【わたモテ】モテないし釣る【ネモクロ】 (47)

●全35レス程度(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●おかネモクロはゆうこみもこをきっと超える


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… … …



黒木「・・・」



… … … …



黒木「・・・・・・」…ゴソッ



… … … … …



黒木「(・・・はいはい、ワロスワロス)」ゴソゴソ



… … … ピ ク 。



黒木「(三年ROMってろ、と)」ゴソゴソ



… … ピ ク  ピ ク ッ …



根元「クロ、引いてるっ!」

黒木「え?!」


岡田「黒木、来てるよっ!」

黒木「わ、わっ!」グイ!



… パ シ ャ ッ 。



黒木「あ、あ・・・」

根元「・・・逃げられちゃった」

清田「あ、惜しい」チリチリチリ…



… ザ …   … ザ …



鈴木「バレちゃったか」…シュルル

岡田「ばれた? 何が?」

清田「・・・あ。 魚が外れた、ってことなんだ」

岡田「ふーん、そう言うんだ」




… ザ …   … ザ …


 … ニャア   ニャア ニャア …


根元「携帯いじくってるからだよ、もう」

黒木「・・・ネモなんか、まだかかってもないくせに」ムスッ

根元「クロだってまだかかってるだけでしょ」

岡田「わたしだって負けないよ。 陽菜にも、黒木にもな」

黒木「(・・・どうしてこうなった)」




 ――――――――――




岡田「ふーん、あんたら釣りなんてやるんだ」

鈴木「ああ、親父とバス釣りにな。 先週も行ったぜ」

清田「俺は釣り堀しかないなあ。 たまーに、親父と行くくらい」

岡田「釣り堀?なんか、おっさんくさいなあ」

清田「うーん・・・ まーそうだな、おやじくさいか」

鈴木「そうかあ? 俺は釣り堀、いっぺん行ってみたいんだが」

清田「俺は一回、ブラックバス釣ってみたいな。 難しそうだけど・・・」

鈴木「あいつら食い意地張ってるから簡単だぜ? どうしてもってんならエサでもつければ・・・」



清田「・・・・・・・?」鈴木「・・・・・・・・。」清田「・・・! ・・・・」


岡田「もう、わたしらが入れない話ばっかりなんだから。なあ、陽菜?」

根元「ほんとー、感じ悪いー」ニヤニヤ

清田「でも、最近は女の人もよくやってるみたいだぜ?」

岡田「わたしは一度もないよ」

根元「わたしもー」

清田「じゃ、黒木さんは?」

黒木「え」

鈴木「おいおい清田、黒木さんはインドア派だろ」

清田「あ、やっぱり・・・」

黒木「え、あ・・・ ある、よ」



「「「「えっ?!」」」」



黒木「あ、その・・・ たいしたこと、なくて」

根元「クロ、そうなの?」

黒木「あ、うん。 お父さんと川で、ちょっとだけ・・・」

鈴木「へー、でもすげーじゃん! どんなの釣れたの?」

黒木「・・・あ、これ、くらいの(お父さんが釣ったのだけど)」ピッ!

清田「おー、すごい! 意外だな、黒木さんが・・・」




 ――――――――――



黒木「(それから、あれよあれよと話が進んで)」

黒木「(なぜかみんなで自転車こいで海岸に来て、釣りなんかする羽目になってる)」

黒木「(目いっぱい無駄に過ごすつもりだった、せっかくの日曜が・・・)」



鈴木「そうらっ!」ビュッ!

清田「よいしょっ!」ヒュン!



根元「・・・男子たちはすごいなあ。シーバス、だっけ」

岡田「スズキだったっけ。 ルアー使ってさ」

黒木「(鈴木がスズキ釣り・・・ ベタすぎるか)」

根元「近づかないように、気を付けなきゃね。 ・・・よっちゃーん、がんばれー!」

清田「おーうっ!」

岡田「鈴木ー、スズキに釣られんなよー!」

黒木「(ぶっこんできた?!)」

鈴木「るせー! 昼飯豪勢にしてやるぜ!」

根元「あははっ! みんながんばれー!」




 ザ…  ザ…  ザ…

  ニャア ニャア ニャア …



岡田「・・・・・・・・・」ジーッ

黒木「・・・よっ!」クイッ!


