【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 四隻目【安価・コンマ】 (1000)

安価・コンマスレになります。
艦娘と提督の相性や好感度をコンマで決めていく&既出の艦娘のSSらしきものを書いていくスレです。
50を平均として01に近いほど相性が悪く、100に近いほど相性がよくなります。(00は100扱いとします)
また提督or艦娘の相性度が10以下or90以上の場合は好感度コンマを行います。


阿武隈 ↓コンマ以下が8 感情度8
提督  ↓↓コンマ以下が72 感情度72

↓阿武隈の感情度度が10以下なので再度、好感度コンマ

阿武隈 ↓コンマ以下が92 好感度92
提督   ↓↓コンマ以下が00 好感度100

どうやって提督への第一印象最悪の阿武隈を提督が攻略したかのエピソード。

こんなふうに進めていきます。

【注意】
当スレはいちじるしいキャラ崩壊を含みます! また端役としてオリジナルキャラクターが登場いたします。
感想やスレの予測など雑談などはOKとなっています。
以上、ご了承いただければ幸いです。


↓1スレ目 【コンマ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」
【コンマ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1509205803/#footer)

↓2スレ目 【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 二隻目【安価・コンマ】
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 二隻目【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1512049445/#footer)

↓3スレ目 【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 三隻目【安価・コンマ】
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 三隻目【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1514950537/#footer)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521522185


一応のコンマ目安表


【感情度目安】

01~10→顔も見たくない
11~20→できればもうあいたくない
21~30→この人にはついていけそうにないorこの人、大丈夫か?
31~40→苦手なタイプ
41~60→普通
61~70→いい人そう
71~80→また会いたい
81~90→尊敬できそうな人
91~100→これからもずっと一緒にいたい


【好感度目安】

01~10→大嫌い
11~21→嫌い
21~40→苦手
41~60→普通
61~75→仲良し
75~85→好き
86~100→大好き


【提督の今ままでの軌跡】

提督から大淀への感情度:03 提督から大淀への好感度:19
大淀から提督への感情度:20 大淀から提督への好感度:09

提督から明石の感情度:61
明石から提督の感情度:85

提督から金剛への感情度:04 提督から金剛への好感度:32
金剛から提督への感情度:03 金剛から提督への好感度:21

提督から比叡への感情度:20
比叡から提督への感情度:83

提督から榛名への感情度:46
榛名から提督への感情度:24

提督から霧島への感情度:62  提督から霧島への好感度:72
霧島から提督への感情度:01  霧島から提督への好感度:88

(榛名から霧島への感情度:92  榛名から霧島への好感度:21)
(霧島から榛名への感情度:45  霧島から榛名への好感度:98)

提督から飛龍への感情度:77
飛龍から提督への感情度:46

提督から蒼龍への感情度:73 提督から蒼龍への好感度:83
蒼龍から提督への感情度:08 蒼龍から提督への好感度:89

(飛龍から蒼龍への感情度:72)
(蒼龍から飛龍への感情度:65)

提督から霞への感情度:56
霞から提督への感情度:88

提督から満潮への感情度:100 提督から満潮への好感度:18
満潮から提督への感情度:62 満潮から提督への好感度:02

提督から曙への感情度:6 提督から曙への好感度:97
曙から提督への感情度:10 曙から提督への好感度:83

提督から赤城への感情度:3 提督から赤城への好感度:39
赤城から提督への感情度:60 赤城から提督への好感度:94

提督から加賀への感情度:32
加賀から提督への感情度:13

(赤城から加賀への感情度:38 赤城から加賀への好感度:13)
(加賀から赤城への感情度:4  加賀から赤城への好感度:76)

提督から潮への感情度:27
潮から提督への感情度:87

提督から羽黒への感情度:85 提督から羽黒への好感度:47
羽黒から提督への感情度:09 羽黒から提督への好感度:57

提督から弥生への感情度:91 提督から弥生への好感度:83
弥生から提督への感情度:43 弥生から提督への好感度:67

提督から伊58への感情度:51
伊58から提督への感情度:44

提督から不知火への感情度:74
不知火から提督への感情度:75

提督からグラーフへの感情度:92 提督からグラーフへの好感度:95
グラーフから提督への感情度:53 グラーフから提督への好感度:20

提督から長門への感情度:55
長門から提督への感情度:51

提督から神通への感情度:55
神通から提督への感情度:87

提督からビスマルクへの感情度:21
ビスマルクから提督への感情度:79

提督から朝潮への感情度:25
朝潮から提督への感情度;42

提督から由良への感情度:44
由良から提督への感情度:60


提督からあきつ丸への感情度:01 提督からあきつ丸への好感度:58
あきつ丸から提督への感情度:10 あきつ丸から提督への好感度:37

提督から木曽への感情度:99 提督から木曽への好感度:100
木曽から提督への感情度:60 木曽から提督への好感度:34

提督から球磨への感情度:64
球磨から提督への感情度:25

提督から大井への感情度:77
大井から提督への感情度:30

提督から北上への感情度:38
北上から提督への感情度:41

大井から北上への感情度:12
北上から大井への感情度:49

提督から瑞鶴への感情度:28
瑞鶴から提督への感情度:78

提督から翔鶴への感情度:75
翔鶴から提督への感情度:84

瑞鶴から翔鶴への感情度:09 瑞鶴から翔鶴への好感度:42
翔鶴から瑞鶴への感情度:31 翔鶴から瑞鶴への好感度:59

加賀から瑞鶴への感情度:26
瑞鶴から加賀への感情度:68

加賀から翔鶴への感情度:15
翔鶴から加賀への感情度:84

提督から五十鈴への感情度:73  提督から五十鈴への好感度:13
五十鈴から提督への感情度:100 五十鈴から提督への好感度:11

提督から鳳翔への感情度:59
鳳翔から提督への感情度:24

ここまでが1スレ目になります


提督から萩風への感情度:35 提督から萩風への好感度:45
萩風から提督への感情度:07 萩風から提督への好感度:77

提督から雲龍への感情度:10 提督から雲龍への好感度:18
雲龍から提督への感情度:33 雲龍から提督への好感度:08

提督からアクィラへの感情度:65
アクィラから提督への感情度:80

提督から隼鷹への感情度:85
隼鷹から提督への感情度:57

提督から対馬への感情度:51
対馬から提督への感情度:59

提督から初霜への感情度:37
初霜から提督への感情度:35

提督から綾波への感情度:96 提督から綾波への好感度:53
綾波から提督への感情度:83 綾波から提督への好感度:52

提督からポーラへの感情度:58
ポーラから提督への感情度:33

提督から敷波への感情度:05 提督から敷波への好感度:10
敷波から提督への感情度:67 敷波から提督への好感度:47

提督から秋津洲への感情度:71
秋津洲から提督への感情度:36

提督から嵐への感情度:21
嵐から提督への感情度:48

提督から大鳳への感情度コンマ:68
大鳳から提督への感情度コンマ:73

提督からアイオワへの感情度コンマ:46
アイオワから提督への感情度コンマ:52

提督から陽炎への感情度:68
陽炎から提督への感情度:75

提督から山風への感情度:90 提督から山風への好感度:07
山風から提督への感情度:53 山風から提督への好感度:74

提督から時雨への感情度:75
時雨から提督への感情度:48

提督から鈴谷への感情度:08 提督から鈴谷への好感度:99
鈴谷から提督への感情度:36 鈴谷から提督への好感度:99 

提督から間宮への感情度:47 提督から間宮への好感度:16
間宮から提督への感情度:97 間宮から提督への好感度:100

提督から黒潮への感情度コンマ:56
黒潮から提督への感情度コンマ:11

提督からリシュリューへの感情度:75
リシュリューから提督への感情度:46

提督から呂500への感情度:13
呂500から提督への感情度:31

提督から浦風への感情度:68
浦風から提督への感情度:66

提督から雪風への感情度:62
雪風から提督への感情度:67

提督から龍田への感情度:05 提督から龍田への好感度:62
龍田から提督への感情度:10 龍田から提督への好感度:75

提督から夕雲への感情度:63
夕雲から提督への感情度:42

提督から雷への感情度:39
雷から提督への感情度:22

ここまでが2スレ目になります。


提督から天龍への感情度:93 提督から天龍への好感度:22
天龍から提督への感情度:87 天龍から提督への好感度:57

(龍田から天龍への感情度:20 )
(天龍から龍田への感情度:84 )

提督から伊26への感情度:20 提督から伊26への好感度:89
伊26から提督への感情度:98 伊26から提督への好感度:59

提督から電への感情度;33
電から提督への感情度:56

(雷から電への感情度:23)
(電から雷への感情度:26)

(電から響への感情度:96 電から響への好感度:73)
(響から電への感情度:14 響から電への好感度:95)

(電から暁への感情度:82)
(暁から電への感情度:20)

提督から伊勢への感情度:95 提督から伊勢への好感度:81
伊勢から提督への感情度:46 伊勢から提督への好感度:02

提督から龍驤への感情度コンマ:100 提督から龍驤への好感度:52
龍驤から提督への感情度コンマ:28  龍驤から提督への好感度:90

提督から神風への感情度:37
神風から提督への感情度:85

提督から川内への感情度:12
川内から提督への感情度:81

(川内から神通への感情度;21)
(神通から川内への感情度:80)

(川内から那珂への感情度:22)
(那珂から川内への感情度:11)

提督から初春への感情度:14
初春から提督への感情度:23

(赤城から瑞鶴への感情度:0)
(瑞鶴から赤城への感情度:26)

(赤城から翔鶴への感情度:0)
(翔鶴から赤城への感情度:17)

(赤城から大鳳への感情度:66)
(大鳳から赤城への感情度:37)

(飛龍から瑞鶴への感情度:12)
(瑞鶴から飛龍への感情度:82)

(飛龍から翔鶴への感情度:24)
(翔鶴から飛龍への感情度:21)

(飛龍から大鳳への感情度:57)
(大鳳から飛龍への感情度:56)

(飛龍から赤城への感情度:44)
(赤城から飛龍への感情度:15)

(蒼龍から瑞鶴への感情度:18)
(瑞鶴から蒼龍への感情度:47)

(蒼龍から翔鶴への感情度:0)
(翔鶴から蒼龍への感情度:40)

(蒼龍から大鳳への感情度:81)
(大鳳から蒼龍への感情度:34)

(蒼龍から赤城への感情度:75 蒼龍から赤城への好感度:52)
(赤城から蒼龍への感情度:09 赤城から蒼龍への好感度:60)

提督から速吸への感情度:87
速吸から提督への感情度:74

提督から叢雲への感情度:05 提督から叢雲への好感度:96
叢雲から提督への感情度:66 叢雲から提督への好感度:56


提督から古鷹への感情度:68
古鷹から提督への感情度:80

提督からまるゆへの感情度:63
まるゆから提督への感情度:25

(あきつ丸からまるゆへの感情度:04 あきつ丸からまるゆへの好感度:78)
(まるゆからあきつ丸への感情度:39 まるゆからあきつ丸への好感度:50)

提督から朝風への感情度:80 提督から朝風への好感度:42
朝風から提督への感情度:08 朝風から提督への好感度:34

提督から清霜への感情度:52
清霜から提督への感情度:32

ここまでが三スレ目になります。

現在の登場艦娘計七十隻。

現在、新規の艦娘選択によるコンマか既出の艦娘を使ったお話を安価で決めています。
既出の子のお話は後述のお品書きを参考にどうぞ。
()内がメインのキャラになります。

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せⅡ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室Ⅱ(弥生、神通)
3、赤城日記Ⅱ(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ(提督、グラーフ・過去)
8、あきつ丸VS提督Ⅱ(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅(加賀)
11、霞の不覚(霞・過去)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をⅡ(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶⅡ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅡ(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界Ⅱ(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音(鈴谷)
25、提督ラヂオ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件Ⅱ (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡Ⅱ(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
その他、新艦好感度コンマ(記名)


【未開放】
ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
初期艦はなんでもしってる【叢雲の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
萩風提督観察記【川内の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・国後・占守の感情度コンマで開放】
あの航路へと【飛鷹の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【日向・朝霜の感情度コンマで解放】
UV【特殊コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯Ⅱ【鳥海の感情度コンマで解放】

当スレは好感度コンマスレなのですが大きなストーリーの終了条件をコンマが満たすと今までのコンマの総決算というべき終章フェイズに突入します。現在、第3部を進行中です。
今までの結果は以下の通りです。

1部終章『サーモン海の戦い』→鎮守府後方の基地司令官 少将の戦死。サーモン海の制海権を一時的に確保。
2部終章『我らこそ海戦の華』→連合艦隊旗艦 長門の更迭。水雷戦隊のクーデター(?)失敗。

3部の終了条件ですが西村艦隊の感情・好感度の測定完了となっています。

オリジナルキャラクター紹介

提督
鎮守府司令長官。階級は中将。堅物、海の乃木さん。特技は艦隊指揮、手品、声真似。モデルは石原莞爾・東条英機などいろんな人の悪い所を凝縮した結果。 料理スキル77、武道スキル67。

少将
提督の同期。仕官学校次席。最終階級は少将。艦娘思いのやさしい人物であったが、自信過剰が仇となり第1部最終編『サーモン海域の戦い』で敵の魚雷攻撃を受け戦死。兵站や組織運営を得意とした。

女提督
提督の後輩。階級は大佐。少将の後任として基地司令官に就任した。

指揮官
艦娘による航空艦隊初代司令長官。最終階級は大将。提督の元上司。前線で指揮をとっていた際に敵空母の空襲を受けて戦死した。

以上、テンプレートでした。
驚きの4スレ目突入!
これもひとえに皆様のご協力によるものです。本当にありがとうございます!
これからもどうぞ当スレをよろしくお願いします。

標語は「鎮守府情勢は複雑奇怪」

3スレ目の埋めネタはまた折をみてsageで投稿していきます。
予告した通り霧島主役。題名は『悲しみの向こうへ』になります。

本日の更新の前に今までいただいたすばらしい支援絵貼らせていただきます。
>>1は毎日拝んでニヨニヨしてます。

↓2スレ目の704でいただきました最高に格好良い提督。
ttps://i.imgur.com/iQfi9IS.jpg

↓3スレ目の232でいただきました金剛。かわいい……かわいい……
ttps://i.imgur.com/W7M9DyS.jpg

↓3スレ目の455でいただきました赤城。ふふ……怖い……
ttps://i.imgur.com/mCK7srK.jpg


それでは安価から本日の更新スタートさせていただきます。

おしながきは>>9をご参照ください。
既出のお話は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、浦波、2018年冬イベント合流組は下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4
↓×5
↓×6
↓×7

ご協力ありがとうございます!

今後の流れですが

あきつ丸VS提督→誰がために幸運の鶴は飛ぶ→那珂→神威→睦月→昏冥流亡Ⅱ→提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ→空谷の跫音→弥生の提督語教室Ⅱ→漣

となります。次回の安価は『空谷の跫音』の更新前になります。
それではジャービス堀りと平行して本日もゆっくりと投下していきます。


――08:15――

 鎮守府 本棟前

提督『――とせよ。最後になるが長門の連合艦隊旗艦の任を解いた』

 ザワ、ザワ!! ワー! ワー!

清霜「えぇぇ!?」

朝霜「ちょっ!? 声がでかいって!」

清霜「だ、だって、長門さん、解任だよ!?」

朝霜「……い、いや、知らなかったのかよ?」

清霜「知らなかったに決まってるよ!」

朝霜「あ、うん……」

清霜「きっと次の旗艦は武蔵さんだと思うの! だってすっごく――」

赤城『静粛に!』

清霜「ひゃっ」

提督『……後任については三日後までに通達する。それまでの代理の連合艦隊旗艦は伊勢とする――以上だ。本日も各員奮励努力するように』

清霜「えっ……」

赤城『全員、提督に敬礼! 以上で朝礼を終えます』

清霜「……」

朝霜「おい、どうかしたか?」

清霜「う、ううん……なんでもない」

朝霜「そうか?」

清霜「うん……」


 ――09;30――

 鎮守府 執務室前

夕雲「あの清霜さん?」

清霜「な、なんですか」

夕雲「提督に意見具申するんでしょ? なら早くしないとせっかくのお休みが損だと思うわ」

清霜「う、うん……」

夕雲「ならどうしてずっと執務室の前にいるの?」

清霜「うぅ……それは分かってはいるんだけど、やっぱりいざとなると司令官は怖いっていうか……」

夕雲「大丈夫よ、意見具申ぐらいなら怒られることなんてないわ」

清霜「う、うん。そうだよね、怒られることなんてないもんね」

夕雲「ええ」

清霜「よ、よっしー!」

 コン、コン、コン!

すみません、帰ってきました
赤城さんというか会社に監禁されてた感じです……なんで出張中の案件までみてやらなあかんねん、部長がみてくれるんじゃなかったんか……
申し訳ないのですが死にそうなので一旦、寝ます。たぶん20時ぐらいには起きれるのでそこから再開します。

やったぜ。

赤城部長「大丈夫大丈夫ほらほら大丈夫大丈夫(ザンギョウドサー」

乙です、体調第一に…

ゆっくり休んでくれ

そしてデレデレの曙を書いてくれ

現実が創作より闇が深くて草も枯れ果てる


清霜「ゆ、夕雲型一九番艦・清霜、入ります!」

夕雲「夕雲型一番艦・夕雲、入ります」

赤城「あら……珍しいお客さんですねぇ」ニコニコ

清霜「あ、赤城さん、こんにわ……」

夕雲「執務中にごめんなさい」

赤城「ええ、大丈夫ですよ、大丈夫」

提督「無駄口はやめろ。口を動かす暇があるのならば手を動かせ」

赤城「ふふ……すみません」

提督「……で、何のようだ」

清霜「あ、あの! 司令官、次の連合艦隊旗艦は武蔵さんがいいと思います!」

提督「……」

赤城「あら」

清霜「……司令官?」

提督「……誰にそう言えといわれた?」

清霜「へ?」


提督「武蔵本人か? それとも妹をそえようとした大和か? いや、小細工好きの金剛か?」

清霜「ち、ちがいます! 私が武蔵さんならって思って――」

提督「正直に言え。今なら不問にふしてやる」

清霜「うぅ……」

提督「これ以上の隠し立てはお前はもちろん武蔵のためにもならんぞ」

清霜「……本当だもん」

提督「ふん……もういい。さがれ」

清霜「すぅ――」

提督「?」

清霜「――武蔵さんは強くて格好いいです!!」

提督「はぁ?」

清霜「だから私は伊勢さんより武蔵さんの方が連合艦隊旗艦に向いてると思います!」

提督「……いいたいことは終わったか?」

清霜「え?」

提督「気が済んだのであればさっさと下がれ。お前の意見はわかったが、今後の人事については艦娘の意見を聞く気は一切無い」

清霜「でも――!」

提督「下がれ!! これは上官命令だ! 昨日の今日でこれだ! どうしてお前たちは私の信頼を裏切るようなまねばかりする!?」

清霜「ひゃぅ!?」

夕雲「清霜さん!? 大丈夫?」

清霜「う、うん」

夕雲「ほっ……怖いのに頑張ったわね。さすがは清霜さんだわ」ギュッ

清霜「わ、わわっ……!?」

提督「……ふん」

夕雲「提督」

提督「下がれといっている。これ以上、時間を無駄にしたくない」

夕雲「……」ジッ

提督「……なんだその目は?」

夕雲「……」ジィッ

提督「……もういい! 赤城、さっさとこいつらを追い出せ!」

赤城「うふ……さぁ、清霜も夕雲もいきましょう。あなたたちのいいたいことは提督もわかったと思うわ。良い子だから、ね?」

清霜「い、いやです!」

赤城「――へぇ」

夕雲「清霜さん、もう何を言っても無駄――」

清霜「司令官、武蔵さんは強くて格好いいだけじゃなくて優しいです!」

提督「……」


清霜「この前も私のこと守ってくれて――えっと、もちろん私だけじゃなくていつも随伴の駆逐艦のこと気にかけてくれるんです! だから、だから――」

提督「はぁ……」

赤城「提督?」

提督「うるさい」

赤城「……すみませんでした」

提督「お前の言いたいことは分かった。連合艦隊旗艦だが武蔵についてもよくよく検討しよう」

清霜「本当!?」

提督「ああ。お前の熱意に今回だけは折れてやる……しかし、武蔵を旗艦にするとは約束はせんぞ」

清霜「はい!」

夕雲「ふふ……よかったわね、清霜さん」

清霜「うん! ありがとう、夕雲姉さん!」

赤城「……」

提督「……――な」ボソリ

清霜「え? 司令官、なにかいいました?」

提督「なにも言ってない。それよりも耳障りだ、さっさと下がれ」

清霜「はい! ありがとうございました!」ニコッ



 ――13:00――

 鎮守府 執務室

 クルッポー、クルッポー

赤城「……あら、もうこんな時間。提督、お昼はいかがいたしますか?」

提督「私はいらん」

赤城「それでもなにかお召し上がりになったほうがいいですよ。よければなにかおもちしましょうか?」

提督「……それなら握り飯でいい」

赤城「分かりました。それではすぐにおもちしますね」

提督「ああ」

 パタン

提督「はぁ……」

提督(私は何をやっているのだ、醜態を晒してしまったな……)

提督「しかし、やつらもやつらだ。なぜ私のところに話をもってこなかった?」

提督「私はそんなに頼りがいのない男か、鈴谷……?」

提督「……はっ、頼りない男だったな。逃げの口実に飛びつくような卑怯者を恃む馬鹿もいないか」

提督「くくく……あんな駆逐艦を疑うなど惨めにすぎるな……」



 ――13:05――

 鎮守府 食堂前

赤城「……」スタスタ

曙「あ……赤城さん、こんにちわ」

赤城「こんにちわ。曙もこれからお昼かしら?」

曙「はい」

赤城「そうなの。いっぱい食べてちゃんと英気を養うのよ?」

曙「ありがとうございます! それより赤城さん、なにかいいことあったんですか?」

赤城「あら、そう見える?」

曙「あ、いえ、外れてたのならごめんなさい」

赤城「そんなことないわ。それよりどうしてそう思ったの?」

曙「たいしたことじゃないんですけど……いつもよりうれしそうだったからそう思ったんです」

赤城「うふ……」

曙「?」

赤城「ええ、ええ、大丈夫ですよ、大丈夫。それよりも良い子の曙にはこれをあげましょう」

曙「あ! 間宮券! け、けど本当にいいんですか?」

赤城「いいの、いいの。いいことに気づかせてくれたから、そのお礼よ」

曙「ありがとうございます!」

赤城「ふふ……それじゃあね」

曙「はい! 失礼します!」

赤城(思ったよりもうまくいってましたねぇ。もうあなたを傷つけないで掬い上げるのは無理になってしまいましたが、少しぐらいの傷なら逆にいいものですねぇ。金継ぎや象嵌というものもありますしねぇ}

赤城「うふふ……あぁ、提督、素敵でしたよ……」

最後にいつもの入れ忘れました……清霜編 艦です。
提督もそろそろ胃に穴あきそうですね……>>1が大学のときに胃潰瘍やったときは激痛で死ぬかと思いました。
同じ痛みを提督が味わうかと思うと……やったぜ。

>>35
暇でもどうせしなきゃいけないんで残業はいくらしたって良いんですけど終わってると思ってた仕事を思い出したように持ってくるのだけはガチで止めてほしいです……
本当に心臓に悪い。

>>36
暖かいお言葉、ありがとうございます。毎回言ってますが気をつけます

>>37
曙は最近、ちょい役ばっかですね。割かし自由に動いてくれるのでどんどん使いたいのですが……こう、なんというかほのぼのとギャグっぽくないとなかなか出せないんのが、うーん……

>>38
部長から「ごめん、これわかんなかったよ。営業いってくるね」って言われたときは会社で泣きそうになりました……


それでは山城感情度行きます。

山城から満潮への感情度 ↓コンマ以下
満潮から山城への感情度 ↓↓コンマ以下

山城から時雨への感情度 ↓↓↓コンマ以下
時雨から山城への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

え……満潮、どうしたの?
感情度が90overです。好感度コンマに移行します。

山城から満潮への感情度 ↓コンマ以下
満潮から山城への感情度 ↓↓コンマ以下

満潮ぉ……どうして急降下爆撃しちゃうの? キマシタワーが折れたやん
あとコンマの指定ミスってましたね……間宮さんの時の件がありますのでこのままでいきます。
時雨は……うーん

時雨「戦艦ってあんな燃えるんだ(小並感)」

こうですかね?
しかし、西村艦隊のコンマは割かし優秀ですね(提督を見ながら)

山城から満潮への感情度:91 山城から満潮への好感度:99
満潮から山城への感情度:96 満潮から山城への好感度:22

山城から時雨への感情度:36
時雨から山城への感情度:47

それでは本日はここまでになります。申し訳ない。
明日は午前には仕事終われそうだから出来れば2回更新したいです。

最後になりましたがジャービス掘れなかったので以降の安価不可のキャラはザラ・浦波・ジャービスの三隻になりました。うごご……

帰ってきました、午前中に帰ってこれましたね(白目)
更新していきます。なお時間が時間なので西村艦隊コンマは明日の更新にまわします。


 
 XX13年 12月
 
 ――14:00――

 鎮守府 執務室

提督「叢雲」

叢雲「……なによ?」

提督「当鎮守府でもなにかレクリエーションをやろうとおもうのだ」

叢雲「は? 唐突になにいってんのよ。ああ、ついにあたまおかしくなったとか?」

提督「……少将から軍人といえども娯楽は必要だといわれたのだ」

叢雲「ああ、なるほどね。ちょっと待ちなさい考えるから」

提督「うむ」

叢雲「うーん……あ」

提督「何か良い案が出たか?」

叢雲「い、いえ、たいしたことじゃないから気にしないで」

提督「もったいぶるな。思いつかない私よりはマシだ、どんな案でもいってみろ」

叢雲「ひゃ、百人一首」

提督「……」

叢雲「……なによ」

提督「正月が近いからな、仕方がない。よし、ほかの案を考えろ」

叢雲「そうね……」

 バーン

?「話は全部聞かせてもらった!」


提督「……なんのようだ」

隼鷹「いやいや、そんな怖い顔しないでよ!」

提督「別にそんなつもりでない」

隼鷹「そう? それならあたしからの提案なんだけどさぁ――」

提督「却下」

隼鷹「なんで!? まだ何も言ってないじゃん!」

叢雲「どうせ飲み比べとかでしょ? いやよ」

隼鷹「うぐっ!?」

提督「……予想通りだな。話にならん」

隼鷹「いやぁ、それならこれは?」サッサz

提督「ほぅ……面白い案かもしれんな」

叢雲「ちょっと二人で納得してないでよ。だいたいなによ、その怪しい手つき」

隼鷹「え? 叢雲、わかんないの? マジ?」

叢雲「……何よ、文句あんの?」

隼鷹「カァー! 素直じゃないねぇ、麻雀だよ、麻雀!」

提督「うむ」

叢雲「あっそ」

隼鷹「ねぇ、提督、これならいいでしょ? ほとんど皆、ルール知ってるしさぁ」

叢雲「駄目よ、栄えある帝國海軍のレクリエーションで麻雀だなんて不健康だわ」


提督「……なんの用だ」

隼鷹「いやいや、そんな怖い顔しないでよ!」

提督「別にそんなつもりでない」

隼鷹「そう? それならあたしからの提案なんだけどさぁ――」

提督「却下」

隼鷹「なんで!? まだ何も言ってないじゃん!」

叢雲「どうせ飲み比べでしょ? 馬鹿じゃないの?」

隼鷹「うぐっ!?」

提督「……予想通りだな。話にならん」

隼鷹「いやぁ、それならこれは?」サッサッ

提督「ほぅ……面白い案かもしれんな」

叢雲「ちょっと二人で納得してないでよ。だいたいなによ、その怪しい手つき」

隼鷹「え? 叢雲、わかんないの? マジ?」

叢雲「……何よ、文句あんの?」

隼鷹「カァー! 素直じゃないねぇ、麻雀だよ、麻雀!」

提督「うむ」

叢雲「あっそ」

隼鷹「ねぇ、提督、これならいいでしょ? ほとんど皆、ルール知ってるしさぁ」

叢雲「駄目よ、栄えある帝國海軍のレクリエーションで麻雀だなんて不健康だわ」


隼鷹「ぶーぶー! それなら叢雲にはなんか良い案あんの? 百人一首以外で」

叢雲「うっ……そ、そうねぇ……あっ! リレーよ!」

提督「は?」

隼鷹「……」

叢雲「いい案じゃない! 訓練にもなるし、賞品出せば十分にレクリエーションになるわ!」

隼鷹「さすがにありえないでしょ。まじめに考えなって……」

叢雲「!? なによ、あんたこそ駄目親父見たいなことばっかり言ってるんじゃないわよ!」

提督「落ち着け。しかし、隼鷹の案も悪くないかも知れんぞ」

隼鷹「でしょ! さっすが提督!」

叢雲「ちょっと!」

提督「叢雲、レクリエーションといっても鎮守府をはずすわけにもいかんからどうしても協議は屋内でできることになるのだ。わかるな?」

叢雲「いや、それはわかるけど……な、なら軍人将棋にしましょう! 賭け事なんてよくないわ!」

隼鷹「それなら別にお金かけなきゃいいだけじゃん。それに軍人将棋なんて提督と利根の得意分野すぎるじゃん!」

叢雲「うっ……」

提督「よし、決まりだな。卓については私がなんとかしよう。次に開催の日時だが……そうだな、一週間後のフタマルマルマルからにしよう。正月だしちょうど良かろう」

隼鷹「おっし! じゃあ、告知とかはあたしから青葉に頼んでおくね」

提督「うむ。会場の準備などは私が指揮しておくので細かいことは頼んだぞ」

隼鷹「うん、うん……で、賞品なんだけどさぁ。ちょっと奮発してくれないかなぁって」

提督「はぁ……わかった、わかった。全員が納得するようなものを考えておく」」

隼鷹「やった! 隼鷹、気合入れて意気まーすってな! ヒャッハー!」

 バーン!

叢雲「……あれ、なんで執務室にきたのかしら」

提督「知らんが、まぁ、いいではないか。おかげで良い案も出た」

叢雲「うっ……本当にやるの?」

提督「ああ」


叢雲「……あ、あの、実は私、ルールわからないんだけど」

提督「なんだと? 時雨や雪風はよく戦艦や空母に混じって遊んでいるから駆逐艦も知っているものだと思っていたが違うのか?」

叢雲「多分、ほとんどの子は知ってると思うわ……。扶桑とか金剛とか面倒見のいい戦艦が好きだから教えてもらってるのみたことあるし」

提督「ふむ……そうか、安心した。しかし、そういうことであれば秘書官の業務で遊びに時間のとれないお前は知らなくても当然か……よし、私がひとつ教えてやろう。ほかにもお前の知ってる範囲でルールがわからんものがいれば連れて来い、まとめて面倒見てやる」

叢雲「えぇ……いいわよ。今から習って下手糞だって笑われたくないもの」

提督「ばか者! お前にはすさまじい麻雀の才能があるのかもしれないではないか、何事もやる前からあきらめるべきではないぞ」

叢雲「そんな才能あってもうれしくないわよ……」

提督「うるさい! うるさい! いいか、本日の執務が終わり次第、講習をはじめるぞ! そんな敗北主義者は許さんぞ!」

叢雲「えぇ……」

提督「なんだ不満か?」

叢雲「……別にぃ」

提督「そうか、そうか。はっはっは……!」

叢雲「ついてない……本当に」ボソリ


 ――15:00――

 鎮守府 食堂

青葉「ほほぅ……今の陸軍はそんな感じなんですねぇ。それじゃあ、ここにきておどろいたこととかありますか?」カキカキ

あきつ丸「おどろいたことでありますか? それであれば――」

青葉「あ、提督関係はNGですよ?」

あきつ丸「……なぜであります? まさか艦娘の言論まで弾圧しているのでありますか?」

青葉「あ、いえ、一面の予定が『野獣、駆逐艦の胸を朝から覗き込む!』なのでネタかぶりは避けたいんですよねー」

あきつ丸「は?」

青葉「お、気になりま? 気になります?」

あきつ丸「あ、当たり前であります! 破廉恥な!」

青葉「へぇ。あきつ丸さん、破廉恥なことに興味があるなんて意外とむっつりですねぇ」

あきつ丸「へ……? い、いや、自分は破廉恥なことに興味があるわけではなく! そんな破廉恥な人物が――」アワアワ

青葉「あはは……古鷹さんみたいです」

あきつ丸「むぅ……! もしや自分のことをからかっているのでありますか?」

青葉「あはは……すみません、そんな怒らないでください。えっと質問はどこまでしましたっけ――」

隼鷹「お、やっと見つけたぞ、デマゴーグ!」


青葉「ふぁ!? ちょ、ちょっと! それ青葉のこといってるんですか!?」

隼鷹「あったりまえじゃん」

青葉「し、心外です! あの隼鷹さんがそんな言葉知ってるとは思えませんから誰に吹き込まれたんです!」

隼鷹「お、なに? ひょっとしてあたしのこと馬鹿にしてる?」

青葉「え……い、いや、そんなつもりはないですけど……あはは……」

隼鷹「……まぁ、赤城さんが言ってただけなんだけどね! わっはっは……!」

青葉「あ、赤城さんですか……」ブルブル

あきつ丸「……青葉殿、これぐらいでよろしいでありますか?」

青葉「え、いや、ちょっとま――」

あきつ丸「それでは失礼するであります」

青葉「ご、ごめんなさい! もう少しだけお話聞かせてください!」

あきつ丸「はぁ……別にかまわないのでありますが……」チラッ

隼鷹「ん? お、陸さんとこのえっと……なんつったっけ?」

あきつ丸「……あきつ丸であります」

隼鷹「そうそう! あきつ丸だ! あたしは隼鷹っていうんだ、よろしくね!」

あきつ丸「は、はぁ。こちらこそよろしくおねがいするであります」

隼鷹「で、あんたは麻雀できる?」

あきつ丸「麻雀でありますか? 少しぐらいならできますが……」

隼鷹「お、そりゃあちょうど良かったよ! せっかくの新しい仲間だもんな、イベントは楽しんでもらわないと!」

あきつ丸「?」

青葉「あのー……」

隼鷹「ん? どったの?」

青葉「隼鷹さん、青葉は今あきつ丸さんに取材してる途中なんです」

隼鷹「うん」

青葉「え……いや、だからちょっと向こう行ってくださいよ」

隼鷹「あぁ」

青葉「わかってくれましたか?」

隼鷹「それがさぁ、提督が来週のフタマルマルマルに麻雀大会するからこう口よろしくって」

青葉「はい、はい、わかりましたからあっちに――ん?」

>>73

【誤】
隼鷹「それがさぁ、提督が来週のフタマルマルマルに麻雀大会するからこう口よろしくって」

【正】
隼鷹「それがさぁ、提督が来週のフタマルマルマルに麻雀大会するから告知よろしくって」


隼鷹「これであたしの仕事はおわりっと! 青葉、後はお願いね!」

青葉「ちょ!? ま、まってくださいよ! 何なんですか麻雀大会って!?」

隼鷹「えー? なんかレクリエーションだっていってたけど」

青葉「あ、あの司令官がレクリエーション……お天気欄書き直さないと! 明日は槍が降ります!」アワアワ

あきつ丸「隼鷹殿、ひとつよろしいでありますか?」

隼鷹「んんん? いいよ、いいよ! 何でも聞いて!」

あきつ丸「あの……提督殿はそういったレクリエーションはよく開くのでありますか?」

隼鷹「いやそういうことはまったくしない人だよ。付き合いの長い私が一回も経験ないから間違いないね!」

あきつ丸「は、はぁ」

隼鷹「どういう心境の変化かわかんないけど、ひょっとするとあきつ丸の着任歓迎だったりしてね! へへへ……」

あきつ丸「……それはないでしょうな」

隼鷹「えぇ? わかんないぜ? あんな顔して意外とむっつりだったりするかもしれないし!」

青葉「告知するなら記事の配置も変えないといけないし、あぁ、どうしよ――ほぅ……その提督がむっつりっていう情報はなにかソースあるんですか?」

隼鷹「そーす? それならおたふく!」

青葉「……」

あきつ丸「……」

隼鷹「おお? なんだ、なんだこの空気は?」

青葉「……氷水、ぶっ掛けられて一気に冷静になれました。とりあえず、あきつ丸さん取材の続きいいですか?」

あきつ丸「もちろんであります……」

隼鷹「??」


  同日

 ――20:00――

 鎮守府 本棟 あきつ丸の部屋

あきつ丸「――であります。以上が本日の報告でありました」

将校『なるほどな。モニターでのやり取りというのはどうも慣れんが、お前が楽しそうにやっていて安心したぞ』

あきつ丸「たのしくなどないであります! 提督殿は嫌味だし、海軍の艦娘もジロジロと人のことを見てきてまるで針の筵の上にいるような心地であります!』

将校『はっはっは……! 揚陸艇が珍しいのだろう気にするな、むしろ胸をはれ』

あきつ丸「……百歩譲って艦娘のことはそう思うにしてもあの提督は将校殿のいうような立派な方とはおもえません! なんとか配属を変えていただけないでありますか?」

将校『お前はわかっとらんなぁ……』

あきつ丸「へ?」

将校『あの男のことだ、お前の扱いにもなにか考えがあるのだろう。それに普段していないレクリエーションを突然に開くというのもそういう題目でお前の歓迎会をしようという腹積もりなのだろう、やはり部下思いの良い男だな。わっはっは……!!』

あきつ丸「えぇ……? 絶対に違うと思うのであります……」ボソリ

将校『ん? なにかいったか?』

あきつ丸「い、いえ、なにも……」

将校『そうか。とにかく提督殿はすばらしい益荒男だが、海軍のさがか少し言葉を飾りすぎるきらいがある。なにごともどんな意図での発言か考えるようにするのだぞ」

あきつ丸「りょ、了解であります……」

将校『うむ! それでは明日も陸軍の名を汚さぬように努力せよ』

あきつ丸「はっ……」ビシ

将校『それではな』ビシッ

 ブチッ

あきつ丸「……将校殿、言葉を飾りすぎるってどこがでありますか? 自分には火の玉ストレートに罵倒の嵐だったのでありますが……」

 ボスン

あきつ丸「はぁ……憂鬱であります……。もう布団の中に引きこもりたい……」


 あきつ丸VS提督Ⅰ 艦

というわけであきつ丸VS提督Ⅰ 艦です。
次回のⅡで出てくる麻雀はルールわからなくても大丈夫なように気をつけるようにします。
肝心の主役であるあきつ丸はまだ乙女っぽい(?)ですね。ここからどんどんと育てていきます。

次回は『誰がために幸運の鶴は翔ぶⅠ』です。
時間が五航戦後から数日に巻き戻りますのでご了承ください。
あと埋めもちょっとずつ出来てきましたので2~3日のうちにはなんとか投下できると思います。

それでは明日も仕事なので寝ます。おやすみなさい。

帰ってきました。さすがは日曜だぜ!
それでは17:00より更新します。今回は前回とれなかった西村艦隊のコンマありますので、投下の前と後の2回コンマとらせていただきますのでご協力いただければ幸いです。

毎回、書こうと思って忘れてしまっていたのですがあきつ丸編ででている将校と曙編(キス島撤退戦)で出てる将校は同一人物になります。
基本的には役職の名前でも表記が同じなら同一人物となりますのでご了承ください。
……将校殿、テンプレのオリキャラにぶち込めばよかったですね、すみません。

それではまずコンマですね。
ここまでは順調ですが、さてどうなるかなぁって……

山城から山雲への感情度 ↓コンマ以下
山雲から山城への感情度 ↓↓コンマ以下

山城から朝雲への感情度 ↓↓↓コンマ以下
朝雲から山城への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

本当に仲良くて驚きます。
山城、かっこよかったしさすがだわ……
山城から山雲への感情度が90OVERなので好感度コンマに移行します。

山城から山雲への好感度 ↓コンマ以下
山雲から山城への好感度 ↓↓コンマ以下

この季節をまち焦がれていました

山城から山雲への感情度:96 山城から山雲への好感度:04
山雲から山城への感情度:52 山雲から山城への好感度:88

山城から朝雲への感情度:76
朝雲から山城への感情度:87

それでは本編更新していきます。

 XX17年 11月

 ――09:00――

 鎮守府 間宮

翔鶴「今日は私の為なんかにお時間さいていただいてありがとうございます」

提督「別にかまわん。で、この前の手紙だが話したいこととはなんなのだ」

翔鶴「うっ……その、質問を質問で返してしまって大変申し訳ないんですが、提督は瑞鶴のことどんな子だとおもってますか?」

提督「む、瑞鶴か……姉のお前にこういうのなんだが、正直に言うと何をやらせても詰めが甘い上にやや軽率なところがある粗忽者だと思っている」

翔鶴「やっぱり……」

提督「?」

翔鶴「実は最近の瑞鶴を見てるとどうしても心配で仕方ないんです。どうしても不用意なことを一つ、二ついってしまって……この前もそれで蒼龍さんのご機嫌損ねてしまったんです……」

提督「蒼龍の……? なにをいったらそうなるのだ?」

翔鶴「私も現場にいたわけではないのでなんとも……でもまた余計なことを言ってしまったんだと思います」

提督「そ、そうか」

翔鶴「とにかくこのままだと鎮守府であの子が孤立しちゃうんじゃないかと思うんです! 提督、お力かしていただけませんか……?」

提督「そういわれてもなぁ……頼られてこういうのは心苦しいが相談する相手を間違っていないか? 私よりも鳳翔や龍驤のほうがこういうことは適任だと思うぞ」

翔鶴「そうでしょうか?」

提督「うむ」

翔鶴「すみません……私、そのお二人とはあまり面識がなかったので提督にご相談してしまいました。ご迷惑でしたよね……」

提督「い、いや、別にそうはいっていないだろ」

翔鶴「でも……」

提督「わかった、わかった! 私もできる限りのことはする!」

翔鶴「本当ですか! よかったぁ……」

提督「むむむ……」


曙「うわぁ……あざとい……」

潮「あれ、曙ちゃん、どうかしたの?」

曙「別にぃ? なんでもないわよ」

潮「? あ、提督と翔鶴さん見てたんだ」

曙「……別にみてないわよ」

潮「そうなんだぁ、えへへ……」

曙「……なによ」

潮「ううん、なんでもないよ?」

曙「むぅ!」

間宮「えっと……全部で4000円ですね」

加賀「はい。ちょうどね」

間宮「ありがとうございます! 今日は曙ちゃんたちとおでかけですか?」

加賀「ええ、折角の非番ですから」

間宮「ふふ……楽しんできてくださいね?」

加賀「ええ」

加賀「さてお待たせしました。次はたこ焼きでも食べに行きますか」

潮「わぁ……いいですね!」

曙「え……まだ食べるんですか?」

加賀「当たり前じゃない。いっぱい食べないと大きくなれないわよ」

曙「うっ……」

加賀「……そうね、気が変わった。折角のお休みを食べ歩きだけというのはなんですから、その前にボーリングにでも行きましょうか」

曙「ぼーりんぐ?」

潮「えっと……穴掘るんですか?」

加賀「ふっ、違うわ。球を転がして目標にぶつける遊びのことよ」

曙「へぇ、面白そうですね!」

加賀「そうでしょう、そうでしょう。この前、金剛たちと一緒に行ったときは大いに盛り上がりましたからね。ほら、町に行くからはぐれないように手をつなぎますよ」

潮・曙「「はい!」」



 ――10:30――

 空母寮 談話室

瑞鶴「うーん……これもいいなぁ。二人もそう思うでしょ?」

大鳳「そ、そうですね……」

雲龍「はい……」

瑞鶴「でしょ!? このカーデガンほしいなぁ。これなら私もちょっとは大人っぽく見えるかもしれないわね!」

大鳳「……はい」

雲龍「あ、あの……気に入ったのなら買えばいいんじゃないですか……?」

瑞鶴「えぇ? 嫌よ。こういうのは見てる時が一番楽しいんじゃない」

雲龍「そう、ですか……」

瑞鶴「うーん……このデニムとコートもいいなぁ。カーデガンと違ってかっこいい感じだし、こういうの私に似合うかしら?」

雲龍「……はい、似合うと思います」

瑞鶴「そうよね、そうよね――あ、そういえば提督さんってどういう服が好きなのか知ってる?」

大鳳「え? えっと……ごめんなさい、私はちょっと。雲龍はどう?」

雲龍「……しるわけないじゃない」

大鳳「そ、そうよね」

瑞鶴「ふーん、でも残念だなぁ。折角なら提督さんの好きな感じにしたかったのに……あ、赤城さんとかなら知ってるかも」

大鳳「えっ!? そ、それはちょっとやめた方がいいと思うんですけど……」

瑞鶴「えー? 折角、お洒落するなら提督さんの好みの方が得じゃない」

雲龍「得ですか? あの人に気に入られてもしょうがないとおもうけど」

大鳳「む……」

雲龍「なに?」

大鳳「上官にそういういい方はどうかと思うわ」

雲龍「……そう」

 ガチャ


龍驤「……ふぁ、おはようさん。なんや瑞鶴、またカタログ見てるんか? あんた、そういうのホンマにすきやなぁ」

瑞鶴「おはようござます。それより今日、非番なのに早起きしなかったんですか? もったいないなぁ」

龍驤「うっさいわ……休みやからってのみすぎたんや……。アカン、めっちゃ頭痛いわ、牛乳、牛乳……」ゴソゴソ

瑞鶴「ふーん」

龍驤「チュー……ぷっはぁー、やっぱ二日酔いの起き抜けは牛乳やね。大分、頭がすっきりしたわ」

大鳳「……あの、瑞鶴さん、このあと私用事があるのでそろそろ失礼します」

瑞鶴「そう? うん、気を付けてね」

大鳳「……はい」コソコソ

 バタン

雲龍「……あっ!?」

瑞鶴「どうかした?」

雲龍「な、なんでもないです……。なんてこと、一人で逃げられた……」ボソリ

瑞鶴「?」

龍驤「ほれ、お二人さんも牛乳飲みや。ちゃんと龍驤さんに感謝してのむんやで」

瑞鶴「あ、ありがとうございます」チュー

雲龍「……はい」チュー

龍驤「で、今のカタログってどんな感じなん? ウチももうちょい冬物ほしいおもってなぁ……ほうほう……お! これとかええやん!」

瑞鶴「えぇ!?確かにかわいいけどちょっと子供っぽくないですか?」

龍驤「はぁ……わかっとらんなぁ……」

瑞鶴「む……どういうことです! 私だってどういうのがお洒落なのかちゃんとわかってるもん!」

龍驤「イタタ……もうちょっと静かにしてぇな。二日酔い相手なんやからそんなムキになってもしゃーないやん」

瑞鶴「むぅ……」

龍驤「まぁ、ええわ。お姉さんが教えたるけど、男っちゅうんは皆ロリコンなんやで? もちろん司令官もやで!」

瑞鶴「えぇ!?」

雲龍「ブッー!!」

龍驤「うわぁ……ばっちぃな」

雲龍「ゲッホ……!? ゴッホ……!?」

龍驤「って、ホンマに大丈夫か!?」

瑞鶴「そ、それよりその話し本当なんですか!?」

龍驤「ん……おうとも! 司令官のお気に考えれば一発やん! ウチやろ弥生やろ曙やん、ほれ」

瑞鶴「そ、そうなんだ……」

雲龍「ゲッホ……ゴッホ……うっ……し、失礼します……!!」

龍驤「あーあ、いいってもうた。ほんじゃあウチもこれぐらいで部屋に戻って寝なおすわ」

瑞鶴「は、はい……」

瑞鶴「そうだったんだ……ロリコンだったんだ……」



 ――11;00――

 鎮守府 執務室

提督「はぁ……とういうわけで翔鶴から相談を受けたわけなのだが、なにかいい案はあるか?」

蒼龍「いやぁ、あれって生まれ持っての性格だと思いますから無理じゃないですか? ほら、三つ子の魂百まで持っていうじゃないですか」

提督「しかし……ああも頼み込まれると無下にするのもなんというか……うむ……」

蒼龍「はぁ。なら赤城さんはどうですか?」

赤城「えっ……あの提督には申し訳ないんですけど、五航戦のことには興味ありませんから私ではお力になれないと思いますよ?」

蒼龍「やっぱり……」

提督「ならば似たような比叡を姉に持つ霧島ならばどうすればいいのかわかるか?」

霧島「比叡姉さまの現状をみて仰ってますか?」

提督「ただ放っておいているということか……」

霧島「はい」

提督「はぁ……どうしたものか……」


 誰がために幸運の鶴は飛ぶⅠ 艦

というわけでいろいろと敷設して誰がために幸運の鶴は飛ぶⅠ 艦となります。
どうしてもⅠは導入&伏線(?)になっちゃうのが問題ですね。もうすこし短くまとめる才能が欲しい……

続いて那珂ちゃんのコンマいきます。

提督から那珂への感情度 ↓コンマ以下
那珂から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

ふぁ!? やっぱりPじゃないか!(錯乱)
提督から那珂への感情度が90OVERです! つづいて好感度コンマに移ります!

提督から那珂への好感度 ↓コンマ以下
那珂から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

うわぁ……すごいことになっちゃったぞ……
川内型はみんな優秀なんだなぁって……

提督から那珂への感情度:100 提督から那珂への好感度:83
那珂から提督への感情度:87 那珂から提督への好感度:54

あと那珂ちゃんが7高かったら……危なかった……

続いて西村艦隊コンマです。

扶桑から最上への感情度 ↓コンマ以下
最上から扶桑への感情度 ↓↓コンマ以下

扶桑から満潮への感情度 ↓↓↓コンマ以下
満潮から扶桑への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

姉さま、人との距離の取り方うまいわ……しかし本当にコンマが優秀ですね。

扶桑から最上への感情度:66
最上から扶桑への感情度:76

扶桑から満潮への感情度:25
満潮から扶桑への感情度:39

本日ですがあとは埋めネタができたら更新します。……投稿する場合は23:00時までにご報告するようにします。
それでは失礼します。

すみません……埋め書き始めたら予想外に長くなりそうなので予定が吹っ飛びました……
那珂ちゃん編の構想は固まったのでさきにそっちやります

ところでこれやってなかったですね……大事なことをすぐ忘れちゃって本当に申し訳ない……許してください、なんでもしますから!

神通から那珂への感情度 ↓コンマ以下
那珂から神通への感情度 ↓↓コンマ以下


予想通りやん……川内型の提督へのコンマはすごいんだけど姉妹仲は……

神通から那珂への感情度:39
那珂から神通への感情度:28

いか、参考までに

川内から神通への感情度;21
神通から川内への感情度:80

川内から那珂への感情度:22
那珂から川内への感情度:11

満潮のときのコンマみたい(小並感)

那珂編ですが23:30あたりを目安に投下します。

遅れてしまい申し訳ありません。
ゆっくりと更新していきます。

――17:30――

 鎮守府 執務室

提督「……今日の執務はここまでにする」

蒼龍「へ? ずいぶんと今日は早いんですね」

赤城「いいじゃないですか、提督も少しはお休みしないといけませんし」

提督「とにかく私は出てくる」

赤城「はい、お気をつけて」

蒼龍「……?」

提督「ああ、それではな」

 バタン

蒼龍「……何か考えでもあるんですか?」

赤城「まぁ、少しは。今日はいろいろと面白いこともありましたし、もう少しいろいろと仕掛けていこうと思います」

蒼龍「はぁ」

霧島「……私もこれで失礼します」

赤城「あら、いいんですか?」

霧島「結構です。どうせあなたたちと私では最後は相容れませんよ」

赤城「ふふふ……確かにそうでしょうね」

霧島「……」

 バタン

赤城「次の作戦はレイテですか……さて、なにかありましたかねぇ」

蒼龍「……西村艦隊にがんばってもらえばいいんじゃいんですか」

赤城「ああ、そうですね。扶桑にはかりもありますしね……うふ」


 鎮守府 正門前

那珂「提督、遅いなぁ……うぅ、こんな寒いところで女の子待たせるなんて……もう!」

 キィー

那珂「と、うわさをなんとやらって感じかなぁ」

提督「すまん、待たせたか?」

那珂「ううん。全然、待ってないよ?」

提督「そうか? とにかく乗ってくれ、今日のことについては運転しながら話す」

那珂「はーい」

 ガチャ ブルルー

提督「発車してから言うのもなんだがちゃんとシートベルトをしたな?」

那珂「うん、大丈夫だよ」

提督「よし、それでは今日のことについて説明していくぞ」

那珂「えっと、このまえ貰った予定表だといつもとおんなじ感じだよね? みんなにお菓子配ってからステージって感じでしょ」

提督「ああ、そうだ。ただ今日はクリスマス会も兼ねているからな、その後に私とマジックをやってもらう」

那珂「え? ちょ、ちょっと待って! 那珂ちゃん、マジックなんかやったことないよ?」

提督「安心しろ貴様は私の言うとおりにしてくれればいい」

那珂「えぇ……詳しい打ち合わせもなしってどうなのかなぁ?」

提督「……すまんな。ここのところばたばたしていてマジックの練習をしている時間がなかったのだ」

那珂「あ、あはは……そうだよねぇ」

提督「まぁ、次にやる機会があればそのときは練習の時間をとるようにしよう」

那珂「うん」

提督「あとステージだが写真を送ってもらった。スマホの画像になってしまうが見てみるか?」

那珂「えぇ!? 写真あるの? 見たい、見たい!」

提督「ああ、次に信号でつかまったときに渡す」

那珂「楽しみだなー!」

提督「うむ」

那珂「あ、話し変わっちゃうんだけどはぐはぐと那珂ちゃんでユニットとかどうかな? 大ヒット間違いなしだと思うの!」

提督「はぐはぐ……?」

那珂「羽黒ちゃんのことだよ」

提督「ああ……そういうことか。しかし、それはやめておけ」

那珂「えー? なんでー?」

提督「ほかの艦娘を勧誘するのはやめておけ。軍務をこなした上で歌に踊りと練習せねばならんのだぞ、生半気持ちではもたん」

那珂「そっかぁ……」

提督「そう落ち込むな、いつかほかの艦娘も――む……赤信号だな。那珂、これがステージの写真だ」

那珂「あ、やった! どれどれ――きゃー! すっごい! 皆、がんばってくれたんだね!」

提督「ああ、ずいぶんと気合がはいっていたらしいぞ」

那珂「そうなんだ。じゃあ、那珂ちゃんもせいいっぱいがんばらないとだよね!」

提督「うむ、そのいきでがんばってくれ」

那珂「よっし! 気合も満タンだし、提督、はやくいこう! しゅっぱーつ!」

提督「馬鹿! まだ赤信号だ!」

那珂「ええぇ……? ノリ悪いなぁ」

提督「ノリで交通法規をやぶっていられるか!」

すみません、寝落ちしてました……
帰り次第更新再開します。やっぱりあの時間からは無謀というか、うん…ノリでやっちゃだめですね。
突然ですが以降の更新については21~22時前に始めるようにします。その時間までに帰れなさそうな日はお休みということになりますが、さすがにこれだけ寝落ちするというのは流石に……読んでいただいてる皆様には重ね重ね申し訳ありません。

それでは仕事いってきます……

おはようございます、またあけてしまって申し訳ありません。微妙な残業で会社の仮眠室に寝泊りしてました……そんな忙しくもないんだけど気付くととやらないといけない仕事が次々と出てくる意味がわからない……
まだ半分目が開かないので寝なおして正午からつづきとうかします。


 ――18:00――

 鎮守府近くの町郊外 孤児院前

那珂「やっとついたぁー! もう少し鎮守府の近くだったらいいのにねぇ」

提督「孤児院が鎮守府の近くにあるなど冗談だけにしてほしいものだな」

那珂「まぁ、危ないしそれもそっか」

提督「私は機材の搬入などステージの用意をしておく。お前はさきに挨拶をすもしてきてくれ」

那珂「え、一人で大丈夫? てつだおっか?」

提督「いや、マジックのタネを仕込まねばならんので一人で結構だ」

那珂「なるほどぉ。じゃあ先に行ってるけど用意できたら提督もすぐに来てね?」

提督「ああ、そうするつもりだ」

那珂「よーし、それじゃあ那珂ちゃんお仕事いってきまーす!」

提督「おい、菓子を忘れるなよ。」

那珂「わかってるよ、もう! 那珂ちゃん、そんなにおっちょこちょいじゃないもん!」

提督「そうか、そうか」

那珂「うわぁ……絶対にわかってくれてないよね?」

提督「うるさい、さっさといってこい」

那珂「はーい」

提督「はぁ……やっといったか。騒がれる前にさっさっとやってしまうか」


 ――19:30――

 鎮守府近くの町郊外 孤児院

那珂「わー、――ちゃんもそんな難しい字が読めるようになったんだ」

子供A「うん! 学校で教えてもらったんだ!」

那珂「頑張ったんだね。ん? ――君、どうしたの?」

子供B「那珂ちゃんさん、それよりも提督さんまだこないのー?」

那珂「うーん、もう少しだと思うよー。それより今日は格好いいの着てるね!」

子供B「えへへ……そ、そうかなぁ?」

那珂「うん、うん! 良い感じ!」

子供「え、えへへ……」

 コン、コン ガチャ

提督「失礼します」

子供C「あ! 提督さんだー!」

子供B「わー! 提督さーん! またお話聞かせてよー!」

 ワー! ワー!

提督「おーおー、皆、元気だな。先生の言うことを聞いて良い子にしていたかね?」

子供D「勿論だよ! 提督さんと約束してるもん」

提督「ははは……そうか、そうか」ナデナデ

先生「提督さん、本日はお忙しい中でお越しいただいてありがとうございます」ペコリ

提督「いえこちらこそこのような時間にライブなどと無理を聞いてだいてありがとうございます」ビシッ

先生「そのことなら私たちこそお礼を言わせてください。皆、那珂さんの舞台ずっと待ってったんですよ?」

提督「そうですか……それではすぐにライブのほうをはじめさせていただいてもよろしいですか?」

先生「勿論ですよ!」

提督「ありがとうございます。よーし、それでは皆、外に行くぞー!」

子供たち「はーい!」


 孤児院 野外ライブステージ舞台袖

那珂『みんなー、今日は那珂ちゃんのためにこんな立派なステージ用意してくれてありがとうねー!』

子供達「ワー! ワー!」

那珂『皆が頑張ってくれたから那珂ちゃんも精一杯がんばるねー! じゃあ一極目はThank You! いっくよー!』

 ~♪ ~♪

提督「……よし、うまくいったな」

先生「お疲れ様ですよろしければこちら飲んでください」

提督「こ、これは失礼しました。ありがたくいただきます」

那珂『~♪ ~♪』

先生「……すごいですね」

提督「ゴクゴク……ん? ああ、那珂のことですか」

先生「ええ。ここから聞いてるだけでももなんだか楽しくなってきてしまいますもの、子供たちを笑顔にできるのも納得です」

提督「ありがとうございます。ぜひ、本人にもいってやって下さい。あいつのことです本当に喜ぶと思います」

先生「うふふ……勿論です」



 XX13年 11月

 鎮守府 執務室

那珂「艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー。よっろしくぅー!」

叢雲「……大本営もすごいの送ってきたわね」

那珂「お、叢雲ちゃんは那珂ちゃんのすごさわかる!?」ギュー

叢雲「くっつくな! っていうか、何で私の名前知ってるのよ!」

那珂「うふふ……那珂ちゃんはなにをするにも準備万端なのです」

叢雲「はぁ? 意味わかんないし。ちょっと司令官! なんとかしなさい!」

提督「……そういうやつだ、ほうっておけ」

那珂「あ、そうだ! 提督、川内ちゃんと神通ちゃんってまだ生きてる?」

提督「安心しろ生きているぞ」

那珂「そっかー」

提督「しかし、川内型がすべて送られてくるとは……最前線とはいえこれで水雷戦隊旗艦についての不安は解消されたな。ふふふ……あっはっは!!」

叢雲「えぇ……神通はともかくこんな頭の軽そうなのとうっさいだけの川内はアレでしょ……」

提督「ふふん! 分かっていないな。こいつらは軍令部所属水雷戦隊の虎の子だ。特に那珂を送ってきたということは本格的にここを反攻の拠点にするつもりなのかもしれん」

叢雲「……ご大層な評価ね。評判倒れにならないことを祈ってるわ」

那珂「ひっどーい! 提督、この子に那珂ちゃんの武勇伝教えてあげてよ!」

提督「やかましい。お前が自分で話せばいいことだろ」

那珂「ええぇ……そういうの自分で言うと自慢ぽくてなんか格好悪いよぉ……」

叢雲「……しつこいようだけど本当に大丈夫なの?」

提督「ああ、安心しろ。なにかあった際は軍令部を代表して私が責任とって腹を掻っ捌いてやる」

叢雲「腹掻っ捌くって……そういう現実味のないこといわれてもなんの信用にもならないわよ」

提督「む。私は本気だ」

叢雲「はい、はい」

提督「ちっ……それよりも那珂、こちらに配属になったということは広報の方はもういいのか?」

那珂「え? ああ、もちろん続けないと駄目だよ。それにアイドル活動は那珂ちゃんが好きだからやってるんだもん! やめるわけないよ!」

提督「は?」

那珂「だから広報の人たちが撮影のときはこっちにくるとって。そこらへんのことは提督にお任せるするからよっろしくー!」

提督「なんだと……? 面倒な」

那珂「面倒って……お仕事にそんなこと言っちゃ駄目だよー」

提督「……そんなことはわかっている。ちょっとした軽口ではないか」

那珂「だめ、だめ! その席に座ってる限りは公務中なんだから気をつけないと、だよ。ぷん、ぷん!」

提督「そうだな……以後、気をつけよう」

叢雲「は?」

提督「なんだ?」


叢雲「……ちょっと。いつもは私が注意しても何にも聞かないのにやけにその軽巡にはすなおじゃない」

提督「なにを当たり前のことをいっている。当然だろ」

叢雲「はぁ!? ちょっとなによそれ!!」

提督「うるさい! まぁ……口やかましいだけのやつと実績のあるものの差だな、ふん」

那珂「ふっふーん!」

叢雲「ギギギ……!! なら秘書艦をそれに代えなさいよ! 付き合いきれないわ!」

提督「……それは私ではなく海軍省にいうのだな」

叢雲「なによそれ」

提督「知らんな」

叢雲「……」

提督「……なんだその目は?」

叢雲「別にぃ? 本当についてないと思っただけよ」

提督「そうか。私もそうおもっている」

叢雲「あら、残念だけれど気が合うわね」

提督「ちっ……」

那珂「ぷぷぷ……」

叢雲「む! なによ!」

那珂「いやぁ、提督も相変わらずだなぁって。いくら艦娘で自分の部下だっていっても女の子にはもうちょっとやさしくしないと駄目なんだよ? そんな風にしててたら愛想つかされちゃうよ?」

提督「うぐ……! ぜ、善処しよう」

那珂「うん」

叢雲「ちっ……」

那珂「叢雲ちゃん、さっきはごめんね? あおちゃった私が言うのも何だけど、本当は良い人だか――あー、悪い人じゃないんだよ?」

叢雲「……わかったわ――」

提督「おい! ちょっと待て! なぜ途中で言い直した?」

那珂「いやぁ、やっぱりうそはつけないかなぁって思ったんだよねー。あはは……」

提督「……き、貴様というやつは!」

 ワー! ワー!

叢雲「はぁ……本当についてない……」



  ――20:00――

 鎮守府近くの町郊外 公道

提督「……」

那珂「ねぇ、提督、今日のライブは大成功だったね!」

提督「ん? あ、ああ、そうだな」

那珂「反応悪いけどどうしたの? ……ひょっとしてライブ駄目だったかな?」

提督「いや、良かったと思う。先生もずいぶんとほめていたぞ」

那珂「うん! けど、それならなにかあったの?」

提督「いや、昔のことを少し思い出していた」

那珂「へぇ」

提督「……疲れているだろ。鎮守府につくまでは寝ていていいぞ」

那珂「ヤダ!」

提督「はぁ?」

那珂「提督のこと信頼してるけど男の人に無防備な寝顔見せるなんてアイドル失格だもーん」

提督「ほぅ。やはりお前はたいしたものだな」

那珂「でしょ? ふふーん!」

提督「あはは……なぁ、お前はつらいことがあったらどうする?」

那珂「んー? どったの?」

提督「いいから。ちょっとした疑問だ」

那珂「? えっと、私ならとにかく誰かに歌を聞いてもらうよ?」

提督「はぁ? どういうことだ、さっぱり分からんぞ」

那珂「だって歌ってれば自分が楽しいし、ほかの人がそれを見て笑顔になってくれるかもしれないでしょ? そうすれば笑顔の二乗で四倍の楽しさだよ」

提督「四倍のくだりは分からんが、なるほどな」

那珂「ねぇねぇ、それなら提督はどうするの?」

提督「……とにかく仕事をする」


那珂「えぇ? つらいときぐらいは楽しいことしないと駄目だよ?」

提督「……そうだな」

那珂「むー……ねぇ、それなら提督ってなんで手品好きなの?」

提督「は? それはもちろん話のタネになるから――」

那珂「はぁ……」

提督「……なんだその反応は?」
 
那珂「ううん、きっとその理由は違うよ。提督ってそんな実利一辺倒で物事続けられる人じゃないと思うの」

提督「む。ではなにが理由だというのだ?」

那珂「それはもちろん手品やってる間は皆が笑顔だからだよ!」

提督「……」

那珂「あ、あれ? ダメだったかな?」

提督「いや」

那珂「そ、そう?」

提督「笑顔な、笑顔……ふむ」

那珂「……なんかいやな予感するなぁ」

提督「なにがだ?」

那珂「う、ううん? 気にしないで」

提督「そうか」ニッゴリ

那珂「……」

提督「……な、なんだ」

那珂「いや、そんないやらしい感じで見られても……那珂ちゃん、提督のこと尊敬してるけどアイドルだから……」

提督「!? う、うるさい! そんな気などないわ!」

那珂「えぇ……本当かなぁ?」

提督「当たり前だ! なんなんだ、まったく!」

 那珂編 艦

というわけで那珂編 艦です。お待たせしました。
タシュケントのレベル上げしながらだったので遅くて申し訳ありません。
この後ですが会社呼ばれたので少し見に行ってきます……神威編についてはコンマだけ投げて明日の朝更新させてください。西村艦隊のコンマもその際にやります。
次回ですが今日の帰る時間しだいだけど多分、09:00には更新できると思います。

提督から神威への感情度 ↓コンマ以下
神威から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

……は? なにが起こったんや!?
ここにきてすごいコンマ続きますね。
両者コンマが90overです! 好感度コンマに移ります!

