ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ (122)

どうもこんばんは
ハーメルンというサイトで魔界岸という名で活動しております
広く意見を貰おうと思いましてここにも作品を投稿させていたただきます
仮面ライダーspiritsの影響を強く受けた作品ですが、仮面ライダー意外にも等身大の特撮ヒーローを登場させていきます
よろしくお願いいたします


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520440046

ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

仮面ライダーBLACKとして闇の秘密結社ゴルゴムから地球を守り、異次元世界からの侵略者クライシス帝国には仮面ライダーBLACKからRXへと新たなる進化を遂げ、立ち向かった男がいた。
いかなる状況でも子供たちの夢を守ってきた歴戦の強者であるその男の名は南光太郎。
彼は最近、毎日のように見る悪夢に魘され、アメリカ・ニューヨーク外れの古いモーテルで目を覚ました。

「またこの夢か……冗談じゃないぜ……」

光太郎にとって忘れることのできない友が夢の中で血塗れになり、問いかけ、訴える。

ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

友は全身血塗れで膝をつき泣きながら光太郎の袖を掴む。
毎日、そこで光太郎の夢は覚めるのだ。

「信彦……」

秋月信彦……光太郎と同じ日にゴルゴムに連れさられ、改造手術を受けた幼馴染。
光太郎は運良く、洗脳手術の前に脱出できたが友である信彦は洗脳を受け、ゴルゴムの創世王候補シャドームーンなってしまったのだ。
その後、幾度となく戦い、遂に光太郎はシャドームーンを討ち果たすが、それは同時に人格は違えど、友を自分の手で殺めてしまったことを意味する。
その信彦が泣き、光太郎を憎みつつ必死に訴える姿……光太郎にとってこれ程、嫌な夢はなかった。

「何故、今になってこんな夢を……」

この夢は少なくとも二週間は続いている。
その影響も有り、光太郎は胸騒ぎが治まらず、不吉な予感に苛まれていた。

「いや、ただの夢だ 明るくいかないと!」

光太郎は無理に自分を奮いたたせる。
今日から一週間、叔母と叔父の子供たちがニューヨークにやってくるのだ。
無理にでも明るくしないと心配をかけてしまう。
光太郎はベッドから足を下ろし、リュックからペットボトルを取り出すと半分まで減っていたミネラルウォーターを飲み干すと心を落ち着かせる。

「まだ少し時間があるなぁ」

テーブルに置いてあったリモコンを取り、テレビの電源をつけるとニュース番組がやっており、日本人が映っていた。
どうやら衛生省からの中継のようで、日本ではゲーム病気が流行っていて発症した人達は消えてしまうと言う奇怪な病気だ。
しかし会見した若い医師は消えてしまった人達を治すことを諦めない。
感染した人達の名前を読み上げると「皆さんの笑顔を取り戻したいと思っています」と堂々と言い切ったのである。
若いのに立派なものだ……僅かでも可能性があれば、治ること、消えた人達が戻ってくれると親しい者であればあるほど信じる。
逆に無理と言ってしまえば、プレッシャーはなくなり楽になるが彼はそれをしなかったことに光太郎は驚き目を細めた。
あえて期待を一身に背負い、雲を掴むような道を彼は進んむことを決意した彼を心の中ではあるが称える。

「そろそろかな」

ニュースに夢中になっていたらいい時間になっていることに気づくと光太郎はテレビを消し、リュックを背負うとモーテルを後にする。
モーテル前に停めてあったバイクにまたがるとヘルメットを着用し、バイクを走らせ、ニューヨーク市内にある空港を目指す。
その道は一本の田舎道が続き、広大な畑も見られ、ここだけを見ると日本もアメリカも大した違いはないと感じ懐かしさをも感じる。
そして今日は天気も良く、心地よい風め吹いていて運転をしていてとても気持ちいい。
清々しい風を浴びながらバイクを走らせ続けるとようやく人通りも多く、交通量も増えてくる。
ここまで来るとテレビで見ていた時のような超高層ビルが立ち並び、アメリカにいるのを実感できた。
そんなのも束の間、一時間半程バイクを走らせると空港が見えてくる。
約束の時間まで後少しだ……胸の高鳴りを抑えつつ
光太郎は腕時計で時間を確認すると近くの駐車場にバイクを停めて、ヘルメットを置き空港に急ぐ。
空港に到着すると人混みの中を掻き分け、茂とひとみを捜す。
会うのは約6年ぶり。
自分が知っている茂とひとみはまだ二人とも小学生だった頃だ。
今は茂が高校生、ひとみは中学生になっているはず……ちゃんと自分のことを覚えているだろうかと少し不安になったりもする。

「「光太郎兄ちゃん!!」」

しかしそれは杞憂だった。
二人はしっかりと光太郎の存在を覚えていたのだ。
胸を撫で下ろすと手を振る二人の方に足を進める。

「二人共、久しぶり!」

昔は少しぽっちゃりしていた茂だが身長が伸び、身体も引き締まっていて、ひとみはモデルのように手足が長くシュッとしていてヘアスタイルもロングヘアーに変わっていた。

「二人共、ホントに大きくなったね!」

「光太郎兄ちゃんは全然見た目変わってないのが凄いよな」

「うん、茂お兄ちゃんと違ってイケメンだしね!」

「おい、ひとみ! それは傷つくから言うな!」

そして三人で笑いあう……光太郎は二人の笑顔が何よりも嬉しかった。
どんなに大きくなっても光太郎にとってはかわいい従兄弟たちなのを改めて実感する。

小鳥の囀ずりと永遠にジリジリと鳴り続ける目覚まし時計の音で甲平は目を覚ました。
眠たい目を擦りながら、カーテンを開けると眩しい朝日が部屋に入ってくる。

「やっべ! もうこんな時間かよ!?」

時計を確認すると、出社時刻まで後、一時間を切っていた。
コスモアカデミアまでは自転車でかなり飛ばして三十分はかかる。
昨日は帰ってゆいと通信してシャワー浴びたらすぐに寝たはずだが、身体が重い……やはり疲れがたまっているのだろうか。
このまま横になって二度寝したい気分だ……でも学生の時のようにそれだけの理由で休んでなどいられない。
それに今日は見学者のガイド役になっているし、それ以前に地球上に生ける生命を守るコスモアカデミアの一員なのだ。
そんな甲平がズル休みなど許されない。
甲平は朝食も採らず、バッグに作業服と資料を入れると部屋を飛び出した。
アパート前にある自転車置き場まで猛ダッシュすると、自転車に乗り、公道に乗り出す。
コスモアカデミアはマンハッタンの隣の島、自由の女神像が目と鼻の先にある。
海上に位置する為、従業員用の無料フェリーが二十四時間運航しているが、夜の九時まで常に三十分ごとの運航なので次のフェリーに乗り遅れれば遅刻ということになってしまう。
それだけは何とか回避したい甲平は必死にペダルを漕ぐ。
従業員専用の自転車置場に到着するやいなや、駆け足でフェリーに近づき、ガードマンにコスモアカデミアの従業員カードを見せ、乗り込む。
その後、一分も待たずにフェリーが動き出したのを見ると間一髪と言ったところか。
甲平は胸を撫で下ろすとゼェゼェと息を切らし、置かれている椅子に腰をかけ、バッグからタオルを取り出すと顔中に溢れ出た大量の汗を吸収させる。
とりあえずかなり疲れた……こんなに必死に走ったのはビーファイターとして戦っていた時以来かもしれない……。
コスモアカデミアにフェリーが到着すると従業員カードをかざして、専用の入口から入ると男性更衣室のドアを開ける。
それと同時にコスモアカデミアの作業服を着た男性が出てきた。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「翔太、キミにもライダーキック・・・。」

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「そういや、『ナイツオブダークネス相関図』の整理の方は終わったのか?」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「あぁ、これね・・・。」

そう言われた木村はノートパソコンを開く。

『ナイツオブダークネス相関図』

木村真一/仮面ライダー龍騎
「今やるよ。」

木村は『ナイツオブダークネス相関図』に新たなメンバーの追加を入れている。

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「ったく、いい加減な奴だな。オリジナルの龍騎である城戸真司もそうだが、相変わらずお前は何でも中途半端な奴だ。」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「だから今やるって!」

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「どうだかな。」

荒木は木村の前から去って行く。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「あっ、ちょっと、翔太!」

荒木は木村に呼び止められる。

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「何だ?」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「力を合わせて・・・これ、一緒にやろうよ。」

木村がそう言うと荒木は・・・。

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「ハアッ・・・バカか、お前は。」

そう言って荒木は去って行く。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「あっ、ちょっと待って・・・アチッ!」

木村は荒木の所へ行こうとすると置いてあるカップの紅茶をこぼした。そしてこぼした所をタオルで拭く。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「仲間だろ!?」

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「知るかよ。」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「ちょっと、翔太!」

木村は荒木の所へと走る。するとそこに新庄が現れ、途中の『ジャスティスナイト相関図』が映るノートパソコンを見た。

新庄美香/仮面ライダーアギト
「・・・・・・順調じゃねぇか。」

そう言って新庄も去って行った。ところで木村が見ていたのは全部夢だったのか、それは誰にも分からなかったようだ。



モバP「なあ薫」


薫「なになに!?」


モバP「実はな今のはドッキリなんだ」


薫「どっきり?」


モバP「つまり嘘ってことだ」


薫「うそ?せんせぇはかおるのことすきじゃないの?」


モバP「そうだ」


モバP(あれ?なんか俺今やばいこと言ってないか)


薫「うぇ……せんせぇはかおるのこときらい、なの?」グスッ


モバP(やばい薫が今にも泣きそうな状態に)


モバP(ちひろさん俺どうすればいいんですか!)


ちひろ(……)


モバP(おいちひろぉぉぉ!)


薫「うっうっ……うわぁぁぁぁん!」


モバP「ちょっ薫!?」


薫「せんせぇのうそつきぃぃぃ!!だいっきらい!!」ダッ


モバP「まっ待ってくれ!」

それから龍騎は廃工場へと着くが、ミラーワールドに何か違和感に悩んでしまう。

仮面ライダー龍騎
「やっぱり何か変なんだよな。おかしいな・・・。」

時々考えてしまうその時!

