マホ「ヒロエシラバス?」【咲ss】 (386)

咲が連載されているヤングガンガンに連載中の「オシエシラバス」が元ネタです

参考書から家庭教師が出てきたっていうところだけ使っているので、「オシエシラバス」を知らなくても問題ないです
(というか書いている本人も、咲を読むついでくらいなのでそこまで知りません)

舞台は原作から2年後。マホが高校1年、咲たちが高校3年になります

以上踏まえて、お付き合いください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1361706715

-4月
-清澄高校

マホ「今日からマホも清澄高校に入学です!」

マホ「憧れだった和先輩や、ゆーき先輩と同じチームで戦えるなんて、楽しみです!」

ムロ「マホ、入学おめでとう」

マホ「先輩、ありがとうです!」

優希「これでムロマホコンビ再結成だじぇ!」

和「マホ、入学おめでとうございます」

咲「おめでとう、マホちゃん」

マホ「和先輩にゆーき先輩に宮永先輩」

マホ(清澄高校は現在2連覇、今年は3連覇に挑むところです!)

マホ(足を引っ張らないようにたくさん練習しないと…)

和「マホには期待していますからね」

マホ「は、はいっ。がんばりますぅ」

マホ(和先輩に期待されてます。いっぱいいっぱい頑張ります!)

優希「2連覇中で取材とかよく来るから、マホもしっかりインタビューに答えられるようにしておくんだじょ!」

マホ「はわわ、取材ですか! マホちゃんと答えられるかな…」

ムロ「いまだにインタビュー下手なインハイチャンプもいるから、そんなに心配しなくてもいいよ。ねえ、宮永先輩?」

咲「ううっ、だって緊張するんだもん…」

マホ(そう、宮永先輩は去年の個人戦で優勝しているんです! 嶺上開花がすごくカッコいいのです)

和「誰にだって得手不得手はありますよ。団体戦に関しては極力私が取材を受けるようにしますけど、個人選とかの話題になればそれぞれ取材を受けないといけませんからね」

咲「ごめんね、和ちゃん。部長までやってもらって大変なのに」

和「私は中学のときから慣れてますから」

マホ「そういえば、須賀先輩は?」

優希「京太郎は生徒議会長だからな、麻雀部の雑用から学校の雑用に格上げしたんだじょ!」

マホ「それって生徒会長みたいなものですよね。すごいんですね」

和「須賀くんが生徒議会長になってくれたおかげで、遠征とかするときに融通も効くようになりました。ありがたいです」

咲「でも忙しそうで、あんまり麻雀部に顔を出せなくなっちゃったのが残念だなぁ…」

京太郎「そうかそうか、俺がいなくて残念か」

咲「わっ、京ちゃん!」

ムロ「お疲れ様です、須賀先輩」

京太郎「まったく、生徒議会長様をつかまえてマホの入学祝のタコスを作れとか」

優希「大儀、ご苦労であった」

マホ「これ、須賀先輩が作ったんですか!?」

ムロ「前に作ったイカクレープとは大違いだぞ、マホ」

京太郎「なんだ、そのイカクレープって?」

マホ「ゆーき先輩のタコスパワーを真似したくて作ってみたのです。でも失敗でした」

京太郎「はは、そうか。じゃあ今度作り方を教えてやるな。最近は、手にタコスができるんじゃないかってくらい作ってるからな」

咲「優希ちゃん、麻雀負けたら京ちゃんのタコスがおいしくなかったせいとか言ってたもんね」

京太郎「おうよ、だから味は言い訳に使えないように作ってるんだ」

優希「確かに、最近のタコスは完璧だじぇ…」

和「せっかく全員分作ってくれたんですから、いただきましょうか」

全員「いただきます!」ウマー

-5月
-清澄 麻雀部部室

西田「今日は取材を受けてくれてありがとうね」

和「いえ。西田さんにはいろいろお世話になっていますから」

西田「とりあえず練習風景を撮影させてもらうわね。それで、4人で打っていれば1人余るだろうから、順番に個別インタビューを取らしてもらっていいかしら」

マホ(はわわ、インタビューなんて初めてです……)

和「分かりました。では団体戦のことも含めて、私から受けさせていただきますね」

咲「じゃあ、私たちは普通に打ってればいいんだよね」

山口「変に力んだりしなくていいから、自然に頼むよ」

優希「私は大丈夫だけど、マホはカチンコチンになりそうだな!」

マホ「が、頑張りますっ」アワワ

ムロ(1回どころじゃなくチョンボしそうだな…)


マホ「」ドヨン

優希「今日のマホは面白いくらいチョンボしてたな!」

咲「初めての取材だったし、仕方ないよ」

ムロ「ほんとに、永遠の初心者だな…」

和「……困りましたね。これでは大会でも緊張して本来の実力が出せないかもしれません」

和(こんなとき、竹井先輩ならどうするでしょうか……)ウーン

優希「マホも靴下を脱いだらいいんだじぇ!」

咲「それ私のことでしょ!」

ムロ「多分靴下脱いでも1局しかもちませんよ?」

マホ「ううっ、今日は帰ります…」

和「そうですね、今日はお開きにしましょう。私は須賀くんと話をしてきますので、申し訳ありませんが後片付けをお願いします」

優希「む?」キョータローダト?

咲「え、京ちゃんと何を話すの?」

和「…そんな目で見られても。ただ、そろそろ強化合宿をと思いまして」

ムロ「去年もやりましたね。あそこで私も徹底的にしごかれましたよ」

和「須賀くんを通しておけば会場も押さえやすいので」

優希「そういうことならしょうがない。ムロはマホと一緒に帰っていいじょ」

ムロ「いやいや、先輩に片付けなんてさせられませんって」

咲「いいから、一緒に帰ってあげて」

マホ「」ドヨン

ムロ「ああ、はい…。分かりました」

-通学路

ムロ「元気出せって、な?」

マホ「うう、でも本番でも緊張して力が出せなかったら、マホが連覇を止めちゃいます…」

ムロ「今度の合宿で頑張ればいいんだって。私もあそこで多少なりとも強くなれたしな」

マホ「あ、あれはさっきの雑誌社の人…」


山口「どうでした、感触は?」

西田「うーん、あの1年生の子が初心者すぎるかな。今年の清澄の連覇はないわね」

山口「でもときどきありえない手を作ったりしてましたよ?」

西田「偶然でしょ? もちろん清澄の3年生3人は個人戦では注目だけど、団体は風越や、南浦プロが指導してメンバーを集めた平滝を中心にするわ」

山口「龍門渕は去年までのメンバーが卒業してしまいましたからね…」


ムロ(うわー、最悪な場面に出くわした…)

マホ「うう、やっぱりマホはダメな子です…」ウワーン

ムロ「あ、マホ、待てって。どこ行くんだ!」

-本屋

マホ「うう、やっぱりマホが皆さんの足を引っ張っちゃいます…」グスン

マホ「あれ、こんなところに本屋さんが…」

マホ「…最近オープンしたのかな。ちょっと入ってみよう」


【愛宕洋榎プロが教える! 麻雀指南書】

——昨年度新人王の愛宕プロの麻雀指南
——押し引きの極意が、ここにある!

——あの牌のお姉さん推薦! [小さいお友達から大きなお友達まで、みんなにオススメだぞ☆]


マホ「私を始めて合宿に誘ってくれた、2年前の部長の竹井先輩。あの人が、愛宕プロはすごく強いって言ってたっけ…」

マホ「愛宕洋榎プロ、か…。いくらだろう。え、100円?」

マホ「100円なら買えます! でも、間違いじゃないかな…」

マホ「あの、すいません」

店員「はぁい」ポケー

マホ(すごい年配のおばあちゃんです…。大丈夫でしょうか??)

マホ「この本、ほんとに100円ですか?」

店員「100円って張ってあるから100円だよぉ」ポケー

マホ「そうですか、じゃあこれ買います!」

店員「毎度ぉ」ポケー

マホ「と、とにかく、これで愛宕プロのように打てるように勉強します!」

-マホ自宅

マホ「ただいま…」

マホ母「おかえり。ちょっと遅かったね?」

マホ「ごめんなさい」

マホ母「別に少しくらいならいいけど、今もニュースやってたけど、交通事故が多いから気をつけなさいよ。あんた特にドジなんだから」

マホ「ううっ、気をつけます…」

-マホの部屋

マホ「お母さんにもドジだって言われちゃった…」

マホ「とにかくチョンボしないように気をつけないと…」

マホ「とりあえず一通り読んでみよう」ガサゴソ

袋から本を取り出した瞬間!
部屋中を光が包み込んだ!

マホ「はわわ、なんですか!!」

洋榎「おわ、ここどこや!?」

マホ「急に人が飛び出してきた!! あなた誰ですか!?」

洋榎「ん? 知らんのか。プロ麻雀新人王の愛宕洋榎とは、ウチのことやで!」ドヤ

マホ「そんな、プロがマホの部屋にいるはずないです! ドロボーさんですか」アワアワ

洋榎「マホ? それにその制服…。あー、そうか。お前が久がゆうとった面白い1年か?」

マホ「え、久?」

洋榎「竹井久や。で、お前は夢乃マホやろ? 久が話しとったで、マホが入ってくるから今年の清澄も連覇間違いないってな」

マホ「え…。竹井先輩が…」

洋榎「せや。いろんな人のマネっこができるんやろ?」

マホ「じゃあ、本当に愛宕プロ…」

洋榎「せやから、さっきからそうゆうとるやろ」

マホ「お願いします、マホに麻雀を教えてください!!」

洋榎「おお、なんかえらい真剣やな。とりあえず話を聞いたろか?」

洋榎「なるほどなるほど、なるほどー。今日の取材で緊張してチョンボ連発したと。それはアカンな」

マホ「どうしたらいいんでしょう…」

洋榎「どうしても全国優勝したいんか? そう簡単なことやないで、なんせウチにもできんかったことやからな」

マホ「でも、マホのせいで連覇を逃したら…」

洋榎「そういうことは聞いてへん。せやったらマホがメンバー外れて他の人が入って、それで清澄が全国優勝したら満足できるんか?」

マホ「でも、清澄には5人しか部員がいないんです!」

洋榎「たとえ話や。6人目がおったら交代してもええんか、その程度の覚悟なんかって聞いとるんや!」ギッ

マホ(……とっても真剣な目をしています。これがプロのプレッシャーなんでしょうか…)

マホ「マホも、マホも和先輩たちと一緒に麻雀したいです。全国に行きたいです!」

洋榎「そうか…。特訓は、命がけやぞ?」

マホ「お願いします!!」

洋榎「よし、じゃあさっそく卓を出せ!」

マホ「あ、ありません!」

洋榎「ないんかい! じゃあネットは?」

マホ「それなら、高校生になったら買ってもらえました」

洋榎「じゃあ、とりあえずひたすらネット麻雀や!」

マホ「分かりました!」



こうして、マホと洋榎の猛特訓が始まった

洋榎「マホァ、なんやその�ピンはァ!!」

マホ「ご、ごめんなさいぃぃ」

洋榎「ネットやと絞りきれんけど、この捨て牌ならだいたいこの辺で待っとるんやで」

マホ「なるほど」メモメモ

洋榎「マホァ、なんやその�ピンはァ!!」

マホ「ご、ごめんなさいぃぃ」

とりあえずここまでです

前作 照「清澄にも麻雀部はあるのか・・・」【咲-saki-】

今日ようやく完結させたのですが、なんかすごい勢いで埋められてしまったので…
もし、感想とか乙コメでもいただけるようでしたらこちらにしてもらえたら嬉しいです

ほんとはこれは全部書き溜めてから投下したかったんですが、まあこういうこともありますよねってことで
またぼちぼち書いていきたいと思います

新人王て照おらんのか

>>13
照大学進学か、愛宕ネキがプロ一年目は二軍で二年目に一軍で新人王なんじゃない?

面白そうなので期待

まさか半年もの長編が完結したその日の内に新しいスレを建てるとは……すばらです!

最初から読んでたけど完走お疲れ様〜
本当に面白かったわ
こっちも期待してるわ

期待
前作もこの機会に通して読んでみます

>>13
照は大学に進学しているということにしています

咲2年:洋榎プロ入り、その年の新人王
咲3年:マホ1年。洋榎「昨年度新人王」

時系列としてはこんな感じです


前作の感想もありがとうございます
「えすえすMIX-SSまとめサイト」さんの仕事の早さがすごい、あれだけの量をまとめていただけて感謝です

-1週間後

洋榎「だいぶマシになってきたな」ウム

マホ「あの、そういえば気になってたんですけど」

洋榎「なんや、なんでもゆうてみ?」

マホ「1週間ずっと教えていただいたんですが、プロの試合とか大丈夫なんでしょうか?」

洋榎「ああ、今はちょうどオフシーズンでな。心配いらへんで」

マホ「そうだったんですかぁ、よかったです。それで、今度合宿があるんですけど、竹井先輩や染谷先輩も来るみたいなんです。ご一緒にどうですか?」

洋榎「ああ、それは遠慮しとく」

マホ「そうですか…。マホ、先生のこと、秘密にしてって言われてますから黙ってますけど。でも、マホだけじゃなくてみんなにも教えてほしいな、なんて思うんです…」

洋榎「悪いな。ウチはマホの家庭教師みたいなもんやからな。他の人には教えられへん。それに、いまさら宮永や原村に教えることなんてあらへんやろ」

マホ「それはそうかもしれないですけど…」

洋榎「とにかく、合宿は合宿で学ぶことがたくさんある。ここでは牌には触れられへんけど、実際の牌を使った方がええからな」

-清澄合宿

久「久しぶりね、みんな。元気にしてた?」

和「お忙しいところ、ありがとうございます」

久「和もすっかり部長が板についてきたわね」

和「そんな、まだまだです…」

まこ「それにしてもまあ、とんでもないゲストが来たもんじゃの」

衣「咲、ノノカ。遊びに来たぞー」

一「衣ったら、清澄の強化が目的なんだからね」

智紀「……よろしくお願いします」ペコリ

透華「今日こそ決着をつけますわよ、原村和!」

純「だから清澄の強化が目的だって言ってるだろうが」

咲「すごいね、龍門渕のみんなが来てくれたんだね」

一「ボクたち卒業して、龍門渕の麻雀部もなくなっちゃったしね…」

優希「これだけの人数を集めたってことは、何か策があるのかな?」

久「ふふ、和から相談を受けて考えたプラン。清澄の全国制覇のカギは、マホちゃん、あなたが握っているわ!」

マホ「はわわっ、私ですかっ!!」

ムロ「確かにそうだな」ウンウン

久「マホちゃんはいろんな人と打ってレパートリーを増やすのはもちろん、たくさんの視線にさらされることに慣れるのが必要だと思うのよね」

優希「確かに、取材も2人だけだったのにあの緊張っぷりだったじぇ」

和「では、打ってない方はマホの後ろで見てみてもらうということですか?」

久「そういうこと。それで、『それ捨てちゃうの』みたいなダメ出しをその場で言ってプレッシャーをかけてちょうだい」

マホ「えええぇぇ。そんなことされたら怖くて切れないです…」

まこ「でもな、大会になれば後ろにカメラがあって、この人数よりももっと多い人数の前で打たんとあかんのじゃぞ?」

マホ「そ、そうですね…」

マホ(大丈夫です…。散々先生にダメ出しされてきたんです、頑張りますっ)

マホ「とにかくマホ、やってみますっ」

-対局 (マホ・咲・一・まこ)


咲(マホちゃんが、次に西を掴む。そしたら嶺上開花だね…)

久(ふむ、咲がテンパイ。西カンして嶺上開花かな)

マホ(後ろでジロジロ見られて緊張します…)

久(マホちゃんはまだ2シャンテンか。西が来たら振っちゃうかな?)

マホ ツモ:西

久(ありゃりゃ、ご愁傷様。でもこれは責められないかなぁ…)

マホ(んー、西?)

マホ(先生なら切らない気がしますっ!)打:一 タン

久(へー、かわした…。それとも生牌だから警戒しただけかな?)

咲(……切らない、か。でも、誰かがリーチかけたら出るかな?)

まこ「リーチじゃ」

久(リーチか、どれどれ。ピンズで染めているように見えるけど…)チラ

久(まこも意地の悪い、一四萬待ちか…。マホちゃんが一萬を落として行く所を狙ったのかな?)

マホ ツモ:四

久(そして国広さんもダマだけど、密かに張ってたりするのよね。これをかわせたらたいしたものだわ…)

マホ(……この捨て牌。それにネット動画で見た先生の対戦相手の観察ポイント。染谷先輩の手は染まってません!)

マホ(そして国広さん、多分ソウズで張ってます。だからこれ!)打:� タン

久(これもかわしたか、なかなかやるじゃない)

久(……でもこの打ち方、どこかで)ウーン

咲「…ツモ。ツモドラ2です」

久(あら、咲があがっちゃったか。もう少し見てみたかったわね…)

透華「夢乃さん、なぜ対面のリーチに対して�ピンを切りましたの?」

マホ「な、なんとなく、染まってないんじゃないかと思って…」

透華「なんとなくで打ってはいけませんわ!」

透華「親の宮永さんが8ソウを捨てていて、リーチの染谷さんも8ソウを切っているんですから、まずは8ソウから切るのが妥当ですわ」

一「透華、それロン」

透華「なんですって!」

一「タンピンドラ2、7700」

透華「…け、結果論ですわ」

久(大抵の人は、きっと国広さんに振り込んでいた…。それ以前に咲に嶺上開花されていたかもしれない。それをしっかり押さえてきた、か…)

久(これが誰かの模倣なのか、それともマホちゃんの地力がついてきたのか…)


咲「ツモ、嶺上開花。マホちゃんの責任払いだね」ニッコリ

マホ「はいぃ…」

久(うーん、今度はあっさり振り込んだ。さっきのは和のコピーだったのかしらね…)



マホ「」ズーン

マホ「間違った牌を切ってごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」ブツブツ

ムロ「ちょっと、落ち込みすぎだって」

マホ「こんなんじゃ全国に行けません…」グスン

和「マホ、合宿は今日だけじゃありませんから、頑張りましょう」

マホ「はい…」

優希「タコスでも食べて元気だすじぇ!」

マホ「ありがとうございます、ゆーき先輩」ハムハム

咲「マホちゃん、大丈夫かな…」

和「私たちだって、藤田プロに打ちのめされて立ち上がったんです。マホにだって、きっとできますよ」

咲「うん、そうだね」

-ムロマホ部屋

ムロ「私お風呂行ってくるけど、マホは?」

マホ「まだいいです…」ハア

ムロ「あんまり落ち込むなよー」

マホ「……先生の本でも読もう」

洋榎「なんや、落ち込んどるな」

マホ「せ、先生! 合宿には来ないんじゃなかったんですか!?」

洋榎「ちょっと様子だけ見にきたんやで。えらい落ち込んどるやん」

マホ「ううっ、先生。マホ、今日もたくさん振り込んじゃいました…」

洋榎「ほう、何回振り込んだ」

マホ「え、覚えてないです…」

洋榎「アホか!」

マホ「ご、ごめんなさいぃぃ」

洋榎「どういう場面で振り込んだのか、そういうのは覚えておかなあかん。そんで次に生かさなあかん。ここに染谷ってやつおるやろ?」

マホ「染谷先輩ですか?」

洋榎「久から聞いたけど、過去の牌譜をかなり覚えとるらしいやん。全部覚えろとは言わんけど、どういう場面でどう振り込んだのか覚えて、また同じ場面が来たら振り込まないようにせなあかん」

マホ「わ、分かりました、先生!」

洋榎「ええ返事や。合宿はどんだけ振り込んでもええ。ただし、振り込んだ分は、次の機会には倍返ししてやれよ!」

ガラガラ

ムロ「忘れ物したー。ん、マホ、本読んでるのか?」

マホ「えと、麻雀の本です」

マホ「…あれ、いない?」キョロキョロ

ムロ「んー、誰がいないんだ。まあいいけど。じゃあマホも早めに風呂入れよ」ガラガラ

洋榎「びっくりしたわー」

マホ「先生、どこに隠れてたんですか?」

洋榎「カーテンの中」

マホ「別に隠れなくてもいいのに…」

洋榎「こんなところにプロがおったら大騒ぎやろ?」

マホ「…大騒ぎになるかもしれないのに、マホのこと励ましに来てくたんですか?」

洋榎「せやでー、流石やろー」

マホ「ううっ、先生ぃぃ。マホ、頑張りますっ」カンドウデス!

洋榎「おう、死に物狂いで頑張るんやで!」

洋榎(必死で、な……)

-長野県県大会・初日

和「それでは、オーダーを発表します」

先鋒:片岡優希
次鋒:室橋裕子
中堅:夢乃マホ
副将:原村和
大将:宮永咲

優希「今年も先鋒は任せとけ!」

ムロ「私も去年と同じか」

マホ「わ、私が中堅ですか…」

和「去年は中堅に染谷先輩に入ってもらいましたが、今年はそこにマホに入ってもらうことにしました」

咲「大丈夫だよ、マホちゃん。後ろに和ちゃんと私がいるからね」

マホ「わ、分かりました、頑張りますっ」

ムロ「最近はチョンボもしなくなってきたし、大丈夫」

マホ(先生のおかげでだいぶ落ち着いて打てるようになってきました。頑張ります!)

和「私たちはシードですから午後からの1試合だけですが、それまでは対戦相手になる学校の試合を見ておきましょう」

-その日の夜
-マホ自宅前

洋榎「おう、どやった?」

マホ「先生! 今日はマホ絶好調でした!」ヤッタネ

洋榎「じゃあ決勝進出ってことやな」

マホ「はい、そうです!」

洋榎「決勝の学校はどこや?」

マホ「反対側のシードの風越と、鶴賀と平滝です」

洋榎「なるほどな、恭子の分析通りやな」

マホ「恭子?」

洋榎「ああ、見せたる。恭子の圧倒的な分析力をな」

-マホの部屋

マホ「パソコン立ち上げましたけど、恭子さんっていうのはどこにいるんですか?」

洋榎「ああ、パソコンソフトの名前や」

マホ「ソフトの名前?」

洋榎「すえはらすえはらーって言いながら、ここのページにログインするんや」

マホ「すえはらすえはらー」クリック

画面には2頭身にデフォルメされた末原恭子が現れた

恭子『シランガナ、シランガナ』

マホ「わっ、画面の女の人がしゃべりました」

洋榎「んで、ここの長野県予選データってボタンを押すんや」

マホ「はいっ」クリック

マホ「これは、決勝4校分のメンバーの名前が全部出てます」

恭子『シランガナ、シランガナ』

洋榎「いや、知っとるやろ!」

恭子『シランガナ、シランガナ』

マホ「知らんがな、しか言わないんですか?」

洋榎「んー、今日はちょっとご機嫌斜めやな。ああ、髪下ろしモードやからか…」

マホ「髪下ろしモード?」

洋榎「普段の恭子は髪をまとめとるんやけどな、最近構ってやらんかったから代行に改造されてしもうたんやな」

マホ「代行に改造??」

洋榎「まあ、それは身内の話や。ところで、マホは中堅になったんやな」

マホ「あれ、先生にまだ言ってなかったのに」

洋榎「それもこの恭子がまとめてくれとるんや。やから、データの中から中堅のデータだけ選ぶんや」

マホ「はい」クリック

洋榎「ふむ、風越はキャプテンの文堂。鶴賀は消えるとかいう東横。平滝はあの南浦プロの孫娘っつう南浦数絵か。流石中堅、なかなか実力者がそろっとるやないか」

マホ「そういえば先生もインターハイでは中堅だったんだですよね?」

洋榎「せやで。大阪の姫松ってところにおったんやけどな。そこでは中堅がエースやったんやんで」

マホ「そうだったんですか…」

洋榎「やから、マホも清澄のエースってわけや」

マホ「そ、そんなことありません…」ハワワ

洋榎「そのくらいの気持ちでやりや。それにウチが教えてるんや、そんじょそこらの奴らに負けてもらったら困るで」

マホ「そ、そうですよね。頑張ります!」

恭子『フツウノマージャン、サセテーナー』

洋榎「あかんあかん、あんまりほっとくと恭子が拗ねてまう」

マホ「無駄にリアリティのあるソフトですね…」

洋榎「とにかく、恭子が分析しとるデータを頭に叩きこんでおくんやで」

マホ「はい、頑張りますっ」

恭子『マケタラ、デコユセイヤデー』

マホ「デコ油性って何ですかー」ハワワ

洋榎(明日はこっそり見に行ったるか…)

-長野県県大会・決勝

久「あら、美穂子、久しぶり。あなたも応援?」

美穂子「久さん、お久しぶりです。今日は華菜と一緒に来ました」

華菜「清澄の元部長さん、お久しぶりだし!」

ゆみ「ふふ、まるで2年前に戻ったようだな」

智美「ワハハ。一緒に応援するかー。応援する学校はみんな違うけどな」

まこ「全国へ行けるのは1校だけじゃからの…」

アナウンス「先鋒戦開始まで、残り5分です。選手は会場へ集合してください」

久「さあ始まるわよ。楽しみね」

-次鋒戦終了

清澄  99100
風越 118000

平滝  97700
鶴賀  85200

ムロ「ごめんなさい、先輩が稼いだ点棒を…」

和「気に止むことはないですよ。原点に戻っただけですから」

優希「いつも勝てるのは咲ちゃんくらいだじょ」

咲「そ、そんなことないよ…」

マホ(マ、マホが頑張らないと和先輩や咲先輩にご迷惑を)アワワ

和「さあマホ、出番ですよ」

マホ「は、はいっ」カチコチ

ムロ(あいつ、大丈夫か…)

-中堅戦開始

桃子「よろしくっす」

数絵「よろしく」

星夏「よろしくお願いします」

マホ「よ、よろしくお願いしますです!」

桃子(先輩が応援に来てくれたっす。それに、こんな私にも慕ってくれる後輩もできたっす。先輩に成長した私を見てもらうっすよ!)

数絵(最初で最後のインターハイの団体戦か…。1年のときからずっと1人で打つものだと思ってきたけれど……おじいさまに感謝しよう)

星夏(今日は福路先輩や池田先輩も応援に来てる。先輩たちの後を追いかけてここまで来た。負けられない!)

マホ(…みなさん気合が入ってます。勝てるんでしょうか)ゴクリ


星夏「リーチ!」

数絵(早いっ。まだ東場、ここはオリ)

桃子(前半戦は好きにしてくださいっす…)

マホ(トップ目のリーチ、押せ押せですね…。昨日のデータからすると……)


  ◇  ◇  ◇

恭子『まず風越のキャプテン、文堂星夏』

洋榎「解説になると急にハキハキしゃべりおるな…」

恭子『基本的にはオーソドックスな打ち手です。ですがそれ故にこれといった弱点もありません。2年前、清澄の竹井にやられてからは捨て牌読みを強化してまして、放銃率がかなり低くなっています』

マホ「うーん、じゃあ竹井先輩のコピーでも振ってくれないってことでしょうか?」

洋榎「そういうこっちゃろうな…。直撃取るのは難しいかもしれんな」

恭子『あと、極力前半戦は素の状態で打つことを推奨します』

マホ「え…」

恭子『鶴賀の東横、さらに平滝の南浦、共に後半に調子を上げてくるタイプです。潰し合いに持っていければ上出来ですが、両者から狙い撃ちに合う可能性もある以上、後半に余力を残しておくべきでしょう』

マホ「でも、マホの実力なんて…」

洋榎「もっと自信を持て」

マホ「でも、いざ本番になると緊張しちゃいます…」

洋榎「はじめっから負けること考えたらアカン。それに麻雀は最後に一発逆転かて狙えるんやで。負けることなんぞ考えずに打たんかい!」

マホ「が、頑張りますっ」

  ◇  ◇  ◇



マホ(テンパイ…。シャボ待ちだけど…)

マホ(でもここは押さないとダメ。風越はトップ、直撃を取らないとっ)

マホ「追っかけリーチですっ!」タン!

桃子(強いところ通すっすね…。雑誌には初心者って書いてあったすけど、ウチにはかおりん先輩がいたっす。あんな読めない初心者かもしれないっすから警戒は緩めないっすよ)トン

数絵(……2軒リーチ、かわせるか?)トン…

星夏「…っ!」トン

マホ「ロンです、リーチ一発裏1」


洋榎(…あれは姉帯の追っかけリーチ。マホ、恭子の忠告忘れたんか! 焦らんでもええのに)

今日はここまでです
また週末くらいを目処に投下できればと思います

乙!マホの成長ものSSって有りそうで全然無いので嬉しい
原作側がラブじゃんで既にやってるってのもあるけど咲よりも二年下ってのがネックなのかな

おつー

マホで成長もの書くには同年代のライバルがいないから、かな?

-東4局
-親:桃子

マホ「ツモです、嶺上開花!」

星夏(これは、宮永さんのっ…。責任払いで首位陥落っ。やはり清澄高校、一筋縄ではいかない…)

桃子(1半荘目は我慢するしかないっすね…。それに…)チラ

数絵「さあ、南入です」ハラリ

桃子(リボンがほどけた…。1半荘目、最大の難関が来るっすね)

マホ(南浦さんからすごいプレッシャーです…。まるで東場の優希先輩みたいです)


清澄 119900
風越 102200

平滝  86700
鶴賀  85200

-観戦室

まこ「これでウチがトップじゃの」

久「……そうね」

まこ「どうした、浮かない顔じゃの?」

ゆみ「夢乃マホ、彼女の特性からすれば久が手放しで喜べないのも分かるよ」

美穂子「南場の南浦さんは、東場の片岡さんと同じように勢いがある」

華菜「それなのに、あの1年は手数を東場で使ってしまったし!」

智美「ワハハ。後になればなるほど、今度はモモがステルスしてくるわけだしな」

久(手数の問題だけじゃない…。問題はトップに立ってしまったことよ、マホちゃん…)

-南1局
-親:数絵

東 南浦数絵
南 文堂星夏
西 夢乃マホ
北 東横桃子


桃子(最下位っすか。でもここはとにかく振らないことっすね…)打:東

数絵「………」タン

星夏(トップからは転落したとは言え、まだ2位。しかし南場になってしまった以上、ここは無理できない…)トン

マホ ツモ:東

マホ(もう少しでテンパイ…。なんとかトップを守りきらないと。これは今、東横さんが捨てた牌だから大丈夫です)打:東

数絵「…ロン」

マホ「えっ…」

数絵「東混一、12000」パタ

桃子(…私の東は見逃しっすか。なるほど)

マホ(山越し…。マホを狙ったんでしょうか……)アワワ

数絵(1年とて手加減はしない。それに、清澄から点数を奪えるとしたら、この中堅しかないのだから)

星夏(なるほど…。確かに、清澄の副将大将にまともに競り勝つのは至難。ならこの中堅での清澄直撃狙いは理にかなっている)

桃子(そういうことっすね。ステルスを見破ってくるおっぱいさんや嶺上さんを回避させてもらった以上、ここで稼がせてもらう!)

マホ「……て、点棒です」

数絵「どうも」

マホ(なんだか、みなさんの視線が痛いです…)

マホ(や、やっぱりマホが平で打っても敵いません……)

-南1局1本場
-親:数絵

マホ(些細でもいいんです、牌の流れを感じて…)

マホ「チーです!」

数絵(…食い取られたか。でも、そんなもの気休めに過ぎない)タン

マホ(…鳴けないっ)

数絵「…リーチ」タンッ

マホ「ポンします!」タッ

桃子(…もう少し、大人しくしておく必要がありそうっすね)トン…

数絵(一発が消されたか…。でも次にはツモる!)トン

星夏(………親リーに対して清澄2副露。普通ならオリるべき。でも南浦さんは何もしなければツモってしまうだろう、なら)タンッ

マホ「チーします!」タン

星夏「ロン、3900の1本場」

数絵(私に対して厳しい牌を切って清澄に鳴かせた…)

桃子(そしてその鳴いた余剰牌をすかさずロン。伊達に1年から風越のレギュラーをはってるわけじゃないっすね)

星夏(…負けられない。風越を全国に導くために!)

マホ(ううっ、井上さんの流れを読む打牌が上手くいきませんでした…)

-観戦室

久「…出る杭は、打たれる。マホちゃん、本番にしかない重圧を存分に味わいなさい…。今は辛くても、それが成長の糧になるのよ」

まこ「束の間のトップじゃったの。南浦に直撃をくらって首位転落、さらに風越からの追い打ちか…」

華菜「いいぞ文堂、突き放すし!」

美穂子「文堂さん、本当に強くなったわね」ホロリ

智美「ワハハ、まだ泣くところじゃないだろー。みっぽは涙もろいなぁ」

ゆみ「……あとは、どこでモモが消えてくるか、か」

-南3局
-親:マホ

マホ「マホの親です!」

マホ(ドラたくさんです!)ゴゴゴ

数絵(南場なのにドラが来ない、か…。ここは手役で勝負させてもらうか)トン

星夏(清澄の親。けどこの配牌なら自分の上がりより他の支援や、清澄に鳴かれないように立ち回るべきか…)トン

マホ(阿知賀のドラゴンロードさんで、たくさん稼ぎます!)トン

数絵(タンピン三色テンパイ。ここは確実に清澄から上がりたい)トン…

星夏(南浦さん、張ったか? 次の東場までは耐えるしかない…)トン

マホ(テンパイ。でも役がありません…。それにドラを切らないとテンパイできない)

マホ(…でもマホはドラゴンロードさんじゃないから、ドラを切っても次からドラが来ないなんてことはないです!)

マホ「リーチします!」

桃子「…いいんすか。それ、ドラっすよ?」ユラリ

マホ「えっ、あ! リーチ…」

桃子「リータン一発ドラ1。満貫っすね」

星夏「リ、リーチ…」

数絵(…消えていたか。だが、南場ならもう少し注意を払っていれば見破れるはず)

星夏(ラス親は東横さん…。おそらく私にはステスルは見破れない。ツモ狙いに徹するしかないか?)

マホ(うう、ドラゴンロードさんも不発に終わってしまったのです…。どうすればいいんでしょう…)

-南4局2本場
-親:桃子

数絵「ツモ、2200、4200」

桃子(ツモ狙いで持って行かれたっすか…。もう少しこの親で稼ぎたかったっすね)

マホ(ううっ、親の東横さんに2回も振って断ラスになってしまいました…)

数絵「……それでは、また後半戦で」

桃子「お疲れっす」

星夏「ありがとうございました」

星夏(南場とステルスが重なるとしのぐので精一杯だ…)

マホ「あ、ありがとうございましたぁ…」メソ

マホ(うう、たくさん振り込んでしまいました…。これじゃあ全国優勝どころか、予選敗退かもしれない……)ショボン


中堅戦前半戦終了

清澄  74600
風越 102600
平滝 111200
鶴賀 105300

-ロビー

和「マホ!」

マホ「あ、和先輩…」

和「元気がありませんね…」

マホ「…私のせいで、負けちゃいます」グスン

和「そんなこと、気にする必要はありませんよ」

マホ「でも!」

和「麻雀はいつも勝てる競技ではありませんから」

マホ「でも、大会は1回きりなんですよ!」

和「そうですね、1回きりです。だからこそ、いつも通り打てばいいんですよ。いつも通り打つために、毎日練習しているんだから」

マホ「いつも通り…」

和「マホ、もっと楽しんできていいんですよ」

マホ「わ、分かりました! 頑張ってみます」

和「ええ、頑張って」ニコ


洋榎(…とりあえず、ウチの出番はなさそうやな)

洋榎(マホ、思い出せよ…。ウチの教えたことをな)

洋榎「教えられたことを当たり前にこなす。それもなかなか難しいもんやけどなぁ…」

今日はここまでです

マホのSSは少ないですね
成長ものというか、闘牌ものといえば、プロアマ交流戦のやつくらいでしょうか。あそこまでのものは書けませんけども

数が少ないカプとかネタの方が書きやすいのはなんとかならないでしょうか…

乙ー
マイナーネタやカプものは大好物なのでむしろそのままでいてほしい

>>42の点数が間違ってました
これから投下する方が正解です
まあ、闘牌端折ってるのでそんなには関係ないですが

-中堅戦後半戦、開始

東 文堂星夏 108600
南 東横桃子 105300
西 南浦数絵 111500
北 夢乃マホ  74600

星夏「よろしくお願いします」

桃子「よろしくっす…」ユラリ

数絵「よろしく」

マホ「よろしくお願いしますです!」

星夏(この東場、ステルスは見破れないだろうけど…。南場に入る前に極力稼ぐ)

桃子(…清澄の真似っこさんは死んだも同然っす。風越の糸目さんに上がられないようにするっすよ!)

数絵(………まだ清澄は死んでいない。けれど、東場では大人しくしているしかないか)

マホ(頑張ります。今日まで練習してきた成果を出します!)


-東1局
-親:星夏

星夏(東横さんが下家というのは厳しい…。同順フリテンの可能性がある以上、自分のツモだけを目指すしかない)

桃子(この席順なら、風越の糸目さんはそれだけで苦しいはずっすね。他家から鳴くことはできても、ロンをするのは厳しい)

桃子「リーチ…」ユラリ

桃子(立ち親、蹴らせてもらうっすよ)

数絵「………」タン

マホ「チーです!」タン

星夏(手出しでドラ…。一鳴きで張ったのか? 親だけど、様子見しておこう)

桃子(あがくっすね…。でもまっすぐ上がりを目指してくれるなら、そのうち出てきそうっすね)


-観戦室

華菜「文堂、降り気味ですね…」

美穂子「それもあるけれど、あの鳴きで一番損をしたのは東横さんよ…」

ゆみ「あの鳴きがなければ一発ツモだったが、その牌は南浦に流れてしまった」

久「鳴き自体はいいけど、マホちゃんの捨て牌もなかなかオカルトね」

智美「普通はあの手、ドラは切らないからな。ワハハ、まるでモモの当たりがわかったみたいだな」

まこ「……誰の真似なんじゃろうな」


-東1局

マホ(……2巡先に、東横さんが一発ツモする未来が見えた気がします!)

