君の献身は僕の知識になるのだからさ」

………
……


切嗣「ランサーのマスターがいないと思ったらまさかこの城に連れ去られていたとは思わなかった」

ザエルアポロ「あのままマスターに殺されるよりは良い結果になると思って攫わせてもらったよ」

ザエルアポロ「おかげで魔術師の事や令呪の事がかなりわかった」

切嗣「…その令呪を使ってランサーを使役する事は出来るのか?」

ザエルアポロ「サーヴァントの身でその上魔術師でもないから難しい。今後の研究次第になる。まあ、今後と言っても明日明後日の問題だろうね」

切嗣「さすがの自信だな」

ザエルアポロ「ああ、それとランサーは令呪の所有者と魔力の供給元が違うようだ」

切嗣「…なるほど、令呪はケイネスが、魔力は恐らく同行している彼の妻がそれぞれ分担していたということか」

切嗣(ケイネスの工房のマンションを爆破するのは今はやめておいたほうがよさそうだ。ランサーがこちらの駒になる可能性がある以上迂闊に手を出すわけにはいかない)

切嗣(こちらの被害は2番の損失、5と6番の消失。だがアサシンは恐らく全滅、ランサーのマスターの捕縛、間桐雁夜の懐柔)

切嗣「成果としてはそれなり…と言ったところか」

また書きだめができれば投下していきます


原作よりも頭いいなケリィ

ザエルアポロがいればバーサーカーがアーチャー打倒するまでマスターの魔翌力供給は行けそうだ
どんな方法かはあまり見たく無いが

続きを投下していきます

翌日夜
〜冬木市内〜

凛(友達を…助けなきゃ…)

凛「魔力針が…何なのよこれ…」グルグルグル

凛(こっちにもしかしたらコトネの手掛かりが…)

シュル・・・

凛「なっ、何!?」

ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ

凛「あ…ぁ…化物…」

雁夜「…行け、蟲達」ババババババババ!

凛(この人…どこかで見た…)フッ


〜冬木市 公園〜

葵「凛!よかった…本当に…」ガバッ

葵「!そこにいるのは誰!?」

雁夜「僕だよ、葵さん」

葵「雁夜…くん、その顔…」

雁夜「これが間桐の魔術の正体さ。血肉と命を捧げその代価で至る魔導」

葵「そんな…。り、凛を助けてくれたのはあなたなの?」

雁夜「ああ、凛ちゃんは勇気がある子だよ。昔から変わらないね」

雁夜「それよりも桜ちゃんを助けないといけない」

雁夜「この聖杯戦争で勝利すれば桜ちゃんを葵さんのところに帰すことが出来る」

雁夜「また昔のように戻れるんだ」ガサッ

葵「そん…な…嘘…。待って…雁夜くん…」

〜下水道〜

ゾマリ「なんだ…ここは…」

ゾマリ「成る程、処刑場…いや実験室ですか。幼い稚児までも手にかけこのような事を」

ゾマリ「生かしたままとはなお性質が悪い」

ゾマリ「神にでもなったつもりか、驕りの過ぎた人間もいたもの…!?」ガガガガガガガガ

ゾマリ(何かがこちらに来る…一本道の下水道では逃げ場は無し)

ゾマリ(無線機も地下であるここでは使えない…仕方ありません)

………
……


ライダー「着いたか、キャスターは不在のようだな」

ウェイバー「ここがキャスターの工房なのか?暗くて何も見えない」

ライダー「見えないならそのままでいた方がいい。こいつはお前の身にあまる」

ライダー「それにあまり余から離れるな坊主」

ウェイバー「うるさい、今はキャスター攻略の情報を得ないとここまで来た意味がないだろ」バッ

ゾマリ「…」ブン!

ライダー「甘いわ!」ギィン!

ウェイバー「なっ!?なんだよ!キャスターは居ないんじゃ…」

ウェイバー「とにかく明かりを…」キィィィ

ウェイバー「こ…れは…うっ!オエエエエエ!!」

ライダー「だから止めておけと言ったであろうが」

ウェイバー「う、うるさい。そ、それにあのサーヴァント…、お前キャスターは居ないって言ったじゃないか」

ライダー「キャスターはな。その出で立ち、体格や面相は違うがセイバーか?」

ゾマリ「…貴方の質問に答える意味があるとは思えませんが」

ライダー「コソコソと暗殺者風情の真似をしてマスター殺しをしようとする輩に問いなど無駄に決まっておるか」

ウェイバー「な、なあセイバーって港でランサーと戦ってたよな!?服装はなんとなく似てるけど全然風貌が違うじゃないか!」

ライダー「変身か…もしくは複数体のサーヴァントと言ったところかのう」

ゾマリ「成る程それなりに頭が回る方…ということですか」

ゾマリ「ですが考えたところで無駄な事です」シュン!

ウェイバー「消えた!」

ライダー「小癪な奴め、あくまで余のマスターを狙うか」ザン!

ゾマリ「ぬ!?」

ウェイバー「やった!」

ゾマリ「無駄とはこういう事です」シュン!

ライダー「甘いわ!」ザン!

ゾマリ「ほう」ドシャ

ライダー「そろそろ無駄だとは分からんか?」ザン!

ゾマリ「ふむ」ドシャ

ゾマリ「…」シャッ!

ライダー「!まだ居るとはの」ギギギギ

ライダー「複数体のサーヴァントと予想がついた時点で何回貴様を斬り殺したところで油断するとは思わんで欲しいのう」

ゾマリ「成る程、港では愚か者と判断しましたが、その評価を取り下げるべきのようだ」

ライダー「この征服王を愚か者と断じていたか。蹂躙しがいがある」

ライダー「それにしても何故そこまで分身できて一斉にマスターを襲いにこない。それに先程から斬っとる貴様はどうにも手応えがおかしくてなあ」

ゾマリ「宝具、双子響転<ヘメロス•ソニード>」ブゥン

ゾマリ「私の響転<ソニード>、セイバーの高速移動術に特殊なステップを加え作った擬似的な分身です」

ゾマリ「分身を増やすだけではなく『分身の姿』や『能力』すら自在の私の宝具です」

ウェイバー(だから港の時とは姿が違うのか!)

ゾマリ「貴方の予想とは少し異なる結果ですがそれを気にする必要はありません」

ゾマリ「所詮はただの手品の類。見抜き切る事が出来なかったからといって恥じる事はありません」

ライダー「宝具を手品の類と評価…いや卑下するとは。誇りにすら思えぬ宝具程無駄なものはないわ」

ライダー「まあ…貴様の言うとる事が『真』であればの話だが…」ギロ

ウェイバー「えっ!どういうことだライダー!?」

ライダー「此奴の言う事が真であるならセイバーの本体は此奴1人。ではマスターの女は何処にいる?そもそもアインツベルンは御三家とやらの一角」

ライダー「マスターの居場所がばれやすいような陣営がわざわざマスターを置いてサーヴァントのみでキャスターの工房を彷徨いているとは思えんでな」

ライダー「まあ令呪を使えばマスターの危機には参じれるし、キャスターとセイバーが組んでいる可能性だってある」

ライダー「とにかく、今は此奴とこの見るに堪えぬ工房を蹂躙し尽くすことが第一!」

ゾマリ(愚か者と断じていた私が愚かでしたか。このまま問答と戦闘を続けていてはキャスターが戻ってくる危険性もある)

ゾマリ(それにライダーとあまり話し過ぎれば我ら十刃が10人のサーヴァントと言う事が明るみに出る。ならば…)

ゾマリ「ここまで手の内を明かした上でその言葉…。いいでしょう、貴方を消し去る事でその不敬不遜を断じてさしあげましょう」パチン!