仮面ライダー龍騎
「うっ!うわっ!いてっ!うわあっ!ああっ!てーっ・・・!」

突然何者かに殴り蹴り、そして殴られた後に転がり落ちた龍騎。それは・・・。

ミラーモンスター軍団
『ウエアハァ・・・。』

莉緒「そういうのは良くないわよ。自分でやれる事はちゃんとさせなきゃ、奥さんがいないと何にも出来ない男になっちゃうじゃない。」

美奈子「それがいいんじゃないですか。思いっ切り頼ってもらった方が、こっちもお世話のやり甲斐がありますもん。」

莉緒「そう?なんか美奈子ちゃん心配ねえ。ろくでもない男に引っ掛かんないようにしなさいよ。」

のり子(どっちかって言うと莉緒姉の方だけどね、それ。)

美奈子「のり子だったらどう?」

のり子「アタシ?うーんそうだなぁ。理想を言えば逞しい男の人だね、やっぱり。」

莉緒「タイプじゃなくて、旦那様に何をしてあげたいかでしょ。」

のり子「あそっか。やってあげたい事ねえ、なんだろ。」




「ご愁傷様、残念だったね。」


ボシュボシュボシュ


背中の艤装に取り付けたボックスから飛び出た砲身、対潜迫撃砲ことスキッドの弾頭が発射されていく。

発射された弾体は40mの三角形に集束し・・・・。

ドゴン。

予め設定された水深で弾頭が爆発し圧力波で敵を完全に殴り倒す。


(これだけ爆発が酷いと助かる見込みは零だろうね。)


しばらく後に大量の油の様な物と深海棲艦の潜水艦がつけるシュノーケルの様な物が浮かび上がる。


「こちら時雨、鎮守府戦闘指揮所どうぞ。」

「こちら鎮守府指揮所不知火。どうされました?」

「潜水艦の掃討が完了したよ。エリア1~6までオールグリーン。帰投するよ。」

「こちら不知火。了解しました。」

「雪風から同じく鎮守府戦闘指揮所へ。」

「不知火です。」

「エリア7~12まで同じくオールグリーンです。帰投します!」

「了解しました、お疲れ様です。」


男「……あのさ」

後輩「なんですか?」

男「僕のこと、どうして先輩って呼んでるの? 僕が誰なのかわからないのに」

後輩「……」

男「本当はわかってるんじゃないの。覚えていないふりをして、僕のことを虐めてやろうっていう魂胆なんでしょ?」

後輩「……」

男「ありがとうございます! 最高に興奮してます!」

後輩「こちらこそ、ありがとうございます。おかげで、通報する踏んぎりがつきました」

ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

仮面ライダーBLACKとして闇の秘密結社ゴルゴムから地球を守り、異次元世界からの侵略者クライシス帝国には仮面ライダーBLACKからRXへと新たなる進化を遂げ、立ち向かった男がいた。
いかなる状況でも子供たちの夢を守ってきた歴戦の強者であるその男の名は南光太郎。
彼は最近、毎日のように見る悪夢に魘され、アメリカ・ニューヨーク外れの古いモーテルで目を覚ました。

「またこの夢か……冗談じゃないぜ……」

光太郎にとって忘れることのできない友が夢の中で血塗れになり、問いかけ、訴える。

ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

友は全身血塗れで膝をつき泣きながら光太郎の袖を掴む。
毎日、そこで光太郎の夢は覚めるのだ。

「信彦……」

秋月信彦……光太郎と同じ日にゴルゴムに連れさられ、改造手術を受けた幼馴染。
光太郎は運良く、洗脳手術の前に脱出できたが友である信彦は洗脳を受け、ゴルゴムの創世王候補シャドームーンなってしまったのだ。
その後、幾度となく戦い、遂に光太郎はシャドームーンを討ち果たすが、それは同時に人格は違えど、友を自分の手で殺めてしまったことを意味する。
その信彦が泣き、光太郎を憎みつつ必死に訴える姿……光太郎にとってこれ程、嫌な夢はなかった。

「何故、今になってこんな夢を……」

この夢は少なくとも二週間は続いている。
その影響も有り、光太郎は胸騒ぎが治まらず、不吉な予感に苛まれていた。

「いや、ただの夢だ 明るくいかないと!」

光太郎は無理に自分を奮いたたせる。
今日から一週間、叔母と叔父の子供たちがニューヨークにやってくるのだ。
無理にでも明るくしないと心配をかけてしまう。
光太郎はベッドから足を下ろし、リュックからペットボトルを取り出すと半分まで減っていたミネラルウォーターを飲み干すと心を落ち着かせる。

「まだ少し時間があるなぁ」

テーブルに置いてあったリモコンを取り、テレビの電源をつけるとニュース番組がやっており、日本人が映っていた。
どうやら衛生省からの中継のようで、日本ではゲーム病気が流行っていて発症した人達は消えてしまうと言う奇怪な病気だ。
しかし会見した若い医師は消えてしまった人達を治すことを諦めない。
感染した人達の名前を読み上げると「皆さんの笑顔を取り戻したいと思っています」と堂々と言い切ったのである。
若いのに立派なものだ……僅かでも可能性があれば、治ること、消えた人達が戻ってくれると親しい者であればあるほど信じる。
逆に無理と言ってしまえば、プレッシャーはなくなり楽になるが彼はそれをしなかったことに光太郎は驚き目を細めた。
あえて期待を一身に背負い、雲を掴むような道を彼は進んむことを決意した彼を心の中ではあるが称える。

「そろそろかな」

ニュースに夢中になっていたらいい時間になっていることに気づくと光太郎はテレビを消し、リュックを背負うとモーテルを後にする。
モーテル前に停めてあったバイクにまたがるとヘルメットを着用し、バイクを走らせ、ニューヨーク市内にある空港を目指す。
その道は一本の田舎道が続き、広大な畑も見られ、ここだけを見ると日本もアメリカも大した違いはないと感じ懐かしさをも感じる。
そして今日は天気も良く、心地よい風め吹いていて運転をしていてとても気持ちいい。
清々しい風を浴びながらバイクを走らせ続けるとようやく人通りも多く、交通量も増えてくる。
ここまで来るとテレビで見ていた時のような超高層ビルが立ち並び、アメリカにいるのを実感できた。
そんなのも束の間、一時間半程バイクを走らせると空港が見えてくる。
約束の時間まで後少しだ……胸の高鳴りを抑えつつ
光太郎は腕時計で時間を確認すると近くの駐車場にバイクを停めて、ヘルメットを置き空港に急ぐ。
空港に到着すると人混みの中を掻き分け、茂とひとみを捜す。
会うのは約6年ぶり。
自分が知っている茂とひとみはまだ二人とも小学生だった頃だ。
今は茂が高校生、ひとみは中学生になっているはず……ちゃんと自分のことを覚えているだろうかと少し不安になったりもする。

「「光太郎兄ちゃん!!」」

しかしそれは杞憂だった。
二人はしっかりと光太郎の存在を覚えていたのだ。
胸を撫で下ろすと手を振る二人の方に足を進める。

「二人共、久しぶり!」

昔は少しぽっちゃりしていた茂だが身長が伸び、身体も引き締まっていて、ひとみはモデルのように手足が長くシュッとしていてヘアスタイルもロングヘアーに変わっていた。

「二人共、ホントに大きくなったね!」

「光太郎兄ちゃんは全然見た目変わってないのが凄いよな」

「うん、茂お兄ちゃんと違ってイケメンだしね!」

「おい、ひとみ! それは傷つくから言うな!」

そして三人で笑いあう……光太郎は二人の笑顔が何よりも嬉しかった。
どんなに大きくなっても光太郎にとってはかわいい従兄弟たちなのを改めて実感する。



【DATE】06/15 19:11
【FROM】misaka-10032@mi
【sub】このモヤシ野郎
------------------------
メルアド教えて連絡しろとか
言っていたくせに、
ドメイン拒否とはいささか
意地が悪いし根性悪いし
性格も悪いのでは?
知ってたけど(笑)
とわざわざこの為に
フリーアドレスを取得した
労力に何か対価を払え、
とミサカは伝えます。





【DATE】06/15 19:23
【FROM】モヤシ
【sub】オマエあいつか…
------------------------
10032号とかいうやつか?

仕方ねェだろ、忘れてたンだよ。
オマエらが1000件爆撃メール
送ってきたあの日以来、
ドメイン指定拒否解いてなかったわ


というか、ムキにならずに「どこを改善すればいいか」考えたほうがいいんじゃないかな
批判=悪口としか考えないのも問題だと思う

まだ信じられない……トニーが死んだなんて……助けられたはずの命だったはず……。
トニーの死をクレアに伝えた時、まるで子どものように泣きわめき、その痛々しい姿を自責の念に耐えきれず、直視することができなかった。
その日の夕方までいつも通りに会話をしていたのに……。
運命とか天命があるにしたってとてもじゃないが、受け入れることなんてできない。
こんな状況ではさすがに仕事に身が入ることなんてできるはずもなかった。

「甲平、電話鳴ってるぞ」

「あぁ……」

上司の言葉でようやくデスクにある受話器を取ると、受付からだった……南光太郎と言う男がどうしても伝えたいことがあり来ていると……。
昨日、もう一匹の鬼を倒した男……敵ではないのだろうが黒いバッタのような異色な姿だったが何者だろうか。
どうしても伝えたいこととは何なのか?……甲平は力なく光太郎が待っている受付ロビーに向かう。
甲平が到着すると光太郎は昨日と同じ白いジャケットを着て受付の人からかなり離れた場所にある窓を見つめついたが甲平が来たのを感じとるとこちらを向き、まず一礼する。