マホ(リーチしていること、当たり牌も分かりました! あとは当たりをかわして上がってみせます!)

星夏(そろそろ東横さんが張っているかもしれない。現物がそもそも見えないのが厳しいけれど、できるだけ清澄や平滝に合わせうちをしておけば問題無い)

桃子(…風越の糸目さんは完全にオリてるっすね)タン

数絵(そろそろ鶴賀は張っていてもおかしくない…。だが、見えないものは警戒しようがないな)トン

マホ「ツモです! 1000、2000」

桃子(私の当たり牌抑えて上がりっすか…。見えてる??)

数絵(…やはり清澄。ステルスをかいくぐるくらいの芸当を見せてくる、か…)

星夏(親が流れた…。って、東横さんもしっかりリーチしているじゃないか)

星夏(当たり牌は分からないが、場が流れた今なら河の状態を確認できる。なにか手がかりになればいいけど…)

-東2局
-親:桃子

桃子(さって、親っすね。南場は稼げるかどうか怪しいっすから、ここで稼ぐっすよ)

桃子(それにしても…)チラ

マホ「……」トッ…

桃子(さっきの上がり、偶然っすかね? でもドラを切ってまで私の上がり牌を抑えてきた)ウーン

数絵(…ん、なんだこの違和感は)

星夏(…何か、妙だな?)

桃子(ん、なんだか両脇の2人の様子がおかしいっすね?)

数絵(これはまるで…)

星夏(この局だけならいいけど…)

桃子(まあ、よく分からないっすけど。これでテンパイっすよ)

桃子「リーチ…」ユラリ

マホ「ロンです」ユラ…

桃子「えっ?」

マホ「リーチ一発、三色ドラ2。ハネ満です!」

桃子「リ、リーチ? いつの間にっ…」

数絵(そう、まるで風越と2人で打っているような感覚だった…)

星夏(2人が同時にステルスしていたということか…。真似でここまでできるものなのか?)

桃子(な、なんなんすか、この子。さっきの当たり牌を抑えるのといい、私を上回るステルスなんて見たことも聞いたこともないっすよ…)ゾッ

数絵(これで鶴賀が臆してくれればいいけれど…)

マホ(なんとか、先生の言うとおりにできたでしょうか?)



  ◇  ◇  ◇

洋榎「ええか、マホ」

マホ「はい、先生!」

洋榎「麻雀は、負けると思ったら負ける!」

マホ「そ、そういうものなんでしょうか?」

洋榎「強い奴はどんなに劣勢でも『もう負けるわぁ』なんて思わん。逆に弱い奴は『これで勝てる』なんて思ったりする、勝負の途中にな」

マホ「ううっ、マホは弱い奴の方ですね…」

洋榎「逆に言えば、相手にそう思わせたらええんや!」

マホ「ど、どうすればいいんでしょうか?」

洋榎「ま、これは久の受け売りやけどな。相手の領域に踏み込んだれや、ガツンとな。お前ならできる!」

  ◇  ◇  ◇

-東3局
-親:数絵

-観戦室

ゆみ「…あのモモの驚き様。まさか、ステルスも真似できるというのか?」

久「実際のステルスを目の当たりにして、模倣にも磨きがかかったっていうことかしらね」

智美「あー、モモのやつ、完全にビビってるなぁ…」

まこ「マホはまだ張ってないのに、もう降りとるな」

華菜「よし、文堂が張ったし!」

美穂子「東横さんが大人しくなってくれるなら、残りの東場で稼いでほしいわね」

-南1局
-親:星夏

星夏(東3局は上がれたが、4局は東横さんに振り込んでしまった。それに、ここから南入…)

数絵「………」ゴゴゴ

星夏(一難去ってまた一難、か…。だが、ここをしのいで副将につなぐ)

マホ(これ以上ステルスを見破るコピーはありません…。でも南場に入ってしまえば、南浦さんが力を出す。東横さんも思うようには動けないはずですっ)

桃子(く、東3局は過剰に警戒してしまったっすよ…。平滝の南場さん相手にどこまでステルスが通用するか)タン…

数絵「ポン」タン!

桃子(鳴かれたっ。2半荘目の南場は独壇場ってことっすか…)

マホ(早いです…。でもここは、自分の力で何とかしてみせます!)


  ◇  ◇  ◇

-前日、帰宅中

和「明日の対戦校が決まりましたね」

優希「中堅戦は結構大変そうだじぇ?」

マホ「そうなんですか。でも今日のマホは絶好調でしたから大丈夫です」フン

ムロ「あんまり調子に乗ると、明日チョンボするぞ?」

マホ「そんなことないですっ」

咲「あはは、マホちゃんがいつも通り打てば大丈夫だよ」

マホ「そうです、咲先輩の言う通りです」

和「マホ、南浦さんに気をつけてくださいね」

優希「南浦っちは私の天敵だからなー。今年から平滝が団体戦で出てくるって聞いて、てっきり先鋒で出てくるかと思ってたじょ」

ムロ「去年の個人戦では、優希先輩と南浦さんは五分五分でしたからね」

和「あと、東横さんと文堂さんは堅実な打ち手ですので、基本に忠実に打っていれば問題ないでしょう」

咲「えーっと。東横さんは、消えるから気をつけてね」

優希「のどちゃんには見えるから、ステルスモモが堅実とか言えちゃうんだじぇ」

和「消えるとか見えないとか、そんなオカルトありえません」

マホ(後で詳しく教えてください…)ヒソヒソ

ムロ(ああ。和先輩はオカルト完全否定だからなぁ)ヒソヒソ

和「とにかく、マホ。データとして南浦さんが南場に強いことは実証されています。特に2半荘目の南場、そのとき負けていても無理して失点を取り返そうとしなくていいですからね」

マホ「え、でもそのとき負けてたら取り返さないと…」

和「団体戦は、一人で戦うわけではありません」

咲「そうだよ。和ちゃんならなんとかしてくれるから」

優希「どちらかというと、なんとかするのは咲ちゃんだと思うけどな」

ムロ「…まったくです」

和「とにかく、次の人に少しでも戦いやすくつなぐことが求められます。無理してさらに失点するリスクをかかえるくらいなら、無理せず被害を抑えてくれた方が、私は助かります」

マホ「わ、わかりました」

  ◇  ◇  ◇


マホ(そう言ってくれていたのに、1半荘目にはもうすっかり忘れてしまいました)

マホ(南3局の南浦さんの親と、オーラスの自分の親。ここで頑張ります!)

数絵「ツモ、2000、4000」

桃子(南浦さんは真似っ子さんや糸目さんからは出上がりできる席順。仮に私を見失うことがあっても、リーチしなければロン上がりできる位置。まったく、東場でビビったのが悔やまれるっすよ…)

マホ(頑張ってしのぎます!)

星夏(席順という意味でも苦しい…。なんとか失点を抑えないと)

-南3局1本場
-親:数絵

数絵「さあ、連荘です」トン

マホ「失礼します」

星夏(……自分でリボンをほどいた?)

数絵「ふふ、面白い。私も真似するのね?」

桃子(…まったく、この1年。底が知れないっすね)ユラリ

マホ「これ以上連荘させません!」タン

数絵「…ポン」タン

マホ「チーします」タン!

星夏(…これは追いつけそうにないな)

桃子(勝手にやりあってくださいっす)


-清澄控え室

優希「リボンほどいたバージョンもなかなかイケてるな」

和「気合を入れるためでしょうか」ハテ?

咲(きっと、南浦さんをコピーしたんだね)

ムロ「鶴賀の人が牌を絞ってるおかげで、南浦さんの鳴きが進まない。それでなんとかマホもくらいつけてますね」

京太郎「ここで上がれれば、ラス親にも期待できるな!」

和「大丈夫です、マホならやってくれます」


-南3局1本場

数絵(ステルスも完全に見破れるわけではない…。多分鳴ける牌も出ているのかもしれないが)トン

マホ「チーです」

数絵(チーが思うようにできない分、速度で半歩遅れをとっているか?)

マホ「ツモです!」

数絵(まったく。南場で遅れを取るとは…)

マホ「さあ、オーラスです!」

-ホール

洋榎「とうとうオーラスか」

洋榎「マホ、悔いのないように打つんやで…」

ヨワネヲ クチニシタラ- ソウナッテ シマイソウデ

洋榎「…電話か。これからが一番ええとこやのに」

洋榎「もしもし……ああ、もうすぐ中堅戦が終わるから、後にしてくれへんか?」

洋榎「あ? 清澄が勝つに決まっとるやろ。切るで!」

ツー ツー ツー

洋榎「まったく、あいつ。空気読めや」

洋榎(すまんな、マホ。お前をこんな賭けになんか巻き込んで…)ハァ

洋榎(でもお前なら、やってくれるって信じとるで!)

-南4局
-親:マホ

東 夢乃マホ  88300
南 文堂星夏 101100
西 東横桃子  95600
北 南浦数絵 115000


マホ(オーラスですっ)

マホ(でも、この配牌…。とても連荘できるようにはみえないです…)

マホ(でも、こんなときでも諦めちゃダメなんです…)

マホ「んんっー!」

マホ「にゃーーーーーーーーー!!」

マホ(諦めたら終わり、前を向きますっ!)タン!

数絵(…なんだ、突然? 猫の真似? 万策尽きたのか?)

桃子(これは、もしかして…)

星夏(池田先輩の真似!?)

星夏(もしホントにこの子が池田先輩の真似ができるなら、まずいっ!!)トン!

桃子(…いきなりドラ?)タン…

星夏(しまった、端牌とはいえなんでドラを切ったっ? 動揺してしまった!!)

数絵(…風越が動揺している? 猫が嫌いなのか? よく分からないな)タン…

マホ「3つずつです!」トン!

マホ(この手、高目で仕上げてみせます!)

桃子(…え、今度はかおりん先輩っすか??)

桃子(役満なんてツモられたらたまったもんじゃないっすよ!)

桃子「ポン!」

星夏(えっ、ステルス中なのに鳴いた?)

桃子(あー、役牌に釣られて鳴いてしまったっす…)

数絵(リーチならともかく、ツモ順がずれたり相手の河から牌を拾わなければならない鳴きはステルスの効果を弱める…)

数絵(風越といい、鶴賀といい、何を焦っている?)タン

-観戦室

久「ほんと、面白いわねあの子。同じ学校に通いたかったわ」

ゆみ「自己の領域が侵されること以外にも、思わず恐れを抱いてしまうものはある、ということか…」

美穂子「それが華菜の真似であり、そして…」

智美「佳織の真似ってわけだな。よく知る先輩だからこそ、その怖さは身にしみてるってことだな」

華菜「うー、なんだか複雑だし!」

まこ「じゃが、流石に南浦プロの配譜までは見とらんじゃろ。これで南浦数絵との一騎打ちかの?」


-南4局

マホ(ツモリ四暗刻のテンパイです!)

マホ(ステルスは今は効果が薄れているみたいですけど、リーチはしない方がいいかな…)トン!

星夏(打牌に力が入った、張ったか?)

桃子(鳴いてからムダヅモばっかりっす。完全にダメな鳴きだったっすね…)

数絵(風越と鶴賀は追いかけてこないでしょうね。この局、清澄とのマッチレース)

数絵「リーチ」タン!

星夏(ステルスの効果が薄れているとはいえ、リーチ!?)

桃子(…降りろってことっすね。まあどうせ勝ち目はないっす。大人しくさせてもらうっすよ)

マホ(ツモってください!!!)

マホ(……ううっ、ドラですか)チラ

数絵「……」フッ

マホ(なんだか、その牌で振込みなさい、みたいな顔をされたような気がしますっ)

マホ(このドラの隣の対子を落とせばとりあえず三暗刻に受けれます…。でも、せっかくの役満なのに…)

マホ(先生なら、どうしますか…)

-清澄控え室

ムロ「ああ、せっかく四暗刻テンパイしたのに、よりによって南浦さんの高目のドラか…」

優希「切るんじゃないぞ、マホ!」

和「……いえ、これで振り込んでも責められませんね」

京太郎「デジタル的にはそうなのか?」

和「役満テンパイで相手の待ちも打点も不明。マホの視点から上がり牌は一枚も見えていない以上、ここは押すところでしょう…」

咲「でも、これで振り込んじゃうとちょっと厳しくなるかな…」

ムロ(普通ならちょっとどころじゃないんだろうけど…)

優希(咲ちゃんが言うとほんとにちょっとに思えてしまう…)

京太郎「まあ、ここでマホちゃんが振っても、和と咲で逆転してやろうぜ」

和「それはもちろんです」

咲「うん、頑張るよ」

ムロ「あ、切りますよ!」


-南4局

マホ(…ドラは切りませんっ)タン!

マホ(きっと、先生ほどの読みは出来てないけど。それでも、このドラは危険です)

マホ(なら三暗刻でも役がある以上、連荘を目指します!)

数絵(…振りそうな雰囲気はあったが。うまくかわされたか?)

マホ「ツモです。ツモ三暗刻ドラ1。4000オールです!」

数絵(…四暗刻を崩してドラを抑えたのか?)

数絵(役満を目の前にして、この冷静な判断…。敵ながら見事としか言い様がないな)

-南4局1本場

桃子「…ロン。タンヤオドラ1、2300っす」

マホ「あ、はいっ…」

数絵(そうかと思えばあっさり振り込み。本当に、よく分からない子だ…)

桃子(とりあえずはプラスにはなったっすけど、全然そんな感じがしないっす…)

星夏(原点割れか。リードを保ってくれた前の二人に申し訳が立たない…)

マホ(なんとか、点棒を減らさずに終われました。これで、良かったんですよね)


-中堅戦終了

東 文堂星夏  97100(-20900)
南 東横桃子  93900(+ 8700)
西 南浦数絵 110000(+12300)

北 夢乃マホ  99000(- 100)

-ホール

和「マホ、お疲れさまでした」

マホ「和先輩。マホ、これでよかったですか?」

和「ええ、十分です。よく頑張りましたね」

マホ「えへへ、褒められましたー」

和「あとは任せてくださいね」

マホ「はい、いっぱい応援します!」

和「では、行ってきます」

マホ「…そういえば、先生は来てくれたんでしょうか?」

洋榎「まったく、まだまだやなぁ」

マホ「わ、先生。ビックリしました!」

洋榎「前半はコピー控えろって恭子がゆうとったやろ?」

マホ「うう、ごめんなさい…」

洋榎「まあオーラスの振り込みを回避したのは良かったけどな。ギリギリ及第点の60点ってとこやな」

マホ「先生は厳しいです…」

洋榎「ウチは原村みたいに甘やかさへんで」

マホ「でも、先生のおかげでここまで打てるようになったんだと思います。ありがとうございます」ペコリ

洋榎「まあ、お前ほど、教えがいのある生徒もおらへんで」

マホ「本当ですか!」ヤッタ

洋榎「ちーとも上達せえへんからな。どうやったら上達するんか頭使うわ」

マホ「それ、褒めてないですよね!」ガーン

洋榎「ウチに褒められようなんて、100年早いわ」

洋榎(…今はまだまだやけど、お前は絶対強くなる。全国大会までには、間に合わせたるからな)

-大将戦

咲「ツモ、嶺上開花」

白石「決まりました。最後も清澄宮永の嶺上開花が炸裂っ。これで清澄高校が三年連続の全国大会出場です!」

藤田「今年の清澄は去年よりも面白いな。全国でも楽しみだ」

白石「前人未到の3連覇を成し遂げることはできるのでしょうか?」

藤田「…すべては、中堅の1年生が鍵を握っている。あとカツ丼おかわり」

白石「これにて実況解説を終わらせていただきます」

藤田「無視か!」



-鹿児島
-個人戦・地区予選

実況「個人戦出場選手が決定いたしました」

解説「永水は団体では人数が揃わなかったようですが、個人戦では流石に勝ち上がってきましたね」

1位:滝見春
………



春「…洋榎。……全国で会おう」

今日はここまでです
息抜き的にもう一回合宿して、全国大会へ行けたらと思います

>>45
ありがとうございます。まっすぐなボクで行く、的な感じに行こうかと思います
書けないもの書こうとしても仕方ないですしね…

乙ですー

錯和連発の初心者から決勝でプラマイ0できるまで成長するとは……大した奴だ

-intermission

【あ:阿知賀の友達】

和「そうですか、おめでとう!」

優希「んー、のどちゃん、誰と電話してるんだ?」

ムロ「阿知賀の友達だそうです」

咲「穏乃ちゃんたちだね」

和「では、全国で会いましょうね」

マホ「阿知賀の皆さんですか。マホ、まだ映像でしか見たことないです。実在するんですよね!?」

咲「実在って……」アハハ

和「全国大会で会えますよ。もっとも、大会が終わるまでは対局できませんけど…」

マホ「そんなことないです、仮面をつけたら対局できると思います!」

優希「おお、それだじぇ!」

ムロ「それだ、じゃありません!」

【い:イカクレープぢから】

マホ「マホもタコスぢからの真似ばかりじゃダメです。そこで前回作ったイカクレープをさらに改良しました!」

ムロ「どうせロクなことじゃないんだろうけど、一応聞いてあげるよ」

マホ「クレープというくらいなので、生クリームをトッピングしてみたいと思います!」

ムロ「で、それ食べたのか?」

マホ「これから作るんです!」

ムロ「あー、私を巻き込まないでくれよ…」

マホ「ちなみに昨日作って食べきれなかったイカクレープがこちらです」

ムロ「いや、そんな事前に調理しておきましたみたいなのいらないから…」

—あとで優希が美味しくいただきました

【う:うんちく王登場】

久「みんな、お久しぶりー」

マホ「竹井先輩です、こんにちわー」

和「突然どうされたんですか、連絡をいただければお茶菓子とか用意しておいたんですが」

久「んー、ふらっと寄りたくなってねぇ」

咲「ツモ、700オールです」

優希「地味に上がってくるじぇ…」

咲「500点棒が全部集まるとなんとなくいい気分になるよね」

ムロ「そう聞くと、1000点棒出して300バックをお願いしたくなりますね」

久「でもね、昔は500点棒なんてなかったのよ」

マホ「え、そうなんですか?」

久「自動卓の普及と共に500点棒が広まったとされているわ。最初は自動卓の点数計算は点棒の重さで計算してたから、100点棒30本とかだと重量オーバーになったらしいわよ」

マホ「へー、ためになります!」

和「マホっ、それは禁句です!」

マホ「え?」

久「そうでしょう、ためになるでしょう。さらに麻雀うんちくを聞かせてあげるわよー」

咲「こうなったら長いんだよ…」ハァ

【え:えすおーえー】

マホ「たまにネットを見ていると、和先輩と一緒にSOAって言葉が出てくるんですが、これなんですか?」

優希「当ててみるといいじぇ!」

マホ「ローマ字読みすると、ソアですよね?」

優希「ソアじゃないなー」

マホ「何かの頭文字でしょうか…」

優希「正解にたどり着けそうにないからヒント。のどちゃんの口癖だじぇ」

マホ「口癖…。あ、分かりました」

マホ「咲さんのおもちはAカップ!」

優希「お、おおう…。のどちゃんの口癖って、それか?」

咲「和ちゃん、ちょっと話し合おうか?」ゴゴゴ

和「私は潔白です!」

【お:男1人】

京太郎「結局この3年間、女5人の男1人って構図は変わらなかったなぁ」

優希「何を言ってるんだ京太郎。この状況はまさにハーレム。だから私にかしずくといいじぇ」

京太郎「お前、かしずくとかハーレムの意味分かってんのか?」

優希「京太郎、皆まで言うな。のどちゃんには理系、咲ちゃんには文系の教科を教えてもらえる。さらに京太郎のタコスの腕前はもう三ツ星シェフに勝るとも劣らない。ムロマホも可愛い後輩。これをハーレムと呼ばずして何と呼ぶんだじぇ!」

京太郎「お前のハーレムかよ!」

暇つぶしスレとか、今日は何の日スレに便乗して小ネタを入れてみました
ネタが浮かばなかったのであいうえお順にやればなんとかなるんじゃないかと思いましたが、なんともなってませんね、はい

ではまた

乙ー

無論続きあるんだよね?

かきくけ、までは考えたけど、「こ」が浮かばない…
とりあえず思いつくところまでは小ネタはさめたらなぁとは思います

-intermission_2

【か:カン禁止】

優希「今日はカン禁止麻雀をするじぇ!」

咲「それ、私のこと狙い撃ちだよね!?」

和「そんなことをして何になりますか…。正式なルールに則って練習すべきです」

ムロ「でも、たまにはカンしなくても強い宮永先輩が見てみたいですね…」

咲「え、そう?」テヘ

優希(咲ちゃん、ちょろい…)

マホ「カンって言ったらダメってことですか?」

優希「ま、そういうことだな」

和「私は抜けますから、好きにしてください」

優希「よし、じゃあやるじぇ!」

ジャラジャラジャラ

咲「…うう、せっかく4枚あるのに。4つずつ、4つずつ…」

優希「そんなのダメだじぇ!」ツモ

優希「きたじぇ、カンチャンずっぽし!!」

マホ「あ、優希先輩、カンって言いました!」

優希「こ、これはノーカンだじぇ!」

ムロ「また言いましたね」

咲「そういえば罰ゲーム決めてなかったよねぇ…、何にしようか?」ニッコリ

優希「カンベンしてください!」

和「……優希、また言ってますよ」

——このあと、優希は缶ジュースをダッシュで買いに行きました

【き:昨日のテレビ】

優希「いや、昨日のお笑い番組は面白かったじぇ」

咲「へー、そうなんだ。私はその時間ドラマ見てたから。小説が原作なんだよ」

和「私はあまりテレビは観ませんね。9時のニュースくらいでしょうか」

ムロ「私もその時間はバラエティでしたね。マホは?」

マホ(言えない……。この流れでカートゥンネットワークとは…)カタカタ

【く:玄の真似】

マホ「阿知賀のドラゴンロードさんです!」ゴゴゴ

咲「ドラが来なくなった」

優希「東発でそれを持ってくるのは反則だじぇ!」

ムロ「まあ、こっちとしては助かるのかな?」

和「まったく、偶然ドラが集まっただけでしょうに…」

京太郎「おーい、和。そろそろ行くぞ」

優希「む、2人してどこに行く気だ。まさかデートか!?」

京太郎「ちげーっての。今日は生徒議会と部長会議を一緒にやるんだよ」

和「そういうことですので、練習を続けていてくださいね」

マホ「ああっ、和先輩が行っちゃいます!」

ムロ「…それがどうしたんだ!?」

マホ「和先輩がいなくなると、この部室のおもち力がドン底になっちゃいますぅぅ」

咲 優希 ムロ「ケンカ売ってんのか!!」

——和がいなくなったとたん、ドラは集まらなくなりました

【け:ケンカ】

咲「カン材残さないといけないからこっちを切るに決まってるよ」

和「そんなことをできるのは咲さんだけです。牌効率から考えれば、こちらを切るのが正解です」

マホ「あわわ、ケンカしないでください…」

優希「んー、どうしたんだ?」

ムロ「いえ、マホが雑誌に載っていた何切る問題を先輩たちに聞いたら意見が割れてしまって」

京太郎「2人の意見が一致する方が珍しいからな…。まあ、俺たちは練習しようぜ」

和「まったく、私はネットで打っていますから!」

咲「私だって、和ちゃんとなんて打ちたくないから!」

マホ「うええん、マホが聞いたから悪かったんですぅ」

優希「いつものことだから気にするな。とりあえず打とうじぇ」

京太郎「まったく、とりあえず俺が入るから咲は頭冷やしてな」

咲「…私、悪くないもん」

咲(私だって、ネットだと嶺上開花はできないけどさ…。和ちゃんの言ってることも分かるけどさ…)

咲(私も和ちゃんみたいに打たないとダメなのかな)チラ


和「まったく…」カチカチ

『カン』

『ツモ、嶺上開花!』バーン

咲「えっ?」

和「…………ぐ、偶然ですからね!」///

咲「そ、そうだよね。あはは」

優希「今日も平和だじぇ!」

【こ:細かすぎて伝わらない?】

マホ「ダブルリーチです!」

マホ「そして髪の毛をうねうねさせます!」

ムロ「あー、うん。自分で髪の毛を持ってうねうねさせる努力は認めるよ…」

咲「淡ちゃんの真似だね」


マホ「じゃあ、次です!」

マホ「まず靴下を脱いでリラックスします!」

咲「私?」

マホ「あい…」ポケー

和「リラックスというより、気が抜けている感じですね…」

マホ「…ダル」

優希「違う人に変わってるじょ!」


マホ「ポン!」

マホ「チー!」

マホ「ポン!」

マホ「ヒット!」

和「…白糸台の方ですか? 3副露するといちいちヒットって言うよく分からない方でしたね」

マホ「そうです! あと、お水持ってくるのでちょっと待っててくださいね」タタタ

優希「実際に水をバラ撒く気か!」

今日はここまでです
このまま小ネタでいいんじゃないかという気がしないでもない…

次回はさ行か、それとも本編に戻るか、どっちかです
まださ行は考えてませんけど

おつ
咲日和みたいな寸劇も面白いけどそろそろ本編も見たいところ

カートゥーンネットワーク面白いから仕方ないね!

本編考えてみると一年で全国出てたのって少ないな、当たり前だけど

小ネタにクスッとしていつも癒される
次にどちらが来るとしても期待して待ってる

-intermission_3

【さ:咲さん】

久「また遊びに来ちゃった」

京太郎「…暇なんですか?」

久「だって会社の人たち麻雀しないんだもの!」

和「私は構いませんよ。咲さん、申し訳ないですけどお茶を用意していただけますか?」リーチ

咲「うん、いいよ」

京太郎「いいよ、俺が淹れるよ。咲に任せてたらお茶が届くのに10分以上かかっちまう」

咲「部室の中では迷わないよ!」

優希「咲ちゃんの場合、何もないところで転ぶ可能性もあるじぇ」アンパイ!

ムロ「宮永先輩もひどい言われようですね」ゲンブツ…

マホ「カンします! 嶺上開花です!」

マホ「咲先輩みたいにできましたー」ヤッタ

和「マホ、リーチ相手にむやみにカンするのはお勧めしませんからね…」

久「咲って、みんな呼び方が違うのね?」

咲「そういえばそうですね」

久「じゃあ私は、咲ポンとか呼んだほうがいいのかしら?」

咲「…普通でいいです」

京太郎「じゃあ、ここは俺が嫁さんと呼ぶ流れだな」

咲「嫁さん違います!」

【し:白糸台の友達】

咲「そっかー、淡ちゃんも全国決まったんだね。一緒に楽しもうね!」

マホ「あれ、咲先輩が和先輩の携帯で電話中です」

優希「いいかげん咲ちゃんも携帯買ってもらえばいいのに」

和「おかげで私が咲さんの連絡係みたいになってますよ」

ムロ「それじゃあひっきりなしに電話がかかってきて大変じゃないですか?」

和「…………………………」

マホ「あれ、沈黙?」

優希「察してあげるのも優しさだじぇ…」


——い、家の電話にはかかってくるから…(by咲)

【す:スーパーまほっち】

マホ「最近ちょっとずつレーティングが上がってきました」ヤッタネ

洋榎「あんな、前から気になっとったんやけど、この『スーパーまほっち』ってなんやねん?」

マホ「これは和先輩がのどっちなのにあやかってつけた、由緒正しいお名前です!」

洋榎「ああ、やっぱり原村がのどっちなんか。和でのどっちとか安直すぎるやろ…」

マホ「そこが逆に盲点、みたいな?」

洋榎「いや、あれは隠す気あらへんやろ? 表示されるキャラもそのまんまやないか」

マホ「うう…」

洋榎「もうちょっと隠す努力せいや!」

マホ「き、きっと中二病かなにかでアイドル気取りになって勢いでやっちゃったんです!」

マホ「いつの間にかレーティングが上がりに上がって引くに引けなくなっちゃっただけなんです!」

マホ「だからこれ以上、和先輩のことをひどく言わないでくださいぃぃ」ウワーン

洋榎「マホ、それ本人の前でゆうたらあかんからな……」

【せ:生活習慣】

優希「今日もタコスがうまいじぇ」ウマー

咲「いまさらだけど、毎日タコスでよく飽きないよね」

優希「じゃあ咲ちゃんは毎日空気を吸って飽きるのか?」

咲「もはや空気レベル!?」

マホ「むむむ、タコスぢからを手にするためには毎日たくさん食べないとダメなんですね…」

ムロ「それは真似しない方がいい…」

和「まったく、今は大丈夫でもそのうち栄養が偏って体に良くないですからね」

京太郎「つうか現段階でも発育に差が出てるのは明らかだろ…」

優希「む、それは何と何を比べて言ってるんだじぇ!?」

咲「京ちゃん! それセクハラだよ!」

京太郎「まだ何にも言ってないだろ!」

ムロ「じゃあ、何と差が出ているのかどうぞ」

京太郎「高校3年生女子の平均身長より低いだろ?」

優希「真面目か! そこはのどちゃんの豊満なボディと比較するところだじょ!」

和「なんでそこで私ですか!?」

マホ「…結論としては、タコスを食べると縮むってことでいいんですか?」

優希「そんな悲しい結論出すんじゃないじぇ!」ウワーン

【そ:素朴な疑問】

マホ「マホ、ちょっと気になることがあるんですけど」

洋榎「お、なんや?」

マホ「映像で見せてもらったんですけど、先生の妹さんと、千里山の監督のお母さんと、千里山にいた船久保さんって、みんな髪の毛が跳ねてますよね?」

洋榎「おお、そうやな」

マホ「でも、先生の髪の毛って、跳ねてないですよね?」

洋榎「そうやな。それがどうしたん?」

マホ「先生だけストレートパーマか何かかけてるんですか?」

洋榎「逆や、逆。みんな跳ねたパーマかけとるんや!」

マホ「ええっ、そうなんですか!!」

洋榎「昔、家族麻雀で勝った人が負けた人に罰ゲームってことにしてな。まあ無論ウチが勝つに決まっとるんやけどな!」

洋榎「それで、3人ともにあの跳ねたパーマかけさせたんやで!」

マホ「な、なるほど。そういうことだったんですね!」ナットクデス

洋榎(…まあ、本当はウチだけ直しとるんやけどな。だってあの癖っ毛、ウチには似合わへんもん)ハァ

以上、さ行でした
次回から本編に戻ります

そういえばネタバレが出回り始めましたので、読みたくない方はご注意を
ではでは

おつおつ
そういや確かにネキだけ髪の毛ハネてないな
あのポニテほどいたらハネてるかもしれんけど

-地区大会終了から1週間
-マホ自室

洋榎「だから、ここはピンズが大通しなんや」

マホ「なるほどです」メモメモ

マホ(清澄が全国出場を決めてからも先生は教えてくれますけど…)

マホ(プロの試合は大丈夫なんでしょうか…)

マホ「あの…」

洋榎「ん、なんや?」

マホ「教えてくれるのはほんとに嬉しいんですけど、先生はプロの試合とか大丈夫なんですか?」

洋榎「アホか、なんでそこで二萬切るねん!」

マホ「ご、ごめんなさいっぃぃぃ」

洋榎「余計なこと気にしとるからでや、集中せい!」

マホ「はいっ」

マホ(……ごまかされてしまいました。誰かに相談しようにも先生のことは秘密だし、どうしよう)

-翌朝
-清澄

マホ「おはようございます、和先輩!」

和「おはようございます」

咲「おはよう、マホちゃん」

マホ(…家では先生がいるから調べられないけど、学校ならっ)

マホ「あの、今日部活をお休みしてもいいでしょうか?」

和「何か用事でもあるんですか?」

マホ「えっと、ちょっと調べ物をしないといけなくて」

咲「宿題かな?」

マホ「そ、そうです!」

和「勉強も大事ですからね。ただ全国大会も控えているんですから、しっかりと両立しないといけませんよ」

咲「優希ちゃんにもちゃんと言っておかないとね。いつも追試でギリギリセーフだもんね」

和「まったくです…」

マホ「そういうことなので、よろしくお願いします」ペッコリン

-放課後
-自習室

マホ(学校の自習室はネットにつながっているパソコンもあるので、調べ物をしている人がたくさんいます)

マホ「空いている席がないです…」

京太郎「ん、どうしたんだマホ? 部活は?」

マホ「あ、須賀先輩…。今日は調べ物がどうしてもしたくて部活をお休みしたんです」

京太郎「そうか。俺は議会の仕事があるからちょっとこっちに寄ったんだが…」

マホ「しょうがないので少し待ってます…」シュン

京太郎「生徒議会室に来るか? ネットにつながっているパソコンあるぞ」

マホ(どうしよう…。秘密にしないといけないけど、でもすぐ席が空くかどうか分からないし)

マホ(でも別に先生に教わっているってことを秘密にしておけば、先生のこと自体を調べてるのがバレても問題ないはずです)

マホ(それに須賀先輩は、2年前に先生と竹井先輩が戦っているのを見ているはずだし…)

マホ「じゃあ、お願いしてもいいですか?」

京太郎「おお、いいぜ!」

-生徒議会室

マホ「わぁ、初めて入ります!」

京太郎「来年は役員をやってもいいんだぜ?」

マホ「マ、マホにはとても無理です」アワアワ

京太郎「まあ気が向いたらな。とりあえずそこにパソコンあるから調べてものしてもいいぞ」

マホ「はい、ありがとうございます」

京太郎「操作分からなかったら言えよ。俺はこっちで書類整理してるから」

マホ「あ、あの…」

京太郎「ん、どうした?」

マホ「先輩は、この人知ってますよね?」

マホは、-愛宕洋榎プロが教える! 麻雀指南書-を見せた

京太郎「……あー、誰だっけ?」

マホ「愛宕プロですよ、去年新人王だった! それに2年前に竹井先輩と全国で戦ってるんですよ!」

京太郎「あー、言われればそんな気がするな」

マホ(……先輩は忘れっぽいんでしょうか?)

マホ「と、とにかく【愛宕洋榎】で検索です」クリック

マホ「え……」

【愛宕雅枝 ではありませんか?】

マホ「どうして…? 先生のことに触れているサイトが見当たらない…」カチカチ

マホ「あ、2年前の全国大会の記録。これは残ってる。プロになってからの新人王になったことも記録はある…」

マホ「トッププロなのに、なんで何十件も後ろの方にしか名前が出てこないんだろう……」

マホ「そ、そうだ。この本の紹介とかのサイトくらいはあるはずです…」クリック

【お探しの書籍は、ありません】

マホ「なんで…。どうして…」

京太郎「んー、うまく探せないのか?」

マホ「……そ、そうみたいです」

マホ(なんでですか…。本だってちゃんとここにあるのに、どうして…)

マホ「あの、須賀先輩!」

京太郎「そんなに大声出さなくても聞こえるよ。どうした?」

マホ「竹井先輩の連絡先って分かりますか!?」

京太郎「ああ、知ってるけど。まだ仕事してると思うぞ」

マホ「じゃあ連絡先を教えてもらっていいですか」

京太郎「いいぜ。でも突然どうしたんだ?」

マホ「しっ、調べ物に必要なんです!」

京太郎「まあいいけど…」

-roof top

久「5時になった途端に電話してくるなんて、なかなかマホちゃんも積極的ね」

マホ「すいません、急に連絡しちゃって」

久「いいのよ。後輩に慕われるなんて先輩冥利に尽きるじゃない」

まこ「それで待ち合わせがここってどうなんじゃ?」

久「どうせなら打ちたいなぁって思っただけよ。ダメなの?」

まこ「コーヒーの一杯でも注文してくれれば文句は言わんがの」

久「っていうことだからマホちゃんも何か頼みなさい。おごってあげるから」

マホ「わわ、そんな。いいんですか?」

久「これでも私、社会人なのよ、任せときなさい」

まこ「ほれ、コーヒーとオレンジジュースじゃ」

久「それで、用件は何かしら?」

マホ「竹井先輩は、この人を覚えてますか?」

マホは久に、-愛宕洋榎プロが教える! 麻雀指南書- を見せた
ただし、名前の部分を指で隠して

久「………うわー、誰だっけ? 喉元まで出てきてるんだけどなぁ」

マホ(…え、先生と竹井先輩、結構連絡取り合ってる感じだったのに?)

マホ「2年前、全国で対戦してるはずです…」

久「全国、そうよね。えっと、春でも胡桃でもないし…。えっとえっとー」

まこ「あー、誰じゃったかの…。見たことある気がするんじゃが」

マホ(染谷先輩も思い出せない!?)