ゾマリ「鎮まれ 呪眼僧伽<ブルヘリア>」ベギョ ボシュウウウウ

ウェイバー「なんだ…いったい何が起こってるんだ!?」

ライダー「やはり先程の分身は宝具ではなかったか。セイバーの宝具が移動術な訳が無いからな」

ウェイバー「おいライダー!何かされない内に早く倒せよ!」

ライダー「余の覇道は征服!此奴が何をするかは知らぬが全力で来るならさらにその上から蹂躙し征服するまで!」

ウェイバー「そんな事言ってる場合か!キャスターが戻ってくるかもしれないだろ!」

ライダー「ふん、このような工房を作成するキャスターがまともなキャスターとは思えん。そのような輩、余の相手にもならんわい」

ゾマリ「お話は済みましたか?」

ライダー「ああ、しかしまた変わった姿になったな。脚がカボチャになりおったわい」

ライダー(それよりも眼が増えた…何かするつもりだな)

ゾマリ「愛<アモール>」ブウン

ライダー「坊主!」ドガッ!

ウェイバー「ぐえっ!?」ドシャ

ライダー「そうまでして余のマスターを狙うとは」

ライダー(なんじゃ、何も起こっておらんように見えるが)

ウェイバー「な、なんだよこれ?脚が勝手に!?」ズリ

ライダー「…成程、攻撃が当たった箇所を操る宝具か」

ゾマリ「ご名答。私の能力は支配権を奪う事。月光は太陽の支配下、雲は風の支配下…、そして民は王の支配下」

ゾマリ「私のこの眼に見つめられたモノはその支配権を奪う」

ライダー「…」

ゾマリ「…解せない…と言いたげだ…。貴方の知恵は私の評価よりも浅いようだ」

ライダー「…くっくくく、はははははははははは!!!!」

ゾマリ「!?何が可笑しい?」

ライダー「支配権を奪う…この征服王から支配権を奪うとは!!!滾る!滾ってくるわい!!」

ライダー「よもやこの聖杯戦争で余のマスターの片足とはいえ征服し略奪しようとは!!!」

ライダー「いいだろう!!!この征服王!全力をもって相手にしてやろう!!!」

ウェイバー「お、おいライダー、助けブヘェ!?」バキッ ブン!

ウェイバー「ゴフェ!!」ガシャァン!

ライダー「坊主は黙って戦車の中から見ていろ。その脚は曲げて縛っておけばいいだろう」

ウェイバー「そ、それが出来れば…苦労しな…」

ゾマリ「マスターをその馬車に投げ込みましたか」

ライダー「見つめる事ができんなら支配される事もないのだろう?さあ、行くぞセイバー!」

ライダー「AAAALALALALALALA!!!! 」ガガガガガガガ!

ゾマリ「愛<アモール>!」ブゥン

ライダー「ぬうおお!」ブン

ゾマリ(周りの人間を投げて盾に!?)

ライダー「おおおおお!」ブン!

ゾマリ「ぐっ!」シュン!

ライダー「やはりその技、貫通まではしないか。さあもう一度行くぞ!」

ゾマリ(私の後ろには下水道の出口…、このまま逃げるか…。先程の私の愛への対処法、すべての目を開いた状態では防ぎようがないはず!)

ゾマリ(ならばこのままライダーには退場していただきましょう)

ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ!!!

ゾマリ「なに!?これは!」

ライダー「これは…貴様の技ではないな!」

ウェイバー「な、なんだよ…あの触手の群れ!下水道の出口から大量に!」

ライダー「小僧!しっかりと捕まっておれ!セイバー毎蹂躙する!ALALALALALALA!」

ゾマリ「私毎潰すつもりか!ならこの触手を…くっ!数が多過ぎる!!!」ニュルゥ

ゾマリ「触手ごときが!離せ!」

ライダー「ALALALALALALA !!!」ガガガガガガガ

ゾマリ「おのれえええええ!!!」

〜下水道 外〜

ライダー「ふう、ようやく抜け出したわい。キャスターは見当たらないのう」

ウェイバー「セイバーは死んだのか?僕の足が自由になったけど」

ライダー「わからん。潰した感触はあったが殺しきれたかは判断できんな」

ウェイバー「なんだよそれ…」

ライダー「とにかく良いではないか。キャスターの犠牲者を眠らせてやれた。さらにはセイバーにも相応の怪我を負わす事ができた」

ライダー「お前さんがこの場所を見つけた成果だろうに。胸を張れ小僧」

………
……


ゾマリ「ぐっ…はぁ…はぁ…」

ゾマリ(触手を操作して防御しなければライダーに潰された後にキャスターの触手に今頃食われていたでしょう)

ゾマリ(下水道からは何とか離れられた…後はマスターからの救援を待てば…)

グリムジョー「よう、ボロボロじゃねえかゾマリ」

ゾマリ「…私を笑いに来たのですか?グリムジョー」

グリムジョー「はっ、そんな訳ねえだろ、馬鹿が」

ゾマリ「なら早く私をゴフッ!?」ザシュッ!

ゾマリ「グリムジョー…何を…」

グリムジョー「じゃあな、テメェの役目は終わりだ」グサッ

………
……


舞弥『切嗣、7番が死にました』

切嗣『了解した。[予定通り]だ。そいつの調子はどうだ?』

舞弥『特に異常は無いそうです』


〜下水道〜

龍之介「俺の…アートまで!旦那…どういうことだよ。急に戻って来たらいきなり化物をアジトに突っ込むなんて」

キャスター「下水道から出てきたサーヴァントの仕業でしょう。私の海魔は迎撃用でした」

龍之介「そうか…、ちくしょう。精魂込めて俺達が作ってきたアートが…」

キャスター「ここに来たサーヴァントはただの俗物だったのでしょう。そういった者達は本当の美を見ると嫉妬に駆られてしまうものなのです」

キャスター「龍之介、でしたら今度はこちらの番です。本当の美というものを俗物共に知らしめてやる番ですよ」

龍之介「おお!今度はもっとすげえことやるんだな旦那ァ!!」

キャスター「ええ、最高のクールを見せてさしあげましょう」

〜冬木市 タクシー内〜

葵「…よかった、凛には怪我は無いみたいね」

葵「雁夜くんまで…どうしてこんな残酷なことに…」

スターク「悪いな、これからもっと残酷な目に合うかもしれない」

葵「えっ!?あ、あなたいつの間に横の席に…」

スターク「マスターからの命令なんだ。あんまり恨まないでくれよ」


〜冬木市郊外 アインツベルン城〜

スターク『あんたの言う通り間桐をつけて遠坂の親子を攫ったぞ』

切嗣「そうか、了解した。アインツベルン城に幽閉しておけ。その2人は遠坂時臣と間桐雁夜への人質として使用する」

スターク『さすが、えげつない事を考えるマスターだ』

また書きだめできれば投下します

………
……


切嗣(間桐雁夜を仲間に引き入れて正解だ。バーサーカーだけではなく遠坂親子を人質に出来た)

切嗣(あとはロードエルメロイの令呪が使用可能となれば僕の手札は十分だ)

切嗣(早くも聖杯戦争の終わりが見えてきたようだ…)

ガシャアアアアアアアアアアアン!!!!

切嗣「何だ!?」

ランサー「主殿の居場所を教えてもらいに来た!」ヒュン!

切嗣「まずい!!」

ガキィィン!!