「勤務中に訪ねてすまない 」

「こっちは知り合いが亡くなって独りになりたい気分なんだ……手短に頼むぜ?」

正直、今は誰とも話したくないし会いたくもない状態。
本当は職場であるコスモアカデミアにさえ来たくなかったくらいだ。

「知り合い?……昨日襲われたのは君の知り合いか……そうだったのか……俺には痛い程君の気持ちが分かる……」

「ところでどうしても伝えたいことって何だよ?」

この人に何が分かると言うのか……。
友人は自分と一緒なら死ぬことはなかったのだ。
明らかに自分の判断ミスで友人は命を奪われてしまっ……たこの深い悲しみや無念さが他人に簡単に分かるはずもない。
少しイラッときた甲平はどうしても伝えたいと言う要件だけを聞き、その場から去ろうと考えていたが、光太郎の自己紹介で思いとどまる。

「まず改めて今の現状を整理したい……俺は南光太郎 仮面ライダーBLACK RXだ」

「仮面ライダー!? 仮面ライダーってあの都市伝説に出てくる?」

甲平が「仮面ライダー」を知ったのはまだ高校生だった時のことだ。
甲平の高校ではまことしやかに仮面ライダーは改造人間だとか鬼だとか、人間が進化した姿や吸血鬼だとか色々とその正体について噂されていた。
しかしその頃、甲平はメルザードと戦ってっていたが、仮面ライダーなんて助けに来るどころか一度も見たことがない。
本当に仮面ライダーとやらが存在するのなら手助けくらいしてくれても良いはず……。
だから悪の組織と戦う孤独な正義のヒーロー仮面ライダー……甲平の中では都市伝説の中だけの存在だとばかり思っていた……。
本当に実在していたなんて……俄には信じがたい話しではあるが実際に光太郎の仮面ライダーとしての姿をしっかりとこの目で見ているだけに否定はできない。

「俺は鳥羽甲平、ビーファイターカブト」

「やはり君がビーファイターだったのか……なら話は早い 俺は昨日の夜、ある男を追っていた……その途中であの鬼のような怪物と出くわしたんだ」

光太郎によればある人物を追っていた途中で、あの鬼に遭遇、RXに変身し戦闘に入った……戦ううちに形勢が不利と悟った鬼はRXから逃亡、そして鬼は昨日、甲平と光太郎がそれぞれビーファイターカブト、仮面ライダーBLACK RXとして出会った場所に逃げた。
そしてまだ鬼には仲間、いや鬼に指示を出している親玉がいたらしいのだ。
暗くて姿まではよく見えなかったが、鬼をまるでペットのように扱っていたという。

「そして俺が倒した鬼は偶然にあの場所に逃げたわけではなさそうだった……」


鬼は何の迷いもなく、まるで仲間に助けを求めるようにあの場所へとたどり着いた。
しかし仲間の元に逃げて連携し、反撃することを考えられる程の知能を光太郎は戦っていて感じなかったのだ。
つまり身の危険を察知して逃げた先はもう一体の鬼ではなく、親玉のところ……たまたまその途中で自分と別の鬼が対決した場所に行き着いただけ。
逆にあの周辺に二体の鬼がいたとなれば、きっと鬼の親玉は近くにいるだろう……と言うのが光太郎の推理。
光太郎の推理には確かに説得力がある……あの鬼はただ本能のままに攻撃してくる野獣のようなものだと甲平自身戦ってみて感じてはいた。
その分、異常に発達した肉体を備えてはいたが、身体能力にモノを言わせるだけで攻撃は単調で原始的。
だからこそ勝てたのかもしれないが……。

「それをどうしても君に伝えたくて今日は来たんだ 健闘を祈るよ」

光太郎は甲平の肩を優しく叩くと、背を向け、その場を去ろうとする。

「ちょっと待ってくれ!」

甲平は光太郎の前に回り込むと説得を始めた。

「とりあえず早い話しがあんたも地球を守る戦士なんだろ? なら一緒に戦ってくれ」

敵はメルザードではない未知の敵だ……強敵との戦いになればなる程ビーファイターの変身能力が制限されてる以上厳しい。
それに鬼との戦いで感じたことなのだが、久々にビーファイターに変身したブランクも確かにあっただろうが、予想以上に本来のパワーを出せないことにも不安を感じる。
やはりビーファイターの力を使いこなすには代用ではなく、昆虫の精が必要なのを改めて感じたのだ。
そんな不安要素が多い中、戦いに慣れた戦士が共闘してくれれば心強い。
仮面ライダーは正義の戦士のはず……いい返事が帰ってくるものとばかり思っていたのだが、光太郎の言い放った返事は甲平が予想もしなかったものであった。

「悪いがそのつもりはないよ……俺は戦わない」

「あんた仮面ライダーなんだろ!? この鬼が現れたのも闇の意思が動き出したからなんだ! もし本格的に動き出せば間違いなく地球上の生ける全ての命が脅かされることになる あんたはそういう人間や生物たちを見捨てるってのかよ!?」

甲平はあの鬼が現れて人を襲い出したのも、闇の意思による現象の始まりだと確信していた。
昆虫の大量発生は世界各地で起こってはいるが、一番集中しているのは日本。
おそらく、日本を中心にこれから闇の意思による侵食が世界に広がっていくだろう。
そしてその闇はメルザードやジャマールといった敵よりも強大な力を持つことが予想される。
敵は個人なのか、集団なのか、巨大なのか、等身大なのか、それはまだ分からない。
しかし強大で未知数な敵だからこそ自分たちのような戦士が、力を結集して立ち向かわなければならないのだ。
そして何より今回の敵は甲平の友人の命を奪った憎き黒幕……甲平にとってはどうしても倒したい仇である。

「俺は今まで大事な人たちを守るため、そして平和を願い、戦いに身を投じてきた……だが未熟な俺が戦う度に大事な人たちは戦いに巻き込まれ、そして傷つき、死んでいった……もうそんな悲劇を見たくはないんだ……」

その弱気な言葉に甲平は失望し、説得を断念する。

「じゃあもういいよ!」

「力になれなくてすまない……」

無念そうにコスモアカデミアを去る光太郎の姿を見て、情報を持ってきてくれた人に対して声を荒げてしまったことについては反省する。
しかし甲平にはどうしても光太郎の言動が理解できずにいた。
仮面ライダーとして命を守り、闇に立ち向かえる力を持っているはずなのに戦わないなんておかしい。
まず戦わなければより多くの命が失われることになる。
甲平には光太郎が人を傷つけたくない、巻き込みたくないことを盾にして自分自身が傷つけたくないから逃げているようにしか感じたのだ。


「トニー……お前の仇は絶対に取ってやるからな!」

甲平は上司の許可を取り、早退すると敵のアジトを探しだすべく、行動を開始し、ある民家を訪ね、チャイムを鳴らす。
その家の住人が出てくるまで待ちきれない自分がいた。
トニーの仇は何としても取りたい、しかし冷静になれと自分に言い聞かし落ち着かせる。

「甲平?……」

出てきたのは綺麗なブロンドの長い髪に青い瞳……甲平が思い描くアメリカの女性そのもの。
彼女こそトニーの妻、クレアだった……。
警察が情報を漏らすことはない……ならばと土地勘のあるクレアに情報を聞きにきたのだ。

「やぁクレア こんな時にごめんな」

「大丈夫よ……気にしないで 入って……」

甲平が部屋に入ると、リビングの至るところに甲平、トニー、クレアの三人で撮った写真が置かれていた。
懐かしい写真だ……大学の頃の楽しかった思い出が蘇ってくる……。
その写真を甲平はなるべく見ないように心がけた……見る度に悲しみと寂しさと苦しみの涙が一挙に押し寄せるからだ。
ソファーに座ると、どう話しを切り出すか悩み、沈黙が流れ、先に言葉を発したのはクレアだった。

「甲平……覚えてる? 三人が初めて会った日のこと……」

「あぁもちろん覚えてる」

甲平は思い出す……あの日はサークルが終わり、トニーと一緒に帰宅途中、一人の女の子が数人の暴漢たちに襲われているのを目撃。
いてもたってもいられずに、助けたのだがその女の子こそクレアだったのだ。
そして偶然にも同じ大学の同じサークルだったこともあり、三人は意気投合。
食事や遊ぶときだけでなく旅行にも何回も行った。

「早いものね……あれからもう五年経ったのよ……実は私、最初は甲平、あなたのことが好きだったんだけど気づいてた?」

甲平は一度だけ大きく首を縦に振る。
やたらスキンシップ取りたがるし、最初の頃はトニーより自分ばかり話しかけてくるので何となくは薄々勘づいてはいたのだが、トニーがクレアに一目惚れをしていたことを知っていた甲平がクレアの想いを受け取ることはなかった。

「だから私はあなたの親友であるトニーと付き合った 嫉妬してくれるんじゃないか、振り向いてくれるんじゃないかって……私、最低よね……でも彼の優しさに触れるうちに……いつの間にか……」

そしてクレアはついに堪えきれず涙を流し、言葉を詰まらせる。
こんな状態のクレアに真実を話すのは辛い……しかしトニーの為にも聞かなければならない。
そしてクレアにだって真実を知る権利がある。

「クレア、こんな時だからこそ言っておきたいこと、伝えたいことがあるんだ……実はトニーは動物なんかに殺されたんじゃない」

「どういうこと!? だって昨日甲平だって警察だって野生の熊の仕業だって言ってたじゃない!?」

確かに俺は鬼を倒した後、クレアと警察にそう報告した。
引っ掻き傷や鋭い噛み後から警察もそう判断したのだれう。

「俺が見たのは鬼の姿をした怪物だった……何て言えるかよ……」

「俺が見たのは鬼の姿をした怪物だった……何て言えるかよ……」

そんなこと言ってもクレアが混乱するだけだ……だから動物に襲われた不幸な事故だと伝えた方がまだ気が楽になるかと思った。
しかしそう伝えたのは鬼を倒して、この事件は終わったものだとばかり思っていたからだ。
まだ鬼を操っていた黒幕がいる……そいつを倒さない限り、トニーは浮かばれない。

「俺は今からそいつと戦いに行く だからトニーの仇を取るためにも教えてほしいんだ」

おそらくアジトがあるはず……しかもここの近くに。
怪しい人物はいないか、怪しい建物はないか、どんな小さなことでもいい。
甲平はクレアに情報を求めた。

「嫌よ! その話しが本当ならなおさらよ!だって教えたら甲平絶対に行っちゃうじゃない!」

クレアの様子がおかしい。
急に何かを思い出し、怯えているかのようにオロオロと落ち着きがなくなっている。
クレアが何かを思い当たることがあるに違いない……何とか聞き出さなければ……。