マホ「去年のプロの新人王ですよ?」

まこ「えっと、去年は誰じゃったかの? 江口セーラは、確か最後でコケて新人王を逃したのは覚えとるんじゃが…」

久「あー、思い出せないわ。そろそろ教えてよ?」

マホ(こ、こんなのって、ないです……)グスン

久「え、どうしたの、マホちゃん??」

マホ「愛宕洋榎さんです!! なんで覚えてないんですかぁぁぁ」ウワーン

久「ああ、洋榎よ。なんで忘れてたのかしら…、ゴメンねマホちゃん」

まこ「なんでそれでマホが泣くんじゃ…」

マホ「だって、だってぇぇぇぇぇ」エーン

マホ(先生が、みんなの記憶から消えていくみたい…。なんで、どうして……)

久「マホちゃん、ちょっとお店出ましょう。まこ、これお代ね」

まこ「お代はええから、はよう慰めてやりんしゃい…」


久「それで、この本を本屋さんで見つけて、洋榎のことを調べてたのね」

マホ「はい、そうです」

マホ(先生のことは秘密だから、本のことだけしか話せないです…)

久「でも、マホちゃんが行った場所に、本屋さんなんてあったかしら?」

マホ「あそこの角にあったんですよ、新しくできた本屋さんなのかと思いました」

久「ここ? 昔から空家だったと思ったけど…」

マホ「…え? 無い!?」

マホ「なんで、マホここでこの本を買ったのに!?」

久「それに、今まで忘れてて言うのもなんだけど、洋榎が本を出したなんて聞いたことないわよ」

マホ「…今日ネットで調べました。本を出した記録はなかったです」

久「でも本は、確かにあるのよね。自費出版でもしたのかしら…」

マホ「自費ですか…。それなら、ネットで出てこないかもしれないですね」

マホ(それに、そもそも100円ってのもおかしかったです…)

久「でも、その本のおかげでマホちゃんが強くなれたなら、それでいいじゃない」

マホ「それはそうかもしれないですけど…」

久「私の方も調べておくから、マホちゃんは練習に専念しなさい」

マホ「そうですね…。今日はわざわざありがとうございました」ペコリ

久「いいのよ。また何かあったら連絡するわね」

マホ(…とりあえず、今日帰ったら先生にちゃんと聞いてみます!)

-マホ自室

洋榎「そんな目赤くしてどないしたんや?」

マホ「今日、先生のこと調べました」

洋榎「そうか、それで?」

マホ「ネットでもそうですし、竹井先輩も先生のことを忘れかけてました。この本だって、出版された記録がありません!」

洋榎「まあ、いつまでも隠してはおけんかったやろうし、ここらがいいタイミングか…」

マホ「どういうことか、説明してくれるんですね?」

洋榎「すっごくかいつまんで言うと、ウチ幽霊やねん」

マホ「へ?」

洋榎「あー、お前に会った日な、ウチは大阪で交通事故にあって意識不明になったんや」

マホ(…そう言えば、お母さんが交通事故のニュースがやってたって、まさかあの時?)

洋榎「そんで生死の境ってやつをさまよっとったらな、麻雀の神様が現れて『善行を積んだら意識を戻してやろう』って言いよってな。その善行ってのが、

麻雀を教えるってことらしいんやわ」

マホ「それで、私のところに?」

洋榎「まあ、そういうこっちゃな」

マホ「じゃあ、なんでみんな先生のこと忘れかけてるんですか? この本は?」

洋榎「その本は、ウチとマホをつなげるアイテムみたいなもんやな。だからそんな本、出版なんてされとらん」

洋榎「そんで忘れられとるのは、ウチがサボったりしたら意識が戻らん上にみんなから忘れられるぞって脅しやな」

マホ「はわわ。じゃあマホがしっかり教わらないと先生の意識が戻らないんですか?」

洋榎「別に出来が悪くても、ウチが所定の時間教えたらええだけやし、マホは気にせんでええで」

マホ「そ、そんなことがあるんですね…」

マホ(じゃあ、あの本屋さんも、もしかして神様の??)

マホ(そんなオカルトありえませんって言いたくなるところですけど…。でも実際に体験してしまいましたし)

洋榎「まあそういうことやから、麻雀のレッスンするで!」

マホ「はい、精一杯教わります!」

洋榎(はぁ、それにしても久にも忘れられとるとか、やっぱりショックやわ…)

今日はここまでです

合宿→小ネタ→全国へ、という流れを予定してます
ではまた、よろしくお願いします

乙ー
お姉ちゃんっ子の絹ちゃんは今どうしてるんだろう……

-合同合宿

和「いつの間にか毎年恒例になりつつありますが、4校合同合宿にお集まりいただきありがとうございます」ペコ

パチパチパチ

和「OGの方々や、龍門渕の方もゲストとして参加していただきました。いつも以上に活気に満ちた合宿になればと思います」

和「今日のところは自由行動といたしますので、移動の疲れを癒して明日からの練習に備えていただきたいと思います」

和「それと、各校の代表者さんは後で少しミーティングをしますのでロビーに集まってください。それでは、解散します」


星夏「それで、ミーティングというのは?」

和「いえ、宿のルールの一応の確認と、念のため個人戦出場者同士の対局禁止の確認です」

数絵「ああ、心得ている。私が原村さんや宮永さんと対局しなければいいということでしょう」

桃子「むう、個人戦の話をされると今でも悔しいっすよ…」

星夏「私と南浦さんと東横さん、それに片岡さんの3位争いは最後まで熾烈だったからね」

数絵「1位と2位には届きそうになかったがな…」

和「反省会は後からしてもらうとしてですね…」

桃子「いや、なんか悔しさがまたこみ上げてきたっすよ。リベンジするっす!」

星夏「じゃあ、お付き合いした方がいいかな?」

数絵「じゃあ私は片岡さんでも連れてこようか?」

和「なんでもう対局する流れになってますか!」

数絵「麻雀をしに集まったんだから、いいんじゃないか」

和「幹事としていろいろやることがあるんですから…」

桃子「とりあえず一半荘だけ、お願いっすよ!」

数絵「じゃあ私は面子を探してくる。ああ原村さん、そういえば」

和「なんでしょうか?」

数絵「昨日のことでまだ返事はしていないけれど、うちに阿知賀から練習試合の申し込みがあった」

和「ああ、穏乃たちは毎年各県2位と練習試合しているんでしたね」

数絵「日が決まったらまた連絡するよ」

和「ありがとうございます」

桃子「さあ、早く打つっすよ!」

星夏「そんなに慌てなくても、卓は逃げないから…」

-合宿所
-清澄宿泊室

マホ(そういえば、初めてここで合宿したときから、マホは参加してるんですよね…)

マホ(最初はただ遊びに来ただけでしたけど、今回は主役。頑張りますっ)

ムロ「マホ、今日はどうする?」

マホ「お相手を探して、いっぱい麻雀の練習をしたいです」

ムロ「おお、やる気だな。じゃあ一緒に打ってくれる人を探すか」

久「じゃあ私が本気出しちゃおうかしら?」

マホ「あ、竹井先輩です!」

久「今着いたから挨拶に来たんだけど、ムロマホちゃんしかいないのね…」

ムロ「片岡先輩が真っ先にお風呂に入りに行ったので、宮永先輩もそれに付いていってます。原村先輩は今はミーティング中です」

久「そうか、まあいいわ。じゃあ面子探しの旅に出かけましょうか」

マホ「そういえば竹井先輩」

久「ん、なに?」

マホ「愛宕さんについて、何か分かったことありましたか?」

久「……愛宕さん?」ハテ?

マホ(…やっぱり忘れてる!?)

マホ「いえ、気にしないでください」

久「そう、じゃあ改めて面子探しの旅に出発よ」

ムロ「そんな大げさなものでもないでしょうに…」

久「しまった。旅の必需品、ダーツを用意するのを忘れていたわ」

ムロ「第一面子発見、とか言う気ですか?」

マホ(………しっかりマホが麻雀を勉強しないと。このままじゃ先生が忘れられてしまいます)

-大阪
-病院内個室

絹恵「……ねえ、お姉ちゃん」

目の前には、呼吸器を付けられた洋榎が眠っていた

絹恵「なんか私、最近物忘れが激しくなってきたんかな…」

絹恵「こうやって病室におるときは悲しみで狂いそうになるのに…」

絹恵「一歩病室から出るとそんな悲しみも無くなって、下手したらなんで病院に来たのかも忘れてしもうて…」

絹恵「また時々、ふっと思い出してお見舞いに来るんやけど。なんか思い出す周期も心なしか遅くなってる気がする」

絹恵「……ねえ、お姉ちゃん」

絹恵「私、このままお姉ちゃんのこと、忘れちゃうの?」

絹恵「なぁ、早く目覚ましてや!」

絹恵「お姉ちゃん……。ううっ…」

-夕食後

マホ「天江さん!」

衣「ん、そんなに真剣な表情をして、どうした?」

マホ「夜の方が強いんですよね?」

衣「今日は満月ではないが、月は出ているからな…」

マホ「お願いします、マホとこれから打ってください」

衣「ほう。お前のことは前々から気にかけてた。いいだろう」

マホ「ありがとうございます!」

純「……お前、昼間もずっと打ってなかったか? もうコピーのネタ尽きてるだろ」

マホ「でもマホ、今はたくさん打ちたいんです!」

純「まあいいけど、あんまり無茶するんじゃねぇぞ?」

マホ「大丈夫です!」

純「じゃあ俺も打ってやるか…。あと一人」

数絵「……面子が必要なのかしら?」

純「お、ちょうどいい。入ってくれるか?」

数絵「ええ、天江衣と打つ機会なんてそう無いから。こちらからお願いしたいくらい」

マホ「よろしくお願いします!」

-対局 (マホ・衣・純・数絵)

純(とはいえ、衣も序盤は様子見だろうし、南浦も南場に入ってからが本番。初めはオレがこいつを揉んでやるか)

純「っと、鳴く機会もなく張っちまったな」

純(タンピン風味の捨て牌だが、実際にはダブルスジ引っ掛けのシャボ待ち。真似っ子チビの素の地力、見せてもらおうか…)

純「リーチ」

数絵「とりあえず現物で…」

マホ「うー…安牌ないです…」ウーン

純「いいぜ、一発で振りこんでくれて」

マホ(これは、先生が言ってたピンズ大通しのパターン…)

マホ「じゃあこれで」

純「へぇ、すごいところ切るな。通るぜ」

衣「……奇幻な打ち手だとは感じていたが、それだけではないようだな」

数絵「…スジ」

純「そいつは通らなねぇな。リーチドラ2」

数絵「……シャボ待ち、どちらも引っ掛けですか。なんとか耐えるしかないですね」

数絵「…なんとか残ったか。さあ、南入です」ゴゴゴ

衣「待ちわびたぞ、衣もここからが御戸開きだ」ゴゴゴ

純(さあ、ここからが本番だぜ、真似っ子チビ。オレももうお前には構ってやれねえからな)

マホ「頑張りますっ!」


衣「ポン」

数絵「ポン」

純(怖ぇ怖ぇ。衣はダブ南、南浦は染め手か?)

マホ(2軒が鳴きを入れた、こういう場合は…)トン

純(ふーん、随分落ち着いてやがるな。去年や一昨年もこいつは合宿に参加してたが、コピー以外はまるで素人だったはず)

純「マホって言ったか。学校以外でも誰かに麻雀習ってるのか?」

マホ「ふぇ、どうしてですか!?」ハワワ

純「いや、どうもな。原村に教わったにしてはセオリー外の打ち方にも対応してきやがる」

純「かといってあのタコスチビが人に教えるなんて想像できねぇし、宮永も教えられて出来るような打ち筋じゃねぇしな…」

マホ「あのっ、家でネットで…」

マホ(う、嘘は言ってないですよね?)

純(それだけじゃねぇような気はするが…)

衣「ポン」

純「っと、ほっとくと衣がツモりそうだな」

純「チーだ」

数絵「ツモ、混一トイトイ」

純「って、そっちかよ!?」

衣「純が余計な鳴きをするからだ!」

純「知らねぇよ」


マホ「ううっ、結局ラスでした…」

純「まあ、衣相手に飛ばなかっただけで十分だろ」

衣「衣が一番だー」

数絵「追撃、及びませんでしたね…」

マホ「もう1回お願いします!!」

衣「もちろんだ」

数絵「構わないよ」

純「…いや、お前はもう止めとけ」

マホ「な、なんでですか!?」

純「明日だって打てるんだ、あんまり無理すんな」

マホ「でもっ」

純「ああもう、言っても聞かないなら実力行使だ」ヒョイ

マホ「ひゃっ」

衣「おお、簡単に持ち上げた」

純「悪いな衣に南浦、今日はお開きだ」

マホ「放してくださいぃぃぃ」ジタバタ

純「大人しくしろっての!」

-大浴場

マホ(それで、なんで井上さんとお風呂な流れになっているんでしょうか…)

純「ここの風呂は毎年癒されるわ」

マホ「…なんで途中で止めたんですか」

純「んー。お前、麻雀楽しんでるか?」

マホ「…え?」

純「お前を見てるとな、ちょっと衣とかぶるんだわ。衣も昔は、麻雀を打たない自分は必要とされてないなんて思い込みながら打ってやがった」

マホ「あんなに強いのに?」

純「強いからこそ、自分には強さしか求められてないって思っていただろうな」

純「んで、お前を見てると、強くないと自分は必要とされてないって思ってんじゃねーかって思うわけよ」

マホ「……それは、そうかもしれません」

純「馬鹿か、っての。真面目すぎるんだよ、そんな1人で頑張りすぎないで、もっと周りを頼れよ。お前は1年で、すっげえ先輩に囲まれてるんだからな」

マホ「……そうですね」

純「ま、すぐに納得しろとは言わねーよ。でも、こうやって湯船に浸かっているときくらい、麻雀のことを忘れて頭を休めな」

マホ「はい……」

マホ(……麻雀を楽しむ。でも、それで負けたら元も子もないです)

バシャ!

マホ「きゃ、なんですか!?」

純「ほら、また考えてるだろ。頭カラッポにしろ!」

今日はここまでです

そういえば今日はともきーの誕生日らしいですね
相変わらずそういうのは考慮してませんけどー
ではでは

絹恵ェ……

そして純君は相変わらずイケメンだな

-intermission_4(合宿編)


【た:高遠原の話】

-清澄宿泊部屋

優希「そういえば昨日、ばったりゴリ先に会ったじぇ」

和「ゴリ先? 高遠原の数学の清水先生でしたっけ?」

ムロ「やたら『ゴリゴリ計算しろー』っていうからゴリ先って言われる人ですよ」

マホ「マホ、去年の担任がゴリ先でしたー」

優希「悪い人じゃないんだけどなー」

ムロ「結局、ゴリゴリ計算しろって何なんでしょうね?」

ワイワイ


咲「……ぼっちだよー」ショボン

【ち:痴女?】

-大浴場

優希「のどちゃんの体はいつにもましてエロエロだじぇ」ジー

和「……じろじろ見ないでください!」

マホ(いいなぁ…)ジー

ムロ(まったくもって…)ジー

咲(うらやましい…)ジー

衣(むぅ、衣だってまだまだこれから成長する、はずだ…)ジー

一(透華も、原村さんのああいうナイスバディなところが気になるのかなぁ)ジー

ガラガラ

久「……あら、和のヌード鑑賞会?」

和「そんなこと言ってないで助けてください!」

久「まったく。みんなでジロジロ見たら和に迷惑でしょうが…」

和「そうです、もっと言ってあげてください!」

久「整理券を配るから、ちゃんと一人ずつ並んで鑑賞しなさい」

和「私は痴女ですか!? みなさんもゾロゾロ並び始めないでください!!」

【つ:月を見上げて】

-屋上

衣「…先客か?」

桃子「……よく分かったっすね。衣ちゃん」

衣「ちゃんではなく」

桃子「ほんとにそれ言うんすね、天江さん」

衣「咲から聞いたのか…。いつまでたっても年下かのように扱ってくる」

桃子(…私でも年下扱いしたくなるっすよ)

桃子「静かに月を見上げてただけなんすけど、よく見えたっすね」

衣「月明かりの下だからこそ、朧に浮かび上がる」

桃子「そんなもんっすか…」

衣「物思いの邪魔をしたか?」

桃子「いいっすよ、煮詰まってたとこっすから…。私のインハイは終わってしまったっす、これから進路どうしようって…」

衣「そうか…」

桃子「天江さんは、大学に行ってるんっすよね」

衣「ああ、文学部で古典などをな…。将来どうなりたいのか、衣自身まだよく分からない」

桃子「そんなもんっすか…。先輩みたいにやりたいことが決まってる人の方が少ないのかもしれないっすね」

衣「そうだな…………………」

桃子「そうっすよ……………」

衣「…………………………」

桃子「黙られると消えてしまうっす…」スゥ…

衣「ああ、すまない」

【て:徹夜麻雀】

久「というわけで、私たち大人はこれから大人の徹麻をするわよ!」

ゆみ「…まだ蒲原以外未成年なんだが?」

智美「ワハハ、私は一足先に二十歳になってしまったな」

美穂子「具体的に、大人の麻雀とは何をするんでしょう?」

久「よく聞いてくれたわ、美穂子。脱衣まー」

ゆみ「却下だ」

久「早いわね」

智美「っていうか誰が得するんだ?」

久「じゃあお酒を飲みつつ」

ゆみ「だから却下だ。未成年だと言っただろう」

久「美穂子ぉ、ゆみがケチケチしてるぅ」

美穂子「流石にこれは久さんの味方はできません…」

久「うう、美穂子まで…」

智美「まあ、4着が1着の言う事を聞くってのが落としどころだろうな」

ゆみ「1着が終わりと言ったら終わり。逆に1着があと5半荘とかいう引き伸ばしも禁止。その場でできることで1局精算。あと…(くどくど)」

美穂子「えっと、メモ取りますからもう一回お願いします」

久「もっと気楽にやりましょうよ…」

【と:遠くにありて思うもの】

京太郎「はぁ、今頃咲たちは楽しんでるんだろうなぁ…」

京太郎「寝るか…」

カピ「きゅー」

今日はこれだけです
明日ガンガン発売日ですね。これでガンガンを買うこともなくなるんだろうなぁ…

では!


マジでモモって就職どうするんだろうな。体質的に面接官の印象には残らないだろうし
嫁入り?

乙乙
ステルスを活かせる仕事……探偵あたり?でもまず依頼に来れる人がいるかどうか
やはり本命は嫁入りだな

>>115
依頼はネットや電話でするとか?

鶴賀探偵事務所
所長かじゅ、調査員モモでよくね?

モモ独立は無理だろうけど

【な:納得いかない】

-徹夜麻雀中

ゆみ「なあ…」

久「何かしら、リーチ」

美穂子「……」トン…

久「ローン!」

美穂子「ああ、そんな悪待ち読めません」

ゆみ「棒読みが酷すぎるぞ、美穂子…」

智美「これでまた久がゆみちんを抜いて1着だなぁ。ワハハ」

ゆみ「私がトップになりそうになると、美穂子が差込しているとしか思えないんだが」

久「仮にも長野県個人戦1位だった福路美穂子がそんなことすると思う?」

美穂子「全くです。久さんの打ち筋は私にも読みきれません」

久「さあ、じゃあビリの美穂子は私とハグ」

美穂子「はいっ」ギュウ

ゆみ「罰ゲームにすらなってないんだが…」

智美「ゆみちんがビリになるまで、これ続くぞ…」

ゆみ「やっぱり納得いかないんだが…」

【に:二人羽織】

智美「ロン、国士だ」

ゆみ「な、なんだとっ…」

久「せっかくゆみがラスになったのにトップが私じゃないなんて…」

美穂子「これは流石に防ぎようがないですね…」

智美「うーん、私がトップかぁ。正直何にも考えてなかったぞ」

ゆみ「…じゃあ命令はなしでいいな。次だ」

久「智美が命令しないなら私が命令するわよ!」

ゆみ「命令権の譲渡は認めていない」

美穂子「…確かに、ルール8に書きましたね」

久「だからなんでそんなに細かいのよ…」

智美「仕方ないなぁ…。じゃあゆみちんは次の半荘、モモと二人羽織して打ってもらうか」

ゆみ「は?」

桃子「蒲原先輩、なんてすばらな命令なんすか!?」

ゆみ「モモ、いたのか!?」

桃子「さあ、はやく密着するっす。手と手を取り合って麻雀するっす!!」

ゆみ「ちょっと待て、次の局に引き継がれるような命令は禁止だって言っただろう」

桃子「……そんな、先輩は私と二人羽織するのがイヤなんすか?」ウルウル

ゆみ「だからルールで決めたことであってだな」

久「ゆみさえよければ、そんなルールなくしちゃえばいいのよ」

桃子「そうっす。だからはやく同じ服を羽織ってお互いを温め合うっす」

ゆみ「いや、もう趣旨が変わってきてるだろ!」

——ステルス機能を装備したゆみは、次の局無事に1着となって徹麻は終了した

【ぬ:ぬいぐるみ】

透華「今日こそは真のアイドルが私であることを、原村和に叩き込んでやりますわ」

純「まあそれはいいんだが、そのぬいぐるみはなんだ?」

透華「これは衣のぬいぐるみですわ。原村のペンギンに対抗しましてよ!」

一「へー、可愛いね。じゃあボクは透華のぬいぐるみでも作ってもらおうかな」

透華「な、何を言ってますの!」///

純「はいはい、熱い熱い…」

智紀「じゃあ私は、パソコンを…」

純「それはそれで可愛げがなさすぎるだろ…」

智紀「さらにカメラを用意して相手の手牌を確認…」

純「普通にイカサマかよっ」

智紀「そして海底牌も確認している衣のぬいぐるみを抱く」

純「ややこしいな、オイ! っていうかそんな衣は可愛くないだろ」

【ね:ネコなの?】

咲「ぬいぐるみじゃないけど、そういえば優希ちゃんが腰に巻いているあの猫みたいなのって何なの?」

マホ「マホ知ってます。あれは観阿弥世阿弥です!」

ムロ「猫蛇セアミィだろ。逆によくそんな勘違いできるな?」

マホ「ええっ、だって優希先輩がそう言ってたのに」

優希「おおっ、猫蛇セアミィっていうのか。参考になったじぇ」

ムロ「なんで付けてる本人が知らないんですか!?」

優希「のどちゃんが中学の時にくれたから付けてるけど、自分で買ったわけじゃないからな」

和(猫蛇セアミィ、そんな名前だったんですね……。可愛いから買っただけで名前までは失念していました…)

優希「なー。のどちゃん?」

和「も、もちろんでひゅ」

咲「なんで和ちゃんが動揺しているの??」

【の:のどっち】

咲「私も何か抱いて打ってみたら強くなるかな」

優希「これ以上強くなってどうする気だじぇ…」

智紀「じゃあこのパソコンを抱えた衣のぬいぐるみを」

純「それはもう引っ込めろ…」

和「で、では。この『のどっち』ぬいぐるみを」

透華「そんなぬいぐるみがあるなんて!」

咲「いったいいつ用意したの?とかいろいろ聞きたいことがあるけど…」

和「え、ネット通販で好評発売中ですよ?」営業スマイル

優希「ステマだじぇ、ステマが始まったじぇ!」

桃子「呼んだっすか?」

マホ「違います、きっとステルスマホの略です!」

純「おい、誰かこのボケのスパイラルを止めてくれ」

だんだん五十音の縛りがきつくなってくる今日この頃
縛りばきつうかけたって、リザべする相手がいないんですが…

とりあえず合宿小ネタ終了、次から本編復帰します

ガンガン読みました
次回作、咲とは書いてないからなぁ。フェイタライザーのリニューアルとか、ありそう…

-7月
-清澄高校

マホ(合宿も終わって、部活でも家でもしっかり麻雀の練習をしています…)

マホ(でも、あの井上さんに言われたことは今でも胸につかえてて)

 『お前、麻雀楽しんでるか?』

    『お前を見てると、強くないと自分は必要とされてないって思ってんじゃねーかって思うわけよ』

マホ(楽しんでいると、思います…。多分)

先生「おい、夢乃」

マホ(でも、マホが弱かったら連覇できなくなってしまいます…。それはやっぱりプレッシャーです)

先生「おい、夢乃!」

マホ(先輩たちや、先生は、プレッシャーとどう向き合っているんでしょうか?)

先生「ゆーめーのー!!」

マホ「あ、ひゃいぃ!」

先生「全国大会に向けて練習しているのは分かるが、赤点取ったら出場できないかもしれないからな!」

マホ「ごめんなさいぃぃ」

マホ(と、とりあえず今は授業です!)

マホ(もうすぐ期末テスト、頑張らないと…)

-部室

和「では明日からテスト終了まで部活はお休みにします」

咲「お願いだから赤点取らないでね…」

優希「おまかせあれだじぇ!」

ムロ「まあ私は大丈夫だと思いますが…」

マホ「が、頑張りますぅ」

全員(ほんとに大丈夫かな…)

-マホ自室

マホ「というわけで今日からテスト勉強ですっ」

洋榎「そうか。じゃあウチの出番はないな」キッパリ

マホ「先生は勉強の先生にはなってくれないんですか…」

洋榎「麻雀特待生として姫松入ったからな。全然勉強なんてしてへん!」

マホ「その自信を分けてほしいくらい自信に満ち溢れてますね…」

洋榎「とはいえ、マホに赤点取られたらあかんからな。助っ人を呼んだる」

マホ「ホントですか!?」

洋榎「よし、じゃ呪文を唱えるで!」

洋榎「のよのよー、のよーん!」

由子『のよー』

洋榎が携帯を振ると、エトペン位の大きさの真瀬由子(2頭身)があらわれた

マホ「マスコットキャラみたいな感じの人が出てきました!」

由子『よろしくなのよー』

洋榎「ダチの真瀬由子っていうんやで。由子は優等生やったからな、勉強のことやったらなんでも聞きや」

由子『テスト対策はばっちりおまかせよー』

マホ「なんて頼もしい、よろしくお願いしますっ。この前データを揃えてくれた恭子さんと同じ、神様のお助けキャラなんですね?」

洋榎「ま、そういうこっちゃな。テストが終わるまでは、ウチはのんびりしとるわ」

由子『ビシバシ行くのよー』

マホ「よろしくお願いしますっ」

-テスト終了
-部室

和「なんとか全員テストはクリアでしたね」

優希「和ちゃんと咲ちゃんのおかげだじぇ〜」

ムロ「先輩の山かけ一夜漬けはなかなかハラハラしましたよ…」

咲「ちょっとずつ勉強しないからだよ…」

マホ「私はバッチリでしたっ」

ムロ「いつもより成績良かったもんな、マホ」

優希「マホのくせに生意気だじぇ!」

マホ「マホだってちゃんと勉強できるんです」

マホ(ほんとは由子さんのおかげですけど、それは秘密ですっ)

和「とにかく、今日からはしっかりと練習して、来るべき全国大会に備えましょう」

全員「おーっ!」


マホ「ところで、先輩たちは全国のプレッシャーを感じないように何かしてますか?」チー

咲「うーん、私はあんまりプレッシャーは感じないかな、そういうのも含めて楽しんでるから」

優希「どちらかというと咲ちゃんはインタビューの時に緊張してるからな」ポン

咲「だって何を言っていいのか分からないんだもん!」リーチ

和「そうですね、特にマホは初めての全国だから緊張するのは分かりますよ」ツモ

優希「私はくじけそうになっても、絶対にあきらめないで前を向くって自分に言い聞かせてるじぇ!」

和「私も緊張はありますが、それでも普段の練習と同じだと思って打っていますね。逆に言えば、普段の練習から本番だと思っていないとそうはいかないですけどね…」

マホ「おお、なるほどー」

ムロ「私も参考になります」

-マホ自室

洋榎「プレッシャーの克服か…」

マホ「そうです、やっぱり本番になると緊張しちゃうと思うので」

洋榎「繰り返しになるかも分からんけど。負けるかもとか考えながら打つからプレッシャーに負けるんや。全部勝つ気で打てばええ」

マホ「うう、先生みたいな自信が欲しいです…」

洋榎「じゃあ、恭子に聞いてみるか?」

恭子『……なんですの?』

洋榎「プレッシャーの克服方法について教えたってや」

恭子『25830件ヒットしました』

洋榎「多い、絞らんかっ」

恭子『1件ヒットしました』

洋榎「1件に絞るの早すぎるやろっ」

恭子『私の場合は主将とは逆ですから。考えうる最悪を想定する、そしてそうならないようにどうしたらいいか考える。それだけです』

洋榎「うん、聞いたウチがアホやった。マホには無理や」

マホ「なんだか馬鹿にされたような気がしますけど、言い返せません…」

洋榎「まあ正直、実戦あるのみやで。本番の空気をたくさん味わうほど、どう対処したらええか見えてくるもんや」

由子『みんなが応援してくれる、それを力に変えるのよー』

洋榎「お、ええこと言ったな、由子。ウチらが背中押したる、だから余計な力入れずに堂々と打ってこい」

マホ「先生、みなさん…」ウルウル

マホ「ありがとうございます、マホ頑張りますっ!」

本日は以上です
ビッグガンガンでの新連載は咲関連のようなのでとりあえず安心しました

小ネタは最後までは行けないかもしれません。とりあえず次回から全国になると思います
では

乙ー
マホは錯和癖克服とメンタル鍛えるだけでも相当な打ち手になるよね

阿知賀最終話は良かっただけにもう10話ぐらい詰め込んで欲しかったなー

-東京
-宿泊所

穏乃「おーい、和!」

和「穏乃、お久しぶりですね」

憧「和たちに合わせてこっちの宿泊所にしてもらったからね」

和「憧も、お久しぶりです」

優希「今年は先鋒のようだな、アコチャー! 手加減しないじぇ!」

憧「ふふ、軽く流してあげるわよ」

数絵「この前の練習試合以来だな。またお手合せ願いたい」

穏乃「うん、よろしく」

マホ(高鴨穏乃さん…。去年までは大将だったけど、今年は中堅。マホと当たる人です)

ムロ「今年は阿知賀はかなりオーダーを変えてきたみたいですね」

憧「まあね。去年は宥姉が抜けただけだったけど、今年はまた2人抜けて再構築って感じよね」

穏乃「本当は私が咲と大将で戦いたかったけど、今年入った1年はすごいから!」

咲「もしかして、さっきから穏乃ちゃんの後ろでプルプル震えてる、その子」

憧「ほら、ちえ。ちゃんと挨拶して」

ちえ「あ、あの…。私、小走ちえって言います。よ、よろしくおねがいしますっ」プルプル

和「あの、そんなに怯えなくても大丈夫ですからね」

ちえ「ひやぁ、そ、そんな。私に何かにそんな気遣いもったいないです…。王者の清澄さんにこんなに接近するなんて、失神してしまいそうです…」プルプル

優希「……とても強そうには見えないじょ?」

ちえ「わ、私なんて強くないです…。大将なんて務まりません」ガクブル

数絵「小走…。いまインカレで活躍している、小走やえの妹さん?」

ちえ「そうです。私なんか姉の足元にも及びません…。月とすっぽん、いえ、月とカメムシくらいの差があります…」カタカタ

穏乃「まあ普段はこんなだけど、麻雀したらすごいからね!」

咲「そうなんだ…。ちえちゃん、一緒に楽しもうね」ニッコリ

ちえ「は、はいぃぃぃぃ」キュー、バタン

憧「あー、また気絶した…」

和「またって、大丈夫なんですか!?」

憧「いつものことだから。ちょっと落ち着けば大丈夫よ。とりあえず部屋に連れて行くから」

穏乃「じゃあな、和。決勝まで負けるんじゃないぞ!」

和「それはこちらのセリフですよ」

-うたえりのインハイダイジェスト

えり「こんばんわ、針生えりです」

咏「三尋木咏でっす」

えり「インターハイは6日目を終え、2回戦がすべて終了いたしました。明日から決勝進出を賭けてシード校同士が激突します」

side-A
清澄
臨海
千里山
劍谷

side-B
阿知賀
白糸台
九州赤山
覚王山

えり「Aブロックは新王者に伝統校が挑む構図になっていますね」

咏「だねぃ。千里山は去年は三箇牧に負けちゃったけど、今年は2年越しのリベンジに燃えてるだろうね。劍谷も決勝にはまだ行けてないから、なんとしても突破したいだろうね」

えり「三尋木プロ。シード校の臨海、あと清澄の連覇についてどうお感じになりますか?」

咏「そうだねぃ、多分これはみんな感じてると思うけど、清澄はやっぱり中堅の1年生、マホちゃんがキーになるんじゃないかなぁ。知らんけど」

えり「夢乃選手ですね。夢乃選手の収支をまとめた表がこちらです」

長野大会2回戦: +9600
長野大会決勝戦: -100
全国大会2回戦:+23400

長野大会個人戦:20位

えり「おとといの2回戦では十分な活躍を見せましたね」

咏「そうだね、でも他の学校が狙ってくるのも、この中堅になっちゃうんだよね」

えり「確かに清澄の黄金世代と呼ばれる片岡・原村・宮永の3人は安定した成績を残していますからね」

咏「そういうこと。それにマホちゃんは1半荘の間でも大失点したと思ったら大稼ぎとか、浮き沈みが激しいからねぃ」

えり「臨海はいかがでしょうか?」

咏「戦力は十分のはずなんだけど、毎年ちょっと惜しいよね。わっかんねー、なんで戦力揃ってんのに毎年惜しいのかわっかんねー」

えり「はぁ…。それでは、続いてBブロックです——」

-宿泊所

ムロ「そろそろ寝るぞ、マホ」

マホ「自分のことがテレビで紹介されてるのって、なんだかむず痒いです」

ムロ「私はあんまり注目されてないからなぁ…」

マホ「2回戦は絶好調だったから、この調子で頑張ります!」

ムロ(やる気が、空回りしないといいけど…)

マホ(そういえば、今日は先生を見かけてませんけど、どこかに行っているんでしょうか……)

-宿泊所の外

洋榎「懐かしいな、この空気。1年で1回きりって緊張感、やっぱええわ…」

洋榎「それにしても姫松は2回戦敗退とか、情けない」

春「…見つけた」

洋榎「春か、直接会うのは久しぶりやな」

春「食べる、黒糖?」

洋榎「ボケか、ボケなんか? ウチ幽霊やから食われへんの分かっとるやろ!」

春「……黒糖食べれないとか、負け組」ポリポリ

洋榎「しゃべるか食べるかどっちかにせんかい」

春「……心配したから」

洋榎「悪かったな」

洋榎「それで、神様サイドはなんて言うとる?」

春「……特に何も。でも、このままでは終わらない」

洋榎「順調なら順調でええやん、まったく…」

春「中堅は荒れる。それは洋榎が一番わかってるはず」

洋榎「それもそうやな。まあ、マホなら乗り越えてくれるって、信じとる」

春「……言わなくて、いいの?」

洋榎「必要性がない」

春「……ならいいけど」

洋榎「じゃあ、そろそろ行きや。他の人にはウチは見えへんのやから、独り言言っとる危ないやつやって思われてまうで」

春「別にそんなの気にしない」

洋榎「……なら好きにしたらええ」

春「そうする」ポリポリ

洋榎「ホント黒糖好きやな」

春「今度家に送ってあげる」

洋榎「そうか。それは楽しみにしとくな」

今日はここまでです
次回のヤングガンガンから咲本編復帰ということで喜ばしい限りです

>>131
もうちょっとじっくりやってほしかったのはありますね
竜華の最高状態とはなんだったのか…

穏乃と当たるのか……マホの自力が試されるな

あと欲を言えばこの話ももうちょっとじっくりやっt(ry

-準決勝
-次鋒戦終了

清澄   128000
臨海   99100
千里山  87700
劍谷   85200


ムロ「ふぅ、今回はなんとかリードを保てましたね」

優希「よし、ムロ。よくやったじぇ!」

和「ですが、まだ気を抜いてはいけませんよ」

咲「次はマホちゃんだね、頑張って」

マホ「はい、行ってきます」

京太郎「2回戦は調子が良かったし、このまま行けば大丈夫だぜ」

マホ「頑張りますっ!」

-廊下

洋榎「出番やな、マホ」

マホ「あ、先生。マホ、頑張ってきます」

洋榎「リードを守ろうだなんて考えたらアカンからな。さらに突き放したれよ」

マホ「はい、大丈夫です!」

洋榎「ここに来る前にこの3人の牌譜はちゃんと見たな?」

マホ「はい、先生の言うとおり負けた時の牌譜を確認してますっ」

洋榎「よっしゃ、じゃあ行ってこい!」

マホ「はい、中堅で決めてやります!」


洋榎「行ったか。さて、じゃあ観戦室にでも行くか」

恭子『主将…』

携帯の画面にはデフォルメされた恭子の画像が映し出された

洋榎「ん、なんや?」

恭子『2回戦の牌譜整理がようやく終わりました』

洋榎「んー、やっぱり携帯アプリ程度やと解析に時間がかかるな…」

恭子『かといって、長野に戻るわけにも行きませんし』

洋榎「宿泊所にパソコン持って来たらええんちゃう?」

恭子『そんなことできるわけないでしょう?』

洋榎「いや、こんなときこそ、アイツの出番やろ。漫、出てこい!」

ポン!と子供くらいの大きさの漫があらわれた

漫「ようやくお呼びですか、主将」

洋榎「よし、漫。かるーく長野まで行ってマホのパソコンとってこい」

漫「パシリにしては距離が遠すぎませんか!?」ガーン

洋榎「つべこべ言わんと行ってこいや。爆発的な脚力みせたれや!」

漫「はぁ、どうせ拒否権なんてないんでしょう…。行ってきますよ」ビューン

洋榎「おお、めっちゃ早いな。普段もこれくらい器用に爆発してくれたら良かったんやけどな」

恭子『その不器用さが漫ちゃんです』

洋榎「ほんま、恭子は漫のこと買っとるのか買ってへんのか分からへんな」

恭子『主将は分かってませんね、素直に褒めたら面白くないでしょう?』

洋榎「っていうかさ、ええかげんもう主将って呼ぶのやめへんか?」

恭子『主将はいつまでたっても主将です』

洋榎「…まあ、ええけど。そろそろ始まるで」

洋榎「その前に、2回戦の牌譜を確認させてもらうで…」

洋榎「………んー、こいつ、こんな打ち方しよったか?」

恭子『誰のことですか』

洋榎「臨海のハオや。インハイでウチと打ったやろ」

恭子『2年もすれば打ち方も変わりますよ。気になるようでしたら、漫ちゃんが戻ってきたら解析しますけど』

洋榎「せやな…。まあ、とりあえずこの半荘見て考える」

洋榎(なんか、荒れそうやな……)

-中堅戦

東 ハオ・ホェイユー(臨海)
南 二条泉(千里山)
西 夢乃マホ(清澄)
北 森垣友香(劍谷)


ハオ「よろしくお願いします」

泉「よろしゅうな」

友香「よろっ!」

マホ「よろしくお願いしますっ」

マホ(さあ、頑張りますっ)

泉(2回戦はこの1年がバカヅキしとったけど、今度はしっかり抑えたるで)

ハオ(さて…。できれば清澄を狙いたいところだけれど、上手くいくかどうか)

友香(んー、臨海の2回戦のアレ、また来るのかな…)

-東1局
-親:ハオ

-実況席

えり「さあ、準決勝中堅戦が開始されました」

咏「うはっ、またか」

えり「三尋木プロ、またとはどういうことでしょうか?」

咏「いや、2回戦もそうだったからどうかなぁと思ってたんだけどさ」

えり「2回戦というと、清澄と千里山の方ですか、それとも臨海と劍谷の方ですか?」

咏「臨海の方だね。見てごらんよ、みんなの配牌」

えり「……これは」

咏「ハオちゃん以外、全員1向聴。それでハオちゃんは5向聴。立ち親なのについてないねぃ」

えり「それで、またということは2回戦もそうだったということですか?」

咏「そうだね。ま、ただの偶然かもしれないけどさ」

えり「ですが、白糸台の大星選手の例もありますし、配牌が偏ることも有りえなくはないのでは?」

咏「だとしたら、悲しい偏りだよねぇ。さて、問題はこの偏りに意味があるのかどうか、だけどね」

-対局室

友香(……やっぱり配牌1向聴、そして3巡で役がないけどドラ2のテンパイ。これじゃ2回戦と同じでー)トン

ハオ(劍谷がテンパイかな? 他家もよほど下手な打ち方をしない限り、次の巡にはテンパイするはずですね)トン

泉(よっしゃ、テンパイ。配牌1向聴やったし、乗ってきとるで)

泉「リーチや!」

マホ(追いつけましたっ。ここは追っかけリーチで先制します)

マホ「通らばリーチ」

泉(く、追いつかれたか…)

友香(……げ、ツモっちゃった)

友香(いや、これは上がったらダメでー)トン

ハオ(…ツモったように見えましたが)

ハオ「安牌がありませんね…」

-観戦室

えり『どういうことでしょう。劍谷の森垣、ツモ上がりを放棄しました!』

咏『うーん、リーチ入ってるんだから高目狙いでもなさそうだし…。わっかんねー』

洋榎「…まずいんちゃうか」

春「一緒に観戦していい?」

洋榎「春か。だから独り言言ってるやばい奴って思わるってゆうとるやん」

春「そう言うと思って、ハンズフリーを装着してみた…」

洋榎「ああ、それなら携帯で話しとると思われるかもな。そこまでしてくれんでもええのに」

春「洋榎が気にするから」

洋榎「ああ、ありがとな」

えり『おっと、臨海のハオ選手、清澄の夢乃選手に振り込んでしまった』

咏『ふーん、安牌なかったけど、比較的通りそうなのあったと思うんだけどねぃ…』

洋榎「やっぱり、あんな打ち方するようなヤツやなかったはずや」

春「どうなるの?」

洋榎「この2回戦の牌譜通りなら、ちょっとまずいわ…」

-東2局
-親:泉

泉(先制リーチが潰されたか…。それにしても臨海、どうせ振り込むならせめて1位の清澄は避けて欲しかったんやけどなぁ…)トン

マホ(追っかけリーチのつもりでしたけど、振り込んでくれました)

マホ(今日も頑張ってたくさん稼ぎます)トン

ゾクゾクッ…

マホ(え? なんだか、今寒気が…)

ハオ「リーチ」

友香「ダブリーとかっ…。現物でー」トン

泉「まったく、うちの親やってのに。事故事故」トン

マホ「あわわ、現物がありません」

【ああ、どうせ振り込んじゃう…】

マホ「えっ?」

ハオ「どうかしましたか?」

マホ「いえ、なんでもないです…」

マホ(こんなの当たったら事故だから、不要牌を切るしかないです)

マホ「……これで」

ハオ「ロン、ダブリー1発裏1。満貫」

マホ「ううっ、はい…。さっきの分を取られちゃいました…」

友香(やっぱり、臨海…)

-東3局
-親:マホ

マホ(うう、振り込んでしまいました…。この親でなんとかしないと)

【さあ、早くツモらないと】

マホ(うう、配牌バラバラです。ツモらないと…)

泉「おい、1年!」

マホ「へ?」

泉「親やのに何ツモろうとしとるねん!」

マホ「えっ、ああっ!!」

泉「ほら、はよ切りや…」

マホ「ありがとうございます」トン

泉(はぁ、うちもお人好しやな…。でも、2年前の私も、あの時の3年生から見たらこんな危なっかしい感じやったんかな…)

泉(チョンボで点棒もらっても嬉しくあらへん、実力でもぎ取ったるからな)メラメラ

マホ(ううっ、最近はチョンボなんてしてなかったのに、どうして…)

友香(フェアプレー、すばらでー!)トン

ハオ(まったく千里山。そのまま黙っていれば良かったのに)トン



泉「リーチ一発ツモ、三色ドラ1。跳満や!」

マホ「うう、親っかぶりです…」

泉(そうか、これが先輩方の言っていた3年ブースト。そうや、最後のインターハイなんや、やったる!)

