大切なのは心です【アイマスSS】 (10)

(765プロ事務所)
小鳥「おはよう千早ちゃん。プロデューサーさんはもう少しかかるそうよ、座って待ってて。はいお茶。」

千早「ありがとうございます…あの、ちょっとよろしいでしょうか?」

小鳥「なあに?」

千早「その、今日の事でご相談が。」

小鳥「今日って。ああ、やよいちゃんの誕生日の件。残念よね、今日は本人がお仕事だから、恒例の誕生日パーティーが開けなくって。」

千早「はい。ですので、せめてプレゼントぐらいはと思いまして。この前買ってきたんですが。」

小鳥「それはいいわね。やよいちゃんこのあとすぐ来るし、お仕事行く前に渡してあげたら?」


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千早「はい。そうするつもりで持って来たんですが、こんな物を渡していいのかよく分からなくて。よかったら、中身を確認してもらえないでしょうか?」

小鳥「プレゼントなら前にもあげてたでしょ、そこまで心配しなくても大丈夫じゃないかしら。」

千早「実は今までは春香と一緒に買いに行って、選ぶのを手伝ってもらっていたんです。ですが、今回は私だけで買ったものなのでどうも不安で。」

小鳥「そうなの、じゃあ見てあげるわ。私のセンスで役に立つかはわかんないけどね。」

千早「ありがとうございます。音無さんがいてくれて助かりました、本来なら母に頼むつもりだったのですが都合が合わなくて。」

小鳥「その発言に意味は無いのよね?決して、私がお母様と一番歳が近いからとかではないのよね?」

小鳥「…うん、いいと思うわよ。あんまり高い物を贈るのも良くないし、ちょうどいいんプレゼントじゃないかしら。」

千早「そうですか。すみません、お手数お掛けして…あの、本当にこれでいいんでしょうか?」

小鳥「もちろんよ。誕生日におめでとうって言って、プレゼントを渡してあげるだけでも嬉しいものだわ。千早ちゃんだってそうでしょう?」

千早「ええ。ですが、高槻さんは私の誕生日の時に手作りの物をプレゼントしてくれたんです。なのに私はこんな出来合いの物を慌てて買ってきて、それで済ませようだなんて。酷いですよね、せっかくの誕生日なのに。」

小鳥「仕方ないじゃない、千早ちゃん今週は色々お仕事が忙しかったでしょ、今日だってこれから一日収録だし。」

千早「それはそうですが、何だか申し訳なくて。義理で付き合ってるように受け取られないでしょうか?」

小鳥「何言ってるの。お祝いに大切なのは形じゃなくて気持ちよ、やよいちゃんにおめでとうってきちんと伝えてあげればそれでいいの。」

千早「それは分かっていますし、高槻さんなら喜んで受け取ってくれるだろうとも思います。ですが、どうしても。」

小鳥「千早ちゃんは変な所まで自分に厳しいわね…よし。じゃあこういうのはどうかしら。」

千早「え?」

やよい「おはようございます!すみません小鳥さん、もっと早く来て、お掃除をお手伝いしたかったんですけど。」

小鳥「おはようやよいちゃん。大丈夫よ、今日お誕生日の人にそんな事させたらバチが当たるわ。はい、これ私からね。」

やよい「わ、いいんですか。ありがとうございます!」

小鳥「どういたしまして。お誕生日おめでとう、千早ちゃんもほら。」

千早「お、おはよう。」

やよい「あ、千早さん。おはようございます、今日もお仕事頑張りましょうね!」

千早「ええ、そうね。その…」

やよい「?」

千早「え、えっと。お誕生日おめでとう。や…」


千早「やよい。」


千早「やよい。」


やよい「え?千早さん、今私の事。」

千早「こ、これプレゼント。大したものじゃなくてごめんなさいね…やよい。」

やよい「やっぱり聞き間違いじゃなかったです。でも、どうして急に?」

千早「どうしてって言われると、その…ごめんなさい、ちょっと失礼するわ。音無さん、ちょっとこっちに。」

やよい「え?はい、どうぞ。」

ミスった・・・
>>4
✕千早「え、えっと。お誕生日おめでとう。や…」


千早「やよい。」


千早「やよい。」


やよい「え?千早さん、今私の事。」

○千早「え、えっと。お誕生日おめでとう。や…」


千早「やよい。」



やよい「え?千早さん、今私の事。」

でお願いします。

千早「音無さん、やっぱり駄目じゃないですか。高槻さん思い切り戸惑ってますよ。」

小鳥「サプライズってそういうものでしょ。千早ちゃんも、もっと堂々と言わなきゃ。」

千早「これのどこがサプライズなんです、ただのドッキリか罰ゲームじゃないですか。」

小鳥「罰ゲームって。やよいって呼んであげるのがそんなに嫌だった?」

千早「こんな事がお祝いになるとは思えないと言ってるんです…あ。」

小鳥「なあに?」

千早「まさか私が高槻さんを名前で呼ぶ所を見たかったから、こんな真似させたわけじゃないですよね?」

小鳥「ななな何言ってるのよ、そんな訳ないじゃない。」

千早「じゃあ、そこの机の引き出しから見えてるボイスレコーダーは何ですか?」

小鳥「げ。さすが千早ちゃん目ざといわね…じゃなくて、これはその。」

千早「……今すぐ消していただきましょうか?」

小鳥「そ、そんなあ。せっかくのお宝音声なのに。」

千早「やっぱりそれが目的だったんじゃないですか!」

やよい「……あの、千早さん。」

千早「ああごめんなさい、もう少し待っててね。ちょっとこの鳥を始末してから行くわ。」

やよい「さっきはありがとうございます、私のこと名前で呼んでくれて。すっごく嬉しかったです!」

千早「え、あんな事が?」

やよい「はい!私、ずーっと千早さんに名前で呼んでほしいなって思ってましたから。誕生日にお願いが叶って良かったです、素敵なプレゼント貰っちゃいました!」

千早「そ、そうだったのね…」

千早「はあ。なんか、色々悩んでたのが馬鹿みたいだわ。こんな事で良かっただなんて。」

小鳥「言ったでしょ、大切なのは形じゃなくて気持ちだって。喜んでくれたんだからいいじゃない。」

千早「調子のいい事言わないで下さい、さっきのは消してもらいますからね?」

小鳥「そ、それはなにとぞご勘弁を!」

千早「本当にもう、この人は…」

やよい「千早さん、私先に行きますね。」

千早「まあいいか、喜んでくれたんだから。ええ、いってらっしゃい。お互い頑張りましょうね…やよい。」

やよい「はい!どうもありがとうございました、行ってきまーす!」


おしまい。よりによってとんでもない所をミスってしまい申し訳ありませんでした。

高槻やよいさん、お誕生日おめでとうございます。

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