「クレア、トニーを殺した奴だぞ!? 野放しにしててもお前は平気なのかよ!?」

「だって相手は怪物なのよ!? せめて警察にも!」

警察に連絡しようと、受話器を取ろうとしたクレアの手を抑え、宥める。

「落ち着けクレア! 警察がどうこうできる奴らじゃないんだ!」

クレアの気持ちも分からなくはない……しかし警察とは言え、敵からすればただの一般人とそう変わらない。
今から戦うのは人間の力を遥かに凌駕したいわば文字通り「化け物」なのだ。
そんな化け物に対して警察官がいくら一般人より屈強だろうが、拳銃で対抗しようが軽く捻られて終わりだろう。
拳銃が命中しました、はい終わり……になるような奴ではないのだから。

「あなたが地球を守った戦士だったことは聞いたことがある! でも何年前の話し!? トニーまで失って、甲平まで私は失いたくない!」

それでも誰かがやらなきゃいけない……ましてや人外に対抗できる力持っているならなおさらだ。
でなければ、トニーのような悲劇がこれからも増えていくだけ。

「心配するなよ 俺は絶対に死んだりしない 生きてトニーの仇を必ず取ってくる 俺が一度でもトニーとクレアにウソついたことあったかよ? だから信じてくれ! トニーの為にも、そういう人を増やさない為にも!」

確かに甲平はトニーとクレアとの約束を一度も破ったことはない。
今回の約束が今までとは訳が違うのはもちろん分かっている。
敵が自分より強いかもしれないし、ビーファイターとして百パーセントの力を発揮することもできないのだから生きて帰れる保証なんてどこにもない。
しかしそれしかクレアを説得する言葉が見つからなかった……願うようにクレアの目を見ると、クレアは脱力したかのようにソファーに腰をかけ、頭を抱えつつも二週間前から始まった不気味な出来事について語り始めた。


「……ここを出て少し行くと裏に森があるわよね?……そのつきあたりに廃れた教会があるの……」

クレアがまだ産まれるずっと前から小さい頃から誰も使わなくなったクモの巣と蔦で被われた教会。
二週間からそこにディウスと言う名の気味の悪い老人が住み始めてからだ。
ディウスが住み始めてから、ニューヨークで目玉をくり貫かれ、動物に上半身を食いちぎられる事件が頻繁するようになり、野生の獣とはまた違った叫び声が教会の方から夜な夜な聞こえてくるようにもなった。
さらに近くに住む少年がエリック・クヌーゼンが創り出したインターネットミームから生まれた架空のキャラクターであるスレンダーマンを見たと言い、大騒ぎしたこともある。

「助かったぜクレア」

そのディウスと言う老人が怪物だと言う確かな証拠はないのだが、タイミングなど色々なことを考慮すれば怪しいのは間違いない。
夜になれば、また何か行動するかもしれない……だから夜まで待って現行犯と言うやり方もある。
しかしディウスが怪物ではなかった場合、また振り出しに戻り犠牲者が出る可能性が高い。
なら早めにディウスが黒か白かハッキリさせておきたかった。

「何だよこの道……」

甲平はクレアの言う教会を目指すが、一度、森に入れば整備のされていない獣道で雑草が覆いしげり、柔らかい土で足が取られてしまう。
しかもまだ太陽が沈んでないと言うのにも関わらず、木が陽を遮り、まるで夜のような暗さなのだ。
そしてやっとのことで目指していた教会へと辿り着く。
甲平は教会の大きなドアを開け、恐る恐るゆっくりと中へと入る。

「何だよこれ!?」

教会の椅子には目玉だけが並べられていた。
あまりの気味の悪さにさすがの甲平も後退りすると、祭壇にスポットライトが当たる。

「来たかね……かわいい奴隷たちを倒したのは君か」な?」

見た目は杖をつき、腰が曲がり、歯が抜け落ちたヨボヨボの老人……しかし甲平はこの時点でディウスが鬼を操っていた怪物だと確信する。

「鬼を操っていたのはお前だな!」

ディウスは不気味に引き笑い、信じられないことを言いだす。

「鬼か……彼らは人間の子どもじゃよ」

「何だと!?」

甲平の頭はパニックに陥っていた。
自分が戦ったのは間違いなく鬼のような怪物だったはず……あれが人間の子どもなわけがない。
いったいどういう意味なのか……。
甲平の驚く顔を見て、ディウスは満足そうに自分の過去から今に至るまでを語り始めた。


「ワシはかつてショッカー御抱えの医者兼科学者じゃった……」

ショッカーは仮面ライダーと戦う悪の組織……仮面ライダーとショッカーとの戦いは都市伝説などではなく本当に行われていたのか。

「仮面ライダーに組織を潰され、この地に逃げのびたのも束の間……」

純粋な人間だったディウスはFBIやCIAに追われる日々を送り、さらに逃亡中に患っていた心臓の病が悪化。
これ以上、逃走を続けるのは限界であった。
しかし心臓の病を放っておけば寿命がくる、だが捕まれば死刑は免れない。
まだ生きたい……その思いが強かったディウスは意を決し、無謀にも自らの身体を改造手術し、改造人間になることを決めた。
だが天才と呼ばれ、ショッカーに重宝されたディウスでさえ、一人で自分の身体を改造手術するのは困難を極めたが、何日もかけ、奇跡的に成功をおさめたのである。
改造人間としての力を得たディウスにとっては逃げ切ることくらい容易であった。
しかし事が大きくなれば、噂を聞きつけた仮面ライダーが自分を討伐しにやってくることを恐れ、逃げることに専念していたのだ。

「じゃあ何で今になって!?」

「闇の意思がワシに語りかけてきたのじゃよ……ライダーにいや……人間を守る光の戦士たちに復讐する時じゃとね……」

まずはディウス自身に代わり、目となり手や足になる忠実な駒を作ろうと彼は考えた。
手始めに不治の病に苦しむ子ども二人を拐い、人間としての理性や知性を排除しディウスの命令に従うことだけを実行するような怪物に改造を施したのである。

「元々、あのままなら死んでいた奴らを助けてやったんじゃ、感謝してほしいくらいじゃのぉ」

もうこの人間の皮を被った怪物の話を聞く価値も同情の価値などない。
嬉々として語る、ディウスに対して怒りが込み上げてくる。

「貴様ぁぁぁぁっ!! 人の命を何だと思ってやがる!!」

甲平は怒りを爆発させ、超重甲しBFカブトへと変身する。
こんな狂った怪物に絶対に負けるわけにはいかない。

「お前のような奴にはワシの気持ちは理解できんよ……まぁ仮面ライダーではないようじゃが、手慣らしにはなるじゃろ……教えてやろう、改造人間の偉大さを!」

ディウスの手足が異常なほど、伸び、細身で異常に背が高く、黒い背広を着た、無表情ないしのっぺらぼうの怪人へと変化。

「我が名はスレンダーマン!」

ここにビーファイターと都市伝説てして有名なスレンダーマンの姿を手に入れた改造人間との戦いの火蓋が切って落とされたのであった。


コスモアカデミアから滞在しているホテルに戻る道中、光太郎は悩んでいた……。

本当にこれで良かったのだろうか……。

以前の自分が同じ立場であれば、即答で良い返事を出したはずだ。

考えたくはないが、もしビーファイターである甲平が負ければ、どっちみち次は光太郎が戦うことになる。

結局は戦う宿命からは逃げられないのだ……。

そして何より、戦う彼を見過ごすことが甲平にはできなかった。

 

「やっぱり行くべきだよな……」

 

光太郎はバイクを方向転換させると、昨日の夜、甲平と出会った場所へと急ぐ。

おそらく甲平の熱くなりやすい性格なら、すぐに敵のアジトに乗り込みに行くはずだ。

そう考えると時間は残されてはいない……。

 

「ここか……」

 

光太郎のバイクは風を切り、甲平と出会った場所へと到着する

「クソッ! 敵のアジトはどこにあるんだ!?」

 

この場所の近くにあるのは分かっている。

しかし普段ここに住んでいない光太郎は土地勘があるわけではない。

光太郎は一度バイクを止めると周囲を見渡し、考える……。

自分がもし身を隠すとしたら……。

普通の民家はないとして、廃墟、しかし周りは新築ばかりで見当たらない。

ならどこだ……森や林……一番、怪しい。

一軒の民家の裏に木が覆いしげっている道が目に入る。

道路が整備されている、様子はなく、何年もほったらかしにしているかのようだ。

経験上大抵、この奥に敵のアジトは存在するはずだが……。

行ってみる価値はある……光太郎は奥へと進む。

途中から道路はなくなり、柔らかい土が盛り上ってかなり運転がしにくい……。

その先に見えてきた十字架が貼られた赤い屋根の教会のような施設……見るからに怪しい……。

そして軽自動車から一人の白人女性が飛び出してきた。

かなり慌てているようだが、何事だろう。

光太郎も教会の前にバイクを停車させると、女性に話しかける。

 

「ちょっとそこのお姉さん そんなに慌てていったいどうしたんだい?」

 

「この教会の中に怪物がいるみたい…今、私の友達が倒しに行くって!……家で待ってろって言われたけど、いても経ってもいられなくて!……」

 

「何だって!? その情報は確かなのか!?」

 

「多分……友達は以前にそういうような怪物と戦ってたから大丈夫だって言ってたけど、私心配で……」

 

怪物と戦ってた……間違いなく甲平はこの教会の中だ。

 

「中は危険だ! 君はここで待ってくれ!」

 

不安そうな彼女を宥め、光太郎は教会のドアを開くと目の前ではBFカブトと不気味な手足の長い怪人が戦闘を繰り広げていた。

光太郎はBFカブトと合流して加勢すべく、RXへと変身する。

 

「来てくれたのか!」

 

「遅くなってすまない! 共に戦おう!」

 

