【艦これ】こちら耳かきで安眠の、艦娘です。 (200)

【黒潮】

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黒潮「あ!司令はん、遅かったんなぁ。ウチ、心配しとったんやで」

黒潮「ん?何を心配してたんやって?も~、やーぱり忘れてはる。言うてたやんウチ、明日サプライズよういしとくって...」

黒潮「....その顔、なんも覚えてないんと違う?はぁ....まぁええよ。黒潮さんは寛大やから、司令はんが、なんも覚えてなくて、しまいにはこんな時間に帰ってきても、ウチは、なんも思ってません」

黒潮「.....嘘やて!そんなしょげた顔なんしんといてや~。ほら、司令はん、いつもお疲れさん」

黒潮「そんなお疲れさんな司令はんに、黒潮からのサプライズプレゼント。なんやと思う?」

黒潮「え~....わからんなんて言わんといてや...。なんかトンチの効いた答え期待しとったんに...。まぁ、ええか。ウチからのサプライズプレゼント、それは」


黒潮「....んーやっぱ内緒や。なんや、勿体ぶらずにさっさと教えろって?はぁ....せっかちさんやなぁ。まぁおいおい、やね」

黒潮「....玄関でずっと喋ってるのもあれやし、はよぉ、あがったあがったで」

黒潮「あ~、なんか最近また寒ようなったなぁ....。司令はん、風邪引いてへん?なんかここんとこ、くしゃみ多いやん?え、花粉症?なら大丈夫やな。大丈夫やないけど」

黒潮「さ、部屋に入った入った」

黒潮「あ~~。ぬくい....。やっぱ寒いよりあったかいのが一番や....。いや~、司令はんが帰って来る前に部屋温めててよかったわ。秀吉さんの気遣い、現代でも通用するわぁ....」


黒潮「.....なんでウチの向かい側に座るん?それも扉側に座って。寒いやん、そこ。はーよこっちきなさいな」

黒潮「....やっぱ人の温もりはぬくいわ....。司令はん、なんやいつもよりあったかいわ。まさか、やっぱ花粉症やなくて、風邪なんちゃう....?せやったらはよ病院行かんと....」

黒潮「へ?恥ずかしい...?...あはは!!なんや今更そんなこと気にしてるん?ウチとどんだけ長いこと過ごしてるん思ってるんや。初々しくて、こっちまで恥ずかしようなるわ....」

黒潮「あーー!もう!調子狂う!ほれ司令はん背中向いた!」

黒潮「そんな恥ずかしさ蔓延させるような、悪い病原体は、蓋せんとな。はい、アイマスク装着や」


黒潮「これで真っ暗やんな。これで司令はんから、ウチのことは見えません。見えへんから、これから司令はんにされることは、ウチがやってるっていう証明はできへんで」

黒潮「ちょっとお腹周り失礼するで....」

黒潮「ん?抱きついてるのかって?....さぁ、司令はん見えてへんから、わからんやろ。ウチも知らんへんで....」

黒潮「....司令はん、太ったやろ。昔よりお腹周りが太ましようなってる気がするで。デスクワークはこれやからウチ嫌いなんや....」

黒潮「黒潮も前より太った....?アホ、なんてデリカシーのないこと言うんや。乙女心を傷つけるなんて....」

黒潮「ちょっとふくよかな方がええって言ってもな、限度ってのがあるんや。まったく、ウチやからええけど、ほかん子には言ったらあかんで」


黒潮「幸せ太り同盟として、罰則かしたろ。明日からウォーキングや。ええな?拒否権なしや。スリム同盟締結するまで、ウォーキングやウォーキング」

黒潮「....のびーるのびーる、脂肪がのびーる....。司令はんのお腹がのびーる....」

黒潮「司令はん、ウチにもたれてや。遠慮せんでええよ」

黒潮「......」

黒潮「思ったより軽いわ。ごめんな太ったなん言うて....」

黒潮「ほな、ちょっと倒すで....。黒潮さんの膝枕や」

黒潮「......」

黒潮「司令はん、ここで問題。今、ウチどんな顔してるでしょーか」


黒潮「.....にやけてるって?.....答え、教えんとこ....」

黒潮「今は膨れてるって....。....用意したアイマスク安もんすぎたんか...?アカンわこれ」

黒潮「えーはいはい全問正解ですよーだ。にやけて膨れましたー。全問正解の司令はんには、商品として....」

黒潮「あったかい濡れタオルで耳塞ぎます」

黒潮「ほーれ」

黒潮「....どうや、あったかい?なら、用意したかいがあったわ。秀吉さん見習ったんやで、とりあえず、全部あっためとけってな。ほーれぐーりぐーり」

黒潮「耳たぶから、溝をなぞって上に行く。そんで戻って、また上に行って....」

黒潮「....なんで呪文みたいに繰り返すんやって、思ってるやろ。手順書っていうのは、全部の物事には用意されてるんや」


黒潮「そんなら、次はって思うやん?次はな、ほれ、耳の穴に.....」

黒潮「......」

黒潮「ゆっくり動かした方が落ち着く?せやったら、リクエストにお答えして、ゆっくり動かすわ」

黒潮「......」

黒潮「司令はん、口開けっぱやで」

黒潮「.....」

黒潮「......はいお終いや。あんま耳さんいじいじしてたら、腫れてまうやろ。しまいや、しまい。.....もうちょっとだけお願いって」

黒潮「はぁ、まぁええで。でも、もう少しだけやからな....。ほーれ、ぐーりぐーり....」

黒潮「.......」

黒潮「はい、本当におしまいや。あんま長いことやってたら、次に行かれへんやろ」

黒潮「もう少しだけ....?アホ、ちょっとはこっちの都合考えてや....」

黒潮「ゆーこと聞かん悪い子は、めっ!おでこアタックや」


黒潮「懲りたらほんまにしまいや。ほら、寝返りうって、右耳上に向けてーや」

黒潮「.....」

黒潮「よーできました。えらいでー司令はん。よくできたいい子には、頭撫でたるからね~」

黒潮「ほーれよーしよーし。えらいぞー」

黒潮「....感情がこもってへんって。あのなー感情込めたら、犬をよしよししてるみたいになるで?ええんか?犬扱いして?」

黒潮「それもそれでって、アホか」

黒潮「はい、よしよしタイム終了や」

黒潮「司令はん、次ウチ何しよると思う?まぁもうわかるか。膝枕して、耳拭いたら、もうわかるわな」

黒潮「わからんから教えてくれって.....。あんなぁ、面白がってるん?ほんま畜生やな....」

黒潮「ええか、畜舎には畜舎専用の接待ってもんがあってな、問題です。これから何を耳に突っ込まれるでしょうか」


黒潮「....箱の中身当てるみたいやな。まぁええか、ほな、行くでー」

黒潮「......」

黒潮「さぁ何やろなー?ヒントは、白色で、先端が丸いもの。そんで耳に突っ込むやつや。耳かゆいなーって時に使います」

黒潮「.....綿棒?んー、正解や。綿棒です。ウチは今、綿棒突っ込んでました」

黒潮「本当やったら耳拭いたみたいに外周からやけどね、まぁクイズやし、耳奥からでもええな」

黒潮「ほんじゃ続き、してくで」

黒潮「......」

黒潮「.....なぁ司令はん。ウチ思うんやけど、なんで季節って巡るんやろ」

黒潮「春きて、夏きて、秋きて、冬くる。そんで繰り返し。ずっとずっと」

黒潮「.....」


黒潮「司令はん、どの季節が好き?.....夏?なんでや?」

黒潮「夏は汗かくことしても、なんも思われへんから?なんやその理由.....」

黒潮「......」

黒潮「てっきりむっつりスケベさんの司令はんは、薄着の季節やから、なんていうと思ってたわ」

黒潮「ウチは、夏はあんま好きやないなぁ....。暑いもん、空気がむしむししてて、年中サウナに入ってるみたいで、なんかイヤや」

黒潮「......」

黒潮「秀吉さんは、なんでもあっためとけって、言うとったけど、なんでもはアカンな。空気は澄んでいた方がええ」

黒潮「そんならウチは何が好きかって?んーウチは、秋やな」

黒潮「.....せやから太るんやぞって、思ったやろ。筒抜けや」

黒潮「そんなひどいこと考えるアホさんには、耳の奥に綿棒突っ込んだるからな....」

黒潮「......」

黒潮「秋ってさ、空気も澄んでて、程よく寒いやん。あと美味しいもんが多い....」

黒潮「栗もええなぁ。栗ご飯、おいしい。さんまもええなぁ、あとさつまいも。天ぷらにしたら、おやつや」


黒潮「さつまいもの天ぷらにご飯は、ありえへんけど。どれもこれも美味しくって堪らんなぁ....。あぁさっさと春と夏過ぎてくれへんかなぁ」

黒潮「......」

黒潮「せやから、思うんや。季節っていうのは一つでええやんって。そしたらさ、みんな幸せや。太る子増えるし、ウチも隠れる。それは冗談やけど」

黒潮「季節が一つやったらさ、春に花粉で悩まされんし、夏に熱中症で倒れもせん。それに冬に雪かきだってせーへんですむ。リスクが一番少ない秋がベスト、なわけなんです」

黒潮「......」

黒潮「あ、でも司令はんは夏派か....。相容れへんなぁ。秋派の黒潮が仲間になって欲しそうに、司令はんを見てるで」

黒潮「えースリルがなくて秋はつまらんって....。なんや秋派はダメなんか....?」

黒潮「別に悪いわけやない、か」

黒潮「...... 」


黒潮「なんか織姫と彦星みたいやな。あれってさ、働き者の2人が恋にうつつ抜かしよったから、神様が無理やり切り離したんやろ、確か」

黒潮「秋派の織姫は、おいしいもんが好きで、夏派の司令はんは、アクティブに動き回るのが好き。せやから、一年にちょっとしか会うことができん....」

黒潮「せやったら、間をとって、冬にしようか。春は、花粉がうっといから、ダメや。冬やったら、部屋あっためれば暑いし、食べ物は、美味しさがぎゅっと詰まって、おいしい」

黒潮「ウチら2人は、冬将軍一派に仲間入りや~」

黒潮「......」

黒潮「せやったら、めんどいから季節が巡った方が、ええな」

黒潮「しゃーないなぁ....。ほんなら司令はんも、そろそろ頭回そっか」

黒潮「それじゃ、最後に、耳ふーするで」


黒潮「.....。ふーー......」

黒潮「.....もっかい」

黒潮「.....ふーー」

黒潮「.......」

黒潮「司令はん、頭反対にしてや」

黒潮「.....」

黒潮「左耳はん、こんにちわ」

黒潮「芸が少なくてごめんな。また上から下にやってくで」

黒潮「.....」

黒潮「なんや、眠くなってきたなぁ....。思わずぶすって行ってしまいそうや」

黒潮「.....冗談やて。そないなことせーへん、せーへん」

黒潮「.....司令はんがよくしとる、デスクワークってこんな感じなんかな。最初のうちは、元気でも、だんだん眠なってきてって感じで」


黒潮「......」

黒潮「ウチには無理そうやなぁ....。パソコンぴこぴこして、判子をぱんぱん打ってくなんて。せやったら、あんま好きでもない運動してた方が、まだ楽や」

黒潮「そー考えると、司令はんは、いつも頑張ってるんやなぁ。毎日毎日、お疲れさん」

黒潮「.....」

黒潮「実は、その溜まった脂肪は幸せ太りなんかやなくて、不幸太りなんちゃう?ストレスのせいで過食しすぎてたり.....」

黒潮「....それはない、ねぇ。ご飯が美味しすぎるのがあかんのか。せや、ウチと鳳翔さんが作るご飯はどっちがおいしい?」

黒潮「....鳳翔さんかい。そこは、ウチって言って欲しいなぁ。嘘でもなぁ」

黒潮「黒潮には、黒潮なりの味があるって、そんなうまいこと言ってもなぁ」

黒潮「.....愛情のスパイスがよく効いてる....。うまいこと言ったつもりなんか?.....いいこや、いいこ」


黒潮「......」

黒潮「なぁ、もう終わりにしたってええ?なんか、途中で投げ出したくなったんやけど....」

黒潮「飽きたって?違うで、今は司令はんの人間カイロが無性に恋しいねん。ぶよぶよお腹、って実はそんな太ってへんけどね。も少し、温もりが欲しいねん」

黒潮「あくびって人に移るやん。それて同じでさ、幸せも人に移るねん。司令はんの幸せがウチに移って、なんかもう、眠たなってきた.... 」

黒潮「また、今度に、左耳しよっか。そん時は、ちゃんとはよ、帰ってきてな。そしたら、ウチも寝ないですむから.....」

黒潮「.....おやすみ、司令はん」

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こんな感じで進めてきます。提督は埋め込まず、自分を埋め込んでもらえると没入感が得られそうな気がするので、こんな感じです。リクエストの艦娘があったらどんどんどうぞ。頑張ってみます。

【阿武隈】


阿武隈「あ、いました!」

阿武隈「....ダメじゃないですか!お仕事中に抜け出して、こんな所でサボってちゃ.....。みんな探してましたよ?」

阿武隈「神通さんなんか、おかんむりで、後で思いっきり怒らないとって言ってましたからね...?あの人阿武隈なんかよりもずっと怖いんですから」

阿武隈「隣に、こい?....ダ、ダメ!ダメなんですよぉ!ほら、はやく執務室に戻って、尋問受けてください!」

阿武隈「.....なんで毛布用意してるんですか?それに、わざわざ縁側に座って、外眺めているんですか...」


阿武隈「はぁ....用意周到ですね。最近は雨続きで寒いですから、合理的って言えば、合理的ですけど。でも!ダメなものはダメなんです!!ほらはやく....」

阿武隈「耳がかゆい....?わたしの話、聞いてました?.....まぁ雨の日は耳はかゆくなりますけど....」

阿武隈「あ!だから寝っ転がらないでください!!.....30分だけって、もぉ....わたし、どうなっても知らないですからね」

阿武隈「.....」

阿武隈「阿武隈は帰らないの、ですか?.....うーん....。帰っても、いいですけど、どうせサボるなら2人の方がいいじゃないですか....?」

阿武隈「どうせ暇だったら耳かきしてくれって....。もう!人をいいように使ってぇ!」

阿武隈「....時間の使い方が勿体無い?....それも、そうですよね。たしかに、非効率的ですから、時間を提督に費やすのも、悪くはないですね.....」


阿武隈「でも綿棒も耳かき棒も今は持ってないですし.....。あっ!でも代わりになるのがたしか.....」

阿武隈「.....道具も揃ってるなら、わかりました。右左、15分ずつです。それじゃ横、失礼します.....」

阿武隈「提督は、上むいたままでいいですよ。....へ?なんで膝枕じゃない、ですか....?」

阿武隈「.....だってスパッツの上に乗せたくないじゃないですか.....。スパッツ、雨の日蒸れるんですよ....?だったらこうして一緒に寝っ転がる方が、効率的なんです....」

阿武隈「ふわぁぁ....。眠く、なりますねぇ。雨の音聞きながら、こうして転がってると....。提督毛布、少しください....。窓側は寒いです.....」

阿武隈「.....それじゃ、耳かき、しますね。って言っても、擬似的な耳かき棒、なんですけど....」

阿武隈「擬似的な耳かき棒は、ポケットティッシュを細く丸めた、こよりです。これなら、かゆいところにまで、こよりが届きますよ」

阿武隈「それじゃ、サボリ魔の右耳に向けて、こより魚雷発射....」


阿武隈「.....今のは忘れてください。思い出すと痛いから....」

阿武隈「......」

阿武隈「かゆいのは、奥の方ですよね。.....これ、いいんですよ?かゆくなったら、いつでもかけますから、ポケットティッシュは常備しておいた方が、合理的ですよ。鼻もかめますし....」

阿武隈「......」

阿武隈「たぶん提督の耳の中で、ごりごりって鳴ってると思います....。.....わたしがこよりで耳をかいてるときの顔って、こんな顔なのかな.....」

阿武隈「間抜け面、ですよぉ?提督」

阿武隈「......」

阿武隈「なんで、そんなこと知ってるのか、ですか.....?」

阿武隈「.......」

阿武隈「雨の日、でもそうでもない日でも、わたし達艦娘って、水に縁があるじゃないですか....。ほら、出撃しちゃえばもう水の上、です」

阿武隈「.....こよりエピソードに、特別な出来事なんて、何もないですよ。まぁそうですね.....。それは、夏の日です」

阿武隈「......」


阿武隈「夏の日って、太陽がさんさんと照りつけて、日焼け止めべったり塗らないと、日焼けで大変なんですよね.....。海の上ですから、反射した太陽の光に挟まれて、オーブントースターにでも、いるみたいなんですよ.....」