提督から神威への好感度 ↓コンマ以下
神威から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

つかず離れず……有能
それはそうと提督、補給艦好きですね……

提督から神威への感情度:95 提督から神威への好感度:56
神威から提督への感情度:91 神威から提督への好感度:52

それでは落ちます。失礼しました。

>>1です。まず安否を心配してくださる温かいお言葉有難うございます。
あのあと会社で色々と吐いてしまって課長に支えられながら病院いったんですが、そのまま胃潰瘍で入院してました。前やったときより痛みはないのに症状が重いとかね、よくわかんないですね、うん……
とりあえず退院して落ち着いてきたので更新、再開していきます。重ね重ね申し訳ありませんでした。

この後、会社に顔出して来て帰り次第更新していきます。

帰ってきました。それでは更新していきます。

本当にご心配おかけして申し訳ありません。会社のほうでも当分の間、微妙な仕事は課長がかわってくれるそうなのでゆっくりと>>1もやっていきますのでご安心していただければ幸いです。
……あとは巨人とかじゅきが勝てばわいの胃は回復するはず

 
 ――20:40――

 鎮守府 正門前

那珂「提督、今日もありがとね! あー、また早くライブしたいなぁ!」

提督「うむ。ああ、そういば商店街の催しも近かったな。よし、そこでもなにかできないか聞いてみるか」

那珂「やった!」

?「ん? あ、提督と……那珂じゃん」

那珂「うわ……」

川内「なによそれ」

那珂「別に」

川内「……なんなのよ、それが姉に対する返事?」

那珂「だから別になんでもないって言ってるじゃん」

川内「あっそ、もういいよ。ねぇ、それより提督どこかでかけてたの?」

提督「ああ、少し孤児院にな」ニヤァ

川内「……え?」

提督「どうした、川内」ニタリ

川内「……あ、いや、なんでもないです」

提督「ふむ、そうか。それよりも珍しく敬語をつかったな」グフフ

川内「あ、はい」

提督「くっくっく……そうか、これか。これだったのだな!」

川内「ひぇ!?」

提督「よしよし、それでは私は資材倉庫の方をみてくる。那珂、ご苦労だったな」フッフーン

那珂「あ、うん、気を付けてね……」

提督「アッハッハ!! うむ、うむ」

川内「……ちょ、ちょっと提督どうしたのよ!? あんたのせいでおかしくなってるじゃない!」

那珂「えぇ……? 別に那珂ちゃんのせいじゃないし」

川内「あわわ……弥生連れてこないと……!」

那珂「えー? 提督のことだから大丈夫だよ」

川内「うっさい!」


 鎮守府 資材倉庫 管理室

速吸「うーん、やっぱり目標にはボーキサイト鋼材がちょっと足りないですね。レイテで不穏な雰囲気だっていうからもう少し備蓄しておきたかったんだけどなぁ」

神威「ええ、遠征部隊の人たちも頑張ってくれてるんですけど……」

速吸「うーん、しょうがないといえばしょうがないんですよね……後方からの資源が少しとはいえ減ってるんですし」

神威「……女提督さんも提督にあれだけ目をかけてもらっているのだから本当はもう少しは努力してもらわないと困るんですよね……」

速吸「あ、あの、あんまりそういうことはいわないほうが……」

神威「うっ……や、やっぱりそうですよね、ごめんなさい……」

速吸「と、とにかく速吸たちは鎮守府の資材を預かってる身です! なんとしてでも目標に到達するような計画をご報告しなきゃいけません!」

神威「勿論です! そのための遠征再編案を考える会議ですもんね」

速吸「はい! それじゃあさっきの続きのところから考えていきましょう!」

神威「ええ、やっぱりこの――」

 コン! コン!

神威「――ん? こんな時間にだれでしょう?」

速吸「え、えっと提督か赤城さんじゃないですか? はーい、今、開けます!」

 ガチャ

提督「なんだ、明かりがついてると思ったらまだいたのか」ニッゴリ

速吸「……」

 バタン!

提督「おい! なぜ閉めた! あけんか!」

速吸「はぁはぁ……」

神威「……? 速吸さん、提督じゃなかったんですか?」

速吸「た、たぶん提督だったと思うんですけど……う、うん」

神威「??」

明石も好感度カメラが作れる超技術があるなら弥生に協力してもらって
提督語が翻訳できるアドミラリンガルでも作ればいいのに

かじゅき、提督、ハゲ、うっ、頭が…


速吸「ふぅ、すぅー……大丈夫、今のは見間違い! 速吸、行きます!」

 ガチャ

提督「おい、さきほどの行動はなんのつもりだ。冗談だとしても面白くないぞ」

速吸「あ、よかったぁ……やっぱり見間違いだったんですね!」

提督「はぁ?」

速吸「いやぁ、提督さんがすっごい悪い顔してるように見えたのでびっくりしてしまいまして」

提督「なんだそれは……そんなわけないだろ」

速吸「ですよね、ですよね! あ、こちらにどうぞ。ちょうど神威さんと遠征の再検討してたところなんです。よいしょっと」

提督「ほう……遅くまで頑張っているようだな」ニタリ

神威「!?」

速吸「あれ、神威さん、どうかしましたか?」

神威「い、いえ、多分、私も見間違いだと思います」

提督「? そうか。あまり根を詰めるなよ、数字を見間違いましたなどと言って誤った資料を出されてはたまらん」

神威「は、はい」

提督「で、なにか改善案は見つかったのか?」

神威「え、えっと……まだこれといったものは……すみません」

提督「いや、いい。私も少し手伝おう」

神威「は、はい」

速吸「それでは提督、こちらの予定表をご覧ください。現状、高速修復剤と石油を中心にしていて――」

提督「ふむ、ふむ……」

神威「……」

セ界の借金独り占め
胃の回復は遠そうですね


 ――21:50――

 鎮守府 資材倉庫 管理室

神威「天龍さんたちにはもうしわけないとおもいますがやはり今以上に回数を――」

速吸「いや、だからそれはみなさんの疲労を考えたらやめたほうがいいって言ったじゃないですか」

神威「けど――」

提督「はぁ……」

神威「す、すみません。軽率でした」

提督「いや、そういうわけではないのだ。やはり今以上の効率を得ようとするのは難しいと思うとどうしても、な」

速吸「……あ、あの対潜部隊と水雷戦隊から駆逐艦を何隻かまわしてもらうって言うのはどうでしょう?」

提督「どちらも人員を増やせてせっつかれている。難しいだろうな」

速吸「あう……」

神威「あ……では七駆の皆さんはどうでしょう? あの子達は一航戦の直属ですけど、赤城さんが秘書艦になられてからあまり出撃していないですし」

提督「七駆か……うーむ、第一水雷戦隊を私の直属にまわしたままだからな。先日の馬鹿げた騒ぎでも功績のあった赤城からこれ以上、戦力を取り上げるというのは無理筋だ」

神威「うっ……しかし、臨時的なものでしたらどうでしょうか」

提督「ふむ……分かった。赤城と協議してみよう」ドロッ

速吸・神威「「!?」」

提督「な、なんだ?」

神威「て、提督、どうしたんですか!? さっきからもの凄いお顔を時折されますけど、どこかお加減がよろしくないんですか!?」

提督「は? 別に――」ニッカリ

速吸「あ、明石さんをよんでくるのでちょっと待っててください! 神威さん、提督さんをお願い!」

神威「は、はい!」

提督「ま、待て! 私は別に――」

 バーン!

川内「ほら! 弥生、おきて! 提督が変なんだよ!」

弥生「うっ……眠い、のに……」

提督「な、なんだ! この騒ぎは!?」

交流戦で確変するから…


速吸「せ、川内さん! ちょうど良かった! 明石さんを――」

川内「うっさい! それより弥生よ!」

神威「うっさいって……そんな……」

川内「ほら、弥生!」

弥生「うっ……こんばんわ……」

提督「あ、ああ」ニッタリ

弥生「……!?」

川内「ど、どうしたの?」

弥生「あ、あの……これは……弥生も、みたことないです……大変かも」

川内「!?」

神威「ほら! 明石さん、つれてくるべきじゃないですか!」

川内「うぐっ……!?」

提督「……もういい、原因は分かった」ボソッ

速吸「え、えっと何かおっしゃいましたか?」

提督「もういいといったのだ! なんだ貴様らはそれでも私の鎮守府の艦娘か!? 上官を馬鹿にしおって! 川内はともかく神威や速吸までこんなことをされるとはおもっても見なかった!」

川内「ちょっ!? わ、私にそんなつもりは――」

提督「うるさい! うるさい! 人が笑顔で話をしてやろうとすればこの仕打ちだ! それも信頼している艦娘3名に裏切られるなど、お前たちは私をスターリンにでもしたいのか!?」

弥生「……え、笑顔……ま、まさか……」

速吸「あ、あの意味が分からないんですけど……」

神威「……信じたくないけれどあの表情って提督の笑顔だったってことじゃないでしょうか」

川内「えぇ……!? あ、ありえないでしょ……」

提督「……おい、神威」

神威「は、はい!」

提督「一つ聞くが本気で言っているのか?」

神威「も、勿論です! 神威たちが提督を馬鹿にするなんて絶対にないです!」

提督「……そうか」

弥生「で、でも……ま、前は……もうちょっと、自然な感じだったおもいます……」

提督「ああ……蒼龍に言われて少し練習してみていたのだがな」

弥生「悪化してる……」

提督「うるさい……」

>>202
去年は暗黒大連敗で交流戦10位だったんですがそれは(無慈悲な追い打ち)


神威「う、うーん……け、けど、いきなりどうしたんですか?」

提督「那珂に言われたのだ。『笑顔の二乗で四倍の楽しさ 』と」

川内「やっぱあいつが犯人じゃん……」ボソッ

速吸「え、なにかおっしゃいました?」

川内「別に。こっちのことだから」

速吸「は、はぁ」

弥生「……う、うーん……わからない……」

提督「ふん……で、あれば結構だ。もう2度とこんなことはせん」

弥生「……すねちゃった……」

提督「まえから言おうと思っていたが拗ねるなど子供のようなことを栄えある帝国海軍の一員である私がするわけないだろ!」

弥生「……」

提督「な、なんだ、その目は!」

神威「ま、まぁまぁ、抑えてください。弥生ちゃんも悪気があるわけじゃないんですし」

提督「なにがまぁまぁだ。悪気がなければ許されるのであれば瑞鶴は今頃、空母の中心的存在になっているわ!」

川内「あ、あはは……」

提督「笑い事ではない!」

神威「あ、あの」

提督「……なんだ」

神威「提督は無理に普段とちがうことをしないほうがいいと神威は思います」

提督「ふむ……しかし、それではいつまでも――」

神威「いいじゃないですか、神威や速吸さんは提督のこと尊敬してます。川内さんも弥生ちゃんもそうですよね?」

川内「うん、勿論だよ!」

弥生「え……そ、尊敬は……」

神威「ほら! 提督が無理をなさることはないんですよ」

提督「……」

神威「提督はとっても凄い方なんです。皆さんもそのうちわかってくれてますよ!」

提督「そ、そうだろうか」

神威「はい!」

弥生「……甘やかしちゃ、駄目――むぐ」

川内「静かに」

弥生「……」コクコク


神威「提督以外にこんなに兵站を重要視している鎮守府司令官はいませんし、戦果も一番です、えっと……それに、あ、あれです! 何事も誰にも負けないぐらい一生懸命にがんばってらっしゃるじゃないですか! ね、ねぇ、速吸さん!」

速吸「そ、そうです! ですからなれないことはなさらないほうがいいと思います!」

提督「……ふむ、そうだな。確かにそうだ」

速吸「ほっ……」

提督「よし、それではお前たちそこませいうなら鎮守府の連中にいかに私が素晴らしいか伝えるのだぞ」

神威「はい! 尊敬できて頼れる一番の上官だって皆に分かってもらえるようにがんばります!」

速吸「えっ……」

神威「ど、どうかしましたか?」

速吸「い、いえ……」

提督「はっはっは……!! うむ! 先ほどの提案だが赤城とは前向きに話あっておくので、お前たちもよろしく頼むぞ!」

神威「はい!」

速吸「……は、はい」

弥生(これ……大丈夫、かな……?)

 神威編 艦

というわけで 神威編 艦 です
この微妙さが80代と90代の違いみたいな……100は……うん……

つぎは睦月ですね……にゃしい……

提督から睦月への感情度 ↓コンマ以下
睦月から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

>>197
ほんそれ
一応、近い感じのネタは六駆のコンマ開放して明石さんとのお話を選ぶといきます

>>198
なんでや! ふさふさやろ!
……今年もおーいとは呼びかけられなさそうですね

>>200>>202>>204
ポジ要素は去年よりあるから……こ、小林とか岡本とか……
あと田口はともかく菅野は戻すとおもうんです、それに6月には陽と畠も帰ってくると思うし……
巨人というより由伸のファンなので今年だけは、今年だけは優勝させてクレメンス……

これはだれも傷つかない素晴らしいコンマ

提督から睦月への感情度:69
睦月から提督への感情度:63

続いて西村艦隊ですね。

扶桑から時雨への感情度 ↓コンマ以下
時雨から扶桑への感情度 ↓↓コンマ以下

扶桑から山雲への感情度 ↓↓↓コンマ以下
山雲から扶桑への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

おまけ

睦月から如月への感情度 ↓×5コンマ以下
如月から睦月への感情度 ↓×6コンマ以下

ここに来て荒れる西村艦隊コンマ……姉さまはしゃーない、時雨に切り替えていく
とりあえず睦月から如月への感情度が90overです。好感度コンマに移ります!

睦月から如月への好感度 ↓コンマ以下
如月から睦月への好感度 ↓↓コンマ以下

くっそ……この姉妹でこんなコンマ出すとか……神はいるんやね、ぷっくぷー
一つずれても01とかいうのがアレですわ。

睦月から如月への感情度:98 睦月から如月への好感度:93
如月から睦月への感情度:55 如月から睦月への好感度:09

西叢雲艦隊ですが、姉さま……
ちなみに時雨はなんで髪飾りもらったの……?

扶桑から時雨への感情度:75
時雨から扶桑への感情度:27

扶桑から山雲への感情度:23
山雲から扶桑への感情度:11

本日はここまでです。それではおやすみなさい

帰ってきました
15時から半ぐらいで更新していきます

※今回、レスを変えない軽い場面転換を行う場合2行あけています。見辛かったらすみません。

――12:00――

 鎮守府 中央広場

赤城「最近、めっきり冷えてきましたねぇ」

提督「そうだな。こんな日は体を動かしたいものだ」

赤城「ええ、そのあとに善哉でもいただきたいものですね。あ、どうです? このあと間宮にでもよっていきませんか?」

提督「……お前と間宮か。やめておく」

赤城「はぁ、残念です」

提督「……ん? あれは」

?「この間の睦月の活躍を聞いてほしいのね! とってもがんばったから褒めてほしいにゃしい!」

?「そう……」

提督「おい、睦月」

睦月「およ? 提督、どうかしたかにゃ?」

提督「……お前、もとから馬鹿とかいうか阿呆のような話し方をしていたがそんなにひどかったか?」

睦月「え~、そんなことないぞよ」

提督「……赤城、お前はどう思う」

赤城「え? あ、いや、私はあまり睦月と親交がないので……すみません」

提督「む、それもそうか……」

睦月「およよ、それよりも睦月は如月ちゃんとお話ししてたところで――」

如月「じゃあ、司令官もいらしたことだし私はこれで……」

睦月「あ! き、如月ちゃん、待ってほしいにゃしい! まだお話が――いっちゃった……もう! 提督のせいぞよ!」

提督「……そ、そうか」

睦月「しょうがないから夕張さんのところにいって遊んでもらうにゃしい。にゃはは……忙しくても睦月をかまうがよいぞ! よいぞ!」

提督「……」

赤城「て、提督?」

提督「……夕立と吹雪のところにいくぞ」

赤城「え? 何のためにそんなことを?」

提督「この前に睦月と長らく広報の任務をさせていただろ。あれらなら睦月の緩かった頭のねじが吹っ飛んだ原因がわかるやも知れん」

赤城「ああ、なるほど。しかし、二人とも所属が違いますがどちらから向かわれますか?」

提督「ふん……この時間であればどちらも食堂にいるだろ。問題ない」

赤城「もうお昼ですもんね。あの、それなら私達もご飯食べていきませんか?」

提督「結構だ。腹が減ったのなら一人で食べて来い」

赤城「そうですか。はぁ……」

提督「おい、ぼやぼやするな」

赤城「はい、はい」



 ――12:30――

 鎮守府 食堂

川内「あ、吹雪、またピーマン残してる」

吹雪「うっ!?」

川内「はぁ……他の鎮守府じゃまともに食料も届かないところもあるんだよ? ナポリタンのやつぐらいはすくないんだからちゃんと食べないと駄目じゃない」

吹雪「ご、ごめんなさい……」

川内「扶桑みたいになりたい云々いってるらしいけど、そんなんじゃ道のりは遠そうだね。まぁ、二水戦の清霜みたいに無理して食べろとはいわないけど出されたものぐらいはちゃんと、ね?」

吹雪「はい……うぅ、でもにがいんだよなぁ……」

綾波「あ、あの良ければ綾波が食べましょうか?」

川内「甘やかさないの!」

綾波「す、すみません」


那珂「はーい、四水戦の皆は食べながらちゅーもく」

夕立「ぽい?」

村雨「あら、夕立、お口のまわりケチャップでまっかよぉ」

夕立「んー、ふいて、ふいて」

村雨「はい、はい」

那珂「それじゃあ午後の訓練の予定伝えるよー! まずは外周走って、そのあとは海に出て連携の確認ね? ちゃんと波のこと考えて動くようにねー」

嵐「なぁなぁ、那珂ちゃんさん」

那珂「なぁに?」

嵐「俺たちだけ毎日走ってるけどもういいんじゃないか? もっと派手にさぁ砲雷撃戦の訓練とかやろうぜ」

那珂「だーめ。基礎体力はなによりも重要なんだからこれからも毎日やるよー」

嵐「えー?」

那珂「はい、はい、それじゃあ連絡終わり。ほら皆、ちゃんとお昼たべないと時間なくなっちゃうよー!」

四水戦一同「はーい」


神通「……」モクモク

不知火「……」モキュモキュ

雪風「……」パクパク

陽炎「……」モグモグ

清霜「……うっ!? で、でも、まだ食べ……」バク……バク……

黒潮(い、いつもながらに賑やかな食堂でこれはきまずいわぁ……おっし、ちょっとかましたろかな)

黒潮「あ、あんのぉこないだのテレびなんですけど――」

神通「食事は静かに速やかになさい」ギロッ

黒潮「あ、はい……申し訳おまへん……」


赤城「あら、提督の予想が当たりましたね。第一水雷戦隊以外は全員揃ってますよ」

提督「ふん……予想も何も当たり前だろ」

赤城「まぁ、それはそうなんですけど。ほら睦月もいますよ」

提督「……そうか」チラッ


睦月「夕張さん、このまえ訓練頑張ったって褒めてくれたからご褒美ほしいにゃ」

夕張「えっ!? う、うーん、なにがほしいの?」

睦月「愛がほしい!!」

如月「……」

夕張「うえっ!? 愛ぃ!? 花の藍じゃなくてLOVE!?」

睦月「うっしっし……おどろきすぎにゃしい、冗談ぞよ」

夕張「……うぐぅ」


提督「はぁ……頭が痛い。いいから号令をかけろ」

赤城「はい、はい……提督より連絡があります! 総員、傾注!」

 シーン……

提督「ごほん……吹雪、夕立の2名は食事が終わり次第執務室に出頭せよ。以上」

赤城「以上で連絡を終えます」

提督「よし、それでは執務室に戻るぞ」

赤城「えぇぇ……本当にご飯食べないんですか?」

提督「くどい」

赤城「はぁ……折角、お昼一緒にいただけると思ったんですけどねぇ……」


川内「……吹雪、なにやったのよ?」

吹雪「なにもやってませんよ!?」

川内「ふーん」

吹雪「うわぁ……絶対に信じてくれてないよぉ……」



 ――13:00――

 鎮守府 執務室

提督「……」カリカリ

蒼龍「……ふわぁ」

提督「おい、執務中にあくびをするな」

蒼龍「す、すみません……私、これぐらいだとちょうど気持ちよくて……」

霧島「ああ、確かに私も暖房入ってると眠くなりますね」

提督「む! 寒いのだから暖房を入れるのは当たり前だろ! そんなにあたたかいのがいやならシベリアにでもいけ」

蒼龍「いや、なにもそんないわ無くても……」

提督「前からいおうと思っていたが最近、赤城以外たるんで――」

 コン、コン

提督「――チッ。 入れ」

吹雪「失礼します! 駆逐艦・吹雪、出頭しました!」ビシッ

夕立「おなじく夕立、出頭したっぽい」ビシ

提督「ご苦労」

吹雪「あ、あの、それでなんで私達をおよびになったんですか……? も、もしかしてなにかやらかしちゃったとか」

夕立「吹雪ちゃん、さっきからそればっかりぽい」

吹雪「いや、だって食堂で司令官から呼び出しうけたのなんて初めてだよ!?」

夕立「昔はよく合ったよ」

吹雪「うぇ、そうなの」

夕立「ぽい」

提督「おい、なにをぐちゃぐちゃいっている」

吹雪「す、すみません!」

夕立「ぽーい」

提督「はぁ……今回、お前達を呼び出したのは他でもない睦月の件だ」

吹雪「え。睦月ちゃんですか?」

提督「そうだ。例の広報の仕事で――む」

夕立「あ、いいなぁ……! 蒼龍さん、かりんとう頂戴!」

蒼龍「!? え、え、なんで気づいたの?」

夕立「においがしたっぽい」

蒼龍「臭いって犬じゃないんだから……」

夕立「それより頂戴、頂戴」

蒼龍「あ、うん……はい」

夕立「やった!」

提督「おい! 夕立もちゃんときけ!」

夕立「えぇ? だって睦月ちゃんのこと夕立あんまりしらないっぽい」

提督「はぁ? あれだけ広報で一緒だったのだからそんな分けないだろ」

夕立「だって、他の軽巡の人たちと違って那珂ちゃんさんは夕立たちの鎮守府の那珂ちゃんさんだったから撮影のとき以外は夕立、那珂ちゃんさんとずっと一緒だったぽい」

提督「……なるほどな、頭が痛くなりそうだが事情は分かった」

夕立「でしょ?だから夕立は蒼龍さんと遊んでてもいいっぽい?」

提督「だめに決まってるだろ!」

夕立「ちぇー」


提督「では吹雪、お前に聞きたいのだが睦月があれほどパッパラパーになった理由はわかるか?」

吹雪「え、いや、うーん、睦月ちゃんてもとからちょっとアレじゃないですか……?」

提督「そんなことはわかってる! しかし、あれほどあーぱーな感じではなかっただろ! 今日の様子を見ているとさすがに度を越えている! あんな状態で町に出してみろ、海軍は間抜けの集まりだと思われるぞ!」

吹雪「えぇぇ……そこまでひどくないですよ……」

提督「ひどい! 惨状だ! 大惨事だ! 利根や筑摩にも服装で注意したがお前達はいまや海軍の顔でもあるのだぞ! 私を見習ってもう少し周囲に気を配れ!」

夕立「提督にいわれちゃおしまいっぽい」

提督「なんだ、なにかいったか?」

夕立「ううん」

提督「ちっ……吹雪、今なら見逃してやる。あれはどうしてあんな風になっているのだ」

吹雪「そういわれても私もちょっと……広報のお仕事のときの休憩時間は扶桑さんとか川内さんにずっと電話かけたりしてたので……」

提督「つかえんやつらだな」

吹雪「うぐっ……なにもそこまでいわなくても……」

提督「事実をいったまでだ」

吹雪「……」

夕立「あっ……そういえば」

蒼龍「ん? どうしたの?」

夕立「そういえばあの広報のとき、睦月ちゃんずっと『にゃしい』っていってなかったっぽい」

提督「はぁ? それで?」

夕立「それでたまに『よいぞ、にゃしい、にゃ』ってぶつぶついってたから、その反動が出たのかも知れないっぽい」

提督「そんな馬鹿な」

夕立「むぅ! 夕立もいつもよりぽいぽい言わされたから分かるけどいつもと口調が違うのは結構キツイっぽい!」

吹雪「いつもぽいぽいいってるじゃん」ボソッ

夕立「は?」

吹雪「あ、いや、なんでもないよ……」

提督「そ、そうか……いや、おまえの意見は分かった。下がっていいぞ」

夕立「ぽーい」

吹雪「あのぉ、私も退出していいんですか?」

提督「はぁ……当たり前だ。何の役にも立たなかったお前が残ってどうするつもりだ? まさか、呼び出されたのを幸いに訓練をサボる腹積もりでもあったのか? ん?」

吹雪「ひどい! 酷すぎる!」


 ――14:50――

 鎮守府 中庭

睦月「にゃしい……よいぞ、よいぞ……いいかんじにゃしい」コウコツ

如月「うわぁ……」

弥生「睦月姉さん……大丈夫……?」

睦月「大丈夫にゃしい……うひゃひゃひゃ」

弥生「……」

漣「うわぁ……大変なことになっちゃったぞ」

曙「……漣、あんたもはたからみたらあの一歩手前よ」

漣「ファッ!?」

曙「それが駄目だっていってるのよ!」

漣「うぐっ……なんもいえねー」

曙「はぁ……」

漣「あぁ、ぼのたん、たんま、たんま! おいてかないで!」

睦月「やっぱり我慢は体にわるいにゃ。これからも存分に睦月は睦月語を使うにゃしい! みてて、如月ちゃん!」

如月「……そう。ほら弥生、ちょっと向こうにいきましょう」

弥生「はい……」

睦月「およ、待ってほしいにゃし――」

提督『駆逐艦・睦月。執務室に出頭せよ! 繰り返す! 駆逐艦・睦月、執務室に出頭せよ!』

睦月「はれ? しょうがないにゃ、それじゃあ睦月、執務室にいってくるにゃしい! 如月ちゃんも弥生もちょっと待ってってほしいにゃ!」

如月「……」

弥生「あ、あの……如月姉さん……?」

如月「はぁ……もうすぐおやつの時間ね、お買いものにいきましょうか?」

弥生「あ、はい」



 ――15:00――

 鎮守府 執務室

睦月「睦月を呼びましたかー?」

提督「……驚いたな、私も色々と艦娘を見てきたがノックも名乗りもしなかったのはお前が初めてだ」

睦月「えぇ? 名乗ったぞよ」

提督「……そうか、そうか」

睦月「越谷、千住の先にゃしい」

提督「……」

赤城「て、提督、顔が真っ赤ですがまた血圧が――」

提督「うるさい!」

赤城「す、すません……」

睦月「ほ、ほよ……」

提督「はぁはぁ……睦月、お前は少し前までもう少ししっかりしていたではないか。あの曲者ぞろいの長女としてそれなりにまとめているお前のことをそれなりに――いや、うん、評価をしていたのだぞ?」

睦月「そ、それはとってもうれしいにゃしい」

提督「しかるになんだ、それは!」

睦月「そ、そっれっていわれても……」

提督「別に『にゃしい』とか『ほよ』とかいうなとはいわんが今は度を越えている」

蒼龍「……あの、提督」

提督「は? なんだ?」

蒼龍「聞こえなかったんでもう一度いってください」ゴソゴソピッ

提督「はぁ? ……別に『にゃしい』とか『ほよ』とかいうなとはいわんが今は度を越えている」

蒼龍「ぷっ……あ、ありがとうございます」

提督「ん?ゴホン……とにかく睦月、もう少し回りからの目を考えろ」

睦月「うっうう……はい。ちょっと睦月も意地になってたかもしれないにゃしい」

提督「……おい」

睦月「で、でも、これは広報の活動のせいでなったからPTSDみたいなものだってことはわかってほしいにゃ」

提督「PTSDぃ?」


睦月「そ、そう! 無理やり口調を強制させられたから――」

提督「本気で言っているのか?」

睦月「うぐ……ちょ、ちょっと皆に会えないお仕事が終わったから調子に乗ってたのは事実です……。だけどにゃしいっていいたくなるのは事実にゃしい……」

提督「はぁ……お前の言いたいことはわかった。よくよくわかった。とにかくやめろとは言わんが必ずわけのわからんことをいうような現状は改善しろ。さすがに見るに絶えん」

睦月「……にゃしい」

提督「周囲の人間にどのように自分の発言がとられるかよくよく考えるのだな。下がっていいぞ」

睦月「はーい……」

 バタン

提督「……なんなのだ、この鎮守府は。こんなことが許されるのか! 素行という言葉を使うのがはばかれるが派閥の次は素行の問題か!」

蒼龍「いやぁ、提督がそれ言うんですか?」

提督「は? どういう意味だ」

蒼龍「あ、いや、なんでもないですよ、あはは……」

提督「ちっ……」

赤城「で、睦月の件はこれでいいんですか?」

提督「いいと思うしかないだろ……」

赤城「それもそうですねぇ……」

提督「睦月ね、睦月……そういった意味では漣あたりが不安だ。あいつもあの調子で馬鹿な真似を外でもしているのではないか?」

蒼龍「いやぁ、それは偏見じゃないですか?」

提督「普段がアレだからな……おい、赤城、そこのところはどうなのだ?」

赤城「漣は大丈夫ですよ」

提督「なぜいいきれる?」

赤城「私の直属ですよ? 問題があるはずがありません」

提督「……それは理由になってないだろ。今夜にでも様子を見に行くとする」

赤城「い、いや、やめたほうが……それになにかあれば私からちゃんと言って聞かせますから!」

提督「だめだ、すでに決定した」

赤城「うぐ……厄介なところに飛び火した気がします……」

 睦月編 艦

というわけで 睦月編 艦 です
いや、うん、ゲームでもこんなににゃしいっていってないはずです……
夕立もそうなんだけど口調の頻度ってどんなもんかなって考えるのが結構難しいのでそのままネタにしました。
毎回言ってる気がするけど睦月好きな提督は申し訳ないです。
あと2行あけるのは思ったより見づらいですね……やっぱりレスばらしたほうがいいのかもしれないです。そこらへんご意見いただければ幸いです。

続いて西村艦隊コンマです。姉さまラストで今回から最上へ突入していきます。

扶桑から朝雲への感情度 ↓コンマ以下
朝雲から扶桑への感情度 ↓↓コンマ以下

最上から満潮への感情度 ↓↓↓コンマ以下
満潮から最上への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

ご協力ありがとうございます。
ミッチにも最上って言うよりどころがあったんやなって……しかし、再放送みたいなコンマですね
最上はあと3人+姉妹抑えれば天使になれるよ!

扶桑から朝雲への感情度:46
朝雲から扶桑への感情度:70

最上から満潮への感情度:48
満潮から最上への感情度:70

というわけで今日はここまでになります。
明日ですがちょっと忙しいかもしれないので多分、お休みします。その際は報告いれます。
今日はいけそうですね。うへへ……

これでもし最上が提督に対して低い値、他の最上型にも言えるけど鈴谷と提督の仲の良さに嫉妬か良く思ってないって事になるから惨劇は回避したいところかも

好感度ブレイカーになりつつあった満潮もモガミンの魅力には勝てなかったようだな

イッチは頑張らずにゆっくり休むんやで…


病気療養は静養が肝心だぞ

今日のイッチは飯がうまいやろなあ
スポーツニュースもはしごか?

明石「できました!! どんな試合結果も巨人の大勝に見えるメガネです!!!」

>>251
わい阪神ファン。イッチの胃のために無事死亡

都リーグ2位だしまだまだこれからよ

帰ってきました。会社で巨人戦見てたけど田口、期待してなかったけど結構いけるやん!
明日は仕事お休みなんですが課長と出かけるので今日・明日と更新お休みします。申し訳ない。

>>247
30~89の間を繰り返せばいいだけだから簡単ですね(暴論)
……そろそろ仲良し姉妹が>>1もほしいところです。

>>248
ここからミッチの巻き返しに期待!
ゆるゆるとやっていきます、ありがとうございます。

>>249
ありがとうございます。
ここでやさしい言葉もらって会社のほうでも気を使ってもらってるし、本当に人に恵まれたと実感します。

>>250
メシウメではあったんですが、ちょっと菅野に不安を感じました。かなりスライダー抜けてたようにみえたし、あれ広島打線が調子良かったらやばかった気がします。
シンカーはもう絶対になげるべきじゃない(断言)

>>251
なんでや! 昨日はそんなんいらんぐらい大勝やったろ!
今日もポジれるので、まぁ……ねぇ?

>>252
贔屓でもないのにこういうと失礼かもですが大山いいですね。去年とか順位は下だし、期待の若手出てるしでクッソ羨ましかったわ……
昨日とかも打線が繋がれば普通にいけたし、藤波復調でポジれるやん。今日のは結果だけ先見てからダビングしたの見てるんですが……うん、勝負事やし、こういう日もあるよ……

>>253
そうですよね、まだまだいけるやん――って、それ2位じゃ大体ヤバイやつやん。
ただこのままけが人でなければ、普通にヤクルトAクラスあると思います。

いま仕事終わったんですが、これ以上あけるのもなんなので帰ってから眠くなるまで
更新します。
中途半端になりそうですがそろそろ書きたいのでよろしければお付き合いください。身勝手な言い分で申し訳ありません

一回、寝て起きました。それでは更新いきます。

 XX06年 5月

 ――12:30――

 軍令部 士官用食堂

龍驤「……艦載機がなんでとぶんかですか?」

提督「ああ、ほかの空母もそうなのだがなぜ紙や矢が艦載機に変わるのだ。君たちの運用を考えるにしてもそこらへんの理屈が分からんのではうまくいかないとおもってな」

龍驤「はぁ、なるほど」

提督「気の抜けた返事だな」

龍驤「あ、いや、すんません。ただウチもそこらへんはちょっと分からんというか……」

提督「はぁ?」

龍驤「うーん……なんていえばいいんかなぁ。提督はんはどうやって生きてるんです?」

提督「質問の意図が分からないな。哲学何かか」

龍驤「いやぁ、そういうわけやないんです。うーん、意識して呼吸したり心臓動かしてるわけちゃいますやん?」

提督「……なるほど。無意識のうちにできていることだから説明できないといいたいのか?」

龍驤「そういうこうことです」

提督「ふむ、君たちがわからんというのであれば艦載機について解明するのは難しいかも知れないな」

龍驤「……あの、それよりウチ本当にここでご飯食べても良かったんですか?」

提督「ん? 別に私が一緒にいればかまわんだろ」

龍驤「はぁ」

提督「ふむ、それでは午後は艦載機を実際飛ばしてもらうか……いや、ここはもう少し話あってみるべきか……」ブツブツ

龍驤「……」モキュモキュ

西方海域司令長官「提督」

提督「うむ、やはりもう少し話あってみる――」

西方海域司令長官「提督!!」

提督「!? か、閣下!? し、失礼しました!」ビシッ!

西方海域司令長官「べつにそこまでかしこまらなくても良い」チラッ

龍驤「……」

西方海域司令長官「……最近は指揮官のところでずいぶんとがんばっているようだな。私の耳にも君の話は聞こえてきているよ」

提督「閣下にそういっていただけるとは恐縮です。いっそう奮励努力する所存です」

西方海域司令長官「ああぁ、うん。それとあれだ……」

提督「?」

西方海域司令長官「ここは士官用の食堂だ。なんだ、うむ……」

提督「……失礼しました」

西方海域司令長官「いや、別に私はかまわんのだが、うむ。あれだ、わかるだろ?」

提督「はい」

西方海域司令長官「うん、分かってくれたのなら良いんだ。食べたら中庭あたりで休むといい」

提督「……お心遣い感謝します」

西方海域司令長官「はぁ……もう少し海軍というのは開明的な所だと思っていたのだがなぁ」スタスタ

提督「……龍驤、それを食べたら閣下のおっしゃったように中庭に行こう」

龍驤「……あい」


 軍令部 中庭

提督「……」

龍驤「……」

提督「そ、そうだ! 龍驤にはなにか趣味はあるのか?」

龍驤「……いえ、別にこれといって」

提督「そ、そうか……わ、私は最近、手品にこっていてな! みてみたくないか!?」

龍驤「……」

提督「うぐっ!? ほ、ほら、見てみろ、袖からカードがだな――」

龍驤「……」

提督「……すまん。いまだに自分たちの活躍の場を艦娘にとられたなどと考えるやからは多いのだ。」

龍驤「散々、そんなことは言われとるんで知ってますわ」

提督「う、うむ……そうか」

龍驤「まだ戦果あげてる戦艦や水雷戦隊はともかく、うちら機動部隊は無駄飯ぐらいやから皆言いたい放題なんですわ、あはは……」

提督「う、うむ」

龍驤「……ほかに用がないならうち部屋に戻ります」

提督「ま、待ってくれ。まだ聞きたいことがあってな……すまんがつきあってもらうぞ」

龍驤「はいな……」

提督「はぁ……私服に着替えてこい」

龍驤「は? 唐突になんなんです?」

提督「気分転換に町に出よう。軍令部の中では息が詰まるだろ?」

龍驤「そうですね……」


 霞ヶ関 軍令部近くの喫茶店

提督「うまい」

龍驤「……大の男が、パフェってにあわんなぁ」ボソッ

提督「ん? 何か言ったか?」

龍驤「別になんもいってません」

提督「そうか? 君も遠慮せずに食べてみろ、これを食べればいやなことなどたいてい忘れてしまうぞ」

龍驤「はぁ」

提督「うむ、うむ。で、私に一つ仮説があるきいてもらってもいいか?」

龍驤「……あの、なんの仮説なんです?」

提督「勿論、艦載機を君たちが動かせるかだ」

龍驤「それ、さっきは解明難しいって言うてたやないですか」

提督「解明は、な。無責任な仮説ぐらいは立てられる」

龍驤「そんなむちゃくちゃな……」

提督「最初から和歌ランでは進歩がない。無理やりにでも考えてみることが大事だ」

龍驤「そんなもんですか」

提督「そんなもんだ。ゴホン……いいか、艦娘は何できているかはしっているか?」

龍驤「馬鹿にしてます……? そりゃ油と鋼材、弾薬、アルミでっしゃろ?」

提督「別にそういう意図はない。ただ艦娘が自分のことについてどれだけ知識があるかというのは知らんからな」

龍驤「はぁ」

提督「とにかく君がいうように艦娘の材料はそんなものだな。それらを妖精さんに預けて建造依頼をすることで艦娘は生まれる」

龍驤「で、それがなんなんですか? 話が見えてきませんわ」

提督「まぁ、待て。では艦娘の装備は何でできてる? 艦娘と同じく石油、鋼材、弾薬、ボーキサイトだ。それに開発を妖精さんに依頼するのも同じだ」

龍驤「?」


提督「……つまりだな、ここまで同じだということは装備も艦娘のように生きているのではないかというのが私の仮説だ」

龍驤「まった、まった! そ、それはさすがにありえへんでしょ!?」

提督「なぜだ」

龍驤「いやだって、装備が生きてるって……そないあほな」

提督「まぁ、私もそう思う」

龍驤「はぁ?」

提督「しかし、装備が艦娘の脳波にしたがう寄生虫のようなものだとすれば君たちに知識がなくとも動くということについては説明がつくだろ。独立した生命なのだからな」

龍驤「わけ分からんわ……寄生虫とかキモイというかなんというか……」

提督「うむ……まぁ、言葉に御幣があったかもしれんな。寄生虫というより――守護霊というか、うむ……適当な言葉思いつかんが、とにかく君たちがああしたいこうしたいと思うだけで装備はそれに応えるというのが私の仮説だ」

龍驤「寄生虫……守護霊……うへぇ……」

提督「まぁ、あまり真に受けるな。しかし、ほかに仮説がないのも事実。あした以降はこの線で少し訓練してみるか」

龍驤「訓練てなにするんです?」

提督「……詳しくはまだ考えていない」

龍驤「えぇ……大丈夫なん、それ?」

提督「ははは……大丈夫だ、大丈夫」

龍驤「ちぇ……調子ええやっちゃま。信用できるかい」ボソッ

提督「別に現状で信用してもらう必要はない。結果を見てからで結構だ」

龍驤「!? あ、いや、別にそういういみでいったわけや――」

提督「ではどういう意味だ?」

龍驤「うぐっ……そ、それは……」

提督「ふん……それよりも訓練の方針を考えるぞ。まずはよりクリアに艦載機と艦娘が意思疎通できるようにするべきか? いや、艦娘が期待の限界をきめてしまっているのかもしれん。しかし、すでにこれが現状では最良の状態で艦載機を新たに開発する必要があるばあいもある。いや、ほかにも――」ブツブツ

龍驤「はぁ……えらいことになってきてしもうたかもしれん……」

とりあえず区切りもいいので今夜はここまでになります。明日、帰り次第更新していきます。
おやすみなさい。

だって「不器用だけど本当は良い男」ってバレてもうたら競争率上がっちゃうやろ?
ずっと「不器用で嫌な男」と勘違いされてた方が色々好都合やん
それに「自分だけがこの人の良い所を全部わかってる」って、なんか優越感あらへん?

一旦、帰ってきました。
お待たせしました、投下していきます。ただこのあとまた会社かえるので完成してる本編の投稿だけしてコンマは夜にします。


――13:00――

 軍令部 練兵場

龍驤「……ホンマにやるんですか?」

提督「ああ」

龍驤「……」

提督「なんだ、不満か?」

龍驤「そ、そんなことあらしまへんけど……なんちゅうか、はずいっていうか……」

提督「艤装の展開は練兵場か演習場でしか認められていないのだ、我慢してくれ」

龍驤「あう……」

提督「まぁ、ものは考えようだぞ? 別に訓練でもないのに四六時中瑞雲に話しかけてる艦娘もいる――」

日向「瑞雲がどうかしたか?」

提督「!?」

日向「む? なんだ、キミか。というか、まだ軍令部にいたのか?」

提督「……う、うむ」

日向「伊勢ではないが君のようなタイプは早めに前線に行った方がいい。その方が出世が早いぞ」

提督「言われなくてもわかっている」

日向「ほぅ……それよりも瑞雲だ。瑞雲がどうかしたのか?」

提督「なんでもない」

日向「なんでもないということはあるまい。さぁ、お姉さんに話してみるんだ」

提督「……なんでもない、きにしないでくれ。さぁ、龍驤、場所が悪い。向こうに行こう」

日向「なんだ、また逃げるのか? あまりほめられた行動ではないぞ」

提督「……」スタスタ

龍驤「あ、ちょっ!? 待ってや!!」

日向「ふむ、言葉が過ぎたか」

大淀「ちょ、ちょっと! 日向さん、はやくしてください! 北方海域司令長官もお待ちですよ!」

日向「ん。すぐに行く」


提督「さて、気を取り直してやっていくぞ」

龍驤「はぁ……はいな。えっと……ご機嫌いかが?」

零式艦戦52型『……』

龍驤「せ、せやね、今日はちょっとあっついわ。え、えーと……こういう日は海に出ると照り返しできっついよな」

西方海域司令長官「……」

提督「お疲れ様です」ビシッ!

西方海域司令長官「あ、うん、楽にしていいぞ」

提督「はい」

龍驤「アカン……司令官、もうやめた方が――って、はぁ!? なんでギャラリー増えとんねん!?」

西方海域司令長官「あ、いや、うん、続けて。興味深い」

龍驤「そ、そんな言われたって……」チラッ

提督「閣下の仰せだ、継続せよ」

龍驤「うぐっ……あ、あれやなぁ、うちは甘いもん好きなんやけど、君はどうなん?」

零式艦戦52型『……』

龍驤「ほ、ほほーん……そうなん。ウチもたこ焼きめっちゃすきやで……」

西方海域司令長官「いやぁ、こんな端のほうで何をしているのかと思ったが見に来てよかった。いやいや、こうしてみると艦娘も本当に人間と変わらんねぇ、戦闘機が相手なのはあれとしても人形遊びまでするとは驚いた」

提督「え?」

龍驤「あうぅ……」マッカ

西方海域司令長官「ん? なんだね?」

提督「か、閣下、お言葉ですがこれは訓練の一環でして……」

西方海域司令長官「あ、あはは……いや、そうか、そうか。では、何の訓練だね? いや、君も冗談がいえたん――」

提督「はい、装備との意思疎通をよりクリアにするためのものです」

西方海域司令長官「――え? 本気でいってるのか?」

提督「はい」

西方海域司令長官「……あ、うん、いや、そうか。頑張るように」

提督「ありがとうございます!」

西方海域司令長官「えっと、私はこれで行くが艦娘の君も頑張るようにね……」

龍驤「あい……」

西方海域司令長官「いや、なんというか最近の若い人は何を考えているかさっぱりだな。いやぁ、開明的と奇天烈を一緒にされても困るのだがなぁ……」ブツブツ

提督「よっし! 閣下からも激励を頂いたのだ、気合を入れなおしていくぞ!」

龍驤「……」

提督「返事ぃ!!」

龍驤「はい……」


 ――18:00――

 軍令部 機動部隊の部屋

龍驤「はぁ……」

鳳翔「だ、大丈夫?」

龍驤「大丈夫なわけあるかい! 今日だけでウチの精神は大破着底や!」

鳳翔「……そ、そう」

龍驤「あのあほんだらは何を考えてんねん! 独り言で艦載機の操縦精度あがったら苦労しないっちゅうねん!」

鳳翔「……」

龍驤「ああ、思い出しただけではらわた煮えくり返ってきた! なんやねん、金剛のやつばか笑いしくさってからに! ウチかて好きでやってへんわ!」

鳳翔「う、うん、そうよね」

龍驤「はぁはぁ……愚痴ってすまんかったな……あと鳳翔、ウチご飯いらんわ」

鳳翔「だ、駄目よ! 気がめいったときはちゃんとご飯食べないと――」

龍驤「嫌や! もうお布団からでん! こんな屈辱毎日受けるぐらいならこの中で餓死したるわ!!」

鳳翔「はぁ……お握り作っておくから後で食べてね?」

龍驤「だから、いらんって――」

 コン! コン!

鳳翔「ごめんなさい。出てくるわ」

龍驤「……」

鳳翔「もうっ! はーい、今開けます――って、えっと……なんのご用でしょう?」

提督「君に用はない。龍驤! 支度を整えて10分後に正門に集合せよ!」

龍驤「はぁ!? 本気で言ってるんですか!?」ガバッ!

提督「あたりまえだ」

龍驤「うぐ……あがが……」

提督「それでは待ってるぞ。ああ、ちゃんと余所行きの服装でくるように」

龍驤「……あい」

提督「うむ」

 バタン

鳳翔「……」

龍驤「……」

鳳翔「あ、あの、その頑張ってね……?」

龍驤「……」

鳳翔「……」


 ――18:30――

 霞が関 定食屋

提督「ふむ、今日はなにがいいか……ああ、龍驤、ここはなんでも美味いから安心して好きなものを頼め」

龍驤「……そないですか」

提督「うむ。よっし、今日は揚げ物にしよう。君も決めたか?」

龍驤「はぁ……ウチも同じものでええです」

提督「そうか? それでは注文お願いします」

店員「はーい、ご注文お願いします」

提督「それではカツ煮、カツ丼、かき揚げ丼――あとはエブフライ定食を2つずつ」

龍驤「は……はぁ!?」

提督「な、なんだ? 足りなかったか?」

龍驤「いやいや、多すぎやちゅーねん! あんた、なにかんがえてるん?!」

提督「そ、そうか……」

龍驤「店員さん、わるいんやけど今の全部一つずつにしてや」

店員「えっと……はい」

提督「で、君はどうするのだ?」

龍驤「いやいや、こんだけあれば二人で食べても十分やん!?」

提督「……いや、悪いが一人で全部食べきれる」

龍驤「はぁ!? あんたの胃袋どないなってん?」

提督「どうなってるもなにも食えるのだからいいだろ。で、何にするのだ?」

龍驤「あー! もうええわ! そこまでいうたんや、残したらただじゃおかんで! 店員さん、うちは生姜焼き定食一つ!」

店員「ふふ……えーとご注文繰り返しますね、カツ煮、カツ丼、かき揚げ丼、エビフライ定食、生姜焼き定食でよろしかったでしょうか?」

提督「はい、お願いします」

店員「ありがとうございます。それでは少々おまちください」

龍驤「はぁ……なんかドッと疲れたわ……キミ、ほんまけったいな人やな」


提督「そうか。しかし、今日は食事に誘ってよかった」

龍驤「はぁ? どないこっちゃ」

提督「いや聞いていたよりも大人しかったからな、調子が悪いかと思っていたのだが杞憂だったようだな」

龍驤「……」

提督「ああ、あとな。閣下や司令官にそのような口調では困るが私にはそれで構わんぞ」

龍驤「構わんってなにがやねん」

提督「口調だ」

龍驤「あ……あぁぁぁ!?」

提督「くくく……なんだその顔は」

龍驤「あ、いや、ちゃうんです! ちゃんと司令官のことは尊敬して――」

提督「取り繕うな。ああ、そうだな、私が閣下と呼ばれるぐらいになったらちゃんと敬語をつかってくれ。今は構わんさ」

龍驤「……」

店員「はーい、失礼します! お先にカツ煮おもちしました!」

提督「おっ! 来たな! いやいや、これがうまくてな……先に食わせてもらうぞ?」

龍驤「はぁ……好きにしてや」

提督「はっはっは……よしよし、今日は龍驤を誘って正解だったな!」

龍驤「さいでっか……」

 昏冥流亡Ⅱ 艦

というわけで 昏冥流亡Ⅱ 艦 です。
たぶん、今日ですが20~21時ぐらいには帰れると思います。
あとそろそろ安価ですね。予定では次回が終わって空谷の跫音始める前に安価とります。
それでは失礼します。

なんとか帰ってきました。眠くてあれなので起きてから更新していきます。申し訳ないですい……
現状だけで手一杯なのに新しいプロジェクト始まって草。ワイは部長になにかあったときの代理であって、あんたの内務の代理じゃないんやで……もう営業やめて社内にいてくれ……

起きましたので更新していきますがちょっと寝すぎました……すみません

 XX07年 4月 

 ――12:30――

 ベルリン 海軍総司令部 食堂

プリンツ「ほへー、今日のご飯は豪華ですねぇ」

ビスマルク「ええ、日本の駐在武官が視察に来てるかららしいわよ」ガツガツ

プリンツ「あ、あの……ビスマルク姉さま、それならもうすこしゆっくり召し上がった方が……」

ビスマルク「ふん、わかってないわね」

プリンツ「ふぇ?」

ビスマルク「いい? 見栄っていうのは立場に応じていろいろとあるのよ。こういう場で私たちみたいな軍人がお行儀よくしてると軟弱に思われるかもしれないじゃない」

プリンツ「えぇ? そうかなぁ?」

ビスマルク「そうなの! だから軍人は軍人らしく武威を見せつけるのよ」

プリンツ「はぁ、なるほど。それでそんな風に食べてるんですね」

ビスマルク「私もこんなみっともないことはしたくないけど、日本の軍人に馬鹿にされないように無理をして食べてるの! わかったらあなたも食べなさい!」

プリンツ「わかったような、分からないような……あわわ! や、やめてください! カルトッフェル押し付けないでください!」

ビスマルク「うるさいわね。それなら自分でちゃんと食べなさい」

プリンツ「うぅ……はい」

ビスマルク「そうそう、いい子、いい子」

プリンツ「あの、それでその日本から来た駐在武官さんってどこにいるんですか?」

ビスマルク「んー、ああ、あれよ、あれ」ユビサシ

提督「――」ヒソヒソ

独逸提督「――」ヒソヒソ

プリンツ「はぁー、なるほど、なるほど。なんか気難しそうな人ですねぇ」

ビスマルク「実際、そうらしいわよ」

プリンツ「えぇ……いやだなぁ」

ビスマルク「? なんでよ」

プリンツ「だってぇ、怖いじゃないですかぁ……」

ビスマルク「ふーん。まぁ、でも安心なさい」

プリンツ「?」

ビスマルク「あのひと空母が専門だから私たちとはほとんど関係ないはずよ」

プリンツ「あ、そうなんですか。よかったぁ……」

ビスマルク「よかったって……前から言おうと思ってたけどちょっとあなた弱気過ぎない? 大丈夫なの?」

プリンツ「うっ……だ、大丈夫ですよぉ!」

ビスマルク「本当かしら?」

プリンツ「本当ですよ! ……多分」

 ドイツ 海軍総司令部 独逸提督執務室

独逸提督「さきほどは失礼した」

提督「? あ、いや、なんというか――」

独逸提督「ビスマルクのことです。普段は割かししっかりしているのですが……」

提督「ああ、なるほど。いえ、艦娘も食べねば力も出ないでしょうし頼もしいかぎりではありませんか」

独逸提督「む……そういっていただければ幸いです」

提督「いえいえ、思ったことを素直に述べただけです。しかし、ここは素晴らしいですね」

独逸提督「そうでしょうか? 恥ずかしながら我が国には艦娘が少ないので施設も貴国に比べれば貧弱だとおもうのですが」

提督「確かに施設面では呉や横須賀の方が大規模ではありますが、建物自体が素晴らしい。いや、素人がこう言うのは失礼かもしれませんがじつに美しいではないですか」

独逸提督「は?」

提督「おそらく数百、いや千年後にこの司令部を見たとしても素晴らしい文明がこの地にあることを一目で分かるはずです」

独逸提督「……建築総監のようなことをおっしゃりますな。あなたも美術にご興味が?」

提督「ええ、軍人の本分を忘れない程度には」

独逸提督「ふん……軍人の本分ですか。そうであってほしいものですな」

提督「?」

独逸提督「いや、失礼。とにかく我が国には空母艦娘の運用ののうはうというものがまるでない。他の艦種にしても貴国ほどのものがない。ぜひご教授のほどよろしくお願いします」

提督「かしこまりました。微力ではありますが全力でことにあたらせていただきます」

独逸提督「頼もしい限りですな。それで本日はどのようなご予定は?」

提督「そうですね……まずはGraf Zeppelinのことを知るためにも話をしていこうと思っています」

独逸提督「なるほど。特にあなたの行動を縛るつもりもないのでご自由にやってください。しかし、資料の提出だけはくれぐれもお忘れなきよう」

提督「はっ! かしこまりました!」ビシッ!

独逸提督「ご健闘を」ビシッ

提督「ありがとうございます。それでは私はこれで失礼させていただきます」

独逸提督「ええ」

 バタン

独逸提督「……Z1」

Z1「ん、どうかしたの?」

独逸提督「秘書官を変更するぞ。お前とZ3はには別の任務についてもらいたい」

Z1「?」


 ――13:00――

 ドイツ ベルリン

提督「むむむ……ここがあそこでここがあそこだから――よしっ! マリエン協会は向こうだな」

グラーフ「はぁ……外にでてなにをするかと思えば観光地めぐりとは……」

提督「勘違いしてくれるなよ。これも訓練の一環なのだぞ」

グラーフ「……さすがにそれは無理があるだろ」

提督「む……私は大真面目に言っている」

グラーフ「……」

提督「な、なんだね、その眼は」

グラーフ「言ってほしいのか?」

提督「むむむ……それなら聞くが君は建造されてから鎮守府の外にどれだけ出たことがある?」

グラーフ「質問の意図が見えないな」

提督「いいから思い出してみてくれ」

グラーフ「はぁ……そうだな、おそらくビスマルクにつれらて4、5回というものだろうな」

提督「え」

グラーフ「ん? どうかしたか?」

提督「あ、いや、建造されて半年足らずと聞いたが意外と外に出ているのだな」

グラーフ「まぁ、キールやヴェルヘルムスハーフェンにいるわけでもなし、突然の出撃はないからな。気楽なものさ」

提督「なるほどな。それではあまり意味がなかったかもしれんな……」

グラーフ「どういうことだ?」

提督「いや、こちらのはなしだ。マリエン教会を見たら総司令部にもどろう」

グラーフ「? ああ、わかった」


 ドイツ マリエン教会

提督「……」

グラーフ「さっきから黙っているが、どうかしたか?」

提督「いや、美しいものだと思ってな。あれだ、うむ……こういうのはなんといえばいいのだろうかな」

グラーフ「ふっ、あなたは詩人ではないのだ。下手な修辞はやめておいたほうがいい」

提督「む……それもそうだな。厳かだぐらいでやめておくことにする」

グラーフ「ああ」

提督「そういえば君はああ、ええっとなんと訳だったかな……Die Tänzerinという小説はよんだことはあるか?」

グラーフ「すまないが寡聞にして読んだことはないな。日本の小説なのか?」

提督「ああ」

グラーフ「ふむ、どんな内容なのだ?」

提督「……そういわれると難しいな。うーむ、暇があれば読んでみてくれ」

グラーフ「ああ、そうしよう」

提督「ふぅ……さて、いったん総司令部にもどるか」

グラーフ「ふふ、観光旅行はもういいのか?」

提督「だからこれも訓練だというのに……。はぁ……龍驤にはこれでよかったのだがなぁ。艦娘とはままならんな」

グラーフ「リュージョー?」

提督「ん? ああ、私が日本で受け持っていた空母の艦娘だ。面白い子でな」

グラーフ「あなたに面白いといわれるとは……相当の変わり者なのだな」

提督「……そのことについて否定はせんが少し――いや、かなり調子に乗りやすいだけで立派な艦娘なのだぞ? そこは間違えないでほしい」

グラーフ「ふふ、分かった」

提督「……ああ」


グラーフ「ああ、そういえば日本の艦娘といえばアカーギはどんな艦娘なのだ?」

提督「アカーギ? ああ、赤城か。少し話したことはあるが……」

グラーフ「ほう! 私には赤城の技術も取り入れられているというおそらく私に似て優秀なのだろうな!」

提督「ぶっふ……!」

グラーフ「な、なんだ!?」

提督「い、いや、赤城な、赤城。くっくっく……あまり君に似てるとは私は思わなかったな」

グラーフ「む……それではどんな艦娘なのだ?」

提督「どんな艦娘と聞かれても数回話をした程度でなぁ……。うーん、あれを評価したくないので話すのはやめておこう」

グラーフ「……ダメな艦娘ということか?」

提督「いや、そうではない。空母の中では加賀と1,2を争うぐらいには戦果を挙げている」

グラーフ「ならなんで……!」

提督「やけに突っかかってくるな……」

グラーフ「うっ……いや、それは――」

提督「……赤城は正直、艦娘なのか私にはわからなかった」

グラーフ「は?」

提督「あ、いや、別に悪い意味じゃない。ただ目が死んでるというか……どこかうつろな印象なのだ。話してみても暖簾に腕押し、糠に釘というか」

グラーフ「??」

提督「……赤城についてはここまでにしておこう。わたしとしたことが余計なことを言ってしまったな、忘れてくれ」

グラーフ「……」

提督「さぁ、総司令部に戻ろう。今後の訓練について話しておきたいこともある」

グラーフ「……ああ」

 提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ 艦

というわけで 提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ 艦 なんですが、ⅠとⅡで続けて導入やってる>>1は無能。
ブラッシュアップしてくっつければ良かったなぁ……なんて書いてから思いました。あれやね、Ⅰで張ってなかった伏線はったんで許してクレメンス……
あと関係ないのですが撮りためた野球中継みながらやってたら昇天しそう。こういうのはワイが見てる日にやってくれ……

本日ですがこのあと会社に顔出してくるので22:00あたりに再開します。
本編開始前に安価とるのでご協力いただければ幸いです。

それでは西村艦隊コンマです

最上から時雨への感情度 ↓コンマ以下
時雨から扶桑への感情度 ↓↓コンマ以下

最上から山雲への感情度 ↓↓↓コンマ以下
山雲から最上への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

ご協力ありがとうございます。
うーん、なんというか山雲が心配になってきましたね。まぁ、まだ大丈夫、大丈夫。
……それより時雨はいつになったら本当に心を開くの? 最高値57はクール過ぎる、スピードワゴンなの?
5回もやれば高コンマ2~3回ぐらいだすやろWWとかいう>>1の甘すぎる思惑が崩れていく。

最上から時雨への感情度:33
時雨から扶桑への感情度:57

最上から山雲への感情度:29
山雲から最上への感情度:24

時雨から最上だよね?