仮面ライダーBLACK RXとビーファイターカブト、ここに二大戦士が揃う。

 

「一人増えようがワシの敵ではないわ!」

 

RXが空中から上半身、BFカブトが陸から下半身を狙うが、攻撃が届く前にスレンダーマンの手と足が彼らを叩きつける。

 

「あのリーチの長い手足のせいで、攻撃するどころか近づくこともできない!……」

 

スレンダーマンは細長い手足を鞭のようにしならせ、攻撃する……そのスピードはRXとBFカブトでさえ、反応できない程の凄まじい速さであった。

自分の手足を攻防一体の武器として巧みに扱うスレンダーマンが相手では苦戦は免れない。

 

「焦ってはダメだ 俺に考えがある!」

 

しかしRXは焦らない……胸のマークがRXのマークの末尾部分が数字の3や大文字のBを模した形状になり、身体が青く変化していき、その姿を怒りの王子、バイオライダーへと姿を変えた。

バイオライダーは敏捷性と変幻性に優れた能力を有しており、最大の特徴は、自身をゲル化することで物理攻撃を全て回避することが可能なのだ。

バイオライダーがゲル状化すれば、スレンダーマンの長く素早い攻撃でさえも意味をなさない。

 

「な、なんじゃ!?」

 

ゲル化したバイオライダーはスレンダーマンの攻撃をすり抜けると、羽交い締めのような形になる。。

 

「は、離すのじゃ!」

 

しかしいくら力が強かろうが、抜け出すことは不可能なのだ。

 

「今だ甲平君!」

 

バイオライダーからの掛け声が掛かると、BFカブトはカブトランサーを出現させ、必殺技「ライナーブラスト」を発動させ、スレンダーマンを一閃。

 

「ワシを倒したところで、最早、人類の滅亡は止められんぞ!……そして貴様らは生きてここから出ることはできないのじゃ!」

 

スレンダーマンは意味深な呪詛の言葉を残しながらも、爆発四散。

鬼もその親玉も倒した……ニューヨークの街にこれで平和が戻るはず。

しかし光太郎の中のモヤモヤが晴れていない。

それは信彦のこと……光太郎は信彦を追い、鬼の事件へと巻き込まれた。

これが偶然だとはとても思えない……。

自分の見間違えなどではないとすれば信彦の幽霊、残留思念かそれとも……。

だが今は人を襲う脅威を撃破したから、暫くは安心だろう……信彦の件はこの後、ゆっくりと調べようと思っていた。

だがまだ脅威は去ってはいなかったのだ。

RXもBFカブトも背後から忍びよるカショッ……カショッ…と言う不気味な金属音に反応し、すぐさま振り向くが不意に放たれた拳大のエネルギー弾を避けきれない。まともにRXとBFカブトの胴体に直撃すると火花が弾け、エネルギー弾の威力に二人は地面に膝をついてしまう。RXとBFカブトの二人は二次攻撃に備え、体勢を立て直すとファイティングポーズを取る。

 

「シャドームーン!? やはりお前が絡んでいたのか!? だが何故だ!? お前は確かにあの時!……」

 

あの特徴的に聞き覚えのあるRXは薄々感じてはいたが、やはり驚きを隠すことはできなかった。

二本の触覚、緑色の複眼に銀色のボディが輝いている……目の前にいるのは間違いなく宿敵シャドームーンだ。

しかしシャドームーンはRXと戦い、最後は力尽きたはず……。

 

「俺は闇の意思により地獄から蘇った……そして戦いを離れ、腑抜けた貴様に人間の恐怖から作り出した怪人を使って戦うことを思い出させてやったのだ」

 

「ヤロォ……ふざけやがって!」

 

「待つんだ甲平君!!」

 

BFカブトはカブトランサーを持つとシャドームーンに向かっていく。

しかし怒りに身を任せて、カブトランサーを振り回しているが一向に当たる気配がない。

怪人を裏で操っていたのはシャドームーン……つまり間接的に友人を奪った仇ということ。

気持ちは分からないでもないがさすがに大振りになりすぎている……あれでは勝てるはずがない。

シャドームーンはただ単純に強いの一言だけでは片付けられないことを何度も戦ったRXが一番知っている。

シャドームーンは戦う相手の心の隙を見逃さない老獪さも持ち併せているのだ……おそらくBFカブトがどういう状況に置かれているかくらいリサーチ済みだろう。


「小賢しい害虫め!」

 

大振りしたBFカブトの攻撃をかわし、シャドーセイバーを切り刻む。

勝負は一方的に進む……これまで何度も強敵を葬ってきたBFカブトだがスレンダーマンとの戦いで疲弊しまったのか、動きにキレがない。

そんなBFカブトを嘲笑うかのようにボディに一太刀入れると、蹴りで体勢を崩させる。

このまま戦いを続行すれば、BFカブトの負けは免れない。

 

「やめろ! お前の目的は俺だろシャドームーン!」

 

光太郎は変身を解除すると、シャドームーンを睨み付けた。

生身に戻った光太郎の行動にBFカブトもシャドームーンも戸惑い、驚く。

 

「何のつもりだ?」

 

「シャドームーン!……俺の命がほしいならいくらでもくれてやる! だからもうやめてくれ!」

 

自分が[ピーーー]ば、シャドームーンが戦う理由はなくなる。

つまりこれ以上、関係ない人たちが巻き沿いになり、命を落とすこともないし、それで解決するのなら、命の一つや二つ惜しくはない。

 

「失望したぞRX……本当に腑抜けてしまったようだな!」

そう言うと、シャドームーンの両手から稲妻状の緑色の破壊光線が放たれる。

RXでない状態であの光線を浴びたら、ひとたまりもないが避けるつもりも毛頭ない。

光太郎は茂、ひとみなどに「ごめん……」と一言、謝罪すると、死ぬのを覚悟した。

 

「危ないっ!!」

しかしその破壊光線は間一髪のタイミングで光太郎の前に飛び出してきたBFカブトに直撃すると光線を浴びたダメージからビーファイターから甲平の姿にへと戻ってしまう。

力なく、バタリと倒れる甲平を光太郎は慌てて、抱き起こした。

 

「甲平君!? しっかりするんだ! 何故、あんな無茶を……」

 

ビーファイターの変身が解けてもなお力ある限り、立ち向かおうとする甲平……だがこの身体ではシャドームーンと戦うのは自殺行為に近い。

光太郎は甲平を宥めようとしたのだか逆に彼の魂の叫びを聞く……。

 

「何でそんな簡単に命を捨てようとするんだよ?……あ今のあんたは自分から逃げてるだけだ!……確かに今まで救えなかった命もあるかもしれない……だけどあんたが救った命も沢山あるはずだぜ? あんたが死んだら誰があんたの大切な人を救うんだよ!」

 

「甲平君……」

 

逃げてるだけ……確かにその通りかもしれない……。

目の前にいるシャドームーンである信彦は勿論、育ての父である総一郎、叔父と叔母である佐原俊吉、唄子を光太郎は救えなかった。

自分に深く関わるほど、大事な人は危険な目に遭い、傷つく……。

だから人と関わりを持たず、戦いに身を投じなければ、そんな悲劇は起きないだろうと考えていた。

しかしそれは誰より、自分が一番傷つくことを怖れていたのかもしれない……。

そんな臆病者が大事な人たちを守れるはずがないのだ。

 

「戦う気がないのならあの世へ送ってやる! その後で佐原家の兄妹、さらには秋月杏子と紀田克美を抹[ピーーー]るまでだ」

 

「何だと!? 何故、関係ない人たちを巻き込むんだ! 蘇って悪魔にまで堕ちたようだなシャドームーン!! お前の目的はいったい何だ!?」

 

茂やひとみ、信彦が大切にしていた妹の杏子や恋人だった克美にも手を出すと言うのだ。

光太郎には理解できなかった……自分との決着にこれだけ執着しているのに何故他人を巻き込むのか、 死んで済む話しではないのか……。

 

「目的? 創世王への道は絶たれ、利用したクライシス帝国も最早ない……俺を突き動かすのはRXと真っ向から戦い、決着をつけることのみだ! その為なら悪魔にでも何にでも喜んでなろう!」

 

甲平の身体を張った魂の叫び、そしてシャドームーンの卑劣な行為に光太郎の中で何かが弾けた。

夢に出て来てた信彦のこともあり、戦いたくはなかったがシャドームーンが大切な人たちを巻き込むと言うのなら、その人たちを守るべく全力で戦う。

 

「そこまで腐ったかシャドームーン!……そんなことは……関係ない人間に手を出すことは……この俺が絶対に許さん!! 変……身!!」

 

少なくとも以前のシャドームーンは戦士としての誇りめあったし、自ら関係ない人間を勝負に巻き込むことはしなかった。

ましてや妹の杏子や恋人の克美への愛情は残っていたから傷つけるようこともなかったはずだ。

そこには友だった秋月信彦もライバルだったシャドームーンの姿はない。

目の前にいるのは冷酷非道で慈悲と戦士の心を失った悪魔だ。

それならもう迷わない!……大切な人を守る為、光の王子である太陽の子は目を覚ます!……。


「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK RX!!」

 

蒼白く輝く光るリボルケインと血のように真紅に染まった長短二振りの両刃剣シャドーセイバーが激突!……しかし一刀を力強く打ち込むRXと二刀を巧みに攻守で使い分けるシャドームーンの戦いは長引き、どちらも決定打を与えられずに時間だけがただ悪戯に経過していく。

 

「それでいい!……俺を[ピーーー]気でこい!」

 

つばぜり合いになり、身体の位置を入れ替えながら、RXがシャドーセイバーを次第に押し返し、短刀を弾き飛ばすと今度はシャドーセイバーがRXの手元に直撃し、リボルケインが手から滑り落ちる。

もう一刀残っているシャドームーン有利になったかと思いきや、RXの回し蹴りがもう一つのシャドーセイバーを蹴り飛ばし、再び戦いはお互いに武器のない五分五分の戦況に戻り、一瞬も気の抜けない戦いが続く。