阿武隈「それに、びっしょりとかいた汗でべとべとになって、髪の毛も軋んで、もういいことなんて何もないんですよ.....?」

阿武隈「そして、そんな夏の日の訓練終わりって、もう最悪で、あぁどうにでもなれ~って自暴自棄になるんです

阿武隈「髪型なんて、知ったことか....!わたしはこの汗と潮で軋んだ髪をどうにかしたいんだ.....!って」

阿武隈「夏はだから嫌いなんです..... 」

阿武隈「.......」

阿武隈「訓練が終わると、だいたい暇そうにしてる大和さんが、ラムネを持ってきてくれるんです.....。バケツいっぱいに氷水と、ラムネを入れて。おつかれさまです~って言いながら....」

阿武隈「みんな疲れてますから、甘くてしゅわしゅわした飲み物、それにきんきんに冷えてる....。そんなの用意されたら、疲れなんて吹っ飛んで、大和さんに飛びかかるんです。はやく頂戴、って。まるで鳥の雛、みたい....」

阿武隈「受けっとったラムネは、綺麗ですよね。炭酸が弾けてて、気泡が宝石みたいに輝いてる。それもたくさん....。そして上のビー玉を押し込んで、炭酸を喉に流し込む.....」


阿武隈「急ぎすぎてて、飲み口から弾けちゃう人もいますよ.....。それを慌てて口に頬張ったり....」

阿武隈「.....夏は嫌いですけど、この時だけは好きです。.....はやく夏にならないかなぁ.....」

阿武隈「......」

阿武隈「飲み終わったら、みんな倒れちゃうんです。コンクリートは熱せられて、熱いのに。わたしもなんですけどね....」

阿武隈「そうしてると、大和さんが面白そうに、してくるんですよ。なんだと思います....?」

阿武隈「......」

阿武隈「大和さん、けっこう子供っぽいですよね.....。バケツの水、わたしにかけてきたんですよ。それも面白そうに」

阿武隈「それを見ていた駆逐艦の子たちが、真似してわたしにかけてくるんです。......北上さんの気持ちが少しだけわかる気がします....」


阿武隈「そんなことされたら、わたしおこですよ。もうぐちゃぐちゃな髪型でも、この後お風呂に入るからオールOKだとしても、おこはおこです.....。でもそんなこと気にしないで、水、かけてくるんです」

阿武隈「わたしも負けじと、水をかけるんです。そうしてると、バケツの水って大して入ってないじゃないですか。もう空になったなぁ....ってわたしが思ってると、ホースを引っ張ってきた大和さんがいて.....」

阿武隈「てんやわんやですよ。てんやわんや.....」

阿武隈「......雨、少し止みましたね.....」

阿武隈「.......」

阿武隈「もう、みんなびたびたになって、どうにでもなったわたしは、大和さんからホースを借りて、頭に思いっきり水をかけるんです」

阿武隈「.......」

阿武隈「髪の毛から水を絞って、さぁお風呂に行こうって思った時、わたしの耳の中が変だったんですよ。そう、耳に水がっ!って....」


阿武隈「耳に水が入ったら、提督はどうします?やっぱり、入った耳の方を下に向けて、ジャンプですか?わたしもそうしたんですよ。でも、中々取れないじゃないですか....」

阿武隈「.....あっ、また雨が降ってきた....」

阿武隈「......」

阿武隈「この季節の雨って、春時雨って言うらしいですよ。....雨が好きな人の名前が入ってますよね.....」

阿武隈「.....耳を澄ましたら、雨音に混じって聞こえてきそうですね。雨が好きな人たちの声が....」

阿武隈「.......」

阿武隈「それで、わたしがジャンプしてたら、それよりも、もっといい方法がありますよって、大和さんが言うんです」

阿武隈「なんですか、それって言うと。提督は、もうわかりましたよね。こよりです。こよりを渡されて、これで耳の水をとるんですって....」

阿武隈「そうしたら、あっという間に耳の水がとれたんです。その時に、わたし気がついちゃったんです。じゅわーって、耳の中に音が広がったんですよ。それが気持ちよくて、わたしはもうこよりの虜です....」


阿武隈「......提督も、体験してみます?ほら、雨の中に行って、耳を空に向ければ......。じょーだんですよ。ふふ.....」

阿武隈「......」

阿武隈「右耳はこんな感じですね」

阿武隈「それじゃ最後に耳に、ふーします」

阿武隈「......いきますよ~」

阿武隈「.....ふーー.....」

阿武隈「.....耳元で囁かれると、ぞわぞわしませんか....?えへへ、やっぱり、しますよね....」

阿武隈「ふーー」

阿武隈「......不意打ちです。こういうのは、得意ですからね」

阿武隈「はい、片耳、おしまいです。反対に.... 」

阿武隈「......移動するのめんどくさいです。提督う伏せに、って、あたし的には、OKだけど、それじゃ提督息苦しいですね」


阿武隈「.....回転しましょう。わたしも回って提督も回れば、向きが変わって万事よしです」

阿武隈「......寒いですから、せーのでいきましょう」

阿武隈「じゃあ、せーーの!!」

阿武隈「とりゃー!!」

阿武隈「.....どうですか、わたしの作戦、効果的でしたよね?向きも変わってて」

阿武隈「よくやった阿武隈って.....。えへへ、褒めても何もでないですよ~」

阿武隈「んふふ。それじゃ、続きしましょう!」

阿武隈「.....それじゃ、ゆっくりいれますね」

阿武隈「.......」


阿武隈「.....阿武隈のあー、っはどっう書くのっ?こーかいて、こーかいて、こーかっくの....」

阿武隈「阿武隈のぶー、っはどっう書くのっ?こーかいて、こーかいて、こーかっくの....」

阿武隈「阿武隈のまー、っはどっう書くのっ?こーかいて、こーかいて、こーかっくの....」

阿武隈「......」

阿武隈「.....尻文字ならぬ、耳かき文字.....」

阿武隈「......」

阿武隈「なんで、わたしってスパッツ履いてると思います?提督」

阿武隈「.....正解者には、スパッツでの膝枕が景品です....」

阿武隈「.....スパッツが好きだから.....?ぶー。ハズレです。ハズレ賞は、何もありません.....」

阿武隈「......」

阿武隈「正解は、スパッツの方が、楽だからです」


阿武隈「何が楽、ですか?.....ほら、汗とかかくと、服ってびしょびしょになるじゃないですか。それに、冷えると居心地悪くて。わたし的には、それがOKじゃなかったんですよ」

阿武隈「....みんなすごいよなぁ。わたしはイヤだったから、スパッツに逃げたのに.....」

阿武隈「実は、由良さんも、大鳳さんも同じ理由だったりして。脱げば一瞬、それに出撃中は楽。.....みんなスパッツにすればいいのに....」

阿武隈「.....意外、ですか?案外ズボラだなって....」

阿武隈「......」

阿武隈「なんで、提督がここにいるって、わたしが思ったのか、気になりません?ほら今だって、みんなまだ提督を探しているのに、誰も来てない....」

阿武隈「なのに、わたしがいる。不思議、ですよね、思えば。.....ここで阿武隈クイズです。正解者には.....今日ずっとここで阿武隈とサボれるチャンスが贈呈されます」

阿武隈「.....なんでだと思います?提督?」


阿武隈「....ぴんぽーん。正解です。わたしも、ここでサボる人だからです」

阿武隈「ここなら、誰にも見つからない。提督も、それを知っててここにいるんですよね。離れで、縁側があって、部屋は小さい。とびっきりの穴場です」

阿武隈「......」

阿武隈「わたしたち、後で神通さんに怒られますね.....。まぁいっかぁ....赤信号、みんなで渡れば怖くない、ですね。赤信号、見たことないですけど」

阿武隈「......提督、今日は、もうこのままここでサボっちゃいましょう。どうせ誰にも見つからないですし」

阿武隈「休息をとる、だいじです。阿武隈らしくない?......わたしだって、たまには、いいんですよ」

阿武隈「それに髪型崩れたし、直すのは、今日はめんどくさいです。わたし癖っ毛ですから、雨の日は億劫なんです」

阿武隈「これで、髪型直しに時間がかかる理由がわかりました?癖っ毛が直毛にするのは、大変なんです」

阿武隈「......提督と、わたしがやる気ないのは、ぜんぶこの雨のせいです。だから悪くない、なら、もうサボっちゃいましょう.....」

阿武隈「それじゃ、眠る前に、左耳にふー、します」

阿武隈「......」

阿武隈「.....ふーー.....」

阿武隈「......」

阿武隈「.....提督、お昼寝しましょっか.....」

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昼寝用です。阿武隈さんはあまりイメージしたことないので、チャレンジ精神でやってみました。あとやってほしい艦娘の方と、季節を入れてもらえれば、それに応じて作るので、今からですみません。どんどんどうぞ。

それと基本一日一人って考えてます。暇な時は昼もやりますし、基本は夜です。

【神通】


神通「帰ってきましたか.....。提督、そこに正座してください」

神通「なんで、ですか....。それは、自身の心中に問いてください。そうすれば、きっとわかりますよ」

神通「.......謝るなら、最初からやらなければいいことじゃないですか....はぁ、いいですよ、もう。過ぎたことですし。お風呂、沸いてますよ、あとご飯もできてます。どちらから.....」

神通「私、ですか....?別に構いませんけど、私は何をすればいいのでしょう....?ご飯もお風呂も全て終えてますし、何か問題があるなら、片付けます.....」

神通「冗談が通じてない....?ごめんなさい、私そういうのは言ってもらわないとわからなくて.....。やっぱりいい?.....提督の考えることは、私には、よくわかりません.....」


神通「ご夕飯ですね。了解しました。今日は、ハンバーグを作ってみました。テレビで作りかたをやっていたので、たまにはと思い。さっ、早く上がってください.....」

神通「え?どんな作りかた、ですか?.....なんでも、よくこね過ぎないのがいいと、言っていましたね。それと弱火でじっくり火入れするのが良いとも.....」

神通「ぜんぶ逆、ですか?こねてこねるのがいい、あと強火で一気に、ですか....。すみません、やはりテレビはあてにしない方が良かったです....。すみません....」

神通「でも今更作り直せませんし、今日のところは、ご勘弁を....。さっ、提督は座っていてください。私はごはんを装いますから」

神通「.....エプロン姿、似合ってる。ですか.....」

神通「........」

神通「ご飯は多め、少なめ、どちらが.....。普通、ですね、わかりました」


神通「......ふーんふふーん♪」

神通「.....提督、どうぞ。いつも少し残す癖がありますから、今回は少なめです」

神通「では、いただきます」

神通「.....ハンバーグは、どうですか?いつもより、おいしいですか。それは良かったです.....」

神通「やはり、テレビのレシピはあてになりますね。これからはこうやって作りましょう.....」

神通「提督、おいしいからって早食いはダメです.....。よく噛んで食べてください」

神通「ご飯のおかわり、ですか?量は.....。はい、普通ですね」

神通「.....ふーふふーん♪」


神通「.....提督、どうぞ。おかわりするのは構いませんが、提督はおかわりすると、少しだけ残す癖がありますから、少なめです」

神通「.....提督、今日はどこでサボっていたのですか?.....いえ、怒っているわけではなくて、単純に興味を持って....」

神通「言えない....。なるほど、人には言えないこと、ですか。なら結構です」

神通「.......」

神通「.....離れの小屋でサボっていたのですか。はぁ、あそこは物置き部屋だったのに、いつの間に改築したのですか....。まぁ、今回は見逃します。たまには、休息をとるのは必要なこと、休息をとるのも、仕事のうちですから、その間は、この神通が頑張ります。ですから、提督は気にしないで休憩を.....」

神通「.....いえ、怒ってないですよ?声が恐い?.....ごめんなさい、つい自然と....。気をつけます.....」



神通「....それで一人であの離れにいたと.....。阿武隈さんと、一緒に、ですか.....」

神通「......おかわり?.....自分で装いに行ってください。あと私の分もお願いします。少なめで。たまには運動したらどうですか」

神通「.....怒ってる?さぁどうでしょうか。怒っていると思うなら、それ相応の対応というものがありますよね。いえ、別に強要はしていません。ただ誠意は言葉で示す前に、行動が先だと、私は思います」

神通「.......」

神通「はい、ありがとうございます」

神通「.....ふふ。冗談ですよ。そんなに怯えないでもいいじゃないですか。たまには、私だって冗談の一つはつきます。.....笑えないからやめて、ですか。.....さじ加減が難しいですね」

神通「まぁ提督にあれこれ言ってもしょうがないですから、事の真相は阿武隈さんにきっちりと聞きます。......わかってます。そんなに怒りませんってば.....」



神通「.....ご馳走さまです」

神通「.....皿洗い、提督がしてくださるのですか?.....なら、お願いします」

神通「私は、そうですね。少しだけ、準備を....。なんの準備、ですか?さぁ、内緒です」

神通「.....提督、やはり私も手伝います。なぜ、ですか?いいえ、ただなんとなくです。イヤ、ですか.....?ふふ、冗談です。イヤと言っても手伝う所存です」

神通「......これくらいのさじ加減の冗談は、大丈夫ですか?.....なら良かったです」

神通「さ、テキパキと進めましょう。後がつっかえてます。私は皿を洗います。提督は洗い流してください」

神通「......提督はエプロンしないのですか?....忘れていた、ですか。なら着た方がよろしいですよ」


神通「......蝶結びができない.....?....ぷっ!!あはは!!ご、ごめんなさい!ちょっとだけ....。ダメ!あはは!!」

神通「そんな笑わなくてもって言われても!ごめんなさい!!ついツボに入ってしまって!!」

神通「深呼吸、深呼吸.....。ふー.....。はい、これで大丈夫です。提督、後ろ向いてください。私が結んでさしあげます」

神通「......ぷっ!」

神通「いえ、笑ってないですよ。気のせいです。さっ早く始めましょう」

神通「.......」

神通「.......」

神通「......何も喋らない、ですか?いえ、私は集中していたので、特には感じませんでした。.....なにか、すみません」

神通「......」

神通「.......」

神通「.......蝶結びができない、ですか」

神通「いえ、何も」


神通「......」

神通「......おしまいです。提督、後はよろしくお願いします。神通は色々と準備が.....」

神通「.......」

神通「.....蝶結びができないなら、靴はどうやって結んでいるのかしら....」

神通「.......」

神通「......提督?終わりましたか....。なら、こちらにどうぞ....」

神通「......いえ、隣に座るのではなくて、太ももに頭を乗せてください」

神通「.....なんで、ですか?いえ、これから提督に耳かきを....。もう、阿武隈さんにしてもらった....」

神通「明日、問いただすことが増えましたね....」

神通「.....提督、正座してください。えぇ早く」


神通「提督がもう耳かきを終えているなら、私がしてもらいます。耳かきを」

神通「だから、早く正座してください」

神通「......失礼します」

神通「.....太もも、硬いですね。私のなんかよりも....右側からお願いします.....」

神通「竹耳かきがテーブル上にあるのが見えますか....?そう、それです。優しく、ゆっくり入れてくださいね....」

神通「.....人に耳かきするのは初めて、ですか.....。私は那珂ちゃんや川内姉さんにしたことがありますけど、提督はそういったことは....。ありませんか。男同士だったり、兄妹でとかもない」

神通「....不安になってきました。.....大丈夫、ですか。なら、提督を信用します」



神通「好きにやってみてください。髪の毛が邪魔だったら、避けてもらって....」

神通「.....そう。そんな感じです。あまり、奥の方は突かないでくださいね。痛いですから.....」

神通「......私の耳の中ってどうですか?やはり、汚かったり.....?そんなことない?なら、良かったです.....」

神通「.....耳の中って自分では見えないですから、少し不安になって。.....言うではないですか、耳かきはしない方がいいって。綿棒も入れない方がいいって.....」

