ことり「花陽ちゃんと料理」(18)

※流血あり、ヤンデレあり

にこちゃんの思い付きで料理対決をする事になった私達。

なんでも、これからはクッキングアイドルの時代なんだって。

4組に分かれて料理をすることになったから、

私は花陽ちゃんを誘って、

今日は2人きりで料理の練習♪

花陽ちゃんとの料理…楽しみだなあ…

ことり「お題は、カレーライスだったね」

花陽「そうだね…どんなカレーにしよう…」

ことり「本格的なのは他のチームに任せて、私達は私達で作れるカレーにするのはどうかな?」

花陽「うん、賛成~」

カレーの内容は私にとっては何でもよかったんだ。

少しでも長く、花陽ちゃんが私のものである時間が長ければ、何でも…

花陽「ルーの辛さはどうしよっか」

ことり「にこちゃんが辛いのは苦手だから、中辛にしよう♪」

花陽「ふふ、そうだね」

ことり「具は…にんじんと…じゃがいもと…お肉は?」

花陽「普段は豚肉だから、豚肉でいいかな…」

花陽「あっ!えへへ…」

ことり「どうしたの?」

花陽「せっかくのことりちゃんチームだし、鶏肉にしない?」

ことり「面白くていいね!」

花陽「でも、それじゃあお花も入れないとだめかなぁ…」

ことり「そこまでしちゃう?」クスッ

ことり「お米でこだわればいいんだよ♪」

花陽「はぁ~!いいアイデアです!」

いいアイデア…もう1つ思い付いてるんだ。

けどね、花陽ちゃんにはまだ内緒…たぶん、この後も…。

ことり「鶏肉だったから、結構安く済んだね」

花陽「うん!今日のカレーをベースに、私達らしいカレーに出来たらいいなぁ」

ことり「そうだね♪ 」

ことり「もうすぐお家に着くけど、早速作る?」

花陽「うーん…ちょっと休憩したいかも…」

ことり「じゃあ、少しお茶にしよっか」

花陽「わーい♪」


ことり「そこで座って待っててね、買ったものを冷蔵庫に入れてくるから」

花陽「ありがとう」ポスッ

ことり「あ、コーヒーと紅茶、どっちがいいかな?」

花陽「えーっと…紅茶の、あったかいの!」

ことり「うん わかったよ」

今日はおかあさんの帰りが遅い日。

良い機会だもん…お茶を飲んで、

花陽ちゃんにはゆっくりしてもらわないとね…

ことり「紅茶に合うお菓子も持ってきたよ~」

ことり「どうぞ♪」

花陽「これって手作り?」

ことり「うん、まぁ、昨日作った余りだけどね」

花陽「わーい、いただきまぁす」

ことり「召し上がれ♪」

花陽ちゃん…可愛い…

私は、運動も歌もそこまで自信はないし、

アイドルについても花陽ちゃんほど情熱的じゃない…

花陽ちゃんだって、内気な所があるし、やっぱり運動も

得意じゃない…でも、 ううん、 だから、

花陽ちゃんはとっても頑張ってる。

私より、前を向いてる。

そんな所が、素敵なんだ…

ことり「美味しい?」

花陽「うん! 癒される味♪」

ことり「良かった♪ 一緒に料理するの、楽しみだね」

花陽「私も! ことりちゃんのそばで料理してみたかったんだ」

嘘。そんなこと、あるわけないよ…

ほんとは、にこちゃんとアイドルの話をしたかったり

凛ちゃんの近くで練習もしたいはずなのに

私のところにも、花陽ちゃんは来てくれる…

嬉しいの。花陽ちゃんが話しかけてくれると。

穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張ってないし