ランサー「サーヴァントか!貴様もマスターだったか!」

ウルキオラ「五月蝿い奴だ。他人の住処に入るにしては礼も順序も弁えてはいないらしい」

ランサー(この格好…港でのセイバーとほとんど同じ…)

アイリ「切嗣!森の結界が破られてすごいスピードでサーヴァントが!…ってあなたはランサー!?」

ランサー「セイバーのマスターか。その男の事も気になるが先に質問させてもらおう」

ランサー「我が主人はここにいるか?」

切嗣「なぜここだと思った?」

ランサー「我が主人の得た聖杯戦争の参加者の情報で居場所にある程度あたりのついている者から片っ端に探している」

切嗣「…成る程、じゃあ僕達が何かやった事が外に漏れているわけではなかったわけだ」

ランサー「その言い草、何か知っているとみた。それにそこのセイバー、最初に戦った時と随分と違うがどういうことだ」

切嗣「…実体化しろ、ハリベル」

ハリベル「此処まで来れば答えてくれると思うか。だが私が姿を現した時点で種が割れたようなものか」スウウウウウ

アーロニーロ「へえ、こいつには種明かししてもいいみたいだ」

切嗣「アーロニーロ、お前まで実体化しろとは言ったはずは無い」

ランサー「…成る程、セイバーとは個ではなく軍を指す総称だったというわけか」

ランサー「どうやら私の勘は正しかったらしい。あの時セイバーが複数体いたなら我が主人を連れ去ることは容易」

切嗣「…」

ランサー「何も答えないか、ならば最初の続きをさせていただこう!推して参る!!」

ザエルアポロ「待ってもらおうかい、ランサー」

ランサー「貴様もセイバーのうちの1人か」

ランサー(3対1…不利ではあるがマスターのどちらかを抑えれば勝機はある。騎士道には則っれないが今は主殿の奪還を優先せねば!)

ザエルアポロ「やれやれ、僕の言うことがわからないようだね。わざわざ君の無駄な行為を止めてあげようと思ったんだけど」

ランサー「…どういうことだ?」

ザエルアポロ「君のマスターならほら、ここにあるだろう」ブラン

ランサー「なっ!?…に…」

ザエルアポロ「首から上しか残らなかったよ。ああ、でも脳はくり抜いて瓶詰めにしておいたから見た目よりは軽いさ」ポイ ベチャ

ランサー「おおおのおおおおおれれれれああああ!!!!!!」バッ!!

ザエルアポロ「『セイバー陣営に手を出すな、ランサー』」

ランサー「何!?!?これは令呪…なぜサーヴァントが!」ググググ

ザエルアポロ「この城のホムンクルスに令呪のついた実験体、ここまで揃えば後は時間の問題だったよ」

ザエルアポロ「虚圏最高の科学者を甘く見ないで欲しいね。魔術師でもないサーヴァントが令呪を行使する!これが僕の研究の成果さ!」

切嗣(こいつ…本当に今日明日で令呪を使えるように…)

ザエルアポロ「さあ、僕の研究成果はどうかなランサー?」

ランサー「オノレ!!貴様ら!断じて許さぬ!!そうまでして聖杯が欲しいか!?私がたった1つ抱いた望みすら踏み潰して!!!」

ランサー「貴様らのような外道に使われるぐらいならならばここで自決するまで!!!」

ザエルアポロ「おや、なら君のマスターの婚約者がどうなるか…まさか忘れたわけじゃないだろう?」

ランサー「ソラウ殿を人質にしたのか!?」

ザエルアポロ「僕は彼女に興味はないよ。でもマスターがねぇ…」

切嗣「ケイネスの工房はすでに割れている。そこにソラウがいる事も把握済みだ」

切嗣「あの建物にはすでに爆弾をセットしてある。元々はお前毎ケイネスを殺害する様だったがまさか脅し用になるとは思わなかったよ」

アイリ「あなた…」

ランサー「こんな戦い方を女にまで見せて貴様は何を望む!?騎士の誓いを貶めてまで貴様は何を願う!?」

切嗣「そんなこと…お前に話す理由は無い。せいぜい駒になることだ。ランサーを見張っておく様にヤミーに伝えておけ、ウルキオラ」

切嗣(これで使い捨ての戦力が増えた…か、せいぜい利用させてもらうさ)

切嗣(だがこれで僕とアイリの危険も増した。ザエルアポロめ、セイバー『陣営』に手を出すな…か。)

切嗣(あの時点でセイバー『に』手を出すなと命令していればその場でウルキオラとハリベルにランサーごと殺させるつもりだったが…まあいい)

切嗣「ザエルアポロ、その令呪は僕にも使うことはできるか?」

ザエルアポロ「悪いけどそれには時間がかかるし何よりも研究のために君の体を刻まないといけなくなるよ」

切嗣「そうか、せいぜい大人しくしておけ」

ザエルアポロ「ああ、僕は研究者だからね。裏方に徹しておくよ」

翌日 夜
〜河川敷〜

キャスター「cool…cool…」

キャスター「さあ始めますよ!龍之介!」

………
……


アイリ「あれは海魔の群れ…あんな量どうするつもりなの」

ハリベル「どうする?一度焼き払う程度は試してみるか?」

アイリ「ええ、お願い」

ハリベル「少し離れていろ。…王虚の閃光<グランレイ・セロ>」ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

アイリ「やった!」

ハリベル「…いや、駄目のようだ。すぐに再生してしまう」

アイリ「なんて再生速度…あのまま巨大化して街に到達したらもう手のつけようがなくなるわ!」

ハリベル「スタークならこの距離からでも消滅させることが出来るかもしれない。どうする?」

アイリ「なら切嗣に連絡しないと」

ライダー「ほう、また会ったなセイバー」

ハリベル「ライダー…イスカンダルか。港の続きをしに来たのか?」

ライダー(港の続き…成る程、下水道の続きと言わないという事はやはりセイバーは複数体のサーヴァントか)

ライダー「いや、今宵は休戦だ。まずはキャスターを討滅せんとな」

ウェイバー「おい、アインツベルンのマスター、何か策は無いのか!?」

アイリ「一応あるにはあるけど…出来るかもわからないし時間もかかるわ」

ライダー「なら仕方ない…、こちらで時間稼ぎしている間に頼むぞ」

ウェイバー「おいライダー!時間稼ぎってどうするんだよ!」

ライダー「すぐにわかる、さあ行くぞ!」

???「なんだありゃぁ…、胸糞悪いな」

ライダー「ん?なんじゃお主?その格好、セイバーか」

ハリベル「何をしに来たヤミー」

アイリ(ライダーの今の言葉…セイバーが複数人のサーヴァントの事はバレてるみたいね)

ヤミー「マスターの言いつけ通りガキと女と槍使いの見張りしながら城で引きこもってなんかいられるかよ」

ヤミー「どいてろ、ハリベル。あれは俺がぶっ潰す!いくぜ!」バッ

アイリ「待って!あれはすぐに再生するわ!」

ハリベル「止めても無駄だ。好きにさせておけ」

ハリベル(もしかすれば奴なら…)

………
……


ヤミー「虚閃<セロ>!!」ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

ニュルニュルニュルニュルニュルニュルニュルニュル

ヤミー「ああ?超速再生か!面倒くせえ!!」

ヤミー「だったら塵になるまで叩き込んでやらァ!!…ああ!?」ニュルゥ

ヤミー「チッ!離せ!くそっ!」ニュルウウウウウ

ヤミー「くそっ!どこに突っ込んでやがる!うおおお、クソガァァァ!!!」ニュルニュルニュルニュル

………
……


ウェイバー「うわ…、酷いものを見てしまった」

アイリ「取り込まれてしまったわね」

ハリベル「無駄な時間だったな。少しでも期待した私が愚かだったか」

ライダー「気を取り直していくぞ!ALALALALALALA !」ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!

ウェイバー「なんで僕までー!?」

アイリ「キャスターが消えた!?あれはまさか結界の宝具!?」

ハリベル「ヤミーも消えたようだが」

アイリ「あっ」

〜冬木市 上空〜

ギル「醜悪な。目に入れるのも憚られるわ」

時臣「王よ、どうかキャスターを…」

ギル「たわけ、あの様なモノに我の宝物を使えと?あんなモノに触れた宝物など回収する気にもなれんわ」

時臣「くっ…」

ギル「それに我はそこの不遜な輩の相手をせねばならんようだ。大人しく地を這っておればよいものを」

ウルキオラ「話は終わったか、アーチャー」

ギル「この我を前にしてその余裕、まあよい。時臣、貴様はこの場に邪魔だ」

時臣「はっ、どうか勝利を、英雄王」

ギル「…待て時臣、これを持っていけ。オートディフェンサー、貴様が死ぬと我も多少なりとも困ることになる」

ギル「そこのセイバーがアサシンと同じ様なサーヴァントなら真っ先に狙われるからな。まったく、サーヴァントという身は不便なものよ」

時臣「光栄です」スッ

ギル「では始めようか獣。その翼二度と空へ舞えぬよう引きちぎってやろう」

ウルキオラ「成る程、俺を前にしてここまで慢心されたのは初めてだ」

ウルキオラ「この姿を見てもそれが続くか見てやろう」ゴオオオオオオオオオ!!!