ハオ(……流れは千里山ですか)

友香(次は私が上がるんでー!)

-東4局
-親:友香

友香(千里山の調子がいいみたい、でも私だって負けられないんでー)

友香「ポン!」

友香「それもポンでー!」

泉(劍谷っ。2年前は船久保先輩が、あんなんバカヅキやって言とったけど…)

友香「ツモ、トイトイドラ4。跳満でー」

泉(こいつのツキは本物やっ。負けてられへん)

ハオ(親の跳満…。清澄だけのマークでは済まないようですね…)

マホ(うう、最初に上がってから全然テンパイもできません…)

-東4局1本場
-親:友香

泉(さて、臨海が大人しいのが気になるけど…)

マホ(やっとテンパイです。でもこれはカン材があるからダマで嶺上開花を狙えそうです!)

泉(清澄、張ったか?)トン

友香「リーチでー」タン!

泉「乗ってんなぁ…」

マホ「それ、カンしますっ!」

友香(うっ、嶺上開花でー?)

マホ(これでツモれます)

【でも、こんなペンチャンなんてツモれるはずないです…】

マホ「えっ…」

マホ(なんで、咲先輩の真似をしたはずなのに…)

マホ(うう、役無しになってしまいました…)トン

泉(…ん、嶺上開花やない?)

ハオ「ロン、5200の1本場」

マホ「あ、はい…」ショボン

友香「あー、リーチが潰されたんでー!」

泉(臨海、やっぱ侮れんか…)


-前半戦 東場終了

清澄   111500 (-16500)
臨海    96600 (- 2500)
千里山   92700 (+ 5000)
劍谷    99200 (+14000)

今日はここまでです

>>137
じっくり…。日常パートは小ネタでカバーできたら、いいなぁ
最終回見るまでは中堅は憧のままにしようと思いましたが、穏乃の方が書くのが面白そうなのでそうしました

-南3局
-親:マホ

マホ(マホ、ぜんぜん上がれません。また振り込んじゃったし…)

マホ(でもここは、スーパーまほっちで連荘を狙いますっ)

【でも、エトペンがいなくて和先輩の真似なんて…】

マホ(うう、またっ…)トン

マホ(さっきから嫌な感じがします。何をやっても失敗するみたいな予感……)


-清澄控え室

和「…マホ、大丈夫でしょうか」

京太郎「東1で上がれたけど、そこからは良いところがないからな」

ムロ「普通に麻雀を打っていればよくあることですけど…」

咲「でも、なんだろう。あの東1にも違和感があるけど、なんかちょっとヘンだよ…」

優希「マホ、頑張れ!」

和「この局に限っては、どうも牌効率が悪くなる方ばかり切っている感じですね」

-対局室

マホ(うう、さっきから裏目ってばかりです…)

泉「リーチ」タン

マホ(…うう、先制されました。オリですね)

【親番なのに、オリなの?】

マホ(………なんですか、さっきから。自分の声のようなのに、自分の気持ちとは反対に持っていかれるみたいです)

マホ(でも、親番だから少しでも稼がないとダメですよね)

マホ「チー」タン

泉「それや、ロン! 12000」

マホ(うう、やっぱりオリないとダメでした…)ショボン

-観戦室

えり『千里山が清澄に跳満直撃、これで千里山が逆転で1位になりました! 清澄高校、4位臨海に対しても、もう1300点差しかありません』

咏『うーん、いくら親でもあれはオリないとダメだよね。ちょっと冷静じゃないのかもねぃ』

洋榎「ああもう、何やっとるんや、マホ。そんな手牌でリーチに突っかかってどないするねん!」

春「…あんな手牌になる時点でもうどうかしてる」

洋榎「なんやよく分からんが、そっちやないやろって牌ばっかり切っとるからな…」

春「2回戦ではこんな調子じゃなかったよね………」

洋榎「多分、臨海がなんか仕掛けとる」

恭子『仮説を教えてもらえますか? ある程度条件を絞れば現状でも解析はできるかもしれません』

洋榎「いや、これは解析とかそういうレベルやないかもしれん…」

ハオ『ロン、5200』

マホ『はい……』

えり『臨海のハオが清澄から直撃。これで清澄はついに最下位転落です。これで中堅戦前半終了しました』

洋榎「マホ、落ち着け…。自分を見失ったらアカン」

洋榎「…くそ、声かけるタイミングがあればええけど」


-中堅戦 前半終了

清澄   89100 (-38900)
臨海   98200 (-900)
千里山 110900 (+23200)

劔谷  101800 (+16600)

-ホール

マホ「……ううっ、どうして。一生懸命コピーしようとするのに、全部裏目に出ちゃいました」

優希「マホ!」タタタ

マホ「優希先輩…。ごめんなさい、先輩が稼いだ点棒を全部取られちゃいました」グスン

優希「心配しなくてもいいじぇ、マホ。私が1年の時は、私だってマホみたいにいっぱい点棒を取られたもんだじぇ?」

マホ「でも……」

優希「それでも優勝してるんだから、あとはのどちゃんと咲ちゃんがなんとかしてくれると思ってドーンと構えていればいいんだじぇ!」

マホ「でもマホ、いろんな人の真似をしようとしても、全然上手くいかなくて」

優希「そんなもの、部活で慣れっこだじぇ!」

優希「マホのコピーがいつも上手くいくなら、マホは部活で毎局1位でじぇ」

マホ「……そうですよね。マホ、いつも全国クラスのすごい先輩たちと打ってるんですよね」

マホ(それに、プロの先生に教えてもらってるんです。このくらいのことでヘコたれたらダメです!)

マホ(でもやっぱり、さっきの対局は変でした。まるで、心に重りを付けられたような…)

優希「よし、じゃあこのタコスを食って元気を出すじぇ!」

マホ「ありがとうございます。タコスぢから全開で頑張りますっ」


洋榎「よりによってタコスぢからとか…」

春「……東1で上がっちゃう」

洋榎「なんや、ついてきたんか」

春「気になったから」

洋榎「とにかく東1で上がるのは止めさせんと」

マホ「じゃあマホ、頑張ってきますっ」タタタ

優希「おう、頑張るんだじぇ!」

洋榎「ああもう、行ってもうた…」

春「劔谷は東1で上がったらダメって気づいてる。千里山が上がってくれればいいけど……。ところで…」

洋榎「ん、なんや?」

春「……本当に言わなくていいの、今回のこと?」

洋榎「くどいな。やから必要ないって言うとるやろ」

春「………………」

-臨海控え室

ネリー「ハオ、お疲れさま」

ハオ「点棒維持で精一杯で申し訳ない」

ネリー「全然大丈夫だよ。それにしても、全国に入ってから打ち方変えた?」

ハオ「…いえ、別に」

ネリー「ならいいけど。さっきの東1、わざと清澄に差し込んだように見えたから」

ハオ「あんな早い順目の2軒リーチ、当たったら事故です。それより、監督たちは?」

ネリー「昼ごはん買いに外に出てるよ」

ハオ「そうですか、じゃあ後半戦に行ってきますね」

ネリー「うん、頑張れー」

ネリー(……ああは言ったけど、やっぱり違うような気がする)ウーン

-中堅戦 後半戦開始

東 森垣友香(劍谷)
南 ハオ・ホェイユー(臨海)
西 夢乃マホ(清澄)
北 二条泉(千里山)

友香「よろっ!」

ハオ「よろしくお願いします」

マホ「よろしくお願いしますっ」

泉「よろしゅう」

友香(やっぱり2回戦で感じた通りだったんでー。臨海、今までの牌譜はあまり気にしないで打たないと痛い目を見そう…)

ハオ(現在3位、それでも副将大将のことを考えると、引き続き警戒すべきは清澄か?)

マホ(今度こそ頑張ります、少しでも取り返さないと…)

泉(この1年、気合を入れなおしてきたようやけど、どんなもんやろな。気合だけじゃ超えられない壁もあるんやで…)

今日はここまでです

準決勝が終わったら全国編で小ネタ予定です
「へ」と「ほ」が浮かばない…



「へ」……変態仮面とか?「ほ」なら本じゃね

-東1局
-親:友香

友香(また配牌1向聴でー…。立ち親だけど、ここは上がれない。安牌抱えて振らないようにするしかない、かな…)タン

友香(ストレスたまるんでー!)

ハオ(……劔谷は完全に警戒している、か。親が連荘を避けてくるならそれで構いませんけど)トン

マホ(タコスぢから全開ですっ!)ゴゴゴ

マホ(さっきの重い感じもないですし、配牌1向聴。頑張りますっ)トン

泉(また配牌1向聴…。前半戦、劔谷はなぜか上がり放棄しとったらしい。何かあるんか、この東1?)トン


-観戦室

洋榎「劔谷は最初っから上がる気無しか。泉も様子見ってところか?」

春「このままだとまたマホが上がる…」

えり『劔谷の森垣、配牌1向聴を崩してきましたね…』

咏『まあ、何か感じるところがあるんじゃね、知らんけど』

えり『清澄の夢乃、わずか2巡でテンパイです。ここはリーチでしょうか?』

マホ『リーチですっ』

咏『まあ普通はそうすると思うよ。ここまでの傾向だって、ただの偶然かもしれないしさ』

えり『傾向、ですか?』

咏『臨海のハオに対して東1で上がると、その後一切上がれなくなる傾向』

えり『…確かに、2回戦の前半は劔谷の森垣が東1を上がってその半荘はその後上がりなし。後半は新道寺の友清が東1を上がってやはり上がりなし』

咏『そんでこの準決勝でも、マホちゃんが東1を上がったけど、上がりなしなんだよねぃ』

えり『偶然か、必然か。どう考えるか、ですね…』

洋榎「実際に対局した劔谷が、東1を避けとる。そういうことなんやろうな…」

春「……あ」

マホ『ツモ、6000、3000です』

洋榎「これで偶然やったらええけど、そうは問屋が卸さへんやろうな」

-東2局
-親:ハオ

ハオ(清澄が上がりましたね…)

ハオ(全国大会の直前で何の前触れもなく、私はある力に目覚めてしまった)チラ

マホ(うう、せっかく上がったのにヒドイ配牌です…)

ハオ(これで清澄はこの半荘、自らミスを繰り返し上がりを逃す)

ハオ(かといってそれで私の手牌が良くなるわけでもないけれど…)

マホ「ポンですっ」

ハオ「…ロン、タンヤオドラ1。2900」

マホ「あ、はい…」

ハオ(一人上がれない人がいれば、相対的に自分の収支が良くなる。前半戦のように他の二人が調子が良ければ現状維持で終わる可能性もあるけれど…)

ハオ(この後半は、稼ぐっ)

マホ(うう、またこの重い感じ。コピーが上手くいかないです…)

-東4局
-親:泉

-清澄控え室

咲「やっぱり。マホちゃん、コピーが上手くいってない…」

ムロ「マホのやつ、緊張してるのかな…」

和「…麻雀は最善を尽くしても負けることのある競技ですが。今日のマホはミスが多すぎます。まるで中学の時に戻ってしまったかのようです」

京太郎「うーん、なんかどんどん自分で悪い方に向かってる感じだよな…。優希、お前励ましてくるってちゃんとやったのか?」

優希「東1はちゃんとタコスぢからで上がってたじぇ。それにちゃんと励ましてきたじぇ、失礼なっ」

咲「準決勝は2位抜けだからいいけど、決勝までにはなんとかしないとね…」

咲(上がれないときだって普通にある、そのときどうするか。マホちゃん、実戦の中で気づかないといけないことだって、あるからね…)

友香『ロン、6400でー』

マホ『あうぅ…』

和「なぜあの手牌からあの牌を切るんでしょうか…。後で反省会ですね」

ムロ「これで東1の上がりの分を全部出しちゃいましたね…」


-中堅戦 後半戦東場終了

清澄   89700(-38300)
臨海  104400(+5300)
千里山 108400(+20700)
劔谷   97500(+12300)

-南3局
-親:マホ

マホ(親番。ここまでいいところがなかったけれど…)

マホ(この親で頑張らないとっ)グッ

ハオ(どんなに気合を入れようとムダですよ…)

マホ(……でもどのコピーも上手くいきませんでした。誰を真似したら)ウーン

マホ(ここはっ!)

マホ「失礼しますっ」ハラリ

友香(リボンをほどいた?)

泉(でも結び直してる? いや、この髪型、これはどこかで…)

マホ「……サイコロ回して頭も回します!」

——考えうる最悪を想定する、そしてそうならないようにどうしたらいいか考える。それだけです

マホ(末原さんの戦い方を、先生にネットで見せてもらいました。特別な力なんてなくても、咲先輩に立ち向かってました)

マホ(コピーが上手くいかないなら…。マホ、自分の力で少しでもなんとかしてみせます!)

泉(思い出した、これは姫松におった末原さんや)

マホ(今のマホに求められていること…)

【少しでもこの親番で稼がないと…】

マホ(…違います。いまトップとの差は4万点近く…。これ以上離されないように、オリる基準を引き上げます)

【配牌は悪くない、頑張れば上がれるかもしれない】

マホ(やっぱり心に重しを付けられたみたいに感じる。でもこの声に従ったら、きっとマホは誰かのリーチとかに突っ張って余計な失点をしてしまいます)トン

泉(末原さんを真似たってことは、速攻を仕掛けて連荘しようって腹か? そうはいかへんで)

泉「チー」トン

泉(ラス親に向けて、悪いけどこの親は軽く流させてもらうで。清澄の1年)

友香(2回戦前半。私は嫌な予感がどんどんして振り回された…。この清澄の子にも、同じことが起こってるはず。でも、この局に関しては吹っ切れたように見えるんでー)トン

ハオ(……ん、清澄の雰囲気が変わった?)トン

マホ(鳴ける牌…。でも鳴きません)

マホ(誰かにツモられて親っかぶりするかもしれません。でも、振り込むよりはマシなはずです)トン

泉「チー」

泉(さって、2鳴きでテンパイや。悪いけど、早上がりするのは私や)トン

友香(っと、ドラが流れてきた。鳴かなければ千里山はこのドラを使えたのに…)トン

ハオ(このままでは千里山に軽く上がられてしまう。清澄が振らないにしても、もう少し高い手で親っかぶりさせたいですが…)

マホ(千里山2副露……。親だけど、もう牌は絞ります)トン

泉「ツモ、タンヤオのみ。300、500」

泉「よし、オーラスや」

マホ(……上がれなくても、これでいいはずです)

ハオ(清澄…。上がれないにしても、被害を最小に抑えた? やはりやっかいですね…)

-南4局
-親:泉

-観戦室

洋榎「マホ、あそこで恭子を選ぶとか、やるやん」

春「………もうマホの失点がマイナス5万点くらいになる」

洋榎「仕方ないとはあんまり言いたくあらへんけど。これが準決勝でまだ良かったやろ」

春「でも……」

洋榎「とにかく、漫がパソコンを持ってくるからな。それで明日中に解析してやればええ話や」

春「………」

友香『ツモ、倍満でー!』

えり『オーラス、上がったのは剱谷の森垣。倍満炸裂です』

咏『2年前もそうだったけど、やっぱり友香ちゃんはデカイの上がるよね。私はこういう打ち方大好きだよ』

えり『中堅戦開始時には3万点以上リードしていた清澄ですが、終わってみれば逆に3万点以上を追いかける展開となってしまいました』

咏『ただまあ、清澄はこのあと控えてるのは原村和に宮永咲だからねぃ。どうやって追いかけるのか、楽しみでもあるね』

洋榎「さて、じゃあ激励に行ってくるか」

春(…本当にそれでいいの、洋榎?)


-全国大会準決勝
-中堅戦終了

清澄   75200(-52800)
臨海  108100(+9000)
千里山 109300(+22800)
劔谷  111400(+28000)

-intermission_5(全国編)

【は:牌に愛された子】

咲「テレビで私のこと、牌に愛された子とか言われるんだけど…」

穏乃「そうだね。私は言われたことないけど」

咲「でも、穏乃ちゃんと打つと、嶺上開花できなくなっちゃうよね」

穏乃「まあね、山は私のテリトリーだからね」ドヤ

咲「それってつまり、穏乃ちゃんは私と牌の仲を邪魔するお邪魔虫ってことだよね?」

穏乃「えぇ…。そういう言い方されると悪いことしてるみたいだなぁ…」

咲「馬に蹴られて死んじゃうよ?」真顔

穏乃「……き、気をつけるね」カタカタ

【ひ:人の恋路】

咲「山を支配するのはいいけど、嶺上牌だけテリトリーから外してくれたらいいのになぁ。人の恋路は邪魔したらいけないと思うな…」

穏乃「いや、そもそも咲の牌への愛はそんなものなの!?」

咲「…どういうこと?」

穏乃「私は山を愛してる。じゃあ咲は牌のこと、麻雀のことを愛してるの!?」

穏乃「和から聞いたよ。昔は『私、麻雀好きじゃないんです』とか言ってたって」

咲「」ガーン

咲「そんな、じゃあ私はどうしたらいいのかな…」カタカタ

穏乃「そんなの簡単だよ、もっと麻雀を、牌を好きになったらいいんだよ」

咲「そっか。じゃあやってみるね」

咲「三連覇は私たちの一大目標です」営業スマイル

咲「そのためにも、明日の準決勝は負けられません」営業スマイル

咲「あっ、あとついでに、麻雀が大好きです」営業スマイル

咲「…どうかな?」

穏乃「お、おおぅ……」

【ふ:深い理由】

数絵「阿知賀は個人戦には出ないんだな、もったいない気もするけれど…」チー

穏乃「うーん、私はやっぱり団体戦の方が好きだから」ポン

憧「まあ、ちえは『一人でなんて打てません…』なんて言ってたけどさ」

数絵「そういえば、ちえちゃんはどうして晩成に入らなかったの? 私は一人っ子だから実感はないけど、姉と同じ学校に行こうとは考えなかった?」

ちえ「はうっ。晩成に入らなくてごめんなさい…」カタカタ

数絵「いや、別に謝らなくてもいいけれど」

ちえ(だって……)

 ◇ ◇ ◇

やえ「私は小三の頃からマメすらできない!」

ちえ(どうしよう、私、マメなんて出来たことない…。きっと私がニワカだからだ)カタカタ


やえ「お見せしよう、王者の打ち筋を!」リーチ

ちえ(どうしよう、その牌でロンできるけどそしたらお姉ちゃんのカッコイイ王者の打ち筋が見られなくなっちゃう)カタカタ


やえ「ニワカは相手にならんよっ」

ちえ(どうしよう、いまさらそもそもニワカってどういう意味なのかなんて聞けない)カタカタ


ちえ(私なんか晩成に入っても、きっとお姉ちゃんの妹ってことで過剰な期待をされちゃう…)

ちえ(お姉ちゃんと同じ学校に憧れてたけど…。でも、ダメ。私はニワカだから…)

ちえ(ニワカの意味は分からないけど、とにかく私はニワカなんだ……)

 ◇ ◇ ◇

ちえ「ニワカでごめんなさいぃぃ」エーン

数絵「そんなにひどい質問した?」ガーン

憧「…いつものことだから。お姉ちゃんが大好きすぎて、どうしても自分がニワカにしか思えないんだって」

数絵「それはなんというか、難儀ね…」

【へ:変態仮面】

和「なんでもインハイ会場周辺で変態仮面というのが出没しているらしいです」

優希「それは大変だじぇ! そいつの特徴は分かっているのか?」

和「よく分からないのですが、パンツというものを頭からかぶっているらしいのです」

咲「パンツ、なにそれ?」

マホ「マホ、分かりません…」

ムロ「頭からかぶっているってことは、帽子か何かってことでしょうか?」

ガタッ

変態仮面「ふははははははーー」

咲「え、いやぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ◇ ◇ ◇

恒子「っていう感じのドッキリを企画してるんだけど、どう、すこやん?」

健夜「なんでその話が私に来るの、イヤだよ!!」

【ほ:本の虫】

マホ「東京への移動の電車の中でも、先生の本を読んで勉強です!」

咲「マホちゃん、熱心だね」

マホ「はい、マホ頑張ります」

咲「ところでその本…」

マホ(あっ、見せても大丈夫ですよね…)

マホ「本屋さんで買った麻雀の本ですけど」

咲「へー、そうなんだ…」

咲「どこの出版社?」

マホ「え、出版社ですか? 分かりません」

咲「じゃあISBNは?」

マホ「えっと、なんですかそれ?」

咲「本にはISBNって、本を特定するコードが付いてるんだけど」

マホ「っていうかなんで本の内容じゃなくてそんなマニアックなところから質問してくるんですか…」

咲「え、だって本のことならなんでも知りたいから」ニッコリ

マホ(…この本は咲先輩にはもう見せない方が良さそうです)カタカタ

今日は以上です。小ネタは咲さん風味になってしまった…
「へ」とか、自分には安価スレは無理だなと思いました。あんなの即座にさばくなんて無理ですわ

ま行はまだ考えてませんので、リクなどあればお願いします
では、また

逆に咲世界における変態ってなんなんだろうな?

「め」メゲてる末原さん、お願いしやす!

何気に咲と穏乃の絡みって貴重だから癒される

【ま:待った無し】

久「いいの、その手で?」

京太郎「いいっすよ」

久「じゃあここに角打っちゃうけど。王手」パシ

京太郎「げ、王手飛車取り。ま、待った!」

久「えー、待った使うの? 1待った=1パシリよ?」

京太郎「今更パシリくらい安いもんです」

マホ「将棋ですか」チー!

和「脳トレにいいのよって言ってましたけれど」

咲「また何かの雑誌とか見たのかな?」カン

優希「まあ卓が一つしかないから暇つぶしにはいいかもしれないじぇ!」リーチ!

咲「あ、それもカン!」

優希「へ?」

咲「ツモ、嶺上開花」

優希「じぇぇ! 1パシリしてくるから、今の待った!」

和「麻雀にそんなルールありませんよ…」

【み:みくみくにしてあげる?】

マホ「この前友達とカラオケに行ってきたんですが」

憧「うん、それで?」

マホ「私の知らない曲が結構あって…」

憧「まあ、全部知ってるってのは難しいし、要はみんながノリノリになって楽しめればいいのよ」

マホ「それで、初音ミクさんって人の曲は知ってますか?」

憧「あー、ボーカロイドかぁ。私は守備範囲外だなぁ、漁るとキリがないし」

マホ「ボーカロイド??」

憧「簡単に言うと、音声ソフトが歌ってくれるのよ」

マホ「あ、じゃあ初音ミクさんって人はいないんですね」

憧「そういうこと」

マホ「良かったですぅ。友達に『ミク知らないの、これはみくみくにされるわ』って言われて…。てっきりミクさんが家にまで来て、マホのことをみくみくにするのかと思いました」

憧「そ、そう…」

マホ「しかも知らないのが悔しかったので、勢いで『じゃあ、マホがマホマホにしてやります!』って大見得切っちゃったから不安で不安で」

憧「知らないときは素直に言おうね!」

【む:昔のこと】

久「それにしても、選手じゃないと控え室に入れないのはつまらないわねぇ…」

久「せっかく準決勝から休みをもらって応援にきたっていうのに」


洋榎「あそこにおるの、久か…」

春「…席外そうか。もう中堅戦は終わったし」

洋榎「ああ、せやな…」

春「久も、洋榎のことは忘れてるんでしょ?」

洋榎「ああ、マホが聞いたけど忘れとったらしいで」

春「……2回戦で負けたのは悔しかったけど。それでも、あの2回戦は楽しかった」

洋榎「久が初めから本気やったら、どうなっとったか分からへんかったなぁ」

春「胡桃は、流石にここにはいないかな?」

洋榎「春先に連絡した時には、岩手の大学に行っとるってゆうとったで」

春「そう……。せめて個人戦の中継だけでも見ててくれたらいいかな」

洋榎「………はぁ、こんなセンチなのはウチには合わん。もっと楽しい話しよか」

春「じゃあ鬼界あるあるを」ニコ

洋榎「却下!」

【め:メゲルな末原さん】

恭子『なんで由子や漫ちゃんは実体化して、私はドット絵なんですか…』

洋榎「そんなんウチに聞かれても知らんし。このガラケー、一昔前のやしなぁ」

由子「ドット絵の恭子も可愛いのよー」

漫「先輩がドット絵のおかげで私のデコは今日も平和です」

恭子『くっ、なんという屈辱…』

漫「逆にデータいじくるとかすれば、末原先輩のデコのデータを書き換えられるかもっ」

恭子『漫ちゃんにそんなことできるわけあるかいな』

洋榎「ん、デコ書き換えるアプリやったら入っとるで」

漫「ほんまですか、さすが主将ですわ!」

恭子『なんでそんな意味のわからないアプリ入ってるんですか。だったら解析用のアプリをもっと充実した方がええでしょ!』

洋榎「えー、別に容量なんて微々たるもんやろ。それより遊び心を大切にせんと息が詰まってまうで」

由子「さすが洋榎なのよー」

漫「じゃあ早速書き換えましょうよ」ワクワク

恭子『漫ちゃんにデコを汚される…。メゲるわ…』

-なお、無料試用期間が終わっていた模様

【も:モノクローム】
※これだけ小ネタじゃないです


 ◇ ◇ ◇

視界が赤い

ああ、ウチ死ぬんか…
なんや、死ぬなんてあっという間やな

赤だけの世界に、耳に届く音の全てが崩壊していく

「洋榎、どうして!?」

あー、何言っとるか分からへん…

ああでも、かろうじて濃淡だけは分かるわ
だからそんな悲しそうな顔せんでええよ、春…

口をかすかに動かしてみるけど、ちゃんと言葉になっているか分からない

赤色のモノクロームも、次第にぼやけていく
はぁ、最後にからあげでも食いたかったなぁ…



そして、今度は灰色の世界をさまよって……



次に光を得た時には、そこは単色ではなく、色に彩られた世界だった

「はわわ、なんですか!!」
「おわ、ここどこや!?」

目の前には、清澄の制服を着たまだあどけなさの残る女の子がいて

「プロがマホの部屋にいるはずないです! ドロボーさんですか」
「マホ? それにその制服…。あー、そうか。お前が久がゆうとった面白い1年か?」

今のウチに実体はない
けれど、なぜか胸が高鳴るのを感じた

あの久が面白いってゆうんやからな、楽しみやないか

絹にさえ、背中を見て覚えろってあんまり教えてこなかったけど…
この愛宕洋榎がコーチングするんやからな、しっかり覚えるんやで!

今日は小ネタのみです
次回から本編の続きです

最後の「も」は、ネタが無かったので本編の補足みたいな感じになりました…
ではまた

>>168
一ちゃんやはっちゃんがセーフなんだから厚着する事じゃね

厚着が変態だと、宥姉はド変態じゃないか!
小ネタも「宥姉」で行けますね

「ゆ」なら「宥トピア」でオナシャス!

つまり「ゆ」の小ネタをまとめると…

ド変態の宥姉が楽園を築く

ということですね。…うん、どういうこと?
あれか、厚着が変態なら、ロングスカートにした咲さんはより大胆な格好になったということか。普通に短編の1本でも書けそうな感じだなぁ

とりあえず本編投下します

-中堅戦終了後
-廊下

マホ「……はぁ。これが全国の厳しさなんでしょうか」ショボン

洋榎「マホ、散々やったなぁ」

マホ「あ、先生…。マホ、全然あがれませんでした。たくさん、振り込んじゃいました…」

洋榎「何がアカンかったか、分かるか?」

マホ「あの、言い訳に聞こえちゃうかもしれないんですけど」

洋榎「とりあえず気にせんとゆうてみ?」

マホ「心に重りがつけられたみたいに感じたんです。行かないといけないところで、躊躇したり。コピーしても失敗するするイメージが浮かんできたり。逆に降りるべきところでツッパったり…」

洋榎「……そうか。なかなかメンドくさいことになりそうやな」

マホ「最後の親は、その心の声が私にツッパってほしそうだったので無理やり上がり放棄しましたけど…」

洋榎「それで恭子の真似やったわけやな。なかなか分かってきたやん」

マホ「怒らないんですか?」

洋榎「いや、初見にしてはよく対応したほうやろ」

マホ「初見? もしかして、これも誰かの能力なんですか?」

洋榎「詳しい解析は明日にでもやったるけど、妙なこと仕掛けてきたのは多分臨海のハオや」

マホ「ハオさん、ですか…。でも、対局中に変なことはありませんでしたよ」

洋榎「後で牌譜見せたるけど、ハオに対して東1で上がると心に枷がかかるんやろ」

マホ「心に、枷……」

洋榎「東1ではハオは5向聴やったけど、他の3人は1向聴やった。完全に撒き餌やな、でもこれに食いついたらハオに捕られられてしまうわけや」

マホ「じゃあ、東1で上がらなければいいってことですか?」

洋榎「多分な。2回戦で臨海と対局した劔谷の森垣。あいつは東1をあえて上がり放棄しよった。感じるところがあったんやろうな」

マホ「そうだったんですか。でも心の枷だなんて、どう対応すればいいんでしょう…」

洋榎「まあそれは、明日恭子に解析させる。とりあえず今のところは先輩の応援したり」

マホ「はいっ。たくさん失点しちゃったから、応援で頑張ります!」タタタ

洋榎(臨海が落ちてくれればええんやろうけど、まあそういうわけにもいかんやろうな…)

-副将戦終了
-観戦室

清澄   79900(+5700)
臨海  136100(+29000)
千里山  65500(-42800)
劔谷  118500(+8100)

えり『副将戦終了。千里山が大失速、大きく稼いだのは臨海。三連覇を狙う清澄高校は2位劔谷と4万点弱とかなり苦しい展開となりました』

咏『うーん、清澄の原村ちゃんは悪い癖が出ちゃったかなぁ。まあ失点するよりはましなんだろうけど、もう少し押しても良かったけどねぃ』

えり『休憩を挟んでいよいよ大将戦です』


久「まさかこんなところで春に会えるとは思わなかったわ」ポリポリ

春「個人戦だけだけどね。永水は姫様のために団体戦に出てたようなものだから…」ポリポリ

久「久々に食べるけど、やっぱり美味しいわね」ウンウン

春「それが自慢…」

春(結局途中で久に見つかって、洋榎はどこかに行ってしまった…)

久「それにしても、見てるだけってのもストレス溜まるわね…」

春「清澄、厳しいね…」

久「何言ってるの、大将はあのインハイチャンプの咲よ。このくらいの点差楽勝よ」

春「でも、臨海のネリー相手にこの点差は厳しい」

久「まあ準決勝に限れば2位通過でも問題無いしね」

春「それじゃ決勝が…」

久「んー、それはマホちゃん次第かな…。あんなに失点するとは思わなかったから」

春「やっぱり、そうだよね……」

春(……夢乃マホ。今日勝ち抜けたとしても、明後日の決勝でもあんな感じだったら、清澄は優勝できない)

久「ああ、それと胡桃が、春によろしくねって言ってたわよ」

春「え、胡桃が?」

久「今は岩手の大学にいるけど、インターハイで誰が出るかくらいはチェックしてるらしいわよ。それで春の名前を見つけたからって」

春「直接連絡は取ってないけど、覚えててくれたんだ…」

久「ふふ、なんなら連絡先を教えてあげるわよ」

春「あの時の4人で、また会えるといいね」

久「4人?」

春「……っ、なんでもない」

春(そうだった。久も、それに胡桃も、もう洋榎のことは意識にない。言えば思い出すんだろうけど、すぐに忘れてしまう…)

春(洋榎は言う必要ないって言ってたけど、やっぱり……)

久「どうしたの、春。そんなに思いつめた顔して?」

春「……黒糖が切れた」

久「それは死活問題ね」

春「ところで、久はこのあと清澄のみんなに会いにいくの?」

久「もちろんそうよ。春も来る?」

春「」コクリ

久「分かったわ。みんなに御飯でもおごってあげようかと思ってたから、春も好きなもの食べていいわよ」

春(……夢乃マホに会う口実はできた。洋榎、悪いけど、私には黙っているなんてできない)

-清澄控え室

マホ(まずいです、まずいです……こんなに点差があるなんて……)アワワ

咲「心配しなくても大丈夫だよ、マホちゃん」

マホ「でも…」

和「戻りました」

優希「おう、のどちゃんお疲れだじぇ」

ムロ「お疲れさまです」

京太郎「配牌もツモもイマイチだったな」

和「こればかりは仕方ありません。最善は尽くしましたが…」

マホ「マホがあんなに失点したから…」カタカタ

和「世間でマホのせいだと言ったとしても、仮にここで負けたとしてもみんなの責任ですよ」

咲「大丈夫だよ、このくらいなんとかしてくるからね」

マホ「咲先輩…」

優希「咲ちゃんは今までもいろんなピンチを乗り越えてきたんだ、だから泥船に乗ったつもりでいればいいんだじぇ!」

京太郎「泥船じゃねぇよ、大船だよ」

ムロ「泥船じゃあ沈んじゃいますよ…」

優希「まあ、とにかく、すごい船に乗ったつもりでいたらいいんだじぇ!」

咲「あはは…。まあ、そういうことだから応援しててね」

マホ「はい、応援頑張ります!」

-大将戦オーラス
-清澄控え室

臨海  131100(-5000)
清澄  101200(+21300)
劔谷  115000(-3500)
千里山  52700(-12800)