>>310
あ……ミスってますね……
申し訳ありません。訂正させていただきます。

最上から時雨への感情度:33
時雨から最上への感情度:57

それでは恒例のお品書き投下しておきます。既出の子のお話は後述のお品書きを参考にどうぞ。
()内がメインのキャラになります。

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せⅡ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室Ⅲ(弥生、川内)
3、赤城日記Ⅱ(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
6、羽黒と加賀Ⅱ(羽黒・加賀)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅲ(提督、グラーフ)
8、あきつ丸VS提督Ⅱ(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅(加賀)
11、霞の不覚(霞)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をⅡ(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶⅡ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅡ(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界Ⅱ(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音(鈴谷)
25、提督ラヂオ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件Ⅱ (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡Ⅲ(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸・神威)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
43、胡蝶乱舞(蒼龍)
44、降涙恋慕(赤城・鳳翔)
その他、新艦好感度コンマ(記名)

以下、>>312に追加です。大分、前からやらかしてました。
45、萩風提督観察日記(萩風、川内、赤城)
46、哀絶霖雨(川内、神通、那珂)


あと追加があったので未開放のほうも掲載しておきます。
【未開放】
ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
初期艦はなんでもしってる【叢雲の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・国後・占守の感情度コンマで開放】
あの航路へと【飛鷹の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【日向・朝霜の感情度コンマで解放】
UV【特殊コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯Ⅱ【鳥海の感情度コンマで解放】
広報活動!【吹雪・夕立・如月の感情度コンマで解放】

ムラクモ解放されてなかったっけ?
それとかなり艦娘が多くなってきたから安価で新たな艦娘追加する前に
先にシナリオに絡んできてる娘をある程度解放してから追加にした方がいいんじゃない?
未解放をそのままで話を進めて新規を追加してたら収拾つかなくなる気が

>>314
39で解放されてますね……消し忘れです、申し訳ありません。
ご提案ありがとうございます。ただでさえ自由度の低いスレですので安価に制限をかけるというのはちょっと躊躇してしまいますので、今まで通りで行かせていただきたいと思います。
とりあえず未開放につてはこの艦娘選べばシナリオ増えるよっていう備忘録てきにつかっていく所存です。
スレの進行自体未熟な>>1ですのでこういった提案頂けると本当にありがたいです。重ね重ねありがとうございます。

すみません。今から帰るので更新、23時からになります

それでは安価から本日の更新スタートさせていただきます。

おしながきは>>312>>313をご参照ください。
既出のお話は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、浦波、ジャービスは下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4
↓×5
↓×6
↓×7

ご協力ありがとうございます。今回も早くて驚きました。本当にありがとうございます。

今後の流れですが

空谷の跫音→弥生の提督語教室Ⅱ→漣→提督ラヂオ→深雪→飛鷹→五十鈴のなく頃にⅡ→昏冥流亡Ⅲ→加賀の鎮守府ぶらり旅→美保関事件Ⅱ

という感じになります。

本日、書き溜めがないのでゆっくりとですがやっていきます。


XX13年 11月

 ――13:00――

 鎮守府 執務室

提督「はい、はい……かしこまりました。閣下のおっしゃるようにいたします……はい、それでは失礼します」

 ガチャ

提督「はぁ……」

叢雲「どうしたのよ?」

提督「いや、少し問題が発生した。一週間ほど本土にいってくる」

叢雲「そう――って、はぁぁぁぁぁ!? うそでしょ!? 大規模作戦の後始末でこのくそ忙しい時期になに考えてんのよ!」

提督「その大規模作戦のことで問題が発生した。戦死した司令官の残存部隊を保護したことを説明しろとのことだ」

叢雲「えぇ……それって電話ですまないの?」

提督「……すまんから私が呼び出されているのだ。考えてから口を開け」

叢雲「うぐっ……」

提督「はぁ……とにかくやつらの代表者を呼んできてくれ。大本営への釈明に同行してもらわねばならん」

叢雲「はぁ……わかったわよ」

提督「頼んだぞ」


 鎮守府 戦艦寮 談話室

叢雲「――というわけよ。で、どうする?」

武蔵「釈明か……できれば私と矢矧は避けたほうがいいだろうな」

矢矧「わ、私もですか?」

武蔵「ああ、口が回るほうではないだろ? それにもし理不尽なことを言われたとしたらおめおめと引きさがる性質でもあるまい」

矢矧「うっ……それもそうですね……」

武蔵「で、あれば熊野か鈴谷・能代が適任だろうな」

伊8「えっとはっちゃんとイクも――」

叢雲「論外よ」

伊19「えー!? イク、本土にいってみたいのね!」

叢雲「そういうところが駄目だっていってんのよ! あれの手綱握ぎれないどころか問題児は論外なのよ!」

伊8「はっちゃんも問題児……」

叢雲「そうよ。文句ある? 爆雷がくらいたいなら好きにしゃべりなさい」

伊8「……」

能代「あの、それでしたら能代も辞退させていただこうかなぁって……」

武蔵「ふむ……まぁ、確かに提督の手綱を握るとなれば生真面目の能代にはつらいか」

熊野「ちょっと! 鈴谷はともかく私まで不真面目みたいな言い方はやめてくださる!」

鈴谷「え?」

武蔵「ふむ……真面目な人間はそんなことは言わんと思うが」

熊野「ふん! とにかくそのくくりは納得がいきまわんわ」

鈴谷「……でも、熊野さ、本土の百貨店いきたいって言ってたじゃん? ちょうどいいんじゃない? 常識云々ぬきにしても」

熊野「そ、それは……そうですけど。この熊野が釈明など……うぐぐ……」

武蔵「ふむ……じゃんけんだな」

鈴谷・熊野「「は?」」

武蔵「話し合ってもこういうことはきりがないだろ? それなら運否天賦でじゃんけんで決めてしまったほうが良い」

鈴谷「えー? 武蔵さんの提案って言ってもそれはちょっと……」

熊野「同感ですわ」

武蔵「む……叢雲、それではどうする?」

叢雲「はぁ……論外なの以外は誰もいきたくないのはよくわかったわ。なら武蔵の言うようにじゃんけんできめましょ。仮にも重巡洋艦なんだからよっぽどのことにはならないだろうし」

武蔵「よっし! 秘書官殿からも許可が出たぞ。二人ともさっさとじゃんけんをしろ」

熊野・鈴谷「「えー……」」

武蔵「えーではない! 早くしろ!」

鈴谷「……最初はぐー」

熊野「……じゃんけんぽん」

あけてしまって申し訳ありません。やっと帰ってこれました。
仕事ですが昨日まででとりあえずの修羅場を終えましたので更新頻度も戻せたらと思います。やっと…ゴールデンウィークがはじまったんやな…でへへ……。
申し訳ありませんが色々と済ましてから書き溜め作って13:00あたりから更新していきます。


 ――13:30――

 鎮守府 執務室


提督「……それでお前がきたわけか」

鈴谷「うん、まぁ……そういわけ……です」

提督「ちっ……なんでこんな頭の軽そうな……」ブツブツ

鈴谷(うわぁ……こっちに聞こえてるのかわかってんのかなぁ……)

提督「はぁ……いいか? ここに来てからたいした戦果も上げてないお前に期待するのは酷かもしれんが、無様はさらすなよ」

鈴谷「……はい」

叢雲「……なんでそうよけいなことを言うのかしらね」

提督「余計なことなど一言も言っていない」

叢雲「あー、はい、はい」

提督「ちっ……出発は明後日の07:00とする。まだ那珂や龍驤あたりであればまだしも何でこんな逃亡兵まがいと……」ブツブツ

鈴谷「……」

提督「おい! 返事をせんか! 出発の予定時刻は分かったのか!? それとも軽薄なお前ではそんなことも理解できなかったか?」

鈴谷「うぇ!? あ、は、はい!」

提督「わかったのなら早々に退出しろ、お前と違って私は忙しいのだ! 叢雲もなにをぼさっとしている! 手を動かせ!」

叢雲「……」

鈴谷「……し、失礼します」

提督「ふん!」


――15:00――

 食堂

金剛「Oh! そんなことがあったんですネー」

鈴谷「いや、金剛さんにこんなこというのもアレなんですけど……鈴谷の代わりに提督と本土行ってほしいなーって」

比叡「むむむ……! 任務の放棄は駄目ですよ! それに提督と一緒に本土にいけるなんて名誉なことじゃないですか」

鈴谷「えぇ……比叡さん、あの提督とですよ……?」

比叡「? んー? どういうことです?」

鈴谷「……あ、なんでもないです」

金剛「うぷぷ……さすがはマイシスターネー」

比叡「??」

霧島「はぁ……。それよりも鈴谷さん、そんなことを言うために私たちをよんだんですか? 失礼ですが私もそんな愚痴を聞くほどに暇なわけではないんですが」

鈴谷「あ、す、すみません」

霧島「別に謝っていただかなくて結構です。早く本題に入ってください」

鈴谷「あはは……」

霧島「笑ってごまかさない」

金剛「まぁまぁ、どうせこの時間はお部屋でティータイムしてるんだから問題ないデース。ちがいますカー?」

霧島「いえ……すみません」

金剛「霧島もわかってくれたみたいでうれしいネー」

霧島「……」

金剛「ふふ……さ、話しにくいかもしれないけどどうぞデース。幸い紅茶はまだたくさんありマース、ゆっくりとお付き合いしますネー」

鈴谷「……ありがとうございます。あの、実は提督のこと苦手というか……話しにくいというか……それでなにかアドバイス貰えたらなーって……あはは」

比叡「うーん、そうだ――」

榛名「あ、あの!」

比叡「ど、どうしたの?」

榛名「このスコーン、榛名がつくったんです! お、お一つどうですか?」

比叡「へぇ、そうなんだ! よっし、さっそくもらいますね!」

榛名「え、ええ」

金剛「ふーむ……まぁ、比叡の案は置いておくとして、テートクははたからみるとちょっとクレージーでホットテンパードだけどいいところもありマース! そこをディスカバリーすれば苦手意識が薄れて鈴谷もはなしやすくなるかもしれないデース」

鈴谷「うーん、いいところ、いいところですかぁ」

金剛「YES! 川内型のところにでも行けばたくさん教えてくれるはずデース。私には理解できないですけどネー」ボソッ

鈴谷「よっし! 分かりました! 私、これから川内さんたちのところにいってきます!」

金剛「うふふ……即決即断は流石ネー。がんばってくだサーイ」

鈴谷「はい! ありがとうございました」

 バタン

金剛「はぁ……行きましたカー……思ってもないことを話すのは疲れるネー」

榛名「お疲れ様です。あのよろしければ金剛姉さまもスコーンどうぞ」

金剛「Thank you。しかし、鈴谷はいい子ネー。うぷぷ……あんなの単純だから無視してるか、適当にごますっておけばいいんデース」

比叡「モグモグ……ふぇ、あんなのって誰のことですか?」

金剛「飛龍のことネー」

比叡「ああ、なるほど。確かにそうですね」

霧島「……」


 ――15:30――

 鎮守府 軽巡洋艦寮 川内型の部屋

川内「ああ、ごめんね。ちょっと散らかってるけどすわってよ」

鈴谷「あ、うん……どうも」

鈴谷(うわぁ……すごい部屋……)

川内「ふふ……珍しいでしょ?」

鈴谷「!? あ、きょろきょろしてごめんなさい!」

川内「あはは……別に謝んなくていいよ。部屋ん中に仕切りおいてるのなんて私らだけだろうしね」

鈴谷「え……仲悪いんですか?」

川内「敬語」

鈴谷「え?」

川内「似合ってないし、敬語使わなくてもいいよ。先任だけどおんなじ艦娘なんだしさぁ」

鈴谷「……ありがとう」

川内「うん、うん……さてと、仲だけどすっごい悪いよ」アハハ

鈴谷「そ、そうなんだ」

川内「姉妹だからなかよしこよしなんてありえないしね、しょうがないんじゃない? で、それより本題はなんなの? 青葉じゃあるまいし『水雷戦隊、空中分解!』みたいなあおり記事書くために来たわけじゃないでしょ?」

鈴谷「実は提督のいいところ教えてもらおうと思って」

川内「提督のいいところ? あはは……それは他の二人がいない時に来てよかったね」

鈴谷「?」

川内「神通は話馬鹿みたいにながくなりそうだし、那珂はわけわかんないことしかいわないだろうしね」

鈴谷「は、はぁ」

川内「さて、提督のいいところだったね。うーん……優しいところじゃない?」

鈴谷「はぁ? 本気で言ってる?」

川内「うん。まぁ、分かりにくいけど色々と艦娘のこと気を使ってくれてるし、龍驤とか小さい子と一緒にいるときとかお兄さんみたいだよ? ああ、もちろん私もそうおもってるし」

鈴谷「あれが……お兄さん……」

川内「ふふ……まぁ、自分で確かめてみることだね」

鈴谷「……」

 
 ――15:45――

 鎮守府 練兵場

神通「提督のいいところですか? ――不知火! 速度が落ちていますよ! この程度でなんてざまですか! 訓練とはいえ、死ぬ気でやりなさい!」

不知火「は、はひ……!」

鈴谷「うわぁ……」ヒキ

神通「ああ、すみません。話をさえぎってしまいましたね」

鈴谷「いえ……大丈夫です」

那珂「うーん、提督のいいところは――ギャップ萌えかな」

神通「……なんでこっちにいるの? 訓練は?」

那珂「いやぁ、うちは二水戦みたいに頭おかしくないから休憩中」

神通「……そう。けれど、それで練度不足になって泣くのはあなただけでなく提督や他の艦娘もだというのを忘れないでね」

那珂「はぁ……うっさいなぁ。お魚さんも二水戦が餌あげすぎるからうれしくて泣いてるんじゃない?」

神通「ふん……」

鈴谷「あ、あのぉ……」

那珂「あ、ごめんねー! それじゃあ話し戻すけど、提督って怖いけどかわいいんところもあるんだよ!」

鈴谷「想像できないんだけど……」

那珂「まぁ、そうだろうねぇ。うふふ……」

神通「ゴホン……! 鈴谷さん、この子のいうことは信じないでください。ちょっと頭がお花畑なんです」

那珂「は?」

神通「いいですか、提督のいいところは尊敬できる軍人だということです。時に厳しいこともありますがそれもその艦娘のことを考えてくださっているからです。それに編成や指示が公明正大ですし、なによりも作戦指揮能力が高い。国に対する忠誠も素晴らしいですし、他にも私たちが悩んでいるとそっと背中を押してくれるような父性ですとか――」

那珂「はぁ……ストップ、ストップ!」

神通「……なんですか」

那珂「独演会は二水戦の前だけにしなよ。那珂ちゃん、自分の姉がこんなのと夜戦バカだなんておもわれたくないんだよねー」

神通「……喧嘩でしたらいい値で買いますよ」

那珂「えー、何言ってんのか那珂ちゃんわかんないー」

鈴谷「わぁー! 待って、待って!」


 ――20:00――

 鎮守府 重巡洋艦寮 鈴谷・熊野の部屋

鈴谷「疲れた……」

熊野「? 元気がとりえの鈴谷が珍しいですわね」

鈴谷「いや、まぁ、いろいろとあんのよ……」

熊野「そう」

鈴谷「熊野さぁ……公明正大で尊敬できてギャップ萌えで、優しい人って誰だかわかる?」

熊野「はぁ? うーん……武蔵さんかしら?」

鈴谷「ぶー!」

熊野「……それじゃあ金剛さんとか」

鈴谷「それもぶー!」

熊野「むむむ……下らないクイズはやめなさい! 私、そんな暇ではないの!」

鈴谷「えぇ……?」

熊野「さて、寝る前にお手入れをしておかないと」

鈴谷「もう寝るの?」

熊野「ええ、夜更かしは美容の天敵ですから」

鈴谷「美容ねぇ……」

熊野「なにか文句がありますの?」

鈴谷「別にぃ?」

熊野「あなたも少しぐらいは気をつけなさいな。……そういえば答えは?」

鈴谷「へ? 答えって何の?」

熊野「さっきのクイズの答えにきまっているでしょ!」

鈴谷「あー、うん……内緒」

熊野「はぁぁぁぁ!?」


  2日後

 ――13:00――

 日本 横須賀鎮守府

提督「……」

鈴谷「……」

鈴谷(うわ……やっぱりすっごい気まずい……向こうでてから会話が一つもないし……結局、鈴谷が納得できるいいとこなんて一つも見つけられなかったしなぁ……)

提督「まったく人を呼び出すにしても場所というものがあるだろうに。閣下もなにを考えているのやら」ブツブツ

鈴谷「あ、あのぉ……」

提督「……なんだ」

鈴谷「呼び出されたってどこになんですか? なんて、あはは……」

提督「ふん、京王閣競輪場だ」

鈴谷「競輪場?」

提督「ああ」

鈴谷「あの、南方海域の司令長官さんに会いに行くんですよね?」

提督「分かりきっていることまで聞くな! クソ、また金網をひしゃげさせているのだろうな。はぁ……」

 空谷の跫音Ⅰ 艦

 空谷の跫音Ⅰ 艦 です。
お待たせしました。最後にヒント入れてあるけど南方海域司令長官は藤○秀○先生とかがモデルです。最近、オリキャラ増えてて心配です……。
書いてて思ったんですが鈴谷の敬語は違和感ありますね。ただ鈴谷は結構、あれで真面目で仲良くなるまではこんなもんやろなって>>1の妄想です。姉ケ崎的な感じ。

次回更新ですが明日は久しぶりに家族でゴルフ行くのでできれば今日か、無理そうなら明後日になります。
ネタは仕事中に考えたのであとは書くだけなんですが、どうかなぁって……更新する際は報告するようにします。
とりあえず明日は80切れるように頑張ってきます。

投下の方法ですが現状だとまったく説得力ないのですが更新頻度の関係と>>1の引き出しの少なさから分割での投稿となっていました。
どうしても掌編にうまくまとめられずにバラバラにしたことで非常に読みにくなってしまい。大変申し訳ありません。
そういった>>1の都合で大変こころぐるしいのですがおしながきにその話が中編(全話数も明記)なのか単話なのかをわかるようにすることと、安価の際に同じ話が選ばれた際はどちらも採用するようにします。


安価の指定レスで『弥生の提督語教室』が二つ選ばれる→『弥生の提督語教室Ⅲ』と『弥生の提督語教室Ⅳ』として採用。

いろいろと頭をひねってみましたがこの程度の案しか出せないうえに具体的な解決とならずに申し訳ありません。

次回の更新ですが明日の22:00~23:00を予定しています。
また本日、お目汚しではありますが3スレ目の埋めネタ投下致しました。

埋めネタ乙
今までで1番よかった

文句言うのは作品への期待から来てるんや。イッチは気にせず投稿してくれ
一番悲しいのは未完のままエタっちゃう事なの・・・

帰ってきました。更新していきます。

>>383
ありがとうございます。土壇場でいろいろと変えたので不安でしたがそういっていただけると幸いです。

>>384
エタだけはないようにやっていこうと思います。とりあえず艦これのサービス停止まではがんばるやで


 ――12:30――

鎮守府 中庭 

木曽「――というわけなんだ。翻訳をお願いできないか?」

弥生「えっ……それはちょっと……専門外……です……」

木曽「そうか……弥生ならもしかしてと思ったんだけどな」

睦月「……およ? およよ? 珍しい組み合わせですな。木曽さんどうしたの?」

木曽「いや、ちょっと頼みごとをな」

睦月「頼みごと?」

木曽「ああ。それよりも弥生、無理をいってすまなかったな」

弥生「いえ……」

木曽「ふっ、どうやら怒らせちまったみたいだし、俺はこれで帰るよ。それじゃあな」

弥生「怒って――」

 バタン

弥生「……いっちゃった」

睦月「あ、うん、お姉ちゃんは弥生ちゃんが怒ってないのはわかってるから落ち込まないでほしいにゃしい」

弥生「……落ち込んでもないです」

睦月「あ、そうなんだ」

弥生「……」

睦月「やっぱり落ち込んでるでしょ?」

弥生「ちょっとだけ……」

睦月「うんうん、お姉ちゃんはわかってるから大丈夫、大丈夫。で、木曽さんから頼みごとなんてどうしたの?」

弥生「いえ……司令官以外でも……口下手な人の言ってること……わかるのかって……」

睦月「あー、それは難しいかもしれないにゃ」

弥生「難しいっていうか……無理……」

睦月「それもそっか」

弥生「はい……」

睦月「それはそうと睦月はこれからお昼なんだけど弥生も一緒にどうかにゃ? 如月ちゃんはさきに食べちゃったから困ってたにゃしい」

弥生「ん……」コク

睦月「うむ、それじゃあ一緒にいくぞよ! にゃははは……!」

弥生「……」


 食堂

睦月「間宮さん、おひるくださーい! で、今日の献立はなにかにゃ?」

間宮「ふふ……今日は豚カツよ」

睦月「わぁ……! よいぞ! よいぞ! ねぇねぇ、弥生はカツすき?」

弥生「え……好きだけど……」

睦月「やっぱり姉妹だから好きなものも似てくるのかもね!」

弥生「そう……かな……?」

 ザワザワ……

睦月「およ? あっちに人が集まってるにゃしい。なにか楽しいことでもあったのかなぁ」

弥生「さぁ……」

睦月「食べる前に見に行ってみようよ!」

弥生「え……」

睦月「ほら、こっち、こっち……」

弥生「ま、待って……引っ張らないで……」


曙「ごめんなさい……」

潮「すみません……」

加賀「……」オロオロ

瑞鶴「二人とも見なさい加賀さんまだ言葉も出ないぐらい怒ってるじゃない! もっとちゃんと謝らないと駄目!」

加賀「はぁ? この間抜けはなに考えてるのかし――」

曙「うっ……」

潮「本当にすみませんでした……」

加賀「い、いえ、二人に言ったわけじゃないのよ?」

瑞鶴「浮かれてた駆逐艦全員にいってるんですよね!」

加賀「瑞鶴ゥ!」

潮「ひゃっ……!」

赤城「……」モグモグ


睦月「え、えっと……なにがあったの?」

時雨「ん? ああ、睦月か。あの二人がちょっとじゃれあってたら加賀さんのお昼をぶちまけちゃったらしいよ」

睦月「それはたいへんにゃしい……って、時雨、どこいくの!?」

時雨「どこって……逆に聞くけどここはどこだい?」

弥生「しょ、食堂……です……」

時雨「ならわかるだろ? お昼に戻るんだよ」

睦月「えぇ……それはマイペースすぎない?」

時雨「別にそんなことないでしょ」

睦月「さすがは時雨……クールにゃしい……」


瑞鶴「あの加賀さん、二人も反省してるみたいだしそろそろ許してあげましょうよ」

加賀「あ、貴方はだまってなさい」アタフタ

瑞鶴「いや、でももう二人とも反省してますよ? もうそろそろいいんじゃないですか?」

加賀「……駄目ね、血管が切れそうだわ。覚えておきなさいよ、あとで血反吐はかせてあげるから」

瑞鶴「え……それはちょっと……怒りすぎじゃないですか?」ヒキ

加賀「……」ブチッ

翔鶴「あ、あの……加賀さん、アンパンです!」

加賀「……」ギリギリ

翔鶴「あわわ……」

赤城「ご馳走様でした。ああ、加賀さん」

加賀「はい」

赤城「食器かたしておいてください」

加賀「はい」

赤城「さて、午後の執務はどうしますかねぇ……」スタスタ

曙「……」ズーン

潮「……」ズーン

加賀「うぐぐ……」

睦月「いよいよ混沌としてきたにゃしい……」

弥生「は、はい……」

加賀「!? や、弥生! いいところにいました!」

弥生「え……」

加賀「さぁ、こっちにきて、この子達を説得して!」

弥生「!?」


加賀「さぁ!」

弥生「む、むりぃ……無理……です……!」

加賀「どうしてそう意地悪をいうんです! あのわけのわからない提督の言ってることがわかるのであれば私の真意などすぐにわかるでしょ?」

弥生「えぇ……?」

?「あ、あの……!」

加賀「ん? ……どうかしたかしら」

羽黒「ご、ごめんなさい。良ければ私から二人に説明させてもらえないかなっって……」

加賀「……え?」

羽黒「あの、二人とも加賀さんはもうぜんぜん怒ってないから大丈夫」

曙「で、でも、最初、誤っても何も言ってくれなかったし……」

羽黒「ううん、それはちょっとびっくりしたから声が出なかっただけで怒ってたわけじゃないとおもうの? ですよね、加賀さん」

加賀「え、ええ」

羽黒「ほら、大丈夫。 二人とも加賀さんは見た目がちょっと怖いけど本当は優しい人だってしってるとおもうの」

曙・潮「「……」」

羽黒「だから、そんなに謝られると逆にこまっちゃうんじゃないかなって。あ、え、えっと、そういうことです……」

瑞鶴「いや、あの顔は絶対に怒って――パーシン――痛いっ!? ちょ、ちょっと何を――」

加賀「静かにしなさい。焼き鳥にするわよ、このあほうどり」

瑞鶴「あ、あほうどりっていうにことかいて――」

加賀「……」ゴゴゴ……

瑞鶴「あ、はい……すみません」

羽黒「あ、あはは……」

加賀「ゴホン……!」

羽黒「ご、ごめんなさい」

加賀「二人とも先ほどまでは取り乱しました。別に怒ってないわ、それより早く汚れた制服を洗ってきなさい」

潮「あの、本当にごめんなさい……」

曙「ごめんなさい……」

加賀「はぁ……だからいいのよ。それよりも火傷をしてないようで安心しました」

潮「あ……ありがとうございます」

加賀「……別にお礼を言われるようなことではないわ」

翔鶴「はぁ……さすが加賀さん――ひぃん!」

加賀「あなたも黙ってなさい」

翔鶴「は、はい……」


 ――13:00――

鎮守府 食堂

加賀「……さっきはごめんなさい。私もすこし動揺していました」

弥生「い、いえ……大丈夫……です……」

加賀「そういってもらえると助かるわ。翔鶴」

翔鶴「は、はい!」

加賀「焼きそばパンとコロッケパンです」

翔鶴「すぐにかってきます!」

瑞鶴「えぇ……? 納得いかない……」

加賀「……あ?」

瑞鶴「うぐ……」

弥生「あ、あの……」

加賀「ん? なんです?」

弥生「あ……加賀さんじゃなくて……羽黒さん……教えてほしい……です……」

羽黒「え? えっと、弥生ちゃん、どうかしたの?」

弥生「どうして……加賀さんがいいたいこと……全部……わかったんです……?」

羽黒「う、うーん……なんでっていわれても……お友達だからかなぁ」

睦月「え?」

加賀「なんです?」

睦月「か、加賀さんと羽黒さん、仲いいんですか?」

羽黒「え、えっと……」チラッ

加賀「……ええ、友人ですよ」

睦月「はぇー、加賀さん、顔広いにゃしい」

加賀「ふふん! ええ、ええ、そうでしょう、そうでしょう」

羽黒「あ、あはは……」

弥生「お友達……えっと、じゃあ弥生もお友達になれば……おこってるって……いわれなくなりますか……?」

睦月「むぅ、それそんなに気にしてたの?」

弥生「はい」

睦月「即答……」

?「わはは……!!」

睦月「あれ? この声って――」

弥生「司令官……です……」


 弥生たちと少し離れた席

提督「わはは……!! とくと見よ、この輝き!! すばらしいとはおもわんか! われらが皇軍の高潔なる魂をうつしたような出来栄え! 勲章というものはいい! 実にいい! なんといっても陛下より賜れるのだからな!」

神通「ええ、すばらしいものだと思います。ねぇ、不知火」

不知火「は、はい……」

陽炎「……」ゲンナリ

提督「そうだろう、そうだろう! 他にも朱盃や軍刀など恩師の一品をいくつも私は授かっているのだぞ! ああ、実を言えばこの軍刀も恩師のものでな、波紋の美しさは並ぶものなしと思っているのだ! これに比べれば天龍や伊勢の獲物なんぞいかほどのものではないわ!」

神通「ええ、ええ。まさにそのとおりかと」ニコニコ

提督「ほぅ……! よし、特別に抜き身を見せてやろう!」スッ

陽炎「まさか勲章ほめただけでこんな上機嫌になるとは思わなかったわ……」ボソボソ

不知火「ええ、不知火も驚きました……」ボソボソ

提督「んー? なにをコソコソとやっている?」

陽炎「!? い、いや、すごいなぁって……」

不知火「右に同じです!」

提督「そうか、そうか。越谷、千住の先というものだな! わっはっは……!!」

神通「ふふ……」

提督「フフーン!」


睦月「うわぁ……あんなに嬉しそうな司令官初めて見たにゃしい……」

羽黒「え、ええ……」ヒキ

弥生「そんなこと……ない……です……」

睦月「え?」

弥生「毎日……もっと嬉しそうなときが……あります……」

睦月「えぇ? 本当かにゃぁ? 加賀さん、わかる?」

加賀「さて……わかりませんね」

翔鶴「あ、きっと勲章みがいてるときですね! 私でもびっくりするぐらい暗い笑顔でずっと笑ってらっしゃいますもの」

弥生「違い……ます……」

翔鶴「えぇ……じゃあ、うーん――」

加賀「……翔鶴、アップルパイとあんぱん」

翔鶴「は、はい……」

瑞鶴「うーん……」

加賀「口を開かない」

瑞鶴「うぅ……はい……」

羽黒「……あ」

睦月「あれ、羽黒さん、わかったかにゃ?」

羽黒「う、うーん、わかったというよりだったらいいなってだけだから……」

睦月「?」

加賀「さて、さっぱり検討がつきませんね。羽黒も遠慮せずに言ってみてください」

羽黒「……あの、皆がちゃんと帰投したときなんて」

加賀「それはないでしょ。私が報告に行ったときなんてずいぶんと邪険にされますよ」

睦月「あー、邪険にされるってほどでもないけど、だいたい目をあわせてくれないよね」

羽黒「あう……すみません」

加賀「別に謝ることではないでしょ。はぁ……降参よ。弥生、答えを教えて」

弥生「え……あの……」

睦月「もっといぶるのはなしにゃしい」

弥生「……羽黒さんの言うとおり……です……」

加賀「……」

睦月「……」

瑞鶴「……あの、これきっと笑うところだと思うんで――ひぃん!」

加賀「弥生のいうことでもにわかに信じがたいわね」

睦月「にゃしい……」

羽黒「じ、自分でいってこういうのもあれですけど……私もちょっと……」

弥生「え、えぇ……?」


 数日後

 ――21:00――

 鎮守府 空母寮 一航戦の部屋

加賀「――ということがあったんです」

赤城「……なるほど。だからあんな馬鹿なことをいったんですね」

加賀「え、ええ……」

赤城「はぁ……事情はわかりました。結構です」

加賀「すみません……」

赤城「いえ、結構です。しかし、報告まえに『私たちが無事に帰投して嬉しいですか?』なんて言うものだから私もずいぶんと肝をつぶしました」

加賀「うぐ……」

赤城「はぁ……提督という人をわかってませんねぇ」

加賀「……」

赤城「ふふ……まぁ、加賀さんの愚かしさのおかげで私としてはいいものを見れましたね。ありがとうございます」

加賀「ど、どういたしまして? あ、あのそれで赤城さん」

赤城「なんですか?」

加賀「提督は喜んでいたのでしょうか?」

赤城「……さて、内緒ということにしておきましょうか」

加賀「えぇ……?」

赤城「なんですか、不満ですか?」

加賀「滅相もありません」

 弥生の提督語教室Ⅱ 艦

>フフーン!
提督が幸子になってしまった

『弥生の提督語教室Ⅱ』 艦です。
>>1がいうのもなんですが昨日との落差よ……。次回は漣編でけど、どっちにころぶのかなぁって。

つづいてコンマいきます

提督から漣への感情度 ↓ コンマ以下
漣から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

お、平和な上に良い感じですね。
わりかし艦娘側のが高いのがちょっとひっかかるけど……提督、わかってる?

提督から漣への感情度:48
漣から提督への感情度:88

つづいて西村艦隊コンマですね。

最上から朝雲への感情度 ↓コンマ以下
朝雲から最上への感情度 ↓×2コンマ以下

満潮から時雨への感情度 ↓×3コンマ以下
時雨から満潮への感情度 ↓×4コンマ以下


駆逐艦は大体癒し

睦月といい軽い喋り方でも案外許容する提督

ロリには好かれるロリコン提督チィース

うーん、低かった山雲とも近似値だったし最上は優秀ですね。これは提督や鈴谷とのコンマにも期待がかかる。
時雨はやっと西村艦隊の仲間を見つけましたね。だというのに……ミッチ、さぁ。コンマ神は本当にわかってるとおもいます。

最上から朝雲への感情度:71
朝雲から最上への感情度:76

満潮から時雨への感情度:25
時雨から満潮への感情度:87

今更だが提督と艦娘の好感度だけ判定したらいいのに
艦娘間の好感度まで判定したらこうなるわww
>>1の狙い通りだろww

満潮の主人公属性感

これから改善……していくかな?

またフラグブレイカー満潮が降臨してる…

帰ってこれました。今日はは打ち合わせの会場で集合なんで一回、仮眠とってから09:00ぐらいから更新します。

>>400
折をみて別スレで掌編書きたいぐらいに幸子好きです。
間宮さんとか川内とか犠牲者の山を積み上げてきた提督はさすがというか役者が違うというか……うん……

>>405
逆にやばいのはみっちとか雷とか黒潮あたりですかね

>>407
しゃべり方については本人が一番問題抱えてるっていうのが……

>>408
龍驤さんにあんな数値出してる時点で言い逃れできないんだよなぁ……

>>411
ま、中篇がレイテ編なので多少はね?

>>412
提督がもろに悪役だからね、仕方ない

>>413
山雲と朝雲のコンマが楽しみですね

>>414
みっちへのフラグはもうボロボロ……

帰ってきました。
更新していきます。今朝は寝過ごして更新するまもなく出勤してしまい申し訳ありませんでした。


 ――21:00――

 駆逐艦寮 第六駆逐隊の部屋

漣「……」コソコソ

漣「あった……」ニヤッ

 パタン

漣「!?」

潮「ただい――あれ? どうしたの?」

漣「あ、いや、なんというか……あれだ、なんでもないよ-?」

潮「?」

漣「あ、あはは……」

潮「??」

曙「あー、もう最悪……なんでお風呂で二水戦なんかとかち合っちゃう――って、あんたたち何やってんのよ?」

漣「ファ!? ぼ、ぼのたん、なんでこんな早く帰ってきたんの!? 駄目じゃん! お風呂はちゃんと10000秒ぐらい数えないと!」

曙「……なによ、私が帰ってきたら都合が悪いの?」

漣「い、いやそんなことはないけど……」

曙「ふーん……それよりそれ返しなさいよ」

漣「え……あ!? あわわ……い、いや、これは……うっっくぅー、なんもいえねぇー!」


曙「……そういうのいいから早く時計返しなさいよ」

漣「あっ、はい」

曙「まったく……傷つけてないわよね?」

漣「うん……」

曙「ちょっと急に神妙にならないでよ、調子狂うわね」

漣「めんちゃい!」

曙「……」

潮「え、えっと……」

漣「……ごめんなさい」

曙「はぁ……別にいいわよ。なに、そんなに見てみたかったの?」

漣「あ、いやぁ、そういうわけじゃ……」

曙「はぁ?」

漣「ナンデモナイデスヨ?」

曙「……ふーん?」

漣「うぅ……ちょ、ちょっと漣はお出かけしてきます!」

潮「え? こんな時間に? もうすぐ消灯だよ?」

漣「いいの、いいの! サラダバー!」

 バタン!

潮「あ、いっちゃった……」


 ――21:10――

 鎮守府 甘味処・間宮

提督「くっくっく……やはりわかるものにはわかるのだ、この胸にかがやく栄光に」ニヘラ

間宮「あら、今日はずいぶんとご機嫌なんですね?」

提督「……そんなことはない」グビグビ

間宮「それにしてはずっと勲章見てニコニコなさってますけど……」

提督「う、うるさい! それよりも酒だ、酒。それとほっけも頼む」

間宮「ふふ……はーい、すぐに用意しますね。お先にお酒だけ失礼しますね」

提督「ちっ……」グビグビ

 コン、コン

提督「あ?」

漣「え、えっと……おじゃましま~す」

間宮「あら……? 漣ちゃん、どうしたの?」

漣「あ、キタコレ!」

提督「……もういっぱい冷でくれ」

間宮「はい、はい。どうぞ」

提督「うむ」グビ

漣「あ、ちょっと! 無視しないでくださいよ! わき腹つついちゃいますよ!」

提督「ブホッ!? ……ゲホッ!? な、なにをするのだ! この痴れ者め!」

漣「いやぁ、天龍さんからご主人様がここにいるってきいたときはうそかなぁって思ったけど本当にいるなんて漣、びっくりなのです!」

提督「あ、おい、なにを座ろうとしているのだ! くそ、駆逐艦はもうおとなしくもう寝ろ!」

漣「嫌デース」

提督「……その語尾は不快だ、やめろ」

漣「えぇ、いいじゃないですか!」

提督「そうだな、少し前なら良かったかも知れんな」

漣「? それよりも漣にもなにかおごってくださいよ」

提督「貴様、上官にたかりに着たのか……?」

漣「えー、いいじゃないですかー。漣がぼのたんならおごった上で膝に乗せて撫で繰り回すくせにぃ!」

提督「曙にそんなことせんわ!」

漣「お……それなら誰ならするんですか? まさか潮っちとか」

提督「だ、だれにもするわけないだろ」

漣「えー、マジー?」

提督「……帰る」

漣「もー、ご主人様、まじめなんだからぁ。うっふーん」

提督「……」フラフラ

漣「あ、ちょ、ご、ごめんなさいってそんな怒らないでくださいよぉ!」

提督「お前の言動なんぞで怒ってない。ただ私は静かに飲みたいので場所を変えるだけだ」

間宮「え……ホッケ、もうすぐ焼けますよ?」

提督「……」ストン

漣「あ、戻ってきた」


提督「ちっ……うるさいぞ。おかげで酒精がすっかり抜けてきた、間宮」

間宮「ええ」

提督「……」グビグビ

漣「ねぇねぇ、ご主人様」

提督「はぁ……なんだ」

漣「お酒って美味しいんですか?」

提督「ん……どうでもいいだろ」

漣「えぇ? 美味しいなら漣にもちょっとくださいよ」

提督「はっ!! やるか!」

漣「えー、ケチー」

提督「……なんで私は飲んでるといつも吝嗇家扱いされるのだ」

漣「ほえ?」

提督「なんでもない。それに別に酒なんぞうまいものでもないぞ」

漣「美味しくないのに飲んでるんですか?」

提督「うぐっ……大人の味というやつだ。まずい! もう一杯! というわけだな」

漣「またそうやって適当なこと言う」

提督「……うるさい、うるさい!」ガジガジ

漣「あ、スルメだ! もらーい!」

提督「……もう何もいうまい。間宮、もう一杯よこせ」

間宮「ふふ……どうぞ、ホッケとお酒です」

提督「ああ」

漣「ホッケって美味しいですよね!」

提督「……間宮、とりざらをよこせ」

間宮「はい、はい」

提督「ほれ、これを半分やるから食べたら帰れ」

漣「えー、もう少しお話しましょうよ」

提督「頭が痛くなってきた……。まぁ、それでも天龍のときよりはマシか」ボソッ

漣「なにかいいました?」

提督「なんでもない」グイッ

漣「それ、一気! 一気!」

提督「ぶっふ!?」

漣「うわ……ばっちぃ」

提督「ゲホゲホ……いきなりなにをいいだすのだ、ばか者!」

漣「えー? お酒飲むときはこういう感じですよね?」

提督「隼鷹の影響だな……あの、馬鹿め。いいか? お前ももう少したてばわかると思うが酒というのは静かにゆっくりと飲むものなのだ」

漣「はぁ」

提督「お前たちにはいつもいっているが気のらい返事をするな」

漣「へい!」

提督「へいほー」

漣「!?」


提督「あ……なし、今のはなし! うぐぐ……いかん、少し回ってきたか」グビ

間宮「そうですねぇ、もういつもの倍近く飲まれてるんですからおやめになったほうがいいかもしれませんね」

提督「うむ……そうする」

漣「……」ポカーン

提督「……なんだ」グイッ

漣「いや、ご主人様もそんなこというんだなぁって」

提督「ちっ……酒が入ればこういうこともある。第一、ちんず府しれー長官は洒落をいってはいけんのかね? Sage ich das Falsche? Do you have complaints? んー? 答えてみたまえ?」グビグビ

漣「あ、いや、そんなことは……」

提督「そうだろ! 憲法にも日本臣民ハ法律ノ範圍内ニ於テ言論著作印行集會及結社ノ自由ヲ有スとあるではないか。だからアカでもない私が何をいっても問題にならんのだ。わはは……参ったか!」

漣「あ、はい」

提督「わかればよろしい! ほれホッケを食え!」グイグイ

漣「あ、いや、じ、自分で食べられますからそんなに押し付けないでくださいぃ!」

提督「そうか? わはは……!」モグモグ

漣「……えぇ? 間宮さん、お酒ってこんなに一気に回るものなんですか?」

間宮「えっと……それはまぁ、人それぞれというか……提督の場合はお疲れもあるかもしれないです……」

漣「はぁ、なるほど」

提督「……うぃー、いかん、いかん。イカンガーってなものだ」

漣「激寒」

提督「あ?」

漣「なんでもないであります!」

提督「そうか、そうか。越谷、千住の先!」

間宮「提督、それ好きですね」

提督「うむ! なんといっても語感がよいのじゃ!」(利根ボイス)

漣「ブー!? ゲホ! ゴホ!」

提督「……汚いな」


漣「い、今のなんですか」

提督「利根の声真似だ」

漣「いや、それはわかるんですけど……どういう声帯してるんですか?」

提督「……鶏鳴狗盗ということわざは知っているか?」ガタッ

間宮「? あ、ちょっ!? て、提督、お酒返してください!」

提督「よいぞ、よいぞ! わはは……!」(睦月ボイス)

漣「うわぁ……」ドンビキ

提督「で、鶏鳴狗盗だ」グビグビ

漣「……そりゃあちょっとぐらいなら」

提督「それなら話が早いにゃしい」グビグビ

漣「その口調はやめろぉ!!」

提督「ふむ……わかった。でだ、私は考えたのだ、人をうまく使えなければ自分で下らんことでもできるようならんといかんのらとな。そのらめには、だな……ウト、ウト……ぐぅ……」

漣「え……?」

間宮「あら、寝ちゃったわね……」

漣「えぇ……? フリーダムすぎるでしょ……」

間宮「あの、普段はこんなことにならないのよ? 今日はちょっと羽目を外しちゃっただけだから失望しないであげてね?」

漣「いや、それは……はい」

間宮「えっと……私、部屋まで送ってきますね」

漣「え……大丈夫なんですか?」

間宮「ええ。こう見えて私って結構力持ちなのよ」

漣「はぁ……なるほど。あの……一応、漣も一緒に行っていいですか? おぶってたらドア開けたりするのたいへんですよね?」

間宮「……そうね」

漣「?」


 ――22;30――

 鎮守府 司令部棟 提督私室

間宮「よっこいしょっと。さぁ、提督、お部屋に着きましたよ?」

提督「……ぐぅ。なんで、だれもこの勲章をほめんのにゃ……」

漣「でっかい寝言ですねぇ」

間宮「ふふ……そうね」

漣「えっと……間宮さん」

間宮「なにかしら?」

漣「さっき仰ってましたけどご主人様ってやっぱりすっごい疲れてるんですかね?」

間宮「んー……そうだとおもうわよ? いろいろと最近はおもうところもあったと思うし」

漣「やっぱりそっかぁ……それならわがまま言っちゃだめだよね」

間宮「どうかしたの、漣ちゃん?」

漣「いえ、なんでもないです……」

間宮「……?」

 漣編 艦

あの顔でにゃしいは犯罪

漣編 艦です。
漣相手だし、はっちゃけてもいいかなって死に設定気味になってた声真似入れました。
前スレで提督はずっと酔ってたらいいってレスあったけど>>1も書いてて本当にそうおもいました。漣編はこう、なんというかイチゴみたいにあまずっぱい感じで行きたいですね。ぐへへ……

そして次回以降のための唐突な提督の能力コンマ

提督の芸術スキル ↓コンマ以下

……本当にこの提督、人付き合い以外は割かし平気でこなすのはなんなん。
ここから収束する(確信)
ちなみにスキルについてはクトゥルフTRPGの目安を参考にしております。なのでまったく売れない画家ぐらいの習熟度になるんだけど、総統かな?

提督の芸術スキル:55

続いて西村艦隊コンマです。


満潮から山雲への感情度 ↓コンマ以下
山雲から満潮への感情度 ↓×2コンマ以下

満潮から朝雲への感情度 ↓×3コンマ以下
朝雲から満潮への感情度 ↓×4コンマ以下

姉妹仲がよく提督にも好意的
この姉妹天使?

これが収束というやつなんですかね。それとも後輩だから守りたいとかそんな感じかなぁって……ええやん、やっぱり主人公じゃん。

満潮から山雲への感情度:55
山雲から満潮への感情度:59

満潮から朝雲への感情度:83
朝雲から満潮への感情度:53

本日はここまでになります。ありがとうございました。明日は仕事で長野のほういってきますのでお休みになるかもしれません……更新する場合は21:00までに報告入れます。
最後になりましたが6月はまた出張でロシアいくので一週間ほどお休みいただきます。誰か代わってクレメンス……
それではおやすみなさい。


長野は国内だからまだしもロシアってまたすごいとこいくな……

間宮さん漣が付いてこなかったら絶対いかがわしいことしてたやろ

乙でした

盗聴器が増えるとこだったね

大匙一杯分くらい遺伝子情報の詰まった体液を持ち出されるだけだから平気でしょ()

帰ってきました。少し寝てから更新していきます。

>>428
犯罪は草

>>433
割かしこのスレの中では天使

>>438
ロシアはとにかくご飯がね……まずいというか、口に合わない

>>439
そらそうよ

>>440
ありがとうございます

>>441
カメラだったかもしれない

>>442
遺伝子情報の詰まった体液……血液ですね、間違いない

おきました。少し寝るだけのつもりだったんですが、爆睡してました申し訳ありません……
更新していきます。


 ――05;30――

 鎮守府 執務室

提督「うっ……まだ少し残ってるか……」

 コン、コン

提督「……入れ」

赤城「おはようござ――あら、今日は随分とお酒のにおいがしますね」

提督「うぐっ!? そ、そんなことはない」

赤城「いや、それはちょっと無理がないですか?」

提督「……うるさい。いいからお前も仕事をはじめろ」

赤城「はい、はい」

提督「……なぁ、赤城」

赤城「? はい、なんですか?」

提督「こいつを見てどう思う」

赤城「?? 勲章ですね、どうかしましたか?」

提督「……もういい。わかるやつだけわかればいいのだ」ブツブツ

赤城「うふふ……本当はわかってるんですよ? でも、私が褒めたら面白くないですもんね」

提督「うぐぐ……あ? なにかいったか?」

赤城「いーえ、なにも?」

提督「であればいつまでも突っ立てないで手を動かすように」

赤城「ふふ……はい、はい、畏まりました」


 ――19:30――

 鎮守府 甘味処・間宮

 ガラッ

提督「……」

間宮「あ! いらっしゃいませ! 今日は随分とお早いんですね」

提督「いや、今日は別件だ。カセットコンロのガスを切らしてしまってな」

間宮「え? それは勿論いいですけど……あの、どうかなさったんですか?」

提督「ふん……お前には関係ないことだ。いいからさっさと寄越せ」

間宮「はぁ、どうぞ」

提督「うむ。それではな」

間宮「……あの、すみません。今日はもうこちらにはいらっしゃらないんですか?」

提督「うむ。今日は少し用があるのでな」

間宮「……」

提督「……不気味な顔をしてなんだ?」

間宮「い、いえ、なんでもないです」

提督「……とにかく私は戻る。すまなかったな」

間宮「はぁい」

提督「?」

 ピシャ

間宮「くふ……さぁて、提督いっらっしゃらないのならさっさとお店閉めないと」

間宮「久しぶりにじっくりと二人でお話できそうだし、楽しみだなぁ……うふ、うふふ……」


 ――20:00――

 鎮守府 司令棟 間宮の部屋 

間宮「ちょっとお店のお掃除したりで時間かかちゃったわね……うふ、提督、カセットコンロでなにつくってるんですか?」

 ポチ ザー、ザー……

提督『……』トントン

間宮「あら、まだ何か切ってるところだったんですね。ちゃんと指切らないように猫の手にしてますか? あ、今度はにゃーって言ってみてくださいよ! 絶対に可愛いですよ!」

提督『ふぅ……さて、これぐらいで具材はいいか。出汁もいい塩梅だな……あとはひき肉もあるしつくねでもつくってみるか』

間宮「コンロ……出汁……つくね……ああ、お鍋ですか。最近、とくに冷えてきましたから寒がりの提督にはおつらいですよねぇ。あ! つくねに生姜いっぱいいれればあたたまりますよ!」

提督『ふむ……ただ作ってもあれだし、生姜でも少し多めに入れてみるか』コネコネ

間宮「やった! あ、私も一緒にお料理しますね! えっと冷蔵庫になにがあったかなぁ?」

提督『……』コネコネ

間宮「うーん、一応、お鍋はできるか。私もがんばろっと」

 ――10分後――

提督『ふむ……こんなものだな。さて、〆はどうするか』

間宮「……あ! 〆はおうどんにしましょうよ!」

提督『ちっ……うどんしかないな。仕方ない』

間宮「あら、提督、おうどん嫌いでしたか?」

提督『はぁ……せっかくの味噌なべなのだからラーメンの方がなぁ。買ってくるか? いや、この時間では流石に面倒だな』

間宮「ああ、味噌なべなんですね。てっきり水炊きとかかと」

提督『……』ガサガサ

間宮「えっと、ここから味噌鍋にするなら信州味噌のほうがいいかなぁ。あとは七味と――」ゴソゴソ

提督『よし、あとは火をいれるだけだな。量も二人分だと考えれば問題あるまい』

間宮「ん? 二人?」

提督『……手持ち無沙汰だな。やつが来るまで手品の練習でもしておくか」

間宮「へぇ……鈴谷ちゃんですか? 龍驤ちゃんですか? 曙ちゃんですか? あ、意外なところで霧島さんとか。他には弥生ちゃんとか蒼龍さんとかかなぁ?」

提督『……』スッスッ

間宮「もう! だんまりはひどいですよぉ!」

提督『……あ』

間宮「え? え? どうかしたんですか?」

提督『いかん。こんな簡単なもので失敗するとは腕が鈍っているな。また折をみてちゃんと練習せねば』

間宮「むむむ……やっぱり手品も日々の練習なんですねぇ。お料理もそうなんですよ?」

提督『……』サッサッ

間宮「がんばってくださいね」

提督『うむ……少し不安だが、一応は成功だな』

間宮「やった!」

コン! コン!

間宮「あ、提督、来客みたいですよ」

提督『来たか……よし、入れ』

?『失礼します』

間宮「え? この声って……」

提督『時間通りだな。まぁ、座れ』

長門『……それで今回はどのようなご要件で』

提督『相手に見下ろされながらでは落ち着いて話も出来ん。違うか?』

長門『……』ガタッ

提督『それでいい。見ての通り私は今から食事なのだが長門も一緒にどうだ』

長門『いや、ご遠慮して――』

提督『は? なんだ、上司の誘いを断るというのか?』

長門『いや、そんなつもりは――』

提督『そうか。なら食え』

長門『う、うむぅ……』

間宮「やっぱり長門さんだ……。え? 提督、写真だと55と51でしたよね? 私の知らないうちになにか――いや、それはありえないですよね?」

提督『ほれ』

長門『あ、ああ、いただきます。……うまいな』

提督『そうか』

長門『うむ……』

提督『……』モグモグ

長門『……』モグモグ

間宮「え? なにこの重い空気は? さっきまで二人で楽しくお料理したりしてたのに……」


提督『……今日、お前を呼び出したのはほかでもない。連合艦隊旗艦の後任についてだ』

長門『……その前に一つ私から提督にいわねばならないことがある。聞いてもらえるだろうか?』

提督『ほう、言ってみろ』

間宮「つくねがまだ生だったとかにして……!」

長門『先日は私の迂闊さで迷惑をかけてしまった。申し訳ない』

提督『は? 金剛ならともかくお前に詫びを入れられるようなことをされた覚えはないぞ』

長門『派閥云々の件だ』

提督『……別に罰は加えたのだから、詫びはいらん』

間宮「やっさしい! ほら長門さん、提督もこういっているんですし、変なシリアスはやめましょうよ!」

長門『いや、そういうわけにもいかない』

提督『そうか……』

長門『ふっ……今思えばなんで私は連合艦隊旗艦などという地位にこだわっていたのだろうな。そんな立場などなくても仲間を守り、敵と戦うことはできたというのにな』

提督『確かにな。しかし、懺悔がしたいのであれば寺なり教会なりに行ってくれ。私は後任についてのお前の意見が聞きたいのだ』

長門『ふっふっふ……やっぱりあなたはあなただな。私とて一応は女だぞ、少しぐらい慰めてくれてもいいと思うのだが』

間宮「いやいや、そんなの提督じゃないから。長門さん、もうすこし現実をみましょうよ」

提督『……そういうものか』

長門『そういうものだ』

提督『……いい具合だな。一旦、火を止めるぞ』

長門『くっくっく……そうだな』

間宮「……えっと私の方のお鍋はもう少しでできますよ?」


提督『お前の話はよくよく分かった。話を本題に移すぞ』

長門『うむ。提督のなかで誰か候補はいるのか?』

提督『……一応は、な。武蔵、翔鶴、加賀、日向あたりにしようかとは思っていた』

長門『赤城や蒼龍、霧島あたりはいいのか?』

提督『駄目だな。執務室にいる連中にそこまで権限を集中させたくない』

間宮「そうですよ! 赤城さんにこれ以上、好き勝手されると私もいろいろとやりにくくなるんですから!」

長門『ふむ……そのなかだと、武蔵か加賀だな』

提督『理由は』

長門『簡単なことだ。武蔵も加賀も力と人望がある』

提督『人望……?』

間宮「提督、じつはああみえて加賀さんって駆逐艦に結構慕われてたりするんですよ?」

提督『……まぁ、いい。他の二人は駄目か?』

長門『うむ……弾劾された私が言うのもなんだが、翔鶴は経験と人望がな……』

提督『しかし、地位が人を作るということもあるのではないか?』

長門『そういうこともあるだろうが……この敵からの反攻が予測されている現状で試すことではあるまい』

提督『……』

長門『次に日向については性格が問題だな。ああいう凝り性な艦娘は戦機を逸するおそれがあるので旗艦に向いているとは思えん』

提督『なるほどな』

長門『しかし、美味いな。鳳翔あたりから貰ってきたのか?』モグモグ

提督『ちっ……断ろうとした割にはよく食うではないか』

長門『うむ! 思っていたことを言ってみたらどうもすっきりしたのでな』

提督『そうか』

間宮「あ、そろそろかな……よっし! 提督、私もお鍋できましたよ!」

提督『よし、お前、酒は飲めたか?』

長門『なんだ、出してくれるのか?』

提督『……感謝しろよ』

間宮「えっと……お酒、お酒っと」

提督『私としては誰が旗艦になったとしてもお前にはその援助を期待している』トクトク

長門『おっとっと……うむ、任せてくれ』

提督『それを聞いて安心した』

間宮「よいしょっと手酌はちょっと寂しいですけど……かんぱーい!」

提督『……』チビチビ

長門『……』チビチビ

間宮「えぇ……? 乾杯ぐらいしましょうよ……」


 ――1時間後――

長門『ふぅ……御馳走さまでした。いや、美味かった』

提督『そうか』

間宮「よかったですね、提督!」

長門『片づけは――』

提督『いらん』

長門『ならば、私はここで失礼しよう。提督、今日はありがとうございました』

提督『……おう』チビチビ

長門『それでは失礼します』

 バタン

提督『はぁ……片づけるか……』

間宮「あ、私も片付けますね」

提督『……』ジャブジャブ

間宮「今日はいきなり長門さんなんかよんでどうしたんですか?」

提督『はぁ……』ジャブジャブ

間宮「どうしたんですか?」

提督『あんな風に罷免してしまったが、それほど苦にしてないようでよかった』

間宮「ははぁ、なるほど。やっぱりそういうことでお呼びになったんですね」

提督『……』ジャブジャブ

間宮「……あ、こうして二人で片付けしてると新婚さんみたいですね。なんちゃって、うふ……」ジャブジャブ

提督『ふぅ……やはり鍋は片付けが楽でいいな』

間宮「ああ、それはありますよね」

提督『よし……終わりだな。しかし、どうも最近は独り言が増えてきたな』

間宮「独り言じゃないですよ? 私がいるじゃないですか」

提督『いい年だしな、結婚ぐらいは考えた方がいいのかもしれんな』

間宮「うーん……でも、提督と釣り合うぐらい素敵な人捜すとなると大変ですよ?」

提督『はぁ……駄目だ、駄目だ。この戦いが終わるまではそんな浮ついたことを考えるものではないな』

間宮「そうですかねぇ。素敵な人なら私は応援しますよ?」

提督『さぁ、少しだけ練習して寝るか』

間宮「ええ、ええ、私はいつでもあなたのことを応援してますよ。頑張ってくださいね」

提督『……』スッスッ

間宮「ふふ……」

 提督ラヂオⅠ 艦

なんだ、純愛か
つまりこれは綺麗な盗聴

提督の加賀の評価案外高いのね

問題は武蔵の感情度・好感度だ


加賀さんは長門が選んだ理由に人望と言ったときに提督は疑問符で返したりしてるし評価が高いというわけではないのでは
単純に空母側から序列順に一応あげては見たけど選ばれるとは思ってないって風に感じた

間宮さんは提督が選んだ相手がよっぽどの奴じゃない限り応援してくれる……?やっぱりいい娘じゃないか!


なお盗聴を止めるビジョンは一ミリも浮かばん模様

提督ラヂオⅠ 艦です。
昨日はあれだけ寝たのに寝落ちとかなさけねぇことこの上ないことをしてしまいました。申し訳ありません。
毎回、いってますけど単話は難しいですね……

次回は美雪様ですね。
おまけも含めてコンマとります。

提督から深雪への感情度コンマ ↓コンマ以下
深雪から提督への感情度コンマ ↓↓コンマ以下

電から深雪への感情度コンマ ↓×3コンマ以下
深雪から電への感情度コンマ ↓×4コンマ以下

提督はまぁ、こんなもんだよなって納得の数値なんですが……電はここで取り返せるのか。
深雪から電への感情度が90以上です! 好感度コンマに移行します。

電から深雪への好感度コンマ ↓コンマ以下
深雪から電への好感度コンマ ↓↓コンマ以下

ファー!!WWW
色々と妄想が広がる結果に草が抑えきれない。

提督から深雪への感情度:74
深雪から提督への感情度:21

電から深雪への感情度:29 電から深雪への好感度:23
深雪から電への感情度:90 深雪から電への好感度:55


最後にいつもの西村艦隊コンマです。

時雨から山雲への感情度 ↓コンマ以下
山雲から時雨への感情度 ↓↓コンマ以下

時雨から朝雲への感情度 ↓↓↓コンマ以下
朝雲から時雨への感情度 ↓↓↓↓コンマ以下

時雨ガチでクールやん。なおミッチ
次回で西村艦隊コンマも最後になるので、感情度コンマをとらせていただいた飛鷹までやってから中編に突入します。

時雨から山雲への感情度:56
山雲から時雨への感情度:67

時雨から朝雲への感情度:38
朝雲から時雨への感情度:81

最後にご報告です。
気の早いお話ではありますが本スレ埋めネタは前スレ最後で頂いた『金剛を後回し』『提督が当たりを引き続ける』『曙と結婚』の条件でやります。
ご協力ありがとうございました!

それではこれで海苔とか集めてきます……おやすみなさい……

提督と赤城と間宮が一緒の食卓を囲むとどうなるのか私気になります

仕事終わりました。
本日ですが2300より更新します。

更新していきます。
前回もたくさんの乙ありがとうございました。

>>467
綺麗な盗聴は草

>>468
>>470の方がおっしゃってるように提督としては一応、あげておいた程度だったと思います。
当スレでは加賀さん、リランカでやらかしてますし……

>>469
これで武蔵のコンマ低いといろいろとやばいんだよなぁ……

>>471
間宮さんは提督とお話してるだけだから(震え声)

>>499
食卓になにがのってるかが問題

 ――18:00――

 鎮守府 駆逐艦寮 談話室

提督「――というわけだ。霧島から聞いていると思うが今回の撮影に関してはお前に任せる。励めよ」

曙「はぁ……なんで私がこんなことしなきゃなんないのよ……」

提督「任務の一環だ。ぐだぐだいうんじゃない、馬鹿者め」

曙「わかってるわよ、このクソ提督!」

提督「ふん……それよりお前、カメラの使い方はわかるのか?」

曙「馬鹿にしてんの? 逆に聞くけど普通のカメラとなんか違うところあるの?」

提督「ないな」

曙「うん、それなら大丈夫ね。それにしてもこういう大きなカメラってかっこいいわね、えへへ……」ペタペタ

提督「……壊すなよ?」

曙「こ、壊さないわよ!」

提督「……」

曙「……なによ、まだ文句あるの?」

提督「いや、文句ではないが時計もそうだがお前の趣味は男のそれだな」

曙「な、な、な……なんてこというのよ!」

提督「うるさいぞ。私は別に思ったことを述べたまでだ、逆上するほどのことでもないだろ」

曙「うぐぐ……」

提督「さ、それよりも感情度作戦を発動する。いくぞ、曙」

曙「……」

提督「返事はどうした、返事は?」

曙「うっさい!」


 ――18:10――

 鎮守府 中庭

提督「うむ、それでは作戦の概要を再度説明する」

曙「……」

提督「何をむくれているのだ」

曙「むくれてなんかないわよ!」

提督「はぁ……いいか、お前は向こうに隠れてここを通る艦娘と私を写真に収めろ」

曙「え……来た子には写真撮るって教えないの?」

提督「伊勢に逃げられたからな。この際、やむを得まい」

曙「反対! 艦娘っていっても女の娘なのよ!?」

提督「お前にそういった権利はない。今回はいわれたことを淡々とこなせ」

曙「……帰る」

提督「!?」

曙「当たり前でしょ? そんな隠し撮りなんて真似は青葉にでもしてもらいなさいよ」

提督「うぐぐ……」

?「ちょっとちょっと道の真ん中でなにやってんのさ。邪魔、邪魔!」

提督「あ?」

深雪「な、なんだよ?」

提督「……おい、曙」

曙「?」

提督「深雪はどうだとおもう?」

曙「え? いきなりなによ?」

提督「感情度のことだ。問題ないとおもうか?」

曙「ああ、なるほど。うーん……えっと、うん、わかんない」

提督「はぁ? おまえなぁ……同じ駆逐艦だろ?」

曙「だ、だって、三水戦と一航戦つきの七駆じゃ繋がりなんてほとんどないんだもん!」

深雪「あのさぁ、さっきからいってるけど道の真ん中で――」

提督「ええい! 考えるだけ面倒だ、やれ 曙!」

曙「う、うん!」

深雪「は、はぁ!? うぇ、何!?」

電「ボドー、帰ったらご飯なのです。だからいっぱいお散歩してお腹を――」

 カシャッ!


電「 はわわわ!? び、びっくりしたのです……」

曙「あ……」

提督「ん? どうした」

曙「そ、それが後ろの電までうつちゃったみたい」

提督「ふむ、問題ない。電!」

電「え、えっと、はい」

提督「ボドーを連れてこっちにこい」

電「は、はいなのです……」トテトテ

深雪「お! わんこじゃん! 電、だっこさせて!」

電「ひぅ!?」サッ

提督「おい、何故私の後ろに隠れる」

電「あうあう……」

提督「……深雪、お前何をしたんだ?」

深雪「な、なんにもしてないし! 人のことそうやって疑うのやめてくんない!」

提督「……曙、写真を寄越せ」

曙「え?」

提督「いいから」

曙「んー、わかったわよ」

提督「どれ……おい、深雪」

深雪「だからさっきからなんなんだよ? それにいきなり写真撮ったりさぁ、わけわかんないし!」

提督「お前、青葉の新聞は読んでないのか?」

美雪「ふふーん、この深雪様が新聞なんてまどろっこしいもんよむわけないじゃん!」

提督「そうか、そうか。いちいち説明するのは面倒だな……おい、電はどうなのだ?」

電「あ、えっと……一応は……」

提督「ならばこの写真の意味も分かるということだな」

電「はいなのです……」

深雪「はぁー、さすがは電だなぁ」

電「あう……」

提督「深雪、もうこのさい私への数字は不問にしてやる」

深雪「?」

提督「しかし、電になにをしたのかは話してもらうぞ。普通に嫌われているレベルではないか」

電「!?」ビクッ


深雪「!? ちょ、ちょっとたんま! たんま!」

提督「なんだ?」

深雪「え、なに電にきらわてんの? この深雪様が?」

電「そ、そんなことはない……のです……」

深雪「ほら! 電もこういってんじゃん! たぶらかすのは川内さんたちだけにしてよ!」

提督「たぶらかす? 私が川内を? 冗談は砲撃のさいの台詞だけにしろ」

深雪「! 冗談じゃないし! 美雪スペシャルは必殺技だし!」

提督「……そうか」シラー

深雪「うわ、すっごい腹立つ!」

提督「ほら見ろ、ボドーも呆れてるぞ。電、かしてみろ」

電「え? 」

提督「なんだ、文句があるのか?」

電「うぅ……どうぞ……」

提督「くっくっく……ほら、見ろ。深雪、このつぶらで慈愛に満ちた瞳の中にある哀れみを」

深雪「そ、そんなことないもん!」

曙「……あの」

提督「ん? なんだ?」

曙「さっきから気になってたんだけど、ボドーってなんなのよ?」

提督「ボドーはボドーだ。エノケンのワンワン大将をしらんのか?」

曙「知らないわよ……」

提督「ふっ……そうか」

曙「そうかじゃないわよ! なにが『ふっ……』よ!」

提督「うるさいやつだな。ボドーがおびえてしまうではないか。くふ、くふふ……」モフモフ

曙「うわぁ……」

提督「ゴホン……なら電、この数字の意味はなんなのだ?」

電「あうう……」

提督「さっさといわんか。まどっろこしい」

曙「ちょっと嫌がってるじゃない。誰にだって話したくないことはあんのよ?」

提督「しかし、上官としては艦娘の仲不仲ぐらいは把握しておきたいのだ」

深雪「そうだぜ! 司令官、あんたやっぱり人としておかしい――」

電「あ、あの!」

深雪「――な、なんだよ?」


電「実は……深雪ちゃんをみるとどうしても……罪悪感というか……ごめんなさいなのです……」

深雪「はぁ? どういうことよ?」

提督「……なるほどな」モフモフ

曙「……クソ提督は電のいいたいことが分かったらしいわよ」

深雪「えぇ? 絶対、分かってないぜ?」

提督「……いいか? 艦艇だったときのお前の沈んだ理由はなんだ?」

深雪「そ、そりゃあ、電との衝突だけど……」

提督「そういうことだ」モフモフ

深雪「??」

曙「ちょっと言葉足り無すぎない?」

提督「ぐふ……そうか?」モフモフ

曙「……気持ちわる――じゃなかった。ちゃんと説明しなさいよ」

提督「はぁ……なぜお前達はボドーよりも頭が回らんのだ。人型をしているというのにネコやオスカー以下だぞ」モフモフ

深雪「なに? 司令官は深雪スペシャルくらいたくて挑発してんの?」

提督「……仕方ない。電はいまだにお前を見ると罪悪感に苛まれてしょうがないので顔も見たくもないそうだ」

電「そ、そこまでいってないのです!」

提督「そうか? ふふ……」ナデナデ

電「……もう電が自分でいうのです」

提督「当たり前だろ。なんで私がお前の気持ちを通訳してやらねばならんのだ」

弥生「……そうだ……自分の気持ちは……ちゃんと相手に伝えてやれ……」

睦月「はぁー、なるほど。分かりにくくてこれはひどいにゃしい」

提督「!? どこから沸いた!?」

弥生「さっき……食堂から……です……」

提督「うぐぐ……そんなことはいってない!」

睦月「えー?」

 ギャー、ギャー


電「……あ、あの、深雪ちゃん」

深雪「う、うん」

電「避けるようなことしてごめんなさいなのです。どうしても深雪ちゃんをみるとひどいことしちゃったって思って……」

深雪「……」

電「だから、その、あうあう……」

深雪「はぁ……」

電「!?」ビクッ

深雪「あのさ、この深雪様がそんな過去のこと気にしてると思う?」

電「で、でも!」

深雪「でももへちまもないよ。深雪様はそんなこと気にしてない」

電「……」

深雪「そんなことより一緒に戦う仲間じゃん! だからさ、うーん……なんていうのかなぁ、とにかく仲良くやっていこうぜ!」

電「は、はいなのです!」

提督「しかし、どうなのだろうな。電みたいなタイプは深雪の事が素で苦手そうだ――」フガフガ

曙「余計なこというじゃないわよ!?」

深雪「じゃあさ、仲直りの印に一緒にご飯食べにいこうぜ! 吹雪姉たちも紹介してあげるから!」

電「え? あ、いや……電は龍田さんがお部屋でお料理してくれるので……」

深雪「そっかー。残念! 今度は一緒にたべようぜ!」

電「は、はい……」

提督「ふっ……」

曙「むかつくわね! なによ、その勝ち誇った顔!」ゲシゲシ

弥生「……」ゲシゲシ

提督「馬鹿! お前たち、上官を蹴るやつがいるか!?」

 深雪編 艦

深雪編 艦です。久々に原点回帰。
深雪様ってあたしって一人称だと思ってたけど、自分のこと『深雪様』としかいってないのね……割かし驚きました。

つづいて飛鷹のコンマいきます。

提督から飛鷹への感情度 ↓コンマ以下
飛鷹から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

これは……なんというか……急降下爆撃もある……
提督から飛鷹への感情度が10以下です! 高感度コンマにうつります!

