一之瀬晴「黒組reverse」 (7)

悪魔のリドルSS

原作キャラだけでなく、ソーシャルゲーム「悪魔のリドルAK」のキャラも扱います。
なので、AKキャラクターの方は資料が少なく部分的に設定等オリジナル要素が加わるかと思います。
後者は話の展開で入る事がありますが、この要素目当てで本編を書く訳ではありません。


私立ミョウジョウ学園、某日


 鳰「あ~、えっとッスね。今回はまぁ、色々と訳アリな黒組でして」


それは東兎角含む、一之瀬晴以外が集められた夜間ミーティングでの事。

パッド型の情報端末を弄る走り鳰は、どこか困ったような顔を浮かべながら主である百合目一の方を見やった。

本当にこの内容でいいのか、という目配せには無言の笑みが返ってきた為、小さくため息をつきながらも黒組全員へと向き直る。


 鳰「今回の黒組は通常のモノとは大きく違うッス」

 香子「具体的にどう違う」

 鳰「今回はターゲットの暗殺じゃないってことッスかね」

 伊介「はぁ~?♥ ふざけてんの?♥」

 乙哉「ピンクの子にどうかーん♪」

 涼「これまでの"黒組"の例に漏れずターゲットの暗殺……ではない。では、如何様にして勝者を決めるんじゃろうか」

 鳰「まぁ、勿体ぶるような内容でもないッスから言っちゃうッスけど」


端末を通して空中に浮かび上がる映像に映し出されたのは、とある女子高生達の顔写真の一覧。

その横には、この場に居るメンバーの同様の写真が並び、そして一之瀬晴だけが中央に配置される。


 鳰「 今回の黒組は、ウチ達十年黒組ともう一方十一年黒組との"奪い合い"ッス 」

 兎角「………」

 春紀「こっちとあっち、って事は、アタシらは仲間同士って事になるのか?」

 鳰「ウチとしてもこんな暗殺者集団と組まされるの何てホントは嫌ッスけどォ。開催者が決めた事ッスから文句は言えねーッス!」

 伊介「伊介一抜けた♥ 何が好きでこんな連中と組まなきゃいけないのよ♥」

 純恋子「事前説明では、この様な内容ではなかった筈ですけれど、何故急にこの様な変則的な事に?」

 鳰「あー、えー、色々あるッスよ色々」

 千足「色々、で千載一遇の好機を不意にしろと急に言われてもこちらは納得しかねるな。叶えて貰う側であるとはいえ」

 柩「ボクもそう思います。迷子になってまで来たのに……」
 
 しえな「そ、そうだ。僕たちが協力できると思うか!?」

 真昼「……慣れ合いは、いや、ます。目的を、達したいだけ、ですから」

 目一「不満は色々あるでしょう。急な変更になってごめんなさいね。ただ、それ相応の対応はするつもりよ」




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誤魔化す様にたじろいでいる鳰に代わり、それまで無言を貫いていた目一が椅子から立ち上がる。

鳰の持つ端末を掴み、操作を行いながら


 目一「ここに映されている"十一年"黒組の子たちにもつい先ほどまで"候補"が居たわ。もう、この世にはいないけれどね。

    出席番号1番××さん。名前は伏せましょう。まだ待機中にも拘わらず彼女は暗殺され、十一年黒組は始まる事も無く閉校。

    流石に報酬は無効にさせてもらったけれど、他の子達の気が済まない。つまり」

 純恋子「わたくし達に白羽の矢が立った、という訳ですの」

 目一「私自身も気になってはいました。殺す事に長けた"暗殺者"の"反対側(reverse)"、つまり何かを守護する力も。」


変わらない、だが変化しないからこそ薄気味の悪い笑みをたたえたままの目一の様子に、黒組の面々は訝しげな表情を浮かべたり困惑の表情を浮かべたりと様々な反応を見せていた。

そんな中、それまで一切の沈黙を貫いていた人物が声を上げる。目一すら意に介さない様子の犬飼伊介とは対照的に、明確な敵意を目一に見せつけながら、


 兎角「さっさとこの茶番を終わらせろ。私はターゲットの暗殺さえ達成できればそれでいい。」


全員(とは限らないかもしれないが)が思っている事を面と向かって口にした兎角に、目一はしかし笑みを崩さずに鳰へと目配せをする。

先ほどからややこしい事になっている状況にうんざりした様子の鳰だったが、すぐに端末を操作し、


 鳰「いくつか誤解を解いておくッス。今回は特殊な暗殺条件が複数あり、その内どれかを達成できれば願いは叶えられるッス。

   よって、願いを叶えられる条件を得られるのは"二人"。」


十年黒組から一名、十一年黒組から一名。と考えれば妥当ではあるが、しかし、同学年から二人達成者が出るのも有効であると伝えられた。

当然ざわつくが、その特殊条件についての催促の声が上がる。


 鳰「一つ目は、ターゲット"一之瀬晴の暗殺もしくは他学年生徒による暗殺の阻止"。二つ目は、"十一年黒組の『候補』殺害の犯人の特定"」

 兎角「……特定だと?」

 目一「ミョウジョウ内にはいくつもの監視カメラが張り巡らされている筈ですが、肝心の死体がどこにも見当たらないんですよ。」


この犯人の特定は十一年黒組側からすると、"秘匿しきれば勝利"となる。

複雑そうに見えて、案外単純明快なルールだ。


 鳰「移動可能地域はミョウジョウ学園から半径五キロメートル。場外に一歩でも踏み入れた時点で失格とみなし、黒組としての資格は剥奪されるッス。
 
   期間は無制限。二つの特殊条件が達成された時点で終了ッス。暗殺手段は制限無いッスけど、あくまでも部外者を殺しちゃダメッスよ。"殺しては"、ッスけどね」


主に、この圏内に身内や仲間が存在する人物らはピクりと反応する。

しかし、それでも尚黒組から降りる人間はおらず、全員が無言の肯定の意思を示した。


 鳰「それじゃ、"特別学級"スタートッスよ」


こうして、暗殺者達による己の願いを叶える為の闘争が始まった。

女王を失った蜂達は新たな女王を追い求め、片や女王の死の真相を求める為の。




「原作キャラだけでなく、ソーシャルゲーム「悪魔のリドルAK」のキャラも扱います。
なので、AKキャラクターの方は資料が少なく部分的に設定等オリジナル要素が加わるかと思います。
後者は話の展開で入る事がありますが、この要素目当てで本編を書く訳ではありません。」

すみません、さっそく訂正させていただきます。

「原作キャラだけでなく、ソーシャルゲーム「悪魔のリドルAK」のキャラも扱います。
なので、AKキャラクターの方は資料が少なく部分的に設定等オリジナル要素が加わるかと思いますので、ご了承ください。
エログロ要素は、前者はほぼありません。後者は後者は話の展開で入る事がありますが、この要素目当てで本編を書く訳ではありません。」


こちらが正しい文章でした。1レス目からミスを犯してしまい申し訳ございませんでした。


携帯からです。
ご指摘頂いた通りタイトルからして漢字を間違っておりました。
本文でも間違っているので、スレッド自体を一度建て直ししようと思います。
ご指摘くださりありがとうございます。しっかりと推敲してまた投稿します。

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