東 ネリー・ヴィルサラーゼ
南 宮永咲
西 安福莉子
北 千里山


-親:ネリー
-ドラ:9ソウ

和「逆転するには、劔谷の安福さんに7700以上直撃、ツモなら跳満、他から出上がりなら倍満必要ですね」

ムロ「千里山はもう敗退確定ですね…」

京太郎「咲が相手となると、劔谷の方は生牌は切ってこないだろうな…」

優希「でも生牌なんて分かってても絞れるもんじゃないんじゃないか?」

マホ「でも…」

咲手牌:����������七西西

莉子手牌:����三四五34599西

マホ「もしかしたら�ピンは切るかもしれませんけど、�ピンは切らないですよね…」

ムロ「西も抱えてるし、生牌は徹底して切らないつもりじゃないか?」

優希「直撃が無理となると、ツモって跳満狙いか?」

ネリー:打 西

咲『……』

マホ「鳴かないんですね」

和「オタ風ですし、鳴くと手が限定されてしまいますからね」

咲:ツモ 九
咲手牌:����������七九西西

京太郎「�ピンをカンして嶺上開花か!」

和「…いえ、それでは役が足りません」

優希「それだと嶺上ツモ三暗刻で満貫止まりだじぇ」

ムロ「とりあえず七萬あたりを切って混一を目指すんでしょうか?」

咲『カン』

和「え?」

京太郎「あれ、役が足りないんじゃないのか?」

咲:ツモ 九/打 七
咲手牌:������九九西西 [����]

優希「おお、トイトイ三暗刻だじぇ」

ムロ「ツモなら四暗刻で逆転。他からの出上がりはできませんけど」

莉子:ツモ 9
莉子手牌:����三四五345999西

莉子『……』

京太郎「劔谷もテンパイか…」

和「�ピンは生牌ですが、西は臨海のネリーさんが切ったばかり」

優希「咲ちゃんに�ピンは切れないじぇ!」

莉子(いけるよね…)

莉子:打 西

咲『ロン、トイトイ三暗刻です』パタ

莉子『あっ、また……』

えり『清澄高校、宮永。満貫直撃で逆転です!』

咏『さすがねぇ、きっちりまくってきた』

優希「やったじぇ、さすが咲ちゃん!」

マホ(…良かった。でも、マホが決勝も同じことを繰り返したら、優勝なんてできない……)

ムロ「マホ、とりあえず今は喜ぼうな」

京太郎「そうそう、決勝で頑張ればいいからな」

マホ「そうですよね…」

和「じゃあ、咲さんを迎えに行きましょうか」

-観戦室

久「なんとかギリギリ2位通過ね。心臓に悪い…」

えり『準決勝Aブロックは、ご覧のように臨海女子、清澄高校が勝ち上がりました』

咏『なかなか、最後の逆転はしびれたねぃ』

えり『インハイチャンプの名は伊達ではないということですね』

咏『でもどうかなぁ、嶺上開花で決められなかったところを見ると、さすがの咲ちゃんも苦しかったんじゃない。知らんけど』

えり『いつも嶺上開花で上がっているわけではないですよね、確かに回数は多いと思いますが』

咏『ま、そうだねぃ。その辺は本人に聞いてみないとわっかんねー』

えり『それでは、まずは1位通過の臨海女子のインタビューです』

春「…とりあえず、おめでとう」

久「でも、三尋木プロの言う通りね。本当なら嶺上開花で上がってもおかしくない手だった」

春「生牌をマークされると明カンは厳しい……」

久「そうなんだけどね。そもそも生牌をマークされる状況になるってのがね…」

春「宮永咲に対して明カン警戒はもう当たり前になってるから……」

久「……まあ、今回みたいに点差がなければ問題ないと思うけどね」

春「じゃあやっぱり、中堅次第ってこと?」

久「さすがにマホちゃんがプラマイ0くらいにはしてくれないと、いくら和と咲とはいえ、挽回は難しいでしょうね…」

春「…………」

今日はここまでです

ビッグガンガン買いましたが、咲日和落ちてましたね。咲関連の新作の続報もパッと見ありませんでしたし…
とりあえず、来月の本編を楽しみにしておきましょう

小ネタはあと「やゆよ」「らりるれろ」「わをん」ですが、「をん」ってどうしよう…
リクは可能な範囲で受け付けますのでよろしくお願いします

おやすみなさい

乙ー
またオーラスに直撃をくらってしまった安福さんェ……

小ネタで安福さんェを救済してあげてください

-夕食会

久「まだ祝杯をあげるには早いけど、とりあえず決勝進出おめでとうってことで」

久「カンパーイ!」

カーン オメデトウ アリガトウゴザイマス

優希「おお、さすが先輩だじぇ、タコスのある店をリサーチ済みとは!」ウマー

久「探すの苦労したんだからね」

数絵「それにしても、私が来ても良かったのかしら…」

春「そんなことを言ったら、私も場違い…」

数絵「竹井さんつながりで?」

春「」コクリ

数絵「個人戦で戦うことがあれば、よろしく」

和「それにしても、まだ個人戦開始には日にちがありますけど、滝見さんはずいぶん早く東京に来たんですね」

春「……観光も兼ねて」

優希「おお、じゃあ明日は観光に行こうじぇ!」

ムロ「いや、明日は午前中はみんなで今日の反省会と決勝の対策会議ですけど」

優希「そんなのつまんないじぇ」

咲「ダメだよ優希ちゃん、せめて明日の先鋒戦くらいは見とかないと」

マホ「中堅戦はお昼すぎですよね」

久「ふふ、マホちゃんには中堅にふさわしいプログラムを用意してるわよ」

マホ「プログラム?」

久「ここに私がいて春がいて。そしてスペシャルゲストを呼んだからね」

和「……あまりマホに無茶なことはしないでくださいね」

久「大丈夫、マホちゃんに無茶なんてさせわないわよ」

咲(……じゃあ、誰が無茶してるんだろう?)

-仙台

塞「突然電話してきたと思ったら、インハイの応援に東京まで連れていけって、無茶なことさせるわ。まったく…」

胡桃「つべこべ言わずに運転する!」

塞「だったら免許くらい取りなさい!」

豊音「みんなで東京なんて2年ぶりだねー。ちょー楽しみだよー」

白望「……ダル」

塞「シロ、次のパーキングエリアで運転交代だからね!」

白望「……はぁ。電車の方が良かったんじゃ……」

塞「ああもう、私は一昨日東京から車で帰省してきたばっかだっての!! なんでとんぼ帰りなのよ!!」

豊音「うう、ごめんね。私も免許持ってたら良かったんだけど…」

塞「豊音は悪くないからね。悪いのは無茶ぶりしてきた胡桃だから」

胡桃「私だって久に無茶ぶりされたんだからね!」

白望「……ダル」

-宿泊所

洋榎「漫が頑張ってパソコンを運んできてくれたで」

恭子『ふぅ。やっぱりパソコンの中の方が落ち着きますね』

由子『私も手伝うのよー』

洋榎「ああ、頼むで」

洋榎(順当に行けば、明日のBブロックの準決勝を勝ち上がるのは、阿知賀と白糸台…)

洋榎(マホにとっては、今日以上にキツイ戦いになるやろうな)

恭子『それでは、解析を開始します…』

由子『恭子はしばらく反応できないから、何かあったら私が答えるのよー』

洋榎「とりあえず阿知賀と白糸台の牌譜を頼む。中堅のな」

由子『バッチリおまかせよー』

-宿泊所近くの公園

マホ「ふう、お腹いっぱいです」

優希「私もだじぇ。苦しい…」

咲「…食べすぎだよ。はやく戻ろう」

和「まったく。今日はいいですけど、明日はあまりハメを外さないでくださいね」

優希「善処するじぇ…」

ムロ「マホ、お前も大丈夫か?」

マホ「優希先輩ほどじゃないです」

春「ちょっといい?」

マホ「…私ですか?」

春「」コクリ

ムロ「さっき竹井先輩が言ってた件ですか。2年前の中堅戦のメンバーを集めたっていう」

春「まあ、そんな感じ」

ムロ「マホ、じゃあ私は先に帰るから、あんまり遅くならないようにな」

マホ「あ、はい」

春「…じゃあ、そこのベンチにでも」

マホ「それで、お話っていうのは?」

春「……2年前の2回戦。私は、久と、胡桃と、そして洋榎と中堅戦を戦った」

マホ「えっ……。どうして先生の名前を」

春「……洋榎は、私をかばって車にはねられた」

マホ「そ、そうだったんですか…。先生、交通事故だって言ってましたけど、誰かをかばったなんて一言も……」

春「余計なことは言わなくていいって、言ってたから…」

マホ「でもどうして先生のこと覚えてるんですか?」

春「私が神様にお願いしたから」

マホ「じゃあ、なんで今になってこんな話を?」

春「あなたが、あまりに不甲斐ないから!」キッ

マホ「ええっ」ビクッ

春「あなたが今日みたいな麻雀をしたら、洋榎は死ぬ」

マホ「先生が、死ぬ?」


マホ「…そ、そんなの嘘です。先生、マホがしっかり麻雀教われば目を覚ますって言ってました!」

春「洋榎は神様と賭けをしている。マホが優勝できれば意識も回復するし、みんなの記憶も元に戻る。けど優勝できなければ、洋榎は死ぬ上に誰の記憶にも残らない」

マホ「嘘ですっ、嘘です! そんなこと、あるはず……」

——特訓は、命がけやぞ

 ——おう、死に物狂いで頑張るんやで

マホ(……そういえば先生、ときどき命とか死を思わせるようなことを言ってた)

マホ(じゃあ本当に…。マホのせいで、先生が……)

春「分かった? 今日みたいなぬるい気持ちで打ってほしくない」

マホ「でも今日は……」

春「明後日は大丈夫とでも言うの?」

マホ「……っ」

マホ(うう、マホどうしたらいいんでしょうか……)

春「……お願いがある」

マホ「なんでしょう?」

春「明日、久と胡桃と打つとき、洋榎の指示通りに打ってほしい」

マホ「………………先生に、聞いてみます」

春「よろしく……。じゃあ、また明日」



マホ(先生の代わりとして打てってことですよね。2年前の2回戦の、再現…)トボトボ

マホ(マホが負けたら、先生は死ぬ。ここまで一緒に教えてくれた先生との記憶も消える…)

マホ(そんなのイヤです。でも、どうしたらいいのか分かりません…)グスン

マホ「……ううっ、うう。うわあああああああああああああああ」

マホ「こんなのって無いです。先生に楽しく教わっていたら、それで良かったんじゃないですか。どうして…。なんで……」

マホ「こんなこと急に言われても、困ります…。マホ、どうしたらいいのか分かりません!」

洋榎「どこで油売っとるかと思ったら、こんなところで何泣いとるねん」

マホ「…せんせぇ」グスグス

洋榎「その様子やと、春から聞いたか…。まあ、どこかで言ってまうような気もしてたけど」

洋榎(さっき、春とすれ違ったしな…)

マホ「本当なんですか、マホが負けたら先生が死んじゃうって」

洋榎「本当や…。まあ、どうせ車にはねられて一回は死んだようなもんや、マホはそんな気にせんでもええ」

マホ「でも、でもっ。マホ、先生のこと忘れたくありません!」

マホ「竹井先輩が先生のこと忘れてて、それだけでもすごく悲しかったのに。マホが負けたら、マホが負けたら…。先生のこと、忘れちゃうっ」

洋榎「ドアホ。なんで打つ前から負けること考えとる。それでもウチの生徒か!?」

マホ「でも、マホには重すぎます…」

洋榎「はぁ、だから言うの嫌やったんや。麻雀に命なんて賭けるもんやない」

マホ「どうしてこんなことになっちゃったんですか…」

洋榎「神様なんて気まぐれなんやろ。神代とか見とればよく分かるわ」

マホ「……どうして、なんで」ウワーン

洋榎「まったく春のやつ。だから言う必要ないって言うたのに」

マホ「………滝見さんが言ってました」

洋榎「ん?」

マホ「明日滝見さんと竹井先輩と、岩手から鹿倉さんって人が来て、マホと4人で練習することになりました」

洋榎「胡桃が来るんか。どうせ久の差金やろ、まったく…」

マホ「そのとき、マホは先生の指示通りに打ってほしいって」

洋榎(春のやつ……)

洋榎「ああ、分かった。だからいつまでも泣くなや」

マホ「………すぐには、無理かもです」

洋榎「悪いな。こんなときに、抱きしめてやることもできへん」

マホ「勝たなきゃ、勝たなきゃ、勝たなきゃ」ブツブツ

洋榎(……この様子やと、明日のやりようで全て決まりそうやな)ハァ

今日は以上です

あいうえお短編が意外と書きやすいので、淡+劔谷という謎の短編をちょこちょこ書いてます
今度こそ最後まで書きためられればいいなぁ…

では、また

-翌日

-宿泊所
-対局室

久「3人で会うのなんて、大会の時以来かしら?」

胡桃「まったく、もうちょっと計画性を持って行動する!」

春「久に計画性なんて似合わない…」

久「そんなことないわよ。ちゃんと悪巧みの計画は綿密に立てるから」

胡桃「…自分で悪巧みとか言っちゃうんだ」

久「それが自慢」ニコリ

洋榎『……まったく、ほんとなら4人やってのに』

マホ「…先生」

春「……」チラリ

マホ(滝見さんには見えてるんですよね…)

洋榎『おい、春。お前どういうつもりや』

春「じゃあそろそろ始めよう…」

洋榎『無視かい!』

マホ「あ、よろしくお願いします」

胡桃「ま、同じ中堅として応援してるからね」

マホ「ありがとうございます」

久「さあ、久しぶりに本気出しちゃおうかしら」

洋榎『……まあええ。マホ、せっかくの練習やのに悪いけど、私の指示通り打つんやで』

マホ「はい…。よろしくお願いします」

春「…よろしく」

-対局
-久・胡桃・春・マホ(洋榎)

洋榎『ツモ切り』

マホ(……2年前。先生と竹井先輩は何回か対戦したけれど、先生が先輩の悪待ちに振ることはなかった)トン

久「……リーチ」

マホ(竹井先輩のリーチ、悪待ちでしょうか?)

マホ(現物は、1ソウしかないです…。とりあえず1ソウ切りでしょうか?)

洋榎『五萬切り』

マホ(そ、そんな無筋のど真ん中?)トン

春「………」打:1ソウ

胡桃「ロン、一通ドラ1。3900」

洋榎『まあ、そこやろな』

マホ(…現物を切っていたら振り込んでた。先生には、一体何が見えてるんだろう)

久「ポン」中-中中

久「ポン」白白-白

久「ふふ、次は発を切ってくれる人を募集中よ」

マホ(はわわ、大三元でしょうか…)

洋榎『……』チラ

胡桃「……」

春「……」

久「あるわよー、大三元あるわよー」

洋榎(久に比べたらこの2人は静かなもんやな…。まあそれでも、ウチにかかれば何考えとるかくらい分かるけどな!)

マホ ツモ:発

マホ(…う、発が来ちゃいました)

洋榎『そんなもん、ノータイムでツモ切りやろ』

マホ(ええぇ、いいのかなぁ…)トン

久「あら、強い牌通すのね…。通るけど」トン

マホ ツモ:発

マホ(…また、でも今通ったばかりだしツモ切りですよね?)

洋榎『�ピン』

マホ(…え、なんで? 面子崩し?)トン

春「チー」

胡桃(明らかに安手の3鳴き…。そう、潰しとくのね)タン

春「ロン、1000点」

久「あらら、流されたか…」パタン

久「マホちゃんがもう一巡遅く切ってくれたら大三元だったのに」

マホ(張ってる。マホが切ったときはまだ張ってなくて、その直後にテンパイしたんだ。先生はそれを見切ってたってこと……)

洋榎『ま、そんなとこやろな』

マホ(……先生には、どこまで見えてるんですか)

胡桃「ねぇ、マホちゃんだっけ?」

マホ「え、はい」

胡桃「今、誰かの真似した?」

マホ「いえ、平打ですけど…」

胡桃「…気のせいか」

久(胡桃も何か感じたのね…。なんだろ、この感じ)ウーン

洋榎『…頭では分からんでも、体は覚えとるんか』

洋榎『やったら、感じさせたる。この愛宕洋榎の麻雀をな』ニヤリ

春「……マホ、サイコロ振って」

マホ「あ、はいっ」

マホ(記憶になくても…。それでも、先生の打ち筋を感じられるんでしょうか)

洋榎『……マホ、これが多分最後の授業や』

マホ「っ、最後ってなんですか!」

久「どうしたの?」

マホ「…あ、ゴメンなさい」

洋榎『黙って聞いとき。明日の決勝でマホが勝つ。そしたらもうウチは大阪帰るからな。プロ雀士愛宕洋榎の授業なんてそう簡単には受けれへんで』

マホ(……そうかもしれませんけど、でも最後だなんて)

洋榎『特等席で授業受けれるんや、しっかり目に焼き付けとけよ』

マホ(そうです…。先生がどうしてその牌を切るのか、しっかり考えて吸収しないとっ)

洋榎『八萬切り』

マホ(はいっ)

春(……それでいい。久や胡桃が思い出せるとは思わないけど、それでも少しでも洋榎を感じてくれれば)

洋榎『テンパイか、リーチやな』

マホ「リーチします」

春「…チー」ピシ

マホ「ロンです!」

洋榎『春、格が違うって、前も言わんかったか?』

春「……」

春(そう、マホが、少しでも洋榎に近づくいてくれれば…。ハオを打ち破れるかもしれない)

胡桃(やっぱり、なんだか懐かしい感じがする…)

久(…どうしてかしら、マホちゃんと打っているはずなのに、他の誰かと打っている気分になるのは)

春(マホ、あなたにしか洋榎は救えないから。だから、私は全力を出す)ピシ

久(春、あなた……)

久「……胡桃」

胡桃「…なに?」

久「本気、出してくれる?」

胡桃「……2人の調整じゃなかったの?」

久「だからこそよ」

胡桃「はぁ。ちょっとブランクあるんだけどね…。できる限りやってみる」

洋榎『ふん、全員まとめて蹴散らしたるわ。いくで、マホ』

マホ(はいっ)コクリ

-オーラス

久「さて、最後に派手に上がらせてもらおうかしら。リーチ!」

洋榎『久からリーチか』

マホ(…悪待ちじゃないと思います、この筋の一萬は通ると思います)

洋榎『一萬切り』

マホ(…同じだ)トン

マホ ツモ:�ピン

マホ(…これ、きっと回すはず。現物ないけど、回すなら9ソウの対子落とし?)

洋榎『9ソウ切り』

マホ(…やっぱり)トン

洋榎(…ウチが言う前に、切る牌に手をかけとるやないか)ニヤリ

洋榎(まあ、ギリギリ合格点ってとこやな…。でも、そろそろ久がツモるか)

久「」ニヤッ ヒュッ

春(牌を上に弾き飛ばした…)

胡桃(相変わらずマナーが悪いっ!)

洋榎(でも、それでこそ…)

久「ツモ、3000、6000!」バシッ

洋榎(竹井久やな。久々に楽しませてもらったで)

洋榎『やっぱ麻雀はええな。早く牌に触りたいわ』

マホ「ありがとうございました」

久「お疲れさま。マホちゃん、1回も振り込みなかったわね」

マホ「…昨日は振込が多かったので」

胡桃「調整になったならなによりだよ。せっかくだし東京観光でもしてこようかな」

久「あらいいわね。じゃあ今日のところは解散にしましょ」

春「……マホ。お疲れさま」

マホ「いえ、そんな。私も先生の打ち方、勉強になりました!」

春「……明日、しっかりね」

マホ「はいっ」

洋榎『マホ、この後用事あるか?』

マホ「いえ、自由行動になってるはずです」

洋榎『なら、マホの部屋に行くで。一人やないとパソコン見れへんからな』

マホ「あ、はい。分かりました」

洋榎『あと、春。今度は生身で打とうな』

春「……待ってるから」ニコ

-宿泊所

恭子『おおむね、主将の言うた通りです。臨海のハオは、限定された条件下で支配を発揮するタイプと見てええでしょう』

洋榎「…さよか」

恭子『ただいかんせん、地区大会までは普通の対応型だっただけに、今回変容した打ち筋の牌譜が少なすぎます』

洋榎「まあ、こうやないか、くらいなもんでええで」

恭子『まず東1に他家3人を1向聴にして、そこで上がった相手を、以降上がらせなくする』

恭子『さらに、その次の東2局。ハオが自分の失点分を取り戻します』

マホ「え、取り戻す?」

恭子『昨日を振り返りましょう。前半戦東1、マホがハオに満貫直撃。東2で逆にハオがマホに満貫直撃してます』

恭子『後半戦、マホが3000、6000のツモ。子のハオは3000の支払い。東2で、親のハオは2900でマホから直撃』

洋榎「3000の直撃なんてあらへんから、近い数字ってことか?」

恭子『そういうことです。これは2回戦の剱谷と新道寺に対しても、同様の傾向が見られます』

恭子『ですので、もし東1で上がる必要があったとしても、ハオからの直撃は避けてください。逆に言えば、東1でハオが得点に絡まない上がりの場合は、東2でもハオは上がらないかもしれません』

洋榎「ハオ以外から直撃取れって話やな」

恭子『まあ、あともう一つ懸念事項があるんですが…』

マホ「懸念事項?」

恭子『大したことやないんですが、一応可能性があるかもしれないので頭に入れておいてください』

今日はここまでです。ちょっと間隔が空いてしまいました
またボチボチ書いていきたいです

淡+剱谷な短編を書いてました、よろしければそちらも読んでいただけると幸いです
美幸「女の子拾ってきたよ、もー」梢「…返してきなさい」
美幸「女の子拾ってきたよ、もー」梢「…返してきなさい」【咲SS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365006491/)

乙ー
素で洋榎クラスに近付きつつあるマホちゃんぺろぺろ

-翌朝
-宿泊所

和「決勝の相手は、阿知賀と白糸台に決まりました」

和「ですが、誰が来ようと関係ありません。今日まで私たちが打ってきた麻雀をするだけです」

咲「3連覇とか周りは騒ぐけど、そういうのは気にしないで麻雀を楽しもうね!」

ムロ「そう言われても、いざ卓についたら緊張しちゃいそうですけどね」

優希「ま、私が東1で終わらせてくるから安心するといいじぇ」

ムロ「…そう言って終わったことなんてないですよね」

マホ(今日が決勝戦…。マホが大量失点したらいくら和先輩や咲先輩でも逆転は難しい)

マホ(先生の命がかかってる……。緊張しますけど、でも、それ以上に…)

京太郎「マホ、大丈夫か?」

マホ「大丈夫ですっ」

マホ(昨日一緒に打ったからか、先生がそばにいてくれるような気がします)

マホ(愛宕洋榎の名に恥じない麻雀を、してみせます!)

和「それでは、行きましょう」

全員「はいっ」

-全国大会決勝
-次鋒戦終了

清澄   85100
臨海   96200
阿知賀 107300

白糸台 111400


ムロ「ゴメンなさい、トップだったのに最下位になってしまって」

和「仕方ありませんよ。まだ逆転可能な点差ですから」

優希(ムロのやつ、準決勝のマホの大失点を見て、自分が頑張らないとってちょっと無理してる感じだったじぇ…)

咲「次はマホちゃんだね。緊張してない?」

マホ「大丈夫です」

ムロ「ごめんな、マホ…」

京太郎「頑張ってな、マホ」

優希「ほれ、タコスぢからを充填していくといいじぇ」タコス!

マホ「あ、ごめんなさい…。東1は上がれないので」

優希「ん? どういうことだじぇ?」

マホ「臨海のハオさんの牌譜見てたんですけど、東1で上がった人はみんなそのあと上がれなくなっちゃうみたいで」

和「そんなオカルトありえません!」

咲「……マホちゃん、昨日は臨海の人の牌譜を研究してたの?」

マホ「はい、あと多分勝つだろうなと思って阿知賀と白糸台も一通り」

咲「そう、ならマホちゃんが思うようにしてみたらいいと思うよ」

マホ「咲先輩…」

ムロ「そろそろ時間だぞ、マホ」

マホ「じゃあ、行ってきます!」タタタ

優希「…ほんとに大丈夫か?」

和「マホなりに考えたことがあるんでしょう。今はマホを信じましょう」

-廊下

マホ「あ、滝見さんと先生」

春「…頑張って」

洋榎「マホ。まだまだ教え足らんけど、ウチにできる限りのことはしてきたつもりや」

マホ「はい、本当にありがとうございます」ペコリ

洋榎「余計なことは考んでええ、目の前の牌に集中するんやで。ぬるい牌打ったら承知せんからな」

マホ「大丈夫です。マホには先生が、他にもマホを支えてくれるみんながそばにいますから」

洋榎「その調子なら大丈夫そうやな。他の学校なんて蹴散らして来い!」

マホ「はいっ!!」

春(……マホ、お願い。勝って!)

-中堅戦前半戦 開始

東 大星淡(白糸台)
南 高鴨穏乃(阿知賀)
西 ハオ・ホェイユー(臨海)
北 夢乃マホ(清澄)


マホ「よろしくお願いします」

穏乃「こちらこそ、よろしくお願いします」

ハオ「よろしく」

淡「よろしくねー」

マホ(…ラス親。とりあえず親を無駄にしなくて良さそうです)

穏乃(今はプロになったけど、赤土さんは今でも稽古をつけに来てくれる。昨日も見に来てくれた。その赤土さんが言ってた、東1…)

淡(監督が言ってたっけ、東1は上がるなって。まったく、立ち親捨てろっての…)

ハオ(おそらく東1は全員が警戒してくるでしょうね…)

-東1局
-親:淡

-実況席

恒子「さあいよいよインターハイ決勝戦は中堅戦に入りました! この中堅戦はどう見ますか、小鍛治プロ」

健夜「そうですね、個人的には2年前に大将戦で戦った大星さんと高鴨さんの再戦がどのようになるのかが気になりますね」

恒子「なるほど。追いかける展開になる清澄と臨海についてはどうでしょう?」

健夜「清澄の夢乃さんはムラっ気のある選手ですので、ここで大きく上がれるかそれとも大きく沈んでしまうのかで清澄高校の行方を大きく左右しそうです」

恒子「準決勝では可哀想になるくらいの失点でしたからね」

健夜「臨海のハオさんは、全国大会になってから打ち筋を変えてきていますね…」

恒子「というと?」

健夜「東1で起こる現象。決勝まで来ると、他の学校も気づいているようですが」

恒子「ああ、確か配牌が自分は5向聴なのに、他の3人は1向聴になるんですよね」

健夜「そう、そしてその東1で上がった選手は全員、その後上がれていない。これを偶然と捉えるかどうかですが、3校とも対策を取っているようですね」

恒子「すこやんがダラダラ語っている間に局面は中盤戦に入りました。しかしどういうことだ、誰もテンパイに取らない!」

健夜「ダラダラって何! ちゃんと仕事してるでしょ!?」

恒子「臨海以外の3校は上がり放棄をしているように見えますね」

健夜「東1では上がらないということでしょう…。しかし、果たして対策はそれで十分なんでしょうか」

恒子「ここで臨海のハオ選手、5向聴だった配牌からテンパイにたどりついた!」

-対局室

ハオ「…リーチ」

穏乃(え、リーチ??)

淡(東1で誰も上がらないと見て、諦めたのかな。…親っかぶりくらい、くれてやる)

マホ(…これは、末原さんの懸念が当たりそうです)

淡(それにしても、東1の配牌支配に限ればハオの方が上か…。絶対安全圏が有効なら、穏乃や清澄の1年の手は悪くなるはずだけど、そんな様子もないし…)

ハオ「ツモ、4000、2000」

穏乃(ん、普通に上がった。ってことは、次からは普通に上がっていいのかな?)

淡(親っかぶり上等。すぐに取り返してあげるからね)ゴゴゴゴ

マホ(これで東1は終わり。問題は、次の局…)

-東2局
-親:穏乃

-観戦室

春「……これは?」

洋榎『恭子の予想通りって感じやな…』

春「ハオの支配が続いてる?」

洋榎『東2やのに、ハオは5向聴、他の3人は1向聴。そういうことやろうな…』

春「けど、支配が続いているって感じられるのは外から見ているから…」

洋榎『まあ、前半については問題あらへんやろ。この東2、上がるのが誰かは明白や』



-対局室

穏乃(ん、また1向聴。偶然かな?)トン

ハオ(東1さえしのげばいい、そう全員が思うなら私は東1を悠々と手を進めることができる)トン

マホ(やっぱり1向聴。でも、この状況に気づけない人がいる。どうなるんでしょうか……)トン

淡(穏乃が山を支配するのに時間がかかる。ならできるだけ序盤に全力出して点数稼がないとね)ゴゴゴゴ

淡「リーチ」

穏乃(っ、ダブリー。そりゃ序盤に攻めてくるよね。とりあえず現物あって良かった)トン

ハオ(……ふふ、最初の餌食はあなたですね、大星淡)

マホ(やっぱり…。配牌1向聴なら、大星さんは自分の能力でダブリーしているのか、ハオさんの支配下なのか判断できない)

淡「カン」

ハオ(いいでしょう、プレゼントしましょう)トン

淡「ロン、ダブリー裏4。12000」

ハオ「はい…」

-東3局
-親:ハオ

淡「リーチ」ゴッ

穏乃(まだ山道の途中。焦らず、騒がず…)トン

マホ(…、大星さんがリーチ。末原さんの懸念は間違ってたんでしょうか?)

ハオ「追いかけましょうか、リーチ」

マホ(今度はハオさんがリーチ。何の勝算もなく追いかけるとは思えないです…)

淡「ふふ、わざわざ追っかけて振り込んでくれるんだ。カン」
暗カン:北北北北

淡(ふふ、これでカン裏が乗るから、また跳満直撃だよ!)

【でも、この卓には穏乃がいる。またドラが乗らないかも…】

淡(え…)ズキッ

淡(何考えてるの私、まだ前半戦の東場だよ。そんなことない…)トン

ハオ「ロン。リーチのみ」
手牌:一二三��23479南南南 ロン:8

穏乃(え、まだ私何もしてないのに。大星さんがカンした直後に振り込んだ??)

ハオ「それでは、裏を確認します」

マホ(まさか…)

カン裏:南

ハオ「…裏3で満貫。12000」

淡「えっ、何それ!?」

穏乃(大星さんがカンしたのが北だから、西がカン裏表示のはず。なのに表示牌は東…。どういうこと)

マホ(やっぱり…。これがハオさんの能力)

-東3局1本場
-親:ハオ

-観戦室

洋榎『東2は大星が上がり、東3でハオがその直撃分を取り返した、か。恭子の懸念通りやったな』

春「ハオの能力は、東1で上がった相手を封じることじゃない」

洋榎『東場やろうが南場やろうが、その半荘で一番最初に上がった誰かを封じるのが、本当の能力やったわけや』

春「けど…」

洋榎『問題は次の半荘やな。誰かが犠牲にならん限り、ハオだけが自由に打てる状況になってまう』

春「マホはどうするんだろ…」

洋榎『……差し入れ、用意したらなあかんかもしれへんな』

春「…?」


穏乃『ロン、1300です』


春「ハオの親が流れた…」

洋榎『ハオも中堅戦自体を長く続ける気はないやろ。阿知賀の高鴨、時間が経てば経つほど支配を強めていくタイプやからな』

-東4局
-親:マホ

-清澄控え室

優希「…さっきからマホが静かだじぇ。だからタコス食べたら良かったのに」ウマー ウマー

京太郎「お前、1つくらい残しとけよ…」

優希「でもどうせ次の東1も上がらないんだろ。だったら私が食べてやるじぇ!」ウマー ウマー

和「でも、食べたいって言うかもしれませんよ」

ムロ「近くで売っているところに行くなら今のうちに行っておかないと間に合わないかもしれませんよ…」

咲「じゃあ私が買ってこようか?」

ムロ「宮永先輩は出番が来るまでこの部屋から一歩も出ないでください!」

咲「ううっ、そこまで言わなくてもいいのに…」

和「ゆーき、1つは残しておきましょう。ね?」

優希「……どうせ食べないじぇ」フン

ムロ「はぁ、へそ曲げちゃいましたね…」

京太郎「……しゃーない、買ってくるわ」

和「すいません、お願いします」

咲「ごめんね京ちゃん」

京太郎「いいってことよ。じゃあ、俺の分まで応援よろしくな」


ハオ『ロン、6400』

淡『くっ…、またカンした後に』


咲(マホちゃん、さっきからコピー使ってないのはどうしてだろう…)


-中堅戦前半
-東場終了時点

清澄   83100(-2000)
臨海  111300(+15100)
阿知賀 105600(-1700)
白糸台 100000(-11400)

今日はここまでです
おやすみなさい

-南1局
-親:淡

淡「リーチ」ゴゴゴ

淡(やっと親番、ここで稼がないと)

【でも、角があんなに遠い。先に誰かに上がられちゃうよ…】

淡(また…。私がこんな弱気なこと考えるはずないのに!)

マホ「通らばリーチです」

淡(く、追っかけてきたか)

穏乃(ようやく動き出したか…)

マホ(思えばマホはずっと空回りしてました。真似っこして上手くいかないときだってあって、それで1回しかできない真似を無駄にして…)

淡(…これ、ヤバっ)トン

マホ「ロンです。リーチ一発、裏1。5200」

マホ(効率よくコピーをして、それ以外の時はできるだけ自力で凌ぐ。それが、先生から教わったことです!)

淡(なんなの、なんなの…。これがハオの能力だっての、イライラする!)ギリッ

ハオ(…清澄。一昨日ので萎縮しているのかと思いましたが、逆に吹っ切れてしまったようですね)

-南2局
-親:穏乃

穏乃(親番。ここは大事にしたい…)

淡「リーチ」ゴゴゴ

穏乃(まだ山の支配は途中、でも2年前よりも大星さんを止めるのには時間がかかりそうだな…)

マホ(ハオさんの心の枷があるはずなのに、まだダブリーできるんですね…)

ハオ(…プライドの、なせる業でしょうか)

淡(あがってやる、あがってやる、あがってやる……)

【どうせまた振り込むよ。もうリーチしなければいいのに】

淡(あがってやる、あがってやる、あがってやる!!)

【それに、カンしてももう裏は乗らないよ?】

淡(あがる、あがる、あがる、絶対の絶対に上がる!)

ハオ(…恐ろしい形相をしていますね。下手をしたら破られかねませんね)

ハオ「チー」

穏乃「…」トン

ハオ「ロン、タンヤオのみ。1000点です」

穏乃「はい」

穏乃(大星さんに上がられるよりは、マシだよね…)

淡(流された、最悪!!)

マホ(大星さんが上がりそうなのを感じて流したんでしょうか…。だとしたら、枷をかけられても破ることは可能?)

-南4局
-親:マホ
-ドラ:東

マホ(…マホの親。ここは勝負に出ます)

マホ「失礼します」ハラリ

穏乃(リボンをほどいた。南場だし、南浦さんのコピーかな…)

ハオ(さすがに全国の決勝ともなると、1人抑えてもそれだけでは苦しいですね)

マホ 配牌:四五�����2東東南白発 ツモ:�

マホ(この配牌と、第一ツモ…)パタン

-清澄控え室

マホ ハラリ

咲「マホちゃんのリボンがほどけた…。南浦さんの真似かな」

優希「む、私のタコスぢからはダメで、数絵っちはいいのか! 最後の1個も食べてやるじぇ!」パクッ

和「あ、ゆーき!」

咲(南3の臨海の親は穏乃ちゃんが1000点で流した…。試合展開が早いよ、京ちゃん間に合うかな)

淡『リーチ!』ゴゴゴ

ムロ「まだ白糸台のダブリーは止まりませんね」

マホ『ポンです』

マホ『チーします』

マホ『ポン! …ヒット』

淡『く、それ…』

咲「コピーのダブル…」

ムロ「南浦さんと、白糸台の亦野さんか」

和「気のせいでしょうか、マホの顔が赤いような」

優希「まほっち発熱、相手は死ぬ!」

咲(それだとトリプルでコピーしたことになる。確かに的確に鳴いていったけど。鳴きたいだけなら亦野さんだけで十分なはず…)

マホ『ツモ、東 白 混一ドラ3。跳満、6000オールです!』

恒子『決まったぁ、清澄夢乃の親っパネ炸裂だぁぁ。2000点差ではありますが臨海を抜き去って、一気に1位に浮上した!』

健夜『役牌がドラ対子だったので積極的に動けましたね』

マホ『一本場ですっ』

-南4局1本場
-親:マホ

淡(亦野先輩の真似で上がってくれるとかさ!)

淡(…………亦野先輩も、この試合見てくれてるかな)

淡(……そうだね、ちょっと落ち着こうか、私)

【先輩にこんな無様な姿を見られるなんて…】

淡(…ああもう、心の声うるさい!! そうだよ無様だよ、でもさ!)

