絵里「あぁ~♪チョコ美味しいわぁ♪」海未「はぁ…」(19)

絵里「ん~♪このチョコレート美味しいわぁ。」

絵里「わざわざ並んで買った甲斐があったわ…!これは今まででもトップに食い込む美味しさね。」

絵里「どうしても食べたくなっちゃったから公園で食べてるけど…誰も見てないわよね?」

──────

海未「はぁ…穂乃果と喧嘩したまま別れて帰ってしまいました…。」

海未「なんでいつも言い過ぎてしまうんでしょう…はぁ。」

海未「少し公園で頭を冷やしてから帰りましょうかね…。」

絵里「あ~っ♪これも甘くてとっても美味しいわぁ♪」

海未「おや?絵里ではないですか。」

絵里「!!??あ、あら海未。奇遇ね。」

絵里(まずいわ…にやけ顔でチョコを食べているのを見られたかしら…!?)

海未(絵里が公園に1人でいるなんて、珍しいですね。)

海未(…!絵里なら穂乃果との喧嘩のことを話せるかもしれません。)

海未「絵里、今ちょっといいですか?」

絵里「え、えぇ。大丈夫よ。」

絵里(こんなところでにやけながらチョコを食べてて…引かれてないわよね?)

海未(やはり喧嘩の原因はお互いの性格ですかね…。)

海未「あの…絵里は(性格が)固いのはどう思いますか?」

絵里「えっ?どうって?」

海未「そのままですよ。どうですか?」

絵里(硬いってチョコのこと…?やっぱり見られていたのかしら。とりあえず冷静に振舞いましょう。)

海未(いつも喧嘩になるのはきっと私の性格が固いことも原因の1つなんでしょう…。絵里から見たらどうなのでしょうか。)


絵里「別に硬くてもいいわよ。特に気にしないわ。」

海未「そ、そうなんですか?」

絵里「そんなこと別に考えないわよ。海未は苦手なの?」

海未「い、いえ…私というより穂乃果が…。」

絵里「穂乃果が?そんな風には見えないけど」

絵里(穂乃果って意外なこだわりがあるのかしら…?)


海未「いや、穂乃果は固いのはあまり好きなんじゃないんだと思います…。いつも固すぎると文句を言っていますから…。」

絵里「きっと海未の勘違いよ。穂乃果が硬いのが嫌いはずないじゃない。自信を持って言えるわ。」

海未「ほ、本当ですか?」

絵里「ええ、本当よ。」

絵里(この前部室で板チョコバリバリたべてたしね。)

海未「え、絵里にそう言ってもらえると少し安心しました…。」


絵里(なんだかよくわからないけどうまいこと話が逸れた…?もしかして気づいていなかったのかしら?それならこのままやり過ごしましょう。)

絵里(しかし、何で穂乃果のチョコの好みなんか気にしているのかしら?手作りチョコでもつもり?)

絵里(それなら私にも少し分けて欲しい……!そうだ!チョコ作りのアドバイスをしてお礼としてもらいましょう!)

絵里「もし良かったらどんな風にしたらいいか教えてあげるわよ?」

海未「なにかアドバイスがあるのですか?ぜひ聞かせて欲しいです。」


絵里「まず海未は硬さにこだわっていたけれど…硬いかどうかはあまり重要ではないわ。」

海未「そうなのですか?」

絵里「それよりも、大事なのは甘さよ!」(チョコの)

海未「あ、甘さ!?」(性格の)

絵里「そうよ。どのような甘さを表現できるかが1番重要だと言っても過言ではないわ。」

海未「し、しかし固さと甘さの両立って難しくないですか?」

絵里「そう?まぁ気になるなら最悪硬さは諦めて捨てちゃってもいいわね。」

海未「捨てちゃうんですか!?」


絵里「それくらい大事ってことよ。甘さが残らなければ本末転倒じゃない。」

海未「うぅぅ…。しかし、そういうのはことりのような人の専売特許ではないのですか?」

絵里(なんでことり?…あぁ、そういえばお菓子作りが上手だったわね。)