海未ちゃんみたいに厳しく仕切ってもいない、そんな私に…

尊敬されてない方だと、思ってばかりだったから…


ことり「じゃあ、片付けたら手を洗って始めよう」

花陽「うん!」 フラッ

花陽「あ、あれ…?」

ことり「大丈夫? 立てる…?」

それからかな…花陽ちゃんが他のメンバーと、

他の生徒とお話ししてるのを見ると、

心が苦しくなって、私のところから、

花陽ちゃんがいなくなっちゃうような…

だから、今日は花陽ちゃんにとって、

特別な存在になれるように、

ちょっとだけ特別な紅茶にしてあげたの。


ことり「野菜は洗ってあるから、花陽ちゃんの好きな大きさに切ってみて?」

花陽「……」ボーッ

ことり「花陽ちゃん?」

花陽「はっ、あ、ごめんなさい…なんだか、眠くて…」

ことり「ちょっと入れすぎたかな…」ボソッ

花陽「えっ、と、野菜、切って良いんだよね?」

ことり「うん♪ はい、包丁」

花陽「ありがと」

ストン ストン ストン ストン…

ザクッ……

花陽「いたっ……!!!」

ことり「花陽ちゃんっ!!! 大丈夫!?」

花陽「平気…ちょっとぼーっとしてて…」

ことり「今すぐ手当てするから、待ってて!」


花陽「っ…!」

ことり「すこしだけ…我慢しててね…」クルクル シュッ

ことり「もう大丈夫、ガーゼと包帯で巻いたから、血もそのうち止まるよ」

花陽「ありがとう…でもことりちゃんの手、私の血でよごれちゃってる…」

ことり「いいんだよ、花陽ちゃんの手の方が大事♪」

ことり「あとは相談通りにカレーを作ってくるから、ゆっくり休んでていいよ…」

ことり「……花陽ちゃん…」

ことり「花陽ちゃんの…」ペロッ

ゾクッ…

これで、 私は花陽ちゃんにとって特別…

どれだけ花陽ちゃんが他の人と一緒にいても

どれだけ、楽しそうにしていても

血を舐め、味わったのは私だけ…

手当ての時も、欲しくて欲しくて、

手が震えていた…念願だったから…



ことり「あとは煮込んで、仕上げにルーを入れるだけ…」

ことり「そろそろかな?」

手当ては適当にしたの。

血が止まっちゃったら、また傷を増やすしかなくなっちゃう。

綺麗な花陽ちゃんに傷なんて似合わない…

ことり「花陽ちゃん、具合は大丈夫…?」ガチャ

花陽「すぅ……すぅ……」

ことり「可愛い寝顔……」

ことり「手も綺麗… すべすべしてる…」

ことり「…私にもっと、花陽ちゃんをちょうだい…?」

シュルッ ペリペリ… スーッ…

花陽「んっ…!!?」ガバッ

花陽「ことりちゃん!? …いたっ…!!! なに、してるの!?」

花陽「どうしたの…!?」ヨロヨロ…

ことり「花陽ちゃん…私…」

ことり「花陽ちゃんのことが好きなの」

花陽「…!?」

花陽「どういうこと…? 分からない、よ…!!!」

ことり「そのままの意味だよ…」

ギュッ

花陽「ひっ…!!」

ことり「ほら、手を出して…? 手当てしてあげる…」グイッ

ペロ…ペロ…ピチャ… ズッ……ズル…

ことり「あ、、ああ…///」

花陽「誰か、誰か助けて…!!」

ことり「大丈夫だよ…? 花陽ちゃんは私が守るから…」ペロ…

花陽(こわい…! こんなの、ことりちゃんじゃない…!!)

花陽(意識が、はっきりしないし、指も痛いし…)

花陽(うまく考えられないよ…!)