淡(だったらなおさら、取り返せばいいの! こんなところで萎縮なんてしてられないからっ)ゴゴゴゴ

淡「リーチ!」

ハオ(まだ来ますか、本当に魔物ですね…)トン

穏乃(あともう少しなんだけど、間に合わないかな)

マホ(ハオさんの能力が心に枷をかけるというなら…)

淡「カン!」

マホ(心の持ちようで、それを打ち破ることは可能なんでしょうか…。もし、絶対ではないってことなら)

淡(あがるあがるあがるあがる!!!!)

ハオ(…破られるっ)ピクッ

淡「ツモ!」

淡「カン裏4つ。3100、6100!」

穏乃(大星さん、すごい。強引にねじ伏せた…)

淡「次の半荘、容赦しないからね!!」

穏乃(私こそ、後半から巻き返すっ)

マホ(親っかぶりで首位転落。でもそれより、4位とも点差がない状態…)

ハオ(最後に破られはしましたが、この団子状態はかえっていい状況。次の東1、誰かが上がらなければ私が抜け出してしまいますよ)ニヤ


-決勝中堅戦
-前半戦終了

清澄  102200(+17100)
臨海  103200(+7000)

阿知賀  97500(-9800)
白糸台  97100(-16900)

今日はここまでです
うーむ、なかなか進まない…。まあマイペースにぼちぼち行きます

乙ー!
続き期待してますー!

復活しましたね
なかなか忙しいですが、とりあえず後半戦東場までは書けてます
できれば一気に最後まで投下したいので連休明けくらいには投下できたらいいなぁと思います

小ネタもまだまったく考えてないのでリクあればお願いします
ただ、や行は宥姉ネタで固めようかなぁと思ってます。では

連休明けかー楽しみにしてるでー!
宥姉か。ふんふむ

リクかー
荒川さん達とかはどうしてるのか気になる

-intermission_6(宥姉編)

if〜もしも厚着がエロティックと思われる世界だったら〜


【や:やめるのです!】

-阿知賀
-幼少期

宥「」ガタガタ

少年「おい、こいつ剥いてやろーぜー」

玄「やめるのです、ボクたち!」


玄「おねーちゃん、大丈夫だった?」

宥「うん、ありがとうね、玄ちゃん…」

玄(あのボクたち、おねーちゃんを剥きたいだなんて…)

玄(私だって、剥きたいの我慢してるのに!!)クワッ

玄(おねーちゃんが寒がりなの知ってるけど、それでもあの厚着は私を誘っているとしか思えないのです!!)

玄(剥きたい剥きたい剥きたい剥きたい剥きたい!!)

玄(…でもダメ、おねーちゃんを剥くだなんて)ハァ

宥「…玄ちゃん??」

玄「はっ、なんでもないのです。さ、早く帰ろう」

宥「そうだね…」

宥(はぁ、さっきの男の子たち、剥いてやろうだなんて…)

宥(早く、玄ちゃんに剥いてほしいのになぁ…)

宥(玄ちゃんに剥かれたらどうなっちゃうんだろう)ドキドキ

宥(でも、玄ちゃんはいい子だから剥いてなんてくれないよね)ハァ

玄「おねーちゃん?」

宥「なんでもないよ」アタフタ

玄「…ならいいけど」

宥 玄「」ハァ

【ゆ:宥トピア】

-阿知賀
-麻雀部結成前

憧「4人目って、ここ玄の家じゃない」

玄「ここに4人目候補がいるんだよ」

穏乃「そうなんですね、早く行きましょう」


玄「ただいまー」

宥「おかえり」

穏乃「夏なのにコタツがあるんだけど!! しかもコタツから声がした」

憧「あー、宥姉おひさし」

宥「ふぇ、お客さん…。連れてくるなら前もって言ってよぉ」

穏乃「なんで夏なのにコタツなんですか。それにその服、剥かれたいんですか!?」

憧「ちょ、しずってば直球すぎるわよ!」

憧(そりゃ私だって、初めて会ったときは剥きたい衝動に駆られたけどさぁ)

憧(ああ、でも久しぶりに見るとやっぱり凄いよね、宥姉…)ドキドキ

玄「おねえちゃんは寒がりだから」

穏乃「今夏ですよ、やっぱり剥かれたいんですよね! っていうか私に剥かせてください!」

宥「ふぇぇ…」

宥(こんなに肌を出してる地味な子なのに…。玄ちゃんは剥いてくれないし、この子でもいいかも……)ドキドキ

玄「やめるのです、穏乃ちゃん! おねえちゃんを剥いていいのは私だけなんです!」

憧「え、玄。宥姉のこと剥いてるの?」

玄「え、今のは勢いでっ」///

宥「まだ誰にも剥かれたことないよ…」シュン

憧(玄、ある意味凄いわ。身近にこんな剥いてほしそうな人がいるのにずっと我慢できるなんて)

穏乃「じゃあ私に剥かせてください、お願いします!」

憧「ちょっとしず、落ち着きなさいよ!」

穏乃「だって、なんだかすっごくドキドキするんだもん。こんな厚着、すっごく大胆だし」

憧「そりゃ私だって視線のやり場に困るけどさぁ…」

玄「と、とにかくおねえちゃんが4人目ってことで、今日は解散!」

宥「え、4人目って何?」

穏乃「阿知賀で麻雀部を立ち上げるんです、だからメンバーを探してるんです!」

宥「そうなんだ…」

玄「この話はまたあとでゆっくりしよう。今日は解散!」

穏乃「えー、もっとお話ししたいですよ」

憧「…はぁ、今日のところはいいでしょ。玄に任せて今日は解散するわよ」

憧(じゃないと、私も理性もたないっての…)ハァ

宥(あ、行っちゃう…。でも、麻雀部に入ったら剥いてくれる機会もあるかな…)ドキドキ

玄(むむむ。これは思わぬライバルが出現。早くおねえちゃんの初剥きを戴かないと、穏乃ちゃんに奪われちゃうかもしれないよぉ)

穏乃(今日は仕方ないか…。でもこのドキドキ、私は諦めない、玄さんのお姉さんを剥いてみせる)メラメラ

【よ:欲望のまま】

-全国大会前、合宿

穏乃(この合宿で、今日こそ宥さんを剥く!)ゴゴゴ

玄(おねえちゃんは私が守る。でも、あわよくば私も…)

憧(…はぁ、面倒なことにならないといいけど)

灼(とりあえずほかのお客さんの迷惑にならないようにしないと…)

宥(ふぁ、今日、私剥かれちゃうのかな…)ドキドキ

晴絵「よーし、今日はとりあえず自由行動。あんまりはしゃぎすぎるなよー」


穏乃「宥さん、お風呂入りましょう。あったまりますよ!」

宥「あったかいの?」

玄「だ、ダメだよ。湯冷めしちゃうよ」

宥「…寒いのは嫌だな」

穏乃「すぐ布団にでも包まっちゃえば大丈夫ですって。今日は練習ないですから!」

宥「そっかぁ。じゃあ入ろうかな」

玄(く、まずいのです…)

憧「しずー、私のポーチどこやったのよー」

灼「まったく、こんなところで騒がないでほし…」

玄「穏乃ちゃん、憧ちゃんが呼んでるよ」

穏乃「私は憧のポーチなんて見てないよ」

憧「同じポーチ買っちゃったねって話してたでしょ、これしずのでしょ?」

穏乃「あ、ほんとだ…。じゃあ私のカバンの中だよ」

玄「おねえちゃん、今のうちに行こう」

宥「あれ、お風呂は?」

玄「いいから、ね」

穏乃「あれ、宥さんがいない!」

灼「玄とどこかに行っちゃったよ…」

穏乃「そんなっ。宥さん、どこですかー!!」ダダダ

灼「……騒がし」

憧「はぁ、私も厚着したらいいのかな…。でも宥姉みたいな厚着はさすがに恥ずかしいしなぁ」

灼「これ以上厚着の人が増えたら目のやり場に困る…」

憧「だよね…」

灼「でも…」

憧「ん?」

灼「自分で剥いてみたいとは思わないけど、剥かれるところは見てみたい、かも…」

憧「あー、分かる分かる!」

厚着が変態な宥姉ネタに挑んでみたものの、着地点が見えない…
7年ぶりにパソコンを買い替えたので、テストを兼ねて投下しました。動画がカクカクしないってすばらです

ではまた

乙ー
相変わらず宥姉はエロいなあ

00 [自由指名]  01 宮永 照  02 井上 純  03 福路 美穂子  04 本内 成香
05 片岡 優希  06 辻垣内 智葉  07 [自由指名]  08 荒川 憩 09 神代 小蒔
10 松実 玄  11 [自由指名] 12 小瀬川 白望  13 園城寺 怜  14 花田 煌
15 小走 やえ  16 上重 漫  17 [自由指名]  18 椿野 美幸  19 吉留 未春
20 [自由指名]  21 弘世 菫  22 [自由指名]  23 沢村 智紀  24 エイスリン

25 染谷 まこ  26 真瀬 由子  27 [自由指名]  28 松実 宥  29 二条 泉
30 妹尾 佳織  31 狩宿 巴  32 依藤 澄子  33 [自由指名]  34 安河内 美子
35 江崎 仁美  36 古塚 梢  37 [自由指名]  38 渋谷 尭深  39 国広 一

40 [自由指名]  41 愛宕 洋榎   42 新子 憧  43 鹿倉 胡桃  44 [自由指名]
45 竹井 久   46 蒲原 智美  47 [自由指名]  48 滝見 春  49 佐々野 いちご

50 江口 セーラ  51 針生 えり  52 福与 恒子  53 村吉 みさき  54 夢乃 マホ
55 [自由指名]  56 対木 もこ  57 [自由指名]  58 南浦 数絵  59 小鍛治 健夜

60 [自由指名]   61 戒能 良子  62 三尋木 咏  63 藤田 靖子  64 野依 理沙
65 瑞原 はやり   66 [自由指名]  67 [自由指名]  68 臼沢 塞   69 ダヴァン
70 鷺森 灼  71 薄墨 初美  72 原村 和  73 龍門渕 透華  74 船久保 浩子


75 東横 桃子  76 亦野 誠子  77 【カプ指名】  78 愛宕 絹恵  79 森垣 友香
80 [自由指名]  81 白水 哩  82 赤土 晴絵  83 赤阪 郁乃  84 安福 莉子
85 鶴田 姫子  86 大星 淡  87 [自由指名]  88 [自由指名]   89 清水谷 竜華
90 石戸 霞  91 姉帯 豊音  92 末原 恭子  93 加治木 ゆみ  94 池田 華菜
95 天江 衣  96 高鴨 穏乃  97 [自由指名]  98 宮永 咲  99 [自由指名]


ぞろ目・下一桁7・20・40・60・80の場合は、自由に指名できます
77の場合は、カップリングを指名できます(もう一方のコンマは無効化されます)
2つとも77だったら、両方書きます


ちょっとモチベーションが上がらないので、コンマで即興小ネタを書いてみる
↓1×↓2

戒能さん

霞さん

12 小瀬川白望
69 ダヴァン

接点が無さすぎるっ。インハイ会場でばったり出会った、みたいにするかなぁ…

ダヴァンは確か3年だったしまあ同学年だし何とかなるだろう(適当)

即興SS【コンビニにて】

はあ、ダルいなぁ…

——ジャンケンで負けた人が買出しね!

全国大会で東京まで来て、なんで私が買出しなんか…
外に出ると照りつける日差しがさらにダルい

近くのコンビニに到着して、メモに目を落とす

胡桃の分は、サンドイッチ
塞は、そばか…
トシさんが、カップめん

ほんとあの人、カップめん好きだな
メモを確認しながら、カップめんに手を伸ばす

ドン
周りをよく見てなかったせいで、誰かにぶつかった

「ごめんなさい…」
「ソーリー、こちらこそ失礼しマシタ」

反射的に謝ると、どこかで見た事のある制服
それは向こうも同じようだった。思案顔をして、記憶をたどっているようだ

「確か、岩手代表の?」
「えっと、臨海、だっけ?」

2回戦で勝っていれば準決勝で戦っていただろう相手
向こうからすれば、それは同じだろう
ただ、私たちは負けてしまったけれど

「2回戦、見てマシタ。残念でしたネ」
「…仕方ない」

一晩たって、気持ちは落ち着いている
まあ、悔しいというか寂しいというか、まだそんな気持ちは残っているけれど

それからなんとなく一緒に会計をすませる

しかし、そこで私は自分の目を疑った

「ねぇ、ここで食べるの?」

彼女—メガン・ダヴァンは、コンビニにおいてあるポットでカップめんにお湯を注ぎ始めた

「ロンオブモチ。日本のカップめんはすばらしいデス」
「いや、そうじゃなくて…」

私からすれば、外でカップめんを食べること自体が信じられなかったのだけど…

外でこぼさないように食べるのはなかなかにダルいし

さらに信じられないことに、彼女は3分後には口に割り箸をくわえて箸を割り、歩きながら食べ始めた

「…すごいね、歩きながら食べるなんて」
「私くらいのラーメン愛好家になれば、このくらいお茶のチルドレンがサイサイです」
「いや、意味が分からないけど…」

まあ、ただの買出しにしては面白いものを見せてもらった、ということにしておこう

「では、私はこちらですノデ」
「…準決勝、頑張って」
「ロンオブモチ。目標は優勝デス」

優勝、か…
私たちはもう負けてしまったし
それに、2回戦で戦った清澄や姫松に勝ってほしい気持ちもあるけど…

「…応援してる」
「ええ、ぜひ」

そうして、ずるずるとラーメンをすする音を立てながら彼女と別れた

……私はダルいけど、もう一回コンビニに戻ることにした

ラーメン、食べたくなってきたから(了)

乙ー即興でも面白かったわ

シロは絶対買出しなんていかないだろー、とか思いますが
無理やりラーメンでつなげてみた

調子に乗ってもう一回やってみよう

コンマ表>>232
↓1×↓2

ヤー

とー

98 宮永 咲
51 針生 えり

えりちゃん、清澄の試合見てるのかなぁ…

即興SS【インタビュー】

決勝に進んだ学校へのインタビュー、か…

試合の放送は他の局がするからできないけれど、ニュースで使いたいということでインタビューが組まれた
もう一人の同僚と2校ずつ分担することになった
私の担当は、阿知賀と清澄

阿知賀は2回戦の実況をしたので選手の顔もだいたい分かっていたが、Bブロックについては放送予定が1回戦だけだった
そのため、清澄についてはあまり知らなかった

—大将、宮永咲

チャンピオンと同じ苗字
姉妹ではないかという声も一部では聞かれたが、私自身もインタビューしたことはあり、宮永照本人が否定していたはず…

まあ、ここには深く踏み込まない方がいいのかもしれない。なんとなく、そう思う
三尋木プロじゃあるまいし、わっかんねーとかで済ませるのもどうかとは思うけれど
私の仕事はゴシップ記事を書くことではないのだから、分からないことをわざわざ追求することもない
さて、資料のチェックも終わったし、清澄の宿泊所に向かいますか


「それでは、よろしくお願いします」
「は、はい…。よろしくお願いしますっ」

2回戦も準決勝も、卓上では堂々としていたと思うけれど、こういうインタビューは苦手なのだろう
インタビュー慣れしている高校生はそういないだろうけれど。それこそ、宮永照や、同じ清澄の原村和のように全国的な注目を集めている選手でもない限り

「そんなに硬くならなくても大丈夫ですよ」
「すいません、どうしても緊張しちゃって」
「テレビのことは気にしなくてもいいですよ。家族と話しているみたいに思ってくれれば」

いつもなら高校生相手のインタビューはこうやってリラックスしてもらうのだけれど…
逆効果だったのか、宮永さんは俯いてしまった

「家族、ですか…」
「あ、いや…。友達とか、担任の先生とか、そういう感じで話してくださいね」
「そうですよね、でも学校の先生だと話しにくいかな…」

…家族と言ったのは失敗だったか
直接的に宮永照について聞かなければ大丈夫かと軽く考えていたが、どうやら私が思う以上に複雑なのかもしれない

それでもなんとかインタビューを終えた
最後の方には宮永さんもリラックスしてくれたし、まあ最初の失敗はなんとか取り返せただろう

「それではありがとうございました」
「あの、1つだけいいですか…」

インタビューも終わったので撤収にかかろうとしたところを、宮永さんに止められた

「どうかしました?」
「…さっき、家族って言いましたよね?」
「誰にでも言うんですよ、リラックスしてもらえたらと思って。気にさわったなら、ごめんなさい」
「いえ、それはいいんですけど…」

宮永さんは伏しがちだった顔を上げる。何か覚悟を決めたかのように、真剣な瞳をしていた

「宮永照さんに、インタビューされたこと、ありますか?」

…まさかそちらから踏み込んでくるとは思わなかった

「…ありますよ」
「やっぱり、妹なんていないって、言ってましたか?」

なんと答えればいいのだろう…
けれど、私の迷いがそのまま回答と受け取られてしまう

「…やっぱりそうなんですね」

本当は、姉妹なのか…。けれど、それは憶測に過ぎない。余計なことは言うべきじゃない。個人の事情に、よく知りもしない他人が踏み込むべきじゃない
そう、思うのに……

「……事情は分からないけれど。決勝戦で白糸台と戦えるのが楽しみだって言ったさっきのインタビューの言葉は、嘘じゃないんでしょう?」
「…はい」
「なら、悔いの無いように、ね」

頭を撫でてあげる。私にできることなんて、少しも無いのだろうけれど
話を少ししただけだけど、それでも悪い子ではないって分かるから…

だから、せめて少しでもリラックスして試合に臨んでほしい。そう、願う…… (了)

無駄に重たくしてしまった
でも1人称で地の文ある方が即興で書きやすいんだよなぁ…

また気が向いたらやるかもしれません
コンマご協力ありがとうございました

乙ー

乙乙
即興で良いものを見させてもらった

乙ー!

調子に乗って即興SSもう1回
ちなみに本編はオーラスまではなんとか書けてます

コンマ表>>232
↓1×↓2

ねむし

さあ

90 石戸 霞
95 天江 衣

これは、学年が1つしか違わないとか信じられない
それにしてもまた接点がないなぁ…

即興SS【迷子の迷子の…】

「ええ、分かったわ…」

巴ちゃんからの電話。どうやら姫様が迷子になってしまったらしい

シード校である永水女子の出番はまだ先、それでも開会式には出る必要があるために会場入りはしていた
今は1回戦の開幕カードが行われているところだろう。2回戦まで出番がないうえ、対戦校となる1回戦の試合も今日は行われない
移動の疲れもあり今日のところは自由行動にしていた

その矢先の電話だった…

「なんとなく一人になりたくて別行動をとったのは失敗だったかしら…」

鹿児島から、さらに言えば霧島神社から出ること自体がめったにないため、東京に出てきた開放感というのは想像以上のものだった
少しだけ、誰からも解放されて自由な時間を味わってみたいと思うのは、悪いことだったのだろうか…

「小蒔ちゃんが行きそうなところを歩いてみるしかない、かな…」

残念ながら、小蒔ちゃんは携帯電話を持っていない
持たされているのは3年生である私と、巴ちゃん、それに初美ちゃんの3人

そう遠くへは行っていないだろう
きれいな花を見つけてそこでずっと見ていたとか、そういうことならどこかにじっとしているだろうし

そう思い、近くの公園に足を運んだ
はたしてそこにいたのは…

「あれは…」

確か、天江衣
去年のインターハイの長野県代表。姫様に並び、魔物と評されたインターハイの怪物…

けれど、団体戦はおろか個人戦にも出てないのは話題になったはずだ

それにしてもベンチで泣きそうな顔をしているのは、もしかして彼女も迷子だったりするのだろうか
天江衣が姫様を認識しているかどうかはわからないけれど、どこかで見ている可能性もある

私は思い切って声をかけてみることにした

「あの、天江衣さんですか?」
「…何者だ?」
「永水女子の石戸霞と言います。麻雀のインターハイに出ていて、あなたを知らない人はいないんじゃないかしら」
「……そうか。それで、何用だ?」

泣きそうだった顔を無理やり硬くして、天江さんは尋ねてくる

それにしても……
こうして間近にしてみると、初美ちゃんといい勝負だわね、いろいろと

「去年もうちの学校出てたんだけど、うちの神代小蒔ちゃんを覚えているかしら」
「すまないな、あの頃は周りに興味などなかったからな」
「そう、じゃあ見てても分からないわね…」

もしすれ違っていたとしても認識できなければ意味がない

「でも、街中で私みたいな服を着てる人なんてそういないと思うけど、どうかしら」
「なんだ、そやつは迷子なのか?」
「ええ、困ったことに…」
「そうか、なら一緒に探してやろう。もしかしたら顔を思い出すかもしれないしな」

急に元気になる天江さん
やっぱり迷子なのかしらね…
一緒に歩き回っていれば、連れの人と会えるかもしれないし、なにより1人では寂しいだろうし

「そんな、悪いわ」
「なに、遠慮するな」

けれど、少し意地悪してみたくなるのも、無理からぬことだろう
なにせ、1つ下とは思えないほどの容姿は、まるで妹でもできたかのようだから

「じゃあ、衣ちゃんって呼ばせてもらえるかしら」
「ちゃんではなく……。いや、一応聞くが3年生か?」
「ええ、そうよ」
「なら、ちゃんでいい」

あら、年下からもちゃん付けで呼ばれちゃうのかしら。ほんとに、かわいいのね
思わず頭をなでてしまうと、衣ちゃんが嫌がって離れてしまった

「こら、あたまを撫でるなぁ!!」  (了)

うむ、ベタ
さて、気分転換になったし続きを書くか
また突発的にやるかもしれないので、よろしくお願いします

おつー

本編終了まで投下します

即興とか小ネタとかが挟まっているので
本編は現在>>221まで書いてます

-清澄控え室

咲「なんだかんだでこの半荘ではトップの収支だったね」

和「まだまだ油断はできませんが…」

マホ「ただいまです!」

ムロ「おかえり。今日は調子がいいみたいだな」

マホ「今のところは、でも後半戦は思うようにはできないですよね…」

優希「穏乃は少しずつ山を支配していくからな」

マホ「優希先輩。私、次は東1で上がろうと思います!」

優希「えっ…」

咲(やっぱりなぁ)

ムロ「マホ、実はな…」

和「もうゆーきが全部食べちゃったんですよ、タコス」

マホ「え、そうなんですか…。でも、無いものはしょうがないですよね」シュン

咲「…京ちゃんが買いに行ってるんだけど、試合展開が思ったより早かったから間に合わないかも…」

コンコン

和「須賀くんが帰ってきたんでしょうか?」

優希「犬ならノックなんてしないじぇ…」

春「おじゃまします…」

マホ「え、滝見さん?」

洋榎『ウチもおるで!』

マホ(隣に先生も…。わざわざ控え室に応援に来てくれたんでしょうか?)

咲「ええっと、その手に持っているビニール袋は?」

春「差し入れ」ドウゾ

ムロ「これは、たこ焼きですか?」ドウモ

優希「おお、タコスには及ばないが、タコと名のつく食べ物だじぇ!」

洋榎『タコス屋なんて知らへんからな、大阪名物で頑張りや!』

マホ(先生、わざわざこのために…)

春「じゃあ、頑張ってね」

マホ「ありがとうございます!」

和「わざわざすいません…」

春「気にしなくていい」

マホ「マホ、タコさんパワーで頑張ります!」

洋榎(あと半荘1回だけや、頑張るんやでマホ!)

-控え室前 廊下

京太郎「もういいんですか?」

春「……ここまで連れてきてくれてありがとう」

京太郎「いえ、個人戦の選手でも控え室のある階には入れてもらえないんですね」

洋榎(控え室に差し入れに行こうとして立ち往生しとった春に声をかけてくれて、そのうえ先に差し入れさせてくれた…)

洋榎『マホは、ホントええ先輩に恵まれとるな』

春「じゃあ、これで」ペコリ

京太郎「ええ、差し入れありがとうございます」

カチャ

京太郎「わりー、遅くなった!」

優希「遅いじぇ京太郎!!」

-中堅戦後半戦

東 高鴨穏乃(阿知賀)
南 夢乃マホ(清澄)
西 大星淡(白糸台)
北 ハオ・ホェイユー(臨海)


穏乃「よろしくお願いします」

マホ「よろしくお願いしますです!」

淡「よろしく」

ハオ「…よろしくお願いします」

穏乃(さって、後半戦。ここから追いつかないとね)メラメラ

淡(けど、この東1は上がれない…。前半オーラスみたいに無理やり上がるのは結構しんどかったから、そう何度もできることじゃない)

ハオ(誰も上がらなければ、私が上がり続けるだけ。さあ、誰が自ら犠牲になりますか?)

マホ(タコ焼きにタコスでパワー全開ですっ)ゴゴゴ

-東1局
-親:穏乃
-ドラ 西

穏乃(…っ、そろそろ山の支配も進んでるはずだけど、配牌1向聴か…。ハオさんの支配の方が強いのかな)トン

マホ(………誰かが上がらないといけない。だから、タコスもタコ焼きも食べましたっ!)ゴゴゴ

マホ配牌:三四五(赤)��(赤)�1235(赤)西西西  ツモ:4

マホ(ドラたくさんですっ!) 打:�

淡(せっかくいい配牌なのに…。でも、なんか清澄の1年…)チラ

淡(なんだか上がってくれそうな気がするよ)タン

ハオ(…清澄、何を考えているんでしょう)トン

穏乃(うーん、テンパイした。一応維持しといたほうがいいのかな、親だし…)タン

マホ(テンパイですっ!)

マホ手牌:三四五(赤)��(赤)12345(赤)西西西  ツモ:�

マホ(ダマなら片上がりの三色ドラ6…。優希先輩なら、きっと次巡にでもツモるはずです!)

マホ 打:1

淡(テンパイするとつい上がっちゃいそうだし、適当に崩しとこ…)トン

ハオ(白糸台は降り…。清澄の待ち、このあたりでしょうか?)

打:2

マホ(…ロン牌っ。でも、ハオさんから上がったら直後に取り返される)

ハオ(スルーですか)

穏乃(ドラも役もない手…。リーチは自重っ)トン

マホ ツモ:西
手牌:三四五(赤)���(赤)2345(赤)西西西西

マホ(ドラが来ちゃいました…。カンして咲先輩の真似をすれば嶺上開花できるかもしれません)チラ

穏乃(ん、私の方見た? いや、王牌かな?)

マホ(まだ、花は咲かせてもらえるんでしょうか?)ジー

穏乃(嶺上狙い、なのかな? 東1を上がってくれるなら、その方がいいかな…)コクリ

マホ(伝わった、でしょうか…)

マホ「カンします」 暗カン:西

ハオ(ドラの暗カン??)

淡(うわ、これ高そう…)

マホ「ツモ、嶺上開花ですっ」

マホ(でも…)

穏乃(もうそこは、私のテリトリーだからね)

マホ ツモ:5
手牌:三四五(赤)���(赤)2345(赤) [西西西西]

マホ「ツモ嶺上開花ドラ7。8000、4000です」

マホ(高目ではツモできませんでした…)

淡(支配が拮抗したのかなぁ。じゃあ私も、角が深いところにあるときは攻め方変えないとね)

ハオ(なるほど、そう来ましたか…。大きく稼いで逃げ切るつもりですね)

-東3局
-親:淡

-観戦室

恒子『先ほどド派手に上がった清澄の夢乃選手でしたが、自分の親番ではあっさり振り込んでしまいましたね』

健夜『これ以上点数を減らさないために、どのように打ち回すのか…。楽しみですね』

恒子『そしてこの東3局、大星選手ダブリー。ですが、他の選手の配牌は5向聴じゃなくなってきたぞー』


洋榎『12000点で逃げきれるかどうかやな…。うちなら余裕やけどもな』

春「どうせ東1を誰かが上がらないといけないなら、できるだけ高く上がって貯金を作る、か…」

洋榎『そういうこっちゃな。本当なら三色もつけて三倍満なら良かったんやろうけど』

春「山の支配がかなり進んでるってこと?」

洋榎『ここからは使えるコピーも限定されてくるで、マホ…』

春「あ…」

洋榎『マホが振り込んだか…。でもこれはどちらかというと』

春「安手への差し込みっぽい」

洋榎『親のダブリーが続くよりマシやって判断やろ。お前や、胡桃みたいな感じやな』

春「昨日のをもう取り入れてるんだ……」

-東4局
-親:ハオ

ハオ(清澄…。心の枷がかかっているはずなのに、随分冷静に見える)トン

穏乃(とりあえず絶対安全圏はもう心配しなくてよさそうかな)トン

マホ(さっきのは、昨日一緒に打たせてもらた滝見さんや鹿倉さんを参考にしました…。親のダブリーに上がられる前に、安目差し込み)

【1万点くらいで逃げきれるわけないのに…】

マホ(さっきもこんな感じの声が聞こえました。自分の声なのに、自分ではない誰かからの声…)

マホ(でも、自分が上がろうとする時には強く聞こえましたけど、はじめっから上がる気がないなら声も小さく聞こえます)

淡(まったく、あっさり流してくれて…。絶対安全圏は潰された。カン裏ももう乗らないだろうから…)

淡「チー」

淡(普通に打ったって、私は負けないっ!)

ハオ(鳴いてきましたか…。かえって手ごわいことになるかもしれませんね)

淡「ツモ、2000、1000」

マホ(あまり高くなくて良かったです…。あとは南場だけ、しのぎますっ)


-決勝中堅戦
-後半戦東場 終了(収支は後半戦のみ)

清澄  112300(+10100)
臨海  101100(-2100)

阿知賀  89500(-8000)
白糸台  97100(±0)

-南1局
-親:穏乃
-ドラ:�

-観戦室

久「あら春、こんなところで一人で見てるの?」

春「あ、久…」

洋榎『っと、見つかったか』

胡桃「こんなところでボッチになってなくてもいいのに」

春「…なんとなく」

久「じゃあ隣、失礼するわよ」

春「これで全員集合、かな」

洋榎『一応な…』

胡桃(なんだろう、この違和感。……本当に、全員?)


ハオ『リーチ』

マホ『ポンします!』

恒子『夢乃選手、一発消し。だが向聴数の上がらないポンだ、これは苦しいか!』

健夜『いえ、この鳴きでハオ選手の一発ツモを喰いとりましたね』

恒子『狙ってやったということですか?』

健夜『それは分かりませんが、少なくとも逃げ切りたい夢乃選手は早くこの半荘を流したいでしょうから…』


久「あら、流れを変える鳴き。井上さんかしら…」

洋榎『…それだけやないな。おそらく福路も真似しとる』

春「臨海は満貫手。親の阿知賀にも上がられたくない、となると…」

-対局室

マホ(大星さんの手は副露している中が見えるくらいで、あまり高くなさそうです)

【流れなんて読めるわけないのに…】

【相手の手牌を読むなんて、無理に決まってます】

マホ(…100%じゃないのは分かってます。ミスだってします。でも、それでもマホは、自分にできることをしますっ)

マホ(大星さんは、この局はピンズを左に寄せてました。視点移動からしても、待ちはピンズの悪形)チラ

マホ(対するリーチのハオさんはまだピンズを1枚も切ってないです)

マホ(でも、待ちは…。ソウズですね。ならこれ!)

マホ 打:�(赤)

淡(ドラ切りっ。でーもー、これで穏乃が筋を切ってくれるかもね)

淡 手牌:�����九九 1-23 中-中中

ハオ(河にないピンズの、しかも赤ドラを通してくるとは…。心の枷は外れていないはずなのに、どうして…)

穏乃(おお、ピンズの真ん中が通った。じゃあこっちも大丈夫かな。私も最後の親だからテンパイに向かいたいし) 打:�

淡「ロンだよ。中チャンタドラ1、3900」

穏乃「うっ、そっちか…」

マホ(やっぱり。この半荘、上がろうとせずに自分の被害を抑えることを考えていればなんとか心の枷も躱せます)

マホ(それに高鴨さんの支配も、井上さんと福路さんの打ち方には関係ありません。井上さんは流れや河、福路さんは手牌。フィールドが違いますっ)

マホ(問題は、上がれないと分かっている次の自分の親番…)

-南2局
-親:マホ

マホ(天江さん、何て言ってましたっけ)

マホ「こじみのねが聞こえるか」ボソ

淡(え、今何か言った?)

ハオ(手の進みが遅い?)

穏乃(これは、天江さんの…。でも。今は私の山の支配がかなり進んでる。海底まではたどり着けないのに、どうして…)

マホ(分かってます、でも10巡くらい皆さんが1向聴でいてくれれば、後はなんとかしてみせます)



淡(っと、ようやくテンパイか。でもあと2回くらいしかツモ回ってこないんだよねぇ…)

淡(ま、いっか)

淡「リーチ」
手牌:13456789��(赤)北北北

ハオ(……現物処理)

穏乃(リーチが入った。やっぱり1向聴地獄じゃないよね、ただみんなを足止めできたら良かったのかな。とりあえずテンパイ!)タン

マホ「チーです」

淡「一発消されたっ…」

マホ(一発ツモの未来が見えたので、ずらします!)

マホ(海の底まで、あと少し…)

ハオ(天江衣の海底コピーは不可能なはず…。今の海底は私ですが…)トン

マホ「ポン!」

穏乃(え、これで海底はマホちゃんに…。どうして)

淡(…2人とも清澄ばっかり見てさ、リーチしてるのは私だっての!)

淡「…来たっ、カン!」

ハオ(まだカンできますか…。本当に山は支配されているんですか??)

穏乃(…してるよ、してるはずなのに。でもこれで海底はずれた)

淡「さって、カン裏楽しみだなぁ」トン

マホ「ポンします」

穏乃(また鳴いた…。これで3副露、上がれないはずじゃなかったの!)

ハオ(いや、これはむしろ…)タン

マホ「ポンです!」

淡(4副露っ)

ハオ(まだ枷が破られる兆しはないです。心配は不用なはずですが…)

穏乃(まさか、友引っ…。いや、でもそんなの引けるはずがない)

淡(友引に加えて、海底! そんな美味しい上がり方するわけ?)


マホ(上がり牌をツモれるなんて、思ってませんっ。ただ、自分に海底に回るように打たないと、誰かが上がるような気がして…)

マホ(それに、支配された山から牌をツモるよりも、河から拾った方が安全です!)

マホ 海底牌:2ソウ

マホ(私の単騎牌は、全員が1枚ずつ切ってる南ですから、これで振り込みはあり得ません!)

マホ 打:南

穏乃「…上がりじゃないのか」

ハオ「テンパイです」
手牌:244����三三六六白白

淡「テンパイ」
手牌:13456789��(赤) 〔北北北北〕

穏乃「テンパイです」
手牌:2234567���七八九

マホ「ノーテンです」
手牌:2 中-中中 �-�� 四-四四 一-二三

マホ(……やっぱり、海底牌は全員の上がり牌)

ハオ「……え、ノーテン?」

淡「裸単騎なんだからテンパイでしょう?」

穏乃「テンパイしているときにノーテン宣言はルール違反じゃないはずだけど…」

マホ「私はノーテンですから、親流れですよね?」

ハオ「…そういうことですか」

穏乃(心の枷は外れていないんだ、だから自分の親を安く流すために流局を狙ったのか。もし自分ひとりがノーテンでも3000点の支出で済むから)

淡「ま、いいけどねー。私の親番、流れ一本!」

-南3局1本場
-親:淡

-清澄控室

咲「マホちゃん、なんとか振り込まずにすんだね…」

和「しかしせっかくテンパイして親番が続けられるのに流すのはどうなんでしょう…」

優希「まあ、リードしてるんだからいいってことだじぇ」ウマー

京太郎「…おまえ、今更だけどよくそんなに食べて太らないな」

優希「タコスは別腹だじぇ!」

ムロ「あと2局ですね…」

咲(でも、もう山が関わらない能力は使い果たしたはず…。残り2局、凌げるかな)



-観戦室

洋榎『…この南3局さえ流せればええ。そうやろ、マホ』

春「え、なんで?」

久「ん、どうしたの、春?」

春「いや、独り言…」

胡桃「それにしても、裸単騎なのにノーテン宣言なんて初めて見たよ」

久「単騎牌が安牌だったから、完全に上がらないつもりだったんだろうけど。ある意味、私の悪待ちに似てるかもね」

胡桃「空テンリーチとか悪待ちにも程があるけど、確かにそれに似てたかもね」

春(大星淡の親番、ダブリーはできてない…。でも、もう使えるコピーはほとんどないはず、どうするのマホ?)