ウルキオラ「帰刀 第二階層<レスレスシオン・セグンダ・エターパ>」

ギル「ふん、見るに堪えん。さらに獣に成り下がるとは英霊としての格も知れるわ」

ギル「せいぜい我を興じさせよ。そうすれば一息に塵にしてやろう。まずは我の舟から降りろ下郎」グルン

ウルキオラ「ちっ」バッ

ウルキオラ(あの舟…自由自在に動かせるか。まずは奴を地面に堕とすか)バサッ

ギル「ほう、その翼やはり見せかけというわけではないらしい。だが…」

ギル「獣如きがこの空に舞い上がるとは度し難い!王の財宝<ゲートオブバビロン>」ドンドンドン!

ウルキオラ「鈍い」ヒュン!

ギル「難なく交わすか。いいだろうこういった戯れは久方振りだ」

ギル「最高速について来れるか?」ゴォ!

ウルキオラ(疾い、が付いて行ける疾さか。雷霆の槍<ランサ・デル・レランパーゴ>はこの距離からだと意味はないか)

ウルキオラ「至近距離から放つしかない」

バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!」ゴゥ!

ウルキオラ「バーサーカーか、今度は奇妙なものを宝具にしたようだな」

ギル「狂犬め、いいだろう。2匹まとめてあの汚物に頭から突っ込むがいい!」ドンドンドン!!!

〜冬木教会〜

璃正「何の用だ?今更その身で教会に懺悔に来たわけでもないだろう」

???「ああ、その通りさ。懺悔する事なんて微塵もないよ。それに懺悔をしておいた方がいいのは君の方だ」

璃正「お前!ッガハッ!?!?」ドサッ

〜ビル屋上〜

雁夜「どうして桜を間桐に委ねた!?」

時臣「問われるまでもない。愛娘のために決まっているだろう」

雁夜「何…だと…」

時臣「娘は2人とも優れた素養を持って生まれてきた。しかしいずれか1人は凡庸に堕とさなければならい」

雁夜「凡庸だと…」ギリィ

時臣「2人の素養を活かすには片方を養子にやるしかない。そして聖杯に関わる一族であれば根元への到達の可能性も高い」

時臣「私が到達できなくても凛が、凛が到達できなくても桜が遠坂の悲願を継いでくれるだろう」

時臣「仮に姉と妹で争う事があったとして、勝敗がどちらでも栄光は遠坂の家名にももたらされる」

雁夜「狂っている、貴様らは狂っている!」

雁夜「俺は貴様らを許さない!臓硯も!魔術師も!」

時臣「威勢だけはあるようだな、魔導の恥め」

雁夜「殺すっ!蟲共!やつを食い尽くせ!!!」ブブブブブ!

時臣「無駄だ」ボゥ!

雁夜「くっ!ぐぅ!あぎっ!」ガクガクガク

時臣「あれだけ息巻いておきながらその程度か。今のその姿、魔術に触れた人間として度し難い」

時臣「見るに堪えん醜態だ…何!?」バッ

雁夜「そいつは炎に耐性がある!他のすべての蟲は囮だ!」

時臣「甘い」ボシュ!

雁夜「なっ…そんな…高速で飛び回る蟲を落とすなんて…」

時臣「終わりだ間桐雁夜」

雁夜「今だ!時臣を殺せ!!!」

時臣「貴様何を…」シーン

時臣(オートディフェンサーが発動するかっ!?)

雁夜「なん…で…、話が違う…」

時臣「何らかの不意打ちか?そこまで卑怯な手を使おうとするか。消えろ」ゴォォォォ!

雁夜「ぎっアアアアアアアアアアアア!!!!」

雁夜「殺して…や…」ガタ

グシャァ

時臣「ビルから落ちたか。生死は確かめるまでもない。…ん?なんだこれは?」コツ

切嗣『無線機を拾え、遠坂時臣』

時臣「誰だ」ヒョイ

切嗣『答える義理はない。こちらからの要求は1つ、令呪でアーチャーを自害させろ』

時臣「…なるほど、間桐雁夜の先ほどのハッタリはお前の助力を期待したものだったのか」

時臣「聖杯戦争関係者のようだが、私がそのような事をすると思っているのか?」

時臣(残りのマスターの内間桐雁夜などと組むような者はある程度絞れる。恐らくは…)

切嗣『拒むなら妻子の命はない』

時臣「何っ!?馬鹿な!」

切嗣『遠坂葵の目を潰せ。声が聞こえるように轡外せ』

スターク『断ればどうなる』

切嗣『こちらで無理矢理目玉を引き千切る事になる。片目をやれ』

スターク『…チッ、嫌な役を押し付けてきやがる』グヂャ

葵『いっアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』ジタバタ

凛『ムー!ウウウウウウウウ!!!』

時臣「貴様!衛宮切嗣か!この様な卑怯な手を!!」

切嗣『これは聖杯戦争、曲がりなりにも戦争とつく戦い。君はそれをわかっていないようだ。戦争に勝利するためなら人はなんだってする』

切嗣『そう…何だってね。僕はそれをよく知っている、嫌という程ね』

葵「あ…ああ…時臣…ダメ…」

時臣「くっ…」

切嗣『先に言っておくが令呪でアーチャーを強制転移させてもこちらにはセイバーがいる。この無線を切るか令呪で妙な事を命令すればこの場で2人を殺してこちらも令呪で離脱する』

切嗣『悪いがこちらも時間がない。早く決断を聞かせてもらおうか』

時臣(私は…遠坂家当主、悲願の成就のためならっ!)

切嗣『…残念だ』ダァン!

葵『あっ…』ドシャ

凛『むうううううう!うううう!』ジタバタジタバタ

切嗣『遠坂葵は死んだ。次は娘の番だ』

時臣「貴様ァ!この外道め!」

切嗣『最後のチャンスだ。令呪でアーチャーを自害させろ』

時臣「…私がそうしたとして…娘が助かる保証はない」

切嗣『近くに使い魔がいるはずだ。そいつに自己強制証明<セルフギアス・スクロール>を持たせてある』

時臣「これか。確かに…」

時臣(文面や文言に問題は無い。これで衛宮切嗣には解除不能な呪いがかかる)

時臣(どうする…、ここで凛を見捨てれば時期当主はいなくなる。だがこのまま私が聖杯戦争に勝利すれば…)

時臣(勝利…できるのか?ここまで準備をしてきたがまるで上手くいかず全てが裏目に!)