神通「.......」

神通「体は洗えます。頭も、爪の先も。歯だって磨けます。毎日綺麗にしてるから、汚れていないという、保証が付くではないですか.....」

神通「それなのに、耳だけはできない。それでは、神通は不安なんです。やっていないなら、できないのも同然なんですから」

神通「考えすぎ、ですか?いえ、考えないと、私は気が済まないので.....すみません」

神通「......」



神通「女子がお化粧するのと似てますね。見えるところは、せめて良くしておきたい。人から見えるところは、綺麗に保ちたい.....」

神通「......」

神通「耳かきは、する方であって、される方ではなかったのですけど.....癖になりますね、これ....」

神通「何度も何度も、くるわけです.....」

神通「......人の温もりに、直に触れているから、でしょうか....。提督の体温が、妙に心地いいです.....」

神通「.....私って、冷え性ですから。女の人は大体が体温は低いだそうですけど。男の人は、違うみたいですね」

神通「.....暑いと冷たいのが欲しくなる、ですか。.....なら、丁度よかったです....」


神通「......」

神通「.....そろそろ、反対にしていただいても、いいですか?すみません」

神通「あ、最後に.....。耳に、息を吹きかけてもらっても、いいですか.....?いつも、私はするんです。だから、されてみたいなぁ....と」

神通「いえ、別に無理にとは言いません。耳は加齢臭の原因だったり、しますし....」

神通「.......」

神通「.....吐息が、熱いです。.....なんだか、すごく緊張、します....」

神通「......」

神通「.....んっ.....」

神通「......」


神通「......ごめんなさい。もう一回だけ、いいですか.....?」

神通「.......」

神通「.....んぁ....」

神通「........」

神通「提督、あの、もしよろしかったら....。いえ、なんでもないです.....」

神通「....いえ!本当に、なんでもないです....」

神通「言わないと、次に進まない.....?」

神通「......」

神通「.....頭なでてください」


神通「.......」

神通「......なんだか、心を掌握されたみたいです」

神通「.....牙を抜かれた虎、ですか?虎、というのは、私のことですか.....?みなさん私を鬼だ虎だなんて言いますけど、心外です.....」

神通「.....そろそろ反対に。はい、お願いします....」

神通「.....不思議な光景です。人のお腹がこんな近くにあるなんて、中々ないですから」

神通「.....触っても、いいですか?太ってるからダメ?....提督は太ってないですよ」

神通「やられっぱなしは、私的に癪なんです。触ります」

神通「......」

神通「.....なんだか想像通りで、面白みがないですね」


神通「.....だからって、私の頭を撫でるのは.....」

神通「......」

神通「.....その、頭撫でながら、耳かきできますか.....?」

神通「.....やってみる。.....信用してますね、提督」

神通「......」

神通「.....ダメになりそうです。自堕落に....。だから、その、やめてもらっても.....」

神通「.....ダメですか。なら、仕方ない、ですね.....」

神通「.....提督、明日、桜を見に行きませんか?えぇ、明日です」

神通「.....OKですか。なら、明日は、書類は午前中に仕上げましょう。会議関係は、阿武隈さんに丸投げして、二人で、たまには.....」


神通「......でも、雨が降った後ですね。もしかしたら、雨で桜が全部落ちてたり.....。それはない?それも、そうですね.....」

神通「......」

神通「落ちた桜の花弁は、どうやって消えていくのでしょう。春風にのって、どこか遠くに行くとしても、私たちが見れなくなるだけで、無くなってはいない.....」

神通「.....なら、土に還る。でも、誰もその瞬間を見たことはないですよね.....」

神通「地面に落ちた桜たちを見て、神通は思うのです、いつも。実は、消えてなくなるのは、風に乗って、どこか一つの島に集まっているのではないかと.....」

神通「そこでは、桜の妖精がいつも春の心地の中、やってきた桜吹雪を迎えていて、お祭りをしている....。そんな所に、行ってみたいなと、思うのです。たぶん一面ピンクで、明るくて、楽しい所だと、思います」

神通「......メルヘンチック、ですか?ふふ、意外ですか?これが乙女心ですよ」


神通「......」

神通「普段は、こんなこと話さないのですけど、なぜでしょう。ついつい口が滑ってしまいました」

神通「なんで話さないのか、ですか。.....それは、恥ずかしいからです。鬼の神通が、そんなメルヘンチックなことを考えているなんて知られたら、笑わられてしまいます。.....鬼の神通は、心外ですけど」

神通「今日は、そうですね。そんな日です。ついつい、喋りたくなってしまった、そんな日です。提督に、心を掌握されたせいですよ」

神通「.......」

神通「また、耳に.....。はい、お願いします....」

神通「.....その、手を握って.....。はい、ありがとうございます.....」

神通「.....あと、頭を撫でながら.....。すみません....」


神通「.....注文が多い、ですか....。言わないと、伝わらない、から、です.....」

神通「.....はい、お願いします.....」

神通「.......」

神通「.......」

神通「......もう一回」

神通「......」

神通「.......」

神通「.....その、ありがとうございます....。なんだか、明日はすごく頑張れそうな気がします」

神通「.....少し、眠ってもいいですか?このままで....。10分だけでいいので。そのあと...お風呂に入りましょう.....」

神通「えっと、私が眠っている間はその.....」

神通「....はい、お願いします......」


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続きからです。また明日更新します。新妻神通さんの雰囲気が出てたら大成功です。

あと次回から季節ごっちゃにします。いつまでも春のままだとネタがつきるので.....。リクエストには艦娘の方と、季節を乗せてもらえればこっちでがんばります。

>>39ですがリクエストが羽黒のままで季節を春から冬に変更することはできますか?
出来るなら改めて、羽黒・季節冬でリクエストします

【五月雨】


五月雨「........」

五月雨「.....あっ、提督.....。静かに入ってきて、どうしたんですか。脅かそうと思った....?ダメですよ!そんなことしたら!......それで、急にどうしたんですか、五月雨の部屋になんか来て....?」

五月雨「.....部屋の明かり、ですか?.....今日は十五夜ですから、明かりを落として、お月見をしていたんです」

五月雨「......そうだ、提督もご一緒にどうですか?.....お団子は、ないですけど、代わりに座布団がありますよ?」

五月雨「.....はい!わかりました。さ、どうぞ」

五月雨「.......」

五月雨「何もないのは、ダメですね。一人だと気にならなかったですけど。......そうだ!お茶入れてきますね!ちょっと待っててください!」

五月雨「よいしょ......」


五月雨「........」

五月雨「.....ティファール、ティファール♪どっこいった、あっちにいった.....♪こっちに.....おっっとと!!.....セーフ.....」

五月雨「......提督、お湯が沸くまでお話し、しませんか?」

五月雨「......へ?何も落としてないですよ。はい!落としそうになっただけですから、落としてないです。いいですか?何も、落としてないです!」

五月雨「......」

五月雨「今日は、お月さますっごく丸いですね.....。十五夜だから?......それもそうですけど、今日は一段と、丸いです」

五月雨「......それで今日は、どうして五月雨の部屋にきたんですか?......元気がなさそうだから。.....あはは、そう、見えますか.....」

五月雨「....そうなんです。また、失敗しちゃって....。今回は、その.....。実は、月見だんご、本当は作ろうとしたんですよ。それで、漫画みたいなんですけど、砂糖と塩を間違えて.....。作り直そうとしたんですけど、もう材料がなくなっちゃいまして.....。はい.....」



五月雨「......本当ですよ?.....それより、前、ですか.....。提督は、ひどいですね.....」

五月雨「言わないよう、忘れるようにしてたのに、どうして、蒸し返すんですか.....」

五月雨「言えば楽になるって....。そんな無責任なこと、言わないでください.....」

五月雨「........」

五月雨「.......誤射、したんです。.....今日は、戦況がむちゃくちゃだったから仕方ないって、みんなは言ってくれたんですけど、誤射は、誤射です。たまたま外れてくれましたけど、それがもし、当たっていたら。それが原因で、その......」

五月雨「はぁ......」

五月雨「......お月さまのうさぎって、本当に羨ましいです。あんなに高い所にいて、お餅をついていれば、みんなに愛でてもらえる。.....でも私と入れ替わっても、やっぱりドジですから、ミスしてる姿で、みんなに笑われるんですよね.....」

五月雨「......らしくない、ですか。たまには、そんな雰囲気の日だってあります。提督にだって、しょげちゃう時はありますよね?.....今日は、そんな日、なんです」


五月雨「........」

五月雨「......へ?耳かきしてほしい?それは、急ですね.....。別にいいですけど。......やっぱりやめましょう!」

五月雨「なんでって言われても、今日の私はついてないですし、失敗したら、鼓膜破るのは確定ですよ.....?」

五月雨「そんな怖いこと言わないでって言うなら、やっぱりやめときましょう。.....それでも?.....提督は、バカなんですか.....」

五月雨「的のブイだと思えって....。もちろん当てれますよ!ちゃんと訓練してるんですから!.....なら大丈夫って、もう.....」

五月雨「どうなっても、知らないですからね。最善は、もちろん尽くしますけど」

五月雨「じゃあ少し待っていてくださいね」

五月雨「.......」

五月雨「.......はい、用意しました。....耳かき棒はやめてくれって。.....それもそうですね。綿棒にします」

五月雨「.......」

五月雨「はい、綿棒です!......これなら、奥に突っ込みすぎても、鼓膜まではいかないですね」


五月雨「.....お月さまが綺麗ですから、座ったままで、しますね。提督が十五夜を楽しむように、私も、十五夜を楽しみたいんです」

五月雨「それじゃ、左から.....。失礼します」

五月雨「......」

五月雨「........」

五月雨「........」

五月雨「......喋らないのかって、そんな余裕私にはないですよ!......ほら、鼓膜破らないよう、痛くならないようにって、気をつけてて、震えているんですから.....」

五月雨「提督が、何か喋っていてください」

五月雨「.......」

五月雨「......好きな食べ物ですか?やっぱり、白いご飯が好きです。あったかいのが特に.....」


五月雨「......」

五月雨「.....休みの日は、ですか?.....特に何もしてないですけど、そうですね.....。午後まで眠っていることが多いです。そのあと、朝昼ご飯を食べて、また昼寝です....」

五月雨「.......」

五月雨「......今日のパンツの色ですか?緑です」

五月雨「あっ!!ちょっと動かないでください!!ほんとに鼓膜破れちゃったらどうするんですか!!」

五月雨「ほんとに緑かって.....。嘘ですよ...。冗談です、冗談。......ほんとの色?なんで言うと思ったんですか?」

五月雨「再開しますから、止まってください.....」

五月雨「.......」

五月雨「.......提督は、私をよくからかいますよね。なんでですか.....?」

五月雨「面白いからですか。失礼しちゃいます....」

五月雨「.......」


五月雨「......提督は、どうして、最初に私を選んだんですか.....?」

五月雨「吹雪ちゃん、電ちゃん、叢雲ちゃん、漣ちゃん。私以外にも、いましたよね。今ではみんなもう仲間ですけど、どうして、私を選んだんですか.....?」

五月雨「.....なんとなく。ですか。なら、きっと後悔した、はずですよね」

五月雨「後悔はしてない....。ほんと、ですか」

五月雨「........」

五月雨「思えば、色んなこと失敗しました、私は。小さなことから大きなこと。....その度、思うんです。次は絶対ミスしないようにしないと。って。でもやっぱり、できない」

五月雨「だからって、いつまでも沈んだ気持ちでいると、みんなにも移っちゃって、士気が下がるから、明るく、もっと頑張らないとって、思うんです。自分でもわかってるんですよ、考えすぎだ。もっと力を抜いてリラックスしてみろっていうのは」


五月雨「.......」

五月雨「ふー、しますね」

五月雨「......ふーー......」

五月雨「.......」

五月雨「反対、行きますね。提督はそのままで」

五月雨「.......」

五月雨「.......私って、本当に必要なのかな」

五月雨「........」

五月雨「........」

五月雨「.......あっ!!ごめんなさい!!痛かったですか!?ぁあ!!血が......!えっと絆創膏!いや消毒薬!!えっとえっと!」


五月雨「.....提督耳失礼します!」

五月雨「.......」

五月雨「......消毒薬も絆創膏もないですから、舐めるので、少し我慢してください」

五月雨「.......血の味がします。美味しくはないですね.....」

五月雨「.......」

五月雨「........」

五月雨「.....なんで、わた、しは.....こんなに、ダメ、なん、ですか......」

五月雨「いつも.....いつも.....」

五月雨「.....うっ...」


五月雨「なんで、泣いてるってッ!だって、私だっ、て、失敗したくて!してるわけじゃ、ないからです!なんで、ですか.....。なんで.....なんで、いつも、私はぁ......」

五月雨「みんな私なんかより!強くて、かっこよくって、いつも私は取り残されて!だから!がんばっていろんなこと、するのに!いつもっ、へたっぴなのはっっ、私だけ!」

五月雨「こんなのだったら、私なんか必要ないじゃないですか.....」

五月雨「......えっ!ちょっと提督!!いきなり持ち上げないでください!軽いなって!そういう問題じゃない......です」

五月雨「.......」

五月雨「......私を膝の上に乗せて、どうするんですか....。一緒に月を見る.....。もう見てるじゃいですか」

五月雨「.......」

五月雨「......一緒にいてほしい、ですか.....。でも、私迷惑しかかけない存在です。いてもいなくても変わらないなら、いない方が.....」


五月雨「いた!なんで頭叩くんですか!!」

五月雨「そんなことない?......そんなわけないです」

五月雨「できたこともある?.....それって、なんですか.....?」

五月雨「同じミスは繰り返さないじゃないかって.....。でも、今日は誤射をしました」

五月雨「艦娘では初めてだろって。......デリカシーがなさすぎです。......でも、本当のことだろ、ですか.....」

五月雨「........」

五月雨「.......」

五月雨「.......提督私と結婚してください」


五月雨「.....そうすれば、私も、自分に自信がつきそうです。提督の後押しがあるっていう自信は、私以外誰にもない、それは、強みになると、思うんです.....」

五月雨「........」

五月雨「......だめ、ですか?」

五月雨「.......」

五月雨「好きな人が、いる......。ですか......」

五月雨「.......」

五月雨「じょ、冗談ですよ!提督がからかうようように、私だって提督をからかいます!もー鵜呑みにしたらダメですよ!だいたい私提督なんかよりもちっちゃいですから、不釣り合いもいいとこです!!」

五月雨「.....」

五月雨「.......だから忘れてください」


五月雨「......提督、手で月を隠さないでください。見えないです」

五月雨「マジック、ですか?はい、よく見ておきます。月を手元に持ってくる、はぁ.....」

五月雨「.....カウントダウン、ですか。わかりました。じゃあ、3、2、1......ゼロ」

五月雨「.........」

五月雨「......感想はって.....。その、だって.....」

五月雨「だって、提督が持っているのは......」

五月雨「指輪じゃ、ない、ですか......」

五月雨「......また、私をからかってるんですか?からかってる.....。さすがに私も怒りますよ!!」

五月雨「.....好きな人は、私.....。いやだって提督さっき他に好きな人がって!.....他になんて言ってない?そもそもからかっているのは、そのこと.....」


五月雨「.......」

五月雨「提督ビンタしてもいいですか?」

五月雨「いいよって、じゃあ遠慮はしません!えいっ!!って掴まないでください!!」

五月雨「はーなーしーて、くださーい!!......だからって指輪をはめて、手を離さないでください......」

五月雨「.......」

五月雨「........なんで、一度断ったんですか。そういうのは男が言わないとダメだから、って!私はどんな気持ちだったのか考えてください!!」

五月雨「........」

五月雨「向かい合って、いいですか.....。わかりました」


五月雨「.......」

五月雨「.....目を合わせろって、無理です......」

五月雨「.....自信がついたんだろって言われても、恥ずかしいのは、違います.....」

五月雨「.....んぁ.....」

五月雨「......5秒だけなら、大丈夫です。だから、はやくお願いします.....」

五月雨「.......」

五月雨「........」

五月雨「......提督......」

ぱちッ!