絵里「別にそんなことないわよ。海未にだってできるわ。」

海未「そうですかね…にわかには信じられませんが…」

絵里「大丈夫よ。昔、希もしてくれたことがあるわよ。甘々のやつを。」

海未「え、えぇっ!?希がですか!?」


絵里「あまりにもいい匂いがしたものだから、ここで食べさせてってお願いしたのよ。」

海未「た、食べさせる!?甘いってそういうことだったのですか!?」

絵里「実際にこっそり生徒会室で食べたけど、あれはかなり甘々で良かったわ。」

海未「生徒会室で何をしているのですか!?」

絵里「また食べたいわね…してくれないかしら。」

海未「そんなことを公園で言わないでください!」


絵里「あ、そういえばにこも最近してくれたわね。」

海未「にこにもしてもらったんですか!?」

絵里「にこのはなんか、凄かったわね…舐めてると凄い量のとろっとしたものが口の中で溢れて…。」

海未「も、もういいですっ!わかりましたっ!甘いのがいいのはわかりましたから!」

絵里「そう?まだ話せることはまだいくつかあるけど。」

海未「いや、大丈夫です…。もう十分に理解できました…。」


絵里「わかってくれて良かったわ。なら海未も硬さよりも甘さにこだわることね。」

海未「は、はぁ。しかし私は絵里達ほど甘くなくても良いのですが…。」

絵里「そう?なら、形を工夫するのはどうかしら?見た目だってとても大切だからね。」

海未「形…?(外見のことでしょうか?)例えばどんな風にですか?」

絵里「そうね…。動物(チョコの型)とかどうかしら?可愛らしくていいと思うわ。」

海未「ど、動物(犬耳コスプレ)ですか!?それも結構恥ずかしくないですか?」


絵里「そんなことないわよ。その辺のお店で買ってくればすぐにできるし、きっと喜んでくれると思うわ。」

海未「その辺で買ってくるって…簡単に言いますけどね…。」

絵里「さっきから恥ずかしがってばっかりじゃない。そんなんじゃいつまでたっても話が進まないわよ?」

海未「私だってこのままは嫌ですけど…これで本当に穂乃果に(気持ちを)受け取ってもらえるか心配で…。」

絵里「…海未。1番大切なことを教えてあげるわ。」

海未「1番、大切なこと…?」

絵里「例えば海未が、穂乃果から一生懸命作ったけどうまく作れなかった饅頭をプレゼントされたとして……海未は嫌な気持ちになるかしら?」

海未「そんなことありません。穂乃果が私のために頑張ってくれただけで私は……はっ!」

絵里「そうよ。気づいたようね。」

海未「…そういうことなんですか。」

絵里「相手に何かしてもらったときに最も嬉しいのは何をしてもらったじゃないの。相手がどれだけ自分のためにしてくれたのかなのよ。」

絵里「海未はどんなことを穂乃果にしてあげるべきかをこんなに一生懸命考えている…。それだけしてくれるだけで穂乃果にとってこんなに幸せなことはないわ。」


海未「…なるほど。最初から私は考え方を間違えていたのですね。」

絵里「わかってくれたなら嬉しいわ。それなら後は何をすればいいかはわかるわね?(動物型の甘々チョコを作る)」

海未「はい。決心がつきました!今すぐ準備をして穂乃果のところへと向かいます!(従順で甘々な犬耳コスプレをする)」

海未「絵里、相談にのっていただきありがとうございました!」

絵里「ふふっ。いい結果報告を期待しているわ。」

海未「もちろんです!」

たったったった………

絵里「ふぅ…。ひと仕事できたわね。」

絵里「最初はチョコを食べてるところを見られてたかと思ってひやひやしたけど、結果的に先輩としての威厳を見せられたかしら?」

絵里「μ'sは先輩禁止だけど、やっぱりみんなのお姉さんみたいな立ち位置にはいたいしね。」

絵里「安心したらチョコが食べたくなったわ。もう残りの分も全部食べちゃいましょう!」

ぱくっ

絵里「うぅ~ん♪おいしいわぁ!♪」

───────

穂乃果「はぁ…海未ちゃん怒ってるかな…。こんな喧嘩して…。」

穂乃果「早く謝りたいけど…どうしたらいいんだろう…」

海未「穂乃果─────!!!」ダダダダ!!

穂乃果「う、海未ちゃん!?どうしたの!?」

海未「私、いや、海未は穂乃果に言いたいことがあって来ましたわん。」

穂乃果「わ、わん?それより何で犬耳つけてるの?」

海未「穂乃果ぁ…海未はとても反省してますわん。許してほしいですわん。」ぎゅーっ

穂乃果「う、海未ちゃん!?ここ秋葉原のど真ん中だよ!?さすがに恥ずかしいよ!?」

海未「私は穂乃果がいないとダメですわん!
仲直りをしたいですわん!」

穂乃果「わかった!わかったから大声を出さないで!変な人達だと思われるから私達!!」

海未「海未は穂乃果の言うことなら何でも聞きますわん!なんでも好きに言ってくださいわん!」もぎゅぎゅぎゅ──!

穂乃果「海未ちゃ───────ん!!?」

おしりです。

ここまで見ていただきありがとうございます。

海未ちゃんの誕生日まであと8日ですね。

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