 プ チ ッ !


黒木「あ、あちゃあ・・・」

根元「またバレちゃった?」

黒木「アジって、難しい・・・」

根元「あわてて引くとすぐバレるって、よっちゃんが言ってたよ」

黒木「落ち着いてるつもりなんだけどな・・・」

岡田「・・・かかるだけいいじゃん。 わたしなんかさっぱりだよ」ムスッ

黒木「あ・・・ 深さの、せいかも」

岡田「そう」ブスッ

黒木「(・・・こ、こえーよ! このデコ・・・)」ビクビク

岡田「(こいつ、すぐ上から目線でもの言いやがる・・・)」イライラ


根元「・・・・・・」


黒木「・・・・・・」ビクビク

岡田「・・・・・・」ムッスリ

根元「・・・ね、ふたりとも」


「居心地悪い、って思ってる?」


黒木「え」

岡田「な・・・」

根元「気のせいだったら、ごめんね」

岡田「わ、わたしは」

黒木「そんなこと・・・」



― 二度と話したくない。 三年になったら、もう会うこともない。

― わたしの寿命一年減らしていいから、あいつら事故死しねーかな・・・



岡田「別に・・・」

黒木「・・・・・・・」



いまでも黒木のこと、そう思ってるわけじゃない。

話してみて、そこまで嫌なやつじゃないってのはよくわかった。 けれど・・・



・・・けれど、なんとなく、後ろめたい。 

デコのこと、ああいうふうに思ってた、私自身のことが ―



根元「・・・無理に仲良くなんか、しなくてもいいよ」 ニ コ 。

黒木「え・・・」

根元「わたしはふたりとも、大好きなんだし」

岡田「・・・」

根元「わたしはこうしてるだけで、とっても楽しくて幸せ」ニコッ

岡田「・・・幸せ?」

根元「うん。だって、こうやってあーちゃんとクロにはさまれてるんだよ?」


「・・・・・・・」「・・・・・・・」


根元「両手に花、だもんね。 ふふふっ」ニコニコ

岡田「・・・陽菜」

根元「だからわたしに、変に気を使わないでね」

黒木「・・・・・・」



  もこっちがいて、こみちゃんがいて。

  ふたりとずっと、こうやってお話しできるといいな・・・



黒木「(・・・ゆうちゃん)」

岡田「・・・・・・・」



  わたしは、仲良くしてるふたりを見るのがとても楽しい。

  だからわたしに気なんて使わないでね、茜。



岡田「(明日香・・・)」


根元「よーっし、クロには負けないぞ」

黒木「・・・」

根元「あーちゃんもがんばろ?」

岡田「・・・ひ、陽菜のかん違いだよ」

根元「えっ?」

岡田「わたしと黒木は、仲良し・・・ だよ」

黒木「そ、そう。ネモ・・・ かん違い、してる」

岡田「・・・黒木」

黒木「だ、だってほら。一回、助けてもらっちゃったし・・・」

岡田「・・・・・・・・・ああ、そうだっけ」



― やめなよ。 いじめとかダサいんだけど。



黒木「あのとき、ちょっと、格好良かった」モジモジ

岡田「そう。 ・・・まあ、助けてないけどね」クスッ

黒木「・・・最後まで助けてほしかった」

岡田「あれじゃ無理だよ」クスクス

根元「・・・何があったの?」

岡田「ああ、それがさあ・・・」ニヤニヤ

黒木「い、言うな!! ・・・あ、言わないでくださいっ!」


岡田「言うな?! お前いま、言うなとか言った!?」

黒木「お前?! あ、いや、そのっ!」

根元「やっぱり仲、悪いんじゃん」ニヤニヤ

岡田「あ。 ・・・いや、その」

黒木「え、えっと・・・」

根元「お魚さんに逃げられちゃうから、そろそろ集中しよっか」

岡田「・・・あ、ん」

黒木「う・・・」



・・・ ニャア  ニャア ニャア



根元「・・・ ・・・ ・・・」ジーッ

岡田「・・・」イライラ

黒木「・・・」ビクビク



(・・・ったく、このチビ。すぐ調子に乗って。 茉咲の言う通りだよ)

(あー、ちくしょう。やっぱりこのデコ、あのヤンキーと同類かよ・・・)



黒木「・・・」チラチラ

岡田「・・・」ブスッ

根元「ふふふふ」ニコニコ




 ザ ・・・    ザ ァ ・・・



「おらー!」「よっしゃあ!」



 グ グ グ グ ッ !