五月雨「あっ!ティファールの沸いた音」

五月雨「.......あはは!!お茶、いれますね」

五月雨「よいしょ......」

五月雨「........」

五月雨「熱いと思うので、火傷しないように気をつけてください!提督!」

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耳かき要素少なめ、眠れなさそうなやつです。夜に更新できないのと、眠れなさそうなやつなので今の時間帯です。あと参考程度に他の耳かきのお話を覗いたら、五月雨さんのリクエストした人とおそらく同じ人がいたので、報われてください。

>>68
まかしんしゃい。でも次のお話は気が強い子を考えていますので、も少し後になると思います。とびっきりダメになりそうなのを考えときます。

【霞】


霞「......ねぇ自販機の前で突っ立ってないで、さっさと選んでよ。寒いんだから」

霞「.....なんでそんなに驚くのよ。....なに?なんで消灯時間過ぎに外を徘徊してるのかって?......それは、その、別にいいじゃない!」

霞「なにがダメなのよ!ていうか、責任転換してる自分だって、消灯時間過ぎに歩き回ってるじゃないの!......ったく、ほんとクズね」

霞「ごめんって.....。.....まぁいいわよ、お互い深夜徘徊してるわけだし、私にも非があるわ。それに、誰かさんと違って私は、叱ったりする立場の人間じゃないし。関係ないわ」

霞「......で、いつまでそこでもじもじしてるつもり?.....はぁ?どれにしようか迷ってる?なんで迷うのよ.....。ったく、見せなさい」

霞「......はぁ!?なんでまだ全部冷たいやつしかないのよ!......せっかく夏から空気が澄んできたっていうのに.....。これじゃ計画が台無し.....」


霞「お先にどうぞ.....?別、先に選んでいいわよ。はぁ?レディーファースト?なに都合のいいこと言ってるのよバカ。さっさと選びなさい」

霞「じゃあ私が選んでって.....。なんで私が.....」

霞「.....そんな必死に言うことなの?いい年こいたおっさんが頭下げて.....。はぁ、わかったわよ、じゃあ......」

霞「ゼロカロリーのコーラ。ついでにトクホ付きよ。.......なに不満そうな顔してるのよ!人に選ばせておいてそれはないわよね!?」

霞「夜中にコーラはない?.....うるさいわね、じゃあ次はあんた、選びなさい」

霞「......」

霞「ブラックの缶コーヒー......」

霞「まさか、嫌がらせのつもり?.....そんなつもりはない?だったらわざわざ選ばなくても」

霞「......飲めないなら買い替える?なに言ってるの!飲めるに決まってるでしょ!!」


霞「.......」

霞「......なに見てるのよクズ、むこう向いてなさい」

霞「.......まっず」

霞「.......」

霞「.......」

霞「......なんでついてくるのよ!!ほんっとありえない!!後ろ振り返ったらびっくりしたじゃない!」

霞「.....ただでさえ陰が薄いんだから、しゃんとしなさいな。それじゃ幽霊よ」

霞「ごめんなさいって、そのすぐ謝る癖、やめたら?見ててイライラするわ。......またごめんって言った.....。直す気あるの?」

霞「ぁあ!もう!ほんっと、黙って!!喋らない!謝らない!あとすぐめそめそしない!!」

霞「......っとに、だから謝らないでって何回言えばいいのよ.....。はぁ、はいはい、もういいですよ、司令官。わかりましたから」

霞「で、司令官はどうしたいつもりだったのですか?.....寮まで送ってく.....?はいはい、わかりました、お願いします」


霞「......私の後ろ歩いてないで、こっちにきなさいな。それじゃほんとにストーカーよ。.....いいのって、私がいいって言ってるのよ、早くきなさい」

霞「ったく、ほんとにのろまね。しかもクズ。言いたいことがあるならはっきり言えばいいじゃない。私なんかより、立場上なんだから」

霞「......それじゃ練習。今から私が寮に着くまで、三つ守ること。たった三つなんだから、それくらいできないと、ほんとに呆れるわよ」

霞「.....怒らないから。大体いつも怒ってないし。じゃあ一つ目、はきはき喋る。小さくて聞こえない時があるからよ」

霞「二つ目、私から一メートル以内離れない。のそのそ歩かれるとイライラするのよ」

霞「そして三つ目、この缶コーヒー飲みなさい。味が好みじゃないわ。......あと謝るの禁止。謝るようなことしなければいいのよ」


霞「四つある?うるさいわね!ほら!さっさと約束事を守る!飲みなさい!......ったく、ほんとセンスのかけらもないんだから」

霞「......おいしい?そう、ならよかったわ」

霞「......」

霞「なんで歩き回ってたって?.....別になんでもいいじゃない。知ってどうするの?」

霞「それより、なんであんたこそ歩き回ってるのかしら。司令官とあろう人が、規則を破って深夜徘徊なんて、幻滅ものよ」

霞「ストップ。......今なんて言おうとした?約束事、守りなさい」

霞「.......」

霞「少し肌寒くなってきたから散歩?......そう」

霞「.......」

霞「それで、深夜徘徊ねぇ。.....私は」

霞「.....無理に話さなくていいって....。あんた、ほんと間が悪いわね。さっき断ったからって.....はぁ、理由話されたらこっちだって話すわよ。当然でしょ」

霞「はいやり直し。聞き直しなさい」


霞「......私は、あったかい飲み物買って、そこらへんぶらぶら歩き回ろうと思ってたのよ。....まぁ私と似たようなこと考えてたのは癪だけど、そういうことよ」

霞「で、お互い自販機の前で思い悩む。.....なんでまだあったかい飲み物がないのよ」

霞「.....ねぇあれ今週中になんとかしといてよ。同じ不満持った人、多分たくさんいるから」

霞「.....そっ、じゃあ期待してるわ。約束したなら、ちゃんと守りなさいな」

霞「.......」

霞「.......ねぇ寒い。上着、貸して」

霞「......ありがと」

霞「.......」

霞「まだ寒いから下かして.....」

霞「......ちょっと、なんで本当に脱ごうとしてるのよ。ストーカーの次は露出狂にでもなるつもりなの?はぁ......」

霞「じゃあなんでそんなこと言ったって.....。あんた、私がやれって言ったらなんでもする気なの?そしたら犬じゃない。......ほんとバカね」

霞「.......」


霞「.....あは!あははっ!!ご、ごめん!ほんとに笑えてきた!!ほんっと犬みたいね!!あはは!!!」

霞「なんでそんなに笑うのかって!?それは、あんたがみじめでバカだからよ!!あはは!!笑いすぎてお腹いたい!!」

霞「ねぇお手!!ぷっ!!ほんとにするのね!!」

霞「.....あーーおもしろかった!ねぇそれくらいいつも生き生きしてた方がいいわよ。.....気持ち悪くないのか?当たり前よ、気持ち悪いわ。でもいつもなよなよしてるより、いっそその方が清々しいわ」

霞「......あっ、もうついたわね。......司令官、ありがと。今日は楽しかったわよ。明日も、それくらいしっかりしなさい。命令よ。わかった?」

霞「ん。よし、いいこ、いいこ。......じゃあまた明日」

霞「.......」

霞「.......」

霞「.......まった!!司令官!!何って.....その、あれよ。.....で、出入り口、鍵が閉まってて.....」

霞「なっ!!なんで笑うのよ!このクズ!クズ司令官!!笑うな!!黙って!!.....もうだから笑わないでって!!」


霞「蹴り飛ばすわよ!!......ったく、ほんとクズね。人の不幸笑うなんて」

霞「......どうするって、それはその.....外で野宿するしか....」

霞「司令官の部屋に?......イヤよ、下心丸見えでキモいわ。そんなことするくらいだったら、ほんとに野宿するわ」

霞「じゃあ俺もって、バカじゃないの?部屋に戻れるのに戻らないなんて、頭おかしいじゃない」

霞「はぁ?1メートル以内から離れるなって言ったからって。.....別に、律儀に守らなくていいわよ。もう終わったじゃない、だからさっさと帰りなさい」

霞「.....霞が寮に戻れてないから終わってない。.....ムカつくわね、上手いこと言ってやったみたいな顔して」

霞「......」

霞「ねぇ、ほんとに守らなくていいのよ。私は、艦娘だから簡単に風邪引かないけど、司令官は人間でしょ。風邪ひいて明日の業務に支障がでたらどうするの?」

霞「それでも......。イヤなら、司令官の部屋にって.....。それもイヤ。じゃあ残るって、ぁあ!!もう!!!めんどくさいわね!」

霞「わかったわよ!!行くわ!行くわよ!!はいこれでいいでしょ!!」

霞「でも条件追加!!いい!?変なことは絶対、しない!返事は!?」


霞「はぁ.....。ほんとついてないわ、今日は」

霞「.....ほら!そうと決まったらさっさとしなさい!!ほら!私から離れない!歩く!」

霞「最悪.....。最悪、最悪最悪!!ああ!もうほんっと最悪!!」

霞「うるさいって、あんたねぇ!.....っとに、自販機は冷たいのしかないし、ブラックコーヒー買うし、変態だし露出狂だし犬だし、どうかしてるわよ.....」

霞「.......」

霞「.......私より先に入りなさい。なんでって、私が先に入ったら、私が先に部屋につくじゃない。その間に、あんた私の靴の匂い嗅ぎそうだからよ。返事!」

霞「.....ほらさっさと入る!ぼさっとしない!」

霞「......」

霞「何私が靴脱いでるの見てるのよ。後ろ向け!ほらはやく!.....振り返ったら蹴り飛ばすわ」

霞「ったく、歩きなさい。ちんたらするな」


霞「.......早く入りなさい!私?私はまだ入らないわよ」

霞「いい?入る前に、廊下で1分まってあげるわ。.....なんでって、私が見たくないもの、あんたが見せたくないものがあるでしょ」

霞「どうせ一致してるから、片付ける猶予を与えるわ。その代わり、私が見つけたら.....わかってるわね。いい?3、2、1。スタート」

霞「.......」

霞「.......」

霞「.......終わった?あと1分?ったく、のろまね。待ってあげるから、はやく終わりなさい」

霞「.......」

霞「........」

霞「5ー」

霞「4ー」

霞「3ー」

霞「2ー」

霞「1ー」

霞「ぜーーーーーーろ!!」


霞「はい終了!いい?見せたら殴る、見つけたら蹴る、意図的に置いてあったら[ピーーー]わよ」

霞「お邪魔します......。よし、何もないわね。ベットの下は、まぁ、見ないであげるわ」

霞「.....それにしても、意外に、綺麗にしてるのね。私は、もっと汚い部屋に住んでるのかと思ってたわ。.....缶とかビンとか色々散乱してる、男の部屋よ」

霞「まぁ、片付ける猶予を与えたし、それくらいはしてもらわないと」

霞「それじゃ、私は寝るから、布団を用意しなさい。.....はぁ?一緒に寝ないのかって?当たり前じゃない、なんで一緒に寝ないといけないの?」

霞「いいから、さっさと用意しなさい。......ベット一つしかない.....って、ねぇ、もう!私を部屋に誘ったなら変えの布団があると思うでしょ普通!?」

霞「一緒に寝るもんだと思ってたってねぇ!常識的に考えてありえないでしょ!」


霞「はい終了!いい?見せたら殴る、見つけたら蹴る、意図的に置いてあったら殺すわよ」

霞「お邪魔します......。よし、何もないわね。ベットの下は、まぁ、見ないであげるわ」

霞「.....それにしても、意外に、綺麗にしてるのね。私は、もっと汚い部屋に住んでるのかと思ってたわ。.....缶とかビンとか色々散乱してる、男の部屋よ」

霞「まぁ、片付ける猶予を与えたし、それくらいはしてもらわないと」

霞「それじゃ、私は寝るから、布団を用意しなさい。.....はぁ?一緒に寝ないのかって?当たり前じゃない、なんで一緒に寝ないといけないの?」

霞「いいから、さっさと用意しなさい。......ベット一つしかない.....って、ねぇ、もう!私を部屋に誘ったなら変えの布団があると思うでしょ普通!?」

霞「一緒に寝るもんだと思ってたってねぇ!常識的に考えてありえないでしょ!」

>>104
ぴーってなったのでやり直しました。これじゃまったく美しくないので。


霞「....なら私は雑魚寝でいいわよ。....ベット使っていいって、ここは、あんたの家でしょ?宿主が雑魚寝なんてさせらんないわよ」

霞「じゃあ自分も雑魚寝って、それじゃベットの意味ないじゃない。じゃあ使えって、ねぇ.....」

霞「あぁ!どうしたいのかまるでわからない!言いたいことがあるならはっきりしなさい!」

霞「一緒に寝ろって.....だから、それはイヤだって。なんでってそれは、あんた絶対手だすからよ」

霞「我慢できなくなって襲うつもりだから、イヤなのよ。下心丸見え」

霞「しないって言うけど、確証は?クズの司令官なんて信用しろって言う方が無理よ」

霞「......今も言いつけ守ってるから?1メートル以内から離れてないし、はきはき喋ってる.....。缶コーヒーも飲んだし変なことはしてない」

霞「......絶対、変なことしない?絶対できる.....」

霞「じゃあ指切りしなさい!いい?」

霞「ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーら。......うそついたら、あんた海に引っ張ってって、生きたまま深海棲艦の餌にするわ。ゆっびきっっ!!......離しなさい。.....った!」

霞「......ほんとだから、覚悟しなさいな」

霞「......じゃあ、あんた先に入りなさい。理由は.....別にないわ」


霞「........」

霞「.......何こっち向いてるのよ。壁側に向きなさい。......餌にされたいの?」

霞「......じゃあ電気は、これね。消すわ」

霞「......入るわよ」

霞「......いい?朝起きて、こっち向いてたらダメだから」

霞「じゃあ、おやすみなさい」

霞「ん。おやすみ」

霞「......」

霞「........」

霞「.........こっち側布団足りないから、よこしなさい......。いや、それはダメね、風邪ひいちゃう」

霞「あんた私の背中から離れすぎよ、だから余計に隙間ができて寒いのよバカ。くっつきなさい」

霞「.....そう、初めからそうしておけばいいのよバカ」



霞「.......」

霞「......ねぇ枕足りない。なんで背中合わせるついでで合わせないの?非効率じゃない」

霞「......」

霞「.......」

霞「.......ねぇ」

霞「.......ねぇってば」

霞「ねぇってば!寝てた!?何私より先に寝てるよのクズ!!......うるさいって.....ごめんなさい.....」

霞「......眠れないんだけど。知らないって、そんなこと言わないでよ.....」

霞「.......」

霞「.....何か話してよ。黙ってれば寝れるって言われても、眠れないからお願いしてるのよ」

霞「......ごめんなさい、静かにするわ.....」


霞「.......」

霞「......」

霞「.......なに?こっち向いていいって?......いいけど、そのかわり、少しだけ私の相手しなさい。それが条件よ」

霞「.....ならいいわよ」

霞「.......」

霞「......近いわ、もっとあっちに行きなさい。.....そうすると隙間ができて寒い、それも、そうね」

霞「.......何、話してくれるの?何もない?.....嘘ついたわけ?」

霞「じゃあ、本読んであげるって、私、赤ちゃんじゃないのよ」

霞「なら、なんかしとけって、この暗闇で何すればいいのよ」

霞「....ちょっと待ってろ?」

霞「.......」

霞「.......あんた、アロマキャンドルなんて持ってるの?似合わないわよ.....」


霞「.......それで、何すればいいのよ。......あっ、じゃあしりとり、めんどくさい?なら、じゃんけん.....それもめんどくさい.....」

霞「.......」

霞「ごめんなさい。やっぱり、静かにしてるわ。そうしたら、寝れるから」

霞「おやすみなさい、司令官.....」

霞「.......」

霞「........耳かきしてほしい?......なんで耳かきよ?」

霞「単調な作業してれば落ち着く....。それも、そうね。でも司令官は眠れないじゃない。.....リラックスするから寝れる。そういうものなの?」

霞「......まぁいいわよ。どうせ眠れないし、司令官で暇つぶしするわ。耳かく物は?アロマキャンドルの隣?......綿棒ならいいわね」

霞「よいしょ.....」

霞「........」

霞「.......膝枕じゃないのかって?当たり前よ。なんで膝枕しなくちゃいけないのよ、バカ。枕で我慢しなさいな」

霞「......いい?特別サービスだから。ほんっとは、イヤだけど、仕方なくだから。そこは間違えちゃダメよ」


霞「......じゃあ突っ込むわ。でも明かりがロウソクの火だけだから、すごく奥までは入れないわよ。鼓膜傷つけたら大変だからよ」

霞「じゃあ右耳から......」

霞「........」

霞「.......どう、気持ちいい?そう、なら良かったじゃない」

霞「.......」

霞「.......」

霞「......耳の穴って、真っ暗ね。それに、部屋もほとんど暗闇だし、なんだかブラックホールに見えるわ」

霞「......ねぇ耳の穴にロウソクの垂らしていい?.....あはは、嘘よ。何信じてるのよ」

霞「........」

霞「......私ってさ、そんなに冗談言うような人に見えない?......見えない。そう......」

霞「......いつも怒ってるからそう見える?別に、いつも怒ってなんかないわよ。思ったことを言ってるだけ」


霞「言わないと、気がつかないじゃない。ほらあんただってそうよ。私が言わなきゃ、ダメダメなんだから」

霞「そんなことない?せっかちすぎだ?」

霞「.......」

霞「じゃあさ、あんたの悪い所はよくわかってるけど、私の悪いところって何よ。言っていいのかって?......言われなきゃわからないじゃない」

霞「怒らないから、言ってみなさい」

霞「......傲慢。......口が悪い。......うるさい、いじっぱり。......そのくせ寂しがりや?」

霞「私が寂しがりや?何バカなこと言ってるのよ。そんなわけないじゃない。じゃあ例えばどのへんよ?」

霞「.......」

霞「.......言葉で言いにくいって、それじゃ合ってないじゃない。はぁ?それでもあってるって、何それ」

霞「じゃあ次は私があんたの悪い所言うわ。知ってるからいい?イヤよ腹いせで言うの」

霞「動きが遅い、おどおどしてる、はっきり言わない、喋らない。あとキモい、変態、犬、露出狂予備軍、クズ。......私なんかよりたくさんあるじゃない」


霞「.........」

霞「じゃあ逆にいい所はって、イヤよ。なんで言わないといけないの?」

霞「.....ったく、ほんと、キモいわ」

霞「.......」

霞「.......」

霞「......反対にするわ。向き変えなさい。......吹き飛ばさないのかって?そうねしてあげる」

霞「ふーー」

霞「........」

霞「.........」

霞「もう一回?いいわよ」

霞「.......ふー......」

霞「.........」

霞「..........」


霞「舐めてほしい?いいわよ.....。いや、なんでよ」

霞「.....耳に息ふきかけてくれたから?.....ちっ、ぼーとしてたせいよ。次はしないわ」

霞「ほら、反対にして」

霞「.......」

霞「......」

霞「何考えてたって?......何も考えないわよ。嘘じゃないわよ、ほんとだって......」

霞「.......」

霞「......ふぁ......」

霞「......だんだん眠くなってきたわ.....。効果覿面ね.....。単調だから、すぐ眠くなるわ......」

霞「.......」

霞「......大丈夫よ。まちがって、綿棒入れすぎないわ.....。安心しなさいな.....」


霞「......」

霞「.......」

霞「.......ねぇ司令官。私のいい所言ってみて」

霞「.....なんでって、いいこと言われて、イヤになることないじゃない。うとうと微睡んでて、気持ちいいのよ」

霞「.......じゃあ代わりに司令官のいい所?.....イヤ。どうしてもって......。それでも、イヤ」

霞「私のいい所5個で、一つ?交換条件ね......。まぁいいわよ、私なんか、いい所5個もないし」

霞「ほら、言ってみなさいな.....」

霞「世話焼き.....。恥ずかしがりや......それは長所なの?繋がるから静かに.....わかったわ。恥ずかしがりやで、世話焼きだから、ついつい言い過ぎるところがかわいい......。ふーん」