先ほどは目まぐるしく変わった戦いがウソのように両者見つめい、牽制しあったまま石のように動かない……。

 

「今度はこちらから行くぞシャドームーン!」

 

「来い、RX!」

 

先に動いたのはRXだった……空中に舞い上がると、落下のさいの勢いを利用してシャドームーンに強烈なパンチを打ち込む。

しかしシャドームーンは避けようとはせず、両手を交差させ、パンチを受けとめる。

肉弾戦に移ると、先ほどの静寂は消え、パンチやキックの嵐をお互いのボディや顔に何度もぶつけていく……。

その戦い様は戦いは美しいとは言い難く、醜い争いと誰かに罵られたとしてもRXとシャドームーンは戦うことをやめないだろう……。

お互いに分かりあえない、譲れない信念がある。

その信念と信念のぶつかり合いなのだ……暫くその殴打で一進一退の攻防が続いたが、ただの肉弾戦では決着はつきそうにない……。

 

「どうやらお互いに必殺技を使うしかないようだなシャドームーン!……」

 

「そのようだな……」

 

戦いは最終局面を迎える……お互いに残っている体力は少ない。

その僅かな体力をこの必殺技にかける。

 

「終わりだシャドームーン!!……いや信彦!!」

 

「終わるのは貴様だRX!!」


空中でRXキックとシャドーキックがぶつかり合い、中間で激しい力と力が拮抗する。

さすがはシャドームーン……一瞬でも気を抜けば間違いなく一気にやられてしまうだろう……。

しかしそんな大きな力をRXは少しずつではあるが、押し返していく。

 

「俺は大切な人たちを守りきってみせる!!」

 

その揺るぎない信念はシャドーキックを完全に押し返す決め手となった。

 

「再び、この俺が負けると言うのかぁ!?……」

 

シャドームーンは完全にRXに力負けし、空中で凄まじい力がぶつかり合った反動から爆発が起こる。

その爆発の中からRXではなく光太郎が地面に叩きつけられていた。

 

「光太郎さん!!」

 

甲平が心配そうに駆け寄ろうとするが、光太郎は手で制止する。

RXキックを受け、空中で爆発を起こしながらもシャドームーンはフラつきながら、ヨロヨロと光太郎へと向かってくる。

だが、シャドームーンはRXを称賛し、負けを認めると光太郎の目の前まで来て力なく崩れ落ちた。

 

「またしてもか……完敗だ……」

 

光太郎は虫の息のシャドームーンの肩を抱き抱える……。

 

「教えてくれシャドームーン……これはお前が全て企んだことだったのか?」

 

「どうだろうな……だが……あんな薄汚い雑魚と一緒にするな……」

 

はぐらかすシャドームーン……多分、シャドームーンはディウスの計画などは知っていたが、裏で操ってはいないと光太郎は確信した。

 

「違うんだな……俺と真剣に戦うためにあんなことを……」

 

シャドームーンは変わってはいない。

戦っている最中は正々堂々と正面から向かってきた。

考えてみれば甲平がビーファイターの時に変身解除させられた攻撃もあれは光太郎を狙った攻撃……多分誰も傷つけるつもりではなかったのではないか……。

本気での勝負に拘っていたシャドームーンがわざわざディウスを使ってあんな小細工を仕掛けるとは思えない。

だから周りの人間を抹[ピーーー]ると宣言したのもRXと真剣に戦う為のいわば狂言だったのだろう。

「そんなことより……ここをすぐに離れろ……」

 

突如地響きが起こり、教会全体が激しく揺れる。

ただの地震かと思ったが、そうではないようだ……。

 

「スレンダーマンは保険として自分が死んだら自動的に爆発する爆弾を仕掛けている……」

 

シャドームーンが自力でフラつきながらも起き上がり、爆弾が仕掛けていることを告げると祭壇が開き、地下に繋がる穴が開くと、そこから大量の鬼が獲物を求め、教会中に溢れ返る。

ここから逃げるにも鬼たちを何とかしなければ……。

甲平にビーファイターに変身する余力は残されてはいないはず……そして優先すべきは一般人であり妊婦であるクレアの避難だ。

彼女は教会の外で甲平が無事に帰還することを今か今かと待ち望んでいる。

爆弾がどれくらいの規模かは分からないが、今の状況を知らない彼女が爆発に巻き込まれるこてだけは何としても回避しなければならない。

なら、自分が逃げ道を切り開くしか選択の余地はない……。

 

「ここは俺が引き付ける……甲平君、君は女性を連れて逃げるんだ!」

 

「あんたを見捨てることなんてできるかよ! 俺だってビーファイターなんだ!絶対にあんたと脱出してやる! 俺は絶対に諦めねーからな!」

なんて熱い青年なんだ……最後の最後まで生きることを諦めず、目の前にある命を絶対に見捨てない。

 


「甲平君!……俺だって諦めてなんていないさ シャドームーンも入れて三人で脱出だ!」

 

しかし変身しようとした光太郎と甲平の手をシャドームーンが抑える。

 

「バカなマネはやめておけ……RXもお前も奴らと戦いながら逃げれるほどの力は残ってはいない……ここはこの俺に任せろ……」

 

「まさか自分が犠牲になるとでも言うのか!? 力が残ってないのはお前だってそうだろシャドームーン!?」

 

シャドームーンも二人と同じで例外ではない。

シャドームーンもまたRXとの戦いで全勢力を使い切り、深いダメージを追っている。

ここの鬼たちを一人で片付けることなんて不可能だ。

 

「心配は不要だ……俺はお前が生き続けている限り、地獄に落ちようが何度でも蘇ってやる!」

 

シャドームーンは最後の力を振り絞り、フラフラしながらも近くに落ちていたシャドーセイバーを拾うと、襲ってきた二体の鬼の首を瞬く間に切り落とし、光太郎と甲平に向かってベルトから、目を開けないほど眩い光を放つ。

 

「さらばだRX……いや南光太郎!……次に戦う時はこうはいかんぞ!」

 

「やめろ信彦!……信彦ぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 

その光が光太郎と甲平を完全に包み込むと、目の前からシャドームーンの姿が徐々に消えていく……。

そして次第に視界が鮮明になっていくと同時に、目の前には民家が建ち並んでいた。

 

「ここは?……クレア!?」

 

「甲平!?……私、教会の前にいたはずなのにどうして家の前に!?」

 

やけに消防車や救急車、パトカーのサイレンがうるさい……。

「爆弾テロかしら?……」「怖いわねぇ……」「あの教会木端微塵らしいわよ?……」と野次馬たちが騒ぎ、見つめる方向を見ると自分たちがいた教会から黒煙が立ち上っていた。

あの絶望的な状況の中、三人とも助かったのだ……皮肉にもシャドームーンという犠牲を払って……。

 

「トニーの仇は取ってきたぜ?……」

 

「甲平……あなたには頭が上がらない……本当にありがとう!……」

 

クレアだけじゃない……光太郎も仮面ライダーとしての誇りを呼び覚ましてくれた甲平に感謝している一人だ。

 

「甲平君、俺からも礼を言わせてくれ ありがとう!」

 

「こっちこそ、助けに来てくれてありがとな!……それはそうとこの後、どうするんだ?」

 

「もう一度、大切な人たちを守る為にも俺は日本に戻るよ……また一緒に戦うことがあればよろしくな!」

 

光太郎と甲平はお互いにガッツリと握手をかわす。

きっとこの戦いはかつてない激しい戦いへの第一幕にしかすぎない……近いうちに再び、手を取り合う時はやってくる。

しかしどんな強敵が現れようが、太陽の王子と光の意思から生まれた戦士が必ず、闇を照らしてくれるだろう……。

 

 

第一章

ニューヨークの人喰い鬼編(完)


「その人を明け渡すべきだ!」「いや手術を強行すべきだ!」……聖都大学付属病院に勤務している医者たちは今、決断の時を迎えており、病院長である鏡廃灰馬は頭を抱えていた……。

 

「あぁ……どうすればいいんだ……」

 

数十分前に女子高生の怪我人救急搬送されてきたのだが、火傷に全身打撲、両手を複雑骨折、内臓や頭部にまで大怪我を負っていてすぐにでも緊急手術をしなければ、命が危うい。

すぐにでも手術を行いたいのだが、今はそれ以外にも問題が起こっていた。

 

「まだかなぁ?……早く答え聞かせてよ」

 

百人を裕に越える数の武装集団に病院を包囲され始めていた。

しかも包囲しているのは忍者のような黒子に戦闘用ロボットなど明らかにヤバい奴らだ……そしてそれを率いるのが巻毛にした黒髪に黒い海賊帽、深緑のシャツに赤いショール、首に白いふわふわを巻くなどかなり派手な格好をした宇宙海賊バスコ・タ・ジョロキア。

バスコの要求はその負傷して運ばれてきた女子高生を渡すこと……拒否するなら病院は血の海になると脅迫までしてきたのだ。

 

「おいおい……あの人数で攻められたら、ちょっとヤベェな」

 

アロハシャツの上に白衣、そしてサングラスをかけた監察医の九条貴利矢がブラインドシャッターから窓の下にいる数えない程の戦闘員を見ながら、呆れたように苦笑いしながら続けた。

 

「あの忍者みたいなのは知らないけど、あのロボットみてーなのは武装頭脳軍ボルトの兵士だな……」

 

研修医の青年、宝生永夢が貴利矢に尋ねる。

 

「貴利矢さん、何ですか、そのボルトってのは?」

 

「おう、ボルトってのはな、前に世界征服を企んだ組織でさ……」

 

世界は優秀な天才によって支配されるべきと考え、大半の人類を下等な人種と見下している科学者集団で大教授ビアスが天才、あるいはその素質があると認めた地球人をスカウトし仲間に引き入れている。

そして集めた天才たちを互いに競争させつつ育成し、世界征服の足掛かりとしている悪魔の組織で一度、超獣戦隊ライブマンの活躍によって殲滅したはずだが……。

 

「何でそのボルトってのは彼女を狙うんですか?」

 

「さぁな? 一つ言えるのはその女子高生がタダ者じゃないってことだ」

 