提督から飛鷹への好感度 ↓コンマ以下
飛鷹から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

ファー! 案の定の急降下爆撃やん!
なんという反転……

提督から飛鷹への感情度:05 提督から飛鷹への好感度:89
飛鷹から提督への感情度:86 飛鷹から提督への好感度:12


最後に西村艦隊コンマと4部以降のためのおまけです。

山雲から朝雲への感情度コンマ ↓コンマ以下
朝雲から山雲への感情度コンマ ↓↓コンマ以下

提督の音楽スキル ↓↓↓コンマ以下

提督は相変わらず隙がないですね……ジャイアンにもなれないのか……
朝雲から山雲への感情度が90overです! 好感度判定に移ります。

山雲から朝雲への好感度 ↓コンマ以下
朝雲から山雲への好感度 ↓↓コンマ以下

これ爆弾?って一瞬思ったがこんなんでも通常判定なんだな……

この流れよ……今日は反転がトレンドですね。
>>1の裁量によらない仲良し姉妹の誕生までの道のりは険しい……

山雲から朝雲への感情度:62 山雲から朝雲への好感度:72
朝雲から山雲への感情度:92 朝雲から山雲への好感度:17

提督のスキル
武道:67 料理:77 芸術:55 音楽:63

料理が一番得意なのか(困惑)

それでは本日はここまでになります。おやすみなさい。

>>528
一応、通常ですね。ほぼほぼ爆弾扱いだけど。

仮眠室うまってたので帰ってきました。
お腹へってがやばいのでなにか食べてから更新していきます。

前回に登場した『ボドー』は電編で拾ってきた子犬です。調べていただいた方はありがとうございます。>>1はスカパーかなんかでみたような気がするんですがワンワン大将VHS化もされてないのね……
元ネタではボドーはシェパードなんですが、さすがにシェパードの子犬はやばいので本編では雑種の小型犬ぐらいで想像していただけると幸いです。


 ――21:00――

 鎮守府 空母寮 談話室

龍驤「ふぅ……やっぱりお風呂上がりは牛乳やね! ほれ、飛鷹も飲み」チューチュー

飛鷹「あ、はい」

龍驤「なんや元気ないやん。なんかあったん?」

飛鷹「いや、そんなことないんですけど、ソファのアレみてくださいよ……」

蒼龍「えへへ……」ペラ

龍驤「? ただの蒼龍やん」

飛鷹「いやいや、あれなにみて悦に浸ってるのかわかってます?」

龍驤「ああ、どうせあれやろ? 提督の写真か沈めた敵の写真」

飛鷹「……よくわかりましたね」

龍驤「うちも持ってるで」

飛鷹「どっちを!?」

龍驤「どっちも。青葉がくれんのよ」

飛鷹「うわぁ……」

龍驤「なんやその反応は。敬愛する上官の写真と自分の戦果やで? 普通やん。それにこの前もらったやつは傑作やったで、くっくっく……」

飛鷹「いや、ちょっと私にはあれの写真持ち歩くって言うのは想像できなくて」

龍驤「んんん? 飛鷹って司令官のこと尊敬してるって言うてへんかった?」

飛鷹「昔のことです」

龍驤「ほーん……まぁ、でもあれや、そういうことはあんま赤城の前でいうたらアカンよ」

飛鷹「赤城さんですか? なんで?」

龍驤「なんでも。いいからお姉さんのいうこときいとき」

飛鷹「はぁ」

赤城「……なにをいったらいけないんですか?」

飛鷹・龍驤「「!?」」


赤城「どうもこんばんわ」

龍驤「お、おう」

赤城「で、なんのお話ですか?」

龍驤「いや、あれや……なぁ、飛鷹?」

飛鷹「え!? え、えっと……」

赤城「ふふ、別にかまいませんよ? 龍驤さんがなにをいっていようとどうせ些事にすぎません」

龍驤「あ、あはは……よくわかってるやん」

赤城「ええ、ええ、大丈夫、大丈夫ですよ」

飛鷹「……あの」

赤城「ん? なんですか?」

飛鷹「その『大丈夫、大丈夫』って提督の口癖でしたよね?」

赤城「……そうですよ。それがなにか?」

飛鷹「い、いや、ちょっと気になっただけです」

赤城「ふーん……そうです――」

 バタン!

提督「入るぞ。む、どうも既存の面子ばかりだな。次にいくぞ、次」

赤城「――提督、どうかなさいましたか?」

提督「作戦行動中だ」

赤城「はぁ、なるほど」

曙「す、すみません……」

赤城「いえ、別に謝るほどのことでは」

提督「さて、次はどうするか」ズカズカ

曙「あー、もう! 待ちなさいよ!」

提督「待つもなにもソファで思案するだけだ」ドスッ

蒼龍「!? ちょ、目の前に座るなら声かけてくださいよ!」サッ

提督「なぜだ、ここは空母寮の公共の場であろう? そのソファに腰掛けるのにいちいちお前の裁可が必要なのか?」

蒼龍「いやいや、乙女には秘密ってものがあるんです!」

提督「そうか」

蒼龍「うわぁ、ちっとも興味なさそうですね……」

提督「まったくないからな。当然だ。ほれ、曙も突っ立てないで座れ」

曙「……はい、はい」

提督「なんだ、その返事は」

曙「うっさい!」

提督「うるさいのはお前だ」

曙「そういう意味でいってないわよ!」

蒼龍「はぁ……」


提督「わからんやつだな。それより蒼龍」

蒼龍「んー、なんです……」

提督「空母で写真機を使っていない連中でだれか安牌らしきものに心当たりはあるか?」

蒼龍「え? 今日、早めに執務切り上げたと思ったら、それまだやってたんですか?」

提督「質問に質問で返すな」

蒼龍「うっ……それじゃあここにいる人なら龍驤さんとか飛鷹とかじゃないですか……」

提督「龍驤と飛鷹か……ふむ」

蒼龍「で、私の質問ですけど」

提督「ここに私と曙がいる。それだけで十分な答えだろ」

蒼龍「それはまぁそうですよね」

提督「龍驤はまぁ、撮らないでも問題あるまい。付き合いの長さで言えば一番だしな」

赤城「……」

龍驤「な、なんや」

赤城「いえ、別に」

提督「そうなると残りは飛鷹か。飛鷹!」

曙「え? 飛鷹さんならさっきでていったわよ」

提督「ちっ……なぜ呼び止めなかったのだ」

曙「ええぇ……?」



 XX12年 5月

 日本 軍令部 艦娘用食堂

飛鷹「……」モグモグ

五十鈴「ちょっと! 人を呼び出しておいてなにもないわけ?」

飛鷹「うっ……ごめんなさい。まだちょっと心の整理がつかないというか、これ聞いたら戻れないような……」

五十鈴「まどろっこしいわね。私も暇じゃないのよ?」

飛鷹「うぐ……分かったわよ! あの、私たちの提督のことなんだけれど――」

五十鈴「待ちなさいよ。私たちのってどういうこと?」

飛鷹「え、え?」

五十鈴「いい? アレは五十鈴のなの」

飛鷹「いや、それは前の任務であって――」

五十鈴「はぁ?」

飛鷹「なんでもないわよ……」

五十鈴「ふーん、そう。それならさっさと本題にはいりなさいな」

飛鷹「……その前になんで提督の腕折ったの?」

五十鈴「いらないからよ」

飛鷹「は?」

五十鈴「一時とはいえ、この五十鈴が心を許した男よ? 五十鈴以外を抱いて、撫でる腕なんかいらないでしょ? だから裏切りのお仕置きもかねて折ったのよ」

飛鷹「!? ちょ、ちょっとあなた何言ってるのか分かってるの!?」

五十鈴「勿論よ」

飛鷹「ありえない! 私たちは艦娘なのよ?」

五十鈴「そうね」

飛鷹「そうねって……」

五十鈴「話がそれだけなら五十鈴は戻るわ」

飛鷹「ま、待って! あと一つだけ聞かせて!」

五十鈴「……なによ?」

飛鷹「うっ……あの、提督が艦娘に沈むように命令したっていうのは本当なの?」

五十鈴「……さぁ? 五十鈴自身はそんなことはなかったけれど……どうしても知りたいなら伊勢さんあたりに聞いたら?」

飛鷹「伊勢さん? え、な、なんで?」

五十鈴「北号作戦よ。アレが参謀として最初に携わった作戦の旗艦じゃない」

飛鷹「北号作戦……」

五十鈴「面白い話よね。前回は最後の成功を得た作戦が、今回は最初の躓きなんだから」

飛鷹「……」

五十鈴「それじゃあね」

 日本 軍令部 北方海域司令長官付き艦娘控室

大淀「……北号作戦ですか? あんまり思い出したくないですね」

伊勢「同感ね」

飛鷹「は、はぁ」

大淀「私はあの時、指揮をとっていた参謀のことは知りませんがああいう人の下に付くというのは金輪際、ご免こうむりたいですね。なにせ無茶苦茶な命令ばかりでしたから」

飛鷹「無茶苦茶って例えばどんなところが?」

大淀「……『一度目の好機は見逃せ』」

飛鷹「?」

大淀「わざと一隻、敵を大破させてから逃がすんですよ。そうすると増援がやってくるでしょ?」

飛鷹「え、それだと連戦になるんじゃないですか?」

大淀「それが狙いですよ。国民に疲弊し、ボロボロになり、倒れながらも次々と現れる敵に立ち向かう私たちを見せることで国内の士気ならびに連帯を強める。そのためなら駆逐艦の一隻や二隻ていど沈んでもかまわないというのが件の参謀の弁です」

飛鷹「え、いや、だって、そんな……」

大淀「? どうしたんですか、顔色が悪いですけど?」

飛鷹「そんなことないです……」

伊勢「ああ、日向がいってたけどあれって空母の運用研究に回されたんだってね。もしかしては今はあなたたちのところとか?」

飛鷹「違います! だってありえない、この前だって三人で飲みに行って、酔いつぶれた隼鷹のことおぶってくれて、それに――」

伊勢「いやいや、そんなむきならないでよ。貴方のところの司令か司令官が私たちのいう参謀と同一人物かはわからないじゃない?」

飛鷹「そ、そうですよね?」

伊勢「うん、うん」

飛鷹「……私、帰って提督に聞いてみます」

伊勢「あー……あんまりそれはお勧めしないよ」

飛鷹「え?」

伊勢「あれは軍令部に所属してる軍人たちのなかでは一種のタブーだからね。聞かれても誤魔化すにきまってるよ」

飛鷹「……ありがとうございました」

 バタン

伊勢「あーあー、行っちゃったかぁ」

大淀「まぁ、あの調子なら同一人物ってことなさそうですし大丈夫なんじゃないですか?」

伊勢「んー、そうだといいけどね」



 日本 軍令部 提督執務室

隼鷹「ねぇねぇ、今日の飲みはここ連れてってよ!」

提督「……高い。それになんで私が飲みにつれていくことになってるのだ」

隼鷹「えー? じゃあ、いつものとこでいいからさぁ」

提督「はぁ……わかった、わかったから書類かたしている時ぐらいは静かにしていてくれ」

隼鷹「やりぃ!」

提督「まったく現金なやつだな」

隼鷹「ははは……!」

 バタン!!

提督「!? な、なんだ?」

飛鷹「はぁはぁ……」

隼鷹「ひ、飛鷹、どうかしたの?」

飛鷹「だ、大丈夫だから……ふぅ、提督、ひとつ聞いてもいいですか?」

提督「あ、ああ、構わないが……」

飛鷹「……北号作戦を指揮したのは提督なんですか?」

提督「……誰から聞いた?」

飛鷹「いいから答えてください」

提督「……そうだ。あの作戦は私が指揮をとった」

飛鷹「……そう、ですか」

提督「誰に聞いたかしらんがあの作戦は成功だった――」

飛鷹「もう、いいんです。私はこれで失礼します……」

提督「……」

隼鷹「あ、あはは、飛鷹、今日の飲みなんだけどさぁ、いつものところに――」

飛鷹「いかない」

隼鷹「うえっ!?」

飛鷹「なによ」

隼鷹「あ、う、うん……ごめん」

飛鷹「別に」

 バタン

提督「……」

隼鷹「……」


 日本 軍令部 飛鷹型の部屋

飛鷹「信じてたのにな……あの人ならきっとこの戦争の終わりまで私たちを連れてってくれるって……」


 飛鷹編 艦

飛鷹編 艦です。
昨日も回線切れて繋がるの待ってる間に寝落ちしちゃったんですが、もう深夜に投下するのやめた方がいいかもしれんね……
内容につきましては毎回、いってるけど五十鈴が猟奇的な上にアレで申し訳ありません。
ちらちら名前のでてる北号作戦の詳細については未開放の『北号作戦』でやっていきます。考えてみたらそれなりに長そうだし普通に四部にしちゃえばよかったかもしれぬい……

次回から中編になります。いつもどおりの予告編→本編の構成になります。

最後にここのところ毎回やってるおまけコンマ。

提督の釣りスキル ↓コンマ以下
提督の運     ↓↓コンマ以下

ここにきて収束してきましたね。
しかし、この運は……大鳳からの感情度が高いのにも納得。

提督のスキル
武道:67 料理:77 芸術:55 音楽:63 釣り:24 運:23

それでは本日はここまでになります。
おやすみなさい。


ようやく苦手の一つも出来たか
運が低いのはすごい納得

のんびり待つ必要がある釣りなんて絶対向いてないわ

この人ゴリ押しで物事進めるし、進められるだけの能力(指揮含める)があるからなぁ

つまり釣竿ではなくモリを持たせるべきと言うことか

コンマ神は曙と補い合う事を望んでいるのか……前>>1000も曙√やし

納得の運23

乙。まぁ釣りは嫌いじゃないかもだが向いてはないだろうな。ぼんやり考え事してたら戦術の草案思いついたり、思い出したくない事で悩んだりして釣りどころじゃなさそう。

変な時間に寝たせいでおきちまったよ……やることもないので書いてたら予告編は大方できたので西村艦隊のコンマまとめたのを落としてから更新していきます。

毎回、たくさんの乙ありがとうございます。

>>558>>563
大体、毎回、BADENDがTRUEになってるあたりに23の片鱗がありましたね。
いや、自業自得なんですけどね……

>>559
>>564の方がおっしゃる感じで向いてなさそうですね。やはりコンマ神はいる(確信)

>>560
指揮能力とかはアニメとかだとよく有能扱いなのに実際は無能じゃんみたいになってる人がいるので、できるだけ提督が有能になるよう描写をこころがけていましたのでそういっていただけると幸いです。
……手法に関しては昭和の社長みたいなもんやね。

>>561
提督「獲ったどー!!」

>>562
曙√に関しては埋めネタですからね、いつもどおりアレです。
ただ提督も行方不明にならないし、前回、前々回よりはかなり明るくはいくであります。


西村艦体コンマ総まとめ

【山城から】

山城から扶桑への感情度:08 山城から扶桑への好感度:54
扶桑から山城への感情度:94 扶桑から山城への好感度:83

山城から最上への感情度:59
最上から山城への感情度:54

山城から満潮への感情度:91 山城から満潮への好感度:99
満潮から山城への感情度:96 満潮から山城への好感度:22

山城から時雨への感情度:36
時雨から山城への感情度:47

山城から山雲への感情度:96 山城から山雲への好感度:04
山雲から山城への感情度:52 山雲から山城への好感度:88

山城から朝雲への感情度:76
朝雲から山城への感情度:87

【扶桑から】

扶桑から最上への感情度:66
最上から扶桑への感情度:76

扶桑から満潮への感情度:25
満潮から扶桑への感情度:39

扶桑から時雨への感情度:75
時雨から扶桑への感情度:27

扶桑から山雲への感情度:23
山雲から扶桑への感情度:11

扶桑から朝雲への感情度:46
朝雲から扶桑への感情度:70

【最上から】

最上から満潮への感情度:48
満潮から最上への感情度:70

最上から時雨への感情度:33
時雨から最上への感情度:57

最上から山雲への感情度:29
山雲から最上への感情度:24

最上から朝雲への感情度:71
朝雲から最上への感情度:76

【満潮から】

満潮から時雨への感情度:25
時雨から満潮への感情度:87

満潮から山雲への感情度:55
山雲から満潮への感情度:59

満潮から朝雲への感情度:83
朝雲から満潮への感情度:53

【時雨から】

時雨から山雲への感情度:56
山雲から時雨への感情度:67

時雨から朝雲への感情度:38
朝雲から時雨への感情度:81

【朝雲&山雲】

山雲から朝雲への感情度:62 山雲から朝雲への好感度:72
朝雲から山雲への感情度:92 朝雲から山雲への好感度:17


 XX17年 12月

 ――21:30――

 鎮守府 空母寮 談話室

提督「しかし、今日はあまり成果を上げられなかったな。明日はもっと積極的に動いて行った方がいいかもしれんな」

曙「えぇ……?」

提督「なんだ、不満――」

霧島『緊急連絡!! 提督は至急、執務室までおこしください! 繰り返します提督は至急、執務室までおこしください!』

提督「む……曙、任務はここまでだ! 赤城、行くぞ!!」

赤城「はい!!」

 バタン!!
 
蒼龍「……きな臭いですね」

龍驤「おう……噂のレイテかもしれんな」

曙「……」ゴクリ

蒼龍「曙、送っていくわ。部屋で待機していなさい」

曙「は、はい!」


 鎮守府 執務室

提督「状況の報告を!」

霧島「はい!! 本日、ヒトロクマルマルに南方海域司令長官麾下の艦隊が大規模な敵部隊を発見!! 交戦に至るもフタマルマルマルをもって全艦撤退、レイテ湾に深海棲艦の展開を許したということです!」

提督「馬鹿な! 報告が遅すぎる! 今まで南方海域司令部はなにをしていたのだ!」

霧島「それが司令長官が本土に戻っていた上に代理の指揮官が第一波の空襲で戦死したので指揮系統が混乱していたようです」

提督「ちっ……それで現状ではだれが指揮をとっているのだ」

霧島「南方海域司令長官秘書艦の陸奥さんがその任にあたっているようです」

提督「艦娘に指揮が執れるか……使える、使えない以前の話だな。で、我らになにか命令は来ているか?」

霧島「いえ、現状ではまだ……」

提督「閣下も私も素晴らしくついていないな! 各部隊の旗艦を早急に第一会議室に集めろ!! すぐにでも出撃要請が来るぞ!」

霧島「了解!」

提督「赤城、外せ」

赤城「え?」

提督「煙草を喫む。こういうときは落ち着くのが一番の急務だ」

赤城「お構いなく。それに普段、吸ってないものをふかして落ち着くものなのですか?」

提督「閣下方がいうにはそういうことらしいぞ」カチッ

提督「フゥー……作戦自体は練ってある。練度も問題ない。不安があるとすれば流れだな」ブツブツ

赤城「流れですか?」

提督「ああ、こちらは司令部の指揮官を敵の展開直後の空襲で失ってる。忌々しいがこれは敵に天の利がある証拠だ」

赤城「しかし、そんなものは一時の運ではないですか」

提督「馬鹿を言うな運が勝敗をわけることなどいくらでもある。証拠に不慮の天候の元での遭遇戦で寡兵が多勢を討つなど古今東西いくらでもあっただろ。いいか、こういう時は天は我らに利していないという前提で行動すべきなのだ」

赤城「そんなものですか」

提督「……納得していない顔だな」

赤城「いえ、そんなことありませんよ」

提督「ちっ……勝手にしろ。どうせ作戦の立案・指揮をとるのは私だ」

霧島『緊急連絡! 以下の艦娘は第一会議室に集合せよ! 金剛、長門――』

提督「やっと放送が入ったか。赤城、補給部隊ならび工作部隊に大規模出撃の準備を整えるように伝達してこい」

赤城「はい」

提督「……あとは気が進まんが私からも一度、本土に連絡を取るか」


 ――21:50――

 日本 軍令部 大会議室

南方海域司令長官(以下、南方)「わしの留守を狙ってコソ泥のようなやつらだ! こんな下らん茶番にいつまでも付き合っていられん! すぐにわしは司令部に戻るぞ!!」

中部海域司令長官(以下、中部)「戯けたなことをおっしゃるな。まずは落ち着かれよ」

南方「なんだと小僧!! 文句があるなら敵の前にお前の司令部に46cm砲をぶち込むぞ!!」

東方「……失礼した。そう激昂されては話も出来ぬ、まずは落ち着かれよ」

南方「はっ! 敵に自分のねぐらを荒らされて落ち着けるか!」

西方海域司令長官(以下、西方)「あ、いや、南方海域司令長官の仰ることもいちいちもっともだが、まずは落ち着くというのは間違っていないのではないかな?」

南方「ぐだぐだうるせぇぞ!」

西方「あ、いや、なんというか、うむ……」

南方「で、元帥よ、わしはこれで帰っていいんだろうなぁ?」

元帥「……南方さんよ、俺は中部の小僧に賛成だよ。落ち着いたらどうだい、ちっともらしくねぇや。てめぇのかかあに膝枕でもしてもらって頭冷してきな」

南方「……んだと?」

元帥「病気だかなんだかしらねぇが、ぶっ倒れてる北方の馬鹿を除いて各方面の司令官が報告のためにこの軍令部に集合してる時期を狙ったかのような反攻作戦。情報が漏れてたってのが普通の考えなんじゃないのかい? そんな中、空からか海からかしらねぇが単身で無事に帰られると思ってるのならお笑いもんだよ」

南方「ちっ……お前さんがこんな危ない時に招集なんざかけなければ、こんなことにならなかったっていうのにのんきなもんじゃねぇか」

元帥「さて、知らないねぇ。まぁ、レイテはきな臭かったからな、いくらでも備えはあるが……」

中部「元帥、意見具申いたします。わが精鋭艦体にて敵主力に一撃を与えたのちに現地の細かな戦力でこれを包囲するというのはいかがでありましょう?」

元帥「ばぁか。手前の部隊を集めるのに時間がかかりすぎなんだよ。レイテだけなら一時貸してやるのもやぶさかじゃねぇがルソンまでは話になられねぇ」

中部「……失礼しました」

元帥「おう、口ひらくんなら考えてからにしやがれ。で、さっきから神妙な顔してる西方さんはなんかあるかい?」

西方「元帥に備えがあると仰るのならばそれを使うべきでは――」

元帥「はぁ……さすが、さすが」

西方「……」

元帥「西方さん、あんたは所詮、軍人よりも外交官の器だよ。作戦のさの字もしらねぇんだもんな」

西方「……それは、なんというか失礼しました」

南方「おい、元帥よ、いつまでくだらねぇこといってんだ。さっさっと手前の備えってのをいってみろよ? 口から出まかせだったらただじゃおかねぇぞ」

元帥「はっ……! まぁ、みてなよ。そろそろ動くはずだぜ?」

 バン!

参謀「会議中に失礼いたします! ――鎮守府の鎮守府司令長官より連絡が来ております!」

元帥「おう、来た来た」

南方「おい、お前さんまさか……」

元帥「へっへっへ……わかったかい? これが年の功ってもんだよ。おい、こっちに回せ」

参謀「かしこまりました!」


提督『失礼いたします。――鎮守府の提督であります』

元帥「おう、俺だ」

提督『――は?』

元帥「なんだい、随分と気の抜けた返事じゃねぇか」

提督『し、失礼いたしました!』

元帥「誰かちゃんとわかったみたいじゃねぇか。偉い、偉い」

提督『お褒めにあずかり光栄です』

元帥「あはっはっは……!! そうだろう、そうだろう。でだ、君に命令を下す」

提督『畏まりました。元帥閣下の御命令とあれば身命を賭して拝命いたします』

元帥「レイテの部隊を叩け。方法は手前で考えていい。ただし、陸との協力は認めてやるが他の鎮守府や基地に協力を求めるなよ。敵に情報が洩れてる恐れがある他の拠点まで手薄にしたくない、精鋭で鳴る君のところだけでなんとかしろ」

提督『……敵の戦力は不明でありますが、レイテに展開するだけの大部隊です。我らだけでは力不足――』

元帥「おいおい。言った言葉ぐらいちゃんと呑み込めよ」

提督『……どういったことでしょうか?』

元帥「身命を賭してって言ったよな。御国の為だ、出来ないにしてもそういうことは麾下の艦娘もろとも戦死してからいうんだな」

提督『……申しわけありませんでした。謹んで拝命いたします』

元帥「おう、そうしてくれ」

提督『それでは私はこれより作戦の指揮に移ります。失礼いたします』

元帥「健闘を祈る」

提督『……ありがとうございます』

 ブチッ、ツーツー

元帥「参謀の君はご苦労だったね。下がっていいぞ」

参謀「はっ! ありがとうございます!」

 バタン

西方「うむ……いや、なんというか……いくら精鋭部隊と新進気鋭の指揮官といえどこれは無謀ではないでしょうか?」

元帥「はっはっは……!! わかってねぇなぁ、わかってねぇ」

南方「……」ギロッ

元帥「カッカッカ……!! 南方さんよ、そんなに睨むなよ! あんたは俺が常勝将軍ってなんでよばれてるか一番よくしってるだろ!」

南方「常勝将軍ね……軍部を覆う暗黒星雲じゃねぇのかい?」

元帥「それも結構なあだなじゃねぇか! 気に入ったよ! はっはっは……!!」

南方「……ちっ」



 ――22:10――

 鎮守府 司令部棟 第一会議室

提督「ゴホン……全員、集まったな」

霧島「はい。謹慎中の者まで含めて全員揃っています」

提督「そうか。では、今回の招集の目的を説明する。我らはこれより単独にてレイテ沖に展開した深海棲艦を駆逐する」

長門「!? 馬鹿な! レイテ沖の部隊を突破して展開するなど大部隊ではないか、それを単独で撃破するなどするなど夢物語だ! 再考を願い出るべきだ!」ガタッ

提督「……これはすでに下された命令だ。保護にすることは許されん」

長門「うぐぐ……」

提督「他にも本作戦に異論はあると思うがすべて却下する。わかったか?」

 シーン

提督「わかったか!!!」

一同「はい!!」」

提督「……では、引き続き作戦概要の説明を行う。まずは部隊を遊撃部隊本隊、第二遊撃部隊、第三遊撃部隊、機動部隊、指揮及び予備部隊の5つに分けるぞ」

神通「お待ちください」

提督「……なんだ?」

神通「指揮及び予備部隊といわれると提督も前線に出られるおつもりなのですか?」

提督「ああ、敵は大部隊で密集していることが予想されるからな。奴らの発する電波で通信が阻害される恐れがあるので前線で指揮をとるのが道理であろう」

神通「しかし、危険です! それに万が一、提督が戦死なさった場合、全部隊が瓦解する恐れがあります!」

提督「軍人に危険もクソもあるか。それにこの部隊は厚くするので心配するな」

神通「……かしこまりました」

提督「よし。それでは各部隊の旗艦を発表する遊撃部隊本隊・武蔵」

武蔵「おう! 今度こそは大戦果をあげてみせよう!」

提督「……第二遊撃部隊・金剛。第三遊撃部隊・山城。機動部隊本隊・翔鶴。指揮及び予備部隊は私の直属であるが旗艦は赤城とする」

瑞鶴「ま、まって! まって!」

提督「はぁ……続いて作戦であるがサーモン海域の戦いと同様に機動部隊本隊による陽動で敵主力部隊――」

瑞鶴「待ってっていってるじゃない!!」

提督「……うるさいやつだな。つまみ出すぞ」

瑞鶴「ぐぐぐ……なんで機動部隊の旗艦が翔鶴姉ぇなの! 納得いかない!」

提督「一航戦、二航戦ともに予備として扱うからだ」

瑞鶴「そ、それなら私が――」

提督「下らんな。お前であればまだ翔鶴のほうが旗艦を任せられる」

瑞鶴「なっ!?」

提督「いいか? 私は絶対とは言わんが勝てる布陣を考えたつもりだ、お前は翔鶴の指示に従って戦果をあげることだけを考えろ。それに我らには次がある、違うか?」

瑞鶴「……はい」

提督「よし、では作戦の説明に戻る。機動部隊本隊をもって敵主力を陽動、主力が消えたのちにレイテに展開する部隊に遊撃部隊が突入、これを殲滅する」

赤城「……へぇ」

長門「異議あり! それでは負けた前回をなぞるだけではないか! なにを考えている!」

提督「ああ、そうだな。しかし、今は前回はなかった戦力がある。パラワン水道の潜水艦や空襲についても対策を考えている、押し切れるはずだ」

長門「……そんな簡単にいくのか?」

提督「ああ、大丈夫だ、大丈夫」

長門「わかった……あなたのいうことを信じよう」

提督「うむ。引き続き作戦の説明を行うが各部隊の旗艦以外の者は第2会議室に移動しろ。そこで部隊の振り分けを霧島より説明させる」


 ――30分後――

提督「――作戦の全容は以上である。臨機応変さが求められる作戦である命令ごとに各部隊で混乱が生じるかもしれんがそれはお前たち旗艦がうまく制御しろよ」

金剛「むぅ……いまいち納得できないデース」

提督「はっ……勝手にってろ。他の者はしっかりとわかったな?」

武蔵「ああ、任せろ!」

提督「……お前はくれぐれも長門となにごとも協議しろよ」

武蔵「はっはっは……私をなんだとおもっているのだ! 大丈夫に決まっているだろ!」

提督「そういうところが不安だというのに……翔鶴、作戦通りならばお前のところが一番の激戦となるがうまくやれよ」

翔鶴「は、はひ!」

提督「そう緊張するな。何のための予備だとおもっているのだ」

翔鶴「え、えっと……それは……はい……」

山城「はぁ……不安だわ……」

提督「不安か……一応の慰めにいっておくがお前たちは一隻も沈まん」

山城「またそうやって無責任なことを……」

提督「ふん、無責任かどうかは当日に判断するのだな。私はこれより出撃の準備にうつる。なにか質問がありば資材倉庫か明石のところにいるので各自で来るように」

山城「はい、はい……」


 ――22:30――

 戦艦寮 扶桑型の部屋

扶桑「うふふ……おいしいでしょ。このお団子」

最上「うん!」

時雨「……」

扶桑「あら、時雨の口にはあわなかったかしら?」

時雨「いや、美味しいよ。とっても」

扶桑「そう。それはよかったわ。朝雲も山雲も満潮もどんどん食べて」ニコニコ

満潮「扶桑、あんたなにかんがえてんのよ?」

扶桑「えっとどういうことかしら? 私なりの壮行会のつもりだったのだけれど……」

満潮「あんた、そんなに殊勝な艦娘じゃないでしょ」

扶桑「残念だわぁ……朝雲もそうおもうかしら?」

朝雲「へ? あ、いや、私はそんなことないと思います……」

扶桑「だそうよ?」

満潮「くっだらない! 言わせてるだけじゃない」

最上「ま、まぁまぁ、そんな風に言わなくてもいいじゃないか僕たちに扶桑が御馳走してくれてるのはじじつなんだしさ」

朝雲「そ、そうだよ! 満潮、ちょっと失礼じゃないだよ」

山雲「……」モグモグ

扶桑「うふふ……ほら、善意なのよ?」

満潮「ちっ……」

扶桑「満潮の機嫌も直らなそうだし、本題に移りましょう。さっきの緊急放送は聞いたと思うけれどあれはおそらくレイテに敵が出たことだと思うの」

最上「レイテかぁ……」

扶桑「あら、最上はレイテに出撃するのは嫌なの?」

最上「そりゃあね、仲間を一気に失ったんだしできれば避けたいよ」

扶桑「ふふ……そうよねぇ。でも、こうもかんがえられないかしら? あの日に忘れてきた私たち西村艦体の栄光と勝利を取りに行けるって」

最上「それは……まぁ、そうだねぇ。あはは……なんかちょっと熱くなってきちゃったな! 朝雲はどう思う?」

朝雲「うん! 私も最上さんと扶桑さんに同感よ!」

最上「やっぱりかー。あはは……」


時雨「……扶桑」

扶桑「なにかしら?」

時雨「あんまりそうやって仲間をあおるもんじゃないよ」

扶桑「……そうね。でも、時雨も楽しみなんじゃないかしら?」

時雨「生き残っちゃった僕はそんなふうに思わないな」

扶桑「そう……」

山雲「あら~、満潮、どうしたの~?」

満潮「付き合いきれないから帰るのよ」

山雲「そうねー。扶桑さん、御馳走様でした。私も帰りますね~」

扶桑「あら、そう? 残念ね」

山雲「ええ、ええ、でも忘れないでくださいね~。私たちの旗艦は扶桑さんじゃなくて山城さんですから~」

扶桑「……うふ、勿論よ」

山雲「……それでは~」

満潮「お休みなさい」

 バタン

扶桑「……まだあったのだけれど二人の分が残っちゃったわね」

最上「だ、大丈夫! 僕が頂くよ」

朝雲「わ、私も!」

扶桑「そう? どんどん食べてね?」

最上「う、うん!」

朝雲「は、はい!」

時雨「……」

扶桑「うふ、うふふ……楽しみ。本当に楽しみねぇ、山城?」



 第三部『レイテの怪』 開幕

というわけで予告編でした。
軍上層部のオリキャラが大量放出でしたね……苦手な人は申し訳ないです。元帥も西方も中部も元ネタになった人が複数いますので、誰だろうなんて考えてみて読んでもらえれば楽しいかなぁって……いや、すみません。
次回以はたまにはアツイ感じでいきたいとおもいます。

それではなんとか寝てみます。おやすみなさい。

帰ってきました。これで今日・明日は寝て曜日や!
乙や感想ありがとうございます。日々の活力になってます。
本編ですがクソながくなったので投下を前・後編に分割して投下させてください。一気にやるとまた間が馬鹿みたいにあきそうやしね……

元帥につきましては大きな反響ありがとうございます。本当にうれしいです。
元ネタにつきましては中部さん以外は将棋と囲碁の棋士です。
この前、一発で当てられた南方さんが藤沢秀行先生、升田幸三先生、米長邦夫先生ですね。
元帥は後編の最後にわかりやすいネタぶっこみますので乞うご期待(?)
……棋士の先生は面白い人が多いからぜひ調べてみてください。そして少しでも将棋とか囲碁に興味をもっていただければ幸いです。(ダイマ)

最後になりましたが福江と浦波掘れたので次回安価から解禁します。


 XX17年 12月 3日

――06:00――

 鎮守府 工廠

明石「提督、そろそろ一度休憩なったほうがいいんじゃないですか?」

提督「馬鹿をいうな。これだけの大規模な出撃を今夜にでもしなければならないのだ。時間などいくらあっても足りん」

明石「いや、まぁ、それはそうなんですけど……」

提督「私に気を使う暇があるなら少しでも早く艤装の整備を行うように」

明石「はぁ……わかりました」

 バタン!

速吸「提督! 今回の出撃で消費する資材の量ですが大まかな数が出ました!」

提督「わかった! すぐに確認に行く! 秋津洲、こちらの確認も頼んだぞ」

秋津洲「了解かも!」

北上「いやぁ、なんというか艤装の点検にうちらまでかりだされるなんて早くも総力戦だよねぇ。ねぇねぇ、夕張としてはどうおもうの?」

夕張「え? どう思うってどういうこと?」

北上「んー? ほら、こんなに準備もなく大規模作戦が発令されたことっていままでなかったじゃん」

夕張「……まぁ、そうね」

北上「こんなこというのも不謹慎だけどさぁ、こんな感じで今回も勝てるのかなって」

夕張「勝つわよ」

北上「お! 即答だね」

夕張「ええ、だって勝たないとこういう艤装いじりもできなくなっちゃうじゃない」

北上「えー? なにそれ?」

夕張「私はまだやりたいことがいっぱいあるの! こんなとこで沈んでなんていられないのよ! だから勝つの!」

北上「あはは……なるほど、なるほど。じゃあ、北上様もがんばろっと」

夕張「そうして頂戴。切実に」

北上「あはは……大丈夫。なんたってわたしは無敵のハイパー北上様だかんね」

夕張「ふふ……」


 ――07;00――

 鎮守府 食堂

睦月「むむむ……鳳翔さん、今日はご飯いっぱいよそってほしいにゃしい」

鳳翔「? 睦月ちゃんがいっぱい食べるなんて珍しいわね」

睦月「えへへ……睦月も今回は護衛部隊で出撃するの」

鳳翔「うふふ……そうなの。じゃあ、いっぱい食べてがんばらないといけないわね」

睦月「そういうことにゃしい!」

弥生「……」

鳳翔「弥生ちゃんはどうするの?」

弥生「え……? 弥生も……出撃……します……」

鳳翔「あらあら、じゃあ弥生ちゃんも大盛りにする?」

弥生「いえ……いつもどおりで……いい……です」

睦月「えー? いっぱい食べようよぉ?」

弥生「大丈夫……です……」


天龍「はぁ……いいなぁ、いいなぁ。睦月のやつまで出撃だってよ」

龍田「……ほら、お口の周りにあんかけついてるわよぉ? じっとしててねぇ」

電「はわわ……!」

雷「……」モグモグ

天龍「あー! ちくしょう、俺も出撃してぇなぁ!」

響「あ、天龍さん、ほっぺにご飯ついてるよ」

天龍「え? まじで?」

暁「もうお子様なんだから」

天龍「暁だけにはいわれたくねぇよ……」

暁「どういう意味よ! ぷんすか!」

雷「あはは……暁姉ぇはそういうところが子供っぽいのよね」

暁「!? もう知らない!」

天龍「うわ、面倒くせぇな。こんなこでへそ曲げるなよ」

暁「うー!!」

龍田「はぁ……」

電「あ、あの、龍田さん、どうしたのです?」

龍田「え? あ、ごめんなさいねぇ。なんでもないわよぉ?」

電「?」


 ――09:00――

 鎮守府 体育館

川内「よっし! みんな、布団はもってきたね!」

吹雪「え、えっと……お布団持って体育館なんて皆でお昼寝するんですか? なんて、あはは……」

川内「吹雪もたまには冴えてるじゃん。そうだよ! ほら、皆、布団敷けー!」

吹雪「うぇ!? ほ、本当にお昼寝するんですか?」

川内「そうだけど」

吹雪「え、でも、ほら、訓練とかしなくていいんですか?」

川内「あのねぇ……今夜から夜通し航行して敵に朝駆けしかけかもしれないんだよ? 二水戦じゃあるまいし、そんなことしてたら体持つわけないじゃん」

吹雪「あう……」

綾波「あ、あはは……でも、どうしてみんなでお昼寝なんですか?」

川内「そりゃあ、結束を高めるためだよ」

綾波「なぁるほどぉ! みんなでお昼寝なんてちょっと楽しそうですもんね!」

川内「ふふふ……全員、分かった? ほら、寝ろー! 寝ないと訓練させるぞー!」

綾波「ふふ……はーい、お休みなさい!」

川内「うんうん、綾波はいいこだねぇ。それに比べて吹雪は……」

吹雪「ちょっと! なんでいつも私をオチにつかうんです!? これでも吹雪型の長女なんですよ!?」

川内「あはは……冗談、冗談」

敷浪「んー? おーい、川内さん!」

川内「どうしたの?」

敷浪「萩風のやつがいないんだけど……」

川内「ああ、萩風はちょっと別任務。まぁ、すぐに合流するから」

敷浪「えー? なにそれ」

川内「うーん……内緒!」

敷浪「……ずるい」

綾波「まぁまぁ、ほら敷浪もお布団敷こうよ。ごろんとしてると気持ちいいよ、えへへ……」

敷浪「……わかったよ、もう」

川内「よーし! じゃあ電気消すぞー!」


 ――10:00――

 鎮守府 訓練場

黒潮「ふぅ……ゴールっと」

神通「全員、走り終えましたね。では本日の訓練はここまでとします!」

不知火「……準備運動ではなく、訓練がおわりなのですか?」

神通「ええ、後はよく休みなさい」

陽炎「は、はぁ」

神通「どうしました、ずいぶんと気の抜けた返事ですが」

陽炎「なんというかこの時間から休むことってあんまりないので……」

神通「なるほど。それは私も一緒です。しかし、休養もまた戦いです」

雪風「うーん、それはわかるんですけど……あの、もうちょっと走りませんか?」

神通「駄目です」

長波「あたしがいうのもなんだけど、なんというかこの水雷戦隊って変だよな」

江風「それね」

黒潮「うちもそうおもうわぁー。休めんならラッキーやんなぁ」

陽炎「ちょっと! あんたたちこの程度で訓練終わりって言われて気持ち悪くならないの!?」

雪風「そうです!」

長波「いやぁ、あたしはまだその域には達してないわ……」

不知火「!」ピコーン

黒潮「お、どないしたんや? ろくでもないことおもいついてそうやけど」

不知火「ろくでもないことではありません。これから本気で鬼ごっこをしましょう」

陽炎「ほう」

不知火「鬼役に模擬弾を当てられたら交代――ん?」トントン

神通「私は休めといいましたよね?」

不知火「……は、はい。部屋に戻って寝ます!」

神通「そうしなさい。他の子もわかっているとは思いますが、休んでいなかった場合は覚悟しておきなさい」

陽炎「は、はひ!」

雪風「了解です!」

黒潮「ほんまなんなんや……こいつら……」

長波「あんたの姉妹だよ……」


 ――11:00――

 鎮守府 資材倉庫

提督「……よし、それでは私はこれで工廠に戻る。お前たちは引き続き作業にあたれ」

神威「はい!」

速吸「了解です!」

?「あ、ちょっとまってください!」

提督「ん?」

比叡「はぁはぁ……やっと見つけました」

提督「比叡に潮と萩風か……珍妙な取り合わせだがどうした?」

萩風「どうぞ、三人でこれつくってきたんです。たべてください」

提督「クッキーか……すまんな、ありがたくいただく」

潮「え……」

比叡「ヒエッ……」

萩風「あら……」

提督「……なんだ」

萩風「提督からお礼なんて珍しいからびっくりしてるんです」

提督「ちっ……どうしてお前たちはそうやって……まぁ、いい。それよりもちゃんと休むように。出撃時に疲れてますなどといったら怒るだけでは済ませんぞ」

潮「は、はい!」

萩風「ふふ……ちゃんと分かってますよ?」

比叡「はい! 気合、入れて寝ます!」

提督「まったく……それではな」

萩風「ええ、頑張ってくださいね」

潮「あ、あの……!」

提督「……なんだ」

潮「えっと……ありがとうございます」ペコッ

提督「ふん……なんの礼か知らんが受け取っておこう」


 ――12:30――

 鎮守府 重巡洋艦寮 妙高型の部屋

那智「ふむ……難しいな。一手戻していいか?」

足柄「駄目! 待ったはなしよ!」

加賀「……」ズズズー

羽黒「……」モキュモキュ

妙高「それにしてもこのお饅頭おいしいですね」

加賀「! ええ、それは商店街の和菓子屋さんのものです。この漉し餡としっとりとした皮が絶妙でしょう」

妙高「えっと……和菓子屋さんなんてこの町にありましたっけ?」

加賀「つい二ヵ月前に本土から職人さんがきて開店したんです」

妙高「なるほど。それは知らないわけです」

加賀「そうでしょう、そうでしょう。ほら羽黒もどんどん食べてください」

羽黒「あ、ありがとうございます」

那智「うぐぐ……なんで将棋が好きでもないくせに足柄のほうが強いのだ。理解に苦しむ」

足柄「うふふ……ほら、私は才媛だから、つらいわ! この美貌とあふれる才能!」

那智「自分で言っていたら世話ないな。くそ、糖分だ、糖分」モグモグ

足柄「確かにおいしいけど、お昼食べた直後でよくそんなに食べれるわね」

那智「いらんのか? ならもらうぞ?」

足柄「だめに決まってるでしょ? あとで食べるのよ」

那智「そうか……」

妙高「しかし、こうしていると今夜にも出撃だなんてうそみたいですね」

羽黒「あ、そっか……今夜から出撃なんだ……」

足柄「え? ちょっと大丈夫? 忘れてたわけじゃないでしょうね?」

羽黒「も、勿論です……!」

那智「ふむ……しかし、明日にはこのうちの誰かがかけているかも知れんというのが信じられんのは同感だな」

加賀「……安心しなさい」

那智「?」

加賀「あなたたちは沈みません、私が守るもの」

足柄「……」ポカーン

羽黒「え?」

那智「ほう」

妙高「あら」

加賀「な、なんですか? 漣はこういう感じでいっておけばいいといっていましたが」

妙高「いえ、感心してしまって」

加賀「ほっ……そうですか。やりました」

足柄「漣が元って絶対になんか……って、那智姉さん、飛車の位置かえないで!」

那智「ちっ……ばれてしまったか」

足柄「ばれないと思ったの!?」


 ――14:00――

 鎮守府 空母寮 談話室

瑞鶴「うー! うー!」

翔鶴「瑞鶴……もう機嫌を直して。提督も正直に言っただけだから。ね?」

瑞鶴「なにそれ! いっつも提督さんは翔鶴姉のことばっかり贔屓するからって調子に乗って!」

翔鶴「そ、そんなつもりは……」

大鳳「はぁ……瑞鶴さんも牛乳飲む? 落ち着くわよ」チューチュー

瑞鶴「いらない!」

大鳳「そう……」

瑞鶴「提督さんも言い方があるじゃん! あんなのひどいよ……」

雲龍「あれはそういうものだし、仕方がないんじゃないかしら」

瑞鶴「うっさい! うっさい!」

雲龍「……」

瑞鶴「うぐぐ……ねぇ、大鳳はわたしと翔鶴姉ぇのどっちが旗艦にふさわしいと思う?」

大鳳「え?」

翔鶴「大丈夫。正直に話してあげて」

大鳳「どっちもどっちとしか……」ボソボソ

瑞鶴「はっきりといって!」

大鳳「うっ……そ、それは――」

 バタン

飛龍「ふわぁ……やっぱこの時間まで寝ると逆にだるいわ」

大鳳「! 飛龍さん! 飛龍さんがいいとおもうわ!」

飛龍「!? な、なに!?」

瑞鶴「飛龍さんか……それならいいや……」

飛龍「ちょっとわけわかんないわよ。それに瑞鶴はソファで丸くなって何してるの?」

翔鶴「昨日からこんな感じですねちゃってるんです」

瑞鶴「すねてないもん!」

飛龍「重症ね……」

瑞鶴「いいもん! 絶対に敵の旗艦を沈めてこんどこそ私が旗艦になるんだから!」

飛龍「へぇ、子供みたいなことしてる割にはいいこというじゃない、その意気よ」

瑞鶴「! やっぱり! 飛龍さん、私、がんばりますね!」

飛龍「ええ!」

大鳳「……不安だわ」

雲龍「……果てしなくね」


 ――15:00――

 鎮守府 港湾 指揮官座乗高速艇 司令部

霧島「……」ペタペタ

大淀「え、えっと……なに貼ってるんですか?」

霧島「心得です」

大淀「は、はぁ……」

蒼龍「へぇー、ほぉー……それ誰が書いたんです?」

霧島「私ですけど……」

蒼龍「前から思ってたけど字うまいんですね!」

霧島「そういわれると照れてしまうわね。ふふ……」

蒼龍「うふふ……」

大淀(なんか私が秘書艦だったときに比べて司令部の雰囲気変わったなぁ……)

霧島「よし! いい感じね!」

蒼龍「うん、うん」

大淀「えっと『必勝の信念 周到なる計画 渾身の努力』ですか」

霧島「ええ。いい言葉でしょう」

大淀「確かにそうですね」

蒼龍「提督は全部できてるね」

霧島「ええ」

大淀「んんんん?」

蒼龍「なにか?」

大淀「あ、いえ……」

大淀(確かにこれだけならあの人は出来てるのか……いくら嫌いだからって不当な評価は駄目ですね)

蒼龍「あ、あと提督の写真と敵艦が沈むところの写真も張りましょうよ」

霧島「ええ、そうね。提督もきっとお喜びなります」

大淀「は? 待った、待った!」

蒼龍「はぁ……さっきからなんなんですか?」

大淀「いや、さっきまでのは私が悪かったかもしれないですけどその写真はやめましょうよ! 悪趣味ですって!」

霧島「どちらがですか?」

大淀「どっちもですよ!」

蒼龍「えー? そうかな?」

霧島「そうです。撤回なさい」

大淀「撤回するわけないでしょ!?」


 ――16:00――

 鎮守府 駆逐艦寮

霞「……え? 本気で言ってんの?」

五十鈴「本気も本気。大真面目よ。霞、あんたは今回の戦い二水戦ではなく、対戦部隊として出撃してもらうから」

霞「いや、でも私、本当は二水戦だし……それにこういう大規模なときはいつも砲雷撃戦してたのよ?」

五十鈴「二水選ねぇ……元でしょ?」

霞「元じゃないわよ! 仮で対潜部隊にいるだけでしょ!? 勘違いしないでよ!」

由良「あ、あはは……でもね、パラワン水道とか周囲の哨戒でいくらでも戦力が私たちもほしいのわかって。ね?」

霞「うぐぐ……あのクズと神通さんはなんていってんのよ!」

神風「お二人にも許可はいただいています」

朝風「完全包囲ね」

朝潮「はい」

霞「納得いかない!」バタバタ

五十鈴「はぁ……対潜部隊だって立派な部署なのになにが不満なのよ」

対馬「……にゃー」

ネコ「ニャー」

対馬「うふ……」

五十鈴「まじめに聞く」

対馬「あ、はい……」

霞「……別に対潜部隊がいやなわけじゃないわよ。ただこのままずるずるとこっちにいると砲撃の腕が鈍ってほかのやつらに差をつけられるのがいやなの」

五十鈴「なるほど。なら安心なさい」

霞「?」

五十鈴「今回、二水戦は後方で予備部隊の護衛よ。それに比べて私たちは邀撃部隊本体付きよ? こっちのがバンバン撃てるわ」

霞「爆雷でどうやって砲撃すんのよ……」

五十鈴「分からない子ねぇ……敵に投げればいいじゃない。思いっきりぶつければ水上でも吹っ飛ぶわ」

霞「そんなこと出来るわけないでしょ!? なめてんの!?」

五十鈴「あら、五十鈴はできるわよ?」

由良「いや、それは五十鈴姉ぇがおかしいかなぁって……ね?」

朝潮「え……そうですか?」

春風「え? なに朝潮もできるの?」

朝潮「はい! 信管のことをちゃんと考えればみんなできると思います!」

朝風「頭おかしいわ……」

霞「ちょっと! わたしのことなぁなぁにしてんじゃないわよ!」


 ――17:00――

 鎮守府 潜水艦寮 ごーやの部屋

伊58「全然、署名が集まらんでち……蒼龍さんにも協力してもらってるけどこれではゴーヤたちの野望が……」

呂500「ですって……」

伊26「んー? しょうがないんじゃない?」

伊58「ニムは平気だから簡単にいうんでち……」

伊26「でち公」

伊58「!?」

伊26「ほら、でち公より伊号第五十八潜水艦のがいいでしょ?」

伊58「そりゃあそうだけど……そのでち公ってなんでち」

伊26「んー? 昔、ニムが居た鎮守府の提督がゴーヤのことそういってたの。でも文句言ってなかったよ?」

伊58「でもそれはゴーヤとは別のゴーヤでしょ!?」

伊26「うん」

伊58「同じ艦娘でもいろいろあるんでち。ニムはそこらへんをよくよく考えてほしいでち」

伊26「なるほどねー」

呂500「ねぇ、でっち、そういえばろーちゃんたちって出撃するの?」

伊58「え? ちゃんと書類見てなかったんでちか?」

呂500「えへへ……」

伊58「笑ってごまかさない! ああ、もう! 偵察でごーやたちも出撃するからちゃんと気をつけないと駄目!」

呂500「あ、うん! がんばりますって!」

伊26「まぁ、提督のいうこと聞いとけば大丈夫だよ」

伊58「その自信はどこからくるんでちか……」

伊26「ふふ……内緒!」


 ――18:00――

 鎮守府 海外艦寮 談話室

ビスマルク「うぅ……寒い……グラーフ、廊下からのダンボールから蜜柑とってきて」

グラーフ「おい」

アイオワ「OH! ミカンならMeも食べたいです」

グラーフ「ならば、じゃんけんだな」

ビスマルク「よし! ちょっと待ってなさいよ!」

アイオワ「What? なにしてるの?」

ビスマルク「こうすると未来が見えるのよ?」

アイオワ「Realy!?」

グラーフ「うそに決まってるだろ……」

ビスマルク「ふっ……見えたわ……」

グラーフ「お前に何か見えたのならそれはゲーリング元帥と同じ症状だぞ……」

ビスマルク「う、うるさいわね! いくわよ! 最初は」

アイオワ「グー」

グラーフ「じゃんけん」

ポーラ「ポン!」

ビスマルク「!? ちょ、ちょっと待ちなさい!」

グラーフ「ほう、確かにビスマルクには見えていたようだな。一人負けの未来が」

アイオワ「HAHAHA……!」

ポーラ「ポーラは2つお願いしますね~」

ビスマルク「あんたどこから沸いたのよ!? 乱入があったから今のナシ!」

ポーラ「えー? いいじゃないですかぁ」

ビスマルク「駄目、駄目! ほら、もう一回! 最初は」

アイオワ「グー」

グラーフ「じゃんけん」

ポーラ「ポン!}



ビスマルク「うぅ……なんで私がミカンなんてとりにいかなきゃいけないのよ!」


 ――19:00――

 鎮守府 執務室

提督「はぁ……なんとか出撃準備も終わったな……」

龍驤「たはは……ご苦労さん」

提督「ああ」

龍驤「しっかし、驚いたわ」

提督「敵の侵攻にか?」

龍驤「いんや。キミがいないあいだうちが提督代理ってこと」

提督「……お前は調子にさえ乗らなければしっかりとしているからな」

龍驤「一言多いわ!」

提督「球磨や龍田のように戦場でも冷静で居られる艦娘をのこしていく。そのことをくれぐれも忘れるなよ?」

龍驤「分かてるって。えっと、なぁ、司令官」

提督「……なんだ?」

龍驤「これ、お守り。あげる」

提督「そうか。もらっておこう」

龍驤「うん。うちの特製お守りやからな、絶対に効果あるで!」

提督「……お前の特製か。雪風あたりのほうがご利益は期待できそうだな」

龍驤「なんちゅーこというんや!」

提督「冗談だ、冗談」

龍驤「本気だったらぶっ飛ばしてで?」

提督「くくく……そうか。よし、お前にもこれをやる」

龍驤「軍帽?」

提督「ああ、それをかぶればお前でもそれなりに見えるだろう」

龍驤「……」スンスン

提督「!? に、臭いを嗅ぐな!」

龍驤「別にええやん。もううちのなんやし」スンスン

提督「……やっぱり返せ」

龍驤「嫌や!」

提督「うぐぐ……」

龍驤「ふふ……おおきにな、司令官」

提督「ふん……」


 ――20:00――

 鎮守府 中庭

提督「……ん?」

鈴谷「あ……」

提督「……」

鈴谷「……ねぇ、提督」

提督「……なんだ?」

鈴谷「この前のこと怒ってる?」

提督「そうだな」

鈴谷「うわー、やっぱり。あの、ご、ごめんね?」

提督「別に構わん」

鈴谷「嘘つき」

提督「嘘などついていない」

鈴谷「でも、怖い顔してるもん……」

提督「生まれついての顔だ! なんてことをいうのだ、貴様は!」

鈴谷「そういう意味じゃないし……逃げないでよ」

提督「うぐっ……!?」

鈴谷「あのさ、私、がんばるからそうしたら許してくれる?」

提督「……別にいつまでもお前に怒っているわけではない。それは本当だ」

鈴谷「……」

提督「だから、なんだ、あれだ……がんばるのはいいが、無茶はしないでくれ……?」

鈴谷「え、なんで疑問系なの?」

提督「うるさい! うるいさい! 私はいそがしいのだ! あっちにいけ!」

鈴谷「ふーん……」ニヤニヤ

提督「うぬぬ……調子が狂う!」

鈴谷「まぁ、でも私と一緒に居るときの提督っていっつも調子狂ってるようなもんじゃん? まぁ、それがうれしいんだけどね」

提督「……おまえ、よくそんなこといえるな」

鈴谷「うっ……!? は、恥ずかしいのに言ったげたのに!」

提督「ふふ……そうか、そうか。越谷、千住の先ってな」

鈴谷「ふふ……」

提督「私はこれで高速艇に行く。お前も艤装をつけて定位置に向かえ」

鈴谷「りょーかい! がんばってね、提督!」

提督「……ああ、お前もな」

鈴谷「うん!」


 ――20:20――

 指揮官座乗高速艇 司令部

赤城「ああ、やっといらっしゃいました。探しに行くところでしたよ」

提督「……うるさい」

赤城「ふふ……」

霧島「提督、 全艦、出撃準備整っています!」

提督「ああ、ご苦労。大淀、全艦に無線を開け」

大淀「はい! 提督より訓示があります!全艦、傾聴!」

提督「……今、われわれは未曾有の脅威に立ち向かおうとしている。このまま敵をレイテにのさばらせておけば多くの無辜の臣民が犠牲になるであろう。それは絶対に阻止せねばならない。いいか、国を思え、仲間を思え、帰るべき場所を思って戦え。さすればいかに敵が強大であろうと必ずや勝てよう。この戦は勝てるのだ。いいか、絶対に勝つぞ!」

一同「おう!!!」

提督「よし! 全艦、抜錨!目標はレイテ沖に展開する敵部隊だ!」

とりあえず本日分は以上になります。
こう日常から戦場みたいな感じでやろうとしたらおもったより長くなった形です。すみません。
それでは失礼します。

鈴谷かわいい
龍驤は約得

RJさん提督が去った後帽子に顔つっこんで深呼吸してそう


この鎮守府皆どっかのネジが外れてるんだなって再確認した
特に訓練漬けの人達

総力決戦感を出しつつ好感度知ってると不審なのがちらほらと…

仲は悪くてもチームワークはありそうなんだよな
どうでもいいけど、このスレも始まってかれこれ七ヶ月か
これからも応援してるよ、イッチ


福江ドロップおめでとう

仕事終わって帰ってきました。営業先から直帰とかいうすばらしい言葉。
更新ですが書き溜めて、明日の23時よりはじめていきます。
毎度のことですが本編での移動にかかる時間が大幅に早いです。指示の航行速度と計算が合いませんがそういうものと思って広い心で許してください、なんでもしますから!

また今回から配置が複雑になるので海戦図つくろうとおもっていたのですが、ペンタブがぶっ壊れたのでお流れになりました。申し訳ありません。
もしよろしければwikiのレイテ沖海戦に詳しい図があるので位置関係的にはそちらをご参照ください。

最後になりましたがレス返と参加艦娘一覧表張って書きために移ります。

>>606
ありがとうございます。鈴谷はこの荒廃した鎮守府でも輝けるよう気合入れてます。

>>607
クンカーとかいう属性好き

>>608
吐くほどやるのはいやでも軽すぎるのは嫌という面倒くささ

>>609
大丈夫、大丈夫。不信でもフレンドリーファイアまでにはいたらないから。
……史実では基地航空隊が誤射してましたね。

>>610
戦果を求めた結果のチームプレイは出来るとおもいます。
というか始まって7ヶ月というのに衝撃を受けました。光陰矢のごとしやね。応援ありがとうございます、これからも鋭意努力いたします。

>>611
乙ありがとうございます。
福江はちょうどいいし、浦波掘るかと思ってたら出たので割かし驚きました。

 参加部隊一覧

・指揮及び予備部隊

指揮官
提督、霧島、大淀、赤城、秋津洲(以上、高速艇乗船)

空母
加賀(予備部隊旗艦)、飛龍、蒼龍、アクィラ

戦艦
比叡、伊勢、日向、ビスマルク

重巡洋艦
プリンツ、古鷹、加古、衣笠、青葉

重雷装巡洋艦
大井、北上、木曽

軽巡洋艦
神通、川内、那珂、長柄、夕張

駆逐艦
漣、潮、曙、朧、雪風、不知火、陽炎、長波、江風、吹雪、白雪、初雪、深雪、磯波、叢雲、綾波、敷波、狭霧、天霧、白露、夕立、村雨、Z1、Z3、五月雨、涼風、海風、山風、皐月、文月、長月、水無月、舞風、萩風、嵐、夕雲、巻雲、風雲、秋雲、荒潮、睦月、如月、弥生


・第一邀撃部隊

戦艦
武蔵(旗艦)、長門、大和、アイオワ、ガングート、ワォースパイト

重巡洋艦
妙高、羽黒、愛宕、高雄、摩耶、鳥海

軽巡洋艦
五十鈴、由良、能代

駆逐艦
島風、早霜、沖波、藤波、浜波、秋月、初月、照月、涼月、朝潮、大潮、霰、霞、神風、春風、朝風、松風、旗風、リベッチオ、朝霜


・第二遊撃部隊

戦艦
金剛(旗艦)、榛名

重巡洋艦
鈴谷、熊野、利根、筑摩、那智、足柄

軽巡洋艦
矢矧、鬼怒、阿武隈

駆逐艦
浦風、磯風、浜風、谷風、清霜、野分、黒潮、親潮、初春、若葉、子日、初霜、浦波


・第三遊撃部隊

戦艦
山城(旗艦)、扶桑

重巡洋艦
最上

駆逐艦
時雨、満潮、山雲、朝雲


・機動部隊

空母
翔鶴(旗艦)、瑞鶴、大鳳、雲龍、葛城、グラーフ、アークロイヤル、天城、千代田、千歳、瑞鳳、祥鳳

重巡洋艦
三隈

軽巡洋艦
多摩、酒匂

駆逐艦
天津風、時津風、卯月、高波、望月、望月、風雲、春雨


・偵察潜水艦部隊
伊58、伊8、伊13、伊14、伊168、呂500


 XX17年 12月 5日

――06:00――

 ルソン島北西 指揮官座乗高速艇

金剛『第二遊撃部隊、目的地にのパナイ島西方に到着したデース!』

山城『第三遊撃部隊、同じくパナイ島西方に到着』

提督「了解した。そのまま南下しネグロス島に上陸しろ」

大淀「え……?」

霧島「静かになさい」

大淀「うっ……」

金剛『了解デース』

山城『了解』

赤城「第一遊撃部隊、ミンドロ島北部に到達!」

提督「……よし、司令部より第一邀撃部隊に通達。防空見張りを厳とせよ!」

武蔵『はっはっは……任せておけ! 一機残らず蚊蜻蛉どもを叩き落してやろう!』

長門『全艦、防空徹底! そろそろ敵の空襲が来るぞ!』

提督「……いいか? 南方海域司令部の基地航空隊はこちらに向かっている。陸助どもに無様を見せるなよ」

武蔵『うむ!』

提督「……続いて機動部隊、準備はととのっているな?」

翔鶴『は、はい! すでに全機発艦準備完了しています!』

提督「よし、それでは手筈どおりに行け」

翔鶴『了解しました! 180度、微速!』

瑞鶴『……りょーかい』

瑞鳳『りょ、了解です!』

提督「……まじめにやれよ」

瑞鶴「……うん」

提督「宜しい」

大淀「提督、意見具申します!」

提督「はぁ……なんだ」

大淀「敵がこれだけの至近にいるのにネグロス島に上陸するのは危険です! 陸上では艤装の効果が発揮されず――」

提督「そんなことはわかっている。お前は黙って通信士に徹しろ」

大淀「……納得がいきかねます」

提督「そうか。しかし、お前を納得させるような無駄な時間を私は持ち合わせていない」

大淀「な……」

提督「それでは手を作っていくか……第二水雷戦隊ならびに第四水雷戦隊、160度、第一戦速!」

神通『160度! 第一戦速! 二水戦の勇者は旗艦・神通に続きなさい!」

陽炎『了解! 160度! 第一戦速!』

那珂『はーい! 第四水雷戦隊、いっくよー! 160度! 第一戦速!』

夕立『160度、第一戦速っぽい!』

提督「続いて第三水雷戦隊、100度強速!』

川内『……第三水雷戦隊、参る! 100度、強速!』

綾波『了解です! 100度、強速!』


提督「秋津洲、お前は二式大艇をあげろ。一機は周囲の偵察に、もう一機はサーマル島北方に向かわせろ」

秋津洲「りょ、了解かも!」

提督「秋津洲の発艦完了後、指揮および予備部隊は170度、原速にて前進!」

赤城「了解です! 加賀さん、聞こえてましたね?」

加賀『……勿論です。二式大艇の発艦後、170度! 原速!』

蒼龍『大艇発艦後、ひゃくななじゅーど! げんそーく!』

提督「……ふん、戦場に出れば文句も出ないか」ボソッ

赤城「? なにかおっしゃいましたか?」

提督「なんでも――」

摩耶『きたぁ!! 電探に感あり、敵航空隊だ! へへ……来たぜ、来たぜ!』

提督「……よし、対空砲火用意!」

長門『……本部に緊急連絡! こちら1YB、敵の空襲を確認した!」

提督「計算どおりだな……。通達、第一邀撃部隊は敵空襲に対処後、最大戦速にてサーマル沖北部まで進め!」

長門『りょうか――』

武蔵『おお! 観測機を通してしか見えんのが残念だが、面白いようにおとすではないか!』

摩耶『へへーん、あたぼうよ!』

武蔵『よし! 秋月たちも摩耶にまけるんじゃないぞ!』

秋月『了解です!』

長門『……こちら1YB、了解した。武蔵、最大戦速とのことだ』

武蔵『む……しかし、ここまで対空砲火で敵艦載機に対処できるのであれば敵の戦力をそぐ意味でも急ぐべきではないのではないか?』

提督「駄目だ! 一波目の空襲を抑えつつあっても油断をするな! お前が大破すればすべて終わりなのだぞ!」

武蔵『むぅ……わかった、わかった』



 ――07:10――

 レイテ湾

海峡夜棲姫「……ドコヘイクノ……?」

深海鶴棲姫「……」

海峡夜棲姫「ネェサマガ……キイテルノヨ……? コタエナサイ……」

深海鶴棲姫「チッ……シブヤンカイノ……ハムシヲオトシテクル……」

海峡夜棲姫「……オトリヨ? クウシュウモ……ダイッパガ……ムザンニモフセガレタンデショ……?」

深海鶴棲姫「ワカッテル……! ケレド、アレダケ……センカンノイルブタイヲ……ミノガセルカ……! クウシュウヲケイゾクジッシシテ……ヨワラセテカラ……タタク」

海峡夜棲姫「ソウ……」

深海鶴棲姫「ホウイブタイノ……シキハマカセタ」

海峡夜棲姫「エエ……」

海峡夜棲姫「ダイジョウブ……ネェサマトワタシガイレバ……ダイジョウブヨ……」

深海鶴棲姫「……。キドウブタイナラビニゴエイブタイハ、ワレニツヅケ……! サーマルトウオキデテキブタイヲタタク……!」

海峡夜棲姫「ウフフ……ネェサマ……ワタシノネェサマハ……ドコニモイカナイデショ……?」

海峡夜棲姫「モチロンヨ……ワタシノカワイイイモウト……」


 ――10:00――

 シブヤン海東部

島風「おうっ! 武蔵さん、電探に感有り! 空襲です!」

能代「えっ……あ……」

島風「あー、能代さん、気づいてなかったの? おっそいー!」

能代「そ、そんなことは――」

武蔵「はっはっは……三波目の空襲か! 対空砲火用意! いいか! 攻撃に夢中になって足を止めるなよ!」

愛宕「はい、はーい!」

摩耶「おうとも任せろ!」

長門「むぅ……緊急報告。1YBより司令部。我、三波目の空襲部隊を確認した」

提督『こちら司令部、了解した。敵機が諦めるまで対空砲火を浴びせてやれ!』

武蔵「了解! しかし、この対空電探はいいな! 敵機を素早く捕捉できる!」

アイオワ「Of course! なんたってUSAがつくったNew modelなんだから!」

摩耶「いんや、武蔵の姐さん、電探つーならアタシのやつのほうがいいぜ!」

武蔵「わっはっは……そっちは独逸製だったかな、……よっし! 撃墜数を比べて――」

提督『馬鹿なことを言っているな! 敵機をすべて落としたわけではないのだ! 回避行動に専念しろ!』

長門「……安心してくれ。行動自体はしっかりとしている」

武蔵「おうとも!」

提督『……』

大和「はぁ……初霜、みんなは大丈夫?」

初霜「はい! みんな、掠った程度の損傷しか受けてないです!」

大和「ならいいのだけれど……なんだかうまく行き過ぎてるような気がして……」

武蔵「はっはっは……!! 大和よ、そのような心配は無用だ! 進め、進め!! われらは勝利に向かって進んでいるぞ!!」

大和「そんな暢気な……」

ガングード「ああ? あまり後ろ向きなことは言うな。なんだ、貴様は敗北主義者か? ん?」

大和「そ、そんなことはありませ――あ……しまッ!?」ドーン!