洋榎『もうコピーなんかに頼らずにそのくらい躱してみせてくれんと、うちの一番弟子とは言えんで。見せてみい、マホ!』

-対局室

マホ(もうコピーは使えませんし、使っても山の支配に跳ね返される。この南3局、先生から教わったことで凌いでみせます)

ハオ(このままでは清澄にダメージを与えることができない…)

ハオ(追いかける原村を突き放すよりも、逃げる原村に追いつく方が難しい。原村を逃がせば、バトンはそのまま宮永咲に渡ってしまう。いくらネリーでも今以上に差が開いては追いかけるのは厳しい…)

ハオ(……上手くいくかわかりませんが、奥の手です)ゴゴゴ

穏乃「えっ…」

淡「…どうかした?」

穏乃「いや、なにも…」

穏乃(なんだろう、山が震えたような気がする…)

穏乃(でも、手は入ってきてる。気のせいだったのかな)

淡(っと、すぐにはテンパイできないと思ったけど、結構ツモ調子いいね)

マホ(…手が偏ってます。四暗刻が見えてきましたけど)

マホ(上がれないはずなのに、どうして。それに、なんだか声も聞こえなくなったような)

ハオ(……)

-清澄控室

優希「マホ、四暗刻の一向聴だじぇ」

京太郎「でも他も手が進んでるぞ」

和「この四暗刻は、あだ花ですね」

京太郎「ん、それってどういうことだ…」

和「マホの四暗刻の最終形は、シャボ待ちのツモリ四暗刻」

京太郎「出上がりだと、トイトイ三暗刻にしかならないのか」

和「けれどマホからは見えませんが、全員の手牌の中にもうマホの四暗刻候補の牌はすべて使われています」

ムロ「ツモはできない…」

和「上がり目のない手に固執して、誰かに振り込む可能性が高いですね。それに…」

咲「大丈夫だよ、マホちゃんなら」

和「けれど、この局は…」

優希「…これって」

京太郎「マホの手牌、全部誰かに当たるんじゃないか!?」

ムロ「……県大会のときは四暗刻を崩せば回避できた。でもこれじゃあ」

咲「大丈夫だよ…。大丈夫」

-対局室

ドラ:�
カンドラ:六
カンドラ:4

マホ(…なんだか、どれを切っても当たるような気がします)
ツモ:7
手牌:11444��六六六九九九

ハオ(一局限定ですが、一人に当たり牌を集める…。山の支配はなんとか破れたようですね)

ハオ(さあ、誰に振り込みますか?)
手牌:□□□□□□□□□□ [����](リーチ)

穏乃(やっぱり変だよ…。山の景色は変わらないのに、いつの間にか地下にトンネルができてるような、そんな感じ…。何か、起きてる??)
手牌:□□□□□□□□□□ 白-白白

淡(長考してるねぇ。どうせ上がれないんだからサクサク切って振り込んでくれたらいいのに…)
手牌:□□□□□□□□□□ [中中中中](リーチ)

マホ(暗槓が2回もされて、表ドラが3枚。リーチに振ったら裏3枚確認しないといけなくなる)

マホ(多少高くても、鳴きを入れて裏ドラの関係ない高鴨さんに振り込むのがベスト…。親の大星さんには絶対に振り込めません)

マホ(……暗刻なんてどんどん崩さないとダメでした。失敗です)

マホ(でも悔やんでも仕方ないです、今できる最善を尽くします)

-観戦室

恒子『ななな、なんということでしょうか。清澄夢乃選手、四暗刻をテンパイするものの全員の当たり牌をつかんでしまったぁ。これはもったいないっ!!』

健夜『暗槓が2回入っていますから、リーチしている大星選手とハオ選手には振り込みたくないでしょうね』

恒子『けれど、見えているだけなら高鴨選手が一番高いですよね』

健夜『それでも、裏ドラが3つありますからね。リスクとしては重く見るべきと考えるのではないでしょうか』



久「あらら…。私ならそのままツモ切りで突っ張っちゃうかなぁ」

胡桃「役満テンパイだったら普通はそうするよね…」

春「でもそれじゃあ…」

久「3つあるとはいえ、裏が乗るかどうか分からないしね…」

洋榎『さすがにそう簡単には終わらせてもらえなさそうやな。けどなマホ、このくらいは乗り越えてくれんと困るで。これくらいかわせるだけのことは、教えてきたはずや』

春「マホ…」

-対局室

ドラ:�
カンドラ:六
カンドラ:4

マホ(ドラになってしまった4ソウと六萬は切りたくない。萬子を切るなら九萬…)
ツモ:7
手牌:11444��六六六九九九

マホ(大星さん、待ちは少なくともピンズではないはずです。きっと萬子の上。九萬も安目になるとは限らない…。萬子は切れない)

マホ(ソウズ、1-4-7。誰かが三面張ということでしょうか…)


ハオ手牌:□□□□□□□□□□ [����](リーチ)

穏乃手牌:□□□□□□□□□□ 白-白白

淡 手牌:□□□□□□□□□□ [中中中中](リーチ)


マホ(ハオさんがピンズを暗槓してますけど、だからと言って手牌の中もピンズとは限らない…。でもピンズに染まっているようにも見えます)

マホ(高鴨さんが、7ソウを切ってますから、ソウズ三面張ではないですけど)

マホ(たとえば変則三面張…)

77����� (7、�-�待ち)

マホ(ハオさんが、こう待っているかもしれません…。そして高鴨さんがソウズの1-4待ち)

マホ(どっちにしても、マホが今切れる牌は、1ソウか�ピンのどちらかです…)

マホ(でも、今まで習ってきたことを考えれば…。先生、マホの選択はこれです!)

打:�ピン

穏乃「ロン」

手牌:��������(赤)�� 白-白白 (���� 待ち)

穏乃「白混一ドラ3、12300」

マホ「跳満…」

マホ(正解かどうかは、分かりませんけど…。とにかくこれであと1局です)

マホ(1人で打っているんじゃないってことを。先輩たちや、先生に教わったことをこのオーラスで見せます!)

ハオ(…かわされましたか。これで微差ながら阿知賀がトップですか…)
手牌:1123456発発発 [����](147 待ち/リーチ)

淡(また流された。上がれないはずなのに、完全に場をコントロールされてる。なんなのこの1年…)
手牌:22一二三四五六七八 [中中中中] (三六九 待ち/リーチ)

-決勝中堅戦
-後半戦オーラス(収支は後半戦のみ)

清澄   97000(-5200)
臨海  100100(-3100)
阿知賀 101900(+4400)
白糸台 101000(+3900)



-観戦室

恒子『中堅戦もいよいよオーラスですっ』

健夜『清澄の夢乃選手、前局は上手く阿知賀に振り込むことができましたね』

恒子『でも跳満ですよ?』

健夜『親に連荘されるよりはましですし、先ほど山を崩す時に裏ドラが見えました…。表示牌は、白、発、�』

恒子『ということはドラが、発、中、�。うわぁ、モロ乗りだ』

健夜『ですので、結果的に一番傷の浅い振り込みで済んだということです。高鴨選手は後半こういう運の要素が排除される傾向にあるのですが、今回は当てはまらなかったのでしょうか…』


久「マホちゃん、凄いわね。ほんとに、もうちょっと年が近かったらもっと楽しかったろうに」

春「…この配牌」

胡桃「でも、上がれないんでしょ、今…」

洋榎『マホは上がるで』

春「…でも、前半戦で大星さんが上がってる。ハオの支配も、絶対じゃない」

久「そうね。それにこの配牌、この流れ…。どこかで見た気がするのよね。まこだったら分かるのかしら」

春「これって…」

洋榎『まあ見とれって』

-対局室

-南4局
-親:ハオ
-ドラ:一萬

淡「リーチ」

ハオ(もうオーラスだというのに、まだリーチしてきますか…)

淡(跳満あがれば収支をプラスにできる。マイナスのまま終われるわけないからねっ)

穏乃(微差のトップ、ここは無理しなくてもいいかな)トン
打:�ピン

マホ「ポンします」

ハオ(…鳴いた? 一発消しですか?)

淡(上がれないんでしょ、大人しくしててよね!)

淡「来たっ、カン!」 [8888] 新ドラ:一萬

淡(次の角であがってやるっ)

穏乃(なんだろう、山は支配できてるはずなのに…。さっきとは違う感じで、嫌な感じがする…)

マホ「カンです」 加槓:�-���

ハオ(嶺上開花!?)

穏乃(いや、東1で嶺上開花は真似してる。偶然ツモるなんてことでもない限り、狙ってツモは無理なはず…)

マホ「…嶺上開花、ならずです」
打:一萬

ハオ ツモ:9ソウ
ハオ(…白糸台のリーチにそこまでして鳴きにかかる理由はなんですか。枷は破れていないはずなのに)

ハオ(9ソウ…。白糸台が8ソウをカンしているので、完全なる孤立牌。加えて白糸台も阿知賀もすでに切っている。あるとすれば、清澄が単騎待ち…)

ハオ(だったら、生牌でなおかつドラドラの一萬で待つべきでしょう。捨て牌からして、チャンタかトイトイあたりでしょう)

打:9ソウ

ハオ「えっ…」ピクッ

ハオ(…何の前触れもなかったはず、なぜ突然破られるっ)

マホ(先生が教えてくれたこと、これがそのすべてです)

マホ「ロンです!」

手牌:一一一���1119 �-���

マホ「思ったより、痛いんじゃないですか?」

ハオ「な、これは…」

穏乃「清老頭!」

淡「役満直撃。怖っ…」

ハオ「な、なぜ…。それに一萬が暗刻ならなぜカンしなかったんですか」

マホ「14翻キーは、山の支配を破った実績がありますから」

淡「14翻キー? それって新道寺の」

穏乃「でも、あれは2人じゃないと…。キーだけ真似なんてできるの?」

マホ「ちゃんと縛って上がりましたよ、前半戦のオーラスで。きっちり7翻」

マホ(それに2人でというのなら、この役満はちゃんと先生と繋がってますっ)

ハオ「そんな……」

-決勝中堅戦 終了

清澄  130300(+44900)
臨海   68100(-28100)
阿知賀 101600(-5400)
白糸台 100000(-11400)



-観戦室

恒子『中堅戦、大決着っっ!! その幕切れは劇的な役満、清・老・頭だぁぁぁぁぁぁ』

健夜『テンション高いよ、こーこちゃん…』

恒子『だって清老頭だよ、インハイ史上初の!』

健夜『確かにそんなに出る役満じゃないけど、初ってことはないと思うよ。そこは確認しようよ』

恒子『というわけで、いまちょー優秀なスタッフさんが過去の役満のデータを持ってきてくれました』

健夜『去年は出なかったようですね…』

恒子『最近出たのは2年前の大会ですね。1回戦、姫松高校中堅の愛宕洋榎が上がっていますね』

健夜『愛宕、洋榎……』

恒子『どこかで聞いたことある名前ですよね』

健夜『………はっ、去年度の新人王だよ。ダメだよ、忘れてたら!』

恒子『おお、そういえばそんな気もしてきました。さすが愛宕プロ、高校の時からやることが違いますっ』



久「洋榎。そうよ、洋榎よ……。なんで、どうして今まで忘れていたのかしら」グスン

胡桃「なに泣いてるの、みっともない…」

久「そういうあなただって、顔あげなさいよ」

胡桃「……ホント、どうして忘れてたんだろう。あんな口うるさい人、忘れられるわけないのに…」グスン

洋榎『……マホ、ようやったな』

春「でもこれって14翻じゃないんじゃ…」ヒソヒソ

洋榎『14翻やろ。清老頭やなくて、純チャントイトイ三暗刻三色同刻ドラ6って数えればな』

春「……まあ、結果がすべてか」ヒソヒソ

洋榎『まだ油断できへんけど、3万点差で逃げる原村を追いかけるのはウチでも面倒くさって思うわ』

春「さらに大将が、インハイチャンピオン宮永咲」ヒソヒソ

洋榎『ま、これで久々に大阪に帰れそうやわ…。マホのおかげやで』

春「…行こう。マホのところ」

久「え、私は遠慮しておくわ。こんな顔じゃみっともないし」

胡桃「勝ったら勝ったでまた泣きそうだけどね」

久「…うるさいこそ!」

春「じゃあ、私は行ってくる」

洋榎『せやな、行こか』

-廊下

マホ(……あとは和先輩と咲先輩なら逃げきれますよね)

春「マホ、お疲れ様」

洋榎『よーやったな。まずまずやで』

マホ「あ、先生と滝見さん。マホ、頑張りましたっ」

洋榎『ああ、愛宕洋榎の一番弟子を名乗るのを許可したるわ』

マホ「いいんですか!?」

洋榎『まあでも、ウチは調子ええからな、そのうち一番弟子が10人くらいおるかもわからへんけどな』

マホ「ちゃんと順番くらい覚えててくださいよ」

洋榎『そこらへんいい加減やからなぁ。まあ、堪忍したってや』

マホ「じゃあ、先生の一番弟子を名乗る人がいたら、全部ゴッ倒します」

春「本当にやりそうで怖い…」

洋榎『マホ、優勝が決まればそれで一旦お別れや。病院のベッドで寝たっきりの体やからすぐには動かれへんやろうしな…』

マホ「夏休みが終わる前に、お見舞いに行かせてください」

洋榎『せやな。春、あとでウチの携帯の番号教えたってや』

春「分かった」コクリ

洋榎『じゃあ、そろそろ控室に戻り。みんな待っとるで』

マホ「はい、本当に今日までいろいろ教えていただいてありがとうございました」ペコリ

洋榎『また会うときは、一緒に卓囲もうな』

マホ「はいっ!」

-大阪
-病院内個室

咲『ツモ、嶺上開花』

恒子『決まったぁぁぁぁぁ。清澄高校前人未到の3連覇達成です!!』


絹恵「今年も清澄か。やっぱ強いんやな」

絹恵「お姉ちゃん、インハイ終わったで。姫松は全然あかんかったな…」

絹恵「もう面会時間も終わりやし、帰るわ」

絹恵(決勝の中堅戦を見てお姉ちゃんのこと思い出せたけど、次に思い出せるのはいつなんやろうな…)

絹恵「はよ起きや、お姉ちゃん!」

洋榎「」ピク

絹恵「えっ。いま、動いた?」

洋榎「……き…ぬ…」

絹恵「お、お姉ちゃん、お姉ちゃん意識戻ったん!」

洋榎「……か…ら…あげ」

絹恵「いきなりそんなもん食えるか!! 先生呼んでくるからっ」

洋榎(病室…。ありがとな、マホ)

絹恵「ああ、ナースコールどこやったっけ。落ち着かなあかんのに!」

洋榎(そんで、心配かけたな、絹)

洋榎(それにしても生身の体しんどいな…。幽霊の方が楽やったんちゃうか)

洋榎(まあええわ。もう一眠りさせてもらお)

絹恵「ああ、お姉ちゃん目を閉じたらあかん、寝たら死んでまうで!」

-8月末
-大阪

洋榎「病院とか退屈やわー。はよ退院したいわー」

コンコン

マホ「お邪魔します」

洋榎「お、マホか。邪魔するなら帰ってや」

マホ「そんな、ひどいですっ」

洋榎「あんな、そこは『分かりました帰りますーぅ、ってなんでやねん!』っていうところやで」

マホ「ごめんなさいぃぃ」

洋榎「そんなんじゃ一番弟子は返上してもらわなあかんな」

マホ「そんなぁ…」

久「洋榎、あんまりマホちゃんいじめるのやめなさい…」

洋榎「なんや、久もおったんか」

久「さすがにマホちゃんだけで大阪までくるのはね。いろいろと、春からも事情は聞いたしね」

洋榎「さよか」

久「まさか洋榎が生死の境にいるとは思わなかったし、それに洋榎のことを忘れてしまうなんて思いもしなかったわ……」

洋榎「そういう賭けやったからな、別に久のせいやあらへんで」

マホ「でも本当に良かったです。竹井先輩が完全に先生のこと忘れてたときはどうしようかと…」

久「あら、そんなことあったかしら?」シレ

洋榎「絹でさえ忘れとったんやから仕方あらへんやろ。それより、せっかく面子が集まったんやし病院抜け出してどっかで打ち行かへんか」

マホ「え、それはちょっと…」

久「あと1人はどこにいるのかしら?」

マホ「もう1人いてもダメですっ。まだ先生は入院中なんですから!」

洋榎「マホは固いなぁ…。そんなんじゃ大阪じゃ生きていかれへんで」

絹恵「お姉ちゃん、着替えもってきたでー」

洋榎「ほら、もう一人来たで」

絹恵「え、何の話? ええっと、清澄の1年生と部長さん?」

久「お見舞いにきました。久々に部長って呼ばれたわねぇ」

絹恵「あ、すいません。とっさに名前が出てこなくて」

洋榎「よし、絹。今から雀荘行くで」

絹恵「はぁ、また言うとる。だから退院したら徹麻でもなんでも付き合ったるから、それまではちゃんと体を休めてって言うとるやろ」

洋榎「絹のケチ。せっかく長野からウチと打ちに来てくれたんやで」

絹恵「いまお見舞いって言うとったやろ、あんまりわがまま言うとベッドに縛り付けんで」

マホ「固くても、大阪でちゃんと生きていけるじゃないですか…」

絹恵「え、何の話?」

洋榎「その話はええやろ。雀荘は無理でも、これならええやろ?」

久「カード麻雀、か。あんまり好きじゃないんだけどねぇ。投げれないから」

絹恵「ええけど、東風1回だけやで…」

洋榎「おお、さすが絹。話が分かるわ」

絹恵「そのくらい許しとかんと、病室抜け出して一人で雀荘行きそうやもん」

洋榎「よっしゃ、じゃあ早速やるで」


洋榎「ツモ、まくったで!」

マホ「うう、まくられました…」

絹恵「何にも出来へんかったわ」

久「うーん、やっぱりカードじゃいまいち調子が出ないわね」

洋榎「うちに勝とうなんて100億光年早いわ!」

絹恵「お姉ちゃん、光年って距離の単位やで」

洋榎「そ、それくらい距離があるっていうことや!」

マホ「まだまだ先生には敵いませんね…」

洋榎「…なあ、マホ」

マホ「はい、なんでしょうか?」

洋榎「プロになる気は、あるか?」

マホ「え、プロですか…。そんなこと、考えたこともないです」

久「あら、スカウトかしら。それならマネージャーである私を通してくれないと」

洋榎「もうマネージャーがおるんか、プロになる気満々やないか」

マホ「え、え…。そんな、マホがプロになんて」オロオロ

洋榎「もしその気があるんやったら、いろいろ世話したろうかと思ったんやけどな」

マホ「……少し、考えてみます」

絹恵「今度お姉ちゃんが退院したら、また遊びにおいで。そんときは、ちゃんとした卓で打とうな」

マホ「はい、よろしくお願いします」

絹恵「妹がおるんやったら、マホちゃんみたいな妹がほしかったなぁ」

洋榎「なんや、お姉ちゃんじゃ不満なんか?」

絹恵「お姉ちゃんはお姉ちゃん、妹とは別なんやで」

久「じゃあ、そろそろ行こうか」

洋榎「長野から来てもらったのに、大したもてなしもできんで悪かったな」

マホ「いえ、お元気そうでよかったです」

洋榎「マホ、今の言葉、冗談やないからな」

マホ「…はい、しっかり考えます」

-3年後

えり「プロ麻雀リーグ開幕戦もいよいよ中堅戦。ではさっそく選手紹介です」

えり「実業団、博多エバーグリーンズの遺志を引き継ぎ、ついにプロチームを立ち上げるにいたりました。その発起人、阿知賀エバーグリーンズ・赤土晴絵プロ」

はやり「昔うちのチームに来てほしいなぁって誘ったこともあるんだけど、自分のチームを立ち上げるなんてすごいよね☆」

えり「小鍛治プロも合流予定という話もあり、今季台風の目となりそうですね」

はやり「まだ総合力では劣ると思うけど、小鍛治さんが加わったら対策が大変だね」

えり「阪急タイガーキャッツからは、もはや不動の中堅と呼んでよいでしょう。愛宕洋榎プロ」

はやり「新人王をとった次の年は大変だったけど、そのあとの復活はすごかったね。一皮むけて帰ってきたって感じ」

えり「昨年度はシルバーシューターを受賞する活躍でした」

はやり「ただチーム自体はタレント不足って感じだから、なおさら洋榎ちゃんにかかる期待は大きいだろうね」

えり「続いては横浜ロードスターズです。中堅は前年度インカレチャンピオン宮永照プロ」

はやり「中堅に彼女を持ってこれるなんて豪華だよねぇ」

えり「先鋒は日本代表を務める三尋木プロですからね。リーグ優勝の最有力候補です」

はやり「あれぇ、私は先鋒のことなんて聞いてないけどな?」

えり「…っ、それでは最後の選手の紹介です!」///

はやり「照れなくてもいいのにぃ」ニヤニヤ

えり「佐久フェレッターズ、前年度インハイチャンピオン・夢乃マホプロ」

はやり「いきなりインカレチャンピオンとインハイチャンピオンが激突か、なかなか面白い戦いになりそうだね」

えり「さあ、今場決めが終わった模様です」

-対局室

洋榎「思ったより早く、プロの場で戦うことになったな」

マホ「今日はよろしくお願いします、愛宕プロ」ペコリ

洋榎「そんな他人行儀にせんでもええのに」

マホ「いえ、先生にライバルだって認めてもらえるようになるって、マホ決めましたから」

洋榎「じゃあ一生他人行儀やな。格の違い、見せたるわ」

晴絵「おいおい、私を忘れてもらっちゃ困るな」

照「早く始めよう」

洋榎「まとめて蹴散らしたるわ!」

マホ「そんなこと、させません!」

マホ、あれから一生懸命考えました…

でも、結局よくわかりませんでした


初めはただの憧れから始まって
誰かを真似するだけで、自分が強くなったつもりでいたけれど


確かに、先生に教わってマホは強くなれたと思います
でもそれは先生の強さであって、マホの強さじゃないんじゃないかって思ったりして…


そんなときに、先生がプロリーグに復帰した試合を見ました
ブランクがあるとは思えないような打ち筋で…
マホ、嬉しいのか悲しいのか、よく分からなくなりました


先生が復帰してくれて嬉しいです
でも、そんな先生と同じ舞台に立つ実力はマホにはないんじゃないかって思えてきて


そんなとき、絹恵さんから電話がありました
マホ、つい思っていることを全部打ち明けてしまいました
絹恵さんはマホのとりとめのない話を全部聞いてくれて…


そして、こう言いました


『お姉ちゃんが誰かに教えるなんて、滅多にあらへんで
 妹の私ですら、麻雀の打ち方なんてろくに教わってへんよ。背中で語るのがうちの流儀や、なんて言ってな』


じゃあ、どうしてマホに教えてくれたんでしょうか…
ただ、命がかかっていたから?


『上手く教わるのも才能やで、マホちゃん
 本当に見込みがなかったら、お姉ちゃん生きるの諦めて幽霊のうちに好き勝手しそうやもん』


教わるのが、才能…
教わって、真似するのは才能なんでしょうか


『麻雀だけやあらへん、サッカーだってプロの映像とか見て真似するし
 そもそも、真似しようと思ってもそう簡単にできへんのやから、マホちゃんは凄いと思うで』


絹恵さんは、さらに言いました


『そもそも、お姉ちゃんだって、うちのオカンの真似から始めとるんやし』


先生のお母さんも、もともとはプロで活躍していたそうです


『いろいろ真似して、自分にしっくりくる打ち方を見つけたらええんやない
 お姉ちゃんは早くプロに来いなんて言っとったけど、お姉ちゃんせっかちやから、気にせんとゆっくり考えたらええよ』


結局そのときも答えを出すことはできなかったですけど…

でも、いろんな人の真似をして、いいところをどんどん吸収できたらいいなって、そう思えました



だから、今この時も…


「リーチしますっ」


マホより強い人はたくさんいます

だから、その強さを全部真似して吸収して


「ツモです!」


いつか、私にあこがれて、私を真似したいなんて人がいてくれたら

先生の思いもマホの思いも誰かにつながっていく、そんな気がするんです…





洋榎「ウチのライバル名乗るには100年早いわ!」


マホ「じゃあ100年かかってでも、先生に追いついてみせますっ」





マホ「ヒロエシラバス?」 カン!

以上にて完結です
即興SS書いているときにも言いましたが、いまいちモチベーションが上がらないので小ネタまで手が回らなくて申し訳ないです

即興はまた気が向いたらやりたいので、しばらくこのスレは残します
即興で新しく立てるほどじゃないでしょうし

ここまで読んでいただきありがとうございました

乙ー楽しめたよ

乙!
洋榎ちゃんの清老頭をマホが受けついで卒業とは良い〆だったよ

乙、良かったー

やっぱり役満……シビれたぜ

ちゃちゃのん大丈夫かなぁ


一人リザべーションでヒビクンしたら笑うわ

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

コンマ表>>232
↓1×↓2

ほい

んー

01 宮永 照
13 園城寺 怜

最近あんまり照怜ないですね…

【鏡よ鏡…】
-準決勝先鋒戦

千里山のエース、園城寺怜…
牌譜を見る限り何か特別な力を持っていると思う
けれど、私の照魔鏡で覗けばその力が何なのか知ることができる

1局様子を見なければならないのが欠点といえば欠点だけど
東1は千里山の1発ツモが決まった
じゃあ、さっそく照魔鏡を発動!

怜ちゃん「覗かんといてや、エッチ」

…え?

怜ちゃん「なんや、ウチの心の中覗こうとする不届き者がおるらしいから、竜華の太ももからすっとんできたわ」

っていうかナチュラルに私に話しかけてきてるけど、これ鏡の中だよね…
この縮んだ謎生物、園城寺さんの分身みたいなものなんだろうか
これが、一発ツモの正体?

怜ちゃん「そもそもなんなん、人の心を土足で踏み荒らしてええと思っとるんか?」

照「…っていうかそういう能力というか」

怜ちゃん「能力とかちゃうねん、人の心に土足で入ってきてええと思っとるんかって聞いとるんや、質問に答えや!」

照「その…。ごめんなさい」

照魔鏡を使って以来妨害されたことなんてなかったのに、まさか説教なんてされるとは思わなかった

怜ちゃん「それともあれか、逆にチャンピオン、あんた自分の心覗かれてもええんか?」

照「…それはちょっと」

怜ちゃん「せやろ。あんただって人間や、覗かれたら困ることや恥ずかしいことだってあるやろ」

照「うん…」

怜ちゃん「だったら自分だけみんなの心を覗いてやろうなんて、そんなひねたことしたらあかん。むしろ逆や」

照「…逆?」

怜ちゃん「せやで、逆に自分からもっと心を開いていかな。宮永照はこういう人間ですって、そしたら周りも自分から心を開いてくれるかもしれへんやん」

照「そんなこと、考えたこともなかった…」

怜ちゃん「せやったら、今日から初めてみようやないか」

照「千里山…」

怜ちゃん「園城寺怜や。特別に、怜ちゃんって呼ばせたる」

照「怜ちゃん…。じゃあ私のことも照って呼んでくれていいよ」

怜ちゃん「そうそう、そうやって心を開いていかなあかんで、照ちゃん」

照「ちゃん付けなんて、最近はされることなかったな…」

怜ちゃん「ほら、そろそろ時間やで」

照「ありがとう。私、やってみる」


そして私は、照魔鏡の発動を止めた

照「聞いてほしい、私の連続和了の秘密を」

そう、私はまず自分から心を開くんだ

煌「なんと、それはぜひ伺いたいです!」

玄「え、どういうことですか…」

怜「さすがチャンピオンや、そのフェア精神は見習わなあかん」

照(ありがとう怜ちゃん。私、ちょっとずつ心を開いてみるね)


怜( 計 画 通 り や !!)

方向性を変えてみようと思ったらよくわからない方向へ…
よし、次お願いします

●即興SS

コンマ表>>232
↓1×↓2

うい

Wasshoi!

08 荒川 憩
85 鶴田 姫子

接点ないですが、学年は同じか…

新道寺は方言がしんどい…


即興SS【たまにはウチも…】

-準決勝前夜

憩「姫子ちゃんや、ひさしぶりやなぁ」

姫子「憩ちゃんか…」

憩「春季大会以来やね」

姫子「まだ個人戦が始まるには早くなかと?」

憩「全国の友達と会う機会ってなかなかないからな。それに三箇牧自体は負けてもうたし、私一人で来る分には宿泊費そんなにかからへんからええよーって学校から言われとるんよ」

姫子「ほうか…」

憩「それに、ちょうどええ練習相手もおったしな」

姫子「練習相手?」

憩「明日当たる相手やで?」

姫子「千里山と練習しよっと?」

憩「ちゃうよ、奈良県代表の阿知賀女子ってところや」

姫子「阿知賀、か。先鋒がドラが集まるのは知りようと、他はそこまでやなかね」

憩「そんな風に見とると、痛い目に会うで」

姫子「…侮れんちゅうこと?」

憩「あんまり言うと阿知賀のみんなに悪いしな」

姫子「どんな相手でも負けんばい」

憩「ん、その意気やで」

姫子「ああ、ついでたい。ちょっと相談に乗ってほしかことがあったい…」

憩「なになに、なんでもゆうてや」

姫子「明日、花田になんて言ってやればよかかと思って」

憩「花田…、ああ、あの先鋒の人やね。2回戦見とったけど、チャンピオンは相変わらず人間とは思えへん打ち方やったね」

姫子「花田が落ち込んだところば見たことなか。ばってん、裏では凄くへこんでたりするんやなかとって思う…」

憩「んー、でもいつも通り送り出してあげればええんやないかな…。変に気負ったことしても、かえってプレッシャーになりそうやし」

姫子「それでよかやろか…」

憩「大丈夫、大丈夫。相談件数No.1のウチにお任せあれ!」

姫子「なんかのCMみたい…」

憩「実際のとこ、ウチに相談すればなんとかなるみたいな風潮、なんとかならんかなとか思ったりするけど」ハァ

姫子「急にリアルに落ち込まれても…」

憩「たまにはウチも誰かに相談してみたいんですーぅ!」

姫子「じゃあ、私に言ってみたらよか」

憩「……まあ、今はこれといって悩みあらへんけどな」

姫子「無いのか!!」

憩「でも、ありがとな。試合前なのに、変なこと言ってごめんな」

姫子「よかよ。それに、花田のこと話せてよかったから」

憩「じゃあ、明日頑張ってな」

今日はこれで寝ます
明日の朝書きますので、コンマだけお願いします

●即興SS

コンマ表>>232
↓1×↓2

どーん!

やー

84 安福 莉子
26 真瀬 由子

この組み合わせは、ちょっと想像できない…

84 安福 莉子
26 真瀬 由子

これは、どうしよう…

あれ、消えたと思ったら書けてた…


即興SS【ベストな組み合わせを模索しよう】

○新道寺

由子「この配牌…」

由子「リサベーション、セブンなのよー」ガシ ガシ ガシャン


莉子「」ビビクン

莉子「ここで7翻とか無理ですよぉ」ガクガク

美子「大きいの入ったと?」←友情出演


由子ちゃんが絵的にどうだろう…


○鶴賀

-由子ちん、1年乱入事件

由子「どこ、どこにいるのよー」キョロキョロ

由子「私はあなたがほしいのよー!」

莉子(誰にも見つけられない私を探してくれるなんて)

莉子「こんな私でよければ」

語尾のせいでギャグにしか見えない…
ステルスリコならあの穏乃への振り込みは無かっただろうけど


○臨界

由子「龍門淵の副将は、突然豹変したのよ…」

由子「私は怖くなって、他を飛ばすしかなかったのよー」

莉子「逃げたんですね」

莉子「逃げずに、真っ直ぐ打てばいいんです」

由子「今なら、真正面から打ち倒せるのに」

真っ直ぐ打った結果…


○姫松

莉子「2位抜けになってしまって、ごめんなさい…」カタカタ

由子「問題あらへんよー」

莉子「でも…。あの宮永咲、2回連続±0」

由子「んー、まあきっとなんとかなるのよー」

莉子「なんとかって、どうすればいいんですか。私、私…」

由子「もし宮永さんが±0にするなら、それ以上に私たちがリードを広げておけばええんよ」

由子「±0じゃ勝ち抜けできないくらい、ね」

莉子「…先輩。ありがとうございます、私頑張ってみます」

由子「うんうん、それでいいのよ」


あれ、同じ学校にいたら普通にいい先輩後輩だった?

臨海が臨界になっている…

今日明日は出かけますので、即興はないです
コンマで同じキャラが出たら終了にしようかなぁ

乙ー
この組み合わせが出た時どうなるかと思ったが以前のスレでの平常運転で安心した

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

コンマ表>>232
↓1×↓2

ほい

とう

01 宮永 照
68 臼沢 塞

もう照が出てしまったやないか…

再安価いく?

いや、とりあえずこの組み合わせは書きます

1:このスレは終了、即興スレを立ててみる
2:このスレは終了、次回作を書き溜める
3:コンマで同じキャラ出ても、華菜ちゃんしぶといから続けるし

のどれか、まだちゃんと決めてなかったからどうしようかなぁと…

3だな少なくともスレ埋まるまでは頑張って欲しいな

3でお願い

【冴えてる二人】

-全国大会

照「…おかし」

菫「そんなにほしければ自分で買ってこい」

照「分かった」


-売店前

照「…みんなは何食べるかな」

塞「はあ、結局損な役回りは私に回ってくるのよねぇ…」

照(制服、出場校の誰かかな…。外用の態度にしないと…)

塞「って、宮永さん。なんでこんなところにいるの」

塞(まさかインハイチャンピオンが買い出し…。そんなのあるわけナイナイ)

照「私だって買い物の一つや二つ、しますよ?」

塞「いや、まあそうかもしれないですけど…。個人戦も控えてるでしょうし、こんなところにいていいの?」

照「私は今日は出番がありませんし、チームメイトの応援も兼ねて来ていますので」営業スマイル

塞(…なんだろう、雑誌とかのインタビューだと確かにこんな態度だけど)

塞(実際に接してみると、なんか隠している気がする)

塞「塞いでみるか…」ポツリ

照「何かおっしゃいました?」

塞「」ゴゴゴゴゴ

照(…これは)

照「食べているお菓子が無くなったから買いに来た。誰も買いに行ってくれないから」

塞「あはは、それが本音なんだね」

照「え、なんで…」

塞「そんな作った態度なんて、私にかかれば簡単に塞いで本音を出させちゃうんだからね」

照「突然それは、ひどい…」

塞「ごめんね、でもやっぱりちょっと無理している感じするよ。まあインハイチャンピオンともなると、そんな仮面をかぶらないといけないような重圧があるのかもしれないけどさ」

照「…重圧はない。ただ、自分を出すのは限られた人にしたい、それだけ」

塞「そっか、ほんと、ごめんね。もう塞がないから」

照「…えー、あー。こほん、そうしていただけると助かります」営業スマイル

塞「……改めて比べると、やっぱり態度変わりすぎじゃないかな」

照「そんなことないですよ。全部本当の気持ちです」

塞「でも一度本音を知っちゃったらさ…」

照「え、なんですか?」

塞「心を開いてもらえる数少ない人間になるにはどうしたらいいのかななんて、考えちゃうよ?」

照「……おかしをおごってくれたら、心を少しは開くかもしれませんよ」

塞「それはそれで安くない?」

照「一度見られたものを、改めて隠すのもなかなかに億劫だから」

塞「確かにね。じゃあ宮永さんの心のカギは、どのおかしなのかな?」

照「端から端まで、全部」

塞「全然安くなかった!!」

言っちゃなんだが、業突く張りだな照w

じゃあコンマで華菜ちゃんが出たらお終いにするか
そんなこと言うとすぐ出そうだけど…

ルールをちゃんと決めますか


・同じキャラは2回まで
・2回書かれたら、そのキャラのコンマは【スレ終了】に変更する
・ただし、自由指定での指定はカウントしない

01 宮永 照 → 01【スレ終了】

となっても、自由指定で照を指定するのは可能

・このスレがいっぱいになってこの条件を満たしてなくても終了


とします。そこまでネタが続くのかという不安がありますが…


即興スレ履歴

>>237 12 小瀬川白望 × 69 ダヴァン
>>243 98 宮永 咲 × 51 針生 えり
>>252 90 石戸 霞 × 95 天江 衣
>>293 01 宮永 照 × 13 園城寺 怜
>>298 08 荒川 憩 × 85 鶴田 姫子
>>304 84 安福 莉子 × 26 真瀬 由子
>>315 01 宮永 照 × 68 臼沢 塞

00 [自由指名]  01【スレ終了】  02 井上 純  03 福路 美穂子  04 本内 成香
05 片岡 優希  06 辻垣内 智葉  07 [自由指名]  08 荒川 憩 09 神代 小蒔
10 松実 玄  11 [自由指名] 12 小瀬川 白望  13 園城寺 怜  14 花田 煌
15 小走 やえ  16 上重 漫  17 [自由指名]  18 椿野 美幸  19 吉留 未春
20 [自由指名]  21 弘世 菫  22 [自由指名]  23 沢村 智紀  24 エイスリン

25 染谷 まこ  26 真瀬 由子  27 [自由指名]  28 松実 宥  29 二条 泉
30 妹尾 佳織  31 狩宿 巴  32 依藤 澄子  33 [自由指名]  34 安河内 美子
35 江崎 仁美  36 古塚 梢  37 [自由指名]  38 渋谷 尭深  39 国広 一

40 [自由指名]  41 愛宕 洋榎   42 新子 憧  43 鹿倉 胡桃  44 [自由指名]
45 竹井 久   46 蒲原 智美  47 [自由指名]  48 滝見 春  49 佐々野 いちご

50 江口 セーラ  51 針生 えり  52 福与 恒子  53 村吉 みさき  54 夢乃 マホ
55 [自由指名]  56 対木 もこ  57 [自由指名]  58 南浦 数絵  59 小鍛治 健夜

60 [自由指名]   61 戒能 良子  62 三尋木 咏  63 藤田 靖子  64 野依 理沙
65 瑞原 はやり   66 [自由指名]  67 [自由指名]  68 臼沢 塞   69 ダヴァン
70 鷺森 灼  71 薄墨 初美  72 原村 和  73 龍門渕 透華  74 船久保 浩子


75 東横 桃子  76 亦野 誠子  77 【カプ指名】  78 愛宕 絹恵  79 森垣 友香
80 [自由指名]  81 白水 哩  82 赤土 晴絵  83 赤阪 郁乃  84 安福 莉子
85 鶴田 姫子  86 大星 淡  87 [自由指名]  88 [自由指名]   89 清水谷 竜華
90 石戸 霞  91 姉帯 豊音  92 末原 恭子  93 加治木 ゆみ  94 池田 華菜
95 天江 衣  96 高鴨 穏乃  97 [自由指名]  98 宮永 咲  99 [自由指名]


ぞろ目・下一桁7・20・40・60・80の場合は、自由に指名できます
77の場合は、カップリングを指名できます(もう一方のコンマは無効化されます)
2つとも77だったら、両方書きます

【スレ終了】を踏んだら終了です。踏んだ場合、自由指定をしていただき、そのSSを書いて最終とします

今日は寝ますので、明日の朝書きます


●即興SS (ルール>>317
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

新コンマ表>>318
↓1×↓2

はい

ヤー

衣でお願いします。

72 原村 和
97 自由指定→天江 衣

指定了解しました、ではおやすみなさい

乙、おやすみなさいませ

【お礼の品は?】

-合宿

衣「咲、ののか、一緒に遊ぼう」

和「衣さん、何をしますか?」

衣「麻雀!」

和「ええ、いいですよ」


和「そういえば、エトペンを直してもらったお礼がまだでしたよね」

衣「なに、壊してしまったのは衣の落ち度だしな」

衣「それにこうして友達になってくれたんだ、それだけで十分だ」

和「そうですか…」

和(とはいえ、友達になるのがお礼というのも味気ないですね)

和(何かいいお返しはないでしょうか)

衣「どうした、ののか。何か悩みでもあるのか?」

和「あ、すいません」

-その夜

和「すいません、呼び出してしまって」

衣「なに、気にするな」

和「何かお返しをと思っていたのですけれど…」

衣「だから不要だと言っているのに」

和「今これといって手持ちがありませんので、これを」

衣「…なんだ、ID?」

和「私が普段使っているネット麻雀の紹介です」

衣「衣はネット麻雀は好かない…」

和「ええそういえば咲さんも、これは麻雀じゃないみたいなことを言ってましたね。ですが離れていても麻雀が打てますから」

衣「……まあ、少しくらいは打ってみてもいいかもしれないな」

和「離れてしまっても、打つことができますから。便利になりましたよね、本当に」

衣「…なんだその口ぶりは。まるで、どこかに行ってしまうみたいじゃないか」

和「全国優勝できなければ、私は引っ越しをすることになっています」

衣「なんだと」

和「そして、この長野に来る前には奈良にいたんですが、その奈良との友達とも今はまったく連絡が取れていません」

衣「だから、か」

和「ええ。ネットでなら、たとえ離れていても打つことができますから」

衣「分かった。受け取っておく。でも、衣は牌を使って打つ方が好きだからな」

和「そうですね、私だって転校なんてしたくありませんから」

衣「そうとなれば、明日はもっと打って和を強くしてやるぞ」

和「ええ、お手柔らかにお願いしますね」

いまいち、衣と和の距離感が分からなかった…
すぐ反応できないですが、とりあえずコンマだけとります


●即興SS (ルール>>317
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

新コンマ表>>318
↓1×↓2

おまかせあれ!