世界征服を目指そうとしている集団が瀕死の女子高生一人にここまで躍起になり、命を狙うなんて異常事態だ。

余程、脅威になる力の持ち主か、それとも何かボルトにとって都合が良くない秘密でも握っているのかもしれない……。

どちらにせよ、ただの重傷を負った女子高生ではないことは確かだろう。


「手術は決行する 逃げたい奴らは勝手に逃げればいい まだ裏口までは包囲されていないはずだ」

 
病院長の灰馬の息子で聖都大学付属病院のエース医師である鏡飛彩のこの一言で今までその場にいた医師たちが雪崩れのように次々と部屋から立ち去っていく。

 

「皆さん、落ちついて! ちょっと待ってください!」

 

永夢の必死の呼び掛けにも「まだ死にたくない!」と口を揃え、誰も聞く耳を持ってはくれない。

医師たちだって人間だ……あんな化け物たちに包囲されれば、逃げ出したくもなる。

 

「ピプペポパニックだよぉぉぉぉぉぉ!!……」

 

明日那がパニックになるのも無理はない。

結局、この場に残ったのは鏡飛彩、宝生永夢、花家大我、仮乃明日那、九条貴利矢、西馬ニコの六名……病院長の灰馬を入れても僅か七名。

しかもそのうちの二人はこの病院の医者ではなく、大我はゲーム病専門の「花家医院」の院長でニコに至っては医療の関係者ですらない。

 

「どうするんですか!? ただでさえ大変な手術で人手が必要なのに!」

 

「心に迷いのある奴ならいない方がマシだ」

 

「ブレイブの言う通りだ これは極めて難易度が高く、危険な手術 そんな状況で手術に集中できない奴らなんて邪魔にしかならんからな」

 

大我は飛彩の意見に同意し自分も手術を手伝うと宣言する。

 

「いや、そりゃそうですけど……」

 

そんな時だった……一人の白いコートを羽織った青年が突如、乱入。

 

「随分と揉めてんなぁ」

 

見たところ、この病院の医者ではなさそうだが……。

凍てつくような冷たい目をしたその青年は何事かと立ち尽くす全員を他所に運ばれカルテを眺めるとニヤリと笑うその顔を見て、灰馬は驚き、尻餅をつく。

 

「き、き、き、き、き、き、君は仲代壬琴!?」

 

「院長、誰なんですかこの人?」

 

「飛彩と入れ違いになってしまったが、以前うちにいたスーパー外科医だ!」

 

仲代壬琴……その名前に貴利矢、飛彩、大我の三人は聞き覚えがあった。

若干十四才で医師免許を取得し、どんな難しい手術も彼の手にかかれば簡単に成功してしまう天才外科医。

メディアの間でも彼を「ゴッドハンド」と呼び、一時期話題になった程だ。

しかしいつの間にか医者を辞め、表舞台から姿を消し消息不明になり、世間からは忘れ去られていった……。

 

「難しい手術だが不可能じゃない この際だから天を貸してやる」

 

「手伝ってくれるのか!? 神様、仏様、壬琴様! 君が手を貸してくれたら百人力だ!」

 

浮かれる灰馬を他所に飛彩の表情が曇る。

 

「ふざけるな ノーサンキューだ」

 

飛彩にもプライドがある。

医者を辞め、何年間もどこで何をしていたのかも分からないような奴を手術に参加させたくないのだろうし、おもしろくない。

 

「あっ? お前、先輩に向かって口の聞き方がなってねーなぁ」

 

「先輩だろうが何だろうがお前は医者を既に辞めているはずだ ブランクもあるだろう そんな奴にこの難しい手術は任せられない」

 

「まぁ二流のお前にとっては難しいかもな 俺にとってみれば言うほどじゃない」

 

「何だと!? 医者をナメるな!」

 

二流と侮辱され、プライドを傷つけられた飛彩は壬琴に掴みかかる。

 

「二人とも、落ちついてください!」

 

二人の間に永夢が割って入り、飛彩を宥める。

 

「飛彩さんらしくないですよ……僕だってこの人は好きじゃない だけど個人的な感情より優先すべきは患者の命のはずです 今は壬琴さんって人を信用してみませんか?」

 

この壬琴と言う男が気に入らないのは何も飛彩や永夢だけじゃない。

偉そうな上から目線の言葉に見下すような冷たい眼差し……灰馬以外は誰も彼の乱入を喜んではいなかった。

 

「ブレイブ、俺もあいつを今すぐぶん殴りたい だが状況が状況だ もしあいつの腕が鈍っているならすぐに追い出せばいい ここは一先ず手術を優先させよう」

 

大我の言う通りだ……かなりの大手術にるのにも関わらず、医者がほぼ残ってない。

その手術を「言うほどじゃない」と豪語する奴が目の前にいるのだから今は猫の手も借りたいくらいの状況ではある。

それにこうしている間にも、女子高生は死に一歩ずつ近づき、外には今にも痺れを切らし突入してきそうな武装集団が控えている……最早一刻の猶予も残されてはいなかった。

 

「怪我人を手術室へ運べ!!」

 

怒りを圧し殺し、飛彩が叫ぶと、側近の看護婦二人が手術室へと怪我人を運ぶ。

 

「これは一つもミスも許されない手術だ お前には無理だと判断した時点ですぐに退室してもらう」

 

壬琴は鼻で笑うと、飛彩と共に手術室へと姿を消し、彼らに続き、永夢、大我、明日那が続々と入室していく。

 

「てか外の奴ら、どうすんの!? 」

 

その場に残ったのは貴利矢、ニコ、灰馬の三人だけ……。

ニコの指摘どおり、外にはバスコ率いるボルトのロボット兵士に謎の忍者集団を含めた第軍勢……こいつらが問題だ。

あまりに数が多過ぎて、洒落にもならない。

 

「まっ、あいつらは俺が何とかするしかないでしょ……とりあえず病院長は今の状況を患者の家族に伝えてきてくださいって……ん?…病院長?…」

 

灰馬は足をプルプルさせ、立ち上がろうとしない……。

 

「いやぁ……仲代君がいきなり現れて腰が抜けてしまって動けないみたいだ」

 

本来なら病院長である灰馬が行くべきなのだが、仲代壬琴の一件で腰を抜かしてしまい動けないようだ……。

情けないことではあるが、動けないことには仕方ない。

 

「まっ、そこで病院長はジッとしててくださいよ……俺が行ってきますから……ニコちゃんもついてくる?」

 

「えっ? あっ、う、うん」

 

貴利矢は半ば呆れつつ、ニコを連れて家族の元に現在、どのような状況かを伝えに行く。

セーラー服を着た、二人組にガタイのよい赤いジャケット姿の男……患者の姉か妹、それに父親か?……。


「先生! 唯は……唯は大丈夫なのか!?」

 

姿が見えるなり、セーラー服を着た一人の女子高生が今にも殴りそうな勢いで貴利矢の胸ぐらを掴むと、その身体は宙に浮いた。

驚くべきことにいち女子高生が貴利矢の身体を持ち上げたのだ。

 

「お、おい……ちょっと!?」

 

握力は凄まじく、男の貴利矢でさえ、その手を離すことができない。

こんな力の強い女子高生がこの世に存在するとは……。

おそらく、スポーツ選手になれば余裕でチャンプになれる気がする……それくらい強かったしあのいつもは強気のニコでさえもドン引きしていた。

 

「由真! やめなさい!」

 

もう一人の女子高生が一喝すると、胸ぐらを掴んでいた手から力が抜け、地面に自分の足が着いたことを貴利矢は確認する。

た、助かった……安堵し、情けない顔になっていたのを咳払いで誤魔化し、貴利矢は何事もなかったかのように家族であろう人たちに話しかける。

 

「えっと……風間唯さんのご親族さんで?」

 

「はい 私が姉の結花、こっちが妹の由真 そっちの人は……担任ってところね」

 

「ん?……えっ!? あぁ!……担任の天宮勇介だ」

 

今のぎこちないやり取りは何なんだ……担任って言ってるが、どう見てもヤンキー上がりの怖そうな人にしか見えないんだけど……。

 

「ちょっと貴利矢、心の声出てんだけど……」

 

「へっ? あっ……」

 

ニコのツッコミで自分が無意識のうちに心の中で思っていたかなりヤバイ発言をしてしまったことに気づく。

しかし再び、咳払いをするとまた何事もなかったかのように話しを続けた。

 

「えっと、ですね……私は監察医の九条貴利矢と言う者ですが……」

 

ただでさえ親族が生死に関わる怪我をして重い空気の中、さらに空気を重くしといて「咳払いでコイツ、スルーしやがったよ……」と言いわんばかりの蔑んだ視線が痛い。

 

「唯さんなんですが、今、手術を開始しました かなり危険な状況であんまり言いたくありませんが覚悟はしておいた方がいいかもしれません……」

 

「そんなっ!……唯!! 先生、何とかしてくれよ!!」

 

「俺がもっと早く駆けつけていればっ!……」

 

涙を流し、取り乱す由真に悔しさから唇を噛み締める勇介……。

 


「二人とも!……落ち着きなさい! まだ唯が死ぬと決まった訳じゃないでしょ!……先生、大体で構いません、唯が助かる可能性はどれくらいなんですか?」

 

「……成功の確率は五十パーセントってところ……ですかね」

 

ニコが貴利矢に懐疑的な視線向けるが彼女が言いたいことは分かっていた。

資料やさっきの言い争いを見てりゃ、手術の成功する確率なんて五十パーセントもない……それは素人でも大体分かる。

二十パーセントがいいとこだろう……でもそれは知らなくていい真実だと貴利矢は判断した。

助かりすれば、ここで言うパーセントなんて関係ない。

きっとアイツらなら、成功してくれるはず……ニコも貴利矢が言いたいことを察し、視線を下げる。

 

「もう一つ問題がありましてね……むしろそっちの方が手術より問題でして……」

 