時臣(そうだ!もし私がこのまま凛を見捨てても桜が…)

切嗣『もう1つ教えておこう遠坂時臣。間桐雁夜がこの聖杯戦争に挑んだ理由だ』

切嗣『先程までの会話はこの無線から聞いていた。間桐桜が今どういう状況下にあるか知っているか?』

時臣「どういう…ことだ…?」

切嗣『君はもう見ているはずだ、間桐雁夜の状態を。そうなるような地獄を君の娘は見ている』

切嗣『そもそも間桐の狙いは母体であって間桐桜はそのためだけの人間だ。間桐は間桐桜の子供が目的ということだ』

時臣「だからなんだというのだ。それでも桜の子が聖杯を手にすれば遠坂にも栄誉は残る」

切嗣『ああ、だが間桐の魔術回路がもう断絶していれば話は少し別になる』

時臣「何…だと…。間桐の魔術回路がもう…」

切嗣『その間桐の魔術を継ぐために君の娘がどういった扱いを受けているか説明しようか』

切嗣『そうすれば間桐雁夜が自分の命を投げ捨ててこの聖杯戦争に挑んだ理由も分かるだろう』

切嗣『何しろいろいろな戦場を見てきた僕ですら聞いただけで吐き気を催したぐらいだ』

〜固有結界 王の軍勢内〜

ウェイバー「これって…まさか固有結界!?ライダーお前魔術師だったのか!?」

ライダー「キャスターなぞあやつ1人で十分よ。この世界は余1人で出来たわけではない」

ウェイバー「ど、どういうことだよ!」

ライダー「この世界、景観をカタチに出来るのは我ら全員の心象であるからさ」ザッザッザッザッザッザッ

ウェイバー「た、大軍が!いつの間に!?しかもこいつら1人1人がサーヴァントだ!」

ライダー「見よ!我が無双の軍勢を!!!これがイスカンダルたる余が誇る最強宝具、王の軍勢<アイオニオン・ヘタイロイ>!!!!」

ライダー「行くぞキャスター!蹂躙せよ!!!」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

ウェイバー「こんな宝具が…、これならキャスターを!」

???「頭に来たぜ…、潰す…潰す…」

???「ぶっ潰す!!!!」

ウェイバー「待てライダー!!キャスターの様子が変だ。あの海魔の塊、動きが遅くなってる!!」

???「ブチ切れろ 噴獣<イーラ>ァァァァ!!!!」

ブチブチブチブチブチブチ!!!

ウェイバー「か、海魔が膨れ上がって行くぞ!」

ライダー「一旦距離を取れ!」

ボガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

ライダー「ほう、あやつめ…あの塊を内側から吹き飛ばしおったわ」

ウェイバー「なんだよあれ…まさかさっき取り込まれたセイバーなのか!?」

ヤミー「ふううう、ようやく出られたぜ」

ヤミー「なんだここは?さっきまでの場所と違うじゃねえか。それに…なんだこのチビ共は?」

ヤミー「なんだかよくわかんねえが全員ぶっ飛ばしてやらァ!!!」

ライダー「来るぞ小僧、しっかりと捕まっておれ!かかれェ!!!」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

ヤミー「来るかよ!雑魚共が!ぶっ飛びやがれ!黒虚閃<セロ・オスキュラス>!!!!」キュイイイイ・・・

ライダー(あの力の奔流…まずいか!!!)

ニャルニュルニュルニュルニュル!

ガシッガシッ!

ヤミー(まだいやがったのか触手がよ!)

ウェイバー「あのでかい触手はキャスターの!」

ライダー「奴の攻撃が来るぞ!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

ウェイバー「なんだよ…あれ…」

ライダー「この威力、もし正面から受けておれば消し飛んでいたわ。触手が奴の顔を上に向けていなければ危なかったわい」

ライダー「貴様にはあまり言いたくないが礼を言っておこうか、キャスター」

キャスター「はぁ…はぁ…、貴方には工房を破壊された事がありましたが今は水に流しましょう」

ウェイバー「いつの間に僕の横に!?」

ライダー「キャスターよ、今は休戦といこうか。あのセイバーを倒すには我が軍勢でもちと厳しそうでな」

キャスター「いいでしょう、どの道私1人でもあれは相手には出来ない」

ウェイバー「お前!こいつキャスターだぞ!あの工房見ただろ!?信用できるのかよ!」

ライダー「今は信用がどうこう言っておる場合ではあるまい。どの道片方が倒れればもう片方も倒れる」

ライダー「それにこの固有結界を解いてもこの巨体が元の地に現れれば川から半径数キロは大災害になる」

キャスター(そうなればリュウノスケも危ないですね)

ライダー「さあ始めようか!!!AAAAAAALALALALALALALALA!!!!!」

ウェイバー「うわああああ!!!」

ヤミー「チビ共が俺に敵うわけねえだろ!失せろォ!!」ゴォォン!!

ライダー「ぬおっ!?拳を振り下ろしただけでこの衝撃!キャスター!さっきの様に奴の動きを阻む事は何度可能だ!?」

キャスター「何度かは出来るでしょうがあのサーヴァントも今度は警戒しているでしょう」

キャスター「通じてあと1度でしょうか」

ライダー「なるほど、ならば余が合図を出す」

キャスター「いいでしょう。この戦い、貴方に委ねましょう」

ウェイバー(こいつ…明らかに精神が汚染されてるのに今は割と話が通じるようだな)

ライダー「取り囲めェ!!!」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ウェイバー「兵士達が奴を囲んだ!」

ライダー「1箇所に固まったままでは一網打尽じゃらのお」

ライダー「かかれェ!!!」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

ヤミー「鬱陶しいんだよ!コバエ共が!!!」キュイイイイ!

ライダー「さっきの技をもう撃つ気か!?仕方ない!キャスター!」

キャスター「御照覧あれ!」ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ!

ヤミー「くそがっ!」ブチブチブチブチ

キャスター「私の海魔が…」

ヤミー「舐めやがって、何度も食らうかよ!虚弾<バラ>!」ドン!

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!

ウェイバー「ウソだろ!あいつ拳からも撃てるのか!」

キャスター「兵士の1割弱が消えたようですね…」

ライダー「このままでは固有結界を維持できなくなる。一気に片をつけるしかないか!」

ヤミー「これでテメェも消えろォ!」ググ・・・

ウェイバー「さっきのがまた来るぞ!」

ライダー「キャスター!奴の腕をどこでもよい、無理にでも動かせ!」

キャスター「いいでしょう!!」ゾゾゾゾゾゾゾゾ

ヤミー「虚弾ァ<バラ>!」ドン!

ウェイバー「うわああああ!!!……っ!い、生きてる」

ライダー「ふう、危なかったわい。上手くいったようじゃな。このまま奴の突き出した腕を一気に駆け上がり額に体当たりとゆくか」

ライダー「神威の車輪<コルディアス・ホイール>で奴の額に風穴を開けてやろう!!」ガガガガ!

ヤミー「チッ、本当にコバエみてえな真似しやがって」

ヤミー「蚊みてえに潰す!!」

キャスター「ライダー!」

ライダー「心配ない、このまま突っ切る。しっかり掴まっておれ!!」

ウェイバー「馬鹿!このままじゃ潰されるぞ!」

ヤミー「じゃあな!…ああ!?」グラッ

ウェイバー「うわあ!!なんだ!あいつ急に横に倒れかかったぞ!」

ライダー「やつの崩れた方の足をよく見てみろ」

ウェイバー「足が全部無い!そうか、ライダーの部下がやってくれたのか!!」

ライダー「セイバーよ!貴様の敗因は余の臣下を舐めたことだ!!」

ヤミー「く…っそがああああああああああアアアアアア!!!!」

………
……


ウェイバー「固有結界が解けた、あいつは…」

ヤミー「ぐ…くそ…」

ライダー「雌雄は決したな。止めだセイバーよ」スッ

ハリベル「ここまでだ」ギィン!

ライダー「ほう、庇いに来たか」

ライダー(長時間の固有結界で疲弊が酷い、ここは退きたいところだが…)

ハリベル「考えていることは分かっている。ここから生きて逃がすつもりは無い」

ウェイバー「クソッ!このままじゃ!おいキャスター!このままだと全滅だ!」

キャスター「あ、ああ…」ヨロヨロ

ウェイバー「キャスター…その傷…」

キャスター「ジャ…ン…ヌゥ…一目…」スウウウウウ

ウェイバー「キャスターが死んだ!まさかもう1人敵がいるのか!?」

アーロニーロ(海燕)「気づくのが遅かったな。キャスターは脱落だ」

アーロニーロ(海燕)「水天逆巻け 捩花」

………
……


バーサーカー「■■■■■■■■■■!!!」

ギル「狂犬が、なかなかに保つではないか。だがここまでだ!」ドンドンドン

バーサーカー「■■■■■■■■!!!」ギィンギィン

ギル「ちっ、器用な奴め」

ウルキオラ「黒虚閃<セロ・オスキュラス>」ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!