「来たぞっ!」「こっちもだ!」



岡田「お、かかったか!」

根元「ふたりとも、がんばれー!」

清田「はははっ、すごいや!」グググッ!

鈴木「『持っていかれそうだ!』だっけ、黒木さん?!」グイッ!

黒木「(・・・『持っていかれた』だぞ。 無理に話ふるな)」ブスッ



・・・ ピ ク ッ 。 ピ ク ・・・



根元「・・・あれっ」

黒木「引いてる?」

岡田「お、陽菜にも来たね」


根元「来た来た。 あせらずに、だったよね・・・」…クイ



・・・ ・・・ ・・・



根元「・・・あれ?」

岡田「うん?」

根元「なんだろ、これ」

岡田「どうかした?」

根元「ん、動かない」



・・・ ・・・ ・・・



黒木「動かない?」

根元「どこかに、ひっかけちゃったかも」

岡田「根がかり、だったっけ。 黒木・・・」

黒木「・・・・・・・・・・」

岡田「黒木?」

根元「・・・取れるかなあ」クイクイ

岡田「無理に引っ張るなよ。 よしたちに・・・」



 グ イ ッ ! !


根元「きゃああ?!」ズルッ!

岡田「陽菜!?」

黒木「ネモっ!!」ガシッ!

岡田「危ないっ!」ガッ!



グ グ グ グッ!



岡田「お、重い?! すごい力・・・!」グ・・・

黒木「・・・来たっ!」グッ!

根元「な、なにこれ、クロ!」

黒木「たぶんスズキだ! かかったアジを食いやがった!」

岡田「マジかよ!?」



グ イ ー ッ !



岡田「(くそ! 三人がかりだってのに・・・!)」

黒木「持ってかれるっ・・・」

岡田「(あたしたちじゃ無理だ! でも・・・)」



清田「お、おっ!」鈴木「この・・・っ!」


岡田「(あいつらもいま手が離せない! どうすれば・・・)」

黒木「男どもーっ!!」

岡田「?!」

黒木「ネモに、でかいのが、かかったー! 手伝えーっ!!」



「黒木さん?!」「なんだって!?」



黒木「お前らは、いっつも、釣ってるだろうがーっ! ネモは、これが、最初でっ!」グ グ グ

岡田「黒木!」

黒木「最後かも、しれない、だろっ?!」グ イ !

根元「・・・クロ!」

黒木「はーやーくーこーいーーーーっ!」


                         よし
「・・・黒木さんの言う通りだっ!」「行くぜ、良!」

「 待 っ て !!」



黒木「ネモ!?」

根元「よっちゃん、鈴木くん、待ってっ・・・!」ギ ュ ッ !

岡田「陽菜?!」



清田「陽菜? いったい・・・」

根元「わたしたちにやらせて!」…グッ!

鈴木「なんだって!?」

根元「お願い! わたしと・・・」 グ イ!



「わたしと、あーちゃんと、クロでっ!!」



黒木「・・・ネモ!」

岡田「陽菜!」

根元「ふたりとも、ダメ?!」

黒木「や、やってやるっ!」グッ!

岡田「まかせろ、陽菜っ!」ギュ!

根元「よっちゃん、鈴木くんっ! やりかた、おしえてっ!」

鈴木「・・・糸を出せ! 無理に引っ張るな!」

清田「走らせるだけ・・・ 泳がせるだけ泳がせて、疲れさせるんだ!」

根元「ど、どうすればいいの?!」ギュ…

黒木「これっ!」グリッ!



シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ !


鈴木「いいぞ!」

清田「さすが黒木さん!」

黒木「ほ、ほめるんじゃねー! わたしもこっからはわからないぞっ!」シャララララ

鈴木「とにかく走らせるんだ! どんどん糸を出せ!」

根元「う、うんっ!」シュララララ!



シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ … !



黒木「や、やばい・・・」シャララララ

岡田「糸がもうなくなる・・・!」シュラララララ

鈴木「走るんだ! 糸を切られるぞ!」

黒木「走るって・・・ 私らがか!?」

岡田「走るぞ、黒木!」タッ!



タ タ タ タ タ !



黒木「(は、走りづらいっ!)」タタタ…

根元「あーちゃん、クロ、どっちか手を放してっ!」

黒木「お前が放せ、ネモ!」

岡田「無理するな、陽菜っ!」


根元「も、もうっ! 頼んだよふたりとも!」パッ!


タッ タッ タッ タ …


岡田「大丈夫か、黒木?」タタタタ

黒木「・・・これくらい。 岡田さん、こそ」タタタ

岡田「わたしだってこのくらい、なんてこと・・・」


・・・ ピ タ ッ 。


黒木「おっ?」

岡田「・・・止まった?」

清田「いまだ、引いて!」

岡田「引く? ・・・こ、こうか!」グイ!

鈴木「そう、竿を立てて引っ張れ!」

岡田「えいっ!」ググッ!

清田「引ききったら、竿を降ろして、リールを巻くんだ!」

岡田「こうか!」スッ

黒木「うおおおお!」シュラシュラシュラ

岡田「・・・・・・・・・」

黒木「このやろーっ!」シュラシュラシュラ

岡田「(・・・こいつ、やっぱこれが素なんだな)」



 ・・・ グ イ !


黒木「うおお!?」ガクン!

岡田「危ない、黒木っ!」ガシッ!

清田「また、糸をどんどん出して!」

鈴木「止まったらまた引く、その繰り返しだっ!」

岡田「わかった!」シュラララララ


 シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ・・・


岡田「・・・また、糸がなくなる!」

黒木「走ろう!」

岡田「おうっ!」

根元「クロ、かわって!」

黒木「・・・ネモ!」

根元「交代でやろう! ぜったい釣る!」

黒木「・・・わかった!」パッ!

岡田「走るぞ、陽菜っ!」ダッ!

根元「うんっ!」タッ!




・・・ シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ


シュラ シュラ シュラ シュラ ・・・


シュララララララ・・・

シュラシュラシュラ!



岡田「はあ、はあ、はっ・・・」

根元「ふう、ふう、はあ・・・」

黒木「うおおおおおおお!」シュラシュラシュラ!

岡田「ご、ごめん、黒木っ・・・!」

黒木「大丈夫! このやろーっ!」シュラシュラシュラ!

岡田「(・・・チビのくせに、なんて体力だよ、ったく!)」

根元「(クロ、また、無茶して・・・ もう!)」

黒木「このおぉ、うおっ?!」ガクン!


 シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ・・・


岡田「またかよ! しぶといやつ・・・」

黒木「で、でも・・・ 」


 シ ュ ラ ラ ラ ラ ・・・


黒木「もう、止まった。 こいつもヘトヘトなんだ!」

清田「あと少しだ、一気に引けーっ!」

黒木「うおりゃーーー!」シュラシュラシュラ!



 ユ  ラ  ァ  ・・・


清田「すごい、岸まで寄せたぞ!」

根元「お、おっきい・・・!」

黒木「・・・タモ!タモ、貸してっ!」パッ!

鈴木「やるのか!? すっげーな、黒木さんは! でも・・・」

黒木「く、くっ、くそ・・・」パチャ パチャ

鈴木「代わるぞ、黒木さん! 無理するな!」

根元「・・・クロったら、もうっ!」サッ!

岡田「この、チビッ!」ダッ!



 ガ シ ッ !



黒木「・・・ネモ、岡田さんっ!」

岡田「ったく、無茶なチビだなお前はっ!」グッ!

黒木「ち、チビぃ!?」

根元「あーちゃん、竿はわたしが持ってるっ!」

岡田「チビはわたしが押さえててやる!」

黒木「だ、だれがチビだっ・・・!」

岡田「やれ、チビ助っ!!」

黒木「・・・くそ、このデコ助っ!!」グッ!



 バ シ ャ ッ!


黒木「お、重っ・・・!」ズシッ!

岡田「チビ、しっかりつかんでろ!」

黒木「え」

岡田「せーのっ!!」ガッ!



「えーいっっ!!」


グ イ ー ッ !



黒木「うわあ!」グイッ!

