宮永咲と恋バナ (37)


お風呂で今日1日を振り返って「あ〜あそこでああ言えばよかったなあ」とかなんとか反省しちゃったりするくらいには人見知りの咲さんのお話だったりします.


たぶん短いです.
よろしくお願いします.


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こんにちは.
私は宮永咲です.


放課後の教室で本を開く高校1年生です.恋に恋する華の女子高生です!...だよね?


えっと,今日は部活はお休みで...って,あ,部活っていうのは麻雀部で,そう,部員は5...6人しか居なくて少ないですけど,なんと全国大会に出場しちゃうくらいには強いんです.えへへ.

大会の結果のことはまたの機会にお話するとして...あれ?何のお話でしたっけ...

まあいいや,とにかく大事なのは,今,読書に集中できていないってことなんです!


私以外で放課後の教室に残っているのは,クラスメイトのAさんとBさんなのですが...


A「ええ〜〜,じゃあさ,Bはどうなの?」

B「うええ,何が?」

A「なにが?じゃないよ,須賀くんのとのこと!何か進展あったの?」

B「///」

A「お,その顔じゃ何かあったな〜,このこの〜〜」

B「そうなの,実は今日の朝,おはようって挨拶されちゃった〜〜〜〜///」キャー

A「え,挨拶?」

B「そう///」

A「あ,ふーん...あのさ」

B「え,なに?」



A「い,いや何でもない...告白はいつするのかな〜〜って」

B「えぇ〜〜///告白なんて無理だよう///そ,それに...」チラ

A「あ〜」チラ


ほら,何か背中に視線を感じます.


もう,こんなんじゃ読書に集中できません!

なんもかんも京ちゃんが悪い!...なんて.


はぁ.



今日はもう身支度をして帰りましょう.


と,思っていた矢先にです.


A「ねえ,咲ちゃん」

B「あ,ちょっとAってば...」

咲「あぅ,Aさん,ど...どうしたの?」

A「いやぁさ,咲ちゃんと須賀くんって付き合ってるのかな〜って思って」

咲「つっ・・・」

A「つ?」

咲「つつ,付き合ってないよ...」

B「!」パァァ

A「え〜そうなの,てっきりラブラブなのかと思ってた〜」

B「うん...いつもいっしょにご飯食べたりしてるから...」

咲「い,いいい,いや.違うよ.うん...あれは京ちゃ...須賀くんがレディースランチを食べたいからで...私は仕方なく...」モゴモゴ

A「そうなんだ.よかったね!B!」

B「う,うん///」



A「そうと決まれば.告白だ〜〜〜」

B「えぇ〜〜〜〜///」

A「よし,じゃあ告白の練習しないとね!あ,咲ちゃんばいばい〜〜い!!」ダダダ

B「あ,ちょっと待って!...あの...咲さん!」

咲「ぅえ,あ...はい」


B「えっと...じゃあまた明日ね」

咲「うん...また明日...」

B「ちょっとA,待ってってば〜〜〜!!!」ダダダ


はぁ.


また,つい溜息が出てしまいました.

いまのでどれだけの幸せが逃げちゃったのでしょう...はは.


はぁ.



咲「帰ろう...」




さあ,夕食も終えて,夜です!


あの後なんとなぁ〜く,部室に寄ってみたのですが,鍵がかかっていたのでおとなしく家に帰ってきました.

なんかこう,モヤモヤした気持ちになったときは人肌が恋しくなるものです.

部室に優希ちゃんが居れば,元気パワーを分けてもらおうと思ったのですが...

あ,優希ちゃんっていうのは,タコス星からやってきた宇宙人で...って,とにかく!ちっちゃくて元気でかわいいんです!



あれ,そういえば私,なんでモヤモヤしているんでしょう.

うう〜ん.ダメです.余り考えないようにしましょう.

それが一番ですよ.ねえ?



さあ,お風呂です!

鏡を見て,胸の発育具合をチェック〜〜〜って...はは...



(咲ちゃんと須賀くんって付き合ってるのかな〜って思って)


「えっと,付き合ってないよ.」

うう〜ん,違うかな.


「須賀くんとはなにもないよ.ただの部活仲間.」

どう答えるのが良かったのでしょう.


「嫁さん違います!!」

いやいや違う違う...


とまあ,お風呂で今日の反省会です.

独り言のときだけ饒舌になる私って...



はあ.




「でもそっか...Bさん,京ちゃんに告白するんだ...」


Bさんはすごくかわいいし,良い人だし...

彼女募集中の京ちゃんはきっと...いや絶対にOKするでしょう.



「って,京ちゃんに彼女ができても私には関係ないよね!」


と,その後のことは覚えていません.