どんどん私の中に花陽ちゃんの大切なものが流れ込んで来る。

ここまで花陽ちゃんに接近した人なんていない。

私だけが、花陽ちゃんの特別になったんだ…。

ことり「花陽ちゃん…もう片方の手も出して…?」

ことり「手首からなら、たくさん出るから…」

花陽「どうして…?」

花陽「どうしてこんなことするの…?」

花陽「ことりちゃん…怖いよ…」

ことり「怖くないよ、私は花陽ちゃんの味方なの」

花陽「味方…」

ことり「そうだよ? 花陽ちゃんにとって特別な味方」

ことり「花陽ちゃんにここまで近付いた人、いないでしょ?」

ことり「私が一番花陽ちゃんを愛してるの」

花陽「うっ…うう…」ポロッ…

ことり「花陽ちゃん…?痛いの…?」

花陽「私だって…」

ことり「…?」

花陽「一番、ことりちゃんが…好き、だよ…」

ことり「…!?」

花陽「でも、こんな形で伝えたくなかった…」ボロボロ

花陽「こんなに…なるまで、辛い思い、させてたんだね…」

ことり「ーっ!?」

花陽「ことりちゃんは、μ'sの中でも、特に暖かくて」

花陽「いつでもきらきらした女の子で、」

花陽「生まれながらのアイドルみたいで、」

花陽「ただ好きなだけの私とは、違って……憧れでした」

ことり「花陽…ちゃん…」ウルウル

花陽「衣装のことだってあるし、忙しそうだから、」

花陽「なかなか遊びにも誘えないし、私なんかが…って」

花陽「いつも考えちゃって…だから今日、とっても嬉しかった」

ことり「はなよちゃん…」ポロ…ポロ…

花陽「こうなると思ってなかったから、びっくりしたけど…」

花陽「ことりちゃんの気持ち、分かってよかった」

花陽「私も、同じ気持ちだから…」

ことり「うえぇ…」ボロボロ…

花陽「でもちょっと、妬きすぎ、かな…」バタッ

ことり「花陽ちゃん!!」

私は間違ってた…。特別になろうとしすぎて、

花陽ちゃん自体を見れてなかったんだ…

いつまでも素直になれなくて…

花陽ちゃんを傷付けてまで……

ことり「手当てしなきゃ!」

今度はしっかりと手当てをして、止血もした。

幸い、傷は深くなくて、跡がはっきり残ることはなさそう…

…間違った方向に進んでいれば、今頃、消えない傷を……

薬のせいもあって寝ていた花陽ちゃんが起きた頃には、

カレーが出来上がって、ちょうどご飯も炊けていた。

花陽ちゃんもそうだけど、私も気持ちの整理が付いてない。

ご飯の上にカレーをかけたお皿と、

カレーの入った器と、ご飯を盛ったお茶碗をお盆に乗せて、

扉を開いた。


ことり「出来上がり、だよ」

花陽「ふぁぁ…いい匂いがするね…」

ことり「花陽ちゃん…ごめんね…こわかったよね…」

花陽「うん…びっくりしたよ…」

花陽「お願いがあるんだけど、いいかな…」

ことり「なんでも言って?」

花陽「もう一回、告白して欲しいな…」

ことり「えーっ…、恥ずかしいよ…//」

花陽「ちゃんと聞きたいの」

ことり「もーっ……」

ことり「私は、花陽ちゃんのことが大好き♪」

ことり「付き合って、くれますか?」

花陽「うん! 私も大好き!」

ことり「…ありがとう」ポロッ

花陽「カレー、食べよ?」


ことり「ふぅ、ごちそうさま♪」

花陽「美味しかったね! これならみんなのカレーにも負けないよ!」

花陽「あっ!えへへ…」

ことり「また良いアイデアが浮かんだ?」

花陽「うん! キッキン使うね…♪」

にこ「…ここのチームのカレーが一番美味しいわね…」

絵里「丁寧に作られているわ」

穂乃果「毎日食べたいぐらいだよ!」

真姫「どこのチームが作ったのかしら?」

ことぱな「私達でーす♪」

凛「やっぱりにゃ! かよちんのカレーは優しい味がするね!」

希「チキンカレーの上に、更に焼いた鶏肉を乗せるなんて、なかなか斬新やったね」

海未「このカレー、名前を付けるとしたら…」

ことり「もう決まってるんだ♪ 花陽ちゃん、」

花陽「せーの」

ことぱな「やきとりカレー!」

希「まんまやん!」

にこ「ネーミングセンスは普通だったわね」

真姫「にこにこスマイルカレーよりはマシよ」

にこ「ぬぁんですってぇ~!?」

ワイワイ ガヤガヤ…

ことり「まさか一番になるとは思わなかったね♪」

花陽「2人で作った思い出のカレーだもん、一番だよ」

ことり「妬きとりカレーって名前も、思い出になるかな」

花陽「教訓にもなるね♪」

ことり「ちゅん……」ションボリ

花陽「冗談だよ♪ ことりちゃん、大好き!」

ことり「私も♪ これから、よろしくね♪」


おわり

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