岡田「わああ?!(か、軽っ?!)」グーッ!



 ビ チ ッ !



清田「・・・やった!」

鈴木「すげっ、ほんとにやりやがった!」

清田「で、でも!」



ビチ ビチビチビチ!


鈴木「しぶてえ・・・!」

清田「逃げられる!」

黒木「くっ、くそ・・・」ギリッ!



 バ ッ !!



「チビッ!」

「人間さまを、なめるなーーーーっ!!」

「クロっ!」



 ガ シ ッ!



黒木「・・・・・・・・・」


 ・・・ビク    ビク ビクッ



黒木「ぜ、ぜは、ぜはっ・・・」



 ビチ ビチ ・・・


清田「・・・や、やった」

鈴木「マジでやっちまった・・・」



ビチ ・・・   ビクッ ・・・



黒木「・・・へ。 へへ、へ・・・」ビチ ビチ

根元「・・・クロ!」

黒木「ざまあ・・・ みろ・・・」・・・ビチ・・・

岡田「黒木・・・」

黒木「刺身の分際で・・・」フ ラ ・・・



「人間さまを・・・ なめんなっ・・・!」



 ・・・ コ テ ン 。



根元「クロ?! しっかりして!!」

黒木「は・・・ ははっ・・・」… ヒク ヒクヒク …

岡田「・・・なんて野郎だ」

清田「すごいな、黒木さん・・・」


黒木「ひゅ、ひゅー ひゅー・・・」ヘロヘロヘロ・・・

岡田「黒木?! 黒木ー!」

黒木「・・・あ、あひゃひゃ ひゃひゃ・・・」ニタニタ

根元「・・・ダメかなー」

鈴木「とりあえず冷やさないと、だな」

岡田「こいつでいいか」ガタッ

清田「うん。タオルで巻いて、体に当てよう」

根元「ほんとにクロったら」

黒木「ふひ、ふひ、ふひっ・・・」

根元「クロ? クロ―? 聞こえてるー?」




・・・ ・・・ ・・・



… ク ロ  ク ロ ? モ ウ …



・・・ ・・・ んっ?



マ タ ム チ ャ シ テ

… バ カ ナ ン ダ カ ラ



だ、だれがバカだ!

わたし、おまえのために・・・

あれ?



ホ ン ト ニ モ ウ …



あれ・・・ だれ、だったっけ。

こいつ・・・・・・・・・・・・・・



… バ カ 、 タ ゙ナ …



だれ、だった、かな?

えっと、えっと・・・ あっ。



(あっ、はい)

(まあ、それなりに)



ああ、あんときの、か。

・・・ったく。



… … … … ク ロ 。



だから、しけた顔すんな。

大物、釣れたんだから。

・・・ほら。



… ス ッ 。



根元「え」

黒木「・・・ほら・・・」 ニ ヤ 。

根元「・・・・・・・・・」



「 「 う ぇ ー い 」 」

  コ ツ ン ☆



根元「・・・・・・」

黒木「・・・へへ」カクン

根元「クロ、起きてる?」

黒木「・・・・・ぐー・・・・・」スピー

根元「・・・ほんと、もう」



・・・パタ パタ パタ


黒木「んぐ、んぐ、んぐ・・・」ゴクゴク

岡田「急に飲むなよ、吐くぞ」パタパタ

黒木「んぐっ・・・・ ご、ごめん、なさい」

岡田「・・・何が?」

黒木「無茶、しちゃって。 また・・・」

岡田「ほんと、無茶だよな(・・・こんな、チビのくせに)」


(・・・あんなに細かったくせに。 あんなに、軽かったくせに・・・)


黒木「・・・あと、あんな、呼びかた、しちゃって・・・」

岡田「・・・・・・・・・」



 チ ビ ッ !

 デ コ っ !!



黒木「(・・・お互い様だけどな・・・)」

岡田「気にすんな、お互いさんだよ」

黒木「え」ドキッ!