長門「大和! 大丈夫か!」

大和「くっ! 大したダメージはありません! 対空部隊、敵機は雲の中に隠れて接近しているわ! さらに電探に注意しなさい!」

五十鈴「あー、そうなると面倒なのよねぇ……」

武蔵「言ってる場合か! 提督、大和が空襲により小破!」

提督『了解した。多少の被害はやむ得まいが大破だけは避けろよ』

武蔵「うむ! よし……敵機に我らの直上まで進入を許すな! 全軍、大和が言うように電探に感があれば撃て! 弾を惜しむな、命を惜しめ!」


 ――10;30――

 サーマル島沖

深海鶴棲姫「……チッ。タイシタヒガイハナシカ……コウゲキキヲゼンキハッカンサセロ」

ヲ級改「キケンデハ……?」

深海鶴棲姫「アレダケノブタイヲ……ムキズデセッキンサセルヨリイイ……」

ヲ級改「リョウカイ……!」

戦艦棲姫「……テイサツブタイガ……320ドニテキスイライセンタイ2ブタイヲ……ハッケン……! ケイジュン2、クチク10……!」

深海鶴棲姫「……ソノテイド……オマエタチデタイオウシロ。コチラハゼンキ……シブンヤンカイヨリクルテキニ……ムカワセル」

戦艦棲姫「リョウカイ……」

深海鶴棲姫「……ゼンキ、ハッカー―」

海峡夜棲姫『コチラ……ホウイブタイ……オウトウサレタシ』

深海鶴棲姫「――ドウシタ」

海峡夜棲姫『イエ、オトリハ……ドウ……?」

深海鶴棲姫「イマ……クマッテイロ……ン? オトリ……オトリ? オイ、シブヤンカイノブタイニ……クウボハイナカッタナ?」

ヲ級改「? ハイ」

深海鶴棲姫「……クウシュウブタイノ……ゴエイセントウキハ……サイショウゲンニシロ」

ヲ級改「……ヲ?」

深海鶴棲姫「……」

ヲ級改「ハ、ハイ……!」


 ――10:45――

 サーマル沖北方 

秋津洲『あ……! サーマル海に展開する敵機動部隊を発見したかも!』

提督『! 座標を知らせろ!!』

秋津洲『え、えっと……ヤンメ55!』

提督『……翔鶴、聞こえたな』

翔鶴「はい! 敵機動部隊をヤンメ55に発見!」

千歳「おお……さすがは二式大艇の足よね」

提督『発艦準備はどうだ!』

翔鶴「全艦、発艦準備完了しています!」

提督『了解した。それでは予定通りに部隊を発艦させろ。今度はわれらから敵に火の雨降らしてやるぞ!』

翔鶴「かしこまりました! 機動部隊、発艦はじめ!」

瑞鶴「うー……ねぇ、提督さん」

提督『却下だ。功を焦るな』

瑞鶴「……はーい」

アークロイヤル「……Swordfish shoot」ボソッ

グラーフ「おい」

アークロイヤル「……わかっているわよ」

グラーフ「本当か?」

アークロイヤル「……日本語は難しいわね」

グラーフ「この……! おい、タマ!」

多摩「んー? 呼んだかにゃ?」

グラーフ「こいつに英語で――」

アークロイヤル「わかったわ……わかったから……ドイツ人は冗談というものがわからないから困るわ」

グラーフ「ちっ……これだから英国人はいけすかん――」

アークロイヤル「はっ? 英国を侮辱するのか?」

グラーフ「先に言い出したお前がそれをいうのか?」

アークロイヤル「なによ」

グラーフ「なんだ? やる気か?」

大鳳「ちょっと! けんかはい・い・か・ら・発艦!」

アークロイヤル「ちっ……わかってるわ、タイホー」

グラーフ「なんで私まで……」ブツブツ


 ――12:10――

 シブヤン海東部

武蔵「む……電探に感有り! はっはっは……これは今まで最大規模の攻撃隊だな! 数えるのがばかばかしいな!」

提督『!! 対空砲火を止めるな! 足を止めるな! 陣形が崩れても構わんので動いて。動いて避けろ!』

武蔵「了解だ! 全艦、提督殿のありがたい言葉は聴けたな!」

長門「応! ここが踏ん張りどころだ! 奮斗せよ!」

秋月「よーし! 防空駆逐艦秋月型の名を汚すないようにみんな、撃って、撃って撃ちまくるのよ!」

照月「了解!」

アイオワ「あー、SAMが欲しいわ!」

大和「無いものねだりをしてもしょうがないでしょ! 口じゃなくて機銃を動かして!」

アイオワ「やってるわよ! Grumbleぐらいいいじゃない!」

武蔵「はっはっは……しかし、今あるものでも贅沢すぎるぐらいだ! 欲しがりません、勝つまではというではないか! 撃て、撃て!!」

初霜「くっ……避けきれない! きゃ!」

大和「初霜!」バーン

初霜「あ、あれ……? 」

大和「戦場では目を瞑らない! 対空砲火を継続しなさい!」

初霜「は、はい!」

鳥海「う、裏拳で爆弾弾いて無傷……」

アイオワ「HAHAHA……!! さすがはMeのRival!」

摩耶「ちっくしょう……! こんだけの艦載機飛ばしてくるなんてどんだけの敵がいんだよ……!」

愛宕「摩耶! 上!」

摩耶「あ……」ドーン

愛宕「摩耶!!」

摩耶「ハァハァ……ゲホ、ゲホ……あっぶねぇ! クッソ!」

愛宕「ほっ……」

高雄「愛宕、油断しない!」

愛宕「わ、わかってるわよ……!」

能代「……ぐっ!?」ドーン!

沖波「の、能代さ――きゃー!」ドーン!

長門「……うぐっ、提督! どうするのだ! これほどまでに攻撃が酷いとまともに進めんぞ!」」

提督『――了解した。第一遊撃部隊はよくぞ耐えてくれた! 対空砲火、一旦止め!』

武蔵「ん? どういう――」

秋月「あ! 陸軍機です! 陸軍の基地航空隊です!」

長門「おお!」

提督『そういうことだ! 司令部より第一遊撃部隊! 敵艦載機に戦闘機はどれだけ確認できる!』

武蔵「……なに? 摩耶!」

摩耶「あ、ああ……おいおい、マジかよ……。敵空襲部隊にほとんど護衛機確認できず!」

提督『ふん……続いて損害を報告しろ』

武蔵「……摩耶、大和が小破。能代、沖波、早霜が中破。その他は損害軽微。以上だ」

提督『了解した。大破はなしか……であれば陸助の開いた道を突き進め! 全艦、吶喊! 敵と勝利はサーマル海でお前たちをまっているぞ!』

武蔵「はっはっは……それはいい! 実にいいぞ!! 全艦、吶喊! この武蔵に続けぇ!!」

一同「応!!」



 ――13;30――

 サーマル島沖

深海鶴棲姫「……バカナ。クウシュウニムカッタコウゲキタイガハイソウ……」

ヲ級改「キチコウクウタイニ――」

深海鶴棲姫「ワカッテイル……! シカシ、イマダニワレラガユウセイハユルガナイ……コウゲキタイガモドルマエニセントウキヲアゲテオケ……!」

ヲ級改「リョ、リョウカイ」

深海鶴棲姫「ヨソウガタダシケレバ……ツギハワレラニクウシュウガクルゾ……!」

駆逐古姫「! デンタンカンアリ! 20度、テキ!」

深海鶴棲姫「クックック……メニモノミセテヤル……!!」


 ――14:00――

 ルソン島南東海域 指揮官座乗高速艇

提督「……そろそろ敵と空襲隊の第一波がぶつかるな。秋津洲、くれぐれも敵に見つかるなよ」

秋津洲「無茶苦茶かも!? 大艇ちゃん、大きいから――」

提督「わかっている。しかし、やってくれ」

秋津洲「うぅ……了解かも……」

提督「よし、赤城、お前は艤装をつけて海に行け。予備部隊旗艦を加賀より赤城に変更する!」

加賀『了解しました』

長良『えー……』ボソッ

赤城「長良、なにかいいましたか?」

長良『え!? いえ、なにも!』

赤城「結構です。一航戦戦・赤城、出ます!」

提督「……ああ、検討を祈る」

赤城「うふふ……ええ、大丈夫ですよ、大丈夫」

秋津洲「……あ! 見方機動部隊艦載機が敵の艦載機と接触――え? あれ、爆撃がないかも」

提督「それより制空権はどうだ」

秋津洲「味方優勢かも!」

提督「くくく……そうか」

秋津洲「で、でも、全然、爆撃してないから意味ないかも」

提督「してないのではない。出来んのだ」

秋津洲「へ?」

提督「いま、敵艦載機と戦っているのは戦闘機のみで構成された第一波だ」

秋津洲「ええぇ……? なんでそんなことするの?」

提督「ふん……どれだけ数がいようとあれだけの対空砲火と戦闘機との戦いを演じた後に第二波の空襲を対処できる――」

秋津洲「あ、わかったかも」

提督「――うぐ……ならいい。赤城、104度に攻撃機を向かわせろ」

赤城『104度……ああ、神通たちですか』

提督「ああ、援護してやれ。あれらは別の仕事がある」

赤城『了解しました。一航戦、二航戦! 後輩たちに技の違いを見せ付けますよ!』

飛龍『了解です!』


提督「……あとはそろそろか。第三水雷戦隊につなげ!」

大淀「……はい。どうぞ」

提督「司令部より第三水雷戦隊、応答されたし!」

川内『……! こちら第三水雷戦隊!』

提督「現状位置で待機せよ!」

川内『了解!』

夕立『えー、こんな敵も何にもいないとこで待機なんていやっぽい! もっと素敵なパーティしたいっぽい!』

川内『ちょ!?』

提督「……いいか、指示があるまで絶対に動くなよ?」

川内『あ、あはは……わかってるよ? 安心して』

提督「はぁ……続いて機動部隊に伝達」

翔鶴『は、はい!』

提督「第三戦速にて敵との距離を縮めていけ。すでに航空戦力は我らが優勢だ、敵に休む暇なく空襲をしかけろ」

翔鶴『了解しました! 全艦、第三波の攻撃隊を発艦後、193度、第三速!』

提督「……あとはそうだな。司令部をさらに前進させる」

霧島「提督、それはさすがに危険では?」

提督「ふん……当該海域にいる限りはどこも危険だ」

霧島「またそんな子供みたいなことを……」

提督「うるさい! うるさい!」

霧島「はぁ……了解しました」

提督「よし、それでいいのだ。ははは……!!」

大淀「……」


 ――15:30――

 サーマル島沖

深海鶴棲姫「グゥ……! ハムシガァ……!!」ドーン

ヲ級改「ヒメサマ、ダイジョ――」

深海鶴棲姫「ウルサイ……!! モンダイナイ……! コノ、テイドノ……クウシュウデ……!」

護衛棲水姫「グ……ソンナ フミコミデ……!? グゥ……!!」ドーン!!

ヲ級改「ア、アア……」

深海鶴棲姫「コノママジャ……クソォ……! ゼンカン、10ド、イッパイ……! クウシュウノモトヲタツ――」

海峡夜棲姫『クセンシテルワネ。マダセンリョクハウエダトイウノニ……』

深海鶴棲姫「ウルサイ……ワタシハ……マケナイ……!! マケナイ……!!」

海峡夜棲姫『ゾウエンヲオクッタワ……キドウブタイハ――』

深海鶴棲姫「ウルサイ……! ウルサイ……!」

海峡夜棲姫『……ナラヒトリデヤリナサイ』

深海鶴棲姫「ヒトリ……? ヒトリ、ヒトリ、ヒトリ……ヒトリハ……」

海峡夜棲姫『……』

ヲ級改「ヒ、ヒメサマ……?」

深海鶴棲姫「カイキョウヤセイキ……オクレルダケノゾウエンヲ……。ショウメンノスイジョウブタイニゾウエンヲアテテ……ワタシハキドウブタイヲ……タタク……」

海峡夜棲姫『エエ……ワカッテイタワ……』

海峡夜棲姫『サスガハネエサマ……』

深海鶴棲姫「……ゴエイセイスイキ!」

護衛棲水姫「ハ、ハイ……!」

深海鶴棲姫「スイジョウブタイトゾウエンでショウメンノブタイヘタイショシナサイ! ワタシハソノアイダニカトンボヲオトシテクル……!」

護衛棲水姫「リョウカイ……!」


 ――17:00――

 サーマル海北方

神通「観測機が正面に敵部隊を発見しました」

那珂「えー、ほんとー?」

神通「……報告で嘘などつくはずがないでしょ」

那珂「えー、ほんとー?」

神通「……司令部、応答されたし。第二ならびに第四水雷戦隊、進路上に敵の水上部隊を発見しました」

提督『了解した。敵の編成を教えられたし』

神通「戦艦棲姫二隻、リ級改二隻、駆逐イ級二隻です」

提督『……予想の範囲内の陣容だな。一航戦、二航戦の航空隊がもうしばらく到着するのでそれと協力し、敵を突破せよ! 方法に関しては神通に一任する。突破後は最大戦速、93度に前進!』

神通「了解しました」

那珂「夜戦にはまだ明るすぎるし……突破って言っても無理やりかぁ……」

春雨「あ、あの……那珂ちゃんさん、どうかしたんですか?」

那珂「だってぇ、首もとらないですれ違いじゃ面白くないし、目立たないじゃん! 夕立ちゃんと村雨ちゃんは途中で川内ちゃんとこにとられちゃうしぃ!」

吹雪「あの……私たちじゃ代わりになりませんか……」

敷波「そうだー、そうだー! 私たちだって結構、出来るんだぞ!」

那珂「うふふ……じゃあ代わりに那珂ちゃんと一緒に敵のセンターでダンスする?」

吹雪「ご、ごめんなさい……」

敷波「あう……」

白露「あ! 那珂ちゃんさん、目立ちたいなら私が突撃していっちばーんってどう?」

那珂「だめ! だめ!」

白露「えー!」

神通「……第二水雷戦隊、航行速度を変更! 微速!」

陽炎「びそーく!!」

那珂「は? ちょ、ちょっと! なんで速度落とすの!」

神通「……敵が攻撃隊に気を取られているうちに魚雷を足回りにぶつけていきます。そうすれば突破も可能です」

那珂「んー、面倒くさいけど……突破するだけなそれが一番か……はーい、第四水雷戦隊、微速!」

白露「白露が微速に変更、いっちばーん!」

神通「はぁ……あなたの部隊といると頭が痛くなってきました……」

 ――20分後――

不知火「……電探に感あり。 味方、航空部隊です!」

神通「了解。航行速度を変更、最大戦速!」

陽炎「さいだーいせんそーく!」

那珂「はーい、皆、いっぱーい!」

神通「は?」

吹雪「へ?」

那珂「二水戦なんかにおくれるなー! 敵の血でお花を一番さかせちゃうのはいつでも――」

白露「四水戦!」

那珂「そのとーり! 那珂ちゃんに続いて突撃!!」

神通「……あのような花畑に華の二水戦が先んじられることは許されません。一杯! 続け!!」

陽炎「いっぱーい!」

雪風「腕が鳴ります!!」


 ――17:20――

 サーマル海西部

武蔵「はっはっは……なんだ、なんだ! もっと骨のあるやつはいないのか!」

大和「旗艦はでてきなさい! まだお礼は済んでいないわよ!」

戦艦棲姫改「アガッ……」ドーン!!

護衛水棲姫「ヒェ……カイキョウヤセイキ! エングンヲ! エングンヲ!!」

海峡夜棲姫『……マダシンカイカクヒメセイキハモドラナイノ?」

護衛水棲姫「モドッテナイ……!! アア……トッパ……トッパサレチャウ……!! ランセンニナッテカラ……イキオイガチガイスギルノヨ……!!」

海峡夜棲姫『サイゴノゾウエンヲオクルワ……』

護衛水棲姫「サ、サイゴ……!?」

海峡夜棲姫『ネェサマ、ダイジョウブデス……ワタシタチガイレバ……テキノヒャクヤニヒャク……』

海峡夜棲姫『ホントウネ、ワタシノカワイイイモウト……デモ、ホウイスルノニカズハイルノ……』

海峡夜棲姫『サスガハネェサマ……』

護衛水棲姫「エェ……? ハナシヲ――」

武蔵「む……そこにいるは新型の姫級! 旗艦か! 旗艦だな! 旗艦だ! 全艦、やつを目指して突っ込め!! おい、動くなよ! すぐに息の根止めてやる!」

摩耶「おう!! ぶっとべぇ!」

護衛水棲姫「ア、アァ……クッソォ……」

武蔵が所々ビッテンフェルトみたいで笑ってしまう

いい子かと思ってた那珂ちゃんが戦争狂だった悲しみ

武蔵の頼もしさといったら

これで提督嫌い勢だったら笑う

そりゃ瑞鶴ベースなんだから闇瑞鶴も無能だよなあ

>海峡夜棲姫『……ナラヒトリデヤリナサイ』

が、ヒダリデウチナサイ に空目したわ

多摩が久々に喋ってたのにビックリした
そういや熊型は陰薄かったな


「む……そこにいるは新型の姫級! 旗艦か! 旗艦だな! 旗艦だ! 全艦、やつを目指して突っ込め!! おい、動くなよ! すぐに息の根止めてやる!」

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1551428.jpg

一旦、着替えとか資料とかとりにかえってきました。
今日泊り込めば出張前に片付けておく仕事も終わると思いますので、明日の夜には完結させます。無能な>>1で申し訳ありません……
取引先行くまですこし時間もあるので今から区切りのいいところまで投下だけさせてください。

>>631
まさにそんな感じですね。>>1も猛将ということで多少意識しました。

>>632
四水戦は役割的にも二水戦とほぼ同じなのでこんな感じになりました。オンオフが大事ってはっきりわかんだね

>>633
今回の主役の一人なのでそう感じてもらえれば幸いです。

>>634
戦艦はここまでアレだったし、大丈夫な気がします……きっと、おそらく、大体……

>>635
グゥの音も出ない正論で草

>>637
最近のやつですが近藤がホームランうったときに杉谷と清宮が喜んでる写真大好き

>>638
中途半端に出すと収拾つかないしコメディ・リリフーとしてもアレだし扱いが難しいんですよね、仲の悪い北上さんと大井っち……

>>639
かっこいい支援絵ありがとうございます! これで10年は戦える!
大和型戦艦2番艦『首置いてけ』。


 ――17:00――

 サーマル沖 機動部隊待機地点

翔鶴「そろそろ最後の攻撃ね。瑞鶴、大戦果よ!」

瑞鶴「……そうだね」

瑞鳳「あ、あはは……」

翔鶴「またそうやってすねて――」

三隈「! で、電探に感あり! 176度、敵攻撃機!」

翔鶴「了解! 直ぐに戦闘機を迎撃に向かわせて!」

大鳳「了解!」

雲龍「……」

瑞鳳「あれ、どうかした?」

雲龍「いえ……なんでもありません」

瑞鳳「う、うん」

翔鶴「集中して! 敵は艦載機の数を減らし、疲弊しているけれど油断だけはしないように!」

大鳳「勿論で――え? 嘘! あっさり抜かれた!?」

天城「な、なんで……さっきまでおしてたはずなのに……」

三隈「攻撃隊きます!」

翔鶴「そ、総員! 回避行動!」

『ニガサナイ……シズメ……シズメェ……!』

瑞鶴「え……な、なに!?」

グラーフ「おい、余所見をするな!」

瑞鶴「う、うん……」

雲龍「くっ、避けきれ――ドーン!! ご、ごめんなさい……雲龍、大破です」

翔鶴「卯月ちゃん! 雲龍をつれて撤退!」

卯月「まっかっせるぴょ――」ドーン!!

翔鶴「な!? 駆逐艦は大破した艦を護衛撤退――」

三隈「!? すみません、三隈、大破してしまいました……」ドーン

翔鶴「そ、そんなどうして……」

瑞鶴「翔鶴姉ぇ! 直上!」

翔鶴「え?」ドーン!!

瑞鶴「翔鶴姉ぇ!!」


翔鶴「うっ……ここまで来て……! し、司令部、応答を……」

提督『こちら司令部。機動部隊、どうした』

翔鶴「機動部隊旗艦・翔鶴、大破しました……」

提督『……旗艦を翔鶴から瑞鶴に変更! その他、損害について報告せよ! おい、秋津洲、敵の機動部隊はどうなってる!』

秋津洲『うえっ!? ちょ、ちょっと待って欲しいかも! すぐに探すから!』

提督『ちっ……』

翔鶴「旗艦・翔鶴以下、雲龍、三隈、卯月、大破! 祥鳳、望月、中破! その他、損害軽微です!」

提督『わかった……高波、風雲は大破した艦を護衛し撤退。のこりは敵攻撃機を迎撃しつつ後退せよ』

瑞鶴「……」

提督『瑞鶴、返事はどうした! すでに旗艦はお前だ』

瑞鶴「え!? そ、そうか……えっと、はい!」

翔鶴「……瑞鶴」

瑞鶴「な、なに?」

翔鶴「あなたはおっちょこちょいだし、口下手だし、軽はずみなことをして皆さんにいつも迷惑をかけてるわ。私だって本当のこというとあなたのこと、困った子だなって思っていたの」

瑞鶴「は? いきなり、なんなのよ! 喧嘩売ってるの?!」

翔鶴「いいえ……違うわ。」

瑞鶴「なら――」

翔鶴「いいから最後まで聞きなさい。そんな風に駄目なところもいっぱいあるけど、あなたなら出来るはずよ……だから、緊張も慢心もしないでいつもどおりのあなたでいなさい」

瑞鶴「……」

翔鶴「今回もこうして最後まで戦えなかった私が言うのも申し訳ないのだけれど……頑張って」

瑞鶴「……うん、分かった。ありがとう、翔鶴姉」

翔鶴「ふふ……ええ」



 ――17:30――

 サーマル沖

深海鶴棲姫「……サイドコウゲキノヨウヲミトム。コウゲキタイガモドリシダイサイドハッカン。アハハ……ソウダ、コザイクナンカイラナインダ……タダセメレバカテルンダ……タノシィナァ……」

ヲ級改「リ……」

戦艦棲姫『コチラテキスイライセンタイゲイゲキニムカッタブタイデス』

深海鶴棲姫「……ドウシタ」

戦艦棲姫『テキニトッパヲユルシマシタ……モウシワケアリマセン……』

深海鶴棲姫「スイライセンタイノヒトツヤフタツモンダイナイ。ツイゲキ――イヤ……オマエタチハ……ソノママテキブタイガ……キタホウガクニススメ」

戦艦棲姫『……ツイゲキハシナクテモヨロシイノデスカ?』

深海鶴棲姫「アア、モンダイナイ。オマエタチガモドッテコヨウガ……ショウスウノスイライセンタイガキタトコロデ……センキョクハウゴカナイ……ソレヨリモシキカンガソノサキニイルカノウセイガアル……」

戦艦棲姫『リョウカイ……』

深海鶴棲姫「キドウブタイニツウダヲアタエタ……ココカラガショウブダ……マケナイ、ワタシハマケナイ……!」


――17:50――

 サーマル沖 北方

瑞鶴「一機も爆撃機を抜けさせるな! 私たちの後ろには傷を負った味方がいるのを忘れるな!」

グラーフ「ぐっ……しかし、なぜさきほどからとこうも攻撃が激しくなったのだ! 意味が分からん!」

多摩「確かにこれを避け続けるのはちょっと厳しいにゃ!」

酒匂「ぴゃー!?」ドーン!

多摩「酒匂!」

酒匂「けほ……けほ……なんとか大丈夫……」

多摩「……ならさっさと機銃を撃つにゃ!!」

酒匂「ぴゃー……」

アークロイヤル「くっ……Every cloud has a silver lining。諦めるな!」

千歳「え、えっと……千代田、なんて意味?」

千代田「分かるわけないでしょ!? 暢気にそんなこときにしてないで!」

瑞鳳「くっ……あ! 瑞鳳攻撃隊、なんとか敵艦載機郡をぬくことに成功!」

瑞鶴「よくやったわ! そのまま敵部隊に爆撃! 飛行甲板を狙いなさい!」

瑞鳳「了解!」

提督『……第三水雷戦隊、強速! 90度!」

川内『ん。了解! 強速! 90度!』

瑞鶴「提督さん! 川内よりもこっちに指示をだして!」

提督『今は耐えろ! 手はうってある!』

瑞鶴「くぅ……全艦、奮戦しなさい! 提督さんが手はうってあるって言ってるわ! 耐えれば勝てるわよ! 中破した空母も機銃を撃ち続けなさい!」

天城「了解しました!」

瑞鶴「なんとか、なんとか夜になるまでに攻撃を止めないとッ……!」

瑞鳳「! 瑞鳳攻撃隊、空母棲姫一隻撃破!」

瑞鶴「よくやったわ! 全艦、瑞鳳につづきなさい! ここが私の……いえ、私たちの決戦よ! 怯むな! 目の前の勝利を掴み取れぇ!!」

提督『ん――? 了解した。迎撃せよ』

瑞鶴「……どうしたの」

提督『いや、こちらに抜けてきた敵部隊と接触しただけだ。赤城たちを迎撃に当てたので問題ない。お前たちは目の前のことにひたすら奮励努力せよ』

瑞鶴「了解!」


 ――18:00――

 サーマル沖

深海鶴棲姫「ココニキテ……テイコウガハゲシクナッタカ……! テオイノケモノガ……!」

ヲ級改「ヌケテキタテキブタイニヨッテ……クウボセイキ1セキ、ソウコウクウボキ2セキ、ヲキュウ1セキガゴウチン!」

深海鶴棲姫「……ツキュウニタイクウシャゲキヲオコタラサセルナ!」

ヲ級改「リョウカイ……!」

深海鶴棲姫「アト、モウヒトオシ……モウヒトオシデ……カテル……! ソノアトハ……ハンテンシテ……メザワリナスイジョウブタイヲタタケバ……!」

戦艦棲姫『コチラセンカンセイキ……! テキノシキヲトッテイルトミラレルブタイヲハッケン!』

深海鶴棲姫「! キボハ!」

戦艦棲姫『クウボ4、センカン2、ジュウジュン2、ケイジュン5、クチクカンタスウ!』

深海鶴棲姫「スグニゾウエンヲオクル! オマエタチハセンコウシ……シキシテイルニンゲンノ……ノッタフネダケヲネラエ……!!」

戦艦棲姫『リョウカイ……!!』

深海鶴棲姫「キタゾ……ナガレガキタ……!!」

駆逐古姫「……!? デンタンニカンアリ!! ソンナ、ハヤスギル……!」

深海鶴棲姫「コウゲキキカ!?」

駆逐古姫「イエ、コレハスイジョウブタイデス! モウレツナソクドデセッキンチュウ――キャー!?」ドーン!

深海鶴棲姫「ギョライ……! クチクカン……ジュウジュンヨウカンハクウボヲマモレ……! クウボハ……テキニキヲトラレ……カンサイキノソウジュウヲオロソカニスル――」

?「遅い!」ビュン

ヲ級改「!? アガッ……!」

深海鶴棲姫「!?」

神通「この距離であれば軽巡洋艦の主砲であっても空母の首はとれます……!」バーン!

ヲ級改「ゴフッ……!?」ザバーン

神通「敵空母、二水戦旗艦・神通が討ち取りました! 二水戦、敵中に突入、かき乱しなさい!」

那珂「あぁ!! もう! 先を越されちゃったじゃん! 四水戦続け!! ダンスのときは足を止めるなぁ!」

白露「イッチバーン……」

吹雪「あわわ……」

深海鶴棲姫「バ、バカナ……! ナゼ、コウモハヤク……! テキハショウスウ……オチツイテウチトレェ……!」

那珂「そんな簡単に落ち着かせるほど那珂ちゃんたち無能じゃないし。それにしてもさあ、空母討ち取ったのはいいけど、あんな近距離で撃つから主砲も右腕も動かないんじゃない?」

神通「構いません。軽巡洋艦の腕ひとつで空母の首ひとつです、おつりがきます。それに左腕はまだ動きます」

那珂「はい、はい……」


 ――18:20――

 サーマル沖北方

提督『攻撃、一旦止め! 神通たちが敵に乱戦を仕掛けた! 攻撃隊は混乱する敵機を追い回した後、敵の目前で旋回させておけ! 水雷戦隊の離脱後、一気に仕掛けるぞ!!』

瑞鶴「……了解! みんな、聞こえたね!」

アークロイヤル「勿論だ! ついに、ついに……私のSwordfishが火を噴くぞ!」

グラーフ「あんな旧型でよくいう……」

神通『意見具申! わたしたちにかまわず、すぐさま爆撃を開始してください!』

提督『は……? ば、馬鹿をいうな! 無茶だ!』

那珂『大丈夫、大丈夫! 味方の爆撃に当たるようなヤワな鍛え方してないもん! それにぃ、混乱してる今なら旗艦狙えるんじゃないかなぁ?』

提督『う、うむ……信じていいのだな?』

那珂『もっちろん!』

神通『はい!』

提督『瑞鶴! 敵機は無視していい! 敵部隊に攻撃隊を突っ込ませろ!』

瑞鶴「了解!」


 ――18:30――

 サーマル沖

深海鶴棲姫「グゥ……!? マダダ……マダ、ワタシハ……シズマナイ……!! アノ……テイドノ……スイライセンタイノ……トツニュウデセンキョクガ……ケッスルナド……ミトメルカ……!!」ドーン!!

深海鶴棲姫「イヤダ……モウ、イヤナノ……クライ、クライウミニ……カエリタクナイ……!」ドーン!

深海鶴棲姫「グフッ……ガンバッタノニ……マタ、マケ――」

『くたばれぇぇ!! 私たちは今度こそ勝つのよ……! そしてあの水平線の向こうに――!!』

深海鶴棲姫「え……?」

 ドーン!

深海鶴棲姫「ば、かな……カエル……? あの、くラいウミに……ワタシハ、私は……ワタシは……!!」

 ドーン!!

深海鶴棲姫「……フフ……モウ…イイヤ。ヤルダケ やッタ……。そうダ……ワタシハ…ヤルダケ やったんダ…! あノヒ、アのウミデも…! …そして、今も……。そう、か……ふふ……あなたも、がんばりなさい――」


 ――18:40――

 サーマル沖北方

神通『敵旗艦、空襲により撃破! 指揮官を失った敵部隊は混乱の極致にあり!!』

提督『でかした!』

瑞鶴「……やった、やったぁ!!」

提督『機動部隊はその場で待機! これ以上は夜戦になる! 少数とは思うが潰走してくる敵には空母の副砲と軽巡洋艦、駆逐艦で対処せよ!』

瑞鶴「了解!」

瑞鶴「ふふ……翔鶴姉、ちょっと納得かないけどいわれたとおり、私、出来たよ……ありがと」



 ――18:40――

 サーマル沖

神通『敵旗艦、空襲により撃破! 指揮官を失った敵部隊は混乱の極致にあり!!』

夕立「あーあ、素敵なパーティもおわりっぽい……」

川内「なにいってるの。これからでしょ?」

綾波「え?」

川内「なんで私たちがここで待ってたと思う?」

夕立「予備じゃないっぽい?」

川内「あたりまえじゃん。三水戦っていえばなによ」

夕立「そんなの夜戦に決まってるっぽい!」

川内「……そうだね、そういうことだよ」

夕立「!」

川内「機動部隊は見た目大軍、中で暴れまわるのはあの馬鹿二人。東は提督たちの部隊がいるって分かってるならさ、味方と合流しようとこっちに逃げるんじゃないの?」

夕立「あ……やった! パーティっぽい!」

川内「そういうこと。 夜偵はすでにとばしてる! 捕捉しだい夜戦だぁ! いっくぞー!」


 ――19:40――

 サーマル沖北北西

青葉「おお、川内さんたちが夜戦に入ったみたいです!」

加古「ふーん……」

青葉「ふーんって……そんな冷静な……」

伊勢「でも、それでうちらのほうにちゃんと追い回してこれるのかなぁ。数はまだいるんだろうし、ちょっと不安」

日向「いやいや、あの三水戦に加えて夕立と村雨までいるのだろ? それは杞憂だな」

伊勢「あー……うん、確かに」

青葉「ぐふふ……いやぁ、こんな簡単なところで投入なんて、青葉、ラッキーです!」

プリンツ「ラッキーって……野戦ですよ? 油断は駄目なんじゃないかなぁ」

青葉「油断? 違いますねぇ……これは余裕ってやつですよ……! なんたって夜戦で追い回す敵を仕留めるだけですよ! 楽勝です!」

伊勢「それってフラグ……」

日向「いやいや、青葉のことだ。それぐらいへし折るぞ」

青葉「ええ、ええ……ソロモンの狼がのど笛掻っ切りますよ!」

加古「うわぁ……変なスイッチ入っちゃってるじゃん……どうすんのよ?」

日向「どうするもなにもカメラでパシャパシャやられるよりマシだろ」

加古「ははは……! 違いないや」



 ――19:45――

 サーマル沖

武蔵「これで終わりだぁ! しずめぇ!!」

護衛棲水姫「ギャアア……!! シズムカ……マタ…コノ、カイテイニ……。モウ…モウイヤナ――」

大和「まだ息があります! 主砲、撃てぇ!」

護衛棲水姫「――そ、ソンナぁ……」バタッ

武蔵「はっはっは……敵旗艦、大和型が討ち取ったぞ! この勢いでレイテ湾に突入す――」

提督『待て! 待て! まずは目の前の敵を掃討しろ! いいか、一隻も逃がさないつもりでやれ!」

長門「はぁはぁ……それに大破した艦は護衛撤退させねばなるまい。掃討にしろ、突入にしろ一拍おくべきだ」

武蔵「ふむ……分かった、分かった。言うとおりにしよう」

提督『そうして――ドーン!!』

武蔵「! どうした司令部、応答せよ!!」

長門「提督!」

神通『!? どういうことですかこれは! 赤城、報告なさい!』

赤城『ぐっ……破れかぶれの砲撃で、よくも……よくもぉぉぉぉ!!』グシャ

瑞鶴『え、な、なに? ど、どうしたの!?』

霧島『くっ……提督! 大淀、すぐに軍医を!』

大淀『は、はい……!!」

提督『ゲフ……ゴホ……全艦、落ち着けぇ!! こちら司令部、大事無い! 向かってきた敵が最後の悪あがきで放った砲弾がかすめただけだ!』

赤城『!』

提督『そうだな、赤城』

赤城『は、はい!』

長門「そ、そうか……安心したぞ。ここで提督が戦死など洒落にもならん」

武蔵「……」

提督『はっはっは……それよりも喜べ! 敵はこの最大の好機を逸した! こうなれば天は我らに味方しているぞ! 編成が終わり次第、第一遊撃部隊は遮二無二にレイテへ突き進め!』

武蔵「……まて、提督よ。掃討はいいのか?」

提督『構わん。流れがきているのだ掴む』

武蔵「そうか。了解した! 長門、編成を急げ!!」

長門「応!」


 ――19:40――

 レイテ湾

海峡夜棲姫「アア……ゴエイセイスイキモ……シンカイカクセイキモ……シズンダワネ……アノ、クライウミニ……」

海峡夜棲姫「ダイジョウブデス……ワタシガイマス……」

海峡夜棲姫「ソウネ……」

戦艦棲姫改「……イカガナサイマスカ?」

海峡夜棲姫「マダ……マケトキマッタホド……センリョクサハヒライテイナイワ……ムカエウチナサイ……! テキモヒヘイシテルハズ……」

戦艦棲姫改「リョウカイ……!」


 ――19:50――

 サーマル沖北東部 指揮官座乗高速艇 司令部

秋津洲「あの、提督、サーマル沖に更なる増援を確認したかも……」

提督「……了解。うぐっ……最後の一撃をくれてやる。大淀、第二ならびに第三邀撃部隊に回線を開け」

軍医「閣下、くれぐれも大きな声を出されないようにお願いします」

提督「ははは……馬鹿なことを言ってはならん。小声で指揮をとっては戦意もあがらんではないか」

軍医「本来であれば――」

提督「言うな。戦いの勢いをそぐ」

軍医「……はい」

大淀「回線、開きます」

提督「こちら……ゴホッ……ん、司令部、第二邀撃部隊並びに第三邀撃部隊応答せよ!」

金剛『ンー……そんな大きな声を出さなくてもきこてマース』

山城『同じく』

提督「ふん……そうか。時は来た、吶喊せよ。お前たちで勝利を確実にして来い」

金剛『ok,ok。こっちもうずうずしてた所デース! 第二遊撃部隊、出撃デース!』

山城『……西村艦隊出る! 全艦、この山城に続きなさい!』

提督「まかせたぞ……」

区切りもよさそうだし、そろそろ時間がやばいので落ちます。
これで半分ぐらいは終わりましたので、次回決着です。重ね重ね申し訳ありませんでした……


青葉にはドサクサに紛れて沈んでもらった方が……などと思ってしまったとは言えない
にしても帰って提督の怪我見たら一部艦娘は怒り出しそう



て、提督ダイーン!?

赤城さんが変質しないか心配……いや期待……いや……


まぁ深海に負けるはずはないよね
味方()の方が怖いからね

このまま提督を死んだことにしたい

このまま死んだことにした時に感情度低好感度高の娘がどうなるのか見てみたい

死の間際で少将と再会しそう

提督しんじゃやだよぉ

「テートクざまみろデース」と喜びを隠さないのが低好感度組
そいつらに恐ろしく速い腹パンかますのが高好感度組

まだ夜ですよね……?帰ってきました。
出張の準備ということで今日はお休みにしてもらったし、更新していきます。
遅くなり申し訳ありません。

たくさんの感想や乙有難うございます。

>>657
青葉は>>1が個人的に好きなのといろいろ考えているので割かし感情度コンマが楽しみな艦だったりします。
あれやね、好きな子ほど意地悪したい(ゲス顔)

>>658
優しさとか暖かさよりも強さ優先のモンスターみたいな人やし……どっちかというとフレイザード……いや、なんかそれもちゃいますね

>>659
赤城よりもやばいのは守りたいとか言ってた人……

>>661
すでに味方の影響で一人死んでるという……

>>662>>663
それは後任の胃がマッハでやばい……

>>664
少将は、うん……あれ……

>>665
お待たせしました。乞うご期待

>>666
(その光景が)見える、見える

>667
それはアカン……深海提督になってまう……


 ――20:00――

 レイテ湾

海峡夜棲姫「ホボールトウオキデ……テキ……ハッケンデスッテ……!?」

重巡棲姫「ハ、ハイ!」

海峡夜棲姫「ミハリハナニヲシテイタ……!! メトハナノサキニテキガ……アラワレルナド――」

海峡夜棲姫「マチナサイ。オソラク……リクカラキタワネ……」

海峡夜棲姫「リクカラ……?」

海峡夜棲姫「エエ……ベツドウタイガ……ネグロス……セブ……ホボールト……オウダンシテキタノヨ……」

海峡夜棲姫「ソンナ……フネガドウヤッテ……!」

海峡夜棲姫「……イマハワタシタチニモ……アシガ……アルジャナイ……」

海峡夜棲姫「アア……!?」

重巡棲姫「ソ、ソレヨリモシジヲ……!!」

海峡夜棲姫「スリガオカイキョウニ……ブタイヲテンカイ。サーマルオキノミカタハ……ザンネンダケド……ステゴマニスルワ……。キョウシュウブタイヲ……ゲキハシタノチ……テッタイスル……」

重巡棲姫「リョ、リョウカイ……!」

海峡夜棲姫「イヨイヨデスネ……ネェサマ……」

海峡夜棲姫「エエ……ワタシノカワイイ……イモウト……」


 ――20:30――

 ホボール島沖 スリガオ海峡前

金剛「oh! ミテ、ミテ! 呆れるほどの大軍デース!」

扶桑「ふふ……そうねぇ」

山城「……」

金剛「ワタシたちは命令通り、3YBの道を開きマース。ちゃんとやってくるネー!」

最上「勿論だよ! 金剛さんたちも気をつけてね!」

金剛「はっはっは……扶桑たちと違って最上はイイ子ネー」

最上「あ、あはは、そんなことは……」

満潮「……いつまでもうっさいわね。金剛さん、それよりも早く突入しなさいよ」

金剛「ふふ……言われなくても分かってマース! 全艦、ワタシに続くデース!」

榛名「はい! さぁ、いきます――って、あれ? 鈴谷さん、どうかしましたか?」

鈴谷「え!? あ、な、なんでもないです! ごめんなさい!」

熊野「はぁ……なにをやっているのかしら……」

金剛「まぁまぁ、そう堅いことはなしネー。ンー? それLocketですカー?」

鈴谷「いっ!? え、えっと、そうです……」

金剛「Oh! Romanticネー! 中身は誰か知らないけど、その人のためにもがんばってくだサーイ!」

鈴谷「あ、あう……はい……」

金剛「アハハ……茹蛸みたいネー」

扶桑「……金剛」

満潮「……」

金剛「ハァー……さぁ、気をとりなおしていきマース! 敵陣に大穴開けるネー!」

榛名「は、はい!」

山城「あの、姉さま……」

扶桑「なにかしら?」

山城「やはり私たちも援護ぐらいはしたほうが――」

扶桑「駄目よ。私たちは消耗を出来るだけ抑えなくてはいけないの。その援護で誰かが大破したらどうするの?」

山城「……はい」

扶桑「それよりも、山城、号令を」

山城「え、えっと、はい……これり私たちは第2邀撃部隊のこじ開けた間隙をつきスリガオ海峡に突入する! 目標は展開している部隊の旗艦! 邪魔する敵はすべて払いのけろ!!」

山雲「……は~い」

最上「いいね、いいね! 格好いいよ、山城」

山城「そ、そうかしら……うふふ……」

時雨「はぁ……締まらないね」

朝雲「うーん、でも私たちのところはそういうのがいいんじゃないかしら。ねぇ、扶桑さん」

扶桑「……ええ、ええ、朝雲の言うとおりだわ」

時雨「……満潮は僕と同感でしょ?」

満潮「知らないわよ」

時雨「くく、冷たいなぁ」

満潮「ちっ……」


 ――21:00――

 スリガオ海峡

金剛「fire!」

ル級「a……aaaaa!!」ドーン!

戦艦棲姫改「トッパヲユルスナ……!! ジカンヲカセゲ……! ネグロストウオキノブタイガ――」

阿武隈「そんな時間はありません! 沈んで!」

戦艦棲姫改「グゥ……シズムノハ……キサマダ……!!」

阿武隈「きゃあ!」

鬼怒「阿武隈! 清霜、援護!」

清霜「はい!」

榛名「一点突破です! 敵を倒すのではなく目の前を突き破りなさい!」

足柄「了解!」

那智「応!」

軽巡棲姫「トオサナイ……!」

那智「はっはっは……足柄、姫級だ! 行くぞ!」

足柄「勿論よ! 那智姉さん、合わせなさいよ!」

那智「合わせるのはお前だ!」

金剛「フーム……やはり数でおされてますネー」

榛名「く……3YBは援護を打診してみるのはどうでしょう?」

金剛「AHAHAHA! それは無理に決まってるデース!」

榛名「し、しかし……」

金剛「とにかくかき回すんデース! 矢矧は駆逐艦を率いて敵の頭を狙いなサーイ! この夜戦で水雷戦隊の意地を見せるんデース!」

矢矧「うむ、黒潮、浜風、磯風はこの矢矧に続け! 阿武隈が中破させた敵艦に止めを刺しに行くぞ!」

磯風「了解!」

金剛「全艦、矢矧を支援するんデース! 縦横無尽に駆け回りなサーイ!」

利根「はっはっは……いいぞ、いいぞ! この乱戦こそが夜戦の醍醐味よ! のぅ、筑摩!」

筑摩「そうですね……ふふ」


 ――21:45――

 ホボール島沖 スリガオ海峡目前

満潮「ちょっと! まだなの!? これ以上、待ってるだけなら金剛たちを助けに――」

時雨「んー、満潮はこういってるけど最上はどうみる?」

最上「えっ? そ、そうだなぁ、あはは……どうかな、扶桑」

扶桑「うふふ……山城、そろそろ突入しないと駄目かしらね? どう思う?」

山城「……はい! われらはこれより死中に活を求める! 第三遊撃部隊、続けぇ!」

朝雲「りょ、了解!」

山雲「あら~、緊張してるの~?」

朝雲「そ、そんなことないわよ!」

扶桑「ふふ……」


 ――21:45――

 スリガオ海峡

矢矧「とったぁ! 沈め!」

戦艦棲姫改「グゥ……!? ……ス……スイボスイキ……アトハ――」ドーン!!

矢矧「敵旗艦、この矢矧が沈めたぞ!」

黒潮「ひぃひぃ……この人、無茶苦茶や……。こんな近くまで接近するなんて普通やないで……」

清霜「いや……神通さんよりは……」

黒潮「当たり前や! あの人は腕の一本や二本、吹っ飛んでも敵の首取る人や、比べたらアカン……!」

清霜「えぇ……」

水母水姫「コンランスルナ……シキハ……ワタシガ……トル……センカンスイキノカタキヲトルゾ! ツヅケェ!」

金剛「ちっ……! 旗艦轟沈後まで考えてあったとは敵ながら天晴れデース!!」

榛名「はぁはぁ……ど、どうしましょう!?」

金剛「どうしましょうっていってる場合じゃ――」

?「邪魔だぁぁ!! どけぇぇぇ!!」

水母水姫「ナッ――ドーン!!――グゥゥ……」

山城「第二遊撃部隊、よくやってくれたわ! ここからは私たちに任せなさい!」

金剛「Shit……突入が早すぎるネー。全艦、奮起しなサーイ! 手柄を3YBに取られては駄目デース!!」

榛名「し、しかし……危なかったのは事実ですし、3YBに感謝したほうが――」

金剛「馬鹿を言ってないで砲撃ネー! 3YBを消耗させてはダメデース!!」

扶桑「ふふ……金剛、お先に失礼するわ。全砲門、一斉射!」

水母水姫「ガァ……!? ツメタイ…モウ、ツメタイオモイハ…クライオモイハイヤ……デモ、シズムノネ……adieu…」

榛名「あ、あの距離から一撃で……」

金剛「呆けてる場合じゃないデース! Fire! 弾薬を使いきるつもりで援護するんデース!!」

榛名「は、はい……!」

山城「! 第二遊撃部隊があれだけの援護をしてくれてるのよ! それに応えなさい! つづけぇ!」

山雲「どきなさ~い」

重巡棲姫「トオサナ――」

鈴谷「熊野!」

熊野「よろしくってよ! 魚雷、発射済みですわ!」

鈴谷「やるじゃん!」

熊野「当たり前ですわ!」

重巡棲姫「ドーン!!――アガァ!?」

最上「おお! さっすがは僕の妹! やるじゃないか!」

扶桑「ええ、ええ……流石だわ。ねぇ、時雨」

時雨「え……? う、うん」

山城「無駄口はそこまで! 今は全力で駆け抜けなさい!」



 ――21:55――

 スリガオ海峡 最深部

海峡夜棲姫「……トッパサレタノネ?」

駆逐棲姫「……ス、スミマセン」

海峡夜棲姫「アヤマルヒツヨウハ……ナイワ……。アナタハ……PTコオニヲヒキイテテキノゲイゲキニ……ムカイナサイ」

駆逐棲姫「リョ、リョウカイ……!」

海峡夜棲姫「スイボスイキ……」

水母棲姫「ナニ……?」

海峡夜棲姫「アナタハルキュウヲヒキイテ……クチクスイキタチノコウホウデ……タイキ」

水母棲姫「キシュウブタイ……トイウコトカシラ……」

海峡夜棲姫「エエ……ステゴマヲ……トッパシテアンドシタテキニ……ツウダヲアタエナサイ……」

水母棲姫「リョウカイヨ……」

海峡夜棲姫「……コレデスベテノセンリョクモダシツクシタワネ」

海峡夜棲姫「ネエサマ……ワタシタチガイマス……」

海峡夜棲姫「……エエ」


 ――22:50――

 スリガオ海峡 深部

駆逐棲姫「……コオニ、ギョライヲウチマクリナサイ!」

PT子鬼郡「「「「キィー!」」」」

山城「く……哨戒魚雷艇如きがなめるなぁぁぁ!!」

PT子鬼「「「「キキキ、キキー!」」」」

山城「うっ……ちょろちょろと目障りなのよ!」

扶桑「駄目ね……私たちの砲撃では的が小さすぎるわ」

最上「同じく!」

山城「そ、それではどうすれば……」

扶桑「一旦、魚雷がこない浅瀬まで移動しましょう」

山城「そんな悠長な……」

扶桑「急がば回れよ。それに追ってくれば浅瀬で攻撃できない敵を一方的に潰せる」

山城「……う、うう、了解」

駆逐棲姫「ヤ、ヤッタ……! テキガヒイテク……!」

PT子鬼「キィー!」

駆逐棲姫「イエ、アッチハ……アサセデギョライガツカエナイワ……! ココデ……テキヲオシカエシテイレバ……ゼンセンノミカタガ……テキヲカタヅケテ……ゾウエンニキテクレルハズヨ……!」

PT子鬼「キー」


 ――23:20――

 スリガオ海峡 深部 浅瀬

扶桑「残念だわ。追ってこなかったわね……」

山城「はい……」

扶桑「仕方ないわね……山雲、朝雲」

山雲「は~い」

朝雲「はい!」

扶桑「あなたたちの機銃ならあのすばやい部隊も捕捉できるわね」

朝雲「え……そ、そりゃあ……」

扶桑「うふふ……こういうときははっきりっと言い切ったほうが格好いいわよ?」

朝雲「! は、はい、出来ます!」

山雲「……」

扶桑「そう……なら、二人が先行して穴を開けなさい。それでいいわね、山城」

山城「……そう、ですね。二人ともいい?」

朝雲「はい!」

山雲「山城さんがそういうなら~」

山城「ごめんなさい……それでは二人が一気に敵中に突入するのを待って――」

満潮「! だ、駄目よ! そんな作戦認めないわ!」

扶桑「あら、なぜ?」

満潮「だ、だって……まだ二人は経験が――」

時雨「いや、満潮、それこそいっちゃ駄目だよ」

満潮「はぁ?」

時雨「経験が足りない、まだ出来ない、そんなことを二人は君に言ってほしがってると思うかい?」

満潮「……だって、本当のことじゃない! まだ艦娘の体に慣れてない二人よりもそういう危険なことは私とあんたで行ったほうがいいわよ!」

時雨「ふーん、案外、君も頭が固いね。ふふ……そういうところも好きだけど」

満潮「気味の悪いこといってるんじゃないわよ!」

扶桑「……満潮」

満潮「次はなによ!」

扶桑「私たちの目的はなにかしら? 全員が生きて帰ること?」

満潮「そうよ!」

最上「……残念だけどちょっと違うな」

満潮「な、なにがよ……」

最上「僕たちの目的は一隻でも生き残って敵の旗艦をつぶすことだよ。その後は全員、沈んだってかまわないんだ」

扶桑「そういうことよ。そのためにも戦力として低いほうから切り捨てていく、これは間違っているのかしら?」

満潮「間違ってるに決まってるじゃない!」

扶桑「はぁ……これは決定的な意見の相違ね。山城」

山城「……はい。朝雲、山雲はすぐさま敵中に突入せよ!! これは旗艦として命令である!」

満潮「!?」

朝雲「任せて! 皆が突破する時間ぐらいは稼いできます!」

山雲「ええ、私もそれぐらいはがんばりま~す」


満潮「ま、まって――」ガシッ

時雨「駄目だよ」

満潮「放しなさい!!」

朝雲「あ、あの、満潮」

満潮「何よ!! すぐに戻ってきなさい!!」

朝雲「心配してくれて有難う。でも、私たちだってもうそんな新兵じゃない」

山雲「ええ、そういうこと~」

満潮「……」

朝雲「だから、最後は気持ちよく送り出して。なんて、あはは……」

満潮「……がんばりなさいよ。戦士なんかしたらぶっ殺すわよ」

山雲「こわいわ~。でも、それならがんばらないといけないわよね?」

朝雲「山雲と一緒っていうのだけが気に入らないけどね」

山雲「ひっど~い!」

山城「最後に一つだけ……終わったら助けに来るわ。それまで耐えなさいよ」

朝雲「はい!」

山雲「はい!」

――10分後――

駆逐棲姫「2ドメノ……ゴウゲキガコナイ……ホントウニニゲカエッタノ……?」

?「探照灯、照射! 山雲、私が照らした先を片っ端から機銃掃射なさい!」パッ!

山雲「了解!」

駆逐棲姫「グゥ……マ、マブシイ……! コオニ……ギョライヲ――ババババ!――キジュウ? コンナモノデ……ワタシガ――」

PT子鬼「「「「ギィィィ!?」」」」

駆逐棲姫「ア……シ、シマッタ……! エエイ……ウテ、ウテェ……!!」

朝雲「む……! やっぱり! あれが旗艦だ! 山雲!」

山雲「わかったわ~。酸素魚雷、一斉発射!」

駆逐棲姫「シ、シマッタ……ラ、ライセキガ……ミエナイ……!? キャー……!!」ドーン!!

朝雲「やりぃ!」

PT子鬼「「「「キィキィ!?」」」」

駆逐棲姫「グゥ……ワタシハ……マダケンザイヨ……! オチツキナサイ……!」

山城「今だ! すすめぇ!」

駆逐棲姫「ア……ト、トッパヲユルス――バーン!――グッ……!」

朝雲「あんたの相手は私たちよ!」

山雲「ええ、かかってきなさ~い」

駆逐棲姫「ク、クソォォォォ……!!」


 ――23:50――

 スリガオ海峡 深部

山城「はぁはぁ……突破出来たわね……」

満潮「……ええ」

最上「満潮」

満潮「うっさい……!」

扶桑「……最上、そこまでに――山城! 危ない!」

山城「え……?」

 ドーン!!

扶桑「ぐっ……」

山城「ね、姉様……?」

扶桑「ふふ……この程度、掠り傷よ」

山城「ど、どこがですか!? 中破――」

扶桑「ふふ……そんなにあわてて可愛いわね」

山城「からかわないでください!」

最上「……山城、お取り込み中に悪いんだけど新手だ」

山城「ぐっ……」

水母棲姫「チッ……キカンヘノコウゲキハ……シッパイカ……。マァイイ……センカンブタイ……2シャメ……ヨウイ……!」

扶桑「山城、行きなさい……あれは私が相手をしておくわ」

山城「そんな無茶です……!」

扶桑「うふふ……赤城や提督ではないけれど、大丈夫、大丈夫よ」

山城「それなら私が残ります! 姉様は――」

扶桑「山城、駄目よ? あなたは旗艦でしょ?」

山城「……」

扶桑「決断なさい! 全砲門、開けぇ!」

ル級「GAAAA……!?」バーン!

扶桑「ドーン、ドーン……グッ……この程度で……!! 日の本の別名背負う戦艦をなめるなぁ!!!」

ル級「AAaaaaaaaaaaaaaaaaaaa……!!」ドーン!

水母水姫「オクスナ……! テキハ……テオイ……!! ウチマク――ドーン!!――ガァァァ!?」

リ級「na!?」

最上「ふふ……酸素魚雷の味はどうかな?」

山城「最上……」

最上「山城、扶桑のことは僕に任せていきなよ。なぁに、そう簡単には沈まないから安心してよ」

山城「でも、だって……」

扶桑「ゴホゴホ……いい加減一人で立ちなさい……。私のことを大してすきでもないくせに……らくだから……近くにいるのはやめなさい……」

山城「そ、そんなことは……」


扶桑「この西村艦隊、前の戦いのことでだれも旗艦のあなたを恨んでもいないし……責任を感じてほしいとも思ってないわ……だから、自分の判断――ドーン!!――……自分の判断で進みなさい!!}

時雨「……いや、僕は君の事を何考えてるかわからないなんて思ってたけど、ずいぶんと立派じゃないか。……いくよ、山城」

満潮「ええ……すこし、見直したわよ。あの、その、がんばりなさいよ!」

扶桑「うふふ……二人とも有難う」

最上「あはは……僕は最初から扶桑の子と好きだよ。朝雲もきっとそうだと思う」

扶桑「ふふ……それで、山城どうするの?」

山城「取り乱して……すみませんでした。姉様、行って来ます!」

扶桑「ええ、ええ……がんばってきなさい。西村艦隊の、扶桑型の名を天まで掲げてきなさい……!!」

山城「はい……!」

最上「いったか……扶桑、まだ主砲は打てるかい?」

扶桑「勿論よ。ふふ……沈んでも今度は撃ち続けるつもりよ」

最上「それはいい。見た目よりも元気そうで良かった」

水母水姫「キ、キサマ……ヨクモ……ヨクモ……シズメ……シズメェェ!!」

扶桑「あら……案外、敵も元気ね」

最上「あはは……確かに」


 ――24:25――

 スリガオ海峡 最深部

海峡夜棲姫「……」

山城「ハァハァ……あなたがこのレイテに展開する部隊の旗艦ね」

海峡夜棲姫「エエ……ワタシト……カワイイ……コノイモウトガキカンヨ……」

時雨「妹……?」

海峡夜棲姫「エエ……カワイイデショ?」

海峡夜棲姫「ネェサマハ……ウツクシイデス……」

満潮「気持ち悪い……」

時雨「同感だね……」

山城「一人でブツブツとなんのつもりか知らないけど……ここまで来たのよ! 首は貰う! しずめぇ!」

海峡夜棲姫「……ヒトリ? ナンデ……ネェサマハ……ワタシトイッショニイルノニぃ……!?」

時雨「……山城の主砲が直撃したわりには大してダメージなさそうだね」

満潮「冷静に分析なんかしてるんじゃないわよ! ここが最後よ! 弾薬も油も使い切るわよ!」

時雨「ああ、勿論!」

海峡夜棲姫「デテイケ……デテイケ……!! ワタシト……ネエサマノ……セカイカラ……!!}

山城「ぐ……」ドーン!

時雨「山城!」

山城「掠っただけよ!」

海峡夜棲姫「ワタシノウシロニハ……ネェサマガイルノ……!! シズンダ……ナンテ……ウソ……ウソ……ウソ……ウソ……ウソよ……!!!!」

満潮「うっさい!! どうみてもあんたは一人よ! これでもくらって現実を見なさい!」

海峡夜棲姫「ドーン――クゥ……クチクカンゴトキガ……ジャマダァァ!! キエロォ!!」

満潮「ちっ……!!」ドーン!!

海峡夜棲姫「ソウヨ……ワタシハ……ネエサマトイッショニ……シズンダノ……ヒトリジャナ――」

山城「うるさい!」

海峡夜棲姫「ソンナ……コウゲキガ……キクカァ!! ワタシハ……ネェサマト――」

山城「だまれぇぇ!! 私はあんな不気味でなに考えてるかわからない人なんて嫌いなのよ!!」

海峡夜棲姫「ドーン!!――グゥ……!?」

時雨「や、山城!?」


山城「あの人がなにかやればいっつも私も怒られて……なんども別の鎮守府に行きたいと思ったわよ!!」ドゴォ

海峡夜棲姫「グゥ……スデノ……コウゲキナド――ドーン!!――アガッ……!?」

山城「それなのに、楽だから一緒にいる……? ふざけるんじゃないわよ!!」

海峡夜棲姫「フザケテイルノハ……オマエダ……!!」

山城「ドーン!――グゥ……!! でも、わかってもいるのよ!」

海峡夜棲姫「ゴホッ……!?」

山城「姉様は私のことを気にかけてくれてるから余計なこともするって!」

海峡夜棲姫「こ、コノォォ――ドーン!!――」

時雨「ふふ……山城、なにを熱くなっているか知らないけど僕たちもいるんだそんな接近しないでよ」

満潮「ええ」

山城「だから、嫌いだけど……嫌いだけど、一緒にいたいのよ! だから、あの人は私の姉なのよ!!」

時雨「……聞こえてなさそうだね」

満潮「……ええ」

海峡夜棲姫「ドーン!!!――バカナ……ソンナ……ネエサマ……タスケ――」

 『ふふ……さぁ、手をとって? あなたも進むときが来たのよ』

海峡夜棲姫「ネエサマ……姉様……あ、アァ、暗いのニ……冷たいのに……アカるい、暖か――」ザパーン

山城「はぁはぁ……」

満潮「……」

時雨「はぁ……連絡を」

山城「……そ、そうね。司令部、こちら第三遊撃部隊」

提督『ふ、ふん……遅かったな。勝ったな?』

山城「え、ええ……勿論です……」

提督『了解した……お前たちはほかの部隊と合流し、ホボール島で武蔵たちとの合流を――目指せ』

山城「ちょっとちゃんと喋ってください。聞き取りにくいです」

提督『くっくっく……すまない』

山城「え……?」

提督『なんだ』

山城「いえ、なにか素直で調子が狂うなって」

提督『……お前たちは私をなんだと――まぁ、いい。大淀、回線を全部隊の全艦娘に開け』

大淀『……は、はい』


 XX17年 12月 6日

 ――01:00――

 サーマル沖 北東部 指揮官座乗高速艇

提督「……こちら、司令部。敵中に突入した第三遊撃部隊が敵旗艦を打ち破った。この戦い、現時刻をもってわれらの勝利である。しかし、気を抜くなよ! 敵はまだいるのだ!」

武蔵『おお!! 山城、よくやったくれた!!』

長門『ああ!!』

山城『ふん……』

扶桑『ふふ……』

金剛『YES! YES!』

那珂『やったー!!』

神通『提督のおっしゃるとおり油断はいけません』

那珂『はぁ……はい、はい』

川内『よっし! 提督、こっちの殲滅ももう少しで終わるよ、そうすれば完全勝利だぁ!!』

赤城『……』

提督「ああ、全員、ご苦労だった。お前たちのおかげで勝てた。お前たちの指揮をとれたことは私の中でも誇りである」

金剛『ハァ? いきなり何をいいだ――』

赤城『金剛!!』

金剛『……な、なんデース』

提督「お前たちにとって私は良い鎮守府司令長官ではなかったかもしれない。しかし、お前たちは私にとって最高の艦娘であった』

蒼龍『……ていとく? ねぇ、どうしたんです?」

霧島「……」

提督「さぁ、最後だ。敵を片して帰るぞ……わ、たしたちの鎮守府に……最後に赤城、蒼龍は高速艇に来るように。戦後のことを話す。以上だ」

大淀「……通信切ります」

提督「ああ……」

軍医「ご立派でした。提督」

提督「軍医、私は鎮守府まで帰れるか」

軍医「そ、それは……勿論です!」

提督「ふふ……そうか……。霧島」

霧島「はい」

提督「さきにお前のすることをはなしておく。まずは資材のことだが……上には例のことを知られるな」

霧島「……はい」

提督「それから……鳩は逃がしておいてくれ……」

霧島「……はい、はい」

提督「そうだな……あとは、私の品物はほしがるやつにくれてやれ。そんなやつがいればだがな、くくく……」

霧島「うう、ううぅ……」

提督「泣くな馬鹿。戦場での負傷は軍人の名誉だ、喜べ」

霧島「出来ません……私には出来ません……」

提督「……そう、か」

 バタバタ、バタバタ

赤城「はぁはぁ……提督!!」

蒼龍「はぁはぁ……うそ……なんで……真っ赤……」

提督「来たか……戦後の処理について話しておくぞ」

蒼龍「いや、いや……なんで? 提督がやればいいじゃないですか……!!」

提督「そういうわけにもいかなそうだからな……打てる手はすべて打っておく……」

蒼龍「あ、あああぁぁ……!! 守るって……守るって決めてたのに……今度こそ……!!」

赤城「……」

提督「ふん……赤城、随分と人間くさい顔ができるようになったな」

赤城「あなたの……おかげです」

提督「……ああ、それは良かった。いいか、後任のいうことにはくれぐれもしたがえよ」

赤城「……はい」

提督「よし……鎮守府帰還後は大破した艦から入渠させていけ。それがおわったら間宮に祝勝の料理を作らせてある皆で楽しめ。乾杯の音頭は――五航戦と武蔵、山城に取らせろ。殊勲だ、それぐらいしか報いてやれんのが残念だが……しかないか……」

赤城「……」

提督「それと事務的な引継ぎだが机の中の資料にほとんどまとめてある……それにしたがって行動するように……」

赤城「……」

蒼龍「……」

提督「辛気臭い顔をするな……後任は私よりよっぽど優秀な……人間なはずだ……安心しろ」

蒼龍「そういうことじゃ、そういうことじゃないんです!!」

提督「そうか……ああ、あと……最後に鈴谷へつたえておいてくれ。約束は守れずすまんと――な――」

赤城「ていとく……?」

蒼龍「提督!!!」


 ――01:20――

サーマル沖

武蔵「敵はすでに総崩れだ! 追い散らせ!」

長門「勝ち戦だ! 無理をするな!」

防空埋護棲姫「グゥ……ヒケ……ヒ――ドーン!!!!」

武蔵「ん?」

長門「……どうした?」

武蔵「いや、今の砲撃――」

?「ご苦労様です。ここからは私たちの仕事です。あなたたちは鎮守府に戻りなさい」

武蔵「なんだと……? 貴様、所属を名乗れ!」

?「退けといっているのが聞こえなかったのですか?」

長門「……所属不明の艦娘にそういわれて退くとおもうか?」

大本営大和「はぁ……私は元帥麾下の連合艦隊旗艦・大和です。従いなさい」

長門「……司令部」

霧島『……こちら司令部。なんですか?』

長門「元帥麾下を名乗る艦隊と――」

青葉『わわわわ……!! ちょ、ちょっと! 元帥麾下と名乗る艦隊から退くように言われてるんですが、どうします!?』

長門「青葉とこちらも同じ状況だ」

霧島『……撤退しましょう。勝利はもぎ取りました』

武蔵「馬鹿な! これは私たちの戦功だ! 追撃戦だけ横取りなど――」

霧島『撤退です!』

武蔵「むむむ……」

大本営大和「ふふ……指揮官が重症だというのに暢気な艦隊ですね」

長門「なんだと?」

大本営大和「あら? 知りませんでしたか? それなら私からいうことでもありません。自分たちで確かめなさい」

武蔵「……撤退する。すこし早いが提督に合流する」

長門「あ、ああ」






 エピローグ

XX17年 12月 6日

――21:00――

日本 XXホテル 宴会場

 ガタガヤ、ガヤガヤ……

元帥「はっはっは……今回も俺は勝った!」

中部「おめでとうございます」

元帥「うむ、うむ……よきに計らえ! うぁははは……!!」

南方「ちっ……で、元帥よ、こんなくだらねぇパーティなんかひらいてなんのるもりだ?」

元帥「んー? それはあとで分かるってことよ。おい、中部」

中部「かしこまっております」

元帥「なら、いい。ちゃんとやれよ」

中部「はっ! 朧、いこう」

中部朧「はい」

元帥「しっかし、轟沈無しとはやるじゃねぇか。あの小僧。なぁ、南方さん」

南方「ああ……その件についてはわしも驚いている。しかし、本人が重症ではな」

元帥「はっはっは……ありゃあ運がねぇな。すっぱっと死ねれば憂き世ともお別れだったのによ」

南方「ああ、違いねぇ」

元帥「ちょっと一鎮守府には過剰戦力だと思って削ってやろうと思ったんだがここはうまくいかなかった。実に残念、無念なことだよ」

南方「胸くそわるい……ところで西方はどうしたんだ?」

元帥「戦も勝ったし、自分の艦娘たちとバックギャモンだと」

南方「暢気なもんだな」

元帥「ちがいねぇや……けけけ」

南方「……でだ、内通者ってのは目星がついたのか?」

元帥「あ? そりゃあ、とっくのとうにな」

南方「へぇ、そりゃあよかったよ」

元帥「ああ、そうだろ? 感謝しておけよ」

南方「感謝ねぇ……なんで、敵に寝床を襲わせたやつに感謝なんぞせにゃならんのだ?」

元帥「へぇ……なんだい、わかったのかい? ここじゃあれだ、ちょっとバルコニーで話そうじゃねぇか」

南方「おう」


 ――21:20――

日本 XXホテル バルコニー

元帥「カチッ――フゥー……いるかい?」

南方「しってるだろ、わしは禁煙中だ」

元帥「はっはっは……そんな体に悪いことまだしてるのかい?」

南方「どっちが――まぁ、いい。それよりもあんたの企みだよ」

元帥「おう」

南方「あんたもとからわしをはめるつもりで敵を誘引したな? 内通者までつくって」

元帥「はずれ」

南方「あ?」

元帥「内通者は作ったんじゃない居たんだよ、元からな。それにあんたをはめようなんて意図はこれっぽちもねぇ」

南方「……信じられるわけねぇだろ」

元帥「はっはっは……あんたは自己評価が高過ぎる」

南方「……なんだと?」

元帥「いいか? あんたみたいな老いぼれじゃ、俺にはもうとどかねぇ。はめる必要が無いんだよ。俺はもうあんたのことを亀の首を落とす餌ぐらいにしかおもってねぇ」

南方「……」

元帥「あの小僧がうまくやりすぎたのは予想外だったけどなぁ、それ以外はみんな、俺の手の中で遊んでただけなんだよ。深海棲艦もあんたもな」

南方「ふざけるなよ……この狸」

元帥「くくっく……好きにいいな。俺は元帥だ、この海軍のてっぺんだ。それなら勝つためになんでもするってのが筋ってもんだろ」

南方「なにが元帥だ! そんなもんクソみてぇなもんだ!」

元帥「あ? 元帥号がクソだと? なら、てめぇはなんだ南方よぉ」

南方「……そのクソにたかる蝿だな」

元帥「くっくっく……あはは……なるほどねぇ、おもしれぇや。けどな、あんたはえらそうに屁理屈こねたって元帥にはなれねぇよ」

南方「んな、ことは分かってる」

元帥「なら分相応にしてるんだな。じゃねぇと首と胴がはなれるぜ。なんせ俺はまだまだ権力も女も金も食い足りねぇからな、はっはっは……!!」

南方「ちっ……」


 ――21:24――

 日本 XXホテル 応接室

中部「……」

警察庁長官「……あ、あの、このような場所にお呼び出し――」

中部「……すまぬ。もうひとり来るまでおまちいただきたい」

警察庁長官「は、はぁ」

参謀「失礼します! 閣下、お呼びでしょうか!」

中部「うむ、まずは掛けてくれ」

参謀「はっ!」

中部「朧、皆さんに珈琲を」

朧「はい。えっと皆さん、ブラックでいいですか?」

参謀「はい」

警察庁長官「ええ、私もそれでかまいませんよ」

朧「はい。それでは失礼します」

 パタン

参謀「駆逐艦の朧ですか。閣下の秘書艦でしょうか」

中部「いや、妻と同じ名前なので不思議な縁と身の回りの世話をしてもらっている。秘書艦は別だ」

参謀「なるほど」

警察庁長官「ゴホン……!」

中部「失礼した。さて、ここにお二人を呼んだのはほかでもない……この建物はあと数十分で陸軍の若手将校に襲われる」

警察庁長官「な、な、なんですって!?」

中部「しかし、安心されよ」

警察庁長官「?」

中部「貴殿らはそのときまで生きてはいない!」スパッ!