ギル「くっ!おのれ雑種共!もうよい。児戯には飽いた!一息に散らしてくれる!来いエアよ!」

ウルキオラ(…あれはまずい。喰らえば超速再生でも数分も持たない)

ギル「光栄に思うがいい!この我にエアを抜かせ…ゴハァ!?!?」ザクッ

ウルキオラ「…上手くいったようだな」

ギル「自害だ…とォ!貴様…時臣に…おのれ…おのれえええ!」

ギル「タダでは消えぬ!天地乖離す開闢の星<エヌマエリシュ>!!」ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

バーサーカー「■…■■■■■■■■■■■■」ガガガガガガガ!!!!

ウルキオラ「王虚の閃光<グランレイ・セロ>」ゴオオオオオオオオ!!!

ギル「無駄だ!消えろ雑種共が!!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

………
……


ギル「時臣め…甘言にでも騙されたか。全く…最後までつまらぬ人間だったな…」スウウウウウウウ

〜ビル屋上〜

時臣「令呪を…使ったぞ。衛宮切嗣。これで娘は返してくれるのだな」

切嗣『ああ、返すさ』

時臣(これで…これでよかったのだ…わたしでは至れなかった…。だが凛なら…)

切嗣『だが君とはもう会えない』

時臣「なん…だと…」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!

………
……


舞弥『切嗣、無線機の爆発を確認しました。遠坂時臣は脱落です』

切嗣『了解した。次の標的の見える位置に移動できるか?』

舞弥『ここからでも暗視スコープで認識可能です。おそらくまだ息はあります』

切嗣『ならここで終わらせる』

舞弥『標的の近くにはもう1人確認できます』

切嗣『なら諸共に犠牲になってもらおう』

切嗣(遠坂時臣と間桐雁夜に渡した無線機には爆弾を仕掛けてある。近距離なら上半身は吹き飛ばせる。あとは舞弥がスイッチを入れるだけだ)

切嗣(もうすぐこの戦争も終わりだ)

〜ビル脇 路地〜

綺礼(間桐雁夜の死体を確認しに来たが…)

雁夜「はぁー…はぁー…」

綺礼(この怪我で息があるとは。ここで楽にしてやろう)

ドガアアアアアアアアアアアア!!!!

綺礼「なにっ!?なんだ!上で爆発か!」

綺礼「師に何かあったかもしれない…、なら早くとどめを刺して確認しに行かねば!」

切嗣『聞こえるか間桐雁夜?』

綺礼「この声は…間桐雁夜から…」

雁夜「うっ…が…はぁー、衛宮ァ…」

切嗣『喜べ間桐雁夜、遠坂時臣は死亡した』

雁夜「ぐっ、はは…そ、うか…」

雁夜(後は協力する条件…衛宮と協力して聖杯を手に入れる前に桜ちゃんを助ければ…)

切嗣『君の役目は終わりだ』

雁夜「どういう…意味だ。それに手を組んだ条件はまだ…」

ドガアアアアアアアアアアアア!!!

綺礼「何!?」バッ

綺礼「爆弾を仕込んでいたのか。衛宮切嗣…外道な手を使う!」

綺礼「とにかくビルの上に行かねば!っか!?」ダァン ドシャ

………
……


舞弥『間桐雁夜は死亡、言峰綺礼も射殺しました』

切嗣『了解した。次の標的の暗殺に向かってくれ』

切嗣『こちらはライダーを倒す。行くぞスターク』

スターク『おいマスター、この子の轡とロープを外しておいていいだろ』

切嗣『好きにしろ』

書きえだめできればまた夜に投下します

〜河川敷〜

ライダー「まだセイバーがいたのか!」

アーロニーロ(海燕)「令呪は使わせねえよ!」バシャァ!

ウェイバー「うわっ!ら、ライダー何とかしてくれ!」

ライダー「くっ!ええい面倒な!」

ハリベル「存外しぶといな…。終わらせる、討て…」

スターク「無限装弾虚閃<セロ・メトラジェッタ>」ガガガガガガガガガガガガガガ!!!

ライダー「ぐっ…おおおおおお…」ガバッ

ウェイバー「うわあああ!!!ライダー!!」

ハリベル「!!スタークか!」バッ

アーロニーロ(海燕)「見境い無しか!」バッ

ライダー「ここまでか…、これ以上余から何かする気もない。この小僧はみのがしてやってくれんかのぉ…」

スターク「…ああ、こっちもうんざりしてるんでね。そういうのはな」

ライダー「そうか…、なら良い…」スウウウウウウウ…

ウェイバー「ライダー…俺を庇って。くそっ!」

スターク「!!」ガキィン!

ウェイバー「うわっ!何だよ!見逃してくれるんじゃないのか!?」

スターク「俺はそのつもりだったがな、こいつがそうはいかせねえらしい」

アーロニーロ「チッ」

スターク「そいつはもう戦いには参加できないだろ。わざわざ殺すこともないはずだ」

アーロニーロ「そいつに令呪がある限り…いやまあいい。ここでこのまま抗っても無駄だ」

スターク「わかればそれでいい。面倒くせえ奴だ」

ハリベル「…まさか虚閃を撃ち込むとは思わなかったぞ、スターク」

リリネット「ちゃんと上手く相手のサーヴァントだけに撃ち込んだんだから問題ないだろ」

スターク「黙ってろリリネット」グリグリ

リリネット「や、やめろスターク!!のわああああ!」

アーロニーロ「…銃相手に…気持ち悪い光景だ」

リリネット「お前の素顔の方が気持ち悪いだろ!」

アーロニーロ「何ダト!」

スターク「待て待て、悪かった、今のはリリネットが悪い。謝っとけ」

リリネット「いーやーだー」

切嗣「…何をしているんだ、あいつらは」

ハリベル「私に聞くな」

切嗣「まあいい、首尾はどうなった?」

ハリベル「ライダーとキャスターは死んだ。ライダーのマスターは逃したが」

切嗣「サーヴァントを始末したならそれでいい。出来れば消しておいた方が安心だが…」

ハリベル「これで残りのサーヴァントも少なくなったはずだ。マスターの方は何か進展はあったのか?」

切嗣「上々、と言ったところか」

アイリ「…」

切嗣(アイリは無事か。なら…潮時だな)

切嗣「さて、そろそろ終わりにしようか」

ハリベル「…どういうことだ?」

切嗣「令呪によって命じる」

ハリベル「アーロニーロ、ウルキオラ以外のセイバーは自害しろ」キィィィン

ハリベル「何っ!!ゴフッ!」ズドッ

スターク「ガハッ!」バシュ!

ヤミー「グッ!」ドスッ!