霞「いちいちバカなことに付き合ってくれる.....?何よそれ、バカなのは司令官じゃない。.....かわいい、ねぇ」

霞「.......」


霞「まぁ合格。......司令官のいいところ?.....そうね、優しい」

霞「.....それだけって、それだけよ。もっと言ってほしいなら、私の長所言いなさい」

霞「.....」

霞「......褒められると、調子乗るところがかわいい。......押しに弱いところがかわいい。.......本音を言う時がかわいい。......ふーん」

霞「.....五個言った?.....数えてなかったわ。まぁいっか、司令官のいいところ。......私に付き合ってくれること。......さっき言った?.....そう、なら。私が調子に乗っても、許してくれるところ」

霞「.......」

霞「.......ふぁ~~ぁあ......」

霞「......もう五個言ったの?.....早いわね。それだけ私のいいところが多い?......ありがと」

霞「......」


霞「私を否定しないこと.....」

霞「........」

霞「.......」

霞「.....実は甘えたがりなとこ....?......怖がりなとこ......?言いすぎたら、心配してくれるとこ.....。よく気を遣ってくれるとこ......。.....言い出しにくいことを言ってくれる、とこ....」

霞「ありがと......」

霞「.......」

霞「..........」

霞「......私を、受け入れてくれる、とこ.......」

霞「........」

霞「........」

霞「........」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

反抗期の娘さんみたいでした。できるだけわがままを叶えてあげで、叱るときは叱る。そうすれば仲が深まるのではないかと思いました。とても疲れましたが、霞さんはお気に入りになりました。またがんばります。

夜分遅くにすみません気が向いたらでいいので山城で書いていただけないでしょうか?山城成分を補給すればこの年度末の忙しさを乗り切れる気がするんです。

【舞風、】


舞風「たっだいまー!....って提督ぅ!まーた寝っ転がってもう!そんなんだと、太ってしょうがないよ?」

舞風「......暑いから動きたくないって....。提督!暑いからこそ動くんだよ!いい?暑いから汗をかく!」

舞風「なら暑い日にどうせ汗をかくなら、動かな損々だよ!さぁ!スタンドアップ!レッツダンシング!」

舞風「......意味わかんないって、ねぇ、もう!.....まぁいっか。提督、はいこれお土産のスイカ!」

舞風「......どうしたって、いつものおばあちゃんから貰ったんだよ」

舞風「いつもありがとね~って言われて。あと、とうもろこしと~、今朝産んだばかりの卵も貰ったよ」

舞風「いやーほんっと、いつも悪いよね~。ここ、正直平和すぎてやることないし」

舞風「....そういえば私以外のみんなは?虫捕りしに行ったの?あと、また海女さんごっこ.....。好きだよね~」

舞風「じゃあ二人っきりか~。ふーーん......。何考えてるって?それは、その.....」

舞風「......」


舞風「スイカ、ちょっと食べちゃおっか.....。ダメ?えーなんでーー!?」

舞風「いいじゃんだっておばあちゃんスイカ冷やしておいてくれたんだよ!?だったら食べないと失礼じゃん!」

舞風「それでもダメって......。あっ!......んふふ、みんな虫捕りに行ったんだよね?カブトムシの餌、なくなーい?」

舞風「そうだよね!そうだよね!じゃあさ?......いいの!?やっったぁあ!じゃあ私、切り分けるね!!」

舞風「んっふふー♪スイカ!スイカ!おばあちゃんのスッイカ!あー嬉しくってステップ踏んじゃう♪」

舞風「てーとくー、塩いるー?いるんだねーーおーけー!麦茶どうするーー?氷つきーー?わかったーー!」

舞風「ほらほらほらほら!!切り分けましたよ隊長!!見てください!この赤!心踊る赤を!素晴らしいであります!」

舞風「じゃあいただきます!!......んー!!おいっしい!提督も?だよね!だよね!あー最高.....」

舞風「塩、塩。......なんで塩かけると甘くなるんだろう。なんで?提督?」

舞風「......知らない?えー.....。まぁ、いっか。塩かけると甘くなるってこと知ってれば、それで十分.....。美味しければ問題ないんだよ.....」

舞風「......提督、種飛ばし大会しよ?なんでって、それは種があったらやるに決まってるよね?ほらつべこべ言わず縁側行こうよ!」




舞風「.....あっ、たらい置いてあるなら、ちょっと待ってて!......うわ外あっつ」

舞風「てーとくーたらい足元に置いておいてー。めんどくさい?そんなこと言うと水かけるよー」

舞風「....よし!たらいに注水!!最大出力だッ!......いいねいいねー!本格的に夏ってかんじ!」

舞風「んーちょうどね。じゃあ水止めてくるから、ちょっと待っててね」

舞風「.......」

舞風「よーし!提督ぅ!足突っ込んじゃおう!せーーの!」

舞風「んーーー!冷たいー!!あー極楽、極楽.....」

舞風「それは風呂に入った時だって.....。いーのそんな細かいこと!」

舞風「それよりも!ほらスイカ食べて!.....んぁー!おいひい.....」

舞風「......」

舞風「......そういえば、私何しようとしてたんだっけ?.......種飛ばし?ぁあそういえばそうだった!提督口の中に種ある?見せて?んーよし!」



舞風「私も....。ほら、くひのなかにぃ、あるから、じゅんび、まんたんだよ?」

舞風「ひゃあ、いひについてー、よーい」

舞風「ぷっ!!!」

舞風「......やったぁ!私の勝ち!」

舞風「んー?罰ゲーム?そんなのないよ?じゃあ、なんでやったって、理由がいるの?.....えーじゃあなんとなく、だよ」

舞風「提督、固いなぁ......。もっと気楽に、もっと全力で楽しまないとボケちゃうよ?......余計なお世話?んもぅ......」

舞風「.......あー麦茶おいし。ごちそーさま。皮は、カブトムシの餌になるから、捨てたらダメだよ?」

舞風「いやーほんっとのどか......」

舞風「......つまんなそう?そんなことないよー?.....ほら、提督耳を澄ましてみて。ほーら静かに......」

舞風「.......」

舞風「ほら、聞こえてこない?何がって?......えー提督には聞こえないの?セミの声しか聞こえない?......ちっちっち、ダメだなー提督ぅ」


舞風「ほら波の音、風の音。セミの声。そして風鈴のそよぐ音。......なんだか、音楽に聞こえてこない?.....聞こえない、ただの音.....」

舞風「はぁ、ダメダメ提督!もっと心を研ぎ澄まさないと!ほら寝っ転がって!」

舞風「.......」

舞風「ほら、想像.....。波と、時々吹く風に合わせて、鳴り響く風鈴の音。.....私がちゃぷちゃぷしてる、水の音。リズムをとってる」

舞風「その合わさったリズムに合わせて、セミは鳴いてるんじゃなくて、歌ってる。そう思えてこない?」

舞風「.......」

舞風「.....ふーふふーん♪ふーふふーん、ふーん♪」

舞風「ほら?なんとなくわかった気がする?.......少しだけ?うーん。なんでわからないんだろう」

舞風「......あっ、ターミネーターが帰ってきた。提督。ほら起きてみてよ」

舞風「......ほら、うわぁ、いつもどんだけとってるのよ。魚引っ張ってきて、まるでナスDじゃん....」

舞風「おかえりー磯風」


磯風「む。あぁただいま、二人とも」

舞風「.......とりすぎじゃない?」

磯風「うむとりすぎた。だんだん楽しくなってきてな、気がついたらこんなになっていた。まぁしかし、みなよく食べるだろう?」

舞風「まぁ食べるっていったら食べるけど、そんなにはいらないってか....」

磯風「舞風見てみろ!今日はタコをとってきたぞ!!」

舞風「うぁあ!キモい!提督!あのバカどうにかして!!」

磯風「......なんだ可愛いじゃないか、タコ。......司令、お前は苦手か?.......そんなことない。ならよかった、ぜひタコ太郎に触れてみてくれ」

舞風「なにその名前.....」

磯風「愛着が湧いた」

舞風「でも食べるんでしょ?」

磯風「無論、そのつもりだ。......そうだタコ飯、なんてどうだ?この前、おばぁから炊き込みご飯を習ってだな....」



舞風「けっこうです!提督もね?そうだよね?.....ほら提督だっていいって言ってる!」

磯風「なんだ、つまらない.....」

舞風「で、その魚達と、タコ太郎はどうするの?」

磯風「うむ、食べるぶんは捌いておいて、余るぶんは、そうだな、お世話になっているおばぁにでも渡しておくか」

磯風「では着替える」

舞風「はぁ?ここで!?」

磯風「うむ」

舞風「ねぇ提督いるよ!?いいの?」

磯風「うむ構わん、見られても減るもんではないからな」

舞風「減らないし何も増えないから、やめといて!ぁあ!ちょっと!ウエットスーツ脱ぐ準備始めないで!!」

舞風「こら提督!何見てる!後ろ向いてて!」

磯風「舞風、すまないが、ジッパーを下ろしてはくれないか?」

舞風「えー、いいけど、そのタコ!持っててよ!あと提督は振り返ったらダメですからね」


磯風「そんなにタコ太郎が嫌いか?」

舞風「美味しいけどうねうねしててやだ!」

磯風「そうか.....」

磯風「........」

舞風「もう、意味わからない。ほんとに.....」

磯風「舞風、そういえば私の服はどこにある?」

舞風「ぁあ!もう持ってくるから待ってて!」

磯風「すまない」

舞風「提督!絶対振り返ったらダメですよ!絶対ですよ!!」

舞風「ああ!どこいったのー!替えの服ーー!」

磯風「.......」

磯風「なんだか妙な開放感があるな。心地よい」

磯風「......なんだ司令、見たいのか?....私は構わんが、舞風が許さないからな、振り向いたらダメだぞ」

舞風「ほら持ってきたから着替えて!」

磯風「うむ、ありがとな舞風」

舞風「提督、振り返ってないですよね.....?」


磯風「舞風、司令は振り返っていたぞ」

舞風「......解体だね提督。違う?.....ほんと?」

磯風「ははは!!嘘に決まってるだろう」

舞風「.......まったくもう」

磯風「よし、着替えたぞ。もうこっちを向いても大丈夫だ」

舞風「......そういえば、磯風お風呂入ってないよね」

磯風「たしかに。.....だが私の名は、磯風だ。磯の香りがしていても問題は」

舞風「そういうのはいーから!お風呂入ってきて!」

磯風「不服か....なら仕方ない」

舞風「まったくもう!昔は尊敬してたのに、磯風全然だめだめだから呆れちゃったよ......」

磯風「聞き捨てならないな.....。どれ私の武勇伝を一つ......」


舞風「ほらさっさと上がった!」

磯風「おっと、あまり強く押すな。ふらつく。あぁ魚達は......。司令よ、すまないが捌いて.......できないか。仕方ない。大量の氷に埋めておいてくれ」

舞風「提督あとお願いね。私はこれを運んでおくから。ん、よろしく!ほらさっさとする!」

磯風「あとはよろしく頼んだ」

舞風「.....さっさと脱いで!ぁあもうだからなんでジッパー下ろせないの!?」上げれるのに!」

磯風「.....どうも苦手なんだ」

舞風「ほら!あとはしっかり洗い流しておいてよ!」

磯風「うむ。すまないな舞風」

舞風「もう......」

舞風「........」

舞風「提督ー?終わった?......終わったんだね。でもさ、さすがにこれは多いよね.....。まぁ食べきれるけどさ」

舞風「あーつかれたーー!提督、縁側で寝っ転がろ?」

舞風「......らしくない?だって磯風の相手すっっごく!疲れるもん!」

舞風「......嫌いじゃないよ?ふざけてばっかだけど、任務中は真面目だから。任務中もあんなのだったら私怒れちゃうけどね!」

舞風「ほら磯風はいいから!提督早く早くぅ!」

舞風「........」

舞風「.....シャワーの音がする」

舞風「ねー提督、耳かいてあげよっか?...... なんだ急にって、なんとなくだよ」

舞風「お願いって.....。どーしたの、急に素直になっちゃってぇ?......んふふ、なんでもないよー。じゃあちょっと待っててねー」

舞風「........」

舞風「はーい!今日は綿棒です!......ついでに夏仕様にします!.......そ、れ、は」


舞風「水に浸けて、冷たくするんだよ?夏っぽいよねーなんか」

舞風「......じゃあこっちからするよ」

舞風「おーすっごい汚い.......。うーそだよ、別に汚くないから安心してーね?」

舞風「それじゃ失礼、失礼.....。多分ひやっ!てするから気をつけてね~」

舞風「.......あは!ビクッッてした。そんなに驚いた?......でも気持ちいい、ならよかった、よかった」

舞風「........」

舞風「......なんかすごく気持ちよさそう。いいなぁ。なんで私がやってて羨ましそうに見えるんだろう」

舞風「.....ねぇちょっと自分の耳でやってみていい?......やった、ありがとう!」

舞風「........あれ?そんなに冷たくない。提督の耳であったまっちゃったのかなぁ?......ぬるい」

舞風「.....まぁいっか、それじゃ提督の耳に入れなおすねー。.....ぬるくない?やっぱりぬるいかぁ....。でも気持ちよさそう。なんで?」

舞風「.......ほーれほーれ。どーだ!気持ちいいかー?そーか、いーね、いーね~」

舞風「.......夏休みってさ、こんな感じなの提督?」

舞風「時間だけはたくさんあるから、やりたいこといっぱいできるのに、何もやらない」

舞風「あと宿題?っていうのをやらないといけないのに、遊びに行っちゃってたり」

舞風「......当たってる?当たってるんだ....」


舞風「いーなー夏休み。私も欲しいなー。そしたらさ、自転車に乗って、虫捕りにいってたり、ちょっと頑張って町に出かけたり.....」

舞風「それにそれにー釣竿持って、海釣りしたりしてさー、それをみんなでバーベキューして焼いたりしてみたいなぁー」

舞風「......いつもしてるじゃないか?うーん、たしかに......。でも夏休みじゃないから、やっぱ違うよ。非日常感がほしいの」

舞風「......提督はさ、夏休みの思い出ってある?聞かせてよ」

舞風「.......へぇーいいなぁーー。.......おー!そんなことしてたんだ!やっぱ羨ましいなぁ、夏休み......」

舞風「......明日、磯風が獲った魚でバーベキューしようよ?.....そうだおばあちゃんも呼んで、ご近所さんもみんな呼ぼ?......いいの?やったぁ~」

舞風「.......」

舞風「......ふぁぁあ.....。眠い」

舞風「......」

磯風「二人とも、お楽しみの所すまないな」

舞風「ぅあ!急に出てこないでよ!」

磯風「なんだ、司令の耳をかいているのか?」

舞風「.....まぁ」


磯風「ふむ。私も混ぜてくれないか?.....あぁもちろんやる側だが」

舞風「......提督、どうする?構わないですか.... 。それじゃ、磯風反対お願い」

磯風「了解した。隣失礼するぞ」

舞風「......綿棒は?」

磯風「そういえば......」

舞風「まったく.......」

磯風「まぁあるがな。見えていたぞ、二人の行為」

舞風「あぁめんどくさいなぁ磯風.....。じゃあ反対お願いね」

磯風「了解した。.......司令よ、最後に耳を掃除したのはいつだ?尋常じゃないくらい汚いぞ.....」

磯風「.....?司令、何がおかしい?」

舞風「......提督言わないでよ」

磯風「.....まぁいいだろう」

舞風「じゃあ改めて、入れるね~」

磯風「こちらも」

舞風「.......」

磯風「.......」

舞風「そうだ磯風、おばあちゃんからスイカもらったから食べていいよ」


磯風「またもらったのか?.....ほんとおばぁには世話になって仕方ないな.....。渡す魚の量を増やさないとな」

舞風「あっ、その魚だけどさ、明日おばあちゃんとご近所さん呼んで、みんなでバーベキューするって話になったんだよね」

磯風「ん?そうなのか司令?......そうか、ならそうしよう。そっちの方が楽しいからな」

舞風「それじゃ夜ごはんの用意してる時に、磯風お願いね」

磯風「何を言っている。私も夕餉の支度を手伝うぞ?.......なんだ司令。やめろなんて言うな」

舞風「上官命令だからね!磯風、お願い」

磯風「うむ.....なら仕方ない」

舞風「......」

磯風「........」

舞風「.....ねぇ磯風?一つ、聞いてもいい?」

磯風「ああ構わんぞ」

舞風「今、なんの音がする?」

磯風「......随分抽象的だな。そうだな、風と波の音、風鈴の音、と、セミだな」

舞風「.....やっぱり」

磯風「なんだ?質問の意図が読めんな」

舞風「提督は聞こえないんだってさ、その音が。.......聞こえてる?」


磯風「耳が遠くなったのか?司令よ。......違う?うむ、さっぱりわからん」

舞風「提督はさー、この夏の音から、リズムが聞こえてこないんだよ。磯風は、わかる?」

磯風「......まぁ、司令のむず痒さはなんとなく理解できるぞ。しかし、舞風の言っていることもわかる」

舞風「?どーゆーこと?」

磯風「提督は、大人になってしまったということだ」

舞風「もっとわからない.....。私だって、大人だよー?ねぇー提督ぅー?」

磯風「ははは、たしかに、舞風は大人だとしも、提督は違うぞ。おっさんだ。舞風はもうおばさんになってしまったのか?」

舞風「ちがうもーん。私は、まだまだ若いからね~」

磯風「なら、まだ舞風にはわからなくて仕方ない。そうだろ、司令」

舞風「そーゆー磯風はどうなの?聞こえるって言ってるのに、提督の気持ちが理解できるのおかしくなーい?」

磯風「私か?.....私は、普段から耳を澄ましているからな、自然の音には。だから聞こえてくる。意識しなければ、ただの音になってしまうがな」


舞風「ん~?よく、わかんないや.....」

磯風「うむそれでいい。そうだろ、司令?」

舞風「ふーん。まぁ、いっか.....」

磯風「.......」

舞風「.......」

磯風「.......舞風?司令、舞風は......。なんだ寝てしまったか」

磯風「.......」

磯風「司令、まだおっさんになるには早いぞ?......気をつける?そうだな、そうした方がいい」

磯風「時の流れと同じだ。意識しなければ、あっという間に過ぎてゆく。それを無慈悲と感じても、どうしても抗えない」

磯風「時がただ無常に過ぎ去って行かれては、ただ死に急ぐのと、何も変わらない。だから、私たち大人とおっさんは、刺激を求めるだろう?もう飽きてしまうほど、生きてしまったと思っているのだから」