あったかーい

ばば〜ん!

19 吉留 未春
56 対木 もこ

なんぞこれ…
野球見ながら考えます

【みはるん、勘違いする】

-全国大会

未春「キャプテンの付き添いで来たけれど、個人戦が始まるまでにはそんなにすることないんだよね…」

未春「とりあえず今日はAブロックの準決勝だから、清澄の応援もないし」

未春「買い出しも終わったから、ちょっと近くをぶらぶらしてみようかな…」


-公園

もこ「……憩がいない」ブツブツ

もこ「暑いし……、ちょっとそこのベンチで休もう」


未春「暑いから、公園でちょっと休もう…」

未春「って、包帯まみれの人がベンチに倒れてる!!」

未春「どうしよう華菜ちゃん! って、華菜ちゃんはここにはいないよ!」

未春「お、落ち着こう私。こういう時は、あわてず騒がず119番」アワアワ

未春「ってあれ、携帯の電源が切れてる!!」

未春「公衆電話なんてないし、とりあえず倒れている人が意識があるかどうか確認しよう」

未春「もしもし、生きてますか…」ツンツン

もこ「」zzzzz…

未春「返事がない、意識がないんだ…」

未春「こんなに包帯まみれじゃ、私の知識じゃ治療なんてできないし。そもそもなんでこんな包帯まみれで外に出てるのかな」

未春「まさか、何かの事件の可能性が…」

未春「悪い病院に改造されそうになったところを、命からがら抜け出し、ここで力尽きて倒れてしまった…」

未春「これですべての辻褄があう」クワッ


憩「もこちゃん、おらへんなぁ」キョロキョロ


未春「はっ、こんな街中でナース服…。やっぱり、この子はどこかの病院から抜け出してきたんだ」

未春「なんとかしてあげないと。このままじゃ、この子が改造されちゃう」


絃「もこちゃん、いないわね…」キョロキョロ


未春「こ、今度はチャイナ服…。まさか中国マフィアが絡んでるの…。どうしよう、私なんかの力じゃどうこうできる問題じゃなくなってきたよ」

もこ「さわがしい…」

未春「あ、目が覚めたの」

もこ「誰…」ブツブツ

未春「早く逃げて!! このミネラルウォーターまだ飲んでないから持っていって」

もこ「……よくわからないけど、分かった」ブツブツ

もこ「…お水、ありがと」

未春「うん、こんなことしかできなくて、ごめんね」



-しばらくして

『秋季東海大会 王者は対木もこ!』

未春「あの子、普段からあの服装だったの!!」

みはるんの一人芝居になってしまった…
晩御飯とかですぐ書けないですが、コンマだけ先に


●即興SS (ルール>>317
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

新コンマ表>>318
↓1×↓2

おまかせあれ!

おまかせあれ!

とう

90 石戸 霞
15 小走 やえ

霞さんが2回目のため、90【スレ終了】に変更されます
小走先輩、奈良1位だしそれなりに顔は知れているのか…

【敗者ばかりの日】

それは唐突すぎる出来事で…

——晩成高校、県予選1回戦敗退

敗戦した当初は、周りの反響も含め、なかなか気持ちの整理がつかないでいた
けれど、敗退は敗退である
個人戦では切り替えて、1位通過することはできた。なぜか、阿知賀の面々はいなかったが

個人戦で戦えていなかったからこそ、わざわざ壮行試合を申し込んだ
奈良県代表として恥ずかしくない戦いをしてほしい
なにより、ふがいない自分自身を叩き直すためにも

個人戦で戦いたい相手がいたから

永水女子、石戸霞

去年の団体戦、私は2年生にして大将を任されていた
神代小蒔が広げた大量リード。大将に回ってくるころにはさらに広がっていた

追いすがる私だったが、けれど同じく2年の大将の石戸霞に対して追撃はならなかった

だがその永水女子も、2回戦であっさりと敗退した
勝者は常に1人しかいない、それは身をもって分かっているはずなのに、心に虚しさが響く

だからこの衝動は、もう抑えられない



団体戦の決勝戦が終わり、個人戦が翌日には始まる
会場入りした私は、目的の人物を探し当てた

「おい、石戸霞!」
「ええっと、あなたは確か…」
「去年1度顔合わせしている、奈良県晩成高校の小走だ」
「ああ、そうでしたね」
「なぜ個人戦に出ていない、去年は出ていただろう」
「そう言われても、今年は団体戦に専念するつもりだったから」

こいつも阿知賀と同じようなことを言うのか…

「去年の雪辱をはらしたかったのに、残念だ」
「なら、今から打ちませんか?」
「な、なんでそうなるっ」

試合で打たなければ本来なら意味がない
というか、いきなりそちらから誘いが来るなんて想定してないというのに

「でも、私もあなたも3年でしょう、もう公式戦で打つ機会はないのだし」
「…そちらの個人戦出場者は、神代と薄墨だったか?」
「そうよ、だから他の面子はそちらで用意していただいても、こちらからでも問題ないですよ」
「なら、こちらの調整を兼ねてお相手してもらおうか」

奈良県代表は、3人とも晩成高校だ
同じ高校同士であれば一緒に打っても問題ないなら、巽たちの調整にも不足ない相手だろう

「ところで、石戸。去年から思っていたんだが」
「なにかしら?」
「……肩、凝らないか?」
「余計なお世話よ」

いつもニコニコしている石戸の、その時限りの鬼のような形相は今でも忘れられない

00 [自由指名]  01≪スレ終了≫  02 井上 純  03 福路 美穂子  04 本内 成香
05 片岡 優希  06 辻垣内 智葉  07 [自由指名]  08 荒川 憩 09 神代 小蒔
10 松実 玄  11 [自由指名] 12 小瀬川 白望  13 園城寺 怜  14 花田 煌
15 小走 やえ  16 上重 漫  17 [自由指名]  18 椿野 美幸  19 吉留 未春
20 [自由指名]  21 弘世 菫  22 [自由指名]  23 沢村 智紀  24 エイスリン

25 染谷 まこ  26 真瀬 由子  27 [自由指名]  28 松実 宥  29 二条 泉
30 妹尾 佳織  31 狩宿 巴  32 依藤 澄子  33 [自由指名]  34 安河内 美子
35 江崎 仁美  36 古塚 梢  37 [自由指名]  38 渋谷 尭深  39 国広 一

40 [自由指名]  41 愛宕 洋榎   42 新子 憧  43 鹿倉 胡桃  44 [自由指名]
45 竹井 久   46 蒲原 智美  47 [自由指名]  48 滝見 春  49 佐々野 いちご

50 江口 セーラ  51 針生 えり  52 福与 恒子  53 村吉 みさき  54 夢乃 マホ
55 [自由指名]  56 対木 もこ  57 [自由指名]  58 南浦 数絵  59 小鍛治 健夜

60 [自由指名]   61 戒能 良子  62 三尋木 咏  63 藤田 靖子  64 野依 理沙
65 瑞原 はやり   66 [自由指名]  67 [自由指名]  68 臼沢 塞   69 ダヴァン
70 鷺森 灼  71 薄墨 初美  72 原村 和  73 龍門渕 透華  74 船久保 浩子


75 東横 桃子  76 亦野 誠子  77 【カプ指名】  78 愛宕 絹恵  79 森垣 友香
80 [自由指名]  81 白水 哩  82 赤土 晴絵  83 赤阪 郁乃  84 安福 莉子
85 鶴田 姫子  86 大星 淡  87 [自由指名]  88 [自由指名]   89 清水谷 竜華
90≪スレ終了≫  91 姉帯 豊音  92 末原 恭子  93 加治木 ゆみ  94 池田 華菜
95 天江 衣  96 高鴨 穏乃  97 [自由指名]  98 宮永 咲  99 [自由指名]


○ 同じキャラは2回まで
○ 2回書かれたら、そのキャラのコンマは≪スレ終了≫に変更する
○ ≪スレ終了≫を踏んだら終了。踏んだ場合、自由指定をしてもらい、そのSSで最終とする

○ 77の場合は、カップリングを指名できます(もう一方のコンマは無効化されます)
 → ただし、77と90が出た場合、90は無効化されると考えます

○ 自由指定での指定はカウントしない
 01 宮永 照 → 01【スレ終了】
 となっても、自由指定で照を指定するのは可能

○ このスレがいっぱいになってこの条件を満たしてなくても終了


即興スレ履歴

>>237 12 小瀬川白望 × 69 ダヴァン
>>243 98 宮永 咲 × 51 針生 えり
>>252 90 石戸 霞 × 95 天江 衣
>>293 01 宮永 照 × 13 園城寺 怜
>>298 08 荒川 憩 × 85 鶴田 姫子
>>304 84 安福 莉子 × 26 真瀬 由子
>>315 01 宮永 照 × 68 臼沢 塞
>>325 72 原村 和 × 97 自由指定→天江 衣
>>332 19 吉留 未春 × 56 対木 もこ
>>338 90 石戸 霞 × 15 小走 やえ

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

新コンマ表>>339
↓1×↓2

自由指定なら穏乃ちゃん!

!

50 江口 セーラ
82 赤土 晴絵

これは、どう話持っていこうか…

【セーラも阿知賀にいたことがあったとして】

セーラ「せんせ、いろいろ教えてくれてありがと」

晴絵「突然大阪に引っ越しなんてな。少ししか教えれなかったけど、お前の思いっきりの良さを伸ばせば、きっと大阪でもいいところまでいけるさ」

セーラ「ありがとさん。玄とかにもよろしく言っといて」

晴絵「お別れ会とか、いいのか?」

セーラ「そんなの、ガラじゃないから。気にしなくていいよ」


-全国大会2回戦直前

晴絵「江口セーラ、か…」

晴絵(ある程度のところまでは行くとは思っていただけれど、いい指導者に恵まれたのか、それとも環境が良かったのか…)

晴絵「名門千里山で2年でエース、今年はエースの座こそ譲ったものの中堅として不動のレギュラー、か…」

晴絵「対局する憧には悪いけど、今のままじゃまだまだセーラの方が格上だな…」

晴絵(特殊な打ち方をする相手には、それなりに対策を練って策を授けることもできるけれど)

晴絵(江口セーラに対してはそれは無理。玄相手でも、ドラ抜きでも高い手を作っていたんだから)

晴絵(まあ、バカヅキをどう抑えるかってのはテクニックだが、それは場況に影響されるしな…)

晴絵「まあ、なるようになるしかないか。こんなところで躓いているようじゃ、決勝なんてはなっから無理な話」

晴絵(それに、どこかで考えてしまう。私に越えられなかった準決勝を、この子たちに越えられるんだろうかって)

プルルルル

晴絵「はい。来客ですか、名前は? 江口っ、分かりました、すぐ行きます」


-ロビー

セーラ「お、先生、久しぶりやなあ」

晴絵「久しぶり。なんだ、すっかり大阪弁が板についたな」

セーラ「そりゃあもう5年以上暮らしとるしな、それに結構性にあっとるからな」

晴絵「そうかそうか。それにしても、まさか名門千里山でエースになるまでに成長するとは思ってなかったぞ」

セーラ「ま、いろいろ努力したからな。でも、先生に教えてもらったことも無駄にはしてへんからな」

晴絵「そんな大したことは教えてないよ」

セーラ「そんでも、小さい頃の俺はそれこそ攻め一辺倒やったからな。いまでも押せ押せで行くけど、それでも絶対に引かないとあかんとことか気づかせてくれたのは、先生やで」

晴絵「そんなお前が、まさか敵として立ちはだかるとは思わなかったよ」

セーラ「こっちかて、奈良は晩成やって思っとったから、阿知賀の名前が出てびっくりしたで」

晴絵「まあ、そうだろうな。普通は無理なところを、あいつらが必死に努力して勝ち取ったんだ」

セーラ「でも、うちらの敵とは思っとらんで」

晴絵「今のままでは、確かにそうだろうな」

セーラ「その割には余裕に見えるけどな」

晴絵「…そんなことないさ。今でも、2回戦、そして準決勝が近づいてくると思うと手の震えが止まらなかったりするんだ」

セーラ「そんでも、また阿知賀を率いるくらい麻雀に打ち込んでくれとるなら、俺は嬉しいで」

晴絵「ま、明日はお手柔らかにな」

セーラ「こちらこそ。ほな行くな」

晴絵(そうだな…。敗北に打ちひしがれただけのあの頃を思えば、今の状況は信じられない)

晴絵(あとはあの子たちに、勝ち進めるだけの手ほどきをどれくらいしてやれるか、か)

晴絵(ありがとうな、セーラ。少しは気が楽になったよ…)

困ったのでifに逃げた
本日ラスト、たぶん明日の朝になります


●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

新コンマ表>>339
↓1×↓2

ほいや

63 藤田 靖子
51 針生 えり

えりちゃんが2回目になりますので、51≪スレ終了≫に変更になります
これで地雷は3つか…

大人組でも、この組み合わせはみたことないな

【かつ丼】


えり「本日の解説ゲストには、佐久フェレッターズの藤田靖子プロにお越しいただきました」

靖子「よろしく。あ、かつ丼大盛りでよろしく」

スタッフ「いつものですね、了解です」

えり「…これから解説をしていただくのに、かつ丼ですか」

靖子「ん、ああ。今更咎められるとは思わなかったが、スタッフさんも公認だし」

スタッフ「最初は驚きましたけどね…」

えり「テレビですよ、放映されるんですよ、いいわけないでしょう!」

靖子「んん、でも長野では普通に放映されてるけど」

えり「全国放送ですよ、プロリーグの公式戦ですよ、いいわけないでしょう!!」

靖子「あー、分かった分かった。スタッフさん、このアナウンサーさんにもかつ丼1つ。並でいいだろ」

スタッフ「はいー」

えり「ちょっと、私は食べませんよ!」

靖子「ん、私一人で食べてるから変であって、2人して食べてたら問題ないだろう?」

えり「問題ありです、オオアリです!」

靖子「はぁ、あんまりカリカリするなよ。かつ丼食べて落ちつけ」

えり「私を落ち着かせたかったらまずかつ丼を食べないでください」

靖子「じゃあたまには親子丼にするか…」

えり「丼の種類を問題にしているのではありません」

靖子「分かったよ。今日のところは並で我慢するよ」

えり「量の問題でもありません。食べないでください」

靖子「じゃあ蒲焼さん太郎で我慢するか」

えり「駄菓子じゃないですか。急にグレードが落ちましたね…」

靖子「そこから、何か食べてるのがOKな空気を作ってかつ丼食べるか」

えり「結局かつ丼に帰着するんですか!」

靖子「っていうかもうスタッフさんが頼んじゃってるだろう。いまさらキャンセルも無くないか?」

えり「休憩時間中に食べればいいでしょう!!」

靖子「はぁ、やれやれ。もう分かったよ、食べないでおいてやるよ」

えり「なんで私が空気読めないみたいに言いますか!」


-本番

えり「この三尋木プロの打牌、どうお感じになられますか、藤田プロ」

靖子「知らんしー」

えり「この瑞原プロの打ちまわしは?」

靖子「わっかんねー」

えり「…仕事をしてください!!」

靖子「三尋木プロだってこんな解説だろ」

えり「三尋木プロはわかんねーと言いつつ、ちゃんと分かってます!」

靖子「かつ丼が食べれればちゃんと解説できるのになぁ。なんもかんもかつ丼が無いのが悪い」

えり「ああもう、分かりましたよ、好きなだけ食べたらいいでしょう!!」

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

○01、51、90はスレ終了

新コンマ表>>339
↓1×↓2

ふんふむ

はい

この場合は>>351が優先されるのかな
任せた

よっしゃあああああ!!
荒川さんと穏乃でお願いします!

77が出ましたね
40は自由ですが、無効になります

>>354
高鴨 穏乃
荒川 憩

で了解しました

【おめでとう】

-準決勝終了後

穏乃(これであとは和が準決勝を勝ち上がってくれれば、決勝で和と遊べるっ)

憧「しず、部屋に戻るよ」

穏乃「ちょっと興奮して落ち着かないから、そこらへん走ってくるよ」

憧「あんまり遅くならないようにね」


穏乃「うおおおおおおおおおお」ダダダダダ

穏乃「はっ、無我夢中で走ってたけど、ここどこ!?」

憩「穏乃ちゃん、こんなところでどないしたの?」

穏乃「あ、憩さん。良かった」

憩「ん、なんかあったん?」

穏乃「いや、準決勝を勝ち進んで興奮しちゃって」

憩「それで適当に走ってたら、ここがどこだか分からなくなったってこと?」

穏乃「そうなんです……」

憩「あはは、穏乃ちゃんらしくておもろいなぁ。それはそうと、決勝進出おめでとな」

穏乃「あ、はい。ありがとうございます。憩さんが練習相手になってくれたおかげです」

憩「そんなことあらへんよ。もともと穏乃ちゃんたち練習熱心やさかい、その成果が出ただけやよ」

穏乃「でも、あの練習で私たちも手ごたえがあったんで、本当にありがとうございます」

憩「それを言ったらウチも、個人戦にむけて調整できてよかったわぁ。霜崎さんたちだけじゃ、ルールの関係で一緒に練習できへんしな」

穏乃「だったら、また明日も練習に付き合ってもらえませんか?」

憩「ん、そちらが良ければ、ウチはいつでも大歓迎ですよーぅ」

穏乃「ありがとうございます。あ、憩さん、いまさらなんですけど、ここどこだか分かります?」

憩「大丈夫やよ。ホテルどこやったっけ、名前言ってくれれば検索できるしな」

穏乃「ほんと、憩さんに会えて良かったです」

憩「それにしても、ウチらが敵わんかった千里山はおろか、あの白糸台も抑えてまうとは思っとらんかったわ」

穏乃「みんなのおかげです、私一人じゃそもそも大会にすら出れませんでしたから」

憩「団体戦は総合力、それを改めて思い知らされるわ。あの宮永照をもってしても、1位通過できへんかったんやからな」

穏乃「そうですね…。あとは玄さんのドラが復活してくれればいいんですけど」

憩「ん、復活? どういうこと?」

穏乃「玄さん、一回ドラを切ったらしばらくドラが集まらなくなっちゃうんです」

憩「それはまずいやん。どないするの?」

穏乃「とにかく早回しでたくさん打てば戻ってくるらしいんです」

憩「そうなんや、だったらウチも協力しますーぅ。早回しは得意やで」

穏乃「はい、よろしくお願いします」

憩「それにしても穏乃ちゃんって…」

穏乃「はい?」

憩「妹みたいでかわいいなぁ。ウチも穏乃ちゃんみたいな妹がほしかったなぁ」スリスリ

穏乃「わわっ、ダメですって憩さん。走ったばっかりで汗かいてるのに」

憩「気にせんといてーぇ」

穏乃「私が気にするんですーぅ!」

次は昼飯を食べてから

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

○01、51、90はスレ終了

新コンマ表>>339
↓1×↓2

そい

うりゃ

43 鹿倉 胡桃
32 依藤 澄子

また地味に困る組み合わせだなぁ…

【胡桃のテレフォン人生相談】

-今日も悩めるあなたのお困りごとを、鹿倉胡桃さんが舌鋒鋭く解決いたします

-それでは最初の相談者の方

澄子「よろしくお願いします」

-本日、鹿倉先生への相談はどのようなことでしょうか?

澄子「はい。依藤という名前なのですが、なかなか覚えてもらえないんです」

-なるほど、では鹿倉先生によく相談なさってください


胡桃「はい、じゃあサクサク相談するっ」

澄子「よろしくお願いします。実は、名前をなかなか思えてもらなくて」

胡桃「目立つ格好をする。はい解決、じゃあ次」

澄子「ええ、ちょっと待ってください、解決してませんよ」

胡桃「もう、めんどくさいなぁ。相談件数さばかないと歩合が稼げないでしょっ」

澄子「なんかすごいことぶっちゃけられた!」

胡桃「じゃあ、具体的にどういう名前で、どういう風に間違えられるの?」

澄子「依藤という名前なのですが、佐藤さんとか言われるんです」

胡桃「じゃあ佐藤に改名する。はい解決、じゃあ次」

澄子「だからちょっと待ってください。そんな簡単に改名なんてできないですよね!?」

胡桃「家庭裁判所で改名の相談をする、ここから先は私の管轄外」

澄子「でーすーかーらー。改名しないで解決する方法を相談しに来たんです!」

胡桃「もう、わがままだな」

澄子「そっちこそちゃんと仕事してください」

胡桃「何言ってんの、こういう雑な仕事がウケて相談件数殺到してるのに」

澄子「相談するところ間違えたかな…」

胡桃「間違えたんだよ。まったく迷惑極まりない、慰謝料請求してもいいくらいのレベルだよ」

澄子「どうしてそんなに強気に出れますかね!?」

胡桃「だいたい依藤と佐藤を間違えるとか、よほど周りがバカか、それともあなたがどうでもいい存在ってことなんだよ」

澄子「やっぱり私はどうでもいい存在なんですね…」

胡桃「だいたい依藤って苗字は珍しいよね。試しにググってみたら、真っ先にあなたのことが出てくるし」

澄子「そうですね、歴史的な人物もいなさそうですし…」

胡桃「だからもう開き直ってさ、持ちネタにしたらいいじゃん」

澄子「持ちネタって…」

胡桃「『よう佐藤』『依藤ですから!』って挨拶にしちゃえばいいんだよ。逆にこれ繰り返したら依藤って響きも耳に残るかもよ」

澄子「ああ、なんか今までの中で一番まともな回答がもらえた気がする」

胡桃「はいじゃあ解決。次は君からの相談、待ってるからね!」

00 [自由指名]  01≪スレ終了≫  02 井上 純  03 福路 美穂子  04 本内 成香
05 片岡 優希  06 辻垣内 智葉  07 [自由指名]  08 荒川 憩 09 神代 小蒔
10 松実 玄  11 [自由指名] 12 小瀬川 白望  13 園城寺 怜  14 花田 煌
15 小走 やえ  16 上重 漫  17 [自由指名]  18 椿野 美幸  19 吉留 未春
20 [自由指名]  21 弘世 菫  22 [自由指名]  23 沢村 智紀  24 エイスリン

25 染谷 まこ  26 真瀬 由子  27 [自由指名]  28 松実 宥  29 二条 泉
30 妹尾 佳織  31 狩宿 巴  32 依藤 澄子  33 [自由指名]  34 安河内 美子
35 江崎 仁美  36 古塚 梢  37 [自由指名]  38 渋谷 尭深  39 国広 一

40 [自由指名]  41 愛宕 洋榎   42 新子 憧  43 鹿倉 胡桃  44 [自由指名]
45 竹井 久   46 蒲原 智美  47 [自由指名]  48 滝見 春  49 佐々野 いちご

50 江口 セーラ  51≪スレ終了≫  52 福与 恒子  53 村吉 みさき  54 夢乃 マホ
55 [自由指名]  56 対木 もこ  57 [自由指名]  58 南浦 数絵  59 小鍛治 健夜

60 [自由指名]   61 戒能 良子  62 三尋木 咏  63 藤田 靖子  64 野依 理沙
65 瑞原 はやり   66 [自由指名]  67 [自由指名]  68 臼沢 塞   69 ダヴァン
70 鷺森 灼  71 薄墨 初美  72 原村 和  73 龍門渕 透華  74 船久保 浩子


75 東横 桃子  76 亦野 誠子  77 【カプ指名】  78 愛宕 絹恵  79 森垣 友香
80 [自由指名]  81 白水 哩  82 赤土 晴絵  83 赤阪 郁乃  84 安福 莉子
85 鶴田 姫子  86 大星 淡  87 [自由指名]  88 [自由指名]   89 清水谷 竜華
90≪スレ終了≫  91 姉帯 豊音  92 末原 恭子  93 加治木 ゆみ  94 池田 華菜
95 天江 衣  96 高鴨 穏乃  97 [自由指名]  98 宮永 咲  99 [自由指名]


○ 同じキャラは2回まで
○ 2回書かれたら、そのキャラのコンマは≪スレ終了≫に変更する
○ ≪スレ終了≫を踏んだら終了。踏んだ場合、自由指定をしてもらい、そのSSで最終とする

○ 77の場合は、カップリングを指名できます(もう一方のコンマは77以外無効化されます)
 → 77と90が出た場合、90は無効化されると考えます

○ 自由指定での指定はカウントしない
 01 宮永 照 → 01≪スレ終了≫
 となっても、自由指定で照を指定するのは可能

○ このスレがいっぱいになってこの条件を満たしてなくても終了


即興スレ履歴

>>237 12 小瀬川白望 × 69 ダヴァン
>>243 98 宮永 咲 × 51 針生 えり
>>252 90 石戸 霞 × 95 天江 衣
>>293 01 宮永 照 × 13 園城寺 怜
>>298 08 荒川 憩 × 85 鶴田 姫子
>>304 84 安福 莉子 × 26 真瀬 由子
>>315 01 宮永 照 × 68 臼沢 塞
>>325 72 原村 和 × 97 自由指定→天江 衣
>>332 19 吉留 未春 × 56 対木 もこ
>>338 90 石戸 霞 × 15 小走 やえ
>>344 50 江口 セーラ × 82 赤土 晴絵
>>349 63 藤田 靖子 × 51 針生 えり
>>356 77 カプ指定→高鴨 穏乃 × 荒川 憩
>>361 43 鹿倉 胡桃 × 32 依藤 澄子

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

○01、51、90はスレ終了

新コンマ表>>362
↓1×↓2

ふんふむ

ほい

 

また77が出た
>>365さん、カプ指定お願いします

なん…だと…?
シロ宥でお願いします

小瀬川白望
松実宥

で指定了解しました
それにしても、1日で2回も77が出るとは

【動きたくない…】

大学進学を機に上京して、なんとなく知り合った人…
一緒にいるとなんとなく波長は合うけど、だけど長く付き合うことはできそうにない

白望「ねえ」

宥「うん、なに?」

白望「みかん、取って」

宥「こたつから出れないから無理かなぁ」

白望「私もダルいから動きたくない」

宥「じゃあしょうがないね…」

暖房の効いた部屋でこたつに入っているのに、それでもなお寒そうにしている彼女—松実宥

どうしてもみかんが食べたいわけでもないので、とりあえず我慢することにした
なんとなく流れているテレビを見るでもなく、ボーっとする

去年のインハイの団体戦決勝、清澄の応援のついでで見ていたけれど、そこに出てきた夏なのにマフラーという忘れようもない服装をした彼女
そして上京した時に同じ大学に通っているとわかって、なんとなく声をかけた

極度の寒がりだと本人は言っていたけれど…。それにしても、すごい厚着だと思う

白望「ねえ」

宥「うん、なに?」

白望「もうすぐ冬休みだけど、帰省するの?」

宥「うん、玄ちゃんたちも待ってるだろうし」

白望「そう、私はどうしようかな…」

宥「帰らないの?」

白望「夏休みに帰ったから。冬に帰るのはダルいかなって思って。雪がすごいし…」

宥「でも、できるだけ帰った方がいいと思うよ。いつまでも、あると思うな金と親って言うし」

白望「急に重い話を振るのはダルいからやめてほしい…」

ずっと部屋にこもっていれば寒くないと思うのだけど、それを押してでも帰省はするんだなぁとぼんやりと考える

宥「阿知賀も雪は積るけど、岩手の方がたくさん降るのかな」

白望「比べたことがないから、ちょっと…」

宥「そうだよね」

白望「んー、もうちょっと考えてみる」

気持ちは帰らない方で固まっていたけれど、ここで悩むような要素が出てくるってことは帰った方がいいのかもしれないしな…

宥「ねえ、シロちゃん」

白望「なに?」

宥「みかん取って」

白望「ダルいから無理」

宥「そうだよね」

お互いコタツから出ようとしない
波長は合うんだけど、こうやってみかんをとってくれる人がいないから困る

塞とか胡桃だったら、なんだかんだ言って取ってくれるんだけどなぁ…
たぶん、宥も思ってるんだろうな。玄ちゃんならすぐに持ってきてくれるのに、なんて

白望「…ダル」

困った時の大学編もアリですね
さあ、次っ

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

○01、51、90はスレ終了

新コンマ表>>362
↓1×↓2

ほい

そりゃど

自由指名みたいだし姉帯さんで
姉帯さんはレジェンドの高校時代をテレビで見てそうだから

82 赤土 晴絵
17 自由指名→姉帯 豊音

自由指名了解しました
赤土晴絵が2回目なので、82≪スレ終了≫に変更になります。順調に地雷が増えていく…

【ちょーレジェンドだよー】

ずっと、テレビの向こうでみんなで卓を囲んで打つ様子に憧れていた
大きな大会や、インターハイくらいしか放送してくれなかったけれど

だから覚えてる
麻雀のインターハイに出れたらいいなぁなんて思いながら見始めた10年前
当時高校生最強の呼び声も高い小鍛治健夜に一撃を与えた赤土晴絵

一矢報いるだけで終わってしまったけれど、それは確かに見る者の印象に残る一閃だった


次々と地区予選を勝ち上がる高校が名乗りを上げ、麻雀雑誌がそれを特集する
もちろんウチの学校にも地元のテレビ局とか雑誌の取材が来た
取材だなんてドキドキしたけれど、でもちょー楽しかった

そうして出来上がった雑誌を買う
西東京代表白糸台高校とか、有名なところに大量のページが割かれていたけれど、宮守の紹介も、そして阿知賀の紹介もあった

豊音「阿知賀女子監督、赤土晴絵…」

そこには確かにそう書かれていた
そうか、そうなんだ。監督として、またインターハイに来るんだ

トシ「……そう、彼女が」

トシさんが懐かしそうに言う
詳しく聞くと、トシさんは赤土さんと知り合いらしい

豊音「ほんとですか。じゃあ東京に行ったら紹介してください。サインほしいです」

トシさんは、ほんとにサインもらうのが好きだねぇと笑いながら了承してくれた



そして、待ち合わせは東京のチェーン店の居酒屋だった

豊音「宮守女子の姉帯豊音です、よろしくお願いします」

晴絵「まさか岩手にまで私のこと知っている人がいるとは思わなかったよ」

豊音「10年前のインハイもちょーかっこよかったです。サインもらってもいいですか?」

晴絵「あはは、サインなんて実業団以来、久々にするなぁ。でも私のサインなんてもらってもしょうがないんじゃないか? もう選手じゃないんだし」

豊音「そんなことないです。こうやって会える機会なんて滅多に無いんですし、その記念にしたいんです」

晴絵「そっか、記念か。10年前、小鍛治プロに叩きのめされたときは、サインの代わりにつけてたネクタイをあげたんだよな」

豊音「そういうのもいいですね。やっぱり何か記念になるものが残ってた方がいいですよー」

晴絵「じゃあ、写真でも取る?」

豊音「いいんですか!?」

トシさんが携帯をカメラモードにして写真を撮ってくれた

晴絵「それにしても、背が高いねぇ。バスケとかバレーとかの部活から誘われなかったの?」

豊音「よく言われるんですけど、運動とか苦手で…」

晴絵「そっか、まあ好きなことするのが一番だからな」

トシ「ところで、話の腰を折って悪いけど…。プロ行きの話、少しは考えてくれたかい?」

豊音「え、プロに行くんですか。じゃあもっとサインもらっちゃおうかなー」

晴絵「いえ、それはまだ。見届けたい子たちがいるんです」

豊音「阿知賀、ですか?」

晴絵「うん、そうだよ」

豊音「トーナメント反対側だから、決勝までいかないと戦えないですけど…」

豊音「でも、絶対決勝まで行きますから。だから、決勝で戦えたらいいなー、なんて」

晴絵「ああ、そうだな。お互い簡単なことじゃないだろうけど、頑張ろうな」

豊音「はい!」

では、次に行きましょう

●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

○01、51、82、90はスレ終了

新コンマ表>>362
↓1×↓2

 

それ

05 片岡 優希
71 薄墨 初美

ふんふむ…。身体的には似た者同士なんだよなぁ

【あの子には勝ってる】

優希(隣にのどちゃんがいると余計に目立つ、私のおもちの無さ…)

優希(けど、今日戦う永水女子には、私よりももっと育ってない人がいたじぇ、しかも3年生)

優希「ふ、あの副将に比べたら、私はこれからまだまだ成長するんだじぇ!」

初美「なんだか聞き捨てならないことを聞きましたよー」

優希「永水の副将っ、どうしてこんなところに」

初美「それはこっちのセリフですよー。こっちに清澄の控室はないのですよ」

優希「はっ、咲ちゃんじゃないのに、考え事してたら知らない場所に来てしまっていたじぇ」

初美「そんなことはどうでもいいのですよ。あの副将って、私のことですか!?」

優希「聞こえてしまっていたのなら仕方ないじぇ。その通りだじぇ」

初美「私だってまだこれから成長する兆しが見え隠れしているのですよ」

優希「そんなこと言っても、そっちはもう高校3年生。もう無理だじぇ」

初美「高3で無理なら高1だってもう望みなんてないのですよ!」

優希「そんなことないじぇ、こっちにはのどちゃんという成功例があるんだじぇ、いまからのどちゃんを研究して追いついてやるじょ」

初美「そんなこといったら、永水が誇るおっぱいお化けこと、霞ちゃんの方がおっぱいが大きいのですよ」

優希「あそこまで大きいと逆に邪魔くさそうだじぇ」

初美「まあ確かに…。はるるくらいがちょうどいい気がします」

優希「うちの部にはちょうどいい大きさの人がいないからなぁ…」

初美「何事も、ほどよい大きさがいいですよねぇ」

優希「ほどよいナイスバディ、私なら風越の福路おねーさんがいいなぁ」

初美「風越…、長野の個人戦1位の方ですね。個人戦の選手もチェックしてますよー」

優希「む、個人戦にも出てるのか?」

初美「もちろんですよ」

優希「ちっこくても伊達に年をくってないってことだな」

初美「すっごくひっかかる言い方してくれますね?」

優希「おっと、気に障ってしまったようだじぇ。まったく成長していないからてっきり同い年かとおもってしまったじぇ」

初美「さっき3年って言ってましたよね、そっちこそオツムが弱いんじゃないですかー。またオムツが外れてないんじゃないですかー」

優希「オムツなんてとっくに卒業してるじぇ。見てみるといいじぇ!」スカート ガバッ

初美「はいはい、はいてないはいてない」

優希「そういうそっちこそどうなんだ。お年寄り用のオムツしてるんじゃないのかぁ?」

初美「そんなものしてるわけじゃないのですよ。見たらいいのですよ」ハカマ ガバッ

優希「はいはい、はいてないはいてない」

初美「分かりましたか、脱いだら凄いんですよー」

優希「全然すごくなかったじぇ、世迷いごとを抜かすんじゃないじぇ」

初美「なにをー」ゴゴゴゴ

優希「やるのかー!」ゴゴゴゴ



小蒔「……あの2人、何をしているんでしょうか?」

霞「これはちょっとお仕置きが必要そうねぇ」ゴゴゴゴゴ

2人は(少なくともオムツなんて)はいてないですからね、ええ
では次へ


●即興SS
コンマ表に従って即興で書きます
自由指定もありますので、好きなキャラを書き込んでもらえると助かります
モブとか京太郎とかは採用しません、あしからず

○01、51、82、90はスレ終了

新コンマ表>>362
↓1×↓2


 

綺麗に穴を二つ開けていくスタイル

05 片岡 優希
12 小瀬川白望

2人とも2回目なので05と12が≪スレ終了≫になります。一気に増えた…

○01、05、12、51、82、90はスレ終了

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