ハリベル「…衛宮!」バッ

アーロニーロ「遅かったなハリベル」ギィン

ハリベル「アーロニーロ!どういうことだ!?」

切嗣「すぐにわかる。やれ、アーロニーロ」

アーロニーロ「ああ、さあトップランクの十刃の力はどんなものかな。喰虚!<グロトネリア>」

ハリベル「そういうことか…」

スターク「最初から捨て駒だった…ってことかよ」

………
……


アーロニーロ「流石だ。0番に1番、3番…。アジューカスの破面とは違う!ここまで力が上がるとは!!」

切嗣「上手くいったようだな」

アーロニーロ「アア、最高ダ」

切嗣「これで当初の計画通り、セイバーを一纏めに出来たわけだ」

聖杯戦争開始前 深夜
〜アインツベルン城裏手〜

切嗣「遅かったな」

アーロニーロ「こんな時間に呼び出しておいてかける言葉がそれか」

アーロニーロ「…何の用だ?」

切嗣「聖杯戦争中、君に行っていて欲しいことがある」

アーロニーロ「ドウイウコトダ?」

切嗣「君には舞弥と協力して他のセイバーを喰らってもらう」

アーロニーロ「…何ダト?」

切嗣「君達はセイバー…十刃という1つの集合体として召喚されている。君達から聞いた話では、十刃は例えば元が多重人格等の内的要因で複数にいるという訳ではないらしい」

アーロニーロ「その通りだ。藍染惣右介、奴が自身の欲望のための手駒として使うために定義した集団。それが十刃だ」

アーロニーロ「藍染ッ、アノウソツキメ!」ギリ

切嗣「個々とした集団である以上、聖杯への願いは違う。想定されるのは願いの成就の為のセイバー通しの殺し合い」

切嗣「仮に聖杯戦争を勝ち残ってもそれからさらに殺し合いが始まる」

切嗣「そうなれば僕がどこまで介入できるかわからない。最悪脱落したセイバーが最後に令呪を切り落としてくる可能性もある」

アーロニーロ「仮ニソウナレバ第9<ヌベーノ>デハ勝チ目ハナイ…トイウコトカ」

切嗣「それにこれは戦争だ。勝つためにはなんだってやる魔術師がいても不思議ではない。神霊、神の類やその力そのものを召喚されてしまえば並のサーヴァントレベルの力しか持たない状態のセイバーでは勝ち目があるかわからない」

アーロニーロ「慎重な意見だな。舐めるな…と言いたいが話している事は間違いではないな」

アーロニーロ「生前ト同ジ力ヲ持ッテイレバ…イヤ、ソウナルトマスターノ魔力ヤ統率ガ取レナイカ」

切嗣「ああ、そういう意味では助かったと思っておくさ」

切嗣「さあどうする。僕の提案に乗るかい?」

アーロニーロ「…イイダロウ」

アーロニーロ「喰虚<グロトネリア>の力なら例え破面<アランカル>の死にかけを喰ってもその力を手に入れる事が出来るだろう」

アーロニーロ「そうなれば無敵だ。マスター、その提案、飲んでやろうか」

切嗣「わかった。ターゲットの順番については概ね決めているが戦況によって変えるつもりだ」

切嗣「それと…この計画にはもう1人十刃から協力者を見繕ってある」

アーロニーロ「何…だと…」

アーロニーロ「誰ダ?ソイツハ?」

ウルキオラ「俺だ、アーロニーロ」ザッ

アーロニーロ「ウルキオラ…、最上級<ヴァストローデ>の十刃が手を貸すだと。何を考えている」

ウルキオラ「何も無い。今の俺はサーヴァント、マスターの方針に従った」

アーロニーロ「信用出来ナイナ、土壇場デ裏切ルツモリカ?」

ウルキオラ「それが不可能とは言わないがするつもりも無い」

アーロニーロ「成る程…願望が無いのか」

ウルキオラ「…俺の司る死の概念は虚無、素より願いは無い」

ウルキオラ「そして生前に得た唯一の願望も叶っている。俺にとってこの戦争の利益に興味は無い」

アーロニーロ「ダッタラココデ喰ッテモイイダロウ」

切嗣「ここでセイバーを減らしたところでデメリットしかない。ここで君が力を出せば他のセイバーが集まってくるぞ」

アーロニーロ「クソッ」

切嗣「ウルキオラには裏方に徹してもらう。主に絡め手の補助、強力なサーヴァントの足止め等か」

切嗣「予備戦力だが必要がなくなれば君が喰えばいい」

アーロニーロ「…いいだろう」

ウルキオラ「ああ、了解した」

アーロニーロ「…流石に気味が悪いな。虚無の十刃、ここまでとは」

アーロニーロ「願望モ欲望モ希望モ無イ。無イ無イ尽クシモイイトコロダ。信用モ出来ナイナ」

ウルキオラ「そうか、なら好きにしろ。俺は戻る」ザッ

アーロニーロ「…条件ガアル。俺ガ命令スレバウルキオラヲ自害サセロ」

切嗣「…まあいいさ。ウルキオラはあくまでも補助の捨て駒だ。奴は強力なサーヴァントに当てて時間稼ぎをさせ、その間に相手マスターを始末する」

切嗣「その役目さえ終わればどの道用はない」

アーロニーロ「最後に聞いておこう。お前の願望はなんだ?」

切嗣「…世界の恒久的な平和さ」

アーロニーロ「…そんな願いを盲信すればここまで人間は擦切れるのか」

切嗣「それもこの戦争で終わる」

〜現在 河川敷〜

アーロニーロ「さあ、あと残っているサーヴァントを狩れば終わりだ」

切嗣「まだ消滅が確認出来ていないのはランサーか」

アーロニーロ「ランサーハザエルアポロガ使エルヨウニシテイタナ」

切嗣「君達以外のセイバーは消えた。ならランサーは自由の身だろう。単独行動のスキルがあれば…の話だが」

切嗣「まあ単独行動スキルは本来アーチャーが所持しているものだが、もしランサーが単独行動スキルを持っていたとして…」

切嗣「今ならランサーを倒すのはそう難しくはないはずだ。こちらにはアイリもいる。問題は無い…」

アイリ「…」

切嗣(…待て、何故アイリがここまでサーヴァントが消滅して無事なんだ。これはまさか!)

切嗣「っ!!」パァン!!!パァン!!!

アーロニーロ「何をしているマスター!?」

アイリ「…」スッ

切嗣「すり抜けた!?偽物か!」

アーロニーロ「戦っている途中ですり替わっていたのか!?一体誰が…」

アーロニーロ「聞イタコトガアル。ノイトラガ前ノ3番ヲ倒シタ時モ今回ト同ジ偽物ヲ使ッタラシイ」

アーロニーロ「ソノ時ニ協力シテイタノハ…」

アーロニーロ「ザエルアポロ…」

切嗣「くそっ!令呪を研究していた奴なら令呪に抗う術も用意できたということか」

切嗣「恐らく奴はアインツベルンの拠点にはいない。聖杯を降臨させる場所に居るはずだ」

アーロニーロ「マスターが爆弾を仕掛けたあのマンションにまだいるのか?」

切嗣「そこには舞弥を向かわせてあるが…連絡はない」

アーロニーロ「行クカ?」

切嗣「そうだな、ちょうど車も準備している。舞弥と連絡を取りつつ…」ピピピピピピ

アーロニーロ「噂をすれば…というやつか。無線ではなく電話連絡か」

切嗣「ウルキオラ、電話は使えるな。代わりに出てくれ」

ウルキオラ「了解した。…ザエルアポロか?」ガチャ

ザエルアポロ『おや、マスターではなくウルキオラが出るとはね。この通話には何も仕込んではいないよ』

ウルキオラ「どこにいる」

ザエルアポロ『さあ?君達にそれを教えるわけがないだろう。まあどの道聖杯は降臨する』

ザエルアポロ『ああ、そういえばランサーのマスターの拠点近くをうろついてた馬鹿な人間なら脳を瓶詰にして今の拠点に置いているよ』

ザエルアポロ『舞弥…だったかな。フルネームを知らなくてね。瓶に名前が書けなくて困っていたんだ。ウルキオラは知らないかい?』

ウルキオラ「長話には付き合う気は無い。どこにいると聞いている」

ザエルアポロ『すぐにわかるよ。そろそろ聖杯が機能し始める。そうすればね…』ガチャ

ウルキオラ「切れたか、面倒な奴だ」

アーロニーロ「何故ザエルアポロには令呪が効かない。そもそも魔力供給はどうしている」

切嗣「これは僕の勝手な予想だが、アインツベルンの城にある過去の聖杯戦争の記録やホムンクルス、アインツベルンが間桐家から密かに持ち出していた令呪の資料を参考にして、魔力や令呪のパスを僕からソラウに無理矢理変更したんだろう」