警察庁長官「え……」ボテン……ゴロッ、ゴロッ

参謀「ひ、ひぃぃぃ!?」

中部「……元帥はこれを機に警察についてもほしいそうだ。陸軍の暴挙と指揮官を失った情けない警察の動き。また海軍が力をつよめることができる」

参謀「そ、それでは……私はなぜ……このような場所に……?」

中部「深海棲艦に軍機を漏らしたのは貴様であろう」

参謀「お、おまちください……! 私は閣下がおっしゃるように深海棲艦との共存を――!」

中部「そうか。さらばじゃ」

参謀「お、おま――スパッ――」ゴロ、ゴロ……

中部「……先に地獄で待っておれ。私もそのうち参ろう」


 XX17年 12月 19日

 ルソン島 海軍病院

「うぐぐぐぐ……!!」

鈴谷「ご、ごめーん……提督、痛かった?」

蒼龍「ちょ、ちょっと……!」

提督「気をつけろ! こっちは怪我人なんだぞ!?」

鈴谷「いや、でもこれゆっくりと座らせるのって意外に難しいんだって!」

那珂「はい、はい。痴話げんかはあとにしてねー。せっかくのお見舞いなんだから」

鈴谷「痴話喧嘩……」カァー

提督「うるさい! なにが痴話喧嘩だ! それに見舞いなど来なくてよっかったものを……!」

那珂「またそうやってすねちゃうんだから」

提督「すねてない!」

那珂「んー、でも、残念だよねー……そんなんじゃ、今年のクリスマスはあそこいけないもんねー」

提督「いいや、治して行く」

那珂「無茶でしょ……それ……」

蒼龍「そうですよ。絶対安静です!」

提督「むぅむぅ……!!」

蒼龍「はぁ……そんな風にできるってことはもう大丈夫そうですね。あの時は本当に心臓止まるかと思ったんですからね! 提督も縁起でもないことばっかり言うし!!」

提督「ふん……私も死ぬと思っていたからな。仕方ないだろ」

蒼龍「もう……!!」

提督「はぁ……それにしても元帥と軍医には感謝しても仕切れんな」

那珂「えー? 軍医さんはともかく、元帥なんか最後で手柄取ってっただけじゃん」

提督「いや、私は追撃を命じていた。あそこで撤退したのは元帥が軍を派遣していてくれたおかげだ」

那珂「なっとくいかなーい」

提督「納得しろ。それにここが海軍病院だということを忘れるなよ」

那珂「はーい……」

鈴谷「あはは……」

蒼龍「……」

提督「蒼龍、赤城はどうしてる?」

蒼龍「……え? えっと、がんばってますよ」

提督「そうか。あまり根をつめないようにいっておけ」

蒼龍「は、はい」

那珂「あっれー? 提督がそんなこというなんて珍しいね」

提督「ふん……色々とな、こうして寝ているだけだと考えることもあってな」

那珂「ふーん」ニヤニヤ

鈴谷「ふーん」ニヤニヤ

提督「……なんだ、その顔は?」

鈴谷「なんでもないでーす!」

那珂「以下、同文!」

提督「ちっ……」


 第四部『レイテの怪』 閉幕

といわけでこれで第三部終了です。
クッソ長くなりましたね……>>1もあれやりたい、これやりたいを詰め込んだ結果がこれ。
戦闘については地の文がなしだとこんな感じにしか書けなかったのが心残りです……
これからもがんばっていきますのでよろしければどうぞお付き合いください。

第四部は殺伐とした感じを忘れてコメディでいくよていです。
仰っていただいて気づいたのですが当スレも半年を越えて、3部まで完了することが出来ました。
せっかくですので海域撃破ボーナスということでカメラの改修します。本日の23:00よりの更新前に安価でどんな改修を行うか決めますのでよろしければご参加ください。(明石関係のお品書きで更なる改修が可能です)

カメラ改修案F
①好感度測定枠を20以下、80以上に増加。
②コンマでぞろ目が出た際にその目に足す形でさらにコンマ測定。出た目の半分(切捨て)を一回目にプラス。(ただし上限は100とする)
 例・一回目33、二回目43.33+21=51
③改修を見送る。

こんな感じです。
それでは寝ます。おやすみなさい。

更新していきます。
改修につきましてはさまざまなご意見有難うございます。
それではカメラ改修安価から行きます。

>>690のカメラ改修案を参考に行いたい改修を①~③の番号で回答してください。
↓×1~↓×5の中で最も多数のものを採用いたします。

過半数行きましたので締め切ります。
過半数で①の安が採用になりました。次回から感情度が『20以下もしくは80以上』で好感度コンマに移行するようになります。
川内とか神通とかこのあとだったらキャラかわってそうですね。

それでは本編投稿していきます。

 xx06年 6月

 ――07:00――

 日本 軍令部 庁舎前

龍驤「で、今日もおままごとすんの……?」

提督「いや、今日は少し嗜好を変えようと思う。それより随分と元気がないが大丈夫か?」

龍驤「毎日、毎日、独り言つぶやいてるだけやからね……。ちょっと精神的にきついわ」

提督「その認識がいかんな。相棒だと思って心をこめてだな――」

龍驤「はぁ……」

提督「――それはそうと私は本日、非番なのだ」

龍驤「おぉぉ!! それはええことやん! うちなんかにかまってないでちゃんと休まんと!」

提督「ん、んん……そんな風に気を使ってもらうとどこか気恥ずかしいな」

龍驤「ぬはは……そんなん気にせんとどっかいってきたらどうや? キミがいなければうちも久しぶりにごろごろし出来るし!」

提督「……? 龍驤は非番でないだろ」

龍驤「え……そ、そりゃそうやけど……」

提督「お前の今日の任務だが私の供をすることだ」

龍驤「……はい」

提督「そう露骨に落ち込まんでくれ。ちゃんと君でも楽しめるものを用意してきた」

龍驤「え、竿やん? なんや魚でもつりにいくん?」

提督「そういうことだ。く、くっくっく……ば、晩酌の肴になる魚を釣りに良くのだ」

龍驤「うわ……クッソさぶいわ……」

提督「……」

龍驤「……」

提督「……そうか。車を外に用意してある、行こう」

龍驤「……う、うん」


――07:45――

車中

提督「……あ、そういえば、龍驤は酒が飲めるのだよな?」

龍驤「そりゃ人並みにはいけるくちやで」

提督「うむ、それを聞いて安心した。喜べ、今日はうまい酒をたらふく飲ましてやるぞ」

龍驤「晩酌の肴ってあれ、洒落だけじゃなくてマジでいってたん?」

提督「当たり前だ」

龍驤「ふーん……じゃあ、司令官は釣りうまいんやね。じっとしてるの苦手そうやのに意外やわ」

提督「は? いや、私はまったくだぞ」

龍驤「えぇ……? それなのに釣りいくん?」

提督「ああ、龍驤と艦載機だけでなく、私と龍驤も交流をはからねばならんと思ったのでな」

龍驤「いらんお節介やっちゅうねん……」ボソッ

提督「なにかいったか?」

龍驤「え、いや、なんも言うてへんよ。えへへ……」

提督「? そうか」

龍驤「な、なぁなぁ、それよりも何をつりにいくん? マグロとか、なんて……あはは」

提督「……マグロがこんな漁港で釣れるわけないだろ。大丈夫か?」

龍驤「しっとるわ! ボケだけや!」

提督「ああ、なるほどな」

龍驤「うわぁ……。って。それよりも漁港で釣りするん?」

提督「ああ。安心しろちゃんと釣りの許可が出てるところだ」

龍驤「ふーん……そういうのあるんやね」

提督「ああ。気をつけないと猟師さんや船の乗組員に怒られるぞ」

龍驤「いや、流石にその軍服と肩章にけんか売ってくるやつはおらんやろ……」

提督「そういう問題ではな――お! そろそろ着くぞ。降りる準備しておけよ」

龍驤「……あーい」

軍服で漁港ウロウロしてる釣り人っぽい奴とかお関わり合いになりたくないなぁ……

だからといって権力傘に着て釣りするなんてのは許しがたいからこの提督の姿勢は好ましいものと思う

少し昔は釣りデートもできたのに…
RJまさに後悔先に立たず

今出来ないから拗れてる可能性…

そういうのはもう鈴谷がいるからねぇ。
ねぇ。赤城さんに蒼龍さん?

間宮「………」ニコニコ


 ――08:00――

 漁港

提督「よし。到着だ」

龍驤「なぁ、そういえばさっき教えてくれへんかったけど今日は何を釣るん?」

提督「まぁまて。まずは釣りをする準備をしなければ。えっと……びくに海水をいれて、軍手をだして、あとはオキアミを――」

龍驤「手際悪いなぁ……。なんというか海の男に見えへんわ」

提督「うぐっ……敬語は使わんでもいいとはいったが馬鹿にしても良いとは言ってないからな」

龍驤「あい、あい」

提督「まったく……。えっと……力をこめすぎずにかごの中にオキアミをいれてっと――よし、龍驤、お前の分の仕掛けが出来たぞ」

龍驤「? 餌ついてないけどいいん?」

提督「いいのだ。その針の周りについてる飾りを餌だと思ってかごの中のオキアミに釣られた魚が食いつくようになってる」

龍驤「へぇー……! なんかおもろいね! これでどんな魚釣れるん?」

提督「小あじやねんぶつ鯛、ふぐ、カサゴなんかだな。たまにキスもかかるぞ」

龍驤「ふぐ! 鯛! すっごいやん! あ、あれか、海老で鯛をつるってやつ!」

提督「……まて、まて。ふぐは食えるようなやつはかからんぞ。それにねんぶつ鯛も鯛といっても金魚のようなやつだ。あまり期待をしてくれるな」

龍驤「えぇ……?」

提督「まぁまぁ、今日の狙いは小あじだ。それにキスもかかれば最高だな」

龍驤「キスのてんぷら!」

提督「うむ。しかし、小あじが本命だといっているだろ」

龍驤「小あじなぁ……なんか雑魚そうやね」

提督「あのなぁ……いいか、小あじはから揚げにするとうまいんだぞ。さらに餡をかければビールのつまみに最適だ」

龍驤「ほほう……ええね、それ」

提督「少しは興味が出てきたようでよかった。竿の使い方はわかるか?」

龍驤「え、うーん……そ、そりゃ勿論――」

提督「わからんのだな」

龍驤「あい……」

提督「正直でよろしい。まずは糸のたらし方だが、この部分が釣り糸がどんどん下に行かないようにしている。これを立ててやると仕掛けの重さで下へと糸が伸びていくようになる」

龍驤「ちょ、ちょっと……!! 待った! たんま!」

提督「……なんだ?」

龍驤「近い! 近い!」

提督「は? そんなことよりもまじめに聞くように」

龍驤「うー、うー……」

提督「いいか、指の腹で糸を抑えてゆっくりと海の中に落としていくのだ。この籠がギリギリ見えるようになったら、さっきのところをねかすんだ。わかったか?」

龍驤「わかった、わかった! 分かったから離れてや!」

提督「うむ、それではまず一回やってみてくれ」

龍驤「う、うん。えっと、ここ立てて一気に落とさんようにゆっくりと……なぁ、止めるのはこれぐらいでええん?」

提督「ああ、そんなところでいいはずだ」

龍驤「ほいっと」

提督「よし、それで手元にびくびくっと振動が来たらゆっくりとハンドルで巻き上げるのだ」

龍驤「え、えっと……もうびくびくしてるけどホンマにええん?」

提督「うむ」

龍驤「えー? 早すぎるやろ――わっ! 3匹も釣れとる! すごい、すごい!」

提督「うむ。針には返しがついてるからな、魚を外すときは気をつけろよ」

龍驤「了解や! なぁなぁ、これがみんな小アジなん?」

提督「どれどれ……うむ、そうだ。これ以外の魚が釣れた時は私を呼んでくれ。フグやカサゴを素手で触ると痛い目にあうぞ」

龍驤「そんなんいくらうちでもしってるわ。えっと、釣れたんはこの中に入れとけばええん?」

提督「ああ」

龍驤「おお、まだ元気に泳いどるわ」

提督「今は水の中だが夜には油で泳いぐことになるな。はっはっは……!」

龍驤「お、おう……せやね」

提督「……ぐぐ、もういい! どんどん釣れ! 晩酌の肴への道は遠いぞ!」

龍驤「任しとき!」

微笑ましい


――13:00――

漁港

提督「……うむ、結構な数になってきたな」ポチャン

龍驤「キミ、またふぐかかったんやけど」

提督「ああ、外してやる。ちょっと待ってろ」

龍驤「あーい」

提督「……よし、外れたぞ」

龍驤「おおきに」

提督「別に礼を言われるほどの――」

?「おお、やってるな。釣果はどうだ?」

提督「――なんだ、言っていたよりも随分早いな、少将」

少将「うむ、午前の勤務を終わらせてとばしてきたからな」

提督「ははは……そうか」

龍驤「え、えっと、あの……」

提督「ああ、こいつは私の同期だ」

龍驤「あ、そうなんですか。龍驤です、よろしうお願いします」

少将「ああ、よろしく。それで金魚は集めておいてくれたか?」

龍驤「金魚?」

提督「ねんぶつ鯛のことらしい」

龍驤「へぇ」

少将「まさか忘れたとか言わないよな?」

提督「いや、いわれたとおりそっちの沈めてあるびくに入れておいたぞ」

少将「そうか、そうか。よしよし、大物が釣れたら貴様にも分けてやるからな、はっはっは……!!」

提督「それは楽しみだな、はっはっは……!!」

龍驤「……」ポチャ

少将「んー、それよりも龍驤くん、釣りはたのしいかい?」

龍驤「え……!? え、えっと、はい」

少将「それは良かった。なぁ、提督」

提督「……そうだな」


少将「一週間前、私のところに女性と出かけるならどこがいいなど言ってきたときはおどろ――」

提督「き、貴様、余計なことを言うな!」

少将「別にいいではないか、部下とのコミュニケーションのために奔走するなど美談だぞ」

提督「ぐぅ……そういう問題ではない」

龍驤「……」

少将「まぁ、私はむこうの波止場で釣っているからなにかあれば声をかけてくれ」

提督「ああ、頼む」

少将「うむ」スタスタ

提督「まったくあいつはいいやつだが、どうしても一言多いというか――」

龍驤「……なぁ」

提督「――ん? どうかしたか?」

龍驤「キミはどうしてうちにそんなに構うん? 空母をちゃんと運用したいからなん?」

提督「ああ、そうだ」

龍驤「そっかぁ……」

提督「しかし、なんだ……胸襟を開いて話せばそれだけではない」

龍驤「?」

提督「実はな、私は艦娘を怖いと思っている。なんせ、見た目はほとんど変わらんというのに君たちの力は圧倒的だからな」

龍驤「は? 意味が分からん、それならなんで――」

提督「まぁ、話は最後まで聞いてくれ。そして怖いと思っているからこそ理解したいのだ。君たちがなぜ私たちのために力をふるってくれるのかということをな」

龍驤「……そんなん必要ないやろ。うちらは兵器なんや。だから人間に言われたら玉砕でもなんでもする、そういう風に出来てる」

提督「なるほどな私も軍人だ、兵器というものはよくよく理解しているつもりだ。しかし、普通の兵器とちがって君たちには感情があるじゃないか」

龍驤「……」

提督「だからこそ私たち人間は兵器ではなく艦娘を理解すべきだと思っている」

龍驤「そんなん――」

提督「無理かもしれんな。しかし、そう思ってた方がいいだろ。私も、君も」

龍驤「……」

提督「ははは……すこしくさかったか。しかし、これだけは覚えておいてくれ。私は君たちと兵器と使用者という関係だけでなく、戦友になりたいと思っている」

龍驤「うん……」

提督「ああ、それと引いてるぞ」

龍驤「!? うおっ!?」

提督「ははは……それを上げたら昼飯にしよう。弁当を用意してきたのだ」


――13:30―― 

海浜公園

提督「ほれ、お前の分だ」

龍驤「あんがとさん。ねぇ、これだれが作ったん? まさかキミのこれとか?」

提督「小指を立てるな。下品だぞ」

龍驤「ええやん、べつにぃ。それより誰がつくったん?」

提督「まったく……生憎だったな、これは私の作だ」

龍驤「えっ……マジ……?」

提督「なんだ、嫌なら食わんでもいいぞ」

龍驤「うー、そりゃあ、食べるけど……頂きます……」

提督「うむ。いただきます」

龍驤「……! お、結構、うまい!」

提督「そうだろ、そうだろ! はっはっは……!」

龍驤「鳳翔にはちょっと負けるかもしれんけど司令官も料理上手なんやね、びっくりしたわ」

提督「うむ、うむ! 実はいつでも美味い物を食べられたらと思って勉強しているのだ」

龍驤「なるほどなぁ」

提督「今夜も期待しておけよ、腕によりをかけて作ってやるからな」

龍驤「うん!」

これもう彼女だろ

Vやねん! 龍驤


――18:30――

漁港

提督「そろそろ納竿するか」

龍驤「えー、もうちょっとええやん」

少将「いや、さびきは暗くなってきたらもうやめた方がいい」

龍驤「!? び、びっくりしたわぁ……」

少将「はは、驚かせてしまって申し訳ないね。そろそろ帰る頃合いかと思ってな、獲物を持ってきたぞ」

龍驤「うわ、でっか……!」

提督「まさか本当にあんな小魚でスズキが釣れるのだな」

少将「はっはっは……腕よ、腕」

提督「さすがだ。なぁ、龍驤」

龍驤「ほんまや。すごいなぁ」

少将「……い、いや、うむ、冗談にそう反応されるとアレだな」

龍驤「なぁなぁ、司令官、うちも今度はあんなの釣ってみたいわ」

提督「……う、うむ」

少将「くくく……龍驤君はそういってるがどうするのだ?」

提督「……前向きに考えておく」

少将「ふふ……そうしてくれ」

提督「ぐぅ……それで貴様はどうするのだ? 良ければお前の分も作るぞ?」

少将「んー……いや、折角ここまで来たのだし、私はもう少し投げてから帰ることにするよ」

提督「そうか。くれぐれも気をつけろよ」

少将「ああ、分かってる。それではな、龍驤君」

龍驤「あ、はい、お気をつけて」

少将「ありがとう。貴様も一人じゃないんだ、運転には気を付けろよ」

提督「おう」


――19:30――

日本 軍令部 庁舎前

提督「ふぅ……戻ってきたな」

龍驤「なんか久々にはしゃいで疲れたわ……」

提督「ふふ……そうか」

龍驤「? なにが可笑しいん?」

提督「別に」

龍驤「ええ?」

西方海域司令長官(以下、西方)「あ、こんばんは」

提督「! お疲れ様です!」ビシッ!

龍驤「お疲れ様です」ビシ

西方「あ、楽にして」

提督「ありがとうございます」

西方「うん、若い人もみんな君ぐらいにしっかりしてくれてるといいいんだけどねぇ。それよりも今日はあの訓練やってなかったけどやめたのかい?」

提督「いえ、今日は非番でしたので私と龍驤と交流を図っていました」

西方「へぇ、それはいいことだ。あ、そういうことなら僕は艦娘たちとよくゲームをしているんだよ」

提督「将棋や碁でしょうか?」

西方「うん。ほかにも人生ゲームとかモノポリーとか色々だねぇ。この前、金剛たちとやった花札は大いに盛り上がったしお勧めだよ」

提督「なるほど参考にさせていただきます!」

西方「あはは……そうしてくれると嬉しいね。あ、そうだ、この後、食事に行くんだけど君たちも一緒にどうだい?」

龍驤「え……?」

提督「閣下、折角のお誘いで申し訳ないのですが、今日は釣りに行ってきたので……」

西方「あ、それはいけないね。ちゃんと食べて弔ってあげなさい」

提督「ありがとうございます」

西方「うん。それで何を釣ったのかな?」

提督「小アジとキスが少しです。あと分けてもらったスズキがあります」

西方「……分けてもらった? 誰に」

提督「はっ! 同期の友人です!」

西方「ああ、それはよかった。民間人からだと対面が悪いし、もらったといって強請ってる馬鹿もいるから試しに聞いたんだけど、うん、疑うようなことを言ってすまなかったね。あ、そうだ、料理が余ったら僕のところにも貰えないかな? 艦娘たちも喜ぶと思うんだよ」

提督「かしこまりました! 是非、もっていかせていただきます」

西方「うん、ありがとう。それじゃあ、提督君も龍驤君もこれからもがんばってね」スタスタ

提督「ありがとうございます!」ビシッ!

龍驤「ありがとうございます……」ビシッ

提督「いや、やはり閣下は人格者であるな! なぁ、龍驤」

龍驤「う、うん……けど、この前はうちに士官用食堂で――」

提督「ああ、あの時はほかの人間に注意するように言われたのだろう。ああ見えて規則に厳しい方でもあるしな」

龍驤「ふーん……」

提督「それよりも閣下にもお分けするなら料理も気合を入れんとな! お前も手伝ってくれよ」

龍驤「えぇ……うち、料理なんてようできんで?」

提督「構わん、構わん。はっはっは……!」

龍驤「なんやそれ。ふふふ……」


――21:30――

軍令部 機動部隊の部屋

龍驤「ふぅ……飲んで、食べておなか、ぽんぽんや……」

鳳翔「はい、はい。でも、今度から外で食べてくるときは連絡頂戴ね」

龍驤「あー、ごめんな。折角、作ってくれたのに」

鳳翔「ううん、明日の朝ごはんにするから大丈夫よ。それで今日はなにしてたの?」

龍驤「んー……内緒や」

鳳翔「えー?」

龍驤「ふふ……別にええやん。なぁ、艦娘になってからのうちってちょっと悲観的になってたかなぁ?」

鳳翔「そんなことないと思うけど……?」

龍驤「そっかなぁ?」

鳳翔「いきなりどうしたの?」

龍驤「ふっふっふ……それも内緒や!」

 昏冥流亡Ⅲ 艦

このまま大勝利まで突っ走っていれば……提督を国外に出すことなど許さなければ……

昏冥流亡Ⅲ 艦です。毎度の寝落ち、申し訳ありません。
提督が釣り出来なかったし、龍驤もつりのエピソードなかったのでさびきになりました。
さびきはお手軽でどんどんつれるからおすすめです。

>>712
想像したら確かにかかわり合いたくなくて草

>>713
艦娘以外には好青年です。

>>714
10年もあれば人も変わるということで一つ

>>715
今もこんな感じなら金剛あたりとは仲良かったんじゃないかなぁって
まぁ、決めたのはコンマ神やから

>>716
蒼龍はワンチャン。赤城はノーチャンス

>>717
間宮さんは、ほら、見返りを求めないから……(震え声)

>>720
そのように感じていただければ幸いです

>>724>>725
まだオープン戦の時代やからね……
これからのペナントで蒼龍とか赤城とか鈴谷と邂逅していくわけで……ロクなことなさそう。

最後になりましたが今確認したら五十鈴と順番逆になってました。
申し訳ありません。ここに来て痛恨のミス。
次回は『五十鈴のなく頃にⅡ』になります。本当に安価頂いた方には申し訳ないです……。
また更新は明後日の23時を予定してます。

それではおやすみなさい。


提督と少将こんなに仲が良かったのにどうしてあんな結末に……

龍驤ちゃん大勝利やん




なお


この後提督もドイツで盛大に凹む模様

もうそろそろ安価取りかな?
今取ってるネタも残り2つだし

そろそろグラーフと仲直りしてほしくなってきた

そこにドイツ組との観劇があるじゃろ?

こんなに朗らかで真人間やってる提督がドイツから帰ってくるとアレになるのか

少将の罪は重い…

つまり蒼龍のやったことは間違ってなかったんやな

おのれ朧
名前が同じなのをいいことに、身の回りの世話まで

そろそろおしながき更新の時期だな

そう言えば前に「3部からカッコカリを解放」的なこと言ってなかったっけ
まぁ別になくても何ら問題ないが

メインクエストが終わったら、お品書きを書いていってほしいなぁ

仲直りは無理だろ。真実を知ったところで提督が裏切った事実は変わらんし
せいぜいあきつ丸ポジに落ち着くぐらいだな

好感度見ると未練があるのは提督の方っていうのが実に面白い

帰ってきました……何か食べてから更新していきます。
愚痴で大変申し訳ないんですが、昨日から何も食べてなくて死にそうです……うちの会社は鳥取城か何かなの……?
そのくせ、ドクぺと眠眠打破でお腹たぷたぷっていうね……

お知らせとお詫びなのですが>>1があまり考えずに時系列を決めていたせいで何か所か無理が出ているところがありました……申し訳ありません。
本日の投稿おわりしだい年表落とします。時系列はそちらが正しいものとなりますのでご了承ください。

また最初でタウイタウイの名前が出てましたが、>>1の鯖なので特に何も考えずに名前を出してしまいました。
こちらも死に設定ではありましたが、矛盾がありますので鎮守府の所在地は日本人が入植した南方海域のどこかぐらいでご想像していただければ幸いです。

>>729
そうなると提督もずっと空母畑で、軍令部で航空部隊を指揮していたかもしれませんね。

>>731
仲が良かったからこそ破綻すると……

>>732
提督からの感情度100は伊達じゃない

>>733
ドイツを前にこの直後に割かしへこむ事件がある予定です

>>734
安価なんですが今までストック作りすぎたので実験的に数を減らしてみます。
その方が話もつながりやすいし、いいかなぁって。

>>735->>737>>745
最近、思いついたことで恐縮なのですが仲直りについてはIFネタとして別スレでゆっくりやっていくのもありなのかなぁ……って
本スレは好感度変更のない範囲で仲良くなる感じですね。

>>738
五十鈴と飛鷹もアレではあるんですが、ほかにもいろいろと考えてあることはあります。

>>739
蒼龍は蒼龍で精いっぱいやっただけやしね……(目そらし)

>>740
ネタがわかってくれる人がいて幸せ。陽炎も如月も霞も筑摩もいるのが中部海域総司令部。
というわけで中部海域司令長官の元ネタはバジリスク‐甲賀忍法帖‐の甲賀弦之助になります。

>>741>>743
本日の更新後、おしながきの更新やります。

>>742
4部からになってしまいました……
さすがに3部でやるには詰め込みすぎたかなぁって……

>>746
未練もあるし慙愧もあるしで提督の心は複雑怪奇


XX12年 01月 ――日

 日本 提―私室

提督「うぐっ……放して……くれ」

五十鈴「大丈夫、大丈夫だから。――? もう少しで――」

提督「や、やめ……」

 パーン!

五十鈴「へぇ……」

下士官A「今の銃声はなんだ!?」

下士官B「――殿の部屋から聞こえたぞ!」

五十鈴「そ――んだ……――」

提督「ち、違! ゲッホ……私の話を……――!」

五十鈴「……そんなに取り繕わなくても。大丈夫よ、――一番、私が――」

少将「おい! なんの騒ぎだ!! ちっ! ――を拘束せよ!」

提督「ま、まってくれ! 違うのだ! 私の話を聞いてくれ!」

五十鈴「うふ……うふふ……あははは……!!」



XX11年 2月

日本 軍令部 練兵場

五十鈴「はぁはぁ……」ゼーゼー

提督「あと一周だ。頑張れ!」

五十鈴「あ、あのねぇ……艤装つけてこんだけ走れとか……無茶苦茶よ……!」

提督「出来る! 出来る! 人間やれば大抵のことはできる!」

五十鈴「い、五十鈴は艦娘……うぷっ」

提督「よーし、これが終われば昼食にするぞ!」

五十鈴「は……? はぁ!? そんなに五十鈴を吐かせたいの!?」

提督「大丈夫だ、大丈夫。うまい店に連れて行ってやるからな。はっはっは……!!」

五十鈴「……頭、おかしい」ボソッ

提督「なにか言ったか?」

五十鈴「なにも言ってないわよ!」

提督「そ、そうか」

五十鈴「ゼー……ゼー……さ、最後の直線……」

提督「よっし! ラストスパートだ!」

五十鈴「死ぬわよ! 」

更新遅れておりまして申し訳ありません
出張前でいろいろと立て込んでて時間が取れないかたちです。
予告通り明日からロシアいきますので、なんとか今日中に更新しようとは思うんですが、それもちょっと見通したたないのでこのまま一週間更新止まるかもしれません……
このような体たらくで読んでいただいてる方には大変申し訳ありません

帰ってこれました
更新ですが明日の22時から再開予定です
終わり次第、お品書き更新して明後日に安価取ります


――13:00――

 日本 霞が関 レストラン

五十鈴「んー、どうしようかしらね」

提督「……まだ決まらないのか?」

五十鈴「ミートスパゲティかオムライスかまでは決めたんだけどどっちか迷うのよねぇ」

提督「そんなに迷うのであれば二つとも頼めばよいではないか」

五十鈴「あのねぇ……そんなことしたら太っちゃうでしょ!」

提督「あれだけ午前に運動したのだ。問題あるまい」

五十鈴「うっ……それはそうなんだろうけど……うーん」

提督「はぁ……それなら私と半分ずつ食べよう。それならば問題ないだろ?」

五十鈴「えっ!? い、いやよ!」

提督「なぜだ? いい案ではないか」

五十鈴「だ、だって……それ間接……」ボソボソ

提督「ああ、なるほど。女性には無遠慮な提案だったな」

五十鈴「ホッ……わかればよろしい。それにせっかくのお洒落なお店なんだからこうやって悩んでるのも楽しいのよ」

提督「そんなものか……」

五十鈴「ん、決めたわ」

提督「うむ。すみません」

店員「はい! ご注文お伺いします!」

提督「私はステーキセットの400gをミディアムで。それとオムライスとカキフライとカルボナーラを一つずつ」

五十鈴「五十鈴はグラタンにするわ」

提督「は?」

五十鈴「なによ?」

提督「いや、さきほどまでグラタンは候補に挙がっていなかったではないか?」

五十鈴「いいじゃない。気が変わったの」

提督「むぅ……」

店員「あの、ご注文よろしかったでしょうか?」

提督「あ、これは失礼しました。以上でお願いします」

店員「はい! それでは少々お待ちください」

提督「ありがとうございます」

五十鈴「ふーん……」

提督「……なんだね」

五十鈴「いや、なんというかあなたって本当に国民にとってはいい軍人さんよね」

提督「? すまない、君のいっている意味が分からんのだが」

五十鈴「ほら、軍人って横暴なのも多いじゃない。提督はそういうとこないなぁって」

提督「ああ、そういうことか。それは意識の違いであろう」


五十鈴「意識の違い? 単純に勘違いしてる嫌な奴なだけでしょ」

提督「いや、私たちは誇り高き帝國軍人なのだ。驕ってただ高飛車にふるまっている人間などいない」

五十鈴「いや、それはちょっと無理があるんじゃない」

提督「そんなことはない」

五十鈴「あっそ……」

提督「いいか? 横暴だと思われている軍人たちも猛々しくあらんとするあまり眉を顰められるようなことをしてしまっているだけなのだ」

五十鈴「はぁ……なるほど」

提督「わかってくれたようで何よりだ」

五十鈴「いや、そういう意味でいってないわよ」

提督「ならば――」

店員「お話し中失礼します。ステーキセットお持ちいたしました!」

提督「あ、これは失礼しました」

店員「あ、いえ、す、すみません」

提督「いえ。五十鈴、先にいただかせてもらうが構わんな」

五十鈴「ん、どうぞ」

提督「うむ。いただきます」

五十鈴「やっぱり気持ちいいぐらいに食べっぷりね。山口提督にもまけないんじゃない?」

提督「はっはっは……それは光栄だな」

五十鈴「まぁ、それだけじゃなくて指揮も負けないようにしなさいよ。なんたって今の五十鈴の指揮官はあなたなんだからね」

提督「それは難しいかもしれないが努力するようにしよう」

五十鈴「そうなさい。あなたならできるって信じてるから」

提督「……うむ。ところで午後の訓練だが――」

五十鈴「待った! せっかくの休憩時間まで訓練の話はしないの!」

提督「――わ、わかった」

五十鈴「生真面目なのはいいけど、空気はちゃんとよむ!」

提督「うむ……」

五十鈴「まったく。ねぇ、提督にはほかに楽しい話とかないの?」

提督「楽しい話なぁ……難しいな」モグモグ

五十鈴「えぇ……? それじゃあこの前の非番の日とかなにしてたのよ?」

提督「募金活動に協力していたな。夜は孤児院を回って手品を披露していたぞ。ああ、これは実に楽しい一日だった」

五十鈴「……」

提督「な、なんだ」

五十鈴「やっぱりあなたってすごいわ」

提督「急に褒めるな。ふ、ふふふ……」

五十鈴「半分、皮肉だけどね」

提督「……」モグモグ


店員「お待たせしました! グラタンとオムライスお持ちしました!」

提督「ありがとうございます」

五十鈴「ん……ありがと」

店員「残りのお品物もすぐにお持ちしますので少々お待ちください」

提督「はい!」

五十鈴「パク……あ、おいしい」

提督「はっはっは……そうであろう、そうであろう」

五十鈴「ん。けれどよくこういう感じのお店に一人で入れたわね」

提督「ああ、動機から紹介されてな。これがなかなか面白い奴でな――」

五十鈴「同期って少将さん?」

提督「ん? いや――」

五十鈴「へぇ。こういうお店に来るってことはその人、女性なんでしょ?」

提督「そうだが……なんだ?」

五十鈴「ううん、なんでもないわ」

提督「あ、ああ」

五十鈴「……」モグモグ

提督「……」モグモグ

五十鈴「ねぇ、提督」

提督「な、なんだ?」

五十鈴「私の艦長はみんな出世していったわ」

提督「あ、ああ、そうだな。凄いことだ」

五十鈴「……そう、みんな、五十鈴を――」ボソッ

提督「すまん。うまく聞き取れなかったのだがもういちどいってもらってもいいか?」

五十鈴「ううん、何でもないわ」

提督「……そうか」



 ――15:00――

 日本 軍令部 提督執務室

提督「――というわけだ。やはり爆雷の投射方法について多少工夫をせねば、いくら探信儀の性能が上がろうと先の先をとるというわけにはいかないな」

五十鈴「ふーん、なるほどね。空母畑なのによくそこまで調べてくれたわね」

提督「ああ、今は君の指揮官であるわけだしな」

五十鈴「……そうよね」

提督「……昼から様子が変だがどうかしたか?」

五十鈴「え!? う、ううん、なんでもないわ! 気にしないで」

提督「そういうわけにはいかんな。言いたいことがあればぜひ話しておいてくれ。なんといってもこの部隊には私と君しかいないのだ」

五十鈴「……」

提督「……今日の午後の訓練は止めだ。その代り君が話すまではこのままだぞ」

五十鈴「はぁ!? 正気!? 五十鈴はなんでもないっていってるじゃない!」

提督「そんな言葉で誤魔化されるほど私の目は節穴ではないぞ。ふふ……これでも独逸で色々と経験したからな」

五十鈴「……」

提督「まぁ、正直に話してみることだ。ああ、嘘をついてもいいが後悔しか残らんぞ」

五十鈴「……あなたって優秀なのよね?」

提督「あ?」

五十鈴「いいからこたえなさいよ」

提督「う、うむ……自分で言うのは気恥ずかしいがそれなりに優秀なのかもしれないな」

五十鈴「やっぱりそうよねぇ。だって、一目見てこの五十鈴が気に入っちゃうぐらいだもんね」

提督「そ、それはなんというか……はは……」

五十鈴「笑ってごまかさないの。私ね、自分の艦長が出世していくのは誇りなの。それに嘘はないわ」

提督「……」

五十鈴「でも、見送るのは嫌なの」


提督「なるほどな」

五十鈴「わかったような風に言わないで」

提督「す、すまん」

五十鈴「船だからっていえばそれまでよ? でも、この人なら私を使いこなしてくれる、絶対に活躍させてくれる、そうおもった人はみんな、みんな、私を残して上にいっちゃったわ」

提督「……」

五十鈴「ねぇ、あなたもそうなんでしょ?」

提督「さて、そこまで早く出世できるとは思っていないが……私は軍人だ。辞令があればそれに従う」

五十鈴「わかってるわよ! でも、五十鈴はあなたと一緒にやっていきたいのよ!」

提督「……」

五十鈴「あれだけ嫌だった対潜行動も最近じゃそれほどでもないの。なんでか分かる?」

提督「毎日、あれだけの訓練をしているのだ、自信がついたのではない――」

五十鈴「違うわよ」

提督「む、そうか」

五十鈴「あなた、最近、自分のこと鏡で見たことある?」

提督「ああ、もちろんだ。身だしなみもしっかりとしておかねば帝國軍人の品位を落としかねんからな」

五十鈴「それならもう少しその眼の下のクマに気をつけなさいな」

提督「うぐっ……しかし、白粉をぬるわけにいかないだろ?」

五十鈴「寝なさいよ!! 私のためなんかにずっと対潜の勉強なんてしてないで!」

提督「……知っていたのか?」

五十鈴「ええ」

提督「……」

五十鈴「こうやってわがままが言える艦娘になったからかしらね。五十鈴のためにそこまでしてくれる指揮官とどうしてもお別れしたくないのよ。ずっとずっとこの手の中に収めておきたいの。私だけの提督でいてほしいの。あなたなら今までの誰よりも私を――艦娘になった五十鈴を輝かしてくれると思うもの」

提督「……」

五十鈴「ねぇ、提督、あなたはずっと五十鈴と一緒にいてくれる?」


 五十鈴のなく頃にⅡ 艦

お待たせしてしまいました。『五十鈴のなく頃にⅡ 艦』です。
とりあえず五十鈴編も承ぐらいにはいきましたね。不穏な引きについてはつねづねやってみたなぁっと思っていたのですが、うーん……
過去編ではありますが現状でもうまくやれてる龍驤と違って、五十鈴は爆弾がどうやって爆発したか書いてからのほうがいちゃいちゃとか細かいのはいいかなぁって。

年表はいったUSBが行方不明なので一応ですが時系列は

龍驤編→独逸→五十鈴→隼鷹&飛鷹

になります。まぁ、あいだに川内はさんだりあるんですが、現在、進行中のお話はこんな感じ。
仕事の関係もあるので明日、全力でUSB探してきます……ロシアおいてきたとかはマジでやばい

それではお品書き投稿して寝ます。おやすみなさい。

それではお品書きです。既出の子のお話は後述のお品書きを参考にどうぞ。
()内がメインのキャラになります。

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せⅡ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室Ⅲ(弥生、川内)
3、赤城日記Ⅱ(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
6、羽黒と加賀Ⅱ(羽黒・加賀)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅲ(提督、グラーフ)
8、あきつ丸VS提督Ⅱ(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅Ⅱ(加賀)
11、霞の不覚(霞)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をⅡ(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶⅡ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅢ(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界Ⅱ(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音Ⅱ(鈴谷)
25、提督ラヂオⅢ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件Ⅲ (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡Ⅳ(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸・神威)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
43、胡蝶乱舞(蒼龍)
44、降涙恋慕(赤城・鳳翔)
45、萩風提督観察日記(萩風、川内、赤城)
46、哀絶霖雨(川内、神通、那珂)
47、あの航路へと(隼鷹、飛鷹)
48、鎮守府料理大会(川内or由良or神通)
49.彼岸花の私(瑞鶴)
その他、新艦好感度コンマ(記名)


【未開放】

ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・国後・占守の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【日向・朝霜の感情度コンマで解放】
UV【特殊コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯Ⅱ【鳥海の感情度コンマで解放】
パラワン水道の作戦会議【武蔵・山城・扶桑の感情度コンマで解放】
オフィーリア【扶桑の感情度コンマで解放】
青葉の鎮守府新聞禄【青葉の感情度コンマで解放】
静夜の思ひ【山城の感情度コンマで解放】
ダス・ゲマイネ【扶桑・山城・陸奥の感情度コンマで解放】

少しではありますが3部終了を記念していくつかネタを足しておきました。

4部終了条件ですが、現在のお話を選ぶたびに物語が進行していきます。規定回数に到達した時点で中編スタートです。
また今回は話が進むたびに最後に安価を入れますので、その選択によって分岐していきます。

帰ってきました
更新ですが23時より始めていきます。
本日ですが安価→本篇投稿となります。

それでは安価から本日の更新スタートさせていただきます。

おしながきは>>777をご参照ください。
既出のお話は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、ジャービスは下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4

はっやーい! 8秒とかなんなん……

今後の流れですが

美保関事件Ⅱ→長波→鹿島→羽黒と加賀Ⅱ→五十鈴のなく頃にⅢ

という感じになります。
次回の安価ですが鹿島投稿前に取ります。

ぞれでは本編投稿していきます。


 ――09:00――

XX17年 10月

鎮守府 中庭

加賀「……やはりたい焼きはあのお店ね」モグモグ

比叡「……」ジーッ

加賀「……なんですか?」

比叡「あ、いえ、おいしそうだなぁって」

加賀「ええ、おいしいですよ。朝から並んで買ってきたかいがありました」

比叡「あの、どこで買われたんですか?」

加賀「商店街のたい焼き屋さんです」

比叡「あれ? たい焼き屋さんなんかありましたっけ?」

加賀「ええ、八百屋さんの裏です」

比叡「ああ、あっちのほうですか。行ったことなかったなぁ」

加賀「……」モグモグ

比叡「……」ジッー

加賀「……一つどうぞ」

比叡「あ、いや、そんな悪いですよ!」

加賀「そうじっと見られていると食べにくいいです。今度、あなたが買ったときに私のところに持ってきてくれれば問題ありません」

比叡「本当ですか! ありがとうございます!」

加賀「ええ」

比叡「ハムッ……おいしい!」

加賀「そうでしょう、そうでしょう」

比叡「ええ、今度の非番の日には必ず買ってきますね!」

加賀「そうしてちょうだい」

榛名「あ、やっとみつけましたよ! 比叡お姉さま!」

比叡「ああ、榛名、どうしたの?」

榛名「どうしたのじゃないです! 今日はみんなでボウリングにいくって約束だったじゃないですか!」

比叡「あ……」

榛名「ひょっとして忘れてたんですか……?」

比叡「そ、そんなことないよ! か、加賀さんを誘ってたんだから!」

加賀「は?」


比叡「加賀さん、ボウリングにいきましょうよ!」

加賀「ぼーりんぐ?」

榛名「加賀さん、ボウリングご存じないんですか?」

加賀「うぐ……」

比叡「ああ、それならちょうどいいじゃないですか! いきましょう! 楽しいですよ!」

加賀「むむむ……どんな遊びなのですか?」

榛名「えっと、ボールを投げて目標のピンをどれだけ多く倒せるかを競う遊びです。」

加賀「は? それのなにがたのしいんですか?」

比叡「確かにいうだけだと面白くなさそうですね……」

榛名「えぇ……」

比叡「と、とにかく! やってみましょうよ!」

加賀「はぁ……分かりました」

比叡「やった!」


――09:30――

 鎮守府 正門前

金剛「おっそいデース! ……って加賀はどうかしたんですカー?」

加賀「あなたの妹たちにボーリングとやらに誘われたのよ」

金剛「へぇ。加賀もbowlingがすきだったなんて以外ネー」

加賀「うぐっ……」

金剛「?」

比叡「あ、あの、金剛お姉さま」

金剛「んー?」

比叡「私が誘ったんですけど加賀さんボウリングはしたことがないそうなんです」

金剛「ほっほう。ぷぷぷ……まぁ、一航戦はピンを倒すよりも敵を倒すほうが好きそうですもんネー」

加賀「それは否定しないわ。下手な遊びよりも戦場で艦載機を操っているほうが楽しいもの」

金剛「うっ……そういう返し方をされるとちょっと困るデース……」

霧島「はぁ……それであればそういう嫌味なことをいうのは控えたほうがよろしいのではないですか?」

金剛「こじゃれたイギリス流のジョークしゃないですカー。ねぇ、榛名?」

榛名「は、ははは……」

霧島「はぁ……」

比叡「それよりも早くいきましょう! わたし、楽しみできのうあんまり寝れなかったんです!」

金剛「えぇ……フタサンマルマルにはぐっすりだったデース」

比叡「いえ、いつも非番の前の日はフタイチマルマルにはおやすみしてます!」

加賀「いい心がけね。早寝は大事よ」

霧島「……話が収集つかなくなってきましたね。金剛お姉さま」

金剛「Yes……まだ出かけてもいないのに疲れた気がするけど出発デース!」

なんか早速榛名の胃が大丈夫じゃなさそうな感じになってる……

こんなギクシャクした金剛姉妹もそう見るものではない

指筋が強そう(小並

しかし五十鈴編とか見ると現在の提督は何人もの艦娘が育てた成果なんだなって、感慨深いものがあるな…

マジで誰か叢雲応援してくれ…

こんな投稿頻度でどうやってお品書き消化するんだろう
エタだけは勘弁

長らく更新止まってしまって申し訳ありませんでした。

寝落ちして起きたらPCがドクペまみれになってまして、いろいろやってみたんですが修復不可能でした……
今日、なんとか休みとって秋葉原で買ってきましたので更新再開していきます。
報告いれず申し訳ありませんでした。

前スレでPCダメにしてエタるのが鉄板というレス頂きましたが、体験すると仕事のデータも飛ぶしで精神的にやっぱりキツいですね……

最後に更新ですが本日、帰り次第始めていきます。

PCオシャカにしたのか……大変だったなそれは……

モルダーあなた疲れているのよ

帰れなかったのか…

帰ってきました。
こんな時間ですが、もうどうしてもやりたいので更新していきます。

>>802
押しが弱い子ってなんというか損な役回りになっちゃうんですよね……羽黒とかもそうなんですがいい思いさせてあげたい。

>>803
割かしどこも仲良しですよね。>>1も仲良しな姉妹を書こうとはしてるんですが……その結果がこれ

>>804
絶対、強い(確信)

>>806-809
色々とそこらへん別スレで建てる予定のIf編も含めて掘り下げていければなぁって思います。
少し道が違えば提督も見た目的にも武内Pじゃなくて赤羽根Pになってかもしれないわけだし、五十鈴も鈴谷ポジに収まっていた可能性もあるわけですし……

>>810
>>1は初期艦だし応援してるやで(ニッコリ)

>>811-812
お待たせして申し訳ありません。エタだけはしないようにやっていく所存ですので、今後もお付き合いいただければ幸いです……
重ね重ね申し訳ありませんでした。

>>814-817
暖かいお言葉ありがとうございます。
とあるお店のBTOのノートつかってたんですが、割かしいいのだったばかりに新しいほうがスペック落ちてとほほ……というか……

>>818
ぬわああああん疲れたもおおおおん

>>819
帰ってきて初期設定してたら急に呼び出されてました。
そろそろ異世界にも召喚されそう……


――10:30――

鎮守府近くの町 ボーリング場

金剛「ンー」ノビー

加賀「……」ポリポリ

金剛「加賀、あなたもおかしなんか食べてないで準備運動をしておかないと痛い目見るネー」

加賀「は? そのボールをなげるだけでしょう? 必要ないです」

金剛「ふー、これだからシロートはこまるデース。なにごともちゃんと準備をしないと腰をやるネー」

霧島「……経験者は語るというかなんというか」

金剛「は? 霧島、何か言いましたカー?」

霧島「い、いえ、なんでもないです」

金剛「……それならいいネー。さて、それじゃあお手本をみせるからよく見ておくといいデース!」

比叡「きゃー! 金剛お姉さま! がんばってください!」

金剛「ふっふっふ……任せるネー! これが190アベの実力デース!」

 ゴロゴロ……パーン!

金剛「ふふーん、どうネー! ストライクデース!」

加賀「はぁ。ぜんぶ倒れたわね」

金剛「!? それだけですカー!?」

加賀「……? 他にどういう反応をしろと」

金剛「うぐぐ……」

榛名「あわわ……」

霧島「はぁ……金剛お姉さま」

金剛「……何デース」

霧島「やってみなければどんなことでも簡単にみえるものです。例えば指揮や作戦立案に関してもそうでしょう?」

金剛「……ナルホド、霧島のいうこともいちいち尤もデース。さぁ、比叡、ワタシに続くデース!」

比叡「はい! 気合、入れて、行きます!」

 ゴロゴロ……ガタッ……

比叡「……」

榛名「……あ、あの」

比叡「い、一投目だから! 次でスペアとるから大丈夫!」

榛名「あ、はい」

比叡「ヒエー!」

 ゴロゴロ……パーン……!


比叡「うぐぐ……3本残っちゃいました……」

金剛「ナイスリカバリーネー!」

比叡ありがとうございます! 次は霧島かぁ、頑張ってね!」

霧島「ふっ……任せてください。ストライクの取り方は研究してきました。今日こそ金剛お姉さま以上のスコアを出して見せます」

金剛「うぷぷ……まぁ、がんばるといいネー」

霧島「……」

加賀「……」ポリポリ

榛名「あの、加賀さん?」

加賀「……なにかしら?」

榛名「大丈夫ですか?」

加賀「? 何のこと?」

榛名「あ、いえ、なんでもないです……」

加賀「?」ポリポリ

霧島「ふんっ!」

 ゴロゴロ……パーン!

霧島「あ……しまった……」

金剛「あー、難しい形にのこしちゃいましたネー」

霧島「うぐぐ……まだです! 右側のピンのあそこにぶつけて横に飛ばせば……」ブツブツ

比叡「んー……そんなうまくいくんですか?」

金剛「ワタシならできるネー!」

比叡「ヒエー! さすがは金剛お姉さまです!」

金剛「フフーン!」

霧島「ちっ……行きます!」

 ゴロゴロ……パーン!

霧島「はぁ……ダメでしたか……一本残してしまいました」

金剛「OK、OK。そんなもんデース」

比叡「うん! わたしよりも二点多いんだし、大丈夫!」

霧島「……はい、榛名、頑張ってね」

榛名「え、えっと……はい」

加賀「……」ボリボリ

霧島「しかし、加賀さん、よく食べますね」

加賀「じゃが〇こ食べていると口寂しくないから……なに? あなたも欲しいのかしら?」

霧島「いえ、結構です」


榛名「えっと……えい!」

 ゴロゴロ……パーン!

金剛「oh! いい感じに残りましたネー!」

比叡「はい! 榛名、スペアのチャンスだよ!」

霧島「! がんばって!」

榛名「は、はい! えーい!」

 ゴロゴロ……パーン!

比叡「ひえー!」

金剛「Nice スペア!」

霧島「さすが榛名! 完璧な軌道でしたよ!」

榛名「あ、あはは……え、えっと、ありがとうございます」

金剛「うぷぷ……さぁ、次はいよいよ加賀の番デース! 大口たたいたんだからスペアぐらいはしてもらわないとネー」

加賀「はぁ……霧島、全部、倒せばいいのね?」

霧島「え? え、えぇ……けど、最初は――」

加賀「安心しなさい。楽勝です」

金剛「またそうやって強がる――」

 ゴロゴロ……スパーン!