磯風「......私たちが使える、自由な時間は少ない。制限された自由を使って、効率的に生きなければならない。.......少し色々な物や自然、音に意識を傾けてみるといい」

磯風「......自然は大きい。大きく育ったと勘違いした、ちっぽけな私たちを包み込んで、雄大な時の流れと一体化してくれるはずだ」

磯風「.....では、耳に息を吹きかける。.....そうだ、司令の耳だが、汚くはないぞ。言い忘れていた。.......知ってる?ふむ、ならいい」

磯風「........」

磯風「......ふっ......」

磯風「もう一回だ。........ふっ......」

磯風「.......」

磯風「......司令よ、今は、なんの音が聞こえてくる?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨日は更新できなくてすみません。ちなみに来週の金曜あたりでおしまいにしようと思っているので、リクエストの艦娘がある方はお願いします。また頑張ります。

【羽黒】


羽黒「......司令官さん。羽黒です。.....あの、少しお時間大丈夫ですか?......大丈夫ですか。入っても....?.....はい、失礼します」

羽黒「.....夜分遅くごめんなさい。急にどうした、ですか.....。あの、今からお眠りになるわけでは、ないです、よね?」

羽黒「.....まだ寝ない。......その、もしよろしければ、その......。いっ、一緒天体観測しませんか!?」

羽黒「なんで急に天体観測歌うのですか!そっちじゃないです!!......ジョークですか」

羽黒「.....なんで急にと言われても、本当は姉妹で楽しむ予定だったのですが、なぜか急に予定が入ったらしく、どうしても見たいなら提督と見てきなさい!と、断られたんです」

羽黒「......あっ、いえ!!私は司令官と見るのは嫌じゃないです!!むしろそっちのほう....」

羽黒「がよかったりそうでもなかったりやっぱりいいんです!......意味がわからない?そ、それでいいんです....」

羽黒「......天体観測は夏にするもの、ですか.....。確かに、夏にするのが一般的と言われたら、そうかもしれません」

羽黒「でも、空気が澄んでいる冬の空は透明度が高く、観測には向いているのですみ。そしてですね、それは時間も関係しているんですよ?冬は日が落ちる時間が早いですよね?それは地球が太陽の周りをぐるぐるする公転運動と、地球の約23.4度の傾きを保ったまま回転する自転軸に関係があって。これを南中高度と言って」


羽黒「はい!!......どうしたのですか?そんなにびっくりした顔をして....?急に饒舌になった.....。そ、そうでしたか?でしたら、ごめんなさい.....」

羽黒「.......天体望遠鏡ですか?特には、必要ないですよ。そんなことをしなくても、星は綺麗ですから」

羽黒「.....それもそうですね、難しい話はやめて、早く始めましょうか。なら、窓際の椅子に座りましょう......」

羽黒「.......あっ、窓、結露しちゃってますね.....。お部屋あったかいですから、仕方ない、ですね.....」

羽黒「外、寒いですし、やめときますか?風邪を引いたらいけないですし.......。毛布を持ってくる?......いいんですか?」

羽黒「.......」

羽黒「......わっ、大きな毛布ですね....。いつもは布団に被せてある?......そうですか」

羽黒「なら、窓開けましょうか。......うわ、やっぱ寒いですね。やっぱり真冬は厳しいです......」


羽黒「あっ.....司令官さんありがとうございます.....。あったかいです」

羽黒「.....じゃあ、お隣失礼します」

羽黒「.......」

羽黒「.......司令官さんは、星空に興味はありますか?.....星を眺める時間より、パソコンを見つめる時間が多い。.....ふふ、司令官さんらしい答えですね」

羽黒「......じゃあ、こうして星空を眺めてみて、どう思いましたか?.....きれいですか。私もです」

羽黒「今日は、月も雲もないですし、絶好の観測日和ですね」

羽黒「......」

羽黒「声澄みて、北斗にひびく、砧かな.....。松尾芭蕉の俳句です。......意味、ですか?......冬の夜空は空気が澄んでいて、よく音が響きますね?」

羽黒「きぬた......。漢字はですね、石に占うと書きます。読みにくいですけど、そう読みます」

羽黒「そしてその砧は、服のしわを伸ばす為に使われた、今で言う、アイロンのような物でした」

羽黒「これは、洗濯を終えた服を、木の棒などで叩いてしわを伸ばして使う、原始的な民具です」

羽黒「その音が、夜空に輝く北斗七星にまで響くのを想像した俳句です」


羽黒「......司令官さんは、この俳句を知って、どう思いましたか?......すごいと思った?ふふ、無理に感想を言わないところが素直ですね」

羽黒「私、ですか?......私は、群青色を思い出しました。俳句の良し悪しは、正直なところ、私にもよくわかりませんけど、真っ先に、それを思いついたのです」

羽黒「......海の青と、夜空の闇が混ざり合った群青色の空に点々とする、星々。......今、この星空を見て、そんなイメージが新しく湧きました.....」

羽黒「......私が、俳句と星が好きな理由は、それらが持つ、言葉の意味合いが素敵だからです。ロマンチックで、心を掻き立てられます」

羽黒「.....司令官さん。今から、この星空から星座を探して見ませんか?......一つ知ってる?」

羽黒「デネブ、アルタイル、ベガ。三角形になるのは、大体星座だ.....。あはは!!司令官さん!間違っているけど、間違ってないですよ」

羽黒「それは夏の大三角と言って、名前通り、夏の星座です」

羽黒「司令官さんがさっき指差したのは、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のべテルギウス。この三つの一等星からなる、冬の大三角なんです」

羽黒「......どれも似たようなもの?ぇえまぁ、三角形は三角形ですし、わからなくも、ないです.....」


羽黒「あっ、いえ、謝らなくても結構ですよ?.....司令官さんが大雑把なのは、もうとっくに知っていますから。......失礼だなって言われても、そうですから、仕方ないです」

羽黒「.....おおいぬ座がどれかわからない?一等星はわかったのに、正座はわからないのですか.....。冬の大三角は、わかりますよね。その左下の一等星から......説明、しにくいですね」

羽黒「どうしましょう.......」

羽黒「.........」

羽黒「あ、そうですね。......よいしょ。司令官さん、一度、立ち上がってください」

羽黒「じゃあ、私の腿と腿の間に座ってください.....。ん?どうして、ですか?.......こ、こうすれば、司令官さんから見える空が同じですし、腕を借りて、星座をなぞることができると思ったのですが.....。さすがに、嫌ですよね.....」

羽黒「え?無理してないか、ですか....。いえ私は、無理はしてないですよ。司令官さんが嫌なのかと、私は思って......」

羽黒「.....嫌じゃない。.....あはは!なんだか、よくわからなくなってきましたね.....。それじゃ、どうぞお座りください」

羽黒「......え、司令官さん、毛布私にくださるのですか?.....そうしたら司令官さんが寒いじゃないですか!ダメですよ!」

羽黒「.......長いから、一緒に包まろう、ですか......。はい、お、お願いします.....」

羽黒「.......」

羽黒「......司令官さん、なんだか、すごく熱いですよ?.......羽黒もですか?......ちょうどいいですね」

羽黒「........」

羽黒「それじゃ、えぇっと、何からでした?.....すみません、忘れちゃいました.....。あっ、おおいぬ座でしたね」


羽黒「それじゃあ、その、司令官さん。腕を、お借りします、ね。........」

羽黒「さっき司令官さんが指差したのは、この星です。そこから、左上に移動し、そして左下のこの星で二等辺三角形を作ります。.....これは大三角じゃないですよ、ふふ....」

羽黒「そこから、三角形の下辺の中間あたり、ですね、その下にある星を、三角形の左下とで直線を引きます」

羽黒「ここから、分岐します。まず、下に行きましょうか。下に長く線を伸ばすと、大きな星で止まります。そこを中心に、半円を描き。そう、そんな風にです」

羽黒「半円の右側から少し下に、ちょっと大きめの星がありますね。そこから直線を伸ばして、最後に止まったこの星で、分岐の1ルートが終わります」

羽黒「それじゃあ、さっきの分岐点にまで戻りましょうか。それじゃあ、司令官さん?どこでしたっけ?」

羽黒「......覚えてくれていたんですね。....ええ意外でした。てっきり、忘れていたと......」

羽黒「さっきの分岐点から、少し右下寄りで線を引きます。そこから、そのまままっすぐ行くと、大きな星で止まります。.....それです。そうしたら、一つ前に戻って、左下の、この星まで下がります」

羽黒「その後、あっ、気がつきました?さっき通った星にくっつきます。大きな星ですよね。その後、右に直線を結び、この星まで進みます」

羽黒「これでおおいぬ座が完成です。.......わかりました?よくわからない.....。もう一回、一緒になぞりましょうか?」


羽黒「......そう、そこからです。.....そっちじゃないですよ、ふふ、もう少し下です。......そう、そこから、下に行って.....。そこです」

羽黒「.......」

羽黒「はい、完成、です.....」

羽黒「.....教えるのって、むずかしいですね。結構疲れちゃいました」

羽黒「おおいぬ座のルーツですか?......そうですね......」

羽黒「......寒いですから、窓を閉めてお話ししましょう」

羽黒「........」

羽黒「ふぅー、すごく寒かったですね、司令官さん。毛布がなかったら死んじゃうところでしたよね?ふふ.....」

羽黒「あっ、司令官さん、耳真っ赤ですよ。......私もですか?あはは.....」

羽黒「.......」

羽黒「司令官さん、羽黒の隣に来てもらえますか?.......司令官さんのベット、ふかふかですね」

羽黒「.....司令官さん.......」


羽黒「......はい、羽黒の手で耳を包んであげます。......どうしたんですか?耳みたいに、お顔真っ赤にして.....?」

羽黒「あったかいですか?ふふ、よかったです.....」

羽黒「わ.....!し、司令官さん、羽黒の耳、包まなくてもいいんですよ?......真っ赤で痛そうだったから。......はい、とってもあったかいです......」

羽黒「......私の顔が真っ赤?......はい」

羽黒「.......」

羽黒「......少しこのままでいましょうか.....」

羽黒「.......」

羽黒「......」

羽黒「.......司令官さん、次は耳の中に、失礼します.....」

羽黒「......どうですか?くすぐったいですか.....」

羽黒「......私にもするんですか?いえ、イヤじゃないですけど、その......」

羽黒「はい、お、お願いします.....」


羽黒「.......んっ!」

羽黒「......確かにくすぐったい、です」

羽黒「あの、あんまり中で動かされると、その.....。いえ、イヤじゃないですよ、でも、そのですね.....。いいえ、やっぱりなんでもないです.....。ごめんなさい」

羽黒「.......」

羽黒「.......司令官さん?あったまりました?わかりました、じゃあ、離しましょうか」

羽黒「.......」

羽黒「ふふふ、まだ、耳真っ赤ですよ。でもあったまりましたよね?」

羽黒「......ハックション!」

羽黒「.....ん~、少し体を冷やしちゃったみたいです。暖房、入れてもいいですか?」

羽黒「必要ない?それは......。え?布団に、一緒に入ろう......。え!?それは!その.....!」

羽黒「いえ嬉しい......わけじゃないですけどとっても嬉しかったりそうだったり!.......はい。お邪魔します......」

羽黒「........」

羽黒「.....あったかい、です。.....もっと近くにって、その!......いいんですか?その方があったかい......なら、仕方ないですね」

羽黒「......」

羽黒「その、司令官さん、私、臭くはない、ですか?......汗かいちゃってて、汗臭いかなぁ、と思ってですね.....」


羽黒「臭くないですか.....。なら、よかったです......」

羽黒「.......」

羽黒「司令官さんの耳、また冷えてませんか?羽黒は、もう色々な理由であったまったから大丈夫ですけど」

羽黒「.......」

羽黒「......司令官さんは、もうお風呂には入りましたか?はいった......。あ、あの、もしよかったら、その.....。も、もう一度あっためましょうか!?」

羽黒「その、今度は、.....口で」

羽黒「........」

羽黒「や、やっぱりやめときます!......お願いって言われてもやっぱりいやです!」

羽黒「あぁ墓穴掘った気分です.....。だって、恥ずかしいじゃないですか.....」

羽黒「なんでそんなこと知ってるって、その.....。動画サイトで、ASMRっていうジャンルかあるんですけど、それで知って.....」

羽黒「される側より、してみる側にちょっと興味があって、その.....。ひき、ましたよね。ニッチなジャンルですから.....」


羽黒「ひいてない.....?むしろ知ってた......。司令官さんのばか!さいてーです!!すぐそうやっておちょくって!もうばか!知りません!」

羽黒「利き耳は左だからって!だからぜっったい羽黒はやりませんからね!」

羽黒「あっ!上向かないでください!......ちょっと聞いてますか?.......あの、司令官さん?」

羽黒「.........」

羽黒「なんで無視するんですか......。だから、羽黒はやらないって......」

羽黒「........」

羽黒「........あの、司令官さん?.......」

羽黒「.......わ、わかりました。やればいいんですよね、やれば!......でも、誰にも言わないでくださいよ?履歴だっていつも消しているんですから......」

羽黒「......そ、それじゃあ、その。失礼、します」


羽黒「.......」

羽黒「......ふーー」

羽黒「......からかった仕返しです。あーーん..... 」

羽黒「.....ん、何にも、味がしないですね.....」

羽黒「......ん」

羽黒「.......司令官さんは、ASMRを聞いていた時、どこから舐められていると思ってました?羽黒は、耳たぶからです」

羽黒「じゃあ、耳たぶから?......わかりました」

羽黒「.........」

羽黒「......甘噛みと、強く吸われるのは、どっちが好きですか?......両方ですか」

羽黒「....ちゅ....」

羽黒「......息が荒い?.....なんででしょうかね」

羽黒「.....んぁ....。そ、それじゃ、次は、耳の上の方に、移動しますね」

羽黒「.....舌を這わせるように、ですか?......わかりました」

羽黒「.......」

羽黒「あむ。.......司令官さん、今びくってしましたよ。ふふ.....。あむ.....ふーー.......」


羽黒「.......そうだ、おおいぬ座の話でしたね。このまま、話しますね.....。.....あむ、んぅ......」

羽黒「......おおいぬ座は、ルーツがよくわかってない星座なんです......。わかることは、ギリシャ神話から、とられた星座ということです」

羽黒「......ん.....」

羽黒「そうだ司令官さん、おおいぬ座って、複雑でしたよね。ほら、こうやって.....あむ....。上からぁ、下に、移動してぇ....ん.....。横に行ったり、戻ったり.....ぷはぁ.....」