アーロニーロ「ソンナ事が可能ナノカ?」

切嗣「普通は無理だ。だがランサー陣営は令呪と魔力のパスを別人に繋いでいた」

切嗣「ランサーのマスター、ケイネスを解剖したりケイネス本人から無理矢理聞き出した知識等がもしあれば可能になるかもしれない」

切嗣「全く…迷惑な科学者だよ」

ウルキオラ「それでどう動くつもりだ」

切嗣「ソラウを殺せばランサーの魔力供給を抑える事ができる。だがザエルアポロもそれを阻止しにかかる」

切嗣「ソラウの暗殺とザエルアポロとの戦闘で班を分ける」

切嗣「ザエルアポロはアーロニーロ、お前に任せる」

アーロニーロ「アア、分カッタ」

切嗣「ザエルアポロの強さは分からないが、どんな改造を聖杯や自身に施しているか分からない。今のアーロニーロの強さでも苦戦を強いられる可能性が高い」

切嗣「決してなめてかかるな」

切嗣「それからランサーとソラウについては僕とウルキオラでなんとかしよう」

ウルキオラ「了解した」

切嗣「潜伏場所によっては建物ごと木っ端微塵にする。その時はアーロニーロ、お前にも魔術で分かるようにする」

………
……


ウルキオラ「マスター、冬木教会の方を見れるか?あれが聖杯なのか?」

切嗣「…なんだあれは?あれが聖杯なのか…」

アーロニーロ「あれは万能の願望機とは呼べないぞ」

アーロニーロ「厄災ヲ撒キ散ラスタダノ呪イノ塊ダ」

切嗣「ザエルアポロが聖杯を弄った結果なのか!?とにかく急ぐぞ!」

〜冬木教会〜

ザエルアポロ「全く…わざわざ監督役まで殺したのに願望器の中身がこれとはね」

ザエルアポロ「これじゃあ受肉も出来るかどうかか…」

アーロニーロ「見ツケタゾ、ザエルアポロ」

アーロニーロ「聖杯に何をした?」

ザエルアポロ「思ったよりも早い到着だ。マスターは元気かい?」

アーロニーロ「質問に答えろ!」

ザエルアポロ「何もしていないさ。どうせ信じてくれないだろうけど。この聖杯の中身は元々こうだったか、後からこうされたのか…まあどちらでも構わないか」

アーロニーロ「ならもう話すことはない!いくぞザエルアポロ!地獄の続きといこうか!」

アーロニーロ「食い尽くせ 喰虚<グロトネリア>」ゴゴゴゴゴゴ

ザエルアポロ「この霊圧の大きさ、…成る程、他の十刃の何人かを取り込んだな」

アーロニーロ「ああ、最高だった!今なら負ける気がしない!お前の工房内でもな!」

アーロニーロ「無限装弾虚閃<セロ・メトラジェッタ>」ドンドンドンドンドン!!!!!

ザエルアポロ「無駄だよ」バシュッ

アーロニーロ「何だと!?虚閃が消えた!?」

ザエルアポロ「アーロニーロ、まさか忘れたわけじゃないだろう。自分の弱点を。そしてここは仮でも僕が魔術師らしく工房に似せている」

ザエルアポロ「何も仕込んでいないわけがないだろう」

アーロニーロ「くそッ、帰刃が解けた!?まさかお前!!」

ザエルアポロ「理解が遅かったね。そう紫外線、つまりは日光だよ。君の能力は日光が当たれば発動しない」

アーロニーロ「…最初からバレていたということか。マスターと組んでから全部が!」

ザエルアポロ「クク、そうでもないさ。マスターはほぼ完璧に隠していたさ。僕が分かったのはマスターがサーヴァントを利用して何かを企んでいること、それをサーヴァント側から支える者がいることだけ」

ザエルアポロ「誰かまでは分からなかったからこの教会内には僕以外の全十刃の対策がされている」

アーロニーロ「馬鹿な…そんな事が…」

ザエルアポロ「出来るはずがない?とでも言いたげだな。君の目の前にいるのは虚圏最高の科学者だ」

アーロニーロ「くっ!」

ザエルアポロ「それじゃあ終わりにしようか」

アーロニーロ「このっ!科学者風情がアアアアアアアア!!!」

………
……


ランサー「見つけたぞ…セイバーのマスター!」ダッ

ウルキオラ「下がれマスター、迎撃する」キィン!!

ウルキオラ「くっ」ギギ

ランサー「主殿の仇、とらせてもらおうか!」

ウルキオラ(今の膂力ではさらに解放しても押し負けるか。ならばあれを使う)

ウルキオラ「ゲスが」ザッ

ランサー「距離をとった…何をするつもりだ」

ウルキオラ「贖罪<エクスピアシオン>」バキッ

ランサー(仮面を砕いた?何をするつもりだ)

ウルキオラ「終わりだランサー」ズブ・・・

ランサー(自分の胸を手で抉り…まずい!!??)ゾクッ!

ランサー「必滅の黄薔薇!!<ゲイ・ボウ>」

………
……


ランサー「ゴフッ。成る程…その技、仮面を割った後に自分の体を傷つけ…相手にその傷を負わせるものなのか…?」

ウルキオラ「似たような…ものだ…」スウウウウウウ

ランサー「同士…討ちか…。我が槍がもう少し早く…貴様を貫いていれば…」

切嗣「クソ!ウルキオラ!」

ランサー「セイバーの…マスターだな。貴様を串刺しにしてもあの科学者は消えないだろうが…それでも騎士道を貶めた償いは…受けてもおうか…」

切嗣「固有時制御 三倍速<タイムアルター トリプルアクセル>」

切嗣(何とかしてこの場を離脱しなければ!)

ランサー「遅い!」グサッ

切嗣「かはっ!?ダ…めだった…か…」ドサッ

ランサー「ぐっ…体が重い…あのセイバーの能力はまずかったか…」ドサッ

………
……


アーロニーロ「ぐ…ザエル…アポロ…」ドサッ

ザエルアポロ「これが馬鹿の君にも分かるように藍染…が付けた番号の結果だよ。ああ、消える前にその液体のサンプルを頂こうか」

アーロニーロ「オノ…レ…」スウウウウウウ

ザエルアポロ「もう消えたのか。サンプルも一緒に消えた。全く役に立たない十刃だ」

ザエルアポロ「さあて、この呪いの塊の聖杯をどうするか…。このまま溢れ続ければ教会が潰れてしまう」

ザエルアポロ「そうなれば僕も呑まれるか」

ザエルアポロ「ひとまずここから離れ…ゲフッ」ザグッ

ランサー「逃がさ…ない」

ザエルアポロ「貴様…生きていたのか…」

ランサー「主殿の…仇。取らずに消えられるものか!」ドサッ スウウウウウウ

ザエルアポロ「消えたかランサーめ。ゴフッ」

ザエルアポロ「傷が…深い…クソッ。最後の最後で…」

ザエルアポロ「…なんてネ。全く自分のサーヴァントの宝具の研究をしていないわけがないだろうに」

ザエルアポロ「ランサー、君の健気な一撃など避けるまでもないのだよ」

ザエルアポロ「最悪、ソラウから受胎告知<ガブリエール>で無かった事にも出来るしね」

ザエルアポロ「その後にソラウが死なないようにもしてある」

ザエルアポロ「さて、ソラウの様子も問題はなさそうだ。一旦この場を離れるとするか」

ザエルアポロ「聖杯の中身のサンプルは手に入った。あとは遠坂に間桐の資料を手に入れて受肉して魔術師や根源について研究を続けよう」

ザエルアポロ「もう邪魔者はいないのだからね」

終わりです
HTML化依頼をしてきます

あっさり終わったなぁ


ランサーしぶとすぎて草

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