岡田「・・・けど、結構気にしてるんだからな?」

黒木「それじゃ、なんで、そんな髪型・・・」


岡田「・・・・・・・・・」ムスッ

黒木「あ、ご、ごめっ(また?! またキレさせた?!)」ビクビク

岡田「・・・嫌、なんだよ」

黒木「え」

岡田「嫌なんだよ。 バカにされるからって、隠すのが」

黒木「・・・・・・・・・」

岡田「なんか、ひきょうな感じ、するだろ」

黒木「・・・そんなもん、かな」

岡田「わたしは、そうなんだ」

黒木「ふーん・・・」



 ザ ・・・ ザ ・・・

 サ ゙・・・ ザ ・・・



黒木「・・・なんか、おなか空いてきた」ムクリ

岡田「ほんっと、タフだな。 おまえって・・・」

黒木「さっきのスズキは・・・」ジュルリ

岡田「陽菜が逃がしたよ」

黒木「えーー?!」


岡田「しょうがないだろ、わたしらじゃさばけないし」

黒木「で、でも、持って帰れば・・・」

岡田「・・・陽菜が言ったんだよ。 逃がしてやろうって」

黒木「そ、そんな・・・」ガックシ

岡田「まあ、いいだろ。 みんなで陽菜の弁当食べよう。 ・・・ほら」



・・・ ス ッ



黒木「え?」

岡田「ほら、早く」

黒木「早く、って」

岡田「さっき陽菜とやってたろ」

黒木「・・・・・・・・・」



「 「 う ぇ ー い 」 」

  コ ツ ン ☆



岡田「やったぜ、へへ」

黒木「は、はは、は」


岡田「・・・楽しかったな、チビ」

黒木「そうだね、岡田・・・さん」

岡田「チビ」

黒木「へっ?」

岡田「チビ。 チビ助」ニ ヤ リ

黒木「・・・・・・・」

岡田「どうした、バカチビ。 チビ野郎」ニヤニヤ

黒木「・・・・・・・・・・・」



「うるせーよ、デコ」



岡田「はは、やっぱりそっちが素だろ」

黒木「・・・いつものも素だけど」

岡田「いい顔してるよ、ほらもう一丁」スッ

黒木「はいはい」…スッ



「 「 う ぇ ー い 」 」 コツン☆





… ド サ ッ 。


黒木「・・・んっ?」

根元「お弁当、ここに置いとくねー」

岡田「陽菜?」

根元「それじゃおふたりさん、ごゆっくりー」ヒラヒラ

岡田「どこ行くんだよ、陽菜。 一緒に食べようよ」

根元「ふたりの邪魔しちゃ悪いもん」

岡田「せめてこっちくらい向けよ、陽菜!」

根元「・・・やーだ。 やーだよー」タッ!


タッ タッ タッ ・・・


岡田「・・・なんなんだよ」

黒木「なんなんだろ・・・」

岡田「陽菜って、なんかわっかんないところ、あるんだよなー」

黒木「わたし、ぜんぜん、ネモのことわからない・・・」

岡田「そういやチビ。 お前、陽菜とはいつからの付き合いなんだ?」

黒木「・・・・・・」



「わたしは・・・」



タッ タッ タッ タッ …



根元「・・・ ・・・ ・・・」



タッ タッ タッ ・・・


根元「おまたせー」

清田「陽菜ー、お弁当ごち!」

鈴木「あのふたりはどうだ?」

根元「大丈夫そうだよ」

清田「よかった・・・ あれ、陽菜?」

根元「なあに、よっちゃん」

清田「それ、どうしたんだ?」

根元「花粉症ー。」… グ ズ ッ …

鈴木「いまごろか。 大変だな」

根元「ううん、平気。 それじゃ、わたしも」



パク パク モム モム



「お、うまっ」「陽菜は料理うまいよなー」

「ほめたってなんも出ないよー、ふふ」



・・・ザ     ザ ・・・・


   ・・・ ザ ・・・



「楽しかったなー」「つぎはいつ来る?」

「今度は川もいいな」「どこらへんがいいかな・・・」

「・・・ ・・・ ・・・」




・・・ありがと、ね。 スズキさん。

 すっごく楽しかったよ。



 ・・・ ザ ザ ・・・・



わたし、きょうのこと、ずっと忘れない。

きっと、また来ようね。



ニャア ニャア ニャア ・・・



あーちゃん、クロ ・・・

・・・クロ、あーちゃん。





ザ ・・・  ザ ァ ・・・



キーン コーン カーン

 キーン コーン ・・・



    よし
鈴木「 良 、小テストどうだった?」

清田「ばっちし」スッ

鈴木「よっし」・・・スッ



「 「 う ぇ ー い 」 」 コツン!