金剛「――え?」

加賀「鎧袖一触です」フンス

比叡「ひえ」

霧島「ストライクですね……」

金剛「うぐっ……ど、どういうことネー!」

榛名「は、初めてじゃなかったんですか?」

加賀「……艦載機を飛ばすときと同じよ。必要なのは集中力と直感です」

榛名「なるほど?」

金剛「うー……そんなの納得いかないネー! ワタシがどれだけ練習したと思ってるんデース!」

加賀「……そういわれても」

金剛「まだまだ1フレーム目ネー! さぁ、ドンドンいくデース!」


 ――18:30――

 鎮守府近くの町 ボーリング場

加賀「……」ポリポリ

比叡「ひえー……こ、これでラストです!」

 ゴロゴロ……パーン……

金剛「Nice!」

比叡「あ、ありがとうございます……」

榛名「流石にこの時間までずっとやってると疲れますね……」

霧島「ええ……」

加賀「……」ポリポリ

金剛「ふーむ、9ゲームでワタシのアベが191で加賀のアベが182デース! つまり……ワタシの勝ちネー!」

比叡「金剛お姉さま、流石です!」

霧島「初心者に対してその反応は……」

榛名「あ、はは……」

加賀「……」ポリポリ

金剛「ふぅー……楽勝とか言ってたのにこの敗戦デース! ねぇねぇ、どんな気分デース?」

加賀「……次は勝ちます」

金剛「え……」

加賀「第一航空戦隊が負けたまま終わりとあっては名が廃ります。次は絶対に勝ちます」

金剛「……ふふ、その意気ネー! いつでも挑戦を待ってるデース!」

榛名「ほっ……」

霧島「……」


金剛「さぁて、運動した後はDinnerの時間ネー。誰か行きたいお店はありますカー?」

比叡「はい!」

金剛「はい、比叡」

比叡「いつもの定食屋さんがいいです! あそこならいっぱい食べてもお得です!」

金剛「ふーむ……なるほどネー」

榛名「えっ……は、反対です! 今日は商店街にできたお洒落な洋食屋さん行くって話だったじゃないですか!?」

金剛「あ……そういえばそうでしたネー」

比叡「だ、だけど、あそこはちょっとお値段高くないかなぁって……」

榛名「高くても榛名は大丈夫です!」

霧島「私も大丈夫です」

比叡「う、うーん……」

金剛「ふぅー。まぁ、当初の予定通り洋食屋さんに決まりネー。加賀は何か他の案とかありますカー?」

加賀「……私が? なぜ?」

金剛「せっかく一日遊んだんだから最後まで付き合うのが筋ネー」

加賀「そういうものかしら」

金剛「そういうものネー」

加賀「……それでしたら私は別のお店のほうがいいと思うわ」

榛名「え……」

加賀「あなたたちが言っているお店はコストパフォーマンスが悪いです。それよりも――」

榛名「うぅ……コストパフォーマンスとかじゃないんです! お洒落な感じでご飯食べたいんです!」

加賀「安心なさい。私のお勧めするお店もおしゃれです」

榛名「加賀さんがお洒落って……そんなの信じられません! 金剛お姉さまぁ……お姉さまもお洒落なお店に行ってみたいですよね!?」

金剛「んー……まぁ、加賀のお勧め見てから言っても遅くはないネー。あんまり無碍にするのも失礼デース」

榛名「うっ……わ。わかりました……」


――19:00――

 鎮守府近くの町 商店街裏

加賀「ここです」

金剛「へぇ……いい感じのお店ネー。それにカレーのいい匂いがするデース!」

比叡「はい! 匂いだけでおなかペコペコです!」

霧島「で、榛名はどうなの?」

榛名「え?」

霧島「お店よ」

榛名「あ……はい。お洒落っていうよりかわいい感じですけど、榛名は大丈夫です」

加賀「そう。可愛い感じなのはもともとファンシーショップだったそうだから、その名残ね」

榛名「え? ファンシーショップなんかこの町にあったんですか!?」

加賀「え、ええ」

比叡「あー、そういえばあったような」

榛名「えぇ……知ってたなら榛名に教えてくれればいいのに……」

比叡「あはは……ごめん、ごめん」

加賀「それよりも早くはいりましょう」

金剛「YES!」

 カラン


店主「いらっしゃいませ! 4名様でよろしかったでしょうか?」

加賀「ええ」

店主「そちらのテーブル席にどうぞ」

加賀「ありがとう」

?「うわぁ…すっごいおいしい! 本場インドって感じじゃん!」

?「うむ。そうだろう、そうだろう」

比叡「ん? この声、どこかで聞いたことがあるような」

榛名「それより、えっと……入って言うのもあれなんですが……加賀さん、榛名、辛いのは苦手で……」

加賀「! それならバターチキンカレーのセットがお勧めね」

榛名「は、はい。それにします」

金剛「んー、ワタシはマトンカレーのセットにするネー」

比叡「むむむ……それじゃあ私も同じもので」

霧島「……私も決めました」

加賀「そう。すみません、注文を」

店主「はい。お待たせしました」

加賀「マントカレーのセットを三つとバターチキンカレーのセットを二つ、タンドリーチキンを二つです」

霧島「あとキーマカレーのセットを一つお願いします」

店主「はい。ありがとうございます。それでは少々、おまちください」

加賀「ええ」


?「でさぁ、くま―がひどいんだよ! 私のお菓子勝手にあか――にあげちゃうんだよ!?」

?「ははは……」

?「もう! わらいごとじゃないし!」

金剛「……カップルですかネー」

榛名「! かもしれません!」

比叡「うーん……」

霧島「どうかしましたか?」

比叡「いや、この声どこかできいたことがある気がするんですよねぇ」

霧島「……」

店主「お話し中に失礼しますね。マトンカレーセットです。えっと、加賀さんと……」

金剛「あ、ワタシと比叡デース」

店主「ありがとうございます」

金剛「Thank you!」

比叡「おいしそうですね……ゴクリ」

榛名「あ、はは……あれ? そういえばなんで加賀さんの注文だっていうのがわかったんです?」

店主「ああ、いえ、いつも加賀さんは何種類も食べていただけますから。つい」

加賀「別に間違えていたわけではありません」

店主「そうですか、いや、よかった。あちらのお客様も作ってる私が気持ちよくなるぐらい食べてくださって……いや料理人冥利に尽きるっていうものですね」

霧島「……あの、つかぬ事を伺いますがあちらのお客さんは愛想のない軍人でしょうか?」

店主「え? いや、そんなことありませんよ。私も越してきたばかりですが、とても愛想がいい方でよくしていただいていますよ」

霧島「は、はぁ……」

店主「それでは残りのお料理もすぐにお持ちしますので少々お待ちくださいね」


金剛「うぷぷ……誰と勘違いしたんデース?」

霧島「いや、提督かと……」

金剛「はっはっは……!! あれが愛想がいいとか絶対ありえないデース!」

榛名「お、お姉さま……」

金剛「んー? なんデース?」

榛名「う、後ろ……」

提督「そうか、貴様はそういう奴だったな」

金剛「……は?」

提督「別に私についてあれこれいうなとは言わんが、公衆の面前では大声で喋るな。他人の迷惑を考えるのだな」

金剛「うぐっ……は、はいデース……」

提督「ちっ……いくぞ」

鈴谷「あ、あはは……」

榛名「え!?」

提督「……なんだね?」

榛名「は、はひ!? な、なんでもないです!」

提督「だから大声をだすなと言っているだろ。はぁ……店主さん、ご迷惑をおかけしました」

店主「あ、いえ」

提督「……これであそこの連中の分まで足りますか?」

店主「あ、はい、もちろんです」

提督「では、これでまとめて」

店主「ありがとうございます」

比叡「あ! おごってくれるんですか!」

提督「……うるさいぞ。他の連中には黙っておくように」

鈴谷「し、失礼しまーす」

 カラン


加賀「……」

霧島「加賀さん? さっきからうつむいてどうしたんです?」

加賀「……提督は行きましたか?」

霧島「え、ええ」

加賀「よかったです……」

金剛「んー? あれ、加賀ってテートクのこと嫌いなんですか?」

加賀「嫌いというか怖いというか、おなかが痛くなるというか……まぁ、そんな感じです」

榛名「わかります!」

霧島「……」

比叡「いやぁ、そんなことないと思うけどなぁ」

金剛「そんなことよりも今はカレーデース! 嫌なことはおいしいものを食べて忘れるに限るネー!」

加賀「同感です」

比叡「えぇ……」


 ――20:00――

 鎮守府近くの町 商店街裏

店主「ありがとうございました!」

金剛「ふぅ、よく食べたネー。おなか一杯デース」

加賀「そう……」

比叡「いやぁ、それにしても本当においしかったですね!」

霧島「ええ、辛さもちょうどよかったです」

加賀「満足してもらえたのならなによりです」

金剛「うんうん、大満足デース」

加賀「……」

榛名「ふふ……」

金剛「……ところで、加賀は赤城といつも一緒にいるネー」

加賀「? それが何か?」

金剛「どうかんがえても加賀と赤城じゃ性格が合わなそうだけどよく耐えられるネー」

霧島「お、お姉さま!」

金剛「……」

霧島「……う」

金剛「で、どうなんデース? やっぱり無理してたりするんですカー?」

加賀「そんなことはありません」

金剛「へぇ……」

加賀「一航戦は私と赤城さんだけです。あの人以上に私と連携をとれる艦娘がいるとはおもえません」

金剛「でも、それは戦争の話ネー」

加賀「……なにがいいたいの?」

金剛「いやいや、そんな怒らないでほしいネー。ちょっとした疑問だっただけデース」

加賀「そう……ごめんなさい。私はこの後、お菓子を買って帰るのでここまでで失礼します」

比叡「あ、それなら私も――」

金剛「比叡」

比叡「あ、はい……」

金剛「それじゃあまたいつでも挑戦をまってマース! See you!」

加賀「……ええ」

金剛「……」

榛名「あ、あの、どうして最後にあんなこといったんですか……?」

金剛「ちょっとしたかまかけネー」

比叡「?」

金剛「まぁ、加賀もアレだけど薄々は感づいているようでよかったネー」

霧島「よかった、ですか?」

金剛「Yes! 一日、遊んだんデース。本当に頭空っぽなら忠告の一つや二つしてあげるのも人情ってやつネー」

霧島「はぁ……なるほど」


 ――20:15――

 鎮守府近くの町 商店街

加賀「……」ハムハム

加賀「やっぱりこの時間のデザートはあそこのお店のあんまんですね」

加賀「……うん、おいしいわ」


 加賀の鎮守府ぶらり旅Ⅰ 艦

加賀の鎮守府ぶらり旅Ⅰ 艦です。
お待たせしました。明るい雰囲気のまま終わるのもありかなぁとは思ったんですが、ここまで更新停止しててなにも伏線はれないとかあれかなと思って後半部分は少し書き直しました。

次回の美保関事件Ⅱですが、できれば明日の23時から更新します。

今回も次回も時世がやや過去ではあるんですが、安価取らないと進行が二部並みの鈍行になりそうなので次回の更新で今後の流れについての安価取ります。
それではお目汚し、失礼しました。


鈴谷は提督とデート。随分差が付きましたねぇ

ケッコンカッコカリが楽しみですねぇ…
クール霧島、狂犬赤城や緑の瞳の蒼龍は一体どうなってしまうんでしょうか?
間宮さんもいるけど、あの人はあまりブレない気がする

おつおつ
鈴谷命拾いしたなメンバーが悪かったら……


鈴谷とのデート現場か……霧島が病むかなこれは
しかし加賀さんちょっとは物を考えてたんですねビックリしました

年表貼り忘れてました。
とりあえず今、できてる分だけあげておきます。


XW90年 3月
提督の住んでいた町が空襲を受ける。
提督の妹・母親が死亡。

XW90年 10月
提督父(最終階級・少将)が元帥の指揮下で南方に出陣するも戦死。
南方方面に展開する敵を元帥が撃破。元帥に就任する。

XX00年 4月
国民へ艦娘の存在が正式に発表される。
西方海域司令長官が西南諸島沖に展開する深海棲艦を撃破し、南西諸島沖への橋頭保を確保する。

XX00年10月
南方海域司令長官がサーモン海域で大勝。ツラギなどの制海権を奪還。

XX00年12月
北方海域司令長官が本土に接近する敵機動部隊を破る。
インド洋で元帥が深海棲艦東方艦体に大打撃を与え、同地方での橋頭保を確保する・

XX02年5月1日
鳳翔が建造される。

XX02年8月24日
龍驤が建造される。

XX02年10月
指揮官が大将に昇進。鳳翔・龍驤からなら航空部隊指揮官に任じられる。
提督が指揮官幕下の参謀に就任する。(当時・大尉)

XX03年12月
艦娘による初めての大規模な航空戦が西方海域司令長官の指揮で行われるも敗北。
撤退戦で戦果をあげた提督が少佐に昇進する。

XX05年8月
北号作戦発動。
参加した将官は司令長官として南方海域司令長官。参謀に提督、少将、大佐など

XX05年10月
提督が水雷戦隊の訓練を監督していた際に敵の奇襲を受けるもこれを撃破(味方損害・駆逐艦1隻轟沈)
この功績と北号作戦成功、艦娘の運用論などが認められ中佐に昇進する。

XX06年3月31日
赤城が建造される。

XX06年05年
空母運用の研究の為に龍驤が提督指揮下に編入される(昏冥流亡)

XX06年7月2日
指揮官(最終階級・大将)が戦死。

XX06年10月
提督と龍驤による空母運用論が完成し、部隊が解散される。
龍驤は第一航空部隊に、提督は西方海域総司令部に転属。

XX06年12月
西方海域司令長官と提督による西方打通作戦が行われ、ドイツ・イタリアなど西欧諸国との連携が図られる。この作戦の成功で提督が大佐に昇進。
独逸駐在武官として提督が渡独。

XX07年4月
ドイツからの要請で提督がグラーフツェッペリンの指導に当たる。(追想の刻)

XX10年9月
提督の独逸駐在武官の任が解かれる。

XX11年1月
水雷戦隊の運用研究のために提督に五十鈴が預けられる。(五十鈴のなく頃に)

XX12年1月
五十鈴事件。
提督と五十鈴からなる対潜・対空研究部隊が解散。

XX12年2月
隼鷹・飛鷹の航空部隊に提督が配属される。

XX12年8月
提督の航空部隊司令としての任が解かれ、第四水雷戦隊司令官に就任。


XX13年9月
駐在武官としての活躍や艦娘運用論が認められ、提督が少将に昇進。
同時に第四水雷戦隊司令官を解任。鎮守府司令長官に就任する。

XX13年11月
第一次サーモン海戦、勃発。
金剛型によるヘンダーソン飛行場への砲撃など各戦闘で提督率いる艦隊が活躍。
敵中枢部隊の撃破を果たし、取り残された味方部隊を救出した。(鈴谷・熊野・武蔵などが合流)

XX13年12月
坊の岬沖などで異常な電波を受信するも原因を究明できず。
キス島撤退戦。(曙編)

XX14年4月
中部海域司令長官の運用レポートによって弾着観測射撃が可能となる。
元帥発案の反攻作戦により、サメワニ沖海戦、ズンダ海峡、ピーコック島沖などで大規模な海戦が行われる。
ピーコック島攻略に成功。

XX14年7月
少将が仏蘭西駐在武官の任を解かれ、帰国。

XX14年8月
AL/MI作戦発動。
提督率いる一航戦・二航戦の活躍によりMI島確保に成功。
その活躍と本土強襲部隊を迎撃した功績によって同年10月に提督が中将に昇進。

XX14年11月
敵機動部隊の誘引、ビアク島の陸軍を支援のために渾作戦が発動される。
パラオ諸島沖において敵機機動部隊の撃破に成功。

XX15年 1月 ―日
少将が基地司令長官に任命される。

XX15年2月
トラック泊地が敵の強襲を受け、壊滅。
提督らはこれの救援に向かい、空襲部隊を撃破。
南方海域総司令部を中心に組織された連合艦隊がトラック諸島沖海において敵の連合部隊を撃破。

――

とりあえずここまでです。ミスってageてしまい失礼しました。

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乙乙
龍驤さんずっと提督配下なのかと思ったら別のとこにいた時期もあったのね

マジで提督優秀やがな

不仲の部下でも奢ってやる提督の器
この人なんでこうなったんですかね…

すみません。遅れましたが更新していきます。
本日ですが書き溜めないので最後に安価取ると時間がやばいので先に安価とります。

【安価】入院中に提督が考えるべきこと

1、大本営について
2、これからのことについて
3、友人との過去のわだかまりついて

↓~↓5までの多数決で決定します。番号でお答えください。
同数の場合は再度、指定を減らして安価を行います、

ご協力ありがとうございます。
安価ですが『友人との過去のわだかまりついて』になります。
明日やる長波編の前にまた安価入れますのでご協力いただければ幸いです。

それでは本篇初めて行きます。

>>837
差は開く一方で妬みも積もる一方という図式。

>>838
ケッコンカッコカリについてそういっていただけると幸いです。鋭意努力いたします。
蒼龍さんはあれやけど……間宮さんと霧島は目的『だけ』に向かって愚直に進みます。

>>839
現状、蒼龍がいちばんヤバいんですが……熊野のコンマ気にならない?(ゲス顔

>>840>>844
霧島はif編でもそうでしたが、提督と鈴谷がくっついても……

龍驤については>>1もまとめてておもったんですが部下の時期ってあんまないんですよね。指揮下にいた時間だけならグラーフが一番かなって。

>>845
1年間で4回イベントあるから戦績がすごいことになってますね。>>1もまとめ初めて驚愕しました。

>>846
そらもういろいろとあったんです! これからの安価で生えてくる設定も含めて……

 
 XX17年 8月 24日

 ――22:30――

 鎮守府 演習場 甲軍布陣地点

日向「さて、先陣を承ったのはいいが……」

伊勢「向こうの指揮官は夕張でしょ? 積極的な攻勢はないんじゃないかな?」

日向「素直に夕張が全軍を動かせるのならそうだろうな」

伊勢「それならこっちから仕掛けて――」

日向「いや、ここは突破を許さないように手堅くいくべきだと思う」

伊勢「その心は?」

日向「夜戦狂いの三水戦はいなくとも鉄砲玉の二水戦と四水戦がいるからな。夕張にその手綱を握るというのは荷が重いだろう。必ず突出した部隊が強襲を仕掛けてくる」

伊勢「なるほど、なるほど。んー、今回は日向が指揮したほうがよさそうだね」

日向「うむ。甲軍先陣は方陣をとれ。広く布陣すれば敵の勢いはとめられないぞ!」

阿武隈「は、はい! 第一水雷戦隊は私につづいてくださーい!」

若葉「了解した」

日向「さて、陣形は厚くなったが本格的に接近されるまでに決めてしまいたいな」

伊勢「えぇ……それはちょっと難しいでしょ?」

日向「ああ、夜戦ではほぼ不可能だろう。接近戦の用意をしておけよ」

伊勢「はい、はい」

日向「……」

阿武隈「あ、あのぉ……展開完了です」

日向「早いな」

阿武隈「え? そうですか?」

日向「うむ」

阿武隈「ま、まぁ、こういうのは第一水雷戦隊の得意分野ですから!」フフーン

日向「その調子で砲雷撃戦での活躍もきたいしてる」

阿武隈「はい!」

伊勢「はなしところ悪いんだけど……この形って迂回されて中陣とか後陣狙われたらやばいんじゃない?」

日向「はっはっは……そうなれば挟み撃ちにするまでだ」

伊勢「そんなにうまくー―ん?」

日向「どうした?」

伊勢「――電探に感あり! 87度! 10海里先に12隻!」

日向「ほぼこちらにまっすぐか……随分な自信だ。しかし、そんな簡単に私たちを抜けると思わないことだな」


 XX17年 8月 24日

 ――22:35――

 鎮守府 演習場

那賀「ねぇ、神通ちゃん」

神通「……なんです」

那賀「今回は夜戦だし、那珂ちゃんが一番槍ってことでいいんだよね?」

白露「いっちばーん!」

神通「……」

陽炎「あ、あの、神通さん?」

神通「四水戦は左翼、二水戦は右翼をそれぞれ突破して敵の前衛を潰走させます。これでいいですね?」

那賀「んー、まぁ、いいよ。でもさ、敵が密集してたらどうするの?」

神通「ふっ……それこそ左右から魚雷を浴びせつつ一撃離脱に徹すれば被害もなく破れるでしょう」

那賀「なるほど、なるほど。まぁ、先陣をさっさと抜いちゃえば後ろも混乱させられるだろうし、そのまま奥までなだれ込めれば終わりって感じかぁ」

夕立「……あ! 電探に感ありっぽい! 267度、10海里先! 敵は密集して防御を張ってるっぽい!」

那賀「おぉ……! 夕立ちゃん、えっらいー!」

夕立「え、えへへ……褒めて、褒めて!」

那賀「うん、うん」

神通「……それでは作戦通り左右から挟撃でいきます。二水戦、旗艦神通に続け!」

不知火「はっ!」

那賀「んー、四水戦もいっくよー!」

夕立「っぽい!」


 ――23:00――

 鎮守府 演習場

天龍「まだ敵はみつからねぇのか? そろそろ接触してもいいころ合いだとおもうんだけどなぁ」

龍田「……私たちの足じゃもう少しかかるはずよぉ? とにかく不意打ちを避けるために索敵だけはちゃんとしないと」

天龍「わーってる、わーってるって。神通たちもさっさっといっちまわないで俺たちに航行速度合わせてくれたらいいのになぁ」

龍田「はぁ……」

暁「……ん?」

電「あの、暁おねえちゃん――」

暁「静かに」

電「は、はい」

暁「龍田さん、音がするわ」

龍田「え?」

暁「多分、戦艦の主砲の音ね」

天龍「おいおい、ってことは――」

龍田「出遅れたわねぇ……方角はわかる?」

暁「えっと、たぶん、290度ぐらい?」

龍田「そう……全艦、探照灯照射」

天龍「は? はぁぁぁ!?」

龍田「……戦力にならない私たちはおとりに徹しましょう。それなら目立ったほうがいいはずよぉ?」

天龍「いやいや、そんなんおかしいだろ! いくらなんでもこんなとこから探照灯つけるなんてハチの巣にしてくれっていってるようなもんだぜ?」

龍田「そうだけれど……援護だけならそのほうがいいと思うわぁ」

龍田「んだよ、らしくねぇな。一気に接近して乱戦に持ち込んじまおうぜ?」

龍田「乱戦って……そんなの私たちには無理よぉ」

天龍「はぁ? もう撃ち合ってるなら他への警戒も薄くなってるだろうし、全速でかけつけりゃ俺たちが横っ腹つけるかもしれねぇじゃねぇか」

龍田「それは……」

天龍「提督も『火力を集中させ、敵の気を引くことで出来た隙を一気につけ』ってこの前いってたじゃん。なぁなぁ、それでいこうぜ」

龍田「……」

雷「龍田さん?」

龍田「……天龍ちゃんの言うとおりにするわぁ、第三戦速、290度」

天龍「おう! 先陣は俺でいいんだよな?」

龍田「ええ」

天龍「おっし! ちびども、いくぞ!」

響「Дах!」


――23:20――

 鎮守府 演習場 甲軍中陣布陣海域

陸奥「はぁ……」

鬼怒「あれ? 陸奥さん、どうかした?」

陸奥「いいえ、なんでもないわ。それよりも先陣のほうはどう?」

鬼怒「うーん、うまい具合に敵の攻撃そらしてるみたいだけど……どうかなぁ。やっぱり鬼怒たちも加勢に行ったほうがいいんじゃない?」

陸奥「だめよ。そうすると迂回して本陣に飛び込まれるかもしれないじゃない」

鬼怒「んー、でも長門さんでしょ? 大丈夫なんじゃないかなぁ?」

陸奥「だ・め」

鬼怒「ちぇー……はーい」

陸奥「ふふ、わかったのならよろしい」

浦風「鬼怒さん! 115度! 8海里先に敵じゃ!」

鬼怒「え? 阿武隈いるのにもう先陣、ぬかれちゃったの!?」

浦風「いんや、どうも来てる方向がちっとちがうけぇ、これは別の部隊やね」

鬼怒「ふーん……どうしよ」

陸奥「どうしよって……迎撃するわよ。鬼怒ちゃんは駆逐艦を率いて迎撃に向かいなさい。私はここから援護するわ」

鬼怒「はーい、了解」


 ――23:25――

 鎮守府 演習場 甲軍中陣布陣地点付近
 
響「電探に感あり。敵だよ」

天龍「ん? どっちにいくつだ?」

響「正面から6隻」

天龍「つーことはもう俺たちは捕捉されるってことだな。おーい、龍田」

龍田「聞こえてたわ。やっぱり無理だったわねぇ……とにかく、その部隊だけでも戦場から引き離しましょう」

天龍「奇襲にならねぇんじゃ仕方ねぇか……お! そうだ! 探照灯つけようぜ!」

龍田「え……なんで?」

天龍「俺たちが全員探照灯つければ奴さん大部隊と勘違いしてくれるかもしれねぇじゃん? そうすりゃもっと大きな数つり出せるかもしれねぇぜ? あれだ、偽兵ってやつ」

龍田「んー、そうねぇ……探照灯照射。そののち。速度を保ったままさがるわよ」

暁「了解!」


 ――24:20――

 鎮守府 演習場 甲軍先陣布陣地点

伊勢「いやぁ、やばいわ」

日向「同感だ。演習用の模擬刀でなければ飛行甲板ごと腕を落とされてたやもしれん」

伊勢「駆逐艦が陽動を仕掛けて出来た間隙から軽巡が突っ込んでくるなんて、さすがというかなんというか。やっぱりうちの水雷戦隊のなかでもあの2人は特に頭おかしいって」

日向「うむ。加えて一撃離脱されてはそれほどの被害も与えられん。で、こっちの軽巡はどうした?」

阿武隈「す、すみません。不知火ちゃんと陽炎ちゃんから一発ずつもらって大破判定ですぅ……。ほかの子たちもよくて中破って感じで、あう……」

日向「はっはっは……安心しろ、わたしと伊勢も中破判定だ。なるほど、これは抜かれたも同然だな、あっぱれだな。よし、混乱しないように中陣と合流するぞ」

伊勢「それしかないか……くやしい――」

初春「た、大変じゃ!」

阿武隈「へ!? ど、どうしたの!?」

初春「後方から探照灯を照らした部隊が接近しておる!」

阿武隈「うぇ!?」

日向「……先手を取られたな。やむを得ん、死中に活を求めるか。二水戦に突入して暴れるだけ暴れるぞ!」

伊勢「そしかないかぁ……おう!」

子日「え、シュチューにカツ? おいしいのかなぁ」

若葉「……いや、あわないだろ」

阿武隈「冗談言ってるばあいじゃないって! もーう!」


 ――24:30――

 鎮守府 演習場 甲軍先陣布陣地点

神通「……ちっ、あと一歩だったのですが」

陽炎「けど、もう一押しですよ」

神通「わかっています。四水戦に合わせて再度、突入します」

雪風「了解です!」

長波「……ん?」

神通「どうかしましたか?」

長波「いや、なんか敵近づいてきてませんか?」

神通「そんな馬鹿――な!全館、戦闘準備! 那賀ちゃん」

那賀『ちょ、ちょっと、なんで神通ちゃんたちのほうに敵行ってるの!?』

神通「自棄になったのでしょう。迎え撃ちますので側面から援護してください」

那賀『おっけー!』

神通「ちっ……中陣と合流すればいいものを……」


 ――24:35――

 鎮守府 演習場 甲軍先陣布陣地点

龍田「え? え? ど、どうなってるの?」

天龍「あはは……さっぱりわからねぇ」

龍田「……なんで、追いかけて追いかけてるのかしらぁ?」

天龍「わかんねぇけど、いいじゃん。このまま目の前の敵を突破しちまえば裏崩れまでおこせるかもしれねぇぜ」

龍田「そんなの無理よぉ!」

天龍「はっはっは……!! 大丈夫だって!」

響「……電、大丈夫だとおもうかい?」

電「そ、それはちょっと……」

天龍「うるせぇぞ! 前と後ろに敵がいるんだ、こうなっちまったら腹くくるしかねぇだろ」

龍田「うっ……し、仕方ないわねぇ。全艦、一杯! 目の前の敵を駆け抜けるわよ!」

天龍「おう!」


 ――25:30――

 鎮守府 演習場 甲軍先陣布陣地点

日向「うぐっ!? ……ダメだな。轟沈判定だ」

伊勢「はぁ……負けたなぁ」

神通「……しかし、らしくありませんね。自棄になるなんて」

日向「自棄? うむ、確かにそうだったかもしれんな……」

不知火「それよりも勢いを止めるべきではないと思います」

神通「ええ、このまま中陣に攻め込み――」

ピカッ!!

神通「!? ぐっ!?」

陽炎「じ、神通さん!」

神通「だ、誰ですか! こんな乱戦で探照灯など――ぐっ!」

不知火「な、那賀ちゃんさん!」

那賀『んー? どうしたのぉ?』

不知火「そ、それが神通さんが探照灯の直射を受けてしまって目が――」

那賀『えぇ……? なにやって――きゃ!?』

不知火「!? ど、どうかしました!?」

? 「おらおら、どけどけ! はっはっは……!」ドーン

黒潮「うぇ……!?」

陽炎「て、敵の援軍!?」

雪風「え? で、でも、あのこえって――」

神通「ぐっ! 反撃! とにかく反撃にうつりなさい!」

不知火「は、はい!」

?「は、はわわ……!! ど、どいて! どいてほしいのです!」

神通「え……?」

ドーン!!

神通「ぐふっ……ま、まさかこの神通が……」バタ

電「きゅー……」バタッ

不知火「え?」

雪風「」

陽炎「……ど、どういうこと?! なんで電が神通さんに突撃してくるのよ!?」

不知火「そ、それは……」

陽炎「あー! もう! わけわかんない!」

あ……那賀になってますね……那賀→那珂です……

「なか」の変換で那珂より那賀のほうが先に来てたっていう……申し訳ありません


 ――26:00――

 鎮守府 演習場 甲軍本陣布陣地点

長門「……様子はどうだ?」

大淀「先陣が敵の攻撃を受けて突破されつつあるとのことです。このままでは長く持たないかと」

長門「ふむ……」

大淀「あの、中陣を先陣と合流させはどうでしょう?」

長門「そうだな。大淀がそういうならそうしてくれ」

大淀「はい!」

磯風「はぁはぁ……た、大変だ! 長門さん!」

長門「……ん? どうした、そんなにあわてて」

磯風「先陣で衝突事故が起こってる!」

長門「は……?」

磯風「神通さんと那珂さん、電と暁が大破! 混乱の中で被害はさらに拡大している!」

長門「は、ははは……大破ではなく大破判定だろ? 報告は正確にしなければならんぞ」

磯風「いや、大破だ!」

長門「……」

大淀「……あ、あの」

長門「演習を中止! すぐに4人の救援にあたれ!」

大淀「は、はい!」

長門「うぐぐ……くそ、なぜだ。どうしてこうなる……まさか金剛がなにかしたのか……」ブツブツ

磯風「……」



 ――29:00――

 鎮守府 執務室

提督「……なるほど。状況はよくよく分かった。つまり龍田たちの部隊が先陣と間違えて中陣に接近。逃げていたら勝負が決して足の止まっていた先陣と二水戦、四水戦に突っ込んで大混乱というわけだな」

長門「申し訳ありませんでした」

夕張「す、すみません……」

提督「ではこの大失態はわたしが言った状況とはまったく違うというのか?」

長門「いえ、仰るとおりです」

提督「なら、謝罪のまえに肯定しろ! この間抜け!」

長門「申し訳ありません……」

提督「ちっ……霧島、高速修復材の手配を」

霧島「分かりました」

提督「さて……私はお前たちになんといえばいいのだろうな。無能とののしるべきか、怒りのままどやしつければいいのか、重い罰を与えればいいのか、まるでわからん」

夕張「し、心中ごさっしいたします……?」

提督「そうか、そうか。わかってくれるか。ははは……」

夕張「あ、あはは……」

長門「お、おい……」

提督「……」ギロツ

夕張「ひえ……」

提督「馬鹿! この大馬鹿者どもめ!! 演習でこれほどの被害とは何を考えているのだ!! 演習でこれなら実戦は多くの艦が沈むのだろうな! さすがだ! 驚きで私の心臓を止められるのはお前たちだけだ!」

夕張「……」

長門「……」

龍田「……」

提督「はぁはぁ……霧島、分かっているな?」

霧島「はい、速吸たちにはしっかりと言い含めておきます」

提督「そうしておいてくれ」

夕張「あの、どういうことでしょう……?」

提督「あ? わからんのか?」

夕張「あ、はい」

提督「……わからんのなら、わらんで結構」

夕張「……」

提督「はぁ……もういい。追って沙汰する、お前たちは下がれ」

長門「……はっ」

夕張「……はい」

龍田「……」

提督「……おい、龍田」

龍田「え?」

提督「おまえは残れ」

龍田「え、え?」

提督「……話がある」

龍田「……はい」


 美保関事件Ⅱ 艦

美保関事件Ⅱ 艦です。
とりあえず起承転結の起の部分はこれで終わりです。次回からはもっと龍田さん編らしくなります……

あと、那珂ちゃんの誤字……もうしわけありませんでした……。
性格については2部のラストでも提督拉致案だしたり、割かしアレです。ONとOFFの使い分けということで一つ。

続いて長波感情度行きます。

提督から長波への感情度 ↓コンマ以下
長波から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

二水戦のコンマ優秀ですね。
いまのところ低いのが黒潮だけという……黒潮、孤立してない? 大丈夫? ケッコンする?

提督から長波への感情度:65
長波から提督への感情度:62

続いて四部進行のための安価です。

【安価】提督の看病のために病院に待機している艦娘はだれ?
今まで感情度測定した艦娘の名前でお答えください、未登場や読み取れない場合は下にずれます。
↓~↓5の中でコンマ高い順で2名。

ご協力ありがとうございます!
想定してなかったのですがダブってる場合はコンマの高いほうで判定いたします。

コンマの結果、病院に残るのは

鈴谷、潮

の2名になります。
皆さん、あげてくれたのがほっこりするメンツで安心しました。割かし赤城と間宮とかだったらどうしようかなぁ……って

最後になりました>>1ですが本日半ドンで明日お休みですので、明日の更新は昼と夜の2回するよていです。
お付き合いただければ幸いです。
それでは失礼します。

1です。午前中だけという話で会社いってのですが、まだ帰れないのでお昼の更新ができない状況です。
ただ長波編の書き終わってるので鹿島のコンマとって夜中に二人更新させてください。手前かってなお願いではありますがご容赦くださいませ。
またこの度は急な予定の変更となってしまい申し訳ありませんでした。


鹿島のコンマにつきましては17時に投げさせていただきます。

最後になりましたが重ね重ね申し訳ありませんでした。

すみません、遅れました
コンマとらせていただきます

提督から鹿島への感情度 ↓コンマ以下
鹿島から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

やべぇよ……やべぇよ……
続きまして好感度コンマいきます

提督から鹿島への好感度 ↓コンマ以下
鹿島から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

提督……
笑いが止まりませんわ、このために生きてる

会社でる際にまた報告淹れます

仕事終わりました。
ご飯食べて帰るので12時から開始します。

前回はたくさんの乙ありがとうございます。
本日も暖かいお言葉いただきまして本当にありがとうございます。
もう感謝の言葉しかでないです……。

とりあえず鹿島の好感度と感情度貼っておきますね。

提督から鹿島への感情度:15 提督から鹿島への好感度:100
鹿島から提督への感情度:95 鹿島から提督への好感度:21

それでは本編更新していきます。


 2018年 1月

 ――12:00――

 ルソン島 海軍病院

提督「……なるほどな」ペラ

鈴谷「へぇ、植物図鑑なんて読んでるだ」

提督「ん? ああ、少し気になることがあってな」

鈴谷「ふーん」

提督「それよりもお前もそろそろ荷物をまとめておけよ。もうすぐ退院だ」

鈴谷「え? あ、そういえばそうだね」

提督「……おい、そんな浮ついた気持ちで前線に戻るなど許されんぞ」

鈴谷「あはは、わかってるって」

提督「どうだか」

鈴谷「それよりさ、今週の報告書は誰が届けに来てくれるかなぁ?」

提督「……タンカー護衛でこちらに来てる二水戦の誰か、だろうな」

鈴谷「へぇ、そうなんだぁ。たのしみだね」

提督「何も面白いことなどないだろ」

鈴谷「えぇ? だって、もう一か月もこっちいるんだしみんなのこと恋しくなってきたっしょ?」

提督「ふん、なるわけがないだろ」

鈴谷「もう強がっちゃって。この、この!」

提督「おい、くっつくな」

 コン、コン


提督「……どうぞ」

長波「お邪魔しまーす。今週分の報告書、届けに来たぜ」

提督「うむ、ご苦労。目を通しておくので下が――」

鈴谷「おっ! 今回は長波だったんだ。久しぶり!」

長波「ん? ああ、鈴谷さん、久しぶり」

提督「……」

鈴谷「いやぁ、鎮守府のほうはどう? かわりない?」

長波「そうだなぁ……とくにかわりはないけど鎮守府司令長官代理の女提督さんがみるみるやつれてるぜ」

鈴谷「えー? どういうこと?」

長波「ここのところ訓練がヤバくてさ。鎮守府の雰囲気が最悪なんだよ」

鈴谷「へぇ」

長波「いやぁ、いなくなってよくわかるよ。あそこは提督だからまだまわってるってさ。赤城さんとか神通さんあたりはやっぱり提督じゃないと御せないっていうのかなぁ」

提督「なんだ煽ててもなにもでないぞ」

長波「はっはっは……! この長波がそんなケチなこと考えてるはずないじゃん!」

提督「そ、そうか」

鈴谷「どうしたの?」

提督「いや、ここまで快活に否定されるとな……あれだ」

鈴谷「ふふ……そうなんだ」

提督「ちっ」

鈴谷「ねぇ、長波の周りの子の様子とか教えて欲しいの。提督もずっとみんなにあってないし、そういうのききたいとおもうんだ」

提督「まて。私は――」

鈴谷「いいから、いいから。ね?」

提督「ちっ……」

長波「あはは……了解っと。んー、そうだな、うちの姉妹でなら清霜とか夕雲姉はいつもどおりだから、面白みに欠けるし……あ、二水戦の連中なら面白い話ががあるぜ」

鈴谷「へぇ、聞かせて、聞かせて!」

長波「よっし、これは提督が入院してから1週間後ぐらいの話なんだけどさ――」


 xx17年 12月

 ――21:00――

 鎮守府 駆逐艦寮談話室

不知火「……全員、揃ったわね。それでは会議を始めます」

黒潮「はぁ……」

長波「なぁなぁ、それよりこれなんの会議なんだよ?」

陽炎「なんの会議って……提督の翻訳精度向上のための会議に決まってるじゃない!」

不知火「ええ、もっといえば最低でも1か月は入院される提督との接し方をわすれないためのものよ」

長波「いやいや、そんなの必要ないでしょ」

陽炎「必要よ! それなら長波に問題よ! お昼ご飯の後で中庭をあなたはあるいています」

長波「その前振りいるの?」

陽炎「いるの! とにかく、歩いているあなたのまえから提督があるいてきました。さて、どうする?」

長波「どうするって……普通に挨拶して終わりだけど。こんにちはって」

不知火「ふっ……なんと愚かな」

陽炎「ええ、残念だけど不知火の言う通りよ」

長波「えぇ……?」

黒潮「……」

陽炎「いい? 正解はまず歩くのを少し遅くする、よ!」

不知火「これは提督のことを正確に観察するためです。確認すべきは提督の機嫌の良し悪し。これをあと5歩ですれ違うまでに行わなければならないわ」

陽炎「そして、ここからは正解が分岐するわ。機嫌が良ければ元気に挨拶。不機嫌なら黙礼よ」

不知火「わかったわね?」

長波「クッソ面倒くさいことをあんたたちが考えてるのはよくわかった……」

陽炎「面倒くさいって……。はぁ……これだから夕雲型は……」

不知火「同感ね」

長波「夕雲型は関係ないだろ!」


陽炎「とにかく、話を本題に戻すわ。最近、私はあることに気が付いてしまったの!」

霞「ふーん」

陽炎「ちょっと! 気のない相槌はやめて!」

霞「そういわれてもねぇ……こんなくっだらないことに付き合ってるこっちの身にもなってよ」

陽炎「うぐぐ……」

雪風「あ、あわわ……か、陽炎姉さん、気が付いたことって何なんですか!?」

陽炎「……対提督のコミュニケーションの最適解は人によってちがうってことよ」

不知火「なんと!」

長波「えぇ……当たり前だろ……そんなの」

陽炎「ちっ、ちっ……甘いわね。アイオワさんがくれるお菓子の100倍甘いわ」

雪風「うわぁ……」

霞「想像しただけで吐きそうになるほどの甘さね……」

陽炎「だからちゃんと聞くように」

長波「釈然としねぇ……」

霞「同感ね……」

陽炎「まず私は弥生から買った翻訳書を読み直すことで提督の情報を整理したの。そして、艦娘の性格をおおよそ9つに分類し、そのタイプごとに対提督のコミュニケーションで気を付けるべきであろうことをみつけていったのよ!」

長波「なんて……なんて、あほくさいことやってるんだよ……」

不知火「画期的なことです。静聴なさい」

長波「はい、はい……」


陽炎「この艦娘の9つの振り分けだけど、まずは艦娘を普段のテンションで高・中・低で分類するわ。そして次にそれぞれで普段の性格から艦娘をキュート・パッション・クールの3つに分けるの。この組み合わせで最適解を求めるわ」

長波「ふーん……」

黒潮「あほくさ」ボソッ

陽炎「それじゃあ次は具体例をあげるて説明するわね。わかりやすい人選がいいわね……雪風と長波!」

雪風「はい!」

長波「んー?」

陽炎「まずは雪風はテンションが中で性格はキュートね。次に長波がテンションが中で性格がパッションよ」

長波「待った、待った。テンションが中ってあたしも雪風も割かしテンション高いほうじゃないか?」

陽炎「テンションの高は青葉さんとか隼鷹さんとか黒潮レベルじゃないとだめなのよ」

長波「あー、さすがにその三人と一緒にされるのは抵抗あるわ」

黒潮「はぁぁぁ!?」

長波「あ、わるい……」

陽炎「まぁ、つまりはそういうことよ。まずは雪風ね、あなたみたいなタイプは提督からさけられてることも怒られることもめずらしいわ。普段通りに接してれば地雷を踏みぬくことは稀ね」

雪風「なるほど!」

陽炎「それに頑張り屋さんで+10点ね」ナデナデ

雪風「はい! 頑張ります!」ニヘラ

不知火「その点数は何ですか?」

陽炎「んー、これはまだ仮説の段階だから詳しくは省くけど、提督が好きな要素を得点化してるのよ。例えば知的なら+3点、頑張り屋さんなら+10点ってかんじで」

不知火「それでは不知火は13点ですね」

陽炎「あ?」

長波「それより陽炎、あたしはどうなのよ?」

陽炎「長波みたいなタイプも……まぁ、わたしもそうなんだけど大けがしないわ。ただ雪風みたいなキュートタイプよりも元気な印象を持たれてるから大きな声ではきはきとしゃべらないと雷が落ちる可能性もあるわ」

長波「へぇ、なるほどなぁ。意外に考えてあるんだな」

陽炎「意外とはなによ、意外とは!」

長波「わるい、わるい」

不知火「……あの、不知火はどうでしょう?」

陽炎「あー……不知火ね。分類はクールタイプの高ね」

不知火「は? 低でしょ?」

陽炎「いやいや、あんたはなんていうか……うん、ぬけてるから」メソラシ

不知火「!?」

陽炎「ちなみにこのタイプも単体なら問題はないわ。ただキュートの高とかパッションの高と一緒にいるときはかなり気を付けておかないと二人で地雷原の中でタップダンスを踊りだすから司令に近づかないようにしなさい」

不知火「そ、そんなことしてないわ」

陽炎「気づいてないだけでしょっちゅうやってるじゃない!」

不知火「そんな馬鹿な……」


 2018年 1月

 ――12:30――

 ルソン島 海軍病院

長波「――ていう、あほくさいというか、アレな会議をこのまえしたんだ」

鈴谷「ぷぷぷ……あはっはは……! 提督、こわがられすぎ!」

提督「う、うるさい! 病院だぞ、ここは! 静かにしろ」

鈴谷「あはは……!!」

提督「ぐぐぐ……!」

長波「ん? いや、別にあたしたちは提督をこわがってるわけじゃないぜ」

鈴谷「へ?」

長波「不知火も陽炎も怖がってるってよりもかまってほしいんだと思う」

鈴谷「え? え? ひょ、ひょっとして二人とも提督のこと好きなの?」

長波「? そりゃあ好きなんじゃない?」

鈴谷「ええぇぇぇ……!?」

長波「……ちょいまち。好きって言っても多分、鈴谷さんが考えてるのと違うぜ? んー、あれだ、近所のちょっとあこがれてるお兄さん。そんな感じだと思う」

鈴谷「へ、へぇ……」

長波「なにそんなに動揺してんのよ?」

鈴谷「ど、動揺なんてしてないし!」

長波「?」

提督「ごほん……それより長波、よくそんな例えがぱっと出てきたな」

長波「ん? あぁ、巻雲姉の持ってる漫画見てたら二人ともそんな感じだなって思ってさ」

提督「ふむ、そうか」

長波「あ、ちなみにあたしも提督のこと怖がってないぜ? いい上官だと思ってるよ」

提督「ああ、わたしもそれぐらいがちょうどいいと思ってる」

長波「そりゃあなによりだ」


鈴谷「うぅ……ね、ねぇ、それなら二水戦で提督のことこわがってる子といるの?」

長波「二水戦にそんな奴いるわけないじゃん。なんたってうちらの直属の上官が神通さんだぜ?」

鈴谷「え? それのほうが鈴谷はわかんないなぁ。神通さん、やさしいじゃん」

長波「あ、あはは……そ、そう」

鈴谷「? 具体的にはどうこわいの?」

長波「……思い出したくない」ウツロ

鈴谷「うわぁ……」

提督「やはり神通にはすこし加減を覚えるように言うべきだな……」

長波「本当!」

提督「あ、ああ」

長波「やった……! なぁ、提督、ほんとうに頼むぜ?:

提督「……」

長波「なんでそこで黙るの!? 不安になるじゃん!」

提督「う、うむ……まかせておけ」

長波「やりぃ! いやぁ、ちょっとしたお使いだと思っていたけど、こんなことならいつでもまたくるよ! それじゃあな!」

提督「あ、ああ」

鈴谷「そ、それじゃあね……」

 バタン

提督「……」

鈴谷「……」

潮「ふぅ……えっと、洗い物終わりまーーあ、あれ、どうかししたんですか?」

提督「なんでもない」トオイメ

鈴谷「うん」トオイメ

潮「??」

 長波編 艦

長波編 艦です。
また二水戦オチです。使いやすいからつい……

それでは一旦、ここで休憩入れます。
書き溜め作ったりするので再開は1時50分からになります。
明日は8時起きでいいので、深夜でもバリバリやっていくぜよ。


久しぶりのほのぼの(感覚麻痺

陽炎Pわろた


提督語の翻訳とか生態の研究とかもっと称えられてもいい研究だと思うの

乙、陽炎はかなり弥生に詰め寄ったんだろうなぁ

更新、再開します。

>>915
このスレではかなりほのぼのの部類ですね(ニッコリ

>>916
秋月のコンマによってはPが提督もふくめると3にんになりそう。

>>917
基礎研究はたいせつ、たいせつ。たふだこの分野、一部からは大好評だと思いますが一般受けはしなさそう。

>>918
弥生が読み解き、陽炎が発展させる提督学


 XX17年 12月

――13:00――

ルソン島 海軍病院

提督「ふわぁ……」

鈴谷「ふわぁ……」

潮「ふふ……」

鈴谷「え!? やだ、見てた?」

潮「え、え? ご、ごめんなさい……」

鈴谷「あ、いや、謝らないでよ。いや、恥ずかしいところみせちゃったなぁ」

提督「はっはっは……女性が大口を開けているところを見られるのは確かに恥ずかしいだろうな」

鈴谷「余計なこといわないでよ! もう!」

提督「しかし、こう暖房の利いた部屋で寝ているだけだと体がなまっていかんな」

鈴谷「あー、確かに」

潮「そ、そうですか? こうやってゆっくりとしてるのも楽しいって思いますけど……」

提督「ふん……」

潮「あう……」

 コン、コン

提督学が天下餅みたいで笑った
家康ポジはだれになるのか


提督「ん? どうぞ」

鹿島「失礼します。あ! 提督さん、おからだは大丈夫ですか?」

提督「……ああ、みてのとおりだ。もう死ぬようなことはなさそうだ」

鹿島「よかったぁ。もう! 心配したんですよ!」

提督「あ、ああ。それよりおまえがなぜここにいる?」

鹿島「えっと、霧島さんたちからお願いされて報告書もってきたんです」

提督「報告書? 代理がいるのだからすべてそちらにわたせばよかろう」

鹿島「そりゃあもちろん代理の女提督さんはいますけど……それでも提督さんも鎮守府の状況は把握しておかないとだめじゃないですか。だから私が遠洋練習航海のついでにおもちしたんですよ」

提督「そうか……手間をかけさせたな」

鹿島「いえいえ、どうぞお気になさらないでください」ニコニコ

提督「潮」

潮「あ、はい。お預かりしますね」

鹿島「うん」

鈴谷「……え、えっと、なんかふたりとも仲いいんだね」

鹿島「はい! なんたって提督さんとは13年のお付き合いですから。ね?」

提督「……」

鹿島「提督さん? どうかしました?」

提督「いや、なんでもない」

鹿島「はぁ」

提督「……」

潮「え!?」

提督「なんだ、どうかしたか?」

潮「い、いえ、なんでもないです」

鹿島「ふふ……それじゃあ、私はこれで失礼しますね」

提督「ああ」

鹿島「あ、そうだ。私はこれでこっちにくるよていなくなっちゃうんですけど報告書は毎週、誰かしらお持ちしますからね。楽しみにしててください」

提督「……そうしよう。ああ、あと女提督によろしく言っておいてくれ」

鹿島「はい! 失礼しました」

鈴谷「……」

潮「お疲れさまでした……」

 バタン

好感度知ってるからこえーw

なんでこんなニコニコしてんだ……油断させて刺し[ピーーー]つもりか?
っていうか鈴谷さん黙り込まないでください怖いです

好感度21でも笑顔を欠かさない大天使カシマール


提督「はぁ……」

鈴谷「え、えっと……13年って長いね」

提督「いや、長くはない」

鈴谷「へ?」

提督「その時期に私の指揮下に一時的にいたというだけで、それ以降はあいつが鎮守府に着任してくるまで一度もあったことはなかったからな」

鈴谷「ふーん……」

潮「え、えっと……はぁ、なるほど」

提督「潮、気の抜けた返事は止めろ。不愉快だ」

潮「す、すみません……で、でも、やっぱり」ボソリ

鈴谷「? あ、そういうことかぁ」

提督「は? とにかく私はしばらく報告書を読んでいるのでお前たちは好きにしていていいぞ」

鈴谷「好きにしてていいっていわれても……わたしたちこれでも一応、護衛なんだよ?」

提督「しっている。しかし、病院内で護衛もなにもないだろ」

鈴谷「そ、それはそうだけど……」

提督「それよりもすこし一人にしてくれ。嫌なことも思い出してしまった」

鈴谷「……」

潮「あ、あの、それじゃあ、私、お洗濯とかしてきますね」

提督「ああ、そうしてくれ」

潮「は、はい!」

バタン

提督「……おまえも行け」

鈴谷「あのさ……提督って鹿島さんのことどうおもってるの? ひょっとして私より……好き、とか?」

提督「くだらんな」

鈴谷「くだらなくなんてないし!」

提督「はぁ……一度しかいわんぞ。確かにあれのことを私は好意的に思っているがお前とはまたベクトルが違う」

鈴谷「?? つまりどういうこと?」

提督「わからなければ自分で考えろ」

鈴谷「えー? いいじゃん、、おしえてーよー」

提督「まったく……ききわけのない奴だな」

鈴谷「まぁ、聞き分けが良ければここにいないと思うしね」

提督「ふん……ちがいない」

鈴谷「ねぇ、提督。なんか今日へんじゃない? 妙に素直というか優しいっていうか……」

提督「……そうかもしれんな。あれを見るとつい昔のことを思い出してしまうからな」

鈴谷「ふーん」

提督「はぁ……いかんな、こんなことでは」

鈴谷「えぇ? そんなことないとおもうよ?」

提督「そんなことあるんだよ」


 XX05年 10月

 ――11:00――

 日本 近海

鹿島「みんな! にげることだけかんがえて! 提督さんがすぐに助けに来てくれるはずだから!」

艦娘「は、はい!」

鹿島「まだ皆は海に出たばっかりなんだから――」

提督『……こちら司令部。練習艦隊、応答されたし』

鹿島「――はい! こちら練習艦隊です!」

提督『状況は変わらずか?』

鹿島「はい! すぐに増援をおくってください!」

提督『そうか……分かった』

鹿島「提督さん?」

提督『……現状ではすぐに増援を送ることはできない。諸君らはその場で転進、敵を迎撃に当たれ』

鹿島「!? む、無理です! 皆、まだ航行訓練の段階なんですよ!?」

提督『とにかく時間を稼いでくれ。奇襲を受けているのは君たちだけではないのだ』

鹿島「そんな……」

提督『国民に被害は出せない。その場で踏みとどまり死守せよ』

鹿島「……」

提督『返事を』

鹿島「りょ、了解しました……」

提督『……こちらも急ぐ。連絡は以上だ、奮励努力せよ』

鹿島「……はい」

艦娘「鹿島さん、どうしたんですか?」

鹿島「う、うん……皆、反転! 敵を迎え撃ちます!」

艦娘「え?」

鹿島「……て、転進、急げぇ!」

艦娘「は、はい!!」


 XX05年 10月

 ――11:05――

 日本 軍令部 練習艦隊司令部

提督「……」

警備隊司令(当時・少佐)「その苦り切った顔はどうかしたまえ。同期の友人とはいえ、女に見せるツラじゃないぞ」

提督「ろくな訓練も受けていない練習艦隊が同時多発的に奇襲を受けているんだぞ! こういう顔にもなる!」

警備隊司令「なるどほどね」

提督「ちっ……少し静かにしてくれ。今、方策を練っている」

警備隊司令「ふむ」

提督「……」

警備隊司令「カチッ……ふぅー」

提督「ゴホっ、ゴホ……! 貴様、人の顔に煙を吹きかけるな! 何を考えているんだ!」

警備隊司令「いやなに上官殿に静かにしろと言われたので、どう呼び掛けたものかと思ったてね。それよりも私に一つ考えがある、のってみないか?」

提督「いいだろう……話してみてくれ」

警備隊司令「本土まで敵を誘引するんだよ」

提督「は?」

警備隊司令「今、出撃の用意をしている艦娘もそれぞれの戦場へもぐら叩きのようにいくよりも近海で迎え撃つほうが楽だろ? それに逃げるだけなら被害は抑えられる」

提督「馬鹿な! 撤退戦など新兵には荷が重すぎる!」

警備隊司令「では、ろくに攻撃も当てられない連中で戦うつもりか? それこそ全滅するぞ」

提督「ぐっ……しかし、練習巡洋艦は足が遅い。逃げ切れるとはおもえん」

警備隊司令「練習巡洋艦はそれなりの練度があるのだろ? 駆逐艦を先行させて、彼女たちには自力でふりきってもらうよりほかにない」

提督「し、しかし、敵をちかづけるということはそれだけ民間に被害が出る可能性が出るということだぞ?」

警備隊司令「はっはっは……!! おもしろいことをいうわね。これから戦力になるであろう艦娘を守るためには多少の被害には目を瞑るべきじゃないかしら? 数年後には倍する人を助けられるようになるわ」

提督「ありえん!! 現状を維持しつつ、救援を待つ!」

警備隊司令「それが貴様の意見なら是非も言うまい」

提督「……指揮は私がとる。貴様は西方海域司令部に行って様子を見てきてくれ。おおよその時間を割り出せればなんとかしてみせる」

警備隊司令「ふっ……それは頼もしい限りだ」


 XX05年 10月

 ――20:35――

 日本 軍令部 西方海域司令長官執務室

提督「この度の失態は指揮を執った私に全ての責任があります……いかようにもご処分ください。申し訳ありませんでした」

西方海域司令長官(以後、西方)「い、いや、なんというか、鹿島君のところの駆逐艦が一隻沈んだのは非常に痛ましいことだが、それで奇襲部隊を退けた君に責任を問うというのは……むしろ褒章を用意してしかるべきというか……なぁ、金剛」

西方金剛「司令長官のいうとおりデース。ワタシたちは戦争してるんだから多少の被害はでるものネー」

提督「お心遣いありがとうございます。しかし、敵との物量差を考えれば私の出した損害は敵の撃退という結果と見合わないと愚考いたします」

西方「うーん……まいったなぁ。君がそこまで言うなら勝利の功績と被害を出した責任を相殺して、お咎めも褒章もなしという方向でどうかな?」

提督「しかし……!」

西方「しかしもかかしも勝ったというのに降格や左遷をしては士気にかかわるんだよ。そこらへんは理解してもらいたい。それに君を処分すれば援軍を素早く送れなかった私たち上層部にも責任を問わねばななくなってしまう。そこまでの大ごとは君も望まないだろう?」

提督「……」

西方金剛「軍人なら返事はちゃんとするネー」

提督「……畏まりました。私の軽率な意見で閣下にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

西方「ああ。……それとあまり落ち込まないように」

提督「はっ」

西方「彼女たちは姿こそ手弱女だけど軍人であり、兵器なんだ。君だって今までに屈強な男性の部下をなくしているだろ? それと変わらないんだよ。銃後の女性を無理やり戦場にあげているわけではない。そこはちゃんと理解しておくように」

提督「肝に銘じておきます」

西方「あ、うん、ならいい。下がりなさい」

提督「はっ! 失礼しました!」

 バタン

提督「……」

警備隊司令「ああ、やっと出てきたか。それにしてもうまくやったな」

提督「……どういうことだ?」

警備隊司令「自分から処罰を願い出たことだよ。ああすれば重い処罰はないだろうな」

提督「! 不愉快だ! 私にそんな意図はない!」

警備隊司令「そうか。まぁ、そのほうが貴様らしい」

提督「……」

警備隊司令「ん? どうかしたか?」

提督「いや、誰かにみ……いや、なんでもない」

警備隊司令「ふん、それよりも少将の奴にも連絡を入れておいた。まぁ、今日は三人で飲んで嫌なことは忘れてしまおう」スタスタ

提督「……ああ」スタスタ

サッ

鹿島「忘れるってそんなの……」

 鹿島編 艦

鹿島編 艦です。
毎度のことで大変恐縮ですが遅れてしまいもうしわけありませんでした。
また新キャラ出したけどくっそ唐突で>>1もこれは……とおもいましたが、許してクレメンス。なお4部キーマンの模様。
割かし過去の描写は今後のためにぼかしているぶつ切りにしてしまいましたが、これから詳細に移っていきます。

また今回で4スレ目もおわりにして、次回からの更新は新スレで行います。
新スレにつきましては明日建てた後にこちらへURL貼ります。

埋めネタは前回の告知通り曙主役で『昇る落日』になります。
ドイツ艦ご期待いただいていた方にはもうしわけありませんでした。きのはやいはなしではありますが次回の埋めに関しても前回同様、最後でご意見募集させていただく形で行く予定です。

次回の更新につきましては本日の23時より開始します。
ストックもあと2本になりましたので本篇投稿前に安価とります。今回もご協力いただければ幸いです。

>>921
>>1も書いてて天下餅くさいなとは思いましたが、家康というと……うーん、これからのコンマ次第ですかね。

>>923
好感度見てなければ普通の鹿島を目指しました

>>924
大丈夫、大丈夫。鹿島の好感度21もありますから、さすまでにはいたらないはずです。

>>925
このスレで複数安価とって天使なのって現状、天龍ちゃんだけという悲劇。


この軍にはろくでもない奴しかおらんのか……今更ながら少将が素晴らしい人物に思えてきたぞ
謀殺したのは早計だったのでは……


ブランク割とあるのに鹿島がわざわざ13年の付き合いって強調してきた所を見ると何かしら皮肉っぽいと言うか含みありそうだな

てかここの艦娘って歳取らない設定だったっけか

遅れてしまい申し訳ありません。

↓が5スレ目になります。本日から更新はこちらになります。
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 五隻目【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1532094565/#footer)

向こうの一発目の安価は時間ずれて23:30になげます。

>>931
陸軍までふくめていいなら将校殿がいるから……(震え声)

>>932
明言してませんでしたが、艤装の恩恵で艦娘は肉体的に年を取ることはありません。
解体された場合は普通の女の子になるので年も取るようになります。

>>933
ありがとうございます。

今回の埋めネタですが時期が1スレ目はじめ、つまり測定カメラが提督の手に渡ったときとなります。
しつこいようですがIFの条件は『金剛を後回し』『提督が当たりを引き続ける』『曙と結婚』となります。

また当スレの艦娘ですが、解体を受けない限り年を取るということはありません。

以上の点に留意したうえでお読みください。


 XX17年 10月 29日

 ――11:00――

 鎮守府 工廠

金剛「――という感じでちょっと仰角の幅が狭い気がするネー」

明石「んー、なにかつまっちゃってるんですかねぇ。よくよく確認しておきますね」

金剛「よろしく――」

提督「明石! 明石はいるか!」バーン!

明石「!?」

金剛「はぁ……」

提督「ああ、探したぞ。このカメラについてなんだが――ああ、金剛と話していたのか」

金剛「ンー、別にもう終わってるところだったから構わないデース。それよりテートク、そのCameraはなんなんデース?」

提督「いや、私もさきほど大淀から渡されただけでな。いまいち容量がつかめなかったので明石のところにききにきたのだ」

金剛「フーン……」

提督「気のない返事はやめるように」

金剛「アハハ……Sorry!」

提督「まったく……それで明石、詳しい説明をしてもらいたいのだが」

明石「ええ、わかりました。それ自信作なんですよ!」フンス

提督「自信作な……それは結構なことだ」

明石「ええ、ええ、分かりやすいように実践しながらご説明しますね! まずは金剛さん、それで私と提督を撮ってください! ほら、提督、もっとよってください!」

提督「あ、ああ」

明石「それじゃあお願いしまーす!」

金剛「Ok! ハイ、チーズ!」

 カシャッ

金剛「ン? この見た目でInstant cameraってビックリネー」

提督「ああ、見た目は一眼レフなのにな」

明石「あはは……なんというか遊び心ですよ」

提督「そうか。それでなんなのだ、この数字は」

明石「えーと……それはですね、感情度と好感度といいまして――」

 明石説明中

明石「――という感じです」

提督「ふむ、なるほどな。確かにこれがあれば編成面でもいろいろと便利かもしれん」

明石「でしょ!? いやぁ、やっぱり提督は話が分かってくれますね!」

提督「あ、ああ」

明石「使い方が分かったのなら今度は金剛さんと測定してみたらどうですか? うちの主力と指揮官なんですから絶対にいい結果出ますよ!」

金剛「うっ……」

提督「……別にいい結果を出すためのものではないだろ。遠慮しておこう」

金剛「! テートクがそういうなら私も無理にとは言えないデース!」

明石「えぇ? まぁ、お二人なら撮らなくても大丈夫かな……」

提督「そういうことだ」

金剛「Yes! Yes!」

明石「あはは……えっと、鎮守府の不満解決の為にも頑張ってくださいね!」

提督「ふん、まかせておけ」


 XX17年 10月 29日

 ――20:00――

 鎮守府 執務室

大淀「ふふ……お茶がおいしいですねぇ」

大淀(そろそろ提督も痛い目見てますかね。いい気味です。もう少し自分がどう艦娘から見られてるか知って、大人しくなるべきなんですよ)

 バターン!

大淀「!?」

提督「驚かせたな……すまん」

大淀「い、いえ、提督、どうかしたんですか?」

提督「いや、なんでもない」

大淀「は、はぁ……」

提督「気のない返事は――いや、なんでもない」

大淀「え?」

提督「なんだ、どうかしたのか?」

大淀「い、いえ、失礼しました」

提督「そうか。はぁ……」

大淀(うわぁ……ため息なんかついてる)

提督「大淀、お前は――いや、君は私のことをどうおもう」

大淀「君!?」ヒキ

提督「……なんだね、問題があるか」

大淀「い、いえ、そうですね……」

大淀(これどう答えるべきなんですかね。下手に答えて雷落とされても面倒ですし……適当にゴマすっときますか……)

提督「……どうした? 素直に答えてくれればいい」

大淀「あ、はい! 提督のことは立派な上司だと尊敬してます!」

提督「……そうか」

大淀(あれ? なんか感触が……)

提督「少し一人で考えたいことがある。鈴谷を呼んで、今日はもう上がってくれ」

大淀「へ? し、しかし――」

提督「……頼む」

大淀「は、はぁ……し、失礼します」

提督「……」

大淀「ちっ……返事ぐらいすればいいのに」ボソッ

提督「ん? なにか言ったか?」

大淀「い、いえ、なんでもないです」

提督「そうか」

大淀「は、はい」


XX17年 10月 29日

――20:30――

 鎮守府 執務室


 コン、コン

提督「入れ」

鈴谷「失礼しまーす! いきなり呼び出してなんかあったの?」

提督「ああ、少しな」

鈴谷「ふーん……その様子だと少しじゃすまなそうだね、コーヒー入れよっか?」

提督「……頼む」

鈴谷「あい、あい。ちょっと待っててね」

提督「ああ」




鈴谷「はい、お待たせ」

提督「すまんな」

鈴谷「いいってことよ。鈴谷と提督の仲じゃん?」

提督「ふん……」

鈴谷「その反応は酷くない?」

提督「あ……そ、そうだな。すまん」

鈴谷「え、え? う、ううん、冗談だから気にしないで?」

提督「そうか……。はぁ……お前を呼び出した本題なのだがな、今日、私が写真を撮ってまわっていたのは知っているだろ?」

鈴谷「勿論。鈴谷とも一緒に撮ったじゃん? 99と99なんてすごいよね!」

提督「うむ……」

鈴谷「! もしかして他のこの結果が良くなかったの……?」

提督「いや、良かったよ」

鈴谷「ならなんでそんなに落ち込んでるの? もっと喜ばないとだめじゃん」

提督「……いや、わからんのだ。私みたいな人間がなぜあれほどまでに信頼を得ているのかが」

鈴谷「へ? それで落ち込んでるの?」

提督「そうだ。私の予想としてはほぼほぼ40~60程度だろうとおもっていたのだが、ふたを開けてみれば80以下という数字がなかった」

鈴谷「!?え、マジで!?」

提督「こんなことで嘘はつかん」

鈴谷「い、いやぁ、そのカメラが壊れてるって可能性はないの?」

提督「……私の数字から推測するに恐らくない」

鈴谷「う、うーん……でも、みんなに好かれてるなんて良いことなんだから前向きに考えようよ? ね?」

提督「馬鹿な。私はそんな人間じゃない」

鈴谷「大丈夫、大丈夫。提督は本当はいい人だもん。皆、ちゃんとわかってるんだよ」

提督「いい人ね……鈴谷、私が軍人という道をなぜ選んだと思う?」

鈴谷「え? いや、提督のことだからお国の為とか――」

提督「はっはっは……!!」

鈴谷「!?」


提督「そうだ、それもある。しかし、それだけではない」

鈴谷「……」

提督「私はただ憎いんだよ、深海棲艦が。一隻残さずこの世から駆逐してやりたいほどに」

鈴谷「……そりゃあ皆そうだとおもうよ」

提督「いいや、違う。少将も警備隊司令も各海域の司令長官もそんな些末なことの為に部下を戦地に送ってなどいない。私だけなのだ、弱いのは私だけなんだ……」

鈴谷「そんなわけない! だって、提督はそんなことだけでずっといられるような人じゃないもん!」

提督「……いいや、私はそういうくだらない人間なのだ。虚勢をはるだけの、な」

鈴谷「違う!」

提督「……」

鈴谷「……ねぇ、そんなに自分を責めるのはやめよ?」

提督「しかし、私はどうすればいいのだ?こんな自分を慕い、尊敬までしてくれていた艦娘たちを思慮が浅いや騒がしいなどと内心で馬鹿にしていたのだぞ? 情けがなくて死にたくなる」

鈴谷「それはちょっとひどいことだったかもしれないけど、これから変えていけばいいじゃん?」

提督「しかしだな――」

鈴谷「しかしもかかしもないの! それに相手が尊敬してたら提督もその人を尊敬しないといけないって理屈はないでしょ?」

提督「ぐっ……それは、そうだが……」

鈴谷「大丈夫! 提督が相手のことあんまり好きじゃないのは知らないからだよ。これで皆の気持ちには気づけたんだから、これからちゃんと接していけば相手のことを好意的に見れるようになるよ」

提督「……ちゃんと接する、か。確かに他の鎮守府の提督たちほど私は艦娘と向き合っていなかったのかもしれんな」

鈴谷「うん、うん」

提督「それで、だな……艦娘たちと接するとは具体的にどうすればいいのだ」

鈴谷「えー? それ鈴谷に聞くの?」

提督「すまん」

鈴谷「うーん……急に提督がべたべたしてきても変だしなぁ」

提督「そうだろうな。こんな男にまとわりつかれても不気味なだけだ」

鈴谷「うふふ、鈴谷はうれしいよ?」

提督「冗談はやめろ」

鈴谷「冗談じゃないんだけどなぁ……あ、提督って姪御さんとか妹さんとかっているの?」

提督「……妹はいたが随分前に死んだ」

鈴谷「あ、ご、ごめん」

提督「構わん。それがどうしたのだ?」


鈴谷「う、うん……あのね、艦娘が皆、妹さんだと思って接してみたら?」

提督「……あ?」

鈴谷「い、いや、だって、ほら! あれだよ! 親しく接するなら家族みたいにしないと! ね!」

提督「……ふむ、分かった」

鈴谷「へ? 本当?」

提督「ああ、善処してみよう」

鈴谷「っ……」

提督「ん? どうかしたか?」

鈴谷「ううん……」

提督「そうか?」

鈴谷「うん! そ、それよりもほら提督!」ポンポン

提督「?」

鈴谷「膝枕してあげる!」

提督「いらん。わけがわからんぞ」

鈴谷「……い、いや、ほら、雰囲気的にさぁ」

提督「はぁ……」スッ

 ポスン

鈴谷「へ?」

提督「……なんだ、やはり嫌だったか? それなら最初からいうな」

鈴谷「う、ううん! びっくりしただけだから!」

提督「そうか」

鈴谷「えへへ……」

提督「……少し寝させてくれ」

鈴谷「うん。お休み、提督」

提督「ああ」

鈴谷「――んね、提督」ボソッ

ガタッ

鈴谷「?」


 ――20:15――

 鎮守府 司令部棟 廊下


大淀「うーん……」

長門「? 何をうなっているのだ」

大淀「あ、長門さん、失礼しました」

長門「いや、かまわない。それよりも何か悩み事でもあるのか?」

大淀「あはは……悩み事といえば、悩み事ではあるんですけど」

長門「ふむ、私でよければ相談に乗ろう」

大淀「いえいえ、そんな大した事では――」

赤城「へぇ、私も気になりますねぇ。秘書艦の悩みなんて」

大淀「! び、びっくりしたぁ……」

赤城「それは失礼しました。報告に来てみれば面白いお話をしているようだったので、つい気になって」

大淀「え、ええと……報告というと――」

赤城「指揮権をお預かりしている七駆のことです」

長門「ああ、それで曙がいるのか」チラッ

曙「こ、こんばんは」

長門「うむ」

赤城「それよりもどうしたんですか? ついに秘書艦辞任する覚悟がついたとか」

大淀「ち、ちがいます!」

赤城「ふふ……冗談ですよ、冗談」

大淀「……」

長門「そ、それよりなにがあったか話してみてくれ。赤城と私がいれば大体のことには対応できると思うぞ」

大淀「うーん……お二人に話すほどたいしたことでもないので」

長門「? 秘書艦のお前がなやんでいるのだ鎮守府の戦力や資材のことだろ?」

大淀「いえ、はっきり言うと提督のことです」

曙「クソ提督のこと?」

赤城「……曙、そんな汚い言葉を使っちゃ駄目よ?」

曙「ご、ごめんなさい」

赤城「いいえ、分かってくれれば大丈夫よ」ニコニコ

長門「しかし、分からん。あの提督のことで悩むことなどあるか? 放っておいても一人でなんでもしてしまうような人だろ」

大淀「そういうことじゃないんです。なんというか……様子が変というか……」

長門「それこそ分からん。提督が突拍子も無いのはいつものことではないか」

大淀「仰りたいことはわかります。けど、そうじゃないんです」

長門「?」

大淀「例えば提督に『君』なんてよばれたらどうおもいますか?」

長門「きみぃ? はっはっは……あの人はそういうタイプではないだろ」

大淀「けど、そうよばれたんです!」

長門「笑えない冗談はほどほどにしておけ」

大淀「冗談じゃないです! 本当なんですよぉ……」


長門「む……それならば聞き間違いだろう。なぁ、曙」

曙「え!? え、ええと……私もそう思います」

長門「曙もこういっているんだ、かいさ――」

赤城「……大淀、それは本当なんですね?」

大淀「は、はい」

長門「……なんだ、赤城はこんな与太話を信じているのか?」

赤城「ええ。昔の提督は艦娘にそう呼びかけていましたから」

長門「そんな馬鹿な」

赤城「本当ですよ。信じないなら信じないで結構ですが」

長門「しかし、うーむ……分かった。大淀、疑うようなことを言ってすまなかったな」

大淀「い、いえ、私もありえない話っていうのは分かってましたから……」

長門「うむ。しかし、なんでいきなり提督はそんなことを言い出したのか……赤城、心当たりはあるか?」

赤城「……カメラですかね」

長門「カメラ? なんの話だ」

赤城「はぁ……曙、説明してあげてください」

曙「はい。実は――」


 曙、説明中


長門「なるほどな。人の気持ちを数字にする写真機か、明石の技術はすさまじいな。しかし、なぜ大淀はなんでそんなものを作らせたのだ? 資源も時間も有限なのだぞ、装備の改修なり工廠にはほかに優先させるべきことがあっただろ」

大淀「うぇ!? あ、あの提督に少し痛い目――」

曙「え?」

赤城「……」

大淀「あ、い、いえ、提督には艦娘との交流が急務だと思ったので、それに役立てていただければと。あはは……」

長門「なるほど。そういう考え方もあるのか、さすがは秘書艦だな」

大淀「え、ええ……まぁ……」

赤城「ちっ……曙」

曙「は、はい!」

赤城「悪いのだけれど提督の様子を見てきてもらってもいいかしら?」

曙「あ、はい」

赤城「……頼みましたよ。私は急用を思い出したので蒼龍のところにいきます。報告はそちらにきてください」

曙「了解です!」

赤城「うふふ……いい子ですねぇ。その点、大淀も見習うべきじゃないんですか?」

大淀「え?」

赤城「……」

大淀「が、がんばります」

赤城「結構です。それでは私はここで失礼します」

長門「うむ。しかし、報告はよかったのか?」

赤城「ええ、急ぐ事でもないので」スタスタ

長門「……」

大淀「長門さん、どうかしましたか?」

長門「……いや、なんでもない」


 XX17年 10月 30日

 ――09:00――

 鎮守府 執務室

提督「……」カリカリ

 コン、コン

提督「――入ってくれ」

大淀「!?」

朝潮「失礼します! 出撃の連絡に上がりました!」ビシッ

提督「ごくろう」ビシッ

朝潮「旗艦・朝潮以下四隻、これより近海の対潜にむかいます!」

提督「ああ」

朝潮「それでは失礼します!」

提督「……いや、少しまってくれ」

朝潮「?」

提督「……」マジマジ

朝潮「??」

提督「はぁ……君はあれだな、満潮に似てないな」

朝潮「!? あ、あの、どういうことでしょうか?」

提督「いや、こちらのはなしだ。きにしないでくれ」

朝潮「は、はぁ……」

提督(妹と思ってみろと言われてもあまり似てないと難しいものだな……まぁ、それでも髪の色や体形は同じようなものか)