気がつけば朝のベッドの上,目覚ましの音でバッチリ目が醒めました!




身支度を整え,部屋を出ると,お父さんに遭遇しました.

そして衝撃の一言.



父「今日は土曜日なのに学校があるのか?」



ああ,そうでした.

今日はお休みでした.




さあ,待ちに待った月曜日です!

いえ,全く待ち望んでなんていませんけど...


和「咲さん,おはようございます.」

咲「あ,和ちゃん.おはよう.」


清澄のおっぱい魔人こと,原村和ちゃんです.

ま,まあ,胸は大きさじゃないですよね?...ちくせう.




とまあ,魔乳を恨めしい目で見ていたら,頬を赤く染めた和ちゃんに

「咲さん///その,あまり人前で,む...胸を見られるのは...///」

と,やんわり注意されてしまいました.


きっと顔を赤くして怒っているつもりなのでしょう.
でもそれもまた可愛いです...ちくせう.




歩く魔乳こと,和ちゃんのお胸を観察していたらいつの間にか放課後です.


ちなみに,今日のお昼も京ちゃんに誘われましたが,やんわりと断ってやりました.

もちろん,頬を赤く染めてです.

べ,別に,和ちゃんの真似をしたわけじゃないんだからね!



はあ.




気を取り直して,麻雀の練習です.

部室には,いつもの6人が揃って...あれ?


咲「あの,部長.京ちゃんは買い出しですか?」

久「あら,気になる?」

咲「いや...はい,まあ」


なんですか,そのニヤケ顔は!

あ,彼女は麻雀部の部長で3年生の竹井久先輩です.

ちなみに,この学校の生徒会長もしているのだとか.


久「学生議会長よ!」

まこ「なんじゃあ?いきなり」

久「いえ,なんだか,突っ込まないといけないような気がして」

まこ「ああ,そうかい」


そして,いま部長と話しているのが,染谷まこ先輩,2年生です.

すごく面倒見がよくて優しくて,私もつい甘えちゃいます.てへ.




和「それで,結局須賀くんはどこへ行っているのですか?優希の姿も見当たりませんし...」

久「ああ,須賀くんはちょっと用事ができたから少し遅れて来るって.で,優希は今日は体調が悪いって言って先に帰ったわよ?あなたたち,優希から聞いてなかったの?」


和ちゃんのほうをちらりと見ると,目が合いました.

あの表情から察するに,和ちゃんも知らなかったみたいです.


和「優希が...そうですか...」




元気が取り柄の優希ちゃんが帰るだなんて...かなり体調が悪かったのでしょうか?

心配です.


そして京ちゃんも...


ってなんで,京ちゃんの心配をしなくちゃいけないんですか.

そうです.ちょっと”用事”で遅れてくるだけです.

なんだかチリチリと胸の辺りが熱く...はなりませんけど,またいつかのモヤモヤが襲ってしました.



和「あの!私,今すぐ優希のお見舞いに行きたいです!」

久「ふふ,分かったわ」

まこ「行ってきんしゃい!」

和「はい!」




あれよあれよと言う間に,和ちゃんは優希ちゃんのお見舞いにへと飛び出して行きました.

私も行けばよかったのでしょうけど...


咲「あの,私達も行ったほうが」

まこ「まあホントに風邪なら見舞いにでも行ったんじゃけえのう」

久「そうね〜,体調が悪いって伝えた後に全速力で帰っちゃったし...私には身体は元気にみえたけどね.」


むむむ.なにか訳ありなのでしょう.

今は詮索しておくのはやめます.



優希ちゃん,困ったときはなんでも相談してね!


って,はぁ...こういうことはキチンと本人に伝えてあげないといけないのに.

私ってばヘタレ...





と,そんなこんなアレコレ(中略)があって,数日後のことです.



私は今日も,放課後の教室で本を開く華の女子高生です!...だよね?

ええっと,今日は部活はお休みで...ってあれ?デジャヴ?


まあいいや,とにかく大事なのは,今日もまた!読書に集中できないってことなんです!




私以外で放課後の教室に残っているのは,恋に恋するクラスメイトのCさんとDさんなのですが...


C「そういえばさ,須賀くんに彼女できたって知ってた?」

D「え,マジ?」

C「そうそう.」

D「でもさ」チラッ

C「あ〜,付き合ってなかったんだって」チラッ

D「そうなんだ!てっきり」

C「そうそう,それでね」




ああ,恋バナというやつですね.

ウンウン,わかります.華の女子高生ですものね.

恋バナなんて日常会話ですよ...


あ,私ですか?

私は...恋バナなんて...ねぇ?...はぁ.

誰に何を言い訳しているのでしょうか.私は.