これはかなりの時間を要する大手術だ……その間に外にいる奴らが病院内に侵入し、患者を襲い、手術室を襲撃すれば一巻の終わりだ。

おそらく痺れを切らし、バスコたちが動き出す頃だろう……。

今、この病院内でまともに戦えるの戦士は仮面ライダーレーザーの変身者である貴利矢しかいないのだ。

みんなだって難しい手術に挑んでいる……自分だって医者の端くれだ。

手術には参加できないが、それを外からサポートすることならできる。

 

「奴らが病院内に侵入したらそれこそ一巻の終わりです……安心してください、命に代えてもこの俺が……」

 

「ライブマンである俺がそんなことはさせない! だから先生は手術に専念してくれ!」

 

「はっ?……」

 

貴利矢が悲壮な決意を語ろうとした途中で勇介が割り込んできた。

今、サラッと耳を疑うようなことを聞いた気がするが、空耳だろうか……。

「あんたライブマンなの!?」

 

「俺は超獣戦隊ライブマンのレッドファルコンだ さっきは担任だと騙してすまない」

 

まずそもそもが騙されてない……担任だのこうの言う謎のやり取りはいらなかったと思う……絶対に普通の流れで進行したらバレることなのだから……。

今はそんなことより、戦ってくれる仲間が一人でもいてくれたことを喜ぶべきだ。

 

「マジか! 助かるぜ! そっちの二人もライブマン?」

 

「いや、彼女たちはスケバン刑事 ボルトが再び世界征服を始めて戦っている過程で出会った 彼女たちも悪と戦う戦士だ……」

 

とりあえずライブマンではないが、結花と由真もある程度、戦える力はあるという話しのようでさっき由真に持ち上げられた、貴利矢からしたら特段驚きはなく、まぁそんなことだろうかと思った的な感覚でしかない。

どうやら果心居士と言う妖術師が率いる影という忍者集団が復活し、彼女たちはそいつらと戦っていたらしい……。

そしてボルトと影は手を結び、世界征服を企んでいると……。

 

「なるほど……どうりであんな連中がウヨウヨいるわけだ……俺もさぁ、どうやってあいつらを一人で片付けようかって考えてたんだよね 俺は仮面ライダーレーザーだ ヨロシクな」

 

「仮面ライダー!? 聞いたかよ姉貴?」

 

「聞いたわ 仮面ライダーなんてただの都市伝説だと思ってたのに」

 

「君が噂に名高い仮面ライダーか!……共に戦おう!」

 

貴利矢と勇介はガッチリと握手すると、今後について話し合いを始める。

「今、戦える仮面ライダーは君一人なのか?」

 

「いることはいるんだが……一応、アイツにも頼んでおくか……」

 

本来は話しどころか、できたら顔さえ見たくない。

そのアイツとは五年前に起こった人間大量消失事件「ゼロデイ」を引き起こした張本人。

そして世間を騒がせたゲーム病……その原因である「仮面ライダークロニクル」を産み出した男で貴利矢にとっては一度、自分の命を奪われた因縁の相手でもある。

そんな奴の力でさえ、今は借りたかった。

そう……それは普段、ガシャコンバグヴァイザーⅡと言うゲーム内に閉じ込められているあの男である。

 

「この檀黎斗神の力を発揮する時が来てしまったようだなぁ!!」

 

ブハァハァハァ!!といつも通り、大きく耳障りな笑い声を周囲に響かせる。

こんな状況でなければ、助けなど借りないのに……。

 

「ホンッとうるせー奴だなぁ……檻に戻すぞ?」

 

「私を戻すことはできないっ!……何故なら戦力が少ないからだ! こんなひ弱な女子高生たちに頼るくらいなのだから!!」

 

「んだと!? 聞いてりゃ言ってくれんじゃねーか、このゴボウ野郎!!」

 

カッとなりやすい由真が火なら、黎斗はまさしく油の関係だ……。

こいつら戦う時は離しておいた方が無難か。

 

「私はゴボウ野郎ではない! 私は……神だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

しかし黎斗のブレないキャラに最早、苛立ちを通り越し、呆れてものが言えない……。

 

 

「やめとけ由真ちゃん そいつ相手にするだけ時間の無駄だから」

 

とりあえず配置と作戦を決めなければと思ったが、作戦なんて考えてる時間はないし、この圧倒的物量差だ……作戦もくそもないだろう。

だが配置だけはそうはいかない……。

入口は正面、その近くの時間外入口、さらに従業員専用の裏口の三ヶ所だ。

正面は敵も集中しているし、入口自体が大きいので三人で守りたい。

 

「正面は俺と檀黎斗と結花ちゃんで戦う」

 

そして時間外入口は小さいので二人いれば十分だろう。

 

「時間外入口を勇介さんと由真ちゃんで守ってもらうとして問題はここなんだよなぁ……」

 

裏口は意外と大きいが、どうするか……。

結花ちゃんや由真ちゃんがどれだけ強いのか分からないが戦う時は強化スーツの類いのものは着ないみたいだから、自分や勇介さんの近くに置いておかないと少し心許ない。

となれば、さっきから「私も戦えるよ!」オーラ全開で見つめて来るニコしかいないのだがどうしたものか。

ニコも戦うことは一応できるが、ライドプレイヤーであって、貴利矢や黎斗といった仮面ライダーよりも攻撃、防御、スピード、どれを取ってもかなり劣る……しかも、もしニコに何かあれば、大我に合わせる顔がない。

 

「裏口は私に任せてください」

 

小柄で若い女性の救急救命士が裏口の守備に名乗り出る。

ちなみに別の病院から本日付でこの病院に来たらしいが……。

 

「悪いけど遊びじゃないんだよね お姉さんも早く逃げな」

 

そう言われると思ってましたと言わんばかりに救命士の女性は「着装!!」と叫び、腕についているブレスに手を伸ばす。

そしてあっというのは間に桃色の強化スーツが若い女性の身を包む。

 

「もうすぐ連絡をしたお兄ちゃんたちも来ます 微力ですが、私たちゴーゴーファイブも一緒に戦わせてください!」

 

ゴーゴーファイブと言えば、災魔一族と戦ったレスキューのプロだ。

間違いなく戦力になってくれる!……。

 

「マジか!! オッケー! 裏口は頼んだぜ!」

 

運が向いてきたと貴利矢は感じていた。

一人であの大軍と戦うことも覚悟していたのだが、少し気が楽になる。

仮面ライダーレーザー、仮面ライダーゲンムの仮面ライダー二人にライブマンのレッドファルコン、ゴーゴーファイブ、スケバンの結花と由真、全員集合すれば、十人で戦えると言うことだ。

しかし戦況が厳しいことには変わりない……だがこれだけ、戦える戦士がいるのは心強い。

 

「よし、決まり! じゃあみんな、奴らに一泡吹かせてやろうぜ!」

 

「ちょっと貴利矢、盛り上がってるけど、私はどうすんの!?」

 

そう言えば、ニコをどうするか貴利矢は忘れていた……。

裏口をゴーゴーファイブに任せるなら、ニコは溢れる。

裏口でゴーゴーファイブと一緒に戦ってもらってもいいが……いや、無理に戦いに参加させる必要もない。

 

「うん?……えっと……ニコちゃんは病院内にいる患者たちに今の状況を説明しつつ、ケアしてやってくれ」

 

「はぁ!? この流れと状況で私はお留守番!? そんなの有り得なくない!?」

 

「と……言うわけで、みんな気を引き締めて行こうぜ!」

 

バスコ率いる、ボルトと影の混合集団と日本の戦士が集結したアベンジャーズとの戦いが今ここに幕を開いたのだった。

>>53
批判は批判でも為になる批判ならいいよ
でも少なくともここで荒らしてる奴らってまともに読まず、それこそ小学生が自由帳に書く意味不明な悪口と同レベ
批判するんならどこをどうしたら良いのか具体的言ってほしいね

誤字脱字や送り仮名の間違いなんかは推敲不足として欠点には挙げないとしても
基本的な言い回しや文章の流れ、慣用句のおかしさが目につく
>>2からすでに
>日本ではゲーム病気が流行っていて発症した人達は消えてしまうと言う奇怪な病気だ。
「ゲーム病」と「奇怪な病気」で頭痛が痛い
この場合「ゲーム病という病気が流行っており、その症状は~というものだった」←語尾が現在形なのもおかしいので過去形にすること

あと下から読んでいったら
>>83の「思ってましたと言わんばかりに」という表現も違和感が激しいが元々は「言わんばかりに」という慣用表現なので許容範囲ではある
>>81、「火と油の関係」などという言葉はない。「火に油を注ぐ」と「水と油」をごっちゃにして新しい意味を付け加えている
>>74、「その人を明け渡すべきだ!」←人は明け渡せない。引き渡さなければならない
同じくジョロキアの風貌を説明しているシーン
「巻毛にした黒髪に黒い海賊帽、深緑のシャツに赤いショール」まで詳細に描写していながらファーのことを「白いふわふわ」というのは
あまりにも語彙が不足している。せめて画像検索で似たものを見つけるくらいの努力は物書きとして基本以前の問題ではないのか
>>70、シャドームーンとの問答
「教えてくれシャドームーン……これはお前が全て企んだことだったのか?」
「どうだろうな……だが……あんな薄汚い雑魚と一緒にするな……」←どうだろうなと言った直後に完全否定している。明らかに前半が不要
戦闘シーン
「その爆発の中からRXではなく光太郎が地面に叩きつけられていた。」←この表現では「叩きつけられていた」のは光太郎一人と取れるが
「空中で爆発を起こしながらもシャドームーンはフラつきながら、ヨロヨロと光太郎へと向かってくる。」
という後の文にシャドームーンの着地の描写がないため、空中からフラフラと向かってくるのか? という謎の場面になっている
>>62、アジト捜索
「その先に見えてきた十字架が貼られた赤い屋根の教会のような施設……見るからに怪しい……。」
「そして軽自動車から一人の白人女性が飛び出してきた。」
この2文が連続して書かれているが「軽自動車」などどこにもあったという描写はない。どこから出てきた

このへんで嫌になってきたので詳しく指摘するのはやめるが、もう少し文章自体を書く練習をしたほうがいいと忠告はしておく
読むことが苦痛になる文章は、内容がどうであれ正当な評価を受けるのは難しい

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