黒木「(・・・変なもんはやらせちまった・・・)」

根元「・・・・・・・・・・・・」

鈴木「岡田はどうだ?」

岡田「まあまあかな」

鈴木「それじゃ、うぇーい」スッ

岡田「・・・そらよ」


ペ チ ッ !


根元「・・・・?」


鈴木「なんだ、ノリ悪ぃなー」

岡田「百年早いよ、あははっ」

清田「黒木さんは、どうだった?」

黒木「あ、その。 そこそこ・・・」モゴモゴ

清田「それじゃ、うぇーいっ」

黒木「・・・うわーい」



グ ニ ッ !



清田「いてててて」

黒木「へ 、へへっ」

根元「・・・・」

加藤「みんな、何それ?」

清田「黒木サインだよ」

黒木「ちょ」

鈴木「俺たちのマイブームなんだ」

加藤「へえ。 黒木さん、わたしもいい?」

黒木「ど、どうぞ」

根元「・・・・・・・・・」


加藤「それじゃ黒木さん。 うぇーい♪」ス…

黒木「・・・」


「 い ぇ ー い  」ツンツン



根元「・・・・・・・・・・・・・・!」

加藤「茜も、うぇーい♪」

岡田「おうっ!」ポフッ!

根元「・・・」・・・ギュ

黒木「ね、ネモ・・・」

根元「・・・クロ」

黒木「ネモは、どう、だった・・・?」

根元「・・・いえい♪」

黒木「そ、それじゃ・・・」スッ

根元「うん」ス・・・



「「 う ぇ ー い 」」コツン☆


岡田「そら、黒木」・・・スッ

根元「・・・あーちゃん?」

黒木「・・・」ス・・・



「「 う ぇ ー い 」」コツッ☆


根元「!」

岡田「じゃ、しめは三人でだ。 陽菜、チビ」スッ

黒木「・・・ったく、デコめ」スッ

根元「・・・・・・」ス…




「 「 「 う ぇ ー い 」 」 」


      コ  ツ  ン  !




岡田「やったな、ふふっ」

根元「ねえ、クロ」

黒木「な、なんだネモ」…タラッ

根元「思い出したんでしょ」

黒木「な、なんのこと・・・」ダラダラ

岡田「・・・ははーん。 そういうことか」ニヤッ

黒木「で、デコっ!!」

岡田「陽菜に言うなってのは、そういうことかよ」ニヤニヤ

黒木「な、なんのことでしょうか? わたしにはちっとも・・・」ダラダラダラ

根元「バカクロっ!」ゲシッ!

黒木「あ痛っ!?」

岡田「あははは、もっとやれー!」





バカ! バカッ!

アハハ ニゲルナ チビ!

ナ、ナニヲスル キサマラー!





キーン コーン カーン

  キーン コーン ・・・


※おまけ※


「すごいねー、これ。 これが根元さんが釣った魚?」

「・・・ ・・・ ・・」



「・・・黒木さんが両手で抱えてる。大っきい・・・」

「・・・ ・・・ ・・・」



「あー、いいなあ。 みんなで海に行って遊んできて」

「・・・ ・・・ ・・・」



「声くらいは、かけてほしかったなあ。 あー、残念」

「・・・ ・・・ ・・・」



「わたし、茜とはけっこう長くおつきあいしてたつもりなのになー・・・」

「・・・なあ、明日香。 お前、気を使うなって言ってなかったか?」


「うん、言ったけど。 それ、根元さんと茜のあいだのことだから」

「はあ?」



「茜と黒木さんとのあいだのことは、また別だからね?」

「・・・明日香、おまえって、ほんとになあ」



「なんだか茜、黒木さんと急に仲良くなっちゃったんじゃない?」

「・・・それは・・・・」



「根元さんよりも仲がいいように見えるくらいだよ」

「そ、そんなこと」



「なんだか妬けちゃうなー」

「ったく、なに言ってるんだよ!」



「ふふ、今度はわたしも連れてってくれる?」

「・・・はいはい。 明日香にはかなわないよ」

「ふふふ」



※つづく?※

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