志保「……疲れているんですか?」 (20)

P「……そんなことないぞ」

志保「だったら、どうして私のこと気づかなかったんですか?」

志保「何回も名前を呼んだのに、見向きもしなかったじゃないですか」

P「……すまん」

志保「担当プロデューサーがこんなのでどうするんですか。事務所で気を抜くなんて」

志保「必要であるなら休みを取ってください。中途半端な体調で仕事をされる方が迷惑です」

P「……」

P「……ごめんな、志保」

志保「……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520494617

志保「……いつになく、素直じゃないですか」

P「え?」

志保「普段なら軽口の一つでも叩くのに、これだけ言われて言い返さないなんて」

P「……」

志保「さすがに、いつもと違うのはわかります」

P「……敵わないな」

志保「見くびらないでください」

P「そんなことはないよ。純粋に驚いただけだ」

志保「……で、何かあったんですか?」

P「……」

P「……一つだけ、願いを聞いてくれないか?」

志保「願い、ですか?」

P「うん」

志保「……」

P「……変なことは言わないから」

志保「なら、聞くだけ聞きましょうか」

P「……ありがとう」

P「……」




P「オレのことを、褒めてくれないか?」



志保「……は?」

P「……どうだ?」

志保「どうだと言われても、言ってる意味をわかりかねます」

P「……そうか」

志保「……」

P「……」

P「ずっとじゃなくてもいい」

P「嘘の言葉でもいい」

P「志保が自分にも厳しいし、オレにも高いレベルを求めてるのはわかってる」

P「…………でも」

P「志保の言葉が、オレに元気を与えてくれる気がするんだ」

P「志保のためなら、オレはどこまでも頑張れる」

P「……だから、少しだけ」

P「褒めてくれないか?」

志保「……」

志保「…………」

ギュッ

P「えっ?」

志保「……バカなプロデューサーさん」

P「志保、手を……」

志保「そんなこと言ったら私が厳しいだけの女の子に聞こえるじゃないですか」

P「……」

志保「……たぶん」

志保「プロデューサーさんが思っている以上に」

志保「私は、プロデューサーさんのこと、信頼してますから」

志保「厳しいことも知ってますけど」

志保「ちゃんと応えてくれる人だから言ってるんです」

志保「普段は軽口ばかりだけど」

志保「実は私のことをずっと考えてくれるの知ってます」

志保「……なんでプロデューサーさんが疲れてるか、その理由はわからないけど」

志保「私のパートナーは貴方だけです」

志保「……」

志保「いつも、ありがとう」

志保「……」

P「……」

志保「…………」

P「…………しほ」

志保「あの」

P「えっ?」

志保「手を離してもいいですか?」

p「あっ、ああ」

P「ありがとな、志保」

志保「大丈夫そうですか?」

P「ああ、これでまた頑張れる」

志保「そうですか」

P「……」

P「…………よしっ」グッ

志保「……」ニコッ

P「元気出た!!!!」

P「なんだか、ずっと前の演技力レッスンを思い出したよ」

志保「えっ?」

P「とっさにあんなセリフを言えるなんて、さすが志保だ」

志保「……それは」

P「ん?」

志保「いくら私でも、いつも思っていない言葉なら」

志保「あんなにすらすらと口に出せないと思います」

P「……え?」

志保「それに」

志保「私は薄っぺらい言葉は好きじゃありません」

志保「嘘や演技の言葉なら、別に言う必要はないでしょう?」

志保「それでは今日はこれで帰ろうと思います」

志保「お疲れさまでした」バタム


~~~~~~~~~~

P「……」

P「…………」

P「…………ああ~~~~~~」

P「…………」

P「また、頑張ろっかな」

終わりです
サクッと書く感じのSSが好きです
頭のなかに浮かんだ一部分だけを具体化する感じで

こいつ美少女でイケメンとか敵無しじゃねえか…

イイネ すごく良い
とても好き

疲れてる時ってこういうの嬉しいよね
乙です

>>1
北沢志保(14)Vi/Fa
http://i.imgur.com/CEu31ZI.jpg
http://i.imgur.com/RgKv8om.jpg

甘えさせて欲しい……
乙です

なんだろ…ワーカーホリックすぎて何も喉通らなくなったPをやよいが高槻家に軟禁するSS思い出した

あのSSも名作だよなあ
おつです

おつ すごくいい

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