羽黒「星座のルーツも分からなければ、星座もわかりにくいですよね。ふふふ......。ふーー......」

羽黒「.....ちゅ....。それで、おおいぬ座のルーツですけど、一つは、アクタイオンっていう、狩の達人の、猟犬からとったというのが......ちゅ.....。一つと、オリオンの猟犬という説もあります.....」

羽黒「おもしろいのは、さっき一緒に星座をなぞった時に、説明しなかったんですけど.....。オリオン座の下にぃ....んぁ.....。このおおいぬ座は、あるんです.....」

羽黒「.......ちゅ.....ちゅ......」

羽黒「そして、そのおおいぬ座の南西.....隣には、鳩座、そしてぇ.....。耳たぶ....もう一度、吸いますね.....?......」

羽黒「.......司令官さん?羽黒の話、聞いていますかぁ?.......なんだか、息、荒いですよ?......ふふふ」

羽黒「......ん、んぅ......」

羽黒「......そしてぇ、鳩座の隣、ですね。そこには、うさぎ座があるんです.....」


羽黒「オリオンと、猟犬が、狩をしている......。そう、思えてきませんか?私は.....あむ、あむ......。オリオンの犬の説の方が、好きです」

羽黒「.......ふーー......」

羽黒「........」

羽黒「.......司令官さん。最後って、どうされると思います?......ふふ、そうですね。羽黒も、司令官と一緒のことを考えてました」

羽黒「......耳の奥、ですよね?されたい、ですか?.......ふーー......」

羽黒「羽黒に、お願い、できますか?.....誠意が足りないです。......ちゅー.....」

羽黒「......さっき羽黒をからかったこと、謝ってください。......あむ、ぢゅっ.......」

羽黒「そうしたら、司令官さんのお願い、聞いてあげます......。ふふ、そんなに謝らなくても、いいんですよ」

羽黒「......どうしても、されたいですか?......ふふ、わかりました。羽黒は、司令官さんの素直なところ、好きですよ.....」


羽黒「.......5」

羽黒「.......4」

羽黒「.......3」

羽黒「.......2」

羽黒「.......1」

羽黒「.......ぜろ」

羽黒「あむ.......ん、んぅ.......はぁ.....」

羽黒「ふふ、声、出ちゃっていますよ司令官さん?んっ.......」

羽黒「.....もっと、おくですか?.......お願い、できますよね?.......はい、わかりました」

羽黒「......ちゅーー.....。強く、吸われるのは、どうですか?......好きですか、なら、もっとしてあげますね.....」

羽黒「.......あむ.....」

羽黒「.........はい、おしまいです。.....もう終わりなのか、ですか?はい、おしまいです」

羽黒「あんまりすると、耳が慣れてしまいますから。今日は、これくらいにしましょうね」


羽黒「耳、拭きますね......。あっ、拭くものがないですから.......。司令官さんの着ている服、少し借りますね......。いいですよね?」

羽黒「では.......」

羽黒「.......」

羽黒「.....はい、拭き取れました」

羽黒「......あったまりましたね、司令官さん。羽黒もです」

羽黒「このまま一緒に寝よう、ですか?.......ふふ、遠慮しておきます。このままだと、何をされるかわかりませんので.....」

羽黒「.....よいしょ」

羽黒「それでは、また明日、一緒に天体観測しましょうか.....。約束、できますよね?」

羽黒「そうしたら、また、続きを教えてあげます。......もちろん、星座の話ですけど.....」

羽黒「それでは、また明日。おやすみなさいです、司令官さん.....」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

誘い受けs系の羽黒さんでした。耳かきはしてないですけど、色々と我慢してください。また頑張ります。

今更ですけど、耳かきされている雰囲気が出てますか?直接的に書かないよう、あえてしているのであれですけど、わかりにくいわっ!って人がいるなら書き改めますので。

【山城】


山城「提督おかえりなさい......って、玄関で倒れないでくださいよ。.......限界?動けない......」

山城「ぁあもう。わかったから、ほら足こっちにむけて。それくらいはできるでしょ?......うわくさっ!......はぁ、洗濯しないと、これ」

山城「それじゃ引っ張るから、踏ん張ってくださいね。.......よいしょ、よーいっしょ!」

山城「重いし臭い。......ちょっとそこで寝そべってて、足拭きますから.......はい靴下脱ぎますよ!」

山城「......」

山城「......もう、完全にやる気無しじゃない。毎日毎日、お疲れさまね。ほんと。.......よし拭けた」

山城「はいじゃあリビングに撤退しますよ.....」

山城「.......そうだ、お風呂とご飯、できてるから。......私がいいなんて言っても、明日も早いんでしょ?馬鹿なこと言わないでもう.....」


山城「.....はい、到着!ほら立った!......無理?はぁ......。よいしょっ!!っと。イス.....イス.....」

山城「どっっこいしょっと。......おばさんくさいですって?どの口が言うんですかまったく.....」

山城「はいご飯味噌汁。あと、今日は麻婆豆腐ですよ。食べてください。......食べるのがめんどくさい....?ぁあもう、ほら口開けて」

山城「はい、あーん。......おいしい?....まだ噛んでない?はやく噛んで食べてください。......噛むのもめんどくさい?.....それは自分でやってくださいよ」

山城「......おいしい?ならよかったです」

山城「......はいお茶。......次はご飯。はいよく噛んで.....」

山城「........」

山城「......最近、帰ってくるの、遅いですよね。.....仕事が大変?.....そう」

山城「......あんまり無茶しちょダメよ。......そう、わかってるならいいです」

山城「はい、よく噛む。.......もうお腹いっぱいなの?......わかったわ」

山城「......少し横になりたいの?.....そう、動ける?......動けるのね。わかったわ」

山城「私は、洗い物をするから、好きな時にお風呂に入ってちょうだい......」


山城「........」

山城「.........」

山城「........お風呂、入らないの?......めんどくさい?......入らないと臭いままよ。それでもめんどくさいって、はぁ......」

山城「じゃあちょっと待ってて。すぐ洗い物終えるから」

山城「.......」

山城「........はい終了。........ほらこっちきなさい。抱きしめてあげるから。.....臭いからいい?......いいわよ後でお風呂入ればいいのだから。ほらはやく」

山城「......よしよし、提督、今日はよく頑張りました。偉いですよ。毎日、毎日残業して」

山城「ほら、山城のこと、抱きしめ返してください。.......そういいこ、いいこ」

山城「........」

山城「眠かったら、このまま寝てもいいわよ?寝たら、私がお風呂に一緒に入ってあげて、頭も、体も全部洗っておいてあげる。......あと歯も」

山城「......自分でやる?.....そう。よしよし、偉いですよ、提督」


山城「........」

山城「ねぇ、いつお仕事落ち着きそう?......わからない、なら仕方ないですね」

山城「.......よーし、よーし......」

山城「.......」

山城「.......もう大丈夫そう?もうちょっと?......ええいいわよ。提督の気の済むまで、してあげます」

山城「......」

山城「.......提督、膝枕、しましょうか?......はい、なら横になってください」

山城「.......」

山城「.......はい、よくできました。提督」

山城「.......よーしよーし」

山城「.......」

山城「.....お風呂、一緒に入りたいんですか?いいえ、遠慮しておきます。......別に嫌ってわけじゃないですよ。......本当は、一緒に入りたいけど、やっぱり、そういうのって疲れるじゃない?」

山城「......提督、毎日お疲れで帰ってくるし、余計な心労はかけたくないのよ。......まだ明日もお仕事あるんでしょ?」

山城「......でしょ。.......不幸かって?......まぁ不幸って言ったら不幸だけど」

山城「.....提督は、いつも帰ってくる時間は遅いし?休みは中々合わないし、帰ってきたと思ったらすぐ寝るし。はぁ、やっぱり不幸よ」

山城「.......ごめんって、仕方ないわよ。提督のお仕事が大変なのはわかってるし、それを承知で一緒にいるのだから。覚悟の上よ」

山城「......でもまぁ、ささやかな、短い時間だけど、提督とこうやっていられるのは、不幸じゃないわよ」

山城「幸せの中にずっといると、幸せがわからなくなるって、言うじゃない?......だから不幸の中でも、たまに起こる幸せの方が、私的には合ってるから」

山城「.......麻痺したくないのよ」


山城「........」

山城「......なんだか辛気臭くなったわね。.....そうだ。耳、上に向けてください」

山城「ほーらはやく。.......はい、よくできました、偉いですよ」

山城「ちょっと上を失礼......。あっごめんなさい、重かった?......柔らかかったって、ばか」

山城「......ほんとにもう。そういうのは、無し!疲れが残ったら、明日大変でしょ?」

山城「......はい深呼吸。落ち着いてください。はい、吸って......。吐いてー......。もう一回、吸って......。吐いてー......」

山城「.......落ち着いた?.....ならいいのよ」

山城「......耳かき、してあげる。.....たまには、少し強めのスキンシップしてもいいでしょ?いつも我慢してるんだから。これくらいに許してください」

山城「......はい。なら、左側から」

山城「........」

山城「.......こら、私のお腹に顔を埋めない。.....いい匂いがする?......もぅ」

山城「.......ほーら、ダメ。頭撫でてあげるから落ち着きなさい」

山城「......よーしよーし。深呼吸、深呼吸......」

山城「........」

山城「.......気持ちいい?.......もっとしてほしいの?はいはい。わかりました」

山城「........」

山城「.......はい、深呼吸、深呼吸......」

山城「.......」

山城「.......なに?我慢できない?......だめ、我慢、我慢」

山城「どうしてもって言われてもよ。......こら、叩くわよ」

山城「まったく、すぐにそうやってなる。だめなものはだめ。.......はぁ」

山城「.......」


山城「.......今日はなんと言われても、何もしません。......ほらすぐに食いつく。そうです、今日は、ですよ」

山城「.......はやく帰ってきて、なおかつ、明日が休みの日なら、いいですよ。.......それまで頑張れそう?......ん。よしよし、いいこ、いいこ」

山城「あっ、でも、その日はそうですね~。山城はケーキが食べたいです.....。春ですから、イチゴのショートケーキがいいですね~」

山城「......イチゴのショートケーキって、なんでイチゴは酸っぱいんですかね。甘ければいいのにっていつも思います。......口直し的な意味合いですか?......それでも甘いものを食べているわけだから、甘いのがいいと思わない?」

山城「......まぁいいわ。提督、期待してますよ?」

山城「......」

山城「それじゃ、次はもっと奥に、いれますね.....」

山城「耳垢は見つからないから、優しく刺激してあげます」

山城「......」

山城「.......わざと言葉を選んでる、ですか?.......ごめんなさい、よくわからないわ」

山城「.......」

山城「.......提督、いつのまにか春ですよ?知ってました?.......ニュースで見た?」

山城「......お花見、したいですね。......桜の下に銀マットを敷いて、お弁当持って、お酒、飲みたいですね。......お弁当の中身は、やっぱり唐翌揚げとか、玉子焼きとか入れたりして......お酒はやっぱり、缶ビールで」

山城「.......ぐいっと、ねぇ......」


山城「.....次の休み日に、ですか?.....いいんですか?両方はできないですよ?......できる?ふふ、元気ですね。本当に毎日お疲れなんですか?」

山城「......私、ニュースでインドア花見っていうのを見ました」

山城「.......」

山城「.....部屋の中に桜を置いて、たぶん造花だと思うんですけど、それを愛でて、ご飯を食べるんです」

山城「趣がないなーって思ったけど、忙しい人向けですね。......明日、準備できたら、やっておきましょうか?」

山城「......本物がいい?.....なら、次のお休みの日を楽しみに待ってるわ。......お花見は、別に葉桜でもいいから、ね」

山城「その時は、頑張って両方お願いしますよ、提督?」

山城「はい、じゃあ耳に息、吹きかけます」

山城「........」

山城「......ふーー.......」

山城「......私だって、好きで我慢してるわけじゃないから......」

山城「もう一回......」

山城「......ふーー......」

山城「.......」

山城「ふふ、お利口さんです、提督......」

山城「......はい、次は反対にしましょうか。頭、反対にできる?」

山城「はい、じゃあお願い」

山城「......よーくできました。えらいですよー、えらい、えらい」

山城「それじゃあ、反対、やっていきますね」

山城「.......」

山城「.......ほんとに眠たそうね。さっきも言ったけど、本当に寝てもいいのよ?全部やっておいてあげるから」

山城「......私と一緒の時間を過ごしたいから?.......」

山城「.......」


山城「........ねぇ、提督。お仕事は、辛くない?」

山城「.......大丈夫なの?まだ頑張れる......」

山城「そう、なら私は応援するわ.....。がんばってね、提督」

山城「.......」

山城「........辞めてほしいって言わないのかって?......言わないわ、そんな無責任なこと」

山城「なんでって.....それは、提督は、まだ頑張れるって言ったじゃない。なら、それを信じて、支えてあげるのが、私の役目だからよ」

山城「......それに辞めてって言っても、提督は辞めないじゃない。わかるわよ?......なんでわかるって、それは、私だって戦うのをやめろって言われても、絶対に辞めないからよ」

山城「そう簡単に辞めるほど、プライドは低くないのよね」

山城「......わかった?そう......」

山城「.......辛くても、泣きたくても、戦わないといけない。現実に生きているなら、それは免れられない」

山城「でもね、提督。戦っていても、一人じゃないわよ?よく覚えておいて。.......私はね、いつも考えるのよ」

山城「例えば、私が戦っている時。......辛くて、痛くて逃げ出しそうになったりした時、ふと頭の片隅に、思い出すのよ。.......あなたを」

山城「.........」

山城「.......私が戦っている時、あなたもまた戦っているんだろうって.....。そう考えると、いつも頑張れる」

山城「......お昼ご飯を食べてる時だってよ。......あなたは、ちゃんと食べてるのかしらって」

山城「......私が暇で、ぼーっとしてる時も。あなたは戦っているから、私も何かしないと、と.......」


山城「........」

山城「私の頭の中で、あなたが息づいてるの。どんな時でも、ね」

山城「だから、あなたが頑張っているのを知っているから、私も頑張らないと悪いって、考えられるの」

山城「........」

山城「でも、もう無理だ。プライドも、何もかもへし折れて、心がズタズタになって立ち上がれなくなったら、その時は、潔く諦めましょ?そうしたら、私も諦めるから.....」

山城「......まぁそれがずっと来ないのなら仕方ないけど。ふふ.....。お互い、命がけで頑張りましょう」

山城「だから、どんな時でも......たまにでもいいわ。少し逃げたくなったら、私のことを思い出して」

山城「山城は何してるかなって。そう考えてる時、私も、あなたは何をしてるかなって、考えてるから」

山城「......あなたの中で、私が息づいていれば、いつも一緒だから」

山城「........」

山城「......あーやっぱり恥ずかしいわ。今のなかったことにして......。.....忘れない?......不幸だわ」


山城「.......」

山城「.....あはは!!提督、そろそろ山城エネルギー満タンになりました?......なりましたか」

山城「私も、提督エネルギー満タンですから。そろそろ終わりにしましょうか」

山城「この後、お風呂に入って、さっさと寝てしまいましょう。.......やりたいことは、次の休みまで、先延ばししましょうね?」

山城「そして、それを糧に、一緒に明日も頑張りましょう!」

山城「さ.....耳に息吹きかけますね」

山城「........」

山城「.......ふーー......」

山城「.......」

山城「......提督、山城はいつも、お側におりますから.......」

山城「.....もう一度.....」

山城「......ふーー」

山城「.......」

山城「.....さっ、お風呂、はやく入っちゃってください」

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山城共同戦線でした。短くてすみません。それと明日なんですけど、さすがに書くの疲れてしまったんで、更新しないかもしれません。でもネタ切れはしてない。自己都合ですみません。またがんばります。

>>120
本当は、月曜から仕事だろうからサプライズやー!って思っててコメントしなかったんですけど、遅れてすみません。次の休みまでしっかり山城さんと頑張ってください。

【春風、】


春風「あ、司令官様、やっと起きましたね」

春風「.......どうかなさいました?......ぁあ、司令官様、先ほど寝落ちしてしまいまして......記憶にございませんか?」

春風「うふふ.....やはり覚えておいではない....。はい?......そんなことよりどうして膝枕されている、ですか?」

春風「特には、理由はございませんね。......みなさん、ですか?.......わたくし達の二人以外、みなさんどこかへ行ってしまわれましたよ」

春風「たぶん、みなさんお酒が入ってしまわれたので、浜辺で何かしていらっしゃるのかもしれませんね。......ほら、春風に乗って、賑やかな声が微かに聞こえてきませんか?」