D「えぇ〜,じゃあ,聞いてみようよ.」チラ

C「いやいや,ちょっと待ちなって!」チラ


ああ,私に話しかけてくるのですね.


D「あの,さ
京太郎「咲,ちょっといいか」ガラ


CD「「あ.」」

京太郎「ん?」


咲「きょ,京ちゃん.どうしたの?」

京太郎「あ,あぁ...その...ちょっと話せないか?」




というわけで,屋上へ出る扉の前に立っている私と京ちゃんですが.

あ,ちなみに屋上の扉には鍵がかかっていました.
それはそうですよね.生徒が屋上に出入りするなんて危険ですもんね.



そして私,宮永咲,ただいま非常に緊張しております.

なんでかって?

それは...自分でも分かりません.




でもきっと,ここ数日にわたって続いてきたこのモヤモヤがここで解消されるのでしょう.
そんな予感がします.うんうん...

元はといえばこのモヤモヤ,あの日,AさんとBさんの恋バナを聞いたせいで始まったのです.

恐ろしや,恋バナ.


とまあ自分の世界に逃げ込んでいると,京ちゃんの方から沈黙を破ってきました.



京太郎「あのさ...俺」




逃げ出したい気持ちを抑えつつ,京ちゃんの次の言葉を待ちます.



京太郎「ごめん...何て言ったらいいか分からないや...へへ」


いやいや,へへ,じゃないよ!

京ちゃん...声が震えていました.

まったく...ふふ...

自分より緊張している人を見ると冷静になれるって本当だったんですね.



咲「京ちゃん,私達って友達...いや,親友だよね?」

京太郎「!!...もちろん」ニカッ


咲「だったら,深く考えなくていいんじゃないかな?」

京太郎「そうだな!...まさか,咲に諭される日が来るとはな〜〜」

咲「なにを〜」

京太郎「ははは,わりぃ,わりぃ」

咲「ふふ」




そして,京ちゃんと二人きりの帰り道.

無言で肩を並べて帰ります.なんだか青春って感じがしませんか?えへへ.


そして分かれ道へと差し掛かったときです.


京太郎「じゃ,ここで」


咲「うん...」


京太郎「...」


咲「...」


何故でしょう,さっき屋上で,といっても正確には屋上の入り口でですが,カタはついたはずです.なのにどうして...


咲「...どうしてこのモヤモヤはとれないの?」

京太郎「ん?どうした?」

咲「あ」

どうやら声に出てしまっていたようです.





咲「ええと...」

京太郎「......ごめん」

ぽつりと小さく呟いた京ちゃんの声は,しかしはっきりと私の耳に届いていました.



咲「なにそれ」

京太郎「あ...」

咲「どうして謝るの?」

京太郎「それは...」


モヤモヤする.




咲「ううん,何でもないや.」

京太郎「でも...」

咲「いいの」

京太郎「そっか」


咲「だってさ,私たち,ただの友達なんだよ?別に私が京ちゃんに告白したわけでも,京ちゃんが私に告白したわけでもない...ただの友達...でしょ?」


私はいったい何を言っているのだろう.

今晩のお風呂は長くなりそうです.はぁ.


京太郎「そう...だな」

咲「そうだよ...」

京太郎「わかった.」




日がだいぶ傾いてきました.


京太郎「それじゃあ」

咲「うん...」



クラスメイトが語らう恋バナはキラキラと輝いて見えました.

私もそんな恋がしたいと,密かに思っていたのでしょう.でも...



咲「また明日ね...須賀くん」


今の私の声,震えてないよね?なんて考える余裕はありません.



京太郎「...ああ,またな...宮永さん」


影のせいで須賀くんの表情がよく見えません.

でも見えないほうがいいのかもしれません.


今の私の表情も,きっと彼には見えないほうがいいですから...







ばいばい,京ちゃん.






こんにちは.
私は宮永咲です.


恋に恋するのはもう卒業した高校1年生です.


えっと,今日は部活はお休みで...あ,部活っていうのは麻雀部で,そう,部員は6人しか居ないですけど,なんと全国大会に出場しちゃうくらいには強いんです.えへへ...って,あれ?何のお話でしたっけ...


まあいいや,とにかく大事なのは,恋バナなんてロクなもんじゃないってことです!ね!?





おしまい.




お目汚し失礼いたしました.

京太郎ってスレタイに入れとけ
お前ら不快に思ってる連中もいる事忘れんなよクソ豚

ほんと目が汚れたわ

ほろ苦くていい話だった

こういうのもいいと思う

なんでもいいけど句点くらい覚えてからスレ建てろな?内容も糞だし。
二度と書かなくていいよ

面白かった

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