朝潮「あ、あのぉ……もう失礼してもよろしいでしょうか?」

提督「待て、待て」ゴソゴソ

朝潮「?」

提督「数があるのは飴しかないか……。こんなもので申し訳ないのだが、よければ部隊の皆でたべてくれ」

朝潮「い、いえ、そんな……」

提督「遠慮はいらないぞ。私が君たちにあげたいだけだ」

朝潮「そ、それではありがたく頂きます」

提督「ああ、そうしてくれ。そういえば最近はめっきり冷えてきたな」

朝潮「……」

提督「? どうした?」

朝潮「い、いえ、そうですね」

提督「季節の変わり目というのは風邪をひきやすい。ちゃんと体調管理をするように」

朝潮「は、はい」

提督「ああ、あとは――」

大淀「て、提督!」


提督「……どうかしたかね?」

大淀「そろそろお時間のほうが……」

提督「む……そう、だな。朝潮、くれぐれも気を付けてくるように」

朝潮「はい! ありがとうございます!」

提督「それでは――いや、やはりだめだ」

大淀「は?」

提督「大淀、一旦執務室を空けるが頼めるか?」

大淀「それは構いませんけど……あの、どちらに?」

提督「見送りに行ってくる」

大淀「……だれをですか?」

提督「? 朝潮に決まってるだろ!」

大淀「は? はぁぁぁぁぁ!? じょ、冗談ですよね!?」

提督「冗談のはずがないだろ。ほら、朝潮、いこう」ガシッ

朝潮「へ!? あ、あの……あわわわ……!」

 バタン

大淀「……」ポカーン

大淀「ゆ、夢?」


 ――09:15――

 鎮守府 司令部棟 廊下

陽炎「それでねこの前、商店街を歩いてたら水の入った赤い洗面器を頭に乗せた男の人に会ったのよ。当然、私はなんでこんな格好してるんだろうと思って理由を聞いてみたのね。さて、ここでクイズです! なんでその人はそんなことをしていたんでしょう?」

雪風「え、えっと……んー、か。傘の代わりとか」

陽炎「ぶー! その日は晴れです」

不知火「ふっ……自然に考えたらお風呂帰りよ」

陽炎「自然に?」

不知火「なにか?」

陽炎「いや、いいけどさぁ。ふっふっふ……答えは――あ?」

雪風「へ?」

不知火「ちょっと、答えを早く――は?」

陽炎「やばいわ。幻が見える」

不知火「奇遇ね。不知火も提督と朝潮が手をつないでいる幻が見えるわ」

雪風「ゆ、雪風にも見えます」

陽炎「不知火」

不知火「なんで――ムギュー! いふぁい! いふぁい!」

陽炎「ほっぺつねって痛いってことは夢じゃないのね」

不知火「――沈める」

雪風「あわわ……お、落ち着いてください!」

陽炎「そ、そうよ! それよりも提督のとこ行くわよ!」バタバタ

雪風「はい!」バタバタ

不知火「……納得がいかないわ」パタパタ


 ――09:20――

 鎮守府 司令部棟 廊下

陽炎「提督! お疲れ様です!」ビシッ

不知火・雪風「「お疲れ様です!」」ビシッ

提督「ん? 陽炎たちか。本日もご苦労」ビシッ

陽炎「ありがとうござい――じゃなくて! なんで提督は朝潮と手なんかつないでるんです!?」

提督「……あ」

陽炎「?」

提督「あ、朝潮、すまなかったな」

朝潮「い、いえ……」

提督「……」

朝潮「……」

陽炎「え……? なにこの雰囲気……」

不知火「ゆ、雪風、なんとかしなさい」

雪風「は、はい! ええと……うんと……あ、しれー! みて下さい!」

提督「ん? ああ、お守りか。どうしたんだ?」

雪風「舞鶴のお友達に送ってもらった 射水神社のお守りです!」フンス

提督「なるほどな。さすがは雪風だな」

朝潮「? あ、あの」

陽炎「へ!? な、なに?」

朝潮「不勉強で大変申し訳ないのですが射水神社のお守りってなにかとくべつなんですか?」

陽炎「え……そ、その……あれよ。ねぇ、不知火?」

不知火「……」メソラシ

提督「はぁ……分からないならちゃんというように。射水神社は神通の艦内神社の勧進元だ」

雪風「はい! 神通さんに少しでもあやかれればなぁって思ったんです」

朝潮「ああ、なるほど。神通さんは素晴らしい方ですからね、その気持ちは朝潮も分かります!」

提督「うむ。上官を尊敬するということは大切だ」

雪風「えへべ……」

陽炎「なんというか流石に抜け目ないわよね……いや、素なのはわかってるけどさぁ」

不知火「しかし、私たちも今回は勉強になって良かったわ。それに神通さんの艦内神社なんてご利益がありそうじゃない」

陽炎「ああ、確かに。私も誰かに送ってもらおうかなぁ」

朝潮「むむ……二水戦の皆さんが射水神社なら私たち対潜部隊は皇大神宮のお守りを――あ!? そ、それよりも早く戻らないと! 出撃が送れちゃう!」

提督「あ……そ、そうだったな。急ぐぞ!」

朝潮「はい!」

陽炎「あ、ちょっと待って――肝心なことひとつも聞いてないのに行っちゃった……」

不知火「ふん、使えない姉ね」

陽炎「はぁ!? 」

不知火「事実でしょ? 人のほっぺまで引っ張ったのにこの戦果。無様ね」

陽炎「うぐぐ……」

雪風「あ、あはは……」


 ――09:35――

 鎮守府 出撃ドック

霞「遅い! 遅刻よ! 遅刻!」

由良「まぁまぁ、落ち着いて。ね?」

霞「落ち着くも何も朝潮が時間通りにくれば済んだ話じゃない! 頼まれたから手伝いに来たのにこんな待たせられるなんてたまったもんじゃないわよ!」

隼鷹「おーい、霞、ヒートアップしてるところ悪いんだけどさぁ。まだ時間かかるようならあたしたち先にでちゃってもいいかなぁ?」

霞「……別にいいわよ」

隼鷹「あ、そう? いやぁ、ついてるねぇ。なぁ、蒼龍さん」

蒼龍「別に出撃する順番なんかどうでもいいと思うけど……」

隼鷹「カァー! 分かってないねぇ。掃除してから誰もまだ使ってないピカピカの出撃ドックを汚すのが楽しいんじゃん」

蒼龍「わかんないなぁ……その感覚」

飛龍「私はなんとなく分かるよ。新雪みたいなもんでしょ」

隼鷹「そうそう! ハッパフミフミロクジュウシって感じ」

蒼龍「はぁ、さっぱりだよ――って、ん?」

朝潮「す、すみません! 遅れました!」

霞「遅い! なにやって――なんでクズがいんのよ?」

朝潮「霞! 提督にその言い方はだめっていったじゃないですか!」

霞「ふん……!」

朝潮「あ、あの、提督。申し訳ありません。霞も悪気があるわけじゃ……」

提督「いや、構わない。わかってる」

霞「え」

提督「それよりも出撃中はくれぐれも気をつけてな」

霞「ど、どういう風の吹き回しなの?」

提督「別に思ったことをいっただけだ」

霞「」

隼鷹「……なぁ、由良」ヒソヒソ

由良「え、えっと、なにかしら?」ヒソヒソ

隼鷹「今日の対潜哨戒って鉄底海峡でやったりすんの?」

由良「あはは……普通に鎮守府近海のはずなんだけど……」

隼鷹「だよなぁ……明日は槍が降るわ」

蒼龍「ちょっとそれは言いすぎよ。提督だって気まぐれでこういうことする時だって――」

提督「ん? 蒼龍たちもこれから出撃だったか」

蒼龍「は、はい!」

提督「くれぐれも気をつけるように。それと手を出せ」

蒼龍「?」

提督「いいから、ほら」

蒼龍「はぁ――って、これなんですか?」

提督「飴だ。疲れると甘いものが食べたくなるときもあるだろ。良ければ部隊の全員で分けてくれ」

蒼龍「いやいや、飴っていうのは見れば分かるんですけど……作戦行動中に飲食っていうのはちょっと」

提督「うむ。しかし、少しくらいはかまうまい。ああ、勿論、接敵の恐れが無いときに食べるようにするのだぞ」

蒼龍「は、はぁ」


隼鷹「あ、あのさぁ、提督」

提督「なんだ?」

隼鷹「いきなりどうしたっていうのさ……? 」

提督「別にいつもどおりだ。そういえば隼鷹とはもうずいぶんと飲みにいってなかったな、今晩でもどうだ? 奢るぞ」

隼鷹「え!? マジで! ラッキー!」

提督「そうか、そうか。よろこんでもらえたようでなによりだ」

隼鷹「いやいや、やっぱり提督は最高だね! いやぁ、もう一生ついてくよ!」

提督「ははは……そうか、そうか」

蒼龍「えぇ……単純すぎるでしょ」

提督「いやいや、裏があるより竹を割ったような性格のほうがいいじゃないか」

蒼龍「お世辞ですよ、お世辞」

提督「いもう――い、いや、隼鷹はそんなことはせんさ」

蒼龍「?」

提督「そ、それよりも蒼龍たちもなにかほしいものはないか?」

蒼龍「は?」

提督「ほら、普段から頑張ってもらっているからな。そのお礼だ」

蒼龍「……別に私はいいです」

提督「そ、そうか? 飛龍はどうだ?」

飛龍「へ? わたしもいいんですか?」

提督「ああ、ほかのものも構わん。なんでもいってくれ」

飛龍「へぇ! それなら私は――」

由良「あ、それなら由良も――」

ワイ、ワイ

蒼龍「……」


 ――20:00――

 鎮守府 空母寮 一航戦の部屋

赤城「……それでどうかしましたか?」

蒼龍「提督が変なんです!」

赤城「それは昨日、私から話したと思いますけど」

蒼龍「いやいや、あんなおかしくなってるとは思わなかったんですよ!」

赤城「へぇ、なるほど。私の言ったことなどあまり信用していなかったと」

蒼龍「うっ……そんなことは……」

赤城「別に構いませんよ」

蒼龍「あ、ありがとうございます」

赤城「それであなたはどうしたいんですか? 今の優しいやさしい提督は不満だと?」

蒼龍「そんなことはないです。けど、なにかあったのなら私がなんとかしないとって……」

赤城「ふーん……そうですか、そうですか。やはり私と貴女では目指すべきところが違うようですね」

蒼龍「?」

赤城「いえ、こちらの話です。大丈夫ですよ、大丈夫」

蒼龍「は、はい」

赤城「……まぁ、いい機会ですね。蒼龍、明日にでも提督へケッコンカッコカリの指環がほしいといってきなさい。欲しいでしょ? いまなら早い者勝ちですよ」

蒼龍「!? そんなの無理ですよ!」

赤城「やる前から無理とは帝國軍人らしくない言葉ですねぇ。では、そんな情けないあなたに代わって曙あたりにでもやらせることにしましょう」

蒼龍「うぐっ……ま、まってください!」

赤城「ふふ……どうしました?」

蒼龍「……なんで赤城さんが言わないんですか? 私が言ってもらえるのなら赤城さんでも、それこそ誰でも――」

赤城「ふふ、あはは……! 面白いことを言いますねぇ」

蒼龍「……」ゾク

赤城「私では無理でしょうねぇ、あなたはもう少し自分の立場を理解しないとだめですねぇ。それにいらないんですよ。私にはそんなものいらないんですよ」

蒼龍「――へ?」

赤城「ケッコンカッコカリなんて私にはいらないっていってるんですよ。結魂だか、結婚なんだか知りませんが魅力を感じられないので」

蒼龍「なら私が提督とケッコンしても……?」

赤城「どうぞ、どうぞ」

蒼龍「……このことは少し考えさせてください」

赤城「ええ、ええ、そうしてください。けれど時間がかかるようなら――わかってますね?」

蒼龍「はい」

赤城「結構です。さぁ、存分に悩んでください」

蒼龍「……しつれいしました」

 バタン

赤城「ふふ……用意していた舞台とは少し変わりましたが大筋は変わりませんよ」

赤城「さて、この種は何年で芽を吹き出しますかねぇ。艦娘の時なんて永遠にあるんです、私は待ちますよ」

赤城「くっくっく……私が欲しいものができるまで、ね」


 XX17年 10月 31日

――08:00――

鎮守府 司令棟 廊下

蒼龍「……」

赤城「あら、朝から随分と難しい顔をしてますね」

蒼龍「……例の件ですけど一晩考えていうことに決めました。今から提督に言ってきます」

赤城「へぇ。おめでとう」

蒼龍「……あなたの掌の中っていうのが引っ掛かりますけど、もしなにかあっても私は食い破って見せます。それだけ私には欲しいんです、提督が」

赤城「そうですか。結構なことですね」

蒼龍「……失礼します」

赤城「……」ニタァ


――08:00――

鎮守府 執務室

提督「……大淀、煎餅でもたべるか?」

大淀「い、いえ、書類に食べかすが落ちそうなので……」

提督「そうか。勤勉で結構だな」

コン、コン

提督「む? どうぞ」

蒼龍「……失礼します」

提督「蒼龍か……なにかあったのか?」

蒼龍「あの……昨日の話は覚えておいでですか?」

提督「昨日の話? ああ、欲しいものがあれば言ってくれという奴だな、勿論だ」

蒼龍「それで実は私も欲しいものがあるんです」

提督「ほう。よければいってみてくれ私にできることならなんでも――」

蒼龍「指輪です」

提督「む。それはケッコンカッコカリのものという認識で間違っていないか?」

蒼龍「はい」

提督「……すまない。お前が欲しいのであれば渡すのはやぶさかでないのだが、私には指輪が支給されていないのだ。他のものにしてもらえないだろうか?」

蒼龍「……いいえ、どうしても指輪が欲しいんです」

提督「弱ったな……私としても戦力強化のためにも指環は欲しいと思っていたのだが支給されていないのだ」

大淀「へぇ、これぐらいの規模の鎮守府なら一つは支給さてるはずなのですよね?」ニコニコ

提督「……なんともアレなはなしだが私は上官から艦娘と強いきずなが結べていないと判断されている。無駄なものは支給しないそうだ」

蒼龍「つまり、その認識を覆せればいいんですよね? そうすれば私とケッコンしてもらえるんですね?」

提督「? ああ、そうだな」

蒼龍「それならあの写真を送ればいいじゃないですか。私たちと提督が強い絆を育んでるなによりの証拠ですよ」

提督「ふむ……なるほどな。その手があったか、やってみよう」

蒼龍「……ありがとうございます」

提督「いや、こちらこそ思いがけずいい提案をしてもらった。それに渡すのが蒼龍ならもんだい無い装備だしな、君から提案してもらえるとは渡りに船だ」

大淀「装備って……」

提督「指輪といても艤装の一部だからな、間違いあるまい」

大淀「それはそうですけど……」

提督「まぁ、やってみよう。書類は私のほうでまとめて南方海域司令長官に提出してみよう。――ん? どうかしたか?」

蒼龍「いえ……失礼しました」

提督「ご苦労」

 バタン

大淀「……あの、提督」

提督「なんだね?」

大淀「ケッコンカッコカリって提督の中で――いえ、なんでもないです」

提督「? 何か気になることがあれば遠慮する必要はないぞ」

大淀「い、いえ、本当に何でもないです」

提督「そうか。しかし、これでケッコンカッコカリが許されれば鎮守府の戦力も底上げされる。楽しみだな」

大淀「は、はい」


数日後

――18:00――

日本 大本営 第一会議室

元帥「報告書は読ませてもらった。で、俺にどうしろってんだ?」

南方海域司令長官(以下、南方)「ちっ……それを提出してきた提督の戦果を考えればわかるだろ。指輪を支給してケッコンカッコカリも認めてやって欲しい」

元帥「なるほど、なるほど。しかしねぇ……気が乗らねぇ」

南方「あんたの気がどうこうっていう問題じぇねぇんだよ」

元帥「わかってねぇなぁ……これは海軍にとってはでかい問題なんだよ」

南方「ああ? ケッコンカッコカリの一つや二つがなんだっていうんだ」

元帥「はぁ……これだからあんたは現場どまりなんだよ」

西方海域司令長官(以下、西方)「まぁまぁ、落ち着いてください。あ、元帥、私からも一つ申し上げてもよろしいでしょうか?」

元帥「あ? 西方さんもなんか意見あんのかい?」

西方「ええ、ええ、彼とは少々縁があるので」

元帥「ふーん……いいぜ、いってみな」

西方「ありがとうございます。あ、まず彼は国家、ひいては陛下への忠義は非常に篤いものです。加えて年も若いといってよく、これからの帝國海軍を率いていくのにたる人物であると私は思っています。そんな人物ですので、指輪の支給をなんとかかなえてはいただけないでしょうか? 」

元帥「西方さんがそこまで若い奴を褒めるなんて珍しいじゃねぇか」

西方「それだけ彼が優秀ということです」

元帥「……優秀ねぇ。確かに指揮能力だけ見ればそうだろうな。しかし、自分にないものを持ってる人間っていうのは誰でも過剰評価するもんなんだな」

西方「……」

南方「じゃあ、あんたから見て提督は無能だとでもいいたいのか?」

元帥「別にそこまでいってねぇさ」

南方「ちっ……もういい。本部でのんべんだらりとやってるあんたと違って儂は忙しいんだ。早いところ決定をだしてくれ」

元帥「芸者のところに通うので忙しいだけだろ。女の尻ばっかりじゃなくてもう少し俺たち男の顔も見ていきなよ」

南方「はっ! 女の尻なんざ追っかけてねぇよ、あんたと違って女が儂の息子を追っかけ――」

西方「ご、ごほん! あまり話がそれては余計に時間がかかるかと」

元帥「ちがいねぇ。はぁ……さっさと決を下しちまうか」

南方「ふん。そうしてくれっていってんだろ」

元帥「まぁ、南方さんだけじゃなくて西方さんもご推薦ってわけだし。ケッコンカッコカリ自体は認めてやる」

西方「それは良かっ――」

元帥「けどな、条件がある。ケッコンカッコカリは駆逐艦とのみにする」

西方「は? い、いや、失礼しました。しかし。それは……報告書に添付された写真も駆逐艦は曙しか出てきていないですし、難しいのではないでしょうか?」

南方「西方の言う通りだ。あれは空母畑出身だ、それなりに貴重な指輪をやるのに理がない縛りはするべきじゃないだろう」

元帥「空母畑ねぇ……けどな、中央にいたころは水雷戦隊の司令官もやってたはずだぜ?」

西方「それはそうですが……戦力の面からみてもやはり空母の中から選ぶようにしたほうが……」

南方「もしくは重巡洋艦までは認めてやるべきだ」

元帥「だめだ。ケッコンカッコカリは艦娘をそいつの直属に縛って転任も難しくするんだ、そう簡単に大型艦まで許してやることはできねぇ。第一、指輪と書類は餌として支給してるだけで、ケッコンカッコカリを鎮守府司令長官に認めてやるだけでも異例だってことは忘れんなよ」

西方「まぁ、それはなんというか、うむ。むむむ……」

元帥「決定は以上だ。あとは南方さん頼んだぜ」

南方「ちっ……」

元帥「返事はどうした? 返事は?」

南方「……了解した」

元帥「はは……そら結構」


翌日

――11:00――

鎮守府 執務室


提督「……」

大淀「先ほどから電報をみて随分と難しい顔をなさっていますけれどどうかなさったんですか?」

提督「いや、なんでもない。気にしないでくれ」

大淀「はぁ」

提督「……大淀、昼食の後に蒼龍をよんでくれ」

大淀「? ええ、了解しました」

提督「……仕方あるまいな」ボソッ

大淀「?」


――13:00――

鎮守府 執務室


 コン、コン

提督「どうぞ」

蒼龍「失礼します。あの、およびと聞いたんですけど……」

提督「ああ、すまない。例の件だが結果が出た」

蒼龍「? ……あ! ケッコンカッコカリの話ですね!」

提督「あ、ああ、そうだ」

蒼龍「それでどうなりました!?」

提督「……いや、指輪とケッコンカッコカリ自体は認められたのだが、蒼龍の期待には応えられなかった」

蒼龍「え?」

提督「ケッコンカッコカリは駆逐艦とのみ認めるということだ。すまない」

蒼龍「……」

提督「代わりといってはなんだが、ほかの装備の面で見直すようにする。君たちの向上心にはできるだけ応えたいしな」

蒼龍「あ、あの、どういうことでしょう?」

提督「? 練度や燃費の向上のために指輪を欲したのだろう?」

大淀「うわぁ……」

蒼龍「そ、そういうわけじゃないです!」

提督「は? ほかに指輪が欲しい理由があるのか?」

蒼龍「……赤城さんがいらないっていった理由がやっとわかりました」

提督「??」

蒼龍「いえ、なんでもないです……」

提督「そうか、すまなかったな。これに懲りずまた何か欲しいものがあれば言ってくれ」

蒼龍「……はい」

提督「しかし、駆逐艦限定となると難しいな。蒼龍、だれか候補はあるかな?」

蒼龍「……特には」

提督「そ、そうか。すまなかったな、下がってくれ」

蒼龍「……はい」

 バタン

提督「あそこまで落ち込むとは思ってもみなかった……大淀、君のほうで候補はあるか?」

大淀「え!? わ、私ですか!?」

提督「ああ」

大淀「う、うーん……これ、どう答えても面倒が出そうでうねぇ……」ボソボソ

提督「? すまないが、はっきりといってくれ」

大淀「うっ……わ、わたしもとくに候補というほどの娘は……」

提督「そうか……それであれば鎮守府の戦力のことでもあるし、長門達あたりにでも相談してみるか」

大淀「そ、そうしてください」

この世界線の曙持ってるなあ


――13:30――

鎮守府 執務室


提督「――というわけだ。鎮守府の主力である君たちの意見を聞きたい」

長門「なるほどな。駆逐艦のみとなればいろいろと面倒であるな」

金剛「……」

長門「金剛どうかしたか?」

金剛「へ? い、いや、なんでもないデース!」

長門「……そうか?」

金剛「Yes!」

赤城「それよりもさっさと候補を挙げていきましょう。あまり長引かせる話題でもないでしょうし」

長門「いやいや、ケッコン艦はその鎮守府の顔といっても過言ではない、しっかりと議論を重ねるべきだ」

赤城「そうですかねぇ……軍人であれば提督の経歴はみなさんしってるわけですし、空母でもない艦娘を顔としてみますかねぇ」

長門「むっ……それでは空母がこの鎮守府では絶対のようにきこえるが?」

赤城「そういう意図はありませんよ」

長門「……」ジッ

赤城「はぁ……本当ですよ、お気に障ったのなら申し訳ありません。それでは話をもとに戻すためにも私から候補を上げさせていただきます」

提督「うむ」

赤城「曙ですね」

長門「……すまないが理由をあげてもらってもいいか? 改二計画が予定されているわけでもない彼女を上げるということはそれなりのものがあるのだろう?」

赤城「ええ、ええ、勿論です。まず駆逐艦のみという制限があるのであれば、それほどの火力向上は望めません。ケッコンカッコカリの特性である燃費が良くなるという点を鑑みるべきです」

長門「しかし、駆逐艦はもともと燃費にそれほどの問題はあるまい」

赤城「ええ。しかし、曙は私の直属ですので空母の護衛としての練度ということだけであれば鎮守府でも一、二を争います。ということは出撃もそれだけ多いのです。ちりも積もればなんとやらというではないですか」

長門「む……確かにそうだが……」

赤城「それに曙と提督の関係が良好ということも好材料かと」

長門「しかし、私としてはやはりその艦娘の元になった艦艇が武勲艦であることがそれ以上に重要だと思う。こういうことで大事なのは威だ」

赤城「なるほど、なるほど。聯合旗艦をあなたが務めているようなものですね」

長門「……」

金剛「まぁまぁ、落ち着くネー。確かに実利と名声というのは両方大事デース。それを兼ねた娘にすればNo problem」

長門「しかし、そこまでの奴が鎮守府にいるか?」

金剛「それはちょっと水雷戦隊に失礼ネー。例えば雪風や長波なんかは名前も良いし、出撃頻度も高いデース」

長門「ふむ! 雪風に長波か! 迷うがその二人なら雪風だろうな。先任であるし、何かと気が利く。というわけで私は雪風を推そう!」

金剛「単純すぎて助かるネー」ボソッ

赤城「……で、金剛は誰か推す娘はいるんですか?」

金剛「ワタシ? そうネー、うーん……」

提督「候補がいないのであれば無理に言う必要はないぞ」

金剛「いえいえ、こういうのはいっとかないと損ネー。むむむ……ブッキーは扶桑との関係もありますしネー……」ボソボソ

提督「……分かった。時間もかかるだろうし、雉うちにいってくるのでその間に考えておいてくれ」

金剛「Thank you」

バタン


赤城「はぁ……さすがは建造された時から内閣一つ吹っ飛ばした艦はこういうことに熱心ですねぇ。その熱量をもう少しべつのものに向けたらどうですか?」

長門「……おい」

赤城「はて、シーメンス事件のことを聯合艦隊旗艦殿はご存じない?」

長門「違う。あまり誹謗の類は感心せんといっているのだ」

赤城「はい、はい。ご立派なご意見ですね」

長門「貴様……!」

金剛(駄目ネー……やっぱりそこまえ信頼できる直属はいないし、今回は捨て戦ネー)

赤城「おや、その顔は決断が出ましたか?」

金剛「……ええ」

赤城「肝心なことは無駄なあがきをしないことですよ? そのほうが印象がいい」

金剛「……」

 バタン

提督「待たせた。ん? 赤城、どうかしたか?」

赤城「いえいえ、なんでもありません」

提督「そうか? それよりも金剛の意見はでたかな?」

金剛「はぁ……ワタシとしては夕立ということでいいネー」

長門「投げやりだな」

金剛「別にそんなことないネー。夕立に問題でもありますカー? なんといってもNightmare of Solomonネー」

長門「い、いや、それはもちろんないが……」

赤城「……というわけで提督、私たちの意見は以上です」

提督「うむ……君たちの意見はよくよく分かった。いろいろと考えてみよう」

長門「うむ! そうしてくれ!」

金剛「はぁ……もう少し駆逐艦も纏めておかないとダメネー。利根と要相談ネー」ボソボソ

赤城「……」


――22:00――

鎮守府 提督私室


提督「……なぁ」

鈴谷「んー? なーに?」

提督「ケッコンカッコカリなんだが、どうすればいいと思う」

鈴谷「え? 指輪もらえたの?」

提督「ああ。蒼龍から提案された方法で試してみたらすぐに可決された」

鈴谷「へぇ……よかったじゃん!」

提督「うん? ああ……そうだな」

鈴谷「? あれ、あんまり元気ないね。艦隊の戦力増加のためにもほしいって言ってたのに」

提督「条件があってな、駆逐艦のみだそうだ……」

鈴谷「あはは……そうなると提督にはちょっとにがおもいかもね」

提督「……」

鈴谷「ほら、すねない、すねない」

提督「拗ねてなどいない!」

鈴谷「はい、はい。んー、でも駆逐艦の子かぁ……無難に曙ちゃんでいいんじゃない?」

提督「やはりそうなるか……」

鈴谷「うん。写真もとったし、問題ないじゃないかな? 渡してケッコンカッコカリ出来ませんでしたじゃ、話にならないしね」

提督「……ああ」

鈴谷「ねぇねぇ、それよりも鈴谷も指輪欲しいなぁ」

提督「あ? ケッコンカッコカリは駆逐艦のみといっているだろ。なんだ、お前は駆逐艦になるつもりか」

鈴谷「あー、それいいかもね……睦月型駆逐艦・鈴谷みたいな感じ!」

提督「……はは」

鈴谷「なにその乾いた笑い? ちょー傷つくんですけど」

提督「いや、想像したらな……流石に」

鈴谷「もう! それに鈴谷が欲しいのはそっちじゃないし!」

提督「はぁ?」

鈴谷「……鈍いなぁ。ほら艤装じゃなくても女の子が左手の薬指につけるやつもあるでしょ?」

提督「……かんがえておく」

鈴谷「えぇ……それは即断してほしかったなぁ」

提督「うぐっ……もう寝る! お前も部屋に帰れ!」

鈴谷「下手くそだなぁ……あ」

提督「なんだ?」

鈴谷「一緒に寝てあげよっか?」

提督「うるさい! さっさっと帰れ!」

鈴谷「ふふ……はぁーい」


――22:10――

空母寮 一航戦の部屋

蒼龍「……」

赤城「どうしました? 随分と暗い顔をしてますけど」

加賀「そうです! あなたの分のお菓子まで用意したというのになんですか、その顔は」

蒼龍「あの、加賀さん……」

加賀「はい?」

蒼龍「まじめな話をしてるのでちょっと静かにしてください」

加賀「!? あ、あなた、私がせっかく――」

赤城「加賀さん」

加賀「はい」

赤城「ちょっと席を外してください」

加賀「し、しかし……」

赤城「いいから。早く」

加賀「はい……」

 パタン

蒼龍「……赤城さん、こうなることわかってたんですか?」

赤城「いえ? さすがに上の心までは私でも測りかねます」

蒼龍「……」

赤城「それに私としてはあなたがそこまで指輪にこだわるのも意外でした。別に構わないじゃないですか、形だけのケッコンカッコカリなんて」

蒼龍「け、けど……私は……どうしても……」

赤城「はぁ……そうですか」

蒼龍「……」

赤城「ちなみに貴女が私に持ち掛けてくれたサーモン海での計画ですが、アレも見直したほうがいいでしょうね」

蒼龍「な、なんでそう思うんです……? 関係ないじゃないですか」

赤城「くっくっく……いまの提督は他に艦娘の指揮権を譲りませんよ。それにあの愚鈍な男も今の提督を陥れるとは思えません」

蒼龍「……それは別に構いません」

赤城「へぇ、随分といろいろと準備をしてましたけど?」

蒼龍「ええ、提督の立場が守られるのなら問題はありませんし。……それよりも赤城さん、曙を推すのはなんでなんですか?」

赤城「……」

蒼龍「よければ推す子を菊月にしてもらえませんか」

赤城「菊月? 卯月のほうがいいんじゃないんですか?」


蒼龍「冗談は結構です!」

赤城「ふふ……構いませんよ。秋雲だろうが、三日月だろうが私は別にどうでもいいので」

蒼龍「それなら――!」

赤城「しかし、残念でしたね。あなたはいつも半歩遅い」

蒼龍「……」

赤城「すでに私は曙を推しました。意見をいまさら帰るのはちょっと問題ですし、他の方に頼まれるべきでしょうね」

蒼龍「うぐぅ……」

赤城「お話は以上ですか? それでしたらどうぞお帰りを」

蒼龍「……失礼しました」

赤城「ああ、それと最後にいいことを教えてあげます」

蒼龍「……」

赤城「私としてはあなたという存在はもう少し使えると思っていましたが、これでは五航戦とかわりありませんね。もう少し視野を広くもつべきです」

蒼龍「っ……」ギリギリ

 バタン!

赤城「ふふ……おもったよりも使えませんねぇ。残念です、蒼龍?」


一週間後

――14:00――

鎮守府 執務室


提督「……よし、決めた」

大淀「あ、あの、提督」

提督「ん? どうかしたか?」

大淀「決めたというとケッコンカッコカリの件でしょうか?」

提督「ああ、そうだ」

大淀「ちなみにだれにするおつもりで?」

提督「……曙だ。なにか問題があるか?」

大淀「い、いえ、特には」

提督「夕立も雪風も写真を撮っていないからな。万が一ということもあるだろうが、曙であればその点でも安心できる」

大淀「……」

提督「やはりなにか懸念があるように見えるな。君は私の秘書艦だ、意見があればはっきりと言ってくれ」

大淀「本当に何でもないです!」

提督「そ、そうか」

大淀「……良ければ曙を呼んできますが」

提督「うむ、たのむ」

大淀「はい……」


――10分後――

コン、コン

提督「どうぞ」

曙「失礼するわよ」

提督「ああ、よく来てくれたな」ゴソゴソ

曙「? なにやってんのよ?」

提督「いや、どこに閉まったかな……すこし待ってくれ」

曙「はい、はい」

提督「ああ、あった、あった。良ければ姉妹で食べてくれ」

曙「食べてくれって……まさかマショマロ渡すために呼んだじゃないでしょうね?」

提督「ああ、もちろんだ。それは普段から頑張ってくれてる君たちへの感謝とでも思ってくれ」

曙「ふーん……やっすい感謝よね。ま、まぁ、お礼は言っておくけど」

提督「ああ」

曙「……それじゃあ、さっさと本題にうつってよ」

提督「曙にこれを渡したい」

曙「え? これって……」

提督「ケッコンカッコカリの指輪だ。書類もすでに用意してある」

曙「だ、だけど……す、鈴谷さんが……」

提督「ん? 鈴谷がどうかしたか?」

曙「だ、だって……あの日……!」

提督「??」

曙「うっ……なんでもない……」

提督「そうか? もし気分がすぐれないようであれば機会を改めるが?」

曙「ううん……だいじょうぶ」

提督「では、指輪を付けてくれ」

曙「……いや」

提督「嫌だったか? それなら――」

曙「そんなこといってないでしょ!!」

提督「そ、そうか。すまない」


曙「っ……嵌めてよ」

提督「は?」

曙「あんたが嵌めなさいよ! クソ提督!」

提督「わ、わかった。それでは左手を出してくれ」

曙「ん……」

提督「……よし、おわったぞ」

曙「……うん」

提督「? 次は書類への記入だがここに艦名を記入してくれ」

曙「……ねぇ、ほんとうによかったの?」

提督「さっきからなにをいっているのか分らんが、これは赤城の推薦を私が容れたのだ。なにも気にすることはない」

曙「……」

提督「さぁ、記名を」

曙「うん……」

提督「あとはここにわたしの名前を書いて……っと、これで完了だな。曙、ご苦労だった」

曙「こんなので終わりなんだ」ボソッ

提督「さぁ、まだ私は残務がある。戻ってくれ」

曙「……」

提督「曙?」

曙「ううん、ごめんなさい。失礼するわね」

提督「ああ」

曙「……ねぇ、クソ提督」

提督「ん? どうした」

曙「ありがとうございました」

提督「? あ、ああ」

バタン


漣「おっ! ぼのたん、やっと出てきた」

潮「あ、あはは……」

曙「……なによ」

漣「突然の呼び出しなんてなんだったのかなぁって思って――え」

潮「え?」

漣「ね、ねぇ、その左手の薬指についてるのって……」

曙「別に……」

漣「別にってことはないんじゃないでしょうかねぇ? お姉さんにいろいろおしえてーよー」

曙「姉?」

漣「いや、細かいことはともかく。詳細、プリーズ!」

潮「そ、そうだよ!」

曙「うっさい! うっさい!」

潮・漣「「!?」」

曙「あ……。うっ……ちょっとひとりにして!」ブン!

漣「ふぎゃ!?」

潮「あ、曙ちゃん!」

曙「……」タッタッタ

漣「イテテ……」

潮「だ、大丈夫?」

漣「あー、うん、もちのろん。だけどびっくりしたわぁ」

潮「う、うん」

漣「まったく袋に入ってるとはいえお菓子投げるなんて……」ムシャムシャ

潮「えぇ……かってに食べちゃっていいの?」

漣「投げられたんだし、いいにきまってんじゃん!」

潮「う、うん」

漣「まったくさぁ……最近の若いもんはってやつですわ」モグモグ

潮「あ、あはは……」

漣「……ぼのたん、泣いてたね」

潮「……うん」

漣「はぁ……どうしたもんかなぁ」

潮「……」


――23:00――

鎮守府 通信室


提督「通信とはいえ、夜分に呼び出して申し訳ない」

少将『いや、別に構わんさ。私と貴様の仲じゃないか』

提督「単刀直入に言う。例のサーモン海域での作戦だが変更を加えたいしたい」

少将『……ちなみに理由を聞かせてもらってもいいか?』

提督「やはり他人に自分のところの艦娘の指揮を任せるというのは考え直したい」

少将『! それは私の指揮能力に疑問があるということか!』

提督「そ、そんなつもりはない」

少将『ではどういうつもりだ!』

提督「……ここ数日で私は随分と艦娘に慕われていることが分かった。そんな部下を戦わせるのであればやはり直接指揮をとらねばと思ったのだ」

少将『はぁ……分かった。貴様の言い分はよくよく分かった』

提督「すまん」

少将『いや、やはり私が間違っていたのかもしれん。はは……おまえはそんな見た目でもそれなりに誠実な男だったものな。ああ、馬鹿だったかもしれん』

提督「?」

少将『ところで龍驤君は元気か?』

提督「あ、ああ」

少将『また釣りにでも行こうじゃないか。ここ最近、貴様とはロクに話せていなかったし、ゆっくりと雑談でもしよう』

提督「おう、望むところだ。楽しみにしてる」

少将『……私もだ。それではな』ビシッ

提督「ああ」

 ブチッ

提督「……もう自分でもわからん。しかし、もう二度と離せんのだ……これを守るためなら私は――」


――30年後――

XX48年 10月 1日

日本 大本営 海軍大臣執務室


提督「……それでどう責任をとるつもりだ?」

戦隊司令「そ、それは……大変、申し訳ありませんでした!!」

提督「謝ってどうにかなるというものでもあるまい。私は別にお前なんぞに期待はしてなかったが、失敗は失敗だ。さっさと辞表をだすことだな。それが嫌ならば降格の上に最前線に飛ばしてやる」

戦隊司令「そ、それはなにとぞご容赦ください!」

提督「くどい。神通、つまみ出してくれ」

神通「はい」

戦隊司令「元帥! 元帥!! お許しを!!」ズルズル

 バタン!

提督「はぁ……使えない奴らばかりだ。大淀もそうおもわないか?」

大淀「い、いえ、私はそんな……」

提督「はっはっは……他人の悪口は言わないか。立派だな」

大淀「い、いえ」

提督「あの男の後釜は……そうだ、川内に任せよう。それがいいだろう、な?」

大淀「おっしゃる通りだと思います……」

提督「はっはっは……!! そうだろう、そうだろう」

神通「提督、戻りました」

提督「ああ、ご苦労だった。それよりも喜んでくれ、アレの後任だが川内に任せることにしたぞ」

神通「……ありがとうございます」

提督「私が元帥号を賜り、連合艦隊司令長官と海軍大臣を兼任するようになってもう5年だ。素晴らしいことに随分と人事も刷新できた。これからもどんどん艦娘を登用していかねばな、はっはっは……!」

大淀「! 提督、お言葉ではありますが、もう事務作業ができるような艦娘はのこっていません!」

提督「建造すればいいじゃないか」

大淀「それはコスト面で――」

提督「予算か……なぁ、大淀、現状の国防は誰が担っているのだ?」

大淀「へ?」

提督「深海棲艦の脅威に対応しているのは実質、われら帝国海軍のみではないか。陸の予算など削れるだけ削ればいい。それにインフラにかかっている費用もどんどん削減していくべきだ、爆撃の一つで吹っ飛ぶものよりも爆撃を防ぐことに金をかけるのは道理だろ」

大淀「いけません! ただでさえ、官民ともに長引く戦争に疲弊しているというのにこれ以上の軍拡など無謀です!」

提督「……そうだな。考えが足りなかったかもしれん、すまん」

大淀「い、いえ」

提督「神通、会議に向かうので同行してくれ」

神通「はい」

提督「それではいってくる」

 バタン

大淀「……」


――15:00――

日本 大本営 聯合艦隊旗艦執務室

金剛「……」

榛名「お姉さま?」

金剛「ンー? どうかしたネー?」

榛名「あ、いえ、随分と難しそうな顔をなさっていたので」

金剛「テートクから艦政本部長への就任要請があったネー」

榛名「! おめでとうございます! 艦娘で他の人たちじゃ考えられないことです!」

金剛「……」

榛名「あ、あれ?」

金剛「……榛名はワタシが艦政本部長になってなにができるとおもってるんデース?」

榛名「へ? そ、それはもちろん、えっと、あの――」

金剛「はぁ、そういうことネー。テートクが海軍大臣を兼任してる今の状況じゃ、お飾りもいいところデース。聯合艦隊旗艦のほうがよっぽど艦娘に対して影響力があるネー」

榛名「それは……」

金剛「どうせ長門か、扶桑あたりにせっつかれての変更。赤城が蠢動しているのにここから転げ落ちればもうワタシが主流派になることはないネー」

榛名「……では、おうけしないと?」

金剛「当たり前ネー。ワタシは上昇志向はあっても目の前の毒まんじゅうに飛びつくほど馬鹿じゃないデース」

榛名「流石は――」

金剛「……それでもこの提案が惜しいのも事実デース。なんといっても原則は中将しかなれない艦政本部長」

榛名「は、はぁ」

金剛「いいデースか? 現状を打開するための鍵は曙ネー。元帥号まで授与されたテートクの唯一のケッコンカカッコカリ艦。昔ならいざ知らず、今の優しいテートクには求心力があるデース。で、榛名、ワタシの言いたいことはわかりますネー?」

榛名「……けど、曙ちゃんは一航戦の直属ですよ?」

金剛「別に赤城からワタシに鞍替えさせろとまでは言わないネー。ただ、ワタシとも仲良くしてほしいだけデース」

榛名「うっ……わかりました」

金剛「ここまで来たんデース。嫌いだったテートクにも媚まで売って」

榛名「は、はい」

金剛「期待してるネー」


――21:00――

日本 大本営 空母寮 一航戦の部屋


赤城「ふふ……」

加賀「ふぁ? ふぁあきふぁん」ボリボリ

赤城「……食べながら話さないでください」

加賀「……ゴクン。すみません」

赤城「はい、はい」

加賀「そういえば最近、お帰りが遅いですがなにかあったんですか?」

赤城「ええ、ええ、少し提督にたのまれごとをされていまして」

加賀「ああ、なるほど。そういえばこれ提督にいただいたんですが、赤城さんも一緒にいかがですか?」

赤城「結構です」

加賀「そうですか……」

?「すみません、曙です」

赤城「どうぞ」

曙「あの、お呼びと聞いたんですけど」

赤城「ええ、ええ、まずは座ってください。立ってお話というわけにはいかないでしょ?」

曙「えっと、はい」

赤城「さて、あなたのところに最近、金剛型姉妹の誰かや西村艦隊の子がきてませんか?」

曙「え? そんなことないですけど……」

赤城「そうですか。さて、少し早かったかもしれませんねぇ」

曙「あの、詳しく教えてもらってもいいですか?」

赤城「たいしたことではありませんよ。ただあなたの直属の上官である私たち以外に何か言われても深く考えないようになさい」

曙「……わかりました」

赤城「ふふ、いい子ね、本当にいい子だわ」

曙「ありがとうございます。えっと、お話は以上でよろしかったんでしょうか?」

赤城「ええ、もう退出してもらってもかまわないわ」

曙「……失礼しました」

赤城「ああ、そうだ。どんなことがあってもあなたたち第七駆は私たち一航戦の大事な麾下……いえ、家族だということはわすれないでくださいね?」

曙「! は、はい!」

赤城「いい返事ですね。おやすみなさい」

曙「ありがとうございます!」

加賀「……赤城さん」

赤城「はい? どうかしましたか?」

加賀「いえ、私も少し用事があるので出てこようと思います。曙、送っていくので少しまってなさい」

赤城「……へぇ、こんな時間にお出かけですか」

加賀「え、ええ、ちょっと急用を思い出したもので」

赤城「ふーん……それでは私は先にお休みさせてもらいますけどいいですね?」

加賀「勿論です」

赤城「そうですか。それではいってらっしゃい」

加賀「はい」


 ――21:30――

 日本 大本営 練兵場


加賀「……」

曙「あの、加賀さん、どこにいくんですか? この時間に練兵場なんてきたって――」

加賀「いいからついてきなさい」

曙「は、はい」

加賀「……ここなら誰も聞いていないわね」

曙「へ?」

加賀「これだけ開けていれば聞き耳も立てられないということです。それよりも曙、正直、答えてほしいのだけれど赤城さんのことをどうおもってるの?」

曙「どうって……勿論、尊敬できる上官だと思ってます」

加賀「本当にそう思ってる?」

曙「……なんでそんなこときくんですか?」

加賀「……先にあなたが私の質問に答えなさい。そうすればわけを教えてあげる」

曙「うっ……勿論、赤城さんのことは本心から尊敬できる人だと思ってます。ただ最近はよく分からないことをいわれるな、とは思いますけど……」

加賀「……そう。私も最近の赤城さんはどこか様子がおかしいと思っているの。今日だってあなたを部屋にまで呼び出して、あんなことをいっただけ。どうにもわからないわ」

曙「で、でも、家族だなんていってもらえたのはうれしかったです、えへへ……」

加賀「……本心からそう思っているのなら私も安心なんですがね」ボソッ

曙「え? なにかおっしゃいましたか?」

加賀「別に。それよりも赤城さんはあなたが思っているほどやさしい人ではないわ」

曙「……そんなことないです!」

加賀「迷ったわね? それならあなただって少しは分かっているはずです」

曙「うぐ……」

加賀「私と赤城さん、どちらのいうことを信じるかはあなたしだいだけれどあまりあの人のいうことを信用しないようになさい。痛い目をみるわよ」

曙「ど、どうして加賀さんがそんなこというんですか!? 赤城さんと加賀さんは一航戦の――」

加賀「静かに。私はあなたたちのことを大切に思ってるわ。だから、忠告しているの」

曙「……」

加賀「いい? 赤城さんに憧れているというあなたの気持ちは否定しないわ。ただもう少し視野を広げなさい。そうしなければあなたは不幸になる」

曙「……わかりました」

加賀「そう。最近は物騒だし、送っていくわ」

曙「いえ、一人で帰れます。それにちょっと一人で考えてみたいんです……」

加賀「……わかりました。くれぐれも気をつけなさい」

曙「……ありがとうございます」

一旦、ここまでとさせていただきます。
埋めネタのはずがここまで長くなるとは……うごご……

>>969
色々と大事なものを持っています。
ただ運に関しては……いいのか微妙かなぁって


ぼのたんかわいそう…


有能な提督が老害になりつつあるなんて、時の流れは残酷だなあ

位人臣を極めて、身内で周りも固め始めた。
んーなんか不穏ですね。数十年後○○事変とか言われそう
曙はEOSでも持って暁の水平線を眺めに行きなせ


 ――2日後――

 ――12:00――

日本 大本営 グラウンド 

ワー、ワー

島風「てーとく、おっそーい!」

提督「はぁはぁ……ゲッホ、ゴッホ……す、少しまってくれ」

電「はわわ……だ、だいじょうぶなのですか?」

提督「う、うむ……もう少し待ってってくれ、そうすれば私も――」

霧島「……提督、探しましたよ。近海の司令部より報告書が上がってきています」

提督「後で読むので置いておいてくれ」

霧島「緊急ということです」

提督「そうか……島風!」

島風「ん! はーい!」

提督「鬼ごっこは一時中断だ。仕事が入ってしまった」

島風「えー!」

提督「すまん、すまん。すぐに終わらせるから許してくれ」

島風「はーい……」

提督「ふふ……電、これでみんなとジュースを飲んでいなさい」

電「はいなのです!」

提督「さてと……」ペラ

霧島「一応、極秘資料になりますので執務室で読まれたほうが――」

提督「はは……かまわんさ」

霧島「はぁ」

提督「――ちっ。またか」

霧島「? どうかしましたか?」

提督「いや、3日前の夜戦訓練中に4隻の艦娘が行方不明になったとのことだ」

霧島「穏やかではありませんね」

提督「うむ」

霧島「この前は駆逐艦五隻が一気に消えたと聞いていますが……」

提督「そのとおりだ。一応は潜水艦か空襲によって一気に沈められたのだろうという結論になった」

霧島「ありえません! 大破からの長距離の航行によって艤装の力を失わない限り艦娘は沈まないはずです!」

提督「そうだな」


霧島「提督! 悠然と構えられていますがこれはどんな艦娘でも一撃での轟沈は確認されていなかったはずです。つまりは新兵とはいえ、5隻が連絡する間もなくロストしたとしたら私たちの戦術の基本が崩れます! 至急、お調べになるべきです!」

提督「もちろん調べてはいるんだ。しかし、これが事実ならば何事も慎重に進めねばなるまい? 間違った情報を愚者に与えて混乱させては被害が広がる恐れがある」

霧島「おっしゃりたいことはわかりますが……やはりことを明らかにして海軍全体で取り組むべきだと思います。それだけ大きい問題なはずです」

提督「なるほど。霧島の意見はよくよくわかった、よく考慮させてもらうことにするよ」

霧島「……お聞き入れいただきありがとうございます」

提督「ははは……そんな大げさに言わないでくれ。それとこの司令部の長官は艦娘をこれだけ一気に失ったのだ、引責で解任とする。後任はそうだな……加賀に任せよう」

霧島「か、加賀さんですか?」

提督「ああ。なにか問題があったかな?」

霧島「い、いえ。しかし、最近では軍内で怪文書も出まわっていると聞きますし、あまり無理をなさらないほうがよろしいかと」

提督「……私が大逆不定の輩とかいうやつか?」ギョロ

霧島「は、はい」

提督「馬鹿馬鹿しい。元帥殿は無能どもを野放しにしていたから戦争を終わらせられなかったのだ。それに私がどれだけの軍功を上げてきたと思っている?」

霧島「しかし――」

提督「わかった、わかった。霧島にそうまで言われては無能どもにも多少は考慮するようにしよう」

霧島「よろしくお願いします」

提督「うむ、よーし、島風、鬼ごっこを再開できるぞ!」

島風「はーい!」

提督「よし、今度こそはつかまえてやるぞ!」

島風「わー! まけませんよー!」

ワー、ワー、キャーキャー

霧島「……」


 ――12;30――

 日本 大本営 艦娘用食堂

漣「メシウマ!」

潮「あ、あはは……」

曙「……」 モグモグ

朧「今日の午後ってどうなってたっけ?」

曙「いつもどおり座学よ」

朧「ああ、そっか。食べ終わったら教科書もってこないと、かぁ」

漣「ねぇねぇ、そんなことよりも聞いて、聞いて! 面白い話があるのよ」

曙「漣の面白い話ねぇ……」

朧「まぁ、暇なんだし聞くだけ聞いてあげたら?」

漣「ちょっ!? なんなのその扱い!」

朧「普段の自分の行い考えてみたら?」

漣「うぐ……なんもいえねー」

曙「はい、はい」

漣「うぅ……ぼのたんとかにたんがいじめる! うしおっち、助けて!」

潮「モグモグ……へ? あ、そ、そうなんだ、あ、あはは……」

漣「……もういいもん! 一人でしらべるもん!」

曙「調べる?」

漣「あ、いっけね」

曙「そういうのいいからさっさとはなしなさいよ」

漣「つれないなぁ……。えっと、この前、扶桑さんが夜警をしてたときなんだけど――」

潮「ま、まって!」

漣「ん? どったの?」

潮「ひょ、ひょっとして怖いはなし?」

漣「まぁ、そうなるな」

潮「! あ、あの、私、用事があるから――」ガシッ

朧「まぁまぁ、最後まで聞いて上げなよ」

潮「け、けど……、うぅ……」

朧「ほら、漣、続きを早く」

漣「あらほらさっさー! 皆は扶桑さんたちが昔から夜警をしてくれてるのはしってるとおもうんだけど、その日は山城さんも最上さんも用があって一人で見回りりをしてたんだって」

曙「……ああ、2日前の夜でしょ?」

漣「あ、あれ、しってたん?」

曙「たまたま扶桑さんにあったのよ」

潮「え。でも、その日は赤城さんのところにいったんじゃなかったけ?」

曙「……その帰りにあったのよ」

漣「ふーん、ならオチしらないの?」

曙「ええ」

漣「よっしゃ! それなら続き話すね! そんでね、そんでね、司令部棟をみてまわってるとその日はなんかまわりが暗いなっておもったんだって」

朧「暗い? え、なんで?」

漣「……カニたん、そりゃあわかんないよ」

朧「えぇ? それおかしくない? ふつうはなんで暗いかなんてすぐわかりそうなもんじゃん」


漣「うぐっ……と、とにかく! 扶桑さんもちょっと不思議に思ったけど、深く考えないで夜景を続けたの! それで一階の一番端あたりに来た時になんかズッ、ズッってなにかを引きずるような音が聞こえてきたんだって」

潮「あう……」

漣「勿論、『こんな時間になにをしてるんだろう?』そう思った扶桑さんは音のしてきたほうにいくことにしたのね。するとそこには――」

朧「ふぁ……」

潮「お、朧ちゃんはこわくないの?」

朧「まぁね」

漣「――はまるで大きなナメクジでも這ったような跡が残っていたんだ!」

潮「な、なめくじ……!? ひっぅ!?」

朧「……もうちょっとオチどうにかできなかったの?」

漣「いやいや、オチとかじゃなくて本当にあった話なの! だいたい、カニたん、突っ込みすぎ。ははぁん、本当は怖かったり?」

朧「そ、そんなわけないじゃん!」

漣「あっ……ふーん」

朧「ちょ、ちょっ――ガシィ――ひぃ!?」

赤城「あ。あら? どうかしたの?」

朧「あ、赤城さん」

赤城「ええ、ええ、私ですよ」

朧「お、驚かせないでくださいよぉ……」

赤城「……ごめんなさいね。それよりも食堂であんまり大声を出すのは感心しないわ」

朧「す、すみません」

潮「ご、ごめんなさい」

漣「以下同文です!」

赤城「気を付けてね? あら、曙、どうかしたの?」

曙「い、いえ、なんでもないです」

赤城「そう? なんなら医務室までつれていきましょうか?」

曙「だ、大丈夫です!」

赤城「そう? それじゃ、私はこれで失礼しますね」

曙「あ、あの!」

赤城「はい?」

曙「あの、二日前って私と加賀さんが部屋から出た後はすぐにお休みになったんですよね?」

赤城「……? ええ。それにしても不思議なことを聞く子ね」

曙「あ、す、すみません。本当に何でもないんです」

赤城「そう? それじゃあ、私はここで失礼しますね」

曙「あ、はい。お疲れ様です」

赤城「ええ」スタスタ

漣「カニたんのせいで怒られちった」

朧「なんで、私のせいなのよ! それにその呼び方やめてよ!」

漣「えー? かわいいじゃん」

朧「かわいくない!」

曙「……」

潮「……どうかしたの?」

曙「なんでもない。気にしないで」

潮「う、うん」


 ――17:00――

 日本 大本営 戦艦寮 扶桑型の部屋


扶桑「はぁ……」

黒潮「どうしはったんですか?」

扶桑「ちょっと寒くなってきたじゃない? だから明日の出撃が憂鬱だなぁって」

黒潮「あ、それならうちほっかいろ持ってますわ」

扶桑「あら……それじゃあ後で分けてももらってもいいかしら?」

黒潮「勿論です!」

扶桑「ふふ……ありがとう。――それで曙ちゃんはどうかしたのかしら? お茶を飲みに来たというならすぐに用意するけれど」

曙「あ、いえ、構いなく」

扶桑「そうはいっても……ねぇ、雲龍ちゃん?」

雲龍「え? あ、はい」

曙「本当に大丈夫です。それよりも聞きたいことがあって……」

扶桑「私に? ちゃんと答えられるかしら……」

曙「二日前の夜警の時のことです」

扶桑「二日前? ああ、曙ちゃんとあった時のことかしら?」

曙「はい。それであの跡ってどこまでつづいてたんですか?」

扶桑「ふふ……どうしようかしら? 私の顔みたら逃げちゃった子にただで教えてあげるのももったいない気がするわね」

曙「……次の聯合艦隊旗艦は扶桑さんだと思います」

扶桑「……そう? 赤城でなく、私だと思うの?」

曙「はい」

扶桑「ふふ……くふふ……そんなふうにいってくれるのなら教えてあげるわ。提督が作られた司令部裏の東郷神社まではそんなあとがあったわね。でも、不思議なのよねぇ。跡が消えているのに濡れたそれらしきものも人影もなかったのよねぇ」

曙「その、神社の中もちゃんとみたんですか?」

扶桑「ええ、勿論よ」

曙「……」

黒潮「なんや、黙りこくって。まさか曙は扶桑はんが嘘ついてるとでもおもってるん?」

曙「そんなこと一言も言ってないじゃない。……扶桑さん、失礼しました」

扶桑「あら? もういいの?」

曙「ええ」

扶桑「それならやっぱりお茶でも――」

曙「結構です」

バタン

扶桑「あら、振られちゃったかしら」

黒潮「ふん、けったいな奴」

扶桑「ふふ……」


 ――25:00――

 日本 大本営 東郷神社境内


曙「……」キョロキョロ

?「ちょっといいかしら?」

曙「!? だ、誰!?」

加賀「……わたしです」

曙「か、加賀さん……」

加賀「感心しないわね、こんな時間に出歩くなんて」

曙「な、なんでこんなところにいるんです……?」

加賀「食堂にいたらあなたが見えたから追ってきただけよ。それよりも就寝時間はもう過ぎてるわよ。部屋に戻りなさい」

曙「うっ……ぎ、銀蠅してた加賀さんも人のことを言えないと思いますよ?」

加賀「! な、なんでわかったの!?」

曙「……」

加賀「あ……」

曙「……」

加賀「ゴホン……わたしのことはおいておきましょう。それよりもこんな時間になにをしているの?」

曙「ちょっと……きになることがあったので調べ物を」

加賀「調べもの? 明日じゃいけないのかしら?」

曙「はい」

加賀「……しかたないわね」

曙「え?」

加賀「私も手伝いますから、はやく終わらせて休みなさい」


曙「だ、大丈夫です! 一人で大丈夫です!」

加賀「……何をそんなに焦っているの? なにか隠し事かしら」

曙「あう……」

加賀「大丈夫」

曙「へ?」

加賀「いったでしょ? 家族だって」

曙「……これ、みてください」

加賀「? 命令書ね。それがどうかしたの?」

曙「あの、この命令書の宛先を見てください」

加賀「……本土近海防衛戦隊所属艦娘へ? あなた、これどこで拾ったの?」

曙「加賀さんとお話しした日の夜に正門近くでびしょびしょになってるのを拾いました」

加賀「びしょびしょ?」

曙「はい」

加賀「わからないわね。それがあなたの調べものとなにか関係あるの?」

曙「……実は正門からここまでなにかを引きずったような跡が続いてたんです。ひょっとして、この紙を落とした子がー―」

加賀「わかりました。すぐに提督に相談しましょう」

曙「駄目です!!」

加賀「!?」

曙「あ……お、おおきなこえを出してすみませんでした……」

加賀「い、いえ、大丈夫です。けれどあなたの予想が当たっているのならきっと危険なことよ? なんで提督には相談しないの?」

曙「……」

加賀「……」

曙「だって、きっと……」ボソッ

加賀「……そうね。とにかく神社を調べましょう」

曙「……はい」


 ――25:30――

日本 大本営 東郷神社本殿内


加賀「暗いわね……。明かりは持っているかしら」

曙「あ、はい。すぐに懐中電灯のスイッチいれます」 カチッ

加賀「私の分ももってたりしないわよね?」

曙「す、すみません」

加賀「いえ、もってなくて当然です。えっと、周りをよくよく照らしてもらってもいいかしら?」

曙「はい。えっと、お祭りの時につかうおみこし以外なにもないですね」

加賀「そうね……。さっきのひきずったような跡はここで消えてたのは確かなのね?」

曙「扶桑さんはそういってました」

加賀「……地下室ね」

曙「地下室ですか? そんなのなかったとおもいますけど……」

加賀「隠し扉があるんじゃないかしら? そうじゃなければここで跡が消えてた理由が説明ができないわ。勿論。扶桑が嘘をついてないというのが前提だけれど」

曙「……そんな漫画やゲームじゃあるまいし」

加賀「なにごとも確かめてみるのは大事よ。部屋の隅から歩いて音を確かめるわよ」

曙「……はい」

――3分後――

コン

加賀「! みつけたわ」

曙「え!? ほ、本当にあったんですか!?」

加賀「ええ、やっぱりなにごとも自分で確かめてみるべきね」フフン

曙「うぐっ」

加賀「……それにしてもどうやってあけるのかしら? 取手が見当たらないわ」

曙「隙間になにかいれたりもちあげたりするんじゃないですか?」

加賀「なるほど」

曙「えっと、なにかそんなことできるようなもの探してきます」

加賀「そんな面倒なものをさがなくても――」

 ガン!

加賀「――ほら、おもいっきり蹴っ飛ばせばあくわよ」

曙「空いたのは穴です……」

加賀「細かいことは気にしないの」

曙「は、はぁ……」


 ――25:50――

 日本 大本営 東郷神社地下


加賀「……」

曙「……」

加賀「艤装の解体施設ね……」

曙「……はい」

加賀「……あなたはここでみたものをどうするの?」

曙「どうするって……。はは……どうしようもないじゃないですか……」

加賀「そう、ね……」

カツン、カツン

曙「!」バッ

?「警報が鳴ったので見に来てみれば君たちか……こんなところでなにをしている?」

曙「クソ提督……」

提督「もう消灯時間は過ぎているぞ? さぁ、部屋に帰ってねなさい」

加賀「曙、私の後ろに」

曙「……」

加賀「曙!」

提督「? なにかあったのかね?」

加賀「……提督、私たちをどうするつもりです?」

提督「どうする? なにをいっている? とにかく冒険はここまでにして大人しく休みなさい」

加賀「こんな場所をみられたんです。口封じをするつもりなら――」

提督「待て、待て。さっぱり話がみえんぞ」

加賀「は?」

提督「私はここで他の部隊の艦娘の艤装を解体しただけだ。なにか問題なのか?」

曙「ちょ、ちょっと……なにいってんのよ……? こんなこと許されるはずないじゃない!」

提督「ああ、確かに世間にばれては問題あるだろうな。しかし、君たちはこのことを公表する気はないだろう? ならばなんの問題もない」

加賀「……」

提督「もう少しだ。もう少しで艤装の力の解明が終わる。そうなれば私も君たちとずっと同じ時を生きていける。今度は手ばなさずに済むのだ、素晴らしい! 本当に素晴らしい!」

曙「艤装の力って……」

加賀「不老のことですね」

提督「そうだ! もうおびえなくて済む! もう離れ離れになることはないんだ! なぁ、■■!」

加賀「■■? 女性の名前?」

曙「あ……妹さんの名前」

提督「妹? ああ、そうだ。しかし、君たちの名前だ」

曙「は?」

提督「だから、私のような男でも慕ってくれるのだろ? あの時、お前を殺してしまった私を罰するために! 安心してくれ、今度は一人にはしない。私は――」

曙「寝言言ってんじゃないわよ!」

提督「――は?」


曙「私は特型駆逐艦18番艦! 綾波型8番艦の曙よ! そんなわけわかんない女じゃない!」

提督「……うるさい」

曙「あんたがなに考えてるのかなんて元からさっぱりわかんなかったわよ。だけど、今は本当になにひとつわかんないわ!」

提督「……ならば私にこれ以上の十字架を背負わせるな! こんな、こんな、私怨だけで動いている私などが一方的に慕われるなどあってはならないのだ!」

加賀「……あの」

提督「なんだ?」

加賀「残念ながら私は提督のことは慕っていませんが」

提督「は? し、しかし、カメラが――」

加賀「私とは写真を撮っていないはずです」

提督「うぐっ……しかし、ほとんどの艦娘は高い数字を出したのだ! 」

曙「その自惚れやめなさいよ!」

提督「黙れ!」

曙「誰も理由なく、あんたを好きになったりなんかしないのよ! 私だってキス島がなければあんたのことなんか殺してやりたいぐらいだったわ! 無条件で慕ってくれるクソ提督の妹なんかここには一人もいないのよ!」

提督「ぐぐぐ……」バッ

曙「あ! 待ちなさい!」

加賀「追いかけますよ!」

曙「はい!」


 ――26:30――

 日本 大本営 戦艦寮 金剛の部屋


提督「はぁはぁ……ありえないんだ、これは私への罰なんだ……。そうなんだ、あいつもそういったではないか!」

バーン!

金剛「!? テ、テートク、どうしたんデース!?」

提督「はぁはぁ……金剛、腹を割って話がしたい」

金剛「は、はぁ」

提督「お前は私んことをどうおもってる!?」

金剛「ン―……? ンー!? ちょ、ちょっと言ってる意味が分からないデース」

提督「私はお前が嫌いだった。あの時の艦娘を思い出させるお前が嫌いだ、妙になれなれしくて馬鹿でかい声で話すのも、時折私のことを馬鹿にしているのではないかという態度のも大嫌いだ」

金剛「……」

提督「……くくく、そうか、そうか。私は一人で踊っていたようだな」

金剛「ちょ、ちょっと、テートクなに言ってるんデース!? ワタシは――」

提督「いい。目は口ほどにものをいうか……まったくそのとおりだな、はっはっは……!」

バタン!

金剛「!」ビクッ

金剛「……ちっ、なんなんデース」

金剛「ふふ……あの調子じゃ、また一からネー。でもワタシは――」

金剛「――あきらめないネー。あの約束を守るまでは絶対に上に上り詰めてみせるネー」ボソッ

ちょっとヤバいかなぁって思ってたんですが、カットいれても結局は4隻目のレス上限をオーバーしてしまいました……
続きは5隻目のほうでかいていきます。

更新は勿論、レス返が遅くなってもうしわけありませんでした。

>>986
if編は主役になってもロクな目に合わないですね…
当初はハッピーエンドだったんだけど……これ以上の長編になりそうなので大幅に変更加えました。

>>987
時の流れ+α

>>988
不穏なのはいつも通りといえばいつも通りですが、結果はまさに事変となります。

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