春風「......うふふ。司令官様は行ってしまわれてはダメですよ。あれよあれよとお酒を飲まされて、ふらふらになられておいででしたから」

春風「それに、女の園だけで行われる、羽目をはずす行為というのは、男性には刺激が強いでしょうから」

春風「ですから、ここで春風とお花見をしつつ、お留守番です」

春風「........」

春風「......それにしても、いい風ですね。.....染井吉野の香りが、よりいっそう春の訪れを感じさせます......」


春風「さ、司令官様。お酒を浴びるように飲まれたのですから、温かいお茶をお飲みください」

春風「大丈夫ですよ?火傷しない程度に冷ましてありますから。......はい、どうぞ」

春風「.......おいしい?それはよかったです」

春風「さ、お次は三色団子、いただきますか?......はいでは、ぁあ起き上がらなくてもいいですよ。......はい、あーん」

春風「一度に全て食べられてはいけませんよ?......よく噛んでください。おいしい?うふふ.....特製春風三色団子ですから、当然です」

春風「.......お茶ですか?......はいどうぞ」

春風「........」

春風「......司令官様?おでこに桜の花びらがあること、ご存知でした?......知らなかったですか」

春風「なんで教えてくれなかったと言われても、.......かわいいからですよ?」

春風「うふふ。じゃあ、お取りしますね」

春風「.......桜の花びらって、塩漬けにして食べられると、司令官様は知っていましたか?」


春風「桜の葉っぱは知っていた?.....そうですね。一般的には、柏餅に使われますからね」

春風「桜の花びらの塩漬けの作り方は、まず、花びらをよく水洗いします。その後、余分な水分を取るために、キッチンペーパーに包み一日かけます」

春風「......ほとんど梅干しの作り方と変わりませんよ?そして容器に移した桜の花に、梅酒や梅酢を注ぎ、一緒に塩を入れます。そして1ヶ月ほどで完成です」

春風「......春が終わった後じゃないかと言われても......。でも、春を思い出して料理を頂くことができますし、ある意味では風情がある、そう思えませんか?」

春風「.......あの司令官様?お団子、一つ頂いても.....。はい、ありがとうございます」

春風「......わたくしはまだ食べてないんですよ。食べようとすると、みんな貰っていきますからね。まったく......」

春風「......ん、おいしいです。.....でももう少しお砂糖足してもよかったかもしれませんね」

春風「.......あと一つ、司令官様、お食べに、なりますか?......いえ!司令官様を差し置いてわたくしが頂くのは......」


春風「うーん.......。そうだ、半分こ、しませんか?.......はい!では、司令官様から?.......わたくしからでよろしいのですか?......はい、ではいただきます」

春風「.......やっぱり甘さ控えめの、これでよかったかもしれませんね」

春風「では司令官様。わたくしの残り物で申し訳ありません。......歯型がついてしまっている部分があるので、お嫌でしたら取り除きますが.....」

春風「よろしいのですか?では、どうぞ。はい、あーん」

春風「.......おいしいですか?はい、ありがとうございます」

春風「お茶、口元に運びますね......」

春風「........」

春風「.......のどかですねぇ。ほんとうに戦時中なのですかね。......こうも時間がゆっくりでは、嘘のように感じてしまいます......」

春風「.......司令官様、少し目を閉じてもらえませんか?......はいお願いいたします」

春風「.......少し失礼しますね......」

春風「........」

春風「うふふ、やはりお似合いです。あっ、まだ動いてはいけません。もう少しだけ、お待ちください」

春風「えーと、カメラは確か、暗証番号を打ち込まないでも、起動できましたね。.....画面を下したから上ににょいーんと.....」

春風「ぁあじれったいですね本当に。なんで少し右にずれたりするのかしら。.......司令官様、もう少しだけお待ちになってくださいね」

春風「......何をしていると言われても、携帯電話からカメラを起動しようとしているのです。.....ですが、あまりうまく動かせなくて」

春風「......普通に起動した方が早いですね。最近の機械は簡略化されすぎてて、どうも苦手です」


春風「........よし、司令官様。はいちーず」

春風「うふふ。上手に撮れました。いいですよ、司令官様目を開けても」

春風「......何を撮った、ですか?.....秘密です」

春風「あ!こーら、人の携帯を取ろうとしないでください。.....また後で送っておきますから」

春風「可愛かったですよ。司令官様」

春風「......司令官様、少しお昼寝にしますか?まだ眠気がとれてないようにお見受けできます。いいですよ。このまま眠ってしまっても」

春風「ここで膝枕要員として、司令官様のお側におりますので」

春風「......はいわかりました。では、おやすみなさいませ、司令官様」

春風「........」

春風「......よしよし」

春風「........」

春風「......ねーんねーん。ころーりーよ~......」

春風「......」

春風「.......あっ、神、......うふふ。はいわかりました.....」

春風「よーしよーし。ゆ~っくり、お眠りくださいね、司令官様......」

春風「.......」

春風「........」

神風「......ふーー」

春風「.....うふふ。司令官様、耳に息吹きかけられて、驚きました?体が仰け反っていましたよ」

神風「なーに二人でいちゃいちゃしてるのよ!」

春風「神風お姉様、あまり耳の近くで大きな声はダメですよ?」

神風「あははは!!それもそうね!鼓膜破れちゃったら大変だから!」

春風「........酔ってます?」


神風「酔ってなーいわよ!」

春風「....はぁ。それで、神風お姉様は一体どのようなご用件でこちらに?」

神風「疲れたからきゅーけー中!春風お茶!」

春風「.....はい、どうぞ」

神風「......あー!生き返るぅ......。死んでないけど、でも生き返る」

春風「......司令官様、明日、この事で神風お姉様を弄ってもよろしいですよ?うふふ、そのつもりでしたか」

神風「春風~、おだんご食べたーい」

春風「もうありませよ」

神風「えー!なんでぇ~!たべたいたべたい!」

春風「地団駄踏まれても、無理なものは無理です。お茶で我慢してください」

神風「春風のけち!......お茶おいしい!春風ごめん!!」

春風「......さすがに情緒不安定がすぎる気が致しますけど、まぁ、いいですよね、司令官様?」

春風「うふふ。そうですね。.......そういえば、春風お姉様は何をなさっていたんですか?」

神風「んー?......あのボールを上にあげて渡し合いっこするの、なんだっけ?」

春風「......たしか、バから始まるやつですよね?ば、ば、バトミントン?」

神風「それじゃあないわ!ボールを.....。ぁあそれよ!司令官、バレーボールよ!それと、あと競泳大会とぉ、あと球蹴り、水球もやってたわね。私は、球蹴りやってたけど」

春風「......暖かくなってきても、まだ水中は寒い時期ですよね?......それなのに水着を用意しているなんて、なんて用意周到ですね」

神風「水着ぃ?そんなのないわよ、みんな服脱ぎ捨てて、ぜん」


春風「はい神風お姉様それ以上言わなくて結構ですよ?司令官様もおりますから。......わたくしの言った通りでしたね、司令官様?」

神風「司令官、春風からどいて。次は私が膝枕されたいの!」

春風「神風お姉様、だめですよ。司令官様はお酒をたくさん飲まれて、もうふらふらなんですから。動かしたら、吐いてしまわれますよ?」

神風「んぅ......なら仕方ないわね。.......それにしても司令官気持ちよさようね」

神風「.......私も膝枕したい」

春風「はい?」

神風「私も膝枕する!」

春風「......うふふ。今日の神風お姉様は、とても素直ですね。......お酒が入ってるから、ですか?それもそうですね」

神風「ほら春風!司令官ちょうだい!」

春風「......司令官様、神風お姉様に移動していただいても?......はいお願いします」

神風「......袴砂がついてるから、捲っておくわね。はいこっちきなさい」

春風「はい、ごろーんしてください」

神風「司令官、いらっしゃい」

神風「.......」

神風「こら!くすぐったいからあんまり動かないで!......そうだ私、汗臭くない?」

春風「わたくしは、春風お姉様からは特に匂わないですよ?」

神風「近くだと変わるじゃない?......匂わない?ふー......ならよかったわ」

春風「うふふ。司令官様、神風お姉様からは、どんな匂いが致しますか?」

神風「私、気になる!普段聞けないから!.....ほら司令官!もっと私の匂い嗅いでみて!......ほーら上むいてないでお腹の方に」

神風「 ......どんな匂いがする?......わからない?けどいい匂いがするの?.....よくわからないわね」

春風「......神風お姉様、はいこれを使ってください」

神風「綿棒ー?......なんでこんなもの持ち歩いてるのよ」


春風「ほかにも、簡易裁縫道具に、頭痛薬、痛み止め、心配性なんで色々入れてあるんです」

神風「へぇー。春風はほんと色々持ってるわよね」

春風「うふふ。備えあれば憂いなし、ですから。さ、神風お姉様、司令官様のお耳を綺麗にしてあげてください」

神風「ほら、もう少しお腹の方に近づきなさい。.....じれったいわね!よいしょ!.....よしぴったり!」

神風「ほら、始めるわよ」

春風「神風お姉様、あまり奥の方はだめですよ。酔っていますから」

神風「だーから酔ってない酔ってなーい!」

春風「はぁ......。それでは、神風お姉様、お隣失礼しますね。わたくしは、足をお揉みしますね。司令官様、春風の太ももに足を乗せてください」

神風「それじゃあ、行くわ!」

神風「ほーら、どう......?気持ちいい?」

春風「ふくらはぎの方を揉んでいきますね。......ぁ」

神風「春風?どうかしたの?」

春風「い、いえ、なんでもございません」

神風「んー?よくわからないわねー。こら司令官動かないで!」

神風「.......」

神風「......司令官、酔ってるの?体熱いわよ」

春風「......その神風お姉様、あまり強く刺激しない方が.....」

神風「なんでよ?こっちの方が気持ちいいじゃない?ねー司令官?......ほらそう言ってる」

春風「いぇ、そのそれはそうなんですけど.....」

神風「こことか気持ちいいでしょ?優しく、ゆっくり擦ってあげるわ~」

春風「........」

神風「春風?どうしたの顔真っ赤よ?」

春風「いぇ、なんでもございません......。し、司令官様?足は気持ちいいですか?......い、いえ謝らなくても大丈夫ですよ?」

春風「気持ちいいから、仕方ない、生理現象ですので、春風は気にしませんよ?」

神風「ん?まるでわからないわ」

春風「......そうだ、神風お姉様、これ見てください」


神風「んー?.....ぷっ!あはは!なにこれ!司令官の目が桜じゃない!」

春風「さっき撮影したんです。可愛いですよね」

神風「それ後で送っておいて。.....司令官も見たいの?だーめ!後で送ってあげるからそれまで我慢!」

春風「うふふ、そういうわけですので」

神風「それ後でみんなに拡散しないと。グループ?だっけ、それに送信すればいいんじゃない?」

春風「その手もありましたね」

神風「それじゃ、司令官明日楽しみしてなさいね~」

春風「......みなさんがお腹を抱える姿が想像できますね」

神風「........」

春風「.......」

春風「......あのそろそろ交代しても?」

神風「えぇーもう少しだけ......」

春風「神風お姉様、わがまま言わないでください」

神風「春風怒ってる?」

春風「いえ怒ってないですけど」

神風「はいはーい。わかりましたよー。じゃあ最後に耳に息を......」

神風「.......」

神風「......ふーー」

神風「......春風、もう一回だけしてもいい?」

春風「......はい」

神風「.......」

神風「.......ふーー」

神風「.......春風って、結構嫉妬深いのよ?」

春風「神風お姉様、何か言いましたか?」

神風「べつにー。なにも言ってないわよー。ね、司令官?」

春風「......なんだか腑に落ちませんね」


神風「ほーら司令官早くしないと怒られるわよ」

春風「別に怒こりませんよ。では、神風お姉様の向かい側に行きますので。......よいしょ」

神風「........」

神風「.......ふー」

神風「......司令官って春風のこと好きでしょ?」

春風「.....はい着きましたよ。司令官様?どうかなさいました?」

神風「さぁーなんにもないわよねー司令官?......私は応援してるわよ、司令官?」

春風「だからさっきからなんですか!?隠し事なんてしないでください」

神風「いーじゃないの~。だって司令官にだって隠し事してるし、ね?春風?」

春風「隠し事?」

神風「ほらぁ、だって春風司令官のこと大す」

春風「神風お姉様待ってください!言わないで!!」

神風「んふふーほら、司令官春風のところ、行きなさい」

春風「......もぅ、それでは、こちらにどうぞ司令官様」

春風「.......」

春風「いらっしゃいませ司令官様」

神風「んー......それじゃあ私はここで失礼するわね」

春風「え?いいんですよ?ここにいても」

神風「邪魔しちゃ悪いじゃない。それに、休憩しに来ただけだし私は。......そろそろ合戦の時間なのよ」

春風「はぁ.....」

神風「よいしょっと.....。それじゃあお二人さん。仲よろしくお願いね」

神風「んーよし!じゃあ行ってくるわ!」

春風「.........」

春風「.......神風お姉様、行ってしまわれましたね」


春風「.......二人っきり、ですか?ぇえ、そうですね......」

春風「......耳かき始めますので、司令官様、頭をわたくしのお腹の方へ、向けてください....」

春風「......はい、ありがとうございます。でも、もう少しこちらに近づいてもらってもよろしいですか?.......はい遠慮なさらずに」

春風「.......うふふ、どうですか?春風お姉様と同じ匂いがしますか?......違う匂いだけどいい匂い?......柔軟剤の香りが違いますからね~」

春風「......司令官様、わたくしが足をお揉みしていた際、だめですよあんな風になされては?」

春風「.......あの時はわたくしだからいいですけど、他の方々だったら怒ってしまわれます。今後、気をつけてください」

春風「.....はい、約束、ですよ?うふふ、いーこですね」

春風「では、お耳失礼いたします」

春風「.........」

春風「.......司令官様、ここで一句、よろしいですか?......急にどうしたと言われても、わたくし、季節の風情や心情を、言葉によって頭に繋ぎ止めるようにしてまして、その癖で.....」

春風「.....よろしいですか?はい、ありがとうございます」

春風「んっんぅ!.......では、一句」

春風「.......」


春風「さくら星。水面に落ちては。春の川」

春風「........字余り」

春風「......」

春風「司令官様、どんな絵面を想像されました?.......字余りはいいんです。語感がいいので、気にしないでください」

春風「.......桜が水面に落ちて春の川だ、ですか。まんまそのままではないですか......」

春風「......こう、もっと想像巡らせてみてください。.......はぁわかりました。意図を説明いたします」

春風「.......」

春風「.......宇宙に輝く銀河は、様々な星々が寄り集まった集合体です。そしてそれは、まるで、桜の枝に満開に咲く、一輪の花と同じだと、わたくしは思ったのです」

春風「花弁が寄り集まり、ふんわりと、やわらかに広がった花々は、銀河そのものに似ている。そして、その集まった銀河が、桜の木、つまりは宇宙に点々としている」

春風「.......ですが、それらはふとした、何かの拍子で弾けたり、風に撫でられて、落ちてしまいます」

春風「.........」

春風「その銀河から落ちてしまった花弁達は、風に乗り、春風にそよがれた水面に浮かびます」

春風「.......司令官様も後で一度確認してみてください。.......水面に集まる桜の花弁は、線を描き、ピンクの川を作っているのです」

春風「それが、春の川。.......そして、川を彩る光景は、夜空に流れる天の川のようだ、と、わたくしは思ったのです......」


春風「........」

春風「口で説明するのは、やっぱり難しいですね。......わかりましたか?うふふ、やっぱりわからないですか」

春風「ですが、わたくしが詠った一句をなんとなく、覚えておいてください。ふと川辺を流れる桜の花弁を見た時、あぁそういうことだったのかと、理解できるはずですから」

春風「.........」

春風「......言葉とは、本当に綺麗です。物の名前や人の名前も、しっかりとした意味を持ち、願いがある」

春風「......わたくしは、その言葉によって願われた、思いが、大好きなのです」

春風「司令官様は、何かお好きな言葉はありますか?......急には出てこないですか?うふふ、よろしいのですよ」

春風「......春風は、そうですね」

春風「........」

春風「......愛してる、という言葉が好きです」

春風「........」

春風「......好意の、感情や思いを、最大限に表すこの言葉」

春風「.......司令官様は美しいと思いませんか?」

春風「うふふ.....。からかってはいませんよ?本気です......」

春風「言葉によって繋ぎ止めなければ、できたことも、何一つ成就しないこともあります」

春風「誠意は行動によって示される。たしかに、そうです。優しさは言葉では伝わりません。ですが、最後は言葉で表す、勇気が必要なのです」

春風「.......もう一度お尋ねします。.....司令官様は、どんな言葉がお好きですか?」

春風「......では、お耳に息を.....」

春風「.......」

春風「.......ふーー.......」

春風「.......司令官様、わたくしに、愛を囁いてはもらえないでしょうか。春を運ぶ、小鳥のさえずりのように」

春風「........」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

更新できなくてすみません。かなりリアル事情が絡んでしまいました。そしてまだまだ落ち着かないと思いますので、半端ですみませんがこれでおしまいにします。

そしてあえて直接的な耳かきの描写はしなかったのは、好きな耳かきの音などを聞きながら、これを読んで想像してもらえれば、ボイスドラマになると思ったからです。そういう風に読んでもらえると非常に嬉しいです。

余韻をぶち壊さないために最後にしましたが、過去作です。よければどうぞ。

地の文あり。

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